JP2004079045A - 再生装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被駆動体を安定駆動する。
【解決手段】駆動軸24の一端に取り付けられ、駆動軸24の軸方向に伸縮することによって、駆動軸24を、この駆動軸24の軸方向に変位させる電気機械変換素子25と、駆動軸25に沿って移動する被駆動体28と、被駆動体28上に配設され、ディスク状記録媒体から情報を読み出す情報読出部と、電気機械変換素子25が取り付けられている側とは反対側の駆動軸の一端に取り付けられ、被駆動体28が駆動軸24に沿って移動することにより集められた異物を排出する排出機構27と、電気機械変換素子25に駆動電圧を印加する駆動電圧印加部と、被駆動体28に排出駆動をさせるための排出駆動信号を生成する信号生成部と、排出駆動信号の入力に応じて駆動電圧印加部を制御する制御部とを備えることで実現する。
【選択図】 図5
【解決手段】駆動軸24の一端に取り付けられ、駆動軸24の軸方向に伸縮することによって、駆動軸24を、この駆動軸24の軸方向に変位させる電気機械変換素子25と、駆動軸25に沿って移動する被駆動体28と、被駆動体28上に配設され、ディスク状記録媒体から情報を読み出す情報読出部と、電気機械変換素子25が取り付けられている側とは反対側の駆動軸の一端に取り付けられ、被駆動体28が駆動軸24に沿って移動することにより集められた異物を排出する排出機構27と、電気機械変換素子25に駆動電圧を印加する駆動電圧印加部と、被駆動体28に排出駆動をさせるための排出駆動信号を生成する信号生成部と、排出駆動信号の入力に応じて駆動電圧印加部を制御する制御部とを備えることで実現する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機械変換素子を用いて駆動軸を変位させることによって信号読み取り部が設けられた被駆動体を駆動軸に沿って移動させることができる再生装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスク状記録媒体である光磁気ディスクに記録されたデータの再生を行うディスク再生装置は、光磁気ディスクを回転駆動するディスク回転駆動機構と、このディスク回転駆動機構により回転駆動される光磁気ディスクに対して情報信号の読み出しを行う光ピックアップと、この光ピックアップを光磁気ディスクの径方向に移動可能に支持する支持機構と、この支持機構に支持された光ピックアップを光磁気ディスクの径方向に送り動作させる駆動機構とを備え、これらが装置本体のベースに配設されている。
【0003】
上記ディスク回転駆動機構は、スピンドルモータの駆動軸に一体的に取り付けられたディスクテーブルを有しており、このディスクテーブルには、光磁気ディスクが装着される。光ピックアップは、光源から出射された光ビームを対物レンズにより集光させて光磁気ディスクの信号記録面に照射し、この光磁気ディスクの信号記録面から反射した戻りの光ビームを受光素子により検出する光学系と、この受光素子により受光された光磁気ディスクからの検出信号に基づいて、対物レンズを光軸方向及び光磁気ディスクの径方向に変位駆動させる二軸アクチュエータとを有し、光磁気ディスクに記録されたデータを読み出すと共に、対物レンズのフォーカシング及びトラッキング制御を行うことができる。
【0004】
このような光ピックアップを支持する支持機構は、光ピックアップを支持する支持ベースと、この支持ベースを光磁気ディスクの径方向に移動可能に支持する主軸と副軸とを有している。駆動機構は、支持ベースに設けられたラック部材と、このラック部材に噛合されるギヤやリードスクリュー等からなるギヤ群と、これらギヤ群を回転駆動し、ラック部材を主軸及び副軸に沿った方向に移動させる駆動モータとを有している。そして、光ピックアップは、駆動機構が駆動されると、支持ベースが光磁気ディスクの径方向に移動することによって、光磁気ディスクの径方向に移動される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなディスク再生装置は、駆動機構に多くのギヤを必要とすることから、部品点数が増え、組立工程が複雑なものとなってしまう。また、部品点数が多いことから、更なる小型化を図ることが困難である。
【0006】
ところで、従来より、電気機械変換素子を用いて被駆動体を移動させる駆動装置がある。具体的に、この駆動装置は、電気機械変換素子により変位される駆動摩擦部材(以下、駆動軸という。)と、電気機械変換素子を駆動する駆動回路とを備え、駆動回路が電気機械変換素子に、駆動電圧である一定周期のランプ電圧を印加することによって、駆動軸を変位させ、この駆動軸に取り付けられている被駆動体を、駆動軸に沿って移動させることができるようになっている。この駆動装置は、被駆動体を移動させるにあたって、ギヤ等を必要としないことから、部品点数の削減を図ることができ、また、これを適用した装置の小型化を図ることができる。
【0007】
そこで、この駆動装置を、上述したディスク再生装置の光ピックアップの移動機構に適用し、これによって、ディスク再生装置の部品点数の削減を図り、装置全体の小型化を図ることができる。この場合、光ピックアップの支持機構を構成する主軸又は副軸の何れか一方を、駆動回路の駆動摩擦部材に代え、この駆動摩擦部材を電気機械変換素子によって変位させることによって、対物レンズが配設されている光ピックアップを光ディスクの径方向に移動させることができる。
【0008】
しかし、上記駆動装置の使用経過時間とともに、駆動軸に埃等の異物が付着することがある。このような異物をそのまま放置しておくと駆動軸と被駆動体の隙間に異物が入り込み、その結果、摩擦力が低下し、被駆動体に配設されている情報読出部の位置制御がスムーズに行なわれないおそれがある。
【0009】
一方、上述のような異物の混入を見越して、上記駆動装置の駆動電圧を高く設定した場合、異物の混入がないときに、負荷が軽くなるため被駆動体の移動量が大きくなり過ぎてしまい、被駆動体の駆動動作の制御が不安定になってしまうおそれがある。また、上述のように駆動電圧を高く設定しておくと、必要以上に電力を消費することになり、とりわけ携帯用機器においては、省電力化の向上を目指す上で大きな障害となってしまう。
【0010】
そこで、本発明では、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動特性を劣化させることなく被駆動体を安定駆動することができる再生装置及び方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る再生装置は、上述した目的を解決するために、駆動軸と、上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記駆動軸の軸方向に伸縮することによって、上記駆動軸を、この駆動軸の軸方向に変位させる電気機械変換素子と、上記駆動軸の軸方向に移動可能に支持され、上記駆動軸が上記電気機械変換素子によって変位されることによって、上記駆動軸に沿って移動する被駆動体と、上記被駆動体上に配設され、ディスク状記録媒体から情報を読み出す情報読出部と、上記電気機械変換素子が取り付けられている側とは反対側の上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記被駆動体が上記駆動軸に沿って移動することにより集められた異物を排出する排出機構と、上記電気機械変換素子に駆動電圧を印加する駆動電圧印加部と、上記被駆動体に排出駆動をさせるための排出駆動信号を生成する信号生成部と、上記排出駆動信号の入力に応じて上記駆動電圧印加部を制御する制御部とを備え、上記制御部は、上記排出駆動開始信号が入力されたときに、通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧を印加するように上記駆動電圧印加部を制御し、上記電気機械変換素子は、上記駆動電圧印加部により印加された通常よりも高い駆動電圧に応じて変位し、上記被駆動体を上記電気機械変換素子の変位に応じて上記駆動軸上を排出機構まで移動する。
【0012】
本発明に係る再生方法は、駆動軸上に設置されている被駆動体を駆動させるために、駆動電圧印加部により所定の駆動電圧を電気機械変換素子の変位に応じて上記駆動軸上を移動することで、上記被駆動体に配設されている情報読出部によりディスク状記録媒体から情報を再生する再生方法において、上記駆動軸上の異物を排出するための信号を生成する排出信号生成工程と、上記排出信号に応じて通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧を上記電気機械変換素子に印加するように上記駆動電圧印加部を制御する電圧制御工程と、通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧で上記被駆動体を駆動する駆動工程とを有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したディスク記録再生装置を図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、ディスク記録再生装置1に用いられるディスクカートリッジ2は、リムーバブルであり、一対の上ハーフ2aと下ハーフ2bとを突き合わすことにより構成されたカートリッジ本体2cに、光磁気ディスク3が回転可能に収納されてなる。
【0015】
光磁気ディスク3の中心部には、ディスク記録再生装置1側のディスク回転駆動機構を構成するディスクテーブルに係合されるクランピングプレートが設けられている。クランピングプレートは、金属等で形成されており、ディスクテーブル側のマグネットによって磁気吸引される。すなわち、光磁気ディスク3は、ディスクテーブルにクランピングプレートが磁気吸引され係合されることによって、ディスクテーブルと一体的に回転する。
【0016】
この光磁気ディスク3を回転可能に収納するカートリッジ本体2cには、前面側略中央の上ハーフ2a及び下ハーフ2bの互いに対向する面に、光磁気ディスク3の信号記録領域の一部を径方向に亘って外部に臨ませる記録再生用の開口部4a,4bが形成されている。上ハーフ2a側の開口部4aは、光磁気ディスク3に対して磁界を印加する磁気ヘッドをカートリッジ本体2c内部に進入させるためのものであり、下ハーフ2b側の開口部4bは、光ピックアップを光磁気ディスク3に臨ませるためのものである。
【0017】
また、カートリッジ本体2cの前面側には、記録再生用の開口部4a,4bを開閉するためのシャッタ部材5がスライド可能に取り付けられている。このシャッタ部材5は、カートリッジ本体2の外形に沿って略コ字状に折り曲げられた平板部材によって形成されており、各主面部は、記録再生用の開口部4a,4bを閉塞するのに足る大きさに形成されている。このシャッタ部材5は、ディスク記録再生装置1に装填されたときに限って、開口部4a,4bを開放し、非使用時には開口部4a,4bを閉塞する。
【0018】
また、下ハーフ2bの中央部には、光磁気ディスク3のクランピングプレートを外部に臨ませる略円形の開口部が設けられている。ディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置1に装填されたとき、この開口部からは、ディスクテーブルが進入し、クランピングプレートとディスクテーブルとが係合する。
【0019】
このようなディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置1に装填された後、シャッタ部材5は、ディスクカートリッジ2の挿入方向と平行な方向に、カートリッジ本体2cの前面に沿ってスライドし、開口部4a,4bを開放し、光磁気ディスク3の記録再生の可能な状態にする。
【0020】
なお、カートリッジ本体2c内に収納する記録媒体としては、光磁気ディスクの他に、再生専用の光ディスク、記録層に色素を用いデータの追記を可能とする追記型の光ディスク、記録層に相変化材料を用いデータの書換を可能とする書換型の光ディスク、記録層に磁性材料が用いられている磁気ディスク等を用いるようにしてもよい。
【0021】
以上のようなディスクカートリッジ2を記録媒体に用いるディスク記録再生装置1について説明すると、このディスク記録再生装置1は、ディスクカートリッジ2が装着される装着部が設けられた装置本体と、この装置本体に設けられた装着部を開閉する蓋体1aとを備える。そして、図1に示すように、装置本体を構成する筐体内には、ディスクカートリッジ2が装着される装着部が一方の主面に構成されたベース10が配設されている。このベース10には、詳細は省略するが、ディスクカートリッジ2を保持するカートリッジホルダが回動可能に取り付けられており、このカートリッジホルダは、蓋体1aと共に回動する。
【0022】
そして、このディスク記録再生装置1は、図2に示すように、ユーザーにより蓋開け釦1bが押圧され、蓋体1aが装着部を開放しているとき、すなわち、ディスクカートリッジの挿脱口が解放されているとき、ディスクカートリッジ2をカートリッジホルダに挿入保持させ、蓋体1aを装着部を閉塞する方向に回動操作することによって、カートリッジホルダに保持されたディスクカートリッジ2を装着部に装着し、光磁気ディスク3の記録再生を行うことができるようにする。
【0023】
すなわち、ディスクカートリッジ2は、装着部に装着された状態において、記録再生用の開口部4a,4bがシャッタ部材5がカートリッジ本体2cの前面部に沿ってスライドすることにより開放され、下ハーフ2bの略中央の開口部よりディスクテーブルが進入し、クランピングプレートがディスクテーブルに磁気吸引されて係合した状態となる。
【0024】
装置本体を構成する筐体内に配設されるベース10には、図1に示すように、カートリッジ本体2cに収納された光磁気ディスク3を回転駆動するディスク回転駆動機構6と、このディスク回転駆動機構6により回転駆動される光磁気ディスク3に対して情報信号の記録再生を行う記録再生機構7と、この記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持する移動操作機構8とが配設されている。そして、この移動操作機構8には、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させるインパクト駆動機構9が配設されている。
【0025】
また、ベース10には、カートリッジホルダに挿入されたディスクカートリッジ2が装着部に装着されたかどうかを検出するディスクローディング検出部58が配設されている。ディスクローディング検出部58は、ベース10の裏面に配設された押圧型のスイッチ素子であり、被押圧子10aを上面側に突出させるように配設されている。ディスクローディング検出部58は、ディスクカートリッジ2が装着部に装着されたときにディスクカートリッジ2により被押圧子10aが押圧されたときに検出信号を生成し、生成した検出信号を排出駆動信号処理部77に出力する。
【0026】
ディスク回転駆動機構6は、光磁気ディスク3を回転するための駆動源となるスピンドルモータ12を有し、このスピンドルモータ12は、ベース10の下面側略中央部に、駆動軸12aを上面側に突出させるように配設されている。この駆動軸12aには、光磁気ディスク3のクランピングプレートに係合されるディスクテーブル11が取り付けられている。このディスクテーブル11は、クランピングプレートを磁気吸引するためのマグネットが内蔵されており、光磁気ディスク3を一体的に回転することができる。
【0027】
ベース10に配設される記録再生機構7は、下ハーフ2b側の開口部4bより光磁気ディスク3の信号記録領域に臨まされる光ピックアップ14と、上ハーフ2aの開口部4aより進入する磁気ヘッド15とから構成されている。光ピックアップ14は、光学系として、光ビームを出射する半導体レーザ、この半導体レーザより出射された光ビームを集束する対物レンズ16、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを検出する光検出器等を備える。半導体レーザより出射された光ビームは、対物レンズ16により集束され、光磁気ディスク3の信号記録面に照射される。光磁気ディスク3の信号記録面で反射された戻りの光ビームは、光検出器により電気信号に変換され、RFアンプに出力される。
【0028】
光ピックアップ14は、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。光ピックアップ14には、レーザ出力手段としてレーザダイオードやマイクロプリズムや、光磁気ディスク3の信号面からの反射光を検出するフォトディテクタ等からなるフォトカプラや、対物レンズ16等からなる光学系が備えられている。
