JP2004076995A - 冷蔵庫及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒を気化させる蒸発器と、この近傍の冷気を庫内に循環させるための送風機とを備え、蒸発器またはその近傍に付着した霜を除去する操作を行う空冷式の冷蔵庫及びその制御方法において、冷蔵区画用の蒸発器の個所で霜取りのための加熱手段を省くことにより、構造の簡素化、製造コスト低減、及び省電力を実現しつつ、確実に霜取りを行うことのできるものを提供する。
【解決手段】冷蔵区画用蒸発器15に冷媒を循環させる冷蔵区画冷却モードの終了後も、冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度が3℃に達するまで、冷蔵区画用送風機25による送風を続ける。また、20時間に一度といった適当な周期ごとに、冷蔵区画冷却モードの終了後、蒸発器15の表面の温度が5℃に達するまで送風を続ける。
【選択図】 図1
【解決手段】冷蔵区画用蒸発器15に冷媒を循環させる冷蔵区画冷却モードの終了後も、冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度が3℃に達するまで、冷蔵区画用送風機25による送風を続ける。また、20時間に一度といった適当な周期ごとに、冷蔵区画冷却モードの終了後、蒸発器15の表面の温度が5℃に達するまで送風を続ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒を気化させる蒸発器と、この近傍の冷気を庫内に循環させるための送風機とを備え、蒸発器またはその近傍に付着した霜を除去する操作を行う空冷式の冷蔵庫及びその制御方法に関する。特には、一つの圧縮機に第1及び第2の蒸発器が、凝縮器及び切替弁を介して接続され、該切替弁により第1の蒸発器により冷却運転と第2の蒸発器による冷却運転との間に交互に切替が行われるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
冷媒を気化させる蒸発器により冷蔵室や冷凍室の冷却を行う場合、貯蔵室内の湿気により、蒸発器の表面またはその近傍に霜が付く。この霜を除去する霜取りのためには、電熱ヒーター等の加熱手段が蒸発器に近接して設けられ、霜取りを行う際には、該蒸発器中に冷媒を流すのを停止した後、加熱手段による加熱を行う(例えば特開2000−88439,特開2001−27471)。
【0003】
冷蔵室や野菜室等からなる冷蔵区画を冷却するための冷蔵区画用蒸発器と、冷凍室や製氷室等からなる冷凍区画を冷却するための冷凍区画用蒸発器とが別個に設けられたタイプの冷蔵庫においては、蒸発器ごとに電熱ヒーター等の加熱手段が設けられ、それぞれについて霜取りを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術の冷蔵庫及び霜取り方法であると、蒸発器ごとに電熱ヒーター等の加熱手段を設ける必要があることから、それだけコスト及び部材点数を要する他、加熱のためのエネルギーを消費するため省エネルギー化の要求に反することとなる。
【0005】
ところが、永年の経験から、このような加熱手段なしには、確実な霜取りを行うことが困難であると考えられていた。
【0006】
本件発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、運転制御方法を大幅に改善するならば、貯蔵室内が氷点以上である冷蔵区画のための蒸発器については、別途の加熱手段を省くことが可能であることを見出すに至った。
【0007】
本発明は、冷媒を気化させる蒸発器と、この近傍の冷気を庫内に循環させるための送風機とを備え、蒸発器またはその近傍に付着した霜を除去する操作を行う空冷式の冷蔵庫及びその制御方法において、冷蔵区画用の蒸発器の個所で霜取りのための加熱手段を省くことにより、構造の簡素化、製造コスト低減、及び省電力を実現しつつ、確実に霜取りを行うことのできるものを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷蔵庫は、圧縮機と、これに凝縮器及び切替弁を介して接続される第1及び第2の蒸発器とを有し、該切替弁による冷媒流路の切替により、第1の貯蔵区画を冷却する第1冷却運転モードと、第2の貯蔵区画を冷却する第2冷却運転モードとの間で交互に運転切替が行われ、前記第1の蒸発器には、該蒸発器近傍の冷気を前記第1の貯蔵区画内に循環させるための第1送風機と、該蒸発器の表面または内部の温度を検知する第1蒸発器温度センサとが備えられた冷蔵庫において、前記第1冷却運転モードの終了後、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が上昇して、氷点を越える第1の設定値に達するまで、前記第1送風機の運転を継続し、前記第1の貯蔵区画内の空気循環による熱供給により、前記第1の蒸発器の表面及びその近傍に付着した霜を除去することを特徴とする。
【0009】
上記構成により、構造の簡素化、製造コスト低減、及び省電力を実現しつつ、確実に霜取りを行うことができる。
【0010】
本発明の冷蔵庫は、特には、前記第1の貯蔵区画内の温度を検知する第1貯蔵区画温度センサが備えられ、該第1貯蔵区画温度センサにより検知される温度と、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度とに基づき、前記第1冷却運転モードの開始について決定する。
【0011】
このような構成であると、霜取りの終了後であって、冷却の開始が必要なときに直ちに冷却運転を行うことがでる。
【0012】
好ましくは、前記第1冷却運転モードが終了するごとに、前記第1の設定値に達するまで前記送風機の運転を継続する第1霜取り操作を行うとともに、所定の積算運転時間の経過ごとに、または、特定の回数だけ前記第1冷却運転モードが繰り返されるごとに、前記第1冷却運転モードの終了後、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が、前記第1の設定値よりも高い第2の設定値に達するまで、前記第1送風機による送風をさらに継続する第2霜取り操作を行う。
【0013】
このような構成であると、より確実な霜取りを行うことができる。
