JP2004069433A - 透明体の検査方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チラツキ現象が生じ得る陰極線管用ガラスパネル等の透明体6の表面に存在している欠陥面Bを、有効な光学的特性を利用して確実且つ容易に目視により検出できるようにする。
【解決手段】光源2から発せられた光を透明体6の被検査部位6aに照射し、光源2と反対側からその透過光を目視するという手法と、ストライプ格子4を介して透明体6の被検査部位6aに光を照射するという手法とを採用した上で、光の回折現象を有効利用して、透明体6の被検査部位6aの表面6a1における欠陥面Bを正常面Aとは異なる視覚的態様として目視識別可能に浮かび上がらせるようにする。
【選択図】 図3
【解決手段】光源2から発せられた光を透明体6の被検査部位6aに照射し、光源2と反対側からその透過光を目視するという手法と、ストライプ格子4を介して透明体6の被検査部位6aに光を照射するという手法とを採用した上で、光の回折現象を有効利用して、透明体6の被検査部位6aの表面6a1における欠陥面Bを正常面Aとは異なる視覚的態様として目視識別可能に浮かび上がらせるようにする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、透明体の検査方法及びその装置に関し、特に該透明体の表面に存する肌荒れ等の欠陥面を光学的特性を利用して目視により検出するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、例えば溶融ガラスを成型してなる透明体の表面には、品質低下や不良廃棄処分の原因となる欠陥面が部分的に存在する場合がある。その一例として、陰極線管用ガラスパネル(以下、単にパネルという)の製造過程においては、プレス成型時に溶融ガラスのプレス成型品に対する型の抜け性或いは離型性の悪化が原因となって、当該パネルのフェース部の内表面に例えば肌荒れ等の欠陥面が生成される場合がある。
【0003】
このフェース部内表面に生成される欠陥面は、最終製品の商品価値を低下させるだけでなく、その内表面に蛍光膜を形成する際の成膜性の悪化、ひいては画質低下等のパネルの本質的機能を阻害する要因となり、製品として採用不能となる事態を招く。このため、パネル単体の状態でフェース部外表面を鏡面仕上げする研摩工程が実行された後、またはその研摩工程が実行される前に、該パネルに上述の欠陥面が存在するか否かを検査して良品及び不良品の判別が行われる。
【0004】
この検査の手法としては、従来より、例えば蛍光ランプ等の光源から発せられた光をパネルのフェース部に照射し、その反射光または透過光に基づいて、フェース部内表面における欠陥面を検出することが行われている。
【0005】
また、これと関連して、パネルのフェース部内表面や内部には、プレス成型時に溶融ガラスに付着し或いは混入した異物等が原因となって、例えば0.03mm〜0.1mm程度のピットと称せられる凹部や泡等の微小欠点が生成されて固化する場合があり、この種の微小欠点についても上記と同様に、パネルのフェース部からの反射光または透過光を利用してその検出が行われている。
【0006】
以上のようなパネルのフェース部における欠陥面や微小欠点の検出を光を利用して行なう手法は、大別すると、検査者が目視によりフェース部からの反射光または透過光を観察する手法と、フェース部からの反射光または透過光を撮像手段により画像として取り込み、その画像を演算手段を用いて自動解析する手法とに区分される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の撮像手段や演算手段等を用いて自動解析を行なう手法によれば、検査装置の大型化及び複雑化やコストの高騰を招くばかりでなく、検出精度の誤差を予め考慮すると、限度付近のものは不良と判断され、その結果、良品であるにも拘わらず廃棄処分とされる等の事態を惹き起こして無駄が生じる。
【0008】
特に、フェース部内表面における肌荒れ等の欠陥面の検出については、上述の反射光や透過光を撮像手段で取り込んだ場合に、その画像上で欠陥面と正常面とを明確に区別することが困難であるばかりでなく、そのような区別を明確に行なって自動解析するに至る検査装置を製作することも困難とされているのが実情である。
【0009】
したがって、フェース部内表面に生成されている欠陥面の検出を行なう場合には、検査者による目視検査が不可欠な作業となる。しかしながら、面の状態が正常か否かを検査者が視界中で捉えようとしても、正常な領域と欠陥が生じている領域との間に明瞭な輪郭が存在するものではないことから、検査者の多大な注意力や労苦、更には目の負担を強いられることになる。
【0010】
しかも、パネルのフェース部内表面には、プレス成型時の離型性や蛍光膜の生膜性を良好にすることを目的として、スティップルと称せられる梨地状の微小凹凸が形成されている。因みに、このフェース部内表面の表面粗さは、十点平均粗さで0.5μm〜数μm程度である。
【0011】
この場合、光源から発せられる光は、パネルのフェース部内表面に存在する欠陥面の検出を行うに足る充分な強度(光度)を有していなければならず、したがってパネルのフェース部には高強度の光が入射する。このため、フェース部を透過する透過光が上記スティップルの存在により散乱した場合には、散乱光が高輝度特性を示すことになり、この高輝度の散乱光が所謂チラツキ現象となって検査者に目視される。そして、このチラツキ現象が原因となって、検査者が欠陥面を視認し難くなり或いは全く視認できなくなり、見落としや誤検出等の弊害を招き、検査作業がより一層困難となる。
【0012】
なお、特開平7−110302号公報によれば、被検査物体である透明板と照明光源との間に、透明部と不透明部とを有するマスクを配設し、照明光源による透明板の透過光をテレビカメラで撮像して、透明板の欠陥を検出するように構成した欠陥検出装置が開示されている。
【0013】
この欠陥検出装置によれば、透明板の内部に例えば気泡でなる欠陥が存在している場合に、その透明板の内部に、マスクの透明部を通過した光による明部と、マスクの不透明部により遮光された暗部とを生じさせることが行なわれる。そして、透明体の内部の気泡には、暗部から光が当らないため、これが陰影となることに着目して、その気泡の輪郭をコントラストのある像として検出するものである。
【0014】
しかしながら、この装置は、同公報に記載されているように、テレビカメラの撮像信号から透明板の欠陥を検出するための微分回路等で構成された欠陥検出回路を備えているばかりでなく、照明光源はテレビカメラの撮像信号に同期して発光するように構成されているため、既述のように装置の複雑化やコストの高騰を招くと共に、検出精度の誤差を予め考慮すると、限度付近のものは不良と判断されてしまう欠点がある。
【0015】
しかも、この装置が検査対象としている気泡等の微小欠点には輪郭が存在しているが、上述のように欠陥面には正常面との間に明確な輪郭が存在していないため、この装置による検出手法を、仮に目視検査による欠陥面の検出に採用したとしても、輪郭が明確でない欠陥面を検査者が視力で見つけ出すことは困難な事であって、相当の注意力をもって目視検査を行なっても、見落としや誤検出を確実に回避できるものではない。
【0016】
更に、上述のように透明体にチラツキ現象が生じる場合に、この装置のように透明体の内部に単に明部と暗部とを生じさせるという光学的手法のみを用いたのでは、そのチラツキ現象による目視検査の困難化を回避できるものではなく、より有効な光学的特性の利用が望まれる。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、チラツキ現象が生じ得る陰極線管用ガラスパネル等の透明体の表面に存在している欠陥面を、有効な光学的特性を利用して確実且つ容易に目視により検出できるようにすることを技術的課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を達成するため、本発明者が鋭意努力をした結果、ストライプ格子を通過する光の回折という光学的特性を有効利用すれば、パネルのフェース部内表面におけるスティップルの存在によるチラツキ現象を低減もしくは消失させた上で、その内表面に存在している肌荒れ等の欠陥面を目視により正常面と判別できるようになることを知見した。
【0019】
このような知見に基づいてなされた本発明は、光源からの光を、透光線と遮光線とを交互に配列したストライプ格子を介して透明体の被検査部位に照射し、該被検査部位を透過する透過光を前記光源と反対側から目視により観察して、前記被検査部位の欠陥を検出する透明体の検査方法であって、前記ストライプ格子を通過する回折光により、前記被検査部位の被検査面における欠陥面を正常面と異なる視覚的態様として目視識別可能に浮かび上がらせることを特徴とするものである。
【0020】
すなわち、基本的に、蛍光ランプ等の光源から発せられた光を透明体の被検査部位に照射し、光源と反対側からその透過光を検査者が目視するという手法と、ストライプ格子を介して透明体の被検査部位に光を照射するという手法とを採用した場合、ストライプ格子を通過する光に対して有効な回折(回折による干渉を含む)を生じさせれば、検査者の視界中で、被検査部位の正常面を通して見えるストライプ格子の透光線と遮光線との境界が滲んでぼやけた状態となり、その全域が略均一な形態の粒子の集合として見える。これに対して、欠陥面については正常面とは異なる形態の粒子の集合として見えるという現象を知見したことに基づいて本発明はなされたものである。
【0021】
ここで、「ストライプ格子」とは、シート状或いはフィルム状の薄板もしくはテーブルに、無色或いは有色の透光線と、黒色系或いは青色系を含む寒色系の遮光線とを交互に形成したもの、または遮光性を有するシート状或いはフィルム状の薄板もしくはテーブルに、透光線としてのスリットを所定ピッチで形成したもの、または透光性を有するシート状或いはフィルム状の薄板もしくはテーブル等の上面に、遮光線を所定ピッチで直接形成したもの等である。
