JP2004072331A - 歪補償装置 - Google Patents

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本江 直樹
Masaki Sudo
須藤 雅樹
▲高▼田 壽雄
Toshio Takada
Hidefumi Ito
伊藤 英文
Shuhei Miura
三浦 周平
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Abstract

【課題】信号を増幅する増幅器で発生する歪を補償する歪補償装置で、歪補償の効率化を図る。
【解決手段】信号レベル検出手段1が増幅器5により増幅される信号のレベルを検出し、歪補償実行手段2〜4が歪補償態様を決定する歪補償制御値と信号レベルとの対応付けに基づいて検出される信号レベルに対応した歪補償態様により増幅器5により増幅される信号に対する歪補償を実行し、歪補償制御値対応付け更新手段6が増幅器5により増幅された信号に基づいて歪補償の実行に用いられる歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新し、歪補償制御値数制御手段6が更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号を増幅する増幅器で発生する歪を補償する歪補償装置に関し、特に、歪補償態様を決定する歪補償制御値と信号レベルとの対応付けに基づいて歪補償を行う構成において、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御することにより、歪補償の効率化を図る歪補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA:Wide band − Code Division Multiple Access)方式を移動通信方式として採用する移動通信システムに備えられた基地局装置では、物理的に遠く離れた移動局装置の所まで無線信号を到達させる必要があるため、送信対象となる信号を増幅器で大幅に増幅して送信出力することが必要となる。
【0003】
しかしながら、増幅器はアナログデバイスであるため、その入出力特性は非線形な関数となる。特に、飽和点と呼ばれる増幅限界の以降では、増幅器に入力される電力が増大しても出力電力がほぼ一定となり、このような非線形な出力によって非線形歪が発生する。
【0004】
増幅前の送信信号では希望信号帯域外の信号成分が帯域制限フィルタによって低レベルに抑えられられるが、増幅器通過後の信号では非線形歪が発生しているために例えば隣接チャネル等の希望信号帯域外へ信号成分が漏洩する。例えば、基地局装置では、上記したように送信電力が高いため、このような隣接チャネルへの漏洩電力の大きさは厳しく規定されており、隣接チャネル漏洩電力(ACP:Adjacent Channel leak Power)を低減する技術が用いられる。
【0005】
一例として、隣接チャネル漏洩電力を低減する技術として、プリディストータが用いられている。
プリディストータでは、例えば、入力信号のレベルと歪補償制御値とを対応付ける歪補償テーブルに基づいて、増幅器により増幅される信号に対して増幅器で発生する歪を打ち消すための歪を発生させることにより、増幅器で発生する歪を補償し、隣接チャネル漏洩電力を低減する。
【0006】
また、近年では、高効率な増幅器を実現するための歪補償方式の一例として、歪補償テーブルの内容を適応的に制御するアダプティブプリディストーション(APD)法が注目されており、このような制御を行うアダプティブプリディストータ(適応プリディストータ)が注目されている。
【0007】
以下で、歪補償に関して、従来技術の例を紹介する。
本出願人による特開2001−268150号公報(文献1)に記載された「リニアライザ」では、電力増幅器の入力信号の変化範囲を複数に分割して、当該分割した各入力信号レベルの点を代表点として、各代表点についてのみ電力増幅器の非線形性の逆特性を算出して歪補償の係数を求め、入力信号レベルの他の点の歪補償係数については代表点の歪補償係数を用いて補間や逆補間により求めることが行われている。また、この文献1には、例えば、ラグランジの補間多項式を用いて補間を行うことや、このような補間多項式の次数を大きくするほど補間の精度が向上することや、入力信号レベルの代表点の間隔を小さくするほど補間の精度が向上することなどが記載されている。
【0008】
特開2001−284980号公報(文献2)に記載された「プリディストーション型非線形歪み補償回路およびこれを用いたディジタル送信機」では、比例計算を用いて補間や外挿が行われており、また、歪補償値テーブルを所定の回数更新した場合に一度も更新されなかった歪補償値を補間により更新することが行われている。具体的には、p1<p2として(p1、q1)及び(p2、q2)が既知である場合にp1<p<p2となるpに対する(p、q)を算出する内挿や、p<p1<p2となるpやp1<p2<pとなるpに対する(p、q)を算出する外挿が行われる。
【0009】
特開2002−111401号公報(文献3)に記載された「信号の歪補償装置および歪補償方法」では、入力信号と増幅器による増幅信号とに基づいて歪補償係数を更新することが行われており、具体的には、最小2乗平均(LMS)アルゴリズムやクリップト最小2乗平均アルゴリズムを用いて歪補償係数を更新することが行われている。また、クリップト最小2乗平均アルゴリズムのステップサイズの値を制御することや、A/D(Analog to Digital)変換器のダイナミックレンジを制御することが行われている。
【0010】
特開2001−203539号公報(文献4)に記載された「非線形歪み補償電力増幅器」では、電力増幅器の入力信号電力値と歪補償係数(制御係数値)とを対応付けるテーブルの内容を更新することが行われている。
特開平11−136302号公報(文献5)に記載された「歪補償回路」では、歪補償の精度を劣化させる直交変調器のゲイン偏差や直交度誤差を補償することが行われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のプリディストータでは、歪補償テーブルの内容を更新することは行われていたものの、更に効率化を図ることが望まれていた。具体的には、従来のプリディストータでは、例えば、歪補償テーブルの内容を更新するに際して、歪補償テーブルの収束速度を向上させることや、歪補償テーブルの内容の精度を向上させることが望まれていた。
【0012】
本発明は、このような従来の事情に鑑みなされたもので、歪補償態様を決定する歪補償制御値と信号レベルとの対応付けに基づいて増幅器で発生する歪を補償するに際して、歪補償を効率化することができる歪補償装置を提供することを目的とする。具体的には、本発明では、例えば、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新するに際して、当該更新の収束速度を向上させることや、当該更新される対応付けの内容の精度を向上させることを図る。
【0013】
なお、後述する本発明と比較すると、上記従来例で示した文献1〜5では、例えば、本発明において行われる歪補償制御値の数の適応的な制御については記載されておらず、その示唆もされていない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る歪補償装置では、次のようにして、信号を増幅する増幅器で発生する歪を補償する。
すなわち、信号レベル検出手段が増幅器により増幅される信号のレベルを検出し、歪補償実行手段が、歪補償態様を決定する歪補償制御値と信号レベルとの対応付けに基づいて、信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した歪補償態様により、増幅器により増幅される信号に対する歪補償を実行する。
また、歪補償制御値対応付け更新手段が、増幅器により増幅された信号に基づいて、歪補償実行手段による歪補償の実行に用いられる歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新し、歪補償制御値数制御手段が歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御する。
【0015】
従って、歪補償態様を決定する歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新する場合に、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御することにより、歪補償の効率化を図ることができる。具体的には、概略的な特性としては、当該組の数を少なくすると歪補償の精度はそれほど高くない場合もあるが当該更新処理の負担を小さくすることや当該更新処理の速度を高めることができ、これとは逆に、当該組の数を多くすると当該更新処理の負担はそれほど小さくない場合もあるが歪補償の精度を高めることができる。
【0016】
ここで、増幅器により増幅される信号としては、種々な信号が用いられてもよい。
また、増幅器としては、種々な増幅器が用いられてもよく、例えば、1つの増幅器が用いられてもよく、複数の増幅器の組み合わせが用いられてもよい。
また、増幅器で発生する歪を補償する精度としては、実用上で有効であれば、種々な精度が用いられてもよい。
【0017】
また、信号のレベルとしては、例えば電力のレベルや振幅のレベルなどの種々なレベルが用いられてもよい。
また、歪補償態様としては、例えば、歪補償を実行する態様が用いられ、種々な態様が用いられてもよい。
また、歪補償制御値としては、例えば、歪補償態様を決定する情報が用いられ、具体的には、歪補償態様を直接的に示す情報や、或いは、歪補償態様を決定するために用いることが可能な情報などを用いることができる。
