JP2004067489A - ジルコニア質焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電率の低下を軽減しつつ、強度劣化を抑制可能、特に100℃〜300℃の温度範囲、かつ、水又は水蒸気の存在する状況下であっても強度劣化を抑制可能なジルコニア質焼結体を提供すること。また、固体酸化物形燃料電池等の固体電解質として実用的な導電性を有し、構造上の信頼性にも優れたジルコニア質焼結体を提供すること。
【解決手段】安定化剤としてスカンジアを3〜6モル%含有するジルコニアに対して、ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物を含有させたジルコニア質焼結体とする。ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物の含有量は、前記スカンジアに対して、0.5〜2重量%の範囲が好ましく、焼結体の結晶相は主として、正方晶の相又は正方晶と立方晶の混合相からなることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジルコニア質焼結体に関し、更に詳しくは、固体酸化物形燃料電池の固体電解質等に用いて好適なジルコニア質焼結体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ジルコニア(ZrO)質焼結体は、高強度、高靱性等の特性を利用した切削工具やセラミックス製ハサミ、耐熱性等の特性を利用したエンジン用部品等、各種特性に応じた用途に幅広く使用されている。
【0003】
中でもジルコニア質焼結体の酸素イオン導電性を利用した固体酸化物形燃料電池(以下「SOFC」という。)は、エネルギー変換効率が高く、有害物質をほとんど出さないことから、クリーンかつ高効率な発電システムを構築することができるということで近年特に注目されている。
【0004】
この種のSOFCは、ジルコニア質焼結体を固体電解質として用いたもので、一般に、平板形、円筒形及び一体形の3種類の構造のものが良く知られている。例えば、平板形SOFCの構造は、自立膜式と支持膜式とに大別される。前者の自立膜式のSOFCは、平板状の固体電解質の両面に、水素、都市ガス等の燃料ガスが接する燃料極と、空気、酸素等の酸化剤が接する空気極とが接合され、更にその両側がセパレータにより挟持されてなる単セルが多数段積層された構造を備えている。
【0005】
一方、後者の支持膜式のSOFCは、厚さの極めて薄い固体電解質薄膜が厚さの厚い燃料極により支持されるとともに、この固体電解質薄膜の他方の面に厚さの薄い空気極が接合され、更にその両側がセパレータにより挟持されてなる単セルが多数段積層された構造を備えている。
【0006】
そしてこのような構成を備えた平板形SOFCの燃料極及び空気極に、それぞれ燃料ガス及び酸化剤が供給されると、空気極側の酸素分圧と燃料側の酸素分圧との間に差があることから、酸素は、空気極においてイオンとなり、固体電解質内を通って燃料極に運ばれ、燃料極に達した酸素イオンは、燃料ガスと反応して電子を放出する。そのため、燃料極及び空気極に負荷を接続すれば、電池反応の自由エネルギーの変化を、直接、電気エネルギーとして取り出して発電することができる。
【0007】
上記種々の用途に用いられるジルコニア質焼結体としては、具体的には、イットリア(Y)やスカンジア(Sc)等の希土類金属酸化物が所定量添加された安定化ジルコニアが広く知られている。
【0008】
この安定化ジルコニアは、単一成分からなるジルコニア(ZrO)が1150℃付近で単斜晶から正方晶へ結晶相が変化することに伴い体積変化を生じることから、この体積変化を防ぐ手段としてイットリア(Y)やスカンジア(Sc)等の希土類金属酸化物を安定化剤としてジルコニア中に固溶させ、結晶相の安定化を図ったものである。
【0009】
このようなジルコニア質焼結体としては、例えば、特公平2−20587号公報には、Yを2〜4.5モル%含有し、結晶相が主として正方晶に安定化されたジルコニア質焼結体が開示されている。
【0010】
また、特開昭61−26562号公報には、熱による経時劣化を抑制でき、かつ、高強度を有するジルコニア質焼結体として、Yを1.5〜5モル%含有するZrOの60〜99重量%と、アルミナ、アルミナ系酸化物、La、Nd等を含むジルコニア系複酸化物の1〜40重量%とからなるジルコニア質焼結体が開示されている。
【0011】
そしてまた、特開平6−329468号公報には、耐熱衝撃性や熱安定性に優れ、高強度を有するジルコニア質焼結体として、Dy、Ho、Er、Yb等を主安定化剤とし、特性向上剤としてLa、Pr、Nd等の酸化物を添加したジルコニア質焼結体が開示されている。
【0012】
