JP2004070028A - 画像読み取り装置、複写装置およびコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源8を原稿に沿って移動させることによって読み取り位置に位置付けられた原稿の画像を露光走査する露光光学系Sと、原稿を読み取り位置に位置付ける押え位置と読み取り位置を開放する開放位置とに選択的に位置付けられる原稿押え部材3とを有する画像読み取り装置1で、露光走査の開始に際して、原稿押え部材3が開放位置に設定されている場合には、露光走査開始が宣言されたときに原稿押え部材3が押え位置に設定されている場合よりも露光走査の開始タイミングを遅らせるようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読み取り装置、複写装置および画像読み取り方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原稿台上に載置された原稿を読み取る画像読み取り装置では、原稿台からの原稿の浮き上がりを防止するために、原稿を原稿台に押し当てる圧板を備えているものがある。また、圧板に代えて、複数枚の原稿を自動的に順次供給する原稿給送装置を備える画像読み取り装置もある。このような画像読み取り装置には、原稿を原稿台に押し当てて原稿を読み取り位置に位置付けるような押え位置と、原稿台上への原稿のセットを許容する開放位置とに選択的に位置付けることができる圧板や原稿給送装置を備えるものがある。以降、このような圧板や原稿給送装置を、まとめて、原稿押え部材という。
【0003】
ところで、本等の綴じられた原稿を読み取る場合には、原稿給送装置を備える画像読み取り装置であっても原稿給送装置を使用することができない。このため、本等の綴じられた原稿を読み取る場合、ユーザは、一般的に、圧板または原稿給送装置のいずれを備える画像読み取り装置であっても以下に示す▲1▼または▲2▼のいずれかの手順を実行する。
【0004】
▲1▼原稿押え部材を開放位置に位置付けて、原稿台に原稿を載置した後に原稿押え部材を押え位置に位置付けて、スタートボタン等を操作して読み取りを開始させる。
【0005】
▲2▼原稿押え部材を開放位置に位置付けて原稿台に原稿を載置し、原稿押え部材を開放位置に位置付けたままの状態で該原稿を片手で押えながらスタートボタン等を操作して読み取りを開始させる。この場合、綴じ目等の原稿台から浮き上がった部分が読み取られる前に原稿を押える必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本等の綴じられた原稿を読み取る場合、上述した▲1▼,▲2▼のいずれの手順で読み取る場合にも、それぞれ以下に説明するような不具合がある。
【0007】
まず、▲1▼の手順で本等の綴じられた原稿を読み取る場合、読み取るページ数が複数あると、原稿押え部材を開放位置または押え位置に位置付ける動作を、ページ毎に行わなければならず、読み取るページ数が多量にある場合に時間を要する。
【0008】
上述した▲1▼に対する対策として、特開平11―344907号公報には、開閉自在に設けられた圧板と、圧板の開閉を検出する圧板開閉検出手段と、原稿台上の原稿の有無を検出する原稿検出手段とを具備する複写装置で、特定のモードが設定されている場合には、コピーボタンを操作しなくても圧板が閉じた時にコピーを開始するようにした技術が開示されている。
【0009】
しかし、該同公報に開示された技術では、コピーボタンを操作しなくても圧板の開閉動作によってコピーをスタートすることができるが、圧板を開閉する操作が必要であるために、複数ページに亘って読み取る場合には、ユーザの負担が増加し、腕が疲れる等の不具合が生じることがあり、使い勝手が良いものでは無い。また、圧板の開閉動作自体時間のかかる作業であるため、該同公報に開示された技術では、本等の綴じられた原稿を複数ページに亘って読み取る場合に、効果的な時間短縮を図ることはできないのが現状である。
【0010】
また、▲2▼の手順で本等の綴じられた原稿を読み取る場合、原稿押え部材を開閉させる作業は必要ないが、綴じ目等の原稿の浮いた部分が読み取られる前に原稿を押えなくてはならないため、スタートボタンを押下してから急いで原稿全体を押えなくてはならない。このとき、スタートボタンを押下してから原稿全体を押えるのが間に合わず、原稿が浮いた状態で読み取られてしまうことがある。そして、このような画像読み取り装置を搭載する複写装置では、原稿が浮いた状態で読み取った画像がコピーされるため、コピーした用紙が無駄になってしまうことがある。
【0011】
本発明の目的は、例えば、本の綴じ目等のように読み取り位置から浮き上がりがちな原稿を読み取り対象とする場合に、原稿台からの原稿の浮き上がりによる読み取り不良を防止するとともに、ユーザの負担を軽減して使い勝手の向上を図ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像読み取り装置は、読み取り位置に位置付けられた原稿の画像を光源とこの光源を原稿に沿って移動させる移動手段とによって露光走査する露光走査光学系と、前記露光走査光学系の露光走査により原稿を露光した光を受光素子に受光させる受光光学系と、前記原稿を読み取り位置に位置付ける押え位置と読み取り位置を開放する開放位置とに選択的に位置付けられる原稿押え部材と、前記原稿押え部材が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかを設定する位置設定手段と、前記露光走査光学系による露光走査開始を宣言する開始宣言手段と、前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言したときに前記位置設定手段により設定された前記原稿押え部材の位置が開放位置である場合には、前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言したときに前記位置設定手段により設定された前記原稿押え部材の位置が押え位置である場合よりも露光走査開始タイミングを遅らせるタイミング調整手段と、を具備する。
【0013】
したがって、露光走査開始を宣言したときの原稿押え部材の位置が開放位置である場合には、露光走査開始を宣言したときの原稿押え部材の位置が押え位置である場合よりも露光走査開始タイミングを遅らせることにより、露光走査開始を宣言してから原稿が実際に露光走査されるまでの時間を確保することができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像読み取り装置において、前記原稿押え部材が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかを判断する位置判断手段を具備し、前記位置設定手段は、前記位置判断手段の判断結果に応じて前記押え部材の位置を設定する。
