JP2004079217A - 電池モジュール及びその充電方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大出力、高回転型の穿孔装置に使用可能な電池モジュールを提供する。
【解決手段】リチウムイオンポリマー二次電池を複数直列に接続してなる電池モジュールであって、各リチウムイオンポリマー二次電池は、正極集電体12と正極活物質層13との間及び負極集電体16と負極活物質層17との間に、結着剤又は結着剤の主基を変性物質により変性させた高分子化合物からなる結着剤と導電性物質とを含む密着層14、18をそれぞれ有し、負極シート15は、少なくとも一回以上折り畳まれて、折目を除くポリマー電解質層19間にそれぞれ折畳み面積に応じた面積の複数の正極シート11が挟持される。集電体と活物質層との密着力を高めることができ、また、放電容量を拡大することができるので、大出力、高回転型の穿孔装置の電源として有効に利用できる。
【選択図】 図2
【解決手段】リチウムイオンポリマー二次電池を複数直列に接続してなる電池モジュールであって、各リチウムイオンポリマー二次電池は、正極集電体12と正極活物質層13との間及び負極集電体16と負極活物質層17との間に、結着剤又は結着剤の主基を変性物質により変性させた高分子化合物からなる結着剤と導電性物質とを含む密着層14、18をそれぞれ有し、負極シート15は、少なくとも一回以上折り畳まれて、折目を除くポリマー電解質層19間にそれぞれ折畳み面積に応じた面積の複数の正極シート11が挟持される。集電体と活物質層との密着力を高めることができ、また、放電容量を拡大することができるので、大出力、高回転型の穿孔装置の電源として有効に利用できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池モジュール及びその充電方法に関し、特に、リチウムイオンポリマー二次電池を複数直列に接続してなる電池モジュール及びその電池モジュールの充電方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリートや石材等を穿孔するために用いられる穿孔装置の一例として、大出力、高回転型の電気モータを備えた電気ドリルに類似した構成の穿孔装置が知られている。
【0003】
このような大出力、高回転型の穿孔装置は、電気モータのロータ軸に穿孔用の刃先を有する工具が直接的に取り付けられ、ロータ軸の回転力が直接に工具の刃先に伝達されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような構成の穿孔装置にあっては、電気モータの電源に商用電源又は発電機を用い、大出力、高回転によるコンクリート等の穿孔作業を可能としている。
【0005】
しかしながら、商用電源又は発電機を電気モータの電源として穿孔作業を行った場合に、工具の刃先が硬石等に突き当った瞬間に電気モータの回転が停止することがある。この場合、電気モータの消費電力が過大(例えば15A以上)となるため、商用電源又は発電機の容量が不足し、ブレーカ等の保護装置が作動し、電気モータに対する電力の供給が停止され、穿孔作業が中断され、作業効率が著しく低下する。
【0006】
また、出力が例えば1500W(最大瞬間電流:25A以上)の電気モータを駆動させる発電機は、大型で、重量が重く、持ち運びができないため、穿孔装置の使用箇所が制限されてしまう。さらに、電気コードのハンドリングが大変であるため、作業効率が大幅に低下する。さらに、電気コードの長さが長い場合には、オーム抵抗による電圧降下が大きくなるため、大出力、高回転で穿孔作業を行うことが困難になる。
【0007】
一方、持ち運びを可能とするために、リチウムイオンポリマー二次電池を複数並列に接続して電源として用いることも考えられる。しかし、現在市場に提供されているリチウムポリマー二次電池は、リード線が細いために並列に接続して容量を大きくしても大出力に対応することが困難である。また、電極と活物質層との密着力が弱いためにそれらの間の界面抵抗が大きくなり、大出力に対応することが困難となる。
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、穿孔装置によるコンクリート等の穿孔作業中に、工具の刃先が硬石に突き当って電気モータの消費電力が過大になった場合であっても、電気モータの回転数が低下することなく、高速で穿孔作業を継続することができ、これにより作業効率を大幅に高めることができる電池モジュール及びその充電方法を提供することを目的とするものである。また、全体がコンパクトで、重量が軽く、持ち運びが可能であって、穿孔装置の使用箇所が制限されることのない、電池モジュール及びその充電方法を提供することを第2の目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。すなわち、請求項1に係る発明は、正極集電体の表面に活物質中に結着剤が含まれる正極活物質層が形成された正極シートと、負極集電体の表面に活物質中に結着剤が含まれる負極活物質層が形成された負極シートとを、ポリマー電解質層を介して積層してなるリチウムイオンポリマー二次電池を複数直列に接続してなる電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池は、対向する辺の一方に一方の電極が帯状に形成され、同他方に他方の電極が帯状に形成されていることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、電流容量を大きくとすることが可能となり、大電流の出力に対応することが可能となる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池は、前記正極集電体と前記正極活物質層との間及び前記負極集電体と前記負極活物質層との間に、前記結着剤を変性物質により変性させた高分子化合物からなる結着剤と導電性物質とを含む密着層をそれぞれ有することを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、密着層に含まれる結着剤は、正極活物質層および負極活物質層にそれぞれ含まれる結着剤を変性物質により変性させた高分子化合物であるため、正極活物質層又は負極活物質層に対する密着力が高まる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池の前記正極シート又は負極シートは、少なくとも一回以上折り畳まれて、折目を除く前記ポリマー電解質層間にそれぞれ折畳み面積に応じた面積の複数の負極シート又は正極シートが挟持されていることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、正極シート又は負極シートは少なくとも一回以上折り畳まれることになるので、比較的小型薄型の状態のまま放電容量を拡大できる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れかに記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池は、正極端子と負極端子が互い違いになるように接合されていることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、複数の各リチウムイオンポリマー二次電池をケース内にコンパクトに収納することができることになる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れかに記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池の各密着層の厚さがそれぞれ0.5〜30μmであることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、密着層の厚さが0.5μm未満であると、集電体を腐食から保護する機能が低下し、放電容量のサイクル特性が悪くなる。また、密着層形成時に導電性粉末を均一に分散させることが困難になるため、内部インピーダンスの上昇を招く。30μmを超えると、電池反応に寄与しない部分の体積及び重量が増加するため、体積及び重量エネルギー密度が低下する。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1から5の何れかに記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池の各密着層中に分散剤を更に0.1〜20重量%含有することを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、分散剤を密着層中に0.1〜20重量%含有させることにより、導電性物質を密着層中に均一に分散できる。分散剤としては、酸性高分子系分散剤、塩基性高分子系分散剤又は中性高分子系分散剤等が挙げられる。0.1重量%未満であると、導電性粉末の分散が分散剤を添加しない場合と差がなく、添加した効果が得られない。20重量%を超えても、導電性粉末の分散状況は変わらず、電池反応に寄与するものでないため、過剰に添加する必要がない。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1から6の何れかに記載の電池モジュールであって、前記導電性物質が粒径0.5〜30μm、黒鉛化度50%以上の炭素材を用い、各密着層に含まれる各結着剤と前記導電性物質との重量比が13/87〜50/50であることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、結着剤と導電性物質との重量比は13/87〜50/50である。重量比が50/50を超えると、導電性物質が少なく、集電体と活物質層間の電子移動が十分に行えず、内部インピーダンスが上昇する。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1から7の何れかに記載の電池モジュールの充電方法であって、前記複数のリチウムイオンポリマー二次電池の何れか一つの充電電圧が設定値となったときに、電流を減少させて充電を行うことを特徴とする。
