JP2004075716A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】産業用材料として好適な強度、剛性、耐熱性、靱性に優れ、またウエルド強度保持率、寸法特性、リワーク性、およびバリアー性に優れるポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリアミド樹脂および(B)アパタイト粒子から成るポリアミド樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂中の(B)アパタイト粒子のうち、(B−1)特定の針状の形状を有するアパタイト粒子が0.5〜99.5%、(B−2)特定の板状の形状を有するアパタイト粒子が99.5〜0.5%であるポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、様々な機械工業部品、電気電子部品などの産業用材料として好適な強度、剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、またウエルド強度保持率、寸法特性、およびリワーク性、バリアー性に優れるポリアミド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリアミド樹脂材料の特性を改良あるいは向上させることを目的として、樹脂に無機充填剤を配合することは広く行われている。例えばガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維状充填材、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、ウォラストナイトなどの無機物粒子、あるいは雲母、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母などの層状化合物などの各種無機充填材を樹脂に配合する方法が提案され、またこれらの材料のいくつかは、包装・容器などの汎用的消費分野や、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野などの各種部品などに用いられている。
【0003】
しかしながら、これらの従来技術によると、得られる成型体の強度や剛性がより向上する点では有効であるものの、ガラス繊維や炭素繊維など無機繊維状充填材を用いた場合には、製品の比重が増加したり、製品の表面外観や表面平滑性が低下したり、製品の靱性が低下したりする問題があった。また押出、成形時などに押出機や成形機のシリンダー、スクリュー、金型などの摩耗が生じたり、近年の環境ニーズの高まりにより要求されているリサイクル、リワークによって無機繊維状充填剤の破損により、強度など物性が大きき低下し、再使用できないなどの問題があった。また、雲母、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母などの層状化合物を用いた場合には、成形体のウエルド強度が著しく減少する問題があり、産業用材料として用いることは困難な場合があった。
【0004】
そのため、従来技術とは異なった様々な機械工業部品、電気電子部品などの産業用材料として好適な強度、剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、またウエルド強度保持率、寸法特性、およびリワーク性、バリアー性に優れる、物性バランスのよいポリアミド樹脂組成物が工業的に望まれていた。
上記課題を解決すべく、本発明者らはWO2000−11088号で開示されているように、ポリアミド樹脂と微細なアパタイトからなる樹脂組成物を提案し、靱性を損なうことなく、剛性、強度を向上させたポリアミドを見出した。しかしながら本発明者らの検討の結果、微細なアパタイトの形状が球状であるために、自動車部品、電子電機部品、工業機械部品などの各種部品への応用においては強度、剛性が十分でないということがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決しうる強度、剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、またウエルド強度保持率、寸法特性、およびリワーク性、バリアー性に優れる、ポリアミド樹脂および特定の形状、大きさをもつアパタイトから成るポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂と特定の形状、大きさをもつアパタイトからなるポリアミド樹脂組成物により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.(A)ポリアミド樹脂および(B)アパタイト粒子から成るポリアミド樹脂組成物であって、(B)アパタイト粒子それぞれが(n00)面で成長した結晶であり、(B)アパタイト粒子のうち、(B−1)平均径50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である針状結晶が0.5〜99.5%、(B−2)平均厚み50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である板状結晶が99.5〜0.5%であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
2.(B−1)平均径50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である針状の形状を有するアパタイト粒子、および(B−2)平均厚み50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である板状の形状を有するアパタイト粒子の平均粒子長が、1μm以下であることを特徴とする上記1記載のポリアミド樹脂組成物。
【0008】
3.ポリアミド原料とジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物を含むアパタイト原料を混合し、ポリアミドの重合およびアパタイトの生成を同時に行うことよって得られることを特徴とする上記1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
4.ポリアミド原料とジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、およびフッ素化合物を含むアパタイト原料を混合し、ポリアミドの重合およびアパタイトの生成を同時に行うことよって得られることを特徴とする上記1から3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
5.ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物がポリアミド原料溶液中で合成されることを特徴とする上記1から4のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
【0009】
6.ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、およびフッ素を含むアパタイトの原料の組成が下記一般式で表されることを特徴とする上記1から5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
1.30≦(Ca+X)/P≦2.00
4.0≦(Ca+X)/F≦100
0.70≦Ca/(Ca+X)≦100
(ここで、Xはカルシウム以外の金属元素を表す。)
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる(A)ポリアミド樹脂とは公知のポリアミド樹脂であれば特に限定されない。例えば、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカラクタム(ナイロン11)、ポリドデカラクタム(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMHT)である。
【0011】
また、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(9T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、およびこれらのうち少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合体、およびこれらの混合物などである。
【0012】
これらのポリアミドのうち、製造コストの観点から好ましいポリアミドは、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、およびこれらのうち少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合体、およびこれらの混合物などをあげることができる。
【0013】
上記ポリアミドの原料としては特に限定されるものではなく、公知のアミノ酸、ラクタム、及びジアミンとジカルボン酸とからなる塩及びそのオリゴマーを挙げることができる。
