JP2004066709A - 伝動ベルト - Google Patents

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Masami Sato
佐藤 雅巳
Haruhiko Nakamura
中村 晴彦
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Gates Unitta Asia Co
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Gates Unitta Asia Co
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Abstract

【課題】プーリ間の回転伝達の乱れを抑えることができ、振動による騒音を防止できる伝動ベルトを提供する。
【解決手段】金型5に帆布ジャケット4aを被せて、その外側に心線3を巻き付ける。さらに、未加硫ゴムシート6を巻き付け、その両端部7を重ね合わせる。あらかじめ、未加硫ゴムシート6の端部7にテーパー部9a、9bを形成しておく。両端部7を重ね合わせてなるラップ部8の厚みが他の部位における厚みとほぼ等しくなる。これにシェルバッグを被せて加硫釜内で加硫成形するとき、幅方向及び周方向に流動するラップ部8の未加硫ゴム量が少なくなる。未加硫ゴムの流動に伴う心線3の位置ずれ及び変形が生じにくくなる。原動プーリ及び従動プーリ間の回転伝達の乱れを抑えることができ、伝動ベルトの振動による騒音を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プーリに掛け巻きして使用される歯付ベルトやリブドベルト等の伝動ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プーリに掛け巻きして使用される歯付ベルトやリブドベルト等の伝動ベルトは、ゴム製で環状のベルト本体に、引張力を受け持つ心線がベルト本体の周方向に連続するように埋設されてなる。この伝動ベルトのうち、歯付ベルトは、そのベルト本体のベルト歯が帆布で被覆されて、その歯底付近に位置するように心線が埋設された構造となっている。
【0003】
歯付ベルトの製造方法としては、まず、図12(a)に示すように、ベルト歯に対応する歯溝101が形成された金型102の外周面に、帆布を環状に縫合してなる帆布ジャケット103を被せ、その外側に心線104及び未加硫ゴムシート105をこの順で巻き付け、未加硫ゴムシート105の両端部106を重ね合わせる。このとき、未加硫ゴムシート105は、その両端部106を重ね合わせてなるラップ部107の厚みが他の部位の厚みよりも厚くなっている。
【0004】
次いで、未加硫ゴムシート105の外側に筒状のシェルバッグを被せて加硫釜内で加熱加圧することにより、未加硫ゴムシート105の一部を金型102の歯溝101に流入させつつ、未加硫ゴムシート105をベルト本体108に加硫成形して歯付ベルト(歯付ベルトスラブ)を構成する。この歯付ベルト(歯付ベルトスラブ)をシェルバッグ及び金型101から取り外し、背面研磨、印刷及び所定幅への裁断を施して歯付ベルトの製造が完了する。ここで、図12(b)に示すように、ラップ部107は、加硫成形時にシェルバッグ側から加熱加圧することにより、その未加硫ゴムが幅方向及び周方向に流動する。
【0005】
リブドベルトは、例えば、リブゴムとその外周側を被覆する帆布との間に接着ゴムが介在され、リブゴム及び接着ゴム間に心線が埋設された構造となっている。このリブドベルトの製造方法としては、金型に、接着ゴムシートを外周側に貼付した帆布を環状に縫合してなる帆布ジャケットを被せ、その外側に心線及び未加硫ゴムシートをこの順で巻き付け、未加硫ゴムシートの両端部を重ね合わせる。
【0006】
