JP2004080019A - エネルギー蓄積デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

 【課題】 内部抵抗の上昇を抑制したエネルギー蓄積デバイスおよびその製造方法を提供する。
 【解決手段】 一対の電極4,5と、前記一対の電極4,5間に介在されたセパレータ3と、一対の集電体2a,2bと、前記一対の各電極4,5と前記一対の各集電体2a,2bとの間にそれぞれ介在された一対の導電層6と、電解液とを備えるエネルギー蓄積デバイスにおいて、前記一対の前記導電層6の少なくとも一方の導電層6は、少なくとも一方向に長い非球状の導電性粒子を含むものであり、導電性粒子としては、鱗状黒鉛の粒子が好ましい。
 【選択図】 図1

Description

 本発明は、電気化学キャパシタや電池などのエネルギー蓄積デバイス及びその製造方法に関する。
 従来、エネルギー蓄積デバイスとして代表的なものに、電気化学キャパシタ、及び電池があり、それぞれの特徴を生かした市場において既に使用されている。
 電気化学キャパシタには、活性炭を分極性電極として用い、活性炭細孔表面と電解液との界面に形成される電気二重層のみを利用した電気二重層キャパシタ、あるいは、酸化ルテニウムなど連続的に価数が変化する遷移金属酸化物やドーピング可能な導電性高分子を用いたレドックスキャパシタなどがある。
 また、電池は、活物質のインターカーレーションや化学反応を利用し、充放電可能な二次電池、または、基本的に1度放電してしまえば再充電不可能な一次電池に大別される。
 このような種々のエネルギー蓄積デバイス全てに共通する最も基本的な構成は、その原理上エネルギーを放出可能な活物質を主に含む電極であるが、さらに、この電極に蓄積されたエネルギーを外部に取り出すために、電極と電気的に接続し、電子伝導性を持つ集電体を必要とする。 
 集電体は、活物質のエネルギーを高効率で伝播する必要があるため、一般的にアルミニウム、銅、ステンレスなど非常に抵抗の低い金属材料を用いるが、硫酸水溶液など金属腐食性を持つ電解液を使用する場合には、導電性を付与したゴム系材料などを用いる場合がある。
エネルギー蓄積デバイスにおける抵抗成分は、電子抵抗、イオン抵抗の大きく二つに分かれる。さらに電子抵抗も様々な要因に支配されているが、特にデバイスの使用中に上昇が顕著であるのが、電極と集電体との間の接触抵抗である。
 そこで、その接触抵抗を減少、さらには使用中の上昇を抑制するために、電極と集電体との間に新たな導電層を形成することが考案された。
 二次電池では、微粉末の炭素を水に懸濁させたコロイド状炭素含有液を、正極端子を兼ねた金属製の電池容器の内面に塗布し、乾燥した後に正極を設けるものがある(例えば、特許文献1参照)。
 この技術は、さらに改良され、導電層中に含まれるバインダーの比率を、電極中のそれよりも高くすることによって、電極中に含まれる活物質の膨張・収縮に起因する密着性減少を抑制するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。また、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースを用いることにより、密着性を高めると共に高率放電特性を改善するようにしたものもある(例えば、特許文献3参照)。
 一方、電気二重層キャパシタでは、電極とこれに接触する金属ケ−スとの間、および、電極とこれに接触する金属蓋との間に、黒鉛、カ−ボンブラック等の導電層を介層するものがある(例えば、特許文献4参照)。
 この技術は、さらに改良され、導電層に用いられる導電剤の粒子径を、電極に用いられる活性炭粒径より大きなものと小さなものを混ぜたもので構成することにより、接触点数を増やして電極との接触抵抗を減少させる方法もある(例えば、特許文献5参照)。
特開昭56−38770号公報 特開平10−144298号公報 特開2002−42888号公報 特開昭59−3915号公報 特開平6−84699号公報
 近年、エネルギー蓄積デバイスの用途がポータブル機器に適用されるに伴い、以下の2つの要求が新たに発生した。
 即ち、その第1は、機器が小型化するに従いエネルギー蓄積デバイスの占める割合が大きくなり、従来よりもはるかに重量、または体積あたりに貯蔵できるエネルギー量、即ちエネルギー密度を上昇させてエネルギー蓄積デバイスを同特性で小型化する必要が生じたこと、また、第2は、機器の小型化に伴って、エネルギー蓄積デバイスを交換するための機構や配置のスペースが制約され、エネルギー蓄積デバイスが交換を前提とした設計から基板等に実装する必要が生じたことである。
 第1のエネルギー密度上昇の要求に対しては、使用する材料、プロセスの開発により必要とする耐電圧を高める、すなわち、高耐圧化することで、また、第2の実装の要求に対しては、リフロー半田付け可能な高耐熱化を実現することで対応することが試みられてきた。
 しかし、これら2つの対応策によって、エネルギー蓄積デバイス、特に、上述の電気二重層キャパシタにおいては、これまでの仕様では表面化しなかった新たな課題が発生した。それは、リフロー半田付け時に、数秒から数十秒とはいえ数百度というこれまで想定していなかった高温に暴露されることによる内部抵抗の上昇、及び、高耐圧で長時間使用する際に集電体表面の漏れ電流増加とそれによる内部抵抗の急速な上昇である。