【0029】
光ピックアップ14内の対物レンズ16は、対物レンズ駆動機構であって、ディスク半径方向、すなわちトラッキング方向及びディスクに接離する方向、すなわちフォーカシング方向に変位可能に保持されている。具体的には、対物レンズ16は、マグネットとコイルからなるフォーカシング駆動部とトラッキング駆動部とを備えており、コイルに流れる電流と磁界との作用により変位する。光ピックアップ14には、対物レンズ16をディスク半径方向に沿って移動させるように駆動するトラッキングコイルと、対物レンズ16をディスクに接離する方向に移動させるためのフォーカスコイルが備えられている。
【0030】
磁気ヘッド15は、光磁気ディスク3を介して光ピックアップ14の対物レンズ16と対向配置されるように、ヘッド取付アーム17の先端部に取り付けられている。このヘッド取付アーム17は、ジンバルバネ等の弾性変位可能な部材からなり、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3の方向に付勢している。磁気ヘッド15は、記録時に限って光磁気ディスク3に磁界を印加することができるように摺接され、再生時、待機時等には、図示を省略するヘッド昇降機構により光磁気ディスク3から離間するようになっている。また、記録再生機構7を構成する光ピックアップ14と磁気ヘッド15とは、同期して光磁気ディスク3の径方向に移動するように連結部材18によって連結されている。
【0031】
また、光ピックアップ14は、図3及び図4に示すように、ベース10に設けられた開口部10aより光磁気ディスク3に臨まされる記録再生用の開口部4aに対応した開口部10aが形成されている。
【0032】
図1及び図3に示すように、この記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持する移動操作機構8は、光ピックアップ14を支持すると共に、連結部材18を介してヘッド取付アーム17の先端部に取り付けられた磁気ヘッド15を支持する支持ベース19と、この支持ベース19を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持するガイド軸20とを有している。
【0033】
支持ベース19は、光ピックアップ14がベース10に形成された開口部10aから外方に臨むように配置されており、一方、ガイド軸20は、光磁気ディスク3の径方向と平行に配置されており、その両端部がベース10の開口部10aの周囲に設けられた一対の支持部材21,21により固定支持されている。そして、支持ベース19には、このガイド軸20を挿通するガイド孔22が穿設された支持部23が一体に形成されている。
【0034】
インパクト駆動機構9は、ガイド軸20と平行、すなわち光磁気ディスク3の径方向と平行に配置された駆動軸24と、この駆動軸24の一端に取り付けられた電気機械変換素子25と、電気機械変換素子25を固定する固定部26と、電気機械変換素子25の対向する側の駆動軸の一端に取り付けられた排出機構27と、駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持され、支持ベース19と駆動軸24とを連結する連結部28とを有している。なお、電気機械変換素子25は、光磁気ディスク3の内周側に取り付けられており、排出機構27は、光磁気ディスク3の外周側に取り付けられている。
【0035】
駆動軸24は、支持ベース19を光磁気ディスク3の内外周に亘って移動させるのに十分な長さを有しており、駆動摩擦部材となる。この駆動軸24の一端には、電気機械変換素子25が取り付けられている。電気機械変換素子25は、ピエゾ素子等の圧電素子であり、図示を省略する駆動回路によって印加される駆動電圧に応じて、駆動軸24の軸方向に伸びと縮みの速度が異なった伸縮変位をし、駆動軸24を軸線方向に振動させる。固定部26は、電気機械変換素子25の端部の一端が取り付けられ、振動時のバランサとしても機能する。
【0036】
このインパクト駆動機構9は、ベース10のディスクカートリッジ2と対向する面とは反対側の面にネジ止め等により取り付けられたブラケット29により支持されている。具体的に、ブラケット29の一端には、固定部26が取り付けられ、このブラケット29の他端には、排出機構27を取り付ける取付孔31及び駆動軸24の他端を支持する支持孔30が設けられている。支持孔30には、駆動軸24の他端が軸線方向に振動可能に係合されている。取付孔31には、後述する排出機構27が回転可能なように設置されている。また、駆動軸24は、電気機械変換素子25の伸縮により軸方向に変位し得るようにブラケット29に支持されている。
【0037】
排出機構27は、図5(a)に示すように、駆動軸24の一端、すなわち光磁気ディスク3の外周側に位置する端部に羽根車状の排出部材が設けられてなる。なお、排出機構27が光磁気ディスク3の外周側に設けられているのは、内周側には、光磁気ディスク3を所定の速度で回転するためのスピンドル駆動用のモータ等が配設されているからである。
【0038】
排出部材は、図5(b)に示すように、基体部27aと、この基体部27aの周囲に設けられた複数のフィン27bからなり、基体部27aには、軸孔27cが設けられている。この軸孔27cには、排出部材の支軸24aが挿通される。この支軸24aは、駆動軸24の一端を縮径して形成されてなるものであって、排出部材を回転可能に支持する。なお、軸孔27cの周面及び/又は支軸24aの周面には、円滑に排出部材が回転するように潤滑剤を塗布するようにしても良い。
【0039】
また、基体部27aの外周面に設けられた複数のフィン27bは、連結部28が光磁気ディスク3の内周側に移動してきたとき、連結部28がかき集めた塵埃等の異物を外部に排出する。すなわち、本発明を適用したディスク記録再生装置1は、携帯型であり、様々な姿勢でユーザーにより使用される。排出部材は、例えば、ディスク記録再生装置1が傾けられたときに、支軸24aを中心にして回転し、フィン27bで異物を外部に排出する。また、排出機構27は、ディスク記録再生装置1が傾けられたときに、支軸24aを中心にして回転しやすいように、所定のフィン27bに錘を付けたり、フィン27bの形状に変化を持たせたして、アンバランスにしておく。なお、排出機構27は、異物を外部に排出することができるものであれば上記以外の構成でも良い。
【0040】
連結部28は、支持ベース19に一体的に設けられた第1の連結片32と第2の連結片33とから構成されている。第1の連結片32は、支持ベース19の支持部23とは反対側の端部から駆動軸24に向かって突出形成されている。第2の連結片33は、板バネ等の弾性変位可能な部材からなり、支持ベース19に片持ち支持された状態でネジ止め等により取り付けられている。これら第1の連結片32と第2の連結片33とは、互いに対向配置されており、その間に駆動軸24を挟み込むことによって、駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されている。
【0041】
したがって、支持ベース19は、支持部23のガイド孔22にガイド軸20が挿通されると共に、連結部28が駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されることによって、これらガイド軸20及び駆動軸24の軸方向、すなわち光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持されている。
【0042】
このように構成されるインパクト駆動機構9は、電気機械変換素子25を、この電気機械変換素子25の駆動信号となる駆動電圧に応じて伸縮させながら、駆動軸24を軸方向に変位させることによって、連結部28を駆動軸24の軸方向にスライドさせる。これにより、光ピックアップ14及び磁気ヘッド15を支持している支持ベース19を光磁気ディスク3の径方向に直線駆動させることができる。具体的には、電気機械変換素子25は、光ピックアップ14の移動開始時等の始動時から記録再生動作中の定常時に亘って、図6に示すように、駆動信号として、各パルスが、立ち上がりにおいて、所定の電圧Vaまで昇圧し、次いで、所定期間一定電圧を保持し、次いで、立ち下がりにおいて、急峻に0Vまで降圧するような駆動電圧が印加される。
【0043】
具体的に、支持ベース19を図1中矢印Aに示す方向に直線駆動させる場合、図6(a)に示すような駆動電圧が印加される。すなわち、立ち上がりにおいて、先ず、駆動電圧が、緩やかに所定電圧Vaまで直線的に昇圧すると、電気機械変換素子25は、緩やかに伸長し、これに連動して駆動軸24が図1中矢印Aに示す方向に緩やかに移動する。このとき、支持ベース19は、連結部28と駆動軸24との間に働く摩擦力により、駆動軸24に保持され、駆動軸24と共に図1中矢印Aに示す方向に移動する。
【0044】
一方、立ち下がりにおいて、駆動電圧を0Vまで急峻に垂直的に降圧すると、電気機械変換素子25は、急速に収縮し、これに連動して駆動軸24が図1中矢印Bに示す方向に急速に移動する。このとき、連結部28は、慣性によって駆動軸24との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸24のみが図1中矢印Bに示す方向に移動する。
【0045】
この結果、支持ベース19は、駆動軸24に対して、図1中矢印Aに示す方向にスライドすることになる。このインパクト駆動機構9は、図6(a)に示す駆動電圧Vaを繰り返し電気機械変換素子25に印加することによって、連結部28を介して駆動軸24に連結された支持ベース19を、駆動軸24に対して、図1中矢印Aに示す方向へと連続的にスライドさせることができる。
【0046】
また、このインパクト駆動機構9は、定常時に支持ベース19を図1中矢印Bに示す方向に直線駆動させる場合、図6(b)に示すように、電気機械変換素子25には、図6(a)の駆動電圧と反対の波形の駆動電圧が印加される。すなわち、立ち下がりにおいて、駆動電圧が、緩やかに所定電圧−Vaまで直線的に降圧すると、電気機械変換素子25は、緩やかに伸長し、これに連動して駆動軸24が図1中矢印Bに示す方向に緩やかに移動する。このとき、支持ベース19は、連結部28と駆動軸24との間に働く摩擦力により、駆動軸24に保持され、駆動軸24と共に図1中矢印Bに示す方向に移動する。
【0047】
この結果、支持ベース19は、駆動軸24に対して、図1中矢印Bに示す方向にスライドすることになる。このインパクト駆動機構9は、図6(b)に示す駆動電圧−Vaを繰り返し電気機械変換素子25に印加することによって、連結部28を介して駆動軸24に連結された支持ベース19を、駆動軸24に対して、図1中矢印Bに示す方向へと連続的にスライドさせることができる。
【0048】
このように、インパクト駆動機構9は、電気機械変換素子25の動作開始電圧となる所定電圧Va若しくは−Vaまで垂直的に昇圧若しくは降圧する駆動電圧を電気機械変換素子25に印加している。
【0049】
また、このインパクト駆動機構9は、従来のようにギヤ列を用いたときのようにバックラッシュがなく、nmオーダーといった高分解能での駆動制御が可能であり、20kHz以上となる超音波領域での無音駆動が可能となる。更に、このインパクト駆動機構9は、図3及び図4に示すように、従来のような駆動モータによる回転駆動をギヤ群及びラック部材を介して直線駆動に変換する機構に比べて大幅な小型化が可能である。なお、ディスク記録再生装置1では、上述したインパクト駆動をスレッド動作のときに使用する。
【0050】
つぎに、以上のように構成されるディスク記録再生装置1の回路構成について、図7を参照して説明する。ディスク記録再生装置1は、RFアンプ51と、ディジタル信号処理部(以下、DSPという。)52と、フォーカス駆動回路部53と、トラッキング駆動回路部54と、スレッド駆動回路部55と、スピンドル駆動回路部56と、ヘッドアンプ57と、ディスクローディング検出部58と、D/A変換器59と、A/D変換器60と、ディジタルインターフェース61と、システムコントローラ62と、操作部63と、表示部64と、バッファメモリ75とを備える。
【0051】
また、DSP52は、ADIP PLL(Address In Pregroove PLL)65と、EFM PLL(Eight Fourteen Modulation PLL)66と、第1の切換部67と、スピンドル駆動信号処理部68と、フォーカス駆動信号処理部69と、第2の切換部70と、トラッキング駆動信号処理部71と、スレッド駆動信号処理部72と、EFM/ACIRC(advanced Cross Interleaved Reed−Solomon Code)エンコーダ/デコーダ73と、DRAMコントローラ74と、ATRACデコーダ/エンコーダ76と、排出駆動信号処理部77と、第3の切換部78とを備えている。
【0052】
RFアンプ51は、ADIP PLL65と、EFM PLL66と、フォーカス駆動信号処理部69と、第2の切換部70と、スレッド駆動信号処理部72と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73と、排出駆動信号処理部77に接続されている。
【0053】
RFアンプ51は、光ピックアップ14から供給された信号に基づきRF信号、ADIP信号、EFM信号、フォーカスエラー信号(以下、FE信号という。)、トラッキングエラー信号(以下、TE信号という。)、レンズシフト信号等を生成し、RF信号をEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73及び排出駆動信号処理部77に出力し、ADIP信号をADIP PLL65に出力し、EFM信号をEFM PLL66に出力し、FE信号をフォーカス駆動信号処理部69に出力し、TE信号を第2の切換部70に出力し、レンズシフト信号を第2の切換部70とスレッド駆動信号処理部72に出力する。なお、ADIP信号は、記録可能な光磁気ディスク3に予め蛇行形成されているプリグルーブ領域から読み出したアドレス情報等が含まれている信号であり、EFM信号は、光磁気ディスク3に記録されているピット領域から読み出したアドレス情報等が含まれている信号である。また、FE信号は、例えば、非点収差法等により生成されるフォーカス駆動用の信号であり、TE信号は、例えば、3ビーム法又はプッシュプル法等により生成されるトラッキング駆動用の信号である。
【0054】
ここで、レンズシフト信号の生成について述べる。RFアンプ51は、対物レンズ16のディスク半径方向の可動範囲内における中心位置(以下、メカセンターという。)からのずれ量(以下、レンズシフト量という。)を検出し、上記検出に応じてレンズ位置の信号(レンズシフト信号)を生成する。
【0055】
ADIP PLL65は、RFアンプ51と、第1の切換部67と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73とに接続されている。ADIP PLL65は、RFアンプ51から入力されたADIP信号から所定のクロック信号を生成する。ADIP PLL65は、生成したクロック信号を第1の切換部67とEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73に出力する。
【0056】
EFM PLL66は、RFアンプ51と、第1の切換部67と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73とに接続されている。EFM PLL66は、RFアンプ51から入力されたEFM信号から所定のクロック信号を生成する。EFM PLL66は、生成したクロック信号を第1の切換部67とEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73に出力する。
【0057】
第1の切換部67は、ADIP PLL65と、EFM PLL66と、スピンドル駆動信号処理部68とが接続されている。第1の切換部67は、システムコントローラ62の制御によりADIP PLL65の出力と、EFM PLL66の出力とを切り換え、切り換えた方の信号をスピンドル駆動信号処理部68に出力する。
【0058】
スピンドル駆動信号処理部68は、第1の切換部67とスピンドル駆動回路部56が接続されている。スピンドル駆動信号処理部68は、第1の切換部67を介して入力されたクロック信号に応じてスピンドルモータ12を駆動するための信号を生成し、生成したスピンドル駆動信号をスピンドル駆動回路部56に出力する。
