JP2004075923A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、しかも高い難燃性と高い機械的強度を両立させた難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂(A)99〜50重量%、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)1〜50重量%とからなる樹脂組成物100重量部と、表面処理された金属水酸化物(C)50〜300重量部及び有機含窒素系難燃剤(D)1〜30重量部からなる難燃性樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂(A)99〜50重量%、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)1〜50重量%とからなる樹脂組成物100重量部と、表面処理された金属水酸化物(C)50〜300重量部及び有機含窒素系難燃剤(D)1〜30重量部からなる難燃性樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスが発生せず、しかも高い難燃性と高い機械的強度を両立させた難燃性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電線絶縁体、ケーブルシース、電線管、土木養生シート、家電製品部品等に使用される材料には難燃性が求められ、従来、これらの材料にポリオレフィンを用いる場合、ハロゲン含有物を配合して難燃化する方法が一般的に採用されていた。しかし、この方法では、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン化水素ガスが発生する問題が指摘されていた。
【0003】
一方、ポリオレフィンに金属水酸化物を配合し難燃化する方法も提案されている。この方法では、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン化水素ガスの発生は無いものの、所望の難燃性を得るためには、多量の金属水酸化物を配合することが必須であった。そのため組成物の機械的強度が著しく損なわれる問題があった。この問題を解決するため、特開2001−214007号公報には、ポリオレフィンに表面処理されていない金属水酸化物、エチレン−脂肪酸ビニル−ビニルアルコール共重合体を使用することによって高い機械特性を備えた樹脂が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、しかも高い難燃性と高い機械的強度を両立させた難燃性樹脂組成物を提供することを課題とする。本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオレフィン、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体、金属水酸化物、及び有機含窒素系難燃剤からなる樹脂組成物は、金属水酸化物の配合量を低減化しても高い難燃性が維持できることから、高い難燃性と高い機械的強度を両立させた難燃性樹脂組成物が得られることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂(A)、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)、表面処理された金属水酸化物(C)、及び有機含窒素系難燃剤(D)からなる難燃性樹脂組成物である。
【0006】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0007】
本発明で用いる(A)成分のポリオレフィン系樹脂とは、一般的にポリオレフィンと称されているもので良く、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ(4−メチルペンテン)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。本発明では、ポリオレフィン系樹脂(A)として、これら樹脂の1種或いは2種以上を用いる。
【0008】
本発明において、ポリオレフィン系樹脂(A)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)からなる樹脂組成物中99〜50重量%、好ましくは95〜60重量%である。99重量%より多いと難燃性に劣り、逆に50重量%より少ないと組成物の機械的強度が劣る。
【0009】
本発明の(B)成分は、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体であり、下式(1)式で示される。
【0010】
【化1】
(1)式中のR1は炭素数1〜10の炭化水素基で、たとえばメチル基、エチル基等が例示される。本発明において、(1)式におけるl、m及びnは、組成物の機械的強度及び難燃性の面から、l=0.60〜0.95、m=0.01〜0.39、n=0.01〜0.39(但しl+m+n=1.00である。)であることが好ましい。
【0011】
また、(B)成分のエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体の製法は特に限定されないが、例えば、エチレン、脂肪酸ビニルエステル、及びビニルアルコールの各モノマーを共重合する方法、エチレン−脂肪酸ビニルエステル共重合体を鹸化する方法等が挙げられる。その中でも、例えば、東ソー(株)製の商品名メルセンHで代表される様な、エチレン−酢酸ビニル共重合体を鹸化する方法が好ましい例として挙げられる。
【0012】
本発明において、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)とからなる樹脂組成物中1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%である。1重量%より少ないと難燃性に劣り、逆に50重量%より多いと組成物の機械的強度が劣る。
