JP2004082246A - ワイヤ放電加工用電極線 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、安価でかつ高速加工用電極線を得る為に、従来の亜鉛コーティング電極線の加工速度が、若干劣るという問題点を解決し、従来の加工速度より、更に向上させることが課題である。
【解決手段】第1に亜鉛35〜40wt%の銅−亜鉛合金を心材とし、この心材の上に亜鉛めっきをコーティングした後に熱処理をすることによって、亜鉛50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を形成すると同時に、その上に亜鉛50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を設け、第2に、第1の50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の0.3〜1.0%であり、第3に第1の50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の1.2〜1.5%であるワイヤ放電加工用電極線。
【選択図】 図1
【解決手段】第1に亜鉛35〜40wt%の銅−亜鉛合金を心材とし、この心材の上に亜鉛めっきをコーティングした後に熱処理をすることによって、亜鉛50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を形成すると同時に、その上に亜鉛50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を設け、第2に、第1の50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の0.3〜1.0%であり、第3に第1の50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の1.2〜1.5%であるワイヤ放電加工用電極線。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ワイヤ放電加工用電極線に関するもので、特に、安価で、かつ切削物を削り取る加工速度の向上を可能にする高速加工用電極線の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤ放電加工とは、ワイヤ放電加工用電極線と切削物との間で放電現象を起こさせ、切削物を糸のこ式に加工する加工方法で、複雑な形状の加工に適した加工方法である。この様なワイヤ放電加工用電極線には、加工コストを抑えることが出来るように高速加工が可能で、かつ安価な電極線が望まれてきた。又、使い勝手という面からは、無人加工に対応が出来、自動結線を可能にする電極線や断線等が発生しない電極線も望まれてきた。
従来の放電加工用電極線1′は、図2(イ)に示すように、十分な特性が得られないまでもそのコストメリットの良さから亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金の心材2′からなる単層構造のワイヤ放電加工用電極線1′が主流となり、広く一般的に使用されてきた。しかし、亜鉛35〜40wt%を含有する銅−亜鉛合金からなる電極線1′は、構造が単層であるので、コスト的には申し分ないが、切削物を削り取る加工速度の高速化というという面からみると必ずしも十分であるとはいえない。一般に、亜鉛含有量が高くなればなる程、切削物を削り取る加工速度が速くなることは周知の事実であるが、亜鉛濃度が40wt%を越えてしまうと伸線加工性が極端に悪くなり、伸線加工が困難となってしまう為、電極線の消耗部分である表層のみを高亜鉛な銅−亜鉛合金状態にする電極線が高速加工用電極線が現在実用化されている。近年、金型納期の短縮化を図る目的で、この高速加工用電極線が各社より開発・製品化に至っている。しかしながら、これら高速用電極線は、構造が複雑で、高価であるという欠点があった。
従って、図2(ロ)に示すように、亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金からなる心材2″に亜鉛めっき層3″を施した2層構造の亜鉛コーティング電極線1″が、加工速度は、若干劣るもののコストメリットの面から、現在市場で広まりつつある。この亜鉛コーティング電極線1″は、図2(ロ)から明らかなように、銅−亜鉛合金からなる心材に電気めっき又は溶融めっきにて亜鉛をコーティングし、所定の外径に伸線加工するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安価でかつ高速加工用電極線を得る為に、従来の亜鉛コーティング電極線の加工速度が、若干劣るという問題点を解決し、従来の加工速度より、更に向上させることが課題である。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、これらの問題を解決する為に、鋭意検討した結果、第1に亜鉛35〜40wt%の銅−亜鉛合金を心材とし、この心材の上に亜鉛めっきをコーティングした後に熱処理をすることによって、亜鉛50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を形成すると同時に、その上に亜鉛50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を設け、第2に、第1の50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の0.3〜1.0%であり、第3に第1の50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の1.2〜1.5%であるワイヤ放電加工用電極線である。
【0005】
【発明の実施の形態】
【発明の実施形態】
本発明のワイヤ放電加工用電極線について具体的に説明する。
【0006】