【0059】
スピンドル駆動回路部56は、スピンドル駆動信号処理部68が接続されており、スピンドル駆動信号処理部68から入力されたスピンドル駆動信号に基づきスピンドルモータ12を所定の回転数で駆動する。スピンドル駆動回路部56は、例えば、3相駆動信号をスピンドルモータ12に印加し、スピンドルモータ12を、例えば、線速度一定(CLV,Constant Linear Velocity)又は、角速度一定(CAV, Constant Angular Velocity)で回転駆動する。
【0060】
EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73は、RFアンプ51と、ヘッドアンプ57と、ADIP PLL65と、EFM PLL66と、DRAMコントローラ74とに接続されている。EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73は、データ再生の場合、EFM PLL66から入力されるクロック信号に基づいて、RFアンプ51から入力されるRF信号にEFM復調及びエラー訂正に関するACIRC等のデコード処理を行い再生用のデータを生成し、生成したデータをDRAMコントローラ74に出力する。
【0061】
また、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73は、データ記録の場合、ADIP PLL65から入力されるクロック信号に基づいて、DRAMコントローラ74から入力される信号にEFMエンコード及びエラー訂正に関するACIRC等のエンコード処理を行い記録用のデータを生成し、生成したデータをヘッドアンプ57に出力する。
【0062】
ヘッドアンプ57は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73が接続されており、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73から供給されたエンコード処理が行われた記録データに応じて増幅した信号を磁気ヘッド15に供給する。磁気ヘッド15は、ヘッドアンプ57から供給された信号に基づき外部磁界を変調し光磁気ディスク3に印加する。このとき、ヘッド昇降機構は、システムコントローラ62からの指令の基づいて、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3の光ピックアップ14と対向する面とは反対側の面に接触又は近接させる。光磁気ディスク3は、光ピックアップ14により光ビームが照射されてキュリー温度以上に加熱され磁気ヘッド15により磁界が印加されることによってデータが記録される。
【0063】
DRAMコントローラ74は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73と、バッファメモリ75と、ATRACデコーダ/エンコーダ76と、排出駆動信号処理部77が接続されている。DRAMコントローラ74は、データ再生の場合、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73から入力されたデータをバッファメモリ75に記憶する。また、DRAMコントローラ74は、データ記録の場合、ATRACデコーダ/エンコーダ76から入力されたデータをバッファメモリ75に記憶する。さらに、DRAMコントローラ74は、バッファメモリ75にどのくらいデータが記憶されているかを示すデータ容量通知信号を生成し、生成したデータ容量通知信号を排出駆動信号処理部77に出力する。
【0064】
バッファメモリ75は、DRAMコントローラ74に接続されており、DRAMコントローラ74から供給されるデータを記憶する。なお、バッファメモリ75は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)により構成されている。
【0065】
ATRACデコーダ/エンコーダ76は、D/A変換器59と、A/D変換器60と、ディジタルインターフェース61と、DRAMコントローラ74とが接続されている。ATRACデコーダ/エンコーダ76は、データ再生の場合、DRAMコントローラ74から入力されるデータにATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)によるデコード処理を行なう。これにより、ディジタルオーディオ信号(以下、ディジタル信号という。)へと伸長される。このディジタル信号は、D/A変換器59によってアナログオーディオ信号に変換された後に、オーディオ出力端子から出力される。
【0066】
また、このディジタル信号は、ディジタルインターフェース61を介して、ディジタル出力端子から直接出力することもできる。また、ATRACデコーダ/エンコーダ76は、データ記録の場合、A/D変換器60又はディジタルインターフェース61から入力されたディジタルデータにATRACによるエンコード処理を行ない、エンコード処理後の信号をDRAMコントローラ74に出力する。
【0067】
フォーカス駆動信号処理部69は、RFアンプ51とフォーカス駆動回路部53に接続されており、RFアンプ51から入力されたFE信号に応じて対物レンズ16を光磁気ディスク3に対して垂直方向にフォーカス駆動するための信号を生成し、生成したフォーカス駆動信号をフォーカス駆動回路部53に出力する。
【0068】
フォーカス駆動回路部53は、フォーカス駆動信号処理部69が接続されており、フォーカス駆動信号処理部69から入力されたフォーカス駆動信号に基づき駆動電流を生成し、生成した駆動電流を光ピックアップ14に内蔵されているフォーカスコイルに供給することにより、対物レンズ16をフォーカス駆動する。
【0069】
第2の切換部70は、RFアンプ51とトラッキング駆動信号処理部71が接続されている。第2の切換部70は、システムコントローラ62の制御によりRFアンプ51から入力されたTE信号とレンズシフト信号とを切り換え、切り換えた方の信号をトラッキング駆動信号処理部71に出力する。
【0070】
トラッキング駆動信号処理部71は、第2の切換部70とトラッキング駆動回路部54が接続されており、第2の切換部70を介して入力された信号に基づき対物レンズ16をトラッキング駆動する駆動信号を生成し、生成したトラッキング駆動信号をトラッキング駆動回路部54に出力する。
【0071】
トラッキング駆動回路部54は、トラッキング駆動信号処理部71が接続されており、トラッキング駆動信号処理部71から入力されたトラッキング駆動信号に基づき駆動電流を生成し、生成した駆動電流を光ピックアップ14に内蔵されているトラッキングコイルに供給することにより、対物レンズ16をトラッキング駆動する。
【0072】
スレッド駆動信号処理部72は、RFアンプ51と第3の切換部78が接続されており、RFアンプ51から入力されたレンズシフト信号に基づき光ピックアップ14をスレッド駆動する駆動信号を生成し、生成したスレッド駆動信号を第3の切換部78に出力する。
【0073】
ディスクローディング検出部58は、排出駆動信号処理部77に接続されており、ディスクカートリッジ2が図2に示すようにディスク記録再生装置1に挿入され、蓋体1aが閉じられたときに、ディスクがローディングされた旨の信号(以下、ローディング信号という。)を生成し、生成したローディング信号を排出駆動信号処理部77に出力する。
【0074】
排出駆動信号処理部77は、RFアンプ51と、DRAMコントローラ74と、ディスクローディング検出部58と、第3の切換部78とに接続されており、RFアンプ51、DRAMコントローラ74又はディスクローディング検出部58から入力された信号に基づき所定の処理を行ない排出駆動信号を生成し、生成した排出駆動信号を第3の切換部78に出力する。
【0075】
第3の切換部78は、スレッド駆動信号処理部72と、排出駆動信号処理部77と、スレッド駆動回路部55が接続されている。第3の切換部78は、システムコントローラ62の制御によりスレッド駆動信号処理部72から入力されたスレッド駆動信号と、排出駆動信号処理部77から入力された排出駆動信号とを切り換え、切り換えた方の信号をスレッド駆動回路部55に出力する。
【0076】
スレッド駆動回路部55は、第3の切換部78を介して入力された信号に基づき駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧を電気機械変換素子25に供給することにより、光ピックアップ14をスレッド駆動する。光ピックアップ14は、上述したインパクト駆動方式によりスレッド駆動される。
【0077】
操作部63は、システムコントローラ62が接続されており、ユーザー操作に供される部位を示し、各種操作キーやダイヤルとしての操作子が設けられる。操作子としては例えば、再生、録音、一時停止、停止、FF(早送り)、REW(早戻し)、AMS(頭出しサーチ)などの記録再生動作にかかる操作子や、通常再生、プログラム再生、シャッフル再生などのプレイモードにかかる操作子が設けられている。これらの操作キーやダイヤルによる操作情報はシステムコントローラ62に供給される。システムコントローラ62は、操作部63から供給された操作情報に応じた動作制御を実行する。
【0078】
表示部64は、システムコントローラ62が接続されており、システムコントローラ62によって表示動作が制御されており、表示動作を実行させる際に表示すべきデータを表示部64内の表示駆動部に送信する。表示駆動部は、供給されたデータに基づいて液晶パネルなどによるディスプレイの表示動作を駆動し、所要の数字、文字、記号などの表示を実行させる。これにより、表示部64においては、データの記録又は再生しているディスクの動作モード状態、トラックナンバ、記録時間/再生時間、編集動作状態等が示される。
【0079】
システムコントローラ62は、DSP52と、操作部63と、表示部64に接続されている。システムコントローラ62は、データ記録時には、第1の切換部67をADIP PLL65が接続されている側に切り換え、データ再生時には、第1の切換部67をEFM PLL66が接続されている側に切り換える制御を行なう。
【0080】
また、システムコントローラ62は、トラッキング駆動がオン、すなわち光ピックアップ14が光磁気ディスク3から情報を読み出しているときには、第2の切換部71をTE信号に切り換え、トラッキング駆動がオフ、すなわち光ピックアップ14が光磁気ディスク3から情報を読み出していないときには、第2の切換部71をレンズシフト信号に切り換える制御を行なう。
【0081】
さらに、システムコントローラ62は、通常のスレッド駆動を行なうときには、第3の切換部78をスレッド駆動信号処理部72が接続されている側に切り換え、異物を排出するためにスレッド駆動を行なうときには、第3の切換部78を排出駆動信号処理部77が接続されている側に切り換える制御を行なう。
【0082】
また、システムコントローラ62は、対物レンズ16を数トラック分ジャンプさせるときには、トラッキング駆動信号処理部71に所定の信号を入力し、トラッキング駆動回路部54を介して対物レンズ16をトラッキング駆動する。システムコントローラ62は、対物レンズ16を数トラック分以上ジャンプさせるときには、スレッド駆動信号処理部72に所定の信号を入力し、第3の切換部78及びスレッド駆動回路部55を介して対物レンズ16を光磁気ディスク3の径方向にスレッド駆動する。
【0083】
このように構成されているディスク記録再生装置1では、上述したように、光磁気ディスク3から光ピックアップ14によりデータを読み出し、読み出したデータを一旦バッファメモリ73に書き込み、バッファメモリ73に書き込まれたデータを読み出してデータの再生を行なっている。ディスク記録再生装置1は、例えば、バッファメモリ75に1.41Mbit/Secでデータの書き込みを間欠的に行ない、バッファメモリ75から0.3Mbit/Secでデータの読み出しを連続的に行なう。したがって、ディスク記録再生装置1では、バッファメモリ75に記憶してあるデータ量が所定量を下回るまで光磁気ディスク3からデータを読み出す動作を停止(以下、停止状態という。)し、上記データ量が所定量を下回ったときに光磁気ディスク3からデータの読み出す動作を開始(以下、開始状態という。)する。
【0084】
ところで、停止状態では、TE信号が生成されないため、対物レンズ16にトラッキング駆動が行なわれていない。本発明を適用したディスク記録再生装置1は携帯型であるため、ディスク記録再生装置1の姿勢が使用状況によりあらゆる方向に変化するので、対物レンズ16にトラッキング駆動が行なわれていない場合には、対物レンズ16の位置が遠心力等の影響を受けてメカセンターから外れてしまう。
【0085】
そこで、ディスク記録再生装置1では、TE信号によるトラッキング駆動が行なわれていないときに、上述したレンズシフト信号を生成し、上記レンズシフト信号に基づき対物レンズ16がメカセンターになるようにトラッキング駆動が行なわれる。したがって、ディスク記録再生装置1では、停止状態から開始状態に移ったときに、対物レンズ16は、ディスク半径方向における移動可能範囲が、内周側、外周側の両側で最良のバランスが得られている状態からトラッキング駆動制御が行なわれる。
【0086】
一方、スレッド駆動信号処理部72は、RFアンプ51から入力されるレンズシフト信号に基づき、スレッド駆動が必要かどうかを判断し、必要な場合には第3の切換部78を介してスレッド駆動回路部55に駆動信号を出力する。スレッド駆動回路部55は、入力された駆動信号に基づき駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧を電気機械変換素子25に供給し、インパクト駆動方式により光ピックアップ14をスレッド駆動する。
【0087】
また、ディスク記録再生装置1は、図1に示すように、光ピックアップ14を駆動する駆動軸24がベース10に設けられた開口部10aから露出している。そのため、ディスク記録再生装置1では、図2に示すように、ディスクカートリッジ2が蓋体1aに配設されているカートリッジホルダに挿入されるときに塵埃等の異物が同時に混入し、混入した異物が駆動軸24上に付着する場合がある。このような異物をそのまま放置しておくと駆動軸24と連結部28の隙間に異物が入り込み、その結果、摩擦力が低下し、駆動特性が著しく劣化するおそれがある。また、最悪の場合には、連結部28が駆動できなくなるおそれもある。
【0088】
一方、上述のような異物の混入を見越して、上記ディスク記録再生装置1の駆動電圧を高く設定した場合、異物の混入がないときには負荷が軽くなるため連結部28の移動量が大きくなり過ぎてしまい、連結部28の駆動動作の制御が不安定になってしまうおそれがある。また、上述のように駆動電圧を高く設定しておくと、必要以上に電力を消費することになり、とりわけ携帯用機器においては、省電力化の向上を目指す上で大きな障害となってしまう。
【0089】
そこで、本発明では、排出駆動信号処理部77により駆動軸24に付着した異物を排出するための排出駆動信号を生成し、上記排出駆動信号を第3の切換部78を介してスレッド駆動回路部55に出力し、スレッド駆動回路部55により通常の駆動電圧より高い駆動電圧を電気機械変換素子25に印加し、連結部28をスレッド駆動することにより、駆動軸24に付着した異物を排出する。
【0090】
ここで、排出駆動信号処理部77により排出駆動信号を生成し、生成した排出駆動信号に基づき、駆動軸24に付着している異物を排出する動作の一例についてディスク記録再生装置1の記録再生動作とともに述べる。
【0091】
ディスク記録再生装置1を構成する装置本体に対して蓋体1aが内部を開放する方向に回動され、装置本体内に構成された装着部が開放された状態において、ディスクカートリッジ2は、図1に示すように、シャッタ部材5が設けられた前面部に直交する一側面部を挿入端として、装置本体内に挿入される。すると、ディスクカートリッジ2は、蓋体1aに配設されているカートリッジホルダに保持される。このとき、シャッタ部材5は、カートリッジホルダに設けられたシャッタ開放片によってシャッタロックが解除され、カートリッジ本体2cの前面部に沿ってスライドされ、カートリッジ本体2cに設けられた開口部4a,4bを開放し、光磁気ディスク3の信号記録領域を内外周に亘ってカートリッジ本体2cの外部に臨ませる。
【0092】