この発明による電池モジュールの充電方法によれば、各リチウムイオンポリマー二次電池が過充電状態になることなく、リチウムイオンポリマー二次電池モジュールを満充電まで充電することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1〜図9には、本発明による電池モジュールの一実施の形態が示されていて、この電池モジュール1は、図1に示すように、複数のリチウムイオンポリマー二次電池10を直列に接続し、これをケース2内に収納して構成したものである。
【0018】
各リチウムイオンポリマー二次電池10は、図2に示すように、正極シート11と負極シート15との間にポリマー電解質層19を介装し、その正極シート11及び負極シート15を積層して構成したものである。正極シート11は、正極集電体12の表面に正極活物質層13が形成されたものであり、負極シート15は、負極集電体16の表面に負極活物質層17が形成されたものである。正極活物質層13の活物質中には第1結着剤が含まれ、負極活物質層17の活物質中には第1結着剤と同一又は異なる第2結着剤が含まれる。ポリマー電解質層19は、正極集電体12に形成された正極活物質層13と負極集電体16に形成された負極活物質層17との間に介装される。
【0019】
正極集電体12と正極活物質層13との間には第1密着層14が設けられ、負極集電体16と負極活物質層17との間には第2密着層18が設けられる。第1密着層14及び第2密着層18は、第1結着剤又は第2結着剤又は前記結着剤の主基を変性物質により変性させた高分子化合物からなる第3結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むものである。
【0020】
ここで、「変性」とは、性質が変わることを意味し、この実施の形態においては、高分子化合物を変性物質により変性することにより、従来の高分子化合物が持つ性質だけでなく、変性物質が持つ性質を併せ持ったり、両者にない性質を新たに持たせることを意味する。
【0021】
この変性させた高分子化合物は、正極活性物質層13中の第1結着剤及び負極活物質層17中の第2結着剤を主基とするため、両活物質層13、17との密着性が高い。一方、正極集電体12及び負極集電体16との密着性が高い変性物質により変性したことにより、両集電体12、16との密着性も両活物質層13、17と同様の結着剤を用いる場合より大幅に向上する。このため、両活物質層13、17の両集電体12、16からの剥がれが抑制され、サイクル特性が向上するとともに、大出力に対応することが可能となる。
【0022】
また、変性高分子化合物は、両活物質層13,17に用いる結着剤に比べて変性させたことにより、化学的に安定となり、電解液に対して溶解されることなく、両活物質層13、17の両集電体12、16からの剥がれが抑制される。また、同様の理由から、両密着層14、18中に分散される導電性物質が崩落することなく保持されるため、良好な電子伝導を維持し、長期保存性やサイクル特性に優れる。また、化学的に安定な層に両集電体12、16が被覆されるため、電池内部でフッ酸などが発生した場合でも両密着層14、18が保護層となり、両集電体12、16の腐食を抑制できる。
【0023】
更に、変性高分子化合物は、両活物質層13、17に用いる結着剤に比べて変性させたことにより、熱的に安定となり、電池が高温下におかれても、電池内溶媒に溶解することがなく、電池の劣化を抑制できる。変性高分子化合物は、両活物質層13、17に用いる結着剤に比べて変性させたことにより、電気化学的に安定となり、正極が満充電時に高電位下におかれても、劣化することなく、安定した密着力と導電性を保つ。また、電解液が変性高分子化合物中に浸透するのが困難であるため、両集電体12、16への電解液の付着が殆どなく、満充電時における正極集電体12の溶出が抑制できる。
【0024】
次に、各リチウムイオンポリマー二次電池10の製造手順について説明する。まず、正極活物質層13又は負極活物質層17にそれぞれ含有する結着剤を変性物質により変性させ、この変性高分子化合物を第1密着層14及び第2密着層18の第3結着剤とする。
【0025】
第1密着層14及び第2密着層18は、化学的、電気化学的、熱的に安定であることが要求されるため、正極活物質層13及び負極活物質層17に用いられる第1結着剤又は第2結着剤、変性高分子化合物の基体となる高分子化合物は、分子内にフッ素を含む高分子化合物であることが好ましい。このフッ素含有高分子化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、PVdF、フッ化ビニリデン−ヘキサルフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル等が挙げられる。
【0026】
このフッ素含有高分子化合物を変性させる手法として、グラフト重合、架橋などが挙げられる。グラフト重合に用いられる変性物質としては、エチレン、スチレン、ブタジエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、メチルビニルケトン、アクリルアミド、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、メタクリル酸、メタクリル酸メチル等の化合物が挙げられる。特に、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチルを用いた場合に集電体と良好な密着性を得ることができる。
【0027】
架橋に用いられる変性物質としては、不飽和結合を2つ以上有する化合物、例えばブタジエン、イトプレン等が挙げられる。また、架橋は加硫することによって行ってもよい。
【0028】
この実施の形態では、グラフト重合について述べる。グラフト重合させる方法としては、触媒法、連鎖移動法、放射線法、光重合法及び機械的切断法等がある。例えば、放射線法では、高分子化合物とグラフト化材料となる化合物とを一緒にして、放射線を連続的又は間欠的に放射することにより重合でき、グラフト化材料と高分子化合物とを接触させる前に主基である高分子化合物を予備放射することが好ましい。
【0029】
具体的には、高分子化合物に放射線を照射した後で、前記被照射物にグラフト化材料となる変性物質を混合することにより、高分子化合物を主鎖とし変性物質を側鎖とした変性高分子化合物を得ることができる。グラフト重合に用いる放射線は、電子ビーム、X線又はγ線が挙げられる。高分子化合物への吸収線量が1〜120kGyになるようにγ線を照射する。主基である高分子化合物に放射線を照射することにより片末端にラジカルが形成され、グラフト化材料が重合しやすくなる。下記化学式(1)及び化学式(2)にPVdFとアクリル酸の放射線法によるグラフト重合を示す。
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】
【0032】
化学式(1)に示すように、PVdFに放射線としてγ線を照射することにより、PVdFの片末端にラジカルを形成する。化学式(2)に示すように、この片末端にラジカルを有するPVdFにアクリル酸を接触させて、PVdFのラジカルにアクリル酸の二重結合部分がグラフト重合される。
【0033】
また、別の例として、化学式(3)及び化学式(4)にPVdFとメタクリル酸のグラフト重合を示す。
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】
化学式(3)に示すように、PVdFが放射線としてγ線を照射することにより、PVdFの片末端にラジカルを形成し、化学式(4)で片末端にラジカルを有するPVdFにメタクリル酸を接触させて、PVdFのラジカルにメタクリル酸の二重結合部分がグラフト重合される。
【0037】
グラフト重合は、活性化した主基がグラフト化材料と接触している時間の長さ、放射線による主基の予備活性の限度、グラフト化材料が主基を透過できるまでの程度、主基及びグラフト化材料が接触しているときの温度等によりそれぞれ重合生成が異なる。グラフト化材料が酸である場合、グラフト化材料である化合物を含有する溶液をサンプリングして、アルカリにより滴定し、残留する酸化合物濃度を測定することにより、グアラフト化の程度を観測することができる。得られた組成物中のグラフト化の割合は、最終重量の10〜30%が望ましい。
【0038】
このようにして得られたグラフト重合された変性高分子化合物を第1密着層14及び第2密着層18の第3結着剤とし、この第3結着剤を溶媒に溶解してポリマー溶液を作製し、ポリマー溶液中に導電性物質を分散させて第1密着層スラリー及び第2密着層スラリーを調製する。導電性物質には、粒径0.5〜30μm、黒鉛化度50%以上の炭素材が用いられる。第3結着剤と導電性物質との重量比(第3結着剤/導電性物質)が13/87〜50/50になるように混合して、第1密着層スラリー及び第2密着層スラリーを調製する。溶媒には、ジメチルアセトアミド(DiMethylAcetamide、以下、「DMA」という。)、アセトン、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドンが用いられる。