他にも、特開2000−95564号公報には、優れた機械的強度と熱安定性を備えたジルコニア質焼結体として、Yを1.5〜4モル%の含有するZrOに対して、La、Pr及びNdからなる希土類金属元素を0.1〜3モル%含有し、結晶相が主として正方晶からなるジルコニア質焼結体が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平2−20587号公報に示されるような従来のジルコニア質焼結体は、100℃〜300℃の付近で長時間に亘り放置されると著しい強度劣化が生じるという欠点を有している。これは、ジルコニア質焼結体の結晶相のうち常温では準安定相である正方晶が安定相の単斜晶に自発的に相転移し、この相転移に伴う体積膨張により焼結体内に微少亀裂が発生するためである。そして特に、この相転移に起因する強度劣化は、水又は水蒸気の存在下において加速されることが分かっている(以下この種の劣化を「水熱劣化」という。)。
【0014】
そのため、例えば、このジルコニア質焼結体をSOFCの固体電解質として用いた場合、通常のSOFCの運転条件(約1000℃程度)においては、水熱劣化は別段問題にはならないが、SOFCの起動時や停止時においては、100℃〜300℃の温度範囲、かつ、水又は水蒸気の存在する状況となる場合があるため、水熱劣化の問題が顕在化することとなる。
【0015】
すなわち、SOFCでは、燃料ガスを数%加湿したり、都市ガスを改質するために多量の水を加えたりすることがあるため、SOFCの内部に水分が残留する可能性が多分にある。そのため、SOFCの起動停止時においては、SOFC内の固体電解質としてのジルコニア質焼結体が、水又は水蒸気の存在する状況下、かつ、100℃〜300℃の温度範囲に繰り返し曝されることとなる。したがって、水熱劣化によりジルコニア質焼結体に亀裂が生じ、ときには形態すら維持できなくなるほどの破壊が生じ、電池として有効な発電を維持することができなくなるといった問題が発生する。
【0016】
また、この水熱劣化の問題を回避するため、特開昭61−26562号公報、特開平6−329468号公報、特開2000−95564号公報等に開示されている、熱安定性に優れ、高強度を有するジルコニア質焼結体を固体電解質として適用した場合、確かに水熱劣化自体はある程度改善されるものの、依然として不十分なものであり、更には、固体電解質としての重要な特性の一つである導電率が低いといった問題点を有している。
【0017】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、導電率の低下を軽減しつつ、強度劣化を抑制可能、特に100℃〜300℃の温度範囲、かつ、水又は水蒸気の存在する状況下であっても強度劣化を抑制可能なジルコニア質焼結体を提供することにある。また、固体酸化物形燃料電池等の固体電解質として実用的な導電性を有し、構造上の信頼性にも優れたジルコニア質焼結体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため本発明者らは、種々の材料特性について鋭意研究を重ねた結果、従来のY−ZrO系のジルコニア質焼結体よりも酸素イオン導電性に優れたSc−ZrO系のジルコニア質焼結体の改良を図ったものである。
【0019】
すなわち、請求項1に記載のジルコニア質焼結体は、安定化剤としてスカンジアを3〜6モル%含有するジルコニアに対して、ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物を含有させてなることをを要旨とする。
【0020】
また、請求項2に記載のジルコニア質焼結体は、請求項1に記載のものであって、前記ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物の含有量は、前記ジルコニアに対して0.5〜2重量%であること要旨とする。
【0021】
また、請求項3に記載のジルコニア質焼結体は、請求項1又は2に記載のものであって、前記ランタンガレート系酸化物は、組成式La1−xGa1−y(但し、式中AはSr、Ca及びBaから選択される1種又は2種以上の元素、0≦x≦0.5、BはMg、Al、Fe及びInから選択される1種又は2種以上の元素、0≦y≦0.5)で表され、前記ランタンアルミネート系酸化物は、組成式La1−x’x’Al1−y’y’(但し、式中CはSr、Ca及びBaから選択される1種又は2種以上の元素、0≦x’≦0.5、DはGa及びInから選択される1種又は2種以上の元素、0≦y’≦0.5)で表されることを要旨とする。
【0022】
また、請求項4に記載のジルコニア質焼結体は、請求項1乃至3のいずれかに記載のものであって、前記ランタンガレート系酸化物はLaGaOであり、前記ランタンアルミネート系酸化物はLaAlOであることを要旨とする。
【0023】
