JP2004077215A - 温度履歴表示体 - Google Patents

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川合 宣行
Taketoshi Miura
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Abstract

【課題】本発明は、対象物に貼り付け、対象物が管理温度外の環境に曝された場合、不可逆的な変化を生じる温度履歴表示媒体で、かつ工業生産が容易なものを供給する。
【解決手段】本発明では、支持体上に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び該染料前駆体を発色せしめる電子受容性化合物を含む感熱記録層を有し、さらに特定温度に融点を有する感温物質を該感熱記録層、あるいは別の層の少なくとも1層に含有する事を特徴とする温度履歴表示体を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の温度に曝された場合に不可逆的な変化が生じることにより、温度履歴を表示することができる温度履歴表示体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷凍技術や冷蔵技術の発展に伴って多くの低温保存食品が長期間にわたって、その品質や安全性を保つことができるようになってきた。また、低温輸送技術の発達と普及により、色々な種類の低温保存食品が製品化されてきている。
【0003】
一方、近年食品の安全性が一段と大きな問題となってきている。毎年生物要因によって、罹病する人の数は1万人程度であり、食品の取り扱いが改善されているにもかかわらず、年々増加の傾向にある。この要因は、細菌に対する抵抗力の弱い人が増大していること、即ち、過度な減菌等により、菌に対する免疫力の低下、あるいは添加物を使用しない社会的傾向によるものと考えられる。細菌による事故は細菌数と密接な関係があり、一般的には食品1g当たり10以下であれば、健康な人には発症はしないと考えられている。細菌の***は適温、水分、養分の3つが必要条件である。このうちの1つでも欠如すると***は抑止される。そこで細菌の***を抑え、細菌数を抑止するために、低温(細菌は一般に3℃以下では***は起こらない。)や塩乾等の方法が採られてきた。
【0004】
食品の味に影響を与えず、添加薬品の不要な細菌***抑止方法として、低温保存による方法が特に注目を集めている。この方法の最大の課題は、特定された一定温度を保持することにある。例えば、3℃の保存温度に保っている場合、この温度を超えて10℃に温度が変化すれば、大腸菌であれば2時間で2倍程度の細菌数になると共に、食品中の水分が膨張することによって、食品の間に隙間を作り、そこからも毛管現象によって食品の養分を食品表面に押し出す。次に温度を下げると、表面に流出した水分の何割かが再び食品の内部に引き込まれるため、細菌の汚染を食品内部に拡大する。また、細菌も低温状態から適温に変化すると、反作用が起こり***速度を速める。即ち、食品保存にとって温度の上げ下げは行わない方が良いということである。
【0005】
次に食品の流通を見た場合、食品工場で例えば3℃に温度保持を行うことは困難なことではない。しかし、その食品が工場を出て輸送段階にはいると、この温度保持ははなはだ難しいものになる。冷凍装置の設置されたトラックでも、直射日光の下では温度を一定に保つことは困難であり、温度のバラツキが生じる。また、スーパー、コンビニエンスストアやその他小売店で販売される状態において、常に3℃以下を保つことは容易なことではない。
【0006】
消費者が食品を消費するまでに、当該食品がどのような温度履歴を経てきたかということは、消費者が知ることができないのが現状である。食品が経てきた温度履歴を知るために様々な工夫がなされてきており、その一つとして温度履歴表示体というものが開発されてきている。例えば、特開平10−287863号公報には、所定温度での複数の物質の反応により不可逆的に発色する温度履歴表示体において、発色剤層、検温剤層および顕色剤層とを備えた温度履歴表示体についての発明が開示されている。この発明は、発色剤層と顕色剤層を検温剤層で区切っておき、所定温度以上になると検温剤が溶解して発色剤層と顕色剤層が接触して発色し、この発色反応が不可逆的に起こることから、所定温度以上になったか否かを温度履歴表示体の発色により知ることができるというものである。
【0007】