上記ポリアミドの原料には、さらに分子量調節や耐熱水性向上のために末端封止剤を添加することができる。末端封止剤としては、モノカルボン酸又はモノアミンが好ましい。その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを挙げることができる。
【0014】
末端封止剤として使用できるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α―ナフタレンカルボン酸、β―ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸などを挙げることができる。本発明では、これらのモノカルボン酸を1種用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
末端封止剤として使用するモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミンなどを挙げることができる。本発明では、これらのモノアミンを1種用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
前記ポリアミドの製造方法は特に限定されるものではなく、製造方法として一般的である溶融重合法を用いることができ、例えば、バッチ式重合法、連続式重合法をあげることができる。
【0017】
本発明で用いられる(B)アパタイト粒子は下記一般式で表され、かつ、ポリアミド樹脂組成物中に、(B−1)平均径50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である針状の形状のアパタイト粒子および(B−2)平均厚み50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である板状の形状を有するアパタイト粒子である。
(Ca、X)10−z(HPO(PO6−z(Y)2−z・nH
式中、0≦z<1、0≦n≦16であり、(X)はカルシウム以外の金属元素、(Y)は陰イオン又は陰イオン化合物である。Xとしては、元素周期律表の1、2(カルシウムを除く)、3、4、5、6、7、8、11、12、13族元素及びこれらの少なくとも一種とスズ、鉛などとの混合物などが挙げられる。
【0018】
上記アパタイト粒子は、広角X線回折測定を行うと、2θで約25.9、31.7および32.6(度)にピークが観測され、それぞれ(002)、(211)および(300)面に帰属される。
【0019】
また一般的なアパタイトと呼ばれる化合物では、リン(P)とカルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)のモル比((Ca+X)/P)は理論値としては1.67であるが、この理論値からはずれた金属欠陥型またはリン欠陥型アパタイトの存在が知られている。上記金属欠陥型またはリン欠陥型アパタイトは広角X線回折測定によってアパタイトと同様の構造をとることが確認されている。本発明の(B)アパタイト粒子においても、金属欠陥型またはリン欠陥型アパタイトであってもよい。具体的には、((Ca+X)/P)は、好ましくは1.30〜2.00であり、さらに好ましくは1.50〜1.70であり、最も好ましくは1.55〜1.68である。リン(P)とカルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)のモル比は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析を用いて求めることができる。(Ca+X)/P比が上記範囲内であれば、アパタイトの結晶性が低下して、ポリアミド樹脂組成物の機械的特性が低下する傾向を抑えることができる。
【0020】
また一般式中の(Y)で示される陰イオン又は陰イオン化合物としては、水酸イオン(OH)、フッ素イオン(F)、塩素イオン(Cl)などを挙げることができる。これら陰イオン元素又は陰イオン化合物は1種であっても、2種以上であってもよい。また、前記式中のリン酸水素イオン(HPO 2−)、リン酸イオン(PO 3−)、又は(Y)の一部が炭酸イオン(CO 2−)に置換した炭酸含有アパタイトであってもよい。
【0021】
本発明で用いられる(B)アパタイト粒子では、上記一般式のうち、カルシウム以外の金属元素Xとしては、2族元素であるマグネシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、鉄、又はこれらの2種以上からなる混合物があってもかまわない。さらに全金属元素中のカルシウムのモル比Ca/(Ca+X)は0.70以上が好ましく、より好ましくは0.80以上、もっとも好ましくは0.90以上である。上記範囲内であれば、結晶性の良い、微細なアパタイトとなる傾向にある。
【0022】
本発明で用いられる(B)アパタイト粒子のうち、一般式中の(Y)で示される陰イオン又は陰イオン化合物としては、特に限定されないが、樹脂とのなじみの観点から、水酸アパタイト((Y)が水酸イオン)、フッ素化アパタイト((Y)の一部又は全部がフッ素イオン)、塩素化アパタイト((Y)の一部又は全部が塩素イオン)、炭酸含有水酸アパタイト、炭酸含有フッ素化アパタイト、炭酸含有塩素化アパタイト、さらには、これらの混合物が好ましく、さらに結晶性の良い、微細なアパタイトであるためには、水酸アパタイト((Y)が水酸イオン)、フッ素化アパタイト((Y)の一部又は全部がフッ素イオン)およびこれらの混合物が好ましい。
【0023】
本発明で用いられる(B−1)平均径50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である針状の形状を有するアパタイト粒子とは、その形状が針状、円柱状、六角柱状などの形状をしているものであり、平均径が50nm以下でありかつ平均アスペクト比が5以上のもので有れば特に限定されない。また、(B−2)平均厚み50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である板状の形状を有するアパタイト粒子とは、その形状が板状、円盤状、短冊状、層状などの形状をしているものであり、平均厚みが50nm以下でありかつ平均アスペクト比が5以上のもので有れば特に限定されない。ここで、本発明では、ポリアミド樹脂中に存在するアパタイト粒子各々について、最も長い軸(長辺)の長さを「粒子長L」、それと対応する最も短い軸の長さを、針状である場合は「径d」、板状である場合は「厚みd」と定義して用いる。
【0024】
本発明では、平均粒子長、平均径、平均厚み、および平均アスペクト比は、組成物の単位体積中に粒子長Li、径または厚みdiのアパタイト粒子がNi個存在するとき、
平均粒子長L=ΣLiNi/ΣLiNi
平均径または厚みd=ΣdiNi/ΣdiNi
平均アスペクト比L/d=(ΣLiNi/ΣLiNi)/(ΣdiNi/ΣdiNi)
と定義することができ、(B−1)針状のアパタイト粒子、および(B−2)板状のアパタイト粒子それぞれに関して求めることができる。
【0025】
このうち、強度、剛性に優れるポリアミド樹脂組成物を得る観点から、好ましい(B−1)針状のアパタイト粒子の平均径dは40nm以下であり、さらに好ましくは25nm以下であり、もっとも好ましくは15nmである。また、好ましい(B−1)針状のアパタイト粒子の平均アスペクト比L/dは7以上であり、さらに好ましくは10以上であり、もっと好ましくは15以上である。ここで、外観に優れ、また靭性やウエルド強度に優れるポリアミド樹脂組成物を得る観点では、好ましい(B−1)針状のアパタイト粒子の平均粒子長Lは1μm以下であり、さらに好ましくは0.75μm以下であり、もっとも好ましくは0.50μm以下である。
【0026】
同様に、強度、剛性に優れるポリアミド樹脂組成物を得る観点から、好ましい(B−2)板状のアパタイト粒子の平均厚みdは40nm以下であり、さらに好ましくは25nm以下であり、もっとも好ましくは15nmである。また、好ましい(B−2)板状のアパタイト粒子の平均アスペクト比L/dは7以上であり、さらに好ましくは10以上であり、もっと好ましくは15以上である。ここで、外観に優れ、特に靭性やウエルド強度に優れるポリアミド樹脂組成物を得る観点では、好ましい(B−2)板状のアパタイト粒子の平均粒子長Lは1μm以下であり、さらに好ましくは0.75μm以下であり、もっとも好ましくは0.50μm以下である。
【0027】
また、強度、剛性に優れ、より靭性に優れるポリアミド樹脂組成物を得る観点から、(B−1)針状のアパタイト粒子の平均粒子長をL1、(B−2)板状のアパタイト粒子の平均粒子長をL2とした場合のL1/L2は好ましくは0.01以上100以下であり、さらに好ましくは0.1以上10以下であり、もっと好ましくは0.5以上2以下である。
ここで、アパタイト粒子の形状は、ポリアミド樹脂組成物の成形品の薄片をミクロトームなどによって切り出し、アパタイト粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)(写真倍率2.5万倍)により求めることができる。
【0028】
上記(B−1)および(B−2)のアパタイト粒子の広角X腺回折測定を行うと、アパタイトの(n00)面での回折線ピーク強度が他の面での回折線強度に比べて特異的に強く観察される傾向にある。これは、アパタイト粒子の結晶構造が特定の面で成長しているためである。具体的には、アパタイトの(211)、(300)面の回折強度をそれぞれA211、A300とした場合、好ましくはA300/A211は1以上であり、さらに好ましくは5以上であり、もっと好ましくは10以上である。上記範囲内であればアパタイト粒子の結晶性がより高く、ポリアミド樹脂組成物の強度、剛性に優れる傾向にある。