【0014】
さらに好ましくは、前記第2霜取り操作中に、前記第1貯蔵区画温度センサにより検知される温度が、前記第1冷却運転モードの開始を指示する設定温度に達したときには、前記第1送風機を逆回転させて送風を行い、この後に前記第1冷却運転モードを開始する。
【0015】
これにより、付着した霜が完全に除去されるまで霜取り操作を継続しつつ、貯蔵区画内の温度の温度上昇を抑えることが可能となる。
【0016】
また、前記第2冷却運転モードにあるとき、または前記圧縮機の運転停止時に、前記第1蒸発器温度が氷点近傍の所定値以下となったならば、前記第1送風機の運転を再開する。
【0017】
これにより、切替弁により閉塞されたはずの経路からの冷媒の漏れ(弁漏れ)があったときに、蒸発器が過度に冷却されて霜が付くのを防止する。
【0018】
本発明の他の好ましい態様によると、前記第1冷却運転モードの1回の持続時間と、前記第2冷却運転モードの1回の持続時間とを予め設定して、交互に運転切替を行うにあたり、前記第1冷却運転モードでの運転の際、前記第1冷却運転モードの所定持続時間の経過時にも、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が所定値以上であり、前記第1貯蔵区画温度センサにより検知される庫内温度が、冷却運転の停止を指示する設定温度よりも高い場合、前記第1冷却運転モードによる運転を所定延長時間だけさらに継続することを特徴とする。
【0019】
このような構成であると、冷蔵区画内の温度が過度に高くなることを確実に防止しつつ、効率的な冷却運転を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について、図1〜5を用いて説明する。
【0021】
図1は、冷蔵庫の運転制御について示すフローチャートであり、図2は、冷蔵庫及び冷媒流路の基本構成を説明するための模式図である。
【0022】
図2に示すように、冷蔵庫1の後方下部に圧縮機11が配され、この圧縮機11の吐出口から凝縮器12を経て、三方切替弁13が接続される。そして、切替弁13の第1の出口には冷凍区画用蒸発器14が、切替弁13の第2の出口には冷蔵区画用蒸発器15が、それぞれキャピラリーチューブを介して接続される。冷蔵庫の背面側上部には、圧縮機11の運転制御、及び切替弁13の作動制御等を行うための制御部16が配されている。
【0023】
また、冷凍区画用蒸発器14及び冷蔵区画用蒸発器15には、例えば冷媒導入口付近に表面温度を検出する温度センサ14a及び15aが設けられ、制御部16に信号伝達用配線を介して電気的に接続されている。これら温度センサ14a及び15aは、蒸発器14,15の内部の温度を検出するものであっても良く、冷媒導入口から離れた適当な個所に配置されているのであっても良い。
【0024】
さらに、冷凍区画21内の所定個所の温度を検出する冷凍区画温度センサ17と、冷蔵区画22内の所定個所の温度を検出する冷蔵区画温度センサ18とが、冷蔵庫の内壁に沿って設けられ、制御部16に電気的に接続されている。
【0025】
なお、冷凍区画用蒸発器14及び冷蔵区画用蒸発器15に隣接して、それぞれ、冷気を各貯蔵区画21,22内に循環させるための冷凍区画用送風機24及び冷蔵区画用送風機25が配されている。また、圧縮機11に隣接して機械室内の放熱を行う送風機23が配されている。これら送風機も制御部16により運転制御が行われる(図2〜3)。
【0026】
図3の制御構成ブロック図に示すように、制御部16には、さらに、運転積算時間を知らせる積算時間タイマー19が付属している。
【0027】
図1のフローチャートに示すように、冷蔵区画22を冷却するための運転モードの終了及びこれに続く霜取り操作が、以下のように行われる。ここでは、説明を簡単にするために、冷蔵区画冷却モードにあるときから出発し、冷凍区画冷却モードへの切替によってのみ、冷蔵区画冷却モードの終了が行われるものとする。
【0028】
(1)冷蔵区画冷却モードの終了(冷凍区画冷却モードへの切替)
まず、冷蔵区画内の温度センサ18により検出される温度T2が設定下限値(冷蔵冷却停止温度T2−off)より低いかどうかを判定する(ステップa1)。冷蔵区画内温度T2が冷蔵冷却停止温度T2−offよりも下がっているならば、それ以上冷却する必要がないので、ステップa2に進み、下がっていないと判定したならば、ステップa3に進む。
【0029】
ステップa2においては、切替弁13を切り替えて、冷媒が冷凍区画用蒸発器14の側へと流れるようにする。すなわち、冷凍区画冷却モードへの切替を行う。
【0030】
一方、ステップa3においては、冷蔵区画冷却モードでの運転の持続時間t1が設定持続時間t1maxを越えたかどうかを判定する。例えば、冷蔵区画冷却モードに切り替えた後の冷却運転(冷媒循環運転)の積算運転時間が、20分間を越えたかどうかを判定する。越えたと判定した場合には、ステップa4に進み、越えていないと判定した場合には、ステップa1に戻る。
【0031】
ステップa4においては、冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度センサ15aにより検出される温度T2aが設定下限値(冷却停止温度T2a−off)より低いかどうかを判定する。蒸発器温度T2aが冷却停止温度T2a−offより低場合には、冷蔵区画用蒸発器15の冷却をさらに行わなくても良いので、ステップa2に進み、冷凍区画冷却モードへの切替を行う。蒸発器温度T2aが冷却停止温度T2a−offより低くないと判断した場合にはステップa5に進む。
【0032】
ステップa5においては、冷凍区画温度センサ17により検出される温度T1が設定上限値(冷凍冷却開始温度T1−on)を越えているかどうかを判定する。冷凍区画内の温度T1が冷凍冷却開始温度T1−onを越えている場合には、冷凍区画の冷却をすぐにでも開始すべきであるのでステップa2に進み、冷凍区画冷却モードへの切替を行う。越えていないと判断した場合には、ステップa6に進む。
【0033】
ステップa6においては、冷蔵区画冷却モードでの運転の持続時間t1が延長設定持続時間t1max’を越えたかどうかを判定する。例えば、上記20分より延長した30分の設定上限値を越えたかどうかを判定する。運転の持続時間t1が延長設定持続時間t1max’を越えたと判断した場合には、ステップa2に進んで運転切替を行い、越えていないと判定した場合には、ステップa1に戻る。