この方法は不可逆的であり有効な方法であるが、発色剤および顕色剤を使用することを必須としており、温度履歴表示体の構造が複雑で、工業生産には複雑な装置と工程が必要で、実用的な方法ということはできない。また、その他の温度履歴表示体においても、いずれも感温色剤や発色剤が使用されており、現実的な普及に至っていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、対象物に付け、対象物が管理温度外の環境に曝された場合、不可逆的な変化を生じる温度履歴表示媒体で、かつ工業生産が容易なものを供給する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。本発明では、支持体上に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体及び該染料前駆体を発色せしめる電子受容性化合物を含む感熱記録層を有し、さらに特定温度に融点を有する感温物質を該感熱記録層、あるいは別の層の少なくとも1層に含有する事を特徴とする温度履歴表示体により上記課題を解決できた。また、環境温度が該感温物質の融点を超えると、感熱記録層に不可逆的な変化を生じせしめることを特徴とする温度履歴表示体により上記課題を解決できた。好ましくは、該感温物質が、該感熱記録層に含まれる他の成分の内、少なくとも一つから隔離されていることを特徴とする温度履歴表示体により、より好ましくは該感温物質がマイクロカプセルに内包されていることを特徴とする温度履歴表示体により上記課題を解決できた。また、温度履歴表示体のいずれかの層に粘着物質を含む粘着層が形成されたことを特徴とする温度履歴表示体により上記課題を解決できた。温度履歴表示体の感温物質を有する層の上層にオーバーコート層が形成されたことを特徴とする温度履歴表示体により上記課題を解決できた。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図を用いて説明する。図1〜4に温度履歴表示体の層構成を示す。図1における温度履歴表示体は、支持体(1)上に感温物質を含む感熱記録層(2)が形成されたものである。図2における温度履歴表示体は、図1に示した温度履歴表示体の感熱記録層と反対の面に粘着層(6)が形成されたものである。図3における温度履歴表示体は、図2に示した温度履歴表示体の感熱記録層の上層に粘着層(6)とオーバーコート層(5)が形成されたものである。図4における温度履歴表示体は、感温物質を含む感温層(4)を図3と同様のオーバーコート層(5)側に作製し、支持体(1)上に作製した感熱記録層(3)に使用時に張り合わせるものである。
【0011】
ここで、感温物質を含む感熱記録層(2)とは、電子供与性染料前駆体及び該染料前駆体を発色せしめる電子受容性化合物、さらに特定温度に融点を有する感温物質を含有する層を示す。感熱記録層(3)とは、電子供与性染料前駆体及び該染料前駆体を発色せしめる電子受容性化合物を含有する層を示す。感温層(4)とは、特定温度に融点を有する感温物質を含む層を示す。オーバーコート層(5)とは、透明又は半透明の層である。また、粘着層(6)とは、上記各層を張り合わせるため、あるいは低温保存品の容器等に本温度履歴表示体を貼付するための粘着物質を含んだ層を示す。
【0012】
本発明に係わる支持体は、特に限定するものではないが、各種の紙、合成紙、不織布、織布、アルミニウム等の金属箔、ガラスやプラスチックフィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、EVA、セルロース系プラスチック、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリルエーテルニトリル、ポリベンゾイミダール、またこれらを単独あるいは2種以上配合されたものからなるフィルム、あるいはこれらのフィルムを組み合わせた複合シートなどの使用が考えられる。これらは不透明、透明、半透明のいずれでも良く、地肌を白色その他の特定の色に見せたり、または平滑性を高めるため等に白色や有色の染料、顔料を支持体中に含有させたり、これらを表面に塗工しても良い。また、あらかじめ支持体の裏面に画像形成装置等での走行性を良くするための導電層を設けたり、さらには磁気記録層、インクジェット記録層の様な機能を有する層を作製しても良い。
【0013】
本発明の温度履歴表示体が支持体の裏面に粘着層を形成したものである場合、貼り付けた対象物からの温度が支持体の熱伝導性に影響されるので、支持体を選択する場合、考慮する必要がある。
【0014】
本発明に係わる通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体としては一般に感圧記録紙や感熱記録紙などに用いられる化合物を使用することができ、特に制限されるものではない。具体的な例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリドなどのトリアリールメタン系化合物、
【0016】
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン系化合物、
