JP2003335960A - 層状アパタイト強化樹脂組成物 - Google Patents

層状アパタイト強化樹脂組成物

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JP2003335960A
JP2003335960A JP2002147683A JP2002147683A JP2003335960A JP 2003335960 A JP2003335960 A JP 2003335960A JP 2002147683 A JP2002147683 A JP 2002147683A JP 2002147683 A JP2002147683 A JP 2002147683A JP 2003335960 A JP2003335960 A JP 2003335960A
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政昭 荒巻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、強度、耐熱性などの機械特性が改良さ
れた、樹脂と層状アパタイトとからなる樹脂組成物の提
供。 【解決手段】 樹脂(A)と層状アパタイト(B)とを
配合してなることを特徴とする樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂と層状アパタ
イトとからなる機械特性の改良された新規な樹脂組成物
に関する。
【0002】
【発明の属する技術分野】樹脂の強度、剛性、耐熱性な
どを改良するために、例えばガラス繊維や炭素繊維など
の無機繊維状充填材、タルク、カオリン、マイカ、炭酸
カルシウム、ウォラストナイトなどの無機物粒子、ある
いは雲母、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母などの
層状化合物などの各種無機充填材を配合する方法が提案
され、またこれらの材料のいくつかは、包装・容器など
の汎用的消費分野や、自動車分野、電気・電子分野、機
械・工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野などの各
種部品などに用いられている。しかしながら、これらの
手法には、得られる成形体の強度や剛性がより向上する
点では有効であるものの、ポリアミドと充填剤との親和
性が低いため、ポリアミド樹脂の特徴である靱性が著し
く損なわれるという欠点があった。
【0003】このような欠点を改良する試みとして本発
明者らは、例えば特開平11―199771号公報等で
開示されているように、ポリアミドとアパタイトからな
り、ポリアミドとアパタイトとの界面接着性が良好なポ
リアミド樹脂を提案した。該ポリアミド樹脂から得られ
る成形品は、高剛性、高強度でありかつ良靱性という従
来にない優れた特性を有しているものの、更なる高強
度、高剛性化が期待されている。ところで、石川らは、
J.Matr,Chem.,1995,5(11),1
963やLangmuir,1997,13,821−
826等に、アセトンと水の混合溶媒中でアパタイトを
リン酸モノヘキシル等で処理することにより、層状アパ
タイトが合成できることを開示している。しかしなが
ら、樹脂の特性を改良する目的で、樹脂と前記層状アパ
タイトとの組成物は未だかって報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、剛
性、強度、耐熱性に優れる樹脂と層状アパタイトとから
なる新規な樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、層状のア
パタイトを樹脂とを複合化した新規な樹脂組成物によっ
て、樹脂の強度、剛性、耐熱性が向上することを見出
し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は(1)
樹脂(A)と層状アパタイト(B)とを配合してなるこ
とを特徴とする樹脂組成物、(2)(B)層状アパタイ
トの層間が1.0nm以上であること特徴とする上記1
に記載の樹脂組成物、(3)樹脂(A)100重量部に
対して、層状アパタイト(B)が、0.01〜1000
重量部であることを特徴とする上記1または2に記載の
樹脂組成物、(4)樹脂(A)が、ポリアミド樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、
芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹
脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオレフィン樹
脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、およびゴムのいずれ
かから選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂であるこ
とを特徴とする上記2あるいは3に記載の樹脂組成物、
【0006】(5)層状アパタイト(B)が、層間に下
記式で示されるリン酸エステル化合物を含有することを
特徴とする上記3に記載の樹脂組成物、 (RO)PO(OH) (ここで、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれ
らの基の一部が炭化水素基などで置換された置換基アル
キル基である。) (6)層状アパタイト(B)が、層構造を有しないアパ
タイトとリン酸エステル化合物とを、水と親水性有機溶
媒の混合溶媒中で20〜80℃の温度条件下で混合処理
することにより得られることを特徴とする上記5に記載
の樹脂組成物、(7)親水性有機溶媒が、アセトンであ
ることを特徴とする上記6に記載の樹脂組成物、(8)
層構造を有しないアパタイト1gに対して、0.01〜
0.1モルのリン酸エステル化合物とを混合することを
特徴とする上記6に記載の樹脂組成物、である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明は、樹脂と層状アパタイトとを混合してなる樹脂組
