JP2004067544A - 高純度ビス−(1(2)h−テトラゾール−5−イル)アミンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アジ化物塩とジシアナミド塩を原料として、副生物の生成を抑制し、高収率で高純度のビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを製造する方法を提供する。
【解決手段】アジ化物塩とジシアナミド塩をハロゲン化アンモニウムの存在下、非プロトン性極性溶媒中で加熱閉環反応を行い、反応液より溶媒を濃縮した後、pHが2以下となるように酸を添加することで生成するビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを高純度結晶として、高収率で得ることを特徴とするビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンの製造方法。
【選択図】 なし。
【解決手段】アジ化物塩とジシアナミド塩をハロゲン化アンモニウムの存在下、非プロトン性極性溶媒中で加熱閉環反応を行い、反応液より溶媒を濃縮した後、pHが2以下となるように酸を添加することで生成するビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを高純度結晶として、高収率で得ることを特徴とするビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンの製造方法。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明に属する技術分野】
本発明は低毒性で且つ取り扱い容易なエアーバック用ガス発生剤として、また高分子発泡剤としても有用なビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA)は下記式 (1) で表される化学構造を有するものである。
【化1】
また、その合成法として、下記に示す従来技術が知られている。
(従来技術1) WO 95/18802(1995)
従来技術1では、水溶媒中、ナトリウムジシアナミド(SDC)と、アジ化ナトリウムを塩化アンモニウム、ホウ酸塩、リン酸塩等の存在下、 ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA) を下記式 (2) で示される反応で合成することを記載している。
【化2】
【0003】
(従来技術 2) William P. Norris and Ronald A. Henry, J. Org. Chem., 29,650(1964)
従来技術2では、シアノグアニルアジド(CGA)水溶液にジイソプロピルアミンを添加し、該水溶液をトリメチルアンモニウム塩酸塩存在下、アジ化ナトリウムと反応させることにより、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA)を合成することが記載されている。
【化3】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1はナトリウムジシアナミドを出発原料として、アジ化ナトリウムと塩化アンモニウム、ホウ酸塩、リン酸塩等を用い水溶媒中反応させることによりビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを合成する方法である。しかしながら反応時間が18〜72時間と長く副生成物が多く生成するため純度の低い結晶しか得られないという欠点がある。追試を行った結果、純度89.5%、収率70%と低いものであり、品質的にも不十分であった。
【0005】
従来技術2はシアノグアニルアジドを出発原料として、水溶媒中アジ化ナトリウムとの加熱閉環反応によりビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを合成する方法である。しかしながら、この方法は5−アミノテトラゾール(5−AT)から合成したシアノグアニルアジドを単離しており操作が煩雑となる。また、還流下での反応時間が18時間と長いゆえ、副生成物の生成により純度の低い結晶しか得られないという欠点がある。追試を行った結果、純度85%、収率50%程度で極めて低いものであった。
【0006】
従って、本発明の目的は、アジ化物塩とジシアナミド塩を出発原料として、高純度のビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを高収率で製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、アジ化物塩とジシアナミド塩をハロゲン化アンモニウムの存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させることを特徴とする高純度ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンの製造方法が提供される。
本発明において、非プロトン性極性溶媒としては、N,N−ジ置換アミド系溶媒もしくはN−置換ラクタム系溶媒が特に好ましい。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明において重要な特徴は、ハロゲン化アンモニウムの存在下で、アジ化物塩とジシアナミド塩とを反応させてビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを製造するに際し、当該反応を非プロトン性極性溶媒中で行う点にある。即ち、非プロトン性極性溶媒中で反応を行うことにより、水溶媒中で反応を行う場合に比して、反応速度が向上して短時間で反応が進行し、この結果として、ジシアナミド塩もしくは中間体の分解による副生物の生成を抑制し、簡単な後処理操作により高収率で高純度のビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを得ることが可能となる。
【0009】
即ち、本発明によるビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンの製造では、アジ化物塩とジシアナミド塩をハロゲン化アンモニウムの存在下、非プロトン性極性溶媒中で加熱閉環反応させ、反応終了後、反応液より溶媒を濃縮しpHが2以下となるように酸を添加することにより、生成するビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン一水和物を、純度98%以上の高純度結晶として、収率80〜90%で得ることができる。得られた当該アミンの水和物は、例えば100℃程度で減圧乾燥することにより、容易にビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンとして、定量的収率で得ることができる。
後述する実施例から明らかな通り、本発明にしたがって非プロトン性極性溶媒を用いた場合には、得られるビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン水和物の結晶純度は、常に98%を越えているが、参考例1に示されているように、溶媒として水を用いた場合には、得られる当該アミン水和物の結晶純度は、高くとも95%程度である。
【0010】
本発明の反応機構は必ずしもこれに制限されるものではないが、下記式(4)の通り進行するものと思われる。
【化4】
【0011】
本発明に使用する非プロトン性極性溶媒は、N,N−ジ置換アミド系溶媒やN−置換ラクタム系溶媒が好適に使用される。N,N−ジ置換アミド系溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジイソプロピルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド等であり、N−置換ラクタム系溶媒の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等である。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好適である。これらの溶媒は、1種を単独で用いても2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。