また、請求項5に記載のジルコニア質焼結体は、請求項1乃至4のいずれかに記載のものであって、焼結体の結晶相が主として正方晶の相又は正方晶と立方晶の混合相からなることを要旨とする。
【0024】
また、請求項6に記載の固体電解質は、請求項1乃至5のいずれかに記載のジルコニア質焼結体よりなることを要旨とする。
【0025】
また、請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池は、請求項1乃至5のいずれかに記載のジルコニア質焼結体よりなる固体電解質を構成材料として用いたことを要旨とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るジルコニア質焼結体について詳細に説明する。本発明に係るジルコニア質焼結体は、安定化剤としてスカンジアを3〜6モル%含有するジルコニアに対して、ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物を含有させてなる。
【0027】
安定化剤としてのスカンジア(Sc)の含有量は、ジルコニア(ZrO)に対して3〜6モル%の範囲、好ましくは、3.5〜5モル%の範囲が良い。これは、スカンジア(Sc)の含有量が3〜6モル%の範囲内にある場合には、焼結体の結晶相が、実質的に単斜晶の相を含まず、主として正方晶又は正方晶と立方晶の混合相となるので、導電率と機械的強度とのバランスに優れたものとなるからである。
【0028】
スカンジアの含有量が3モル%より少ない場合には、単斜晶のジルコニア粒子が多く析出するので好ましくない。この単斜晶のジルコニア粒子は、導電率が著しく低く、イオン電導の障害となるため、固体電解質として用いた際に焼結体の全電気抵抗を増大させてしまうからである。また、単斜晶のジルコニア粒子は、温度変化による相転移(約1150℃付近で起こる)に伴う体積変化の主原因であることからもその存在は好ましくない。
【0029】
一方、スカンジアの含有量が6モル%より多い場合には、立方晶のジルコニア粒子の割合が多くなり、所望の機械的強度が得られなくなるので好ましくない。また、高価なスカンジアの含有量が多くなるため、ジルコニア質焼結体の低廉化を図ることができなくなる点においても好ましくない。
【0030】
次に、ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物の含有量は、上記所定量のスカンジアを含有するジルコニアに対して、0.5〜2重量%の範囲、好ましくは、0.5〜1重量%の範囲が良い。これは、マトリックスであるSc−ZrO系のジルコニア質焼結体の有する高い導電率を大きく低減させることなく強度劣化を抑制することが可能となるからであり、特には、100℃〜300℃の温度範囲、かつ、水又は水蒸気の存在する状況下であっても、結晶相の自発的な相転移が生じにくいため、効果的に水熱劣化を抑制することが可能となるからである。
【0031】
ランタンガレート系酸化物及若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物の含有量が0.5重量%より少ない場合には、ジルコニア質焼結体の水熱劣化を十分に抑制することができなくなる傾向があるので好ましくない。一方、ランタンガレート系酸化物及若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物の含有量が2重量%より多い場合には、水熱劣化の抑制効果はあるものの、導電率の低下が大きくなる傾向があるので好ましくない。また、ジルコニア質焼結体の低廉化を図ることができなくなる点においても好ましくない。
【0032】
この際、上記ランタンガレート系酸化物は、組成式La1−xGa1−yで示されるもので、AはSr、Ca及びBaから選択される1種又は2種以上の元素、BはMg、Al、Fe及びInから選択される1種又は2種以上の元素である。好ましくは、A元素はSr、B元素はMgである。
【0033】
また、xはA元素の原子比であり、0〜0.5、好ましくは0〜0.2の範囲に設定される。yはB元素の原子比であり、0〜0.5、好ましくは0〜0.2の範囲に設定される。x、yをともに0〜0.5の範囲に限定したのは、その範囲内では良好な導電率が得られる等、固体電解質として用いた場合の特性に優れるからである。
【0034】
なお、上記組成式において、酸素の原子比を3と表示したが、これは当業者には明らかなように、例えば、xが0でない場合には酸素空孔を生じるので、実際には酸素の原子比は3より小さい値をとることが多い。しかしながら、酸素空孔の数は、A、Bの添加元素の種類や製造条件によっても変化するので、便宜上、酸素の原子比を3として表示したものである。
【0035】