【0039】
次に、シート状の正極集電体12及び負極集電体16をそれぞれ用意し、この正極集電体12及び負極集電体16に調製した第1密着層スラリー及び第2密着層スラリーをドクターブレード法によりそれぞれ塗布、乾燥し、乾燥後の厚さが0.5〜30μmの第1密着層14及び第2密着層18を有する正極集電体12及び負極集電体16を形成する。乾燥後の両密着層14、18の厚さは、1〜15μmが好ましい。シート状の正極集電体12としてはAl箔が、負極集電体16としてはCu箔がそれぞれ挙げられる。
【0040】
ここで、ドクターブレード法とは、セラミックスをシート状に成型する方法の一つであり、キャリアフィルムやエンドレスベルト等のキャリア上に載せて運ばれるスリップの厚さをドクターブレードと呼ばれるナイフエッジとキャリアとの間隔を調整することによってシートの厚さを精密に制御する方法である。
【0041】
次に、正極活物質層13、負極活物質17及びポリマー電解質層19に必要な成分をそれぞれ混合して正極活物質層塗工用スラリー、負極活物質層塗工用スラリー及びポリマー電解質層塗工用スラリーをそれぞれ調製する。
【0042】
得られた正極活物質層塗工用スラリーを第1密着層14を有する正極集電体12上にドクターブレード法により塗布して乾燥し、圧延することにより正極シート11を形成する。また、同様にして、得られた負極活物質層塗工用スラリーを第2密着層18を有する負極集電体16上にドクターブレード法により塗布して乾燥し、圧延することにより負極シート15を形成する。正極活物質層13及び負極活物質層17は、乾燥後の厚さが20〜250μmとなるように形成する。
【0043】
この実施の形態においては、リチウムイオンポリマー二次電池10の放電容量を拡大するために帯状の負極集電体16を用い、この帯状の負極集電体16を負極活物質層17の表面にポリマー電解質層19を有した状態で折り畳んだ構造としている。
【0044】
図7(a)及び(b)に示すように、負極活物質層17の負極集電体16の表面への具体的な形成手順は、活物質を溶液に分散混合して作製したスラリーを帯状の負極集電体16の上面にドクターブレード法により塗布して乾燥することにより行われる。
【0045】
負極活物質層17は、他方の側部17bを除いて表面である図における負極集電体16の上面に形成され、ポリマー電解質層19は、その負極活物質層17の上面に電解質スラリーを塗布乾燥することにより形成される。ポリマー電解質層19は、この負極活物質層17を被覆する面積を有するように形成される。
【0046】
具体的には、図7(c)に示すように、電解質スラリーを負極活物質層17を覆うように塗布し、その後乾燥することにより負極活物質層17を被覆する面積に形成される。
【0047】
この実施の形態のリチウムイオンポリマー二次電池10は、折り畳まれた負極シート15の折目を除くポリマー電解質層19の間にそれぞれ折り畳み面積に相応した面積を有する複数の正極シート11が挟持される。挟持される正極シート11の正極活物質層13の表面にもポリマー電解質層19が形成される。この実施の形態における正極集電体12はAl箔であり、正極活物質層13には例えばLiCoO2 、LiNiO2が使用される。
【0048】
具体的な正極シート11の作製手順は、図6(a)(b)に示すように、活物質を溶液に分散混合したスラリーをドクターブレード法により塗布して乾燥することにより、後に正極集電体12になる帯状のAl箔20の上面に先ず正極活物質層13を形成する。
【0049】
正極活物質層13は、Al箔20の一方の側部を除いて形成され、ポリマー電解質層19はこの正極活物質層13を被覆する面積を有するように形成される。具体的には、図6(c)に示すように、正極活物質層13を覆うように電解質スラリーを塗布し、その後乾燥することにより正極活物質層13を被覆する面積に形成される。
【0050】
その後、図6(d)に示すように、正極活物質層13及びポリマー電解質層19を有する帯状のAl箔20は、その正極活物質層13及びポリマー電解質層19とともに負極シート15の折り畳み面積に応じた面積を有するように切断される。これにより、正極集電体12の表面に正極活物質層13が形成され、その正極活物質層13の表面にポリマー電解質層19を有する所定の面積の正極シート11が複数枚作られる。
【0051】
次いで、図5に示すように、ポリマー電解質層19を間に介装して正極シート11及び負極シート15が積層される。この積層は熱圧着により行われる。即ち、負極シート15に折目の間隔に相応する所定のピッチで複数の正極シート11を配置し、その状態で所定の温度に加熱された反対方向にそれぞれ回転する一対のローラ21、21間に図の実線矢印に示すように通過させ、ポリマー電解質層19を介装した状態で正極シート11及び負極シート15を熱圧着する。複数の正極シート11の負極シート15上への配置は、帯状の負極集電体16の一方の側縁16aが複数の正極集電体12の一方の側縁12aから突出し、複数の正極集電体12の他方の側縁12bがその帯状の負極集電体16の他方の側縁16bから突出するように、またそれぞれの正極シート11が負極シート15の折目に相当する部分をあけて配置される。
【0052】
図4に示すように、このように正極シート11が積層された負極シート15の折り畳みは、正極シート11が配置されていない負極シート15の折目を交互に折り曲げることにより行われる。このように折り畳むと、帯状の負極集電体16の一方の側縁16aは複数の正極集電体12の一方の側縁12aから突出し、複数の正極集電体12の他方の側縁12bは帯状の負極集電体16の他方の側縁16bから突出した状態で積層される。
【0053】
図2に示すように、折り畳まれた負極シート15の折目を除くポリマー電解質層19の間には、それぞれ折り畳み面積に相応した面積を有する複数の正極シート11が挟持される。
【0054】
一方、図3及び図4に示すように、複数の正極集電体12の一端12aから突出した負極集電体16の複数の突出部16cには、この突出部16cを相互に接続する負極端子22の一端が止め金具23により接続され、負極集電体16の他端縁16bから突出した正極集電体12の複数の突出部12cには、この突出部12cを相互に接続する正極端子24の一端が止め金具23により接続される。
【0055】
図2及び図3に示すように、このように折り畳まれた帯状の負極シート15は複数の正極シート14とともにパッケージシート25で密封される。この実施の形態におけるパッケージシート25は、ポリプロピレンがラミネートされたアルミニウム箔であり、一対のパッケージシート25で折り畳まれた帯状の負極シート15を複数の正極シート11とともに挟み、真空雰囲気中でパッケージシート25の周囲を熱圧着することにより密封される。一対のパッケージシート25は正極端子24(電極)の他端及び負極端子22(電極)の他端がそれぞれそのパッケージシート25の外部に表出するように周囲が熱圧着され、このようにして作られたリチウムイオンポリマー二次電池10は、パッケージシート25の対向する辺の一方から引き出された帯状の正極端子24及び同他方の辺から引き出された帯状の負極端子22の他端を電池の端子として使用することにより所望の電気を得ることができる。
【0056】
そして、上記のように構成したリチウムイオンポリマー二次電池10を複数直列に接続し、ケース2内に収納することで、この実施の形態による電池モジュール1が構成される。この場合、複数のリチウムイオンポリマー二次電池10は、正極端子24と負極端子 22とが互い違いになるように接合させた状態でケース2内に収納し、隣接するリチウムイオンポリマー二次電池10、10の正極端子24と負極端子22とを相互に接続するように構成することにより、電池モジュール1全体をコンパクト化することができるものである。
【0057】
なお、この実施の形態においては、5C以上の出力、エネルギー密度が70Wh/kg以上、容量が5〜15Ahのリチウムイオンポリマー二次電池10を4〜55個直列に接続して電池モジュール1を構成している。
【0058】
そして、上記のように構成した電池モジュール1に図10に示すような構成の穿孔装置30を接続し、穿孔装置30の電気モータ31に電力を供給することで、電気モータ31のロータ軸32に接続される穿孔工具33が回転駆動し、穿孔工具33の先端の刃先によりコンクリート等の穿孔を行うことができるものである。
【0059】
上記のように構成したこの実施の形態による電池モジュール1にあっては、電池モジュール1を構成する各リチウムイオンポリマー二次電池10が、面積を拡大させた帯状の負極シート15を折り畳んで構成しているので、比較的小型薄型の状態のまま放電容量を拡大できる。また、正極集電体12と正極活物質層13との間に第1密着層14を介装させ、負極集電体16と負極活物質層17との間に第2密着層18を介装させたことにより、正極集電体12と正極活物質層13との密着力及び負極集電体16と負極活物質層17との密着力を大幅に高めることができ、それらの間の導電性を大幅に高めることができることになる。
【0060】
そして、上記のような特性のリチウムイオンポリマー二次電池10を複数直列に接続して電池モジュール1を構成しているので、以下のような効果を奏することになる。
【0061】
5C以上の放電が可能なリチウムイオンポリマー二次電池10を用いることにより、5Ah(以上の)容量で25A以上の放電が可能になる。従って、穿孔装置30による穿孔作業中に刃先が硬石に突き当たって電気モータ31の消費電力が過大になっても、電気モータ31の回転数が低下するようなことなく、高速で穿孔作業を継続することができることになり、作業効率を大幅に高めることができることになる。