【0012】
本発明では、ジシアナミド塩(A)当たりのアジ化物塩(B)のモル比(B/A)が2.0〜2.5となるように、またジシアナミド塩(A)当たりのハロゲン化アンモニウム (C)のモル比(C/A)が2.0〜3.5となるように原料を調整することが、収率及び純度の点で好ましい。
【0013】
アジ化物塩は、アジ化ナトリウムが入手容易であり、また通常の市販品を使用できる。
【0014】
ジシアナミド塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が使用できるが、ナトリウムジシアナミドが好適である。
【0015】
ハロゲン化アンモニウムは、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムが使用できるが、特に塩化アンモニウムが好適である。
【0016】
本発明における反応は、反応温度:100〜160℃、反応時間:0.5〜10時間、好ましくは110〜140℃、1〜8時間である。この範囲より低い温度でも、反応は進行するが反応速度が遅く閉環反応が完結せず長時間の反応となり、中間体およびその分解副生物が混入し、またこの範囲より高い温度では、ジシアナミド塩および中間体の熱分解による副反応のため品質及収率の低下をきたし好ましくない。反応圧力は、特に制限はない。
【0017】
反応終了後、通常の濃縮操作により溶媒を濃縮し、留出回収した溶剤は再使用する事が可能である。
【0018】
濃縮後、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを含む濃縮液に酸を添加することによりビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン一水和物を難溶性の結晶として得ることができる。この際、反応液のpHが2以下、好ましくは1以下となるように添加することが重要であり、pHが2以上の場合、収率の低下となる。
【0019】
添加する酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸類が使用できるが、特に塩酸が好適である。
【0020】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
なお、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン一水和物(BTA・H2O)の純度は、NaOH滴定及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で求めた。
【0021】
(実施例1 BT−5)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンの合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):28.6g (0.44 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):23.5g (0.44 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):19.7g(0.21 mol)
N,N−ジメチルホルムアミド:298.8g
を500mLフラスコに仕込み、110℃まで1時間で昇温し、110℃で8時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド (174.8g) を留去した。
濃縮液に水249.8gを添加後、69.9〜67.2℃の温度で36%塩酸49.8g(0.49 mol)を、50分かけて滴下した。その後21.3℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶33.5 g を得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:6時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O)28.7gを得た。
結晶収率:79.1%(SDC基準)
結晶純度:滴定値98.3%、HPLC分析値:99.70%
次いで、上記で得られたビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O)を乾燥温度:100℃、乾燥時間:4時間で減圧乾燥を行なって、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA)25.6gを得た。
【0022】
(実施例2 BT−13)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):14.4g(0.22 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):17.5g(0.324 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.8g(0.105 mol)
N,N−ジメチルアセトアミド:150g
を300mLフラスコに仕込み、130℃まで1.5時間で昇温し、130℃で2時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルアセトアミド88.5gを留去した。
濃縮液に水152.6gを添加後、66.4〜69.7℃の温度で36%塩酸26.0g(0.256 mol)を、30分かけて滴下した。その後17.0℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶24.3gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:5時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 15.3gを得た。
結晶収率:86.2%(SDC基準)
結晶純度:滴定値99.99%、HPLC分析値99.71%
【0023】
(実施例3 BT−9)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):14.3g(0.22 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):11.8g(0.22 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.7g(0.104 mol)
N,N−ジメチルホルムアミド:150g
を300mLフラスコに仕込み、130℃まで1時間で昇温し、130℃で4時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド86.3gを留去した。
濃縮液に水127.7gを添加後、68.2〜67.6℃の温度で36%塩酸25.1g(0.25 mol)を、30分かけて滴下した。その後16.4℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶16.7gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:4時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O)15.2gを得た。
結晶収率:85.1%(SDC基準)
結晶純度:滴定値99.84%、HPLC分析値99.77%
【0024】
(実施例4 BT−22)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン一水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):13.6g(0.208 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):11.9g(0.22 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.7g(0.104 mol)