そして、装置本体の内部を開放した状態にある蓋体1aが、装置本体の内部を閉塞する方向に回動操作されると、カートリッジホルダに保持されたディスクカートリッジ2は、ベース10に構成された装着部に装着される。すると、カートリッジ本体2cの下ハーフ2b側略中央部に設けられた開口部からは、ディスク回転駆動機構6を構成するディスクテーブルが内部に進入する。そして、ディスクテーブルは、光磁気ディスク3に設けられているクランピングプレートに係合され、磁気吸引することによって、光磁気ディスク3を一体的に回転でき状態にする。ディスクローディング検出部58は、蓋体1aが閉じられたときにローディング信号を生成し、排出駆動信号処理部77に出力する。
【0093】
排出駆動信号処理部77は、入力されたローディング信号に基づき排出駆動信号を生成し、第3の切換部78に供給する。システムコントローラ62は、排出駆動信号処理部77側を選択するように第3の切換部78を制御する。第3の切換部78は、システムコントローラ62の制御に応じて排出駆動信号をスレッド駆動回路部55に出力する。スレッド駆動回路部55は、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加する。電気機械変換素子25は、図8に示すように、通常よりも高い駆動電圧Vb(例えば、最大駆動電圧)が印加され、駆動軸24を変位し、連結部28を図1中矢印Aに示す方向に直線駆動する。この直線駆動により、駆動軸24上の異物は、排出機構27に収集される。なお、排出動作を行なう際には、連結部28を一度最内周に寄せてから排出機構27まで駆動してもよい。
【0094】
ここで、排出機構27に収集した異物を取り除く方法について図9を用いて以下に説明する。連結部28は、図9(a)に示すように、駆動軸24上を排出機構27まで移動し、駆動軸24に付着している異物を収集する。収集された異物は、図9(b)に示すように、排出機構27に押し込まれる。押し込まれた異物は、図9(c)に示すように、例えば、ディスク記録再生装置1の動揺に応じて排出部材が回転することで排出される。
【0095】
つぎに、上述したように装着部に装着されたディスクカートリッジ2の光磁気ディスク3にデータを記録する場合について説明する。先ず、ユーザーによって操作部63を構成する記録開始釦が押されると、記録開始信号がシステムコントローラ62に入力され、システムコントローラ62でスピンドルモータ12を初期駆動するための信号を生成し、生成した信号をスピンドル駆動信号処理部68に出力し、スピンドル駆動信号処理部68で所定の信号処理を行い、処理後の信号をスピンドル駆動回路部56に供給し、スピンドルモータ12を所定の速度で駆動し、光磁気ディスク3を回転させる。
【0096】
また、光ピックアップ14を構成する半導体レーザが駆動され、データ記録用の出力レベルで光ビームを出射するようにする。なお、データ記録時のスピンドルモータ12の駆動制御は、以下のようにして行なわれる。RFアンプ51から供給されたADIP信号に基づきADIP PLL65で所定のクロック信号を生成し、上記クロック信号を第1の切換部67を介してスピンドル駆動信号処理部68に出力する。スピンドル駆動信号処理部68は、供給されたクロック信号に基づきスピンドルモータ12を駆動するための信号を生成し、生成したスピンドル駆動信号をスピンドル駆動回路部56に出力する。スピンドル駆動回路部56は、入力されたスピンドル駆動信号に基づきスピンドルモータ12を所定の回転数となるように駆動制御する。
【0097】
スレッド駆動信号処理部72は、電気機械変換素子25を駆動し、光ピックアップ14を初動位置である光磁気ディスク3の内周側に移動させる。また、フォーカス駆動信号処理部69によるフォーカスサーボ制御と、トラッキング駆動信号処理部71によるトラッキング制御により、記録開始位置を特定する。光ピックアップ14は、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出して電気信号に変換する。上記電気信号は、RFアンプ51、ADIP PLL65及びEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73によりアドレス情報が抽出され、システムコントローラ62に出力される。システムコントローラ62は、上記アドレス情報によりデータの記録開始位置を特定し、ヘッド昇降機構を駆動し、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3に近接させる。そして、光磁気ディスク3は、光ピックアップ14により光ビームが照射されてキュリー温度以上に加熱され磁気ヘッド15により磁界が印加されることによってデータの記録が開始される。
【0098】
また、光磁気ディスク3に記録する記録データがアナログ信号であるときには、A/D変換器60によってディジタル信号に変換され、また、記録データがディジタル信号であるときには、ディジタルインターフェース61からディジタル信号が入力される。入力されたディジタル信号は、ATRACデコーダ/エンコーダ76でATRAC方式に基づくデータ圧縮が行なわれ、DRAMコントローラ74によってバッファメモリ75へ一時的に書き込まれる。バッファメモリ75に書き込まれたデータは、DRAMコントローラ74により所定のデータ単位毎に読み出されて、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73でEFM変調、並びにエラー訂正に関するACIRC等のエンコード処理が行われた後に、ヘッドアンプ57へと供給される。そして、ヘッドアンプ57は、記録データに応じて変調された外部磁界を磁気ヘッド15に発生させる。そして、磁気ヘッド15は、光ピックアップ14により光ビームが照射されキュリー温度以上に加熱された位置に外部磁界を印加してデータを記録する。
【0099】
つぎに、ディスクカートリッジ2の光磁気ディスク3に記録されているデータを再生する場合について説明する。ユーザーによって操作部63を構成する再生開始釦が押されると、再生開始信号がシステムコントローラ62に入力され、システムコントローラ62でスピンドルモータ12を初期駆動するための信号を生成し、生成した信号をスピンドル駆動信号処理部68に出力し、スピンドル駆動信号処理部68で所定の信号処理を行い、処理後の信号をスピンドル駆動回路部56に供給し、スピンドルモータ12を所定の速度で駆動し、光磁気ディスク3を回転させる。また、光ピックアップ14を構成する半導体レーザが駆動され、データ再生用の出力レベルで光ビームを出射するようにする。
【0100】
スレッド駆動信号処理部72は、電気機械変換素子25を駆動し、光ピックアップ14を初動位置である光磁気ディスク3の内周側に移動させる。また、フォーカス駆動信号処理部69によるフォーカスサーボ制御と、トラッキング駆動信号処理部71によるトラッキング制御により、再生開始位置を特定する。光ピックアップ14は、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出して電気信号に変換する。上記電気信号は、RFアンプ51、EFM PLL66及びEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73によりアドレス情報が抽出され、システムコントローラ62に出力される。システムコントローラ62は、上記アドレス情報によりデータの再生開始位置を特定する。なお、再生時には、磁界を光磁気ディスク3に印加する必要がないことから、磁気ヘッド15は、ヘッド昇降機構により光磁気ディスク3に対して離間した状態にされている。
【0101】
光ピックアップ14は、光磁気ディスク3に光ビームを照射し、反射された戻りの光ビームを検出し、検出した光ビームを電気信号に変換し、RFアンプ51に出力する。RFアンプ51は、光ピックアップ14から入力された信号に基づきRF信号等を生成する。RFアンプ51は、生成したRF信号をEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73に出力する。
【0102】
EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73は、入力されたRF信号にEFM復調及びエラー訂正に関するACIRC等のデコード処理を行い再生用のデータを生成し、生成したデータをDRAMコントローラ74に出力する。DRAMコントローラ74は、入力されたデータをバッファメモリ75に一時的に書き込む。そして、バッファメモリ75に書き込まれたデータは、所定のデータ単位毎に読み出されて、ATRACデコーダ/エンコーダ76に供給され、ATRAC方式によるデコード処理が行われ伸長される。この伸長されたディジタルデータは、D/A変換器59によってアナログ信号に変換された後に、スピーカ、イヤホン、ヘッドフォン等から出力される。また、ATRACデコーダ/エンコーダ76から出力されるディジタル信号は、ディジタルインターフェース61から直接出力されても良い。
【0103】
上述した再生動作の際に、排出駆動信号処理部77は、RFアンプ51で生成されるRF信号に基づき、光磁気ディスク3から所定のタイミングでデータが読み出せているかどうかどうかを監視し、所定のタイミングよりも遅延している場合には、排出駆動信号を生成し、第3の切換部78に出力する。なお、本発明に係るディスク記録再生装置1では、光磁気ディスク3から所定のタイミングでデータが読み出せていない場合には、駆動軸24に異物が付着しているものと判断する。
【0104】
システムコントローラ62は、ディスク記録再生装置1が停止状態であることを確認し、排出駆動信号処理部77側を選択するように第3の切換部78を制御する。第3の切換部78は、システムコントローラ62の制御に応じて排出駆動信号をスレッド駆動回路部55に出力する。スレッド駆動回路部55は、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加する。なお、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加することで駆動軸24を変位させ、連結部28を駆動させることにより駆動軸24上の異物を排出する動作については、上述したのでここでは説明を省略する。
【0105】
また、上述した再生動作の際に、排出駆動信号処理部77は、DRAMコントローラ74を介してバッファメモリ75に記憶されているデータが所定量以上かどうかを監視し、所定量以上の場合には、排出駆動信号を生成し、第3の切換部78に出力する。なお、本発明に係るディスク記録再生装置1では、上述したように、バッファメモリ75に記憶してあるデータ量が所定量を下回るまで光磁気ディスク3からデータを読み出す動作を停止しているので、この動作停止時を利用して排出駆動を行なう。
【0106】
システムコントローラ62は、排出駆動信号処理部77側を選択するように第3の切換部78を制御する。第3の切換部78は、システムコントローラ62の制御に応じて排出駆動信号をスレッド駆動回路部55に出力する。スレッド駆動回路部55は、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加する。なお、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加することで駆動軸24を変位させ、連結部28を駆動させることにより駆動軸24上の異物を排出する動作については、上述したのでここでは説明を省略する。
【0107】
以上のように構成されるディスク記録再生装置1では、駆動軸24の外周側に排出機構27が取り付けられ、上記駆動軸24の内周側に電気機械変換素子25が取り付けられ、上記電気機械変換素子25に駆動電圧を印加することにより、駆動軸24を変位させて連結部28に配設されている光ピックアップ14をスレッド駆動する、いわゆるインパクト駆動方式を採用しており、排出駆動信号処理部77により生成した排出駆動信号に応じて電気機械変換素子25に通常よりも高い駆動電圧を印加し、連結部28を内周側から外周側に移動させるので、図2に示すように、当該ディスク記録再生装置1にディスクカートリッジ2を挿入するときに同時に混入し、駆動軸24上に付着した異物を排出することができ、駆動特性を劣化させることなく光ピックアップ14を安定にスレッド駆動することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る再生装置及び方法は、駆動電圧印加部により通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧を電気機械変換素子に印加し、被駆動体を駆動軸の一端に設置されている排出機構まで駆動するので、駆動軸上に付着した異物を収集し、収集した異物を排出機構により排出を行なうことができ、駆動特性を劣化させることなく被駆動体を安定駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディスク記録再生装置を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用したディスク記録再生装置にディスクカートリッジを挿入する様子を示す図である。
【図3】上記ディスク記録再生装置を示す平面図である。
【図4】上記ディスク記録再生装置を厚み方向から見た断面図である。
【図5】異物を排出する排出機構の構成を示す図である。
【図6】電気機械変換素子に印加される駆動電圧の波形図であり、(a)は、図1中矢印Aに示す方向に支持ベースを移動させる場合の駆動電圧の波形図であり、(b)は、図1中矢印Bに示す方向にヘッド部を移動させる場合の駆動電圧の波形図である。
【図7】上記ディスク記録再生装置の回路構成を説明するブロック図である。
【図8】電気機械変換素子に印加する通常の駆動電圧の波形と、排出駆動用の駆動電圧の波形を比較したときの図である。
【図9】上記ディスク記録再生装置に備えられている連結部により駆動軸上の異物を収集し、排出する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 ディスク記録再生装置、2 ディスクカートリッジ、3 光磁気ディスク、4a,4b 記録再生用の開口部、6 ディスク回転駆動機構、7 記録再生機構、8 支持機構、9 インパクト駆動機構、10 ベース、10a 開口部、11 ディスクテーブル、12 スピンドルモータ、14 光ピックアップ、15 磁気ヘッド、16 対物レンズ、19 支持ベース、20 ガイド軸、24 駆動軸、25 電気機械変換素子、26 固定部、27 排出機構、28 連結部、29 ブラケット、30 支持孔、31 取付孔、32 第1の連結片、33 第2の連結片、51 RFアンプ、52 DSP、53 フォーカス駆動回路部、54 トラッキング駆動回路部、55 スレッド駆動回路部、56 スピンドル駆動回路部、57 ヘッドアンプ、58 ディスクローディング検出部、59 D/A変換器、60 A/D変換器、61 ディジタルインターフェース、62 システムコントローラ、63 操作部、64 表示部、65 ADIP PLL、66 EFM PLL、67 第1の切換部、68 スピンドル駆動信号処理部、69 フォーカス駆動信号処理部、70 第2の切換部、71トラッキング駆動信号処理部、72 スレッド駆動信号処理部、73 EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ、74 DRAMコントローラ、75 バッファメモリ、76 ATRACデコーダ/エンコーダ、77 排出駆動信号処理部、78 第3の切換部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機械変換素子を用いて駆動軸を変位させることによって信号読み取り部が設けられた被駆動体を駆動軸に沿って移動させることができる再生装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスク状記録媒体である光磁気ディスクに記録されたデータの再生を行うディスク再生装置は、光磁気ディスクを回転駆動するディスク回転駆動機構と、このディスク回転駆動機構により回転駆動される光磁気ディスクに対して情報信号の読み出しを行う光ピックアップと、この光ピックアップを光磁気ディスクの径方向に移動可能に支持する支持機構と、この支持機構に支持された光ピックアップを光磁気ディスクの径方向に送り動作させる駆動機構とを備え、これらが装置本体のベースに配設されている。
【0003】