次いで、未加硫ゴムシートの外側に筒状のシェルバッグを被せて加硫釜内で加熱加圧することにより、未加硫ゴムシートを加硫成形してゴム体(平ベルト)を構成する。このゴム体をシェルバッグ及び金型から取り外して所定幅に裁断した後、研磨等により加硫ゴムにリブを形成して裏返すことにより、リブドベルトの製造が完了する。歯付ベルトと同様、未加硫ゴムシートのラップ部は、加硫成形時にシェルバッグ側から加熱加圧することにより、その未加硫ゴムが幅方向及び周方向に流動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の伝動ベルトでは、未加硫ゴムシートを加硫成形するときに、そのラップ部の未加硫ゴムが幅方向及び周方向に流動するため、図12(b)に示すような心線の位置ずれや、伝動ベルトの厚さ方向への心線の変形を生じやすい。この心線の位置ずれや変形は、伝動ベルトによるプーリ間の回転伝達に乱れを生じさせるおそれがあり、これに伴う伝動ベルトの厚さ方向の振動による騒音の発生が懸念される。
【0008】
本発明は、心線の位置ずれや変形を生じにくいようにして、プーリ間の回転伝達の乱れを抑えることができ、伝動ベルトの振動による騒音を防止することができる伝動ベルトを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明は、未加硫ゴムシートの両端部を重ね合わせて環状に加硫成形されたベルト本体と、該ベルト本体に周方向に連続して埋設された心線とを備えた構造を前提として、加硫成形時の心線の位置ずれや変形が生じにくいようにして、プーリ間の回転伝達の乱れを抑えることができる伝動ベルトを提供するものである。なお、ベルト本体は、一枚の未加硫ゴムシートの両端部を重ね合わせて環状に加硫成形するだけでなく、複数枚の未加硫ゴムシートの端部同士を重ね合わせて環状に加硫成形するものであってもよい。
【0010】
未加硫ゴムシートの端部に先端側を薄くするテーパー部を形成し、シート両端のテーパー部のテーパー面同士を重ね合わせて、そのラップ部の厚みを他の部位の厚みとほぼ等しくする。そうすれば、未加硫ゴムシートを加硫成形する際に、幅方向及び周方向に流動するラップ部の未加硫ゴム量を少なくすることができるため、未加硫ゴムの流動に伴う心線の位置ずれや変形を防止することができる。
【0011】
シート両端のテーパー部は、そのテーパー面の周方向に対する傾斜角度を15°〜70°とすればよい。なお、テーパー面の傾斜角度が15°よりも小さければ、未加硫ゴムシートにテーパー部を形成するための加工が難しくなり、テーパー面の傾斜角度が70°よりも大きければ、ラップ部における接合面の面積が小さくなって、ラップ部にゴム収縮等による割れが生じやすくなる。
【0012】
テーパー部の先端を他方のテーパー部よりも周方向中央側にオーバーラップさせれば、その分、ラップ部の接合面の面積を大きくすることができ、ゴム収縮等によるラップ部の割れをより生じにくくさせることができる。ここで、オーバーラップの周方向の長さを10mm以下とすれば、テーパー部のうちのオーバーラップさせる部分の厚みを薄くして、ラップ部の厚みを他の部位における厚みとほぼ等しくすることができる。
【0013】
この伝動ベルトとしては、歯付ベルト及びリブドベルトを例示することができ、本発明は、これらの製造方法を提供する。このうち、歯付ベルトの製造方法としては、まず、ベルト歯に対応する歯溝(円弧歯溝、台形歯溝等)が形成された金型の外周面に、環状の帆布ジャケットを被せて、その外側に心線を巻き付け、次いで、その外側に未加硫ゴムシートを巻き付けて、この未加硫ゴムシートの両端部を重ね合わせる。
【0014】
さらに、その外側に筒状のシェルバッグを被せて加硫釜内で加熱加圧することにより、未加硫ゴムシートの一部を金型の歯溝に流入させつつ、この未加硫ゴムシートを加硫成形し、心線が埋設されたベルト本体のベルト歯を帆布で被覆してなる歯付ベルト(歯付ベルトスラブ)を構成する。その後、この歯付ベルト(歯付ベルトスラブ)をシェルバッグ及び金型から取り外し、背面研磨や印刷、所定幅への裁断等を施す。