 これらリフロー時、あるいは、高耐圧使用時の内部抵抗の上昇は、我々の様々な検討結果により、電極と集電体との接触抵抗が大きな割合を占めることが明らかになってきたが、既に公知である電極と集電体との接合面との間に、球状黒鉛などの炭素系導電層を設けることを試みたが、本質的な解決には至らなかった。また、先に述べた改良された公知文献で開示された技術においても、耐リフローの観点から記載されたものは皆無であった。
 したがって、本発明の主たる目的は、内部抵抗の上昇を抑制したエネルギー蓄積デバイスおよびその製造方法を提供することである。
本発明では、上述の目的を達成するために、次のように構成している。
本発明のエネルギー蓄積デバイスは、一対の電極と、前記一対の電極間に介在されたセパレータと、一対の集電体と、前記一対の各電極と前記一対の各集電体との間にそれぞれ介在された一対の導電層と、電解液とを備えるエネルギー蓄積デバイスにおいて、前記一対の前記導電層の少なくとも一方の導電層は、少なくとも一方向に長い非球状の導電性粒子を含むものである。
本発明は、好ましくは、前記導電性粒子が、鱗状黒鉛である。
 本発明のエネルギー蓄積デバイスの製造方法は、一対の電極と、前記一対の電極間に介在されたセパレータと、一対の集電体と、前記一対の各電極と前記一対の各集電体との間にそれぞれ介在された一対の導電層と、電解液とを備えるエネルギー蓄積デバイスの製造方法において、少なくとも一方向に長い非球状の導電性粒子を、バインダー及び溶媒とともに混練して導電層用ペーストを作製する工程と、得られた導電層用ペーストを集電体上に塗布する工程と、得られたペースト塗布層を乾燥させる工程と、乾燥された導電層上に電極を電気的に接続する工程を含むものである。
 また、本発明のエネルギー蓄積デバイスの製造方法は、一対の電極と、前記一対の電極間に介在されたセパレータと、一対の集電体と、前記一対の各電極と前記一対の各集電体との間にそれぞれ介在された一対の導電層と、電解液とを備えるエネルギー蓄積デバイスの製造方法において、少なくとも一方向に長い非球状の導電性粒子を、バインダー及び溶媒とともに混練して導電層用ペーストを作製する工程と、得られた導電層用ペーストを集電体上に塗布する工程と、得られたペースト塗布層を乾燥させずに電極を付着させる工程と、電極と集電体とを導電層用ペーストを介して一体化したものを乾燥させる工程を含むものである。
 本発明によれば、電極と集電体との間の導電層は、少なくとも一方向に長い非球状の導電性粒子、例えば、鱗状黒鉛の粒子を含んでいるので、従来の球状黒鉛に比べて、鱗状黒鉛粒子相互間、鱗状黒鉛粒子と集電体との間、および/または、鱗状黒鉛と電極との間の接触面積が増大し、内部抵抗を減少させることができるとともに、リフロー時の高温暴露時、あるいは、高耐圧で長時間使用する際の内部抵抗の上昇を抑制することができる。
 また、集電体がより広範囲に導電性粒子、乃至は導電層用ペーストに含まれる樹脂によって被覆されるため、集電体と電解液の接触面積を減少させ、漏れ電流を抑制することによって劣化速度を遅くすることができる。
 さらには、リフロー時の高温暴露時、あるいは、高耐圧で長時間使用する際において、電解液と導電層との間で化学反応が生じたとしても、従来の球状黒鉛のように、反応生成物が球状黒鉛の周囲に生成付着するのではなく、鱗状黒鉛粒子の長手方向の端部に生成付着するので、球状黒鉛に比べて、反応生成物が生成付着する領域が少なくなり、内部抵抗の上昇を抑制できるとともに、接合強度を高めることができる。
 以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
 図1は、本発明に係るエネルギー蓄積デバイスとしてのコイン型電気二重層キャパシタの断面図である。
 この実施の形態のコイン型のエネルギー蓄積デバイス1は、一対の分極性の電極4,5と、前記一対の電極4,5の間に介在されたセパレータ3と、電極4,5それぞれに電気的に接続された一対の集電体2a、2b(それぞれ正極ケース、負極ケースを兼ねる)と、電解液(図示せず)を有している。なお、7はガスケットである。
 なお、リフローによって、基板20に実装するタイプの場合には、図2に示すように、矩形板状のリード板としての正極タブ21aと、屈曲した矩形板状のリード板として負極タブ21bとが、それぞれ電極4,5にスポット溶接などによって取付けられる。
 ここで、リフローとは、コイン型電気二重層キャパシタのような電子部品や電池(以下デバイス)を、個々に基板上に半田付けするのではなく、予め複数のデバイスの全ての半田付けする部分に、未溶融の半田を載せておき、基板と共に半田溶融温度以上に加熱して複数のデバイスを一斉に半田付けする手法のことで、大幅な製造時間短縮を実現するものである。このリフロー時には、図3の代表的な温度プロファイルに示されるように、基板全体、及び個々のデバイスが、例えば150℃程度の予熱の後に、短時間とはいえ、例えば240℃という高温に晒されることになる。