【0034】
(2)冷蔵区画用送風機25の延長運転
ステップa2にて冷凍区画冷却モードへと切り替えられた後、送風機25の延長運転を通常モードで行うか、「高温シフト」モードで行うかの判定を行う(ステップb1)。この判定の詳細は後述する。通常モードで行う場合はステップb2に進んで、送風運転を継続し、「高温シフト」モードで行う場合は、ステップb5に進んで、同様に送風運転を継続する。
【0035】
ステップb2に続く、ステップb3においては、冷蔵区画用蒸発器温度センサ15aにより検知される温度T2aが3℃未満であるかどうかの判定が行われ、未満であると判定されたときには、ステップb2に戻り、送風運転を継続する。3℃未満であるならば、霜が残留している可能性があり、また、送風運転を継続しても冷蔵区画内の昇温を引き起こさないからである。
【0036】
ステップb3において、温度T2aが3℃以上であると判定された場合には、ステップb4に進み冷蔵区画用送風機25の送風運転を停止する。
【0037】
この様子を、図4の模式的なグラフにより示す。縦軸は、冷蔵区画用蒸発器温度センサ15aにより検知される温度T2aであり、横軸は時間の経過である。
【0038】
冷蔵区画冷却モードでの運転中は、蒸発器温度T2aが約−20℃となっているが、冷蔵区画冷却モードを終了後には、徐々に昇温して0℃でしばらく安定する。そして、この温度変化がフラットな状態を過ぎると、送風を続けるにつれて直線的に温度が上昇する。
【0039】
これは、冷蔵区画用蒸発器15の表面やその近傍に付着した霜が大部分融けるまでの間温度変化がフラットとなり、その後上昇したものである。蒸発器温度T2aが3℃に達した時点では、冷蔵区画用蒸発器15及びその近傍の霜が大部分融けることとなる。
【0040】
このように霜が溶解して出て来る水分は、送風機25による空気循環にともない、冷蔵区画内に揮散する。したがって、冷蔵区画22内を高湿度とすることができるので貯蔵される食品の乾燥を抑えることができるとともに、食品の鮮度を保つことができる。
【0041】
なお、図5には、冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度T2aが未だ氷点にあるうちに送風機15を停止した比較例について図4と同様のグラフを示す。図5の比較例では、霜取りが部分的にしか行われていない状態で送風機15が停止するため、別途の霜取り操作が必要となる。
【0042】
(3)送風停止温度の周期的な高温シフト(3℃→5℃)
冷蔵区画用蒸発器15の霜取りをより確実に行うため、周期的に、送風停止温度を上記3℃から5℃にシフトする。
【0043】
具体的には、上記ステップb1において、前回の「高温シフト」より以降の冷蔵区画冷却モードでの運転時間を積算した時間t2が設定高温シフト周期t2max以下であるかどうかを判定する。設定高温シフト周期t2maxは、例えば、冷凍区画用蒸発器14の霜取り運転周期と同じ時間に設定され、この霜取りの動作と同時期に高温シフトを行うことができる。
【0044】
冷凍区画用蒸発器14の霜取りは、冷凍区画用蒸発器14に付属する電熱ヒーターにより、例えば、20時間の周期で行われる。
【0045】
上記ステップb1において、積算運転時間t2が設定高温シフト周期t2maxを越えたと判断された場合には、積算運転時間t2をゼロ値に初期化するとともに(ステップb5)、送風停止温度を5℃に設定した上で、上記ステップb2〜b4と全く同様の処理を行う(ステップb6〜7)。すなわち、送風機25による送風を継続した後、蒸発器温度T2aが5℃に達した時点で送風機25の運転を停止する。
【0046】
但し、送風停止温度を5℃にシフトさせた状態では、冷蔵区画22内の温度が過度に高くなるおそれがあるため、冷蔵区画内温度センサ18により検知される温度T2が、冷蔵区画冷却開始温度T2−onに達したと判断したならば、送風機25を逆回転させる(ステップb8〜b9)。これにより、冷蔵区画22内の昇温を避けつつ、確実な霜取りを行うことができる。
【0047】
(4)冷蔵区画冷却モードへの切替
まず、冷凍区画内の温度センサ17により検出される温度T1が設定下限値(冷凍冷却停止温度T1−off)より低いかどうかを判定する(ステップc1)。
【0048】
冷凍区画内温度T1が冷凍冷却停止温度T1−offよりも下がっていると判定したならば、ステップc2に進み、下がっていないと判断された場合には、ステップc3に進む。
【0049】
ステップc2においては、冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度センサ15aにより検出される温度T2aが3℃を越えているかどうかを判定する。
【0050】
3℃を越えている場合はステップc5に進み、冷蔵区画冷却モードに切り替える。この切替と同時に冷蔵区画用送風機25の運転を開始する。
【0051】
すなわち、冷凍区画内が充分に冷却されている場合であって、かつ、冷蔵区画22の冷却を始めるためにはまず冷蔵区画用蒸発器15の冷却を行わなければならないという場合に、冷蔵区画冷却モードへの切替を行う。
【0052】
図4中に示すように、冷蔵区画冷却モードでの運転の開始時点において、冷蔵庫用蒸発器15の温度T2aは、3℃にまで上昇しているため、この温度から出発して−20℃までの温度降下が行われる。これに対して、図5の比較例の場合には、冷蔵庫用蒸発器15の温度T2aが氷点から出発して降下することとなる。
【0053】
一方、温度T2aが3℃を越えていない場合は、ステップc1に戻る。
【0054】
ステップc1から分岐するステップc3においては、冷凍区画冷却モードでの運転の持続時間t3が設定持続時間t3maxを越えたかどうかを判定する。すなわち、運転切替の後、冷凍区画冷却モードでの運転の積算時間が、設定持続時間t3maxを越えたかどうかを判定する。設定持続時間t3maxは、例えば40分に設定する。
【0055】
冷凍区画冷却モードに切り替えてからの積算運転時間が設定持続時間t3maxを越えている場合には、冷凍区画内が既に充分に冷却されているので、ステップc5に進み運転切替を行う。越えていないと判定した場合には、ステップc4に進む。
