JP2004076785A - ロックシリンダ - Google Patents

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Tadashi Jo
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Abstract

【課題】車両等への搭載性を低下させずにロックシリンダの収縮時および伸長時の作動抵抗を同一にして、車両走行時の操作性、安定性の向上、さらには車両の乗り心地を向上するロックシリンダを提供することである。
【解決手段】ロックシリンダの開閉弁Vと圧側油室R2の間に、絞り弁V4と、圧側油室R2から開閉弁Vへの作動油のみの流れを許容する第3の逆止弁V5とを、並列に備え、ピストンロッド56がシリンダ5内に侵入するときのロックシリンダの作動抵抗とピストンロッド56がシリンダ5内から退出するときのロックシリンダの作動抵抗とを同一にした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両等に塔載されると共にスタビライザに連繋されてスタビライザ機能の死活を選択可能にするロックシリンダの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、車両がウネリ路を走行する時には、車両にローリング現象が発生するので、乗り心地が悪化する。
【0003】
そこで、上記ローリング現象を抑制するために、車両にスタビライザを搭載させ、適正な車両の姿勢制御を実現しようとしている。
一方、ウネリ路では有用であるスタビライザも、車両が平坦路を走行するときには、ローリング現象が発現されることは殆どなく、かえって、凹凸路面侵入時にサスペンションとしての懸架バネ定数を高めて、車両の乗り心地を悪化させてしまうことがある。
【0004】
さらに、車両が走行するウネリ路の状況によっては、スタビライザ機能が発揮されることで却って車両における乗り心地が悪くなることがあり、この場合にも、スタビライザ機能が減殺される方が良い。
【0005】
そこで、スタビライザにロックシリンダを連繋する一方で、このロックシリンダにおける伸縮の可不可を選択することで、スタビライザ機能の死活を選択可能にする提案がなされるに至っている。
【0006】
たとえば、図5に示すロックシリンダにあっては、シリンダ本体Cに軸受54を介して摺動自在に挿入されたピストンロッド56の端部に設けたピストン53に配在の開閉弁Vの切換制御で伸側油室R1と圧側油室R2との流路を開閉し、シリンダ本体Cの伸縮の可不可を自在に選択し得ることになる。
【0007】
すなわち、開閉弁VをV3側の遮断ポジションにしておくと、シリンダ51の中立位置近傍にリザーバRとシリンダ51内とを連通する連通孔51a、51bを、ピストン53に設けられたシールリング59が塞ぐと、逆止弁57により伸側油室R1から作動油が流出することが妨げられ、他方、逆止弁58により圧側油室R2から作動油が流出することが妨げられるので、ピストン53のシリンダ51に対する上下方向への移動が制限されるので、シリンダ本体Cの伸縮が不能な状態、つまり、ロック状態を実現することができ、これによりスタビライザの機能を発揮することができる。
【0008】
他方、逆に開閉弁VをV2側の連通ポジジョンにしておくと、伸側油室R1と圧側油室R2とが連通するので、ピストン53のシールリング59が連通孔51a、51bを塞いでも、ピストン53のシリンダ51に対する上下方向へ移動は制限されないので、スタビライザの機能を減殺することが可能である。
【0009】
ここで、開閉弁VをV2側の連通ポジションにした場合の動作は以下のようになる。
【0010】
ピストンロッド56がシリンダ本体Cから伸び方向に突出する際に、伸側油室R1の作動油は、ピストン53に配設された開閉弁Vを通って圧側油室R2に流入し、ピストンロッド56がシリンダ本体Cから突出する退出体積分の作動油はリザーバRから逆止弁58を介して圧側油室に流入する。
【0011】
他方、ピストンロッド56がシリンダ本体Cに侵入する圧縮の際には、圧側油室R2の作動油がピストン53に配設された開閉弁Vを通って伸側油室R1に流入するとともに、ピストンロッド56のシリンダ51内に侵入した侵入体積分の作動油がシリンダ51の連通孔51a、51bを通って、リザーバRに排出されることとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した提案のロックシリンダにあっては、以下の不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
【0013】
開閉弁Vを連通ポジションにし、ロックシリンダを伸縮可能な状態とした場合、ピストン53がシリンダ51内に設けた連通孔51a、51bがある位置に向ってロックシリンダが収縮または伸長する場合は、逆止弁57、58および連通孔51a、51bが作用して、作動油は開閉弁Vに優先して、上記逆止弁57、58および連通孔51a、51bを通過し、この場合は流路抵抗も少ないから、ロックシリンダの作動抵抗も少ないので、問題はない。
【0014】
しかし、ピストン53がシリンダ51の連通孔51a、51bが設けられた位置にある状態からロックシリンダを収縮および伸長させるのに同じ力を入力しても、伸側油室R1に面するピストン53の受圧面積はピストンロッド56の断面積の分、圧側油室R2に面するピストン53の受圧面積より小さく、また、ピストンロッド56の体積分が影響するためロックシリンダが伸長するときの開閉弁Vを通過する作動油量と収縮するときの開閉弁Vを通過する作動油量は異なるので、単一の開閉弁だけでは、すなわち、開閉弁の油路面積が一定ではロックシリンダの収縮時と伸長時の作動油の流れ抵抗が異なるから、ピストン53がシリンダ51の連通孔51a、51bが設けられた位置にある状態からのロックシリンダの収縮時と伸長時のピストンの移動速度が異なる。裏を返せば、ピストン53がシリンダ51の連通孔51a、51bが設けられた位置にある状態からのロックシリンダの収縮時と伸長時のピストン53の移動速度を同じにするように力を作用させると、収縮時に必要な力と伸長時に必要な力の各力の大きさが異なるものとなってしまう。すなわち、上記提案のロックシリンダでは、収縮時と伸長時の作動抵抗が異なることになる。
