JP2004065049A - D−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド、及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】α−ケトカルボン酸に広く作用し、D−α−ヒドロキシカルボン酸を生成する高活性な酵素をスクリーニングした結果、エンテロコッカス・フェーカリス がこのような特徴を持つD−マンデル酸脱水素酵素を生産することを見出した。そしてD−マンデル酸脱水素酵素をコードする新規な遺伝子の単離に成功した。これにより光学活性ヒドロキシカルボン酸の効率的な製造が可能である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造に有用である新規なD−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド、該酵素の製造方法、該酵素を用いた光学活性ヒドロキシカルボン酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性ヒドロキシカルボン酸は、種々の医薬品の合成原料として重要な化合物である。例えば、(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸はアンジオテンシン変換酵素阻害剤の原料として、(R)−2−クロロマンデル酸は血液凝固阻害剤の原料やジアステレオマー分割の分割剤として、(R)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸は糸状菌の生産する生理活性物質PF1022の前駆物質 (J. Antibiotics 45, 692(1992) ) として重要な物質である。これらの光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造方法として以下の方法などが報告されている。
・ラセミ体の分別結晶による光学分割法(特開2001−72644)
・クロマトグラフィーによる光学分割法(Journal of Chromatography. (1983),282, 83−8)
・ニトリラーゼを用いる方法(特開平4−99496、特開平6−237789)
・ラセミ体の一方を酸化することにより光学活性体を得る方法(特開平6−165695)
・ヒドロキシルニトリルリアーゼを用いる方法(特開 2001−354616)
【0003】
ラセミ体の分別結晶による光学分割や、クロマトグラフィーによる光学分割では、目的とする光学異性体を回収する一方で、不要な対掌体を利用できないため、原料の一部を失う結果になる。つまり、原料を有効に利用できないため、コストを高める原因となる。同様に、ラセミ体の一方を酸化することで光学活性体を得る方法は、目的とする光学活性体を回収する一方で、不要な対掌体を利用できないため、コストを高める原因となる。不要な対掌体を回収して、ラセミ化することで原料として再利用する方法も報告されているが、操作が煩雑である。
【0004】
ニトリラーゼを用いる方法は、原料としてマンデロニトリル誘導体を必要とする。マンデロニトリル誘導体の合成には、青酸ソーダが必要であり、その青酸ソーダは、酵素ニトリラーゼを阻害するため、青酸ソーダ濃度のコントロールが必要となり、工業的な生産には適していない。
【0005】
ヒドロキシニトリルリアーゼを用いる方法は原料として、ベンズアルデヒドと青酸を原料とする。青酸は人に対する毒性が高く、また、酵素に対する毒性も高いため、工業的な生産には適していない。
【0006】
一方、ケトカルボン酸を原料として、不斉還元反応により光学活性なヒドロキシカルボン酸を生産する方法は、理論上原料を100%生産物に変換可能なこと、一般に酵素を用いた不斉還元反応は立体選択性が高く、光学純度の高いヒドロキシカルボン酸を合成しうることから工業的に有利である。特に、このような不斉還元反応を触媒する酵素をコードする遺伝子を、異種の宿主に導入し、還元酵素を高発現させた遺伝子組換え菌を用いて不斉還元反応を行うことにより光学活性なヒドロキシカルボン酸を得る方法は、高い生産性と高い立体選択性が得られるため、工業的に有利である。
【0007】
従来、ケトカルボン酸を還元し、光学活性、特に (R) −2−ヒドロキシカルボン酸を生成するD−α−ヒドロキシ酸脱水素酵素としては、
・D−乳酸脱水素酵素(D−LDH)、
・D−α−ヒドロキシイソカプロン酸脱水素酵素(D−HicDH)、
・D−マンデル酸脱水素酵素(D−ManDH)
・D−フェニル乳酸脱水素酵素
・α−ケト酸還元酵素 (還元活性は有するが、酸化活性は有しない酵素)
などが高度に精製され、その諸性質が明らかにされている。
【0008】
D−乳酸脱水素酵素としては、大腸菌 (Escherichia coli, J. Biol. Chem. 243, 2579−2586 (1968)) 、ラクトバチルス・コンフューサス (Lactobacillus confusus DSM 20196, Eur. J. Appl. Microbiol. Biotechnol. 18, 75−85 (1983)) などから精製され、その性質が報告されているが、ピルビン酸に対する還元活性に比較して、ベンゾイルギ酸、フェニルピルビン酸やα−ケトイソカプロン酸などに対する活性が低く、汎用的な光学活性ヒドロキシカルボン酸の合成に利用するには適していない。