N,N−ジメチルホルムアミド:150g
を300mLフラスコに仕込み、130℃まで1時間で昇温し、130℃で7時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド86.1gを留去した。
濃縮液に水120.1gを添加後、62.4〜60.4℃の温度で36%塩酸26.3g(0.259 mol)を、20分かけて滴下した。その後19.2℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶21.9gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:5時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 15.0gを得た。
結晶収率:82.8%(SDC基準)
結晶純度:滴定値98.3%、HPLC分析値99.28%
【0025】
(実施例5 BT−12)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):14.4g(0.22 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):11.8g(0.22 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.8g(0.105 mol)
N−メチル−ピロリドン:96g
を300mLフラスコに仕込み、140℃まで30分で昇温した。140℃で1時間、更に160℃で1時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N−メチル−ピロリドン59.4gを留去した。
濃縮液に水152.6gを添加後、58.6〜63.5℃の温度で36%塩酸25.9g(0.255 mol)を、40分かけて滴下した。その後22.3℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶23.9gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:6時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 16.3gを得た。
結晶収率:91.1%(SDC基準)
結晶純度:滴定値99.4%、HPLC分析値99.38%
【0026】
(実施例6 BT−14)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):14.4g(0.22 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):11.8g(0.22 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.8g(0.105 mol)
N−メチル−ピロリドン:100g
を300mLフラスコに仕込み、130℃まで1時間で昇温し、130℃で2時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N−メチル−ピロリドン59.7gを留去した。
濃縮液に水149.2gを添加後、75.6〜75.7℃の温度で36%塩酸25.9g(0.255 mol)を、30分かけて滴下した。その後20.0℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶20.7gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:4時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 16.2gを得た。
結晶収率:91.0%(SDC基準)
結晶純度:滴定値99.9%、HPLC分析値99.86%
【0027】
(参考例1 BT−4)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):172.6g(2.64 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):141.6g(2.61 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):116.9g(1.25 mol)
水:1200g
を2000mLフラスコに仕込み、100℃まで1時間で昇温して、100℃で18時間反応させた。
その後反応液に水300gを添加後、73.2〜69.8℃の温度で36%塩酸300.2g(2.961 mol)を、1時間かけて滴下した。その後21.4℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶220.9gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:6時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 157.4gを得た。
結晶収率:70.7%(SDC基準)
結晶純度:滴定値95.9%、HPLC分析値94.97%
【0028】
(参考例2 BT−19)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):68.5g(1.05 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):56.7g(1.05 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):46.9g(0.50 mol)
水:500g
を1000mLガラス製オートクレーブに仕込み、130℃まで1時間で昇温して、130℃で9時間反応させた。
その後反応液に水300gを添加後、72.4〜73.6℃の温度で36%塩酸125.6g(1.239 mol)を、1時間かけて滴下した。その後15.4℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶73.8gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:6時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 41.2gを得た。
結晶収率:42.9%(SDC基準)
結晶純度:滴定値89.0%、HPLC分析値78.82%
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、アジ化物塩とジシアナミド塩をハロゲン化アンモニウムの存在下、非プロトン性極性溶媒中で加熱閉環反応させることにより副生物の生成を抑制し、反応液より溶媒を濃縮しpHが2以下となるように酸を添加することにより、生成するビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを、高収率、高純度で製造することが可能になる。
【発明に属する技術分野】
本発明は低毒性で且つ取り扱い容易なエアーバック用ガス発生剤として、また高分子発泡剤としても有用なビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA)は下記式 (1) で表される化学構造を有するものである。
【化1】
また、その合成法として、下記に示す従来技術が知られている。
(従来技術1) WO 95/18802(1995)
従来技術1では、水溶媒中、ナトリウムジシアナミド(SDC)と、アジ化ナトリウムを塩化アンモニウム、ホウ酸塩、リン酸塩等の存在下、 ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA) を下記式 (2) で示される反応で合成することを記載している。
【化2】
【0003】
(従来技術 2) William P. Norris and Ronald A. Henry, J. Org. Chem., 29,650(1964)