【0015】
また、従来のロックシリンダの構成上、上記開閉弁をピストンロッド内に配設しているので、どうしてもピストンロッドは太くなり、さらに、ロックシリンダは、車両等の構造上、制約のあるスペースに搭載されることから、ロックシリンダ自体の太さ、すなわち、外筒の外径を太くすることができない場合もあり、伸側油室に面するピストンの受圧面積と圧側油室に面するピストンの受圧面積の差が大きくなり、上記の作動抵抗の差異は一層著しくなる。
【0016】
そして、ロックシリンダの開閉弁を連通ポジションにした状態として、スタビライザの機能を減殺しても、実際には作動油の流れ抵抗に起因するロックシリンダの作動抵抗により、スタビライザの機能を完全にはなくすることはできない。
【0017】
すると、ロックシリンダを伸縮可能な状態とした場合では、ピストンがシリンダの連通孔が設けられた位置にある状態からのロックシリンダの収縮時と伸長時の作動抵抗の差異により、ロックシリンダの収縮時と伸長時ではスタビライザの効きが異なることとなる。
【0018】
そして、上記のスタビライザの効きの差異は、車両のサスペンションの動きを左右同一ではなくするので、ロックシリンダの搭載された車両の操作性や安定性、さらに、車両の乗り心地の悪化を招くこととなる。
【0019】
さらに、上記の作動抵抗の差異をなくす方法として一般的には、ピストンの両側にピストンロッドを設けて、ピストンの両面の受圧面積を同一にする方法があるが、これでは、ピストンロッドがシリンダの両端から突出した構造となり、基本長が長くなり、上述のようにロックシリンダは、車両等の構造上、制約のあるスペースに搭載されることから、ロックシリンダの車両等への搭載性を著しく低下させることにもなりかねない。
【0020】
また、別の方法として、作動油の流路面積を大きくして流路抵抗を低くし、ロックシリンダの収縮時と伸長時の作動油の流れ抵抗を限りなく低くする方法もあるが、これでは、上記の流路面積を確保するために開閉弁の大型化が必要なため、ピストンロッドが太くなり、ひいては外筒の大径化が避けられず、やはり、ロックシリンダの車両等への搭載性を著しく低下させることにもなりかねない。
【0021】
そこで、本発明は上記の不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、車両等への搭載性を低下させずにロックシリンダの収縮時および伸長時の作動抵抗を同一にして、車両走行時の操作性、安定性の向上、さらには車両の乗り心地を向上するロックシリンダを提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、第1の課題解決手段は、シリンダ本体と、シリンダ本体を伸縮制御する制御機構とからなり、シリンダ本体はシリンダと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダに形成されてピストンを介して上記伸側油室と圧側油室とに選択的に開閉される連通孔とを有し、制御機構は上記伸側油室と圧側油室とを連通又は遮断する開閉弁と、上記連通孔に接続されたリザーバと、リザーバと上記伸側油室との間及びリザーバと圧側油室との間にそれぞれ設けられてリザーバからの作動油のみの流れを許容する第1、第2の逆止弁とを備えているロックシリンダにおいて、上記開閉弁と圧側油室との間に、絞り弁と、圧側油室から伸側油室へ向う作動油のみの流れを許容する第3の逆止弁とを、並列に設け、ピストンロッドがシリンダ内に侵入するときの作動抵抗とピストンロッドがシリンダ内から退出するときの作動抵抗とを同一にしたことを特徴とする。
【0023】
上記構成により、ピストンロッドがシリンダ内に侵入する行程では、圧側油室から伸側油室に向って作動油が移動するが、このとき、作動油は上記絞り弁に優先して逆止弁を開き、開閉弁に向って移動するから、ロックシリンダの作動抵抗は、作動油が開閉弁を通過する時の流れ抵抗のみにより決せられる。
【0024】
逆に、ピストンロッドがシリンダから突出する行程では、作動油は伸側油室から圧側油室へ向って移動し、先ず開閉弁を通過し、片方の油路は逆止弁で遮断されているので、優先的に絞り弁を通過する。
【0025】
したがって、この場合には、ロックシリンダの作動抵抗は作動油が開閉弁と絞り弁を通過する時の流れ抵抗により決せられることとなるが、この各流れ抵抗をロックシリンダの収縮時と伸長時とで同一に調整し、ロックシリンダの収縮時と伸長時の作動抵抗を同一としたので、車両のサスペンションの動きが左右同一となり、車両走行時の操縦性、安定性ひいては乗り心地を向上することができる。
【0026】
さらに、絞り弁と第3の逆止弁を設けるだけでロックシリンダの収縮時と圧縮時の作動抵抗の差異をなくするようにできるので、開閉弁を大型化することによるロックシリンダの外径の大型化や、ピストンの両側にピストンロッドを設けることによるロックシリンダの基本長が長くなる弊害を防止でき、その結果、車両への搭載性が確保される。
【0027】
また、第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段において、開閉弁と絞り弁と第3の逆止弁を、ピストン又はピストンロッド内に設け、シリンダとシリンダの外側に配設した外筒との間にリザ―バを設け、上記第1の逆止弁をシリンダのヘッド部材内に設け、上記第2の逆止弁をシリンダのボトム部内に設けたことを特徴とする。
【0028】
上記の構成により、シリンダ本体に制御機構を抱かせるようにして一体に形成する場合に比較して、シリンダ本体における外径をいたずらに大きくしなくて済み、車両への塔載性を低下させない。
【0029】
