JP2004075692A - 組成物及びそれからなる飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 β−1,3−1,6−グルカンを含有する組成物の保存中の腐敗、酸化を防止するとともに、体内での抗酸化性や抗アレルギー作用をも増強することができ、飲料に好適な組成物を提供すること。
【解決手段】 β−1,3−1,6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェノールを含有する組成物、特に、β−1,3−1,6−グルカンがアウレオバシジウム属の微生物を培養して得られたものであること、リンゴから抽出されたポリフェノールが、リンゴの未熟果から抽出されたものであることが好適である。当該組成物は飲料、特に健康飲料として有用であり、このとき更にビタミンCを配合してpHを4〜6に調整してなることが好適である。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、β−1,3−1,6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェノールを含有する組成物、並びにそれからなる飲料に関する。
 β−1,3−1,6−グルカンは、β−1,3グルコース結合及びβ−1,6グルコース結合によって多数のグルコースが相互に結合してなる多糖類である。以下のような多様な効能を有する物質であることが知られており、人体の健康の保持、増進に役立つ物質である。
(1)免疫増強作用:リンパ球の働きを強化し免疫機能を向上させる。
(2)抗腫瘍活性:ガン細胞がすでに発生し、発病してしまった後にそのガン細胞を攻撃する。
(3)ガン細胞増殖抑制作用:ガン細胞が発生した後、その増殖を抑え込む。
(4)抗アレルギー作用:アトピー性皮膚炎等のI型アレルギーを抑制する。
(5)抗炎症作用:免疫系の改善による防御機能を増進する。
(6)コレステロール低下作用:血中のコレステロールを低下させる。
(7)食物繊維効果:発ガン物質等を吸着して体外に排出する。
(8)抗血栓作用:血管内部が狭くなったり詰まったりすることを阻止する。
(9)血圧降下作用:心臓から送り出された血液が動脈壁に加える圧力によって異常をきたした時に正常な状態に戻す。
(10)血糖降下作用:血液中の過剰なブドウ糖を下げる。
(11)肝機能亢進:肝機能に対する解毒能力を向上させる。
 β−1,3−1,6−グルカンは、例えばカワラタケ、シイタケやスエヒロタケ等のキノコ類に含まれており、これらを食することで摂取することも可能であるし、これらから抽出したものを摂取することも可能である。しかしながら、そのまま食するのではβ−1,3−1,6−グルカンの体内への吸収が不十分であるし、保存も容易ではない。またこれらのキノコ類から、β−1,3−1,6−グルカンを抽出することもできるが、大量のキノコからの長時間の煮出し作業が必要であり、煮出した後も冷蔵庫等に保管する必要がある。
 特開昭57−149301号公報(特許文献1)には、不完全菌黒色菌科アウレオバシジウム(Aureobacidium)属の微生物が、グルコースがβ−1,3グルコース結合した主鎖から非還元性末端がβ−1,6グルコース結合で分岐した構造を有し、リン酸基がグルコースに結合している高分子多糖を産生する旨が記載されている。ここで用いられている微生物は微工研寄託番号4257号(FERM−P.4257)の菌である。
 また、特開平6−340701号公報(特許文献2)には、オウレオバシディウム プルランス(Aureobacidium pullulans)IFO4466菌株の培養によって、β−1,3結合グルコース残基を主鎖として、これにβ−1,6結合グルコース残基の分岐鎖を多数側鎖として有するβ−グルカンが製造される旨が記載されている。
 他にも、アウレオバシジウム属の微生物がβ−1,3−1,6−グルカンを産生することは、Acta Chemical Scandinavia 17, 1351-1356(1963)(非特許文献1)、 Agric. Biol. Chem. 47(6), 1167-1172(1983)(非特許文献2)、 Chem. Pharm. Bull., 40, 2215(1992)(非特許文献3)等に記載されている通りである。
 このように、特定の微生物を培養することによって、効率的にβ−1,3−1,6−グルカンを得る方法が報告されている。
 しかしながら、β−1,3−1,6−グルカンを含有する組成物を健康飲料あるいは皮膚塗布剤など、一般消費者が直接使用する用途に用いる場合、保存中に雑菌の繁殖によって腐敗しやすいという問題があった。一般家庭においては、特別に落下菌対策などは施されないので、いったん殺菌した組成物であっても、使用中に菌が付着することが多い。特に、アウレオバシジウムの培養液を含有する組成物を直接飲用あるいは塗布するような場合には、そもそも微生物の繁殖しやすい組成の液であることから、長期間にわたって腐敗を防止することは困難であった。だからといって、化学合成された制菌剤を使用したのでは、健康飲料や皮膚塗布剤として使用するには、天然志向の消費者の抵抗が大きい。
 また、β−1,3−1,6−グルカンは酸化を受けやすく、長期保存するためには酸化劣化も防止する必要があった。しかしながら、化学合成された酸化防止剤を使用したのでは、やはり天然志向の消費者の抵抗が大きい。
