JP2004074994A - 車室内音制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の室内の乗員に聞こえるエンジン関連音を該車室内への出力音により適切に制御して、乗員に違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにする。
【解決手段】車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させる。具体的には、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる第1の制御モードと、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる第2の制御モードとを、車両の走行状態に応じて切り換えて実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させる。具体的には、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる第1の制御モードと、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる第2の制御モードとを、車両の走行状態に応じて切り換えて実行する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の室内の乗員に聞こえる、該車両のエンジン回転に伴って発生するエンジン関連音を、該車室内への出力音により制御する車室内音制御装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特許第3278176号公報や特許第3278185号公報に示されているように、エンジン回転に応じた信号を検出して、この検出された信号に基づきリファレンス信号を生成し、このリファレンス信号に基づき、車室内のマイクで集音される騒音を低減すべくスピーカから該騒音を打ち消す音を車室内へ出力させるようにすることが、よく知られている。この騒音低減技術を用いれば、乗員には、特にエンジン回転に伴って発生するエンジン関連音(エンジン単体音や排気音等)が出ていないように感じさせることができ、遮音部材を使用しなくても、騒音の低減化を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記騒音低減技術を用いて単に車室内の乗員に聞こえるエンジン関連音を低減するだけでは、乗員(特にドライバ)を満足させることはできず、改良の余地がある。すなわち、エンジンの回転数が比較的低い場合にエンジン関連音を低減すると、特に車両の発進段階の加速時には、乗員は体で走行感を感じるものの、その走行感と耳で聞く感覚とが異なって違和感を感じたり、スポーティ感がなくて物足りなさを感じたりしてしまう。一方、エンジンの回転数がかなり高い場合には、そのエンジン関連音を低減することで乗員に静粛感を与えることはできるが、エンジン関連音を打ち消してかなりの低レベルまで低減すると、乗員は音が低すぎるために違和感や物足りなさを感じてしまう。
【0004】
また、近年では、駆動源としてエンジンと電気モータとを併用するハイブリッド車両や無段変速機を有する車両等が開発されており、このような車両では、電気モータの作動や無段変速機のギヤ比の変更に伴って、乗員のアクセルペダルの踏み込み量に対するエンジン出力特性が変更される。つまり、エンジン出力を抑制した状態で、電気モータのアシストや無段変速機のギヤ比の変更により加速する。この場合、アクセルペダルを踏み込んでも、エンジン出力が抑制された状態(エンジン回転数の上昇が抑制された状態)で加速するので、上記騒音低減技術を用いなくても、エンジン関連音はあまり上昇しないため、乗員は体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることで違和感を感じて、心地悪いと感じる可能性がある。
【0005】
さらに、近年では、上記のようなハイブリッド車両等でなくても、燃費性能を重視する観点から、エンジン回転数が低く抑えられるとともに、加速性能等の走行性能が比較的低くなる傾向にあり、このような車両では、乗員はスポーティ感を感じずに物足りなさを感じてしまう。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の室内の乗員に聞こえるエンジン関連音を該車室内への出力音により適切に制御して、乗員に違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させるようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、車両の室内の乗員に聞こえる、該車両のエンジン回転に伴って発生するエンジン関連音を、該車室内への出力音により制御する車室内音制御装置を対象とする。
【0009】
そして、上記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、上記走行状態検出手段により検出された車両の走行状態に応じて、上記乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させるべく上記出力音を車室内へ出力させる制御手段とを備えているものとする。
【0010】
上記の構成により、車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音の音色を変化させることができ、例えば、車両の走行速度が所定速度以下であるときに、上記エンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分(i次成分(i=2、4、6、…))と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分(i−1次成分、i+1次成分)及びハーフ次成分(i−0.5次成分、i+0.5次成分)の各々との音圧差を小さくすることで、ごろごろとした力強い音となり、乗員にスポーティ感を与えることができるとともに、乗員が体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることに起因する違和感が生じるのを抑制することができる。一方、車両の走行速度が所定速度よりも大きいときには、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくすることで、澄んだ伸びやかな音となり、乗員に音が低すぎることに起因する違和感や物足りなさ感を与えないようにしつつ静粛感を与えることができる。よって、乗員に走行状態に適した音を聞かせることで、違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることができる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、制御手段は、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる第1の制御モードと、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる第2の制御モードとを、走行状態検出手段により検出された車両の走行状態に応じて切り換えて実行するように構成されているものとする。
【0012】
このことにより、第1の制御モードでは、乗員に聞こえるエンジン関連音を力強い音にすることができ、第2の制御モードでは、澄んだ伸びやかな音にすることができ、これら制御モードを車両の走行状態に応じて切り換えることで、乗員に違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることができる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、走行状態検出手段は、車両の走行速度を検出する車速検出手段を有し、制御手段は、上記車速検出手段により車両の走行速度が所定速度以下であることが検出されたときには、第1の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0014】