さらに、第3の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段において、ピストンロッド内に伸側油室と連通する第1の油路を設け、前記第1の油路に上記開閉弁を設けるとともに、ピストンロッド端部に着脱自在に結合される中空なバルブボディ設け、バルブボディ内に上記第1の油路と圧側油室とに連通する第2の油路を設け、前記第2の油路に上記絞り弁と上記第3の逆止弁を並列に設けたことを特徴とする。
【0030】
上記構成により、絞り弁と第3の逆止弁をバルブボディ内に設けて一体化したので、既存のロックシリンダにこの一体化した絞り弁と逆止弁を簡単に取付けることができる。
【0031】
そして、さらに、第4の課題解決手段は、第3の課題解決手段において、バルブボディが、ピストンロッド端部にピストンを固定するピストンナットに着脱自在に螺合されており、上記第2の油路の途中に、弁座と、円盤状で1つまたは複数の孔を有するストッパとを設け、さらに、上記弁座上にオリフィスを備えた円盤状の弁体を着座させ、上記ストッパと弁体との間に当該弁体を弁座側に付勢するバネと介在させ、上記オリフィスを絞り弁として、上記弁体を逆止弁として構成させることを特徴する。
【0032】
第3の課題解決手段を、上記構成により、より具体化したものであり、第3の課題解決手段と同様の効果を得ることが可能である。
【0033】
また、さらに、第5の課題解決手段は、第4の課題解決手段において、バルブボディ内壁に、上記弁体外周と対向する切欠を設けて油路を形成したことを特徴とする。
【0034】
上記の構成によっても、第3の課題解決手段と同様の効果を得ることが可能であるとともに、バルブボディ内壁に、上記弁体外周と対向する切欠を設けて油路を形成したので、弁体の外径を大きくしても油路が確保できるとともに、弁体の横ズレが防止されるので、弁体と弁座との間に隙間ができることが防止できる。したがって、第3の逆止弁としての機能を維持発揮することが可能である。
【0035】
そして、さらに、第6の課題解決手段は、第4の課題解決手段において、弁体の外周に切欠を設けて油路を形成したことを特徴とする。
【0036】
このような構成によっても、第3の課題解決手段と同様の効果を得ることができるとともに、弁体の外周に切欠を設けて油路を形成したことをにより、この場合にも弁体の外径を大きくしても油路が確保できるとともに、弁体の横ズレが防止されるので、弁体と弁座との間に隙間ができることが防止できる。
【0037】
したがって、第3の逆止弁としての機能を維持発揮することが可能である。
【0038】
そして、また、第7の課題解決手段は、リザーバをシリンダとシリンダの外側に配設した外筒との間に設け、上記第1の逆止弁をシリンダのヘッド部材内に設け、上記第2の逆止弁をシリンダのボトム部内に設けたことを特徴とする。
【0039】
上記構成により、第2の課題解決手段の効果と同様の効果を達成可能である。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるロックシリンダは、図1に示す第1の実施の形態と、図2に示す第2の実施の形態と、図3に示す第3の実施の形態とがある。
【0041】
第1の実施の形態におけるロックシリンダは、図1に示すように、シリンダ本体C1は、たとえば、一端が車体側たる固定側に連結されながら他端がスタビライザ側たる可動側に連結されるもので、シリンダ5と外筒52とを有して複筒型に形成されている。
【0042】
そして、シリンダ5は、内側に摺動可能に収装されたピストン1で伸側油室R1と圧側油室R2を画成し、外筒52は、孔19aを有する中間筒19の外周側に配在されてこの中間筒19との間にリザーバRを画成している。
【0043】
したがって、この実施の形態では、中間筒19とシリンダ5との間に形成された通路Lには、リザーバRからのガスが混入している危惧の無い作動油が孔19aを介して流通することとなり、伸側油室R1あるいは圧側油室R2にガス混じりの作動油が流入する不具合を排除し得ることとなる。
【0044】
このとき、このリザーバRにあっては、油面Oを境にして気室たるガス室Gが画成されていて、油面Oが上昇してガス室Gの圧力が上昇することで、所定のバネ力を発揮するとしている。リザーバRはあらかじめガス圧で加圧しておいてもよい。
【0045】
また、シリンダ本体C1の図中で上端となる開口端は、図示するところでは、ヘッド部材54で封止されるとしており、このヘッド部材54には上記のリザーバ室Rからの油の伸側油室R1への流入を許容するがその逆流を阻止する第1の逆止弁57が配在されている。
【0046】
そして、このヘッド部材54の軸芯部を貫通するピストンロッド56の図中で下端となる先端がシリンダ5内に摺動可能に収装された上記のピストン1に連設されている。
【0047】
ちなみに、シリンダ本体C1の開口端は、上記のヘッド部材54で封止されるのに代えて、図示しないが、ヘッド部材としてのシリンダ5の開口端に連続するヘッド部で、あるいは、外筒52の開口端に連続するヘッド部で閉塞されるとしても良く、その場合には、同じく図示しないが、ピストンロッド56が上記のシリンダ5、あるいは、外筒52のヘッド部を貫通することになる。
【0048】
また、シリンダ本体C1の図中で下端となるボトム端は、図示するところでは、ボトム部材7で封止されるとしており、このボトム部材7には上記のリザーバRからの油の圧側油室R2への流入を許容するがその逆流を阻止する第2の逆止弁58が配在されている。
【0049】
ちなみに、シリンダ1のボトム端は、上記のボトム部材7で封止されるのに代えて、図示しないが、他のボトム部材としてのシリンダ5のボトム端に連続するボトム部で、あるいは、外筒52のボトム部で閉塞されるとしても良く、その場合には、同じく図示しないが、逆止弁58が上記のシリンダ5、あるいは、外筒52のボトム部に配在されることになる。
【0050】
一方、上記のシリンダ本体C1にあって、シリンダ5内の伸側油室R1と圧側油室R2が、図示するところでは、ピストン1に配在の開閉弁Vを介して連通可能とされている。
【0051】
そして、この開閉弁Vは、シリンダ本体C1の外部から供給されるパイロット信号の入力時に開放されると共にパイロット信号の解消時に附勢バネV1のバネ力で閉鎖される常閉型に設定されている。
【0052】