【0013】
本発明で用いられる(C)成分の金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト類、カルシウム・アルミネート水和物、下記(2)式で示される複合水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0014】
Mg1−xMx(OH)2 (2)
(ここでMはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Znから選ばれる1種以上であり、Xは0より大きく0.1以下の値である)
ここで言う複合水酸化マグネシウムとは、前記(2)式中のXが、X>0であり、水酸化マグネシウムとマグネシウム以外の2価金属元素Mの水酸化物との固溶体を言う。MはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Znから選ばれる1種以上であり、金属元素M成分があることで水酸化マグネシウムより高い難燃性が得られる。Xが0.1を越えても、M成分による難燃性向上効果が得られない。該固溶体は、その構造が粒子の全体に広がっている必要はなく、粒子表面のみが固溶体構造となっていてもよい。
【0015】
本発明の金属水酸化物(C)は、表面処理されていなければならない。表面処理されていない金属水酸化物を用いた場合、難燃性に劣り好ましくない。
【0016】
金属水酸化物の表面処理とは、後述する表面処理剤の例として挙げた物質等で,金属水酸化物粒子の表面の一部或いは全部を被覆することをいう。表面処理は、マトリックス樹脂/金属水酸化物界面の相互作用を制御しする働きを有し,その結果として,組成物の難燃性や機械的強度に大きな影響を与えるものである。表面処理剤の例としては、高級脂肪酸(例えば、ステアリン酸、オレイン酸等)、及びそのアルカリ金属塩、アニオン系界面活性剤(例えば、高級アルコールの硫酸エステル等)、リン酸エステル(例えば、オルトリン酸と高級アルコールのエステル類等)、シラン系カップリング剤(例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、チタネート系カップリング剤(例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等)、アルモニウム系カップリング剤(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等)、多価アルコールと脂肪酸のエステル類(グリセリンモノステアレート等)等が挙げられる。
【0017】
本発明の金属水酸化物(C)は、樹脂組成物の機械的強度、(C)成分の分散性の観点から、レーザー回折散乱法で測定した平均2次粒子径で0.2〜6μmのものが好ましい。
【0018】
本発明における金属水酸化物(C)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)とからなる樹脂組成物100重量部に対して50〜300重量部、好ましくは60〜200重量部である。50重量部より少ないと(D)成分の有機含窒素系難燃剤と併用においても難燃性が不十分であり、逆に、300重量部を越えると、組成物の機械的強度が劣り好ましくない。
【0019】
本発明の(D)成分である有機含窒素系難燃剤としては、メラミン、シアヌール酸、シアヌール酸誘導体、イソシアヌール酸、イソシアヌール酸誘導体、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート等のトリアジン化合物や、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、リン酸グアニル尿素等のグアニジン化合物等が例示される。これらのうち、メラミンシアヌレートが特に難燃性の面で好適な例として挙げられる。
【0020】
本発明における有機含窒素系難燃剤(D)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)からなる樹脂組成物100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。1重量部より少ないとエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)との併用においても難燃性が不十分であり、逆に、30重量部を越えると、組成物の機械的強度が低下し好ましくない。
【0021】
本発明の樹脂組成物を製造する方法は特に限定されない。具体的には、押出機、ニーダ、バンバリーミキサー、ロール等による混練方法が例示される。
【0022】
また、本発明では、本発明の趣旨を損なわない限りにおいて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、充填剤、架橋剤、架橋助剤、他の難燃剤等の、他の副資材や添加剤を併用してもよい。
【0023】
更には、本発明の樹脂組成物は、成形後に架橋してもよい。その方法としては、有機過酸化物やアゾ化合物の熱分解によって生成するラジカルを利用する化学架橋、電子線等の電離放射線を照射する電離放射線架橋、有機シラン化合物を用いるシラン架橋等が例示される。
【0024】
本発明の難燃性樹脂組成物は、高い難燃性、機械的強度が必要とされる用途、例えば電線絶縁体、ケーブルシース、電線管、土木養生シート、家電製品部品等に使用される。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例によって説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0026】
実施例及び比較例において以下のものを用いた。
【0027】
ポリオレフィン系樹脂(A)として以下のものを用いた。
(A−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー製、商品名ウルトラセン9B54A、酢酸ビニル含有量=32%、メルトインデックス(MI)=12g/10分)