【0018】
また、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けの内容としては、種々なものが用いられてもよい。
また、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けとしては、例えば、次に更新されるまでメモリなどの記憶手段に記憶されるような態様が用いられてもよく、或いは、必要な期間だけ一時的に保持されるような態様が用いられてもよい。
【0019】
一例として、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けとしては、複数の信号レベルと、これら複数の信号レベルのそれぞれに対する歪補償制御値とを対応付けるものが用いられる。この場合、複数の信号レベルとしては、例えば、増幅器により増幅される信号のレベルがとり得る所定のレベル範囲内における代表的なレベルの値を用いることができる。また、代表的なレベルとしては、例えば、当該所定のレベル範囲内における等間隔に並ぶレベルなどを用いることができる。また、当該所定のレベル範囲としては、例えば、一定の範囲が用いられてもよく、或いは、可変な範囲が用いられてもよい。
【0020】
また、信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した歪補償態様としては、例えば、歪補償制御値に対応付けられた信号レベルの中で当該検出される信号レベルと一致する信号レベルに対応した歪補償制御値に基づいて決定される態様を用いることや、歪補償制御値に対応付けられた信号レベルの中で当該検出される信号レベルと最も近い信号レベルに対応した歪補償制御値に基づいて決定される態様を用いることや、或いは、歪補償制御値に対応付けられた信号レベルの中で当該検出される信号レベルと一致する信号レベルがない場合に一致しない信号レベルに対応した歪補償制御値に基づいて補間を行うことにより決定される態様を用いることなどができる。
【0021】
また、増幅器により増幅される信号に対する歪補償の処理としては、例えば、増幅器により増幅される信号に対して増幅器で発生する歪をゼロに打ち消す或いは低減することができる歪を発生させるような処理を用いることができる。
【0022】
また、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新するために用いられる増幅器により増幅された信号としては、例えば当該増幅信号の一部が用いられて、フィードバックによる更新処理が行われる。
また、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、また、種々な態様が組み合わされて用いられてもよく、例えば、歪補償制御値のみを更新するような態様や、或いは、信号レベルと歪補償制御値との両方を更新するような態様などを用いることができる。
【0023】
また、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、当該対応付けの更新の状況に応じて制御を行うような態様を用いることができる。
【0024】
また、本発明に係る歪補償装置では、一構成例として、歪補償実行手段は、次のような歪補償制御値補間手段を有する。
すなわち、歪補償制御値補間手段は、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる複数の歪補償制御値と信号レベルとの組に基づいて、補間を行うことにより、信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した歪補償態様を決定する。
【0025】
従って、例えば歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて定められていない信号レベルの信号が増幅器に入力されるような場合においても、当該対応付けにおいて定められた内容に基づいて補間を行うことにより、当該定められていない信号レベルの信号に対する歪補償態様を決定することができる。このような補間を用いると、例えば、当該対応付けの更新において算出する歪補償制御値と信号レベルとの組の数と比べて多くの信号レベルに対して比較的よい精度の歪補償態様を決定することができ、また、当該算出の負担を低減することや、当該対応付けを記憶する場合にその記憶に必要な容量を低減することができる。
【0026】
ここで、補間としては、例えば、内挿の補間が用いられてもよく、外挿の補間が用いられてもよい。
また、補間を行う態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、比例関係を用いて補間を行う態様や、或いは、2次以上の高次の関数を用いて補間を行う態様などを用いることができる。
【0027】
また、補間を行うために用いられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、補間により得られる信号レベルと歪補償態様との対応付けとしては、例えば、当該補間結果が次に更新されるまでメモリなどの記憶手段に記憶されるような態様が用いられてもよく、或いは、必要な期間だけ一時的に保持されるような態様が用いられてもよい。
【0028】
また、例えば、補間により得られる信号レベルと歪補償態様との対応付けに基づいて対応付けられる信号レベルと歪補償制御値との組を、当該補間を行うために用いた信号レベルと歪補償制御値との対応付けの内容に反映させるような態様が用いられてもよい。つまり、本発明では、補間結果に基づいて得られる歪補償制御値と信号レベルとの組の数が、歪補償制御値数制御手段により制御を行う対象に含められない態様が用いられてもよく、或いは、当該制御を行う対象に含められる態様が用いられてもよい。
【0029】
また、本発明に係る歪補償装置では、一構成例として、歪補償制御値数制御手段は、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分が小さくなるに応じて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させる。また、歪補償制御値数制御手段は、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分が大きくなるに応じて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を減少させる。
【0030】
従って、増幅器により増幅された信号に含まれる歪の成分が小さくなるに応じて、つまり、歪補償により補償しきれずに増幅後の信号中に残った歪(残歪)の成分が小さくなるに応じて、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数が増加させられるため、当該残歪の成分が大きいときには比較的に歪補償の精度は高くないが更新処理の負担が小さくなることや更新処理の速度が高くなることを図る一方、当該残歪の成分が小さくなるに応じて比較的に当該組の数を多くして歪補償の精度を高めるようにすることができる。これにより、例えば、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新するに際して、当該更新の収束速度を向上させることや、当該更新される対応付けの内容の精度を向上させることができる。
【0031】
また、増幅器により増幅された信号に含まれる歪の成分が大きくなった場合には当該大きさに応じて、つまり、歪補償により補償しきれずに増幅後の信号中に残った歪(残歪)の成分が大きくなった場合には当該大きさに応じて、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数が減少させられる。このため、例えば、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新するに際してその収束過程の途中で当該歪の成分が大きくなった場合には、再び当該組の数を少なくして更新処理を行うことができる。
【0032】
ここで、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御するために用いられる増幅器により増幅された信号としては、例えば当該増幅信号の一部が用いられて、フィードバックによる更新処理が行われる。
また、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分の大きさとしては、例えば、当該増幅信号から検出される歪の大きさが用いられてもよく、或いは、当該増幅信号に関する本来の信号からの誤差の大きさが歪の大きさに比例などするものとみなされて用いられてもよい。なお、当該本来の信号とは、増幅器により増幅される信号のことであり、例えば歪補償実行手段で歪を発生する前の信号(つまり、入力信号)のことである。
【0033】
また、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分が小さくなるに応じて、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させる態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、当該歪成分の大きさに関する1又は2以上の閾値を設定して、当該歪成分の大きさが各閾値以上となる又は各閾値を超えることに応じて当該組の数を段階的に増加させるような態様を用いることができる。
【0034】