 図1においては、集電体2a、2bがケース2を兼ねているが、必要によっては異種金属を張り合わせたクラッド材を使用することができる。この場合には、電極側、すなわち内面側の金属のみが集電体としての機能を果たすことになる。
 電極4,5は、一般に活物質、導電材、結合材より構成される。活物質は、要求されるエネルギー密度、耐電圧、出力密度、低温特性などから、種々の物質を用いることができる。
 例えば、出力密度、低温特性が必要な場合であって、充放電可能な電気二重層キャパシタとして機能させるためには、活物質として活性炭を用いればよい。
 また、エネルギー密度が必要な場合であって、充放電可能なリチウムイオン二次電池として機能させるためには、正極はコバルト酸リチウムなどのリチウム酸化金属、負極はグラファイトなどを用いればよい。
 1回の放電でよいリチウムイオン一次電池として機能させるためには、正極にリチウム酸化金属、負極に金属リチウムなどを選択することができる。
 一方、電極に用いられる導電剤、及び結合材は、エネルギー蓄積デバイスの種類には原理的に依存せず、一般的には、導電材としてカーボンブラックが、結合材としてフッ素系樹脂、ゴム系樹脂などが用いられる。但し、導電剤、結合材、共に使用する電圧範囲や、温度等により劣化しない材料を選択する必要がある。
 セパレータ3も、同様にエネルギー蓄積デバイスの種類には原理的に依存しないが、特にリフロー対応が必要とされる場合には、耐熱性が要求される。耐熱性が必要でない場合には、ポリプロピレンなどを用いることができ、耐熱性が必要な場合には、セルロース系のものを用いることができる。
 集電体2a,2bは、アルミニウム、ステンレス等の金属を用いることができるが、それらのクラッド材であってもよい。
 電解液は、エネルギー蓄積デバイスの種類によって、異なる材料を選ぶ必要がある。溶媒としては、使用電圧範囲によって電気化学的分解が起こらないよう、適切な電位窓を持ったものを選択する必要がある。一般的なプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、あるいはそれらの混合溶媒を用いることができるが、リフロー対応が必要な場合には、リフロー時に電解液が沸騰しないよう、スルフォランなどの高沸点溶媒を用いる必要がある。電解質としては、様々な公知の材料、例えば電気二重層キャパシタ用途としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、リチウムイオン二次電池用途としてはリチウムペンタフルオロフォスフェートなどを用いることができる。
 この実施の形態では、内部抵抗を抑制するために、上述のエネルギー蓄積デバイスの一般的な構成に加えて、電極4と集電体2aの接合面、及び電極5と集電体2bの接合面の少なくとも一方、この実施の形態では両方に、一方向に長い非球状の導電性粒子を含む炭素系導電層6が形成されている。
 一方向に長い非球状の導電性粒子の形状としては、例えば、鱗(鱗片)状、楕円球状(フットボール状)、長ナス状、どんぐり状、矩形板状などの種々の形状を含むものであり、扁平した非球状であってもよい。また、導電性粒子は、複数方向に長い形状であってもよいが、好ましい例としては、3軸(X,Y,Z)方向の内の1軸方向が、他の2軸方向に比べ顕著に短い、即ち鱗状、円盤状が挙げられる。
 導電性粒子の材料の種類としては、炭素系材料、金属材料など電子伝導性が高ければ特に限定されるものではないが、エネルギー蓄積デバイス中で安定に存在しえるためには、炭素系材料がより好適である。
 また、炭素系材料の中では、特に鱗状黒鉛がコスト上好適である。なぜならば、鱗状黒鉛は、天然の材料であり、人工黒鉛のように出発原料を炭化する必要も無く、製造も容易で、形状も既に未加工の状態で鱗状をしているからである。
 但し、鱗状黒鉛は、グラファイト構造を有するため、リチウムイオン二次電池の負極側の導電性粒子としては好ましくない。なぜなら、充電時にリチウム原子がインターカーレートすることにより活物質と同様の現象が起こり、層間距離が変化して導電性粒子同士、あるいは電極体や集電体との接触性が低下するという問題があるからであり、このことは特開平10−144298号公報にも記載されている。
 一方、動作電位範囲が狭い電気二重層キャパシタの場合には、前記問題はなく、また、リチウムイオン二次電池においても正極側の導電性粒子としては、この問題を考慮する必要は無い。
 従って以下では、導電性粒子として、コスト上有利な鱗状黒鉛を例に挙げて説明するが、一方向に長い非球状の他の導電性粒子を用いても同様に実施することができる。
 この鱗状黒鉛の粒子のサイズは、例えば、平均粒径が20μmで、平均厚さが5μmである。
 かかる鱗状黒鉛の粒子は、一方向(長手方向)に長い鱗片状であるので、従来の球状黒鉛の粒子に比べて、接触面積を増大して内部抵抗を減少させることができる。
 すなわち、図4は、この実施の形態の炭素系導電層6における初期状態での電子伝導経路を説明するための一部拡大断面図であり、図5は、球状黒鉛を用いた従来例の炭素系導電層における初期状態での電子伝導経路を説明するための一部拡大断面図である。この図5の従来例は、図1に示されるエネルギー蓄積デバイスの一般的な構成を有している。すなわち、従来例は、図1の炭素系導電層6に球状黒鉛を用いたものである。
