JP2004075588A - 毛髪セット剤及び毛髪セット方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長時間にわたりセットを持続させるとともに、毛髪に良好な風合いを付与し、使用時に手肌への刺激のない毛髪のセット剤及びこのセット剤を用いた毛髪セット方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
毛髪にセットを付与する方法としては、一時的にセットを付与する方法と、半永久的にセットを付与する方法がある。前者としては、高分子や油性成分を含むセット剤を塗布し、そのままブラッシングするか、ドライヤー等で加温することによりセットする方法が知られている。例えば、特定のアニオン性高分子化合物とカチオン活性剤、シロキサン誘導体による方法(特開平8−59441号公報)、ポリ酸性アミノ酸とカチオン化セルロース、両性界面活性剤による方法(特開平9−136817号公報)、粉体シリコーンとグリセリン誘導体による方法(特開2000―191452号公報)等が提案されている。これらの方法で髪型を一時的にセットすることは可能であるが、雨や洗髪により、容易にセットがとれてしまう。一方、後者としては、パーマ処理が知られている。これは、毛髪タンパクのシスチン結合を還元剤で一旦切断し、その状態で毛髪の形状を固定し、その後、酸化剤でシスチン結合を再形成する方法であるが、この方法では毛髪の損傷が避けられず、毛髪がぱさつく等の風合いの悪化も認識されている。また、パーマ処理液は刺激性が強いため、パーマ処理時には手荒れが避けられず、手袋の装着が必要である。これまでに開示されている方法では、使用時に手肌への刺激がなく、長時間にわたり、縮毛・くせ毛をストレートに矯正したり、直毛にウェーブを付与するとともに良好な風合いを付与することは困難であった。
【0003】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、洗髪をしても長時間にわたりセットが持続するだけでなく、風合いが良好で、使用時に手肌への刺激のない新規な毛髪セット剤及び毛髪セット方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、分子内にアミド基を有するグアニジン誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を毛髪内部に浸透させることにより、毛髪にセットを付与できるだけでなく、これらの効果の持続性に優れ、しかも風合いが良好で、手肌への刺激のない毛髪セット剤が得られることを見出し、本発明をなすに至ったものである。尚、本発明においてセットとは、縮毛・くせ毛をストレートにする縮毛矯正、あるいは直毛をウェーブにするウェーブ付与を包含する。
【0005】
従って、本発明は
下記一般式(1)
【化7】
(式中、R1は炭素数1〜36の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、Aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基である。mは0又は1であり、nは1〜5の整数である。)
で表される分子内にアミド基を有するグアニジン誘導体及びその塩から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする毛髪セット剤及びこの毛髪セット剤を毛髪に浸透させることを特徴とする毛髪セット方法を提供する。
【0006】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の毛髪セット剤は、下記一般式(1)
【化8】
(式中、R1は炭素数1〜36の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、Aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基である。mは0又は1であり、nは1〜5の整数である。)
で表される分子内にアミド基を有するグアニジン誘導体及びその塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する。これはセット付与剤として機能するものであり、これらを毛髪内部に浸透させることにより、長時間にわたりセットが持続するだけでなく、風合いが良好で、使用時に手肌への刺激のない毛髪セット剤となる。
【0007】
上記式中、R1は炭素数1〜36、好ましくは5〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基である。好ましい基の具体例としては、C5H11−、C7H15−、C9H19−、C11H23−、C13H27−、C15H31−、C17H33−、C17H35−、C12H25CH(C10H21)−等が挙げられる。
【0008】
Aは炭素数1〜10、好ましくは2〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、2−エチルブチレン基等が挙げられる。尚、mは0又は1であり、nは1〜5の整数であり、nとしては1又は2が好ましい。
【0009】
上記一般式(1)で表されるグアニジン誘導体としては、例えば6−グアニジノヘキシルヘキサノイルアミド、8−グアニジノオクチルヘキサノイルアミド、2−グアニジノエチルオクタノイルアミド、3−グアニジノプロピルオクタノイルアミド、4−グアニジノブチルオクタノイルアミド、5−グアニジノペンチルオクタノイルアミド、6−グアニジノヘキシルオクタノイルアミド、2−グアニジノエチルデカノイルアミド、3−グアニジノプロピルデカノイルアミド、4−グアニジノブチルデカノイルアミド、5−グアニジノペンチルデカノイルアミド、6−グアニジノヘキシルデカノイルアミド、2−グアニジノエチルラウロイルアミド、3−グアニジノプロピルラウロイルアミド、4−グアニジノブチルラウロイルアミド、5−グアニジノペンチルラウロイルアミド、6−グアニジノヘキシルラウロイルアミド、2−グアニジノエチルミリストイルアミド、3−グアニジノプロピルミリストイルアミド、4−グアニジノブチルミリストイルアミド、5−グアニジノペンチルミリストイルアミド、6−グアニジノヘキシルミリストイルアミド、2−グアニジノエチルパルミトイルアミド、3−グアニジノプロピルパルミトイルアミド、4−グアニジノブチルパルミトイルアミド、5−グアニジノペンチルパルミトイルアミド、6−グアニジノヘキシルパルミトイルアミド、2−グアニジノエチルステアロイルアミド、3−グアニジノプロピルステアロイルアミド、4−グアニジノブチルステアロイルアミド、5−グアニジノペンチルステアロイルアミド、6−グアニジノヘキシルステアロイルアミド、2−グアニジノエチルオレオイルアミド、3−グアニジノプロピルオレオイルアミド、4−グアニジノブチルオレオイルアミド、2−グアニジノエチル−2−デシルミリストイルアミド、4−グアニジノブチル−2−デシルミリストイルアミド、2−グアニジノエチルイソステアロイルアミド、4−グアニジノブチルイソステアロイルアミド等が挙げられる。
【0010】
上記一般式(1)で表されるグアニジン誘導体は、通常、塩の形で配合される。具体的には、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の無機酸塩、又はグリコール酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、イソ酪酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、デカン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、アクリル酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、L又はDL−ピロリドンカルボン酸塩、酸性アミノ酸塩、ピログルタミン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。この中で酢酸塩、塩酸塩、グリコール酸塩が好ましい。
【0011】