本発明のワイヤ放電加工用電極線1の第1番目としては、図1(イ)に示すような構造で、第1に亜鉛35〜40wt%の銅−亜鉛合金を心材とし、この心材の上に亜鉛めっきをコーティングした後に熱処理をすることによって、亜鉛50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を形成すると同時に、その上に亜鉛50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を設けたものである。次に、第2番目としては、第1番目の50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の0.3〜1.0%である。第3番目は、第1番目の50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の1.2〜1.5%である。後に具体的実施例で触れるが、本発明の亜鉛めっき後に熱処理するサンプルを5種類作成して、1〜3秒間滞在させて行った結果、3秒間の場合が、好ましい結果を示した。このように、電気亜鉛めっきを施した後に熱処理することで加工速度が上昇することを確認した。この加工速度の上昇理由は明確に解明はされていないが、熱処理を行うことで、図1(ロ)に示すように、心材と亜鉛めっきの界面が相互拡散し、心材の表層及び亜鉛めっきの界面が高亜鉛な銅−亜鉛合金層が新たに形成され、高速加工に不可欠な高亜鉛域が広がり、高速加工に寄与した為と推論する。次に、厚さを変えた数種類のサンプルについて実施をした結果、上に述べた値が好ましい結果を示した。
次に、具体的実施例を挙げて下記に説明する。
【0007】
【実施例1】
亜鉛37wt%を含有するφ0.90mmの銅−亜鉛合金ワイヤの外層に亜鉛めっきを厚さ14μmでコーティングし、次に、そのワイヤを500℃前後の雰囲気中に亜鉛が溶融しないように数秒間滞在させながら熱処理することによって、高亜鉛な銅−亜鉛合金層を生成する。この時、最適な熱処理時間を選定する為に、処理時間0.5秒、1秒、3秒、5秒の4種類の本発明のサンプル及び比較の為の従来電極線として熱処理なしのサンプルを作成した。これらサンプルをワイヤ放電加工機にセットし、下記に示す表1記載の条件で、加工し、切削物を削りとる加工速度を計測した。ワイヤ線径は、0.25mmである。
【0008】
【表1】
【0009】
表2は、本発明の製造方法で作製した本発明電極線と従来製造方法で作製した従来電極線にて、熱処理後の電極線の表面状態及び切削物を削り取る加工速度評価結果である。加工速度は従来電極線を100%とした。
【0010】
【表2】
【0011】
表2から明らかなように、本発明の電極線は、表面状態が変化しないレベルにおいて500℃の雰囲気中3秒前後の熱処理で加工速度向上のピークがあることがわかる。亜鉛35〜40wt%、を含有する銅亜鉛合金からなる電極線と熱処理時間0秒の従来電極線を比較した場合、約15%の加工速度の向上が確認されていることから、本発明は、トータルとして約20%程度向上することが可能になる。又、各サンプルをEPMA(電子線マイクロアナリシス)にて定量分析してみると、No.2は拡散が確認出来ず、No.4で亜鉛濃度55wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金が約1.8μm程生成されていることが判明した。
【0012】
今迄、代表例として銅合金からなる心材に電気めっきにて亜鉛をコーティングすることによって得られるワイヤ放電加工機用電極線において、亜鉛めっき後に熱処理することで心材と亜鉛の界面を相互拡散させ極薄の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を生成する代表的なワイヤ放電加工用電極線ついて説明してきたが、必ずしもこの電極線に限るものではなく、条件設定の変更に伴う多少の変形例でも一向に構わず、本発明の範囲内であることはいうまでもない。
【0013】
【発明の効果】
以上説明の様に本発明によれば、銅合金からなる心材に電気めっきにて亜鉛をコーティングすることによって得られるワイヤ放電加工機用電極線において、亜鉛めっき後に熱処理することで心材と亜鉛の界面を相互拡散させ極薄の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を生成し安価に加工速度を向上させることを特徴としたワイヤ放電加工用電極線であり、従来のワイヤより高速で安価なワイヤ放電加工用電極線を得ることが可能となり、その工業的価値は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ) 本発明のワイヤ放電加工用電極線1の構造断面図である。
(ロ) 本発明のワイヤ放電加工用電極線1のA−A′線断面における亜鉛濃度に関する説明図である。
【図2】(イ)亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金の単層構造からなる心材2′の従来のワイヤ放電加工用電極線1′の断面図である。
(ロ)亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金の心材2″と亜鉛めっき層3″の2層構造からなる従来の亜鉛コーティング電極線1″の断面図である。
【符号の説明】
1 本発明のワイヤ放電加工用電極線
2 亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金からなる心材
3 50wt%以上の高亜鉛な銅ー亜鉛合金層
4 50〜100wt%の高亜鉛な銅ー亜鉛合金層
1′ 従来のワイヤ放電加工用電極線
2′ 亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金からなる心材
1″ 従来の亜鉛コーティング電極線
2″ 亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金からなる心材
3″ 亜鉛めっき層
【発明が属する技術分野】
本発明は、ワイヤ放電加工用電極線に関するもので、特に、安価で、かつ切削物を削り取る加工速度の向上を可能にする高速加工用電極線の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤ放電加工とは、ワイヤ放電加工用電極線と切削物との間で放電現象を起こさせ、切削物を糸のこ式に加工する加工方法で、複雑な形状の加工に適した加工方法である。この様なワイヤ放電加工用電極線には、加工コストを抑えることが出来るように高速加工が可能で、かつ安価な電極線が望まれてきた。又、使い勝手という面からは、無人加工に対応が出来、自動結線を可能にする電極線や断線等が発生しない電極線も望まれてきた。