このことで、車両の走行速度(車速)が所定速度(エンジン回転数が例えば5000rpmになるような速度(例えば140km/h))以下であるときには、乗員に聞こえるエンジン関連音を力強い音にすることにより、加速性能等の走行性能が比較的高いにも拘わらず出力音を出力させない場合の実際のエンジン関連音がパワフルに感じない車両(特にハイブリッド車両)であっても、乗員にスポーティ感を与えることができるとともに、乗員が体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることに起因する違和感が生じるのを抑制することができる。また、走行性能がかなり低い車両であっても、乗員にスポーティ感を与えて、乗員の満足度を高めることができる。
【0015】
請求項4の発明では、請求項2の発明において、走行状態検出手段は、車両の走行速度を検出する車速検出手段を有し、制御手段は、上記車速検出手段により車両の走行速度が所定速度よりも大きいことが検出されたときには、第2の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0016】
こうすることで、車速が所定速度(エンジン回転数が例えば5000rpmになるような速度(例えば140km/h))よりも大きいときには、乗員に聞こえるエンジン関連音を澄んだ伸びやかな音にすることにより、乗員に音が低すぎることに起因する違和感や物足りなさ感を与えないようにしつつ静粛感を与えることができる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項2の発明において、制御手段は、第2の制御モードを実行中に、シフト変化に伴って車両のエンジンの回転数が上昇したときには、該シフト変化から所定時間の間、第1の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0018】
このことにより、エンジン回転数がシフト変化に伴って上昇したときに、乗員に聞こえるエンジン関連音を力強い音にすることにより、乗員に対しスポーティ感を強調させることができる。
【0019】
請求項6の発明では、請求項1の発明において、制御手段は、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる第1の制御モードと、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる第2の制御モードと、該第2の制御モードに対して偶数次成分の音圧を略同じにしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を大きくする出力音を車室内へ出力させる第3の制御モードとを、走行状態検出手段により検出された車両の走行状態に応じて切り換えて実行するように構成されているものとする。
【0020】
この発明により、第1の制御モードでは、乗員に聞こえるエンジン関連音を力強い音にすることができ、第2の制御モードでは、澄んだ伸びやかな音にすることができ、第3の制御モードでは、澄んだ伸びやかな音に力強さが加味された音となり、これら3つの制御モードにより、乗員に聞こえるエンジン関連音をより細かく制御することができる。
【0021】
請求項7の発明では、請求項6の発明において、走行状態検出手段は、車両の加速度を検出する加速度検出手段を有し、制御手段は、上記加速度検出手段により車両が加速状態にあってその加速度が所定値以下であることが検出されたときには、第3の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0022】
このように車両が緩やかな加速状態にあるときには、乗員に聞こえるエンジン関連音を澄んだ伸びやかな音に力強さを加味することで、乗員に静粛感を与えつつ伸びやかな加速感を与えることができる。
【0023】
請求項8の発明では、請求項2又は6の発明において、制御手段は、制御モードを切り換えるときに、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を、該エンジン関連音が制御モード切換前後の中間の音色となるように変化させる出力音を車室内へ出力させた後、切換後の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0024】
このことにより、制御モード切換前後の間に該切換前後の中間の音色を有する音を乗員に聞かせることで、急激な音変化が生じるのを抑制することができ、乗員にそのような急激な音変化による違和感を与えることを防止することができる。尚、エンジン関連音を制御モード切換前後の中間の音色となるようにするには、例えば、偶数次成分の音圧を切換後の制御モードと同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換前の制御モードと同じ若しくは近い値にするか、又は、偶数次成分の音圧を切換前の制御モードと同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換後の制御モードと同じ若しくは近い値にすればよい。
【0025】
請求項9の発明では、請求項8の発明において、制御手段は、シフト変化に伴って制御モードを切り換えるときには、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を、該エンジン関連音が制御モード切換前後の中間の音色となるように変化させる出力音を車室内へ出力させることなく、切換後の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0026】
すなわち、シフト変化に伴う急激な音変化は乗員にそれ程違和感を与えることがなく、逆に制御モード切換前後の間に該切換前後の中間の音色を有する音を乗員に聞かせると、切換後の制御モードの実行が遅れて、その遅れによって違和感を与える可能性がある。しかし、この発明では、シフト変化に伴って制御モードを切り換えるときには、直ちに切換後の制御モードを実行するので、乗員にその実行の遅れによる違和感を与えることを防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態に係る車室内音制御装置を示し(図2は車両1への取付状態を示す)、この車室内音制御装置は、車両1の室内の乗員に聞こえる、該車両1のエンジン回転に伴って発生するエンジン関連音(エンジン単体音や排気音等)を、該車室内への出力音により制御するものである。
【0028】
上記車室内音制御装置は、後述の如く上記エンジン関連音を変化させるように上記出力音を、上記車室内のフロント、サイド及びリアにそれぞれ配設したスピーカ11から該車室内へ出力させる制御手段としてのコントローラ10を備えている。
【0029】
また、上記車室内における各座席のヘッドレスト2にはマイクロホン12が埋め込まれており、このマイクロホン12によって集音された音は、増幅器13及びA/D変換器14を介してデジタルの電気信号として上記コントローラ10に入力されるようになっている。このマイクロホン12は各座席のヘッドレスト2において乗員の両耳位置と略一致する位置に配置されており、これによりコントローラ10には、乗員に聞こえるエンジン関連音に応じた電気信号が入力されることになる。
【0030】
さらに、上記コントローラ10には、エンジン回転に同期した信号を検出するIGパルス検出器21が接続されており、このIGパルス検出器からは、例えばクランク軸の回転検出やイグナイタからのイグニッションタイミング検出等により得られた信号がIGパルス信号として出力されて、このIGパルス信号がコントローラ10に入力されるようになっている。
【0031】