【0017】
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0018】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなどのキサンテン系化合物、
【0019】
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなどのチアジン系化合物、
【0020】
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピランなどのスピロ系化合物などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
【0021】
これら通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と反応して発色する電子受容性化合物の具体例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリドなどが挙げることができる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
【0023】
本発明に係わる感熱記録層は、上記通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び該染料前駆体を発色せしめる電子受容性化合物を主成分とする感熱記録成分を支持体上に設けることにより形成される。感熱記録成分を支持体上に設ける方法は特に限定されないが、感熱記録成分の塗液を塗布する方法、感熱記録成分を含むインキを印刷する方法などを用いることができる。また、感熱記録層には、必要に応じてバインダーを併用してもよい。感熱記録層に含有させるバインダーは特に限定されないが、感熱記録成分の発色特性に与える影響がより少ないものが特に好ましく用いられる。
【0024】
バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
【0025】
本発明の温度履歴表示体においては、感熱記録層上に直接または他の層を介して1層以上の保護層を設けても良い。保護層の成分は特に限定されないが、感熱記録組成の発色特性に与える影響が少ないものが特に好ましく用いられる。
【0026】
保護層の形成に用いられる樹脂の具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
【0027】
本発明の温度履歴表示体においては、感熱記録層と支持体の間に、平滑性、断熱性などを向上させるために中間層を設けても良い。中間層には、各種樹脂、有機顔料、無機顔料、各種中空粒子などを含有させることができる。
【0028】
本発明の温度履歴表示体においては、感熱記録層と支持体の間の層及び/または感熱記録層が設けられている面または、反対側の面に、電気的、磁気的、または光学的に情報が記録可能な材料を含む層を設けても良い。また、感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止や帯電防止などを目的としてバックコート層を設けても良く、さらに粘着加工などを行ってもよい。また、感熱記録層または保護層の表面にUVインキなどによる印刷などを行ってもよい。
【0029】
本発明の温度履歴表示体においては、レーザー光による印字を行うために、感熱記録材料中の任意の層及び支持体に光熱変換材料を含有させることもできる。
【0030】
本発明の温度履歴表示体の任意の層には、必要に応じて、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などの無機および有機顔料、その他に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックスなどのワックス類を、また、ジオクチルスルホこはく酸ナトリウムなどの分散剤、さらに界面活性剤、及び蛍光染料などを含有させることもできる。
【0031】
また、耐光性を向上する目的で、酸化防止剤、紫外線吸収剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及びスルフィド系酸化防止剤などが挙げられる。また、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの有機系紫外線吸収剤、及び酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムなどの無機系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0032】