【0062】
また、容量が5〜15Ahのリチウムイオンポリマー二次電池10を4〜55個直列(満充電時:約16〜230V)に接続することにより、各種仕様のモータに対応が可能となる。さらに、重量も5Ah、55直列(231V)であれば、70Wh/kgのリチウムイオンポリマー二次電池10であっても電池モジュール1全体で20kg以下(電池部は16.5kg)となるので、持ち運びが可能となる。
【0063】
さらに、組電池の場合、小容量の電池を並列にして容量を大きくすることも考えられるが、電池を並列にして使用すると、充放電サイクル特性の劣化が促進されることになる。この実施の形態においては、リチウムイオンポリマー二次電池10を折り畳み構造としているので、5Ah以上の容量でサイクル特性の良い電池を得ることができる。この電池を直列のみの接続でモジュール化することにより、サイクル特性の良いモジュールが得られる。
【0064】
さらに、リチウムイオンポリマー二次電池10は、平板型であるので、円筒型電池を組電池にする場合よりも、モジュールのケース2への充填密度を高くできる。高出力電池は、低抵抗であるので、発熱量が少ない。また、放熱性に優れたセル構造であるので、セルを重ね合わせても電池の温度上昇が抑えられる。
【0065】
さらに、通常の充電器は、組電池の全電圧で制御しながら充電を行うが、組電池の場合には、電池内部と外部で温度差が発生する等の理由から、各セルの充電電圧にばらつきが生じる。この充電電圧のばらつきにより、充放電サイクル特性の劣化が促進される。本発明においては、リチウムイオンポリマー二次電池10を用いることにより、電池に容量残がある状態で充填を行っても容量劣化が起きることはない。
【0066】
さらに、作業場所の近くに設置することが可能であるので、配線長さを短くすることができる。従って、使用時の電圧低下が少なくなるので、電池容量を十分使用することができる。
【0067】
次に、上記の構成から電池モジュールの充電方法を図11を参照しつつ説明する。
ここでの説明は、セル(電池モジュール)が、例えば4個ある場合である。図11に示すように、まず、直列接続されたセル1〜セル4に対し、予備充電を開始する(200)。この場合の電流値は、例えば電圧4.2V、定電流0.4Aである。そして、セル1〜セル4のすべてが2.8Vの電圧値が得られた時点(201)で、急速充電を開始する(202)。急速充電の条件は、例えば各セル電圧4V、定電流4Aである。
急速充電においては、セル1〜セル4の何れか1つが4Vになったときに、順次ΔIだけ電流を減少させる(203、204)。そして、セル1〜セル4のいずれか1つが満充電になったときに(205)、充電を停止する(206)。
【0068】
そして、このような充電方法により電池モジュールの充電を行うことにより、各リチウムイオンポリマー二次電池が過充電になることなく、リチウムイオンポリマー二次電池(モジュール)を満充電まで充電することができるものである。
【0069】
なお、上述した実施の形態では、正極活物質層13、負極活物質層17及びポリマー電解質層19を正極集電体12及び負極集電体16の表面である一方の面に塗布乾燥し、帯状の負極シート15の一方の面に所定のピッチで複数の正極シート11を熱圧着して正極シート11が配置されていない負極シート15の折目を交互に折曲げたが、図9に示すように、正極活物質層13、負極活物質層17及びポリマー電解質層19を負極集電体16及び正極集電体12の上下の双方の面にそれぞれ塗布乾燥した帯状の負極シート15の上下の双方の面に所定のピッチで複数の正極シート11を熱圧着し、図8に示すように、正極シート11が配置されていない負極シート15の折目を交互に折曲げたリチウムイオンポリマー二次電池10であってもよい。
【0070】
図8に示すように、正極集電体12及び負極集電体16の表面である両面に正極活物質層13、負極活物質層17及びポリマー電解質層19をそれぞれ塗布乾燥した帯状の正極シート11又は負極シート15を交互に折り曲げれば、負極シート15と正極シート11が交互に積層されるため、リチウムイオンポリマー二次電池10のエネルギー密度を向上することができる。この場合、ポリマー電解質層19は二層となるが、電池の積層数が3以上の場合には、サイクル特性が向上するという効果を発揮できる。
【0071】
また、上述した実施の形態では、帯状の負極シート15を折り畳む場合を示したが、図示はしないが、帯状の正極シートをポリマー電解質層を有した状態で1又は2回以上折り畳み、折り畳まれた正極シートの折目を除くポリマー電解質層の間にそれぞれ折り畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シートを挟持してもよい。この場合、上述した実施の形態では、挟持される正極シート11がその正極活物質層13の表面にポリマー電解質層19を有する場合を説明したが、このように、帯状の正極シートを折り畳む場合には、挟持される負極シートの負極活物質の表面にポリマー電解質層が形成される。
【0072】
また、上述した実施の形態では、挟持される正極シート11がその正極活物質層13の表面にポリマー電解質層19を有する場合を説明したが、図示はしないが、負極シートの負極活物質層の表面にポリマー電解質層を介装して正極シートが積層可能である限り、正極シートの活物質表面にポリマー電解質層を予め形成しなくても良い。
【0073】
更に、図5に正極シートと負極シートの双方の片面に活物質及びポリマー電解質層を設けた例を示し、また図9に正極シートと負極シートの双方の両面に活物質及びポリマー電解質層を設けた例を示したが、本発明はこれらに限らず、正極シート又は負極シートの一方の両面に活物質及びポリマー電解質層を設け、正極シート又は負極シートの他方の片面に活物質及びポリマー電解質層を設けてもよい。この場合、片面に活物質及びポリマー電解質層を有するシートは帯状のシートであることが好ましい。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明による電池モジュールによれば、電池モジュールを構成する各リチウムイオンポリマー二次電池は、対向する辺の一方に一方の電極が帯状に形成され、同他方に他方の電極が帯状に形成されているので、電流容量を大きく取れる一方、発熱量を少なくすることができる。従って、冷却設備が不要となり、スペースファクターが良好となり、コンパクト化を図ることができることになる。
【0075】
また、電池モジュールを構成する各リチウムイオンポリマー二次電池は、放電容量を拡大するために面積を拡大させた帯状の正極又は負極シートを折り畳んでいるので、比較的小型薄型の状態のまま放電容量を拡大できることになる。従って、電池モジュール全体として大出力に対応することができる。また、電池モジュールを構成する各リチウムイオンポリマー二次電池は、正極集電体と正極活物質層との間に第1密着層を有し、負極集電体と負極活物質層との間に第2密着層を有し、第1密着層及び第2密着層が第3結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含み、第3結着剤が第1結着剤又は第2結着剤を変性物質により変性させた高分子化合物であるので、第1結着剤又は第2結着剤を基にした変性高分子は、正極活物質層又は負極活物質層に対する密着力が高まり、変性したことにより、集電体との密着性も従来の結着剤よりも大幅に高まる。この結果、活物質層の集電体からの剥がれを抑制でき、集電体と活物質層との導電性が大幅に向上し、大出力に対応することが可能となる。
【0076】
さらに、本発明による電池モジュールの充電方法によれば、各リチウムイオンポリマー二次電池が過充電電圧になることなく、リチウムイオンポリマー二次電池(モジュール)を満充電まで充電することができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電池モジュールの一実施の形態を示した概略図である。
【図2】電池モジュールを構成するリチウムイオンポリマー二次電池を示した概略断面図であって、図3のA−A線断面図である。
【図3】図2に示すリチウムイオンポリマー二次電池のB−B線断面図である。
【図4】図2に示すリチウムイオンポリマー二次電池の分解斜視図である。
【図5】負極シートに正極シートが熱圧着される状態を示した説明図である。
【図6】正極シートの製造工程を示した説明図である。
【図7】負極シートの製造工程を示した説明図である。
【図8】リチウムイオンポリマー二次電池の他の実施の形態を示した概略断面図である。
【図9】図8に示すリチウムイオンポリマー二次電池の負極シートに正極シートが熱圧着される状態を示した説明図である。
【図10】本発明による電池モジュールを穿孔装置の電源として用いた場合の説明図である。
【図11】本発明による電池モジュールの充電方法のフロー図である。
【符号の説明】
1 電池モジュール
10 リチウムイオンポリマー二次電池
11 正極シート
12 正極集電体
13 正極活物質層
14 第1密着層
15 負極シート
16 負極集電体
17 負極活物質層
18 第2密着層
19 ポリマー電解層
22 負極端子(電極)
24 正極端子(電極)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池モジュール及びその充電方法に関し、特に、リチウムイオンポリマー二次電池を複数直列に接続してなる電池モジュール及びその電池モジュールの充電方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリートや石材等を穿孔するために用いられる穿孔装置の一例として、大出力、高回転型の電気モータを備えた電気ドリルに類似した構成の穿孔装置が知られている。