さらにまた、コントローラ10には、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ22、車両1の走行速度(車速)を検出する車速検出手段としての車速センサ23、及び変速機を制御するパワートレインコントロールモジュール(PCM)27が接続されており、これら各センサ22,23の出力信号がコントローラ10に入力されるとともに、PCM27からは、変速機のシフト変更情報が入力されるようになっている。尚、上記車速センサ23により検出された車速からは加速度が演算され、このことで、車速センサ23は、車両の加速度を検出する加速度検出手段をも構成している。
【0032】
上記コントローラ10は、入力されたIGパルス信号から該IGパルス信号に同期したリファレンス信号を生成するリファレンス信号生成部10aと、このリファレンス信号生成部10aで生成されたリファレンス信号、上記マイクロホン12からの電気信号、上記各センサ22,23からの出力信号、及びPCM27からのシフト変更情報に基づいてスピーカ駆動信号を生成するスピーカ駆動信号生成部10bとを有している。このスピーカ駆動信号生成部10bにより生成されたスピーカ駆動信号がD/A変換器31及び増幅器32を介してスピーカ11に向けて出力され、このことで、スピーカ11から上記スピーカ駆動信号に応じた出力音が車室内へ出力されることになる。
【0033】
上記コントローラ10のスピーカ駆動信号生成部10bにおいて、リファレンス信号に基づいて出力音をスピーカ11から出力させるためのスピーカ駆動信号を生成する処理は、従来の技術の項目で説明した騒音低減技術(特許第3278176号公報や特許第3278185号公報等を参照)と同様であり省略するが、本実施形態では、リファレンス信号に基づいて、マイクロホン12で集音される音(乗員に聞こえるエンジン関連音)を打ち消す出力音をスピーカ11から出力させるためのスピーカ駆動信号を生成するのではなくて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させる出力音をスピーカ11から出力させるためのスピーカ駆動信号を生成する点が異なる。そして、上記車速センサ23が、車両1の走行状態を検出する走行状態検出手段を構成していて、この検出された車両1の走行状態(車速及び加速度)に応じて、後述の如く、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分(偶数次成分、奇数次成分及びハーフ次成分)の音圧を変化させる出力音をスピーカ11から車室内へ出力させるようになっている。尚、必ずしもマイクロホンからの電気信号を入力する(フィードバック制御をする)必要はなく、オープン制御とすることも可能である。
【0034】
ここで、上記コントローラ10のスピーカ駆動信号生成部10bにおいて、車両1の走行状態に応じてどのような出力音をスピーカ11から出力させるようにするかを、図3の制御マップにより説明する。尚、この制御マップにおける制御仕様の欄の「第1の制御モード」は、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる制御モードのことであり、「第2の制御モード」は、上記周波数次数成分において偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる制御モードのことであり、「第3の制御モード」は、上記第2の制御モードに対して偶数次成分の音圧を略同じにしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を大きくする出力音を車室内へ出力させる制御モードのことである。
【0035】
車両1が停車(駐車)しているときには、制御しない、つまり出力音を車室内へ出力させない。そして、車速が所定速度(エンジン回転数が例えば5000rpmになるような速度(例えば140km/h))以下であるとき(低中速度であるとき)には、第1の制御モードを実行し、車速が上記所定速度よりも大きいとき(高速度であるとき)には、第2の制御モードを実行する。
【0036】
また、車両が加速状態にあってその加速度が所定値以下であるとき(定速走行を除く緩加速時)には、第3の制御モードを実行し、加速度が上記所定値よりも大きいとき(急加速時)には、第1の制御モードを実行し、減速制動時(負の加速度を検出したとき)には、第2の制御モードを実行する。
【0037】
尚、第2の制御モードを実行中に、シフト変化(シフトアップ又はシフトダウン)に伴って車両1のエンジンの回転数が上昇したときには、該シフト変化から所定時間の間、第1の制御モードを実行する。
【0038】
上記コントローラ10のスピーカ駆動信号生成部10bにおける処理動作により、車両1の走行状態(車速及び加速度)に応じて、該車両1の室内の乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させる出力音がスピーカ11から車室内へ出力される。
【0039】
具体的には、車速が所定速度以下である低中速時には、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる。すなわち、出力音を車室内へ出力させないときに乗員に聞こえる音は、例えば図4に示すような波形をしており、2次成分(2次成分の周波数は、4気筒エンジンにおいては、エンジンの回転数をNrpmとすると、N×2/60Hzとなる)が最も大きい。そして、例えば図5及び図6に示すように、出力音の出力により、偶数次成分(i次成分(i=2、4、6、…))と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分(i−1次成分、i+1次成分)及びハーフ次成分(i−0.5次成分、i+0.5次成分)の各々との音圧差を小さくする(偶数次成分の音圧を減少させかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を増大させてもよく、偶数次成分の音圧を減少させるだけか、又は奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を増大させるだけでもよい)。特に2次成分と該2次成分に対して次数が近接する奇数次成分(1次成分、3次成分)及びハーフ次成分(1.5次成分、2.5次成分)の各々との音圧差を小さくする(少なくとも2次成分の音圧は減少させることが望ましい)。こうすることで、乗員に聞こえるエンジン関連音がごろごろとした力強い音となり、加速性能等の走行性能が比較的高いにも拘わらず出力音を出力させない場合の実際のエンジン関連音がパワフルに感じない車両(特にハイブリッド車両)であっても、乗員にスポーティ感を与えることができるとともに、乗員が体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることに起因する違和感が生じるのを抑制することができる。また、走行性能がかなり低い車両であっても、乗員にスポーティ感を与えて、乗員の満足度を高めることができる。
【0040】
一方、車速が所定速度よりも大きい高速時には、例えば図7及び図8に示すように、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる(偶数次成分の音圧を増大させかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を減少させてもよく、偶数次成分の音圧を増大させるだけか、又は奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を減少させるだけでもよい)。このようにすれば、乗員に聞こえるエンジン関連音が澄んだ伸びやかな音となり、乗員に音が低すぎることに起因する違和感や物足りなさ感を与えないようにしつつ静粛感を与えることができる。
【0041】
また、車両が緩加速状態にあるときには、例えば図9及び図10に示すように、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分の音圧を上記第2の制御モードと略同じにしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を第2の制御モードよりも大きくする出力音を車室内へ出力させる。このことにより、乗員に聞こえるエンジン関連音が、澄んだ伸びやかな音に力強さが加味された音となり、乗員に静粛感を与えつつ伸びやかな加速感を与えることができる。