また、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させる態様としては、例えば、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けで定められる複数の信号レベルの間隔を小さくするような態様が用いられ、このような態様では当該間隔を小さくすることにより歪補償の精度を向上させることができる。
また、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分が大きくなるに応じて、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を減少させる態様としても、種々な態様が用いられてもよい。
【0035】
また、本発明に係る歪補償装置では、一構成例として、歪補償制御値数制御手段は、増幅器により増幅される対象となる信号の処理に関して経過時間を計時する経過時間計時手段を有する。そして、歪補償制御値数制御手段は、経過時間計時手段により計時される経過時間が大きくなるに応じて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させる。
【0036】
従って、増幅器により増幅される対象となる信号の処理に関する経過時間が大きくなるに応じて、つまり、歪補償の精度が向上して当該歪補償により補償しきれずに増幅後の信号中に残る歪(残歪)の成分が小さくなるとみなされる時間経過に応じて、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数が増加させられるため、当該経過時間が小さいときには比較的に歪補償の精度は高くないが更新処理の負担が小さくなることや更新処理の速度が高くなることを図る一方、当該経過時間が大きくなるに応じて比較的に当該組の数を多くして歪補償の精度を高めるようにすることができる。これにより、例えば、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新するに際して、当該更新の収束速度を向上させることや、当該更新される対応付けの内容の精度を向上させることができる。
【0037】
ここで、増幅器により増幅される対象となる信号の処理に関する経過時間としては、種々な時点から計時され始める時間が用いられてもよく、例えば、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けの更新により歪補償の精度が向上していく程度が把握されるような時点から計時される時間が用いられる。一例として、増幅器により増幅される対象となる一連の信号が入力された時点の経過時間をゼロとして以降の経過時間を計時するような態様を用いることができる。
【0038】
また、経過時間が大きくなるに応じて、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させる態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、当該経過時間の大きさに関する1又は2以上の閾値を設定して、当該経過時間の大きさが各閾値以上となる又は各閾値を超えることに応じて当該組の数を段階的に増加させるような態様を用いることができる。
【0039】
また、対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させる態様としては、例えば、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けで定められる複数の信号レベルの間隔を小さくするような態様が用いられ、このような態様では当該間隔を小さくすることにより歪補償の精度を向上させることができる。
【0040】
また、本発明に係る歪補償装置では、一構成例として、歪補償制御値数制御手段は、所定の条件と歪補償制御値数との対応付けに基づいて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を、条件に対応した歪補償制御値数へ制御する。
【0041】
従って、所定の条件と歪補償制御値数との対応付けに基づいて、条件に対応した歪補償制御値数を特定して、対応付けられる歪補償制御値数と信号レベルとの組の数を当該特定した歪補償制御値数へ制御することにより、当該組の数を制御することができる。
【0042】
ここで、所定の条件としては、種々な条件が用いられてもよく、例えば、増幅器により増幅される信号に含まれる増幅器で発生する歪の大きさに関する条件や、増幅器により増幅された信号に関する本来の信号からの誤差に関する条件や、増幅器により増幅される対象となる信号の処理に関する経過時間に関する条件などを用いることができる。
【0043】
また、所定の条件と歪補償制御値数との対応付けの内容としては、種々なものが用いられてもよい。
また、所定の条件と歪補償制御値数との対応付けは、例えば、予め定められ、メモリなどの記憶手段にテーブルなどとして記憶される。
【0044】
以下で、更に、以上に示したものも含めて、本発明に係る歪補償装置の構成例を示す。
本発明に係る歪補償装置では、一構成例として、歪補償制御値対応付け更新手段は、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分が小さくなるように、歪補償実行手段による歪補償の実行に用いられる歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新する。
【0045】
ここで、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分が小さくなるように歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、当該歪の成分が最小となるように制御を行う態様が用いられるのが好ましい。
【0046】
また、本発明に係る歪補償装置では、一構成例として、歪補償実行手段は、歪補償制御値対応付け記憶手段と歪補償歪発生手段を用いて構成される。そして、歪補償制御値対応付け記憶手段は歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを記憶し、また、歪補償歪発生手段は、歪補償制御値対応付け記憶手段の記憶内容に基づいて、信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した歪補償態様により、増幅器により増幅される信号に対して歪を発生させる。また、歪補償制御値対応付け更新手段は、増幅器により増幅された信号に基づいて、歪補償制御値対応付け記憶手段に記憶される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新する。
【0047】
ここで、歪補償歪発生手段により発生させる歪としては、例えば、増幅器で発生する歪をゼロに打ち消す或いは低減することができるような歪が用いられる。また、歪としては、例えば、信号の振幅の歪や、信号の位相の歪が用いられる。具体例として、歪補償歪発生手段は、増幅器で発生する振幅の歪をゼロに打ち消す或いは低減するための振幅歪を発生させるとともに、増幅器で発生する位相の歪をゼロに打ち消す或いは低減するための位相歪を発生させる。
【0048】
また、本発明に係る歪補償装置では、一構成例(以下で、構成例Aと言う)として、歪補償制御値数制御手段は、増幅器により増幅された信号に基づいて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御する。
【0049】
また、本発明に係る歪補償装置では、構成例Aの一構成例として、歪補償制御値数制御手段は、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分を検出する歪成分検出手段を有する。そして、歪補償制御値数制御手段は、歪成分検出手段により検出される歪成分が小さくなるに応じて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させる。また、歪補償制御値数制御手段は、歪成分検出手段により検出される歪成分が大きくなるに応じて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を減少させる。
【0050】
ここで、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分を検出する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、例えば、当該信号から当該歪の周波数帯域の成分を歪の成分として検出するような仕方を用いることができる。
また、歪成分検出手段は、例えば、歪の成分の電力レベルや振幅レベルなどのレベルを検出する。
【0051】
更に、本発明に係る歪補償装置では、一構成例として、歪補償制御値数制御手段は、歪成分と歪補償制御値数との対応付けに基づいて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を、歪成分検出手段により検出される歪成分に対応した歪補償制御値数へ制御する。
【0052】
また、本発明に係る歪補償装置では、構成例Aの他の一構成例として、増幅器により増幅される前の信号に対して変調を行う信号変調手段を備える。また、歪補償制御値数制御手段は、増幅器により増幅された信号に対して復調を行う信号復調手段と、信号復調手段による復調結果に関して増幅器により増幅される信号からの誤差を検出する誤差検出手段を有する。そして、歪補償制御値数制御手段は、誤差検出手段により検出される誤差が小さくなるに応じて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させる。また、歪補償制御値数制御手段は、誤差検出手段により検出される誤差が大きくなるに応じて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を減少させる。