本発明の温度履歴表示体は、環境温度が感温物質の融点より高くなった場合、感温物質が融解し、感熱記録層中の染料、染料前駆体、顕色剤等に作用して、これらの成分に不可逆的変化を生じさせる。即ち、本発明の温度履歴表示体を貼り付けた対象物が所定以上の温度環境に曝されたかどうかを、感熱記録層の光学濃度変化や感熱記録層に形成された画像の変化等を判読することにより判定する。判読方法としては特に限定しないが、光学濃度測定や文字情報や図形情報(バーコード情報を含む)を人や機械により行う方法が考えられる。例えば、融解した感温物質が感熱記録層中の染料前駆体等と反応し発色することで光学濃度変化を生じる、または感熱記録層に記録された情報を表示するために発色している染料を分散又は脱色させるなどにより記録された情報を破壊する方法が簡便で好ましい。また、融解した感温物質のみにより感熱記録層に十分な不可逆変化を与えることが出来ない場合には、十分な変化を与えるための添加剤を添加することも可能である。
【0033】
本発明に係わる感温物質は特定の温度領域でシャープな融点を有するあらゆる化合物の使用が考えられ、炭化水素類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アミン類、不飽和アルデヒド類、芳香族炭化水素類、芳香族アルコール類、芳香族カルボン酸類、シクロヘキサン誘導体類、シクロヘキサノール誘導体類、尿素化合物類等及びそれらの塩類などの有機物質、塩化物や水酸化物などの無機物質が考えられる。本発明の温度履歴表示体を食品製品や医薬品などに利用する場合には、人体に対する安全性の高いものがより好ましいが、安全性が十分でない物質であっても、保護層や支持体により感温物質を密封することにより、使用することも考えられる。
【0034】
融点の範囲としては、中心値±1.5℃以下が好ましく、より好ましくは中心値±1.0℃以下である。しかし、温度を感知する観点からは比較的狭い融点範囲のものが好ましいが、所定の温度を超えると感熱記録層に変化を与えることが出来る物質であれば良く、所定の温度を超えたときに必ずしも全ての感温物質が融解しないといけないというものではない。従って、本発明に係わる感温物質としては、1種類の化合物からなるものであってもよいし、2種類以上の物質の混合物であってもよい。該感温物質は2種類以上の物質の混合物を用いた場合、あるいは添加物を共存させた場合には、融点が変化する可能性があり、混合物としての融点の確認が必要である。
【0035】
本発明に係わる感温物質の具体例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。用途の1例として低温保存品等の場合、各種融点を持つパラフィン類、ポリエチレングリコール、ジメチルスルフォキシド(融点、約10℃)、メチルラウレート(融点、約5℃)、エチルシナメート(融点、約4℃)1−ヘキサデセン(融点、約4℃)、オレイン酸(融点、約10℃)、オレイルアルコール(融点、約4℃)、1−デナコール(融点、約7℃)、5−イソプロピル−2−メチルフェノール(融点、約4℃)、o−s−ブチルフェノール(融点、12℃)、カルバクロール(融点、4℃)、2−クロロフェノール(98%)(融点、12℃)、m−クレゾール(融点、12℃)、o−ハイドロアセトフェノン(融点、12℃)、2−メトキシ−4−メチルフェノール(融点、6℃)、o−ニトロアニソール(融点、10℃)などの単独使用や2種以上の併用使用が考えられる。
【0036】
本発明に係わる感温物質は、該感熱記録層に含まれる他の成分の内少なくとも一つから隔離されていることが好ましい。これは、該感熱記録層に加熱情報記録を行う工程が、常温及び所定の温度(低温保存品の場合ではその低温保存温度)のいずれの環境でも可能になることから示される。また、前記の隔離方法として、該感温物質をマイクロカプセルに内包させる方法がより好ましい。これは、感温物質を含む層を作製する工程が前記のいずれの環境でも可能となることから示される。
【0037】
本発明に用いられる感温物質を内包したマイクロカプセルはコアセルベーション法、インサイチュー重合法、界面重合法等公知の方法を使用することができる。具体的には特開昭51−9079号、同52−66878号、同53−84861号、同54−49984号公報等に記載されているようなカプセル膜材が耐熱性、耐溶剤性のあるポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ尿素、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂等の合成樹脂であるものが好ましく、特に好ましくはメラミン−ホルマリン樹脂である場合である。
【0038】
本発明に係わるマイクロカプセルの平均粒子径は1〜50μmの範囲に設定することが好ましい。この粒子径より小さいと熱的な強度が低下し、またこの範囲より大きいと物理的強度が低下するため好ましくない。蓄熱材の粒子径の制御は、分散剤の種類と濃度、分散工程時の温度と時間、乳化比(水相と油相の体積比率)、乳化機、分散機等と称される微粒化装置の運転条件(攪拌回転数、時間等)等の因子で調節される。