一方、上記ランタンアルミネート系酸化物は、組成式La1−x’x’Al1−y’y’で示されるもので、CはSr、Ca及びBaから選択される1種又は2種以上の元素、DはGa及びInから選択される1種又は2種以上の元素である。好ましくは、C元素はSr、D元素はGaである。
【0036】
また、x’はC元素の原子比であり、0〜0.5、好ましくは0〜0.2の範囲に設定される。y’はD元素の原子比であり、0〜0.5、好ましくは0〜0.2の範囲に設定される。x’、y’をともに0〜0.5の範囲に限定したのは、その範囲内では良好な導電率が得られる等、固体電解質として用いた場合の特性に優れるからである。なお、上記組成式において、酸素の原子比を3と表示した点については、上述したランタンガレート系酸化物の場合と同様である。
【0037】
ここで上記ランタンガレート系酸化物及びランタンアルミネート系酸化物は、ともにペロブスカイト型酸化物であるランタンガレート(LaGaO)及びランタンアルミネート(LaAlO)を基本構造とする複合酸化物であって、主成分であるLa、Ga、Al金属イオンを価数の異なる異種金属イオンと置換することにより酸素イオン導電性を向上させたものである。
【0038】
本願においては、所定量のスカンジアを含有するジルコニアに対して、ランタンガレート系酸化物、ランタンアルミネート系酸化物の基本構造であるランタンガレート(LaGaO)、ランタンアルミネート(LaAlO)を含有させることにより実用的な導電性を維持しつつ、効果的に水熱劣化を抑制することが可能である。
【0039】
そのため、ランタンガレート系酸化物、ランタンアルミネート系酸化物としてランタンガレート(LaGaO)、ランタンアルミネート(LaAlO)を用いた場合には、他の副成分が含有されていない分、焼結体製造プロセス等が簡単になってジルコニア質焼結体の低廉化を図り易いといった利点がある。すなわち、本発明に係るジルコニア質焼結体に含有されるランタンガレート系酸化物、ランタンアルミネート系酸化物は、ジルコニア質焼結体に要求される導電率、機械的強度等のスペックやコスト等に合わせて上述した組成式の範囲内で種々の調節が可能なものである。
【0040】
また、上記本発明に係るジルコニア質焼結体においては、所定量のスカンジアを含有するジルコニアに対して、ランタンガレート系酸化物のみ又はランタンアルミネート系酸化物のみを含有させても良いし、あるいは、ランタンガレート系酸化物とランタンアルミネート系酸化物とを任意の割合で混合したものを含有させても良く、特に限定されるものではない。
【0041】
しかしながら、両者の混合割合については、ランタンガレート系酸化物は、ランタンアルミネート系酸化物に比較して、マトリックスであるSc−ZrO系ジルコニア質焼結体の導電率の低下をより一層抑制することができるため、ランタンガレート系酸化物のみ又はランタンガレート系酸化物を多めに混合するのが好ましいと言える。
【0042】
次に、上記構成を有する本発明に係るジルコニア質焼結体を製造する製造方法について説明する。本発明に係るジルコニア質焼結体を製造するには、スカンジアを3〜6モル%含有するジルコニアに対して、ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物を所定量含有するように、ジルコニウム化合物及びスカンジウム化合物並びにランタンガレート系酸化物及び/又はランタンアルミネート系酸化物を用いて原料混合物を調製する原料調製工程、この原料混合物を600〜800℃で仮焼する仮焼工程、得られた仮焼体を粉砕し、成形して成形体とする仮焼・成形工程、及びこの成形体を1300〜1500℃で焼結する焼結工程を経ることによって製造することができる。以下、各工程について説明する。
【0043】
初めに原料調製工程において、ジルコニウム化合物及びスカンジウム化合物並びにランタンガレート系酸化物及び/又はランタンアルミネート系酸化物は、本発明に係るジルコニア質焼結体における組成となるように秤量し、原料混合物を調製すれば良い。すなわち、ジルコニウム化合物及びスカンジウム化合物については、スカンジア(Sc)の含有量が通常3〜6モル%程度、好ましくは3.5〜5モル%となるように配合する。
【0044】
また、ランタンガレート系酸化物、ランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物の含有量は、スカンジア(Sc)を含有するジルコニア(ZrO)に対して通常0.5〜2重量%、好ましくは0.5〜1重量%となるように配合すれば良い。これらの含有量は、使用するジルコニウム化合物、スカンジウム化合物、ランタンガレート系酸化物、ランタンアルミネート系酸化物等の種類や、ジルコニア質焼結体の用途等に応じて適宜調節することができる。
【0045】