【0009】
D−α−ヒドロキシイソカプロン酸脱水素酵素、D−マンデル酸脱水素酵素、D−フェニル乳酸脱水素酵素としては、
・キャンディダ・マルトーサ (Candida maltosa、Biochem. Physiol. Pflanz. 181, 189−198 (1986))
・クロストリジウム・スポロゲネス (Clostridium sporogenes、Can. J. Microbiol. 14, 429−435 (1968))
・フザリウム・サムブキナム (Fusarium sambucinum、J. Biol. Chem. 267, 11741−11744 (1992))
・ハロフェラックス・メディテラネイ (Haloferax mediterranei R4、Biochimie
82, 1143−1150 (2000))
・ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・シュードプランタラム (Lactobacillus casei subsp. pseudoplantarum DSM 20008、特公平 01−27717)
・ラクトバチルス・クルベイタス (Lactobacillus curvatus DSM 20019、特開昭62−100286)
・ラクトバチルス・デルブリッキー・サブスピーシーズ・バルガリス (Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus LMG6901、Eur. J. Biochem. 224, 439−446 (1994))
・ミセリア・ステリリア (Mycelia sterilia, WO 01/81563)
・ロドトルラ・グラミニス (Rodotorula graminis KGX39、J. Gen. Microbiol. 135, 2035−2044 (1989))
・ ストレプトコッカス・フェーカリス (Streptococcus faecalis IFO 12964、現在の菌株名はエンテロコッカス・フェーカリス、特公平 02−34598)
【0010】
α−ケト酸還元酵素としては、本発明者らがこれまでに、
・ ロイコノストック・オエノス (Leuconostoc oenos、特許公報 2750017)
・ ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム (Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum)
から、酵素が部分精製、もしくは、精製され、その諸性質が報告されている。
【0011】
しかしながら、これらの中で、その遺伝子がクローニングされ、異種微生物での高発現が報告されているのは、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・シュードプランタラム (特開平 02−84184)、ラクトバチルス・デルブリッキー・サブスピーシーズ・バルガリス (Eur. J. Biochem. 224, 439−446 (1994))、ミセリア・ステリリア (WO 01/81563)、ロイコノストック・オエノス (特開2000−238682)、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム )のみである。
【0012】
また、光学活性ヒドロキシカルボン酸の生産においては、α−ケトカルボン酸の還元反応だけでなく、光学活性ヒドロキシカルボン酸の立体選択的な脱水素活性を併せ持つ酵素は、ラセミ体ヒドロキシカルボン酸を立体選択的に酸化することにより、逆の立体の光学活性ヒドロキシカルボン酸を合成できるため、産業上有意であるが、上記、クローニング済みの酵素の中で、酸化反応、還元反応が共に報告されているのは、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・シュードプランタラム、ラクトバチルス・デルブリッキー・サブスピーシーズ・バルガリス由来の2種のみである。
【0013】
また、ロイコノストック・オエノス、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム由来のα−ケト酸還元酵素は、いずれも比較的基質特異性が狭く、汎用的な光学活性ヒドロキシカルボン酸の合成には不適である。
【0014】
更に、D−α−ヒドロキシ酸脱水素酵素を用いた光学活性ヒドロキシカルボン酸の合成においては、対応する補酵素NADHもしくはNADPHの再生が必須であるが、異種の微生物などによりD−α−ヒドロキシ酸脱水素酵素を生産した後に、生産菌より酵素を精製し、得られたD−α−ヒドロキシ酸脱水素酵素と、補酵素再生用の酵素としてアルコール脱水素酵素、グルコース脱水素酵素、もしくは、ギ酸脱水素酵素などを加えた膜型リアクターなどを利用した光学活性ヒドロキシカルボン酸を合成する方法 (特公平 03−62393) は、酵素の調製にコストがかかること、精製した酵素は一般に安定性が低下すること、高価な補酵素を添加する必要があること、など産業上の利用には不向きである。