【0056】
ステップc4においては、冷蔵区画温度センサ18により検出される温度T2が設定上限値(冷蔵冷却開始温度T2−on)を越えているかどうかを判定する。冷蔵区画内の温度T2が冷蔵冷却開始温度T2−onを越えていると判定した場合、すなわち、すぐにでも冷蔵区画の冷却を要する場合には、ステップc2に進み、越えていないと判定した場合にはステップc1に戻る。
【0057】
(5)漏れの検知による送風の再開
冷蔵区画用送風機25の延長運転が一旦終了した後にも、冷蔵区画用蒸発器15の表面温度T2aが氷点近傍の値まで下がることがある。これは、切替弁13のところで冷蔵区画用蒸発器15の側への閉塞が不充分となり、冷蔵区画用蒸発器15に少量の冷媒が流れる、いわゆる「弁漏れ」が発生するためである。
【0058】
この弁漏れが発生した状態では再度冷蔵区画用送風機25に霜が付く可能性もある。そこで、冷蔵区画用蒸発器15の表面温度T2aが低下する現象を検知した場合に、冷蔵区画用送風機25の運転を再開させる。
【0059】
このように弁漏れ時に送風機25を作動させると、冷蔵区画の冷却を行うことができるので、冷蔵庫の冷却効率の向上にもつながる。
【0060】
(6)冷媒循環の一時停止
以上では、説明を省略したが、適宜、圧縮機11の運転が一時停止及び再起動が行われている。すなわち、冷蔵区画内及び冷凍区画内が充分に冷却され、かつ、各蒸発器も充分に冷却されているような場合に、冷媒循環が一時的に停止される。
【0061】
したがって、冷蔵冷却モードの終了後に、冷媒循環が一時停止され、冷蔵室用送風機25の延長運転が冷媒循環の一時停止中に行われる場合も、上記と全く同様である。また、冷蔵室用送風機25の延長運転の間に、冷却の一時停止状態から冷凍冷却モードへの切替が行われる場合、または、この逆への切替が行われるのであっても全く同様である。
【0062】
冷媒循環の一時停止は、例えば、下記条件▲1▼を満たし、かつ、下記▲2▼−1〜▲2▼−3の条件のいずれかが満たされる場合に行われる。
【0063】
▲1▼冷凍区画温度センサ17により検出される温度T1が、設定下限値(冷凍冷却停止温度T1−off)より低い。すなわち、冷凍区画内が既に充分に冷却されている。
【0064】
▲2▼−1:冷蔵区画温度センサ18により検出される温度T2が設定下限値(冷蔵冷却停止温度T2−off)以下である。すなわち、冷凍区画内も既に充分に冷却されている。
【0065】
▲2▼−2:冷蔵区画温度センサ18により検出される温度T2が設定上限値(冷蔵冷却開始温度T2−on)以下であって、圧縮機11の運転周波数Pが最低レンジにある。すなわち、冷蔵区画内の冷却を停止すべき温度に達していないものの、最低レベルの冷却しか行われておらず、冷却を停止してもしばらくの間あまり昇温がないと考えられる。
【0066】
▲2▼−3:冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度センサ15aにより検出される温度T2aが、設定上限値(冷蔵冷却開始温度T2a−on)以下である。すなわち、冷蔵区画用蒸発器15の温度は、冷蔵区画内を冷却するのに充分な低温にある。
【0067】
上記実施例においては、一つの圧縮機により冷凍区画用及び冷蔵区画用の2つの蒸発器に冷媒を交互に供給するものとして説明した。しかし、複数の冷蔵区画にそれぞれ蒸発器を有するものであっても良く、この場合、霜取りのための電熱ヒーターを全部省くことも可能である。
【0068】
上記実施例においては、各蒸発器及び各貯蔵区画内の温度を検出するように4つの温度センサを配置するものとして説明したが、場合によっては、いずれかを省くことも可能であり、また、より多数の温度センサを用いることもできる。また、蒸発器の表面の温度を検知するものとして説明したが、蒸発器内部の温度を検出するものであっても良い。
【0069】
【発明の効果】
蒸発器の個所で霜取りのための加熱手段を省くことにより、構造の簡素化、製造コスト低減、及び省電力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の運転制御について示すフローチャートである。
【図2】冷凍サイクル及び冷蔵庫の基本構成のみを示す模式図である。
【図3】実施例に係る制御装置の基本構成を示す模式的なブロック図である。
【図4】実施例についての、冷蔵区画用蒸発器の温度の経時的変化を描いたグラフである。
【図5】比較例についての図4と同様のグラフである。
【符号の説明】
1 冷蔵庫
11 圧縮機
13 切替弁
14,15 蒸発器
16 制御部
14a,15a,17,18 温度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒を気化させる蒸発器と、この近傍の冷気を庫内に循環させるための送風機とを備え、蒸発器またはその近傍に付着した霜を除去する操作を行う空冷式の冷蔵庫及びその制御方法に関する。特には、一つの圧縮機に第1及び第2の蒸発器が、凝縮器及び切替弁を介して接続され、該切替弁により第1の蒸発器により冷却運転と第2の蒸発器による冷却運転との間に交互に切替が行われるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
冷媒を気化させる蒸発器により冷蔵室や冷凍室の冷却を行う場合、貯蔵室内の湿気により、蒸発器の表面またはその近傍に霜が付く。この霜を除去する霜取りのためには、電熱ヒーター等の加熱手段が蒸発器に近接して設けられ、霜取りを行う際には、該蒸発器中に冷媒を流すのを停止した後、加熱手段による加熱を行う(例えば特開2000−88439,特開2001−27471)。
【0003】
冷蔵室や野菜室等からなる冷蔵区画を冷却するための冷蔵区画用蒸発器と、冷凍室や製氷室等からなる冷凍区画を冷却するための冷凍区画用蒸発器とが別個に設けられたタイプの冷蔵庫においては、蒸発器ごとに電熱ヒーター等の加熱手段が設けられ、それぞれについて霜取りを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術の冷蔵庫及び霜取り方法であると、蒸発器ごとに電熱ヒーター等の加熱手段を設ける必要があることから、それだけコスト及び部材点数を要する他、加熱のためのエネルギーを消費するため省エネルギー化の要求に反することとなる。