ここで、上記ジルコニウム化合物としては、具体的には、ジルコニア、水酸化ジルコニウム、ジルコニウムの無機酸塩(オキシ塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等)、ジルコニウムの有機酸塩(酢酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウム、クエン酸ジルコニウム、マロン酸ジルコニウム等)等が挙げられる。
【0046】
また、スカンジウム化合物としては、具体的には、ジルコニア、水酸化スカンジウム、炭酸スカンジウム、スカンジウムの無機酸塩(硝酸スカンジウム、塩化スカンジウム、硫酸スカンジウム等)、スカンジウムの有機酸塩(酢酸スカンジウム、シュウ酸スカンジウム、クエン酸スカンジウム、マロン酸スカンジウム等)等が挙げられる。
【0047】
そしてまた、ランタンガレート系酸化物としては、具体的には、LaGaO、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2等が挙げられ、ランタンアルミネート系酸化物としては、具体的には、LaAlO、La0.9Ca0.2AlO等が挙げられる。
【0048】
上記原料混合物を調製する方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば中和共沈法、加水分解法、アルコキシド法(ゾルゲル法)等の化学合成法のほか、酸化物混合法等により調製することができる。
【0049】
例えば、中和共沈法による場合は、スカンジアの硝酸塩溶液等にランタンガレート系酸化物、ランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物を適量添加して溶解させ、この硝酸塩溶液にオキシ塩化ジルコニウム水溶液等を混ぜて所定の組成を備えた混合水溶液とする。そしてこの混合溶液をアンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリで中和共沈させ、得られた前駆体(主として水酸化物)を必要に応じて水洗・濾過することにより原料混合物を得ることができる。
【0050】
また、例えば、酸化物混合法による場合は、所定の組成となるようにジルコニア及びスカンジアにランタンガレート系酸化物、ランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物を配合し、ボールミル等で湿式混合し、乾燥することによって原料混合物を得ることができる。
【0051】
尚、上記原料混合物を調製する方法においては、ジルコニウム化合物及びスカンジウム化合物並びにランタンガレート系酸化物及び/又はランタンアルミネート系酸化物を一度に混合して調製しても良いし、所定量のスカンジアを含有するジルコニアと、ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物とを個別に調製し、後にこれらを混合して調製しても良く、特に限定されるものではない。
【0052】
また必要に応じて、焼結助剤や公知のバインダー(例えばポリビニルアルコール系バインダー、アクリル系バインダー等)等を原料混合物に適宜配合しても良い。
【0053】
次いで、仮焼工程において、上記得られた原料混合物を仮焼する。仮焼温度としては、通常500〜900℃程度、好ましくは600〜800℃とすれば良い。この仮焼は、主として、熱拡散により原料組成を均質化し、更には予めZrOの一部を正方晶へ相転移させることにより焼結工程での焼結を促進させるためのものである。
【0054】
仮焼温度が500℃未満である場合は、このような効果を十分に得られない傾向があり、仮焼温度が900℃を超える場合には、粉砕後においても凝集粒が残留し、これが大きな破壊点となってジルコニア質焼結体の強度が低下するおそれがあるので好ましくない。
【0055】
次いで、粉砕・成形工程において、上記得られた仮焼体を粉砕し、成形する。粉砕方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばボールミル、クラッシャーミル、サンドミル、振動ミル、ビーズミル等によって粉砕することができる。仮焼体は、粉状物、塊状物等の形態で得られるが、必要であれば更に粉砕して所望の形態にしても良い。粉砕する程度としては、適宜設定可能なものであるが、通常は平均粒径0.1〜1.0μm程度であり、好ましくは0.3〜0.7μmである。
【0056】
一方、成形方法についても、公知の方法を用いることができ、例えばプレス成形法、押出成形法、鋳込み成形法、CIP法、HIP法等を採用することができる。なお、本発明の製造方法では、成形に先立って、予めバインダーを用いて混練したり、造粒することもできる。バインダーとしては、前記と同様に、ポリビニルアルコール系バインダー等の公知のバインダーを使用することができる。
【0057】