成物に係わる。本発明で好ましく用いられる樹脂は、公
知のものであれば、特に制限されないが、熱可塑性樹脂
あるいはゴムが好ましい樹脂として挙げることができ
る。前記熱可塑性樹脂は、例えば、ポリアミド系樹脂、
ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系
樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、芳香族ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴ
ム、あるいはアラミド、ポリイミド等の縮合系樹脂、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケト
ンなどのポリエーテル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ンなどの含ハロゲンビニル化合物系樹脂、ゴムなどを挙
げることができる。また、フェノール樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの熱
硬化樹脂なども用いることができる。
【0008】これら樹脂は、1種で用いても良いし、2
種以上組み合わせて用いても良い。本発明においては、
これら樹脂の中でも、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、芳香族
ポリエステル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、
ポリアリーレンスルフィド系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴムのいずれか
から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂が、特に好
ましく用いられる。
【0009】本発明の層状アパタイトとは、層構造を有
する層状アパタイトである。本発明の層状アパタイトの
層間距離は、好ましくは1.0nm以上であり、より好
ましくは1.5nm以上、さらに好ましくは3.0nm
以上である。また、層間化合物は下記化式(1)で示さ
れるリン酸エステル化合物であることが好ましい。 (RO)PO(OH) (1) (ここで、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれ
らの基の一部が炭化水素基などで置換された置換基アル
キル基である。) 本発明の層状アパタイトは、層構造を有しないアパタイ
トと前記リン酸エステル化合物とを、水と親水性有機溶
媒との混合溶媒中にて、混合処理することにより合成す
ることができる。合成条件は、20〜80℃の温度条件
下で行うのが好ましい。
【0010】前記層構造を有しないアパタイトは、下記
一般式で示される。 (A)10-Z(HPO(PO6-Z(X)
2-Z・nHO ここで、0≦z<2、0≦n≦16であり、(A)は金
属元素、またXは陰イオンまたは陰イオン化合物であ
り、0≦z<1、0≦n≦4である。前記金属元素
(A)は、得られる樹脂組成物の成形性、物性の点か
ら、モル比にして50〜100%がカルシウムであるこ
とが好ましく、モル比にして75〜100%がより好ま
しく、更には80〜100%が好ましく、85〜100
%がカルシウムであることが最も好ましい。一方、カル
シウム以外の金属元素としては、カルシウム以外の元素
周期律表の1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13族元素およびスズ、鉛を挙げるこ
とができる。これらカルシウム以外の金属元素は1種で
あっても、2種以上であってもかまわない。本発明にお
いては、カルシウム以外の金属元素として好ましいもの
としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、スト
ロンチウム、バリウム、鉄、鉛、スズあるいはこれらの
2種以上からなる混合物を挙げることができる。
【0011】前記一般式中の(X)で示される陰イオン
または陰イオン化合物としては、水酸イオン(O
)、フッ素イオン(F)、塩素イオン(Cl-
などを挙げることができる。これら陰イオン元素または
陰イオン化合物は1種であっても、2種以上であっても
かまわない。また、本発明においては、前記一般式中の
リン酸水素イオン(HPO 2-)、リン酸イオン(P
3-)、あるいはXの一部が炭酸イオン(C
2-)に置換した炭酸含有アパタイトであってもよ
い。
【0012】本発明においては、層構造を有しないアパ
タイトの中で最も好ましく用いられるものとしては、金
属元素(A)がカルシウムである水酸アパタイト
((X)が水酸イオン)、フッ素化アパタイト((X)
の一部または全部がフッ素イオン)、塩素化アパタイト
((X)の一部または全部が塩素イオン)、炭酸含有水
酸アパタイト、炭酸含有フッ素化アパタイト、炭酸含有
塩素化アパタイト、さらには、これらの混合物が最も好
ましく用いられる。
【0013】本発明では、層構造を有しないアパタイト
のリンに対する金属元素の比は、モル比にして1.0〜
2.0が好ましく、1.3〜1.8が特に好ましい。こ
の比が1.0未満や、2.0を越えた場合には、得られ
る樹脂組成物の強度、剛性などの物性の低下が懸念され
好ましくない。
【0014】前記リン酸エステル化合物は、前記化式
(1)を満足する化合物であれば、特に限定されない
が、好ましい化合物としては、化式(1)中のRがメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、n−オクチル基、2−エチルヘキシ
ル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリ
ル基、オレイル基などの脂肪族基、フェニル基、ビフェ
ニル基などの芳香族基、あるいはヒドロキシ基、メチル