(A−2)エチレン−エチルアクリレート共重合体(日本ユニカー製、商品名DPDJ6182、エチルアクリレート含有量=15%、MI=1.5g/10分)
(A−3)エチレン−エチルアクリレート共重合体(日本ユニカー製、商品名NUC6620、エチルアクリレート含有量=24%、MI=1.6g/10分)
(A−4)直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー製、商品名ニポロンZF220、MI=2.0g/10分)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー製、商品名ウルトラセン635、酢酸ビニル含有量=25%、MI=2.4g/10分)とを、重量比で50/50にブレンドした樹脂
エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)として以下のものを用いた。
(B−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.869、m=0.088、n=0.043である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6210)
(B−2)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.851、m=0.065、n=0.084である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6410)
(B−3)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.817、m=0.021、n=0.162である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6820)
(B−4)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.695、m=0.017、n=0.288である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6960)
(B−5)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.801、m=0.01、n=0.198である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6051)
金属水酸化物(C)として以下のものを用いた。
(C−1)ステアリン酸で表面処理された水酸化マグネシウム(協和化学製、商品名キスマ5A)
(C−2)ステアリン酸で表面処理された複合水酸化マグネシウム(ティーエムジー製、商品名ファインマグSN−T、Ni固溶体の複合金属水酸化マグネシウムMg0.98Ni0.02(OH)2)
(C−3)表面処理されていない水酸化マグネシウム(協和化学製、商品名キスマ5)
有機含窒素系難燃剤(D)として以下のものを用いた。
(D−1)メラミンシアヌレート(日産化学製、商品名MC440)
(D−2)リン酸グアニル尿素(三和ケミカル製、商品名アピノン404)
各評価は次の様に行った。
【0028】
「引張試験」
機器電線評価では、引張試験用の試料をJIS K7113の2号型ダンベルで打ち抜いた後、装置名テンシロンUTM−2.5TPL(東洋ボールドウィン社製)を用いて、500mm/minにて引張試験を行い、UL subject758に基づき、引張強度が10MPa以上であるものを合格とした。また、自動車電線評価では、同様の引張試験を行い、JASO D611に基づき、引張強度が15.7MPa以上であるものを合格とした。
【0029】
「VW−1燃焼試験」
UL1581に準じて、5本の試料で試験を行った。各試料の燃焼時間が60秒未満でかつクラフト紙が燃焼による損傷のないものを合格とした。
「JASO D611燃焼試験」
JASO D611に準じて、五本の試料で試験を行った。各試料の燃焼時間が15秒以内であるものを合格とした。
【0030】
実施例1
表1に示す配合に従い、各成分を170℃に加熱した加圧ニーダに投入し,10分間混練した。混練物をロールで圧延しシート状にし、これをシートペレタイザーで裁断して、ペレット状の組成物を調整した。このペレット状の組成物を電線成形用のダイスを装着した20mm単軸押出機に投入し、外径0.5mmの芯線に0.4mmの厚みで組成物を被覆し、電線を成形した。成形温度は180℃で行った。また前記シート状の組成物を180℃に加熱したプレス成形機で5分間プレスし、厚み0.5mmのシートを成形した。この0.5mmのシートに100kGyの照射線量で電子線を照射し、これを引張試験用の試料とした。次いで、これら電線、引張試験用の試料を用いてVW−1燃焼試験と引張試験を行った。その結果を表1に併せて示した。
【0031】
【表1】
表1から明らかな様に、本発明の組成物は、VW−1燃焼試験は合格であり、また引張強度も、UL subject758で判定し、10MPa以上で合格であった。
【0032】
実施例2〜14
表1に示す配合で組成物を調整した以外は、実施例1と同様に電線を成形し引張試験用の試料を作製した。次いで実施例1と同様にVW−1燃焼試験と引張試験を行った。その結果を表1に併せて示した。
【0033】
(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分は、本特許請求の範囲内にあり、VW−1燃焼試験はいずれも合格であり、また引張強度も、UL subject758で判定し、いずれも10MPa以上で合格であった。
【0034】
比較例1〜10
表2に示す配合で組成物を調整した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表2に併せて示した。
【0035】
【表2】
