JP2004073976A - 廃石膏製品の処理方法 - Google Patents

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三原 啓邦
Shohei Yamade
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Abstract

【課題】廃石膏ボード等の廃石膏製品を、外部へ硫黄分を放出することなく、効率良く大量に処理することができ、資源の有効利用を図ることが可能な処理方法を提供すること。
【解決手段】廃石膏製品の処理方法は、少なくとも、廃石膏製品を焼成し、生石灰を生成させる焼成工程と、焼成工程で副生する二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程と、を行うか、あるいは、少なくとも、廃石膏製品をSi−Al−Fe系副原料等とともに焼成する焼成工程と、焼成工程で生成するクリンカーに石膏を加えてセメントを製造する工程と、焼成工程で副生する二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程と、を行うことにより実施される。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃石膏製品の処理方法に関するものであり、詳細には、建築資材等として使用される石膏ボードなどの石膏製品の廃材(廃石膏製品)を効率的に処理し、かつ産業製品としてリサイクルすることを可能にする廃石膏製品の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃石膏ボードに代表される廃石膏製品は、建築廃材として今後多量に排出されることが予測され、その処理が大きな課題となっている。そして、資源の有効利用を図る観点からは、廃石膏ボードをリサイクルする方法の確立が望まれている。
【0003】
廃石膏ボードの処理やリサイクルについては、これまで、(1)大結晶石膏へ転換した後、石膏ボード原料へリサイクルする方法、(2)石膏部分と紙部分を分離し、各々を安定型処分場や管理処分場に埋めたてる方法、(3)石膏部分を分離し、土壌改良材、汚泥固化材として利用する方法、(4)セメント原料の石膏として利用する方法、(5)肥料化する方法、(6)製鉄所の燒結原料とする方法、等が提案されている。
【0004】
しかし、上記(1)の方法は、現在開発段階であり、不純物の影響やスケールアップ等の評価・検討が必要であり、最終的に経済性が成立しなければ実用化は困難である。上記(2)の方法は、リサイクル方法ではなく、最終処分場の逼迫を招くおそれがあることや、処分地で硫化水素が発生するおそれがあることから、処理方法として問題がある。上記(3)〜(6)の方法は、廃石膏ボードの発生量に対して利用量が圧倒的に少ないことや、受入設備側の受入量が制限される等の問題により、根本的な解決策とはなり得ない。
【0005】
従って、廃石膏製品を効率良く、大量に処理することが可能で、かつリサイクル資源として活用することが可能な技術の提供が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、廃石膏ボード等の廃石膏製品を、外部へ硫黄分を放出することなく、効率良く大量に処理することができ、資源の有効利用を図ることが可能な処理方法を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の廃石膏製品の処理方法の発明は、廃石膏製品を焼成し、生石灰を生成させる焼成工程と、前記焼成工程で副生する二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
この廃石膏製品の処理方法の発明によれば、廃石膏製品を焼成する焼成工程と、二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程とを組み合わせて行うことにより、大量の廃石膏製品を効率良く処理して生石灰に転換できるとともに、焼成工程で発生した二酸化硫黄を硫酸として回収できるので、それぞれ再利用を図ることが可能になる。それゆえ、建築廃材等として廃棄対象とされていた大量の廃石膏製品をリサイクルして有効活用することができる。