このとき、開閉弁Vは、パイロット信号の入力で切り換る連通ポジションV2と、パイロット信号の解消時に附勢バネV1のバネ力で切り換る遮断ポジションV3とを有している。
【0053】
それゆえ、この開閉弁Vにあっては、外部からのパイロット信号の供給が不能になる場合にも、遮断ポジションV3に維持されてシリンダ本体Cをいわゆるロック状態に維持することになり、したがって、最低限スタビライザ機能の発揮を保障し得ることになる。
【0054】
そして、この開閉弁Vにあっては、これが連通ポジションV2にあるときには、シリンダ1内の伸側油室R1と圧側油室R2との連通を許容することになり、したがって、シリンダ本体Cを常時伸縮可能な状態に維持して、スタビライザ機能を減殺することになる。
【0055】
そして、この開閉弁Vにあっては、これが遮断ポジションV3にあるときには、シリンダ1内の伸側油室R1と圧側油室R2との連通を阻止することになり、したがって、シリンダ本体Cの伸縮を阻止して棒状体になり、スタビライザ機能を発現させることになる。
【0056】
ちなみに、この開閉弁Vは、具体的な実施形態にあっては、図示するように、ピストン1に配在されるのではなく、図示しないが、このピストン1に連設されるピストンロッド56に、特に、ピストン1を連設させるピストンロッド56における先端部あるいは先端近傍部に配在されてもよい。
【0057】
また、この開閉弁Vに外部から供給されるパイロット信号についてであるが、図示するところでは、空圧あるいは油圧などの圧力とされているが、これに代えて、図示しないが、開閉弁Vがソレノイドを有していて、パイロット信号がこのソレノイドを励磁する電力とされても良く、この場合には、パイロット信号は、車両に装備された加速度センサなどから入力されても良い。
【0058】
そして、上述の開閉弁Vと圧側油室の間には絞り弁V4と圧側油室から開閉弁への作動油のみの流れを許容する第3の逆止弁たる逆止弁V5が配在されている。
【0059】
したがって、開閉弁Vが連通ポジションV2にあるときは、ピストンロッド56がシリンダ5内に侵入する収縮時には、作動油が、圧側油室R2から伸側油室R1に向って移動するが、このとき、作動油は上記絞り弁V4に優先して逆止弁V5を開き、開閉弁Vに向って移動するから、ロックシリンダ収縮時の作動抵抗は、作動油が開閉弁を通過する時の流れ抵抗のみにより決せられる。
【0060】
逆に、ピストンロッド56がシリンダ5から突出する伸長時では、作動油は伸側油室R1から圧側油室R2へ向って移動し、先ず開閉弁Vを通過し、片方の油路は逆止弁V5で遮断されているので、優先的に絞り弁V4を通過する。
【0061】
したがって、この場合には、ロックシリンダ伸長時の作動抵抗は作動油が開閉弁Vと絞り弁V4を通過する時の流れ抵抗により決せられることとなる。
【0062】
ここで、ロックシリンダを伸縮させるのに同じ力入力しても、伸側油室に面するピストンの受圧面積はピストンロッドの断面積の分、圧側油室に面するピストンの受圧面積より小さく、また、ピストンロッドの体積分が影響するためロックシリンダが伸長するときの開閉弁を通過する作動油量と収縮するときの開閉弁を通過する作動油量は異なるので、単一の開閉弁だけ、すなわち、開閉弁油路面積が一定ではロックシリンダの収縮時と伸長時の作動抵抗が異なることになるが、絞り弁V4を配在し、かつ、絞り弁V4に起因する流れ抵抗を適当なものとし、ロックシリンダの収縮時と圧縮時の作動抵抗を同一にしているから、車両のサスペンションの動きが左右同一となり、車両走行時の操縦性、安定性ひいては乗り心地を向上することができる。
【0063】
さらに、絞り弁と第3の逆止弁を設けるだけでロックシリンダの収縮時と圧縮時の作動抵抗の差異をなくするようにできるので、開閉弁を大型化することによるロックシリンダの外径の大型化や、ピストンの両側にピストンロッドを設けることによるロックシリンダの基本長が長くなる弊害を防止でき、その結果、車両への搭載性が確保される。
【0064】
ここで、ロックシリンダの収縮時と伸長時との作動抵抗を同一とするには、絞り弁V4の流路面積を、伸長側受圧面積を収縮側受圧面積で除したものの3乗に開閉弁の流路面積を乗じたものとすればよい。
【0065】
さらに、上記のシリンダ本体C1にあっては、シリンダ5がこのシリンダ5に形成されてシリンダ5内とリザーバRとの連通を可能にしながらシリンダ5内でピストン1が中立位置にあるときにこのピストン1が隙間を形成して対向する連通孔6を有している。
【0066】
このとき、図示するところでは、ピストン1がその外周に介装されてシリンダ5の内周に摺接するシールリング59を有すると共に、このシールリング59における図中で上下方向となるピストン1の摺動方向となる有効幅がシリンダ5に形成の連通孔6の径よりも小さくなるように設定されている。
【0067】
それゆえ、シリンダ本体C1にあっては、ピストン3がシリンダ5内で中立位置にあるときには、シリンダ5内の伸側油室R1および圧側油室R2が連通孔6を介してリザーバRと連通する状態になる。
【0068】
そして、シリンダ5内をピストン1が摺動する状況になると、シールリング59が連通孔6に対向し得なくなるまでピストン1がシリンダ5内を摺動し得ることになる。
【0069】
そしてまた、シールリング59が連通孔6に対向し得なくなると、伸側油室R1あるいは圧側油室R2の油がリザーバRに流出し得なくなって、シリンダ本体C1が伸縮作動し得なくなり、このとき、シリンダロック状態を呈することになる。
【0070】
ちなみに、上記の連通孔6は、シリンダ5の内周に形成された環状溝6bに連通するとし、このとき、ピストン1の外周に介装のシールリング59の有効幅に対して、この環状溝6bにおける図中の上下方向たるシリンダ5の軸方向となる有効幅の方が大きくなるように設定されてなるとしても良い。
【0071】
これによって、上記したピストン1がシリンダ5内で中立位置にあるときの伸側油室R1および圧側油室R2の連通孔6を介してのリザーバRへの連通性が改善されることになる。
【0072】