ケトカルボン酸還元酵素を利用した光学活性ヒドロキシカルボン酸の合成には、D−α−ヒドロキシ酸脱水素酵素と補酵素再生用のグルコース脱水素酵素やギ酸脱水素酵素を同一の異種微生物中で高発現させ、異種微生物に内在する補酵素を利用して、菌体そのものを利用して反応を行わせることが、コスト、労力両面から優れているが、これまでD−α−ヒドロキシ酸脱水素酵素と補酵素再生用酵素を同一の菌体内で高発現させ、両酵素を含有する菌体を利用した光学活性ヒドロキシカルボン酸の生産は報告されていない。α−ケトカルボン酸を還元する酵素が還元反応のみを触媒する還元酵素の場合には酸化還元反応の平衡を考慮する必要がないが、α−ケトカルボン酸を還元する酵素がD−α−ヒドロキシ酸脱水素酵素を利用する場合は、酸化還元反応が可逆的であるため、不斉還元反応を効率よく進めるためには、補酵素再生用酵素により菌体内の補酵素の酸化型、還元型の存在割合を還元型に傾けておく必要があるため、この補酵素再生用酵素を同一の菌体内で発現させることは、D−α−ヒドロキシ酸脱水素酵素を利用する場合に特に効果的である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ケトカルボン酸を還元して、高い光学純度の光学活性ヒドロキシカルボン酸を生成するD−マンデル酸脱水素酵素をコードする新規なポリヌクレオチドを提供することを課題とする。さらに、本発明は、該ポリヌクレオチドを含むベクターで形質転換された形質転換体、特に補酵素再生用酵素をコードするポリヌクレオチドをあわせて含むベクターで形質転換された形質転換体を利用して、高い光学純度の光学活性ヒドロキシカルボン酸を製造する方法の提供を課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、α−ケトカルボン酸に広く作用し、D−α−ヒドロキシカルボン酸を生成する高活性な酵素をスクリーニングした結果、エンテロコッカス・フェーカリス (Enterococcus faecalis IAM 10071) がこのような特徴を持つD−マンデル酸脱水素酵素を生産することを見いだした。更に、このD−マンデル酸脱水素酵素を精製した結果、2種類 (D−ManDH1及びD−ManDH2) の酵素が存在することを見いだし、その諸性質を明らかにしている (Appl. Environ. Microbiol. 68, 947−951 (2002))。エンテロコッカス・フェーカリスは、旧名ストレプトコッカス・フェーカリスであり、ストレプトコッカス・フェーカリスよりD−2−ヒドロキシイソカプロン酸脱水素酵素が以前に精製され、その諸性質が明らかにされていたが(特公平 02−34598) 、驚くべき事に、ストレプトコッカス・フェーカリス由来のD−2−ヒドロキシイソカプロン酸脱水素酵素は、ドデシル硫酸ナトリウム−アクリルアミドゲル電気泳動 (SDS−PAGE) におけるサブユニットの分子量が34,000、ゲル濾過による分子量が72,000のホモダイマーであるのに対し、エンテロコッカス・フェーカリスより本発明者らが精製したD−マンデル酸脱水素酵素は、D−ManDH1, D−ManDH1 のSDS−PAGEにおけるサブユニットの分子量が32,000と40,000、ゲル濾過における分子量が110,000と130,000のいずれもホモテトラマーであり、明らかに異なる酵素であった。
【0017】
本発明者らは、このD−マンデル酸脱水素酵素をコードする遺伝子を大腸菌にクローニングし、その塩基配列を解析した結果、驚くべき事に、D−マンデル酸脱水素酵素をコードする遺伝子は、これまでに報告されているD−2−ヒドロキシイソカプロン酸脱水素酵素をコードする遺伝子との相同性の低い、全く新規なポリヌクレオチドであることが分かった。
【0018】
すなわち本発明は、光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造に有用な新規なD−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド、該酵素をコードするポリヌクレオチドを含むベクター、該ベクターで形質転換された形質転換体、該形質転換体を用いる該酵素並びに光学活性ヒドロキシカルボン酸を製造する方法に関し、より具体的には、
〔1〕 下記(a)から(e)のいずれかに記載のD−マンデル酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(a)配列番号:1に記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(b)配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(c)配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(d)配列番号:1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
(e)配列番号:2に記載のアミノ酸配列と50%以上の相同性を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、
〔2〕 〔1〕に記載のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質。
〔3〕 〔1〕に記載のポリヌクレオチドが挿入された組換えベクター。
〔4〕 〔1〕に記載のポリヌクレオチド、または〔3〕に記載のベクターを発現可能に保持した形質転換体。
〔5〕 〔4〕に記載の形質転換体を培養する工程を含む、〔2〕に記載のタンパク質の製造方法。