上記ディスク回転駆動機構は、スピンドルモータの駆動軸に一体的に取り付けられたディスクテーブルを有しており、このディスクテーブルには、光磁気ディスクが装着される。光ピックアップは、光源から出射された光ビームを対物レンズにより集光させて光磁気ディスクの信号記録面に照射し、この光磁気ディスクの信号記録面から反射した戻りの光ビームを受光素子により検出する光学系と、この受光素子により受光された光磁気ディスクからの検出信号に基づいて、対物レンズを光軸方向及び光磁気ディスクの径方向に変位駆動させる二軸アクチュエータとを有し、光磁気ディスクに記録されたデータを読み出すと共に、対物レンズのフォーカシング及びトラッキング制御を行うことができる。
【0004】
このような光ピックアップを支持する支持機構は、光ピックアップを支持する支持ベースと、この支持ベースを光磁気ディスクの径方向に移動可能に支持する主軸と副軸とを有している。駆動機構は、支持ベースに設けられたラック部材と、このラック部材に噛合されるギヤやリードスクリュー等からなるギヤ群と、これらギヤ群を回転駆動し、ラック部材を主軸及び副軸に沿った方向に移動させる駆動モータとを有している。そして、光ピックアップは、駆動機構が駆動されると、支持ベースが光磁気ディスクの径方向に移動することによって、光磁気ディスクの径方向に移動される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなディスク再生装置は、駆動機構に多くのギヤを必要とすることから、部品点数が増え、組立工程が複雑なものとなってしまう。また、部品点数が多いことから、更なる小型化を図ることが困難である。
【0006】
ところで、従来より、電気機械変換素子を用いて被駆動体を移動させる駆動装置がある。具体的に、この駆動装置は、電気機械変換素子により変位される駆動摩擦部材(以下、駆動軸という。)と、電気機械変換素子を駆動する駆動回路とを備え、駆動回路が電気機械変換素子に、駆動電圧である一定周期のランプ電圧を印加することによって、駆動軸を変位させ、この駆動軸に取り付けられている被駆動体を、駆動軸に沿って移動させることができるようになっている。この駆動装置は、被駆動体を移動させるにあたって、ギヤ等を必要としないことから、部品点数の削減を図ることができ、また、これを適用した装置の小型化を図ることができる。
【0007】
そこで、この駆動装置を、上述したディスク再生装置の光ピックアップの移動機構に適用し、これによって、ディスク再生装置の部品点数の削減を図り、装置全体の小型化を図ることができる。この場合、光ピックアップの支持機構を構成する主軸又は副軸の何れか一方を、駆動回路の駆動摩擦部材に代え、この駆動摩擦部材を電気機械変換素子によって変位させることによって、対物レンズが配設されている光ピックアップを光ディスクの径方向に移動させることができる。
【0008】
しかし、上記駆動装置の使用経過時間とともに、駆動軸に埃等の異物が付着することがある。このような異物をそのまま放置しておくと駆動軸と被駆動体の隙間に異物が入り込み、その結果、摩擦力が低下し、被駆動体に配設されている情報読出部の位置制御がスムーズに行なわれないおそれがある。
【0009】
一方、上述のような異物の混入を見越して、上記駆動装置の駆動電圧を高く設定した場合、異物の混入がないときに、負荷が軽くなるため被駆動体の移動量が大きくなり過ぎてしまい、被駆動体の駆動動作の制御が不安定になってしまうおそれがある。また、上述のように駆動電圧を高く設定しておくと、必要以上に電力を消費することになり、とりわけ携帯用機器においては、省電力化の向上を目指す上で大きな障害となってしまう。
【0010】
そこで、本発明では、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動特性を劣化させることなく被駆動体を安定駆動することができる再生装置及び方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る再生装置は、上述した目的を解決するために、駆動軸と、上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記駆動軸の軸方向に伸縮することによって、上記駆動軸を、この駆動軸の軸方向に変位させる電気機械変換素子と、上記駆動軸の軸方向に移動可能に支持され、上記駆動軸が上記電気機械変換素子によって変位されることによって、上記駆動軸に沿って移動する被駆動体と、上記被駆動体上に配設され、ディスク状記録媒体から情報を読み出す情報読出部と、上記電気機械変換素子が取り付けられている側とは反対側の上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記被駆動体が上記駆動軸に沿って移動することにより集められた異物を排出する排出機構と、上記電気機械変換素子に駆動電圧を印加する駆動電圧印加部と、上記被駆動体に排出駆動をさせるための排出駆動信号を生成する信号生成部と、上記排出駆動信号の入力に応じて上記駆動電圧印加部を制御する制御部とを備え、上記制御部は、上記排出駆動開始信号が入力されたときに、通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧を印加するように上記駆動電圧印加部を制御し、上記電気機械変換素子は、上記駆動電圧印加部により印加された通常よりも高い駆動電圧に応じて変位し、上記被駆動体を上記電気機械変換素子の変位に応じて上記駆動軸上を排出機構まで移動する。
【0012】
本発明に係る再生方法は、駆動軸上に設置されている被駆動体を駆動させるために、駆動電圧印加部により所定の駆動電圧を電気機械変換素子の変位に応じて上記駆動軸上を移動することで、上記被駆動体に配設されている情報読出部によりディスク状記録媒体から情報を再生する再生方法において、上記駆動軸上の異物を排出するための信号を生成する排出信号生成工程と、上記排出信号に応じて通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧を上記電気機械変換素子に印加するように上記駆動電圧印加部を制御する電圧制御工程と、通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧で上記被駆動体を駆動する駆動工程とを有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したディスク記録再生装置を図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、ディスク記録再生装置1に用いられるディスクカートリッジ2は、リムーバブルであり、一対の上ハーフ2aと下ハーフ2bとを突き合わすことにより構成されたカートリッジ本体2cに、光磁気ディスク3が回転可能に収納されてなる。
【0015】
光磁気ディスク3の中心部には、ディスク記録再生装置1側のディスク回転駆動機構を構成するディスクテーブルに係合されるクランピングプレートが設けられている。クランピングプレートは、金属等で形成されており、ディスクテーブル側のマグネットによって磁気吸引される。すなわち、光磁気ディスク3は、ディスクテーブルにクランピングプレートが磁気吸引され係合されることによって、ディスクテーブルと一体的に回転する。
【0016】
この光磁気ディスク3を回転可能に収納するカートリッジ本体2cには、前面側略中央の上ハーフ2a及び下ハーフ2bの互いに対向する面に、光磁気ディスク3の信号記録領域の一部を径方向に亘って外部に臨ませる記録再生用の開口部4a,4bが形成されている。上ハーフ2a側の開口部4aは、光磁気ディスク3に対して磁界を印加する磁気ヘッドをカートリッジ本体2c内部に進入させるためのものであり、下ハーフ2b側の開口部4bは、光ピックアップを光磁気ディスク3に臨ませるためのものである。
【0017】
また、カートリッジ本体2cの前面側には、記録再生用の開口部4a,4bを開閉するためのシャッタ部材5がスライド可能に取り付けられている。このシャッタ部材5は、カートリッジ本体2の外形に沿って略コ字状に折り曲げられた平板部材によって形成されており、各主面部は、記録再生用の開口部4a,4bを閉塞するのに足る大きさに形成されている。このシャッタ部材5は、ディスク記録再生装置1に装填されたときに限って、開口部4a,4bを開放し、非使用時には開口部4a,4bを閉塞する。
【0018】
また、下ハーフ2bの中央部には、光磁気ディスク3のクランピングプレートを外部に臨ませる略円形の開口部が設けられている。ディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置1に装填されたとき、この開口部からは、ディスクテーブルが進入し、クランピングプレートとディスクテーブルとが係合する。
【0019】
このようなディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置1に装填された後、シャッタ部材5は、ディスクカートリッジ2の挿入方向と平行な方向に、カートリッジ本体2cの前面に沿ってスライドし、開口部4a,4bを開放し、光磁気ディスク3の記録再生の可能な状態にする。
【0020】
なお、カートリッジ本体2c内に収納する記録媒体としては、光磁気ディスクの他に、再生専用の光ディスク、記録層に色素を用いデータの追記を可能とする追記型の光ディスク、記録層に相変化材料を用いデータの書換を可能とする書換型の光ディスク、記録層に磁性材料が用いられている磁気ディスク等を用いるようにしてもよい。
【0021】
以上のようなディスクカートリッジ2を記録媒体に用いるディスク記録再生装置1について説明すると、このディスク記録再生装置1は、ディスクカートリッジ2が装着される装着部が設けられた装置本体と、この装置本体に設けられた装着部を開閉する蓋体1aとを備える。そして、図1に示すように、装置本体を構成する筐体内には、ディスクカートリッジ2が装着される装着部が一方の主面に構成されたベース10が配設されている。このベース10には、詳細は省略するが、ディスクカートリッジ2を保持するカートリッジホルダが回動可能に取り付けられており、このカートリッジホルダは、蓋体1aと共に回動する。
【0022】
そして、このディスク記録再生装置1は、図2に示すように、ユーザーにより蓋開け釦1bが押圧され、蓋体1aが装着部を開放しているとき、すなわち、ディスクカートリッジの挿脱口が解放されているとき、ディスクカートリッジ2をカートリッジホルダに挿入保持させ、蓋体1aを装着部を閉塞する方向に回動操作することによって、カートリッジホルダに保持されたディスクカートリッジ2を装着部に装着し、光磁気ディスク3の記録再生を行うことができるようにする。
【0023】
すなわち、ディスクカートリッジ2は、装着部に装着された状態において、記録再生用の開口部4a,4bがシャッタ部材5がカートリッジ本体2cの前面部に沿ってスライドすることにより開放され、下ハーフ2bの略中央の開口部よりディスクテーブルが進入し、クランピングプレートがディスクテーブルに磁気吸引されて係合した状態となる。
【0024】
装置本体を構成する筐体内に配設されるベース10には、図1に示すように、カートリッジ本体2cに収納された光磁気ディスク3を回転駆動するディスク回転駆動機構6と、このディスク回転駆動機構6により回転駆動される光磁気ディスク3に対して情報信号の記録再生を行う記録再生機構7と、この記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持する移動操作機構8とが配設されている。そして、この移動操作機構8には、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させるインパクト駆動機構9が配設されている。
【0025】
また、ベース10には、カートリッジホルダに挿入されたディスクカートリッジ2が装着部に装着されたかどうかを検出するディスクローディング検出部58が配設されている。ディスクローディング検出部58は、ベース10の裏面に配設された押圧型のスイッチ素子であり、被押圧子10aを上面側に突出させるように配設されている。ディスクローディング検出部58は、ディスクカートリッジ2が装着部に装着されたときにディスクカートリッジ2により被押圧子10aが押圧されたときに検出信号を生成し、生成した検出信号を排出駆動信号処理部77に出力する。
【0026】
ディスク回転駆動機構6は、光磁気ディスク3を回転するための駆動源となるスピンドルモータ12を有し、このスピンドルモータ12は、ベース10の下面側略中央部に、駆動軸12aを上面側に突出させるように配設されている。この駆動軸12aには、光磁気ディスク3のクランピングプレートに係合されるディスクテーブル11が取り付けられている。このディスクテーブル11は、クランピングプレートを磁気吸引するためのマグネットが内蔵されており、光磁気ディスク3を一体的に回転することができる。
【0027】
ベース10に配設される記録再生機構7は、下ハーフ2b側の開口部4bより光磁気ディスク3の信号記録領域に臨まされる光ピックアップ14と、上ハーフ2aの開口部4aより進入する磁気ヘッド15とから構成されている。光ピックアップ14は、光学系として、光ビームを出射する半導体レーザ、この半導体レーザより出射された光ビームを集束する対物レンズ16、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを検出する光検出器等を備える。半導体レーザより出射された光ビームは、対物レンズ16により集束され、光磁気ディスク3の信号記録面に照射される。光磁気ディスク3の信号記録面で反射された戻りの光ビームは、光検出器により電気信号に変換され、RFアンプに出力される。
【0028】
光ピックアップ14は、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。光ピックアップ14には、レーザ出力手段としてレーザダイオードやマイクロプリズムや、光磁気ディスク3の信号面からの反射光を検出するフォトディテクタ等からなるフォトカプラや、対物レンズ16等からなる光学系が備えられている。
【0029】
光ピックアップ14内の対物レンズ16は、対物レンズ駆動機構であって、ディスク半径方向、すなわちトラッキング方向及びディスクに接離する方向、すなわちフォーカシング方向に変位可能に保持されている。具体的には、対物レンズ16は、マグネットとコイルからなるフォーカシング駆動部とトラッキング駆動部とを備えており、コイルに流れる電流と磁界との作用により変位する。光ピックアップ14には、対物レンズ16をディスク半径方向に沿って移動させるように駆動するトラッキングコイルと、対物レンズ16をディスクに接離する方向に移動させるためのフォーカスコイルが備えられている。
【0030】
磁気ヘッド15は、光磁気ディスク3を介して光ピックアップ14の対物レンズ16と対向配置されるように、ヘッド取付アーム17の先端部に取り付けられている。このヘッド取付アーム17は、ジンバルバネ等の弾性変位可能な部材からなり、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3の方向に付勢している。磁気ヘッド15は、記録時に限って光磁気ディスク3に磁界を印加することができるように摺接され、再生時、待機時等には、図示を省略するヘッド昇降機構により光磁気ディスク3から離間するようになっている。また、記録再生機構7を構成する光ピックアップ14と磁気ヘッド15とは、同期して光磁気ディスク3の径方向に移動するように連結部材18によって連結されている。
【0031】
また、光ピックアップ14は、図3及び図4に示すように、ベース10に設けられた開口部10aより光磁気ディスク3に臨まされる記録再生用の開口部4aに対応した開口部10aが形成されている。
【0032】
図1及び図3に示すように、この記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持する移動操作機構8は、光ピックアップ14を支持すると共に、連結部材18を介してヘッド取付アーム17の先端部に取り付けられた磁気ヘッド15を支持する支持ベース19と、この支持ベース19を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持するガイド軸20とを有している。
【0033】
支持ベース19は、光ピックアップ14がベース10に形成された開口部10aから外方に臨むように配置されており、一方、ガイド軸20は、光磁気ディスク3の径方向と平行に配置されており、その両端部がベース10の開口部10aの周囲に設けられた一対の支持部材21,21により固定支持されている。そして、支持ベース19には、このガイド軸20を挿通するガイド孔22が穿設された支持部23が一体に形成されている。
