JP2004076817A - 油圧制御装置 - Google Patents

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Shinichi Ito
伊藤 慎一
Makoto Funahashi
舟橋 眞
Arata Murakami
村上 新
Yasunori Nakawaki
中脇 康則
Toshihiro Aoyama
青山 俊洋
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Abstract

【課題】オイル吐出装置の仕事の無駄を抑制できる油圧制御装置を提供する。
【解決手段】吐出口55,57を有するオイル吐出装置A1と、吐出口55,57から吐出されたオイルが供給される第1油路93と、第1油路93のオイルを油路185に排出する第1制御弁162と、第2油路185におけるオイルの状態を制御する第2制御弁163とを有する油圧制御装置18において、吐出口57から吐出されるオイルを、第1油路93を経由させずに第2油路185に供給する第3油路141,189が設けられ、吐出口57から吐出されるオイルを、第1油路93および第2油路141,189に供給する機能を、第1制御弁162が備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の動力伝達装置の動作部材や、各種の産業機械の動作部材の動作を制御する場合に用いる油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両の動力伝達装置においては、動作部材の動作を制御することにより、駆動力源と車輪との間で伝達される動力が制御されるように構成されており、その動作部材の動作を制御する場合に、油圧制御装置を用いることが知られている。この油圧制御装置の一例が、特開平5−26334号公報に記載されている。
【0003】
この公報に記載されている油圧制御装置は、ベルト式無段変速機に用いられる油圧制御装置であり、この油圧制御装置はオイルポンプを有している。このオイルポンプは、複数の吸入口および複数の吐出口を有している。そして、複数の吸入口と、オイルパンとが油路により接続されており、オイルパンのオイルがオイルポンプにより吸引されて、一方の吐出口から吐出されたオイルが、プライマリ制御弁に供給されるように構成されている。また、プライマリ制御弁にはセカンダリ制御弁が接続されている。
【0004】
さらに、他方の吐出口から吐出されるオイルを、プライマリ制御弁、またはオイルポンプの吸入口に連通する油路のいずれか一方に選択的に供給する切換弁が設けられている。さらに、この切換弁の動作を制御する切換制御弁が設けられている。なお、油圧制御装置を制御する電子制御系として制御ユニットが設けられており、この制御ユニットには、各種のセンサの信号が入力される。これに対して、制御ユニットからは、切換制御弁を制御する切換信号、セカンダリ制御弁を制御する信号などが出力される。
【0005】
そして、一方のオイル吐出口から吐出されたオイルがプライマリ制御弁に供給されるとともに、プライマリ制御弁から排出されるオイルの流量を調整することで、プライマリ制御弁の出力側のプライマリ圧が制御される。さらに、セカンダリ制御弁から排出されるオイルの流量を調整することで、プライマリ制御弁とセカンダリ圧制御弁との間の油路のセカンダリ圧が制御される。
【0006】
また、一方の吐出口から吐出されるオイルの流量であるポート流量が算出される。さらに、ベルト式無段変速機の伝達トルクに応じたセカンダリ圧、ベルト式無段変速機の変速比に応じたプライマリ圧、潤滑油量などに基づいて、ベルト式無段変速機全体で使用されるオイルの流量が算出される。そして、ポート流量と使用流量とを比較し、その比較結果に基づいて切換制御弁が制御されて、切換弁が動作する。
【0007】
具体的には、ポート流量に比べて使用流量の方が多くなると、切換弁が、他方の吐出口と、オイルポンプの吸入口との間を遮断する位置に動作して、他方の吐出口から吐出されるオイルが、プライマリ制御弁に供給される。これに対して、ポート流量の方が使用流量よりも多くなった場合は、切換弁が、他方の吐出口と、オイルポンプの吸入口との間を連通する位置に動作して、他方の吐出口から吐出されるオイルが、オイルポンプの吸入口に戻される。このような制御により、オイルの使用流量に対する供給オイル量の過不足が抑制される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されている油圧制御装置においては、他方の吐出口から吐出されたオイルが、プライマリ制御弁に供給される場合と、レギュレータバルブ切換弁を経由して再びオイルポンプの吸込口に戻される場合とがあり、このオイルの輸送に要したオイルポンプの仕事が無駄になるという問題があった。
【0009】
この発明は上記事情を背景としてなされたものであり、オイルポンプの仕事の無駄が増加することを抑制できる油圧制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の吐出口を有するオイル吐出装置と、複数の吐出口から吐出されたオイルが供給される第1油路と、この第1油路のオイルを第2油路に排出し、かつ、前記第1油路のオイルの状態を制御する第1制御弁と、前記第2油路におけるオイルの状態を制御する第2制御弁とを有する油圧制御装置において、前記複数の吐出口のうち、所定の吐出口から吐出されるオイルを、前記第1油路を経由させることなく前記第2油路に供給する第3油路と、前記所定の吐出口から、前記第1油路および前記第3油路に供給されるオイルの状態を制御する第1オイル供給路とが設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
この請求項1の発明において、“オイルの状態”には、“オイルの量および圧力”が含まれる。また、第1油路および第3油路に供給されるオイルの状態には、いずれか一方の油路にだけオイルを供給する場合に、そのオイルが供給される油路へのオイルの供給状態が含まれる。さらに、第1油路および第3油路に供給されるオイルの状態には、両方の油路にオイルを供給する場合に、両方の油路に供給されるオイルの相対関係が含まれる。言い換えれば、第1油路に供給されるオイル量(オイルの割合)と、第3油路に供給されるオイル量(オイルの割合)との対応関係が含まれる。さらに、第1油路および第3油路に供給されるオイルの状態には、第1油路または第3油路のいずれか一方に選択的にオイルを供給することが含まれる。なお、第1の油路または第3の油路は、それぞれ単数であるか複数であるかは問わない。
【0012】
請求項1の発明によれば、所定の吐出口から、第1油路および第3油路に供給されるオイルの状態が制御される。したがって、オイル吐出装置から吐出されるオイルの用途が増える。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記所定の吐出口から吐出されるオイルが前記第3油路に供給された場合に、この第3油路のオイルを、前記第2油路および前記オイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給する状態を制御する第2オイル供給路が、更に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