【0022】
また、「欠陥面を正常面と異なる視覚的態様として目視識別可能に浮かび上がらせる」とは、検査者が透明体の被検査部位を目視した場合に、欠陥面の粒子の大きさ及び/または粒子の色の濃さ等が正常面のそれとは充分異なるものとなって、欠陥面を正常面と明確に区別して視認できる状態になることを意味している。このような現象が生じるのは、主としてストライプ格子を通過する光の回折を適切に生じさせれば、好都合な光拡散作用が得られることに起因するものであると考えられる。
【0023】
すなわち、透明体の被検査部位としてパネルのフェース部を例にとると、このフェース部の内表面には、既述のように十点平均粗さが0.5μm〜数μm程度のスティップルが形成されている。そして、光源からは欠陥面を検出するに足る高強度の光が発せられるが、仮にストライプ格子を介在させずに光源からの光をフェース部の外表面に照射したならば、この光がフェース部の内表面から出射する際に、スティップルの存在により散乱して高輝度の散乱光となり、この散乱光がチラツキ現象となって検査者に目視される。これに対して、光源からの光をストライプ格子を介してフェース部の外表面に照射することによって、ストライプ格子の透光線を透過する光に対して適切な回折を生じさせれば、要請に合致した光拡散作用が得られ、この拡散された光がフェース部の内表面のスティップルで効果的に散乱するため、その散乱光の光学的特性が好ましい態様に変化し、これに伴って上述のチラツキ現象が防止或いは抑制されると考えられる。
【0024】
この場合、フェース部内表面に存在する欠陥面は、スティップルとは異なる表面粗さの面として生成されるものであって、この種の欠陥面を光が通過する際には、その欠陥面においてスティップルとは異なる態様の光の散乱が生じる。そして、ストライプ格子を介在させない場合には、欠陥面で散乱した目視されるべき光が、フェース部内表面のスティップルで散乱した高輝度の散乱光の中に混然として混じり合った状態となるため、単にチラツキ現象が検査者によって目視されるに過ぎず、この結果、欠陥面の検出ができなくなるものと考えられる。一方、ストライプ格子を介在させた場合には、フェース部内表面のスティップルによるチラツキ現象が防止或いは抑制されているため、欠陥面における散乱光は、正常面における散乱光とは異なる態様となって現われ、この結果、欠陥面が正常面に対して目視識別可能に浮かび上がるものと考えられる。
【0025】
以上のように、チラツキ現象を防止或いは抑制することに伴なって欠陥面が正常面と異なる視覚的態様で浮かび上がるという事実に照らせば、「透明体の被検査部位」は、チラツキ現象が生じ得る面特性を備えていること、すなわち被検査部位の少なくとも一方の面の十点平均粗さが0.5μm〜数μm程度となっていることが条件とされる。したがって、例えばパネルのフェース部の外表面が未研磨状態である場合または研磨された状態である場合において、光源からの光をストライプ格子を介してフェース部の内表面に照射し、その外表面から出射した光を検査者が目視した場合にも、上記と同様に欠陥面が正常面とは異なる視覚的態様で浮かび上がることになる。つまり、フェース部の外表面から光が入射した場合と内表面から光が入射した場合との何れであっても、欠陥面を目視識別できるように浮かび上がらせることが可能である。この事は、本発明者が行なった実験により判明している。このような事実を勘案すれば、上記の条件を満たす面特性を備えた被検査部位を有する透明体であれば、陰極線管用ガラスパネル以外であってもよいことになる。なお、「欠陥面」とは、肌荒れ等が生じている面に限られるわけではなく、上記の条件を満たす正常面とは異なる面を意味するものであり、またピット、泡、肉ムラ等が原因となって生じる欠陥面をも含むものである。
【0026】
この検査方法においては、前記ストライプ格子のマスクピッチに基づいて、該ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離を設定することが好ましい。すなわち、ストライプ格子を通過する回折光の光特性は、マスクピッチに応じて変化するものであって、しかもその回折光が既述のチラツキ現象を低減または消失させるか否かは、ストライプ格子から被検査面(スティップルまたはこれに準じる微小凹凸が形成された面)までの距離に応じて決まる。したがって、ストライプ格子のマスクピッチに応じて、該ストライプ格子から被検査面までの距離を変化させれば、より一層高い確実性をもってチラツキ現象を抑えつつ欠陥面を明確に目視可能に浮かび上がらせることが可能となる。なお、マスクピッチとは、ストライプ格子の透光線の幅をt1、遮光線の幅をt2とすれば、(t1+t2)×3の演算結果として得られる値である。
【0027】
そして、前記マスクピッチをTとすると共に、前記ストライプ格子からこれに対面する前記被検査部位の表面までの距離をa、前記ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離をb、前記被検査部位の屈折率をnとして、a+{(b−a)×n}の演算値である光学的距離をLとした場合に、T/Lの演算値が0.05〜0.1であることが好ましい。すなわち、このT/Lの演算値は、チラツキ現象を抑えつつ欠陥面を明確に目視可能に浮かび上がらせることができるか否かを判断する指標となる値であって、この値が0.05未満であると、ストライプ格子から被検査面までの距離に対してマスクピッチが相対的に小さくなり過ぎ、またこの値が0.1を超えると、ストライプ格子から被検査面までの距離に対してマスクピッチが相対的に大きくなり過ぎ、何れの場合にも欠陥面が明確に目視可能に浮かび上がらなくなるおそれがある。したがって、この値が上記の範囲内となるように設定しておけば、欠陥面が適正に浮かび上がることになる。
【0028】
また、前記ストライプ格子の透光線と遮光線との透過率の差は、30%〜80%に設定されていることが好ましい。すなわち、この透過率の差が30%未満であると、ストライプ格子のコントラストが弱くなり過ぎ、ストライプ格子を通過する光の回折が充分に生じなくなると考えられ、欠陥面が目視可能に浮かび上がらなくなるおそれがある。一方、この透過率の差が80%を超えると、ストライプ格子のコントラストが強くなり過ぎ、目が疲れること等に起因して、欠陥面の見落とし等の発生確率が高くなるおそれがある。したがって、この透過率が上記の数値範囲内にあれば、このような不具合を回避することができる。
【0029】
そして、前記透明体の被検査部位の一例として、陰極線管用ガラスパネルのフェース部を挙げることができる。すなわち、陰極線管用ガラスパネルは、内表面に既述のようなスティップルが形成されているため、ストライプ格子を介在させずにそのフェース部の外表面に光を照射し且つその内表面から光を出射させた場合には著しいチラツキ現象が生じ、またフェース部の内表面に光を照射し且つその外表面から光を出射させた場合にも同様にチラツキ現象が生じる。したがって、陰極線管用ガラスパネルのフェース部に対して本発明に係る検査方法を適用すれば、チラツキ現象を防止或いは抑制して欠陥面を目視可能に浮かび上がらせる効果を顕著に得ることができる。
【0030】
なお、前記ストライプ格子の透光線の幅は、遮光線の幅の1.8倍〜2.5倍に設定されていることが好ましい。これは、複数種のパネルについて本発明者が行った実験結果から把握できる事項であると同時に、上記透光線の幅が遮光線の幅の1.8倍未満の場合及び2.5倍超の場合には、回折による適切な光拡散作用が得られないこと等に起因して、欠陥面が目視可能に明確に浮かび上がらなくなると判断できることによるものである。
【0031】
更に、上記ストライプ格子のマスクピッチは、0.8mm〜1.9mmに設定されていることが好ましい。これについても、複数種のパネルについて本発明者が行った実験結果から把握できる事項であると同時に、マスクピッチが0.8mm未満の場合及び1.9mm超の場合には、回折による適切な光拡散作用が得られないこと等に起因して、欠陥面が目視可能に明確に浮かび上がらなくなると判断できることによるものである。
【0032】
また、上記ストライプ格子の表面及び/または裏面には、有色透光性フィルムを装着することが好適である。このようにすれば、光源からの光がストライプ格子を通過する際には、有色透光性フィルムをも透過することになり、これにより透過グレア(光透過によるまぶしさ)が除去され、目視による欠陥面の検出がより一層確実化されると共に、検査者の目の疲労等が効果的に軽減される。なお、有色透光性フィルムとしては、薄あずき色や薄青色のフィルムが好ましく、また有色透光性フィルムはストライプ格子と重ねられ、透明保護フィルムで挟まれたラミネート構造を有していることが好ましい。或いは、このように有色透光性フィルムを装着することに代えて、光源からの光自体を有色光とするような構成、または有色光を発するような光源を用いるようにしてもよい。
【0033】
更に、少なくとも前記光源から目視空間までの領域は、外光の照射が低減された外光低減領域とされていることが好ましい。このようにすれば、光源からストライプ格子及び透明体の被検査部位を介して目視空間に至る光路が、外光(目的外の光)によって乱されるという事態が回避され、常に適正な光学的特性を維持しつつ目視による検査を最適条件下で行うことが可能となる。なお、検査を行う室全体を暗室または半暗室とすれば、上記の外光低減領域が必然的に形成される。
【0034】
一方、本発明に係る透明体の検査装置は、透光部を有する検査テーブルと、該検査テーブルの透光部の一方側に配置された光源と、前記検査テーブルの透光部の他方側に配置された被検査部位を有する透明体と、該検査テーブルの透光部に配置され且つ所定幅の透光線と遮光線とが交互に配列されたストライプ格子とを備えると共に、前記ストライプ格子として、マスクピッチの異なるものを複数種備えたことを特徴とするものである。