従来技術2では、シアノグアニルアジド(CGA)水溶液にジイソプロピルアミンを添加し、該水溶液をトリメチルアンモニウム塩酸塩存在下、アジ化ナトリウムと反応させることにより、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA)を合成することが記載されている。
【化3】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1はナトリウムジシアナミドを出発原料として、アジ化ナトリウムと塩化アンモニウム、ホウ酸塩、リン酸塩等を用い水溶媒中反応させることによりビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを合成する方法である。しかしながら反応時間が18〜72時間と長く副生成物が多く生成するため純度の低い結晶しか得られないという欠点がある。追試を行った結果、純度89.5%、収率70%と低いものであり、品質的にも不十分であった。
【0005】
従来技術2はシアノグアニルアジドを出発原料として、水溶媒中アジ化ナトリウムとの加熱閉環反応によりビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを合成する方法である。しかしながら、この方法は5−アミノテトラゾール(5−AT)から合成したシアノグアニルアジドを単離しており操作が煩雑となる。また、還流下での反応時間が18時間と長いゆえ、副生成物の生成により純度の低い結晶しか得られないという欠点がある。追試を行った結果、純度85%、収率50%程度で極めて低いものであった。
【0006】
従って、本発明の目的は、アジ化物塩とジシアナミド塩を出発原料として、高純度のビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを高収率で製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、アジ化物塩とジシアナミド塩をハロゲン化アンモニウムの存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させることを特徴とする高純度ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンの製造方法が提供される。
本発明において、非プロトン性極性溶媒としては、N,N−ジ置換アミド系溶媒もしくはN−置換ラクタム系溶媒が特に好ましい。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明において重要な特徴は、ハロゲン化アンモニウムの存在下で、アジ化物塩とジシアナミド塩とを反応させてビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを製造するに際し、当該反応を非プロトン性極性溶媒中で行う点にある。即ち、非プロトン性極性溶媒中で反応を行うことにより、水溶媒中で反応を行う場合に比して、反応速度が向上して短時間で反応が進行し、この結果として、ジシアナミド塩もしくは中間体の分解による副生物の生成を抑制し、簡単な後処理操作により高収率で高純度のビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを得ることが可能となる。
【0009】
即ち、本発明によるビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンの製造では、アジ化物塩とジシアナミド塩をハロゲン化アンモニウムの存在下、非プロトン性極性溶媒中で加熱閉環反応させ、反応終了後、反応液より溶媒を濃縮しpHが2以下となるように酸を添加することにより、生成するビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン一水和物を、純度98%以上の高純度結晶として、収率80〜90%で得ることができる。得られた当該アミンの水和物は、例えば100℃程度で減圧乾燥することにより、容易にビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンとして、定量的収率で得ることができる。
後述する実施例から明らかな通り、本発明にしたがって非プロトン性極性溶媒を用いた場合には、得られるビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン水和物の結晶純度は、常に98%を越えているが、参考例1に示されているように、溶媒として水を用いた場合には、得られる当該アミン水和物の結晶純度は、高くとも95%程度である。
【0010】
本発明の反応機構は必ずしもこれに制限されるものではないが、下記式(4)の通り進行するものと思われる。
【化4】
【0011】
本発明に使用する非プロトン性極性溶媒は、N,N−ジ置換アミド系溶媒やN−置換ラクタム系溶媒が好適に使用される。N,N−ジ置換アミド系溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジイソプロピルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド等であり、N−置換ラクタム系溶媒の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等である。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好適である。これらの溶媒は、1種を単独で用いても2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。
【0012】
本発明では、ジシアナミド塩(A)当たりのアジ化物塩(B)のモル比(B/A)が2.0〜2.5となるように、またジシアナミド塩(A)当たりのハロゲン化アンモニウム (C)のモル比(C/A)が2.0〜3.5となるように原料を調整することが、収率及び純度の点で好ましい。
【0013】
アジ化物塩は、アジ化ナトリウムが入手容易であり、また通常の市販品を使用できる。
【0014】
ジシアナミド塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が使用できるが、ナトリウムジシアナミドが好適である。
【0015】
ハロゲン化アンモニウムは、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムが使用できるが、特に塩化アンモニウムが好適である。
【0016】
本発明における反応は、反応温度:100〜160℃、反応時間:0.5〜10時間、好ましくは110〜140℃、1〜8時間である。この範囲より低い温度でも、反応は進行するが反応速度が遅く閉環反応が完結せず長時間の反応となり、中間体およびその分解副生物が混入し、またこの範囲より高い温度では、ジシアナミド塩および中間体の熱分解による副反応のため品質及収率の低下をきたし好ましくない。反応圧力は、特に制限はない。
【0017】
反応終了後、通常の濃縮操作により溶媒を濃縮し、留出回収した溶剤は再使用する事が可能である。
【0018】
濃縮後、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを含む濃縮液に酸を添加することによりビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン一水和物を難溶性の結晶として得ることができる。この際、反応液のpHが2以下、好ましくは1以下となるように添加することが重要であり、pHが2以上の場合、収率の低下となる。
【0019】
添加する酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸類が使用できるが、特に塩酸が好適である。
【0020】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
なお、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン一水和物(BTA・H2O)の純度は、NaOH滴定及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で求めた。
【0021】