特開昭57−149301号公報 特開平6−340701号公報 Acta Chemical Scandinavia 17, 1351-1356(1963) Agric. Biol. Chem. 47(6), 1167-1172(1983) Chem. Pharm. Bull., 40, 2215(1992)
 本発明は、これらの課題を解決し、更に体内での抗酸化性や抗アレルギー作用をも増強することの可能な組成物を提供するものであり、特に飲料として有用な組成物を提供するものである。
 前記課題は、β−1,3−1,6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェノールを含有する組成物を提供することによって達成される。天然物であるリンゴから抽出されたポリフェノールが、β−1,3−1,6−グルカン含有組成物の腐敗や酸化を防止し、更に体内での抗酸化性や抗アレルギー作用を増強するものである。このとき、β−1,3−1,6−グルカンがアウレオバシジウムを培養して得られたものである場合に、リンゴから抽出されたポリフェノールを配合する効果が顕著である。また、リンゴから抽出されたポリフェノールとしては、リンゴの未熟果から抽出されたものが好適である。当該組成物は医用組成物あるいは薬用組成物として人体に対して適用される用途に好適に使用される。
 本発明の組成物は飲料、特に健康飲料として有用であり、飲用することで抗腫瘍活性等の各種効能が得られる。このとき、更にビタミンCを配合してpHを4〜6に調整してなる飲料が好適である。
 β−1,3−1,6−グルカンを含有する組成物にリンゴから抽出されたポリフェノールを配合することで、保存中の腐敗、酸化を防止できるとともに、体内での抗酸化性や抗アレルギー作用をも増強することができる。飲料あるいは皮膚塗布剤に有用な組成物を提供することができる。
 本発明の組成物はβ−1,3−1,6−グルカンを含有する。ここで、β−1,3−1,6−グルカンとは、β−1,3グルコース結合及びβ−1,6グルコース結合によって多数のグルコースが相互に結合してなる多糖類である。グルコースがβ−1,3結合した主鎖からβ−1,6結合でグルコースが分岐した構造を有するもの(β−1,6−分枝−β−1,3−グルカン)が好適である。かかる分岐構造を有することで生理活性が増大する。
 本発明のβ−1,3−1,6−グルカンはグルコースを主成分とするが、それ以外の構成糖を少量含んでいてもよい。全構成糖中のグルコースの割合は通常90%以上であることが好ましい。また、本発明のβ−1,3−1,6−グルカンは他の官能基を有していても良い。特に、他の官能基として酸基を有することで生理活性が増強される。含有する酸基としてはリン酸基が好ましく、この場合のリン酸基の含有量はグルコース単位に対して1モル%以上であることが好ましい。
 本発明のβ−1,3−1,6−グルカンの分子量は特に限定されず、通常100個以上のグルコースの繰り返し構造を有する。好適には、浸透圧法による分子量測定(Zimm-Myerson型浸透圧計を用い、セロファン半透膜を用いて測定)での数平均分子量が50000〜500000程度である。
 本発明の組成物中のβ−1,3−1,6−グルカンの含有量は、その使用目的によって適宜調整され、通常0.001〜5重量%の含有量が例示される。ただし製造コストと有効性のバランスを考慮すると、0.01〜0.5重量%であることが好ましく、0.02〜0.3重量%であることがより好ましい。
 本発明に使用されるβ−1,3−1,6−グルカンとしては、アウレオバシジウム(Aureobacidium)属の微生物を培養して得られるものが好適である。
 使用可能なアウレオバシジウム属の微生物は特に限定されないが、微工研寄託番号4257号(FERM−P.4257)の菌や、IFO4466菌等が例示される。中でも微工研寄託番号4257号(FERM−P.4257)の菌が、生理活性の面から好適である。
 培養液から抽出・精製したβ−1,3−1,6−グルカンを使用することもできるが、培養液をそのまま組成物に配合して用いるほうが、不必要に加工処理を施さないものを求める自然派志向の消費者の要求に合致する。また、精製に要するコストを節約できる点からも好ましい。このときの組成物中の当該培養液の含有量は10〜99.999重量%であることが好ましい。
 また、本発明の組成物はリンゴ抽出物を含有する。リンゴには、酸化防止効果、制菌効果、抗アレルギー効果など様々な効果を奏する各種のポリフェノールが含まれており、組成物の腐敗や酸化を防止し、更に体内での抗酸化性や抗アレルギー作用を増強するものである。
 β−1,3−1,6−グルカンのみを含有してリンゴから抽出されたポリフェノールを含有しない組成物の場合には、一般家庭においては、長期間にわたって腐敗を防止することは困難であった。これがリンゴから抽出されたポリフェノールを更に含有することで大きく改善される。このことは、後述の実施例において、添加によってブドウ状球菌や大腸菌の増殖が抑えられていることからも裏付けられているとおりである。
 ポリフェノールを含有する食品としては茶が良く知られているが、茶抽出物に比べて、リンゴ抽出物のほうが水に対する溶解性が10倍以上も高いため、高濃度に配合しても安定な水溶液を得ることができて好ましい。また、苦味が強い茶抽出物に比べて、リンゴ抽出物のほうが呈味性に与える影響が小さく、飲食する用途に向いている。また、茶抽出物は濃い茶色であり、製品の色調が茶色となってしまうため、飲食あるいは塗布等をする用途に用いる際に消費者が敬遠するおそれもある。