【0005】
ところが、永年の経験から、このような加熱手段なしには、確実な霜取りを行うことが困難であると考えられていた。
【0006】
本件発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、運転制御方法を大幅に改善するならば、貯蔵室内が氷点以上である冷蔵区画のための蒸発器については、別途の加熱手段を省くことが可能であることを見出すに至った。
【0007】
本発明は、冷媒を気化させる蒸発器と、この近傍の冷気を庫内に循環させるための送風機とを備え、蒸発器またはその近傍に付着した霜を除去する操作を行う空冷式の冷蔵庫及びその制御方法において、冷蔵区画用の蒸発器の個所で霜取りのための加熱手段を省くことにより、構造の簡素化、製造コスト低減、及び省電力を実現しつつ、確実に霜取りを行うことのできるものを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷蔵庫は、圧縮機と、これに凝縮器及び切替弁を介して接続される第1及び第2の蒸発器とを有し、該切替弁による冷媒流路の切替により、第1の貯蔵区画を冷却する第1冷却運転モードと、第2の貯蔵区画を冷却する第2冷却運転モードとの間で交互に運転切替が行われ、前記第1の蒸発器には、該蒸発器近傍の冷気を前記第1の貯蔵区画内に循環させるための第1送風機と、該蒸発器の表面または内部の温度を検知する第1蒸発器温度センサとが備えられた冷蔵庫において、前記第1冷却運転モードの終了後、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が上昇して、氷点を越える第1の設定値に達するまで、前記第1送風機の運転を継続し、前記第1の貯蔵区画内の空気循環による熱供給により、前記第1の蒸発器の表面及びその近傍に付着した霜を除去することを特徴とする。
【0009】
上記構成により、構造の簡素化、製造コスト低減、及び省電力を実現しつつ、確実に霜取りを行うことができる。
【0010】
本発明の冷蔵庫は、特には、前記第1の貯蔵区画内の温度を検知する第1貯蔵区画温度センサが備えられ、該第1貯蔵区画温度センサにより検知される温度と、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度とに基づき、前記第1冷却運転モードの開始について決定する。
【0011】
このような構成であると、霜取りの終了後であって、冷却の開始が必要なときに直ちに冷却運転を行うことがでる。
【0012】
好ましくは、前記第1冷却運転モードが終了するごとに、前記第1の設定値に達するまで前記送風機の運転を継続する第1霜取り操作を行うとともに、所定の積算運転時間の経過ごとに、または、特定の回数だけ前記第1冷却運転モードが繰り返されるごとに、前記第1冷却運転モードの終了後、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が、前記第1の設定値よりも高い第2の設定値に達するまで、前記第1送風機による送風をさらに継続する第2霜取り操作を行う。
【0013】
このような構成であると、より確実な霜取りを行うことができる。
【0014】
さらに好ましくは、前記第2霜取り操作中に、前記第1貯蔵区画温度センサにより検知される温度が、前記第1冷却運転モードの開始を指示する設定温度に達したときには、前記第1送風機を逆回転させて送風を行い、この後に前記第1冷却運転モードを開始する。
【0015】
これにより、付着した霜が完全に除去されるまで霜取り操作を継続しつつ、貯蔵区画内の温度の温度上昇を抑えることが可能となる。
【0016】
また、前記第2冷却運転モードにあるとき、または前記圧縮機の運転停止時に、前記第1蒸発器温度が氷点近傍の所定値以下となったならば、前記第1送風機の運転を再開する。
【0017】
これにより、切替弁により閉塞されたはずの経路からの冷媒の漏れ(弁漏れ)があったときに、蒸発器が過度に冷却されて霜が付くのを防止する。
【0018】
本発明の他の好ましい態様によると、前記第1冷却運転モードの1回の持続時間と、前記第2冷却運転モードの1回の持続時間とを予め設定して、交互に運転切替を行うにあたり、前記第1冷却運転モードでの運転の際、前記第1冷却運転モードの所定持続時間の経過時にも、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が所定値以上であり、前記第1貯蔵区画温度センサにより検知される庫内温度が、冷却運転の停止を指示する設定温度よりも高い場合、前記第1冷却運転モードによる運転を所定延長時間だけさらに継続することを特徴とする。
【0019】
このような構成であると、冷蔵区画内の温度が過度に高くなることを確実に防止しつつ、効率的な冷却運転を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について、図1〜5を用いて説明する。
【0021】
図1は、冷蔵庫の運転制御について示すフローチャートであり、図2は、冷蔵庫及び冷媒流路の基本構成を説明するための模式図である。
【0022】
図2に示すように、冷蔵庫1の後方下部に圧縮機11が配され、この圧縮機11の吐出口から凝縮器12を経て、三方切替弁13が接続される。そして、切替弁13の第1の出口には冷凍区画用蒸発器14が、切替弁13の第2の出口には冷蔵区画用蒸発器15が、それぞれキャピラリーチューブを介して接続される。冷蔵庫の背面側上部には、圧縮機11の運転制御、及び切替弁13の作動制御等を行うための制御部16が配されている。
【0023】
また、冷凍区画用蒸発器14及び冷蔵区画用蒸発器15には、例えば冷媒導入口付近に表面温度を検出する温度センサ14a及び15aが設けられ、制御部16に信号伝達用配線を介して電気的に接続されている。これら温度センサ14a及び15aは、蒸発器14,15の内部の温度を検出するものであっても良く、冷媒導入口から離れた適当な個所に配置されているのであっても良い。
【0024】
さらに、冷凍区画21内の所定個所の温度を検出する冷凍区画温度センサ17と、冷蔵区画22内の所定個所の温度を検出する冷蔵区画温度センサ18とが、冷蔵庫の内壁に沿って設けられ、制御部16に電気的に接続されている。