【0035】
このような構成によれば、光源からの光は、検査テーブルの透光部に配置されたストライプ格子を通過して透明体の被検査部位の一方側表面に照射されることになり、且つ該被検査部位の他方側表面から出射した光は、光源と反対側から検査者によって目視され得ることになる。この場合、ストライプ格子としては、マスクピッチの異なる複数種のものを備えていることから、被検査部位の肉厚が相違すること等に起因して同一の位置にセットしていたならばストライプ格子から被検査面までの距離(或いは上述の光学的距離L)が相違する複数種の透明体について、それらの検査を行なう場合には、それぞれの透明体に対して最も適切なマスクピッチのストライプ格子を選択して使用することが可能となる。なお、欠陥面を浮かび上がらせて目視により検出することに関する事項は、既に述べた該当する事項と同一であるので、その説明を省略する。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る透明体の検査装置を模式的に示す概略正面図、図2はその検査装置の概略平面図、図3はその検査装置により検出された透明体の欠陥面を示す概略平面図である。
【0037】
図1及び図2に示すように、透明体の検査装置は、上方が開口する箱状の基台1と、該基台1の内部に収容された蛍光ランプ等でなる複数の光源2と、これらの光源2の上方に配置され且つ基台1の上方開口部を覆うように固定設置された透光部を有する検査テーブル3と、該検査テーブル3の透光部の上面に敷設されたストライプ格子4とを備える。
【0038】
前記ストライプ格子4は、この実施形態では、ビニール等の透明樹脂製シートに所定ピッチで青色系または黒色系の遮光線4bを付して構成されたものである。したがって、前記透明樹脂製シートには、透明な透光線4aと青色系または黒色系の遮光線4bとが交互に配列された状態となっている。なお、このストライプ格子4の表面には、透過グレアを除去するために、薄あずき色または薄青色等の有色フィルムを重ね、これらを透明樹脂製保護フィルムで挟むラミネート構造を有している。
【0039】
前記ストライプ格子4の上面には、透明体としての陰極線管用パネル(以下、単にパネルという)6が載置されている。このパネル6は、対角軸上における外表面6a1の曲率半径が10000mm以上に設定された略矩形のフェース部6aを有し、このフェース部6aが被検査部位とされている。そして、このパネル6は、シールエッジ面6xを上向きにした状態で載置されて、フェース部6aの外表面6a1がストライプ格子4の上面に接触している。
【0040】
一方、パネル6のフェース部6aの上方、換言すればフェース部6aの内表面6a2側には、検査者がそのフェース部6aを観察するための目視空間Xが設けられている。そして、この検査装置を用いて下記のような検査作業を実行する場合には、この検査装置が設置される作業室が暗室または半暗室とされる。したがって、光源2から目視空間Xに至る領域は、外光の照射が低減または遮断された外光低減領域とされている。なお、検査テーブル3は、検査者の居る側が低くなるように傾斜していることが好ましい。また、検査作業を行なう場合には、検査者がパネル6を手で持ってその外表面6a1をストライプ格子4から離反させ、その離反距離を変化させるようにしてもよく、或いは図外の支持手段もしくは昇降装置等によってパネル6を支持させてその外表面6a1をストライプ格子4から離反させ、その離反距離を変化させるようにしてもよい。
【0041】
以上のような構成を備えた検査装置によれば、光源2から発せられた光は、検査テーブル3の透光部を透過した後、ストライプ格子4を通過し、更にその後にパネル6のフェース部6aを透過して目視空間Xに達する。そして、検査者は、パネル6の外表面6a1がストライプ格子4に接触した状態で、もしくはパネル6の外表面6a1をストライプ格子4から適宜離反させた状態で、目視空間Xからパネル6のフェース部6aを見る。
【0042】
この場合、該フェース部6aの内表面6a2に肌荒れ等の欠陥面が存在していなければ、検査者の視界中には、図2に示すように、パネル6のフェース部6aの全域が、略均一な色の濃さで且つ略均一な大きさの粒子の集合として現われる。つまり、パネル6のフェース部6aの全域に亘って、ストライプ格子4の透光線4aと遮光線4bとの境界が滲んだ状態となり、且つ両線4a、4bの判別ができない程度までぼやけた状態となる。
【0043】
一方、前記フェース部6aの内表面6a2に肌荒れ等の欠陥面が存在していると、検査者の視界中には、図3に示すように、上述の正常面の領域Aにおける粒子とは大きさが異なる粒子の集合、または領域Aとは密度が異なる粒子の集合、もしくは領域Aとは色の濃さが異なる粒子の集合である欠陥面の領域Bが明確に浮かび上がる。具体的には、欠陥面の領域Bは、正常面の領域Aと比較して、粗さが粗くなったようなザラツキのある状態となって浮かび上がる。
【0044】
このような現象が生じる原因について考察すれば、以下に示す通りとなる。すなわち、パネル6のフェース部6aの内表面6a2には、十点平均粗さが0.5〜1.7μm程度の梨地状のスティップルが形成されている。したがって、仮にストライプ格子4を介在させずに光源2からの光をフェース部6aの外表面6a1に照射したならば、光がフェース部6aの内表面6a2から出射する際にスティップルの存在により散乱して、高輝度の散乱光となるため、目視空間Xから見た検査者の視界中には所謂チラツキ現象となって現われる。
【0045】
これに対して、図1及び図2に例示するような状態でストライプ格子4を介在させた場合には、光源2からの光がストライプ格子4を通過する際に好都合な光の回折が生じると共に、これに起因して適切な光拡散作用が生じる。そして、この拡散された光は、スティップルの存在により更に散乱するため、その散乱光の光学的特性が要請に合致するように変化して、上述のチラツキ現象が抑制され或いは消え失せると考えられる。
【0046】
この場合、フェース部6aの内表面6a2に存在する欠陥面は、スティップルとは異なる表面粗さの面であるため、この欠陥面を光が通過する際には、スティップルとは異なる態様の光の散乱が生じる。そして、仮にストライプ格子4を介在させなければ、欠陥面で散乱した目視されるべき光が、フェース部6aの内表面6a2のスティップルで散乱した高輝度の散乱光の中に混然として混じり合った状態となるため、単にチラツキ現象が検査者によって目視されるに過ぎず、この結果、欠陥面の検出ができなくなるものと考えられる。
【0047】
これに対して、ストライプ格子4を介在させた場合には、フェース部6aの内表面6a2のスティップルによるチラツキ現象が防止或いは抑制されているため、欠陥面における散乱光は、正常面における散乱光とは異なる態様となって現われ、この結果、欠陥面が正常面に対して目視識別可能に浮かび上がるものと考えられる。
【0048】
この検査装置を使用して以上のような検査を行なうに際しては、ストライプ格子4のマスクピッチに応じて、そのストライプ格子4から被検査面であるフェース部6aの内表面6a2までの距離を変化させること、換言すればその距離に応じてストライプ格子4のマスクピッチを変化させることが好ましい。ここで、マスクピッチとは、図4に示すように、ストライプ格子4の透光線4aの幅をt1、遮光線4bの幅をt2とした場合に、(t1+t2)×3の演算結果として得られる値Tである。
【0049】
そして、ストライプ格子4からこれに対面するフェース部6aの外表面6a1までの距離をa、ストライプ格子4からフェース部6aの内表面6a2(被検査面)までの距離をb、フェース部6aのガラスの屈折率をnとして、a+{(b−a)×n}の演算値である光学的距離をLとした場合に、T/Lの演算値は、0.05〜0.1であることが好ましい。
【0050】
下記の表1は、上記T/Lの適正な数値範囲を求めるために、本発明者が行なった実験結果を示すものである。この実験は、図1に示すように、パネル6のシールエッジ面6xを上向きにし且つフェース部6aの外表面6a1をストライプ格子4に接触させた状態で行なったものである。したがって、上記の光学的距離Lを算出する式中、aは、ゼロであって、且つ、bは、フェース部6aの肉厚となる。なお、ガラスの屈折率nは、1.5とした。また、下記の表1中における管理基準値とは、光学的距離Lが10mmあたりのマスクピッチTの割合、つまりT/L×10の演算値を示している。なお、下記の表1において、◎印は、欠陥面(肌荒れ状態)が明瞭に見えるもの、○印は、明瞭ではないが欠陥面が充分認識できるもの、▲印は、明瞭ではないが欠陥面の範囲が認識できるもの、×印は、欠陥面が認識できないものを意味している。
【0051】
【表1】
【0052】
上記の表1における本発明の実施例と比較例とを対比すれば、管理基準値が0.5〜1.0の範囲内、好ましくは0.6〜0.9の範囲内にあれば、すなわちT/Lの演算値が0.05〜0.1の範囲内、好ましくは0.06〜0.09の範囲内にあれば、ストライプ格子4のマスクピッチTと、該ストライプ格子4からフェース部6aの内表面6a2(被検査面)までの距離bひいては光学的距離Lとの関係が適正となって、欠陥面の目視検査を良好に行なえることを把握することができる。
【0053】