 使用するリンゴ抽出物が、リンゴの未熟果から抽出されたものであることがより好ましい。ここで、未熟果とは1個あたりの重量が5〜20g程度の時期に摘果されたもので、ポリフェノールが最も含有されている時期に摘果されたものである。リンゴの未熟果には、成熟果の約10倍のポリフェノールが含まれている。含まれているポリフェノールは、リンゴ縮合型タンニン、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、クロロゲン酸、ジヒドロカルコン類、ケルセチン配糖体、p−クマル酸エステル等である。リンゴの未熟果の抽出物は、例えばニッカウヰスキー株式会社から「アップルフェノン(登録商標)」として入手可能である。
 リンゴ抽出物の配合量は、その使用目的によって適宜調整され、通常水分を除いた状態で0.001〜5重量%の含有量が例示される。ただし製造コストと有効性のバランスを考慮すると、組成物重量に対して0.01〜1重量%であることが好ましく、より好適には0.02〜0.5重量%である。5重量%を超えると、飲料として用いる際には苦味が激しくなるし、加熱殺菌を施す際に着色しやすい。一方、0.001重量%未満の場合には、配合の効果が十分でない場合が多い。
 本発明の組成物は、上記β−1,3−1,6−グルカンとリンゴから抽出されたポリフェノールを必須成分とするものであり、通常水溶液あるいは含水ペーストとして用いられるものである。これに必要に応じて更に他の成分を配合しても良い。
 配合される成分は特に限定されるものではない。ビタミン、ミネラル、葉緑素及び蛋白などの主要栄養素をバランスよく補完する目的で植物起源栄養物である冬虫夏草、熊笹エキス、抹茶又は昆布等;神経伝達物質増殖を補完する目的でビタミンB1またはビタミンB6等;造血調節を補完する目的でグルコース、クロレラ、スッポン原末、ビタミンB12又は葉酸等;抗ウイルス機能を補完する目的でアルギン酸、カテキン、甘草エキス、グリチルリチン、クロレラ、タンニン、ビタミンC又はプロポリス等;過酸化脂質抑制機能を補完する目的でイチョウ葉エキス、γ−オリザノール、カテキン、セサミノール、大豆サポニン、タンニン、ビタミンE、ビタミンB2又はビタミンC等;ビフィズス活性を補完する目的でイソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシルシュクロース、キシロオリゴ糖、キトサン、グリコマクロペプチド、小麦ファイバー、コーンファイバー、ダイズオリゴ糖、ヘミセルロース又は大豆ペプチド等;カルシウム吸収促進を補完する目的でイノシトール、カゼインホスペプチド又はビタミンD等;鉄の吸収促進を補完する目的でスッポン原末、ビタミンC又はヘム鉄等;消化器吸収調節を補完する目的でオピオイドペプチド、ギムネマ、小麦ファイバー、コーンファイバー、タンニン、マルトオリゴ糖又はヘミセルロース等を加えてもよい。
 他にも、アロエ抽出液、アロエベラ抽出液、バラ抽出液、アマチャ抽出液、エンメイソウ、エイジツ、オウゴン、オウバク、オトギリソウ、海草、よもぎ、甘草、キキョウ、熊笹、黒砂糖、ゲンノショウコウ、ごぼう、クロレラ、しいたけ、シコン、しそ、シャクヤク、ジュウヤク、菖蒲、センキョウ、センブリ、ソウハクヒ、チンピ、人参、トウキ、びわ、ブクリュウ、桃、ユキノシタ、柚子、レイシ、ローヤルゼリー、オレンジ、カミツレ、白樺、パセリ、ふき、たんぽぽ、桑、ウイキョウ、にんにく、レモン、杜仲茶等各抽出液、各ビタミン群、イチョウ葉エキス、キトサン、ヘム鉄、ビタミンD、ブルーベリーエキス、ムコ多糖蛋白質、核酸エキス、コラーゲン、コンニャク等を加えても良い。
 本発明の組成物の使用方法は特に限定されるものではないが、好適な用途として、飲食品の用途及び外用剤の用途が挙げられる。
 以下、まず、飲食品、特に飲料として用いる場合について説明する。本発明の組成物を飲用することで、腫瘍抑制効果、I型アレルギー反応抑制の効果が得られ、しかも保存性も向上しているので、健康飲料として好適である。
 本発明の飲料は、β−1,3−1,6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェノールを含有するものである。このとき、β−1,3−1,6−グルカンを含有するだけでリンゴから抽出されたポリフェノールを含有しない場合には、保存性が十分でなく、雑菌が繁殖して腐敗したり、変色したりしやすい。しかも、飲用した場合に、アレルギー性の発疹が出たり、嘔吐を催したりする等の副作用の発生割合が多い。更に、飲用の効果が発現するまでの期間も長い傾向がある。
 本発明のβ−1,3−1,6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェノールを含有する組成物を飲料として使用する際には、本発明の組成物に、更にビタミンCを配合することが好適である。