【0042】
一方、車両が急加速状態にあるときには、上記低中速時と同様に、第1の制御モードを実行して、乗員にスポーティ感を与えるとともに、乗員が体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることに起因する違和感が生じるのを抑制する。そして、車両が減速制動状態にあるときには、上記高速時と同様に、第2の制御モードを実行して、乗員に静粛感を与える。
【0043】
このように、車両1の走行状態(車速及び加速度)に応じて第1〜第3の制御モード(車速に応じては第1及び第2の制御モード)を切り換えて実行する。そして、その制御モードの切換え時には、切換後の制御モードを実行するのではなくて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を、該エンジン関連音が制御モード切換前後の中間の音色となるように変化させる出力音を車室内へ出力させた後、切換後の制御モードを実行するようになっている。上記エンジン関連音を制御モード切換前後の中間の音色となるようにするには、例えば、偶数次成分の音圧を切換後の制御モードと同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換前の制御モードと同じ若しくは近い値にするか、又は、偶数次成分の音圧を切換前の制御モードと同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換後の制御モードと同じ若しくは近い値にすればよい。例えば、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えるときには、図11に示すように、偶数次成分の音圧を切換後の制御モード(第2の制御モード)と同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換前の制御モード(第1の制御モード)と同じ若しくは近い値にするか、又は、図12に示すように、偶数次成分の音圧を切換前の制御モード(第1の制御モード)と同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換前の制御モード(第2の制御モード)と同じ若しくは近い値にする。こうすることで、制御モード切換時に、制御モード切換前後の中間の音色を有するエンジン関連音を乗員に聞かせることができ、この結果、急激な音変化が生じるのを抑制することができて、乗員にそのような急激な音変化による違和感を与えることを防止することができる。但し、シフト変化に伴って制御モードを切り換えるときには、エンジン関連音を制御モード切換前後の中間の音色にすることなく直ちに切換後の制御モードを実行する。これにより、乗員に切換後の制御モードの実行の遅れによる違和感を与えることを防止することができる。
【0044】
したがって、車両1の走行状態(本実施形態では、車速及び加速度)に応じて、該車両1の室内の乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させるようにしたことにより、乗員に走行状態に適した音を聞かせることができ、違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることができる。
【0045】
尚、制御モードとしては、上記第1〜第3の制御モードに限らず、車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させて、乗員に心地良い音を聞かせることができれば、どのような制御モードであってもよい。
【0046】
また、車両1の走行状態としては、車速及び加速度に限らず、これら以外のもの、例えば、車両1のハンドル状態(車両1のハンドル舵角を検出する舵角検出手段により検出)、車両1が走行している道路環境状態(ナビゲーション装置やABS制御モジュール等から情報を入力することにより検出)、車両1の前を走行する前車との車間距離状態(前車との車間距離を検出する車間距離検出手段により検出)であってもよい。この場合、図13の制御マップ(図3の制御マップと併用してもよい)に従って出力音をスピーカ11から出力させるようにすればよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車室内音制御装置によると、車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させるようにしたことにより、車両の走行状態に応じて乗員に静粛感やスポーティ感を与えることができ、違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車室内音制御装置を示すブロック図である。
【図2】上記車室内音制御装置の車両への取付状態を示す概略図である。
【図3】コントローラのスピーカ駆動信号生成部で行われる制御のための制御マップを示す図である。
【図4】出力音を車室内へ出力させないときに乗員に聞こえるエンジン関連音の波形を示す図である。
【図5】第1の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音の波形を示す図である。
【図6】第1の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を示す図である。
【図7】第2の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音の波形を示す図である。
【図8】第2の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を示す図である。
【図9】第3の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音の波形を示す図である。
【図10】第3の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を示す図である。
【図11】乗員に聞こえるエンジン関連音を第1及び第2の制御モードの中間の音色にするための周波数次数成分の音圧の一例を示す図である。
【図12】乗員に聞こえるエンジン関連音を第1及び第2の制御モードの中間の音色にするための周波数次数成分の音圧の他の例を示す図である。
【図13】他の制御マップの例を示す図である。
【符号の説明】
1 車両
10 コントローラ(制御手段)
11 スピーカ
12 マイクロホン
21 IGパルス検出器
23 車速センサ(走行状態検出手段)
(車速検出手段)(加速度検出手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の室内の乗員に聞こえる、該車両のエンジン回転に伴って発生するエンジン関連音を、該車室内への出力音により制御する車室内音制御装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特許第3278176号公報や特許第3278185号公報に示されているように、エンジン回転に応じた信号を検出して、この検出された信号に基づきリファレンス信号を生成し、このリファレンス信号に基づき、車室内のマイクで集音される騒音を低減すべくスピーカから該騒音を打ち消す音を車室内へ出力させるようにすることが、よく知られている。この騒音低減技術を用いれば、乗員には、特にエンジン回転に伴って発生するエンジン関連音(エンジン単体音や排気音等)が出ていないように感じさせることができ、遮音部材を使用しなくても、騒音の低減化を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記騒音低減技術を用いて単に車室内の乗員に聞こえるエンジン関連音を低減するだけでは、乗員(特にドライバ)を満足させることはできず、改良の余地がある。すなわち、エンジンの回転数が比較的低い場合にエンジン関連音を低減すると、特に車両の発進段階の加速時には、乗員は体で走行感を感じるものの、その走行感と耳で聞く感覚とが異なって違和感を感じたり、スポーティ感がなくて物足りなさを感じたりしてしまう。一方、エンジンの回転数がかなり高い場合には、そのエンジン関連音を低減することで乗員に静粛感を与えることはできるが、エンジン関連音を打ち消してかなりの低レベルまで低減すると、乗員は音が低すぎるために違和感や物足りなさを感じてしまう。