【0025】
なお、冷凍区画用蒸発器14及び冷蔵区画用蒸発器15に隣接して、それぞれ、冷気を各貯蔵区画21,22内に循環させるための冷凍区画用送風機24及び冷蔵区画用送風機25が配されている。また、圧縮機11に隣接して機械室内の放熱を行う送風機23が配されている。これら送風機も制御部16により運転制御が行われる(図2〜3)。
【0026】
図3の制御構成ブロック図に示すように、制御部16には、さらに、運転積算時間を知らせる積算時間タイマー19が付属している。
【0027】
図1のフローチャートに示すように、冷蔵区画22を冷却するための運転モードの終了及びこれに続く霜取り操作が、以下のように行われる。ここでは、説明を簡単にするために、冷蔵区画冷却モードにあるときから出発し、冷凍区画冷却モードへの切替によってのみ、冷蔵区画冷却モードの終了が行われるものとする。
【0028】
(1)冷蔵区画冷却モードの終了(冷凍区画冷却モードへの切替)
まず、冷蔵区画内の温度センサ18により検出される温度T2が設定下限値(冷蔵冷却停止温度T2−off)より低いかどうかを判定する(ステップa1)。冷蔵区画内温度T2が冷蔵冷却停止温度T2−offよりも下がっているならば、それ以上冷却する必要がないので、ステップa2に進み、下がっていないと判定したならば、ステップa3に進む。
【0029】
ステップa2においては、切替弁13を切り替えて、冷媒が冷凍区画用蒸発器14の側へと流れるようにする。すなわち、冷凍区画冷却モードへの切替を行う。
【0030】
一方、ステップa3においては、冷蔵区画冷却モードでの運転の持続時間t1が設定持続時間t1maxを越えたかどうかを判定する。例えば、冷蔵区画冷却モードに切り替えた後の冷却運転(冷媒循環運転)の積算運転時間が、20分間を越えたかどうかを判定する。越えたと判定した場合には、ステップa4に進み、越えていないと判定した場合には、ステップa1に戻る。
【0031】
ステップa4においては、冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度センサ15aにより検出される温度T2aが設定下限値(冷却停止温度T2a−off)より低いかどうかを判定する。蒸発器温度T2aが冷却停止温度T2a−offより低場合には、冷蔵区画用蒸発器15の冷却をさらに行わなくても良いので、ステップa2に進み、冷凍区画冷却モードへの切替を行う。蒸発器温度T2aが冷却停止温度T2a−offより低くないと判断した場合にはステップa5に進む。
【0032】
ステップa5においては、冷凍区画温度センサ17により検出される温度T1が設定上限値(冷凍冷却開始温度T1−on)を越えているかどうかを判定する。冷凍区画内の温度T1が冷凍冷却開始温度T1−onを越えている場合には、冷凍区画の冷却をすぐにでも開始すべきであるのでステップa2に進み、冷凍区画冷却モードへの切替を行う。越えていないと判断した場合には、ステップa6に進む。
【0033】
ステップa6においては、冷蔵区画冷却モードでの運転の持続時間t1が延長設定持続時間t1max’を越えたかどうかを判定する。例えば、上記20分より延長した30分の設定上限値を越えたかどうかを判定する。運転の持続時間t1が延長設定持続時間t1max’を越えたと判断した場合には、ステップa2に進んで運転切替を行い、越えていないと判定した場合には、ステップa1に戻る。
【0034】
(2)冷蔵区画用送風機25の延長運転
ステップa2にて冷凍区画冷却モードへと切り替えられた後、送風機25の延長運転を通常モードで行うか、「高温シフト」モードで行うかの判定を行う(ステップb1)。この判定の詳細は後述する。通常モードで行う場合はステップb2に進んで、送風運転を継続し、「高温シフト」モードで行う場合は、ステップb5に進んで、同様に送風運転を継続する。
【0035】
ステップb2に続く、ステップb3においては、冷蔵区画用蒸発器温度センサ15aにより検知される温度T2aが3℃未満であるかどうかの判定が行われ、未満であると判定されたときには、ステップb2に戻り、送風運転を継続する。3℃未満であるならば、霜が残留している可能性があり、また、送風運転を継続しても冷蔵区画内の昇温を引き起こさないからである。
【0036】
ステップb3において、温度T2aが3℃以上であると判定された場合には、ステップb4に進み冷蔵区画用送風機25の送風運転を停止する。
【0037】
この様子を、図4の模式的なグラフにより示す。縦軸は、冷蔵区画用蒸発器温度センサ15aにより検知される温度T2aであり、横軸は時間の経過である。
【0038】
冷蔵区画冷却モードでの運転中は、蒸発器温度T2aが約−20℃となっているが、冷蔵区画冷却モードを終了後には、徐々に昇温して0℃でしばらく安定する。そして、この温度変化がフラットな状態を過ぎると、送風を続けるにつれて直線的に温度が上昇する。
【0039】
これは、冷蔵区画用蒸発器15の表面やその近傍に付着した霜が大部分融けるまでの間温度変化がフラットとなり、その後上昇したものである。蒸発器温度T2aが3℃に達した時点では、冷蔵区画用蒸発器15及びその近傍の霜が大部分融けることとなる。
【0040】
このように霜が溶解して出て来る水分は、送風機25による空気循環にともない、冷蔵区画内に揮散する。したがって、冷蔵区画22内を高湿度とすることができるので貯蔵される食品の乾燥を抑えることができるとともに、食品の鮮度を保つことができる。
【0041】
なお、図5には、冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度T2aが未だ氷点にあるうちに送風機15を停止した比較例について図4と同様のグラフを示す。図5の比較例では、霜取りが部分的にしか行われていない状態で送風機15が停止するため、別途の霜取り操作が必要となる。
【0042】
(3)送風停止温度の周期的な高温シフト(3℃→5℃)
冷蔵区画用蒸発器15の霜取りをより確実に行うため、周期的に、送風停止温度を上記3℃から5℃にシフトする。
【0043】