【0039】
本発明で述べる平均粒子径は完成したマイクロカプセルの体積平均粒子径を意味し、具体的には米国コールター社製コールターマルチサイザーを用いて測定された体積平均粒子径を表す。上記範囲より大きい粒子径では機械的せん断力に極めて弱くなり、上記範囲より小さくすれば破壊は抑えられるものの膜厚が薄くなり耐熱性に乏しくなるため好ましくない。
【0040】
本発明で用いられる分散剤としては、熱的に安定でマイクロカプセル化するために適するものであれば使用可能でありカチオン系、アニオン系、ノニオン系何れの種類でも使用可能であるがインサイチュー重合法においてはアニオン系の分散剤や保護コロイドが適し具体的には、脂肪酸石鹸、金属石鹸、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ジアルキルスルフォこはく酸塩、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン無水マレイン酸共重合体加水分解物、α−アルキルスチレン無水マレイン酸共重合体加水分解物、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体加水分解物、ビニルトルエン無水マレイン酸共重合体加水分解物、スチレンベンジルメタクリレート無水マレイン酸共重合体加水分解物、エチレン無水マレイン酸共重合体加水分解物、イソブチレン無水マレイン酸共重合体加水分解物、酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体加水分解物などが用いられる。
【0041】
本発明で用いられるマイクロカプセルの皮膜形成材としては、界面重合法、インサイチュー法等の手法で得られる、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂、またゼラチンとカルボキシメチルセルロース若しくはアラビアゴムとのコアセルベーション法を利用した合成あるいは天然の樹脂が用いられるが、本発明の如き加熱情報記録工程等が係わるマイクロカプセルの場合には、インサイチュー法によるメラミンホルマリン樹脂及び尿素ホルマリン樹脂が高温にも耐えうる皮膜となり得るため好ましい。
【0042】
本発明でに係わる感温物質を内包したマイクロカプセルは、通常分散液の形態で得られるが、分散媒を乾燥又は除去することにより固形物とすることが可能である。本発明で述べる固形物とは、分散媒成分が全くない状態の完全な固形物に限らず、常温で流動性がないケーキ状態の形態も含み、例えばフィルタープレス、スクリュープレス、遠心分離法、蒸発乾燥法、噴霧乾燥法等の装置を用いて得られた分散媒成分含有量が40%以下に乾燥したウェットケーキも含まれる。マイクロカプセル分散液中には固形化処理を行う前に、金属粉、着色剤、比重調節材、分散助剤、接着剤、湿潤剤等を添加することができる。
【0043】
本発明の温度履歴表示体は、感熱記録層あるいは感温層の上に透明乃至半透明のオーバーコート層を設ける。該オーバーコート層は感熱記録層あるいは感温層が物理的接触により損傷したり、外部環境による変質を防止する。また、一時的に本温度履歴表示体が対象物の所定外の温度環境に曝された場合には感熱記録層が即座に不可逆的に変化することを防止するという目的にも使うことも考えられる。即ち、本発明の温度履歴表示媒体を付ける対象物(低温保存食品など)は、対象物の管理温度内で保管されるが、搬送などの作業においては、常温環境での放置は時間を限定して許容されている。この許容時間内で感温層が不可逆的変化を起こさないようオーバーコート層を形成する。本発明に係わるオーバーコート層はその断熱性を変化させることで、外部温度が感温層に伝達する速度をコントロールすることが可能である。該保護層の断熱性を変化させる方法は特に限定しないが、例えば、断熱層の厚みを変化させる、断熱性の高い材質のフィルムを使用する、空気層を形成するなどの方法が考えられる。
【0044】
本発明に係わるオーバーコート層は感温物質を含む層の上に形成するが、本発明が推奨する方法は透明フィルムの表面に粘着剤層を形成し、感熱記録層上にに貼り付けて形成する方法が有効である。オーバーコート層として使用する透明フィルムとしては、透明あるいは半透明であれば特に限定はしないが、前述の支持体に使われるものとして列挙したものがなどの使用が考えられる。
【0045】
上述の支持体とオーバーコート層の接着を受け持つ粘着層は、低温で保護層と支持体を接着するものなら特に限定されず、一般にシールラベル用に用いられる粘着剤などが考えられる。具体的には天然ゴム系粘着剤、合成イソプレンゴム系粘着剤、SBRゴム系粘着剤、ポリアクリル酸エステル系粘着剤、またはそれらの共重合体、シリコーンゴム系粘着剤、ビニールエーテル共重合体系粘着剤などの単独や2種以上混合したものからなることが考えられる。