すなわち、この処理方法では、現在存在する廃石膏製品の処理・リサイクル方法では困難な大量処理が可能になるので、社会的問題となっている廃石膏製品の処理に根本的な解決をもたらすことができる。
【0009】
また、この方法で生成する生石灰は、通常石灰石(炭酸カルシウム)を原料として製造されるため、製造過程で多くの炭酸ガスの排出を伴う。これに対して本発明方法では、例えば主要な廃石膏製品である廃石膏ボードを、それに貼り付けられた紙とともに焼成する場合は、紙がカーボンニュートラルな燃料であるため、製造される生石灰の単位重量あたりの炭酸ガス排出量は少なくてすみ、地球環境へ与える影響も少なくなる。従って、本発明方法は、廃石膏製品を原料とした生石灰の製造方法としても優れた特長を有する。
【0010】
請求項2に記載の廃石膏製品の処理方法の発明は、廃石膏製品をSi−Al−Fe系副原料とともに焼成する焼成工程と、前記焼成工程で生成するクリンカーに石膏を加えてセメントを製造する工程と、前記焼成工程で副生する二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程と、を含むことを特徴とする。
この廃石膏製品の処理方法の発明によれば、廃石膏製品を焼成する焼成工程と、焼成工程で生成するクリンカーに石膏を加えてセメントを製造する工程と、二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程とを組み合わせて行うことにより、大量の廃石膏製品を効率良く処理してセメントに転換することができるとともに、焼成工程で発生した二酸化硫黄は硫酸として回収できるので、それぞれ再利用を図ることが可能になる。それゆえ、建築廃材等として廃棄対象とされていた大量の廃石膏製品をリサイクルして有効活用できるようになる。
【0011】
すなわち、現在存在する廃石膏製品の処理・リサイクル方法では不可能な大量処理が可能になるので、社会的問題となっている廃石膏製品の処理に根本的な解決をもたらすことができる。
【0012】
また、この方法で生成するセメントは、通常石灰石(炭酸カルシウム)を原料として製造されるため、製造過程で多くの炭酸ガスの排出を伴う。これに対して本発明方法では、例えば主要な廃石膏製品である廃石膏ボードを、それに貼り付けられた紙とともに焼成する場合は、紙がカーボンニュートラルな燃料であるため、製造されるセメントの単位重量あたりの炭酸ガス排出量は少なくてすみ、地球環境へ与える影響も少なくなる。従って、本発明方法は、廃石膏製品を原料としたセメントの製造方法としても優れた特長を有する。
【0013】
また、請求項3に記載の廃石膏製品の処理方法の発明は、請求項1または請求項2において、前記焼成工程で発生する、二酸化硫黄を主成分とするガス中に含まれる不純物を、前記硫酸回収工程の前に洗浄するガス洗浄工程と、該ガス洗浄工程で生成した希硫酸を石灰石または消石灰で中和処理して石膏を再生成させる第1の再石膏化工程と、を更に含み、該第1の再石膏化工程において再生成した石膏を前記焼成工程に戻して循環処理することを特徴とする。
【0014】
この特徴によれば、焼成工程で発生するガス中に不可避的に含まれる三酸化硫黄(SO)が洗浄水に吸収されて生成する希硫酸を中和処理することにより、石膏(CaSO)を再生成させて焼成工程へ戻すため、本来の処理対象となる廃石膏製品と同じ操作で処理を行うことができる。
すなわち、洗浄排水中の希硫酸を再石膏化して廃石膏製品とともに処理することによって、系外への硫黄排出を最小限に抑えることが可能になる。
【0015】
請求項4に記載の廃石膏製品の処理方法の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項において、前記硫酸回収工程により硫酸を回収した後の排ガス中に含まれる二酸化硫黄をカルシウム塩として固定して石膏を再生成させる第2の再石膏化工程を更に含み、該第2の再石膏化工程において再生成した石膏を前記焼成工程に戻して循環処理することを特徴とする。
【0016】
この特徴によれば、硫酸回収工程において硫酸を回収した後の排ガス中に不可避的に残存する二酸化硫黄(SO)をカルシウム塩として固定し、石膏を再生成させて焼成工程へ戻すことにより、本来の処理対象となる廃石膏製品と同じ操作で処理を行うことができる。