〔6〕 〔2〕に記載のタンパク質、〔4〕に記載の形質転換体、もしくはその処理物をケトカルボン酸に作用させ、該ケトカルボン酸を還元し光学活性ヒドロキシカルボン酸を製造することを特徴とする、光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造方法。
〔7〕 ケトカルボン酸がベンゾイルギ酸誘導体であり、光学活性ヒドロキシカルボン酸が(R)−マンデル酸誘導体である〔6〕に記載の光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造方法。
〔8〕 〔2〕に記載のタンパク質、〔4〕に記載の形質転換体、もしくはその処理物をラセミ体ヒドロキシカルボン酸に作用させ、光学異性体の一方を優先的に酸化し、残存する光学活性ヒドロキシカルボン酸を取得することを特徴とする、光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造方法、を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明における「脱水素酵素」とは、脱水素反応、すなわち水素を含む化合物から水素が除去される酸化反応、を触媒する酵素を意味する。さらに該酵素は、ケトンに対する還元活性を有し、還元的条件下においては、酸化反応の逆反応を触媒することができる。従って本発明における「脱水素酵素」は、前記酸化反応の逆反応である水素を付加する還元反応を触媒する作用を有する。一般に「デヒドロゲナーゼ」、「酸化還元酵素」、「オキシダーゼ」または「レダクターゼ」等の名称で呼ばれる酵素も同様の作用を有する場合には本発明による「脱水素酵素」に含まれる。
【0020】
本発明において、D−マンデル酸に対する酸化活性は、例えば、次のようにして測定することができる。トリス−塩酸緩衝液(pH 7.5)−50 mM、NAD+−5.0 mM、D−マンデル酸−10 mM及び酵素を含む反応液を、30℃で反応し、NADHの増加にともなう340 nmの吸光度の上昇を測定することにより、確認することができる。1Uは、1分間に1μmolのNADHの増加を触媒する酵素量とする。また、タンパク質の定量は、バイオラッド製タンパク質アッセイキットを用いた色素結合法により行うことができる。
【0021】
また、ベンゾイルギ酸に対する還元活性は、例えば、次のようにして測定することができる。トリス−塩酸緩衝液(pH 7.5)−50 mM、NADH−0.1 mM、ベンゾイルギ酸−10 mM及び酵素を含む反応液を、30℃で反応し、NADHの減少にともなう340 nmの吸光度の減少を測定することにより、確認することができる。1Uは、1分間に1μmolのNADHの減少を触媒する酵素量とする。本発明において、D−マンデル酸脱水素酵素活性の有無の評価は、例えば、上記の酸化・還元活性測定方法により実施することができる。より具体的には、後述の実施例に記載の方法により行うことが可能である。
【0022】
本発明は、D−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドおよびそのホモログに関する。本発明において、ポリヌクレオチドは、DNAやRNAのような天然に存在するポリヌクレオチドであることもできるし、人工的に合成されたヌクレオチド誘導体を含むポリヌクレオチドであっても良い。
【0023】
本発明のD−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドは、例えば、配列番号:1に示す塩基配列を含む。配列番号:1に示す塩基配列は、配列番号:2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードしており、このアミノ酸配列を含むタンパク質は、本発明によるD−マンデル酸脱水素酵素の好ましい態様を構成する。
【0024】
本発明のポリヌクレオチドは、配列番号:2に記載のアミノ酸配列に1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、D−マンデル酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。当業者であれば、配列番号:1記載のポリヌクレオチドに部位特異的変異導入法(Nucleic Acid Res. 10,pp.6487 (1982), Methods in Enzymol.100,pp.448 (1983), Molecular Cloning 2ndEdt., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989) , PCR A Practical Approach IRL Press pp.200 (1991) などを用いて、適宜置換、欠失、挿入、および/または付加変異を導入することが可能である。
【0025】