下記の表2は、ストライプ格子4の透光線と遮光線との透過率の差の適正な数値範囲を求めるために、本発明者が行なった実験結果を示すものである。この実験は、透光線の幅が0.34mm、遮光線の幅が0.16mmのストライプ格子4を使用し、パネル6のシールエッジ面6xを上向きにし且つフェース部6aの外表面6a1をストライプ格子4に接触させた状態で、上述の光学的距離Lを20mm、管理基準値を0.75とし、透光線と遮光線との透過率の差を下記の表2における7種類として、欠陥面の検査を目視により行なったものである。ここで、透過率は、無色透明である場合に略100%となるものであって、下記の表2中における透過率差は、その数値が小さければコントラストが弱く、その数値が大きければコントラストが強いことを示している。なお、下記の表2において、◎印は、欠陥面が明瞭に見えるもの、○印は、明瞭ではないが欠陥面を認識できるもの、△印は、欠陥面を見ることができるものの目が疲れて検査ができなくなるもの、×印は、欠陥面が認識できないものを意味している。
【0054】
【表2】
【0055】
この実験結果によれば、透光線と遮光線との透過率の差が、32%以上で且つ75%以下であれば、微小欠点の検出を良好に行なえることを把握することができる。また、透光線の幅が0.22mmで且つ遮光線の幅が0.12mm、透光線の幅が0.3mmで且つ遮光線の幅が0.14mm、透光線の幅が0.39mmで且つ遮光線の幅が0.18mm、透光線の幅が0.48mmで且つ遮光線の幅が0.19mmの各ストライプ格子について、上記と同様の実験を行なったところ、何れのストライプ格子においても上記表2に示す事項と略同様の結果が得られた。この事実と上記表1に示す実験結果とを勘案すれば、透光線の幅が遮光線の幅の1.8倍〜2.5倍程度であり且つ管理基準値が0.5〜1.0の範囲内(好ましくは0.6〜0.9)の範囲内にある場合において、透光線と遮光線との透過率の差が30%〜80%程度であれば、欠陥面を適切に浮かび上がらせて良好に目視検査を行なえることを把握することができる。
【0056】
以上の実験結果は、所謂フラットパネルについて述べたものであるが、フェース部が曲面を呈するパネルでも同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0057】
図5(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係るパネルの検査装置を例示するものである。この検査装置は、シールエッジ面6xが上向きとされたパネル6をその長軸方向に沿って搬送する搬送手段(支持手段)としてのローラコンベヤ10と、このローラコンベヤ10の下方に所定寸法離隔して配置されたストライプ格子4と、このストライプ格子4の下方に配置された箱状の基台1と、この基台1の内部に収容された複数の光源2とを主たる要素として構成されている。そして、ローラコンベヤ10、ストライプ格子4、及び複数の光源2列は、パネル6のフェース部6aの内表面6a2を検査者が見易くなるように、検査者の居る側が低くなるように傾斜して配列されている。なお、パネル6、ストライプ格子4、基台1、及び光源2は、上述の第1実施形態に係るものと同一の構成であるので、その説明を省略する。
【0058】
ローラコンベヤ10の幅方向両側縁部には、パネル6の長軸寸法よりも僅かに長いガイド部材11が固定設置されると共に、この両ガイド部材11の相互間には、パネル6のフェース部6aの有効領域に対応する開口部12が設けられている。すなわち、フェース部6aの有効領域に対応する部位のローラ10aは、フェース部6aの有効領域を除外した短軸方両側縁部のみを支持できるように短くされている。この場合、フェース部6aの外表面6a1とストライプ格子4との離隔寸法は、例えば3〜15mmとされている。そして、ローラコンベヤ10におけるガイド部材11が設置されている部位及び/またはストライプ格子4は、図示しない昇降機構により上下動可能とされ、これによりフェース部6aの外表面6a1とストライプ格子4との離隔寸法が変更可能とされている。
【0059】
このような構成によれば、ローラコンベヤ10により搬送されてきたパネル6が、ストライプ格子4の直上方近傍に差し掛かった場合には、パネル6がガイド部材11に案内移動されると同時に、ローラコンベヤ10の搬送速度が目視検査を行なう上で適切な速さ、或いは速度ゼロとなる。そして、検査者は、パネル6のフェース部6aの有効領域が開口部12の上方に位置している間に、フェース部6aの内表面6a2側の目視空間からフェース部6aを目視する。この場合、必要に応じて、フェース部6aの外表面6a1とストライプ格子4との離隔寸法を変化させ、或いは、ストライプ格子4をマスクピッチが異なる他のものと取り替える。このようにすれば、ストライプ格子4のマスクピッチの大きさを、フェース部6aの外表面6a1からストライプ格子4までの距離との関係において最適値とすることができる。
【0060】
そして、この第2実施形態においても、上述の第1実施形態と同一の条件及び同一の態様で欠陥面を浮かび上がらせて目視により検査することが可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る検査方法によれば、光源から発せられた光を透明体の被検査部位に照射し、光源と反対側からその透過光を目視するという手法と、ストライプ格子を介して透明体の被検査部位に光を照射するという手法とを採用し、ストライプ格子を通過する光に対して有効な回折を生じさせることにより、被検査面の欠陥面を正常面とは異なる視覚的態様として目視識別可能に浮かび上がらせるようにしたから、作業性の改善並びに装置の簡素化を図りつつ、確実且つ容易に欠陥面を検出することが可能となり、検査作業に要する労苦並びに疲労が激減することになる。
【0062】
また、前記ストライプ格子のマスクピッチに基づいて、該ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離を設定すれば、ストライプ格子を通過する回折光の光特性が、被検査面の面状態に起因して生じるチラツキ現象を低減または消失させる上でより好ましいものとなり、一層高い確実性をもってチラツキ現象を抑えつつ欠陥面を明確に目視可能に浮かび上がらせることが可能となる。
【0063】
この場合、前記ストライプ格子の透光線の幅をt1、遮光線の幅をt2として、(t1+t2)×3の演算値であるマスクピッチをTとすると共に、前記ストライプ格子からこれに対面する前記被検査部位の表面までの距離をa、前記ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離をb、前記被検査部位の屈折率をnとして、a+{(b−a)×n}の演算値である光学的距離をLとした場合に、T/Lの演算値が0.05〜0.1となるようにすれば、ストライプ格子から被検査面までの距離に対してマスクピッチが相対的に小さくなり過ぎたり、或いは大きくなり過ぎたりする事態が回避され、このようなマスクピッチの過度な相対的大小が原因となって欠陥面が明確に目視可能に浮かび上がらなくなるという不具合がより一層確実に回避される。
【0064】
更に、前記ストライプ格子の透光線と遮光線との透過率の差を、30%〜80%に設定すれば、ストライプ格子のコントラストが弱くなり過ぎることによる光の回折現象の不適切化、及びストライプ格子のコントラストが強くなり過ぎることによる目の疲れ等が回避され、欠陥面の見落とし等の発生確率が極めて低くなる。
【0065】
そして、前記透明体の被検査部位を、陰極線管用ガラスパネルのフェース部とすれば、フェース部の内表面にスティップルが形成されていること等に起因して生じるチラツキ現象を防止或いは抑制して欠陥面を目視可能に浮かび上がらせる効果を顕著に得ることができる。
【0066】
一方、本発明に係る検査装置によれば、検査テーブルの透光部にストライプ格子を配置して、その一方側に光源を配置し、他方側に被検査部位を有する透明体を配置すると共に、前記ストライプ格子として、マスクピッチの異なるものを複数種備えたから、被検査部位の表面から出射した光を、光源と反対側から検査者が目視することによって、欠陥面の検出を容易に行なえる等の利点が得られることに加えて、ストライプ格子から被検査面までの距離が相違する複数種の透明体に対して最も適切なマスクピッチのストライプ格子を選択して使用することが可能となり、欠陥面の目視検査の最適化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る透明体の検査装置の全体構成を示す概略正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る透明体の検査装置の全体構成を示す概略平面図である。
【図3】図2に示す検査装置により透明体の欠陥面を検出した状態を示す概略平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る透明体の検査装置のストライプ格子を示す要部概略平面図である。
【図5】図5(a)は、本発明の第2実施形態に係る透明体の検査装置の要部概略平面図、図5(b)は、その検査装置の要部概略側面図である。
【符号の説明】
2 光源(蛍光ランプ)
3 検査テーブル
4 ストライプ格子
4a 透光線
4b 遮光線
6 透明体(陰極線管用ガラスパネル)
6a 被検査部位(フェース部)
6a1 フェース部外表面
6a2 フェース部内表面
X 目視空間
【産業上の利用分野】
本発明は、透明体の検査方法及びその装置に関し、特に該透明体の表面に存する肌荒れ等の欠陥面を光学的特性を利用して目視により検出するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、例えば溶融ガラスを成型してなる透明体の表面には、品質低下や不良廃棄処分の原因となる欠陥面が部分的に存在する場合がある。その一例として、陰極線管用ガラスパネル(以下、単にパネルという)の製造過程においては、プレス成型時に溶融ガラスのプレス成型品に対する型の抜け性或いは離型性の悪化が原因となって、当該パネルのフェース部の内表面に例えば肌荒れ等の欠陥面が生成される場合がある。
【0003】