すなわち、硫酸回収工程において硫酸として回収しきれない排ガス中の二酸化硫黄については、再石膏化して廃石膏製品とともに処理できるので、系外への硫黄排出を最小限に抑えることが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第一実施形態に係る廃石膏製品の処理方法は、少なくとも、廃石膏製品を焼成し、生石灰を生成させる焼成工程と、前記焼成工程で副生する二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程と、を行うことにより実施される。
【0018】
また、本発明の第二実施形態に係る廃石膏製品の処理方法は、少なくとも、廃石膏製品をSi−Al−Fe系副原料等とともに焼成する焼成工程と、前記焼成工程で生成するクリンカーに石膏を加えてセメントを製造する工程と、前記焼成工程で副生する二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程と、を行うことにより実施される。
【0019】
本発明方法における廃石膏製品とは、石膏(CaSO)を主成分とする産業製品の廃棄物を意味し、例えば建築用資材として多用されてきた石膏ボードなどの廃材を含むものである。
【0020】
以下、第1実施形態、第2実施形態の順で主要な工程について概説する。
A.第一実施形態:
<第一実施形態における焼成工程>
本発明の第一実施形態に係る廃石膏製品の処理方法において、焼成工程は、廃石膏製品を焼成し、生石灰を生成させる目的で行われる。焼成は、次の反応式に従い、石膏(CaSO)が生石灰(CaO)に変化するまで行われる。
4CaSO+2C  → CaS+3CaSO+2CO   (I)
CaS+3CaSO → 4CaO+4SO        (II)
反応(I)は、通常約700℃より始まり、約900℃で完了する。この反応(I)で使用される炭素は、炭素系燃料から供給される。炭素系燃料としては、例えばコークス、無煙炭等を使用できる。
【0021】
この反応(I)で生成する硫化カルシウム(CaS)は中間段階での反応生成物であり、最終的に反応(II)において石膏と反応して生石灰(CaO)と二酸化硫黄(SO)となる。反応(II)は約1100℃で始まり、生成した生石灰は最終製品として回収される。
【0022】
以上の焼成工程において、また、焼成の主エネルギー源(熱源)としては、例えば重油、石炭、天然ガス等の燃焼ガスを利用できる。焼成には、焼成炉として、例えばロータリーキルン等を用いることができる。
なお、焼成工程の前処理として、必要に応じて廃石膏製品中に含まれる紙などを分離、除去して、製品となる生石灰の純度を上げることもできる。
【0023】
<第一実施形態における硫酸回収工程>
本発明の第一実施形態に係る廃石膏製品の処理方法において、硫酸回収工程は、焼成工程で副生する二酸化硫黄を硫酸として回収する目的で行われる。この硫酸回収工程は、二酸化硫黄ガスを酸化して三酸化硫黄ガスに変化させる反応と、三酸化硫黄を水に吸収させる反応によって構成される。
【0024】
二酸化硫黄の酸化反応は、次の反応式に基づき、焼成工程で生成した二酸化硫黄を含むガスを400℃以上の温度(例えば420℃)で、例えば五酸化バナジウム系の酸化触媒を用いて三酸化硫黄に酸化する。
2SO+O → 2SO
この反応で生成した三酸化硫黄は、次式
SO+HO → HSO
に基づき水に吸収させることにより、最終硫酸製品に変化させることができる。
【0025】
B.第二実施形態:
<第二実施形態における焼成工程>
本発明の第二実施形態に係る廃石膏製品の処理方法において、焼成工程は、廃石膏製品をSi−Al−Fe系副原料等とともに焼成し、クリンカーを生成させる目的で行われる。ここで、「Si−Al−Fe系副原料」としては、Si、AlまたはFeをそれぞれ単独で含む副原料の組合せ、またはSi、AlおよびFeを混合状態で含む副原料もしくはそれらの組合せであり、例えば、粘土、ケイ石、鉱滓等を挙げることができる。
【0026】
焼成は、次の反応式に従い、石膏(CaSO)がクリンカーに変化するまで行われる。
4CaSO+2C  → CaS+3CaSO+2CO   (I)
CaS+3CaSO → 4CaO+4SO        (II)
CaO+SiO+AlO+Fe → セメントクリンカー (III)
反応(I)は、通常約700℃より始まり、約900℃で完了する。この反応(I)で使用される炭素は、炭素系燃料により供給することができる。炭素系燃料としては、前記第一実施形態と同様のものを使用できる。