最後に、焼結工程において、上記成形体の焼結を行う。この焼結方法としては、特に加圧焼結が好ましい。一層緻密なジルコニア質焼結体を製造することができるからである。焼結温度は、通常1300〜1500℃程度、好ましくは1350〜1450℃とすれば良い。焼結温度が1300℃未満の場合には、機械的特性が低い焼結体しか得られないので好ましくなく、1600℃を超える場合には、結晶粒の異常粒成長等が生じるため、所望の機械的特性が得られず好ましくない。
【0058】
以上により本発明に係るジルコニア質焼結体を得ることができる。この際、本発明に係るジルコニア質焼結体をSOFCの固体電解質として用いる場合には、上記粉砕・成形工程において、プレス成形法、テープ成形法等を用いて平板状に成形したり、あるいは、押出成形法、射出成形法等を用いて円筒状又はハニカム状に成形したりすれば良い。そしてこのようにして得られた成形体を焼結工程において組成に応じた最適な温度で焼結すれば、SOFC用の固体電解質が得られる。
【0059】
この場合、SOFCの固体電解質の厚みとしては、50〜300μmの範囲内、好ましくは、100〜200μmの範囲内にあるのが良い。厚みが50μmより薄い場合には、構造材料としての信頼性が低下する傾向があり、300μmより厚い場合には、電気抵抗が大きくなって、導電率が低下する傾向があるからである。
【0060】
そしてこのようにして得られた固体電解質の一方の面に、例えば、ニッケル40重量%−ジルコニア60重量%のニッケル−ジルコニアサーメット等をスラリー状にした燃料極材料を塗布して所定温度で焼結して燃料極を形成するとともに、固体電解質の他方の面に、例えば、ランタンストロンチウムマンガネート等をスラリー状にした空気極材料を塗布して所定温度で焼結して空気極を形成し、更にこの燃料極と空気極とを備えた固体電解質に、燃料ガス導入手段及び酸化剤ガス導入手段等を取り付ければ、SOFCが得られる。
【0061】
尚、燃料極及び空気極の塗布方法としては、具体的には、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、ハケ塗り法、スプレー法、ディッピング法等が好適な一例として挙げられるが、何れの方法を用いても良く、特に限定されるものではない。
【0062】
次に、本発明に係るジルコニア質焼結体の作用について述べる。上記ジルコニア質焼結体によれば、安定化剤としてスカンジアを3〜6モル%含有するジルコニアに対して、ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物が含有されているので、Sc−ZrO系のジルコニア質焼結体が有する高い導電率を大きく低減させることなく強度劣化を抑制することが可能となる。特に、100℃〜300℃の温度範囲、かつ、水又は水蒸気の存在する状況下であっても、結晶相の自発的な相転移が生じにくいため、効果的に水熱劣化を抑制することが可能となる。
【0063】
この際、ランタンガレート系酸化物が、上述した組成式La1−xGa1−yで表され、ランタンアルミネート系酸化物が、同じく上述した組成式La1−x’x’Al1−y’y’で表される場合には、主成分であるLa、Ga等の金属イオンが価数の異なる他の金属イオンに置換されることにより高い酸素イオン導電性が発現されるので、ランタンガレート系酸化物やランタンアルミネート系酸化物を含有させることによる焼結体の導電率の低下をより一層小さなものとすることができる。
【0064】
また、ランタンガレート系酸化物、ランタンアルミネート系酸化物としてランタンガレート(LaGaO)、ランタンアルミネート(LaAlO)を用いた場合には、ジルコニア質焼結体の実用的な導電性を維持しつつ、効果的に水熱劣化を抑制することが可能となることは勿論のこと、Sr等の他の副成分が含有されていない分、焼結体製造プロセス等が簡単になるので、ジルコニア質焼結体の低廉化を図り易いといった利点がある。
【0065】
したがって、このようなジルコニア質焼結体を例えば、SOFCの固体電解質として用いれば、十分な導電率を有しているので、電池の内部抵抗が減少して発電効率が高められるとともに、SOFCの起動停止を繰り返しても固体電解質の強度劣化、特に水熱劣化を招くことがなく、固体電解質としての構造上の信頼性に優れることから、長期に亘って安定して発電可能なSOFCを得ることが可能となる。
【0066】
また、本発明に係るジルコニア質焼結体は、上記SOFCの固体電解質以外にも、酸素センサ、酸素透過膜の固体電解質等、酸素イオン導電性を利用した各種用途に特に好適に用いることができるものである。例えば、酸素センサの固体電解質として用いれば、温度変化が激しく、結晶構造の経時変化が起き、性能が変わりやすい状況下であっても安定した特性を発現可能な酸素センサを得ることが可能となる。
【0067】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明に係るジルコニア質焼結体についてより具体的に説明する。