 これらの図は、コイン型のエネルギー蓄積デバイスが出来上がった状態を示しており、8は鱗状黒鉛の粒子、8’は従来の球状黒鉛の粒子、9は炭素系導電層用ペーストに含まれる樹脂をそれぞれ示しており、電解液は、省略している。
 鱗状黒鉛の粒子8は、一方向に長い鱗片状であるので、炭素系導電層6における鱗状黒鉛の粒子8間、及び鱗状黒鉛の粒子8と集電体2a、(2b)と間の接触面積が、従来の球状黒鉛の粒子8’に比べて飛躍的に増大するため、初期状態での内部抵抗を減少させることができる。これは、図4の矢符Aで示される電子伝導経路が、図5の従来例に比べて、広くなったためであると想定される。また、図5の従来例に比べて、集電体2a,(2b)がより広範囲に鱗状黒鉛の粒子8あるいは導電層用ペーストに含まれる樹脂9によって覆われるために、集電体2a,(2b)と図示しない電解液との接触面積を減少させて漏れ電流を抑制することができる。これによって、劣化速度を遅くすることができる。
 図6は、この実施の形態の炭素系導電層6における反応生成物付着後の電子伝導経路を説明するための一部拡大断面図であり、図7は、球状黒鉛を用いた従来例の炭素系導電層における反応生成物付着後の電子伝導経路を説明するための一部拡大断面図であり、上述の図4,図5に対応するものである。これらの図において、10は反応生成物を示している。
 この実施の形態によれば、リフロー時の高温暴露時、あるいは、高耐圧で長時間使用する際において、たとえ内部に密閉された電解液と炭素系導電層6の間で化学反応が起こり、反応生成物10が生じたとしても、図6で示すように鱗状黒鉛の粒子8間、及び鱗状黒鉛の粒子8と集電体2a,2b間の接触面積が大きいために、矢符Aで示されるように電子伝導性が保たれ、内部抵抗上昇が抑制されるのみならず、反応生成物10は、鱗状黒鉛の粒子8の一方向の端部より選択的に付着するため、図7の従来例に比べて、電子伝導経路上への付着そのものも抑制される。  
 このように、鱗状黒鉛の粒子8では、従来の球状黒鉛の粒子8’に比べて、反応生成物10の付着領域が少なくなるので、鱗状黒鉛の粒子8間および鱗状黒鉛の粒子8と集電体2a,(2b)間の接合強度が高まることになり、応力によって剥がれたりするのを有効に防止することができる。
 このように一方向に延びる鱗状黒鉛の粒子8が積層されて電子伝導経路が構成されるので、炭素系導電層6の鱗状黒鉛の粒子8の前記一方向が、集電体2a,(2b)の接触面に沿うものが、沿わないものに比べて多い方が、接触面積を増大させて内部抵抗を減少させる上で好ましい。
 次に、この実施の形態のエネルギー蓄積デバイス1の製造方法について説明する。
 上述のように、炭素系導電層6には、鱗状黒鉛の粒子8の前記一方向、すなわち、長手方向が、集電体2a,(2b)の接触面に沿うもの方が多く含まれているのが好ましい。そのための製造方法としては、様々なものがあるが、鱗状黒鉛同士及び集電体との結合力を保持するための結合材を含ませる必要があることから、鱗状黒鉛の粒子8をバインダー及び溶媒とともに混練した炭素系導電層用ペーストを用いた製造プロセスが望ましい。ペーストを用いた製造プロセスにおいては、最終的に溶媒を乾燥させるため、その際に鱗状黒鉛の粒子8が塗布面に対して平行に配向しながら乾燥してゆくからである。
 図8(a)〜(d)は、この実施の形態の製造方法の工程を説明するための概略図であり、各工程後の鱗状黒鉛の粒子8の配向状態を概念的に示している。
 先ず、鱗状黒鉛をバインダー及び溶媒とともに混練して図8(a)に示されるように炭素系導電層用ペースト22を作製する。得られた炭素系導電層用ペースト22を図8(b)に示されるようにケースを兼ねる集電体2a,(2b)上に塗布する。次に、図8(c)に示されるように、得られたペースト塗布層を乾燥させて溶媒を飛ばし、図8(d)に示されるように、乾燥された炭素系導電層上に電極4,(5)を電気的に接続するものである。なお、図8(c),図8(d)では、バインダーは示していない。
 以上のようにして作製したケースを兼ねる各集電体2a,2bの各電極4,5間にセパレータを介在させて組み合わせ、電解液を注液してガスケットを介して油圧カシメを行うことで、図1に示されるコイン型エネルギー蓄積デバイスを得るものである。
 図9(a)〜(d)は、他の製造方法を説明するための図であり、図8(a)〜(d)に対応するものである。
 先ず、図9(a)に示されるように鱗状黒鉛をバインダー及び溶媒とともに混練して炭素系導電層用ペースト22を作製し、得られた炭素系導電層用ペースト22を、図9(b)に示されるようにケースを兼ねる集電体2a,(2b)上に塗布する。次に、図9(c)に示されるように、ペースト塗布層22を乾燥させずに電極4,(5)を付着させ、図9(d)に示されるように、電極4,(5)と集電体2a,(2b)とを炭素系導電層用ペーストを介して一体化したものを乾燥させるものである。
 以上のようにして作製したケースを兼ねる各集電体2a,2bの各電極4,5間にセパレータを介在させて組み合わせ、電解液を注液してガスケットを介して油圧カシメを行うことで、図1に示されるコイン型エネルギー蓄積デバイスを得るものである。