【0053】
ここで、信号変調手段により行われる変調の方式と信号復調手段により行われる復調の方式とは対応しており、これらの方式としては、種々な方式が用いられてもよい。
また、復調結果に関して増幅器により増幅される信号からの誤差としては、例えば、復調結果に関する本来の信号からの差が用いられ、当該差は増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の大きさに比例などするとみなすことが可能である。
また、誤差としては、例えば電力レベルや振幅レベルなどのレベルが用いられる。
【0054】
更に、本発明に係る歪補償装置では、歪補償制御値数制御手段は、誤差と歪補償制御値数との対応付けに基づいて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を、誤差検出手段により検出される誤差に対応した歪補償制御値数へ制御する。
【0055】
また、本発明に係る歪補償装置では、経過時間に応じて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御する構成の一構成例として、経過時間計時手段は、増幅器により増幅される対象となる信号に対する歪補償の処理が開始される時点を基準として経過時間を計時する。
【0056】
ここで、増幅器により増幅される対象となる信号に対する歪補償の処理が開始される時点としては、例えば、当該信号が入力される時点や、当該信号に関して歪補償制御値と信号レベルとの対応付けの内容が更新され始める時点などを用いることができる。
また、当該時点を基準として経過時間を計時する態様としては、例えば、当該時点の経過時間をゼロとして以降の経過時間を計時するような態様を用いることができる。
【0057】
更に、本発明に係る歪補償装置では、一構成例として、歪補償制御値数制御手段は、経過時間と歪補償制御値数との対応付けに基づいて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を、経過時間計時手段により計時される経過時間に対応した歪補償制御値数へ制御する。
【0058】
また、以上に示したような本発明に係る歪補償装置は、例えば、移動通信システムに備えられる基地局装置や中継増幅装置などに適用することができる。
一例として、本発明に係る基地局装置などでは、以上に示したような歪補償装置を備え、移動局装置に対して無線により送信する対象となる信号を増幅する増幅器で発生する歪を当該歪補償装置により補償する。
【0059】
ここで、移動通信システムとしては、例えば携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの種々なシステムが用いられてもよい。
また、通信方式としては、例えばCDMA(Code Division Multiple Access)方式やTDMA(Time Division Multiple Access)方式やFDMA(Frequency Division Multiple Access)方式などの種々な方式が用いられてもよい。また、移動通信システムや基地局装置や中継増幅装置や移動局装置などとしては、種々な構成のものが用いられてもよい。
【0060】
また、本発明に係る基地局装置などは、一構成例として、W−CDMA方式を採用した移動通信システムの基地局装置などとして構成される。
また、本発明に係る基地局装置などでは、一構成例として、歪補償装置により歪補償を行う増幅器として共通増幅器が用いられ、また、マルチキャリアの信号を当該共通増幅器により増幅する。
【0061】
ここで、共通増幅器では、例えば複数の周波数の信号をまとめて増幅することが可能である。
また、マルチキャリアの信号としては、複数の周波数の信号を含む信号が用いられる。
また、マルチキャリアの信号に含まれる複数の周波数の信号の数としては、種々な数が用いられてもよい。
【0062】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、W−CDMA方式を採用した移動通信システムの基地局装置に備えられるプリディストータ付き送信電力増幅器に本発明を適用した場合を示す。本実施例に係るプリディストータ付き送信電力増幅器では、移動局装置などに対して無線により送信する対象となる信号を増幅器で増幅するに際して、当該増幅器で発生する歪をプリディストータにより補償し、これにより、隣接チャネル漏洩電力を削減して、良好な通信品質を確保する。
【0063】
まず、第1実施例を説明する。
図1には、プリディストータ付き送信電力増幅器の一例を示してある。
本例のプリディストータ付き送信電力増幅器には、プリディストータP1と、増幅器5とが備えられている。
また、プリディストータP1には、電力検出部1と、歪補償テーブル2と、減衰器3と、移相器4と、制御部6とが備えられている。
【0064】
まず、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器の全体的な構成例及び動作例を説明する。
増幅器5により増幅される対象となる信号は、プリディストータP1に入力されて当該プリディストータP1において分配されて、電力検出部1と減衰器3と制御部6に入力される。なお、本例では、例えば無線周波数(RF:Radio Frequency)帯の信号が増幅器5による増幅対象としてプリディストータP1に入力される。
【0065】
電力検出部1は、増幅器5による増幅対象として入力される信号の電力値を測定により検出し、当該検出結果を歪補償テーブル2へ出力する。
歪補償テーブル2は、歪補償特性を有するテーブルから構成されており、具体的には、信号の電力値と歪補償量とを対応付ける情報を保持する。ここで、歪補償特性としては、増幅器5で生じる振幅−位相平面における非線形特性の逆特性が用いられる。また、当該非線形特性としては、一般的に、入力信号の電力を指標とするAM(Amplitude Modulation)−AM変換及びAM−PM(Phase Modulation)変換が生じる。
【0066】
本例では、歪補償量として、減衰器3における信号の減衰量を制御するための情報(減衰器制御量)と、移相器4における信号の移相量を制御するための情報(移相器制御量)が歪補償テーブル2により保持される。
そして、歪補償テーブル2は、電力検出部1から入力される電力値に対応した減衰器制御量を減衰器3に対して出力し、当該電力値に対応した移相器制御量を移相器4に対して出力する。つまり、AM−AM変換に対応する減衰器制御量は減衰器3に入力されて当該減衰器3により信号の振幅を制御し、また、AM−PM変換に対応する移相器制御量は移相器4に入力されて当該移相器4により信号の位相を制御する。
【0067】
減衰器3は、例えば信号の減衰量が可変である可変減衰器から構成されており、増幅器5による増幅対象として入力される信号を歪補償テーブル2から入力される減衰器制御量に対応した減衰量で減衰させて、当該減衰後の信号を移相器4へ出力する。なお、減衰器3では、当該減衰により、信号に対して振幅歪を発生させることができる。
【0068】
移相器4は、例えば信号の位相変化量が可変である可変移相器から構成されており、減衰器3から入力される信号の位相を歪補償テーブル2から入力される移相器制御量に対応した位相変化量で変化(移相)させて、当該位相変化後の信号をプリディストータP1からの出力として増幅器5へ出力する。なお、移相器4では、当該位相変化により、信号に対して位相歪を発生させることができる。
【0069】
増幅器5は、例えば電力増幅器から構成されており、移相器4から入力される信号を増幅して、当該増幅後の信号を出力する。ここで、増幅器5では信号を増幅するに際して振幅歪や位相歪が発生し、これらの歪は、当該信号に対して減衰器3で与えられた振幅歪や移相器4で与えられた位相歪により補償される。これにより、増幅器5から本例のプリディストータ付き送信電力増幅器の外部へは、歪が無い或いは歪が低減された増幅信号が出力される。
【0070】
また、増幅器5から出力される信号の一部は分配されて、制御部6にフィードバック信号として入力される。
制御部6は、例えば、増幅器5から入力される増幅信号に基づいて、当該増幅信号に含まれる歪の量が低減されて歪補償の精度が向上するように、歪補償テーブル2の内容を更新する。本例の制御部6では、例えば、経年変化や環境変化に適応するようなアルゴリズムを用いて歪補償テーブル2の内容を更新する。
【0071】
また、本例では、制御部6による更新により歪補償テーブル2の内容を生成する方法として、補間法を用いる。補間法は、例えば、歪補償テーブル2の収束時間を短くするためや、歪補償テーブル2のスムージングの問題を解消するために用いられている。本例の補間法では、代表的な信号電力値について対応する減衰器制御量及び移相器制御量を算出し、他の信号電力値に対応する減衰器制御量及び移相器制御量については補間により算出する。
なお、本明細書では、当該代表的な信号電力値の点を補間点と言い、補間点の数を補間点数と言う。
【0072】
次に、補間点数の制御に関する構成例及び動作例を説明する。
図2には、本例の制御部6として用いられる制御部C1の構成例を示してある。
本例の制御部6には、フィードバック制御部11と、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)12と、ミキサ13と、帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)14と、周波数変換部15と、A/D変換器16と、補間点数算出部17とが備えられている。
【0073】