【0003】
このような大出力、高回転型の穿孔装置は、電気モータのロータ軸に穿孔用の刃先を有する工具が直接的に取り付けられ、ロータ軸の回転力が直接に工具の刃先に伝達されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような構成の穿孔装置にあっては、電気モータの電源に商用電源又は発電機を用い、大出力、高回転によるコンクリート等の穿孔作業を可能としている。
【0005】
しかしながら、商用電源又は発電機を電気モータの電源として穿孔作業を行った場合に、工具の刃先が硬石等に突き当った瞬間に電気モータの回転が停止することがある。この場合、電気モータの消費電力が過大(例えば15A以上)となるため、商用電源又は発電機の容量が不足し、ブレーカ等の保護装置が作動し、電気モータに対する電力の供給が停止され、穿孔作業が中断され、作業効率が著しく低下する。
【0006】
また、出力が例えば1500W(最大瞬間電流:25A以上)の電気モータを駆動させる発電機は、大型で、重量が重く、持ち運びができないため、穿孔装置の使用箇所が制限されてしまう。さらに、電気コードのハンドリングが大変であるため、作業効率が大幅に低下する。さらに、電気コードの長さが長い場合には、オーム抵抗による電圧降下が大きくなるため、大出力、高回転で穿孔作業を行うことが困難になる。
【0007】
一方、持ち運びを可能とするために、リチウムイオンポリマー二次電池を複数並列に接続して電源として用いることも考えられる。しかし、現在市場に提供されているリチウムポリマー二次電池は、リード線が細いために並列に接続して容量を大きくしても大出力に対応することが困難である。また、電極と活物質層との密着力が弱いためにそれらの間の界面抵抗が大きくなり、大出力に対応することが困難となる。
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、穿孔装置によるコンクリート等の穿孔作業中に、工具の刃先が硬石に突き当って電気モータの消費電力が過大になった場合であっても、電気モータの回転数が低下することなく、高速で穿孔作業を継続することができ、これにより作業効率を大幅に高めることができる電池モジュール及びその充電方法を提供することを目的とするものである。また、全体がコンパクトで、重量が軽く、持ち運びが可能であって、穿孔装置の使用箇所が制限されることのない、電池モジュール及びその充電方法を提供することを第2の目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。すなわち、請求項1に係る発明は、正極集電体の表面に活物質中に結着剤が含まれる正極活物質層が形成された正極シートと、負極集電体の表面に活物質中に結着剤が含まれる負極活物質層が形成された負極シートとを、ポリマー電解質層を介して積層してなるリチウムイオンポリマー二次電池を複数直列に接続してなる電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池は、対向する辺の一方に一方の電極が帯状に形成され、同他方に他方の電極が帯状に形成されていることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、電流容量を大きくとすることが可能となり、大電流の出力に対応することが可能となる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池は、前記正極集電体と前記正極活物質層との間及び前記負極集電体と前記負極活物質層との間に、前記結着剤を変性物質により変性させた高分子化合物からなる結着剤と導電性物質とを含む密着層をそれぞれ有することを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、密着層に含まれる結着剤は、正極活物質層および負極活物質層にそれぞれ含まれる結着剤を変性物質により変性させた高分子化合物であるため、正極活物質層又は負極活物質層に対する密着力が高まる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池の前記正極シート又は負極シートは、少なくとも一回以上折り畳まれて、折目を除く前記ポリマー電解質層間にそれぞれ折畳み面積に応じた面積の複数の負極シート又は正極シートが挟持されていることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、正極シート又は負極シートは少なくとも一回以上折り畳まれることになるので、比較的小型薄型の状態のまま放電容量を拡大できる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れかに記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池は、正極端子と負極端子が互い違いになるように接合されていることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、複数の各リチウムイオンポリマー二次電池をケース内にコンパクトに収納することができることになる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れかに記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池の各密着層の厚さがそれぞれ0.5〜30μmであることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、密着層の厚さが0.5μm未満であると、集電体を腐食から保護する機能が低下し、放電容量のサイクル特性が悪くなる。また、密着層形成時に導電性粉末を均一に分散させることが困難になるため、内部インピーダンスの上昇を招く。30μmを超えると、電池反応に寄与しない部分の体積及び重量が増加するため、体積及び重量エネルギー密度が低下する。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1から5の何れかに記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池の各密着層中に分散剤を更に0.1〜20重量%含有することを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、分散剤を密着層中に0.1〜20重量%含有させることにより、導電性物質を密着層中に均一に分散できる。分散剤としては、酸性高分子系分散剤、塩基性高分子系分散剤又は中性高分子系分散剤等が挙げられる。0.1重量%未満であると、導電性粉末の分散が分散剤を添加しない場合と差がなく、添加した効果が得られない。20重量%を超えても、導電性粉末の分散状況は変わらず、電池反応に寄与するものでないため、過剰に添加する必要がない。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1から6の何れかに記載の電池モジュールであって、前記導電性物質が粒径0.5〜30μm、黒鉛化度50%以上の炭素材を用い、各密着層に含まれる各結着剤と前記導電性物質との重量比が13/87〜50/50であることを特徴とする。
この発明による電池モジュールによれば、結着剤と導電性物質との重量比は13/87〜50/50である。重量比が50/50を超えると、導電性物質が少なく、集電体と活物質層間の電子移動が十分に行えず、内部インピーダンスが上昇する。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1から7の何れかに記載の電池モジュールの充電方法であって、前記複数のリチウムイオンポリマー二次電池の何れか一つの充電電圧が設定値となったときに、電流を減少させて充電を行うことを特徴とする。
この発明による電池モジュールの充電方法によれば、各リチウムイオンポリマー二次電池が過充電状態になることなく、リチウムイオンポリマー二次電池モジュールを満充電まで充電することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1〜図9には、本発明による電池モジュールの一実施の形態が示されていて、この電池モジュール1は、図1に示すように、複数のリチウムイオンポリマー二次電池10を直列に接続し、これをケース2内に収納して構成したものである。
【0018】
各リチウムイオンポリマー二次電池10は、図2に示すように、正極シート11と負極シート15との間にポリマー電解質層19を介装し、その正極シート11及び負極シート15を積層して構成したものである。正極シート11は、正極集電体12の表面に正極活物質層13が形成されたものであり、負極シート15は、負極集電体16の表面に負極活物質層17が形成されたものである。正極活物質層13の活物質中には第1結着剤が含まれ、負極活物質層17の活物質中には第1結着剤と同一又は異なる第2結着剤が含まれる。ポリマー電解質層19は、正極集電体12に形成された正極活物質層13と負極集電体16に形成された負極活物質層17との間に介装される。
【0019】
正極集電体12と正極活物質層13との間には第1密着層14が設けられ、負極集電体16と負極活物質層17との間には第2密着層18が設けられる。第1密着層14及び第2密着層18は、第1結着剤又は第2結着剤又は前記結着剤の主基を変性物質により変性させた高分子化合物からなる第3結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むものである。
【0020】