また、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号:1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズできるポリヌクレオチドであって、かつ、D−マンデル酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドも含む。ストリンジェントな条件でハイブリダイズできるポリヌクレオチドはとは、配列番号:1に記載中の任意の少なくとも20個、好ましくは少なくとも30個、例えば40、60または100個の連続した配列を一つまたは複数選択したDNAをプローブDNAとし、例えばECL direct nucleic acid labeling and detection system (Amersham Pharmaica Biotech社製)を用いて、マニュアルに記載の条件(wash:42℃、0.5x SSCを含むprimary wash buffer)において、又は、0.2xSSC (1xSSC: 15 mM クエン酸3ナトリウム、150 mM 塩化ナトリウム)、0.1% SDS溶液中で60℃, 15分間洗浄する条件において、ハイブリダイズするポリヌクレオチドを指す。
【0026】
ストリンジェントな条件下で配列番号:1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドには、配列番号:1と類似する塩基配列を含むものが含まれる。このようなポリヌクレオチドは、配列番号:2のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードしている可能性が高い。
【0027】
さらに、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号:2に示されるアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%または80%、より好ましくは90%以上のホモロジーを有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。タンパク質のホモロジー検索は、例えばSWISS−PROT、PIRなどのタンパク質のアミノ酸配列に関するデータベースやDNA Databank of JAPAN(DDBJ)、EMBL、Gene−BankなどのDNAに関するデータベース、DNA配列を元にした予想アミノ酸配列に関するデータベースなどを対象に、FASTA programやBLAST programなどを用いて、例えば、インターネット上で行うことができる。配列番号:2に記載のアミノ酸配列を用いてDDBJを対象にBLAST programを用いてホモロジー検索を行った結果、高いホモロジーを示したのは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス (Lactococcus lactis subsp. lactis) 由来の2−デヒドロパント酸2−還元酵素 (2−dehydropantoate 2−reductase) の69% identity であるが、この配列はゲノム解析の結果得られたDNA配列より予想されたタンパク質であり、タンパク質としての実在、機能などは不明である。その他の30%以上のホモロジーが示されたアミノ酸配列も全てゲノム配列由来であり、2−デヒドロパント酸2−還元酵素と予想されているものの、その機能は特定されていなかった。本発明者らがロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムよりクローニングした2−クロロベンゾイルギ酸に対して還元作用のみを有し、酸化活性を有しないケト酸還元酵素 (LmKAR1) もまた、2−デヒドロパント酸2−還元酵素と予想されているいくつかのアミノ酸配列に相同性を示したため、本発明のD−マンデル酸脱水素酵素 (D−ManDH1) のアミノ酸配列との相同性をLipman−Pearson法で調べた結果、38.5%の相同性を示した。上記したように、LmKAR1と本発明D−マンデル酸脱水素酵素とは、反応の特異性、基質特異性において大きな差異を有する。またLmKAR1は、2−デヒドロパント酸2−還元酵素の生理的基質である2−ケトパント酸に対して極めてわずかにしか活性を示さず、本発明D−マンデル酸脱水素酵素もまた、2−ケトパント酸に対してベンゾイルギ酸の1%の活性しか示さなかった。
【0028】
本発明の50%以上のホモロジーとは、例えば、BLAST programを用いたタンパク質全体に対するIdentityの値を示す。
【0029】
本発明において、D−マンデル酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするこれらのポリヌクレオチドは、特に配列番号:1の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対するホモログと言う。ホモログは、変異の導入の他、配列番号:1に記載された塩基配列に基づいて他の生物からPCRクローニングやハイブリダイズによって単離することもできる。例えば配列番号:1に記載の塩基配列は、エンテロコッカス・フェーカリスより単離された遺伝子のものである。
【0030】
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のD−マンデル酸脱水素酵素の遺伝子工学的な製造に有用である。あるいは本発明のポリヌクレオチドによって、光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造に有用なD−マンデル酸脱水素酵素活性を有する微生物を遺伝子工学的に作り出すことができる。
【0031】