【0015】
したがって、原稿押え部材の位置を、位置判断手段の判断結果に応じて自動的に設定することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像読み取り装置において、前記タイミング調整手段は、前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言したときに前記位置設定手段により設定された前記原稿押え部材の位置が押え位置である場合に前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言してから前記光源が点灯するまでの点灯時間が経過してから前記露光走査光学系による露光走査を開始させる。
【0017】
したがって、露光走査開始を宣言してから光源が点灯するまでの点灯時間が経過した後に露光走査を開始することにより、原稿全体を均一に露光走査することができる。そして、露光走査開始を宣言したときの原稿押え部材の位置が開放位置である場合には、露光走査開始を宣言してから点灯時間よりも長い時間の経過後に露光走査が開始されるので、請求項1または2記載の発明の作用に加えて、原稿全体を均一に露光走査することができる。
【0018】
請求項4記載の発明の複写装置は、請求項1、2または3記載の画像読み取り装置と、前記画像読み取り装置の受光素子が受光した光量に基づいて取得される画像データに基づく画像を記録媒体に形成する画像形成装置と、を具備する。
【0019】
したがって、請求項1、2または3記載の発明の作用を有する複写装置を得ることができる。
【0020】
請求項5記載の発明のコンピュータプログラムは、光源とこの光源を原稿に沿って移動させる移動手段とによって読み取り位置に位置付けられた原稿の画像を露光走査する露光走査光学系と、前記露光走査光学系の露光走査により原稿を経由した光を受光素子で受光する受光光学系と、前記露光走査光学系による露光走査開始を宣言する開始宣言手段と、前記原稿を読み取り位置に位置付ける押え位置と読み取り位置を開放する開放位置とに選択的に位置付けられる原稿押え部材と、を具備する画像読み取り装置が備えるコンピュータにインストールされるコンピュータプログラムであって、前記原稿押え部材が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかを設定する位置設定機能と、前記開始宣言手段により露光走査開始が宣言されたときに前記原稿押え部材が開放位置に設定されている場合には、前記開始宣言手段により露光走査開始が宣言されたときに前記原稿押え部材が押え位置に設定されている場合よりも露光走査開始タイミングを遅らせるタイミング調整機能と、を前記コンピュータに実行させる。
【0021】
したがって、露光走査開始が宣言されたときの原稿押え部材の位置が開放位置である場合には、露光走査開始が宣言されたときの原稿押え部材の位置が押え位置である場合よりも露光走査開始タイミングが遅らせられるので、露光走査開始が宣言されてから原稿が実際に露光走査されるまでの時間を確保することができる。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のコンピュータプログラムにおいて、前記原稿押え部材が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかを判断する位置判断機能を前記コンピュータに実行させ、前記位置判断機能による判断結果に応じて前記押え部材の位置を設定する機能を前記位置設定機能として前記コンピュータに実行させる。
【0023】
したがって、原稿押え部材の位置を自動的に設定することができる。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載のコンピュータプログラムにおいて、前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言したときに前記位置設定手段により設定された前記原稿押え部材の位置が押え位置である場合、前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言してから前記光源が点灯するまでの点灯時間が経過してから前記露光走査光学系による露光走査を開始する機能を前記タイミング調整機能として前記コンピュータに実行させる。
【0025】
したがって、露光走査開始が宣言されてから光源が点灯するまでの点灯時間が経過した後に露光走査が開始されるので、原稿全体を均一に露光走査することができる。そして、露光走査開始を宣言したときの原稿押え部材の位置が開放位置である場合には、露光走査開始を宣言してから点灯時間よりも長い時間の経過後に露光走査が開始されるので、請求項5または6記載の発明の作用に加えて、原稿全体を均一に露光走査することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態について図1ないし図7を参照して説明する。本実施の形態は、画像読み取り装置としてデジタルスキャナへの適用例を示す。
【0027】
図1は、本実施の形態のデジタルスキャナを示す縦断正面図である。本実施の形態のデジタルスキャナ1は、スキャナ装置2と、スキャナ装置2の上側に設けられた原稿給送装置3とを備えている。
【0028】
まず、スキャナ装置2について説明する。スキャナ装置2は、上面に原稿がセットされる原稿台4を有するスキャナケース5を備えている。原稿台4に載置された原稿のサイズは、原稿検知センサ6(図3参照)によって検知される。原稿検知センサ6は、後述する開閉検知スイッチ7(図3参照)から出力される開閉状態信号/aksに応じて原稿サイズの検知を行う。
【0029】
スキャナケース5の内部には、光を発光する光源としての露光ランプ8およびミラー9を搭載する第一走行体10と、二枚のミラー11,12を搭載する第二走行体13とが設けられている。露光ランプ8およびミラー9,11,12は、長手方向を主走査方向に平行に配設されている。第一、第二走行体10,13は、原稿台4に沿って副走査方向(図1中紙面左右方向)に往復動自在に設けられており、移動手段としての図示しないステッピングモータによって2:1の速度比で走行される。
【0030】
後述する画像読み取り処理に際しては、露光ランプ8を発光させるとともに第一、第二走行体10,13を原稿台4に沿って往復動させる。これにより、露光ランプ8の主走査方向の幅と露光ランプ8が移動した距離とによって決定される範囲で、原稿が露光走査される。本実施の形態では、露光ランプ8の移動によって原稿台4上に形成される二次元の露光走査範囲を読み取り位置とする。
【0031】