この請求項2の発明において、“第3油路のオイルを、第2油路およびオイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給する状態”には、“オイルの量および圧力”が含まれる。また、第2油路およびオイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給されるオイルの状態には、いずれか一方にだけオイルを供給する場合に、そのオイルが供給される側へのオイルの供給状態が含まれる。さらに、“第3油路のオイルを、第2油路およびオイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給する状態”には、第2油路およびオイル吐出装置に吸い込まれる箇所の両方にオイルを供給する場合に、両方に供給されるオイル量の相対関係が含まれる。さらに、“第3油路のオイルを、第2油路およびオイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給する状態”には、いずれか一方に選択的にオイルを供給することが含まれる。なお、第1の油路または第3の油路は、それぞれ単数である。
【0015】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、所定の吐出口から吐出されるオイルが第3油路に供給された場合に、第3油路のオイルが、第2油路およびオイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給される。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記オイル吐出装置は複数のオイルポンプを有し、各オイルポンプに前記オイル吐出口が形成されており、複数のオイルポンプを別々に駆動する複数の回転装置が設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の作用が生じる他に、各オイルポンプが、別々の回転装置により駆動されるため、第2油路にオイルを供給する必要がない場合は、所定のオイル吐出口を有するオイルポンプを停止させることができる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記第1オイル供給路には、前記第1制御弁が含まれていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の作用が生じる他に所定の吐出口から、第1油路および第3油路に供給されるオイルの状態を制御する場合に、第1制御弁を利用できる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項4の構成に加えて、前記第1制御弁が前記第1油路の油圧を制御する圧力制御弁であり、この第1制御弁が第1油路の油圧を制御することにともない、所定の吐出口から、前記第1油路および前記第3油路に供給されるオイルの状態を制御するように構成されていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明と同様の作用が生じる他に、第1制御弁が第1油路の油圧を制御することにともない、所定の吐出口から、第1油路および第3油路に供給されるオイルの状態が制御される。したがって、第1制御弁の構造の複雑化が抑制される。
【0022】
請求項6の発明は、請求項5の構成に加えて、前記第1制御弁は、前記第2油路と第3油路との間の開度を制御することにより、所定の吐出口から前記第3油路に供給されるオイルの状態を制御する機能を、更に備えていることを特徴とするものである。
【0023】
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様の作用が生じる他に、第2油路と第3油路との間の開度が制御されて、所定の吐出口から第3油路に供給されるオイルの状態が制御される。
【0024】
請求項7の発明は、請求項2ないし6のいずれかの構成に加えて、前記第2オイル供給路には、前記第2制御弁が含まれていることを特徴とするものである。
【0025】
請求項7の発明によれば、請求項2ないし6のいずれかの発明と同様の作用が生じる他に、第2制御弁を利用して、第3油路のオイルが、第2油路およびオイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給される。
【0026】
請求項8の発明は、請求項7の構成に加えて、前記第2制御弁が前記第2油路の油圧を制御する圧力制御弁であり、この第2制御弁が第2油路の油圧を制御することにともない、前記所定の吐出口から、前記第2油路および前記オイルポンプに吸い込まれる箇所に供給されるオイルの状態を制御する構成であることを特徴とするものである。
【0027】
請求項8の発明によれば、請求項7の発明と同様の作用が生じる他に、第2制御弁が第2油路の油圧を制御することにともない、所定の吐出口から、第2油路およびオイルポンプに吸い込まれる箇所に供給されるオイルの状態が制御される。
【0028】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の油圧制御装置を、車両用の動力伝達装置の動作部材の動作を制御するために用いる場合の実施例を、図面に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる車両のパワートレーン、およびその車両の制御系統を、図2に示す。図2に示す車両Veにおいては、駆動力源1と車輪2との間の動力伝達経路に、流体伝動装置3、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6などが設けられている。駆動力源1としては、例えば、エンジンまたは電動機の少なくとも一方を用いることができる。この実施例では、駆動力源1としてエンジンが用いられている場合について説明する。
【0029】
また、流体伝動装置3およびロックアップクラッチ4は、駆動力源1と前後進切り換え機構5との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置3とロックアップクラッチ4とは相互に並列に配置されている。この流体伝動装置3は、流体の運動エネルギにより動力を伝達する装置であり、ロックアップクラッチ4は、摩擦力により動力を伝達する装置である。
【0030】
さらに、前後進切り換え機構5は、入力部材に対する出力部材の回転方向を、選択的に切り換える装置である。この前後進切り換え機構5は、遊星歯車機構(図示せず)と、遊星歯車機構の回転要素に対する動力の伝達状態を制御するクラッチ(図示せず)と、遊星歯車機構の回転要素の回転・停止を制御するブレーキ(図示せず)とを有している。そして、クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置の係合圧が、油圧に制御されるように構成されている。
【0031】
ベルト式無段変速機6は、前後進切り換え機構5と車輪2との間の動力伝達経路に設けられている。ベルト式無段変速機6は、相互に平行に配置されたプライマリシャフト7およびセカンダリシャフト8を有している。このプライマリシャフト7にはプライマリプーリ9が設けられており、セカンダリシャフト8にはセカンダリプーリ10が設けられている。プライマリプーリ9は、プライマリシャフト7に固定された固定シーブ11と、プライマリシャフト7の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ12とを有している。そして、固定シーブ11と可動シーブ12との間に溝M1が形成されている。