【0029】
本発明で用いられる(B)アパタイト粒子の原料は、特に限定されるものではなく、例えばリン酸系化合物と非リン酸系金属化合物、リン酸系金属化合物や、リン酸系金属化合物と非リン酸系金属化合物とからなる混合物などを挙げることができるが、リン酸系金属化合物と非リン酸系金属化合物とからなる混合物を用いるのが製造コストや製法の容易さからいってより好ましい。ここで、リンに対するカルシウムおよびカルシウム以外の金属元素のモル比(Ca+X)/Pが好ましくは1.30〜2.00、さらに好ましくは1.50〜1.70、最も好ましくは1.55〜1.68の範囲のリン酸系金属化合物と非リン酸金属化合物とからなる混合物を原料として用いるのが最も好ましい。上記範囲内であれば、生成するアパタイトは結晶性にすぐれ、微細な粒子となる傾向にある。
【0030】
上記リン酸系金属化合物としては、リン酸一水素カルシウム (CaHPO)、リン酸一水素カルシウム二水和物 (CaHPO・2HO)、二リン酸二水素カルシウム (CaH)、リン酸二水素カルシウム一水和物 (Ca(HPO・HO)、二リン酸カルシウム (α−およびβ−Ca)、リン酸三カルシウム (α−およびβ−Ca(PO)、リン酸四カルシ ウム(Ca(POO)、リン酸八カルシウム(Ca(PO・5HO)、亜リン酸カルシウム一水和物(CaHPO・HO)、次亜リン酸カルシウム(Ca(HPO)、リン酸マグネシウム第二・三水和物(MgHPO・3HO)、リン酸マグ ネシウム第三・八水和物(Mg(PO・8HO)、リン酸バリウム第二(BaHPO)などを挙げることができる。
【0031】
これらの原料は、1種で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。2種以上組み合わせる場合には、例えば、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)と二リン酸二水素カルシウム(CaH)とを用いるように、同種の金属元素を含有する原料の組み合わせや、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)とリン酸マグネシウム第二・三水和物(MgHPO・3HO)とを用いるように、異種の金属元素を含有する原料の組み合わせなどが例示されるが、いずれでも差し支えない。
【0032】
上記非リン酸系金属化合物としては、リン酸系以外で金属元素と化合物を形成するものであれば特に限定されるものではなく、金属水酸化物(水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウムなど)、金属塩化物(塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム、塩化鉄(二価、三価)など)、金属フッ化物(フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アルミニウムなど)、金属臭化物(臭化カルシウムなど)である。
【0033】
また、金属ヨウ化物(ヨウ化カルシウムなど)、金属炭化物(炭化カルシウムなど)、金属酸化物(酸化カルシウムなど)、炭酸金属塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アルミニウムなど)、硫酸金属塩(硫酸カルシウムなど)、硝酸金属塩(硝酸カルシ ウムなど)、ケイ酸金属塩(ケイ酸カルシウムなど)などの無機金属化合物や、金属元素とモノカルボン酸との 化合物(酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、ステアリン酸カルシウムなど)、金属元素とジカルボン酸との化合物(しゅう酸カルシウム、酒石酸カルシウムなど)、金属元素とトリカルボン酸との化合物(クエン酸 カルシウムなど)などを挙げることができる。
【0034】
これら原料は、1種で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。2種以上組み合わせる場合には、例えば水酸化カルシウムと炭酸カルシウムとの混合物のように、同種の金属元素を含有する化合物を組み合わせても良いし、例えば、炭酸カルシウムと水酸化マグネシウムとの混合物のように、異種の金属元素を含有する化合物を組み合わせても良い。本発明では、これら化合物の中でも、経済性および複合体の機械的物性がより優れていることから、金属水酸化物、金属フッ化物、金属塩化物および炭酸金属塩、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。特に2族元素であるカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、フッ化物、塩化物および炭酸塩、あるいはこれらの混合物がより好ましく、その中でもカルシウムの水酸化物、フッ化物、塩化物および炭酸塩、あるいはこれらの混合物が最も好ましく用いられる。
【0035】
本発明で用いられる(B−1)平均径50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である針状の形状を有するアパタイト粒子の製造方法は特に限定されるものではなく、上記列挙の原料を用いて、公知の方法によって製造することができる。例えば、特開2001−287903号公報には、特定のカルシウム化合物およびリン酸または亜リン酸のエステル化合物を原料として、水熱合成することによって微細かつ高アスペクト比の針状アパタイト粒子を得る方法が開示されている。
【0036】
本発明で用いられる(B−2)平均厚み50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である板状の形状を有するアパタイト粒子の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、特開平10−45405号公報には、リン酸塩とカルシウム塩から作製した非晶質リン酸カルシウムスラリーと脂肪族アミンを添加して水熱処理することによって板状アパタイトを得る方法が開示されている。
【0037】
本発明のポリアミド樹脂組成物とは、(A)ポリアミド樹脂と(B)アパタイト粒子から成るポリアミド樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂中の(B)アパタイト粒子のうち、(B−1)平均径50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である針状の形状を有するアパタイト粒子が0.5〜99.5%、(B−2)平均厚み50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である板状の形状を有するアパタイト粒子が99.5〜0.5%であることを特徴とする。ここで、該ポリアミド樹脂中の該アパタイト粒子は(B−1)および(B−2)のアパタイト粒子が二次凝集を起こした状態で分散してもかまわないが、より強度、合成に優れ、靭性、ウエルド強度に優れるポリアミド樹脂組成物を得るといった観点から、該アパタイト粒子は(B−1)、(B−2)ともになるべく二次凝集を起こさずに単分散しているほうがよい。
【0038】
ここで、アパタイト粒子の分散状態は、ポリアミド樹脂組成物の成形品の薄片をミクロトームなどによって切り出し、アパタイト粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)(写真倍率3.0万倍)により観察することができる。
本発明で用いられる(B−1)針状のアパタイト粒子および(B−2)板状のアパタイト粒子は、該ポリアミド樹脂中の(B)アパタイト粒子のうち、(B−1)0.5〜99.5%に対して(B−2)99.5〜0.5%で存在する。ここで、強度、剛性、靭性、ウエルド強度にすぐれ、またバリアー性、寸法精度にも優れたバランスの取れたポリアミド樹脂組成物を得るといった観点から、好ましくは(B−1)10〜90%に対して(B−2)90〜10%であり、さらに好ましくは(B−1)20〜80%に対して(B−2)80〜20%であり、最も好ましくは(B−1)40〜60%に対して(B−2)60〜40%である。
【0039】
本発明のポリアミド樹脂組成物におけるアパタイト粒子の含有量は特に限定されないが、好ましくはポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、0.01から100質量部であり、さらに好ましくは0.1から50質量部であり、最も好ましくは1から20質量部である。上記範囲内であれば樹脂の補強効果に優れ、また成型時の流動性や成形性を落とす傾向を避けることができる。該質量比はポリアミド樹脂組成物のペレットや成形品などをJISR3420に従って強熱減量(Ig.loss)を測定し、その質量減少量から求めることができる。例えば、ペレットを十分乾燥した後、白金皿に約1g秤量し、650±20℃の電気炉で灰化し、冷却後、その質量を秤り、アパタイト粒子の含有量を定量する。
【0040】