【0034】
インパクト駆動機構9は、ガイド軸20と平行、すなわち光磁気ディスク3の径方向と平行に配置された駆動軸24と、この駆動軸24の一端に取り付けられた電気機械変換素子25と、電気機械変換素子25を固定する固定部26と、電気機械変換素子25の対向する側の駆動軸の一端に取り付けられた排出機構27と、駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持され、支持ベース19と駆動軸24とを連結する連結部28とを有している。なお、電気機械変換素子25は、光磁気ディスク3の内周側に取り付けられており、排出機構27は、光磁気ディスク3の外周側に取り付けられている。
【0035】
駆動軸24は、支持ベース19を光磁気ディスク3の内外周に亘って移動させるのに十分な長さを有しており、駆動摩擦部材となる。この駆動軸24の一端には、電気機械変換素子25が取り付けられている。電気機械変換素子25は、ピエゾ素子等の圧電素子であり、図示を省略する駆動回路によって印加される駆動電圧に応じて、駆動軸24の軸方向に伸びと縮みの速度が異なった伸縮変位をし、駆動軸24を軸線方向に振動させる。固定部26は、電気機械変換素子25の端部の一端が取り付けられ、振動時のバランサとしても機能する。
【0036】
このインパクト駆動機構9は、ベース10のディスクカートリッジ2と対向する面とは反対側の面にネジ止め等により取り付けられたブラケット29により支持されている。具体的に、ブラケット29の一端には、固定部26が取り付けられ、このブラケット29の他端には、排出機構27を取り付ける取付孔31及び駆動軸24の他端を支持する支持孔30が設けられている。支持孔30には、駆動軸24の他端が軸線方向に振動可能に係合されている。取付孔31には、後述する排出機構27が回転可能なように設置されている。また、駆動軸24は、電気機械変換素子25の伸縮により軸方向に変位し得るようにブラケット29に支持されている。
【0037】
排出機構27は、図5(a)に示すように、駆動軸24の一端、すなわち光磁気ディスク3の外周側に位置する端部に羽根車状の排出部材が設けられてなる。なお、排出機構27が光磁気ディスク3の外周側に設けられているのは、内周側には、光磁気ディスク3を所定の速度で回転するためのスピンドル駆動用のモータ等が配設されているからである。
【0038】
排出部材は、図5(b)に示すように、基体部27aと、この基体部27aの周囲に設けられた複数のフィン27bからなり、基体部27aには、軸孔27cが設けられている。この軸孔27cには、排出部材の支軸24aが挿通される。この支軸24aは、駆動軸24の一端を縮径して形成されてなるものであって、排出部材を回転可能に支持する。なお、軸孔27cの周面及び/又は支軸24aの周面には、円滑に排出部材が回転するように潤滑剤を塗布するようにしても良い。
【0039】
また、基体部27aの外周面に設けられた複数のフィン27bは、連結部28が光磁気ディスク3の内周側に移動してきたとき、連結部28がかき集めた塵埃等の異物を外部に排出する。すなわち、本発明を適用したディスク記録再生装置1は、携帯型であり、様々な姿勢でユーザーにより使用される。排出部材は、例えば、ディスク記録再生装置1が傾けられたときに、支軸24aを中心にして回転し、フィン27bで異物を外部に排出する。また、排出機構27は、ディスク記録再生装置1が傾けられたときに、支軸24aを中心にして回転しやすいように、所定のフィン27bに錘を付けたり、フィン27bの形状に変化を持たせたして、アンバランスにしておく。なお、排出機構27は、異物を外部に排出することができるものであれば上記以外の構成でも良い。
【0040】
連結部28は、支持ベース19に一体的に設けられた第1の連結片32と第2の連結片33とから構成されている。第1の連結片32は、支持ベース19の支持部23とは反対側の端部から駆動軸24に向かって突出形成されている。第2の連結片33は、板バネ等の弾性変位可能な部材からなり、支持ベース19に片持ち支持された状態でネジ止め等により取り付けられている。これら第1の連結片32と第2の連結片33とは、互いに対向配置されており、その間に駆動軸24を挟み込むことによって、駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されている。
【0041】
したがって、支持ベース19は、支持部23のガイド孔22にガイド軸20が挿通されると共に、連結部28が駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されることによって、これらガイド軸20及び駆動軸24の軸方向、すなわち光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持されている。
【0042】
このように構成されるインパクト駆動機構9は、電気機械変換素子25を、この電気機械変換素子25の駆動信号となる駆動電圧に応じて伸縮させながら、駆動軸24を軸方向に変位させることによって、連結部28を駆動軸24の軸方向にスライドさせる。これにより、光ピックアップ14及び磁気ヘッド15を支持している支持ベース19を光磁気ディスク3の径方向に直線駆動させることができる。具体的には、電気機械変換素子25は、光ピックアップ14の移動開始時等の始動時から記録再生動作中の定常時に亘って、図6に示すように、駆動信号として、各パルスが、立ち上がりにおいて、所定の電圧Vaまで昇圧し、次いで、所定期間一定電圧を保持し、次いで、立ち下がりにおいて、急峻に0Vまで降圧するような駆動電圧が印加される。
【0043】
具体的に、支持ベース19を図1中矢印Aに示す方向に直線駆動させる場合、図6(a)に示すような駆動電圧が印加される。すなわち、立ち上がりにおいて、先ず、駆動電圧が、緩やかに所定電圧Vaまで直線的に昇圧すると、電気機械変換素子25は、緩やかに伸長し、これに連動して駆動軸24が図1中矢印Aに示す方向に緩やかに移動する。このとき、支持ベース19は、連結部28と駆動軸24との間に働く摩擦力により、駆動軸24に保持され、駆動軸24と共に図1中矢印Aに示す方向に移動する。
【0044】
一方、立ち下がりにおいて、駆動電圧を0Vまで急峻に垂直的に降圧すると、電気機械変換素子25は、急速に収縮し、これに連動して駆動軸24が図1中矢印Bに示す方向に急速に移動する。このとき、連結部28は、慣性によって駆動軸24との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸24のみが図1中矢印Bに示す方向に移動する。
【0045】
この結果、支持ベース19は、駆動軸24に対して、図1中矢印Aに示す方向にスライドすることになる。このインパクト駆動機構9は、図6(a)に示す駆動電圧Vaを繰り返し電気機械変換素子25に印加することによって、連結部28を介して駆動軸24に連結された支持ベース19を、駆動軸24に対して、図1中矢印Aに示す方向へと連続的にスライドさせることができる。
【0046】
また、このインパクト駆動機構9は、定常時に支持ベース19を図1中矢印Bに示す方向に直線駆動させる場合、図6(b)に示すように、電気機械変換素子25には、図6(a)の駆動電圧と反対の波形の駆動電圧が印加される。すなわち、立ち下がりにおいて、駆動電圧が、緩やかに所定電圧−Vaまで直線的に降圧すると、電気機械変換素子25は、緩やかに伸長し、これに連動して駆動軸24が図1中矢印Bに示す方向に緩やかに移動する。このとき、支持ベース19は、連結部28と駆動軸24との間に働く摩擦力により、駆動軸24に保持され、駆動軸24と共に図1中矢印Bに示す方向に移動する。
【0047】
この結果、支持ベース19は、駆動軸24に対して、図1中矢印Bに示す方向にスライドすることになる。このインパクト駆動機構9は、図6(b)に示す駆動電圧−Vaを繰り返し電気機械変換素子25に印加することによって、連結部28を介して駆動軸24に連結された支持ベース19を、駆動軸24に対して、図1中矢印Bに示す方向へと連続的にスライドさせることができる。
【0048】
このように、インパクト駆動機構9は、電気機械変換素子25の動作開始電圧となる所定電圧Va若しくは−Vaまで垂直的に昇圧若しくは降圧する駆動電圧を電気機械変換素子25に印加している。
【0049】
また、このインパクト駆動機構9は、従来のようにギヤ列を用いたときのようにバックラッシュがなく、nmオーダーといった高分解能での駆動制御が可能であり、20kHz以上となる超音波領域での無音駆動が可能となる。更に、このインパクト駆動機構9は、図3及び図4に示すように、従来のような駆動モータによる回転駆動をギヤ群及びラック部材を介して直線駆動に変換する機構に比べて大幅な小型化が可能である。なお、ディスク記録再生装置1では、上述したインパクト駆動をスレッド動作のときに使用する。
【0050】
つぎに、以上のように構成されるディスク記録再生装置1の回路構成について、図7を参照して説明する。ディスク記録再生装置1は、RFアンプ51と、ディジタル信号処理部(以下、DSPという。)52と、フォーカス駆動回路部53と、トラッキング駆動回路部54と、スレッド駆動回路部55と、スピンドル駆動回路部56と、ヘッドアンプ57と、ディスクローディング検出部58と、D/A変換器59と、A/D変換器60と、ディジタルインターフェース61と、システムコントローラ62と、操作部63と、表示部64と、バッファメモリ75とを備える。
【0051】
また、DSP52は、ADIP PLL(Address In Pregroove PLL)65と、EFM PLL(Eight Fourteen Modulation PLL)66と、第1の切換部67と、スピンドル駆動信号処理部68と、フォーカス駆動信号処理部69と、第2の切換部70と、トラッキング駆動信号処理部71と、スレッド駆動信号処理部72と、EFM/ACIRC(advanced Cross Interleaved Reed−Solomon Code)エンコーダ/デコーダ73と、DRAMコントローラ74と、ATRACデコーダ/エンコーダ76と、排出駆動信号処理部77と、第3の切換部78とを備えている。
【0052】
RFアンプ51は、ADIP PLL65と、EFM PLL66と、フォーカス駆動信号処理部69と、第2の切換部70と、スレッド駆動信号処理部72と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73と、排出駆動信号処理部77に接続されている。
【0053】
RFアンプ51は、光ピックアップ14から供給された信号に基づきRF信号、ADIP信号、EFM信号、フォーカスエラー信号(以下、FE信号という。)、トラッキングエラー信号(以下、TE信号という。)、レンズシフト信号等を生成し、RF信号をEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73及び排出駆動信号処理部77に出力し、ADIP信号をADIP PLL65に出力し、EFM信号をEFM PLL66に出力し、FE信号をフォーカス駆動信号処理部69に出力し、TE信号を第2の切換部70に出力し、レンズシフト信号を第2の切換部70とスレッド駆動信号処理部72に出力する。なお、ADIP信号は、記録可能な光磁気ディスク3に予め蛇行形成されているプリグルーブ領域から読み出したアドレス情報等が含まれている信号であり、EFM信号は、光磁気ディスク3に記録されているピット領域から読み出したアドレス情報等が含まれている信号である。また、FE信号は、例えば、非点収差法等により生成されるフォーカス駆動用の信号であり、TE信号は、例えば、3ビーム法又はプッシュプル法等により生成されるトラッキング駆動用の信号である。
【0054】
ここで、レンズシフト信号の生成について述べる。RFアンプ51は、対物レンズ16のディスク半径方向の可動範囲内における中心位置(以下、メカセンターという。)からのずれ量(以下、レンズシフト量という。)を検出し、上記検出に応じてレンズ位置の信号(レンズシフト信号)を生成する。
【0055】
ADIP PLL65は、RFアンプ51と、第1の切換部67と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73とに接続されている。ADIP PLL65は、RFアンプ51から入力されたADIP信号から所定のクロック信号を生成する。ADIP PLL65は、生成したクロック信号を第1の切換部67とEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73に出力する。
【0056】
EFM PLL66は、RFアンプ51と、第1の切換部67と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73とに接続されている。EFM PLL66は、RFアンプ51から入力されたEFM信号から所定のクロック信号を生成する。EFM PLL66は、生成したクロック信号を第1の切換部67とEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73に出力する。
【0057】
第1の切換部67は、ADIP PLL65と、EFM PLL66と、スピンドル駆動信号処理部68とが接続されている。第1の切換部67は、システムコントローラ62の制御によりADIP PLL65の出力と、EFM PLL66の出力とを切り換え、切り換えた方の信号をスピンドル駆動信号処理部68に出力する。
【0058】
スピンドル駆動信号処理部68は、第1の切換部67とスピンドル駆動回路部56が接続されている。スピンドル駆動信号処理部68は、第1の切換部67を介して入力されたクロック信号に応じてスピンドルモータ12を駆動するための信号を生成し、生成したスピンドル駆動信号をスピンドル駆動回路部56に出力する。
【0059】
スピンドル駆動回路部56は、スピンドル駆動信号処理部68が接続されており、スピンドル駆動信号処理部68から入力されたスピンドル駆動信号に基づきスピンドルモータ12を所定の回転数で駆動する。スピンドル駆動回路部56は、例えば、3相駆動信号をスピンドルモータ12に印加し、スピンドルモータ12を、例えば、線速度一定(CLV,Constant Linear Velocity)又は、角速度一定(CAV, Constant Angular Velocity)で回転駆動する。
【0060】
EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73は、RFアンプ51と、ヘッドアンプ57と、ADIP PLL65と、EFM PLL66と、DRAMコントローラ74とに接続されている。EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73は、データ再生の場合、EFM PLL66から入力されるクロック信号に基づいて、RFアンプ51から入力されるRF信号にEFM復調及びエラー訂正に関するACIRC等のデコード処理を行い再生用のデータを生成し、生成したデータをDRAMコントローラ74に出力する。
【0061】
また、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73は、データ記録の場合、ADIP PLL65から入力されるクロック信号に基づいて、DRAMコントローラ74から入力される信号にEFMエンコード及びエラー訂正に関するACIRC等のエンコード処理を行い記録用のデータを生成し、生成したデータをヘッドアンプ57に出力する。
【0062】
ヘッドアンプ57は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73が接続されており、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73から供給されたエンコード処理が行われた記録データに応じて増幅した信号を磁気ヘッド15に供給する。磁気ヘッド15は、ヘッドアンプ57から供給された信号に基づき外部磁界を変調し光磁気ディスク3に印加する。このとき、ヘッド昇降機構は、システムコントローラ62からの指令の基づいて、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3の光ピックアップ14と対向する面とは反対側の面に接触又は近接させる。光磁気ディスク3は、光ピックアップ14により光ビームが照射されてキュリー温度以上に加熱され磁気ヘッド15により磁界が印加されることによってデータが記録される。