【0032】
また、この可動シーブ12をプライマリシャフト7の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ12と固定シーブ11とを接近・離隔させる油圧サーボ機構13が設けられている。この油圧サーボ機構13は、油圧室13Aと、油圧室13Aの油圧に応じてプライマリシャフト7の軸線方向に動作できし、かつ、可動シーブ12に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
【0033】
一方、セカンダリプーリ10は、セカンダリシャフト8に固定された固定シーブ14と、セカンダリシャフト8の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ15とを有している。そして、固定シーブ14と可動シーブ15との間にはV字形状の溝M2が形成されている。
【0034】
また、この可動シーブ15をセカンダリシャフト8の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ15と固定シーブ14とを接近・離隔させる油圧サーボ機構16が設けられている。この油圧サーボ機構16は、油圧室26と、油圧室26の油圧によりセカンダリシャフト8の軸線方向に動作でき、かつ、可動シーブ15に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。上記構成のプライマリプーリ9およびセカンダリプーリ10に、無端状のベルト17が巻き掛けられている。
【0035】
一方、ベルト式無段変速機6の油圧サーボ機構13,16およびロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を制御する機能を有する油圧制御装置18が設けられている。さらに、駆動力源1、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6、油圧制御装置18を制御するコントローラとしての電子制御装置52が設けられており、この電子制御装置52は、演算処理装置(CPUまたはMPU)と、記憶装置(RAMおよびROM)と、入出力インターフェースとを有するマイクロコンピュータにより構成されている。
【0036】
この電子制御装置52に対しては、エンジン回転数、アクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、スロットルバルブの開度、シフトポジション、プライマリシャフト7の回転数、セカンダリシャフト8の回転数などの検知信号が入力される。このセカンダリシャフト8の回転数に基づいて車速が求められる。電子制御装置52には各種のデータが記憶されており、電子制御装置52に入力される信号、および記憶されているデータに基づいて、電子制御装置52からは、駆動力源1を制御する信号、ベルト式無段変速機6を制御する信号、前後進切り換え機構5を制御する信号、ロックアップクラッチ4を制御する信号、油圧制御装置18を制御する信号などが出力される。
【0037】
電子制御装置52に記憶されているデータとしては、変速制御マップ、ロックアップクラッチ制御マップなどが挙げられる。この変速制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ベルト式無段変速機6の変速比を設定するマップである。駆動力源1としエンジンが用いられている場合は、ベルト式無段変速機6の変速比の制御により、エンジン回転数を最適燃費曲線に近づけるように制御できる。また、ロックアップクラッチ制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ロックアップクラッチ4のトルク容量を設定するマップである。
【0038】
つぎに、図2に示す車両Veの作用を説明する。駆動力源1のトルクは、流体伝動装置3またはロックアップクラッチ4のいずれか一方を経由して、前後進切り換え機構5に入力される。そして、前後進切り換え機構5から出力されたトルクは、ベルト式無段変速機6のプライマリシャフト7に伝達される。プライマリシャフト7のトルクは、プライマリプーリ9、ベルト17、セカンダリプーリ10を介してセカンダリシャフト8に伝達される。そして、セカンダリシャフト8のトルクが車輪2に伝達されて駆動力が発生する。
【0039】
ここで、ベルト式無段変速機6の変速制御を説明する。まず、油圧室13Aの油圧に基づいて、プライマリプーリ9の可動シーブ12を軸線方向に動作させる推力が変化する。また、油圧サーボ機構16の油圧室26の油圧により、セカンダリプーリ10の可動シーブ15を軸線方向に動作させる推力が変化する。そして、可動シーブ12の軸線方向の動作に応じて溝M1の幅が変化し、可動シーブ15の軸線方向の動作に応じて溝M2の幅が変化する。
【0040】
上記のようにして、溝M1の幅が調整されると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径と、セカンダリプーリ10におけるベルト17の巻き掛け半径との比が変化する。その結果、プライマリシャフト7とセカンダリシャフト8との間の回転速度の比、すなわち変速比が変化する。具体的には、油圧室13Aの油圧が高められて溝M1の幅が狭められると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機7の変速比が小さくなるように変速する。これに対して、油圧室13Aの油圧が低下して溝M1の幅が広げられると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径が小さくなり、ベルト式無段変速機6の変速比が大きくなるように変速する。
【0041】
また、この変速制御に伴い溝M2の幅が調整されると、ベルト31に作用する挟圧力が変化してベルト31の張力が変化する。その結果、プライマリシャフト7とセカンダリシャフト8との間で伝達されるトルクの容量が制御される。具体的には、油圧室26の油圧が高められて、ベルト31に作用する挟圧力が高められると、トルク容量が大きくなる。これに対して、油圧室26の油圧が低下されて、ベルト31に作用する挟圧力が弱められると、トルク容量が小さくなる。このように、ベルト17に作用する挟圧力の変化に伴い、ベルト式無段変速機6のトルク容量が変化する。
【0042】
ところで、図2に示す車両Veにおいては、油圧制御装置18の一部を構成する油圧回路として各種の構成を採用することができる。以下、これらの油圧回路の構成例を順次説明する。
【0043】
(第1構成例)