上記一般式(1)で表されるグアニジン誘導体及びそれらの塩は、1種を単独で配合しても、2種以上を併用して配合してもよい。また、その配合量は特に制限されないが、毛髪セット剤全体の0.05〜20%(質量%、以下同様)であることが好ましく、特に0.1〜15%であることが好ましい。配合量が0.05%未満では、毛髪へのセット付与効果が不十分となる場合があり、20%を超えて配合してもそれ以上の配合効果は認められない場合がある。
【0012】
本発明の毛髪セット剤には、グアニジン誘導体及びその塩を毛髪内部に浸透しやすくさせるために、浸透促進剤を配合することが好ましく、浸透促進剤としては、下記一般式(2)で示される芳香族アルコール類、下記一般式(3)で示される二塩基酸ジエステル類、下記一般式(4)で示される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体、下記一般式(5)で示されるグリセリルエーテル誘導体、下記一般式(6)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル類等が挙げられる。
【0013】
浸透促進剤の第1の例は、下記一般式(2)で表される芳香族アルコール類である。
【0014】
【化9】
(式中、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、Xは炭素数1〜4のアルキレン基又はアルケニレン基、aは0又は1である。)
【0015】
R2としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、また、−(O)a−X−OH基としては、−CH2OH、−C2H4OH、−CH(CH3)OH、−C3H6OH、−C(CH3)2OH、−CH2CH(CH3)OH、−CH(CH3)CH2OH、−CH2C(CH3)2OH、−CH=CHCH2OH、−OC2H4OH、−CH2OC2H4OH等が挙げられる。
【0016】
上記一般式(2)の芳香族アルコール類の具体例としては、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、1−フェニル−1−プロパノール、1−フェニル−2−プロパノール、2−フェニル−1−プロパノール、2−フェニル−2−プロパノール、3−フェニル−1−プロパノール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノール、シンナミルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール、4−メチルベンジルアルコール等が挙げられる。これらの中でも特にベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノールが好ましい。
【0017】
浸透促進剤の第2の例は、下記一般式(3)で表される二塩基酸ジエステル類である。
【0018】
【化10】
(式中、R3は炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状でエーテル結合を含んでもよいアルキル基、もしくはアルケニル基、フェニル基、又はベンジル基である。Yは、単結合又は炭素数1〜12、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、エーテル結合や水酸基を含んでもよい。)
【0019】
二塩基酸ジエステル類の具体例としては、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジプロピル、シュウ酸ジイソプロピル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジヘキシル、シュウ酸ジオクチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジベンジル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジプロピル、コハク酸ジイソプロピル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジt−ブチル、コハク酸ビス(2−エチルヘキシル)、コハク酸ビス(2−エトキシエチル)、グルタル酸ジエチル、グルタル酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ブチル、アジピン酸ジt−ブチル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジオクチル、ピメリン酸ジメチル、ピメリン酸ジエチル、ピメリン酸ジイソプロピル、ピメリン酸ジブチル、スベリン酸ジメチル、スベリン酸ジエチル、スベリン酸ジプロピル、スベリン酸ジイソプロピル、アゼライン酸ジメチル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジプロピル、アゼライン酸ジイソプロピル、アゼライン酸ジブチル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。これらの中でも特にアジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピルが好ましい。
【0020】
浸透促進剤の第3の例は、下記一般式(4)で表される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体である。
【0021】
【化11】
(式中、R4は−(OR6)bOR5又は−(OR6)bOCOR5で示され、R5は水素原子又は炭素数1〜22、好ましくは1〜5の飽和又は不飽和の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基、R6は炭素数2〜4のアルキレン基であり、bはアルキレンオキシド基の平均付加モル数を示し、0〜30、好ましくは0〜20の整数である。)
【0022】
R5の具体例としては、例えば、イソプロピル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソブチル基、t−ブチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクチニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、ミリステニル基、ペンタデセニル基、パルミテニル基、オレイル基、リノール基、リノレニル基、アラキジル基、2−エチルヘキセニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、ベンジル基及びp−メトキシベンジル基等を挙げることができ、これらの中でも特にイソプロピル基、アリル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
【0023】
上記一般式(4)中で表される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体として、具体的には、4−プロポキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートプロピルエーテル)、4−エトキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートエチルエーテル)、4−イソプロポキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートイソプロピルエーテル)、4−エトキシメチル−4−メチル−5−メチル−5−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(アルキルグリセリンカーボネートエチルエーテル)、4−プロペノキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートアリルエーテル)等を挙げることができる。特に4−イソプロポキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートイソプロピルエーテル)が好ましい。