 ここで、炭素系導電層用ペーストに用いるバインダーとしては、ポリアミドイミド、エチレン-アクリル酸、ポリビニルブチラール、ウレタン、CMC(カルボキシメチルセルロース)、アクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合体などが挙げられるが、これらは炭素粒子の特性に合わせて用いられ、また、乾燥温度と時間とに制限がなければ、その材料によらず特性に影響を与えない。
 また、炭素系導電層用ペーストに用いる溶媒としては、水、イソプロピルアルコール、N-メチルピロリドン、プロピレングリコール・モノメチルアセテートなどが挙げられるが、乾燥後にすべて揮発するため材料によって何ら特性に影響は与えない。
 鱗状黒鉛の粒子の長手方向を、集電体の接触面に沿わせたものが、沿わせないものに比べて、多く含まれるように配向比率を上げるためには、さらに、以下の2つの方法が好ましい。即ち、一つめの方法は、炭素系導電層用ペーストが濡れた状態で遠心力を発生させ配向させるものであり、二つめの方法は、圧着させるものである。
 図10(a)〜(e)は、一つめの方法を説明するための図である。
 先ず、図10(a)に示されるように、鱗状黒鉛をバインダー及び溶媒とともに混練して炭素系導電層用ペースト22を作製する。次に、得られた炭素系導電層用ペースト22を、図10(b)に示されるように、集電体2a,(2b)上に塗布する際、集電体2a,(2b)そのものを回転させる、即ちスピンコートを実施するものである。このスピンコートによって、図10(c)に示されるように、鱗状黒鉛の粒子8が配向する。次に、図10(d)に示されるように、ペースト塗布層を乾燥させ、図10(e)に示されるように、乾燥された炭素系導電層上に電極4,(5)を電気的に接続させるものである。
 図11(a)〜(e)は、二つめの方法を説明するための図である。
 先ず、図11(a)に示されるように、鱗状黒鉛をバインダー及び溶媒とともに混練して炭素系導電層用ペースト22を作製した後に、図11(b)に示されるように、得られた炭素系導電層用ペースト22を集電体2a,(2b)上に塗布する。次に、図11(c)に示されるように、ペースト塗布層22を乾燥させずに電極4,(5)を付着させ、さらに、図11(d)に示されるように、圧力をかける。その後、図11(e)に示されるように、電極4,(5)と集電体2a,(2b)とが炭素系導電層用ペーストを介して一体化したものを乾燥させるものである。
 (実施の形態2)
図12は、本発明の他の実施の形態に係る円筒型のエネルギー蓄積デバイスとしての円筒型電気二重層キャパシタの一部切欠斜視図およびその部分拡大断面図である。
 この実施の形態の円筒型のエネルギー蓄積デバイス11は、正極集電体12a上に正電極14が塗布されたものと、負極集電体12b上に負電極15が塗布されたものとを、セパレータ13を間に挟んで捲回し、それを、電解液(図示せず)と共にケース16中に封入して構成されている。また、正極集電体12aおよび負極集電体12bには、それぞれ正極リード17aと負極リード17bとがそれぞれ接続され、両リード17a,17bは封口体18を貫通してケース16外へと引き出される。
 正電極14、及び負電極15(以下電極という)は、一般に活物質、導電材、結合材より構成される。活物質は、上述の実施の形態1と同様に選択することができる。電極に用いられる導電剤、及び結合材も同様であるが、電極14,15は、実施の形態1のコイン型とは異なり、例えば、数10μmと薄いため、結合材には、カルボキシメチルセルロースなども使われる。もちろん、導電剤、結合材、共に使用する電圧範囲や、温度等により劣化しない材料を選択する必要があることも同様である。
 セパレータ13も、実施の形態1と同様に選択することができるが、集電体12a,12bは捲回する必要があるため、ある程度の柔軟性を持っていることが望ましく、一般にはアルミニウムや銅の箔が用いられる。
 電解液については、実施の形態1と同様に選択することができる。
 この実施の形態では、内部抵抗を抑制するために、上記エネルギー蓄積デバイスの一般的な構成に加えて、正電極14と正極集電体12aの接合面、及び負電極15と負極集電体12bの接合面の少なくとも一方、この実施の形態では両方に、上述の実施の形態1と同様に、鱗状黒鉛を含む炭素系導電層19a,19bが形成されている。
 この実施の形態のエネルギー蓄積デバイスの製造方法は、上述の実施の形態1と同様に、鱗状黒鉛の粒子の長手方向が、集電体12a,12bの接触面に沿うものが、沿わないものに比べて多く含まれるように、鱗状黒鉛の粒子をバインダー及び溶媒とともに混練して炭素系導電層用ペーストを用いた製造プロセスによって実現される。
 この炭素系導電層用ペーストに用いるバインダーおよび溶媒は、上述の実施の形態1と同様である。
 この実施の形態の円筒型のエネルギー蓄積デバイスにおける炭素系導電層を形成するプロセスとしては、コーターが使用できる。正極集電体12a、または負極集電体12bを、一定速度で移動させ、その上に上記炭素系導電層用ペーストをコーティングしつつ、次の工程で、ある条件で乾燥させる方法がある。この際に、ペーストの厚み、集電体の移動速度、乾燥温度などを制御すれば、鱗状黒鉛の粒子の長手方向を、集電体の接触面に沿わせたものが、沿わせないものに比べて、多く含むように制御可能である。