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は、例えば、(A)ポリアミド樹脂に(B)アパタイト粒子を溶融混錬する方法、ポリアミド樹脂原料に、(B)アパタイト粒子を添加して、(A)ポリアミド樹脂の重合を行う方法など特に限定されるものではない。ここで、アパタイト粒子の分散性に優れ、強度、剛性、靭性、ウエルド強度、バリアー性、寸法精度に優れた物性的にバランスの取れたポリアミド樹脂組成物を得るといった観点から、ポリアミド原料とアパタイト粒子の原料を配合し、次いで(A)ポリアミド樹脂の重合および(B)アパタイト粒子の合成を同時に行うのが好ましい方法である。
【0041】
上記ポリアミド原料とアパタイト粒子の原料を配合し、次いで(A)ポリアミド樹脂の重合および(B)アパタイト粒子の合成を同時に行う方法において、アパタイト粒子の原料は、生成するアパタイト粒子が微細であり、かつ高L/dとするといった観点から、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物を含む原料を用いることが好ましく、さらに好ましくは、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物およびフッ素化合物を含む原料を用いることが好ましい。
【0042】
本発明で用いられるジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物とは下記一般式で示される。
Ca(HPO2−z(RC(PO・mH
ただし、0<Z≦1、0≦m≦10である。Rは炭素数1以上のアルキル、アリール基を示し、具体的にはCH、Cなどの直鎖メチレン基およびその置換体、Cなどの不飽和結合を有するアルケンおよびその置換体、C、C10などの芳香族基およびその置換体を挙げることができる。ここで、アパタイト粒子が微分散して、強度、剛性が高く、靭性、ウエルド強度に優れるポリアミド樹脂組成物を得る目的から、好ましいジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物は、Rが(CH、1≦n≦10、RがCであり、さらに製造方法の容易さからRが(CH、(CH、(CH、(CH、(CH10であることがより好ましい。
【0043】
本発明で用いられるジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物は、上記一般式によって表されるものであれば特に限定されないが、好ましくは平均厚みが50nm以下であり、さらに好ましくは40nm以下、最も好ましくは25nm以下であり、かつ平均アスペクト比が5以上、さらに好ましくは7以上、最も好ましくは10以上の形状を有するものである。
【0044】
上記ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物の同定は、例えば、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析、広角X線回折、赤外吸収スペクトル、示差熱分析法などで確認することができる。ここで、広角X線回折での確認方法をより具体的に述べれば、Rが(CH、すなわち、Ca(HPO)((CH)(PO・mHOである場合、X線の線源として、銅Kα(波長λ=0.1542nm)を用いて、広角X線回折を測定し、回折角(2θ)が3.8度付近に強い(100)面ピークが存在する。
【0045】
上記ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物の原料としては特に限定されるものではなく、前記リン酸系化合物と非リン酸系金属化合物、リン酸系金属化合物や、リン酸系金属化合物と非リン酸系金属化合物とからなる混合物とジカルボン酸を混合した原料を挙げることができる。さらにコスト的に有利で、効率よくジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物を得るための原料としては、リン酸一水素カルシウム (CaHPO)、リン酸一水素カルシウム二水和物 (CaHPO・2HO)、二リン酸二水素カルシウム (CaH)、リン酸二水素カルシウム一水和物 (Ca(HPO・HO)、リン酸三カルシウム (α−およびβ−Ca(PO)と水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウムの中から選ばれた少なくとも2種類以上の混合物とジカルボン酸を混合した原料を挙げることができる。
【0046】
上記ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ジグリコール酸などを挙げることができる。本発明では、これらの重合可能なジカルボン酸を1種用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
本発明で用いられるジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物の合成方法は特に限定されるものではなく、例えば、Journal of Inclusion Phenomena 2, 127−134 (1984)やBulletin of the Chemical Society of Japan 56, 3843−3844 (1983)に述べられているように、α−リン酸三カルシウムとジカルボン酸を混合して、pHを6に調整して40度で加熱処理する方法など公知の合成方法をあげることができる。得られたジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物は、このままスラリーとして用いてもよいし、ろ過分離法や遠心分離法によって固液分離して使用しても差し支えない。
【0048】
ここで、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物を効率よく製造し、その後生成するアパタイトとポリアミド樹脂とのなじみを良好とする観点から、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物はポリアミド原料溶液中で合成されることが好ましい。より具体的には、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物の原料と、ポリアミド原料溶液を混合し、加熱攪拌することによって、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物がポリアミド原料溶液に分散したスラリー状態で得ることができる。該スラリーは、そのままポリアミドの重合用に用いることもできるために、製造工程、製造コストを考慮した場合有用な方法ということができる。
【0049】
上記方法において、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物の原料の好ましい組成は、カルシウムとリンのモル比(Ca/P)が1.30〜1.60、さらに好ましいくは1.40から1.55、最も好ましくは1.45から1.50である。上記範囲内であれば結晶性のよいジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物を得ることができる。さらに同様な理由から、カルシウムとジカルボン酸(Ca/ジカルボン酸)のモル比は好ましくは1から30であり、さらに好ましくは5から25であり、もっと好ましくは10から20である。
【0050】
ポリアミド原料溶液中でジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物を得る際の加熱温度は、生成速度、収率の観点から、好ましくは40℃から100℃であり、さらに好ましくは50℃から90℃であり、最も好ましくは60℃から80℃である。
本発明で用いられるフッ素化合物とは、特に限定されないが、好ましくは、フッ化水素やフッ化カルシウム、フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム、フッ化アンモニウム、フッ化バリウムなどの金属のフッ化物や、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム六水和物などのフルオロケイ酸塩類およびこれらの混合物などをあげることができる。これらのなかでも針状の粒子を得る観点から、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウムなどの金属のフッ化物が好ましい。これらは一種類で用いてもよいし、または二種類以上組み合わせて用いても良い。
【0051】