そして、連通孔6を環状溝6bに連通させる場合には、連通孔6の径を小さく設定でき、したがって、シリンダ1における機械的強度をいたずらに低下させないことが可能になる。
【0073】
そしてまた、連通孔6の径を小さく設定する場合には、この連通孔6にオリフィス機能を具有させることが可能になり、したがって、シリンダ5内の伸側油室R1および圧側油室R2とリザーバ室Rとの間を往復する油の流速を制御することが可能になる。
【0074】
以上のように形成されたシリンダ本体C1にあっては、上記したように、開閉弁Vを開放作動させることで、自在に伸縮作動し得る一方で、開閉弁Vを開放作動させないことで、ピストン1がシリンダ5内の連通孔6のある位置で、その伸縮作動を抑制し得ることになり、したがって、開閉弁Vの切換制御でこのシリンダ本体C1が連繋されるスタビライザにおけるスタビライザ機能の死活を制御できることになる。
【0075】
つづいて、第2の実施の形態について説明する。
【0076】
第2の実施の形態におけるロックシリンダの基本構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるが、より具体的に本発明をロックシリンダに具現化したものである。
【0077】
第2の実施の形態におけるロックシリンダは、図1に示すロックシリンダに対応する具体的な実施の形態を図4に示し、以下には、これを詳細に説明する。
【0078】
このロックシリンダAは、上下のボールスタッドB1,B2を介して車体側とスタビライザ側に接続されている。
【0079】
このロックシリンダAは、シリンダ本体C2と、シリンダ本体C2を伸縮制御する制御機構とからなっている。
【0080】
シリンダ本体C2は、シリンダ35と、シリンダ35内にピストン39を介して移動自在に挿入したピストンロッド40と、シリンダ35内にピストン39で区画された伸側油室R1及び圧側油室R2と、シリンダ1に形成されてピストン39を介して上記伸側油室R1と圧側油室R2とに選択的に開閉される連通孔35aとを有してなるとしている。
【0081】
制御機構は、上記伸側油室R1と圧側油室R2とを連通又は遮断する開閉弁Vと、上記連通孔35aに接続されたリザ―バRと、リザーバRと上記伸側油室R1との間及びリザーバRと圧側油室R2との間にそれぞれ設けられてリザーバRからの作動油のみの流れを許容する第1,第2の逆止弁32,37とを備えている。
【0082】
この場合、上記開閉弁Vをピストンロッド40内に設け、上記リザーバRをシリンダ35の外側に配設した外筒34と、シリンダ35の外側であって外筒34の内側に配設した孔33aを有する中間筒33の間に設け、上記第1の逆止弁32をシリンダ35のヘッド部材31内に設け、上記第2の逆止弁37をシリンダ35のボトム部材38内に設けている。
【0083】
したがって、第1の実施形態と同様に、中間筒33とシリンダ35との間に形成された通路L1には、リザーバRからのガスが混入している危惧の無い作動油が孔33aを介して流通することとなり、伸側油室R1あるいは圧側油室R2にガス混じりの作動油が流入する不具合を排除し得ることとなる。
【0084】
ピストンロッド40は、スイベルト継手20を介して上方のボールスタッドB1に接続され、このスイベルト継手20は、ピストンロッド40外周に配置したブーツ23を支持するプレート22をピストンロッド40と協働して挟持している。
【0085】
ピストンロッド40内の開閉弁Vは、第1の油路たる油路41を開閉するポペット型の弁体とスプリングV1とからなり、この弁体はピストンロッド40内に上下移動自在に挿入したコントロールロッド24に当接している。
【0086】
コントロールロッド24の上端は、ピストンロッド40の上端内に移動自在に挿入したスプール25に結合し、このスプール25の上端圧力室21にはスイベルト継手20に設けたポート27と空または油路28が連通している。
【0087】
この為ポート27に外部から空圧又は油圧を供給するとスプール25とコントロールロッド24が下降し、弁体が油路41を開き、上記圧力の供給を停止するとスプリングV1の復元力で弁体が戻って油路41を閉じる。
【0088】
第1,第2の逆止弁32,37は、図4に示すように、それぞれヘッド部材31とボトム部材38に形成した油路29,36の口端を開閉するノンリタンバルブ(付示せず)と、ノンリタンバルブを閉じ方向に附勢するリーフスプリング(付示せず)と、リーフスプリングを支持するストッパ部材(付示せず)とで構成されている。
【0089】
他方、絞り弁と第3の逆止弁VAは、ピストンロッド40の先端に設けられており、上述した開閉弁に接続されている。
【0090】
具体的には、絞り弁と第3の逆止弁VAは、図2に示すように、ピストンロッド40にピストン39を固定するピストンナット42に着脱自在に螺合された中空なバルブボディ2と、バルブボディ2内に設けられた弁座2cと、中央に絞り弁10aを設けた円盤状の弁体10と、上記バルブボディ2内の弁座2cよりピストンロッド40側でバルブボディ2内に固定された円盤状で複数の孔4aを有するストッパ4と、弁座2cに弁体10が当接するように弁体10を付勢する、ストッパ4と弁体10との間に介装されたバネ9とで第3の逆止弁と第2の油路が構成される。
【0091】
以下、詳細に説明すると、バルブボディ2は、有底筒状に形成されており、筒部2eと、底部2gと、筒部2eの内周に設けた溝2aと、筒部2e内に設けられたストッパ保持用の段部2fと、段部2fと底部2g間に設けられた油路を形成する切欠2bと、底部2gの中央に設けられた孔2hと、上記底部2gの孔2h近傍で筒部2e側に設けられた弁座2cと、六角レンチ挿入用のソケット2dとで構成されている。
【0092】
第2の油路は、この場合、六角レンチ挿入用のソケット2dと孔2hと筒部2eとで形成される。
【0093】
ストッパ4は、円盤状で、円盤の軸方向に貫通する複数の孔4aが設けられ、円盤の中央には突起部4bが設けられ、その外径は筒部2eの内径内に挿入可能な径とされている。
【0094】