原稿を露光走査した光は、ミラー9,11,12によって導かれ、結像レンズ14を介して、画像読み取り基板15に搭載された受光素子としてのイメージセンサ15aに結像される。本実施の形態では、露光ランプ8、第一走行体10および図示しないステッピングモータによって露光走査光学系Sが構成されており、ミラー9,11,12、結像レンズ14およびイメージセンサ15aによって受光光学系Cが構成されている。
【0032】
本実施の形態のイメージセンサ15aは、画像読み取り基板15の表面に一列に並べて実装された多数の読み取りセルによって構成される一次元読み取り素子である。画像読み取り基板15は、原稿を介してイメージセンサ15aに結像された露光光のアナログ画像データを光電変換してデジタル画像データを生成する。
【0033】
画像読み取り基板15で生成したデジタル画像データは、画像処理基板16によって各種画像処理が施される。画像処理基板16が行う画像処理としては、例えば、シェーディング補正処理、MTF補正処理、γ補正処理等の公知の各種画像処理が挙げられる。なお、シェーディング補正処理、MTF補正処理、γ補正処理については、公知の技術であるため説明を省略する。
【0034】
次に、原稿給送装置3について説明する。原稿給送装置3には、シート状の原稿がセットされる原稿テーブル17が設けられており、原稿が複数枚ある場合には、原稿が原稿テーブル17上に積み重ねた状態でセットされる。図1中、原稿テーブル17の左端位置に設けられた給紙口18には、給紙口18から原稿台4上の読み取り位置を経由して排出口19に至る原稿搬送経路20が連通されている。原稿搬送経路20と給紙口18との連通位置には、原稿テーブル17にセットされた原稿を原稿搬送経路20中へ送り出す呼び出しコロ21が、原稿搬送経路20の下側から原稿搬送経路20に臨むようにして配置されている。また、原稿搬送経路20と給紙口18との連通位置には、原稿搬送経路20を間にして呼び出しコロ21に対向するピンチコロ22が設けられている。原稿は、給紙口18側となる端部を先端として、この先端を呼び出しコロ21とピンチコロ22との間に差し込むようにして、原稿テーブル17上にセットされる。
【0035】
原稿搬送経路20中で、呼び出しコロ21およびピンチコロ22の近傍には、呼び出しコロ21およびピンチコロ22よりも排出口19側(原稿搬送方向下流側)に位置するようにして、原稿テーブル17に原稿がセットされているか否かに応じて出力(原稿有無信号/adf_doc)が変化する原稿有無センサ23(図3参照)が配置されており、原稿有無センサ23よりも原稿搬送方向下流側には、分離ベルトや分離ローラ等によって構成されて、呼び出しコロ21によって原稿搬送経路20中へ送り出された原稿を一枚ずつに分離する分離機構24が設けられている。
【0036】
また、原稿搬送経路20中には、複数の搬送ローラ25に巻回されて、搬送ローラ25によって回転されることで原稿を搬送する搬送ベルト26が設けられている。搬送ベルト26は、原稿台4を全体に亘って覆うようにして設けられており、原稿を搬送するとともに原稿台4上の原稿を原稿台4に押し当てて原稿が原稿台4から浮き上がることを防止する機能を果たしている。呼び出しコロ21、分離機構24の分離ローラおよび複数の搬送ローラ25は、図示しないモータによって回転駆動される。
【0037】
加えて、原稿搬送経路20には、搬送ベルト26によって原稿搬送経路20中を搬送される原稿の先端を検出するとともに該原稿の幅方向(原稿搬送方向に直交する方向、すなわち、図1中紙面表裏方向)の寸法を検知するためサイズセンサ27(図3参照)や、原稿台4上に搬送された原稿を読み取り位置で停止させるための図示しないストップ爪等が設けられている。ストップ爪は、露光走査が終了すると、原稿搬送経路20を開放するように変位し、これにより原稿の排出が可能となる。排出口19から排出された原稿は、排出台28に積層される。
【0038】
原稿給送装置3は、後述する画像読み取り処理に際して、呼び出しコロ21によって原稿搬送経路20中に送り込み、分離機構24によって一枚ずつに分離した一枚の原稿のみを、搬送ベルト26によって搬送して原稿台4上に送り出す。そして、該原稿が読み取り位置に到達した時点で搬送ローラ25の回転を停止させる。これにより、原稿が読み取り位置に位置付けられる。なお、原稿の搬送方向の寸法は、例えば、サイズセンサ27による検出タイミング等から取得することができ、この検出タイミングに基づいてモータを駆動することにより原稿を読み取り位置に正確に位置付けることができる。
【0039】
原稿給送装置3は、原稿が読み取り位置に位置付けられている状態で、スキャナ装置2による上述した原稿の露光走査が終了すると、搬送ローラ25の駆動を再開し、原稿台4上の原稿を読み取り位置から排出台28へ搬送する。搬送ベルト26は原稿台4を全体に亘って覆うように設けられているため、呼び出しコロ21および分離ローラの駆動タイミングを調整することで、原稿台4上の原稿を読み取り位置から排出台28へ搬送すると同時に、次の原稿を給紙することができる。
【0040】
ところで、原稿給送装置3は、図1中紙面裏側となる連結位置J(図2参照)でスキャナ装置2に連結されており、この連結位置Jを支点としてスキャナ装置2から離反する方向へ回動自在に設けられている。以降、図1に示すように、原稿給送装置3によって原稿台4が覆われるような原稿給送装置3の位置を押え位置とし、連結位置Jを支点としてスキャナ装置2から離反する方向へ回動することにより原稿台4を開放するような原稿給送装置3の位置を開放位置とする。原稿給送装置3は、押え位置または開放位置に選択的に位置付けられる。
【0041】
本実施の形態の原稿給送装置3は、連結位置における連結を解除することにより、スキャナ装置2から取り外し可能な状態でスキャナ装置2に装着されている。
【0042】
原稿給送装置3が取り外されたスキャナ装置2には、図2に示すように、原稿給送装置3に代えて、圧板30を装着することが可能である。圧板30は、原稿給送装置3と同様に、連結位置Jにおいてスキャナ装置2に連結され、連結位置Jを支点として回動自在に装着される。本実施の形態では、原稿給送装置3と同様に、圧板30によって原稿台4が覆われるような圧板30の位置を押え位置とし、連結位置Jを支点としてスキャナ装置2から離反する方向へ回動することにより原稿台4を開放するような圧板30の位置を開放位置とする。
【0043】
原稿給送装置3または圧板30が押え位置に位置付けられている場合、原稿台4上の原稿は原稿給送装置3または圧板30によって原稿台4に押え付けられるように位置付けられる。また、原稿給送装置3または圧板30が開放位置に位置付けられている場合、原稿台4の上方が開放され、原稿台4に対する原稿のセットまたは回収が可能となる。このようなことから、本実施の形態では、原稿給送装置3および圧板30によって原稿押え部材が実現されている。
【0044】