このフェース部内表面に生成される欠陥面は、最終製品の商品価値を低下させるだけでなく、その内表面に蛍光膜を形成する際の成膜性の悪化、ひいては画質低下等のパネルの本質的機能を阻害する要因となり、製品として採用不能となる事態を招く。このため、パネル単体の状態でフェース部外表面を鏡面仕上げする研摩工程が実行された後、またはその研摩工程が実行される前に、該パネルに上述の欠陥面が存在するか否かを検査して良品及び不良品の判別が行われる。
【0004】
この検査の手法としては、従来より、例えば蛍光ランプ等の光源から発せられた光をパネルのフェース部に照射し、その反射光または透過光に基づいて、フェース部内表面における欠陥面を検出することが行われている。
【0005】
また、これと関連して、パネルのフェース部内表面や内部には、プレス成型時に溶融ガラスに付着し或いは混入した異物等が原因となって、例えば0.03mm〜0.1mm程度のピットと称せられる凹部や泡等の微小欠点が生成されて固化する場合があり、この種の微小欠点についても上記と同様に、パネルのフェース部からの反射光または透過光を利用してその検出が行われている。
【0006】
以上のようなパネルのフェース部における欠陥面や微小欠点の検出を光を利用して行なう手法は、大別すると、検査者が目視によりフェース部からの反射光または透過光を観察する手法と、フェース部からの反射光または透過光を撮像手段により画像として取り込み、その画像を演算手段を用いて自動解析する手法とに区分される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の撮像手段や演算手段等を用いて自動解析を行なう手法によれば、検査装置の大型化及び複雑化やコストの高騰を招くばかりでなく、検出精度の誤差を予め考慮すると、限度付近のものは不良と判断され、その結果、良品であるにも拘わらず廃棄処分とされる等の事態を惹き起こして無駄が生じる。
【0008】
特に、フェース部内表面における肌荒れ等の欠陥面の検出については、上述の反射光や透過光を撮像手段で取り込んだ場合に、その画像上で欠陥面と正常面とを明確に区別することが困難であるばかりでなく、そのような区別を明確に行なって自動解析するに至る検査装置を製作することも困難とされているのが実情である。
【0009】
したがって、フェース部内表面に生成されている欠陥面の検出を行なう場合には、検査者による目視検査が不可欠な作業となる。しかしながら、面の状態が正常か否かを検査者が視界中で捉えようとしても、正常な領域と欠陥が生じている領域との間に明瞭な輪郭が存在するものではないことから、検査者の多大な注意力や労苦、更には目の負担を強いられることになる。
【0010】
しかも、パネルのフェース部内表面には、プレス成型時の離型性や蛍光膜の生膜性を良好にすることを目的として、スティップルと称せられる梨地状の微小凹凸が形成されている。因みに、このフェース部内表面の表面粗さは、十点平均粗さで0.5μm〜数μm程度である。
【0011】
この場合、光源から発せられる光は、パネルのフェース部内表面に存在する欠陥面の検出を行うに足る充分な強度(光度)を有していなければならず、したがってパネルのフェース部には高強度の光が入射する。このため、フェース部を透過する透過光が上記スティップルの存在により散乱した場合には、散乱光が高輝度特性を示すことになり、この高輝度の散乱光が所謂チラツキ現象となって検査者に目視される。そして、このチラツキ現象が原因となって、検査者が欠陥面を視認し難くなり或いは全く視認できなくなり、見落としや誤検出等の弊害を招き、検査作業がより一層困難となる。
【0012】
なお、特開平7−110302号公報によれば、被検査物体である透明板と照明光源との間に、透明部と不透明部とを有するマスクを配設し、照明光源による透明板の透過光をテレビカメラで撮像して、透明板の欠陥を検出するように構成した欠陥検出装置が開示されている。
【0013】
この欠陥検出装置によれば、透明板の内部に例えば気泡でなる欠陥が存在している場合に、その透明板の内部に、マスクの透明部を通過した光による明部と、マスクの不透明部により遮光された暗部とを生じさせることが行なわれる。そして、透明体の内部の気泡には、暗部から光が当らないため、これが陰影となることに着目して、その気泡の輪郭をコントラストのある像として検出するものである。
【0014】
しかしながら、この装置は、同公報に記載されているように、テレビカメラの撮像信号から透明板の欠陥を検出するための微分回路等で構成された欠陥検出回路を備えているばかりでなく、照明光源はテレビカメラの撮像信号に同期して発光するように構成されているため、既述のように装置の複雑化やコストの高騰を招くと共に、検出精度の誤差を予め考慮すると、限度付近のものは不良と判断されてしまう欠点がある。
【0015】
しかも、この装置が検査対象としている気泡等の微小欠点には輪郭が存在しているが、上述のように欠陥面には正常面との間に明確な輪郭が存在していないため、この装置による検出手法を、仮に目視検査による欠陥面の検出に採用したとしても、輪郭が明確でない欠陥面を検査者が視力で見つけ出すことは困難な事であって、相当の注意力をもって目視検査を行なっても、見落としや誤検出を確実に回避できるものではない。
【0016】
更に、上述のように透明体にチラツキ現象が生じる場合に、この装置のように透明体の内部に単に明部と暗部とを生じさせるという光学的手法のみを用いたのでは、そのチラツキ現象による目視検査の困難化を回避できるものではなく、より有効な光学的特性の利用が望まれる。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、チラツキ現象が生じ得る陰極線管用ガラスパネル等の透明体の表面に存在している欠陥面を、有効な光学的特性を利用して確実且つ容易に目視により検出できるようにすることを技術的課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を達成するため、本発明者が鋭意努力をした結果、ストライプ格子を通過する光の回折という光学的特性を有効利用すれば、パネルのフェース部内表面におけるスティップルの存在によるチラツキ現象を低減もしくは消失させた上で、その内表面に存在している肌荒れ等の欠陥面を目視により正常面と判別できるようになることを知見した。
【0019】
このような知見に基づいてなされた本発明は、光源からの光を、透光線と遮光線とを交互に配列したストライプ格子を介して透明体の被検査部位に照射し、該被検査部位を透過する透過光を前記光源と反対側から目視により観察して、前記被検査部位の欠陥を検出する透明体の検査方法であって、前記ストライプ格子を通過する回折光により、前記被検査部位の被検査面における欠陥面を正常面と異なる視覚的態様として目視識別可能に浮かび上がらせることを特徴とするものである。
【0020】
すなわち、基本的に、蛍光ランプ等の光源から発せられた光を透明体の被検査部位に照射し、光源と反対側からその透過光を検査者が目視するという手法と、ストライプ格子を介して透明体の被検査部位に光を照射するという手法とを採用した場合、ストライプ格子を通過する光に対して有効な回折(回折による干渉を含む)を生じさせれば、検査者の視界中で、被検査部位の正常面を通して見えるストライプ格子の透光線と遮光線との境界が滲んでぼやけた状態となり、その全域が略均一な形態の粒子の集合として見える。これに対して、欠陥面については正常面とは異なる形態の粒子の集合として見えるという現象を知見したことに基づいて本発明はなされたものである。
【0021】
ここで、「ストライプ格子」とは、シート状或いはフィルム状の薄板もしくはテーブルに、無色或いは有色の透光線と、黒色系或いは青色系を含む寒色系の遮光線とを交互に形成したもの、または遮光性を有するシート状或いはフィルム状の薄板もしくはテーブルに、透光線としてのスリットを所定ピッチで形成したもの、または透光性を有するシート状或いはフィルム状の薄板もしくはテーブル等の上面に、遮光線を所定ピッチで直接形成したもの等である。
【0022】
また、「欠陥面を正常面と異なる視覚的態様として目視識別可能に浮かび上がらせる」とは、検査者が透明体の被検査部位を目視した場合に、欠陥面の粒子の大きさ及び/または粒子の色の濃さ等が正常面のそれとは充分異なるものとなって、欠陥面を正常面と明確に区別して視認できる状態になることを意味している。このような現象が生じるのは、主としてストライプ格子を通過する光の回折を適切に生じさせれば、好都合な光拡散作用が得られることに起因するものであると考えられる。
【0023】
すなわち、透明体の被検査部位としてパネルのフェース部を例にとると、このフェース部の内表面には、既述のように十点平均粗さが0.5μm〜数μm程度のスティップルが形成されている。そして、光源からは欠陥面を検出するに足る高強度の光が発せられるが、仮にストライプ格子を介在させずに光源からの光をフェース部の外表面に照射したならば、この光がフェース部の内表面から出射する際に、スティップルの存在により散乱して高輝度の散乱光となり、この散乱光がチラツキ現象となって検査者に目視される。これに対して、光源からの光をストライプ格子を介してフェース部の外表面に照射することによって、ストライプ格子の透光線を透過する光に対して適切な回折を生じさせれば、要請に合致した光拡散作用が得られ、この拡散された光がフェース部の内表面のスティップルで効果的に散乱するため、その散乱光の光学的特性が好ましい態様に変化し、これに伴って上述のチラツキ現象が防止或いは抑制されると考えられる。
【0024】
この場合、フェース部内表面に存在する欠陥面は、スティップルとは異なる表面粗さの面として生成されるものであって、この種の欠陥面を光が通過する際には、その欠陥面においてスティップルとは異なる態様の光の散乱が生じる。そして、ストライプ格子を介在させない場合には、欠陥面で散乱した目視されるべき光が、フェース部内表面のスティップルで散乱した高輝度の散乱光の中に混然として混じり合った状態となるため、単にチラツキ現象が検査者によって目視されるに過ぎず、この結果、欠陥面の検出ができなくなるものと考えられる。一方、ストライプ格子を介在させた場合には、フェース部内表面のスティップルによるチラツキ現象が防止或いは抑制されているため、欠陥面における散乱光は、正常面における散乱光とは異なる態様となって現われ、この結果、欠陥面が正常面に対して目視識別可能に浮かび上がるものと考えられる。