【0063】
DRAMコントローラ74は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73と、バッファメモリ75と、ATRACデコーダ/エンコーダ76と、排出駆動信号処理部77が接続されている。DRAMコントローラ74は、データ再生の場合、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73から入力されたデータをバッファメモリ75に記憶する。また、DRAMコントローラ74は、データ記録の場合、ATRACデコーダ/エンコーダ76から入力されたデータをバッファメモリ75に記憶する。さらに、DRAMコントローラ74は、バッファメモリ75にどのくらいデータが記憶されているかを示すデータ容量通知信号を生成し、生成したデータ容量通知信号を排出駆動信号処理部77に出力する。
【0064】
バッファメモリ75は、DRAMコントローラ74に接続されており、DRAMコントローラ74から供給されるデータを記憶する。なお、バッファメモリ75は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)により構成されている。
【0065】
ATRACデコーダ/エンコーダ76は、D/A変換器59と、A/D変換器60と、ディジタルインターフェース61と、DRAMコントローラ74とが接続されている。ATRACデコーダ/エンコーダ76は、データ再生の場合、DRAMコントローラ74から入力されるデータにATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)によるデコード処理を行なう。これにより、ディジタルオーディオ信号(以下、ディジタル信号という。)へと伸長される。このディジタル信号は、D/A変換器59によってアナログオーディオ信号に変換された後に、オーディオ出力端子から出力される。
【0066】
また、このディジタル信号は、ディジタルインターフェース61を介して、ディジタル出力端子から直接出力することもできる。また、ATRACデコーダ/エンコーダ76は、データ記録の場合、A/D変換器60又はディジタルインターフェース61から入力されたディジタルデータにATRACによるエンコード処理を行ない、エンコード処理後の信号をDRAMコントローラ74に出力する。
【0067】
フォーカス駆動信号処理部69は、RFアンプ51とフォーカス駆動回路部53に接続されており、RFアンプ51から入力されたFE信号に応じて対物レンズ16を光磁気ディスク3に対して垂直方向にフォーカス駆動するための信号を生成し、生成したフォーカス駆動信号をフォーカス駆動回路部53に出力する。
【0068】
フォーカス駆動回路部53は、フォーカス駆動信号処理部69が接続されており、フォーカス駆動信号処理部69から入力されたフォーカス駆動信号に基づき駆動電流を生成し、生成した駆動電流を光ピックアップ14に内蔵されているフォーカスコイルに供給することにより、対物レンズ16をフォーカス駆動する。
【0069】
第2の切換部70は、RFアンプ51とトラッキング駆動信号処理部71が接続されている。第2の切換部70は、システムコントローラ62の制御によりRFアンプ51から入力されたTE信号とレンズシフト信号とを切り換え、切り換えた方の信号をトラッキング駆動信号処理部71に出力する。
【0070】
トラッキング駆動信号処理部71は、第2の切換部70とトラッキング駆動回路部54が接続されており、第2の切換部70を介して入力された信号に基づき対物レンズ16をトラッキング駆動する駆動信号を生成し、生成したトラッキング駆動信号をトラッキング駆動回路部54に出力する。
【0071】
トラッキング駆動回路部54は、トラッキング駆動信号処理部71が接続されており、トラッキング駆動信号処理部71から入力されたトラッキング駆動信号に基づき駆動電流を生成し、生成した駆動電流を光ピックアップ14に内蔵されているトラッキングコイルに供給することにより、対物レンズ16をトラッキング駆動する。
【0072】
スレッド駆動信号処理部72は、RFアンプ51と第3の切換部78が接続されており、RFアンプ51から入力されたレンズシフト信号に基づき光ピックアップ14をスレッド駆動する駆動信号を生成し、生成したスレッド駆動信号を第3の切換部78に出力する。
【0073】
ディスクローディング検出部58は、排出駆動信号処理部77に接続されており、ディスクカートリッジ2が図2に示すようにディスク記録再生装置1に挿入され、蓋体1aが閉じられたときに、ディスクがローディングされた旨の信号(以下、ローディング信号という。)を生成し、生成したローディング信号を排出駆動信号処理部77に出力する。
【0074】
排出駆動信号処理部77は、RFアンプ51と、DRAMコントローラ74と、ディスクローディング検出部58と、第3の切換部78とに接続されており、RFアンプ51、DRAMコントローラ74又はディスクローディング検出部58から入力された信号に基づき所定の処理を行ない排出駆動信号を生成し、生成した排出駆動信号を第3の切換部78に出力する。
【0075】
第3の切換部78は、スレッド駆動信号処理部72と、排出駆動信号処理部77と、スレッド駆動回路部55が接続されている。第3の切換部78は、システムコントローラ62の制御によりスレッド駆動信号処理部72から入力されたスレッド駆動信号と、排出駆動信号処理部77から入力された排出駆動信号とを切り換え、切り換えた方の信号をスレッド駆動回路部55に出力する。
【0076】
スレッド駆動回路部55は、第3の切換部78を介して入力された信号に基づき駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧を電気機械変換素子25に供給することにより、光ピックアップ14をスレッド駆動する。光ピックアップ14は、上述したインパクト駆動方式によりスレッド駆動される。
【0077】
操作部63は、システムコントローラ62が接続されており、ユーザー操作に供される部位を示し、各種操作キーやダイヤルとしての操作子が設けられる。操作子としては例えば、再生、録音、一時停止、停止、FF(早送り)、REW(早戻し)、AMS(頭出しサーチ)などの記録再生動作にかかる操作子や、通常再生、プログラム再生、シャッフル再生などのプレイモードにかかる操作子が設けられている。これらの操作キーやダイヤルによる操作情報はシステムコントローラ62に供給される。システムコントローラ62は、操作部63から供給された操作情報に応じた動作制御を実行する。
【0078】
表示部64は、システムコントローラ62が接続されており、システムコントローラ62によって表示動作が制御されており、表示動作を実行させる際に表示すべきデータを表示部64内の表示駆動部に送信する。表示駆動部は、供給されたデータに基づいて液晶パネルなどによるディスプレイの表示動作を駆動し、所要の数字、文字、記号などの表示を実行させる。これにより、表示部64においては、データの記録又は再生しているディスクの動作モード状態、トラックナンバ、記録時間/再生時間、編集動作状態等が示される。
【0079】
システムコントローラ62は、DSP52と、操作部63と、表示部64に接続されている。システムコントローラ62は、データ記録時には、第1の切換部67をADIP PLL65が接続されている側に切り換え、データ再生時には、第1の切換部67をEFM PLL66が接続されている側に切り換える制御を行なう。
【0080】
また、システムコントローラ62は、トラッキング駆動がオン、すなわち光ピックアップ14が光磁気ディスク3から情報を読み出しているときには、第2の切換部71をTE信号に切り換え、トラッキング駆動がオフ、すなわち光ピックアップ14が光磁気ディスク3から情報を読み出していないときには、第2の切換部71をレンズシフト信号に切り換える制御を行なう。
【0081】
さらに、システムコントローラ62は、通常のスレッド駆動を行なうときには、第3の切換部78をスレッド駆動信号処理部72が接続されている側に切り換え、異物を排出するためにスレッド駆動を行なうときには、第3の切換部78を排出駆動信号処理部77が接続されている側に切り換える制御を行なう。
【0082】
また、システムコントローラ62は、対物レンズ16を数トラック分ジャンプさせるときには、トラッキング駆動信号処理部71に所定の信号を入力し、トラッキング駆動回路部54を介して対物レンズ16をトラッキング駆動する。システムコントローラ62は、対物レンズ16を数トラック分以上ジャンプさせるときには、スレッド駆動信号処理部72に所定の信号を入力し、第3の切換部78及びスレッド駆動回路部55を介して対物レンズ16を光磁気ディスク3の径方向にスレッド駆動する。
【0083】
このように構成されているディスク記録再生装置1では、上述したように、光磁気ディスク3から光ピックアップ14によりデータを読み出し、読み出したデータを一旦バッファメモリ73に書き込み、バッファメモリ73に書き込まれたデータを読み出してデータの再生を行なっている。ディスク記録再生装置1は、例えば、バッファメモリ75に1.41Mbit/Secでデータの書き込みを間欠的に行ない、バッファメモリ75から0.3Mbit/Secでデータの読み出しを連続的に行なう。したがって、ディスク記録再生装置1では、バッファメモリ75に記憶してあるデータ量が所定量を下回るまで光磁気ディスク3からデータを読み出す動作を停止(以下、停止状態という。)し、上記データ量が所定量を下回ったときに光磁気ディスク3からデータの読み出す動作を開始(以下、開始状態という。)する。
【0084】
ところで、停止状態では、TE信号が生成されないため、対物レンズ16にトラッキング駆動が行なわれていない。本発明を適用したディスク記録再生装置1は携帯型であるため、ディスク記録再生装置1の姿勢が使用状況によりあらゆる方向に変化するので、対物レンズ16にトラッキング駆動が行なわれていない場合には、対物レンズ16の位置が遠心力等の影響を受けてメカセンターから外れてしまう。
【0085】
そこで、ディスク記録再生装置1では、TE信号によるトラッキング駆動が行なわれていないときに、上述したレンズシフト信号を生成し、上記レンズシフト信号に基づき対物レンズ16がメカセンターになるようにトラッキング駆動が行なわれる。したがって、ディスク記録再生装置1では、停止状態から開始状態に移ったときに、対物レンズ16は、ディスク半径方向における移動可能範囲が、内周側、外周側の両側で最良のバランスが得られている状態からトラッキング駆動制御が行なわれる。
【0086】
一方、スレッド駆動信号処理部72は、RFアンプ51から入力されるレンズシフト信号に基づき、スレッド駆動が必要かどうかを判断し、必要な場合には第3の切換部78を介してスレッド駆動回路部55に駆動信号を出力する。スレッド駆動回路部55は、入力された駆動信号に基づき駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧を電気機械変換素子25に供給し、インパクト駆動方式により光ピックアップ14をスレッド駆動する。
【0087】
また、ディスク記録再生装置1は、図1に示すように、光ピックアップ14を駆動する駆動軸24がベース10に設けられた開口部10aから露出している。そのため、ディスク記録再生装置1では、図2に示すように、ディスクカートリッジ2が蓋体1aに配設されているカートリッジホルダに挿入されるときに塵埃等の異物が同時に混入し、混入した異物が駆動軸24上に付着する場合がある。このような異物をそのまま放置しておくと駆動軸24と連結部28の隙間に異物が入り込み、その結果、摩擦力が低下し、駆動特性が著しく劣化するおそれがある。また、最悪の場合には、連結部28が駆動できなくなるおそれもある。
【0088】
一方、上述のような異物の混入を見越して、上記ディスク記録再生装置1の駆動電圧を高く設定した場合、異物の混入がないときには負荷が軽くなるため連結部28の移動量が大きくなり過ぎてしまい、連結部28の駆動動作の制御が不安定になってしまうおそれがある。また、上述のように駆動電圧を高く設定しておくと、必要以上に電力を消費することになり、とりわけ携帯用機器においては、省電力化の向上を目指す上で大きな障害となってしまう。
【0089】
そこで、本発明では、排出駆動信号処理部77により駆動軸24に付着した異物を排出するための排出駆動信号を生成し、上記排出駆動信号を第3の切換部78を介してスレッド駆動回路部55に出力し、スレッド駆動回路部55により通常の駆動電圧より高い駆動電圧を電気機械変換素子25に印加し、連結部28をスレッド駆動することにより、駆動軸24に付着した異物を排出する。
【0090】
ここで、排出駆動信号処理部77により排出駆動信号を生成し、生成した排出駆動信号に基づき、駆動軸24に付着している異物を排出する動作の一例についてディスク記録再生装置1の記録再生動作とともに述べる。
【0091】
ディスク記録再生装置1を構成する装置本体に対して蓋体1aが内部を開放する方向に回動され、装置本体内に構成された装着部が開放された状態において、ディスクカートリッジ2は、図1に示すように、シャッタ部材5が設けられた前面部に直交する一側面部を挿入端として、装置本体内に挿入される。すると、ディスクカートリッジ2は、蓋体1aに配設されているカートリッジホルダに保持される。このとき、シャッタ部材5は、カートリッジホルダに設けられたシャッタ開放片によってシャッタロックが解除され、カートリッジ本体2cの前面部に沿ってスライドされ、カートリッジ本体2cに設けられた開口部4a,4bを開放し、光磁気ディスク3の信号記録領域を内外周に亘ってカートリッジ本体2cの外部に臨ませる。
【0092】
そして、装置本体の内部を開放した状態にある蓋体1aが、装置本体の内部を閉塞する方向に回動操作されると、カートリッジホルダに保持されたディスクカートリッジ2は、ベース10に構成された装着部に装着される。すると、カートリッジ本体2cの下ハーフ2b側略中央部に設けられた開口部からは、ディスク回転駆動機構6を構成するディスクテーブルが内部に進入する。そして、ディスクテーブルは、光磁気ディスク3に設けられているクランピングプレートに係合され、磁気吸引することによって、光磁気ディスク3を一体的に回転でき状態にする。ディスクローディング検出部58は、蓋体1aが閉じられたときにローディング信号を生成し、排出駆動信号処理部77に出力する。
【0093】
排出駆動信号処理部77は、入力されたローディング信号に基づき排出駆動信号を生成し、第3の切換部78に供給する。システムコントローラ62は、排出駆動信号処理部77側を選択するように第3の切換部78を制御する。第3の切換部78は、システムコントローラ62の制御に応じて排出駆動信号をスレッド駆動回路部55に出力する。スレッド駆動回路部55は、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加する。電気機械変換素子25は、図8に示すように、通常よりも高い駆動電圧Vb(例えば、最大駆動電圧)が印加され、駆動軸24を変位し、連結部28を図1中矢印Aに示す方向に直線駆動する。この直線駆動により、駆動軸24上の異物は、排出機構27に収集される。なお、排出動作を行なう際には、連結部28を一度最内周に寄せてから排出機構27まで駆動してもよい。
【0094】
ここで、排出機構27に収集した異物を取り除く方法について図9を用いて以下に説明する。連結部28は、図9(a)に示すように、駆動軸24上を排出機構27まで移動し、駆動軸24に付着している異物を収集する。収集された異物は、図9(b)に示すように、排出機構27に押し込まれる。押し込まれた異物は、図9(c)に示すように、例えば、ディスク記録再生装置1の動揺に応じて排出部材が回転することで排出される。
【0095】
つぎに、上述したように装着部に装着されたディスクカートリッジ2の光磁気ディスク3にデータを記録する場合について説明する。先ず、ユーザーによって操作部63を構成する記録開始釦が押されると、記録開始信号がシステムコントローラ62に入力され、システムコントローラ62でスピンドルモータ12を初期駆動するための信号を生成し、生成した信号をスピンドル駆動信号処理部68に出力し、スピンドル駆動信号処理部68で所定の信号処理を行い、処理後の信号をスピンドル駆動回路部56に供給し、スピンドルモータ12を所定の速度で駆動し、光磁気ディスク3を回転させる。
【0096】