【0068】
(実施例1)
スカンジアを4モル%含有するジルコニア(以下「4ScSZ」という。)に対してランタンアルミネート(LaAlO)が1重量%含有されるように、4ScSZ及びLaAlOをそれぞれ秤量し、これに純水を加えてボールミル(ZrO玉石を使用)により湿式混合した。次いで、混合物を乾燥し、1000℃にて仮焼した。次いで、得られた仮焼粉を上記ボールミルにて解砕し、アクリル系バインダーを加えてスプレー造粒した後、成形圧1000kgf/cmにて一軸金型成形して成形体を成形した。次いで、1350℃、1400℃、1450℃、1500℃の各焼成温度により2時間焼成して各ジルコニア質焼結体を得た。
【0069】
尚、4ScSZは、第一稀元素化学工業株式会社製のものを使用した。また、ランタンアルミネート(LaAlO)は、LaとAlとをそれぞれ秤量し、これに純水を加えて上記ボールミルにより湿式混合した後、これを1200℃で2時間焼成することにより調製したものを使用した。
【0070】
(実施例2)
4ScSZに対して、ランタンアルミネート(LaAlO)に代えてランタンガレート(LaGaO)を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従い各ジルコニア質焼結体を得た。
【0071】
(実施例3)
4ScSZに対して、ランタンアルミネート(LaAlO)に代えてランタンガレート(LaGaO)を0.5、0.7、1.0、1.5、2.0重量%含有されるように、4ScSZ及びLaGaOをそれぞれ秤量し、これに純水を加えてボールミル(ZrO玉石を使用)により湿式混合したこと、及び、各成形体を1450℃の焼成温度により2時間焼成したこと以外は、実施例1と同様の手順に従い各ジルコニア質焼結体を得た。この際、ランタンガレート(LaGaO)を含有しない4ScSZ焼結体を比較として用いた。
【0072】
尚、ランタンガレート(LaGaO)は、LaとGaとをそれぞれ秤量し、これに純水を加えて上記ボールミルにより湿式混合した後、これを1200℃で2時間焼成することにより調製したものを使用した。
【0073】
(各種特性評価試験)
上記のようにして得られた実施例1、実施例2及び実施例3の各ジルコニア質焼結体について、オートクレーブ試験、結晶相及び導電率の測定を行った。すなわち、オートクレーブ試験は、実施例1、実施例2及び実施例3の各ジルコニア質焼結体をオートクレーブに入れ、250℃の熱水中又は水蒸気中(媒体:イオン交換水)にて50時間エージングを行った後、各焼結体の外観状態を確認することにより水熱劣化の有無を判断した。
【0074】
また、結晶相の測定は、実施例1、実施例2及び実施例3の各ジルコニア質焼結体表面を#600のダイヤモンド砥石で研磨した後、1〜5μmのダイヤモンド粒により鏡面に仕上げ、その表面を粉末X線回折により測定することにより行った。尚、測定は、水熱劣化試験後のものについても行った。
【0075】
また、導電率の測定は、実施例1、実施例2及び実施例3の各ジルコニア質焼結体の棒状試験片(20mm×3mm×4mm)に、電極として白金ペーストを1000℃で焼き付けたものを用い、300℃、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃の温度にて行った。この際、導電率の測定は、交流インピーダンス法(周波数100〜10MHz、静止大気中)により行い、測定された抵抗値と試験片の寸法から次式により導電率を求めた。
【0076】
【数1】
導電率σ(S/cm)=(1/抵抗値R(Ω))×試験片長さL(cm)/試験片断面積S(cm
【0077】
(試験結果)
表1に示すように、4ScSZに対してLaAlOを1重量%(wt%)含有させた実施例1、4ScSZに対してLaGaOを0.5〜2重量%(wt%)の範囲内で含有させた実施例2及び実施例3の焼結体については、水熱劣化を十分抑制することができたため、オートクレーブ試験後においても焼結体の形態を維持することができた。また、結晶相は、オートクレーブ試験の前後において正方晶となっており、相転移が生じていないことが分かる。
【0078】
【表1】
Figure 2004067489
【0079】
次に、図1は、1450℃の焼結温度で焼結した実施例3の焼結体におけるLaGaOの含有量と導電率との関係を示したものである。尚、図1においては比較のために、4ScSZ焼結体の導電率と、4ScSZに対してLaAlOを1重量%含有する(以下「4ScSZ+1wt%LaAlO」という)実施例1の焼結体の導電率も合わせて示した。
【0080】