弁体10には、中央に絞り弁10aが設けられている。絞り弁10aの口径は、第1の実施の形態で説明したように、流路面積が絞り弁V4の流路面積を、伸長側受圧面積を収縮側受圧面積で除したものの3乗に開閉弁の流路面積を乗じたものとなるように設定すればよい。
【0095】
そして、ストッパ4は、上記バルブボディ2の筒部2e内に上記突起部4bを弁座側に向けて挿入されると、上記筒部2eの溝2a内にストップリング3を嵌合させることにより、上記段部2fと、ストップリング3とで挟持されて、バルブボディ2内に固定される。なお、ストッパ4をバルブボディ2内に固定する方法としては、上記方法以外にも、螺合等の他の慣用されている方法を使用してもよい。
【0096】
さらに、弁体10は、上記ストッパ4と弁座2c間に挿入されており、バネ9により弁座2cに向けて付勢されている。このとき、上述した突起部4bはバネ9のセンタリングとしての役割を果たしている。
【0097】
また、弁体10は、バルブボディ2内に挿入することから、筒部2eの切欠2bを設けている部分の内周より小さく設定されているが、切欠2bを設けているから、充分油路が確保されているので、上記内周と摺接させても良く、切欠2bを設けることにより、弁体10の外径を大きくしても油路が確保できるとともに、弁体10の横ズレが防止されるので、弁体10と弁座2cとの間に隙間ができることが防止できる。
【0098】
すなわち、切欠2bを設けずに油路を確保しようとして、弁体10の外径が小さくしすぎると、弁体10が図中横方向にずれて弁座2cと弁体10との間に隙間ができてしまう可能性があるので、切欠2bを設けない場合には、弁体10外径は、上記の横ズレが発生しても隙間ができない程度の大きさとすることが好ましい。
【0099】
上記の構成により、絞り弁は第2油路を通過する作動油に対し常に作用するが、第3の逆止弁は、図中下方からの作動油の流れのみ許容しているので、第2の油路内に絞り弁と第3の逆止弁が並列に設けられていることとなる。
【0100】
さらに、底部2gの外周には、螺子切りがしてあり、これにより図4に示すようにピストンナット42のナット部分にバルブボディ2がソケット2dを利用して螺合される。
【0101】
そうすると、図4に示すように、バルブボディ2は、図中上方にある開閉弁Vに直列に接続されることとなり、油路41と第2の油路たるソケット2dと孔2hと筒部2eとで伸側油室と圧側油室が連通される。また、このとき、開閉弁VのバルブボディVCをピストンロッド40側へ向けて押し込むこととなるので、バルブボディ2はバルブボディVCがピストンロッド40から脱落してしまうことをも防止している。
【0102】
次に、上記構成のロックシリンダの作用について説明する。
【0103】
まず、ロックシリンダAの収縮時ついて、説明すると、開閉弁Vを連通ポジションV2にした場合、圧側油室R2にある作動油はバルブボディ2のソケット2dおよび孔2hを通過し弁体10方向に向う。
【0104】
そして、弁体10を油圧で、バネ9のバネ力に抗してストッパ4側に向けて押しこむ。すると、弁体10と弁座2cとの間に隙間ができることとなる。
【0105】
作動油は、流路抵抗の大きい絞り弁10aに優先して、流路抵抗の小さい弁体10と弁座2cの隙間および切欠2bを通じて、バルブボディ2内に入り込み、さらに、その上方に配在された開閉弁Vを通過して、伸側油室R1へと移動することとなる。
【0106】
すなわち、この際のロックシリンダの作動抵抗は、作動油が略開閉弁Vを通過するときの流れ抵抗により決せられる。
【0107】
逆に、ロックシリンダAの伸長時では、開閉弁Vを連通ポジションV2にした場合、伸側油室R1にある作動油は、先ず開閉弁Vを通過してバルブボディ2内に向う。
【0108】
そして、こんどは、作動油が、弁体10を油圧で弁座2cへと押し付けるので、弁体10と弁座2cの間に隙間はできない。
【0109】
したがって、作動油は、絞り弁10aを通過して、圧側油室R2へと移動することとなる。
【0110】
すなわち、この場合には、弁体10と弁座2cとで、伸側油室R1から圧側油室R2への作動油の移動を遮断する逆止弁としての機能を発揮し、この際のロックシリンダの作動抵抗は、作動油が略開閉弁Vと絞り弁10aを通過するときの流れ抵抗により決せられる。
【0111】
そして、上記ロックシリンダの作動抵抗は、上述の通り、収縮時と伸長時の流れ抵抗により決せられるが、伸長時にしか効かない絞り弁10aの流路面積を、上述のように適当なものとすることにより、収縮時と圧縮時のロックシリンダの作動抵抗を同一とすることができる。
【0112】
したがって、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0113】
さらに、上記構成により、絞り弁と第3の逆止弁を一体化したので、既存のロックシリンダにこの一体化した絞り弁と逆止弁を簡単に取付けることができるという効果もある。
【0114】
つづいて、第3の実施の形態について説明する。
【0115】
第3の実施の形態は、やはり第2の実施の形態で説明したロックシリンダAに具現化されており、説明の都合上、図4のロックシリンダAについての詳細は省略する。
【0116】
したがって、第2の実施の形態と異なる部分、すなわち、絞り弁と第3の逆止弁について説明する。
【0117】
第3の実施の形態における絞り弁と第3の逆止弁VBは、図3に示すように、ピストンロッド40にピストン39を固定するピストンナット42に着脱自在に螺合された中空なバルブボディ13と、バルブボディ13内に設けられた弁座13cと、中央に絞り弁14aを設けた円盤状の弁体14と、上記バルブボディ13内の弁座13cよりピストンロッド40側でバルブボディ13内に固定された円盤状で複数の孔4aを有するストッパ4と、弁座13cに弁体14が当接するように弁体14を付勢する、ストッパ4と弁体14との間に介装されたバネ9とで第3の逆止弁が構成される。
【0118】
以下、詳細に説明すると、バルブボディ13は、有底筒状に形成されており、筒部13eと、底部13gと、筒部13eの内周に設けた溝13aと、筒部13e内に設けられたストッパ保持用の段部13fと、底部13gの中央に設けられた孔13hと、上記底部13gの孔13h近傍で筒部13e側に設けられた弁座13cと、六角レンチ挿入用のソケット13dとで構成されている。