本発明で用いられるポリアミド原料とアパタイト粒子の原料を配合し、次いで(A)ポリアミド樹脂の重合および(B)アパタイト粒子の合成を同時に行う方法において、アパタイト粒子の原料としては、上記ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物または、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物およびフッ素化合物の他に、前記(B)アパタイト粒子の原料で列記した化合物を加えて用いることができる。例えば、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物と炭酸カルシウムの組み合わせ、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、フッ化カルシウムと炭酸カルシウムの組み合わせ、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、フッ化カルシウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムの組み合わせ、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、フッ化カルシウム、リン酸八カルシウム、炭酸カルシウムの組み合わせなどを挙げることができる。このときアパタイト粒子の原料に占めるジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物またはジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物およびフッ素の含有割合は特に限定されるものではないが、好ましくは、総原料質量に対して、70%、さらに好ましくは80%、もっと好ましくは90%以上である。
【0052】
さらに、該アパタイト粒子の原料において、好ましいカルシウムCaおよびカルシウム以外の金属XとリンPのモル比(Ca+X)/Pは1.30〜2.00、より好ましくは1.50〜1.70、もっと好ましくは1.55〜1.68である。上記範囲であれば生成するアパタイト粒子は微細かつ高アスペクト比となり、また針状および板状の形状を有するアパタイト粒子それぞれが生成しやすい傾向にある。同様な理由から好ましいカルシウムCaおよびカルシウム以外の金属Xとフッ素Fのモル比(Ca+X)/Fは、4.00〜100であり、さらに好ましくは4.5〜50であり、もっと好ましくは4.8〜20である。同様な理由から、全金属元素中のカルシウムのモル比Ca/(Ca+X)は0.70以上であり、より好ましくは0.80以上、もっとも好ましくは0.90以上であれば結晶性の良い、微細なアパタイトとなる傾向にある。
【0053】
該製造方法において、ポリアミドの原料とアパタイト粒子の原料の混合方法は特に限定されるものではなく、ポリアミド、アパタイト粒子の各原料となる固形成分を混合し水系溶媒に投入する方法や各原料を予め水溶媒でスラリー化して互いに混合する方法などをあげることができる。
【0054】
前記ポリアミドの重合方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。その際、アパタイト粒子の原料も同時に加熱され、そのままアパタイトの水熱合成条件下となり、アパタイト粒子が微分散したポリアミド樹脂組成物を得ることができる。ポリアミドの重合の例としては、11−アミノウンデカン酸などの水に難溶な成分を原料とし、200から290℃で加熱し重縮合する方法、ε−カプロラクタム水溶液を原料とし、必要に応じてモノカルボン酸などの末端封鎖剤、あるいはε―アミノカプロン酸などの反応促進剤を加えて、不活性ガスを流通させながら、200から290℃に加熱し重縮合するラクタム類の開環重縮合法、ヘキサメチレンアジパミド水溶液などのジアミン成分とジカルボン酸成分との塩水溶液を原料とし、200から290℃に加熱濃縮し、発生する水蒸気圧を10から20気圧の間の適当な圧力に保ち、最終的には圧力を抜き、常圧あるいは減圧し重縮合を行う熱溶融重縮合法などを用いることができる。
【0055】
さらには、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分とを溶液中で重縮合させる溶液法なども用いることができる。これらの方法は必要に応じて組合わせてもよい。また重合を更に進めるために、重縮合物の融点以下の温度で行う固相重合法を追加して行うこともできる。重合形態としては、バッチ式でも連続式でもよい。重合装置も特に制限されるものではなく、公知の装置、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、ニーダーなどの押出機型反応器などを用いることができる。
【0056】
本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、成形性改良剤を添加しても差し支えない。前記成形性改良剤は、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド化合物、ポリアルキレングリコールあるいはその末端変性物、低分子量ポリエチレンあるいは酸化低分子量ポリエチレン、置換ベンジリデンソルビトール、ポリシロキサン、カプロラクトン類、無機結晶核剤類からなる化合物類から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0057】
本発明の摺動部品用ポリアミド樹脂組成物には、更なる熱劣化、熱時の変色防止、耐熱エージング性、耐候性の向上を目的に、劣化抑制剤を添加しても差し支えない。前記劣化抑制剤は、酢酸銅やヨウ化銅などの銅化合物やヒンダードフェノール化合物などのフェノール系安定剤、ホスファイト系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、トリアジン系安定剤、イオウ系安定剤から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0058】
本発明のポリアミド樹脂組成物には、着色剤を添加しても差し支えない。前記着色剤は、ニグロシンなどの染料、酸化チタンあるいはカーボンブラックなどの顔料、あるいはアルミニウム、着色アルミニウム、ニッケル、スズ、銅、金、銀、白金、酸化鉄、ステンレス、チタンなどの金属粒子、マイカ製パール顔料、カラーグラファイト、カラーガラス繊維、カラーガラスフレークなどのメタリック顔料などから選ばれる少なくとも1種の着色剤である。
【0059】
本発明のポリアミド樹脂組成物には、導電性カーボンブラックを添加しても差し支えない。前記導電性カーボンブラックは、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどから選ばれる少なくとも1種のカーボンブラックであり、中でも良好な鎖状構造を有し凝集密度が大きいものが好ましい。本発明の摺動部品用ポリアミド樹脂組成物には、難燃剤を配合してもさせても差し支えない。難燃剤は、非ハロゲン系難燃剤、あるいは臭素系難燃剤が好ましい。
【0060】
前記非ハロゲン系難燃剤は、赤リン、リン酸アンモニウム、あるいはポリリン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズ、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛などの金属水酸化物あるいは無機金属化合物の水和物や、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムなどのホウ酸化合物などの無機化合物系難燃剤、メラミン、メラム、メレム、メロン(300℃以上でメレム3分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシアヌレート、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、メラミン樹脂などのトリアジン系難燃剤、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、シリカなどのシリコーン系難燃剤から選ばれる少なくとも1種の難燃剤である。
【0061】
前記臭素系難燃剤は、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノール型エポキシ系重合体および臭素系架橋芳香族重合体からなる化合物類から選ばれる少なくとも1種の難燃剤である。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、無機充填材を配合しても差し支えない。前記無機充填剤は、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アパタイト、リン酸ナトリウム、蛍石、窒化珪素、チタン酸カリウム、二硫化モリブデンなどから選ばれる少なくとも1種の無機充填剤である。
【0062】
本発明の摺動部品用ポリアミド樹脂組成物は、各種成形加工性に優れるため、公知の成形方法、例えばプレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、発泡成形、溶融紡糸など、一般に知られているプラスチック成形方法を用いても、良好に成形加工ができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、強度、剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、またウエルド強度保持率、寸法特性、およびリワーク性、バリアー性に優れるため、包装・容器等の汎用的消費分野や、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野等の各種部品等への応用が期待される。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載した評価は、以下の方法により実施した。
(1)硫酸相対粘度測定
98%濃硫酸100gに対してペレット状、もしくは成形品から切り出した樹脂組成物1.00gを溶解させ、JIS K6810に従って25℃にて測定した。