この油圧回路の第1構成例を図1に示す。図1に示す油圧回路には、オイル吐出装置A1が設けられている。このオイル吐出装置A1は、第1オイルポンプ(メインオイルポンプ)50および第2オイルポンプ(サブオイルポンプ)51を有している。この第1構成例では、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51とを、それぞれ単独で駆動できるように構成されている。そして、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51を駆動する回転装置195が設けられている。この回転装置195としては、エンジン1および電動機53のうちの少なくとも一方が挙げられる。この電動機53は、車両の駆動力源(原動機)としての機能を有するもの、または、車両の駆動力源としての機能を有しないもの、のいずれでもよい。エンジン1および電動機53が共に、車両の駆動力源としての機能を有する車両は、いわゆるハイブリッド車と呼ばれている。
【0044】
すなわち、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51を、共にエンジン1で駆動する構成または、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51を、共に電動機53で駆動する構成を採用することができる。また、第1オイルポンプ50をエンジン1で駆動し、第2オイルポンプ51を電動機53で駆動する構成を採用してもよい。さらに、第1オイルポンプ50を電動機53で駆動し、第2オイルポンプ51をエンジン1で駆動する構成を採用してもよい。なお、エンジン1および電動機53の駆動・停止は、電子制御装置52により制御される。
【0045】
第1オイルポンプ50は、吸込口54および吐出口55を有しており、第2オイルポンプ51は吸込口56および吐出口57を有している。まず、第1オイルポンプ50の吐出口55は、油路93を経由して第1オイル必要部78Aに接続されている。第1オイル必要部78Aとしては、油圧サーボ機構13,16が挙げられる。
【0046】
また、油圧回路には、プライマリレギュレータバルブ162およびセカンダリレギュレータバルブ163が設けられている。さらに、プライマリレギュレータバルブ162は、入力ポート169,170と、ドレーンポート171,172と、フィードバックポート173と、信号圧ポート174とを有している。さらに、油路93と入力ポート169とが接続され、油路93は油路133を介してフィードバックポート173に接続されている。この油路133にはオリフィス134が設けられている。なお、油路136と信号圧ポート174とが接続されているとともに、入力ポート170には、油路141が接続されている。
【0047】
さらに、プライマリレギュレータバルブ162は、軸線方向に動作自在なスプール164と、スプール164を軸線方向の一方に向けて付勢する弾性部材165とを有している。スプール164はランド部166,167,168を有している。そして、弾性部材165の付勢力と、信号圧ポート174の油圧に対応する付勢力とが、ランド部168に対して同じ向き、つまり、図1において上向きに作用する。
【0048】
これに対して、フィードバックポート173の油圧に対応する付勢力が、弾性部材165の付勢力と、信号圧ポート174の油圧に対応する付勢力とは逆向き、つまり、図1において下向きに、ランド部166に作用する。このように構成されたプライマリレギュレータバルブ162は、フィードバックポート173の油圧に対応する付勢力と、弾性部材165の付勢力、および信号圧ポート174の油圧に対応する付勢力との対応関係に基づいて、スプール164が軸線方向に動作する。そして、スプール164の動作により、入力ポート169とドレーンポート171との間の開度が、ランド部167により制御され、入力ポート170とドレーンポート172との間の開度が、ランド部168により制御される。
【0049】
前記油路141と油路93との間には、チェックバルブ142が設けられている。チェックバルブ142は、相互に連通する油路143,144と、油路143と油路144との間に形成されたポート145と、ポート145を開閉する弁体146と、弁体146を所定方向に付勢する弾性部材(図示せず)とを有している。油路143は油路93に接続され、油路144は油路141に接続されている。このチェックバルブ142は、油路141の油圧に基づいて弁体146に加えられる付勢力と、油路93の油圧および弾性部材の弾性力に基づいて弁体146に加えられる付勢力との対応関係に基づいて弁体146の動作が制御され、ポート145が開閉される。さらに、油路141には第2オイルポンプ51の吐出口57が接続されている。
【0050】
つぎに、セカンダリレギュレータバルブ163について説明する。まず、セカンダリレギュレータバルブ163は、軸線方向に動作自在なスプール175と、スプール175を軸線方向の一方に向けて付勢する弾性部材176とを有している。スプール175はランド部177,178,179を有している。また、セカンダリレギュレータバルブ163は、入力ポート180,181と、ドレーンポート182,183と、フィードバックポート184と、信号圧ポート185Aとを有している。
【0051】
一方、前記プライマリレギュレータバルブ162のドレーンポート171と、セカンダリレギュレータバルブ163の入力ポート180とを接続する油路185が形成されており、この油路185には第2オイル必要部186が接続されている。第2オイル必要部186としては、前後進切り換え機構5の摩擦係合装置の係合圧を制御する油圧室(図示せず)が挙げられる。また、油路185とフィードバックポート184とを接続する油路187が形成され、油路187にはオリフィス188が設けられている。さらに、前記プライマリレギュレータバルブ162のドレーンポート172と、セカンダリレギュレータバルブ163の入力ポート181とを接続する油路189が形成されている。
【0052】
そして、油路189と油路185とを接続する油路190が形成されているとともに、油路190にはチェックバルブ191が設けられている。チェックバルブ191は、油路185のオイルが油路189に流れることを防止する機能を有している。また、チェックバルブ191は、油路185の油圧と油路189の油圧との関係に基づいて、油路189のオイルを油路185に供給する機能を有している。
【0053】
前記信号圧ポート185Aには油路192が接続され、油路192にはオリフィス193が設けられている。そして、信号圧ポート185Aの油圧に対応する付勢力と、弾性部材176の付勢力とが、ランド部179に対して同じ方向、つまり、図1において上向きに作用する。これに対して、フィードバックポート184の油圧に対応する付勢力が、弾性部材176の付勢力と、信号圧ポート185Aの油圧に対応する付勢力とは逆向き、つまり、図1において下向きに、ランド部177に作用する。
【0054】
このように構成されたセカンダリレギュレータバルブ163は、フィードバックポート184の油圧に対応する付勢力と、弾性部材176の付勢力、および信号圧ポート185Aの油圧に対応する付勢力との対応関係に基づいて、スプール175が軸線方向に動作する。そして、スプール175の動作により、入力ポート180とドレーンポート182との間の開度が、ランド部178により制御される。また、スプール175の動作により、入力ポート181とドレーンポート183との間の開度が、ランド部179により制御される。なお、セカンダリレギュレータバルブ163のドレーンポート183は、油路138を経由して第1オイルポンプ50の吸込口54、および第2オイルポンプ51の吸込口56に接続されている。さらに、ドレーンポート182は油路193を経由して潤滑油必要部194に接続されている。潤滑油必要部194としては、前後進切り換え機構5の遊星歯車機構、ベルト式無段変速機6のベルト17などが挙げられる。