従来の放電加工用電極線1′は、図2(イ)に示すように、十分な特性が得られないまでもそのコストメリットの良さから亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金の心材2′からなる単層構造のワイヤ放電加工用電極線1′が主流となり、広く一般的に使用されてきた。しかし、亜鉛35〜40wt%を含有する銅−亜鉛合金からなる電極線1′は、構造が単層であるので、コスト的には申し分ないが、切削物を削り取る加工速度の高速化というという面からみると必ずしも十分であるとはいえない。一般に、亜鉛含有量が高くなればなる程、切削物を削り取る加工速度が速くなることは周知の事実であるが、亜鉛濃度が40wt%を越えてしまうと伸線加工性が極端に悪くなり、伸線加工が困難となってしまう為、電極線の消耗部分である表層のみを高亜鉛な銅−亜鉛合金状態にする電極線が高速加工用電極線が現在実用化されている。近年、金型納期の短縮化を図る目的で、この高速加工用電極線が各社より開発・製品化に至っている。しかしながら、これら高速用電極線は、構造が複雑で、高価であるという欠点があった。
従って、図2(ロ)に示すように、亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金からなる心材2″に亜鉛めっき層3″を施した2層構造の亜鉛コーティング電極線1″が、加工速度は、若干劣るもののコストメリットの面から、現在市場で広まりつつある。この亜鉛コーティング電極線1″は、図2(ロ)から明らかなように、銅−亜鉛合金からなる心材に電気めっき又は溶融めっきにて亜鉛をコーティングし、所定の外径に伸線加工するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安価でかつ高速加工用電極線を得る為に、従来の亜鉛コーティング電極線の加工速度が、若干劣るという問題点を解決し、従来の加工速度より、更に向上させることが課題である。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、これらの問題を解決する為に、鋭意検討した結果、第1に亜鉛35〜40wt%の銅−亜鉛合金を心材とし、この心材の上に亜鉛めっきをコーティングした後に熱処理をすることによって、亜鉛50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を形成すると同時に、その上に亜鉛50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を設け、第2に、第1の50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の0.3〜1.0%であり、第3に第1の50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の1.2〜1.5%であるワイヤ放電加工用電極線である。
【0005】
【発明の実施の形態】
【発明の実施形態】
本発明のワイヤ放電加工用電極線について具体的に説明する。
【0006】
本発明のワイヤ放電加工用電極線1の第1番目としては、図1(イ)に示すような構造で、第1に亜鉛35〜40wt%の銅−亜鉛合金を心材とし、この心材の上に亜鉛めっきをコーティングした後に熱処理をすることによって、亜鉛50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を形成すると同時に、その上に亜鉛50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を設けたものである。次に、第2番目としては、第1番目の50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の0.3〜1.0%である。第3番目は、第1番目の50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の1.2〜1.5%である。後に具体的実施例で触れるが、本発明の亜鉛めっき後に熱処理するサンプルを5種類作成して、1〜3秒間滞在させて行った結果、3秒間の場合が、好ましい結果を示した。このように、電気亜鉛めっきを施した後に熱処理することで加工速度が上昇することを確認した。この加工速度の上昇理由は明確に解明はされていないが、熱処理を行うことで、図1(ロ)に示すように、心材と亜鉛めっきの界面が相互拡散し、心材の表層及び亜鉛めっきの界面が高亜鉛な銅−亜鉛合金層が新たに形成され、高速加工に不可欠な高亜鉛域が広がり、高速加工に寄与した為と推論する。次に、厚さを変えた数種類のサンプルについて実施をした結果、上に述べた値が好ましい結果を示した。
次に、具体的実施例を挙げて下記に説明する。
【0007】
【実施例1】
亜鉛37wt%を含有するφ0.90mmの銅−亜鉛合金ワイヤの外層に亜鉛めっきを厚さ14μmでコーティングし、次に、そのワイヤを500℃前後の雰囲気中に亜鉛が溶融しないように数秒間滞在させながら熱処理することによって、高亜鉛な銅−亜鉛合金層を生成する。この時、最適な熱処理時間を選定する為に、処理時間0.5秒、1秒、3秒、5秒の4種類の本発明のサンプル及び比較の為の従来電極線として熱処理なしのサンプルを作成した。これらサンプルをワイヤ放電加工機にセットし、下記に示す表1記載の条件で、加工し、切削物を削りとる加工速度を計測した。ワイヤ線径は、0.25mmである。
【0008】
【表1】
【0009】
表2は、本発明の製造方法で作製した本発明電極線と従来製造方法で作製した従来電極線にて、熱処理後の電極線の表面状態及び切削物を削り取る加工速度評価結果である。加工速度は従来電極線を100%とした。
【0010】
【表2】
【0011】
表2から明らかなように、本発明の電極線は、表面状態が変化しないレベルにおいて500℃の雰囲気中3秒前後の熱処理で加工速度向上のピークがあることがわかる。亜鉛35〜40wt%、を含有する銅亜鉛合金からなる電極線と熱処理時間0秒の従来電極線を比較した場合、約15%の加工速度の向上が確認されていることから、本発明は、トータルとして約20%程度向上することが可能になる。又、各サンプルをEPMA(電子線マイクロアナリシス)にて定量分析してみると、No.2は拡散が確認出来ず、No.4で亜鉛濃度55wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金が約1.8μm程生成されていることが判明した。
【0012】
