JP2004083713A - エチレン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体およびその製造方法 Download PDF

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Takashi Nozaki
野崎 貴司
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Abstract

【課題】分子量分布が狭いにも拘わらず、押出成形時のシャークスキンの発生の抑制されたポリエチレン系重合体、並びに上記特性を有するポリエチレン系重合体を効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】分子量分布(Mw/Mn)が2〜7であり、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトインデックス(MI)と温度190℃で測定した溶融粘度が、式
10×(η0.1/η100)/η>538.4×log[MI]+415
(式中、η100は周波数(ω)100rad/秒での動的溶融粘度、η0.1は周波数(ω)0.1rad/秒での動的溶融粘度、ηは零せん断粘度を示す)の関係を満たすポリエチレン系重合体。
【選択図】 選択図なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン系重合体及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、押出成形時のシャークスキンの発生の抑制されたエチレン系重合体、並びに上記特性を有するエチレン系重合体を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、メタロセン系触媒により、分子量分布および組成分布が非常に狭い、高強度のエチレン系重合体が開発された。しかしながら、これらの一般的なメタロセン系触媒によるエチレン系重合体には、いくつかの欠点があった。例えば、押出成形する場合、分子量分布が狭いために、サメ肌状の肌荒れであるシャークスキンが発生しやすく、きれいな成形物を得るためには、低い押出速度で成形しなければならず、生産能率が低いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、このような事情のもとで、分子量分布が狭いにも拘わらず、押出し温度を上げたり、外部潤滑剤を添加する必要がなく、押出成形時のシャークスキンの発生の抑制されたポリエチレン系重合体、並びに上記特性を有するポリエチレン系重合体を効率よく製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
1)分子量分布(Mw/Mn)が2〜7であり、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトインデックス(MI)と温度190℃で測定した溶融粘度が、式
10×(η0.1/η100)/η>538.4×log[MI]+415
(式中、η100は周波数(ω)100rad/秒での動的溶融粘度、η0.1は周波数(ω)0.1rad/秒での動的溶融粘度、ηは零せん断粘度を示す)
の関係を満たすエチレン系重合体、
2)エチレン系重合体が、非共役ジエンの含有量0.01以上1モル%未満である前記1)に記載のエチレン系重合体、および
3)下記の式(1)で表される遷移金属化合物を用いて、エチレンと非共役ジエンとを共重合させることを特徴とするエチレン系重合体の製造方法。
【0005】
【化2】
Figure 2004083713
【0006】
(式中、Mは、チタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群より選ばれる遷移金属であって、形式酸化数が+2、+3または+4である遷移金属を表し、Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン原子及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、20個までの非水素原子を有する置換基を表し、但し、該置換基Rが炭素数1〜8の炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である時、場合によっては2つの隣接する置換基Rが互いに結合して2価の基を形成し、これにより該2つの隣接する該置換基Rにそれぞれ結合するシクロペンタジエニル環の2つの炭素原子間の結合と共働して環を形成し、
【0007】
X″は、各々独立して、ヒドリド、ハライド、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜18のヒドロカルビルアミノ基、シリル基、炭素数1〜18のヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜18のヒドロカルビルフォスフィド基、炭素数1〜18のヒドロカルビルスルフィド基及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、20個までの非水素原子を有する置換基を表し、但し、場合によっては2つの置換基X″が共働して炭素数4〜30の中性共役ジエンまたは2価の基を形成し、
【0008】
Y’は、−O−、−S−、−NR−または−PR−を表し、但し、Rは、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基、またはこれらの複合基を表し、
ZはSiR 、CR 、SiR SiR 、CR CR 、CR=CR、CR SiR またはGeR を表し、但し、Rは上で定義した通りであり、nは1、2または3である)。
である。
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のエチレン系重合体は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が2〜7である。ここでMwおよびMnは、分子量ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本ウォーターズ社製、商品名150−GPC)を使用し、カラムとしてSHODEX AT−807Sを一本と、TOSO TSK−GEL GMH−6Hを2本つないで使用し、さらに、溶媒として1,2,4−トリクロルベンゼンを使用して、カラム温度140℃で測定した。
【0010】
また本発明のエチレン系重合体は、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトインデックス(MI)と温度190℃で測定した溶融粘度が、式
10×(η0.1/η100)/η>538.4×log[MI]+415
(式中、η100は周波数(ω)100rad/秒での動的溶融粘度、η0.1は周波数(ω)0.1rad/秒での動的溶融粘度、ηは零せん断粘度を示す)
の関係を満たす。
【0011】
ここで溶融粘度の測定には、190℃におけるプレス成型により厚み2mmの平板を作成しこれを25mmφの型で打ち抜いた試験片を使用した。溶融粘度測定の条件は、レオメトリックス社製ARESを用いて、温度190℃の一定温度下で、パラレルプレートを用い、上記試験片を挟み溶融した後、パラレルプレートの間隔を2mmに設定した後歪7%を加え、周波数(ω)が100〜0.1(rad/秒)の範囲で測定を行った。