ポリオレフィン系樹脂(A)と金属水酸化物(C)からなるものは、引張強度がUL subject758で判定し合格となるものは、VW−1燃焼試験が不合格であり、逆に、VW−1燃焼試験が合格のものは、引張強度がUL subject758で判定し不合格となった(比較例1,2)。エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)が配合されていないものは、(D)成分を増量してもVW−1燃焼試験が不合格であった(比較例3,4)。(D)成分が配合されていないものは、(B)成分を増量しても、VW−1燃焼試験が不合格であった(比較例5,6)。更に、(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分の配合量が、本特許請求の範囲外にある場合は、引張強度は10MPa未満で、UL subject758で判定し不合格であった(比較例7〜9)。また、表面処理されていない(C)成分を用いた場合、VW−1燃焼試験が不合格であった(比較例10)。
【0036】
実施例15〜17
表3に示す配合で、実施例1と同様の方法でペレット状の組成物を調整した。このペレット状組成物を用いて、外径0.8mmの芯線に0.5mmの厚みで組成物を被覆し、電線を成形した。また実施例1と同様の条件で厚み0.5mmのシートを成形し、この0.5mmのシートをそのまま引張試験用の試料とした。次いで、これら電線、引張試験用の試料を用いてJASO D611燃焼試験と引張試験を行った。その結果を表3に併せて示した。
【0037】
【表3】
(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分は、本特許請求の範囲内にあり、JASO D611燃焼試験はいずれも合格であり、また引張強度も、JASO
D611で判定し、いずれも15.7MPa以上で合格であった。
【0038】
比較例11〜17
表4に示す配合で組成物を調整した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表4に併せて示した。
【0039】
【表4】
ポリオレフィン系樹脂(A)と金属水酸化物(C)からなるものは、引張強度がJASO D611で判定し合格となるものは、JASO D611燃焼試験が不合格であり、逆に、JASO D611燃焼試験が合格のものは、引張強度がJASO D611で判定し不合格となった(比較例11,12)。また、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)が配合されていないものは、(C)成分を増量しても、JASO D611燃焼試験が不合格であった(比較例13,14)。(D)成分が配合されていないものは、(C)成分を増量しても、JASO D611燃焼試験が不合格であった(比較例15,16)。更に、金属水酸化物(C)の配合量が、本特許請求の範囲外にある場合は、JASO D611燃焼試験が不合格であった(比較例17)。
【0040】
【発明の効果】
以上、示された様に本発明のポリオレフィン系樹脂(A)、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)、金属水酸化物(C)及び有機含窒素系難燃剤(D)からなる難燃性樹脂組成物は、高い難燃性と高い機械的強度を両立させた難燃性樹脂組成物を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は,成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスが発生せず、しかも高い難燃性と高い機械的強度を両立させた難燃性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電線絶縁体、ケーブルシース、電線管、土木養生シート、家電製品部品等に使用される材料には難燃性が求められ、従来、これらの材料にポリオレフィンを用いる場合、ハロゲン含有物を配合して難燃化する方法が一般的に採用されていた。しかし、この方法では、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン化水素ガスが発生する問題が指摘されていた。
【0003】
一方、ポリオレフィンに金属水酸化物を配合し難燃化する方法も提案されている。この方法では、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン化水素ガスの発生は無いものの、所望の難燃性を得るためには、多量の金属水酸化物を配合することが必須であった。そのため組成物の機械的強度が著しく損なわれる問題があった。この問題を解決するため、特開2001−214007号公報には、ポリオレフィンに表面処理されていない金属水酸化物、エチレン−脂肪酸ビニル−ビニルアルコール共重合体を使用することによって高い機械特性を備えた樹脂が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形加工時或いは燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、しかも高い難燃性と高い機械的強度を両立させた難燃性樹脂組成物を提供することを課題とする。本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオレフィン、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体、金属水酸化物、及び有機含窒素系難燃剤からなる樹脂組成物は、金属水酸化物の配合量を低減化しても高い難燃性が維持できることから、高い難燃性と高い機械的強度を両立させた難燃性樹脂組成物が得られることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂(A)、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)、表面処理された金属水酸化物(C)、及び有機含窒素系難燃剤(D)からなる難燃性樹脂組成物である。
【0006】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0007】