基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ノニル基、
メトキシ基、エトキシ基などの置換基を有する芳香族基
などのリン酸エステル化合物あるいはこれらの混合物を
挙げることができる。
【0015】前記親水性有機溶媒とは、水と相溶する溶
媒であれば特に限定しないが、好ましいものとしては、
例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール等
のアルコール系溶媒やN,N−ジメチルホルムアミド、
アセチルアセトアミド等のアミド系溶媒、その他アセト
ン、ジエチルエーテル、ジメチルスルフォキシドなど、
あるいはこれらの混合物を挙げることができる。中でも
好ましいのがアセトンである。
【0016】本発明の層状アパタイトが、層構造を有す
ることの確認方法は、粉末X線回折法、あるいは走査型
電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)によ
る直接観察法などを用いて行うことができる。より具体
的に、粉末X線回折法の場合について説明する。層構造
を有する化合物に、X線を照射すると、その層の表面で
回折が起き、ブラッグの式によって層と層との距離、す
なわち層間距離が求まることが一般に知られている。よ
り具体的には、X線発生源をCuKαを用いて、検出器
のスキャンスピードは1.0度/minで行い、層の表
面での回折面、すなわち(00n)面のピークを測定す
ることにより、層構造の確認および層間距離を求めるこ
とができる。
【0017】本発明において好ましく用いられる層状ア
パタイトは、粉末X線回折により求まる層間距離が1.
0nm以上であり、より好ましくは1.5nm以上、さ
らに好ましくは3.0nm以上である。層間距離が1.
0nm未満では、樹脂に配合しても、アパタイトが均一
に分散した樹脂組成物が得られにくくなる傾向にあり、
機械特性の改良効果が顕著でない場合がある。本発明の
樹脂組成物の製造法は、層状アパタイトに樹脂モノマー
を混在させて樹脂の重合を行う方法、樹脂と層状アパタ
イトとを溶融混練する方法、樹脂と層状アパタイトを溶
液中で混合する方法、樹脂と層状アパタイトのマスター
バッチを混合する方法などを用いれば良い。これら方法
は、必要に応じて、組み合わせても良い。
【0018】前記製造方法のうち、溶融混練により混合
する場合、溶融混練を行う装置としては、一般に実用さ
れている混練機が適用できる。例えば、一軸または多軸
混練押出機、ロール、バンバリーミキサーなどを用いれ
ば良い。中でも、減圧装置、およびサイドフィーダー設
備を装備した2軸押出機が最も好ましい。溶融混練の方
法は、全成分を同時に混練してもよく、あらかじめ予備
混練したブレンド物を用いて混練する方法、更に押出機
の途中から逐次、各成分をフィードし、混練を行っても
よい。
【0019】本発明の樹脂組成物中の層状アパタイトの
配合量は、樹脂100重量部に対して、層状アパタイト
0.01〜1000重量部が好ましい。層状アパタイト
の含有量は、例えば、樹脂組成物のペレットや成形品な
どをJISR3420に従って強熱減量(Ig.los
s)を測定し、その重量減少量から求めることができ
る。具体的には、樹脂組成物を十分乾燥した後、白金皿
に約1g秤量し、650±20℃の電気炉で灰化し、冷
却後、その重量を秤り、層状アパタイトの含有量を定量
する。層状アパタイトが0.01重量部未満である場合
は樹脂の機械特性の効果が十分でない場合がある。さら
に、1000重量部を越えると、成形できないなどの問
題が発生する場合がある。
【0020】本発明の樹脂組成物は、樹脂中の層状アパ
タイトがミクロンメーターサイズ(約100〜1μmの
サイズ)で凝集した状態で分散してもかまわないが、物
性の改良効果という観点から、樹脂中にナノメーターサ
イズ(約10〜100nmのサイズ)で均一に分散して
いることが好ましい。また、樹脂中の層状アパタイトの
重量平均長が、約100nm〜100μmであることが
好ましい。また、重量平均厚みが、1〜100nmであ
ることが好ましい。更には、重量平均長と重量平均厚み
との比である平均アスペクト比が10程度以上、好まし
くは20程度以上、最も好ましくは30程度以上であ
る。
【0021】層状アパタイトの樹脂中での分散状態の確
認と、重量平均長と重量平均厚みの測定は、樹脂組成物
のペレットや成形品を用いて、透過型電子顕微鏡(TE
M)で観察し測定する方法や、樹脂が可溶な溶媒を用い
て樹脂を除去し分離したアパタイトを走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察し測定する方法や、あるいは樹脂組成
物を650±20℃の電気炉で灰化し、冷却後、残存し
たアパタイトを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し測
定する方法により行うことができる。
【0022】透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し測定
する方法を、より具体的に説明すると、樹脂組成物のペ
レットや成形品から、20〜80nm程度の超薄切片を
作成し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて1〜10
万倍程度の倍率で明視野像を撮り、最低100個のアパ
タイトの分散状態の観察を行い求めることができる。重
量平均長と重量平均厚みは、層状アパタイトの長さ(a
およびb軸方向の長さ)Lおよびその個数Nと、厚
み(c軸方向の長さ)Dおよびその個数nを求め、
下記式により算出する。 重量平均長(L)=ΣL ・N/ΣL・N 重量平均厚み(D)=ΣD ・n/ΣD・n 平均アスペクト比=重量平均長(L)/重量平均厚み
(D)
【0023】本発明による樹脂組成物には、必要に応じ
て本発明の目的を損なわない範囲で、樹脂に通常用いら
れる充填材、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスフ
レーク、タルク、カオリン、ウォラストナイト、モンモ