【0024】
浸透促進剤の第4の例は、下記一般式(5)で表されるグリセリルエーテル誘導体である。
【0025】
【化12】
(式中、R7は(a)炭素数1〜20、好ましくは2〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、(b)フェニル基等のアリール基、又は(c)フェニル基等のアリール基、水酸基、エーテル基、アミド基、カルボニル基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる1種又は2種以上の置換基を主鎖中又は側鎖に有する炭素数1〜20、好ましくは2〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基である。)
【0026】
R7の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソブチル基、t−ブチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクチニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、ミリステニル基、ペンタデセニル基、パルミテニル基、オレイル基、リノール基、リノレニル基、アラキジル基、2−エチルヘキセニル基、アリル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基等を挙げることができ、これらの中でも特にイソプロピル基(イソプロピルグリセリルエーテル)、アリル基(アリルグリセリルエーテル)、メチル基(メチルグリセリルエーテル)、エチル基(エチルグリセリルエーテル)、プロピル基(プロピルグリセリルエーテル)が好ましい。
【0027】
浸透促進剤の第5の例は、下記一般式(6)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル類である。
【0028】
【化13】
(式中、R8は炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はアルケニル基であり、R9は水素原子又はメチル基であり、cは1〜3の整数である。)
【0029】
上記一般式(6)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。この中でも特にジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
【0030】
浸透促進剤としては、上記一般式(2)で表される芳香族アルコール類、上記一般式(3)で表される二塩基酸ジエステル類、上記一般式(4)で表される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体、上記一般式(5)で表されるグリセリルエーテル誘導体、上記一般式(6)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル類を1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、総じてその種類に応じた有効量であるが、0.1〜50%が好ましく、0.5〜25%が更に好ましい。配合量が0.1%未満では、配合効果が不十分となる場合があり、50%を超えて配合してもそれ以上の配合効果は認められない場合がある。
【0031】
本発明の毛髪セット剤においては、グアニジン誘導体及びその塩の溶解度を向上させるために溶剤を用いてもよい。これらの溶剤の具体例としては、例えば有機溶剤としてメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の炭素数が1〜4のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン等のジオールやトリオール、エタノールアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン等が挙げられる。これらの有機溶剤の配合量は、0.1〜98%、特に1〜30%が好ましい。また、これらの有機溶剤は1種を単独で配合しても、2種以上を併用して配合してもよい。
【0032】
本発明の毛髪セット剤には、水及びその他本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じ、無機塩、グアニジン誘導体を除く他の界面活性剤、油剤、高級アルコール、香料、パール化剤、色素、染料、金属キレート剤、粘度調整剤、動植物抽出剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、漂白剤、抗フケ剤、殺菌剤、養毛剤、安定化剤、ビタミン類等の薬効剤、血行促進剤、収斂剤等を適宜配合できる。また、本発明組成物で処理した毛髪の風合いは非常に良好であるが、更に風合いをコントロールするために、カチオン化セルロース等の高分子化合物や、ジメチルポリシロキサンやアミノ変性シリコーン等のシリコーン誘導体等を配合することもできる。
【0033】
本発明の毛髪セット剤は、中性〜アルカリ領域で高い効果を発揮するため、好ましくはpHが5〜12、より好ましくはpH6〜11、更に好ましくはpH8〜10であり、pH調整剤は公知の化合物が使用できる。
【0034】
本発明の毛髪セット剤は、前記必須成分及び任意成分を適宜配合して製造することができ、例えば、水溶液、エタノール溶液、エマルジョン、サスペンジョン、ゲル、液晶、固体、エアゾール等の各種の剤型に用いることができる。
【0035】
本発明の毛髪セット剤を充填する容器は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、エバール等の汎用プラスチック容器や、ガラス容器又はアルミ、鉄等の金属容器、又はこれらを併用して用いる容器に保存して用いることができる。
【0036】
ここで、本発明の毛髪処理方法において、上記毛髪セット剤を使用して毛髪を所望の状態にセットする際の毛髪セット剤の適用方法は、特に制限されるものではなく、例えば毛髪に上記毛髪セット剤を塗布してもよく、また、上記毛髪セット剤に毛髪を浸漬してもよいが、いずれの方法においても、グアニジン誘導体及びそれらの塩が毛髪内部に浸透しやすくなるように、室温以上に加温して用いることが望ましい。具体的には、例えば予め加温した上記毛髪セット剤に毛髪を浸漬しても、加温した上記毛髪セット剤を毛髪に塗布してもよく、また、毛髪を上記毛髪セット剤に浸漬後、あるいは毛髪に上記毛髪セット剤を塗布後に両者を加温してもよい。また、毛髪を上記毛髪セット剤に浸漬前、あるいは毛髪に上記毛髪セット剤を塗布前に、毛髪のみを加温してもよい。加温する温度に特に制限はないが、30〜160℃が好ましく、35〜150℃がより好ましく、40〜140℃が更に好ましい。
【0037】
加温及び処理方法は特に限定されるものではないが、例えば超音波、赤外線、電磁波を照射したり、ドライヤー、スチームドライヤー、コテ、電子レンジ、オーブン、アイロン等の電気器具や、発熱体や温熱シート、発熱ジェル、ヘアキャップ、スチーム発生器具や、美容室に設置してあるスチーマー、ウォーマー等の加湿、加温器具等を用いてもよい。
【0038】
本発明の毛髪セット剤で処理した毛髪は、処理後に洗っても、洗い流すことなく放置してもよく、また処理する前の毛髪は乾燥状態でも、湿った状態でもよい。
【0039】
更に、本発明の毛髪セット剤を使用して毛髪をセットするときは、形付けをしたまま上記毛髪セット剤でセット処理しても、上記毛髪セット剤でセット処理した後に形付けをしてもよい。
【0040】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で%は質量%を示す。
【0041】
[実施例1〜15,比較例1〜4]
表1〜4に示す配合の毛髪処理剤を常法にて調製し、得られた毛髪処理剤を髪に使用した際のセット付与力、風合い、それらの効果持続性及び手肌への刺激性を下記方法で行なった。尚、セット付与力は、縮毛矯正力とウェーブ付与力として評価を行った。結果を表1〜4に併記する。