【0015】
あらかじめ、未加硫ゴムシートの両端部に先端側を薄くするテーパー部を形成し、シート両端のテーパー部のテーパー面同士を重ね合わせて加硫成形する。そうすれば、未加硫ゴムシートのラップ部の厚みが他の部位における厚みとほぼ等しくなり、加硫成形時に幅方向及び周方向に流動するラップ部の未加硫ゴム量を少なくして、未加硫ゴムの流動に伴う心線の位置ずれや変形を防止することができる。
【0016】
また、本発明が提供するリブドベルトの製造方法としては、まず、金型の外周面に環状の帆布を被せて、その外周側に接着ゴムシートを配置し、その外側に心線を巻き付ける。ここで、接着ゴムシートは、金型に被せた環状の帆布の外周側に巻き付けてもよいが、あらかじめ、環状の帆布の外周側に接着ゴムシートを配してなる帆布ジャケットを構成しておき、この帆布ジャケットを金型に被せてもよい。また、心線の外側に別の接着ゴムシートを巻き付けて、その外側に未加硫ゴムシートを巻き付けるようにしてもよい。
【0017】
次いで、その外側に未加硫ゴムシートを巻き付けて、この未加硫ゴムシートの両端部を重ね合わせる。さらに、その外側に筒状のシェルバッグを被せて加硫釜内で加熱加圧することにより、未加硫ゴムシートを加硫成形して、心線が埋設されたベルト本体の内周面を帆布で被覆してなるゴム体(平ベルト)を構成する。このゴム体をシェルバッグ及び金型から取り外して、必要に応じて所定幅に裁断した後、研磨等によりベルト本体の外周面にリブを形成し、これを裏返してリブドベルトとする。
【0018】
あらかじめ、その未加硫ゴムシートの両端部に先端側を薄くするテーパー部を形成して、シート両端のテーパー部のテーパー面同士を重ね合わせて加硫成形する。そうすれば、未加硫ゴムシートのラップ部の厚みが他の部位における厚みとほぼ等しくなり、幅方向及び周方向に流動するラップ部の未加硫ゴム量を少なくして、未加硫ゴムの流動に伴う心線の位置ずれや変形を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る伝動ベルトの実施の形態について、図面を用いて説明する。まず、伝動ベルトのうちの歯付ベルトについて説明する。図1は本発明の歯付ベルト(伝動ベルト)の要部斜視図である。この歯付ベルトは、歯付プーリに掛け巻きされて使用されるものであり、環状のベルト本体1の内周面に形成されたベルト歯2がプーリ歯に噛み合って、原動プーリの回転を従動プーリに伝えるようになっている。
【0020】
ベルト本体1は、例えばクロロプレンゴム等からなるゴム製とされ、そのベルト歯2の歯底付近に位置するように心線3が埋設されている。心線3は、ガラス繊維を撚り合わせたガラス心線等であり、ベルト本体1の周方向に連続して、歯付ベルトに作用する引張力を受け持つようになっている。ベルト歯2の表面は、例えばナイロン製の布をゴム糊等に浸漬させてなる帆布4で被覆され、この帆布4がベルト歯2を補強するようになっている。
【0021】
ここで、歯底から心線3の中心までの距離(PLD)は、歯底帆布厚(t)とコード径(心線3の直径、d)とを用いて、PLD=t+d/2 で表され、この歯付ベルトと噛み合う歯付プーリの寸法を決めるための基準の一つとされる。
【0022】
次に、この歯付ベルトの製造方法について説明する。図2(a)はテーパー部の先端をオーバーラップさせずに未加硫ゴムシートを金型に巻き付けた状態を示す要部斜視図、図2(b)はそのラップ部の拡大断面図である。
【0023】
図2に示すように、まず、金型5の外周面に、帆布4を環状に縫合してなる帆布ジャケット4aを被せて、その外側に心線3をスパイラル状に巻き付ける。次いで、その外側に未加硫ゴムシート6を巻き付け、この未加硫ゴムシート6の両端部7を重ね合わせてラップ部8とする。