リロナイト、膨潤性フッ素雲母、合成マイカ、アパタイ
トなどの無機充填材、三酸化アンチモン、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜
鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、ポリリン酸アンモニウム、
ポリリン酸メラミン、シアヌル酸メラミン、サクシノグ
アナミン、硫酸メラミン、フタル酸メラミン、シリコー
ン、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテ
ル、複合化ガラス粉末など難燃剤が配合できる。
【0024】また、リン系熱安定剤、ヒンダードフェノ
ール系熱安定剤、イオウ系熱安定剤、ヒンダードアミン
系、トリアジン系安定剤などの熱・酸化防止あるいは耐
候改良剤、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン
酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、ステアリル−ス
テアレート高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、ポ
リアルキレングリコールあるいはその変性物、低分子量
ポリエチレンや酸化ポリエチレンなどの成形性改良剤、
可塑剤、チタンホワイト、カーボンブラック、メタリッ
ク顔料などの顔料や着色剤、ケッチェンブラックやカー
ボンナノチューブなどの導電性付与剤、帯電防止剤、結
晶核剤、可塑剤などを配合してもかまわない。
【0025】本発明の樹脂組成物は、樹脂に一般的に用
いられる成形加工法により、成形することができる。例
えば、射出成形、ガスアシスト成形、射出・ブロー成
形、中空成形、押出成形、発泡成形、シート成形、フィ
ルム成形、回転成形、積層成形、溶着成形、二色成形、
インサート成形、プレス成形など、あるいはこれらを組
み合わせた成形により成形品を得ることができる。本発
明の樹脂組成物は、剛性、強度、耐熱性などの機械特性
が改良されるため、包装・容器などの汎用的消費分野
や、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事
務機器分野、航空・宇宙分野などの各種部品などへの応
用が期待される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により、更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以
下の実施例、比較例において記載した物性評価は、射出
成形機を用いて評価用成形品を作成し、以下のようにし
て行った。 (1)曲げ弾性率(Mpa) ASTM D790に準じて行った。 (2)引張強度(MPa) ASTM D638に準じて行った。 (3)荷重たわみ温度(℃) ASTM D648に準じて行った。荷重は1.83M
Paで行った。
【0027】
【製造例1】層構造を有しないアパタイトの製造:水酸
化カルシウム30g(0.405モル)と純水20kg
との懸濁液に、85重量%リン酸28.7g(リン酸:
0.249モル)を23℃で撹拌しながらゆっくり混合
した。この混合懸濁液を24時間撹拌しながら保持し、
濾過し白色粉末を得た。得た白色粉末を70℃で16時
間乾燥した。得られた乾燥物の広角X線回折(銅Kα
(波長λ=1.542Å))の結果、回折角(2θ)が
25.5〜26.5度に(002)面ピークが存在し、
さらに32.5〜33.5度に(300)面ピークが存
在することを確認できた。また、粉末X線回折の結果、
回折角(2θ)が5度以下の小角領域にはピークは観測
されなかったことから、層構造を有しないアパタイトが
生成していることが確認された。
【0028】
【製造例2】層状アパタイトの合成 アセトン/水(2/1)の混合溶媒1リットルに対し
て、製造例1で得られた層構造を有しないアパタイト1
gとリン酸モノデシル0.05molの割合で加え、撹
拌しながら64℃で5時間還流した。その後、濾過・ア
セトン洗浄し、23℃で16時間真空乾燥した。得られ
た白色粉末の粉末X線回折の結果、層間距離が2.7n
mの層状化合物であることが確認された。
【0029】
【実施例1】ポリプロピレン(グランドポリマー(株)
製:F−600)100重量部に対して、製造例2の層
状アパタイトが10重量部になるように混合し、二軸押
出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混
練し、樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0030】
【実施例2】ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ
1300)100重量部に対して、製造例2の層状アパ
タイトが10重量部になるように混合し、二軸押出機
(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練
し、樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0031】
【実施例3】ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ
1300)100重量部に対して、製造例2の層状アパ
タイトが5重量部になるように混合し、二軸押出機(東
芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹
脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0032】
【実施例4】ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ
1300)100重量部に対して、製造例2の層状アパ
タイト100が重量部になるように混合し、二軸押出機
(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練