デジタルスキャナ1には、原稿給送装置3または圧板30が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかに応じて、出力する開閉状態信号/aksが変化する開閉検知スイッチ7(図3参照)が設けられている。開閉検知スイッチ7は、原稿給送装置3または圧板30とスキャナ装置2との連結位置Jの近傍に配設されて、図2に示すように、スキャナケース5の上面に対して出没自在な検出片31を有している。検出片31は、図示しない付勢部材によって、スキャナケース5の上面から突出する方向に付勢されており、原稿給送装置3または圧板30が開放位置に位置付けられている場合にはスキャナケース5の上面から突出する位置に位置付けられ、原稿給送装置3または圧板30が押え位置に位置付けられている場合には原稿給送装置3または圧板30によって上端面が押え付けられて、スキャナケース5内に埋没するように位置付けられる。
【0045】
加えて、デジタルスキャナ1は、ユーザによる操作を受け付け、ユーザとのインターフェイスとして機能する表示操作パネル32と、操作されることにより後述する画像読み取り処理の開始を宣言する開始宣言手段として機能するスタートキー33を備えている。本実施の形態の表示操作パネル32は、液晶パネルと、この液晶パネルの表示面側に積層されるタッチパネルとによって構成されている。なお、液晶パネルおよびタッチパネルについては、公知の技術であるため説明を省略する。表示操作パネル32のタッチパネルには、地肌除去機能OFF/ON等の読み取りモードの設定を行うためのモード設定キー等の各種操作キーが割り当てられており、液晶パネルはタッチパネルに割り当てられた各種操作キーの位置を案内する情報や、操作ガイダンス等を表示する。
【0046】
次に、デジタルスキャナ1が備える各部の電気的接続について図3を参照して説明する。図3は、デジタルスキャナ1が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。デジタルスキャナ1は、デジタルスキャナ1が備える各部を駆動制御するメイン制御部40を備えている。特に図示しないが、メイン制御部40は、各種制御プログラムを実行してデジタルスキャナ1が備える各部を駆動するCPUと、CPUが実行する制御プログラムや該制御プログラムの実行に際して必要なデータ等を記憶する記憶装置とを備えるマイクロコンピュータを主体として構成されている。
【0047】
メイン制御部40の記憶装置には、後述する画像読み取り処理に際して参照される時間t1,t2を記憶する図示しない時間記憶エリアや、ユーザによる表示操作パネル32の操作により設定された読み取りモードや変倍率等の各種の設定を記憶する図示しない設定記憶エリア等が確保されている。本実施の形態では、ランプ点灯信号/lamp_enをアサートしてから露光ランプ8が実際に点灯するまでのタイムラグを考慮した点灯時間以上の時間を時間t1とする。時間t2は、時間t1よりも長く設定されている。
【0048】
また、メイン制御部40の記憶装置には、後述する画像読み取り処理に際して参照される、読み取り動作に支障を来たすエラーの発生の有無を記憶するエラーメモリや、濃淡等の読み取り条件の設定を記憶する読み取り条件設定ファイルや、時間tをカウントするカウンタバッファ等が設けられている。
【0049】
さらに、メイン制御部40の記憶装置には、スタートキー33が操作された時点で原稿給送装置3または圧板30が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかが設定される位置設定手段としての図示しない開閉設定エリアが確保されている。開閉設定エリアの設定は、後述する原稿読み取り処理の実行に際して、スタートキー33が操作された時点における開閉検知スイッチ7から出力される開閉状態信号/aksに応じて設定される。ここに、位置設定機能が実現される。
【0050】
メイン制御部40には、原稿給送装置3が有する原稿有無センサ23が出力する原稿有無信号/adf_doc、開閉検知スイッチ7が出力する開閉状態信号/aks、あるいは、スタートキー33の操作によりスタートキー33から出力される読み取り開始要求信号/sc_stt等が入力される。原稿有無センサ23が出力する原稿有無信号/adf_docは、原稿テーブル17に原稿がセットされている場合には「L」レベル、セットされていない場合は「H」レベルとなる。開閉検知スイッチ7が出力する開閉状態信号/aksは、原稿給送装置3または圧板30が押え位置に位置付けられている場合には「L」レベル、開放位置に位置付けられている場合には「H」レベルとなる。スタートキー33から出力される読み取り開始要求信号/sc_sttは、スタートキー33が操作されたときに「L」レベルとなる。
【0051】
また、メイン制御部40には、原稿給送装置3が有するサイズセンサ27からの出力や、原稿検知センサ6からの出力等が入力される。
【0052】
さらに、メイン制御部40には、図示しないモータドライバとステッピングモータとによって構成され、第一、第二走行体10,13を走行させるモータ等を駆動させるモータ駆動部42が接続されている。メイン制御部40は、モータドライバに対して、ステッピングモータの駆動に必要な制御クロックや、正転/逆転コマンド等のデータを出力する。モータドライバは、メイン制御部40から出力されたデータに応じてステッピングモータを駆動させ、これにより、第一、第二走行体10,13が原稿に沿って走行する。
【0053】
加えて、メイン制御部40には、上述した露光ランプ8が接続されている。メイン制御部40は、露光ランプ8に対して、露光ランプ8の点灯/消灯を制御するランプ点灯信号/lamp_enを出力する。ランプ点灯信号/lamp_enは、露光走査に際して露光ランプ8を点灯させる場合にアサートされ、露光走査が終了するとネゲートされる。
【0054】
メイン制御部40は、原稿給送装置3との間でデータ通信を行う図示しないインターフェイスを備えている。インターフェイスによるデータ通信はスキャナ装置2に対して原稿給送装置3が装着されている場合に可能となり、メイン制御部40はインターフェイスを介して原稿給送装置3との間でのデータ通信を行うことにより、原稿給送装置3がスキャナ装置2に装着されているか否かを判断する。なお、図3は、原稿球新装置3が、スキャナ装置2に装着されている状態を示している。
【0055】
次に、制御プログラムにしたがってメイン制御部40が実行する読み取り処理について図4ないし図6を参照して説明する。図4および図5は、制御プログラムにしたがってメイン制御部40が実行する読み取り処理を概略的に説明するフローチャートである。
【0056】