【0027】
この反応(I)で生成する硫化カルシウム(CaS)は、中間段階での反応生成物であり、反応(II)において石膏と反応して生石灰(CaO)と二酸化硫黄(SO)となる。反応(II)は約1100℃で始まり、生石灰(CaO)と二酸化硫黄(SO)を生成するが、さらに焼成温度を上げる(約1200〜1500℃)ことにより、生成した生石灰(CaO)はSi−Al−Fe系副原料中に含まれるケイ素、アルミニウム、鉄成分と反応し、セメントクリンカーとなる。
【0028】
以上の焼成工程において、焼成の主エネルギー源(熱源)や焼成炉は、前記第一実施形態と同様のものを使用できるほか、焼成工程の前処理についても、前記第一実施形態と同様に実施できる。
【0029】
<セメント製造工程>
焼成工程で生成したクリンカーは、そのままセメント原料として利用できるものである。
すなわち、このクリンカーを回収し、適切な比率で石膏と混合することにより、最終製品であるセメントを製造できる。
【0030】
<第二実施形態における硫酸回収工程>
本発明の第二実施形態に係る廃石膏製品の処理方法における硫酸回収工程は、第一実施形態における硫酸回収工程と同様に実施できる。
【0031】
C.再石膏化工程
<第1の再石膏化工程>
以上の第一実施形態または第二実施形態においては、硫酸回収工程の前にガス洗浄工程を設けることが好ましい。ガス洗浄工程は、焼成工程で発生する二酸化硫黄を主成分とするガス(焼成ガス)を洗浄液(水)で洗浄し、そこに含まれる不純物を除去するために行われる。このガス洗浄工程においては、焼成ガス中に不可避的に存在する三酸化硫黄(SO)が水に吸収され、希硫酸として回収される。このようにして生成した希硫酸には、石灰石(CaCO)あるいは消石灰(Ca(OH))を作用させて中和処理することにより、石膏を再生成させることができる(第1の再石膏化工程)。再生成した石膏は、焼成工程に戻すことにより、廃石膏製品とともに焼成処理することができる。
【0032】
<第2の再石膏化工程>
また、上記の第一実施形態または第二実施形態においては、焼成ガス中に含まれる大部分の二酸化硫黄ガスは、硫酸回収工程により三酸化硫黄に変化して硫酸として回収されるが、一部は未反応の二酸化硫黄として排ガス中に残存する。つまり、硫酸を回収した後の排ガス中には不可避的に二酸化硫黄が存在する。そこで、硫酸回収工程の後段において、排ガス中に含まれる二酸化硫黄をカルシウム塩として固定して石膏を再生成させる処理を組み込むことが好ましい(第2の再石膏化工程)。ここでは、例えば石灰乳を脱硫剤として用いる石灰石石膏法による脱硫方法など、既知の固定方法を利用することができる。この第2の再石膏化工程において再生成した石膏は、焼成工程に戻すことにより、廃石膏製品とともに焼成処理することができる。
【0033】
次に、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、廃石膏製品としての廃石膏ボードから生石灰および硫酸を回収する第一実施形態のプロセス例の概要を示す図面である。このプロセスは、以下のシステムから構成される。
【0034】
(A−1)廃石膏ボード焼成・生石灰回収システム
原料となる廃石膏ボードに、必要に応じて分別(紙分離)、粉砕などの前処理を施した後、炭素系燃料としての石炭とともに焼成炉としてのロータリーキルン11に供給する。ロータリーキルン11を燃料燃焼ガス(例えば重油燃焼ガス)により前記した温度まで昇温し、前記反応(I)、(II)により、生石灰(CaO)と二酸化硫黄ガスを生成させる。生成した生石灰は回収して製品とする。
【0035】
(A−2)硫酸回収システム
本システムには乾式法および湿式法のどちらの硫酸製造プロセスでも適用可能である。例えば、通常の乾式硫酸製造プロセスの場合の概要は以下の通りである。
【0036】
▲1▼ダスト除去セクション20:
このダスト除去セクション20では、ロータリーキルン11による焼成工程で生成した焼成ガス中で、二酸化硫黄ガスと同伴するダスト分を乾式集塵機21を用いて除去する。このプロセス例では、除去したダストを再び焼成工程(ロータリーキルン11)に戻し、外部に放出しないようにしている。
【0037】
▲2▼ガス精製セクション30:
ガス精製セクション30は、増湿塔31、冷却塔33および湿式電気集塵機35から構成される。増湿塔31および冷却塔33では、二酸化硫黄を主成分とする焼成ガスに含まれる不純物を洗浄液(水など)の循環により除去する。この過程でガス中に含まれる三酸化硫黄は水に吸収され希硫酸として回収される。回収された希硫酸は後述する石膏回収セクション80に送られ、中和処理に付される。
【0038】
冷却塔33ではガス温度を常温近くにまで降温する。この温度低下に伴い、ガス中に含まれる水分の多くが除去される。その後、湿式電気集塵機35に通過させることによりガス中の硫酸ミストが除去され、精製二酸化硫黄ガスとなる。
【0039】
▲3▼ガス乾燥セクション40:
ガス乾燥セクション40では、精製二酸化硫黄ガス中に含まれる水分を、乾燥塔41内で循環硫酸により吸収除去する。つまり、乾燥塔41を通過することによって、ガスは乾燥二酸化硫黄ガスとなる。
【0040】
▲4▼酸化反応セクション50:
酸化反応セクション50は、熱交換器群51と酸化反応器53とから構成される。乾燥セクション40からの乾燥二酸化硫黄ガスは、熱交換器群51において約420℃まで昇温された後、酸化反応器53に供給され、酸化触媒反応により三酸化硫黄に転換される。熱交換器群51では、二酸化硫黄から三酸化硫黄への酸化反応に伴う反応熱を利用して乾燥二酸化硫黄ガスの昇温を行うため、熱効率がよい。
【0041】
▲5▼吸収セクション60:
吸収セクション60では、酸化反応セクション50で生成した三酸化硫黄を、吸収塔61において水分を含む循環硫酸で吸収することにより、最終硫酸製品とする。
【0042】
▲6▼排ガス処理セクション70:
酸化反応セクション60からの未反応二酸化硫黄を含む排ガスは、排ガス洗浄塔71において、石灰石スラリー(石灰乳)を脱硫剤とする石灰石石膏法により脱硫処理され、大気に開放される。脱硫処理によって生成する石膏スラリーは、後述する石膏回収セクション80に送られる。
【0043】
▲7▼石膏回収セクション80:
石膏回収セクション80では、ガス精製セクション30で生成した希硫酸を、中和処理槽81において石灰石(石灰乳)あるいは消石灰を用いて中和処理し、石膏スラリーとする。この石膏スラリーは、排ガス処理セクション70より送られる石膏スラリーとともに固液分離機83で固液分離される。脱水された石膏ケーキは、乾燥機85で乾燥された後、原料の廃石膏ボードとともに焼成炉(ロータリーキルン11)で再焼成される。
【0044】
以上のようなプロセスにより、外部への硫黄分の放出を最小限に抑えながら、廃石膏ボードを生石灰と硫酸としてリサイクル処理することができる。
【0045】
次に、図2に従い、廃石膏製品としての廃石膏ボードからセメントおよび硫酸を回収する第二実施形態のプロセス例を挙げて説明する。このプロセスは、以下のシステムから構成される。
【0046】
(B−1)廃石膏ボード焼成・セメント回収システム
原料となる廃石膏ボードに、必要に応じて分別(紙分離)、粉砕などの前処理を施した後、Si−Al−Fe系副原料等(例えば、SiO原料、Fe原料、Al原料としての粘土、ケイ石、鉱滓等)と、炭素系燃料としての石炭とともに焼成炉としてのロータリーキルン11に供給する。ロータリーキルン11を燃料燃焼ガス(例えば重油燃焼ガス)により前記した温度まで昇温し、反応(I)〜(III)により、セメントクリンカーと二酸化硫黄ガスを生成させる。セメントクリンカーは、仕上ミル13に移送して石膏と混合調整され、最終製品であるセメントとして回収される。
【0047】
(B−2)硫酸回収システム:
この第二実施形態に係る硫酸回収システムは、原則として第一実施形態に係るプロセスの(A−1)硫酸回収システムに準じて実施することができるので、同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
以上のようなプロセスにより、外部への硫黄分の放出を最小限に抑えながら、廃石膏ボードをセメントと硫酸としてリサイクル処理することができる。
【0049】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
【0050】
【作用】
本発明方法では、廃石膏製品に、基本的に「焼成」と「水への吸収」という二つの簡易な処理を施すことにより、生石灰またはセメントおよび硫酸にまで転換し、再利用を図ることができる。つまり、この方法では、複雑な工程や煩雑な操作は必要としないため、大量の廃石膏製品の処理に適している。