また、光ピックアップ14を構成する半導体レーザが駆動され、データ記録用の出力レベルで光ビームを出射するようにする。なお、データ記録時のスピンドルモータ12の駆動制御は、以下のようにして行なわれる。RFアンプ51から供給されたADIP信号に基づきADIP PLL65で所定のクロック信号を生成し、上記クロック信号を第1の切換部67を介してスピンドル駆動信号処理部68に出力する。スピンドル駆動信号処理部68は、供給されたクロック信号に基づきスピンドルモータ12を駆動するための信号を生成し、生成したスピンドル駆動信号をスピンドル駆動回路部56に出力する。スピンドル駆動回路部56は、入力されたスピンドル駆動信号に基づきスピンドルモータ12を所定の回転数となるように駆動制御する。
【0097】
スレッド駆動信号処理部72は、電気機械変換素子25を駆動し、光ピックアップ14を初動位置である光磁気ディスク3の内周側に移動させる。また、フォーカス駆動信号処理部69によるフォーカスサーボ制御と、トラッキング駆動信号処理部71によるトラッキング制御により、記録開始位置を特定する。光ピックアップ14は、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出して電気信号に変換する。上記電気信号は、RFアンプ51、ADIP PLL65及びEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73によりアドレス情報が抽出され、システムコントローラ62に出力される。システムコントローラ62は、上記アドレス情報によりデータの記録開始位置を特定し、ヘッド昇降機構を駆動し、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3に近接させる。そして、光磁気ディスク3は、光ピックアップ14により光ビームが照射されてキュリー温度以上に加熱され磁気ヘッド15により磁界が印加されることによってデータの記録が開始される。
【0098】
また、光磁気ディスク3に記録する記録データがアナログ信号であるときには、A/D変換器60によってディジタル信号に変換され、また、記録データがディジタル信号であるときには、ディジタルインターフェース61からディジタル信号が入力される。入力されたディジタル信号は、ATRACデコーダ/エンコーダ76でATRAC方式に基づくデータ圧縮が行なわれ、DRAMコントローラ74によってバッファメモリ75へ一時的に書き込まれる。バッファメモリ75に書き込まれたデータは、DRAMコントローラ74により所定のデータ単位毎に読み出されて、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73でEFM変調、並びにエラー訂正に関するACIRC等のエンコード処理が行われた後に、ヘッドアンプ57へと供給される。そして、ヘッドアンプ57は、記録データに応じて変調された外部磁界を磁気ヘッド15に発生させる。そして、磁気ヘッド15は、光ピックアップ14により光ビームが照射されキュリー温度以上に加熱された位置に外部磁界を印加してデータを記録する。
【0099】
つぎに、ディスクカートリッジ2の光磁気ディスク3に記録されているデータを再生する場合について説明する。ユーザーによって操作部63を構成する再生開始釦が押されると、再生開始信号がシステムコントローラ62に入力され、システムコントローラ62でスピンドルモータ12を初期駆動するための信号を生成し、生成した信号をスピンドル駆動信号処理部68に出力し、スピンドル駆動信号処理部68で所定の信号処理を行い、処理後の信号をスピンドル駆動回路部56に供給し、スピンドルモータ12を所定の速度で駆動し、光磁気ディスク3を回転させる。また、光ピックアップ14を構成する半導体レーザが駆動され、データ再生用の出力レベルで光ビームを出射するようにする。
【0100】
スレッド駆動信号処理部72は、電気機械変換素子25を駆動し、光ピックアップ14を初動位置である光磁気ディスク3の内周側に移動させる。また、フォーカス駆動信号処理部69によるフォーカスサーボ制御と、トラッキング駆動信号処理部71によるトラッキング制御により、再生開始位置を特定する。光ピックアップ14は、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出して電気信号に変換する。上記電気信号は、RFアンプ51、EFM PLL66及びEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73によりアドレス情報が抽出され、システムコントローラ62に出力される。システムコントローラ62は、上記アドレス情報によりデータの再生開始位置を特定する。なお、再生時には、磁界を光磁気ディスク3に印加する必要がないことから、磁気ヘッド15は、ヘッド昇降機構により光磁気ディスク3に対して離間した状態にされている。
【0101】
光ピックアップ14は、光磁気ディスク3に光ビームを照射し、反射された戻りの光ビームを検出し、検出した光ビームを電気信号に変換し、RFアンプ51に出力する。RFアンプ51は、光ピックアップ14から入力された信号に基づきRF信号等を生成する。RFアンプ51は、生成したRF信号をEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73に出力する。
【0102】
EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ73は、入力されたRF信号にEFM復調及びエラー訂正に関するACIRC等のデコード処理を行い再生用のデータを生成し、生成したデータをDRAMコントローラ74に出力する。DRAMコントローラ74は、入力されたデータをバッファメモリ75に一時的に書き込む。そして、バッファメモリ75に書き込まれたデータは、所定のデータ単位毎に読み出されて、ATRACデコーダ/エンコーダ76に供給され、ATRAC方式によるデコード処理が行われ伸長される。この伸長されたディジタルデータは、D/A変換器59によってアナログ信号に変換された後に、スピーカ、イヤホン、ヘッドフォン等から出力される。また、ATRACデコーダ/エンコーダ76から出力されるディジタル信号は、ディジタルインターフェース61から直接出力されても良い。
【0103】
上述した再生動作の際に、排出駆動信号処理部77は、RFアンプ51で生成されるRF信号に基づき、光磁気ディスク3から所定のタイミングでデータが読み出せているかどうかどうかを監視し、所定のタイミングよりも遅延している場合には、排出駆動信号を生成し、第3の切換部78に出力する。なお、本発明に係るディスク記録再生装置1では、光磁気ディスク3から所定のタイミングでデータが読み出せていない場合には、駆動軸24に異物が付着しているものと判断する。
【0104】
システムコントローラ62は、ディスク記録再生装置1が停止状態であることを確認し、排出駆動信号処理部77側を選択するように第3の切換部78を制御する。第3の切換部78は、システムコントローラ62の制御に応じて排出駆動信号をスレッド駆動回路部55に出力する。スレッド駆動回路部55は、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加する。なお、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加することで駆動軸24を変位させ、連結部28を駆動させることにより駆動軸24上の異物を排出する動作については、上述したのでここでは説明を省略する。
【0105】
また、上述した再生動作の際に、排出駆動信号処理部77は、DRAMコントローラ74を介してバッファメモリ75に記憶されているデータが所定量以上かどうかを監視し、所定量以上の場合には、排出駆動信号を生成し、第3の切換部78に出力する。なお、本発明に係るディスク記録再生装置1では、上述したように、バッファメモリ75に記憶してあるデータ量が所定量を下回るまで光磁気ディスク3からデータを読み出す動作を停止しているので、この動作停止時を利用して排出駆動を行なう。
【0106】
システムコントローラ62は、排出駆動信号処理部77側を選択するように第3の切換部78を制御する。第3の切換部78は、システムコントローラ62の制御に応じて排出駆動信号をスレッド駆動回路部55に出力する。スレッド駆動回路部55は、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加する。なお、電気機械変換素子25に排出駆動用の駆動電圧を印加することで駆動軸24を変位させ、連結部28を駆動させることにより駆動軸24上の異物を排出する動作については、上述したのでここでは説明を省略する。
【0107】
以上のように構成されるディスク記録再生装置1では、駆動軸24の外周側に排出機構27が取り付けられ、上記駆動軸24の内周側に電気機械変換素子25が取り付けられ、上記電気機械変換素子25に駆動電圧を印加することにより、駆動軸24を変位させて連結部28に配設されている光ピックアップ14をスレッド駆動する、いわゆるインパクト駆動方式を採用しており、排出駆動信号処理部77により生成した排出駆動信号に応じて電気機械変換素子25に通常よりも高い駆動電圧を印加し、連結部28を内周側から外周側に移動させるので、図2に示すように、当該ディスク記録再生装置1にディスクカートリッジ2を挿入するときに同時に混入し、駆動軸24上に付着した異物を排出することができ、駆動特性を劣化させることなく光ピックアップ14を安定にスレッド駆動することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る再生装置及び方法は、駆動電圧印加部により通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧を電気機械変換素子に印加し、被駆動体を駆動軸の一端に設置されている排出機構まで駆動するので、駆動軸上に付着した異物を収集し、収集した異物を排出機構により排出を行なうことができ、駆動特性を劣化させることなく被駆動体を安定駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディスク記録再生装置を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用したディスク記録再生装置にディスクカートリッジを挿入する様子を示す図である。
【図3】上記ディスク記録再生装置を示す平面図である。
【図4】上記ディスク記録再生装置を厚み方向から見た断面図である。
【図5】異物を排出する排出機構の構成を示す図である。
【図6】電気機械変換素子に印加される駆動電圧の波形図であり、(a)は、図1中矢印Aに示す方向に支持ベースを移動させる場合の駆動電圧の波形図であり、(b)は、図1中矢印Bに示す方向にヘッド部を移動させる場合の駆動電圧の波形図である。
【図7】上記ディスク記録再生装置の回路構成を説明するブロック図である。
【図8】電気機械変換素子に印加する通常の駆動電圧の波形と、排出駆動用の駆動電圧の波形を比較したときの図である。
【図9】上記ディスク記録再生装置に備えられている連結部により駆動軸上の異物を収集し、排出する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 ディスク記録再生装置、2 ディスクカートリッジ、3 光磁気ディスク、4a,4b 記録再生用の開口部、6 ディスク回転駆動機構、7 記録再生機構、8 支持機構、9 インパクト駆動機構、10 ベース、10a 開口部、11 ディスクテーブル、12 スピンドルモータ、14 光ピックアップ、15 磁気ヘッド、16 対物レンズ、19 支持ベース、20 ガイド軸、24 駆動軸、25 電気機械変換素子、26 固定部、27 排出機構、28 連結部、29 ブラケット、30 支持孔、31 取付孔、32 第1の連結片、33 第2の連結片、51 RFアンプ、52 DSP、53 フォーカス駆動回路部、54 トラッキング駆動回路部、55 スレッド駆動回路部、56 スピンドル駆動回路部、57 ヘッドアンプ、58 ディスクローディング検出部、59 D/A変換器、60 A/D変換器、61 ディジタルインターフェース、62 システムコントローラ、63 操作部、64 表示部、65 ADIP PLL、66 EFM PLL、67 第1の切換部、68 スピンドル駆動信号処理部、69 フォーカス駆動信号処理部、70 第2の切換部、71トラッキング駆動信号処理部、72 スレッド駆動信号処理部、73 EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ、74 DRAMコントローラ、75 バッファメモリ、76 ATRACデコーダ/エンコーダ、77 排出駆動信号処理部、78 第3の切換部
Claims (7)
- 駆動軸と、
上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記駆動軸の軸方向に伸縮することによって、上記駆動軸を、この駆動軸の軸方向に変位させる電気機械変換素子と、
上記駆動軸の軸方向に移動可能に支持され、上記駆動軸が上記電気機械変換素子によって変位されることによって、上記駆動軸に沿って移動する被駆動体と、
上記被駆動体上に配設され、ディスク状記録媒体から情報を読み出す情報読出部と、
上記電気機械変換素子が取り付けられている側とは反対側の上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記被駆動体が上記駆動軸に沿って移動することにより集められた異物を排出する排出機構と、
上記電気機械変換素子に駆動電圧を印加する駆動電圧印加部と、
上記被駆動体に排出駆動をさせるための排出駆動信号を生成する信号生成部と、
上記排出駆動信号の入力に応じて上記駆動電圧印加部を制御する制御部とを備え、
上記制御部は、上記排出駆動開始信号が入力されたときに、通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧を印加するように上記駆動電圧印加部を制御し、
上記電気機械変換素子は、上記駆動電圧印加部により印加された通常よりも高い駆動電圧に応じて変位し、上記被駆動体を上記電気機械変換素子の変位に応じて上記駆動軸上を排出機構まで移動する再生装置。 - 上記排出機構は、上記被駆動体により集められた異物を回転可能な羽根車で外部に排出する請求項1記載の再生装置。
- 上記信号生成部は、ディスク状記録媒体がローディングされたときに排出駆動信号を生成し、生成した排出駆動信号を上記駆動電圧印加部に出力する請求項1記載の再生装置。
- ディスク状記録媒体から読み出したデータを該データを出力する出力部の前段で一時的に記憶する記憶部をさらに備え、
上記信号生成部は、上記記憶部に所定量のデータが記憶された際に排出駆動信号を生成し、生成した排出駆動信号を上記駆動電圧印加部に出力する請求項1記載の再生装置。 - 上記信号生成部は、上記被駆動体に配設されている情報読出部から読み出されるデータのタイミングが所定のタイミングより遅延したときに排出駆動信号を生成し、生成した排出駆動信号を上記駆動電圧印加部に出力する請求項1記載の再生装置。
- 上記制御部は、上記排出駆動開始信号が入力されたときに、通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧を印加するように上記駆動電圧印加部を制御し、
上記電気機械変換素子は、上記駆動電圧印加部により印加された通常よりも高い駆動電圧に応じて変位し、上記被駆動体を上記電気機械変換素子の変位により上記駆動軸上の一端から他端である排出機構まで軸全域を移動する請求項1記載の再生装置。 - 駆動軸上に設置されている被駆動体を駆動させるために、駆動電圧印加部により所定の駆動電圧を電気機械変換素子の変位に応じて上記駆動軸上を移動することで、上記被駆動体に配設されている情報読出部によりディスク状記録媒体から情報を再生する再生方法において、
上記駆動軸上の異物を排出するための信号を生成する排出信号生成工程と、
上記排出信号に応じて通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧を上記電気機械変換素子に印加するように上記駆動電圧印加部を制御する電圧制御工程と、
通常の駆動電圧よりも高い駆動電圧で上記被駆動体を駆動する駆動工程とを有する再生方法。
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2002
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