【0025】
以上のように、チラツキ現象を防止或いは抑制することに伴なって欠陥面が正常面と異なる視覚的態様で浮かび上がるという事実に照らせば、「透明体の被検査部位」は、チラツキ現象が生じ得る面特性を備えていること、すなわち被検査部位の少なくとも一方の面の十点平均粗さが0.5μm〜数μm程度となっていることが条件とされる。したがって、例えばパネルのフェース部の外表面が未研磨状態である場合または研磨された状態である場合において、光源からの光をストライプ格子を介してフェース部の内表面に照射し、その外表面から出射した光を検査者が目視した場合にも、上記と同様に欠陥面が正常面とは異なる視覚的態様で浮かび上がることになる。つまり、フェース部の外表面から光が入射した場合と内表面から光が入射した場合との何れであっても、欠陥面を目視識別できるように浮かび上がらせることが可能である。この事は、本発明者が行なった実験により判明している。このような事実を勘案すれば、上記の条件を満たす面特性を備えた被検査部位を有する透明体であれば、陰極線管用ガラスパネル以外であってもよいことになる。なお、「欠陥面」とは、肌荒れ等が生じている面に限られるわけではなく、上記の条件を満たす正常面とは異なる面を意味するものであり、またピット、泡、肉ムラ等が原因となって生じる欠陥面をも含むものである。
【0026】
この検査方法においては、前記ストライプ格子のマスクピッチに基づいて、該ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離を設定することが好ましい。すなわち、ストライプ格子を通過する回折光の光特性は、マスクピッチに応じて変化するものであって、しかもその回折光が既述のチラツキ現象を低減または消失させるか否かは、ストライプ格子から被検査面(スティップルまたはこれに準じる微小凹凸が形成された面)までの距離に応じて決まる。したがって、ストライプ格子のマスクピッチに応じて、該ストライプ格子から被検査面までの距離を変化させれば、より一層高い確実性をもってチラツキ現象を抑えつつ欠陥面を明確に目視可能に浮かび上がらせることが可能となる。なお、マスクピッチとは、ストライプ格子の透光線の幅をt1、遮光線の幅をt2とすれば、(t1+t2)×3の演算結果として得られる値である。
【0027】
そして、前記マスクピッチをTとすると共に、前記ストライプ格子からこれに対面する前記被検査部位の表面までの距離をa、前記ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離をb、前記被検査部位の屈折率をnとして、a+{(b−a)×n}の演算値である光学的距離をLとした場合に、T/Lの演算値が0.05〜0.1であることが好ましい。すなわち、このT/Lの演算値は、チラツキ現象を抑えつつ欠陥面を明確に目視可能に浮かび上がらせることができるか否かを判断する指標となる値であって、この値が0.05未満であると、ストライプ格子から被検査面までの距離に対してマスクピッチが相対的に小さくなり過ぎ、またこの値が0.1を超えると、ストライプ格子から被検査面までの距離に対してマスクピッチが相対的に大きくなり過ぎ、何れの場合にも欠陥面が明確に目視可能に浮かび上がらなくなるおそれがある。したがって、この値が上記の範囲内となるように設定しておけば、欠陥面が適正に浮かび上がることになる。
【0028】
また、前記ストライプ格子の透光線と遮光線との透過率の差は、30%〜80%に設定されていることが好ましい。すなわち、この透過率の差が30%未満であると、ストライプ格子のコントラストが弱くなり過ぎ、ストライプ格子を通過する光の回折が充分に生じなくなると考えられ、欠陥面が目視可能に浮かび上がらなくなるおそれがある。一方、この透過率の差が80%を超えると、ストライプ格子のコントラストが強くなり過ぎ、目が疲れること等に起因して、欠陥面の見落とし等の発生確率が高くなるおそれがある。したがって、この透過率が上記の数値範囲内にあれば、このような不具合を回避することができる。
【0029】
そして、前記透明体の被検査部位の一例として、陰極線管用ガラスパネルのフェース部を挙げることができる。すなわち、陰極線管用ガラスパネルは、内表面に既述のようなスティップルが形成されているため、ストライプ格子を介在させずにそのフェース部の外表面に光を照射し且つその内表面から光を出射させた場合には著しいチラツキ現象が生じ、またフェース部の内表面に光を照射し且つその外表面から光を出射させた場合にも同様にチラツキ現象が生じる。したがって、陰極線管用ガラスパネルのフェース部に対して本発明に係る検査方法を適用すれば、チラツキ現象を防止或いは抑制して欠陥面を目視可能に浮かび上がらせる効果を顕著に得ることができる。
【0030】
なお、前記ストライプ格子の透光線の幅は、遮光線の幅の1.8倍〜2.5倍に設定されていることが好ましい。これは、複数種のパネルについて本発明者が行った実験結果から把握できる事項であると同時に、上記透光線の幅が遮光線の幅の1.8倍未満の場合及び2.5倍超の場合には、回折による適切な光拡散作用が得られないこと等に起因して、欠陥面が目視可能に明確に浮かび上がらなくなると判断できることによるものである。
【0031】
更に、上記ストライプ格子のマスクピッチは、0.8mm〜1.9mmに設定されていることが好ましい。これについても、複数種のパネルについて本発明者が行った実験結果から把握できる事項であると同時に、マスクピッチが0.8mm未満の場合及び1.9mm超の場合には、回折による適切な光拡散作用が得られないこと等に起因して、欠陥面が目視可能に明確に浮かび上がらなくなると判断できることによるものである。
【0032】
また、上記ストライプ格子の表面及び/または裏面には、有色透光性フィルムを装着することが好適である。このようにすれば、光源からの光がストライプ格子を通過する際には、有色透光性フィルムをも透過することになり、これにより透過グレア(光透過によるまぶしさ)が除去され、目視による欠陥面の検出がより一層確実化されると共に、検査者の目の疲労等が効果的に軽減される。なお、有色透光性フィルムとしては、薄あずき色や薄青色のフィルムが好ましく、また有色透光性フィルムはストライプ格子と重ねられ、透明保護フィルムで挟まれたラミネート構造を有していることが好ましい。或いは、このように有色透光性フィルムを装着することに代えて、光源からの光自体を有色光とするような構成、または有色光を発するような光源を用いるようにしてもよい。
【0033】
更に、少なくとも前記光源から目視空間までの領域は、外光の照射が低減された外光低減領域とされていることが好ましい。このようにすれば、光源からストライプ格子及び透明体の被検査部位を介して目視空間に至る光路が、外光(目的外の光)によって乱されるという事態が回避され、常に適正な光学的特性を維持しつつ目視による検査を最適条件下で行うことが可能となる。なお、検査を行う室全体を暗室または半暗室とすれば、上記の外光低減領域が必然的に形成される。
【0034】
一方、本発明に係る透明体の検査装置は、透光部を有する検査テーブルと、該検査テーブルの透光部の一方側に配置された光源と、前記検査テーブルの透光部の他方側に配置された被検査部位を有する透明体と、該検査テーブルの透光部に配置され且つ所定幅の透光線と遮光線とが交互に配列されたストライプ格子とを備えると共に、前記ストライプ格子として、マスクピッチの異なるものを複数種備えたことを特徴とするものである。
【0035】
このような構成によれば、光源からの光は、検査テーブルの透光部に配置されたストライプ格子を通過して透明体の被検査部位の一方側表面に照射されることになり、且つ該被検査部位の他方側表面から出射した光は、光源と反対側から検査者によって目視され得ることになる。この場合、ストライプ格子としては、マスクピッチの異なる複数種のものを備えていることから、被検査部位の肉厚が相違すること等に起因して同一の位置にセットしていたならばストライプ格子から被検査面までの距離(或いは上述の光学的距離L)が相違する複数種の透明体について、それらの検査を行なう場合には、それぞれの透明体に対して最も適切なマスクピッチのストライプ格子を選択して使用することが可能となる。なお、欠陥面を浮かび上がらせて目視により検出することに関する事項は、既に述べた該当する事項と同一であるので、その説明を省略する。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る透明体の検査装置を模式的に示す概略正面図、図2はその検査装置の概略平面図、図3はその検査装置により検出された透明体の欠陥面を示す概略平面図である。
【0037】
図1及び図2に示すように、透明体の検査装置は、上方が開口する箱状の基台1と、該基台1の内部に収容された蛍光ランプ等でなる複数の光源2と、これらの光源2の上方に配置され且つ基台1の上方開口部を覆うように固定設置された透光部を有する検査テーブル3と、該検査テーブル3の透光部の上面に敷設されたストライプ格子4とを備える。
【0038】
前記ストライプ格子4は、この実施形態では、ビニール等の透明樹脂製シートに所定ピッチで青色系または黒色系の遮光線4bを付して構成されたものである。したがって、前記透明樹脂製シートには、透明な透光線4aと青色系または黒色系の遮光線4bとが交互に配列された状態となっている。なお、このストライプ格子4の表面には、透過グレアを除去するために、薄あずき色または薄青色等の有色フィルムを重ね、これらを透明樹脂製保護フィルムで挟むラミネート構造を有している。