【0055】
つぎに、第1構成例の動作を説明する。まず、回転装置195の動力が第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51に伝達されると、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51が駆動される。すると、オイルパン140のオイルが、ストレーナ139を経由して第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51に吸い込まれるとともに、第1オイルポンプ50から吐出されたオイルは、油路93に供給され、第2オイルポンプ51から吐出されたオイルは、油路141に供給される。
【0056】
この油路93に供給されたオイルは、第1オイル必要部78Aに供給される。ここで、油路93に供給されるオイル量が、油路93で必要なオイル量よりも少ない場合は、油路93の油圧(ライン圧)が所定圧よりも低く、フィードバックポート173の油圧に対応する付勢力と、弾性部材165の付勢力および信号圧ポート174の油圧に対応する付勢力とのバランスにより、プライマリレギュレータバルブ162のスプール164は、図1において上向きに動作する。したがって、入力ポート169とドレーンポート171との間の開度が、ランド部167により狭められ、かつ、入力ポート170とドレーンポート172との間の開度が、ランド部168により狭められる。
【0057】
その結果、油路141の油圧が上昇して弁体146が動作し、チェックバルブ142のポート145が開放される。このようにして、油路141のオイルが油路93に供給されて、油路93のオイル量が増加し、油路93におけるオイル量の不足が抑制される。
【0058】
以上のように、油路93でオイル不足が生じて、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが、共に油路93に供給される場合としては、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51の回転数が所定回転数以下である場合、または、ベルト式無段変速機6で変速が実行される場合などが挙げられる。これらの場合、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51の負荷は、油路93の油圧に対応した負荷となる。
【0059】
一方、油路93におけるオイル量不足が解消されて、油路93の油圧が上昇すると、フィードバックポート173に作用する油圧も上昇し、スプール164が図1において下向きに動作する。スプール164が下向きに動作すると、入力ポート169とドレーンポート171との間の開度が広がる。その結果、油路93から、ドレーンポート171を経由して、油路185および第2オイル必要部186に供給されるオイル量が増加する。また、スプール164が下向きに動作すると、入力ポート170とドレンポート172との間の開度が広がり、油路141から油路189に供給されるオイル量が増加して、油路141の油圧が低下する。したがって、チェックバルブ142のポート145が閉じられて、油路141のオイルは油路93には供給されなくなる。
【0060】
ところで、ドレーンポート171から油路185に供給されるオイル量が、油路185で必要なオイル量よりも少ない場合は、油路185の油圧(セカンダリ圧)が所定圧以下となっている。このため、セカンダリレギュレータバルブ163のフィードバックポート184に作用する油圧が低く、セカンダリレギュレータバルブ163のスプール175が、図1において上向きに動作しており、入力ポート180とドレーンポート182との間の開度が、ランド部178により狭められ、入力ポート181とドレーンポート183との間の開度が、ランド部179により狭められる。したがって、油路189の油圧が上昇する。
【0061】
その結果、油路189と油路185との圧力差に基づいてチェックバルブ191の開閉が切り換わる。すなわち、油路185でオイル不足が生じており、油路185の油圧が低い場合は、チェックバルブ191が開放されて、油路189のオイルが油路185に供給され、油路185のオイル不足が抑制される。
【0062】
以上のように、第1オイルポンプ50から吐出されたオイルが、油路93および油路185に供給されるとともに、第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが、油路141および油路189を経由して油路185に供給される場合としては、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51の回転数が、所定回転数以下である場合が挙げられる。この場合、第1オイルポンプ50の負荷は、油路93の油圧に対応した負荷となり、第2オイルポンプ51の負荷は、油路185の油圧に対応した負荷となる。
【0063】
ついで、油路185に供給されるのオイル量が十分となり、油路185の油圧が所定圧以上に高まると、フィードバックポート184に作用する油圧により、スプール175が図1において下向きに動作する。すると、入力ポート180とドレーンポート182との間の開度が広がり、油路185から油路193を経由して潤滑油必要部194に供給されるオイル量が増加する。また、スプール175が図1において下向きに動作すると、入力ポート181とドレーンポート183との間の開度が広がり、油路185の油圧が低下してチェックバルブ191が閉じられて、油路141のオイルが、油路189およびドレーンポート183を経由して、油路138にドレーンされる。
【0064】
以上のように、第1オイルポンプ50のオイルが油路93に供給され、第2オイルポンプ51から吐出されるオイルが、油路138にドレーンされる場合としては、第1オイルポンプ50の回転数が高回転数となり、第1オイルポンプ50のオイル吐出量が多量となる場合が挙げられる。なお、この場合は、第1オイルポンプ50の負荷は、油路93の油圧に対応した負荷となり、第2オイルポンプ51の負荷は、無負荷となる。したがって、第2オイルポンプ51の駆動に必要なトルクを低減できる。
【0065】
このように、第1構成例においては、第2オイルポンプ51から吐出されるオイルを、チェックバルブ142の切換動作により、油路93または、油路185のいずれか一方に、選択的に供給することができる。すなわち、第2オイルポンプ51から吐出されたオイルを、油路93に供給しない場合でも、第2オイル必要部185に供給してオイルを利用することができ、オイルの吸い込みに要した第2オイルポンプ51の仕事が無駄となることを抑制できる。
【0066】
また、プライマリレギュレータバルブ162の圧力制御機能、具体的には、スプール164の動作により、チェックバルブ142の動作を切り換えて、第2オイルポンプ51から吐出されるオイルを、油路93または油路185のいずれか一方に選択的に供給する構成となっている。したがって、チェックバルブ142の動作を切り換える専用の装置を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0067】