 ビタミンCは、L−アスコルビン酸ともいわれる水溶性ビタミンであるが、体内で合成することができず、毎日食品等から摂取する必要のあるものである。抗酸化作用、抗ウイルス作用、解毒作用、抗癌作用があるといわれているが、本発明では、β−1,3−1,6−グルカンの腫瘍抑制作用を増強できる点や、リンゴから抽出されたポリフェノールの抗酸化作用を増強できる点から、特に配合することが好ましいものである。ビタミンCは保存中に酸化されやすいが、アップルフェノンを併用することでビタミンCの配合効果を持続させることが可能である。ビタミンCの配合量は、好適には0.01〜5重量%であり、より好適には0.02〜2重量%である。
 また、本発明の組成物を飲料として使用する際には、pHを3〜5に調整してなることが好適である。より好適にはpH3.5〜4.8である。通常、アウレオバシジウム培養液のpHは5.2程度であるが、このままでは保存性が劣る場合がある。若干酸性側にpHを調整することで、保存性が改善される。また、そうすることで適度な酸味を呈することができ、嗜好性の面からも飲用に適したものとなる。このとき、前述のビタミンCの添加によってpHを調整することが、ビタミンCの添加効果も併せて得られることから特に好ましい。また、本発明の飲料には、その他、甘味料、香料等を配合することも可能である。
 本発明の飲料を健康飲料として使用する際の摂取量は、健康状態や疾病の症状等によって適宜調整されるべきものであるが、β−1,3−1,6−グルカンを0.18重量%含有する飲料を飲用する場合、体重の3/10000〜8/10000の重量を飲用するのが標準である。すなわち60kgの体重の者で1日18〜42ml程度を飲用するのが標準である。
 本発明の飲料は、人間本来の持つ免疫力を回復させ、調整する効果を有することから、多様な症状に対してその症状を改善する効果を有することが期待される。そのような効果を列記すると以下のとおりであり、多岐に亘る効果が期待できる。
(1)アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息等の各種アレルギー症状の低減効果。
(2)膠原病、リウマチ、HIV等の免疫異常疾患に対する改善効果。
(3)胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がん等各種のがんに対する抑制効果。
(4)心筋梗塞、脳梗塞等の血管障害疾患に対する改善効果。
(5)B型肝炎、C型肝炎等のウイルス性疾患に対する改善効果。
(6)糖尿病、排尿障害等の泌尿器系疾患に対する改善効果。
(7)便秘、下痢、口内炎、痔、食欲不振、二日酔い等の消化器系疾患の改善効果。
 次に、外用剤、特に皮膚塗布剤として用いる場合について説明する。本発明のβ−1,3−1,6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェノールを含有する組成物は、アトピー性皮膚炎、人工透析掻痒症、老人性掻痒症、乾皮症等に対する痒み止め作用を有し、これらの症状を有する者向けの皮膚塗布剤として有用である。
 アトピー性皮膚炎は、近年、乳幼児から大人まで広く罹患するようになり、大きな問題となっている。特に、激しい痒みに苦痛の日々を送っている患者が多く、痒みを止める方法が切望されている状況にある。アトピー性皮膚炎は、食生活、住宅、化学薬品、衣類、ストレス等、その原因が多岐に渡っているため、専門家もその原因を突き止め、決定的な解決策を施すのが容易ではなく、止むを得ず、対症療法を行うのみとならざるを得ないことが多い。
 本発明者は、皮膚医学の観点から、誰でも容易に皮膚に塗布することができ、しかもかぶれによる痒みを発生しない皮膚塗布剤を得るべく、鋭意検討した。その結果、本発明のβ−1,3−1,6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェノールを含有する組成物が、上記目的を達成できることを見出したものである。すなわち本発明の組成物からなる皮膚塗布剤を塗布することによって、患部の皮膚に、一種の保護膜を形成し、その保護状態を長く持続させることで、患部への雑菌の侵入や繁殖を防ぎ、本来の再生力を促し、結果として痒みが軽減されるものである。
 β−1,3−1,6−グルカンに加えて、リンゴから抽出されたポリフェノールを含有することで、前述のように保存時の腐敗を防止することができ、長期保存が容易である。また、リンゴから抽出されたポリフェノールを含有せず、β−1,3−1,6−グルカンのみを含有する場合には痒みの収まり具合が不十分であった。
 本発明の組成物からなる皮膚塗布剤は、更に馬油を含有することが好ましい。馬油は、皮膚炎、火傷、切り傷、擦り傷等の治療に有効であることが古くから知られている。馬油は、馬の皮下脂肪から抽出・精製した成分であり、保湿効果、油分調整効果が得られ、痒み止めの効果を増強することができる。また有効成分の吸収性を向上させることもできる。好適な配合量は2〜20重量%であり、より好適には3〜15重量%である。20重量%を超えると使用後にベタツキを生じることがあり、2重量%未満の場合には、配合の効果が不十分である。
 本発明の組成物からなる皮膚塗布剤に配合される馬油は、通常、除蛋白、除血、脱臭及び脱色されたものである。なかでも、融点が室温以下、特に10℃以下であって、室温において液状であるものが、皮膚への馬油の浸透性を向上させることができて好適である。融点が10℃を超える場合には、保護剤が皮膚上で溶解するまでに時間を要したり、皮膚に対する伸び等の使用感が低下したりする場合がある。融点を調整する方法としては、水素添加する方法や蜜蝋等の高融点蝋分を配合する方法が挙げられる。