【0012】
尚、零せん断粘度ηは、周波数(ω)が100〜0.1(rad/秒)の範囲で得られる動的溶融粘度(η)を以下の式に近似することにより求めた。
η=η/[1+(τ・ω)
(式中、τは緩和時間を示す)
尚、この式は一般にCrossの式と呼ばれる実験式で、Glenn V. Gordon, Montgomery T. Shaw, ”Computer Programs for Rheologists”, Hanser Publishersに記載されている。
【0013】
溶融粘度とMIとの関係がこの範囲以外の場合、押出成形時にシャークスキンの発生が認められるようになる。特にMIが1g/分以下と低くなるほどその傾向が激しい。
本発明のエチレン系重合体は、たとえばエチレンと非共役ジエンとの共重合によって得られる。その場合、組成物中の非共役ジエンの含有量としては0.01以上1モル%未満が好ましい。この非共役ジエンの含有量が1モル%以上になると、該組成物は分子量が極めて大きくなるか、ゲル化が生じるため好ましくない。
【0014】
本発明で使用される非共役ジエンとしては特に制限はないが、具体的には1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン等の直鎖状あるいは分岐鎖状の非共役ジエン、ノルボルナジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4−ビニルシクロヘキセン、1,4−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘプタジエン、1,4−シクロオクタジエン等の環状の非共役ジエンが挙げられる。
【0015】
本発明のエチレン系重合体は、チーグラー系触媒、フィリップス系触媒、メタロセン系触媒等を用いることにより製造される。
このうち触媒としては、メタロセン系触媒が好ましい。メタロセン系触媒におけるメタロセンとは、チタン、ジルコニウム等の遷移金属化合物を中心金属とし、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基等の環状不飽和炭化水素基を配位子に持つ金属錯体のことを指し、特に制限はないが共重合性の観点から、下記式(1)の錯体が好ましく用いられる。
【0016】
【化3】
Figure 2004083713
【0017】
(式中、Mは、チタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群より選ばれる遷移金属であって、形式酸化数が+2、+3または+4である遷移金属を表し、Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン原子及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、20個までの非水素原子を有する置換基を表し、但し、該置換基Rが炭素数1〜8の炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である時、場合によっては2つの隣接する置換基Rが互いに結合して2価の基を形成し、これにより該2つの隣接する該置換基Rにそれぞれ結合するシクロペンタジエニル環の2つの炭素原子間の結合と共働して環を形成し、
【0018】
X″は、各々独立して、ヒドリド、ハライド、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜18のヒドロカルビルアミノ基、シリル基、炭素数1〜18のヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜18のヒドロカルビルフォスフィド基、炭素数1〜18のヒドロカルビルスルフィド基及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、20個までの非水素原子を有する置換基を表し、但し、場合によっては2つの置換基X″が共働して炭素数4〜30の中性共役ジエンまたは2価の基を形成し、
【0019】
Y’は、−O−、−S−、−NR−または−PR−を表し、但し、Rは、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基、またはこれらの複合基を表し、
ZはSiR 、CR 、SiR SiR 、CR CR 、CR=CR、CR SiR またはGeR を表し、但し、Rは上で定義した通りであり、nは1、2または3である)。
【0020】
本発明において用いられるメタロセンの具体例としては、以下に示すような化合物が挙げられる。
ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)ネオペンチルジルコニウムヒドリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
【0021】
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジエチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジヒドリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(6−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(7−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(5−メトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス−(4,7−ジメトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、
【0022】
メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジヒドリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル]チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−メチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−フェニルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−ベンジルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル]チタニウムジメチル、
【0023】
[(N−t−ブチルアミド)(η−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−メチルアミド)(η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル]チタニウムジメチル、[(N−メチルアミド)(η−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(η−インデニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−ベンジルアミド)(η−インデニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル等。