フィードバック制御部11は、VCO12を制御し、本例では、後述するBPF14で所望の帯域の歪電力が抽出されることを実現する周波数にVCO12の発振周波数を制御する。
VCO12は、フィードバック制御部11により制御される周波数の信号を発振してミキサ13へ出力する。
ミキサ13は、VCO12から入力される信号と増幅器5から入力される増幅信号とを混合して当該増幅信号を周波数変換し、当該混合結果をBPF14へ出力する。ここで、本例の制御部6では、当該混合結果に増幅器5で発生した歪の成分が含まれるように制御が行われる。
【0074】
BPF14は、ミキサ13から入力される混合結果をフィルタリングして所定の帯域の成分を抽出し、当該抽出結果を周波数変換部15へ出力する。ここで、本例の制御部6では、当該抽出結果に増幅器5で発生した歪の成分が含まれるように当該所定帯域が設定される。
周波数変換部15は、BPF14を通過した信号がA/D変換器16により取り込み可能となるように、BPF14から入力される抽出結果の周波数を直流(DC:Direct Current)付近の周波数へ変換し、当該変換後の抽出結果をA/D変換器16へ出力する。
【0075】
A/D変換器16は、周波数変換部15から入力される抽出結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換して補間点数算出部17へ出力する。ここで、補間点数算出部17に入力されるデジタル信号は、増幅器5で発生した歪の量或いはそれに比例などする量を示す情報となる。なお、歪の量としては、例えば電力の量が用いられる。
補間点数算出部17は、A/D変換器16から入力されるデジタル信号に基づいて、補間点数を算出し、補間点数の制御を行う。
【0076】
ここで、補間点数算出部17により、増幅器5による増幅対象となる信号の帯域外に発生した歪の電力量をフィードバック信号として用いて補間点数を制御する処理を詳しく説明する。
図3には、補間点数を制御するためのテーブル(補間点数制御テーブル)の一例を示してあり、当該補間点数制御テーブルは補間点数算出部17のメモリに記憶されている。
【0077】
本例の補間点数制御テーブルには、歪量Eの範囲と補間点数とが予め対応付けられて設定されている。なお、図3に示した補間点数制御テーブル中にある“又は誤差信号”という記載については、後述する他の実施例において説明するものであり、本例では用いない。
【0078】
具体的には、本例では、Nを2以上の数値として、第1の閾値Th1>第2の閾値Th2>・・・>第(N−2)の閾値Th(N−2)>第(N−1)の閾値Th(N−1)という関係がある閾値群を設定し、また、第1の補間点数A1<第2の補間点数A2<・・・<第(N−1)の補間点数A(N−1)<第Nの補間点数A(N)という関係がある補間点数群を設定してある。
【0079】
そして、本例の補間点数制御テーブルでは、Th1<Eの場合には補間点数A1を対応付け、Th2<E≦Th1の場合には補間点数A2を対応付け、・・・、Th(N−1)<E≦Th(N−2)の場合には補間点数A(N−1)を対応付け、0≦E≦Th(N−1)の場合には補間点数A(N)を対応付けている。このような対応付けでは、歪量Eが大きいほど補間点数Aが少ない値に制御され、歪量Eが小さいほど補間点数Aが多い値に制御される。
【0080】
図4(a)、(b)には、歪補償テーブルの状況の一例を示してある。なお、横軸は増幅器5による増幅対象として入力される信号の電力を示しており、縦軸は制御量を示している。ここで、本例では、制御量として、減衰器制御量や移相器制御量が用いられる。
また、黒丸で示した点が補間点に相当し、補間点の間をつないでいる線は補間により得られる入力信号電力対制御量の関係に相当する。
【0081】
同図(a)には、補間点数が比較的少ない場合における歪補償テーブルの状況の一例を示してある。これは、例えば増幅器5からフィードバックされる信号に含まれる歪量が比較的大きく、収束の途中の段階にある状況に相当する。
一方、同図(b)には、補間点数が比較的多い場合における歪補償テーブルの状況の一例を示してある。これは、例えば増幅器5からフィードバックされる信号に含まれる歪量が比較的小さく、収束により最適或いは最適に近くなった段階にある状況に相当する。
【0082】
本例の補間点数算出部17は、上記図3に示した補間点数制御テーブルを参照して、A/D変換器16を介して通知される歪量の大小に応じて歪補償テーブル2の補間点数を適応的に制御する。上記図4(a)に示したような段階では、補間点数が少なく、高速収束化を図ることができる。一方、上記図4(b)に示した段階では、補間点数が多く、歪補償の精度を向上させることができる。
【0083】
図5を参照して、本例の制御部6により行われる補間点数の制御の処理の手順の一例を示す。なお、同図中にある“又は誤差信号”という記載については、後述する他の実施例において説明するものであり、本例では用いない。
【0084】
制御部6は、まず、歪量Eを検出する(ステップS1)。
次に、制御部6は、補間点数をA1に設定するとともに(ステップS2)、検出された歪量Eが閾値Th1より大きいか否かを判定する(ステップS3)。この結果、制御部6は、当該歪量Eが閾値Th1より大きいことを判定した場合には、当該検出結果に係る補間点数制御処理を終了する(ステップS9)。
【0085】
一方、制御部6は、当該歪量Eが閾値Th1以下であることを判定した場合には、補間点数をA2に設定するとともに(ステップS4)、当該歪量Eが閾値Th2より大きいか否かを判定する(ステップS5)。この結果、制御部6は、当該歪量Eが閾値Th2より大きいことを判定した場合には当該検出結果に係る補間点数制御処理を終了する一方(ステップS9)、当該歪量Eが閾値Th2以下であることを判定した場合には次の閾値Th3に関して同様な処理を行う。
【0086】
制御部6は、以降の閾値についても順次同様な処理を行っていき、例えば、当該歪量Eが閾値Th(N−2)以下であることを判定した場合には、補間点数をA(N−1)に設定するとともに(ステップS6)、当該歪量Eが閾値Th(N−1)より大きいか否かを判定する(ステップS7)。この結果、制御部6は、当該歪量Eが閾値Th(N−1)より大きいことを判定した場合には、当該検出結果に係る補間点数制御処理を終了する(ステップS9)。
【0087】
一方、制御部6は、当該歪量Eが閾値Th(N−1)以下であることを判定した場合には、補間点数をA(N)に設定し(ステップS8)、当該検出結果に係る補間点数制御処理を終了する(ステップS9)。
【0088】
以上のように、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、歪補償テーブル2を参照して増幅器5の歪補償を行うプリディストータP1において、歪補償を行う対象となる増幅器5からの出力信号をフィードバックし、当該フィードバック信号から検出される歪量に応じて、歪補償テーブル2の生成における補間点数を適応的に制御する。本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、フィードバックされる歪量が大きい場合には補間点数を少なくする一方、当該歪量が小さい場合には補間点数を多くするように制御を行い、これにより、歪補償テーブル2を生成するために用いている補間法における補間点数を適応的に制御する。
【0089】
具体的な構成としては、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、増幅器5による増幅対象となる信号のレベルを検出する信号レベル検出機能1や、信号レベル検出機能1による検出結果に基づいて当該信号に含まれる歪を補償する歪補償機能2、3、4や、歪補償機能2、3、4による歪補償を行う際に例えば増幅器5からの出力結果の歪量に基づいて補間点数を制御するとともに増幅器5からの出力結果やプリディストータP1への入力信号に基づいて歪補償テーブル2の更新を行う制御部6を備え、これにより、増幅器5で発生する歪を補償する。また、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、補間点数の制御を行うために、予め設定された補間点数制御テーブルを用いる。
【0090】
従って、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、上記のようにして歪補償テーブル2の補間点数を適応的に制御することにより、歪補償テーブル2の更新処理を効率化することができ、具体的には、例えば、歪補償テーブル2の収束速度を更新処理全体として高速化することや、収束の進みに応じてプリディストータP1の歪補償精度を向上させることができる。つまり、本例における歪補償テーブル2の更新処理では、初期の段階では補間点数が少なく収束速度を高速化する一方、収束が進むに従って、補間点数を多くして歪補償の精度を高めることができ、全体として、非常に効率的な歪補償処理を実現することができる。
【0091】
なお、本例では、増幅器5が歪補償の対象となる増幅器に相当する。
また、本例では、プリディストータP1の機能により歪補償装置が構成されている。
また、本例では、電力検出部1の機能により信号レベル検出手段が構成されており、歪補償テーブル2の機能や減衰器3の機能や移相器4の機能により歪補償実行手段が構成されており、制御部6の機能により歪補償制御値対応付け更新手段や歪補償制御値数制御手段が構成されている。
【0092】
また、本例では、補間点における制御量により歪補償制御値が構成されており、制御量と信号電力値との対応付けが歪補償テーブル2に格納されており、制御量により減衰器3や移相器4による歪補償の態様が決定され、補間点数が対応付けられる制御量と信号電力値との組の数に相当する。
【0093】
また、本例では、制御部6の機能により歪補償制御値補間手段が構成されている。