【0004】
また、近年では、駆動源としてエンジンと電気モータとを併用するハイブリッド車両や無段変速機を有する車両等が開発されており、このような車両では、電気モータの作動や無段変速機のギヤ比の変更に伴って、乗員のアクセルペダルの踏み込み量に対するエンジン出力特性が変更される。つまり、エンジン出力を抑制した状態で、電気モータのアシストや無段変速機のギヤ比の変更により加速する。この場合、アクセルペダルを踏み込んでも、エンジン出力が抑制された状態(エンジン回転数の上昇が抑制された状態)で加速するので、上記騒音低減技術を用いなくても、エンジン関連音はあまり上昇しないため、乗員は体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることで違和感を感じて、心地悪いと感じる可能性がある。
【0005】
さらに、近年では、上記のようなハイブリッド車両等でなくても、燃費性能を重視する観点から、エンジン回転数が低く抑えられるとともに、加速性能等の走行性能が比較的低くなる傾向にあり、このような車両では、乗員はスポーティ感を感じずに物足りなさを感じてしまう。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の室内の乗員に聞こえるエンジン関連音を該車室内への出力音により適切に制御して、乗員に違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させるようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、車両の室内の乗員に聞こえる、該車両のエンジン回転に伴って発生するエンジン関連音を、該車室内への出力音により制御する車室内音制御装置を対象とする。
【0009】
そして、上記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、上記走行状態検出手段により検出された車両の走行状態に応じて、上記乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させるべく上記出力音を車室内へ出力させる制御手段とを備えているものとする。
【0010】
上記の構成により、車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音の音色を変化させることができ、例えば、車両の走行速度が所定速度以下であるときに、上記エンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分(i次成分(i=2、4、6、…))と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分(i−1次成分、i+1次成分)及びハーフ次成分(i−0.5次成分、i+0.5次成分)の各々との音圧差を小さくすることで、ごろごろとした力強い音となり、乗員にスポーティ感を与えることができるとともに、乗員が体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることに起因する違和感が生じるのを抑制することができる。一方、車両の走行速度が所定速度よりも大きいときには、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくすることで、澄んだ伸びやかな音となり、乗員に音が低すぎることに起因する違和感や物足りなさ感を与えないようにしつつ静粛感を与えることができる。よって、乗員に走行状態に適した音を聞かせることで、違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることができる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、制御手段は、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる第1の制御モードと、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる第2の制御モードとを、走行状態検出手段により検出された車両の走行状態に応じて切り換えて実行するように構成されているものとする。
【0012】
このことにより、第1の制御モードでは、乗員に聞こえるエンジン関連音を力強い音にすることができ、第2の制御モードでは、澄んだ伸びやかな音にすることができ、これら制御モードを車両の走行状態に応じて切り換えることで、乗員に違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることができる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、走行状態検出手段は、車両の走行速度を検出する車速検出手段を有し、制御手段は、上記車速検出手段により車両の走行速度が所定速度以下であることが検出されたときには、第1の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0014】
このことで、車両の走行速度(車速)が所定速度(エンジン回転数が例えば5000rpmになるような速度(例えば140km/h))以下であるときには、乗員に聞こえるエンジン関連音を力強い音にすることにより、加速性能等の走行性能が比較的高いにも拘わらず出力音を出力させない場合の実際のエンジン関連音がパワフルに感じない車両(特にハイブリッド車両)であっても、乗員にスポーティ感を与えることができるとともに、乗員が体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることに起因する違和感が生じるのを抑制することができる。また、走行性能がかなり低い車両であっても、乗員にスポーティ感を与えて、乗員の満足度を高めることができる。
【0015】
請求項4の発明では、請求項2の発明において、走行状態検出手段は、車両の走行速度を検出する車速検出手段を有し、制御手段は、上記車速検出手段により車両の走行速度が所定速度よりも大きいことが検出されたときには、第2の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0016】
こうすることで、車速が所定速度(エンジン回転数が例えば5000rpmになるような速度(例えば140km/h))よりも大きいときには、乗員に聞こえるエンジン関連音を澄んだ伸びやかな音にすることにより、乗員に音が低すぎることに起因する違和感や物足りなさ感を与えないようにしつつ静粛感を与えることができる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項2の発明において、制御手段は、第2の制御モードを実行中に、シフト変化に伴って車両のエンジンの回転数が上昇したときには、該シフト変化から所定時間の間、第1の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0018】
このことにより、エンジン回転数がシフト変化に伴って上昇したときに、乗員に聞こえるエンジン関連音を力強い音にすることにより、乗員に対しスポーティ感を強調させることができる。
【0019】
請求項6の発明では、請求項1の発明において、制御手段は、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる第1の制御モードと、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる第2の制御モードと、該第2の制御モードに対して偶数次成分の音圧を略同じにしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を大きくする出力音を車室内へ出力させる第3の制御モードとを、走行状態検出手段により検出された車両の走行状態に応じて切り換えて実行するように構成されているものとする。