【0024】
本発明において用いられるメタロセンの具体例としては、さらに、上に挙げた各ジルコニウム及びチタン化合物の名称の「ジメチル」の部分(これは、各化合物の名称末尾の部分、すなわち「ジルコニウム」または「チタニウム」という部分の直後に現れているものであり、前記式(1)中のX″の部分に対応する名称である)を、以下に掲げる任意のものに替えてできる名称を持つ化合物も挙げられる。
【0025】
「ジベンジル」、「2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル」、「2−ブテン−1,4−ジイル」、「s−トランス−η−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン」、「s−トランス−η−3−メチル−1,3−ペンタジエン」、「s−トランス−η−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン」、「s−トランス−η−2,4−ヘキサジエン」、「s−トランス−η−1,3−ペンタジエン」、「s−トランス−η−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン」、「s−トランス−η−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η−3−メチル−1,3−ペンタジエン」、「s−シス−η−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η−2,4−ヘキサジエン」、「s−シス−η−1,3−ペンタジエン」、「s−シス−η−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン」等。
【0026】
本発明において用いられるメタロセンは、一般に公知の方法で合成できる。本発明において用いられるメタロセンの好ましい合成法の例としては、米国特許第5,491,246号明細書に開示された方法を挙げることができる。
本発明においてこれらは単独で使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、上記重合触媒の存在下に、エチレンと、単量体全量に対して、1モル%以下、好ましくは0.01〜1モル%の非共役ジエンとを共重合させてエチレン系重合体を製造する。重 合条件については、重合温度は触媒活性が損なわれない範囲で高い方が好ましく、通常−100〜300℃、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは10〜180℃の範囲で選ばれる。また重合圧力は常圧〜3MPaの範囲が好ましい。重合方法については特に 制限はなく、スラリー重合法、気相重合法、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよいが、スラリー重合法、気相重合法が特に好ましい。重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ ン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素などを用いることができる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。なお、重合方法によっては無溶媒で行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、実施例によって、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
MIの測定;
JIS K7210に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgの条件下で測定した値で、単位はg/10分である。
溶融粘度の測定;
溶融粘度の測定には、190℃におけるプレス成型により厚み2mmの平板を作成しこれを25mmφの型で打ち抜いた試験片を使用した。
溶融粘度測定の条件は、レオメトリックス社製ARESを用いて、温度190℃の一定温度下で、パラレルプレートを用い、上記試験片を挟み溶融した後、パラレルプレートの間隔を2mmに設定した後歪7%を加え、せん断速度が100〜0.1(rad/sec)の範囲で測定を行った。
【0028】
分子量分布の測定;
分子量ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本ウォーターズ社製、商品名150−GPC)を使用し、カラムとしてSHODEX AT−807Sを一本と、TOSO TSK−GEL GMH−6Hを2本つないで使用し、さらに、溶媒として1,2,4−トリクロルベンゼンを使用して、カラム温度140℃で測定した。
シャークスキンの評価;
上記MIを測定した後に、荷重を21.6kgまで増やして、押出されてきたストランドの表面肌を観察した。
【0029】
【実施例1】
(成分[A]の調製)
1gのシリカP−10[富士シリシア社(日本国)製]を、窒素雰囲気下、400℃で5時間焼成し、脱水した。脱水シリカの表面水酸基の量は、1.4mmol/g−SiOであった。この脱水シリカ1gをヘキサン40ml中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーにトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1M)を1.5ml加え、1時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、トリエチルアルミニウム処理されたシリカと上澄み液とを含み、該トリエチルアルミニウム処理されたシリカの全ての表面水酸基がつぶされている成分[A]を得た。その後、得られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、上澄み液中の未反応のトリエチルアルミニウムを除去した。その後、ヘキサンを適量加え、トリエチルアルミニウム処理されたシリカのヘキサンスラリー50mlを得た。
【0030】
(シリカに担持された触媒の調製)
ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート(以下、「ボレート」と略称する)1.14gをトルエン10mlに添加して溶解し、ボレートの0.1Mトルエン溶液を得た。
このボレートのトルエン溶液にジエチルエトキシアルミニウムの1Mトルエン溶液1mlを室温で加え、さらにトルエンを加えてトルエン溶液中のボレート濃度が50mMとなるようにした。その後、室温で1時間攪拌し、ボレートを含む反応混合物を得た。
【0031】
ボレートを含むこの反応混合物1mlを、上で得られた、成分[A]のスラリー50mlに加え、1時間攪拌し、ボレートを物理吸着によりシリカに担持した。こうして、ボレートを担持したシリカのスラリーが得られた。