(実施例1 BT−5)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンの合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):28.6g (0.44 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):23.5g (0.44 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):19.7g(0.21 mol)
N,N−ジメチルホルムアミド:298.8g
を500mLフラスコに仕込み、110℃まで1時間で昇温し、110℃で8時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド (174.8g) を留去した。
濃縮液に水249.8gを添加後、69.9〜67.2℃の温度で36%塩酸49.8g(0.49 mol)を、50分かけて滴下した。その後21.3℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶33.5 g を得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:6時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O)28.7gを得た。
結晶収率:79.1%(SDC基準)
結晶純度:滴定値98.3%、HPLC分析値:99.70%
次いで、上記で得られたビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O)を乾燥温度:100℃、乾燥時間:4時間で減圧乾燥を行なって、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン(BTA)25.6gを得た。
【0022】
(実施例2 BT−13)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):14.4g(0.22 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):17.5g(0.324 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.8g(0.105 mol)
N,N−ジメチルアセトアミド:150g
を300mLフラスコに仕込み、130℃まで1.5時間で昇温し、130℃で2時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルアセトアミド88.5gを留去した。
濃縮液に水152.6gを添加後、66.4〜69.7℃の温度で36%塩酸26.0g(0.256 mol)を、30分かけて滴下した。その後17.0℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶24.3gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:5時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 15.3gを得た。
結晶収率:86.2%(SDC基準)
結晶純度:滴定値99.99%、HPLC分析値99.71%
【0023】
(実施例3 BT−9)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):14.3g(0.22 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):11.8g(0.22 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.7g(0.104 mol)
N,N−ジメチルホルムアミド:150g
を300mLフラスコに仕込み、130℃まで1時間で昇温し、130℃で4時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド86.3gを留去した。
濃縮液に水127.7gを添加後、68.2〜67.6℃の温度で36%塩酸25.1g(0.25 mol)を、30分かけて滴下した。その後16.4℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶16.7gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:4時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O)15.2gを得た。
結晶収率:85.1%(SDC基準)
結晶純度:滴定値99.84%、HPLC分析値99.77%
【0024】
(実施例4 BT−22)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン一水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):13.6g(0.208 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):11.9g(0.22 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.7g(0.104 mol)
N,N−ジメチルホルムアミド:150g
を300mLフラスコに仕込み、130℃まで1時間で昇温し、130℃で7時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド86.1gを留去した。
濃縮液に水120.1gを添加後、62.4〜60.4℃の温度で36%塩酸26.3g(0.259 mol)を、20分かけて滴下した。その後19.2℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶21.9gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:5時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 15.0gを得た。
結晶収率:82.8%(SDC基準)
結晶純度:滴定値98.3%、HPLC分析値99.28%
【0025】
(実施例5 BT−12)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):14.4g(0.22 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):11.8g(0.22 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.8g(0.105 mol)
N−メチル−ピロリドン:96g
を300mLフラスコに仕込み、140℃まで30分で昇温した。140℃で1時間、更に160℃で1時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N−メチル−ピロリドン59.4gを留去した。
濃縮液に水152.6gを添加後、58.6〜63.5℃の温度で36%塩酸25.9g(0.255 mol)を、40分かけて滴下した。その後22.3℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶23.9gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:6時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 16.3gを得た。
結晶収率:91.1%(SDC基準)
結晶純度:滴定値99.4%、HPLC分析値99.38%
【0026】
(実施例6 BT−14)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):14.4g(0.22 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):11.8g(0.22 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):9.8g(0.105 mol)