【0020】
この発明により、第1の制御モードでは、乗員に聞こえるエンジン関連音を力強い音にすることができ、第2の制御モードでは、澄んだ伸びやかな音にすることができ、第3の制御モードでは、澄んだ伸びやかな音に力強さが加味された音となり、これら3つの制御モードにより、乗員に聞こえるエンジン関連音をより細かく制御することができる。
【0021】
請求項7の発明では、請求項6の発明において、走行状態検出手段は、車両の加速度を検出する加速度検出手段を有し、制御手段は、上記加速度検出手段により車両が加速状態にあってその加速度が所定値以下であることが検出されたときには、第3の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0022】
このように車両が緩やかな加速状態にあるときには、乗員に聞こえるエンジン関連音を澄んだ伸びやかな音に力強さを加味することで、乗員に静粛感を与えつつ伸びやかな加速感を与えることができる。
【0023】
請求項8の発明では、請求項2又は6の発明において、制御手段は、制御モードを切り換えるときに、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を、該エンジン関連音が制御モード切換前後の中間の音色となるように変化させる出力音を車室内へ出力させた後、切換後の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0024】
このことにより、制御モード切換前後の間に該切換前後の中間の音色を有する音を乗員に聞かせることで、急激な音変化が生じるのを抑制することができ、乗員にそのような急激な音変化による違和感を与えることを防止することができる。尚、エンジン関連音を制御モード切換前後の中間の音色となるようにするには、例えば、偶数次成分の音圧を切換後の制御モードと同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換前の制御モードと同じ若しくは近い値にするか、又は、偶数次成分の音圧を切換前の制御モードと同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換後の制御モードと同じ若しくは近い値にすればよい。
【0025】
請求項9の発明では、請求項8の発明において、制御手段は、シフト変化に伴って制御モードを切り換えるときには、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を、該エンジン関連音が制御モード切換前後の中間の音色となるように変化させる出力音を車室内へ出力させることなく、切換後の制御モードを実行するように構成されているものとする。
【0026】
すなわち、シフト変化に伴う急激な音変化は乗員にそれ程違和感を与えることがなく、逆に制御モード切換前後の間に該切換前後の中間の音色を有する音を乗員に聞かせると、切換後の制御モードの実行が遅れて、その遅れによって違和感を与える可能性がある。しかし、この発明では、シフト変化に伴って制御モードを切り換えるときには、直ちに切換後の制御モードを実行するので、乗員にその実行の遅れによる違和感を与えることを防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態に係る車室内音制御装置を示し(図2は車両1への取付状態を示す)、この車室内音制御装置は、車両1の室内の乗員に聞こえる、該車両1のエンジン回転に伴って発生するエンジン関連音(エンジン単体音や排気音等)を、該車室内への出力音により制御するものである。
【0028】
上記車室内音制御装置は、後述の如く上記エンジン関連音を変化させるように上記出力音を、上記車室内のフロント、サイド及びリアにそれぞれ配設したスピーカ11から該車室内へ出力させる制御手段としてのコントローラ10を備えている。
【0029】
また、上記車室内における各座席のヘッドレスト2にはマイクロホン12が埋め込まれており、このマイクロホン12によって集音された音は、増幅器13及びA/D変換器14を介してデジタルの電気信号として上記コントローラ10に入力されるようになっている。このマイクロホン12は各座席のヘッドレスト2において乗員の両耳位置と略一致する位置に配置されており、これによりコントローラ10には、乗員に聞こえるエンジン関連音に応じた電気信号が入力されることになる。
【0030】
さらに、上記コントローラ10には、エンジン回転に同期した信号を検出するIGパルス検出器21が接続されており、このIGパルス検出器からは、例えばクランク軸の回転検出やイグナイタからのイグニッションタイミング検出等により得られた信号がIGパルス信号として出力されて、このIGパルス信号がコントローラ10に入力されるようになっている。
【0031】
さらにまた、コントローラ10には、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ22、車両1の走行速度(車速)を検出する車速検出手段としての車速センサ23、及び変速機を制御するパワートレインコントロールモジュール(PCM)27が接続されており、これら各センサ22,23の出力信号がコントローラ10に入力されるとともに、PCM27からは、変速機のシフト変更情報が入力されるようになっている。尚、上記車速センサ23により検出された車速からは加速度が演算され、このことで、車速センサ23は、車両の加速度を検出する加速度検出手段をも構成している。
【0032】
上記コントローラ10は、入力されたIGパルス信号から該IGパルス信号に同期したリファレンス信号を生成するリファレンス信号生成部10aと、このリファレンス信号生成部10aで生成されたリファレンス信号、上記マイクロホン12からの電気信号、上記各センサ22,23からの出力信号、及びPCM27からのシフト変更情報に基づいてスピーカ駆動信号を生成するスピーカ駆動信号生成部10bとを有している。このスピーカ駆動信号生成部10bにより生成されたスピーカ駆動信号がD/A変換器31及び増幅器32を介してスピーカ11に向けて出力され、このことで、スピーカ11から上記スピーカ駆動信号に応じた出力音が車室内へ出力されることになる。
【0033】
上記コントローラ10のスピーカ駆動信号生成部10bにおいて、リファレンス信号に基づいて出力音をスピーカ11から出力させるためのスピーカ駆動信号を生成する処理は、従来の技術の項目で説明した騒音低減技術(特許第3278176号公報や特許第3278185号公報等を参照)と同様であり省略するが、本実施形態では、リファレンス信号に基づいて、マイクロホン12で集音される音(乗員に聞こえるエンジン関連音)を打ち消す出力音をスピーカ11から出力させるためのスピーカ駆動信号を生成するのではなくて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させる出力音をスピーカ11から出力させるためのスピーカ駆動信号を生成する点が異なる。そして、上記車速センサ23が、車両1の走行状態を検出する走行状態検出手段を構成していて、この検出された車両1の走行状態(車速及び加速度)に応じて、後述の如く、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分(偶数次成分、奇数次成分及びハーフ次成分)の音圧を変化させる出力音をスピーカ11から車室内へ出力させるようになっている。尚、必ずしもマイクロホンからの電気信号を入力する(フィードバック制御をする)必要はなく、オープン制御とすることも可能である。
【0034】