ここで、「変性」とは、性質が変わることを意味し、この実施の形態においては、高分子化合物を変性物質により変性することにより、従来の高分子化合物が持つ性質だけでなく、変性物質が持つ性質を併せ持ったり、両者にない性質を新たに持たせることを意味する。
【0021】
この変性させた高分子化合物は、正極活性物質層13中の第1結着剤及び負極活物質層17中の第2結着剤を主基とするため、両活物質層13、17との密着性が高い。一方、正極集電体12及び負極集電体16との密着性が高い変性物質により変性したことにより、両集電体12、16との密着性も両活物質層13、17と同様の結着剤を用いる場合より大幅に向上する。このため、両活物質層13、17の両集電体12、16からの剥がれが抑制され、サイクル特性が向上するとともに、大出力に対応することが可能となる。
【0022】
また、変性高分子化合物は、両活物質層13,17に用いる結着剤に比べて変性させたことにより、化学的に安定となり、電解液に対して溶解されることなく、両活物質層13、17の両集電体12、16からの剥がれが抑制される。また、同様の理由から、両密着層14、18中に分散される導電性物質が崩落することなく保持されるため、良好な電子伝導を維持し、長期保存性やサイクル特性に優れる。また、化学的に安定な層に両集電体12、16が被覆されるため、電池内部でフッ酸などが発生した場合でも両密着層14、18が保護層となり、両集電体12、16の腐食を抑制できる。
【0023】
更に、変性高分子化合物は、両活物質層13、17に用いる結着剤に比べて変性させたことにより、熱的に安定となり、電池が高温下におかれても、電池内溶媒に溶解することがなく、電池の劣化を抑制できる。変性高分子化合物は、両活物質層13、17に用いる結着剤に比べて変性させたことにより、電気化学的に安定となり、正極が満充電時に高電位下におかれても、劣化することなく、安定した密着力と導電性を保つ。また、電解液が変性高分子化合物中に浸透するのが困難であるため、両集電体12、16への電解液の付着が殆どなく、満充電時における正極集電体12の溶出が抑制できる。
【0024】
次に、各リチウムイオンポリマー二次電池10の製造手順について説明する。まず、正極活物質層13又は負極活物質層17にそれぞれ含有する結着剤を変性物質により変性させ、この変性高分子化合物を第1密着層14及び第2密着層18の第3結着剤とする。
【0025】
第1密着層14及び第2密着層18は、化学的、電気化学的、熱的に安定であることが要求されるため、正極活物質層13及び負極活物質層17に用いられる第1結着剤又は第2結着剤、変性高分子化合物の基体となる高分子化合物は、分子内にフッ素を含む高分子化合物であることが好ましい。このフッ素含有高分子化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、PVdF、フッ化ビニリデン−ヘキサルフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル等が挙げられる。
【0026】
このフッ素含有高分子化合物を変性させる手法として、グラフト重合、架橋などが挙げられる。グラフト重合に用いられる変性物質としては、エチレン、スチレン、ブタジエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、メチルビニルケトン、アクリルアミド、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、メタクリル酸、メタクリル酸メチル等の化合物が挙げられる。特に、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチルを用いた場合に集電体と良好な密着性を得ることができる。
【0027】
架橋に用いられる変性物質としては、不飽和結合を2つ以上有する化合物、例えばブタジエン、イトプレン等が挙げられる。また、架橋は加硫することによって行ってもよい。
【0028】
この実施の形態では、グラフト重合について述べる。グラフト重合させる方法としては、触媒法、連鎖移動法、放射線法、光重合法及び機械的切断法等がある。例えば、放射線法では、高分子化合物とグラフト化材料となる化合物とを一緒にして、放射線を連続的又は間欠的に放射することにより重合でき、グラフト化材料と高分子化合物とを接触させる前に主基である高分子化合物を予備放射することが好ましい。
【0029】
具体的には、高分子化合物に放射線を照射した後で、前記被照射物にグラフト化材料となる変性物質を混合することにより、高分子化合物を主鎖とし変性物質を側鎖とした変性高分子化合物を得ることができる。グラフト重合に用いる放射線は、電子ビーム、X線又はγ線が挙げられる。高分子化合物への吸収線量が1〜120kGyになるようにγ線を照射する。主基である高分子化合物に放射線を照射することにより片末端にラジカルが形成され、グラフト化材料が重合しやすくなる。下記化学式(1)及び化学式(2)にPVdFとアクリル酸の放射線法によるグラフト重合を示す。
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】
【0032】
化学式(1)に示すように、PVdFに放射線としてγ線を照射することにより、PVdFの片末端にラジカルを形成する。化学式(2)に示すように、この片末端にラジカルを有するPVdFにアクリル酸を接触させて、PVdFのラジカルにアクリル酸の二重結合部分がグラフト重合される。
【0033】
また、別の例として、化学式(3)及び化学式(4)にPVdFとメタクリル酸のグラフト重合を示す。
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】
化学式(3)に示すように、PVdFが放射線としてγ線を照射することにより、PVdFの片末端にラジカルを形成し、化学式(4)で片末端にラジカルを有するPVdFにメタクリル酸を接触させて、PVdFのラジカルにメタクリル酸の二重結合部分がグラフト重合される。
【0037】
グラフト重合は、活性化した主基がグラフト化材料と接触している時間の長さ、放射線による主基の予備活性の限度、グラフト化材料が主基を透過できるまでの程度、主基及びグラフト化材料が接触しているときの温度等によりそれぞれ重合生成が異なる。グラフト化材料が酸である場合、グラフト化材料である化合物を含有する溶液をサンプリングして、アルカリにより滴定し、残留する酸化合物濃度を測定することにより、グアラフト化の程度を観測することができる。得られた組成物中のグラフト化の割合は、最終重量の10〜30%が望ましい。
【0038】
このようにして得られたグラフト重合された変性高分子化合物を第1密着層14及び第2密着層18の第3結着剤とし、この第3結着剤を溶媒に溶解してポリマー溶液を作製し、ポリマー溶液中に導電性物質を分散させて第1密着層スラリー及び第2密着層スラリーを調製する。導電性物質には、粒径0.5〜30μm、黒鉛化度50%以上の炭素材が用いられる。第3結着剤と導電性物質との重量比(第3結着剤/導電性物質)が13/87〜50/50になるように混合して、第1密着層スラリー及び第2密着層スラリーを調製する。溶媒には、ジメチルアセトアミド(DiMethylAcetamide、以下、「DMA」という。)、アセトン、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドンが用いられる。
【0039】
次に、シート状の正極集電体12及び負極集電体16をそれぞれ用意し、この正極集電体12及び負極集電体16に調製した第1密着層スラリー及び第2密着層スラリーをドクターブレード法によりそれぞれ塗布、乾燥し、乾燥後の厚さが0.5〜30μmの第1密着層14及び第2密着層18を有する正極集電体12及び負極集電体16を形成する。乾燥後の両密着層14、18の厚さは、1〜15μmが好ましい。シート状の正極集電体12としてはAl箔が、負極集電体16としてはCu箔がそれぞれ挙げられる。
【0040】
ここで、ドクターブレード法とは、セラミックスをシート状に成型する方法の一つであり、キャリアフィルムやエンドレスベルト等のキャリア上に載せて運ばれるスリップの厚さをドクターブレードと呼ばれるナイフエッジとキャリアとの間隔を調整することによってシートの厚さを精密に制御する方法である。
【0041】
次に、正極活物質層13、負極活物質17及びポリマー電解質層19に必要な成分をそれぞれ混合して正極活物質層塗工用スラリー、負極活物質層塗工用スラリー及びポリマー電解質層塗工用スラリーをそれぞれ調製する。
【0042】
得られた正極活物質層塗工用スラリーを第1密着層14を有する正極集電体12上にドクターブレード法により塗布して乾燥し、圧延することにより正極シート11を形成する。また、同様にして、得られた負極活物質層塗工用スラリーを第2密着層18を有する負極集電体16上にドクターブレード法により塗布して乾燥し、圧延することにより負極シート15を形成する。正極活物質層13及び負極活物質層17は、乾燥後の厚さが20〜250μmとなるように形成する。
【0043】
この実施の形態においては、リチウムイオンポリマー二次電池10の放電容量を拡大するために帯状の負極集電体16を用い、この帯状の負極集電体16を負極活物質層17の表面にポリマー電解質層19を有した状態で折り畳んだ構造としている。
【0044】
図7(a)及び(b)に示すように、負極活物質層17の負極集電体16の表面への具体的な形成手順は、活物質を溶液に分散混合して作製したスラリーを帯状の負極集電体16の上面にドクターブレード法により塗布して乾燥することにより行われる。
【0045】