図4に示すように、読み取り処理では、読み取り開始要求信号sc_sttに基づいてスタートキー33が操作されたと判断するまで待機しており(S1のN)、スタートキー33が操作されたと判断した場合には(S1のY)、「L」レベルの読み取り開始要求信号/sc_sttをメイン制御部40に送信して要求があったことを通知するとともに、エラーメモリを参照して、機械内部で読み取り動作に支障を来たすエラーの発生の有無を判断する(S2)。
【0057】
エラーメモリを参照して、機械内部で読み取り動作に支障を来たすエラーが発生していると判断した場合には(S2のN)、スタートキー33の操作を無効とし、以降の処理を実行せずにステップS1に戻る。
【0058】
エラーメモリを参照して、機械内部で読み取り動作に支障を来たすエラーは発生していないと判断した場合には(S2のN)、図示しない設定記憶エリアを参照してユーザによる表示操作パネル32の操作によって設定された読み取りモードにしたがって、画像読み取り基板15に対して読み取り条件の設定を行い、ランプ点灯信号/lamp_enをアサートするとともに、カウンタバッファにおいて時間tのカウントを開始する(S3)。ランプ点灯信号/lamp_enをアサートすることにより、露光ランプ8が点灯する。
【0059】
続いて、原稿給送装置3の接続確認を行い、原稿給送装置3が装着されているか否かを判断し(S4)、原稿給送装置3が装着されていると判断した場合には(S4のY)、開閉検知スイッチ7からの開閉状態信号/aksに基づいて、装着されている原稿給送装置3が押え位置にあるか否かを判断する(S5)。
【0060】
開閉検知スイッチ7からの開閉状態信号/aksに基づいて、原稿給送装置3が押え位置にあると判断した場合には(S5のY)、原稿給送装置3の原稿有無センサ23からの出力信号/adf_docに基づいて、原稿テーブル17の原稿セット位置に原稿がセットされているか否かを判断する(S6)。
【0061】
原稿給送装置3の原稿有無センサ23からの出力信号/adf_docに基づいて、原稿セット位置に原稿がセットされていると判断した場合には(S6のY)、原稿給送装置3に対して原稿給紙スタートのコマンドを送信する(S7)。原稿給送装置3は、メイン制御部40からの原稿給紙スタートのコマンドを受信すると、搬送ローラ25等を駆動して、原稿の給紙を開始する。
【0062】
そして、図5に進み、図示しないカウンタバッファでカウントされる時間tを参照して、ランプ点灯信号/lamp_enをアサートしてから時間t1が経過したか否かを判断し(S8)、ランプ点灯信号/lamp_enをアサートしてから時間t1が経過したと判断した場合には(S8のY)、原稿給送装置3により搬送される原稿が、読み取り位置に到達したと判断するまで待機する(S9のN)。
【0063】
原稿給送装置3により搬送される原稿が読み取り位置まで搬送されたと判断した場合には(S9のY)、図示しない設定記憶エリアを参照して、表示操作パネル32の操作により設定された変倍率に基づいて、モータ駆動部42に対して、駆動クロック、回転方向等の制御信号を送信する(S10)。これにより、第一、第二走行体10,13に搭載された露光ランプ8、ミラー9,11,12が、表示操作パネル32で設定された変倍率に応じた速度で副走査方向に駆動され、読み取り位置にある原稿の画像が露光走査され、光電変換データが生成される。画像読み取り基板15は、読み取り条件設定ファイルを参照して、生成された光電変換データを設定された条件でデジタル変換し、この画像データを画像処理基板16に対して出力する。
【0064】
続いて、原稿給送装置3の原稿有無センサからの出力信号/adf_docに基づいて、原稿セット位置に原稿がセットされているか否かを判断し(S11)、原稿セット位置に原稿がセットされていると判断した場合には(S11のY)、次の原稿の給紙が可能であると判断するまで待機し(S12のN)、可能であると判断した場合に(S12のY)、原稿給送装置3に対して給紙スタートのコマンドを送信する(S13)。ここで、先行する原稿を給紙してから後行する原稿の給紙が可能となるタイミングは、例えば、原稿給送装置3による原稿の搬送速度や、露光走査光学系Sによる露光走査能力や画像処理基板16における処理能力等によって設定される。
【0065】
ステップS9からステップS14までの処理は、ステップS11で、原稿セット位置に原稿がセットされていないと判断するまで繰り返す。
【0066】
原稿セット位置に原稿がセットされていないと判断した場合には(S11のN)、原稿給送装置3の給紙口18に、次に読み取るべき原稿がセットされていないので、ランプ点灯信号/lamp_enをネゲートする(S14)。ランプ点灯信号/lamp_enをネゲートすることにより、露光ランプ8を消灯させ、読み取り動作を終了する。
【0067】
ところで、原稿給送装置3の原稿有無センサ23からの出力信号/adf_docに基づいて、原稿セット位置に原稿がセットされていないと判断した場合には(S6のN)、図示しないカウンタバッファでカウントされる時間tおよび記憶装置に記憶された時間t1を参照して、ランプ点灯信号/lamp_enをアサートしてから時間t1が経過したと判断するまで待機し(S15のN)、ランプ点灯信号/lamp_enをアサートしてから時間t1が経過したと判断した場合には(S15のY)、ステップS10と同様に、表示操作パネル32で設定された変倍率に基づいて、モータ駆動部42に対して、駆動クロック、回転方向等の制御信号を送信し(S16)、第一、第二走行体が一往復した時点で、ステップS14と同様に、ランプ点灯信号/lamp_enをネゲートする(S17)。
【0068】
また、開閉検知スイッチ7からの開閉状態信号/aksに基づいて、装着されている原稿給送装置3が閉じ位置にないと判断した場合には(S5のN)、カウンタバッファでカウントされる時間tおよび記憶装置に記憶された時間t2を参照して、ランプ点灯信号/lamp_enをアサートしてから時間t2が経過したか否かを判断するまで待機する(S18のN)。
【0069】
ランプ点灯信号/lamp_enをアサートしてから時間t2が経過したと判断した場合には(S18のY)、ステップS16に進む。
【0070】
また、原稿給送装置3の接続確認を行って原稿給送装置3が装着されていないと判断した場合には(S4のN)、原稿給送装置3に変えて圧板30が装着されているものとし、開閉検知スイッチ7からの開閉状態信号/aksに基づいて、圧板30が押え位置にあるか否かを判断する(S19)。ここに、ステップS5およびステップS19によって位置判断手段としての機能、および、位置判断機能が実行される。
【0071】
開閉検知スイッチ7からの開閉状態信号/aksに基づいて、圧板30が押え位置にあると判断した場合には(S19のY)ステップS15に進み、圧板30が押え位置にない、すなわち、開放位置に位置付けられていると判断した場合には(S19のN)、ステップS18に進む。ここに、ステップS18およびステップS16によって、タイミング調整手段としての機能、および、タイミング調整機能が実行される。