【0039】
前記ストライプ格子4の上面には、透明体としての陰極線管用パネル(以下、単にパネルという)6が載置されている。このパネル6は、対角軸上における外表面6a1の曲率半径が10000mm以上に設定された略矩形のフェース部6aを有し、このフェース部6aが被検査部位とされている。そして、このパネル6は、シールエッジ面6xを上向きにした状態で載置されて、フェース部6aの外表面6a1がストライプ格子4の上面に接触している。
【0040】
一方、パネル6のフェース部6aの上方、換言すればフェース部6aの内表面6a2側には、検査者がそのフェース部6aを観察するための目視空間Xが設けられている。そして、この検査装置を用いて下記のような検査作業を実行する場合には、この検査装置が設置される作業室が暗室または半暗室とされる。したがって、光源2から目視空間Xに至る領域は、外光の照射が低減または遮断された外光低減領域とされている。なお、検査テーブル3は、検査者の居る側が低くなるように傾斜していることが好ましい。また、検査作業を行なう場合には、検査者がパネル6を手で持ってその外表面6a1をストライプ格子4から離反させ、その離反距離を変化させるようにしてもよく、或いは図外の支持手段もしくは昇降装置等によってパネル6を支持させてその外表面6a1をストライプ格子4から離反させ、その離反距離を変化させるようにしてもよい。
【0041】
以上のような構成を備えた検査装置によれば、光源2から発せられた光は、検査テーブル3の透光部を透過した後、ストライプ格子4を通過し、更にその後にパネル6のフェース部6aを透過して目視空間Xに達する。そして、検査者は、パネル6の外表面6a1がストライプ格子4に接触した状態で、もしくはパネル6の外表面6a1をストライプ格子4から適宜離反させた状態で、目視空間Xからパネル6のフェース部6aを見る。
【0042】
この場合、該フェース部6aの内表面6a2に肌荒れ等の欠陥面が存在していなければ、検査者の視界中には、図2に示すように、パネル6のフェース部6aの全域が、略均一な色の濃さで且つ略均一な大きさの粒子の集合として現われる。つまり、パネル6のフェース部6aの全域に亘って、ストライプ格子4の透光線4aと遮光線4bとの境界が滲んだ状態となり、且つ両線4a、4bの判別ができない程度までぼやけた状態となる。
【0043】
一方、前記フェース部6aの内表面6a2に肌荒れ等の欠陥面が存在していると、検査者の視界中には、図3に示すように、上述の正常面の領域Aにおける粒子とは大きさが異なる粒子の集合、または領域Aとは密度が異なる粒子の集合、もしくは領域Aとは色の濃さが異なる粒子の集合である欠陥面の領域Bが明確に浮かび上がる。具体的には、欠陥面の領域Bは、正常面の領域Aと比較して、粗さが粗くなったようなザラツキのある状態となって浮かび上がる。
【0044】
このような現象が生じる原因について考察すれば、以下に示す通りとなる。すなわち、パネル6のフェース部6aの内表面6a2には、十点平均粗さが0.5〜1.7μm程度の梨地状のスティップルが形成されている。したがって、仮にストライプ格子4を介在させずに光源2からの光をフェース部6aの外表面6a1に照射したならば、光がフェース部6aの内表面6a2から出射する際にスティップルの存在により散乱して、高輝度の散乱光となるため、目視空間Xから見た検査者の視界中には所謂チラツキ現象となって現われる。
【0045】
これに対して、図1及び図2に例示するような状態でストライプ格子4を介在させた場合には、光源2からの光がストライプ格子4を通過する際に好都合な光の回折が生じると共に、これに起因して適切な光拡散作用が生じる。そして、この拡散された光は、スティップルの存在により更に散乱するため、その散乱光の光学的特性が要請に合致するように変化して、上述のチラツキ現象が抑制され或いは消え失せると考えられる。
【0046】
この場合、フェース部6aの内表面6a2に存在する欠陥面は、スティップルとは異なる表面粗さの面であるため、この欠陥面を光が通過する際には、スティップルとは異なる態様の光の散乱が生じる。そして、仮にストライプ格子4を介在させなければ、欠陥面で散乱した目視されるべき光が、フェース部6aの内表面6a2のスティップルで散乱した高輝度の散乱光の中に混然として混じり合った状態となるため、単にチラツキ現象が検査者によって目視されるに過ぎず、この結果、欠陥面の検出ができなくなるものと考えられる。
【0047】
これに対して、ストライプ格子4を介在させた場合には、フェース部6aの内表面6a2のスティップルによるチラツキ現象が防止或いは抑制されているため、欠陥面における散乱光は、正常面における散乱光とは異なる態様となって現われ、この結果、欠陥面が正常面に対して目視識別可能に浮かび上がるものと考えられる。
【0048】
この検査装置を使用して以上のような検査を行なうに際しては、ストライプ格子4のマスクピッチに応じて、そのストライプ格子4から被検査面であるフェース部6aの内表面6a2までの距離を変化させること、換言すればその距離に応じてストライプ格子4のマスクピッチを変化させることが好ましい。ここで、マスクピッチとは、図4に示すように、ストライプ格子4の透光線4aの幅をt1、遮光線4bの幅をt2とした場合に、(t1+t2)×3の演算結果として得られる値Tである。
【0049】
そして、ストライプ格子4からこれに対面するフェース部6aの外表面6a1までの距離をa、ストライプ格子4からフェース部6aの内表面6a2(被検査面)までの距離をb、フェース部6aのガラスの屈折率をnとして、a+{(b−a)×n}の演算値である光学的距離をLとした場合に、T/Lの演算値は、0.05〜0.1であることが好ましい。
【0050】
下記の表1は、上記T/Lの適正な数値範囲を求めるために、本発明者が行なった実験結果を示すものである。この実験は、図1に示すように、パネル6のシールエッジ面6xを上向きにし且つフェース部6aの外表面6a1をストライプ格子4に接触させた状態で行なったものである。したがって、上記の光学的距離Lを算出する式中、aは、ゼロであって、且つ、bは、フェース部6aの肉厚となる。なお、ガラスの屈折率nは、1.5とした。また、下記の表1中における管理基準値とは、光学的距離Lが10mmあたりのマスクピッチTの割合、つまりT/L×10の演算値を示している。なお、下記の表1において、◎印は、欠陥面(肌荒れ状態)が明瞭に見えるもの、○印は、明瞭ではないが欠陥面が充分認識できるもの、▲印は、明瞭ではないが欠陥面の範囲が認識できるもの、×印は、欠陥面が認識できないものを意味している。
【0051】
【表1】
【0052】
上記の表1における本発明の実施例と比較例とを対比すれば、管理基準値が0.5〜1.0の範囲内、好ましくは0.6〜0.9の範囲内にあれば、すなわちT/Lの演算値が0.05〜0.1の範囲内、好ましくは0.06〜0.09の範囲内にあれば、ストライプ格子4のマスクピッチTと、該ストライプ格子4からフェース部6aの内表面6a2(被検査面)までの距離bひいては光学的距離Lとの関係が適正となって、欠陥面の目視検査を良好に行なえることを把握することができる。
【0053】
下記の表2は、ストライプ格子4の透光線と遮光線との透過率の差の適正な数値範囲を求めるために、本発明者が行なった実験結果を示すものである。この実験は、透光線の幅が0.34mm、遮光線の幅が0.16mmのストライプ格子4を使用し、パネル6のシールエッジ面6xを上向きにし且つフェース部6aの外表面6a1をストライプ格子4に接触させた状態で、上述の光学的距離Lを20mm、管理基準値を0.75とし、透光線と遮光線との透過率の差を下記の表2における7種類として、欠陥面の検査を目視により行なったものである。ここで、透過率は、無色透明である場合に略100%となるものであって、下記の表2中における透過率差は、その数値が小さければコントラストが弱く、その数値が大きければコントラストが強いことを示している。なお、下記の表2において、◎印は、欠陥面が明瞭に見えるもの、○印は、明瞭ではないが欠陥面を認識できるもの、△印は、欠陥面を見ることができるものの目が疲れて検査ができなくなるもの、×印は、欠陥面が認識できないものを意味している。
【0054】
【表2】
【0055】
この実験結果によれば、透光線と遮光線との透過率の差が、32%以上で且つ75%以下であれば、微小欠点の検出を良好に行なえることを把握することができる。また、透光線の幅が0.22mmで且つ遮光線の幅が0.12mm、透光線の幅が0.3mmで且つ遮光線の幅が0.14mm、透光線の幅が0.39mmで且つ遮光線の幅が0.18mm、透光線の幅が0.48mmで且つ遮光線の幅が0.19mmの各ストライプ格子について、上記と同様の実験を行なったところ、何れのストライプ格子においても上記表2に示す事項と略同様の結果が得られた。この事実と上記表1に示す実験結果とを勘案すれば、透光線の幅が遮光線の幅の1.8倍〜2.5倍程度であり且つ管理基準値が0.5〜1.0の範囲内(好ましくは0.6〜0.9)の範囲内にある場合において、透光線と遮光線との透過率の差が30%〜80%程度であれば、欠陥面を適切に浮かび上がらせて良好に目視検査を行なえることを把握することができる。
【0056】
以上の実験結果は、所謂フラットパネルについて述べたものであるが、フェース部が曲面を呈するパネルでも同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0057】