【0119】
第2の油路は、この場合、六角レンチ挿入用のソケット13dと孔13hと筒部13eとで形成される。
【0120】
ストッパ4は、第2の実施の形態同様に、円盤状で、円盤の軸方向に貫通する複数の孔4aが設けられ、円盤の中央には突起部4bが設けられ、その外径は筒部13eの内径内に挿入可能な径とされている。
【0121】
弁体14には、円盤状で、中央に絞り弁14aが設けられるとともに、その外周に切欠14bが設けられている。絞り弁14aの口径は、第1の実施の形態で説明したように、流路面積が絞り弁V4の流路面積を、伸長側受圧面積を収縮側受圧面積で除したものの3乗に開閉弁の流路面積を乗じたものとなるように設定すればよい。
【0122】
そして、ストッパ4は、上記バルブボディ13の筒部13e内に上記突起部4bを弁座側に向けて挿入されると、上記筒部13eの溝13a内にストップリング3を嵌合させることにより、上記段部13fと、ストップリング3とで挟持されて、バルブボディ13内に固定される。なお、ストッパ4をバルブボディ13内に固定する方法としては、上記方法以外にも、螺合等の他の慣用されている方法を使用してもよい。
【0123】
さらに、弁体14は、上記ストッパ4と弁座13c間に挿入されており、バネ9により弁座13cに向けて付勢されている。このとき、上述した突起部4bはバネ9のセンタリングとしての役割を果たしている。
【0124】
また、弁体14は、バルブボディ13内に挿入することから、筒部13eの段部13fから底部13gにかけての内周より小さく設定されているが、弁体14に切欠14bを設けているから、充分油路が確保されているので、上記内周と摺接させても良く、切欠14bを設けることにより、弁体14の外径を大きくしても湯路が確保できるとともに、弁体14の横ズレが防止されるので、弁体14と弁座13cとの間に隙間ができることが防止できる。
【0125】
すなわち、切欠14bを設けずに油路を確保しようとして、弁体14の外径が小さくしすぎると、弁体14が図中横方向にずれ、弁座13cと弁体14との間に隙間ができてしまう可能性があるので、切欠14bを設けない場合には、弁体14外径は、上記の横ズレが発生しても隙間ができない程度の大きさとすることが好ましい。
【0126】
第3の実施の形態においても、絞り弁は第2油路を通過する作動油に対し常に作用するが、第3の逆止弁は、図中下方からの作動油の流れのみ許容しているので、第2の油路内に絞り弁と第3の逆止弁が並列に設けられていることとなる。
【0127】
さらに、底部13gの外周には、螺子切りがしてあり、これにより図4に示すようにピストンナット42のナット部分にバルブボディ13がソケット13dを利用して螺合される。
【0128】
そうすると、図4に示すように、バルブボディ13は、図中上方にある開閉弁Vに直列に接続されることとなり、また、このとき、開閉弁VのバルブボディVCをピストンロッド40側へ向けて押し込むこととなるので、バルブボディ13はバルブボディVCがピストンロッド40から脱落してしまうことをも防止している。つまり、第3の実施の形態のロックシリンダAでは、第2の実施の形態の絞り弁と逆止弁VAを絞り弁と逆止弁VBに置き換えたものとなる。
【0129】
次に、上記構成のロックシリンダAの作用について説明する。
【0130】
まず、ロックシリンダAの収縮時ついて、説明すると、開閉弁Vを連通ポジションV2にした場合、圧側油室R2にある作動油はバルブボディ13のソケット13dおよび孔13hを通過し弁体14方向に向う。
【0131】
そして、弁体14を油圧で、バネ9のバネ力に抗してストッパ4側に向けて押しこむ。すると、弁体14と弁座13cとの間に隙間ができることとなる。
【0132】
作動油は、流路抵抗の大きい絞り弁14aに優先して、流路抵抗の小さい弁体14と弁座13cの隙間および切欠14bを通じて、バルブボディ13内に入り込み、さらに、その上方に配在された開閉弁Vを通過して、伸側油室R1へと移動することとなる。
【0133】
すなわち、この際のロックシリンダの作動抵抗は、作動油が略開閉弁Vを通過するときの流れ抵抗により決せられる。
【0134】
逆に、ロックシリンダAの伸長時では、開閉弁Vを連通ポジションV2にした場合、伸側油室R1にある作動油は、先ず開閉弁Vを通過してバルブボディ13内に向う。
【0135】
そして、こんどは、作動油が、弁体14を油圧で弁座13cへと押し付けるので、弁体14と弁座13cの間に隙間はできない。
【0136】
したがって、作動油は、絞り弁14aを通過して、圧側油室R2へと移動することとなる。
【0137】
すなわち、この場合には、弁体14と弁座13cとで、伸側油室から圧側油室への作動油の移動を遮断する逆止弁としての機能を発揮し、この際のロックシリンダの作動抵抗は、作動油が略開閉弁Vと絞り弁14aを通過するときの流路抵抗により決せられる。
【0138】
上記ロックシリンダの作動抵抗は、上述の通り、収縮時と伸長時の作動油の流れ抵抗により決せられるが、伸長時にしか効かない絞り弁14aの流路面積を、上述のように適当なものとすることにより、収縮時と圧縮時のロックシリンダの作動抵抗を同一とすることができる。
【0139】
したがって、第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0140】
さらに、上記構成により、絞り弁と第3の逆止弁を一体化したので、既存のロックシリンダにこの一体化した絞り弁と逆止弁を簡単に取付けることができるという効果もある。
【0141】
【発明の効果】
各請求項によれば、開閉弁と圧側油室の間に、絞り弁と、圧側油室から開閉弁への作動油のみの流れを許容する第3の逆止弁とを、並列に備え、圧側油室から伸側油室へ向う作動油が上記開閉弁および絞り弁を通過するときの流れ抵抗が、伸側油室から圧側油室へ向う作動油が上記逆止弁および開閉弁を通過するときの流れ抵抗と同一に調整し、ロックシリンダの収縮時と伸長時の作動抵抗を同一としたので、車両のサスペンションの動きが左右同一となり、車両走行時の操縦性、安定性ひいては乗り心地を向上することができる。