【0072】
ところで、本等の厚みのある原稿を読み取り対象とする場合、原稿給送装置3や圧板30が物理的に閉まらないため、原稿給送装置3や圧板30を開けたままで読み取りを行うことがある。また、本の綴じ目等のように原稿台4から浮き上がった部分を有する原稿を読み取り対象とする場合、浮き上がり部分を押えるために、原稿給送装置3や圧板30を開けたままで読み取りを行うことがある。
【0073】
本実施の形態のデジタルスキャナ1によれば、原稿給送装置3からの原稿の給紙を行わず、原稿給送装置3や圧板30が開いたままである場合の原稿の読み取りに際して、ランプ点灯信号/lamp_enをアサートしてから、露光ランプ8が実際に点灯するまでのタイムラグを考慮したv点灯時間以上の時間t1以上に長い時間t2が経過してからスキャナモータを駆動するようにしているため、スタートキー33を操作してから原稿が実際に露光走査されるまでの時間を確保することができる。
【0074】
これによって、例えば、本の綴じ目等のように読み取り位置から浮き上がりがちな原稿を読み取り対象とする場合にも、スタートキー33を操作してから、浮き上がった部分が読み取られる前に原稿を確実に押えることができ、原稿を押える動作が間に合わずに読み取り動作が無駄になる等の、原稿台からの原稿の浮き上がりによる読み取り不良を防止することができる。
【0075】
また、原稿台4上の読み取り位置から浮き上がりがちな原稿を読み取り対象とする場合にも原稿給送装置3や圧板30を用いることなく読み取ることができるので、例えば、本等の綴じられた原稿を複数ページに亘って読み取る際に、一連の作業の中で原稿給送装置3や圧板30を開放位置または押え位置に位置付ける作業を不要として、作業時間の短縮化を図り、ユーザの負担を軽減して使い勝手の向上を図ることができる。
【0076】
このとき、スタートキー33の操作により露光走査開始が宣言されたときの開閉検知スイッチ7からの開閉状態信号/aksが「L」である場合には、スタートキー33を操作してから点灯時間t1の経過を待って露光走査が開始され、スタートキー33を操作したときの開閉検知スイッチ7からの開閉状態信号/aksが「H」である場合には、スタートキー33を操作してから点灯時間t1よりも長い時間t2の経過を待って露光走査が開始されるので、原稿給送装置3または圧板30の位置に拘わらず、原稿全体を均一に露光走査することができる。これによって、読み取りムラの発生を防止することができる。
【0077】
また、本実施の形態のデジタルスキャナ1によれば、開閉検知スイッチ7からの出力に基づいて、原稿給送装置3または圧板30が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかをデジタルスキャナ1が判断し、この判断結果に基づいて読み取りを行うので、ユーザによる設定操作を不要とするとともに設定ミスの発生をなくし、ユーザに対する負担を軽減し、使い勝手の向上を図ることができる。
【0078】
なお、原稿給送装置3または圧板30が押え位置に位置付けられている場合には、スタートキー33を操作した後は待つ必要が無いので、最短時間のt1の経過を待つだけで読み取りを開始することができる。
【0079】
また、本実施の形態では、原稿給送装置3がスキャナ装置2に装着されている状態で原稿給送装置3が押え位置に位置付けられている場合に、原稿給送装置3により読み取り位置まで原稿を搬送した後に、該原稿を読み取り位置に固定した状態で露光走査光学系Sによる露光走査を行って、原稿の画像を読み取るようなデジタルスキャナ1への適用例を示したが、これに限るものではなく、このような場合は、例えば、読み取り走査光学系Sの位置を固定した状態で露光ランプ8を点灯させ、原稿給送装置3により読み取り位置を通過させるように原稿を搬送することで原稿を露光走査し、原稿の画像を読み取るようにしてもよい。
【0080】
次に、本発明の第二の実施の形態について図7および図8を参照して説明する。本実施の形態は、複写装置としてデジタル複写装置への適用例を示す。なお、第一の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0081】
図7は、本実施の形態のデジタル複写装置を示す縦断正面図である。デジタル複写装置50は、第一の実施の形態のデジタルスキャナ1と、デジタルスキャナ1が読み取った画像データに基づく画像をシート状の記録媒体に形成する画像形成装置としてのプリンタ51とを備えている。
【0082】
プリンタ51のプリンタケース52には、手差し給紙する記録媒体が積層される手差しトレイ53と、画像形成後の記録媒体が排出される排出トレイ54とが設けられている。
【0083】
プリンタケース52内には、複数枚の記録媒体を積層保持する給紙トレイ55が設けられている。プリンタケース52内には、給紙トレイ55または手差しトレイ53から、プリンタエンジン56、定着ユニット57を経由して、排出トレイ54へ連通する記録媒体経路58が設けられている。
【0084】
プリンタエンジン56は、有機半導体で構成されてプリンタエンジン56の中央部に設けられた感光体ドラム59と、感光体ドラム59の周囲に配設されたメインチャージャ60、露光走査装置61、現像ユニット62、転写前チャージャ63、転写チャージャ64、分離チャージャ65、分離爪66、クリ−ニング前チャージャ67、クリーニングユニット68、除電ランプ69等によって構成されている。感光体ドラム59は図示しないモータによって回転駆動され、本実施の形態では、図7中時計回り方向に回転する。
【0085】
公知の技術であるため説明を省略するが、露光走査装置61は、光を発する半導体レーザダイオード(以降、半導体LDとする)70と、半導体LD70で発した光を走査させるポリゴンミラー71、ポリゴンミラー71を回転させるモータ72、および、ポリゴンミラー71で走査された光をレンズ73を介して感光体ドラム59へ向けて反射させるミラー74等を有している。半導体LD70は、画像書込基板75で生成される書き込み用の変調信号に基づいてON/OFF駆動制御される。
【0086】
画像書込基板75は、デジタルスキャナ1の画像処理基板16に接続されており、画像書込基板75は画像処理基板16で画像処理されて入力される信号に基づいて、書き込み用の変調信号を生成し、生成した書き込み用の変調信号に基づいて半導体LD70のON/OFF駆動を制御する。
【0087】
次に、デジタル複写装置50が備える各部の電気的接続について図8を参照して説明する。デジタル複写装置50が備える各部はメイン制御部40によって駆動制御される。本実施の形態では、スタートキー33の操作によってスタートキー33からコピー開始要求信号/cp_sttが出力され、メイン制御部40にはこのコピー開始要求信号/cp_sttが入力される。スタートキー33から出力されるコピー開始要求信号/cp_sttは、第一の実施の形態の読み取り開始要求信号/sc_sttと同様に、スタートキー33が操作されたときに「L」レベルとなる。