【0046】
本発明の温度履歴表示体は支持体面あるいはオーバーコート層の上に粘着層を形成し、低温保存食品などの外装に貼り付けて使用することが考えられる。本粘着層も低温で接着するものなら特に限定されない。一般的にはシールラベルに使用される粘着剤が可能で、支持体とオーバーコート層の接着する粘着層に用いられるものと同様な組成のものが可能である。
【0047】
【実施例】
以下に本発明を実施例を使用し詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、以下に示す部、%はいずれも質量基準である。塗工量は絶乾塗工量である。
【0048】
実施例1
感温物質であるメチルラウリレート100部をスチレン無水マレイン酸共重合体の5%水溶液(pH4.8)120部に添加し、液温60℃で平均粒系が4.5μmになるように乳化した。水60部にメラミン12.5部と37%ホルムアルデヒド水溶液16.1部を加え、pH9.5で加熱溶解しメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物を得、上記乳化液に加え撹はんしながら75℃で2時間反応させた後、液温40℃以下でpH8.5とし、40%感温物質内包マイクロカプセル分散液を作製した。
【0049】
黒色発色の電子供与性染料前駆体である3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン4部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液66部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの染料前駆体分散液を得た。電子受容性化合物である3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン4部を2%ポリビニルアルコール水溶液12部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの電子受容性化合物分散液16部を得た。また、2−ベンジルオキシナフタレン4部を2%ポリビニルアルコール水溶液12部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの2−ベンジルオキシナフタレン分散液16部を得た。さらに、炭酸カルシウム5部を2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液10部と共にホモジナイザーで粉砕し、体積平均粒径1μmの炭酸カルシウム分散液15部を得た。
【0050】
上記4種の感熱記録材料分散液を混合し、感熱記録材料の塗液Aを作製した。これに感温物質内包マイクロカプセル分散液10部を混合後、坪量100g/mの上質の中性紙の片面に固形分塗布量3g/mとなる様に塗布し、60℃のオーブンで乾燥し、温度履歴表示体1を作製した。この表示体に感熱ヘッドでバーコードを記録した。その後0℃の環境でこの表示体の表面を加圧し、マイクロカプセルを圧壊した。この表示体を0℃の環境と10℃の環境に放置した。10℃の環境では、感温物質が徐々に融解・拡散し、感熱記録層中で発色した染料と反応してバーコード画像の光学濃度が減少した。次第にバーコードが薄くなり、情報の読みとりが不可能になった。これに対し0℃の環境下では、1週間後も感温物質は固化したままで感熱記録成分と反応せず、バーコード情報の読み取りが可能であった。
【0051】
実施例2
支持体として裏面に粘着層を有する中性紙を用いること以外は実施例1と同様にして感熱記録層を設けた温度履歴表示体2を作製した。この表示体に感熱ヘッドでバーコードを記録した後、支持体上の粘着層を下にして段ボール容器に貼付し、0℃の環境でこの表示体の表面を加圧し、マイクロカプセルを圧壊した。この表示体を0℃の環境と10℃の環境に放置した。10℃の環境では、感温物質が徐々に融解・拡散し、感熱記録層中で発色した染料と反応してバーコード画像の光学濃度が減少した。次第にバーコードが薄くなり、情報の読みとりが不可能になった。これに対し0℃の環境下では、1週間後も感温物質は固化したままで、バーコード情報の読み取りが可能であった。
【0052】
実施例3