【0051】
また、第一および/または第二の再石膏化工程を加えた場合は、排水または排ガス中の硫黄分を石膏として回収、固定化できる。これらの工程で石膏として回収、固定化した硫黄分は、焼成工程に循環させることによって処理すればよいので、系外への硫黄排出を最小限に抑えることができる。換言すれば、第一および/または第二の再石膏化工程を設けることにより、排水処理や排ガス処理の生成物を焼成工程に循環することが可能になるため、プロセス全体を簡素な構成にすることができ、極めて効率がよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明方法は、従来の処理方法とは異なり廃石膏製品を効率的に処理できるため、廃石膏製品の大量処理プロセスとして有用である。
すなわち、本発明方法によれば、大量の廃石膏製品を効率良く処理して生石灰またはセメントに転換できるとともに、焼成工程で発生した二酸化硫黄を硫酸として回収できるので、それぞれ再利用を図ることが可能になる。それゆえ、建築廃材等として廃棄対象とされていた大量の廃石膏製品をリサイクルして有効活用することができる。
【0053】
また、本発明方法では、例えば主要な廃石膏製品である廃石膏ボードに貼付された紙をカーボンニュートラルの燃料として使用出来ることから、製造される生石灰やセメントの単位重量あたりの炭酸ガス排出量は少なくてすむと同時に、排水または排ガス中の硫黄分を石膏として回収固定化し焼成工程に循環させる場合には、系外への硫黄排出量を最小限に抑えることが可能になり、二次汚染を防止できることから、地球環境へ与える影響も少なくなる。従って、本発明方法は、廃石膏製品を原料とした生石灰やセメントの製造方法としても優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る廃石膏ボードリサイクルシステムの概要を説明する図面。
【図2】本発明の第二実施形態に係る廃石膏ボードリサイクルシステムの概要を説明する図面。
【符号の説明】
11 ロータリーキルン
13 仕上ミル
20 ダスト除去セクション
21 乾式集塵機
30 ガス精製セクション
31 増湿塔
33 冷却塔
35 湿式電気集塵機
40 ガス乾燥セクション
41 乾燥塔
50 酸化反応セクション
51 熱交換機群
53 酸化反応器
60 吸収セクション
61 吸収塔
70 排ガス処理セクション
71 排ガス洗浄塔
80 石膏回収セクション
81 中和処理槽
83 固液分離機
85 乾燥器

Claims (4)

  1. 廃石膏製品を焼成し、生石灰を生成させる焼成工程と、
    前記焼成工程で副生する二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程と、
    を含むことを特徴とする、廃石膏製品の処理方法。
  2. 廃石膏製品をSi−Al−Fe系副原料とともに焼成する焼成工程と、
    前記焼成工程で生成するクリンカーに石膏を加えてセメントを製造する工程と、
    前記焼成工程で副生する二酸化硫黄を硫酸として回収する硫酸回収工程と、
    を含むことを特徴とする、廃石膏製品の処理方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記焼成工程で発生する、二酸化硫黄を主成分とするガス中に含まれる不純物を、前記硫酸回収工程の前に洗浄するガス洗浄工程と、
    該ガス洗浄工程で生成した希硫酸を石灰石または消石灰で中和処理して石膏を再生成させる第1の再石膏化工程と、
    を更に含み、
    該第1の再石膏化工程において再生成した石膏を前記焼成工程に戻して循環処理することを特徴とする、廃石膏製品の処理方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項において、
    前記硫酸回収工程により硫酸を回収した後の排ガス中に含まれる二酸化硫黄を、カルシウム塩として固定して石膏を再生成させる第2の再石膏化工程を更に含み、
    該第2の再石膏化工程において再生成した石膏を前記焼成工程に戻して循環処理することを特徴とする、廃石膏製品の処理方法。
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