(2)アパタイトの含有量(質量部/100質量部ポリアミド樹脂組成物)
ポリアミド樹脂樹脂組成物を100±20℃で8時間乾燥し冷却する。白金皿に、乾燥した樹脂組成物を1gとり、650±20℃の電気炉で灰化し、冷却後、その質量を秤り、アパタイトの含有量を定量した。
【0064】
(3)原料、アパタイト原料液あるいはアパタイトのカルシウムおよびカルシウム以外の金属とリンとのモル比(Ca+X)/P、およびカルシウムおよびカルシウム以外の金属とフッ素とのモル比(Ca+X)/F、さらに原料、アパタイト原料液あるいはアパタイトのカルシウム以外の金属およびリン、またはフッ素を定量し、モル比を算出した。例として、カルシウムとリンの定量方法を示す。カルシウム以外の金属の場合は、使用した金属の特性波長によって定量した。
(3−1)カルシウムの定量:
原料、アパタイト原料液あるいはアパタイト0.5gを白金皿に秤量し、500℃電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5mlを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水を加え500mlとした。装置はThermoJarrellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長317.933nmにて定量した。
(3−2)リンの定量:
原料、アパタイト原料液あるいはアパタイト0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で500mlとした。装置はThermoJarrellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長213.618(nm)にて定量した。
【0065】
(4)広角X線回折
測定条件は以下のとおりである。
X線:銅Kα
波数:0.1542nm
管電圧:40KV
管電流:200mA
走査速度:4deg./min
発散スリット:1deg.
散乱スリット:1deg.
受光スリット:0.15mm
【0066】
(5)透過型電子顕微鏡(TEM)観察
(5−1)アパタイト粒子の形状観察
成形品を用いて、Reichert−Nissei製クライオミクロトームを用いて約50nmの超薄切片を作成した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日立製作所(株)製HF−2000用いて、3.0万倍の明視野像を撮影し、100個のアパタイト粒子を任意に選択して、アパタイトの形状の判別およびその平均径または、平均厚み、平均長および平均アスペクト比を求めた。
【0067】
(5−2)アパタイト粒子の凝集状態観察
成形品を用いて、Reichert−Nissei製クライオミクロトームを用いて約50nmの超薄切片を作成した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日立製作所(株)製HF−2000用いて、3.0万倍の明視野像を撮影し、以下の判別方法により評価した。
○ 総アパタイト粒子100個のうち、10%未満のアパタイト粒子が二次凝集している。
△ 総アパタイト粒子100個のうち、50%未満のアパタイト粒子が二次凝集している。
× 総アパタイト粒子100個のうち、50%以上のアパタイト粒子が二次凝集している。
【0068】
(5−3)アパタイト粒子の個数
成形品を用いて、Reichert−Nissei製クライオミクロトームを用いて約50nmの超薄切片を作成した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日立製作所(株)製HF−2000用いて、3.0万倍の明視野像を撮影し、100個のアパタイト粒子について、以下の判別方法により求めた。
針状粒子(針状、円柱状、六角柱状)の存在割合(%)=(針状の形状を有する粒子数/100個のアパタイト)×100
板状粒子(板状、円盤状、短冊状、層状)の存在割合(%)=(板状の形状を有する粒子数/100個のアパタイト)×100
【0069】
(6)ポリアミド樹脂組成物の物性
射出成形機(日精樹脂(株)製PS40E)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定し、射出14秒、冷却15秒の射出成形条件で評価用ダンベル片、短冊片を得た。
(6−1)曲げ弾性率(GPa)および曲げ強度(MPa)
ASTM D790に準じて行った。
(6−2)引張り強度(MPa)および引張り伸度(%)
ASTM D638に準じて行った。
(6−3)ノッチ付きIzod衝撃強度
ASTM D256に準じて行った。
(6−4)荷重たわみ温度(℃)
ASTM D648に準じて行った。
【0070】
(6−5)線膨張係数
Perkin−Elmer社製TMA−7を用いて、5.00℃/minの昇温速度で測定し、−23〜80℃の温度範囲で測定した。
(6−6)リワーク性
成形品(初期成形品)を粉砕機により粉砕し、得られた粉砕品を用いて成形を行った。この操作を更に4回繰り返し、最終的に得られた成形品(リワーク品)の引張り強度を測定し、
(リワーク品の引張強度)/(初期成形品の引張強度)
の引張強度保持率で比較した。
【0071】
(6−7)ウエルド強度保持率
ウエルド部を有する短冊片を成形し、ASTM D638に準じて行った(23℃、50%湿度)。ウエルド強度保持率は以下の式に従って算出した。
ウエルド強度保持率=(ウエルド部を有するダンベル片の引張強度)/(ウエルド部を有さないダンベル片の引張強度)×100 (%)
(6−8)吸水率
得られたダンベル片を23℃で蒸留水に浸して、120時間後取り出した。その後、23度、湿度50%雰囲気下で30分放置した後に質量を測定した。吸水率は以下の式に従って算出した。
吸水率=(吸水処理後の質量)/(吸水処理前の質量)×100 (%)
【0072】
【実施例1】
リン酸一水素カルシウム二水和物750g(4.36mol)と炭酸カルシウム261.6g(2.62mol)、アジピン酸127g(0.873mol)を蒸留水25Lに加えて、攪拌した。その後、溶液のpHを、アンモニア水を使用して6.2から6.5に調整しながら40℃で4時間加熱処理を行った。ろ過して、40℃、真空乾燥機で3日間乾燥処理を行い、白い粉末を得た。金属分析、広角X腺回折測定を行い、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、Ca(HPO)((CH)(PO・5HOであることを確認した。
【0073】
50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液を30Kg作製した。さらに、アパタイト粒子の原料としてとして、上記で作製したジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物898g(0.872mol)、炭酸カルシウム30g(0.30mol)の20%水懸濁液を作製した。
該ポリアミド66原料の水溶液と該アパタイト粒子の原料の混合懸濁液、さらに分子量調整用にヘキサメチレンジアミン101g(0.873mol)を、撹拌装置を有し、かつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、十分攪拌した。窒素で置換した後、撹拌しながら温度を50℃から約270℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして約1.77Mpaになるが、圧力が1.77Mpa以上にならないよう水を系外に除去しながら加熱を約1時間続けた。その後、約1時間をかけ、圧力を大気圧まで降圧し、更に約270℃、大気圧で約1時間保持した後、撹拌を停止し、下部ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷・カッティングを行い、ペレットを得た。このペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であった。得られたペレットを射出成形品として評価した。評価結果を表1、2に示す。
【0074】
【実施例2】
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)750g(4.36mol)と炭酸カルシウム(CaCO)261.6g(2.62mol)、アジピン酸127g(0.873mol)を5kgの純水に加えてスラリー状とし、50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液30Kgと混合した。これを、撹拌装置を有しかつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、6時間攪拌し、白色スラリーを得た。このスラリーをサンプリングして、ろ過、乾燥後、金属分析、広角X腺回折測定を行い、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、Ca(HPO)((CH)(PO・5HOであることを確認した。
【0075】