また、プライマリレギュレータバルブ162のスプール164が動作して、入力ポート170とドレーンポート172との間の開度が広がる第1段階と、油路189の油圧よりも油路185の油圧の方が高く、かつ、チェックバルブ191が開放されるという第2段階とを経た場合に限り、第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが油路185に供給される。したがって、油路185に供給するオイル量を制御する機能が、一層向上している。
【0068】
さらに、セカンダリレギュレータバルブ163のスプール175が動作して、入力ポート181とドレーンポート183との間の開度が広がり、第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ52に吸い込まれる油路138にドレーンされる場合は、第2オイルポンプ51から吐出されるオイルの輸送抵抗が低下するため、第2オイルポンプ51の仕事量の増加を抑制できる。なお、第1オイルポンプ50と第2オイルポンプ51とを、別々の回転装置により駆動する構成である場合は、油路141のオイルを油路138にドレーンする場合に、第2オイルポンプ51を停止することもできる。
【0069】
(第2構成例)
油圧制御装置18の第2構成例を、図3に基づいて説明する。図3において、図1と同じ構成については、図1と同じ符号を付してその説明を省略する。図3においては、プライマリレギュレータバルブ162のドレーンポート172は、油路185に接続されており、前述のチェックバルブ191は設けられていない。また、セカンダリレギュレータバルブ163には、前述の入力ポート181は設けられておらず、入力ポート180とドレーンポート183との間の開度が、ランド部179により制御される構成になっている。
【0070】
つぎに、第2構成例の作用効果を説明する。この第2構成例において、油路93のオイル消費量よりも、油路93に供給されるオイル量の方が少ない場合は、第1構成例と同じ作用により、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが、油路93に供給される。これに対して、油路93のオイル消費量よりも、油路93に供給されるオイル量の方が多くなった場合は、第1構成例と同様の作用により、油路93のオイルが油路185に供給されるとともに、第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが、油路141、ドレーンポート170を経由して、油路185に供給される。
【0071】
ここで、油路185のオイル消費量よりも、油路185に供給されるオイル量の方が少ない場合は、セカンダリレギュレータバルブ163のスプール175が、第1構成例と同様にして図3で上向きに動作する。その結果、入力ポート180と、ドレーンポート182,183との間の開度が狭められ、油路185のオイル量が増加する。そして、油路185のオイル消費量よりも、油路185に供給されるオイル量の方が多くなり、フィードバックポート184の油圧が上昇した場合は、第1構成例と同様にして、スプール175が図3で下向きに動作する。すると、入力ポート180と、ドレーンポート182,183との間の開度が広がり、油路185から油路138,193にドレーンされるオイル量が増加する。
【0072】
以上の作用により、油路185のオイル消費量に対するオイル供給量の過不足を抑制できる。この第2構成例においては、第2オイルポンプ51から吐出されるオイルを油路93に供給する場合に、第2オイルポンプ51の負荷は、油路93の油圧に対応する負荷となる。これに対して、第2オイルポンプ51のオイルを、油路185に供給する場合に、第2オイルポンプ51の負荷は、油路185の油圧に相当する負荷となる。そして、第2構成例においても、第1構成例と同様の構成部分については、第1構成例と同様の作用効果を得ることができる。
【0073】
(第3構成例)
この第3構成例も、図3に基づいて説明する。この第3構成例は、電動機53により第1オイルポンプ50を駆動し、エンジン1により第2オイルポンプ51を駆動する構成に対応する。以下、この第3構成例の作用効果を、各種の駆動状態に分けて説明する。
【0074】
▲1▼第1の駆動状態
この第1の駆動状態は、エンジン1が停止し、かつ、油路93のオイル必要量よりも、油路93に供給されるオイル量の方が少ない場合に相当する駆動状態である。この第1の駆動状態では、電動機53のトルクにより第1オイルポンプ50が駆動され、第1オイルポンプ50から吐出されるオイルが、油路93に供給される。以後の作用効果は、第1構成例および第2構成例と同じである。この第1の駆動状態において、第1オイルポンプ50の負荷は、油路93の高油圧に対応する負荷となる。
【0075】
▲2▼第2の駆動状態
この第2の駆動状態は、例えばベルト式無段変速機6で変速が実行されない時(通常時)に選択される。この第2の駆動状態では、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51が共に駆動される。この第2の駆動状態では、第1オイルポンプ50から吐出されたオイルが油路93に供給されるとともに、第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが油路185に供給される。この第2の駆動状態では、第1オイルポンプ50の負荷は、油路93の高油圧に対応する負荷となり、第2オイルポンプ51の負荷は、油路185の低油圧に対応する負荷となる。
【0076】
▲3▼第3の駆動状態
この第3の駆動状態は、例えばベルト式無段変速機6で変速を実行するために、油路93におけるオイル必要量が増加する時に選択される。この第3の駆動状態が選択された場合は、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51が共に駆動される。この第3の駆動状態では、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが、共に油路93に供給される。この第3の駆動状態では、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51の負荷は、油路93の油圧に対応する負荷となる。
【0077】
▲4▼第4の駆動状態
この第4の駆動状態は、電動機53により第2オイルポンプ51を駆動することができない場合、例えば、電動機53が故障した場合、または電動機53を駆動する電力が所定値以下である場合に選択される。この第4の駆動状態が選択された場合は、第1オイルポンプ50が停止して、エンジン1のトルクにより第2オイルポンプ51が駆動される。第2オイルポンプ51から吐出されたオイルは、油路93に供給される。第2オイルポンプ51の負荷は、油路93の油圧に対応する負荷となる。
【0078】
なお、第1の構成例ないし第3の構成例において、油路138が第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51の吸込口54,56に接続されているが、油路138を、潤滑油必要部194以外の潤滑油必要部または冷却部などに接続することもできる。
【0079】
(第4構成例)