本発明のD−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドは、例えば、エンテロコッカス・フェーカリスよりD−マンデル酸脱水素酵素を精製し、その部分アミノ酸配列を明らかにして、PCR、ハイブリダイゼーションなどの手法により単離することも可能であるが、エンテロコッカス・フェーカリスより得られるD−マンデル酸脱水素酵素の量はわずかであり (Appl. Environ. Microbiol. 68, 947−951 (2002))、部分アミノ酸配列を得ることは困難であった。
【0032】
本発明者らは、エンテロコッカス・フェーカリスより染色体DNAを調製し、制限酵素によりランダムに消化した染色体DNAをベクターに挿入することによりライブラリーを構築し、該ライブラリーにより形質転換された大腸菌約3000コロニーを培養し、形質転換株がD−マンデル酸脱水素酵素活性有するか否かをプレート上での発色で判断し、更に、プレートで活性が認められた1株を通常の液体培地で培養し、その菌体を破砕し、その無細胞抽出液のD−マンデル酸脱水素酵素活性を測定することにより、D−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドを含む形質転換株を得ることが出来た。
【0033】
なお本発明のポリヌクレオチドは、以上のような方法によってクローニングされたゲノムDNA、あるいはcDNAの他、合成によって得ることもできる。
【0034】
このようにして単離された、本発明によるD−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドを公知の発現ベクターに挿入することにより、D−マンデル酸脱水素酵素発現ベクターが提供される。また、この発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養することにより、D−マンデル酸脱水素酵素を形質転換株より得ることができる。
【0035】
本発明においてNAD+を補酵素とするD−マンデル酸脱水素酵素を発現させるために、形質転換の対象となる微生物は、NAD+を補酵素とするD−マンデル酸脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組み換えベクターにより形質転換され、NAD+を補酵素とするD−マンデル酸脱水素酵素活性を発現することができる生物であれば特に制限はない。利用可能な微生物としては、例えば以下のような微生物を示すことができる。
・エシェリヒア(Escherichia)属
・バチルス(Bacillus)属
・シュードモナス(Pseudomonas)属
・セラチア(Serratia)属
・ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属
・コリネバクテリイウム(Corynebacterium)属
・ストレプトコッカス(Streptococcus)属
・ラクトバチルス(Lactobacillus)属など宿主ベクター系の開発されている細菌
・ロドコッカス(Rhodococcus)属
・ストレプトマイセス(Streptomyces)属など宿主ベクター系の開発されている放線菌
・サッカロマイセス(Saccharomyces)属
・クライベロマイセス(Kluyveromyces)属
・シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属
・チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属
・ヤロウイア(Yarrowia)属
・トリコスポロン(Trichosporon)属
・ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属
・ピキア(Pichia)属
・キャンディダ(Candida)属などの宿主ベクター系の開発されている酵母
・ノイロスポラ(Neurospora)属
・アスペルギルス(Aspergillus)属
・セファロスポリウム(Cephalosporium)属
・トリコデルマ(Trichoderma)属などの宿主ベクター系の開発されているカビ
【0036】
形質転換体の作製のための手順および宿主に適合した組換えベクターの構築は、分子生物学、生物工学、遺伝子工学の分野において慣用されている技術に準じて行うことができる(例えば、Sambrookら、モレキュラー・クローニング、ColdSpring Harbor Laboratories)。微生物中などにおいて、本発明のNAD+を補酵素とする(R)−D−マンデル酸脱水素酵素遺伝子を発現させるためには、まず微生物中において安定に存在するプラスミドベクターやファージベクター中にこのポリヌクレオチドを導入し、その遺伝情報を転写・翻訳させる必要がある。そのためには、転写・翻訳を制御するユニットにあたるプロモーターを本発明のポリヌクレオチド鎖の5’−側上流に、より好ましくはターミネーターを3’−側下流に、それぞれ組み込めばよい。このプロモーター、ターミネーターとしては、宿主として利用する微生物中において機能することが知られているプロモーター、ターミネーターを用いる必要がある。これら各種微生物において利用可能なベクター、プロモーター、ターミネータ−などに関して「微生物学基礎講座8遺伝子工学・共立出版」、特に酵母に関しては、Adv. Biochem. Eng. 43, 75−102 (1990)、Yeast 8, 423−488 (1992)、などに詳細に記述されている。