 本発明の組成物からなる皮膚塗布剤が馬油を含有し、それを乳剤とする場合には、更に界面活性剤を含有することが好ましい。水分と、馬油由来の油分とが安定な乳化状態を保持できるからである。界面活性剤の好適な含有量は0.2〜15重量%である。
 上記界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好適であり、特にHLB8以上のノニオン系界面活性剤と、HLB8未満のノニオン系界面活性剤の両者を配合して用いることが好ましい。それらの好適な含有割合は、前者が0.1〜10重量%、後者が0.1〜10重量%である。
 HLB8以上のノニオン系界面活性剤とHLB8未満のノニオン系界面活性剤の両者が使用されるのはO/W型乳化とW/O型乳化のバランスをとるためである。ノニオン系界面活性剤としては、多価アルコールエステル、エチレン(プロピレン)オキシドブロック共重合体などが挙げられる。HLB8以上のノニオン系界面活性剤としてはモノステアリン酸ポリエチレングリコールを例示することができ、一方HLB8未満のノニオン系界面活性剤としてはモノステアリン酸グリセリルを例示することができるが、両ノニオン系界面活性剤の少なくとも一方は自己乳化型のものであることが好ましい。なぜならば、両ノニオン系界面活性剤が共に自己乳化型以外のものであると温度安定性が低下し、均質な皮膚用保護剤の調製が困難となり、分離を生じる場合が多いからである。
 また、本発明の組成物からなる皮膚塗布剤は、水溶性ポリマーを含有することが好ましい。水溶性ポリマーはゲルを形成するために配合されるものであり、多糖類系(グアーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ペクチン、カラギーナン等)、セルロース系(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、澱粉系(可溶性澱粉等)、アルギン系(アルギン酸ナトリウム等) 又は合成高分子系(ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等) のものが例示される。この水溶性ポリマーは通常溶液の形で配合されるが、皮膚用保護剤中においてポリマー自体として占める量は0.1〜5重量%が例示され、0.2〜2重量%が好適である。
 本発明の組成物からなる皮膚塗布剤は、茶抽出物を含有することが好ましい。茶抽出物を配合することで、抗アレルギー作用、抗菌作用、活性酸素抑制作用等の作用を増強することができる。茶抽出物中の主要成分としては緑茶カテキン類が挙げられる。緑茶カテキンとしては、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレートが例示される。茶抽出物の含有量は、好適には0.01〜1重量%であり、より好適には0.02〜0.5重量%である。
 また、本発明の組成物からなる皮膚塗布剤は、甘草抽出物を含有することが好ましい。甘草抽出物を配合することで、消炎効果が得られる。甘草抽出物の主要成分としては、グリチルリチンが挙げられるが、これを加水分解して得られるグリチルリチン酸やその塩を用いることもできる。例えば、グリチルリチン酸ジカリウム等を使用することもできる。甘草抽出物の含有量は、好適には0.01〜1重量%であり、より好適には0.02〜0.5重量%である。
 更に、本発明の組成物からなる皮膚塗布剤が、アラントインを含有することも好ましい。アラントインを含有することで、皮膚刺激の軽減や、アレルギー反応の軽減が可能であり、皮膚の荒れや傷を治癒させる効果も有する。アラントインの含有量は、好適には0.01〜1重量%であり、より好適には0.02〜0.5重量%である。
 本発明の組成物からなる皮膚塗布剤が皮膚収斂性を有する植物性エキスを含有していてもよい。植物エキスとしてはバラエキス、アロエエキス、アルニカエキス、セイヨウキズタエキス、スギナエキス、オトギリソウエキス、セージエキス、セイヨウノコギリソウエキス、アルテアエキス、カモミラエキス、トウキンセンカエキス等を例示することができる。バラエキスを配合することが特に好適であり、バラの花びらから抽出された水溶液を配合することができる。
 本発明の組成物からなる皮膚塗布剤のpHは5〜8であることが、敏感肌に対する皮膚刺激が少なくて好ましい。より好適なpHは5.5〜7.5である。pHの調整は酸又はアルカリを添加することによって行われるが、通常、アウレオバシジウム培養液のpHは5.2程度であることから、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリでpHをアルカリ性側に調整することが多い。
 以下、実施例によって本発明の組成物を具体的に説明する。
 まず、本発明の組成物を健康飲料に用いる例を説明する。
[実施例1]
 特開昭57−149301号公報に記載された方法に準じて、不完全菌黒色菌科アウレオバシジウム(Aureobacidium)属の微生物[微工研寄託番号4257号(FERM−P.4257)]を培養した。グルコースがβ−1,3グルコース結合した主鎖から非還元性末端がβ−1,6グルコース結合で分岐した構造を有し、リン酸基がグルコースに結合している高分子多糖を0.18重量%含有する培養液を得た。本培養液のpHは5.2であった。