【0042】
[縮毛矯正力評価]
毛髪として試験時までにパーマやブリーチ等の美容処理をしていない女性のくせ毛20本を使用し、この毛髪を真っ直ぐに伸ばした状態で固定し、毛髪セット剤に50℃、30分浸漬した。次に、水道水で1分間洗浄した後、ドライヤーで乾燥し、毛髪を取り外した。最後に、20℃の水道水に5分間浸漬し、風乾させた。風乾後に5人の熟練したパネラーにより、処理前の毛髪とを直線状の毛髪とを比較して、以下の条件で目視評価を行った。また、比較例4は、上記と同じ方法で固定し、25℃で、5%チオグリコール酸アンモニウム(pH9.0)に7分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、更に3%臭素酸カリウムに5分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、ドライヤーで乾燥した。
<評価基準>
○:くせ毛がほぼ完全に矯正され、ほぼ直線状となっていた。
△:約半分程度のくせ毛が矯正されていた。
×:くせ毛がほとんど矯正されなかった。
【0043】
[ウェーブ付与力評価]
毛髪として試験時までにパーマやブリーチ等の美容処理をしていない女性の直毛20本を使用し、この毛髪を直径1cmのロッドに7〜8回巻き付けた後、毛髪セット剤に50℃、30分浸漬した。次に、水道水で1分間洗浄した後、ドライヤー乾燥し、毛髪をロッドから取り外した。最後に、20℃の水道水に5分間浸漬し、風乾後に毛髪のカールの山間距離を測定して、以下に示す評価基準で評価した。また、比較例4は、上記と同じ方法で巻き付け、25℃で、5%チオグリコール酸アンモニウム(pH9.0)に7分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、更に3%臭素酸カリウムに5分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、ドライヤーで乾燥した。
<評価基準>
○:平均山間距離が2.5cm未満。
△:平均山間距離が2.5〜5cm未満。
×:平均山間距離が5cm以上。
【0044】
[セット持続性評価]
上記縮毛矯正力評価、ウェーブ付与力評価で処理した20本の毛束をシャンプーとリンスで7回繰り返し処理し、下記評価基準で、セット(縮毛矯正力、ウエーブ付与力)の持続性を評価した。
【0045】
<評価基準>
◎:処理後もセットがほぼ持続していた。
○:処理後もセットが2/3程度持続していた。
△:処理後もセットが1/3程度持続していた。
×:処理後にはセットがほとんど残っていなかった。
【0046】
[風合い評価]
パーマやブリーチ等の美容処理をしていない毛束10gを使用し、これを毛髪処理剤に50℃、30分浸漬した。次に、水道水で1分間洗浄した後、ドライヤーで乾燥した。その後、5人の熟練したパネラーにより、処理前の毛束と比較して、以下の基準で官能評価をした。また、比較例4は、25℃で、5%チオグリコール酸アンモニウム(pH9.0)に7分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、更に3%臭素酸カリウムに5分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、ドライヤーで乾燥した。
<評価基準>
○:5人中4人以上風合いが良好であると感じた。
△:5人中1〜3人風合いが良好であると感じた。
×:5人中誰も風合いが良好であると感じなかった。
【0047】
[手肌への刺激性評価]
パーマやブリーチ等の美容処理をしていない毛束10gを使用し、これを毛髪処理剤に50℃、30分浸漬した。次に、素手で毛髪を取り出し、毛髪を水道水で1分間洗浄した後、ドライヤーで乾燥した。その後、5人の熟練したパネラーにより手肌への刺激性を以下の基準で評価した。また、比較例4は、25℃で、5%チオグリコール酸アンモニウム(pH9.0)に7分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、更に3%臭素酸カリウムに5分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、ドライヤーで乾燥した。その後、5人の熟練したパネラーにより手肌への刺激性を以下の評価基準で官能評価した。
<評価基準>
○:5人中誰も刺激を感じなかった。
△:5人中1人が刺激を感じた。
×:5人中2人以上が刺激を感じた。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
表1〜4に示すように、実施例1〜15は、いずれもセット力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性に優れ、処理毛束の風合いも良好であり、手肌への刺激性も認められなかった。実施例1〜15は、比較例1〜3に比べセット力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)が高かった。また、実施例1〜15は、比較例4に比べ、持続性が良好であるとともに、処理毛束の風合いも良好であり、手肌への刺激性も認められなかった。
【0053】
[実施例16〜19]
表5に示す組成のジェル剤を常法に準じて調製し、実施例16〜19のジェル剤を得た。これらについて、上記実施例1〜15と同様の方法でセット付与力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性、風合い、手肌への刺激性を評価した。結果を表5に併記する。
【0054】
【表5】
【0055】
[実施例20〜23]
表6に示す組成のフォーム剤を常法に準じて調製し、実施例20〜23のフォーム剤を得た。これらについて、上記実施例1〜15と同様の方法でセット付与力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性、風合い、手肌への刺激性を評価した。結果を表6に併記する。
【0056】
【表6】
【0057】
[実施例24〜26]
表7に示す組成のスプレー剤を常法に準じて調製し、実施例24〜26のスプレー剤を得た。これらについて、上記実施例1〜15と同様の方法でセット付与力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性、風合い、手肌への刺激性を評価した。結果を表7に併記する。
【0058】
【表7】
【0059】
[実施例27〜29]
表8に示す組成のヘアウォーターを常法に準じて調製し、実施例27〜29のヘアウォーターを得た。これらについて、上記実施例1〜15と同様の方法でセット付与力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性、風合い、手肌への刺激性を評価した。結果を表8に併記する。
【0060】
【表8】
【0061】
表5〜8に示すように、実施例16〜29の毛髪セット剤は、いずれもセット力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性に優れ、処理毛束の風合いも良好であり、手肌への刺激性も認められなかった。
【0062】
【発明の効果】
本発明の毛髪セット剤は、長時間にわたりセットが持続するだけでなく、風合いが良好で、使用時に手肌への刺激も認められない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、長時間にわたりセットを持続させるとともに、毛髪に良好な風合いを付与し、使用時に手肌への刺激のない毛髪のセット剤及びこのセット剤を用いた毛髪セット方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