負極活物質層17は、他方の側部17bを除いて表面である図における負極集電体16の上面に形成され、ポリマー電解質層19は、その負極活物質層17の上面に電解質スラリーを塗布乾燥することにより形成される。ポリマー電解質層19は、この負極活物質層17を被覆する面積を有するように形成される。
【0046】
具体的には、図7(c)に示すように、電解質スラリーを負極活物質層17を覆うように塗布し、その後乾燥することにより負極活物質層17を被覆する面積に形成される。
【0047】
この実施の形態のリチウムイオンポリマー二次電池10は、折り畳まれた負極シート15の折目を除くポリマー電解質層19の間にそれぞれ折り畳み面積に相応した面積を有する複数の正極シート11が挟持される。挟持される正極シート11の正極活物質層13の表面にもポリマー電解質層19が形成される。この実施の形態における正極集電体12はAl箔であり、正極活物質層13には例えばLiCoO2 、LiNiO2が使用される。
【0048】
具体的な正極シート11の作製手順は、図6(a)(b)に示すように、活物質を溶液に分散混合したスラリーをドクターブレード法により塗布して乾燥することにより、後に正極集電体12になる帯状のAl箔20の上面に先ず正極活物質層13を形成する。
【0049】
正極活物質層13は、Al箔20の一方の側部を除いて形成され、ポリマー電解質層19はこの正極活物質層13を被覆する面積を有するように形成される。具体的には、図6(c)に示すように、正極活物質層13を覆うように電解質スラリーを塗布し、その後乾燥することにより正極活物質層13を被覆する面積に形成される。
【0050】
その後、図6(d)に示すように、正極活物質層13及びポリマー電解質層19を有する帯状のAl箔20は、その正極活物質層13及びポリマー電解質層19とともに負極シート15の折り畳み面積に応じた面積を有するように切断される。これにより、正極集電体12の表面に正極活物質層13が形成され、その正極活物質層13の表面にポリマー電解質層19を有する所定の面積の正極シート11が複数枚作られる。
【0051】
次いで、図5に示すように、ポリマー電解質層19を間に介装して正極シート11及び負極シート15が積層される。この積層は熱圧着により行われる。即ち、負極シート15に折目の間隔に相応する所定のピッチで複数の正極シート11を配置し、その状態で所定の温度に加熱された反対方向にそれぞれ回転する一対のローラ21、21間に図の実線矢印に示すように通過させ、ポリマー電解質層19を介装した状態で正極シート11及び負極シート15を熱圧着する。複数の正極シート11の負極シート15上への配置は、帯状の負極集電体16の一方の側縁16aが複数の正極集電体12の一方の側縁12aから突出し、複数の正極集電体12の他方の側縁12bがその帯状の負極集電体16の他方の側縁16bから突出するように、またそれぞれの正極シート11が負極シート15の折目に相当する部分をあけて配置される。
【0052】
図4に示すように、このように正極シート11が積層された負極シート15の折り畳みは、正極シート11が配置されていない負極シート15の折目を交互に折り曲げることにより行われる。このように折り畳むと、帯状の負極集電体16の一方の側縁16aは複数の正極集電体12の一方の側縁12aから突出し、複数の正極集電体12の他方の側縁12bは帯状の負極集電体16の他方の側縁16bから突出した状態で積層される。
【0053】
図2に示すように、折り畳まれた負極シート15の折目を除くポリマー電解質層19の間には、それぞれ折り畳み面積に相応した面積を有する複数の正極シート11が挟持される。
【0054】
一方、図3及び図4に示すように、複数の正極集電体12の一端12aから突出した負極集電体16の複数の突出部16cには、この突出部16cを相互に接続する負極端子22の一端が止め金具23により接続され、負極集電体16の他端縁16bから突出した正極集電体12の複数の突出部12cには、この突出部12cを相互に接続する正極端子24の一端が止め金具23により接続される。
【0055】
図2及び図3に示すように、このように折り畳まれた帯状の負極シート15は複数の正極シート14とともにパッケージシート25で密封される。この実施の形態におけるパッケージシート25は、ポリプロピレンがラミネートされたアルミニウム箔であり、一対のパッケージシート25で折り畳まれた帯状の負極シート15を複数の正極シート11とともに挟み、真空雰囲気中でパッケージシート25の周囲を熱圧着することにより密封される。一対のパッケージシート25は正極端子24(電極)の他端及び負極端子22(電極)の他端がそれぞれそのパッケージシート25の外部に表出するように周囲が熱圧着され、このようにして作られたリチウムイオンポリマー二次電池10は、パッケージシート25の対向する辺の一方から引き出された帯状の正極端子24及び同他方の辺から引き出された帯状の負極端子22の他端を電池の端子として使用することにより所望の電気を得ることができる。
【0056】
そして、上記のように構成したリチウムイオンポリマー二次電池10を複数直列に接続し、ケース2内に収納することで、この実施の形態による電池モジュール1が構成される。この場合、複数のリチウムイオンポリマー二次電池10は、正極端子24と負極端子 22とが互い違いになるように接合させた状態でケース2内に収納し、隣接するリチウムイオンポリマー二次電池10、10の正極端子24と負極端子22とを相互に接続するように構成することにより、電池モジュール1全体をコンパクト化することができるものである。
【0057】
なお、この実施の形態においては、5C以上の出力、エネルギー密度が70Wh/kg以上、容量が5〜15Ahのリチウムイオンポリマー二次電池10を4〜55個直列に接続して電池モジュール1を構成している。
【0058】
そして、上記のように構成した電池モジュール1に図10に示すような構成の穿孔装置30を接続し、穿孔装置30の電気モータ31に電力を供給することで、電気モータ31のロータ軸32に接続される穿孔工具33が回転駆動し、穿孔工具33の先端の刃先によりコンクリート等の穿孔を行うことができるものである。
【0059】
上記のように構成したこの実施の形態による電池モジュール1にあっては、電池モジュール1を構成する各リチウムイオンポリマー二次電池10が、面積を拡大させた帯状の負極シート15を折り畳んで構成しているので、比較的小型薄型の状態のまま放電容量を拡大できる。また、正極集電体12と正極活物質層13との間に第1密着層14を介装させ、負極集電体16と負極活物質層17との間に第2密着層18を介装させたことにより、正極集電体12と正極活物質層13との密着力及び負極集電体16と負極活物質層17との密着力を大幅に高めることができ、それらの間の導電性を大幅に高めることができることになる。
【0060】
そして、上記のような特性のリチウムイオンポリマー二次電池10を複数直列に接続して電池モジュール1を構成しているので、以下のような効果を奏することになる。
【0061】
5C以上の放電が可能なリチウムイオンポリマー二次電池10を用いることにより、5Ah(以上の)容量で25A以上の放電が可能になる。従って、穿孔装置30による穿孔作業中に刃先が硬石に突き当たって電気モータ31の消費電力が過大になっても、電気モータ31の回転数が低下するようなことなく、高速で穿孔作業を継続することができることになり、作業効率を大幅に高めることができることになる。
【0062】
また、容量が5〜15Ahのリチウムイオンポリマー二次電池10を4〜55個直列(満充電時:約16〜230V)に接続することにより、各種仕様のモータに対応が可能となる。さらに、重量も5Ah、55直列(231V)であれば、70Wh/kgのリチウムイオンポリマー二次電池10であっても電池モジュール1全体で20kg以下(電池部は16.5kg)となるので、持ち運びが可能となる。
【0063】
さらに、組電池の場合、小容量の電池を並列にして容量を大きくすることも考えられるが、電池を並列にして使用すると、充放電サイクル特性の劣化が促進されることになる。この実施の形態においては、リチウムイオンポリマー二次電池10を折り畳み構造としているので、5Ah以上の容量でサイクル特性の良い電池を得ることができる。この電池を直列のみの接続でモジュール化することにより、サイクル特性の良いモジュールが得られる。
【0064】
さらに、リチウムイオンポリマー二次電池10は、平板型であるので、円筒型電池を組電池にする場合よりも、モジュールのケース2への充填密度を高くできる。高出力電池は、低抵抗であるので、発熱量が少ない。また、放熱性に優れたセル構造であるので、セルを重ね合わせても電池の温度上昇が抑えられる。
【0065】
さらに、通常の充電器は、組電池の全電圧で制御しながら充電を行うが、組電池の場合には、電池内部と外部で温度差が発生する等の理由から、各セルの充電電圧にばらつきが生じる。この充電電圧のばらつきにより、充放電サイクル特性の劣化が促進される。本発明においては、リチウムイオンポリマー二次電池10を用いることにより、電池に容量残がある状態で充填を行っても容量劣化が起きることはない。
【0066】
さらに、作業場所の近くに設置することが可能であるので、配線長さを短くすることができる。従って、使用時の電圧低下が少なくなるので、電池容量を十分使用することができる。
【0067】
次に、上記の構成から電池モジュールの充電方法を図11を参照しつつ説明する。
ここでの説明は、セル(電池モジュール)が、例えば4個ある場合である。図11に示すように、まず、直列接続されたセル1〜セル4に対し、予備充電を開始する(200)。この場合の電流値は、例えば電圧4.2V、定電流0.4Aである。そして、セル1〜セル4のすべてが2.8Vの電圧値が得られた時点(201)で、急速充電を開始する(202)。急速充電の条件は、例えば各セル電圧4V、定電流4Aである。