具体的には、上記ステップb1において、前回の「高温シフト」より以降の冷蔵区画冷却モードでの運転時間を積算した時間t2が設定高温シフト周期t2max以下であるかどうかを判定する。設定高温シフト周期t2maxは、例えば、冷凍区画用蒸発器14の霜取り運転周期と同じ時間に設定され、この霜取りの動作と同時期に高温シフトを行うことができる。
【0044】
冷凍区画用蒸発器14の霜取りは、冷凍区画用蒸発器14に付属する電熱ヒーターにより、例えば、20時間の周期で行われる。
【0045】
上記ステップb1において、積算運転時間t2が設定高温シフト周期t2maxを越えたと判断された場合には、積算運転時間t2をゼロ値に初期化するとともに(ステップb5)、送風停止温度を5℃に設定した上で、上記ステップb2〜b4と全く同様の処理を行う(ステップb6〜7)。すなわち、送風機25による送風を継続した後、蒸発器温度T2aが5℃に達した時点で送風機25の運転を停止する。
【0046】
但し、送風停止温度を5℃にシフトさせた状態では、冷蔵区画22内の温度が過度に高くなるおそれがあるため、冷蔵区画内温度センサ18により検知される温度T2が、冷蔵区画冷却開始温度T2−onに達したと判断したならば、送風機25を逆回転させる(ステップb8〜b9)。これにより、冷蔵区画22内の昇温を避けつつ、確実な霜取りを行うことができる。
【0047】
(4)冷蔵区画冷却モードへの切替
まず、冷凍区画内の温度センサ17により検出される温度T1が設定下限値(冷凍冷却停止温度T1−off)より低いかどうかを判定する(ステップc1)。
【0048】
冷凍区画内温度T1が冷凍冷却停止温度T1−offよりも下がっていると判定したならば、ステップc2に進み、下がっていないと判断された場合には、ステップc3に進む。
【0049】
ステップc2においては、冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度センサ15aにより検出される温度T2aが3℃を越えているかどうかを判定する。
【0050】
3℃を越えている場合はステップc5に進み、冷蔵区画冷却モードに切り替える。この切替と同時に冷蔵区画用送風機25の運転を開始する。
【0051】
すなわち、冷凍区画内が充分に冷却されている場合であって、かつ、冷蔵区画22の冷却を始めるためにはまず冷蔵区画用蒸発器15の冷却を行わなければならないという場合に、冷蔵区画冷却モードへの切替を行う。
【0052】
図4中に示すように、冷蔵区画冷却モードでの運転の開始時点において、冷蔵庫用蒸発器15の温度T2aは、3℃にまで上昇しているため、この温度から出発して−20℃までの温度降下が行われる。これに対して、図5の比較例の場合には、冷蔵庫用蒸発器15の温度T2aが氷点から出発して降下することとなる。
【0053】
一方、温度T2aが3℃を越えていない場合は、ステップc1に戻る。
【0054】
ステップc1から分岐するステップc3においては、冷凍区画冷却モードでの運転の持続時間t3が設定持続時間t3maxを越えたかどうかを判定する。すなわち、運転切替の後、冷凍区画冷却モードでの運転の積算時間が、設定持続時間t3maxを越えたかどうかを判定する。設定持続時間t3maxは、例えば40分に設定する。
【0055】
冷凍区画冷却モードに切り替えてからの積算運転時間が設定持続時間t3maxを越えている場合には、冷凍区画内が既に充分に冷却されているので、ステップc5に進み運転切替を行う。越えていないと判定した場合には、ステップc4に進む。
【0056】
ステップc4においては、冷蔵区画温度センサ18により検出される温度T2が設定上限値(冷蔵冷却開始温度T2−on)を越えているかどうかを判定する。冷蔵区画内の温度T2が冷蔵冷却開始温度T2−onを越えていると判定した場合、すなわち、すぐにでも冷蔵区画の冷却を要する場合には、ステップc2に進み、越えていないと判定した場合にはステップc1に戻る。
【0057】
(5)漏れの検知による送風の再開
冷蔵区画用送風機25の延長運転が一旦終了した後にも、冷蔵区画用蒸発器15の表面温度T2aが氷点近傍の値まで下がることがある。これは、切替弁13のところで冷蔵区画用蒸発器15の側への閉塞が不充分となり、冷蔵区画用蒸発器15に少量の冷媒が流れる、いわゆる「弁漏れ」が発生するためである。
【0058】
この弁漏れが発生した状態では再度冷蔵区画用送風機25に霜が付く可能性もある。そこで、冷蔵区画用蒸発器15の表面温度T2aが低下する現象を検知した場合に、冷蔵区画用送風機25の運転を再開させる。
【0059】
このように弁漏れ時に送風機25を作動させると、冷蔵区画の冷却を行うことができるので、冷蔵庫の冷却効率の向上にもつながる。
【0060】
(6)冷媒循環の一時停止
以上では、説明を省略したが、適宜、圧縮機11の運転が一時停止及び再起動が行われている。すなわち、冷蔵区画内及び冷凍区画内が充分に冷却され、かつ、各蒸発器も充分に冷却されているような場合に、冷媒循環が一時的に停止される。
【0061】
したがって、冷蔵冷却モードの終了後に、冷媒循環が一時停止され、冷蔵室用送風機25の延長運転が冷媒循環の一時停止中に行われる場合も、上記と全く同様である。また、冷蔵室用送風機25の延長運転の間に、冷却の一時停止状態から冷凍冷却モードへの切替が行われる場合、または、この逆への切替が行われるのであっても全く同様である。
【0062】
冷媒循環の一時停止は、例えば、下記条件▲1▼を満たし、かつ、下記▲2▼−1〜▲2▼−3の条件のいずれかが満たされる場合に行われる。
【0063】
▲1▼冷凍区画温度センサ17により検出される温度T1が、設定下限値(冷凍冷却停止温度T1−off)より低い。すなわち、冷凍区画内が既に充分に冷却されている。
【0064】
▲2▼−1:冷蔵区画温度センサ18により検出される温度T2が設定下限値(冷蔵冷却停止温度T2−off)以下である。すなわち、冷凍区画内も既に充分に冷却されている。
【0065】
▲2▼−2:冷蔵区画温度センサ18により検出される温度T2が設定上限値(冷蔵冷却開始温度T2−on)以下であって、圧縮機11の運転周波数Pが最低レンジにある。すなわち、冷蔵区画内の冷却を停止すべき温度に達していないものの、最低レベルの冷却しか行われておらず、冷却を停止してもしばらくの間あまり昇温がないと考えられる。
【0066】