油圧制御装置18の第4構成例を、図4に基づいて説明する。図4において、図1および図3と同じ構成については、図1および図3と同じ符号を図4で付して、その説明を省略する。図4においては、スプール175のランド部178に対して、弾性部材176の付勢力、および信号圧ポート185Aの油圧に相当する付勢力が、図4で上向きに作用する。この弾性部材176の付勢力、および信号圧ポート185Aの油圧に相当する付勢力と、ランド部177に作用し、かつ、フィードバックポート184の油圧に相当する付勢力とのバランスにより、スプール175の動作が制御される。
【0080】
このスプール175の動作により、入力ポート180とドレーンポート182との間の開度が制御される。さらに、各種のオイル必要部、潤滑油必要部、冷却部などに供給されていたオイルが戻される油路196が設けられており、その油路196が吸入口54,56に接続されている。なお、図1のチェックバルブ191、入力ポート181、ドレーンポート183は、図4では設けられていない。
【0081】
そして、第4構成例において、第1構成例および第2構成例と同じ構成部分については、第1構成例および第2構成例と同じ作用効果が生じる。また、第4構成例においては、油路93における必要オイル量よりも、油路93に供給されるオイル量が少ない場合は、フィードバックポート173に作用する油圧が所定圧以下となる。その結果、スプール164が図4において上向きに動作し、入力ポート170とドレーンポート172との間の開度が、ランド部178により狭められて、油路141の油圧が上昇する。
【0082】
油路93の油圧が高まって、フィードバックポート173に作用する油圧が所定圧を越えた場合は、スプール164が図4において下向きに動作する。すると、入力ポート170とドレーンポート172との間の開度が広がり、油路141から油路185にドレーンされるオイル量が増加する。この第4構成例では、エンジン1のトルクにより第1オイルポンプ50が駆動され、電動機53のトルクにより第2オイルポンプ51が駆動される。以下、この第4構成例の作用効果を、各種の駆動状態に分けて説明する。
【0083】
▲1▼第1の駆動状態
この第1の駆動状態は、油路93のオイル必要量よりも、油路93に供給されるオイル量の方が少なく、エンジン1が停止している状態に相当する。この第1の駆動状態では、電動機53のトルクにより第2オイルポンプ51が駆動され、第2オイルポンプ51から吐出されるオイルが、油路93に供給される。以後の作用効果は、第1構成例および第2構成例と同じである。この第1の駆動状態において、第2オイルポンプ51の負荷は、油路93の油圧に対応する負荷となる。
【0084】
▲2▼第2の駆動状態
この第2の駆動状態は、油路93のオイル必要量よりも、油路93に供給されるオイル量の方が少ない場合、例えば、エンジン回転数が低回手数である場合、または、ベルト式無段変速機6で変速が実行される場合に選択される。この第2の駆動状態では、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51が共に駆動される。この第2の駆動状態では、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが、共に油路93に供給される。この第2の駆動状態では、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51の負荷は、油路93の油圧に対応する負荷となる。
【0085】
▲3▼第3の駆動状態
この第3の駆動状態は、油路93にはオイルが十分供給されているが、油路185でオイル不足が生じた場合、例えば、ベルト式無段変速機6で変速が実行されていない通常時に選択される。この第3の駆動状態が選択された場合は、第1オイルポンプ50から吐出されたオイルが油路93に供給され、第2オイルポンプ51から吐出されたオイルが、油路141、ドレーンポート172を経由して油路185に供給されて、油路185のオイル不足が抑制される。この第3の駆動状態では、第1オイルポンプ50の負荷は、油路93の油圧に対応する負荷となり、第2オイルポンプ51の負荷は、油路185の油圧に対応する負荷となる。
【0086】
▲4▼第4の駆動状態
この第4の駆動状態は、油路93および油路185で、共にオイル量が十分である場合に選択される。このような場合としては、エンジン回転数が高回転数であり、第1オイルポンプ50の吐出オイル量が多量となる場合が挙げられる。この第4の駆動状態においては、第1オイルポンプ50の負荷は、油路93の油圧に対応する負荷となる。また、第2オイルポンプ51から吐出されるオイルが、油路141,185を経由して油路193にドレーンされるため、第2オイルポンプ51の負荷は低負荷(無負荷)となる。したがって、第2オイルポンプ51は停止する。なお、この第4構成例においても、第1構成例および第2構成例と同じ構成部分については、同じ作用効果を得ることができる。また、第1構成例ないし第4構成例において、油路93の油圧よりも、油路185の油圧の方が低圧に制御される。
【0087】
ここで、各構成例とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、吐出口55,57がこの発明の複数の吐出口に相当し、第1オイルポンプ50および第2オイルポンプ51がこの発明の複数のオイルポンプに相当し、油路93がこの発明の第1油路に相当し、油路185がこの発明の第2油路に相当し、油路93のオイル量および油路93の油圧が、この発明の“第1油路のオイルの状態”に相当する。
【0088】
また、プライマリレギュレータバルブ162がこの発明の第1制御弁に相当し、油路185がこの発明の第2油路に相当し、油路185のオイル量および油路185の油圧が、この発明の“第2油路のオイルの状態”に相当し、セカンダリレギュレータバルブ163が、この発明の第2制御弁に相当し、第2オイルポンプ51の吐出口57が、この発明の所定の吐出口に相当し、油路141,189がこの発明の第3油路に相当し、油路141,189およびプライマリレギュレータバルブ162が、この発明の第1オイル供給路に相当し、セカンダリレギュレータバルブ163が、この発明の第2オイル供給路に相当し、エンジン1および電動機53がこの発明の複数の回転装置に相当し、油路138が、この発明の“オイルポンプに吸い込まれる箇所”に相当する。なお、かく十指冷却装置において、スプールを所定方向に付勢する場合に、弾性部材を使わない構成を採用してもよい。
【0089】
ここで、この実施例に開示された特徴的な構成を記載すれば以下のとおりである。すなわち、第1の手段は、入力部材と出力部材とを有する変速機と、入力部材と出力部材との間の変速比またはトルク容量の少なくとも一方を制御する油圧室とが設けられているとともに、複数の吐出口を有するオイル吐出装置と、複数の吐出口から吐出されたオイルを、前記油圧室に供給する第1油路と、この第1油路のオイルを第1油路以外の箇所に排出し、かつ、前記第1油路のオイルの状態を制御する第1制御弁と、前記第1制御弁から排出されるオイルが供給され、かつ、第2オイル必要部におけるオイルの状態を制御する第2制御弁とを有するオイル輸送御装置において、前記複数の吐出口のうち、所定の吐出口から吐出されるオイルを、前記第1油路を経由させることなく前記第2制御弁に供給する第2油路が設けられており、前記所定の吐出口から吐出されるオイルを、前記第1油路または第2油路のいずれか一方に選択的に供給するオイル誘導機能を、前記第1制御弁が備えていることを特徴とする油圧制御装置である。