急速充電においては、セル1〜セル4の何れか1つが4Vになったときに、順次ΔIだけ電流を減少させる(203、204)。そして、セル1〜セル4のいずれか1つが満充電になったときに(205)、充電を停止する(206)。
【0068】
そして、このような充電方法により電池モジュールの充電を行うことにより、各リチウムイオンポリマー二次電池が過充電になることなく、リチウムイオンポリマー二次電池(モジュール)を満充電まで充電することができるものである。
【0069】
なお、上述した実施の形態では、正極活物質層13、負極活物質層17及びポリマー電解質層19を正極集電体12及び負極集電体16の表面である一方の面に塗布乾燥し、帯状の負極シート15の一方の面に所定のピッチで複数の正極シート11を熱圧着して正極シート11が配置されていない負極シート15の折目を交互に折曲げたが、図9に示すように、正極活物質層13、負極活物質層17及びポリマー電解質層19を負極集電体16及び正極集電体12の上下の双方の面にそれぞれ塗布乾燥した帯状の負極シート15の上下の双方の面に所定のピッチで複数の正極シート11を熱圧着し、図8に示すように、正極シート11が配置されていない負極シート15の折目を交互に折曲げたリチウムイオンポリマー二次電池10であってもよい。
【0070】
図8に示すように、正極集電体12及び負極集電体16の表面である両面に正極活物質層13、負極活物質層17及びポリマー電解質層19をそれぞれ塗布乾燥した帯状の正極シート11又は負極シート15を交互に折り曲げれば、負極シート15と正極シート11が交互に積層されるため、リチウムイオンポリマー二次電池10のエネルギー密度を向上することができる。この場合、ポリマー電解質層19は二層となるが、電池の積層数が3以上の場合には、サイクル特性が向上するという効果を発揮できる。
【0071】
また、上述した実施の形態では、帯状の負極シート15を折り畳む場合を示したが、図示はしないが、帯状の正極シートをポリマー電解質層を有した状態で1又は2回以上折り畳み、折り畳まれた正極シートの折目を除くポリマー電解質層の間にそれぞれ折り畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シートを挟持してもよい。この場合、上述した実施の形態では、挟持される正極シート11がその正極活物質層13の表面にポリマー電解質層19を有する場合を説明したが、このように、帯状の正極シートを折り畳む場合には、挟持される負極シートの負極活物質の表面にポリマー電解質層が形成される。
【0072】
また、上述した実施の形態では、挟持される正極シート11がその正極活物質層13の表面にポリマー電解質層19を有する場合を説明したが、図示はしないが、負極シートの負極活物質層の表面にポリマー電解質層を介装して正極シートが積層可能である限り、正極シートの活物質表面にポリマー電解質層を予め形成しなくても良い。
【0073】
更に、図5に正極シートと負極シートの双方の片面に活物質及びポリマー電解質層を設けた例を示し、また図9に正極シートと負極シートの双方の両面に活物質及びポリマー電解質層を設けた例を示したが、本発明はこれらに限らず、正極シート又は負極シートの一方の両面に活物質及びポリマー電解質層を設け、正極シート又は負極シートの他方の片面に活物質及びポリマー電解質層を設けてもよい。この場合、片面に活物質及びポリマー電解質層を有するシートは帯状のシートであることが好ましい。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明による電池モジュールによれば、電池モジュールを構成する各リチウムイオンポリマー二次電池は、対向する辺の一方に一方の電極が帯状に形成され、同他方に他方の電極が帯状に形成されているので、電流容量を大きく取れる一方、発熱量を少なくすることができる。従って、冷却設備が不要となり、スペースファクターが良好となり、コンパクト化を図ることができることになる。
【0075】
また、電池モジュールを構成する各リチウムイオンポリマー二次電池は、放電容量を拡大するために面積を拡大させた帯状の正極又は負極シートを折り畳んでいるので、比較的小型薄型の状態のまま放電容量を拡大できることになる。従って、電池モジュール全体として大出力に対応することができる。また、電池モジュールを構成する各リチウムイオンポリマー二次電池は、正極集電体と正極活物質層との間に第1密着層を有し、負極集電体と負極活物質層との間に第2密着層を有し、第1密着層及び第2密着層が第3結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含み、第3結着剤が第1結着剤又は第2結着剤を変性物質により変性させた高分子化合物であるので、第1結着剤又は第2結着剤を基にした変性高分子は、正極活物質層又は負極活物質層に対する密着力が高まり、変性したことにより、集電体との密着性も従来の結着剤よりも大幅に高まる。この結果、活物質層の集電体からの剥がれを抑制でき、集電体と活物質層との導電性が大幅に向上し、大出力に対応することが可能となる。
【0076】
さらに、本発明による電池モジュールの充電方法によれば、各リチウムイオンポリマー二次電池が過充電電圧になることなく、リチウムイオンポリマー二次電池(モジュール)を満充電まで充電することができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電池モジュールの一実施の形態を示した概略図である。
【図2】電池モジュールを構成するリチウムイオンポリマー二次電池を示した概略断面図であって、図3のA−A線断面図である。
【図3】図2に示すリチウムイオンポリマー二次電池のB−B線断面図である。
【図4】図2に示すリチウムイオンポリマー二次電池の分解斜視図である。
【図5】負極シートに正極シートが熱圧着される状態を示した説明図である。
【図6】正極シートの製造工程を示した説明図である。
【図7】負極シートの製造工程を示した説明図である。
【図8】リチウムイオンポリマー二次電池の他の実施の形態を示した概略断面図である。
【図9】図8に示すリチウムイオンポリマー二次電池の負極シートに正極シートが熱圧着される状態を示した説明図である。
【図10】本発明による電池モジュールを穿孔装置の電源として用いた場合の説明図である。
【図11】本発明による電池モジュールの充電方法のフロー図である。
【符号の説明】
1 電池モジュール
10 リチウムイオンポリマー二次電池
11 正極シート
12 正極集電体
13 正極活物質層
14 第1密着層
15 負極シート
16 負極集電体
17 負極活物質層
18 第2密着層
19 ポリマー電解層
22 負極端子(電極)
24 正極端子(電極)
Claims (8)
- 正極集電体の表面に活物質中に結着剤が含まれる正極活物質層が形成された正極シートと、負極集電体の表面に活物質中に結着剤が含まれる負極活物質層が形成された負極シートとを、ポリマー電解質層を介して積層してなるリチウムイオンポリマー二次電池を複数直列に接続してなる電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池は、対向する辺の一方に一方の電極が帯状に形成され、同他方に他方の電極が帯状に形成されていることを特徴とする電池モジュール。
- 請求項1に記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池は、前記正極集電体と前記正極活物質層との間及び前記負極集電体と前記負極活物質層との間に、前記結着剤又は前記結着剤の主基を変性物質により変性させた高分子化合物からなる結着剤と導電性物質とを含む密着層をそれぞれ有することを特徴とする電池モジュール。
- 請求項1又は2に記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池の前記正極シート又は負極シートは、少なくとも一回以上折り畳まれて、折目を除く前記ポリマー電解質層間にそれぞれ折畳み面積に応じた面積の複数の負極シート又は正極シートが挟持されていることを特徴とする電池モジュール。
- 請求項1から3の何れかに記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池は、正極端子と負極端子が互い違いになるように接合されていることを特徴とする電池モジュール。
- 請求項1から4の何れかに記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池の各密着層の厚さがそれぞれ0.5〜30μmであることを特徴とする電池モジュール。
- 請求項1から5の何れかに記載の電池モジュールであって、前記各リチウムイオンポリマー二次電池の各密着層中に分散剤を更に0.1〜20重量%含有することを特徴とする電池モジュール。
- 請求項1から6の何れかに記載の電池モジュールであって、前記導電性物質が粒径0.5〜30μm、黒鉛化度50%以上の炭素材を用い、各密着層に含まれる各結着剤と前記導電性物質との重量比が13/87〜50/50であることを特徴とする電池モジュール。
- 請求項1から7の何れかに記載の電池モジュールの充電方法であって、前記複数のリチウムイオンポリマー二次電池の何れか一つの充電電圧が設定値となったときに、電流を減少させて充電を行うことを特徴とする電池モジュールの充電方法。
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