▲2▼−3:冷蔵区画用蒸発器15の表面の温度センサ15aにより検出される温度T2aが、設定上限値(冷蔵冷却開始温度T2a−on)以下である。すなわち、冷蔵区画用蒸発器15の温度は、冷蔵区画内を冷却するのに充分な低温にある。
【0067】
上記実施例においては、一つの圧縮機により冷凍区画用及び冷蔵区画用の2つの蒸発器に冷媒を交互に供給するものとして説明した。しかし、複数の冷蔵区画にそれぞれ蒸発器を有するものであっても良く、この場合、霜取りのための電熱ヒーターを全部省くことも可能である。
【0068】
上記実施例においては、各蒸発器及び各貯蔵区画内の温度を検出するように4つの温度センサを配置するものとして説明したが、場合によっては、いずれかを省くことも可能であり、また、より多数の温度センサを用いることもできる。また、蒸発器の表面の温度を検知するものとして説明したが、蒸発器内部の温度を検出するものであっても良い。
【0069】
【発明の効果】
蒸発器の個所で霜取りのための加熱手段を省くことにより、構造の簡素化、製造コスト低減、及び省電力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の運転制御について示すフローチャートである。
【図2】冷凍サイクル及び冷蔵庫の基本構成のみを示す模式図である。
【図3】実施例に係る制御装置の基本構成を示す模式的なブロック図である。
【図4】実施例についての、冷蔵区画用蒸発器の温度の経時的変化を描いたグラフである。
【図5】比較例についての図4と同様のグラフである。
【符号の説明】
1 冷蔵庫
11 圧縮機
13 切替弁
14,15 蒸発器
16 制御部
14a,15a,17,18 温度センサ
Claims (8)
- 圧縮機と、これに凝縮器及び切替弁を介して接続される第1及び第2の蒸発器とを有し、該切替弁による冷媒流路の切替により、氷点以上に設定される第1の貯蔵区画を冷却する第1冷却運転モードと、第2の貯蔵区画を冷却する第2冷却運転モードとの間で交互に運転切替が行われ、
前記第1の蒸発器には、該蒸発器近傍の冷気を前記第1の貯蔵区画内に循環させるための第1送風機と、該蒸発器の表面または内部の温度を検知する第1蒸発器温度センサとが備えられた冷蔵庫において、
前記第1冷却運転モードの終了後、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が上昇して、氷点を越える第1の設定値に達するまで、前記第1送風機の運転を継続し、前記第1の貯蔵区画内の空気循環による熱供給により、前記第1の蒸発器の表面及びその近傍に付着した霜を除去することを特徴とする冷蔵庫。 - 前記第1の貯蔵区画内の温度を検知する第1貯蔵区画温度センサが備えられ、該第1貯蔵区画温度センサにより検知される温度と、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度とに基づき、前記第1冷却運転モードの開始について決定することを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 前記第1冷却運転モードが終了するごとに、前記第1の設定値に達するまで前記送風機の運転を継続する第1霜取り操作を行うとともに、
所定の積算運転時間の経過ごとに、または、特定の回数だけ前記第1冷却運転モードが繰り返されるごとに、前記第1冷却運転モードの終了後、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が、前記第1の設定値よりも高い第2の設定値に達するまで、前記第1送風機による送風をさらに継続する第2霜取り操作を行うことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 - 前記第2の蒸発器には、該蒸発器の表面または近傍の除霜のためのヒーターが備えられ、前記第2の蒸発器の表面または近傍の霜を除くための該ヒーターによる加熱操作を行うごとに、または、該加熱操作の際及びこの間の特定回数の前記第2冷却運転モード中に、前記第2霜取り操作を行うことを特徴とする請求項3記載の冷蔵庫。
- 前記第2霜取り操作中に、前記第1貯蔵区画温度センサにより検知される温度が、前記第1冷却運転モードの開始を指示する設定温度に達したときには、前記第1送風機を逆回転させて送風を行い、この後に前記第1冷却運転モードを開始することを特徴とする請求項3または4記載の冷蔵庫。
- 前記第2冷却運転モードにあるとき、または前記圧縮機の運転停止時に、前記第1蒸発器温度が氷点近傍の所定値以下となったならば、前記第1送風機の運転を再開することを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 前記第1冷却運転モードの1回の持続時間と、前記第2冷却運転モードの1回の持続時間とを予め設定して、交互に運転切替を行うにあたり、
前記第1冷却運転モードでの運転の際、前記第1冷却運転モードの所定持続時間の経過時にも、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が所定値以上であり、前記第1貯蔵区画温度センサにより検知される庫内温度が、冷却運転の停止を指示する設定温度よりも高い場合、前記第1冷却運転モードによる運転を所定延長時間だけさらに継続することを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 - 圧縮機と、これに凝縮器及び切替弁を介して接続される第1及び第2の蒸発器とを有し、該切替弁による冷媒流路の切替により、第1の貯蔵区画を冷却する第1冷却運転モードと、第2の貯蔵区画を冷却する第2冷却運転モードとの間で交互に運転切替が行われ、
前記第1の蒸発器には、該蒸発器近傍の冷気を前記第1の貯蔵区画内に循環させるための第1送風機と、該蒸発器の表面または内部の温度を検知する第1蒸発器温度センサとが備えられた冷蔵庫の制御方法において、
前記第1冷却運転モードの終了後、前記第1蒸発器温度センサにより検知される温度が上昇して、氷点を越える第1の設定値に達するまで、前記第1送風機の運転を継続し、前記第1の貯蔵区画内の空気循環による熱供給により、前記第1の蒸発器の表面及びその近傍に付着した霜を除去することを特徴とする冷蔵庫の制御方法。
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