【0024】
未加硫ゴムシート6は、そのラップ部8が周方向と直交する方向(幅方向)に連続する形状として、あらかじめ、その両端部7に先端側を薄くするテーパー部9a、9bに形成しておく。両テーパー部9a、9bのうち、一方のテーパー部9aでは、その外周側にテーパー面を形成しておき、他方のテーパー部9bでは、その内周側にテーパー面を形成しておく。
【0025】
両テーパー面は、その周方向に対する傾斜角度(θ)を15°〜70°の範囲で互いに等しく設定しておき、このテーパー面同士を重ね合わせることにより、ラップ部8の厚みを他の部位の厚みとほぼ等しくする。
【0026】
その後、未加硫ゴムシート6の外側に、例えばゴム製で筒状のシェルバッグ10を被せて加硫釜内で加熱加圧することにより、未加硫ゴムシート6を加硫成形する。このとき、未加硫ゴムシート6は、その一部が心線3間の隙間を通過してベルト歯2に対応する金型5の歯溝11に流入し、そのラップ部8が接合されて環状のベルト本体1に形成される。このベルト本体1は、そのベルト歯2が帆布で被覆され、その歯底付近に心線3が埋設されたゴム製の歯付ベルトスラブを構成する。これをシェルバッグ10及び金型5から取り外して背面研磨、印刷及び所定幅への裁断を施して歯付ベルトの製造が完了する。
【0027】
また、歯付ベルトの別の製造方法として、テーパー部の先端を他方のテーパー部よりも周方向中央側にオーバーラップさせてもよい。図3(a)はテーパー部の先端をオーバーラップさせて未加硫ゴムシートを金型に巻き付けた状態を示す要部斜視図、図3(b)はそのラップ部の拡大断面図である。
【0028】
この製造方法は、上記の製造方法とほぼ同じであるが、シート両端のテーパー部9a、9bの先端を他方のテーパー部9b、9aよりも周方向中央側にオーバーラップさせている。これにより、ラップ部8の接合面積を大きくして、ゴム収縮等によるラップ部8の割れをより生じにくくする。オーバーラップの周方向の長さ(L)を10mm以下に設定して、ラップ部8の厚みが他の部位の厚みとほぼ等しくなるようにする。なお、他の構成は上述の製造方法と同じである。
【0029】
次に、金型5に巻き付けた未加硫ゴムシート6をベルト本体1に加硫成形するときの未加硫ゴムシート6、心線3及び帆布4の様子を説明する。図4は従来の製造方法の場合、図5はテーパー部の先端をオーバーラップさせない場合、図6はテーパー部の先端をオーバーラップさせる場合を示し、それぞれ(a)は加硫成形前の状態を示し、(b)は加硫成形後の状態を示す。
【0030】
従来の製造方法の場合、図4(a)に示すように、未加硫ゴムシート6の両端部7を重ね合わせてなるラップ部8の厚みは、他の部位における厚みの二倍に設定される。図4(b)に示すように、金型5に巻き付けた未加硫ゴムシート6に、筒状のシェルバッグ10を被せて加硫釜内で加熱加圧することにより、未加硫ゴムシート6の一部が金型5の歯溝11に流入すると共に、そのラップ部8の未加硫ゴムが幅方向及び周方向に流動し、この流動に伴ってラップ部8周辺の心線3の位置ずれや変形が生じる。この心線3の位置ずれ及び心線の変形は、加硫成形後にも残留してPLDを不均一にする。
【0031】
テーパー部9a、9bの先端をオーバーラップさせない場合、図5(a)に示すように、未加硫ゴムシート6のラップ部8の厚みは、他の部位における厚みと等しくされる。図5(b)に示すように、金型5に巻き付けた未加硫ゴムシート6に、シェルバッグ10を被せて加硫釜内で加熱加圧して、未加硫ゴムシート6の一部を金型5の歯溝11に流入させるとき、そのラップ部8の未加硫ゴムが幅方向及び周方向に流動しにくく、加硫成形後の心線3の位置ずれや変形が生じにくい。
【0032】