【0088】
また、本実施の形態のモータ駆動部42は、感光体ドラム59を回転させる図示しないモータや、定着ユニット57、現像ユニット等、プリンタ51における各部も駆動制御する。
【0089】
このような構成において、コピー動作に際してスタートキー33が操作されることにより、スタートキー33から出力されるコピー開始要求信号/cp_sttが「L」レベルとなると、デジタルスキャナ1の各部を駆動制御して、上述した原稿読み取り処理を実行する。
【0090】
また、プリンタ51の各部を駆動制御して、デジタルスキャナ1で読み取った画像データに基づく画像を記録媒体に形成する。すなわち、感光体ドラム59を図7中時計回り方向に回転させながら、メインチャージャ60によって感光体ドラム59表面を一様に帯電させ、露光走査装置61により書き込み用の変調信号に基づいて半導体LD70をON/OFF駆動制御し、半導体LD70から書き込み用の変調信号に応じた光信号を出力する。半導体LD70から出力された光は、ポリゴンミラー71、レンズ73、および、ミラー74を介して、感光体ドラム59の表面に書き込み像として結像される。本実施の形態の感光体ドラム59は、有機半導体で構成されているため、表面に結像されたレーザ光に感応し、これによって感光体ドラム59表面に静電潜像が形成される。これにより、レーザ光が照射された感光体ドラム59の表面に書き込み像の濃淡分布に応じた電位分布、すなわち、静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム59の回転により、この静電潜像が現像ユニット62の近傍を通過する際にトナーを付着させることによって静電潜像を可視化する。
【0091】
また、この可視化像が転写チャージャ64の近傍を通過するタイミングに合わせて、給紙トレイから記録媒体を給紙し、この記録媒体が感光体ドラム59と転写チャージャとの間に送り込まれる際に、転写チャージャ64によって記録媒体上に転写する。トナー像が転写された記録媒体は、感光体ドラム59から分離された後、搬送され、定着ユニット57を通って排出される。
【0092】
本実施の形態のデジタル複写装置50によれば、例えば、本の綴じ目等のように読み取り位置から浮き上がりがちな原稿をコピーする場合にも、スタートキー33を操作してから、浮き上がった部分が読み取られる前に原稿を確実に押えることができ、原稿を押える動作が間に合わずに読み取り動作が無駄になる等の、原稿台からの原稿の浮き上がりによる読み取り不良を防止することができるので、ミスコピーの発生を抑制して記録媒体に良好な画像を形成することができ、不要なコピー動作により記録媒体を無駄に消費してしまうことを防止することができる。
【0093】
また、原稿台4上の読み取り位置から浮き上がりがちな原稿を読み取り対象とする場合にも原稿給送装置3や圧板30を用いることなく読み取ることができるので、例えば、本等の綴じられた原稿を複数ページに亘ってコピーする際に、一連の作業の中で原稿給送装置3や圧板30を開放位置または押え位置に位置付ける作業を不要として、作業時間の短縮化を図り、ユーザの負担を軽減して使い勝手の向上を図ることができる。
【0094】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像読み取り装置によれば、露光走査開始を宣言したときの原稿押え部材の位置が開放位置である場合には、露光走査開始を宣言したときの原稿押え部材の位置が押え位置である場合よりも露光走査開始タイミングを遅らせることにより、露光走査開始を宣言してから原稿が実際に露光走査されるまでの時間を確保することができるので、例えば、本の綴じ目等のように読み取り位置から浮き上がりがちな原稿を読み取り対象とする場合にも、露光走査開始を宣言してから浮き上がった部分が読み取られる前に原稿を確実に押えることができ、原稿を押える動作が間に合わずに読み取り動作が無駄になる等の、原稿台からの原稿の浮き上がりによる読み取り不良を防止することができる。また、読み取り位置から浮き上がりがちな原稿を読み取り対象とする場合にも原稿押え部材を用いる必要がないので、例えば、本等の綴じられた原稿を複数ページに亘って読み取る際に、一連の作業の中で原稿押え部材を開放位置または押え位置に位置付ける作業を不要として、作業時間の短縮化を図り、ユーザの負担を軽減して使い勝手の向上を図ることができる。
【0095】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像読み取り装置において、原稿押え部材の位置を自動的に設定することができるので、設定ミスの発生をなくすとともに、ユーザに対する負担を軽減し、使い勝手の向上を図ることができる。
【0096】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の画像読み取り装置において、原稿押え部材の位置に拘わらず、露光走査開始を宣言してから光源が点灯するまでの点灯時間が経過した後に露光走査を開始することにより、原稿全体を均一に露光走査することができるので、読み取りムラの発生を防止することができる。
【0097】
請求項4記載の発明の複写装置によれば、請求項1、2または3記載の発明の効果を奏する複写装置を得ることができる。
【0098】
請求項5記載の発明のコンピュータプログラムによれば、露光走査開始が宣言されたときの原稿押え部材の位置が開放位置である場合には、露光走査開始が宣言されたときの原稿押え部材の位置が押え位置である場合よりも露光走査開始タイミングが遅らせられるので、露光走査開始が宣言されてから原稿が実際に露光走査されるまでの時間を確保することができ、例えば、本の綴じ目等のように読み取り位置から浮き上がりがちな原稿を読み取り対象とする場合にも、露光走査開始を宣言してから浮き上がった部分が読み取られる前に原稿を確実に押えて、原稿を押える動作が間に合わずに読み取り動作が無駄になる等の、原稿台からの原稿の浮き上がりによる読み取り不良を防止することができる。また、読み取り位置から浮き上がりがちな原稿を読み取り対象とする場合にも原稿押え部材を用いる必要がないので、例えば、本等の綴じられた原稿を複数ページに亘って読み取る際に、一連の作業の中で原稿押え部材を開放位置または押え位置に位置付ける作業を不要として、作業時間の短縮化を図り、ユーザの負担を軽減して使い勝手の向上を図ることができる。
【0099】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載のコンピュータプログラムにおいて、原稿押え部材の位置を自動的に設定することができるので、設定ミスの発生をなくすとともに、ユーザに対する負担を軽減し、使い勝手の向上を図ることができる。