得られたスラリーに、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエン(以下、「チタニウム錯体」という)10mmolをアイソパーE[エクソンケミカル社(米国)製の体炭化水素混合物の商品名]100mlに溶解して得られる溶液0.5mlを加え、3時間攪拌し、チタニウム錯体とボレートとを反応させた。こうして、シリカと上澄み液とを含み、触媒活性種が該シリカ上に形成されている反応混合物を得た。
【0032】
(成分[D]の調整)
200mlのフラスコに、ヘキサン40mlとAlMg(C(n−C12で示される有機マグネシウム化合物をMg+Alとして37.8mmol加え、25℃でメチルヒドロポリシロキサン(粘度20センチストークス@25℃)2.27gを含有するヘキサン40mlを添加し、その後80℃に温度を上げて3時間、攪拌下に反応させることにより、成分[D]を得た。
【0033】
(エチレンと1、7−オクタジエンとの共重合)
容量1.8lのオートクレーブにヘキサン800mlを入れ、上で得られた成分[D]をMg+Alとして0.2mmol加えた。このオートクレーブに加圧されたエチレンを入れてオートクレーブの内圧を1MPaに高め、さらに水素50Nmlと1,7−オクタジエン0.5mlをオートクレーブに入れた。次いで、オートクレーブの内温を70℃に高め、上で得られたシリカに担持された触媒のスラリーを、触媒の重量が50mgとなるような量だけオートクレーブに加え、エチレンと1、7−オクタジエンとの共重合を開始した。オートクレーブの内圧が1MPaに維持されるようにエチレンをオートクレーブに加えながら、60分間共重合を行った。
【0034】
共重合終了後、オートクレーブから反応混合物(コポリマーのスラリー)を抜き出し、メタノールで触媒を失活させた。冷却後のガスクロマトグラフィー分析では、液相には1,7−デカジエンは認められなかった。その後、反応混合物を濾過、洗浄、乾燥し、コポリマーの乾燥粉末152gを得た。得られたコポリマーの物性を表1に示した。図1の上段図に示したように、MI測定後に得られたストランドの表面肌はきれいなものであり、シャークスキンの発生は認められなかった。
【0035】
【実施例2】
1,7−オクタジエンの添加量を0.1mlにした以外は実施例1と同様に行った。重合後、コポリマーの乾燥粉末166gを得た。尚、冷却後のガスクロマトグラフィー分析では、液相には1,7−デカジエンは認められなかった。得られたコポリマーの物性を表1に示した。図1の中段図に示したように、MI測定後に得られたストランドの表面肌はきれいなものであり、シャークスキンの発生は認められなかった。
【0036】
【比較例1】
1,7−オクタジエンを使用せずに重合を行った以外は実施例1と同様に行った。重合後、コポリマーの乾燥粉末170gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示した。図1の下段図に示したように、MI測定後に得られたストランドの表面肌はがさがさであり、シャークスキンの発生が認められた。
【0037】
【表1】
Figure 2004083713
【0038】
【発明の効果】
本発明のエチレン系重合体は、分子量分布が狭いにも拘わらず、押出し温度を上げたり、外部潤滑剤を添加する必要も無く、押出成形時のシャークスキンの発生の抑制されたエチレン系重合体であり、上記特性を有するエチレン系重合体を効率よく製造する方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】上段図は、実施例1で得られたMI測定ストランド表面写真、中段図は実施例2で得られたMI測定ストランド表面写真、下段図は比較例1で得られたMI測定ストランド表面写真である。

Claims (3)

  1. 分子量分布(Mw/Mn)が2〜7であり、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトインデックス(MI)と温度190℃で測定した溶融粘度が、式
    10×(η0.1/η100)/η>538.4×log[MI]+415
    (式中、η100は周波数(ω)100rad/秒での動的溶融粘度、η0.1は周波数(ω)0.1rad/秒での動的溶融粘度、ηは零せん断粘度を示す)
    の関係を満たすエチレン系重合体。
  2. エチレン系重合体が、非共役ジエンの含有量0.01以上1モル%未満である前記請求項1に記載のエチレン系重合体。
  3. 下記の式(1)で表される遷移金属化合物を用いて、エチレンと非共役ジエンとを共重合させることを特徴とするエチレン系重合体の製造方法。
    Figure 2004083713
    (式中、Mは、チタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群より選ばれる遷移金属であって、形式酸化数が+2、+3または+4である遷移金属を表し、Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン原子及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、20個までの非水素原子を有する置換基を表し、但し、該置換基Rが炭素数1〜8の炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である時、場合によっては2つの隣接する置換基Rが互いに結合して2価の基を形成し、これにより該2つの隣接する該置換基Rにそれぞれ結合するシクロペンタジエニル環の2つの炭素原子間の結合と共働して環を形成し、
    X″は、各々独立して、ヒドリド、ハライド、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜18のヒドロカルビルアミノ基、シリル基、炭素数1〜18のヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜18のヒドロカルビルフォスフィド基、炭素数1〜18のヒドロカルビルスルフィド基及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、20個までの非水素原子を有する置換基を表し、但し、場合によっては2つの置換基X″が共働して炭素数4〜30の中性共役ジエンまたは2価の基を形成し、
    Y’は、−O−、−S−、−NR−または−PR−を表し、但し、Rは、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基、またはこれらの複合基を表し、
    ZはSiR 、CR 、SiR SiR 、CR CR 、CR=CR、CR SiR またはGeR を表し、但し、Rは上で定義した通りであり、nは1、2または3である)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010242056A (ja) * 2009-03-19 2010-10-28 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリエチレン系樹脂製無架橋押出発泡シート

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