し、樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0033】
【実施例5】ポリオキシメチレン(旭化成工業(株)
製:テナックC4520)100重量部に対して、製造
例2の層状アパタイトが10重量部になるように混合
し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用い
て、溶融混練し、樹脂組成物を得た。評価結果を表1に
示す。
【0034】
【実施例6】ポリフェニレンエーテル(旭化成工業
(株)製:ザイロン500H)100重量部に対して、
製造例2の層状アパタイトが10重量部になるように混
合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用
いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。評価結果を表1
に示す。
【0035】
【実施例7】ポリカーボネート(三菱化学(株)製:ユ
ーピロンS2000)100重量部に対して、製造例2
の層状アパタイトが10重量部になるように混合し、二
軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶
融混練し、樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0036】
【実施例8】ポリブチレンテレフタレート(東レ(株)
製:1401−X34)100重量部に対して、製造例
2の層状アパタイトが10重量部になるように混合し、
二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、
溶融混練し、樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示
す。
【0037】
【比較例1】実施例1で用いた、ポリプロピレンを評価
した。評価結果を表1に示す。
【0038】
【比較例2】実施例2で用いた、ポリアミド66を評価
した。評価結果を表1に示す。
【0039】
【比較例3】実施例5で用いた、ポリオキシメチレンを
評価した。評価結果を表1に示す。
【0040】
【比較例4】実施例6で用いた、ポリフェニレンエーテ
ルを評価した。評価結果を表1に示す。
【0041】
【比較例5】実施例7で用いた、ポリカーボネートを評
価した。評価結果を表1に示す。
【0042】
【比較例6】実施例8で用いた、ポリブチレンテレフタ
レートを評価した。評価結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明は、樹脂と層状アパタイトとから
なる新規な樹脂組成物であり、剛性、強度、耐熱性など
の機械特性が改良されるため、包装・容器などの汎用的
消費分野や、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業
分野、事務機器分野、航空・宇宙分野などの各種部品な
どへの応用が期待される。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂(A)と層状アパタイト(B)とを
    配合してなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 層状アパタイト(B)の層間が、1.0
    nm以上であること特徴とする請求項1に記載の樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 樹脂(A)100重量部に対して、層状
    アパタイト(B)が、0.01〜1000重量部である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 樹脂(A)が、ポリアミド樹脂、ポリフ
    ェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、芳香
    族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポ
    リフェニレンスルフィド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ス
    チレン樹脂、アクリル樹脂、およびゴムのいずれかから
    選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることを特
    徴とする請求項2あるいは3に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 層状アパタイト(B)が、層間に下記式
    で示されるリン酸エステル化合物を含有することを特徴
    とする請求項3に記載の樹脂組成物。 (RO)PO(OH) (ここで、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれ
    らの基の一部が炭化水素基などで置換された置換基アル
    キル基である。)
  6. 【請求項6】 層状アパタイト(B)が、層構造を有し
    ないアパタイトとリン酸エステル化合物とを、水と親水
    性有機溶媒の混合溶媒中で20〜80℃の温度条件下で
    混合処理することにより得られることを特徴とする請求
    項5に記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 親水性有機溶媒が、アセトンであること
    を特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 層構造を有しないアパタイト1gに対し
    て、0.01〜0.1モルのリン酸エステル化合物を混
    合することを特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。
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