テーパー部9a、9bをオーバーラップさせる場合、図6(a)に示すように、未加硫ゴムシート6のラップ部8の厚みは、他の部位における厚みとほぼ等しくされる。図6(b)に示すように、金型5に巻き付けた未加硫ゴムシート6に、シェルバッグ10を被せて加硫釜内で加熱加圧して、未加硫ゴムシート6の一部を金型5の歯溝10に流入させるとき、そのラップ部8の未加硫ゴムのうち、幅方向及び周方向に流動するゴム量は少なく、加硫成形後の心線3の位置ずれや変形は小さくなる。
【0033】
次に、歯付ベルトのPLDを測定した結果について説明する。図7(a)は歯付ベルトの周方向における各位置のPLDを示し、図7(b)はそのうちラップ部付近のPLDを示す。図7において、横軸はベルト歯NO.を示し、縦軸はそのベルト歯におけるPLD(単位:mm)を示す。図中のPLDは、歯付ベルトをその周方向の所定の位置で切断して測定したもので、実線は、シート両端部にテーパー部を形成して製造した本発明の歯付ベルトのPLD、破線は、シート端部にテーパー部を形成せずに製造した従来の歯付ベルトのPLDである。
【0034】
図7に示すように、従来の歯付ベルトでは、ラップ部8の未加硫ゴムの流動に伴う心線3の整列の乱れや変形により、ラップ部8付近でPLDの測定値が乱れている。これに対して、本発明の歯付ベルトでは、PLDの測定値の乱れは極めて小さく、心線3の整列の乱れや変形が生じていないことがわかる。
【0035】
次に、歯付ベルトによる原動プーリ及び従動プーリ間の回転伝達について説明する。図8(a)は従動プーリの原動プーリとの相対回転量の検出方法を示す図である。図8(a)に示すように、歯付ベルト12は、モータ13により駆動される原動プーリ14と、ヒステリシスブレーキ15に接続された従動プーリ16とに掛巻され、原動プーリ14の回転を従動プーリ16に伝える。
【0036】
原動プーリ14及び従動プーリ16は同じ大きさとされ、その回転量がモータ13及びヒステリシスブレーキ15を介して、ロータリーエンコーダ17、18により検出され、その信号がコンピュータ19に伝えられる。この信号に基づいて、コンピュータ19が、従動プーリ16の回転量と原動プーリ14の回転量との差である相対回転量を算出する。
【0037】
図8(b)は原動プーリ回転量と相対回転量との関係を示す図であり、原動プーリ14及び従動プーリ16に掛け巻きした歯付ベルト12の心線3の位置ずれや変形による相対回転量の違いを示す。図中の太線は本発明の歯付ベルトを掛け巻きした場合で、細線は従来の歯付ベルトを掛け巻きした場合である。
【0038】
図8(b)に示すように、従来の歯付ベルトを掛け巻きした場合、そのラップ部が原動プーリ14又は従動プーリ16の付近に位置したときに、その回転伝達に乱れが生じて相対回転量が大きくなっている。一方、本発明の歯付ベルトを掛け巻きした場合、相対回転量がほぼ0deg付近で安定しており、原動プーリ14の回転が従動プーリ16にスムーズに伝達されていることがわかる。
【0039】
このように、シート端部にテーパー部を形成しない従来の歯付ベルトでは、その心線3の位置ずれや変形が大きくなり、従動プーリ16の原動プーリ14との相対回転量が大きくなりやすい。これに対して、シート両端部にテーパー部を形成した本発明の歯付ベルトでは、その心線3の位置ずれや変形が小さいため、原動プーリ14及び従動プーリ16間の回転伝達の乱れを抑えることができ、相対回転量を小さくすることができる。これにより、歯付ベルトの厚さ方向の振動を生じさせないようにすることができる。
【0040】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜変更を加えることができる。例えば、未加硫ゴムシート6のラップ部8は、周方向と直交する方向に連続させる代わりに、図9に示すように、周方向と傾斜した方向に連続させてもよい。また、ラップ部8を直線状に連続させる代わりに、図10に示すように、フィンガー状に連続させる等どのようなものであってもよい。
【0041】