 一般に、乾燥速度は遅いほうが配向比率は高くなる傾向にある。また、鱗状黒鉛の粒子の長手方向の配向比率が予め高くなるように制御した薄膜シートと集電体をラミネート印刷する方法も可能である。
 この実施の形態のエネルギー蓄積デバイスでは、上述の実施の形態1と同様に、炭素系導電層19a,19b中における鱗状黒鉛粒子間、及び鱗状黒鉛粒子と集電体12a、12b間の接触面積が従来の球状黒鉛粒子に比べて飛躍的に増大するため、初期状態での内部抵抗を減少させることができる。また、集電体12a,12bがより広範囲に導電性粒子あるいは導電層用ペーストに含まれる樹脂によって覆われるため、集電体12a,12bの漏れ電流を抑制し、劣化速度を遅くすることができる。
 さらには、リフロー時の高温暴露時、あるいは高耐圧で長時間使用する際において、たとえ内部に密閉された電解液と炭素系導電層19a,19bの間で化学反応がおこり反応物が生成したとしても、鱗状黒鉛粒子間、及び鱗状黒鉛粒子と集電体12a,12b間の接触面積が大きいために電子伝導性が保たれ、内部抵抗上昇が抑制されるのみならず、反応物質は鱗状黒鉛粒子の端部より選択的に付着するため、電子伝導経路への付着そのものも抑制され、接合強度も高めることができる。
 以下に具体的な実施例を用いて本発明を詳しく説明する。
 先ず、上述の実施の形態1に対応する実施例1,2および比較例としての従来例1について説明する。
(従来例1)
 球状黒鉛を、1.0wt%アクリル樹脂と2.5wt%イソプロピルアルコール水溶液とで混合拡散した炭素系導電層用ペーストを作成し、上述の図1の集電体2a,2bにそれぞれ相当する一対の集電体を兼ねた有底筒状のステンレスケースの内側に、それぞれ滴下して塗布を行った。その後、60℃恒温槽で大気中10minの乾燥を行い、炭素系導電層が塗布された一対のステンレスケースを得た。
 次に、活性炭粒子(表面積1500m/g、平均粒径40μm)、ケッチェンブラック、ポリテトラフルオロエチレンを重量比で7:2:1の比率で混合し、錠剤整形機により円筒状とし、150℃雰囲気で12時間放置し、水分を乾燥させ、一対の電極とした。
 この一対の各電極を、一対の各ステンレスケースの炭素系導電層上に正確に収まるようにそれぞれ保持する。次に、一対のステンレスケースを、その各電極の間に、セルロース系のセパレータを介在させて組み合わせ、1.5Mのエチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートをスルフォランに溶解させた電解液を注液し、ポリフェニレンサルファイドのガスケットを介して油圧カシメを行うことで、電極と炭素系導電層とを電気的に接続させて従来例1とした。
 (実施例1)  鱗状黒鉛を、エチレン-アクリル酸と水で混合拡散した炭素系導電層用ペーストを作成し、一対の集電体を兼ねた有底筒状のステンレスケースの内側に、それぞれ滴下し、さらにスピンコートで塗布を行った。その後、60℃恒温槽で大気中10minの乾燥を行い、炭素系導電層が塗布された一対のステンレスケースを得た。
 この時の鱗状黒鉛の粒子の厚さは、約5μmであり、長手方向の長さは、15〜30μmであった。また、炭素系導電層の厚みは、20〜30μmであった。炭素系導電層が塗布されたステンレスケース断面をSEM観察することにより、鱗状黒鉛粒子の長手方向がステンレスケース面に沿う粒子は、81%であることがわかった。
 その後は、上述の従来例1と同様にしてコイン型電気二重層キャパシタを作製して実施例1とした。
(実施例2)
 鱗状黒鉛を、ポリアミドイミドと50wt%のN-メチルピロリドンと50wt%のプロピレングリコール・モノメチルアセテートで混合拡散した炭素系導電層用ペーストを作成し、一対の集電体を兼ねた有底筒状のステンレスケースの内側に、それぞれ滴下してスピンコートで塗布を行った。
 その後、上述の従来例1と同様に作製した一対の各電極を、一対の各ステンレスケースの濡れた炭素系導電層上に正確に収まるようにそれぞれ保持し、340℃恒温槽で窒素中60minの乾燥を行い、炭素系導電層が塗布され電極と一体化した一対のステンレスケースを得た。炭素系導電層が塗布されたステンレスケース断面をSEM観察することにより、鱗状黒鉛粒子の長手方向がステンレスケース面に沿う粒子は、93%であることがわかった。
 その後は、従来例1と同様にしてコイン型電気二重層キャパシタを作製して実施例2とした。
 上記のようにして作製された従来例1および実施例1,2のコイン型電気二重層キャパシタについて、1kHzでのインピーダンスを、初期状態の時と、150℃予熱を2min、本加熱最大温度240℃を40secのリフロー後に30min冷却時間を置いた後の時と、3.3Vで500hr の60℃恒温負荷試験後の時にそれぞれ測定した。従来例1および実施例1,2ともに、10サンプルについてインピーダンス測定を実施し、その結果の平均値を表1に示す。
Figure 2004080019