また、本例では、歪成分(歪量)に関する条件と補間点数との対応付けが補間点数制御テーブルに格納されている。
また、本例では、歪補償テーブル2の機能により歪補償制御値対応付け記憶手段が構成されており、減衰器3の機能や移相器4の機能により歪補償歪発生手段が構成されており、フィードバック制御部11の機能やVCO12の機能やミキサ13の機能やBPF14の機能により歪成分検出手段が構成されている。
【0094】
次に、第2実施例を説明する。
図6には、プリディストータ付き送信電力増幅器の一例を示してある。
本例のプリディストータ付き送信電力増幅器には、プリディストータP2と、直交変調器24と、アップコンバータ25と、増幅器26とが備えられている。
また、プリディストータP2には、電力検出部21と、歪補償テーブル22と、ベクトル演算器23と、制御部27とが備えられている。
【0095】
まず、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器の全体的な構成例及び動作例を説明する。
本例のプリディストータP2は、ベースバンド信号を処理するプリディストータであり、増幅器26により増幅される対象となる信号として、I信号及びQ信号から構成されるベースバンド信号を入力する。
【0096】
増幅器26による増幅対象となるベースバンド信号は、プリディストータP2に入力されて当該プリディストータP2において分配されて、電力検出部21とベクトル演算器23と制御部27に入力される。
電力検出部21は、増幅器26による増幅対象として入力される信号の電力値を測定により検出し、当該検出結果を歪補償テーブル22へ出力する。
歪補償テーブル22は、歪補償特性を有するテーブルから構成されており、具体的には、信号の電力値と歪補償量とを対応付ける情報を保持する。
【0097】
本例では、歪補償量として、ベクトル演算器23における信号演算を制御するための情報(制御量)が歪補償テーブル22により保持される。
そして、歪補償テーブル22は、電力検出部21から入力される電力値に対応した制御量をベクトル演算器23へ出力する。
【0098】
ベクトル演算器23は、例えば複素乗算器などを用いて構成されており、増幅器26による増幅対象として入力される信号を歪補償テーブル22から入力される制御量に対応して歪ませて、当該歪ませた信号をプリディストータP2からの出力として直交変調器24へ出力する。なお、ベクトル演算器23では、ベクトル演算により、信号に対して振幅歪や位相歪を与えることができる。本例のベクトル演算器23は、例えば上記図1に示した減衰器3の機能及び移相器4の機能をベースバンド信号に対して実現している。
【0099】
直交変調器24は、ベクトル演算器23から入力される信号により搬送波を直交変調する直交変調処理を行い、当該直交変調結果の信号をアップコンバータ25へ出力する。
アップコンバータ25は、直交変調器24から入力される信号の周波数を無線周波数(RF)帯へ高めるように変換して、当該周波数変換後の信号を増幅器26へ出力する。
【0100】
増幅器26は、例えば電力増幅器から構成されており、アップコンバータ25から入力される信号を増幅して、当該増幅後の信号を出力する。ここで、増幅器26では信号を増幅するに際して振幅歪や位相歪が発生し、これらの歪は、当該信号に対してベクトル演算器23で与えられた振幅歪や位相歪により補償される。これにより、増幅器26から本例のプリディストータ付き送信電力増幅器の外部へは、歪が無い或いは歪が低減された増幅信号が出力される。
【0101】
また、増幅器26から出力される信号の一部は分配されて、制御部27にフィードバック信号として入力される。
制御部27は、例えば、増幅器26から入力される増幅信号に基づいて、当該増幅信号に含まれる歪の量が低減されて歪補償の精度が向上するように、歪補償テーブル22の内容を更新する。本例の制御部27では、例えば、経年変化や環境変化に適応するようなアルゴリズムを用いて歪補償テーブル22の内容を更新する。
【0102】
また、本例では、制御部27による更新により歪補償テーブル22の内容を生成する方法として、補間法を用いる。本例の補間法では、代表的な信号電力値について対応するベクトル演算器23の制御量を算出し、他の信号電力値に対応する制御量については補間により算出する。
【0103】
次に、補間点数の制御に関する構成例及び動作例を説明する。
図7には、本例の制御部27として用いられる制御部C2の構成例を示してある。
本例の制御部7には、直交復調部31と、誤差検出部32と、補間点数算出部33とが備えられている。
直交復調部31は、増幅器26から入力される増幅信号に対して直交復調処理を行い、当該直交復調により得られるI信号及びQ信号のデジタルデータをフィードバック用として誤差検出部32へ出力する。
【0104】
誤差検出部32は、増幅器26による増幅対象として入力されるI成分及びQ成分から構成される信号と直交復調部31から入力されるI成分及びQ成分から構成される信号との差の信号を誤差(本例では、ベクトル誤差)の信号として検出し、当該検出した誤差信号を補間点数算出部33へ出力する。ここで、当該誤差信号としては、例えば、増幅器26による増幅処理により増幅後の信号が増幅前の信号からずれた成分が検出され、増幅器26で発生した歪の成分或いはそれに比例などする成分が検出される。
【0105】
補間点数算出部33は、誤差検出部32から入力される誤差信号に基づいて、補間点数を算出し、補間点数の制御を行う。
ここで、補間点数算出部33により、当該誤差信号をフィードバック信号として用いて補間点数を制御する処理は、例えば上記第1実施例で述べた補間点数制御処理と同様にして実現される。
【0106】
具体的には、本例の補間点数算出部33のメモリには、上記図3に示したのと同様な補間点数制御テーブルが記憶されている。本例では、上記図3中に示した“歪量”の代わりに“誤差信号”Eが用いられ、補間点数制御テーブルでは誤差信号Eの範囲と補間点数とが対応付けられる。そして、誤差信号Eが大きいほど補間点数Aが少ない値に制御され、誤差信号Eが小さいほど補間点数Aが多い値に制御される。
【0107】
また、本例の制御部27により行われる補間点数の制御の処理の手順の一例としては、例えば上記図5に示したものと同様なものが用いられる。本例では、上記図5中の“歪量”の代わりに、“誤差信号”と読み替える。
【0108】
以上のように、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、歪補償テーブル22を参照して増幅器26の歪補償を行うプリディストータP2において、歪補償を行う対象となる増幅器26からの出力信号をフィードバックし、当該フィードバック信号及びプリディストータP2への入力信号から検出される誤差量に応じて、歪補償テーブル22の生成における補間点数を適応的に制御する。本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、検出される誤差量が大きい場合には補間点数を少なくする一方、当該誤差量が小さい場合には補間点数を多くするように制御を行い、これにより、歪補償テーブル22を生成するために用いている補間法における補間点数を適応的に制御する。
【0109】
具体的な構成としては、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、増幅器26による増幅対象となる信号のレベルを検出する信号レベル検出機能21や、信号レベル検出機能21による検出結果に基づいて当該信号に含まれる歪を補償する歪補償機能22、23や、歪補償機能22、23による歪補償を行う際に例えば増幅器26からの出力結果に関する誤差量に基づいて補間点数を制御するとともに増幅器26からの出力結果やプリディストータP2への入力信号に基づいて歪補償テーブル22の更新を行う制御部27を備え、これにより、増幅器26で発生する歪を補償する。また、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、補間点数の制御を行うために、予め設定された補間点数制御テーブルを用いる。
【0110】
従って、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、上記のようにして歪補償テーブル22の補間点数を適応的に制御することにより、歪補償テーブル22の更新処理を効率化することができ、具体的には、例えば、歪補償テーブル22の収束速度を更新処理全体として高速化することや、収束の進みに応じてプリディストータP2の歪補償精度を向上させることができる。つまり、本例における歪補償テーブル22の更新処理では、初期の段階では補間点数が少なく収束速度を高速化する一方、収束が進むに従って、補間点数を多くして歪補償の精度を高めることができ、全体として、非常に効率的な歪補償処理を実現することができる。
【0111】
なお、本例では、増幅器26が歪補償の対象となる増幅器に相当する。
また、本例では、プリディストータP2の機能により歪補償装置が構成されている。
また、本例では、電力検出部21の機能により信号レベル検出手段が構成されており、歪補償テーブル22の機能やベクトル演算器23の機能により歪補償実行手段が構成されており、制御部27の機能により歪補償制御値対応付け更新手段や歪補償制御値数制御手段が構成されている。
【0112】
また、本例では、制御量によりベクトル演算器23による歪補償の態様が決定される。
また、本例では、制御部27の機能により歪補償制御値補間手段が構成されている。
また、本例では、誤差信号に関する条件と補間点数との対応付けが補間点数制御テーブルに格納されている。
【0113】
また、本例では、歪補償テーブル22の機能により歪補償制御値対応付け記憶手段が構成されており、ベクトル演算器23の機能により歪補償歪発生手段が構成されている。