本発明で用いる(A)成分のポリオレフィン系樹脂とは、一般的にポリオレフィンと称されているもので良く、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ(4−メチルペンテン)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。本発明では、ポリオレフィン系樹脂(A)として、これら樹脂の1種或いは2種以上を用いる。
【0008】
本発明において、ポリオレフィン系樹脂(A)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)からなる樹脂組成物中99〜50重量%、好ましくは95〜60重量%である。99重量%より多いと難燃性に劣り、逆に50重量%より少ないと組成物の機械的強度が劣る。
【0009】
本発明の(B)成分は、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体であり、下式(1)式で示される。
【0010】
【化1】
(1)式中のR1は炭素数1〜10の炭化水素基で、たとえばメチル基、エチル基等が例示される。本発明において、(1)式におけるl、m及びnは、組成物の機械的強度及び難燃性の面から、l=0.60〜0.95、m=0.01〜0.39、n=0.01〜0.39(但しl+m+n=1.00である。)であることが好ましい。
【0011】
また、(B)成分のエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体の製法は特に限定されないが、例えば、エチレン、脂肪酸ビニルエステル、及びビニルアルコールの各モノマーを共重合する方法、エチレン−脂肪酸ビニルエステル共重合体を鹸化する方法等が挙げられる。その中でも、例えば、東ソー(株)製の商品名メルセンHで代表される様な、エチレン−酢酸ビニル共重合体を鹸化する方法が好ましい例として挙げられる。
【0012】
本発明において、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)とからなる樹脂組成物中1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%である。1重量%より少ないと難燃性に劣り、逆に50重量%より多いと組成物の機械的強度が劣る。
【0013】
本発明で用いられる(C)成分の金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト類、カルシウム・アルミネート水和物、下記(2)式で示される複合水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0014】
Mg1−xMx(OH)2 (2)
(ここでMはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Znから選ばれる1種以上であり、Xは0より大きく0.1以下の値である)
ここで言う複合水酸化マグネシウムとは、前記(2)式中のXが、X>0であり、水酸化マグネシウムとマグネシウム以外の2価金属元素Mの水酸化物との固溶体を言う。MはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Znから選ばれる1種以上であり、金属元素M成分があることで水酸化マグネシウムより高い難燃性が得られる。Xが0.1を越えても、M成分による難燃性向上効果が得られない。該固溶体は、その構造が粒子の全体に広がっている必要はなく、粒子表面のみが固溶体構造となっていてもよい。
【0015】
本発明の金属水酸化物(C)は、表面処理されていなければならない。表面処理されていない金属水酸化物を用いた場合、難燃性に劣り好ましくない。
【0016】
金属水酸化物の表面処理とは、後述する表面処理剤の例として挙げた物質等で,金属水酸化物粒子の表面の一部或いは全部を被覆することをいう。表面処理は、マトリックス樹脂/金属水酸化物界面の相互作用を制御しする働きを有し,その結果として,組成物の難燃性や機械的強度に大きな影響を与えるものである。表面処理剤の例としては、高級脂肪酸(例えば、ステアリン酸、オレイン酸等)、及びそのアルカリ金属塩、アニオン系界面活性剤(例えば、高級アルコールの硫酸エステル等)、リン酸エステル(例えば、オルトリン酸と高級アルコールのエステル類等)、シラン系カップリング剤(例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、チタネート系カップリング剤(例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等)、アルモニウム系カップリング剤(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等)、多価アルコールと脂肪酸のエステル類(グリセリンモノステアレート等)等が挙げられる。
【0017】
本発明の金属水酸化物(C)は、樹脂組成物の機械的強度、(C)成分の分散性の観点から、レーザー回折散乱法で測定した平均2次粒子径で0.2〜6μmのものが好ましい。
【0018】
本発明における金属水酸化物(C)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)とからなる樹脂組成物100重量部に対して50〜300重量部、好ましくは60〜200重量部である。50重量部より少ないと(D)成分の有機含窒素系難燃剤と併用においても難燃性が不十分であり、逆に、300重量部を越えると、組成物の機械的強度が劣り好ましくない。
【0019】
本発明の(D)成分である有機含窒素系難燃剤としては、メラミン、シアヌール酸、シアヌール酸誘導体、イソシアヌール酸、イソシアヌール酸誘導体、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート等のトリアジン化合物や、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、リン酸グアニル尿素等のグアニジン化合物等が例示される。これらのうち、メラミンシアヌレートが特に難燃性の面で好適な例として挙げられる。