毛髪にセットを付与する方法としては、一時的にセットを付与する方法と、半永久的にセットを付与する方法がある。前者としては、高分子や油性成分を含むセット剤を塗布し、そのままブラッシングするか、ドライヤー等で加温することによりセットする方法が知られている。例えば、特定のアニオン性高分子化合物とカチオン活性剤、シロキサン誘導体による方法(特開平8−59441号公報)、ポリ酸性アミノ酸とカチオン化セルロース、両性界面活性剤による方法(特開平9−136817号公報)、粉体シリコーンとグリセリン誘導体による方法(特開2000―191452号公報)等が提案されている。これらの方法で髪型を一時的にセットすることは可能であるが、雨や洗髪により、容易にセットがとれてしまう。一方、後者としては、パーマ処理が知られている。これは、毛髪タンパクのシスチン結合を還元剤で一旦切断し、その状態で毛髪の形状を固定し、その後、酸化剤でシスチン結合を再形成する方法であるが、この方法では毛髪の損傷が避けられず、毛髪がぱさつく等の風合いの悪化も認識されている。また、パーマ処理液は刺激性が強いため、パーマ処理時には手荒れが避けられず、手袋の装着が必要である。これまでに開示されている方法では、使用時に手肌への刺激がなく、長時間にわたり、縮毛・くせ毛をストレートに矯正したり、直毛にウェーブを付与するとともに良好な風合いを付与することは困難であった。
【0003】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、洗髪をしても長時間にわたりセットが持続するだけでなく、風合いが良好で、使用時に手肌への刺激のない新規な毛髪セット剤及び毛髪セット方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、分子内にアミド基を有するグアニジン誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を毛髪内部に浸透させることにより、毛髪にセットを付与できるだけでなく、これらの効果の持続性に優れ、しかも風合いが良好で、手肌への刺激のない毛髪セット剤が得られることを見出し、本発明をなすに至ったものである。尚、本発明においてセットとは、縮毛・くせ毛をストレートにする縮毛矯正、あるいは直毛をウェーブにするウェーブ付与を包含する。
【0005】
従って、本発明は
下記一般式(1)
【化7】
(式中、R1は炭素数1〜36の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、Aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基である。mは0又は1であり、nは1〜5の整数である。)
で表される分子内にアミド基を有するグアニジン誘導体及びその塩から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする毛髪セット剤及びこの毛髪セット剤を毛髪に浸透させることを特徴とする毛髪セット方法を提供する。
【0006】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の毛髪セット剤は、下記一般式(1)
【化8】
(式中、R1は炭素数1〜36の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、Aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基である。mは0又は1であり、nは1〜5の整数である。)
で表される分子内にアミド基を有するグアニジン誘導体及びその塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する。これはセット付与剤として機能するものであり、これらを毛髪内部に浸透させることにより、長時間にわたりセットが持続するだけでなく、風合いが良好で、使用時に手肌への刺激のない毛髪セット剤となる。
【0007】
上記式中、R1は炭素数1〜36、好ましくは5〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基である。好ましい基の具体例としては、C5H11−、C7H15−、C9H19−、C11H23−、C13H27−、C15H31−、C17H33−、C17H35−、C12H25CH(C10H21)−等が挙げられる。
【0008】
Aは炭素数1〜10、好ましくは2〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、2−エチルブチレン基等が挙げられる。尚、mは0又は1であり、nは1〜5の整数であり、nとしては1又は2が好ましい。
【0009】
上記一般式(1)で表されるグアニジン誘導体としては、例えば6−グアニジノヘキシルヘキサノイルアミド、8−グアニジノオクチルヘキサノイルアミド、2−グアニジノエチルオクタノイルアミド、3−グアニジノプロピルオクタノイルアミド、4−グアニジノブチルオクタノイルアミド、5−グアニジノペンチルオクタノイルアミド、6−グアニジノヘキシルオクタノイルアミド、2−グアニジノエチルデカノイルアミド、3−グアニジノプロピルデカノイルアミド、4−グアニジノブチルデカノイルアミド、5−グアニジノペンチルデカノイルアミド、6−グアニジノヘキシルデカノイルアミド、2−グアニジノエチルラウロイルアミド、3−グアニジノプロピルラウロイルアミド、4−グアニジノブチルラウロイルアミド、5−グアニジノペンチルラウロイルアミド、6−グアニジノヘキシルラウロイルアミド、2−グアニジノエチルミリストイルアミド、3−グアニジノプロピルミリストイルアミド、4−グアニジノブチルミリストイルアミド、5−グアニジノペンチルミリストイルアミド、6−グアニジノヘキシルミリストイルアミド、2−グアニジノエチルパルミトイルアミド、3−グアニジノプロピルパルミトイルアミド、4−グアニジノブチルパルミトイルアミド、5−グアニジノペンチルパルミトイルアミド、6−グアニジノヘキシルパルミトイルアミド、2−グアニジノエチルステアロイルアミド、3−グアニジノプロピルステアロイルアミド、4−グアニジノブチルステアロイルアミド、5−グアニジノペンチルステアロイルアミド、6−グアニジノヘキシルステアロイルアミド、2−グアニジノエチルオレオイルアミド、3−グアニジノプロピルオレオイルアミド、4−グアニジノブチルオレオイルアミド、2−グアニジノエチル−2−デシルミリストイルアミド、4−グアニジノブチル−2−デシルミリストイルアミド、2−グアニジノエチルイソステアロイルアミド、4−グアニジノブチルイソステアロイルアミド等が挙げられる。
【0010】
上記一般式(1)で表されるグアニジン誘導体は、通常、塩の形で配合される。具体的には、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の無機酸塩、又はグリコール酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、イソ酪酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、デカン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、アクリル酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、L又はDL−ピロリドンカルボン酸塩、酸性アミノ酸塩、ピログルタミン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。この中で酢酸塩、塩酸塩、グリコール酸塩が好ましい。
【0011】
上記一般式(1)で表されるグアニジン誘導体及びそれらの塩は、1種を単独で配合しても、2種以上を併用して配合してもよい。また、その配合量は特に制限されないが、毛髪セット剤全体の0.05〜20%(質量%、以下同様)であることが好ましく、特に0.1〜15%であることが好ましい。配合量が0.05%未満では、毛髪へのセット付与効果が不十分となる場合があり、20%を超えて配合してもそれ以上の配合効果は認められない場合がある。
【0012】
本発明の毛髪セット剤には、グアニジン誘導体及びその塩を毛髪内部に浸透しやすくさせるために、浸透促進剤を配合することが好ましく、浸透促進剤としては、下記一般式(2)で示される芳香族アルコール類、下記一般式(3)で示される二塩基酸ジエステル類、下記一般式(4)で示される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体、下記一般式(5)で示されるグリセリルエーテル誘導体、下記一般式(6)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル類等が挙げられる。