N−メチル−ピロリドン:100g
を300mLフラスコに仕込み、130℃まで1時間で昇温し、130℃で2時間反応させた。
その後反応液を減圧下で濃縮し、N−メチル−ピロリドン59.7gを留去した。
濃縮液に水149.2gを添加後、75.6〜75.7℃の温度で36%塩酸25.9g(0.255 mol)を、30分かけて滴下した。その後20.0℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶20.7gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:4時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 16.2gを得た。
結晶収率:91.0%(SDC基準)
結晶純度:滴定値99.9%、HPLC分析値99.86%
【0027】
(参考例1 BT−4)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):172.6g(2.64 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):141.6g(2.61 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):116.9g(1.25 mol)
水:1200g
を2000mLフラスコに仕込み、100℃まで1時間で昇温して、100℃で18時間反応させた。
その後反応液に水300gを添加後、73.2〜69.8℃の温度で36%塩酸300.2g(2.961 mol)を、1時間かけて滴下した。その後21.4℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶220.9gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:6時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 157.4gを得た。
結晶収率:70.7%(SDC基準)
結晶純度:滴定値95.9%、HPLC分析値94.97%
【0028】
(参考例2 BT−19)
ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物の合成
99.7%アジ化ナトリウム(NaN3):68.5g(1.05 mol)
99%塩化アンモニウム(NH4Cl):56.7g(1.05 mol)
95%ナトリウムジシアナミド(SDC):46.9g(0.50 mol)
水:500g
を1000mLガラス製オートクレーブに仕込み、130℃まで1時間で昇温して、130℃で9時間反応させた。
その後反応液に水300gを添加後、72.4〜73.6℃の温度で36%塩酸125.6g(1.239 mol)を、1時間かけて滴下した。その後15.4℃まで冷却し、析出した結晶を分離、水洗し、wet結晶73.8gを得た。
乾燥温度:70℃、乾燥時間:6時間で減圧乾燥を行い、ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミン−水和物(BTA・H2O) 41.2gを得た。
結晶収率:42.9%(SDC基準)
結晶純度:滴定値89.0%、HPLC分析値78.82%
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、アジ化物塩とジシアナミド塩をハロゲン化アンモニウムの存在下、非プロトン性極性溶媒中で加熱閉環反応させることにより副生物の生成を抑制し、反応液より溶媒を濃縮しpHが2以下となるように酸を添加することにより、生成するビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを、高収率、高純度で製造することが可能になる。
Claims (12)
- アジ化物塩とジシアナミド塩をハロゲン化アンモニウムの存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させることを特徴とする高純度ビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンの製造方法。
- アジ化物塩が、アジ化ナトリウムである請求項1記載の製造方法。
- ジシアナミド塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩である請求項1記載の製造方法。
- ジシアナミド塩が、ナトリウムジシアナミドである請求項1または3記載の製造方法。
- 非プロトン性極性溶媒が、N,N−ジ置換アミド系溶媒もしくはN−置換ラクタム系溶媒である請求項1記載の製造方法。
- N,N−ジ置換アミド系溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジイソプロピルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド及びN,N−ジエチルプロピオンアミドからなる群より選択された少なくとも1種である請求項5記載の製造方法。
- N−置換ラクタム系溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンである請求項5記載の製造方法。
- ハロゲン化アンモニウムが、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムである請求項1記載の製造方法。
- 前記反応を、100〜160℃で0.5〜10時間行い、反応後溶媒を濃縮し、該濃縮液に酸を添加しpH2以下とすることで生成するビス−(1(2)H−テトラゾール−5−イル)アミンを高純度結晶として得ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 酸が、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸である請求項9記載の製造方法。
- ジシアナミド塩(A)当たりのアジ化物塩(B)のモル比(B/A)が2.0〜2.5となるように反応させることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- ジシアナミド塩(A)当たりのハロゲン化アンモニウム (C)のモル比(C/A)が2.0〜3.5となるように反応させることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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JP2004323392A (ja) * | 2003-04-23 | 2004-11-18 | Toyo Kasei Kogyo Co Ltd | ビテトラゾールアミン化合物の製造方法 |
WO2007125585A1 (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | Toyo Kasei Kogyo Co., Ltd. | ビテトラゾールアミン化合物の製造方法 |
WO2008105505A1 (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-04 | Toyo Kasei Kogyo Co., Ltd. | ビス-(1(2)h-テトラゾール-5-イル)アミン化合物および反応中間体、ならびにその製造方法 |
-
2002
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WO2008105505A1 (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-04 | Toyo Kasei Kogyo Co., Ltd. | ビス-(1(2)h-テトラゾール-5-イル)アミン化合物および反応中間体、ならびにその製造方法 |
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