今迄、代表例として銅合金からなる心材に電気めっきにて亜鉛をコーティングすることによって得られるワイヤ放電加工機用電極線において、亜鉛めっき後に熱処理することで心材と亜鉛の界面を相互拡散させ極薄の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を生成する代表的なワイヤ放電加工用電極線ついて説明してきたが、必ずしもこの電極線に限るものではなく、条件設定の変更に伴う多少の変形例でも一向に構わず、本発明の範囲内であることはいうまでもない。
【0013】
【発明の効果】
以上説明の様に本発明によれば、銅合金からなる心材に電気めっきにて亜鉛をコーティングすることによって得られるワイヤ放電加工機用電極線において、亜鉛めっき後に熱処理することで心材と亜鉛の界面を相互拡散させ極薄の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を生成し安価に加工速度を向上させることを特徴としたワイヤ放電加工用電極線であり、従来のワイヤより高速で安価なワイヤ放電加工用電極線を得ることが可能となり、その工業的価値は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ) 本発明のワイヤ放電加工用電極線1の構造断面図である。
(ロ) 本発明のワイヤ放電加工用電極線1のA−A′線断面における亜鉛濃度に関する説明図である。
【図2】(イ)亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金の単層構造からなる心材2′の従来のワイヤ放電加工用電極線1′の断面図である。
(ロ)亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金の心材2″と亜鉛めっき層3″の2層構造からなる従来の亜鉛コーティング電極線1″の断面図である。
【符号の説明】
1 本発明のワイヤ放電加工用電極線
2 亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金からなる心材
3 50wt%以上の高亜鉛な銅ー亜鉛合金層
4 50〜100wt%の高亜鉛な銅ー亜鉛合金層
1′ 従来のワイヤ放電加工用電極線
2′ 亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金からなる心材
1″ 従来の亜鉛コーティング電極線
2″ 亜鉛35〜40wt%を有する銅−亜鉛合金からなる心材
3″ 亜鉛めっき層
Claims (3)
- 亜鉛35〜40wt%の銅−亜鉛合金を心材とし、この心材の上に亜鉛めっきをコーティングした後に熱処理をすることによって、亜鉛50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を形成すると同時に、その上に亜鉛50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層を設けたことを特徴とするワイヤ放電加工用電極線。
- 請求項1の50wt%以上の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の0.3〜1.0%であることを特徴とするワイヤ放電加工用電極線。
- 請求項1の50〜100wt%の高亜鉛な銅−亜鉛合金層の厚さが、トータル外径の1.2〜1.5%であることを特徴とするワイヤ放電加工用電極線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002244977A JP2004082246A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | ワイヤ放電加工用電極線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002244977A JP2004082246A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | ワイヤ放電加工用電極線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004082246A true JP2004082246A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32053302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002244977A Pending JP2004082246A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | ワイヤ放電加工用電極線 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004082246A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008296298A (ja) * | 2007-05-30 | 2008-12-11 | Oki Electric Cable Co Ltd | ワイヤ放電加工用電極線 |
WO2009028117A1 (ja) * | 2007-12-10 | 2009-03-05 | Oki Electric Cable Co., Ltd. | ワイヤ放電加工用電極線、その製造方法及びその母線製造装置 |
JP2012232402A (ja) * | 2011-04-29 | 2012-11-29 | Ki-Chul Seong | 放電加工用電極線およびその製造方法 |
-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002244977A patent/JP2004082246A/ja active Pending
Cited By (8)
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JP2016093887A (ja) * | 2011-04-29 | 2016-05-26 | ソン、キ−チュル | 放電加工用電極線の製造方法 |
JP2016117154A (ja) * | 2011-04-29 | 2016-06-30 | ソン、キ−チュル | 放電加工用電極線 |
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