この白色スラリーに炭酸カルシウム30g(0.30mol)、分子量調整用にヘキサメチレンジアミン101g(0.873mol)を加え、窒素で置換した後、撹拌しながら温度を50℃から約270℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして約1.77Mpaになるが、圧力が1.77Mpa以上にならないよう水を系外に除去しながら加熱を約1時間続けた。その後、約1時間をかけ、圧力を大気圧まで降圧し、更に約270℃、大気圧で約1時間保持した後、撹拌を停止し、下部ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷・カッティングを行い、ペレットを得た。このペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であった。得られたペレットを射出成形品として評価した。評価結果を表1、2に示す。図1の(a)に、得られた成形品の広角X腺回折パターンを示す。この様に、本発明のポリアミド樹脂組成物中のアパタイは(n00)面での回折ピーク強度が他の面での回折線強度に比べて特異的に強く観察される傾向にある。0
【0076】
【実施例3】
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)750g(4.36mol)と炭酸カルシウム(CaCO)143.8g(1.43mol)、アジピン酸127g(0.873mol)を5kgの純水に加えてスラリー状とし、50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液30Kgと混合した。これを、撹拌装置を有しかつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、6時間攪拌し、白色スラリーを得た。このスラリーをサンプリングして、ろ過、乾燥後、金属分析、広角X腺回折測定を行い、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、Ca(HPO)((CH)(PO・5HOが生成していることを確認した。
【0077】
この白色スラリーに炭酸カルシウム76g(0.76mol)、フッ化カルシウム57g(0.73mol)、分子量調整用にヘキサメチレンジアミン101g(0.873mol)を加え、窒素で置換した後、撹拌した。以降の操作は実施例1同様に行った。得られたペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であり、射出成形品として評価した。評価結果を表1、2に示す。
【0078】
【実施例4】
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)750g(4.36mol)と炭酸カルシウム(CaCO)143.8g(1.43mol)、アジピン酸127g(0.873mol)を5kgの純水に加えてスラリー状とし、50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液30Kgと混合した。これを、撹拌装置を有しかつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、6時間攪拌し、白色スラリーを得た。このスラリーをサンプリングして、ろ過、乾燥後、金属分析、広角X腺回折測定を行い、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、Ca(HPO)((CH)(PO・5HOが生成していることを確認した。
【0079】
この白色スラリーに炭酸カルシウム75g(0.75mol)、分子量調整用にヘキサメチレンジアミン101g(0.873mol)を加え、窒素で置換した後、撹拌した。以降の操作は実施例1同様に行った。得られたペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であり、射出成形品として評価した。評価結果を表1、2に示す。
【0080】
【実施例5】
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)750g(4.36mol)と炭酸カルシウム(CaCO)143.8g(1.43mol)、アジピン酸127g(0.873mol)を5kgの純水に加えてスラリー状とし、50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液30Kgと混合した。これを、撹拌装置を有しかつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、6時間攪拌し、白色スラリーを得た。このスラリーをサンプリングして、ろ過、乾燥後、金属分析、広角X腺回折測定を行い、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、Ca(HPO)((CH)(PO・5HOが生成していることを確認した。
【0081】
この白色スラリーに炭酸カルシウム69g(0.69mol)、フッ化カルシウム5.1g(0.065mol)、分子量調整用にヘキサメチレンジアミン101g(0.873mol)を加え、窒素で置換した後、撹拌した。以降の操作は実施例1同様に行った。得られたペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であり、射出成形品として評価した。評価結果を表1、2に示す。
【0082】
【実施例6】
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)750g(4.36mol)と炭酸カルシウム(CaCO)143.8g(1.43mol)、アジピン酸127g(0.873mol)を5kgの純水に加えてスラリー状とし、50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液30Kgと混合した。これを、撹拌装置を有しかつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、6時間攪拌し、白色スラリーを得た。このスラリーをサンプリングして、ろ過、乾燥後、金属分析、広角X腺回折測定を行い、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、Ca(HPO)((CH)(PO・5HOが生成していることを確認した。
【0083】
この白色スラリーにフッ化カルシウム57g(0.73mol)、分子量調整用にヘキサメチレンジアミン101g(0.873mol)を加え、窒素で置換した後、撹拌した。以降の操作は実施例1同様に行った。得られたペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であり、射出成形品として評価した。評価結果を表1、2に示す。
【0084】
【実施例7】
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)750g(4.36mol)と炭酸カルシウム(CaCO)261.6g(2.62mol)、アジピン酸127g(0.873mol)を5kgの純水に加えてスラリー状とし、50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液30Kgと混合した。これを、撹拌装置を有しかつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、6時間攪拌し、白色スラリーを得た。このスラリーをサンプリングして、ろ過、乾燥後、金属分析、広角X腺回折測定を行い、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、Ca(HPO)((CH)(PO・5HOが生成していることを確認した。
【0085】
この白色スラリーに炭酸カルシウム174g(1.74mol)、分子量調整用にヘキサメチレンジアミン101g(0.873mol)を加え、窒素で置換した後、撹拌した。以降の操作は実施例1同様に行った。得られたペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であり、射出成形品として評価した。評価結果を表1、2に示す。
【0086】
【実施例8】
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)750g(4.36mol)と炭酸カルシウム(CaCO)143.8g(1.43mol)、アジピン酸127g(0.873mol)を5kgの純水に加えてスラリー状とし、50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液15Kgと混合した。これを、撹拌装置を有しかつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、6時間攪拌し、白色スラリーを得た。このスラリーをサンプリングして、ろ過、乾燥後、金属分析、広角X腺回折測定を行い、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、Ca(HPO)((CH)(PO・5HOが生成していることを確認した。
【0087】