実施例2と同様に支持体上に感熱記録層を設けたものにバーコード記録を行い、透明ポリエステルフィルム(厚さ50μm)に両面粘着テープを使用して粘着層を設けた透明フィルムをオーバーコート層として感熱記録層面に貼付し、温度履歴表示体3を作製した。その後0℃の環境でこの表示体の表面を加圧し、マイクロカプセルを圧壊した。この表示体を0℃の環境と10℃の環境に放置した。10℃の環境では、感温物質が徐々に融解・拡散し、感熱記録層中で発色した染料と反応してバーコード画像の光学濃度が減少した。次第にバーコードが薄くなり、情報の読みとりが不可能になった。これに対し0℃の環境下では、1週間後も感温物質は固化したままで、バーコード情報の読み取りが可能であった。さらに、オーバーコート層の効果を確認するため、0℃の環境下でこの温度履歴表示体に指で1秒間触れる試験と、指でこする試験を実施したところ、両方とも変化は認められない。一方、オーバーコート層を有しない実施例2で作製した温度履歴表示体の感熱記録層面を指で触れると塗工した成分が指に付着した。また、指でこすると表面に一部剥がれが生じた。
【0053】
実施例4
感熱記録材料塗液に感温物質内包マイクロカプセル分散液を混合しないこと以外は実施例2と同様に感熱記録層を設けた温度履歴表示体4を作製した。この表示体に感熱ヘッドでバーコードを記録した後、0℃の環境下に置いた。この後透明ポリエステルフィルム(厚さ50μm)に両面粘着テープを使用して粘着層を設けた後に、実施例1で作製した感温物質内包マイクロカプセル分散液を固形分塗工量2g/mとなるように塗工し、粘着層と感温層を有する透明フィルムをオーバーコート層として感熱記録層面に貼付した。その後0℃の環境でこの表示体の表面を加圧し、マイクロカプセルを圧壊した。この表示体を0℃の環境と10℃の環境に放置した。10℃の環境では、感温物質が徐々に融解・拡散し、感熱記録層中で発色した染料と反応してバーコード画像の光学濃度が減少した。次第にバーコードが薄くなり、情報の読みとりが不可能になった。これに対し0℃の環境下では、1週間後も感温物質は固化したままで、バーコード情報の読み取りが可能であった。さらに、オーバーコート層の効果を確認するため、0℃の環境下でこの温度履歴表示体に指で1秒間触れる試験と、指でこする試験を実施したところ、両方とも変化は認められない。一方、オーバーコート層を有しない実施例2で作製した温度履歴表示体の感熱記録層面を指で触れると塗工した成分が指に付着した。また、指でこすると表面に一部剥がれが生じた。
【0054】
【発明の効果】
本発明の支持体上に感熱記録材料と感温物質を有する温度履歴表示体は、所定温度に曝された場合、感温記録層に不可逆的変化を生じ、目視や機械などの判読で変化が観測できることで、所定温度に曝された履歴を不可逆的に表示することができる。さらに、オーバーコート層を形成することで感熱記録層等の物理的損傷を防止したり、外部環境による変質の防止が可能となる。本発明の温度履歴表示体は、感温物質を他の感熱記録層成分の少なくとも一つから隔離することにより常温での製造が容易に可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の温度履歴表示体の断面の層構造を示し、支持体の上に感温物質を含む感熱記録層が形成されたものを示す。
【図2】図2は、本発明の温度履歴表示体の断面の層構造を示し、図1に示す温度履歴表示体の支持体面に粘着層が形成されたものを示す。
【図3】図3は、本発明の温度履歴表示体の層構造を示し、図2に示す温度履歴表示体の感温物質を含む感熱記録層の上層に粘着層を有するオーバーコート層が形成されたものを示す。
【図4】図4は、本発明の温度履歴表示体の層構造を示し、感熱記録層の上層に、感温物質を含む感温層と粘着層を有するオーバーコート層が形成されたものを示す。
【符号の説明】
1 支持体
2 感温物質を含む感熱記録層
3 感熱記録層
4 感温層
5 オーバーコート層
6 粘着層

Claims (6)

  1. 支持体上に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び該染料前駆体を発色せしめる電子受容性化合物を含む感熱記録層を有し、さらに特定温度に融点を有する感温物質を該感熱記録層、あるいは別の層の少なくとも1層に含有する事を特徴とする温度履歴表示体。
  2. 環境温度が該感温物質の融点を超えると、感熱記録層に不可逆的な変化を生じせしめることを特徴とする請求項1に記載の温度履歴表示体。
  3. 該感温物質が、該感熱記録層に含まれる他の成分の内、少なくとも一つから隔離されていることを特徴とする請求項1及び2に記載の温度履歴表示体。
  4. 該感温物質がマイクロカプセルに内包されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の温度履歴表示体。
  5. 温度履歴表示体のいずれかの層に粘着物質を含む粘着層が形成されたことを特徴とする請求項1〜4に記載の温度履歴表示体。
  6. 温度履歴表示体の感温物質を有する層の上層にオーバーコート層が形成されたことを特徴とする請求項1〜5に記載の温度履歴表示体。
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