ここで、上記コントローラ10のスピーカ駆動信号生成部10bにおいて、車両1の走行状態に応じてどのような出力音をスピーカ11から出力させるようにするかを、図3の制御マップにより説明する。尚、この制御マップにおける制御仕様の欄の「第1の制御モード」は、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる制御モードのことであり、「第2の制御モード」は、上記周波数次数成分において偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる制御モードのことであり、「第3の制御モード」は、上記第2の制御モードに対して偶数次成分の音圧を略同じにしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を大きくする出力音を車室内へ出力させる制御モードのことである。
【0035】
車両1が停車(駐車)しているときには、制御しない、つまり出力音を車室内へ出力させない。そして、車速が所定速度(エンジン回転数が例えば5000rpmになるような速度(例えば140km/h))以下であるとき(低中速度であるとき)には、第1の制御モードを実行し、車速が上記所定速度よりも大きいとき(高速度であるとき)には、第2の制御モードを実行する。
【0036】
また、車両が加速状態にあってその加速度が所定値以下であるとき(定速走行を除く緩加速時)には、第3の制御モードを実行し、加速度が上記所定値よりも大きいとき(急加速時)には、第1の制御モードを実行し、減速制動時(負の加速度を検出したとき)には、第2の制御モードを実行する。
【0037】
尚、第2の制御モードを実行中に、シフト変化(シフトアップ又はシフトダウン)に伴って車両1のエンジンの回転数が上昇したときには、該シフト変化から所定時間の間、第1の制御モードを実行する。
【0038】
上記コントローラ10のスピーカ駆動信号生成部10bにおける処理動作により、車両1の走行状態(車速及び加速度)に応じて、該車両1の室内の乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させる出力音がスピーカ11から車室内へ出力される。
【0039】
具体的には、車速が所定速度以下である低中速時には、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる。すなわち、出力音を車室内へ出力させないときに乗員に聞こえる音は、例えば図4に示すような波形をしており、2次成分(2次成分の周波数は、4気筒エンジンにおいては、エンジンの回転数をNrpmとすると、N×2/60Hzとなる)が最も大きい。そして、例えば図5及び図6に示すように、出力音の出力により、偶数次成分(i次成分(i=2、4、6、…))と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分(i−1次成分、i+1次成分)及びハーフ次成分(i−0.5次成分、i+0.5次成分)の各々との音圧差を小さくする(偶数次成分の音圧を減少させかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を増大させてもよく、偶数次成分の音圧を減少させるだけか、又は奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を増大させるだけでもよい)。特に2次成分と該2次成分に対して次数が近接する奇数次成分(1次成分、3次成分)及びハーフ次成分(1.5次成分、2.5次成分)の各々との音圧差を小さくする(少なくとも2次成分の音圧は減少させることが望ましい)。こうすることで、乗員に聞こえるエンジン関連音がごろごろとした力強い音となり、加速性能等の走行性能が比較的高いにも拘わらず出力音を出力させない場合の実際のエンジン関連音がパワフルに感じない車両(特にハイブリッド車両)であっても、乗員にスポーティ感を与えることができるとともに、乗員が体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることに起因する違和感が生じるのを抑制することができる。また、走行性能がかなり低い車両であっても、乗員にスポーティ感を与えて、乗員の満足度を高めることができる。
【0040】
一方、車速が所定速度よりも大きい高速時には、例えば図7及び図8に示すように、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる(偶数次成分の音圧を増大させかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を減少させてもよく、偶数次成分の音圧を増大させるだけか、又は奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を減少させるだけでもよい)。このようにすれば、乗員に聞こえるエンジン関連音が澄んだ伸びやかな音となり、乗員に音が低すぎることに起因する違和感や物足りなさ感を与えないようにしつつ静粛感を与えることができる。
【0041】
また、車両が緩加速状態にあるときには、例えば図9及び図10に示すように、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分の音圧を上記第2の制御モードと略同じにしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を第2の制御モードよりも大きくする出力音を車室内へ出力させる。このことにより、乗員に聞こえるエンジン関連音が、澄んだ伸びやかな音に力強さが加味された音となり、乗員に静粛感を与えつつ伸びやかな加速感を与えることができる。
【0042】
一方、車両が急加速状態にあるときには、上記低中速時と同様に、第1の制御モードを実行して、乗員にスポーティ感を与えるとともに、乗員が体で感じる走行感と耳で聞く感覚とが異なることに起因する違和感が生じるのを抑制する。そして、車両が減速制動状態にあるときには、上記高速時と同様に、第2の制御モードを実行して、乗員に静粛感を与える。
【0043】
このように、車両1の走行状態(車速及び加速度)に応じて第1〜第3の制御モード(車速に応じては第1及び第2の制御モード)を切り換えて実行する。そして、その制御モードの切換え時には、切換後の制御モードを実行するのではなくて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を、該エンジン関連音が制御モード切換前後の中間の音色となるように変化させる出力音を車室内へ出力させた後、切換後の制御モードを実行するようになっている。上記エンジン関連音を制御モード切換前後の中間の音色となるようにするには、例えば、偶数次成分の音圧を切換後の制御モードと同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換前の制御モードと同じ若しくは近い値にするか、又は、偶数次成分の音圧を切換前の制御モードと同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換後の制御モードと同じ若しくは近い値にすればよい。例えば、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えるときには、図11に示すように、偶数次成分の音圧を切換後の制御モード(第2の制御モード)と同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換前の制御モード(第1の制御モード)と同じ若しくは近い値にするか、又は、図12に示すように、偶数次成分の音圧を切換前の制御モード(第1の制御モード)と同じ若しくは近い値にしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を切換前の制御モード(第2の制御モード)と同じ若しくは近い値にする。こうすることで、制御モード切換時に、制御モード切換前後の中間の音色を有するエンジン関連音を乗員に聞かせることができ、この結果、急激な音変化が生じるのを抑制することができて、乗員にそのような急激な音変化による違和感を与えることを防止することができる。但し、シフト変化に伴って制御モードを切り換えるときには、エンジン関連音を制御モード切換前後の中間の音色にすることなく直ちに切換後の制御モードを実行する。これにより、乗員に切換後の制御モードの実行の遅れによる違和感を与えることを防止することができる。