【0142】
さらに、絞り弁と第3の逆止弁を設けるだけでロックシリンダの収縮時と圧縮時の作動抵抗の差異をなくするようにできるので、開閉弁を大型化することによるロックシリンダの外径の大型化や、ピストンの両側にピストンロッドを設けることによるロックシリンダの基本長が長くなる弊害を防止でき、その結果、車両への搭載性が確保される。
【0143】
また、請求項2の発明によれば、開閉弁と絞り弁と第3の逆止弁を、ピストン又はピストンロッド内に設け、上記リザーバをシリンダとシリンダの外側に配設した外筒との間に設けたリザ―バで構成し、上記第1の逆止弁をシリンダのヘッド部材内に設け、上記第2の逆止弁をシリンダのボトム部内に設けたから、シリンダ本体に制御機構を抱かせるようにして一体に形成する場合に比較して、シリンダ本体における外径をいたずらに大きくしなくて済み、車両への塔載性を低下させない。
【0144】
さらに、請求項3、4、5、6および7の発明によれば、絞り弁と第3の逆止弁を一体化したので、既存のロックシリンダにこの一体化した絞り弁と逆止弁を簡単に取付けることができる。
【0145】
また、さらに、請求項5の発明によれば、バルブボディ内壁のストッパと弁座の間に切欠を設けて油路を形成したので、弁体の外径を大きくしても油路が確保できるとともに、弁体の横ズレが防止されるので、弁体と弁座との間に隙間ができることが防止できる。
【0146】
したがって、第3の逆止弁としての機能を維持発揮することが可能である。
【0147】
そして、さらに、請求項6の発明によれば、弁体の外周に切欠を設けて油路を形成したことにより、この場合にも弁体の外径を大きくしても油路が確保できるとともに、弁体の横ズレが防止されるので、弁体と弁座との間に隙間ができることが防止できる。
【0148】
したがって、第3の逆止弁としての機能を維持発揮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態におけるロックシリンダを示す概略縦断面図である。
【図2】第2の実施の形態における絞り弁と逆止弁の縦断面図である。
【図3】第3の実施の形態における絞り弁と逆止弁の縦断面図である。
【図4】具体的な実施の形態におけるロックシリンダの縦断面図である。
【図5】従来のロックシリンダの概略縦断面図である。
【符号の説明】
1、39 ピストン
2、13、VC バルブボディ
2a、13a 溝
2b、14b 切欠
2c、13c 弁座
2d、13d ソケット
2e、13e 筒部
2f、13f 段部
2g、13g 底部
2h、13h 孔
3 ストップリング
4 ストッパ
4a 孔
4b 突起部
5、35 シリンダ
6、35a 連通孔
7、38 ボトム部材
9 バネ
10、14 弁体
10a、14a 絞り弁
32、57 第1の逆止弁
37、58 第2の逆止弁
40、56 ピストンロッド
41 第1の油路たる油路
A ロックシリンダ
C、C1、C2 シリンダ本体
O 油面
R リザーバ
R1 伸側油室
R2 圧側油室
V 開閉弁
V1 附勢バネ
V2 連通ポジション
V3 遮断ポジション
V4 絞り弁
V5 第3の逆止弁
VA、VB 絞り弁と第3の逆止弁

Claims (7)

  1. シリンダ本体と、シリンダ本体を伸縮制御する制御機構とからなり、シリンダ本体はシリンダと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダに形成されてピストンを介して上記伸側油室と圧側油室とに選択的に開閉される連通孔とを有し、制御機構は上記伸側油室と圧側油室とを連通又は遮断する開閉弁と、上記連通孔に接続されたリザーバと、リザーバと上記伸側油室との間及びリザーバと圧側油室との間にそれぞれ設けられてリザーバからの作動油のみの流れを許容する第1、第2の逆止弁とを備えているロックシリンダにおいて、上記開閉弁と圧側油室との間に、絞り弁と、圧側油室から伸側油室へ向う作動油のみの流れを許容する第3の逆止弁とを、並列に設け、ピストンロッドがシリンダ内に侵入するときの作動抵抗とピストンロッドがシリンダ内から退出するときの作動抵抗とを同一にしたことを特徴とするロックシリンダ。
  2. 開閉弁と絞り弁と第3の逆止弁を、ピストン又はピストンロッド内に設け、シリンダとシリンダの外側に配設した外筒との間にリザ―バを設け、上記第1の逆止弁をシリンダのヘッド部材内に設け、上記第2の逆止弁をシリンダのボトム部内に設けたことを特徴とする請求項1に記載のロックシリンダ。
  3. ピストンロッド内に伸側油室と連通する第1の油路を設け、前記第1の油路に上記開閉弁を設けるとともに、ピストンロッド端部に着脱自在に結合される中空なバルブボディ設け、バルブボディ内に上記第1の油路と圧側油室とに連通する第2の油路を設け、前記第2の油路に上記絞り弁と上記第3の逆止弁を並列に設けたことを特徴とする請求項1に記載のロックシリンダ。
  4. バルブボディが、ピストンロッド端部にピストンを固定するピストンナットに着脱自在に螺合されており、上記第2の油路の途中に、弁座と、円盤状で1つまたは複数の孔を有するストッパとを設け、さらに、上記弁座上にオリフィスを備えた円盤状の弁体を着座させ、上記ストッパと弁体との間に当該弁体を弁座側に付勢するバネと介在させ、上記オリフィスを絞り弁として、上記弁体を逆止弁として構成させることを特徴する請求項3に記載のロックシリンダ。
  5. バルブボディ内壁に、上記弁体外周と対向する切欠を設けて油路を形成したことを特徴とする請求項4に記載のロックシリンダ。
  6. 弁体の外周に切欠を設けて油路を形成したことを特徴とする請求項4に記載のロックシリンダ。
  7. シリンダとシリンダの外側に配設した外筒との間にリザ―バを設け、上記第1の逆止弁をシリンダのヘッド部材内に設け、上記第2の逆止弁をシリンダのボトム部内に設けたことを特徴とする請求項3、4、5または6に記載のロックシリンダ。
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