 さらに、同様にして作製された従来例1および実施例1,2のコイン型電気二重層キャパシタについて、1kHzでのインピーダンスを、初期状態の時と、その後リフローを行なわず、3.3Vで500hrの60℃の恒温負荷試験後の時に測定した。従来例1および実施例1,2ともに、10サンプルについてインピーダンス測定を実施し、その結果の平均値を表2に示す。
Figure 2004080019
 表1から明らかなように、実施例1,2は、従来例1に比べて、リフロー後および恒温負荷試験後のインピーダンスが格段に小さなものとなる。特に、ペースト塗布層を乾燥させずに電極を付着させ、電極と集電体とを炭素系導電層用ペーストを介して一体化したものを乾燥させる実施例2は、初期状態でのインピーダンスも小さくできることがわかる。
 さらに、表2との比較により明らかなように、リフローにより抵抗上昇が加速されていること、及び本実施例によれば、その抵抗上昇速度を大幅に抑制する効果があることがわかる。
 次に、上述の実施の形態2に対応する実施例3および比較例としての従来例2について説明する。
(従来例2)
 球状黒鉛を、0.3wt%アクリル樹脂と2.5wt%イソプロピルアルコール水溶液で混合拡散した炭素系導電層用ペーストを作成した。予めエッチングによって表面を粗面としたアルミニウム箔を、前記炭素系導電層用ペーストに数秒間浸漬してから引き上げ、60℃恒温槽で大気中10minの乾燥を行い、炭素系導電層が塗布されたアルミニウム箔(集電体箔)を得た。
 一方、活性炭10g、アセチレンブラック4gをよくかき混ぜ、さらにメチルアルコール40cm3、水100cm3を入れてさらにかき混ぜた。これをホモジナイザーで攪拌しながらカルボキシメチルセルロース1.2gを徐々に加え、活性炭スラリーを作製した。
 次に、前記炭素系導電層が塗布されたアルミニウム箔を、活性炭スラリーに浸し、引き上げた後、常温で30分、105℃で1時間乾燥させた。引き続き、このアルミニウム箔の一部を剥ぎ取って、ここにリードをカシメにより接続した。なお、アルミニウム箔のサイズ、及び電極層の厚さは、組み上がった電気二重層キャパシタの容量が、およそ1Fになるように設計している。こうして得たリード付き活性炭電極2本を、その間にビスコースレーヨン製セパレータを介して円筒型に巻き付け、さらに150℃で約24時間乾燥させた後、電気二重層キャパシタ用電解液(1mol/lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液)に浸漬し、減圧下で含浸した。最後に、このコンデンサ素子を予めリード用の穴を開けたブチルゴム製の封口体に取り付け、アルミニウム製の円筒型ケースに封入し、電気二重層キャパシタを得た。
(実施例3)
 鱗状黒鉛を、エチレン-アクリル酸と水で混合拡散した炭素系導電層用ペーストを作成し、予めエッチングによって表面を粗面としたアルミニウム箔を、炭素系導電層用ペーストに数秒間浸漬してから引き上げ、60℃恒温槽で大気中10minの乾燥を行い、炭素系導電層が塗布されたアルミニウム箔(集電体箔)を得た。
 一方、活性炭10g、アセチレンブラック4gをよくかき混ぜ、さらにメチルアルコール40cm3、水100cm3を入れてさらにかき混ぜた。これをホモジナイザーで攪拌しながらカルボキシメチルセルロース1.2gを徐々に加え、活性炭スラリーを作製した。
 次に、前記炭素系導電層が塗布されたアルミニウム箔を、活性炭スラリーに浸し、引き上げた後、常温で30分、105℃で1時間乾燥させた。引き続き、このアルミニウム箔の一部を剥ぎ取って、ここにリードをカシメにより接続した。なお、アルミニウム箔のサイズ、及び電極層の厚さは、組み上がった電気二重層キャパシタの容量がおよそ1Fになるように設計している。
 こうして得たリード付き活性炭電極2本を、その間にビスコースレーヨン製セパレータを介して円筒型に巻き付け、さらに150℃で約24時間乾燥させた後、電気二重層キャパシタ用電解液(1mol/lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液)に浸漬し、減圧下で含浸した。最後に、このコンデンサ素子を予めリード用の穴を開けたブチルゴム製の封口体に取り付け、アルミニウム製の円筒型ケースに封入し、電気二重層キャパシタを得た。
 上記のように作製された従来例2および実施例3の円筒型電気二重層キャパシタについて1kHzでのインピーダンスを、初期状態の時と、3.0Vで500hr の60℃恒温負荷試験後の時に測定した。従来例2、実施例3ともに、10サンプルについてインピーダンス測定を実施し、その結果の平均値を表3に示す。
Figure 2004080019
 この表3から明らかなように、実施例3は、従来例2に比べて、恒温負荷試験後のインピーダンスが格段に小さなものとなる。
 以上の実施例では、電気二重層キャパシタに適用して説明したけれども、本発明は、電気二重層キャパシタに限らず、他の電気化学キャパシタや電池にも同様に適用できるものである。
 本発明の導電層は、例えば、ブチルゴムに金属粒子を入れて構成してもよい。
 本発明の導電性粒子は、黒鉛に限らず、カーボンナノチューブなど他の炭素系の導電性粒子であってもよい。