 本培養液500kgに対して、リンゴ未熟果の抽出物であるニッカウヰスキー株式会社製「アップルフェノン(登録商標)」を500g、及びビタミンCを750g配合し、練合釜で30分間攪拌した。得られた液体を充填用タンクに移した後、容量500mlガラス製壜に注入し、栓をしてから、30分間85℃でスチーム殺菌して健康飲料を得た。本健康飲料中のβ−1,3−1,6−グルカン、リンゴ抽出物及びビタミンCの含有量はそれぞれ0.18重量%、0.1重量%及び0.15重量%であり、液のpHは4.2であった。
[腫瘍抑制試験1(マウスへの投与)]
・試料の調整法
 上記実施例1の健康飲料を超音波破砕機(Ultrasonic Disruptor UR-200P)を用い、sonication処理(200W/20min.)後、超遠心操作(35000rpm/30min.)により上清を得、これをHEPES Good buffer(ph7.4, μ0.15)にて10倍希釈したものを被験材料とした。
 また、比較試料としてアガリクス茸の子実体を乾燥した粉末を10%(w/v)濃度となるようHEPES Good buffer(ph7.4, μ0.15)に懸濁し、更に超音波破砕機(Ultrasonic Disruptor UR-200P)を用い、sonication処理(200W/10min.)後、2時間熱水抽出操作を行った。その後、超遠心操作(35000rpm/30min.)により上清を得、これを出発材料重量より換算して1%(w/v)濃度になるようにHEPES Good buffer(ph7.4, μ0.15)にて希釈して被験材料とした。
・試験方法
(1)実験動物:
 BALB/cマウス(雌、6週齢)を1群5匹の系で使用した。
(2)Sarcoma180固形癌のマウスへの移植:
 Sarcoma(肉腫)180細胞株を37C/5%CO2インキュベータ中、10%FCS/RPMI-1640培養液にて継代培養した。対数増殖期(Full seat)にある同細胞をTrypsin-EDTAにより培養フラスクより剥離した後、RPMI‐1640培養液で洗浄し、細胞数を5,000,000cells/mLとなるように調整したものを使用した。この0.1mlをそれぞれの被験マウス背部皮下に移植した。操作はすべて無菌的に行なった。
(3)抽出成分の投与方法
 マウスにSarcoma180固形癌細胞を移植した24時間後より、0.22μmフィルターにて無菌ろ過した前記被験材料を、1日1回(0.1ml)ずつ、それぞれ14日間、腹腔内(ip)投与した。
・試験結果
 腫瘍細胞移植3週間後にマウスを屠殺し、移植後生着腫瘍重量(g)を測定し、対照群(control)と比較して腫瘍抑制率(%)を算出した結果を表1に示す。
 ここでの対象群は、前記被験材料の代わりにNa-Phosphate Buffered Saline(PBS)を投与したものである。
Figure 2004075692
 結果から明らかなように、本発明に係る健康食品を投与した場合、比較対照群と比べて、明らかに腫瘍抑制率が高いことがわかる。また、本発明に係る健康飲料を用いた場合、従来から抗腫瘍効果が認められているアガリクス茸と比べて、少量(金額ベースになおすと1/30程度の量)で同程度の腫瘍抑制効果が得られることが判明した。
[腫瘍抑制試験2(血液腫瘍細胞増殖抑制)]
・細胞の調製
 下記(1)〜(6)の各細胞株を37C/5%CO2インキュベータ中で、10%FCSを含むRPMI1640培養液環境下、25cm2培養フラスク内で浮遊増殖培養を行った。各細胞とも対数増殖期にある時点でRPMI1640培養液環境下に洗浄置換して、細胞数が400,000-800,000cells/mLとなるように調整した。
(1)CCRF-CEM細胞:
 Acute lymphoblastic leukemia - T lymphocyte(Human - lympoblast)
 (急性リンパ性白血病)
(2)K562細胞:
 Chronic myelogenous leukemia - bone marrow(Human - lymphoblast)
 (慢性骨髄炎)
(3)MOLT-4CL#8細胞:
 Acute lymphoblastic leukemia - T lymphoblast(Human - lymphoblast)
 (急性リンパ性白血病)
(4)U937細胞:
 Histiocytic lymphoma - macrophage, histiocyte(Human - monocyte)
 (組織リンパ腫)
(5)Raji細胞:
 Burkitt lymphoma - EBV infected B lymphocyte(Human - lymphoblast)
 (バーキットリンパ腫)
(6)YAC-1細胞:
 Natural killer cell - sensitive lymphoma(Mouse - lymphoblast)
 (NK細胞)
・腫瘍細胞と被験材料との反応
 前記マウスによる抗腫瘍実験で用いた本願実施例1の健康飲料から得られた被験材料を出発材料として、10倍希釈溶液(原液の1%溶液)、20倍、100倍希釈溶液となるようにNa-Phosphate Buffered Saline(PBS)で希釈したものを作成し、これを0.22μmフィルターにて無菌ろ過し、被験材料とした。