また、本発明の伝動ベルトは、歯付ベルトだけでなく、未加硫ゴムシートの両端部を重ね合わせ部として環状に加硫成形することによりそのベルト本体が構成され、ベルト本体に心線が埋設されたものであれば、リブドベルト等どのようなものであってもよい。図11はリブドベルトの要部斜視図である。
【0042】
このリブドベルトは、ベルト本体20の外周側を帆布21で被覆した構造とされ、そのベルト本体20は、例えばクロロプレンゴム等からなるゴム製とされる。帆布21は、例えばナイロン製の布をゴム糊等に浸漬させてなり、ベルト本体20を補強する。
【0043】
ベルト本体20は、内周側に複数のリブ22を有するリブゴム23と、このリブゴム23及び帆布21間に介在されて両者を接着する接着ゴム24とで構成され、そのリブゴム23及び接着ゴム24間に心線25が埋設されている。この心線25は、多数のフィラメントを撚り合わせたポリエステルコード等であり、ベルト本体20の周方向に連続して、リブドベルトに作用する引張力を受け持つ。
【0044】
このリブドベルトの製造方法としては、まず、金型の外周面に、接着ゴムシート24を外周側に貼付した帆布21を環状に縫合してなる帆布ジャケットを被せ、その外側に心線25をスパイラル状に巻き付ける。次いで、その外側に未加硫ゴムシートを巻き付け、その両端部を重ね合わせてラップ部とする。あらかじめ、未加硫ゴムシートの両端部に先端側を薄くするテーパー部を形成しておき、ラップ部の厚みを他の部位における厚みとほぼ等しく設定しておく。
【0045】
ここで、帆布ジャケットは、接着ゴムシート24を貼付した帆布21を環状に縫合する代わりに、帆布21だけを環状に縫合してもよい。この場合、金型に帆布ジャケットを被せて、その外側に接着ゴムシート24を巻き付け、その外側に心線25を巻き付ける。また、心線25の外側に別の接着ゴムシートを巻き付け、その外側に未加硫ゴムシートを巻き付けて、接着ゴム24に心線25を埋設するようにしてもよい。
【0046】
未加硫ゴムシートの外側に筒状のシェルバッグを被せて、加硫釜内で加熱加圧することにより、未加硫ゴムシートを加硫成形して心線25が埋設されたベルト本体20の内周面を帆布21で被覆してなるゴム体(平ベルト)を構成する。このゴム体をシェルバッグ及び金型から取り外して所定幅に裁断した後、リブゴム23にリブ22を形成して裏返すことにより、リブドベルトの製造が完了する。他の構成は、歯付ベルトの製造方法と同じである。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明では、未加硫ゴムシートの両端部にテーパー部を形成して環状に加硫成形することにより、そのラップ部の厚みを他の部位における厚みとほぼ等しくしている。
【0048】
そのため、金型に巻き付けた未加硫ゴムシートにシェルバッグを被せて加硫成形するときに、ラップ部の未加硫ゴムが幅方向及び周方向に流動しにくいようにして、この流動に伴う心線の位置ずれや変形を小さくすることができる。その結果、原動プーリ及び従動プーリ間の回転伝達の乱れを抑えることができ、伝動ベルトの振動を防いで使用時の騒音を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯付ベルト(伝動ベルト)の要部斜視図
【図2】(a)はテーパー部の先端をオーバーラップさせずに未加硫ゴムシートを金型に巻き付けた状態を示す要部斜視図、(b)はそのラップ部の拡大断面図
【図3】(a)はテーパー部の先端をオーバーラップさせて未加硫ゴムシートを金型に巻き付けた状態を示す要部斜視図、(b)はそのラップ部の拡大断面図
【図4】従来の製造方法の場合で、(a)は加硫成形前の状態を示す図で、(b)は加硫成形後の状態を示す図
【図5】テーパー部の先端をオーバーラップさせない場合で、(a)は加硫成形前の状態を示す図で、(b)は加硫成形後の状態を示す図