【0044】
したがって、車両1の走行状態(本実施形態では、車速及び加速度)に応じて、該車両1の室内の乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させるようにしたことにより、乗員に走行状態に適した音を聞かせることができ、違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることができる。
【0045】
尚、制御モードとしては、上記第1〜第3の制御モードに限らず、車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させて、乗員に心地良い音を聞かせることができれば、どのような制御モードであってもよい。
【0046】
また、車両1の走行状態としては、車速及び加速度に限らず、これら以外のもの、例えば、車両1のハンドル状態(車両1のハンドル舵角を検出する舵角検出手段により検出)、車両1が走行している道路環境状態(ナビゲーション装置やABS制御モジュール等から情報を入力することにより検出)、車両1の前を走行する前車との車間距離状態(前車との車間距離を検出する車間距離検出手段により検出)であってもよい。この場合、図13の制御マップ(図3の制御マップと併用してもよい)に従って出力音をスピーカ11から出力させるようにすればよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車室内音制御装置によると、車両の走行状態に応じて、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させるようにしたことにより、車両の走行状態に応じて乗員に静粛感やスポーティ感を与えることができ、違和感を感じさせないでスポーティ感を感じさせるような心地良い音を常に聞かせるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車室内音制御装置を示すブロック図である。
【図2】上記車室内音制御装置の車両への取付状態を示す概略図である。
【図3】コントローラのスピーカ駆動信号生成部で行われる制御のための制御マップを示す図である。
【図4】出力音を車室内へ出力させないときに乗員に聞こえるエンジン関連音の波形を示す図である。
【図5】第1の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音の波形を示す図である。
【図6】第1の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を示す図である。
【図7】第2の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音の波形を示す図である。
【図8】第2の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を示す図である。
【図9】第3の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音の波形を示す図である。
【図10】第3の制御モードを実行したときに乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を示す図である。
【図11】乗員に聞こえるエンジン関連音を第1及び第2の制御モードの中間の音色にするための周波数次数成分の音圧の一例を示す図である。
【図12】乗員に聞こえるエンジン関連音を第1及び第2の制御モードの中間の音色にするための周波数次数成分の音圧の他の例を示す図である。
【図13】他の制御マップの例を示す図である。
【符号の説明】
1 車両
10 コントローラ(制御手段)
11 スピーカ
12 マイクロホン
21 IGパルス検出器
23 車速センサ(走行状態検出手段)
(車速検出手段)(加速度検出手段)
Claims (9)
- 車両の室内の乗員に聞こえる、該車両のエンジン回転に伴って発生するエンジン関連音を、該車室内への出力音により制御する車室内音制御装置であって、
上記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
上記走行状態検出手段により検出された車両の走行状態に応じて、上記乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を変化させるべく上記出力音を車室内へ出力させる制御手段とを備えていることを特徴とする車室内音制御装置。 - 請求項1記載の車室内音制御装置において、
制御手段は、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる第1の制御モードと、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる第2の制御モードとを、走行状態検出手段により検出された車両の走行状態に応じて切り換えて実行するように構成されていることを特徴とする車室内音制御装置。 - 請求項2記載の車室内音制御装置において、
走行状態検出手段は、車両の走行速度を検出する車速検出手段を有し、
制御手段は、上記車速検出手段により車両の走行速度が所定速度以下であることが検出されたときには、第1の制御モードを実行するように構成されていることを特徴とする車室内音制御装置。 - 請求項2記載の車室内音制御装置において、
走行状態検出手段は、車両の走行速度を検出する車速検出手段を有し、
制御手段は、上記車速検出手段により車両の走行速度が所定速度よりも大きいことが検出されたときには、第2の制御モードを実行するように構成されていることを特徴とする車室内音制御装置。 - 請求項2記載の車室内音制御装置において、
制御手段は、第2の制御モードを実行中に、シフト変化に伴って車両のエンジンの回転数が上昇したときには、該シフト変化から所定時間の間、第1の制御モードを実行するように構成されていることを特徴とする車室内音制御装置。 - 請求項1記載の車室内音制御装置において、
制御手段は、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分において偶数次成分と該偶数次成分に対して次数が近接する奇数次成分及びハーフ次成分の各々との音圧差を小さくする出力音を車室内へ出力させる第1の制御モードと、偶数次成分の奇数次成分及びハーフ次成分の各々に対する音圧比を大きくする出力音を車室内へ出力させる第2の制御モードと、該第2の制御モードに対して偶数次成分の音圧を略同じにしかつ奇数次成分及びハーフ次成分の各々の音圧を大きくする出力音を車室内へ出力させる第3の制御モードとを、走行状態検出手段により検出された車両の走行状態に応じて切り換えて実行するように構成されていることを特徴とする車室内音制御装置。 - 請求項6記載の車室内音制御装置において、
走行状態検出手段は、車両の加速度を検出する加速度検出手段を有し、
制御手段は、上記加速度検出手段により車両が加速状態にあってその加速度が所定値以下であることが検出されたときには、第3の制御モードを実行するように構成されていることを特徴とする車室内音制御装置。 - 請求項2又は6記載の車室内音制御装置において、
制御手段は、制御モードを切り換えるときに、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を、該エンジン関連音が制御モード切換前後の中間の音色となるように変化させる出力音を車室内へ出力させた後、切換後の制御モードを実行するように構成されていることを特徴とする車室内音制御装置。 - 請求項8記載の車室内音制御装置において、
制御手段は、シフト変化に伴って制御モードを切り換えるときには、乗員に聞こえるエンジン関連音における周波数次数成分の音圧を、該エンジン関連音が制御モード切換前後の中間の音色となるように変化させる出力音を車室内へ出力させることなく、切換後の制御モードを実行するように構成されていることを特徴とする車室内音制御装置。
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