また、本例では、直交変調器24の機能により信号変調手段が構成されており、直交復調部31の機能により信号復調手段が構成されており、誤差検出部32の機能により誤差検出手段が構成されている。
【0114】
次に、第3実施例を説明する。
図8には、プリディストータ付き送信電力増幅器の一例を示してある。
本例のプリディストータ付き送信電力増幅器には、プリディストータP3と、増幅器45とが備えられている。
また、プリディストータP3には、電力検出部41と、歪補償テーブル42と、減衰器43と、移相器44と、タイマ部46と、制御部47とが備えられている。
【0115】
まず、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器の全体的な構成例及び動作例を説明する。
増幅器45により増幅される対象となる信号は、プリディストータP3に入力されて当該プリディストータP3において分配されて、電力検出部41と減衰器43とタイマ部46と制御部47に入力される。なお、本例では、例えば無線周波数(RF)帯の信号が増幅器45による増幅対象としてプリディストータP3に入力される。
【0116】
また、電力検出部41と、歪補償テーブル42と、減衰器43と、移相器44と、増幅器45の構成や動作は、例えば上記図1に示したもの1、2、3、4、5と同様である。
タイマ部46は、時間を計時する機能を有しており、本例では、増幅器45による増幅対象となる信号が入力された時点を経過時間ゼロとして以降の経過時間を計時し、当該計時した経過時間を制御部47へ出力する。ここで、このようなタイマ部46から制御部47への経過時間の通知は、例えば常時や所定の時間間隔毎や或いは予め定められた時間経過毎に行われる。
【0117】
制御部47は、例えば、増幅器45から入力される増幅信号に基づいて、当該増幅信号に含まれる歪の量が低減されて歪補償の精度が向上するように、歪補償テーブル42の内容を更新する。本例の制御部47では、例えば、経年変化や環境変化に適応するようなアルゴリズムを用いて歪補償テーブル42の内容を更新する。
【0118】
また、本例では、制御部47による更新により歪補償テーブル42の内容を生成する方法として、補間法を用いる。本例の補間法では、代表的な信号電力値について対応する減衰器制御量及び移相器制御量を算出し、他の信号電力値に対応する減衰器制御量及び移相器制御量については補間により算出する。
【0119】
次に、本例の制御部47により、経過時間に基づいて補間点数を制御する処理を詳しく説明する。
図9には、補間点数を制御するためのテーブル(補間点数制御テーブル)の一例を示してあり、当該補間点数制御テーブルは制御部47のメモリに記憶されている。
【0120】
本例の補間点数制御テーブルには、歪補償テーブル42に関する収束開始からの時間tの範囲と、補間点数とが予め対応付けられて設定されている。ここで、本例では、当該収束開始からの時間tとしては、増幅器45による増幅対象となる信号がプリディストータP3に入力された時点から経過した時間を用いている。
本例では、一般的に収束開始からの経過時間が長いほど例えば上記第1実施例で示したようなフィードバックされる歪量や上記第2実施例で示したようなフィードバック信号に関する誤差信号が小さくなるという性質を利用する。
【0121】
具体的には、本例では、Nを2以上の数値として、第1の閾値T1<第2の閾値T2<・・・<第(N−2)の閾値T(N−2)<第(N−1)の閾値T(N−1)という関係がある閾値群を設定し、また、第1の補間点数A1<第2の補間点数A2<・・・<第(N−1)の補間点数A(N−1)<第Nの補間点数A(N)という関係がある補間点数群を設定してある。
【0122】
そして、本例の補間点数制御テーブルでは、0<t≦T1の場合には補間点数A1を対応付け、T1<t≦T2の場合には補間点数A2を対応付け、・・・、T(N−2)<t≦T(N−1)の場合には補間点数A(N−1)を対応付け、T(N−1)<tの場合には補間点数A(N)を対応付けている。このような対応付けでは、経過時間tが小さいほど補間点数Aが少ない値に制御され、経過時間tが大きいほど補間点数Aが多い値に制御される。
【0123】
図10を参照して、本例の制御部47により行われる補間点数の制御の処理の手順の一例を示す。
制御部47は、まず、タイマ部46から通知される経過時間tを検出する(ステップS11)。
次に、制御部47は、補間点数をA1に設定するとともに(ステップS12)、検出された経過時間tが閾値T1より大きいか否かを判定する(ステップS13)。この結果、制御部47は、当該経過時間tが閾値T1以下であることを判定した場合には、当該検出結果に係る補間点数制御処理を終了する(ステップS19)。
【0124】
一方、制御部47は、当該経過時間tが閾値T1より大きいことを判定した場合には、補間点数をA2に設定するとともに(ステップS14)、当該経過時間tが閾値T2より大きいか否かを判定する(ステップS15)。この結果、制御部47は、当該経過時間tが閾値T2以下であることを判定した場合には当該検出結果に係る補間点数制御処理を終了する一方(ステップS19)、当該経過時間tが閾値T2より大きいことを判定した場合には次の閾値T3に関して同様な処理を行う。
【0125】
制御部47は、以降の閾値についても順次同様な処理を行っていき、例えば、当該経過時間tが閾値T(N−2)より大きいことを判定した場合には、補間点数をA(N−1)に設定するとともに(ステップS16)、当該経過時間tが閾値T(N−1)より大きいか否かを判定する(ステップS17)。この結果、制御部47は、当該経過時間tが閾値T(N−1)以下であることを判定した場合には、当該検出結果に係る補間点数制御処理を終了する(ステップS19)。
【0126】
一方、制御部47は、当該経過時間tが閾値T(N−1)より大きいことを判定した場合には、補間点数をA(N)に設定し(ステップS18)、当該検出結果に係る補間点数制御処理を終了する(ステップS19)。
このように、本例の補間点数制御処理では、少ない補間点数から当該処理を開始し、経過時間に応じて補間点数を増加していく。
【0127】
以上のように、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、歪補償テーブル42を参照して増幅器45の歪補償を行うプリディストータP3において、歪補償テーブル42の収束開始からの経過時間に応じて、歪補償テーブル42の生成における補間点数を適応的に制御する。本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、経過時間が小さい場合には補間点数を少なくする一方、経過時間が大きい場合には補間点数を多くするように制御を行い、これにより、歪補償テーブル42を生成するために用いている補間法における補間点数を適応的に制御する。
【0128】
具体的な構成としては、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、増幅器45による増幅対象となる信号のレベルを検出する信号レベル検出機能41や、信号レベル検出機能41による検出結果に基づいて当該信号に含まれる歪を補償する歪補償機能42、43、44や、増幅器45による増幅対象となる信号が入力された時点から歪補償において経過する時間を計測する時間計測機能46や、歪補償機能42、43、44による歪補償を行う際に例えば時間計測機能46からの経過時間の計測結果に基づいて補間点数を制御するとともに増幅器45からの出力結果やプリディストータP3への入力信号に基づいて歪補償テーブル42の更新を行う制御部47を備え、これにより、増幅器45で発生する歪を補償する。また、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、補間点数の制御を行うために、予め設定された補間点数制御テーブルを用いる。
【0129】
従って、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、上記のようにして歪補償テーブル42の補間点数を適応的に制御することにより、歪補償テーブル42の更新処理を効率化することができ、具体的には、例えば、歪補償テーブル42の収束速度を更新処理全体として高速化することや、収束の進みに応じてプリディストータP3の歪補償精度を向上させることができる。つまり、本例における歪補償テーブル42の更新処理では、初期の段階では補間点数が少なく収束速度を高速化する一方、収束が進むに従って、補間点数を多くして歪補償の精度を高めることができ、全体として、非常に効率的な歪補償処理を実現することができる。
【0130】
なお、本例では、プリディストータP3の機能により歪補償装置が構成されている。
また、本例では、タイマ部46の機能により経過時間計時手段が構成されている。
また、本例では、経過時間に関する条件と補間点数との対応付けが補間点数制御テーブルに格納されている。
【0131】
次に、第4実施例を説明する。
図11には、プリディストータ付き送信電力増幅器の一例を示してある。
本例のプリディストータ付き送信電力増幅器には、プリディストータP4と、直交変調器54と、アップコンバータ55と、増幅器56とが備えられている。また、プリディストータP4には、電力検出部51と、歪補償テーブル52と、ベクトル演算器53と、タイマ部57と、制御部58とが備えられている。
【0132】
まず、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器の全体的な構成例及び動作例を説明する。