【0090】
前記第1の手段において、前記変速機が、入力部材と出力部材とに巻き掛けられたベルトを有するベルト式無段変速機であり、前記変速機は、前記油圧室の油圧に応じて入力部材に対するベルトの巻き掛け半径が変化して、変速比が制御されるように構成され、前記油圧室の油圧に応じて出力部材からベルトに加えられる挟圧力が変化して、トルク容量が調整されるように構成されている。この第1の手段と、図2に示す構成との対応関係を説明すれば、プライマリプーリ9およびプライマリシャフト7が入力部材に相当し、セカンダリプーリ10およびセカンダリシャフト8が出力部材に相当し、油圧室13A,26が油圧室に相当する。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、所定の吐出口から、第1油路および第3油路に供給されるオイルの状態を制御できる。したがって、オイル吐出装置から吐出されるオイルの用途が増え、オイルを輸送するオイル吐出装置の仕事の無駄を低減できる。
【0092】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、所定の吐出口から吐出されるオイルが第3油路に供給された場合に、第3油路のオイルを、第2油路およびオイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給できる。
【0093】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、各オイルポンプを、別々の回転装置により駆動することができ、第2油路にオイルを供給する必要がない場合は、所定のオイル吐出口を有するオイルポンプを停止させることができる。
【0094】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、所定の吐出口から、第1油路および第3油路に供給されるオイルの状態を制御する場合に、第1制御弁を利用できる。したがって、部品点数の増加を抑制できる。
【0095】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明と同様の効果を得られる他に、第1制御弁が第1油路の油圧を制御することにともない、所定の吐出口から、第1油路および第3油路に供給されるオイルの状態を制御できる。したがって、第1制御弁の構造の複雑化を抑制できる。
【0096】
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様の効果を得られる他に、第2油路と第3油路との間の開度が制御されて、所定の吐出口から第3油路に供給されるオイルの状態が制御される。
【0097】
請求項7の発明によれば、請求項2ないし6のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、第2制御弁を利用して、第3油路のオイルを、第2油路およびオイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給できる。したがって、部品点数の増加を抑制できる。
【0098】
請求項8の発明によれば、請求項7の発明と同様の効果を得られる他に、第2制御弁が第2油路の油圧を制御することにともない、所定の吐出口から、第2油路およびオイルポンプに吸い込まれる箇所に供給されるオイルの状態を制御できる。したがって、第2制御弁の構造の複雑化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の油圧制御装置の第1の構成例を示す模式図である。
【図2】この発明を適用できる車両のパワートレーンおよびその制御系統の一例を示す図である。
【図3】この発明の油圧制御装置の第2の構成例および第3の構成例を示す模式図である。
【図4】この発明の油圧制御装置の第4の構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 18…油圧制御装置、 50…第1オイルポンプ、 51…第2オイルポンプ、 53…電動機、 55,57…吐出口、 78A…第1オイル必要部、 93,138,141,189,185…油路、 162…プライマリレギュレータバルブ、 163…セカンダリレギュレータバルブ、 186…第2オイル必要部、 195…回転装置、 A1…オイル吐出装置。

Claims (8)

  1. 複数の吐出口を有するオイル吐出装置と、複数の吐出口から吐出されたオイルが供給される第1油路と、この第1油路のオイルを第2油路に排出し、かつ、前記第1油路のオイルの状態を制御する第1制御弁と、前記第2油路におけるオイルの状態を制御する第2制御弁とを有する油圧制御装置において、
    前記複数の吐出口のうち、所定の吐出口から吐出されるオイルを、前記第1油路を経由させることなく前記第2油路に供給する第3油路と、
    前記所定の吐出口から、前記第1油路および前記第3油路に供給されるオイルの状態を制御する第1オイル供給路と
    が設けられていることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記所定の吐出口から吐出されるオイルが前記第3油路に供給された場合に、この第3油路のオイルを、前記第2油路および前記オイル吐出装置に吸い込まれる箇所に供給する状態を制御する第2オイル供給路が、更に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記オイル吐出装置は複数のオイルポンプを有し、各オイルポンプに前記オイル吐出口が形成されており、複数のオイルポンプを別々に駆動する複数の回転装置が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油圧制御装置。
  4. 前記第1オイル供給路には、前記第1制御弁が含まれていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の油圧制御装置。
  5. 前記第1制御弁が前記第1油路の油圧を制御する圧力制御弁であり、この第1制御弁が第1油路の油圧を制御することにともない、所定の吐出口から、前記第1油路および前記第3油路に供給されるオイルの状態を制御するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の油圧制御装置。
  6. 前記第1制御弁は、前記第2油路と第3油路との間の開度を制御することにより、所定の吐出口から前記第3油路に供給されるオイルの状態を制御する機能を、更に備えていることを特徴とする請求項5に記載の油圧制御装置。
  7. 前記第2オイル供給路には、前記第2制御弁が含まれていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の油圧制御装置。
  8. 前記第2制御弁が前記第2油路の油圧を制御する圧力制御弁であり、この第2制御弁が第2油路の油圧を制御することにともない、前記所定の吐出口から、前記第2油路および前記オイルポンプに吸い込まれる箇所に供給されるオイルの状態を制御する構成であることを特徴とする請求項7に記載の油圧制御装置。
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