図1によれば、4ScSZに対してLaGaOを0.5〜2重量%含有する(以下「4ScSZ+Xwt%LaGaO」という)実施例3の焼結体の導電率は、全て実用的な範囲であることが分かる。また、300℃〜800℃の全温度範囲に亘って実施例1の4ScSZ+1wt%LaAlOの焼結体より高い導電率を示していることも分かる。このことより、4ScSZに対してLaAlOを含有させるよりもLaGaOを含有させた方が、水熱劣化抑制効果が高く、マトリックスである4ScSZの導電率の低下をより軽減できることが分かる。
【0081】
本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能であることは勿論である。例えば、上記実施例では、4ScSZに対してLaAlO又はLaGaOを所定重量%含有させた焼結体を用いて説明したが、それ以外にも上述した所定モル%のスカンジアを含有するジルコニアに対して、上述した組成式を有するランランガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物を所定重量%含有させたものであっても本願特有の格別な作用、効果を奏するものである。
【0082】
【発明の効果】
本発明に係るジルコニア質焼結体によれば、安定化剤としてスカンジアを3〜6モル%含有するジルコニアに対して、ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物が含有されているので、Sc−ZrO系のジルコニア質焼結体が有する高い導電率を大きく低減させることなく強度劣化を抑制することが可能となる。特に、100℃〜300℃の温度範囲、かつ、水又は水蒸気の存在する状況下であっても、結晶相の自発的な相転移が生じにくいため、効果的に水熱劣化を抑制することができる。
【0083】
そのため、このジルコニア質焼結体を例えば、SOFCの固体電解質として用いれば、十分な導電率を有しているので、電池の内部抵抗が減少して発電効率が高められるとともに、SOFCの起動停止を繰り返しても固体電解質の強度劣化、特に水熱劣化を招くことがなく、固体電解質としての構造上の信頼性に優れることから、長期に亘って安定して発電可能なSOFCを得ることが可能となる。
【0084】
また他にも、このジルコニア質焼結体を例えば、酸素センサの固体電解質として用いれば、温度変化が激しく、結晶構造の経時変化が起き、性能が変わりやすい状況下であっても安定した特性を発現可能な酸素センサを得ることが可能となる等、その産業上の有用性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】1450℃の焼結温度で焼結した実施例3の焼結体におけるLaGaOの含有量と導電率との関係を示した図である。

Claims (7)

  1. 安定化剤としてスカンジアを3〜6モル%含有するジルコニアに対して、ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物を含有させてなることを特徴とするジルコニア質焼結体。
  2. 前記ランタンガレート系酸化物若しくはランタンアルミネート系酸化物又はこれらの混合物の含有量は、前記ジルコニアに対して0.5〜2重量%であることを特徴とする請求項1に記載のジルコニア質焼結体。
  3. 前記ランタンガレート系酸化物は、組成式La1−xGa1−y(但し、式中AはSr、Ca及びBaから選択される1種又は2種以上の元素、0≦x≦0.5、BはMg、Al、Fe及びInから選択される1種又は2種以上の元素、0≦y≦0.5)で表され、前記ランタンアルミネート系酸化物は、組成式La1−x’x’Al1−y’y’(但し、式中CはSr、Ca及びBaから選択される1種又は2種以上の元素、0≦x’≦0.5、DはGa及びInから選択される1種又は2種以上の元素、0≦y’≦0.5)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のジルコニア質焼結体。
  4. 前記ランタンガレート系酸化物はLaGaOであり、前記ランタンアルミネート系酸化物はLaAlOであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のジルコニア質焼結体。
  5. 焼結体の結晶相が主として正方晶の相又は正方晶と立方晶の混合相からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のジルコニア質焼結体。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のジルコニア質焼結体よりなる固体電解質。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載のジルコニア質焼結体よりなる固体電解質を構成材料として用いた固体酸化物形燃料電池。
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