【0100】
請求項7記載の発明によれば、請求項5または6記載のコンピュータプログラムにおいて、原稿押え部材の位置に拘わらず、露光走査開始が宣言されてから光源が点灯するまでの点灯時間が経過した後に露光走査が開始されるので、原稿全体を均一に露光走査することができ、読み取りムラの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態のデジタルスキャナを示す縦断正面図である。
【図2】圧板を装着した状態のデジタルスキャナを示す斜視図である。
【図3】デジタルスキャナが備える各部の電気的接続について説明するブロック図である。
【図4】制御プログラムにしたがってメイン制御部が実行する読み取り処理を概略的に説明するフローチャートである。
【図5】制御プログラムにしたがってメイン制御部が実行する読み取り処理を概略的に説明するフローチャートである。
【図6】スタートキーの操作により開始される読み取り動作に際しての各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の第二の実施の形態のデジタル複写装置を示す縦断正面図である。
【図8】デジタル複写装置が備える各部の電気的接続について説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 画像読み取り装置
3、30 原稿押え部材
8 光源
15a 受光素子
33 開始宣言手段
50 複写装置
51 画像形成装置
C 受光光学系
S 露光走査光学系
Claims (7)
- 読み取り位置に位置付けられた原稿の画像を光源とこの光源を原稿に沿って移動させる移動手段とによって露光走査する露光走査光学系と、
前記露光走査光学系の露光走査により原稿を露光した光を受光素子に受光させる受光光学系と、
前記原稿を読み取り位置に位置付ける押え位置と読み取り位置を開放する開放位置とに選択的に位置付けられる原稿押え部材と、
前記原稿押え部材が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかを設定する位置設定手段と、
前記露光走査光学系による露光走査開始を宣言する開始宣言手段と、
前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言したときに前記位置設定手段により設定された前記原稿押え部材の位置が開放位置である場合には、前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言したときに前記位置設定手段により設定された前記原稿押え部材の位置が押え位置である場合よりも露光走査開始タイミングを遅らせるタイミング調整手段と、
を具備する画像読み取り装置。 - 前記原稿押え部材が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかを判断する位置判断手段を具備し、
前記位置設定手段は、前記位置判断手段の判断結果に応じて前記押え部材の位置を設定する請求項1記載の画像読み取り装置。 - 前記タイミング調整手段は、前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言したときに前記位置設定手段により設定された前記原稿押え部材の位置が押え位置である場合に前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言してから前記光源が点灯するまでの点灯時間が経過してから前記露光走査光学系による露光走査を開始させる請求項1または2記載の画像読み取り装置。
- 請求項1、2または3記載の画像読み取り装置と、
前記画像読み取り装置の受光素子が受光した光量に基づいて取得される画像データに基づく画像を記録媒体に形成する画像形成装置と、
を具備する複写装置。 - 光源とこの光源を原稿に沿って移動させる移動手段とによって読み取り位置に位置付けられた原稿の画像を露光走査する露光走査光学系と、前記露光走査光学系の露光走査により原稿を経由した光を受光素子で受光する受光光学系と、前記露光走査光学系による露光走査開始を宣言する開始宣言手段と、前記原稿を読み取り位置に位置付ける押え位置と読み取り位置を開放する開放位置とに選択的に位置付けられる原稿押え部材と、を具備する画像読み取り装置が備えるコンピュータにインストールされるコンピュータプログラムであって、
前記原稿押え部材が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかを設定する位置設定機能と、
前記開始宣言手段により露光走査開始が宣言されたときに前記原稿押え部材が開放位置に設定されている場合には、前記開始宣言手段により露光走査開始が宣言されたときに前記原稿押え部材が押え位置に設定されている場合よりも露光走査開始タイミングを遅らせるタイミング調整機能と、
を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。 - 前記原稿押え部材が押え位置に位置付けられているか開放位置に位置付けられているかを判断する位置判断機能を前記コンピュータに実行させ、
前記位置判断機能による判断結果に応じて前記押え部材の位置を設定する機能を前記位置設定機能として前記コンピュータに実行させる請求項5記載のコンピュータプログラム。 - 前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言したときに前記位置設定手段により設定された前記原稿押え部材の位置が押え位置である場合、前記開始宣言手段が露光走査開始を宣言してから前記光源が点灯するまでの点灯時間が経過してから前記露光走査光学系による露光走査を開始する機能を前記タイミング調整機能として前記コンピュータに実行させる請求項5または6記載のコンピュータプログラム。
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Cited By (2)
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CN1320807C (zh) * | 2004-04-29 | 2007-06-06 | 虹光精密工业(苏州)有限公司 | 扫描仪及其方法 |
JP2010213248A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002229589A patent/JP2004070028A/ja active Pending
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