【0013】
浸透促進剤の第1の例は、下記一般式(2)で表される芳香族アルコール類である。
【0014】
【化9】
(式中、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、Xは炭素数1〜4のアルキレン基又はアルケニレン基、aは0又は1である。)
【0015】
R2としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、また、−(O)a−X−OH基としては、−CH2OH、−C2H4OH、−CH(CH3)OH、−C3H6OH、−C(CH3)2OH、−CH2CH(CH3)OH、−CH(CH3)CH2OH、−CH2C(CH3)2OH、−CH=CHCH2OH、−OC2H4OH、−CH2OC2H4OH等が挙げられる。
【0016】
上記一般式(2)の芳香族アルコール類の具体例としては、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、1−フェニル−1−プロパノール、1−フェニル−2−プロパノール、2−フェニル−1−プロパノール、2−フェニル−2−プロパノール、3−フェニル−1−プロパノール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノール、シンナミルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール、4−メチルベンジルアルコール等が挙げられる。これらの中でも特にベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノールが好ましい。
【0017】
浸透促進剤の第2の例は、下記一般式(3)で表される二塩基酸ジエステル類である。
【0018】
【化10】
(式中、R3は炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状でエーテル結合を含んでもよいアルキル基、もしくはアルケニル基、フェニル基、又はベンジル基である。Yは、単結合又は炭素数1〜12、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、エーテル結合や水酸基を含んでもよい。)
【0019】
二塩基酸ジエステル類の具体例としては、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジプロピル、シュウ酸ジイソプロピル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジヘキシル、シュウ酸ジオクチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジベンジル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジプロピル、コハク酸ジイソプロピル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジt−ブチル、コハク酸ビス(2−エチルヘキシル)、コハク酸ビス(2−エトキシエチル)、グルタル酸ジエチル、グルタル酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ブチル、アジピン酸ジt−ブチル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジオクチル、ピメリン酸ジメチル、ピメリン酸ジエチル、ピメリン酸ジイソプロピル、ピメリン酸ジブチル、スベリン酸ジメチル、スベリン酸ジエチル、スベリン酸ジプロピル、スベリン酸ジイソプロピル、アゼライン酸ジメチル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジプロピル、アゼライン酸ジイソプロピル、アゼライン酸ジブチル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。これらの中でも特にアジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピルが好ましい。
【0020】
浸透促進剤の第3の例は、下記一般式(4)で表される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体である。
【0021】
【化11】
(式中、R4は−(OR6)bOR5又は−(OR6)bOCOR5で示され、R5は水素原子又は炭素数1〜22、好ましくは1〜5の飽和又は不飽和の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基、R6は炭素数2〜4のアルキレン基であり、bはアルキレンオキシド基の平均付加モル数を示し、0〜30、好ましくは0〜20の整数である。)
【0022】
R5の具体例としては、例えば、イソプロピル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソブチル基、t−ブチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクチニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、ミリステニル基、ペンタデセニル基、パルミテニル基、オレイル基、リノール基、リノレニル基、アラキジル基、2−エチルヘキセニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、ベンジル基及びp−メトキシベンジル基等を挙げることができ、これらの中でも特にイソプロピル基、アリル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
【0023】
上記一般式(4)中で表される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体として、具体的には、4−プロポキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートプロピルエーテル)、4−エトキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートエチルエーテル)、4−イソプロポキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートイソプロピルエーテル)、4−エトキシメチル−4−メチル−5−メチル−5−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(アルキルグリセリンカーボネートエチルエーテル)、4−プロペノキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートアリルエーテル)等を挙げることができる。特に4−イソプロポキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(グリセリンカーボネートイソプロピルエーテル)が好ましい。
【0024】
浸透促進剤の第4の例は、下記一般式(5)で表されるグリセリルエーテル誘導体である。
【0025】
【化12】
(式中、R7は(a)炭素数1〜20、好ましくは2〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、(b)フェニル基等のアリール基、又は(c)フェニル基等のアリール基、水酸基、エーテル基、アミド基、カルボニル基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる1種又は2種以上の置換基を主鎖中又は側鎖に有する炭素数1〜20、好ましくは2〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基である。)
【0026】