増幅器56により増幅される対象となる信号は、プリディストータP4に入力されて当該プリディストータP4において分配されて、電力検出部51とベクトル演算器53とタイマ部57と制御部58に入力される。なお、本例では、例えばベースバンド帯の信号が増幅器56による増幅対象としてプリディストータP4に入力される。
【0133】
また、電力検出部51と、歪補償テーブル52と、ベクトル演算器53と、直交変調器54と、アップコンバータ55と、増幅器56の構成や動作は、例えば上記図6に示したもの21、22、23、24、25、26と同様である。
タイマ部57は、時間を計時する機能を有しており、本例では、増幅器56による増幅対象となる信号が入力された時点を経過時間ゼロとして以降の経過時間を計時し、当該計時した経過時間を制御部58へ出力する。ここで、このようなタイマ部57から制御部58への経過時間の通知は、例えば常時や所定の時間間隔毎や或いは予め定められた時間経過毎に行われる。
【0134】
制御部58は、例えば、増幅器56から入力される増幅信号に基づいて、当該増幅信号に含まれる歪の量が低減されて歪補償の精度が向上するように、歪補償テーブル52の内容を更新する。本例の制御部58では、例えば、経年変化や環境変化に適応するようなアルゴリズムを用いて歪補償テーブル52の内容を更新する。
【0135】
また、本例では、制御部58による更新により歪補償テーブル52の内容を生成する方法として、補間法を用いる。本例の補間法では、代表的な信号電力値について対応するベクトル演算器53の制御量を算出し、他の信号電力値に対応する制御量については補間により算出する。
【0136】
また、制御部58は、タイマ部57から通知される経過時間に基づいて、補間点数を算出し、補間点数の制御を行う。
ここで、制御部58により、当該時間経過を用いて補間点数を制御する処理は、例えば上記第3実施例で述べた補間点数制御処理と同様にして実現される。
【0137】
具体的には、本例の制御部58のメモリには、上記図9に示したのと同様な補間点数制御テーブルが記憶されている。
また、本例の制御部58により行われる補間点数の制御の処理の手順の一例としては、例えば上記図10に示したものと同様なものが用いられる。
【0138】
以上のように、本例のプリディストータ付き送信電力増幅器では、例えば上記第3実施例で述べたのと同様に、歪補償テーブル52を参照して増幅器56の歪補償を行うプリディストータP4において、上記のようにして歪補償テーブル52の補間点数を適応的に制御することにより、歪補償テーブル52の更新処理を効率化することができる。
【0139】
なお、本例では、プリディストータP4の機能により歪補償装置が構成されている。
また、本例では、タイマ部57の機能により経過時間計時手段が構成されている。
また、本例では、経過時間に関する条件と補間点数との対応付けが補間点数制御テーブルに格納されている。
【0140】
以上の第1実施例〜第4実施例に示したように、本実施例に係るプリディストータ付き送信電力増幅器では、信号を増幅する増幅器で発生する歪に対して歪補償を行うに際して、当該歪補償を行うために用いられる制御値の数(本実施例では、補間点の数)を制御することにより、歪補償の効率化を図ることができる。
【0141】
ここで、本発明に係る歪補償装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法や、このような方法を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0142】
また、本発明に係る歪補償装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る歪補償装置によると、増幅器により増幅される信号のレベルを検出し、歪補償態様を決定する歪補償制御値と信号レベルとの対応付けに基づいて当該検出される信号レベルに対応した歪補償態様により増幅器により増幅される信号に対する歪補償を実行し、増幅器により増幅された信号に基づいて歪補償の実行に用いられる歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新することで、信号を増幅する増幅器で発生する歪を補償するに際して、更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御するようにしたため、歪補償の効率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るプリディストータ付き送信電力増幅器の構成例を示す図である。
【図2】制御部の構成例を示す図である。
【図3】補間点数制御テーブルの一例を示す図である。
【図4】歪補償テーブルの状況の一例を示す図である。
【図5】制御部により行われる補間点数制御の処理の手順の一例を示す図である。
【図6】第2実施例に係るプリディストータ付き送信電力増幅器の構成例を示す図である。
【図7】制御部の構成例を示す図である。
【図8】第3実施例に係るプリディストータ付き送信電力増幅器の構成例を示す図である。
【図9】補間点数制御テーブルの一例を示す図である。
【図10】制御部により行われる補間点数制御の処理の手順の一例を示す図である。
【図11】第4実施例に係るプリディストータ付き送信電力増幅器の構成例を示す図である。
【符号の説明】
P1、P2、P3、P4・・プリディストータ、
1、21、41、51・・電力検出部、
2、22、42、52・・歪補償テーブル、 3、43・・減衰器、
4、44・・移相器、 5、26、45、56・・増幅器、
6、27、47、58、C1、C2・・制御部、
11・・フィードバック制御部、 12・・電圧制御発振器、
13・・ミキサ、 14・・帯域通過フィルタ、 15・・周波数変換部、
16・・A/D変換器、 17、33・・補間点数算出部、
23、53・・ベクトル演算器、 24、54・・直交変調器、
25、55・・アップコンバータ、 31・・直交復調部、
32・・誤差検出部、 46、57・・タイマ部、

Claims (5)

  1. 信号を増幅する増幅器で発生する歪を補償する歪補償装置において、
    増幅器により増幅される信号のレベルを検出する信号レベル検出手段と、
    歪補償態様を決定する歪補償制御値と信号レベルとの対応付けに基づいて信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した歪補償態様により増幅器により増幅される信号に対する歪補償を実行する歪補償実行手段と、
    増幅器により増幅された信号に基づいて歪補償実行手段による歪補償の実行に用いられる歪補償制御値と信号レベルとの対応付けを更新する歪補償制御値対応付け更新手段と、
    歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を制御する歪補償制御値数制御手段と、
    を備えたことを特徴とする歪補償装置。
  2. 請求項1に記載の歪補償装置において、
    歪補償実行手段は、歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる複数の歪補償制御値と信号レベルとの組に基づいて補間を行うことにより信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した歪補償態様を決定する歪補償制御値補間手段を有する、
    ことを特徴とする歪補償装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の歪補償装置において、
    歪補償制御値数制御手段は、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分が小さくなるに応じて歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させ、増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪の成分が大きくなるに応じて歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を減少させる、
    ことを特徴とする歪補償装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の歪補償装置において、
    歪補償制御値数制御手段は、増幅器により増幅される対象となる信号の処理に関して経過時間を計時する経過時間計時手段を有し、経過時間計時手段により計時される経過時間が大きくなるに応じて歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を増加させる、
    ことを特徴とする歪補償装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の歪補償装置において、
    歪補償制御値数制御手段は、所定の条件と歪補償制御値数との対応付けに基づいて、歪補償制御値対応付け更新手段により更新される歪補償制御値と信号レベルとの対応付けにおいて対応付けられる歪補償制御値と信号レベルとの組の数を条件に対応した歪補償制御値数へ制御する、
    ことを特徴とする歪補償装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008295089A (ja) * 2004-09-21 2008-12-04 Hitachi Kokusai Electric Inc 歪補償増幅装置
JP2010124190A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Japan Radio Co Ltd プリディストータ

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