【0020】
本発明における有機含窒素系難燃剤(D)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)からなる樹脂組成物100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。1重量部より少ないとエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)との併用においても難燃性が不十分であり、逆に、30重量部を越えると、組成物の機械的強度が低下し好ましくない。
【0021】
本発明の樹脂組成物を製造する方法は特に限定されない。具体的には、押出機、ニーダ、バンバリーミキサー、ロール等による混練方法が例示される。
【0022】
また、本発明では、本発明の趣旨を損なわない限りにおいて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、充填剤、架橋剤、架橋助剤、他の難燃剤等の、他の副資材や添加剤を併用してもよい。
【0023】
更には、本発明の樹脂組成物は、成形後に架橋してもよい。その方法としては、有機過酸化物やアゾ化合物の熱分解によって生成するラジカルを利用する化学架橋、電子線等の電離放射線を照射する電離放射線架橋、有機シラン化合物を用いるシラン架橋等が例示される。
【0024】
本発明の難燃性樹脂組成物は、高い難燃性、機械的強度が必要とされる用途、例えば電線絶縁体、ケーブルシース、電線管、土木養生シート、家電製品部品等に使用される。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例によって説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0026】
実施例及び比較例において以下のものを用いた。
【0027】
ポリオレフィン系樹脂(A)として以下のものを用いた。
(A−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー製、商品名ウルトラセン9B54A、酢酸ビニル含有量=32%、メルトインデックス(MI)=12g/10分)
(A−2)エチレン−エチルアクリレート共重合体(日本ユニカー製、商品名DPDJ6182、エチルアクリレート含有量=15%、MI=1.5g/10分)
(A−3)エチレン−エチルアクリレート共重合体(日本ユニカー製、商品名NUC6620、エチルアクリレート含有量=24%、MI=1.6g/10分)
(A−4)直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー製、商品名ニポロンZF220、MI=2.0g/10分)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー製、商品名ウルトラセン635、酢酸ビニル含有量=25%、MI=2.4g/10分)とを、重量比で50/50にブレンドした樹脂
エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)として以下のものを用いた。
(B−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.869、m=0.088、n=0.043である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6210)
(B−2)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.851、m=0.065、n=0.084である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6410)
(B−3)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.817、m=0.021、n=0.162である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6820)
(B−4)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.695、m=0.017、n=0.288である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6960)
(B−5)エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分鹸化させた、l=0.801、m=0.01、n=0.198である共重合体(東ソー製、商品名メルセンH6051)
金属水酸化物(C)として以下のものを用いた。
(C−1)ステアリン酸で表面処理された水酸化マグネシウム(協和化学製、商品名キスマ5A)
(C−2)ステアリン酸で表面処理された複合水酸化マグネシウム(ティーエムジー製、商品名ファインマグSN−T、Ni固溶体の複合金属水酸化マグネシウムMg0.98Ni0.02(OH)2)
(C−3)表面処理されていない水酸化マグネシウム(協和化学製、商品名キスマ5)
有機含窒素系難燃剤(D)として以下のものを用いた。
(D−1)メラミンシアヌレート(日産化学製、商品名MC440)
(D−2)リン酸グアニル尿素(三和ケミカル製、商品名アピノン404)
各評価は次の様に行った。
【0028】
「引張試験」
機器電線評価では、引張試験用の試料をJIS K7113の2号型ダンベルで打ち抜いた後、装置名テンシロンUTM−2.5TPL(東洋ボールドウィン社製)を用いて、500mm/minにて引張試験を行い、UL subject758に基づき、引張強度が10MPa以上であるものを合格とした。また、自動車電線評価では、同様の引張試験を行い、JASO D611に基づき、引張強度が15.7MPa以上であるものを合格とした。
【0029】
「VW−1燃焼試験」
UL1581に準じて、5本の試料で試験を行った。各試料の燃焼時間が60秒未満でかつクラフト紙が燃焼による損傷のないものを合格とした。