R7の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソブチル基、t−ブチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクチニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、ミリステニル基、ペンタデセニル基、パルミテニル基、オレイル基、リノール基、リノレニル基、アラキジル基、2−エチルヘキセニル基、アリル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基等を挙げることができ、これらの中でも特にイソプロピル基(イソプロピルグリセリルエーテル)、アリル基(アリルグリセリルエーテル)、メチル基(メチルグリセリルエーテル)、エチル基(エチルグリセリルエーテル)、プロピル基(プロピルグリセリルエーテル)が好ましい。
【0027】
浸透促進剤の第5の例は、下記一般式(6)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル類である。
【0028】
【化13】
(式中、R8は炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はアルケニル基であり、R9は水素原子又はメチル基であり、cは1〜3の整数である。)
【0029】
上記一般式(6)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。この中でも特にジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
【0030】
浸透促進剤としては、上記一般式(2)で表される芳香族アルコール類、上記一般式(3)で表される二塩基酸ジエステル類、上記一般式(4)で表される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体、上記一般式(5)で表されるグリセリルエーテル誘導体、上記一般式(6)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル類を1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、総じてその種類に応じた有効量であるが、0.1〜50%が好ましく、0.5〜25%が更に好ましい。配合量が0.1%未満では、配合効果が不十分となる場合があり、50%を超えて配合してもそれ以上の配合効果は認められない場合がある。
【0031】
本発明の毛髪セット剤においては、グアニジン誘導体及びその塩の溶解度を向上させるために溶剤を用いてもよい。これらの溶剤の具体例としては、例えば有機溶剤としてメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の炭素数が1〜4のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン等のジオールやトリオール、エタノールアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン等が挙げられる。これらの有機溶剤の配合量は、0.1〜98%、特に1〜30%が好ましい。また、これらの有機溶剤は1種を単独で配合しても、2種以上を併用して配合してもよい。
【0032】
本発明の毛髪セット剤には、水及びその他本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じ、無機塩、グアニジン誘導体を除く他の界面活性剤、油剤、高級アルコール、香料、パール化剤、色素、染料、金属キレート剤、粘度調整剤、動植物抽出剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、漂白剤、抗フケ剤、殺菌剤、養毛剤、安定化剤、ビタミン類等の薬効剤、血行促進剤、収斂剤等を適宜配合できる。また、本発明組成物で処理した毛髪の風合いは非常に良好であるが、更に風合いをコントロールするために、カチオン化セルロース等の高分子化合物や、ジメチルポリシロキサンやアミノ変性シリコーン等のシリコーン誘導体等を配合することもできる。
【0033】
本発明の毛髪セット剤は、中性〜アルカリ領域で高い効果を発揮するため、好ましくはpHが5〜12、より好ましくはpH6〜11、更に好ましくはpH8〜10であり、pH調整剤は公知の化合物が使用できる。
【0034】
本発明の毛髪セット剤は、前記必須成分及び任意成分を適宜配合して製造することができ、例えば、水溶液、エタノール溶液、エマルジョン、サスペンジョン、ゲル、液晶、固体、エアゾール等の各種の剤型に用いることができる。
【0035】
本発明の毛髪セット剤を充填する容器は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、エバール等の汎用プラスチック容器や、ガラス容器又はアルミ、鉄等の金属容器、又はこれらを併用して用いる容器に保存して用いることができる。
【0036】
ここで、本発明の毛髪処理方法において、上記毛髪セット剤を使用して毛髪を所望の状態にセットする際の毛髪セット剤の適用方法は、特に制限されるものではなく、例えば毛髪に上記毛髪セット剤を塗布してもよく、また、上記毛髪セット剤に毛髪を浸漬してもよいが、いずれの方法においても、グアニジン誘導体及びそれらの塩が毛髪内部に浸透しやすくなるように、室温以上に加温して用いることが望ましい。具体的には、例えば予め加温した上記毛髪セット剤に毛髪を浸漬しても、加温した上記毛髪セット剤を毛髪に塗布してもよく、また、毛髪を上記毛髪セット剤に浸漬後、あるいは毛髪に上記毛髪セット剤を塗布後に両者を加温してもよい。また、毛髪を上記毛髪セット剤に浸漬前、あるいは毛髪に上記毛髪セット剤を塗布前に、毛髪のみを加温してもよい。加温する温度に特に制限はないが、30〜160℃が好ましく、35〜150℃がより好ましく、40〜140℃が更に好ましい。
【0037】
加温及び処理方法は特に限定されるものではないが、例えば超音波、赤外線、電磁波を照射したり、ドライヤー、スチームドライヤー、コテ、電子レンジ、オーブン、アイロン等の電気器具や、発熱体や温熱シート、発熱ジェル、ヘアキャップ、スチーム発生器具や、美容室に設置してあるスチーマー、ウォーマー等の加湿、加温器具等を用いてもよい。
【0038】
本発明の毛髪セット剤で処理した毛髪は、処理後に洗っても、洗い流すことなく放置してもよく、また処理する前の毛髪は乾燥状態でも、湿った状態でもよい。
【0039】
更に、本発明の毛髪セット剤を使用して毛髪をセットするときは、形付けをしたまま上記毛髪セット剤でセット処理しても、上記毛髪セット剤でセット処理した後に形付けをしてもよい。
【0040】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で%は質量%を示す。
【0041】
[実施例1〜15,比較例1〜4]
表1〜4に示す配合の毛髪処理剤を常法にて調製し、得られた毛髪処理剤を髪に使用した際のセット付与力、風合い、それらの効果持続性及び手肌への刺激性を下記方法で行なった。尚、セット付与力は、縮毛矯正力とウェーブ付与力として評価を行った。結果を表1〜4に併記する。
【0042】
[縮毛矯正力評価]
毛髪として試験時までにパーマやブリーチ等の美容処理をしていない女性のくせ毛20本を使用し、この毛髪を真っ直ぐに伸ばした状態で固定し、毛髪セット剤に50℃、30分浸漬した。次に、水道水で1分間洗浄した後、ドライヤーで乾燥し、毛髪を取り外した。最後に、20℃の水道水に5分間浸漬し、風乾させた。風乾後に5人の熟練したパネラーにより、処理前の毛髪とを直線状の毛髪とを比較して、以下の条件で目視評価を行った。また、比較例4は、上記と同じ方法で固定し、25℃で、5%チオグリコール酸アンモニウム(pH9.0)に7分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、更に3%臭素酸カリウムに5分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、ドライヤーで乾燥した。