この白色スラリーに炭酸カルシウム76g(0.76mol)、フッ化カルシウム57g(0.73mol)、分子量調整用にヘキサメチレンジアミン101g(0.873mol)を加え、窒素で置換した後、撹拌した。以降の操作は実施例1同様に行った。得られたペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは2.9であり、射出成形品として評価した。評価結果を表1、2に示す。
【0088】
【実施例9】
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)750g(4.36mol)と炭酸カルシウム(CaCO)143.8g(1.43mol)、アジピン酸127g(0.873mol)を5kgの純水に加えてスラリー状とし、50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液5Kgと混合した。これを、撹拌装置を有しかつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、6時間攪拌し、白色スラリーを得た。このスラリーをサンプリングして、ろ過、乾燥後、金属分析、広角X腺回折測定を行い、ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、Ca(HPO)((CH)(PO・5HOが生成していることを確認した。
【0089】
この白色スラリーに炭酸カルシウム76g(0.76mol)、フッ化カルシウム57g(0.73mol)、分子量調整用にヘキサメチレンジアミン101g(0.873mol)を加え、窒素で置換した後、撹拌した。以降の操作は実施例1同様に行った。得られたペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは2.7であり、射出成形品として評価した。評価結果を表1、2に示す。
【0090】
【比較例1】
50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液を30Kg作製、十分撹拌した。該ポリアミド66原料の水溶液を、撹拌装置を有し、かつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、十分攪拌した。窒素で置換した後、撹拌しながら温度を50℃から約270℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして約1.77Mpaになるが、圧力が1.77Mpa以上にならないよう水を系外に除去しながら加熱を約1時間続けた。その後、約1時間をかけ、圧力を大気圧まで降圧し、更に約270℃、大気圧で約1時間保持した後、撹拌を停止し、下部ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷・カッティングを行い、ペレットを得た。このペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であった。こうして得られたペレットを射出成形として評価した。評価結果を表3、4に示す。
【0091】
【比較例2】
50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液を30Kg作製した。さらに、アパタイト粒子の原料としてとして、純水2000gにリン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)750g(4.36mol)g、炭酸カルシウム(CaCO)290g(0.29mol)を加えたスラリーを作製した。該ポリアミド66原料の水溶液と該アパタイト原料のスラリーを、撹拌装置を有し、かつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、十分攪拌した。以降の操作は実施例1同様に行った。得られたペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であり、射出成形品として評価した。評価結果を表3、4に示す。図1の(b)に、得られた成形品の広角X腺回折パターンを示す。
【0092】
【比較例3】
酢酸カルシウム一水和物3000g(17.0モル)とリン酸トリエチル1860g(10.2モル)とを、蒸留水10Lに、40℃の温度条件下で配合し原料液とした。この原料液は、原料が溶媒に溶解した均一溶解溶液であった。その後、撹拌装置を有するLオートクレーブ中に原料液を入れ、250rpmで撹拌しながら、窒素で十分置換した後、220℃に昇温した。この時の圧力は2.5Mpaであった。この状態を4時間保持し水熱合成を行った。その後、加熱をやめ室温まで冷却し、撹拌装置を停止し、白色懸濁液を抜き出した。得られた白色懸濁液を、濾過・水による洗浄を十分な回数、繰り返し行った後、80℃にて乾燥し白色粉末を得た。この粉末を広角X線回折測定、元素分析、TEM測定をおこなったところ、平均径が30nm、平均アスペクト比が15の針状のアパタイトであることが確認された。
【0093】
上記針状のアパタイト粉末0.65Kgと、50質量%のポリアミド66の原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)の水溶液30Kgを、撹拌装置を有し、かつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、十分攪拌した。以降の操作は実施例1同様に行った。得られたペレットの98%硫酸相対粘度(1g/100ml)ηrは3.0であり、射出成形品として評価した。評価結果を表3、4に示す。
【0094】
【表1】
Figure 2004075716
【0095】
【表2】
Figure 2004075716
【0096】
【表3】
Figure 2004075716
【0097】
【表4】
Figure 2004075716
【0098】
【発明の効果】
様々な機械工業部品、電気電子部品などの産業用材料として好適な強度、剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、またウエルド強度保持率、寸法特性、およびリワーク性、バリアー性に優れるため、包装・容器などの汎用的消費分野や、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野などの各種部品などへの応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリアミド樹脂組成物の成形品における広角X腺回折線を示す。
【符号の説明】
(a) 実施例2で得られたポリアミド樹脂組成物の成形品における広角X腺回折線
(b) 比較例2で得られたポリアミド樹脂組成物の成形品における広角X腺回折線

Claims (6)

  1. (A)ポリアミド樹脂および(B)アパタイト粒子から成るポリアミド樹脂組成物であって、(B)アパタイト粒子それぞれが(n00)面で成長した結晶であり、(B)アパタイト粒子の総個数のうち、(B−1)平均径50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である針状結晶が0.5〜99.5%、(B−2)平均厚み50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である板状結晶が99.5〜0.5%であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. (B−1)平均径50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である針状の形状を有するアパタイト粒子、および(B−2)平均厚み50nm以下かつ平均アスペクト比5以上である板状の形状を有するアパタイト粒子の平均粒子長が、1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. ポリアミド原料とジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物を含むアパタイト原料を混合し、ポリアミドの重合およびアパタイトの生成を同時に行うことよって得られることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. ポリアミド原料とジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、およびフッ素化合物を含むアパタイト原料を混合し、ポリアミドの重合およびアパタイトの生成を同時に行うことよって得られることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物が、ポリアミド原料溶液中で合成されることを特徴とする請求項1から4のずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. ジカルボン酸−リン酸カルシウム複合化合物、およびフッ素を含むアパタイトの原料の組成が下記一般式で表されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
    1.30≦(Ca+X)/P≦2.00
    4.0≦(Ca+X)/F≦100
    0.70≦Ca/(Ca+X)≦100
    (ここで、Xはカルシウム以外の金属元素を表す。)
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