「JASO D611燃焼試験」
JASO D611に準じて、五本の試料で試験を行った。各試料の燃焼時間が15秒以内であるものを合格とした。
【0030】
実施例1
表1に示す配合に従い、各成分を170℃に加熱した加圧ニーダに投入し,10分間混練した。混練物をロールで圧延しシート状にし、これをシートペレタイザーで裁断して、ペレット状の組成物を調整した。このペレット状の組成物を電線成形用のダイスを装着した20mm単軸押出機に投入し、外径0.5mmの芯線に0.4mmの厚みで組成物を被覆し、電線を成形した。成形温度は180℃で行った。また前記シート状の組成物を180℃に加熱したプレス成形機で5分間プレスし、厚み0.5mmのシートを成形した。この0.5mmのシートに100kGyの照射線量で電子線を照射し、これを引張試験用の試料とした。次いで、これら電線、引張試験用の試料を用いてVW−1燃焼試験と引張試験を行った。その結果を表1に併せて示した。
【0031】
【表1】
表1から明らかな様に、本発明の組成物は、VW−1燃焼試験は合格であり、また引張強度も、UL subject758で判定し、10MPa以上で合格であった。
【0032】
実施例2〜14
表1に示す配合で組成物を調整した以外は、実施例1と同様に電線を成形し引張試験用の試料を作製した。次いで実施例1と同様にVW−1燃焼試験と引張試験を行った。その結果を表1に併せて示した。
【0033】
(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分は、本特許請求の範囲内にあり、VW−1燃焼試験はいずれも合格であり、また引張強度も、UL subject758で判定し、いずれも10MPa以上で合格であった。
【0034】
比較例1〜10
表2に示す配合で組成物を調整した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表2に併せて示した。
【0035】
【表2】
ポリオレフィン系樹脂(A)と金属水酸化物(C)からなるものは、引張強度がUL subject758で判定し合格となるものは、VW−1燃焼試験が不合格であり、逆に、VW−1燃焼試験が合格のものは、引張強度がUL subject758で判定し不合格となった(比較例1,2)。エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)が配合されていないものは、(D)成分を増量してもVW−1燃焼試験が不合格であった(比較例3,4)。(D)成分が配合されていないものは、(B)成分を増量しても、VW−1燃焼試験が不合格であった(比較例5,6)。更に、(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分の配合量が、本特許請求の範囲外にある場合は、引張強度は10MPa未満で、UL subject758で判定し不合格であった(比較例7〜9)。また、表面処理されていない(C)成分を用いた場合、VW−1燃焼試験が不合格であった(比較例10)。
【0036】
実施例15〜17
表3に示す配合で、実施例1と同様の方法でペレット状の組成物を調整した。このペレット状組成物を用いて、外径0.8mmの芯線に0.5mmの厚みで組成物を被覆し、電線を成形した。また実施例1と同様の条件で厚み0.5mmのシートを成形し、この0.5mmのシートをそのまま引張試験用の試料とした。次いで、これら電線、引張試験用の試料を用いてJASO D611燃焼試験と引張試験を行った。その結果を表3に併せて示した。
【0037】
【表3】
(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分は、本特許請求の範囲内にあり、JASO D611燃焼試験はいずれも合格であり、また引張強度も、JASO
D611で判定し、いずれも15.7MPa以上で合格であった。
【0038】
比較例11〜17
表4に示す配合で組成物を調整した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表4に併せて示した。
【0039】
【表4】
ポリオレフィン系樹脂(A)と金属水酸化物(C)からなるものは、引張強度がJASO D611で判定し合格となるものは、JASO D611燃焼試験が不合格であり、逆に、JASO D611燃焼試験が合格のものは、引張強度がJASO D611で判定し不合格となった(比較例11,12)。また、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)が配合されていないものは、(C)成分を増量しても、JASO D611燃焼試験が不合格であった(比較例13,14)。(D)成分が配合されていないものは、(C)成分を増量しても、JASO D611燃焼試験が不合格であった(比較例15,16)。更に、金属水酸化物(C)の配合量が、本特許請求の範囲外にある場合は、JASO D611燃焼試験が不合格であった(比較例17)。
【0040】
【発明の効果】
以上、示された様に本発明のポリオレフィン系樹脂(A)、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)、金属水酸化物(C)及び有機含窒素系難燃剤(D)からなる難燃性樹脂組成物は、高い難燃性と高い機械的強度を両立させた難燃性樹脂組成物を提供できる。
Claims (2)
- ポリオレフィン系樹脂(A)99〜50重量%、エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)1〜50重量%とからなる樹脂組成物100重量部と、表面処理された金属水酸化物(C)50〜300重量部及び有機含窒素系難燃剤(D)1〜30重量部とからなる難燃性樹脂組成物。
- (D)の有機含窒素系難燃剤がメラミンシアヌレートであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
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