<評価基準>
○:くせ毛がほぼ完全に矯正され、ほぼ直線状となっていた。
△:約半分程度のくせ毛が矯正されていた。
×:くせ毛がほとんど矯正されなかった。
【0043】
[ウェーブ付与力評価]
毛髪として試験時までにパーマやブリーチ等の美容処理をしていない女性の直毛20本を使用し、この毛髪を直径1cmのロッドに7〜8回巻き付けた後、毛髪セット剤に50℃、30分浸漬した。次に、水道水で1分間洗浄した後、ドライヤー乾燥し、毛髪をロッドから取り外した。最後に、20℃の水道水に5分間浸漬し、風乾後に毛髪のカールの山間距離を測定して、以下に示す評価基準で評価した。また、比較例4は、上記と同じ方法で巻き付け、25℃で、5%チオグリコール酸アンモニウム(pH9.0)に7分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、更に3%臭素酸カリウムに5分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、ドライヤーで乾燥した。
<評価基準>
○:平均山間距離が2.5cm未満。
△:平均山間距離が2.5〜5cm未満。
×:平均山間距離が5cm以上。
【0044】
[セット持続性評価]
上記縮毛矯正力評価、ウェーブ付与力評価で処理した20本の毛束をシャンプーとリンスで7回繰り返し処理し、下記評価基準で、セット(縮毛矯正力、ウエーブ付与力)の持続性を評価した。
【0045】
<評価基準>
◎:処理後もセットがほぼ持続していた。
○:処理後もセットが2/3程度持続していた。
△:処理後もセットが1/3程度持続していた。
×:処理後にはセットがほとんど残っていなかった。
【0046】
[風合い評価]
パーマやブリーチ等の美容処理をしていない毛束10gを使用し、これを毛髪処理剤に50℃、30分浸漬した。次に、水道水で1分間洗浄した後、ドライヤーで乾燥した。その後、5人の熟練したパネラーにより、処理前の毛束と比較して、以下の基準で官能評価をした。また、比較例4は、25℃で、5%チオグリコール酸アンモニウム(pH9.0)に7分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、更に3%臭素酸カリウムに5分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、ドライヤーで乾燥した。
<評価基準>
○:5人中4人以上風合いが良好であると感じた。
△:5人中1〜3人風合いが良好であると感じた。
×:5人中誰も風合いが良好であると感じなかった。
【0047】
[手肌への刺激性評価]
パーマやブリーチ等の美容処理をしていない毛束10gを使用し、これを毛髪処理剤に50℃、30分浸漬した。次に、素手で毛髪を取り出し、毛髪を水道水で1分間洗浄した後、ドライヤーで乾燥した。その後、5人の熟練したパネラーにより手肌への刺激性を以下の基準で評価した。また、比較例4は、25℃で、5%チオグリコール酸アンモニウム(pH9.0)に7分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、更に3%臭素酸カリウムに5分間浸漬した後に水道水で1分間洗浄し、ドライヤーで乾燥した。その後、5人の熟練したパネラーにより手肌への刺激性を以下の評価基準で官能評価した。
<評価基準>
○:5人中誰も刺激を感じなかった。
△:5人中1人が刺激を感じた。
×:5人中2人以上が刺激を感じた。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
表1〜4に示すように、実施例1〜15は、いずれもセット力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性に優れ、処理毛束の風合いも良好であり、手肌への刺激性も認められなかった。実施例1〜15は、比較例1〜3に比べセット力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)が高かった。また、実施例1〜15は、比較例4に比べ、持続性が良好であるとともに、処理毛束の風合いも良好であり、手肌への刺激性も認められなかった。
【0053】
[実施例16〜19]
表5に示す組成のジェル剤を常法に準じて調製し、実施例16〜19のジェル剤を得た。これらについて、上記実施例1〜15と同様の方法でセット付与力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性、風合い、手肌への刺激性を評価した。結果を表5に併記する。
【0054】
【表5】
【0055】
[実施例20〜23]
表6に示す組成のフォーム剤を常法に準じて調製し、実施例20〜23のフォーム剤を得た。これらについて、上記実施例1〜15と同様の方法でセット付与力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性、風合い、手肌への刺激性を評価した。結果を表6に併記する。
【0056】
【表6】
【0057】
[実施例24〜26]
表7に示す組成のスプレー剤を常法に準じて調製し、実施例24〜26のスプレー剤を得た。これらについて、上記実施例1〜15と同様の方法でセット付与力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性、風合い、手肌への刺激性を評価した。結果を表7に併記する。
【0058】
【表7】
【0059】
[実施例27〜29]
表8に示す組成のヘアウォーターを常法に準じて調製し、実施例27〜29のヘアウォーターを得た。これらについて、上記実施例1〜15と同様の方法でセット付与力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性、風合い、手肌への刺激性を評価した。結果を表8に併記する。
【0060】
【表8】
【0061】
表5〜8に示すように、実施例16〜29の毛髪セット剤は、いずれもセット力(縮毛矯正力、ウェーブ付与力)とその持続性に優れ、処理毛束の風合いも良好であり、手肌への刺激性も認められなかった。
【0062】
【発明の効果】
本発明の毛髪セット剤は、長時間にわたりセットが持続するだけでなく、風合いが良好で、使用時に手肌への刺激も認められない。
Claims (4)
- 浸透促進剤を含有することを特徴とする請求項1記載の毛髪セット剤。
- 浸透促進剤が、下記一般式(2)
で表される芳香族アルコール類、下記一般式(3)
で表される二塩基酸ジエステル類、下記一般式(4)
で表される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体、下記一般式(5)
で表されるグリセリルエーテル誘導体及び下記一般式(6)
で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル類からなる群から選ばれる
1種又は2種以上の浸透促進剤であることを特徴とする請求項2記載の毛髪セット剤。 - 請求項1、2又は3記載の毛髪セット剤を毛髪に浸透させることを特徴とする毛髪セット方法。
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JP2002236305A JP2004075588A (ja) | 2002-08-14 | 2002-08-14 | 毛髪セット剤及び毛髪セット方法 |
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JP2008050273A (ja) * | 2006-08-22 | 2008-03-06 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用組成物 |
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- 2002-08-14 JP JP2002236305A patent/JP2004075588A/ja active Pending
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