図5(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係るパネルの検査装置を例示するものである。この検査装置は、シールエッジ面6xが上向きとされたパネル6をその長軸方向に沿って搬送する搬送手段(支持手段)としてのローラコンベヤ10と、このローラコンベヤ10の下方に所定寸法離隔して配置されたストライプ格子4と、このストライプ格子4の下方に配置された箱状の基台1と、この基台1の内部に収容された複数の光源2とを主たる要素として構成されている。そして、ローラコンベヤ10、ストライプ格子4、及び複数の光源2列は、パネル6のフェース部6aの内表面6a2を検査者が見易くなるように、検査者の居る側が低くなるように傾斜して配列されている。なお、パネル6、ストライプ格子4、基台1、及び光源2は、上述の第1実施形態に係るものと同一の構成であるので、その説明を省略する。
【0058】
ローラコンベヤ10の幅方向両側縁部には、パネル6の長軸寸法よりも僅かに長いガイド部材11が固定設置されると共に、この両ガイド部材11の相互間には、パネル6のフェース部6aの有効領域に対応する開口部12が設けられている。すなわち、フェース部6aの有効領域に対応する部位のローラ10aは、フェース部6aの有効領域を除外した短軸方両側縁部のみを支持できるように短くされている。この場合、フェース部6aの外表面6a1とストライプ格子4との離隔寸法は、例えば3〜15mmとされている。そして、ローラコンベヤ10におけるガイド部材11が設置されている部位及び/またはストライプ格子4は、図示しない昇降機構により上下動可能とされ、これによりフェース部6aの外表面6a1とストライプ格子4との離隔寸法が変更可能とされている。
【0059】
このような構成によれば、ローラコンベヤ10により搬送されてきたパネル6が、ストライプ格子4の直上方近傍に差し掛かった場合には、パネル6がガイド部材11に案内移動されると同時に、ローラコンベヤ10の搬送速度が目視検査を行なう上で適切な速さ、或いは速度ゼロとなる。そして、検査者は、パネル6のフェース部6aの有効領域が開口部12の上方に位置している間に、フェース部6aの内表面6a2側の目視空間からフェース部6aを目視する。この場合、必要に応じて、フェース部6aの外表面6a1とストライプ格子4との離隔寸法を変化させ、或いは、ストライプ格子4をマスクピッチが異なる他のものと取り替える。このようにすれば、ストライプ格子4のマスクピッチの大きさを、フェース部6aの外表面6a1からストライプ格子4までの距離との関係において最適値とすることができる。
【0060】
そして、この第2実施形態においても、上述の第1実施形態と同一の条件及び同一の態様で欠陥面を浮かび上がらせて目視により検査することが可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る検査方法によれば、光源から発せられた光を透明体の被検査部位に照射し、光源と反対側からその透過光を目視するという手法と、ストライプ格子を介して透明体の被検査部位に光を照射するという手法とを採用し、ストライプ格子を通過する光に対して有効な回折を生じさせることにより、被検査面の欠陥面を正常面とは異なる視覚的態様として目視識別可能に浮かび上がらせるようにしたから、作業性の改善並びに装置の簡素化を図りつつ、確実且つ容易に欠陥面を検出することが可能となり、検査作業に要する労苦並びに疲労が激減することになる。
【0062】
また、前記ストライプ格子のマスクピッチに基づいて、該ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離を設定すれば、ストライプ格子を通過する回折光の光特性が、被検査面の面状態に起因して生じるチラツキ現象を低減または消失させる上でより好ましいものとなり、一層高い確実性をもってチラツキ現象を抑えつつ欠陥面を明確に目視可能に浮かび上がらせることが可能となる。
【0063】
この場合、前記ストライプ格子の透光線の幅をt1、遮光線の幅をt2として、(t1+t2)×3の演算値であるマスクピッチをTとすると共に、前記ストライプ格子からこれに対面する前記被検査部位の表面までの距離をa、前記ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離をb、前記被検査部位の屈折率をnとして、a+{(b−a)×n}の演算値である光学的距離をLとした場合に、T/Lの演算値が0.05〜0.1となるようにすれば、ストライプ格子から被検査面までの距離に対してマスクピッチが相対的に小さくなり過ぎたり、或いは大きくなり過ぎたりする事態が回避され、このようなマスクピッチの過度な相対的大小が原因となって欠陥面が明確に目視可能に浮かび上がらなくなるという不具合がより一層確実に回避される。
【0064】
更に、前記ストライプ格子の透光線と遮光線との透過率の差を、30%〜80%に設定すれば、ストライプ格子のコントラストが弱くなり過ぎることによる光の回折現象の不適切化、及びストライプ格子のコントラストが強くなり過ぎることによる目の疲れ等が回避され、欠陥面の見落とし等の発生確率が極めて低くなる。
【0065】
そして、前記透明体の被検査部位を、陰極線管用ガラスパネルのフェース部とすれば、フェース部の内表面にスティップルが形成されていること等に起因して生じるチラツキ現象を防止或いは抑制して欠陥面を目視可能に浮かび上がらせる効果を顕著に得ることができる。
【0066】
一方、本発明に係る検査装置によれば、検査テーブルの透光部にストライプ格子を配置して、その一方側に光源を配置し、他方側に被検査部位を有する透明体を配置すると共に、前記ストライプ格子として、マスクピッチの異なるものを複数種備えたから、被検査部位の表面から出射した光を、光源と反対側から検査者が目視することによって、欠陥面の検出を容易に行なえる等の利点が得られることに加えて、ストライプ格子から被検査面までの距離が相違する複数種の透明体に対して最も適切なマスクピッチのストライプ格子を選択して使用することが可能となり、欠陥面の目視検査の最適化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る透明体の検査装置の全体構成を示す概略正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る透明体の検査装置の全体構成を示す概略平面図である。
【図3】図2に示す検査装置により透明体の欠陥面を検出した状態を示す概略平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る透明体の検査装置のストライプ格子を示す要部概略平面図である。
【図5】図5(a)は、本発明の第2実施形態に係る透明体の検査装置の要部概略平面図、図5(b)は、その検査装置の要部概略側面図である。
【符号の説明】
2 光源(蛍光ランプ)
3 検査テーブル
4 ストライプ格子
4a 透光線
4b 遮光線
6 透明体(陰極線管用ガラスパネル)
6a 被検査部位(フェース部)
6a1 フェース部外表面
6a2 フェース部内表面
X 目視空間
Claims (6)
- 光源からの光を、透光線と遮光線とを交互に配列したストライプ格子を介して透明体の被検査部位に照射し、該被検査部位を透過する透過光を前記光源と反対側から目視により観察して、前記被検査部位の欠陥を検出する透明体の検査方法であって、
前記ストライプ格子を通過する回折光により、前記被検査部位の被検査面における欠陥面を正常面と異なる視覚的態様として目視識別可能に浮かび上がらせることを特徴とする透明体の検査方法。 - 前記ストライプ格子のマスクピッチに基づいて、該ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離を設定することを特徴とする請求項1に記載の透明体の検査方法。
- 前記ストライプ格子の透光線の幅をt1、遮光線の幅をt2として、(t1+t2)×3の演算値であるマスクピッチをTとすると共に、前記ストライプ格子からこれに対面する前記被検査部位の表面までの距離をa、前記ストライプ格子から前記被検査部位の被検査面までの距離をb、前記被検査部位の屈折率をnとして、a+{(b−a)×n}の演算値である光学的距離をLとした場合に、T/Lの演算値が0.05〜0.1であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明体の検査方法。
- 前記ストライプ格子の透光線と遮光線との透過率の差を、30%〜80%に設定したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の透明体の検査方法。
- 前記透明体の被検査部位は、陰極線管用ガラスパネルのフェース部であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の透明体の検査方法。
- 透光部を有する検査テーブルと、該検査テーブルの透光部の一方側に配置された光源と、前記検査テーブルの透光部の他方側に配置された被検査部位を有する透明体と、該検査テーブルの透光部に配置され且つ所定幅の透光線と遮光線とが交互に配列されたストライプ格子とを備えると共に、前記ストライプ格子として、マスクピッチの異なるものを複数種備えたことを特徴とする透明体の検査装置。
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JP2011096011A (ja) * | 2009-10-29 | 2011-05-12 | Toshiba Corp | 搬送監視装置および搬送監視方法 |
CN105067639A (zh) * | 2015-07-20 | 2015-11-18 | 丹阳市精通眼镜技术创新服务中心有限公司 | 一种光栅调制的镜片疵病自动检测装置和方法 |
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-
2002
- 2002-08-05 JP JP2002227659A patent/JP2004069433A/ja not_active Withdrawn
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