【図6】テーパー部の先端をオーバーラップさせる場合で、(a)は加硫成形前の状態を示す図で、(b)は加硫成形後の状態を示す図
【図7】(a)は歯付ベルトの周方向における各位置のPLDを示し、(b)はそのうちラップ部付近のPLDを示す図
【図8】(a)は従動プーリの原動プーリとの相対回転量の検出方法を示す図で、(b)は原動プーリ回転量と相対回転量との関係を示す図
【図9】ラップ部を周方向と傾斜させて未加硫ゴムシートを金型に巻き付けた状態を示す要部斜視図
【図10】ラップ部をフィンガー状にして未加硫ゴムシートを金型に巻き付けた状態を示す要部斜視図
【図11】リブドベルトの要部斜視図
【図12】従来の歯付ベルトの製造方法を示す図で、(a)は金型に未加硫ゴムシートを巻き付けた状態を示す要部斜視図、(b)はその加硫成形後のラップ部の平面図
【符号の説明】
1、20  ベルト本体
2     ベルト歯
3、25  心線
4、21  帆布
5     金型
6     未加硫ゴムシート
7     端部
8     ラップ部
9a、9b テーパー部
10    シェルバッグ
24    接着ゴム

Claims (6)

  1. 未加硫ゴムシートの両端部を重ね合わせて環状に加硫成形されたベルト本体と、該ベルト本体に周方向に連続して埋設された心線とを備えた伝動ベルトにおいて、前記未加硫ゴムシートの端部に先端側を薄くするテーパー部が形成され、シート両端のテーパー部のテーパー面同士を重ね合わせて、他の部位の厚みとほぼ等しく設定することを特徴とする伝動ベルト。
  2. 前記テーパー部は、そのテーパー面の周方向に対する傾斜角度が15°〜70°とされたことを特徴とする請求項1記載の伝動ベルト。
  3. 前記テーパー部の先端を他方のテーパー部よりも周方向中央側にオーバーラップさせることを特徴とする請求項1又は2記載の伝動ベルト。
  4. 前記オーバーラップの周方向の長さが10mm以下とされたことを特徴とする請求項3記載の伝動ベルト。
  5. ベルト歯に対応する歯溝が形成された金型の外周面に、環状の帆布ジャケットを被せて、その外側に心線を巻き付け、次いで、その外側に未加硫ゴムシートを巻き付けて、該未加硫ゴムシートの両端部を重ね合わせ、さらに、その外側に筒状のシェルバッグを被せて加硫釜内で加熱加圧することにより、前記未加硫ゴムシートの一部を前記金型の歯溝に流入させつつ、該未加硫ゴムシートを加硫成形し、心線が埋設されたベルト本体のベルト歯を帆布で被覆してなる歯付ベルトを製造する方法において、前記未加硫ゴムシートは、あらかじめ、その両端部に先端側を薄くするテーパー部を形成し、シート両端のテーパー部のテーパー面同士を重ね合わせて加硫成形することを特徴とする歯付ベルトの製造方法。
  6. 金型の外周面に環状の帆布を被せて、その外周側に接着ゴムシートを配し、その外側に心線を巻き付け、次いで、その外側に未加硫ゴムシートを巻き付けて、該未加硫ゴムシートの両端部を重ね合わせ、さらに、その外側に筒状のシェルバッグを被せて加硫釜内で加熱加圧することにより、前記未加硫ゴムシートを加硫成形して、心線が埋設されたベルト本体の内周面を帆布で被覆してなるゴム体を構成し、該ゴム体をシェルバッグ及び金型から取り外して、研磨等により前記ベルト本体の外周面にリブを形成し、その後、前記ゴム体を裏返してリブドベルトを製造する方法において、前記未加硫ゴムシートは、あらかじめ、その両端部に先端側を薄くするテーパー部を形成し、シート両端のテーパー部のテーパー面同士を重ね合わせて加硫成形することを特徴とするリブドベルトの製造方法。
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KR102078035B1 (ko) * 2019-05-17 2020-02-17 김명조 기능성 사포적층 사포벨트

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