 更に、上記(1)〜(6)の調製培養細胞浮遊液をそれぞれ96well cell culture plate中に100μリットルずつ分注し、この中に被験材料を等量添加し、よく混和した後、再び37C/5%CO2インキュベータ中で36時間反応培養を行った。
 次に、これらの各培養細胞を0.5%Trypan blueにて染色し、反応後の生細胞の数を計測し、Control(PBS)と比較することで各腫瘍細胞に対する抗腫瘍(増殖抑制)活性として算出した。
・試験結果
 各腫瘍細胞に対して、各濃度の被験材料ごとの生細胞数及び生細胞比を、対照(Control)と比較した結果を表2に示す。結果から明らかなように、本発明に係る健康食品は、血液腫瘍細胞に対する抗腫瘍効果を有している。
Figure 2004075692
[I型アレルギー反応抑制試験]
・被験飼料
 実施例1で得られた健康飲料の、ヒトの1日あたりの摂取量(60kgの体重で40ml)に相当する量を、ヒトとマウス(約20g)の体重比から算出した。この算出量の約25〜30倍の量が摂取濃度(経口投与実験設定濃度)となるように、通常のマウス飼育用紛餌の中に均等に混合した後、固形型打ち及び放射線滅菌して、被験飼料として用いた。マウス飼料中の実質濃度は約5%である。対照(control)群は通常のマウス滅菌固形飼料のみを摂取した。
・実験動物
 アトピー性皮膚炎自然発症マウス(NC/Nga mouse, clean, CV;生後4週齢のものを日本SLC株式会社より入手)を用い、雌雄それぞれ1群10匹の系で行い、上記の被験飼料投与群及び対照群の、計4群にて行った。
 上記実験動物はすべて入荷後1週間の予備飼育をした後、第5週齢より第16種齢に至るまでの間を観察期間とした。
・試験方法
 飼育条件は24±1℃、相対湿度55±5%、明暗各12時間(照明時間:午前7時〜午後7時)ヘパフィルターにより除菌された新鮮空気による換気回数を1時間当たり12回以上に設定されたバリアシステム動物飼育室(マウス、ラット室)で飼育した。飼育には滅菌床敷を入れた滅菌済みのプラスチック製ケージを用いて、4〜6匹飼いで飼育した。ケージの交換は週1回とし、飼料は固形飼料(オリエンタル酵母社製、CFR-1)を給餌器に入れ、飲料水は水道水を滅菌給水瓶に入れてそれぞれ自由に摂取させ飼育した。
 血中IgE量の測定については、飼料摂取の1週後(6週齢)、4週後(9週齢)、7週後(12週齢)及び11週後(16週齢)の4回にわたり、マウス眼底静脈層より採血を行い、得られた血清中のIgE総量の経時的変化をマウスIgEに対する特異抗体を用いたサンドウィッチエライサ法(酵素抗体法)により算出した。
 また、投与11週後(16週齢)における肉眼的皮膚所見について比較観察した。
・試験結果
 雄及び雌のマウスの、血中IgE濃度の加齢による変動について表3に示す。血中IgE濃度の総量は、固体の発育とともに上昇傾向が認められたが、上記被験飼料摂取群においては、対照群とを比較して優位に血中IgE産生の抑制が認められる結果が得られた。特に、投与11週後(16週齢)における血中IgE値では、雌雄の両群において統計学的にt検定を行ったところ、危険率p<0.05上での有意な差異が認められた。
Figure 2004075692
 また、16週齢(通常のアレルギー自然発生週齢)における肉眼的皮膚所見においては、対照群に皮膚症状が外観上現れているのに対し、上記被験飼料投与群は外観的に正常であり、対照群と比較し、被験飼料摂取群において明らかに皮膚アレルギー症状の抑制傾向が認められた。
 この結果より、本発明の健康飲料はマウスにおけるI型アレルギー反応の発症抑制に有効であることが明らかにされ、同等成分のヒト摂取におけるアレルギー反応発症抑制にも有用であることが示唆された。本結果は飲用した結果であるが、後述するような皮膚塗布剤の用途においても、アレルギー反応発症抑制に有用であろうことも示唆される。
[抗菌力試験]
・検体
 検体1;
  実施例1と同様に培養されたアウレオバシジウム培養液にニッカウヰスキー株式会社製「アップルフェノン(登録商標)」を0.1重量%配合したもの
 検体2;
  実施例1と同様に培養されたアウレオバシジウム培養液のみ
・試験菌
 試験菌1;
  Staphylococcus aureus IFO 12732
 試験菌2;
  Klebsiella pneumoniae IFO 13277
・試験方法
 検体1及び2各10mlに、上記試験菌1及び2の菌液をそれぞれ100,000個/ml程度になるように添加して35℃で保存し、開始時、保存開始6時間後及び24時間後に試験液中の生菌数を測定した。また、対照として菌液のみを同様に保存して生菌数を測定した。
・試験結果
 試験結果を表4にまとめて示す。
 表から明らかなように、β−1,3−1,6−グルカンを含有する検体1、2ともに抗菌力を示しており、いずれの試験菌に対しても抗菌効果を有することがわかる。しかも、更にリンゴ抽出物を含有する含有する検体1の方がより強い抗菌力を有することが、6時間後の段階での生菌数から明確である。
Figure 2004075692
 以上のように、β−1,3−1,6−グルカン含有組成物の雑菌の繁殖による腐敗を防止するのに、リンゴ抽出物の配合が有効であることが裏付けられたものである。この結果から、飲料用途,皮膚塗布剤のいずれの用途においてもリンゴ抽出物の配合による腐敗防止効果が推認される。
[実施例2]
 次に、本発明の組成物を皮膚塗布剤に用いる例を説明する。