 本発明は、電気化学キャパシタや電池などのエネルギー蓄積デバイスおよびその製造方法として有用である。
本発明の実施の形態に係るコイン型エネルギー蓄積デバイスの断面図である。 リフロータイプのコイン型エネルギー蓄積デバイスの断面図 リフロー時の温度プロファイルである。 図1の実施の形態の炭素系導電層における初期状態での電子伝導経路を説明するための断面図である。 従来の炭素系導電層における初期状態での電子伝導経路を説明するための断面図である。 図1の実施の形態の炭素系導電層における反応生成物付着後の電子伝導経路を説明するための断面図である。 従来の炭素系導電層における反応生成物付着後の電子伝導経路を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る製造方法の各工程を説明するための概略図である。 本発明の好ましい実施の形態に係る製造方法の各工程を説明するための概略図である。 本発明の他の好ましい実施の形態に係る製造方法の各工程を説明するための概略図である。 本発明の更に他の好ましい実施の形態に係る製造方法の各工程を説明するための概略図である。 本発明の他の実施の形態に係る円筒型エネルギー蓄積デバイスの一部を切り欠いて示す斜視図である。
符号の説明
 1,11          エネルギー蓄積デバイス
2a,2b,12a,12b 集電体
3,13          セパレータ
4,5,14,15     電極
6,19a,19b     炭素系導電層
8,8’          粒子

Claims (12)

  1. 一対の電極と、前記一対の電極間に介在されたセパレータと、一対の集電体と、前記一対の各電極と前記一対の各集電体との間にそれぞれ介在された一対の導電層と、電解液とを備えるエネルギー蓄積デバイスにおいて、
     前記一対の前記導電層の少なくとも一方の導電層は、少なくとも一方向に長い非球状の導電性粒子を含むエネルギー蓄積デバイス。
  2. 前記導電層は、樹脂成分を含む請求項1に記載のエネルギー蓄積デバイス。
  3. 前記少なくとも一方向に長い非球状の前記導電性粒子が、鱗状黒鉛の粒子である請求項1または2に記載のエネルギー蓄積デバイス。
  4. 前記導電層には、前記一方向を、前記集電体の接触面に沿わせた導電性粒子が、前記接触面に沿わせない導電性粒子に比べて、多く含まれている請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギー蓄積デバイス。
  5. 前記電極と前記電解液との界面にエネルギーを蓄積するものである請求項1〜4のいずれかに記載のエネルギー蓄積デバイス。
  6. 前記電極には、基板実装用のリード板が取付けられる請求項1〜5のいずれかに記載のエネルギー蓄積デバイス。
  7. 一対の電極と、前記一対の電極間に介在されたセパレータと、一対の集電体と、前記一対の各電極と前記一対の各集電体との間にそれぞれ介在された一対の導電層と、電解液とを備えるエネルギー蓄積デバイスの製造方法において、
     少なくとも一方向に長い非球状の導電性粒子を、バインダー及び溶媒とともに混練して導電層用ペーストを作製する工程と、
     得られた導電層用ペーストを集電体上に塗布する工程と、
     得られたペースト塗布層を乾燥させる工程と、
     乾燥された導電層上に電極を電気的に接続する工程を含むエネルギー蓄積デバイスの製造方法。
  8. 一対の電極と、前記一対の電極間に介在されたセパレータと、一対の集電体と、前記一対の各電極と前記一対の各集電体との間にそれぞれ介在された一対の導電層と、電解液とを備えるエネルギー蓄積デバイスの製造方法において、
     少なくとも一方向に長い非球状の導電性粒子を、バインダー及び溶媒とともに混練して導電層用ペーストを作製する工程と、
     得られた導電層用ペーストを集電体上に塗布する工程と、
     得られたペースト塗布層を乾燥させずに電極を付着させる工程と、
     電極と集電体とを導電層用ペーストを介して一体化したものを乾燥させる工程を含むエネルギー蓄積デバイスの製造方法。
  9. 前記少なくとも一方向に長い非球状の前記導電性粒子が、鱗状黒鉛の粒子である請求項7または8に記載のエネルギー蓄積デバイスの製造方法。
  10. 前記導電層に、前記一方向を、前記集電体の接触面に沿わせた導電性粒子が、前記接触面に沿わせない導電性粒子に比べて、多く含まれるように制御する工程を含む請求項7〜9のいずれかに記載のエネルギー蓄積デバイスの製造方法。
  11. 前記制御する工程が、得られた導電層用ペーストを集電体上に塗布する前記工程において、前記導電層用ペーストを集電体上にスピンコートするものである請求項10に記載のエネルギー蓄積デバイスの製造方法。
  12. 前記制御する工程が、得られたペースト塗布層を乾燥させずに電極を付着させる前記工程において、前記ペースト塗布層を乾燥させずに電極をのせた後、圧着させるものである請求項10に記載のエネルギー蓄積デバイスの製造方法。
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