 配合した原料の割合は以下の通りである。
 ・実施例1と同じ培養液 60重量%
 ・リンゴ未熟果抽出物 0.1重量%
   ニッカウヰスキー株式会社製「アップルフェノン(登録商標)」
 ・馬油(融点8℃) 5重量%
   一光化学株式会社製「液体馬油W」
 ・緑茶抽出物(主成分;緑茶カテキン) 0.05重量%
   太陽化学株式会社製「サンフェノン(登録商標)100S」
 ・グリチルリチン酸ジカリウム 0.1重量%
 ・アラントイン 0.1重量%
 ・バラ抽出液 20重量%
 ・パラオキシ安息香酸メチル 0.2重量%
 ・パラオキシ安息香酸エチル 0.05重量%
 ・カルボキシビニルポリマー 0.8重量%
   B.F.Goodrich Chemical社製
   「カーボポールULTRES−10」
 ・水酸化カリウム 0.2重量%
 ・グリセリン 5重量部
 ・精製水 8.4重量%
 精製水に、実施例1と同じ培養液、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル及びグリセリンを加えて、80℃まで加熱して溶解させた。これを一旦冷却してからカルボキシビニルポリマーを加え、更に水酸化カリウムを加えて攪拌してゲル化させた。次にリンゴ未熟果抽出物及び緑茶抽出物をバラ抽出液に溶解したものを添加して混合した。最後に馬油を加えて良く攪拌してから、容器に充填した。得られた皮膚塗布剤のpHは7であった。
[塗布試験]
 アトピー性皮膚炎の患者10名の協力によって、実施例2の皮膚塗布剤の塗布試験を行った。患者は軽度及び中度のアトピー性皮膚炎患者で、後述する掻痒スコアが2(軽度)以上の者である。
 1日、1回〜数回程度、実施例2の皮膚塗布剤の適量を直接患部に塗擦した。このとき入浴後又は寝る前の塗擦は必須とした。投与期間は4週間とし、2週間毎に臨床症状と有害事象の有無を確認して評価を行った。ただし、10名中3名については4週間後の評価を行わなかった。臨床症状については、各項目につき、以下の判断基準で5段階でスコア評価した。
・掻痒
 患者の自己申告によって以下の基準で判断した。
 0;日中、痒みはない。夜間、痒みはない。
 1;日中、我慢でき掻かなくてもよい。夜間、よく眠れるがわずかに痒い。
 2;日中、たまに掻くが気にならない。夜間、多少痒いが掻けばおさまる。
 3;日中、イライラして絶えず掻く。夜間、目が覚めたり眠りながら掻いたりする。
 4;日中、いても立ってもいられない。夜間、痒くて眠れない。
・潮紅
 0;なし
 1;軽微(わずかな赤みのみ)
 2;軽度(わずかな赤みを帯び、軽度の浮腫がある)
 3;中等度(はっきりした赤みを帯び、軽度の浮腫がある)
 4;高度(鮮紅色ないし紫紅色を呈し、浮腫が目立つ)
・丘疹
 0;なし
 1;軽微(丘疹がわずかにある)
 2;軽度(丘疹が少数見られる)
 3;中等度(軽度と高度の間)
 4;高度(丘疹が多数存在するか、集簇する)
・乾燥粗そう化(毛穴性角化)
 0;なし
 1;軽微(なしと軽度の間)
 2;軽度(皮膚がわずかに粗そう化し、軽度の毛穴一致性角化あり)
 3;中等度(軽度と高度の間)
 4;高度(皮膚が非常に粗そう化し、毛穴一致性角化が目立つ)
・表皮剥離(擦過、掻破痕)
 0;なし
 1;軽微
 2;軽度
 3;中等度
 4;高度
・鱗屑
 0;なし
 1;軽微(わずかな鱗屑が認められる)
 2;軽度(皮膚がわずかにカサカサし、病的角質が皮膚面からわずかに平らに盛り上がる)
 3;中等度(皮膚全体がかなりカサカサした状態)
 4;高度(皮膚全体がカサカサし、病的角質が皮膚面から盛り上がり、はがれ落ちかけた状態)
 試験結果を表5に示す。試験結果から明らかなように、掻痒、潮紅、丘疹、乾燥粗そう化、鱗屑の項目で評価スコアの点数が下がり、表皮剥離では横ばいであった。有害事象としては、1名(C)が皮膚の乾燥感を訴えたにとどまった。これにより、本発明の皮膚塗布剤がアトピー性皮膚炎の各種症状の改善に有効であることが認められた。
Figure 2004075692
[保存試験]
 実施例2で得られた皮膚塗布剤を、密封した状態で40℃の恒温槽(暗所)に保存し、1ヶ月ごとに内容物の外観性状を観察した。その結果、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後のいずれにおいても外観性状に大きな変化はなく、分離も認められなかった。40℃での保存試験は、1ヶ月が常温の約3ヶ月に相当する。本実施例2で得られた皮膚塗布剤が十分な保存安定性を有していることが判明した。

Claims (5)

  1. β−1,3−1,6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェノールを含有する組成物。
  2. β−1,3−1,6−グルカンがアウレオバシジウム属の微生物を培養して得られたものである請求項1記載の組成物。
  3. リンゴから抽出されたポリフェノールが、リンゴの未熟果から抽出されたものである請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物からなる飲料。
  5. 更にビタミンCを配合してpHを4〜6に調整してなる請求項4記載の飲料。
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