【0037】
例えばエシェリヒア属、特に大腸菌エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)においては、プラスミドベクターとして、pBR、pUC系プラスミドを利用でき、lac(β−ガラクトシダーゼ)、trp(トリプトファンオペロン)、tac、 trc (lac、trpの融合)、λファージ PL、PRなどに由来するプロモーターなどが利用できる。また、ターミネーターとしては、trpA由来、ファージ由来、rrnBリボソーマルRNA由来のターミネーターなどを用いることができる。これらの中で、市販のpSE420(Invitrogen製)のマルチクローニングサイトを一部改変したベクターpSE420D(特開2000−189170に記載)が好適に利用できる。
【0038】
バチルス属においては、ベクターとしてpUB110系プラスミド、pC194系プラスミドなどが利用可能であり、染色体にインテグレートすることもできる。また、プロモーター、ターミネーターとしてapr(アルカリプロテアーゼ)、 npr(中性プロテアーゼ)、amy(α−アミラーゼ)などが利用できる。
【0039】
シュードモナス属においては、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)などで宿主ベクター系が開発されている。トルエン化合物の分解に関与するプラスミドTOLプラスミドを基本にした広宿主域ベクター(RSF1010などに由来する自律的複製に必要な遺伝子を含む)pKT240などが利用可能であり、プロモーター、ターミネーターとして、リパーゼ(特開平5−284973)遺伝子などが利用できる。
【0040】
ブレビバクテリウム属特に、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)においては、pAJ43(Gene 39, 281 (1985))などのプラスミドベクターが利用可能である。プロモーター、ターミネーターとしては、大腸菌で使用されているプロモーター、ターミネーターがそのまま利用可能である。
【0041】
コリネバクテリウム属、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)においては、pCS11(特開昭57−183799)、pCB101(Mol. Gen. Genet. 196, 175 (1984)などのプラスミドベクターが利用可能である。
【0042】
ストレプトコッカス(Streptococcus)属においては、pHV1301(FEMS Microbiol.Lett. 26, 239 (1985)、pGK1(Appl. Environ. Microbiol. 50, 94 (1985))などがプラスミドベクターとして利用可能である。
【0043】
ラクトバチルス(Lactobacillus)属においては、ストレプトコッカス属用に開発されたpAMβ1(J. Bacteriol. 137, 614 (1979))などが利用可能であり、プロモーターとして大腸菌で利用されているものが利用可能である。
【0044】
ロドコッカス(Rhodococcus)属においては、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)から単離されたプラスミドベクターが使用可能である (J.
Gen. Microbiol. 138,1003 (1992) )。
【0045】
ストレプトマイセス(Streptomyces)属においては、HopwoodらのGenetic Manipulation of Streptomyces: A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratories (1985)に記載の方法に従って、プラスミドを構築することができる。特に、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)においては、pIJ486 (Mol. Gen. Genet. 203, 468−478, 1986)、pKC1064(Gene 103,97−99 (1991) )、pUWL−KS (Gene 165,149−150 (1995) )が使用できる。また、ストレプトマイセス・バージニア(Streptomyces virginiae)においても、同様のプラスミドを使用することができる(Actinomycetol. 11, 46−53 (1997) )。
【0046】
サッカロマイセス(Saccharomyces)属、特にサッカロマイセス・セレビジアエ(Saccharomyces cerevisiae) においては、YRp系、YEp系、YCp系、YIp系プラスミドが利用可能であり、染色体内に多コピー存在するリボソームDNAとの相同組み換えを利用したインテグレーションベクター(EP 537456など)は、多コピーで遺伝子を導入でき、かつ安定に遺伝子を保持できるため極めて有用である。また、ADH(アルコール脱水素酵素)、GAPDH(グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素)、PHO(酸性フォスファターゼ)、GAL(β−ガラクトシダーゼ)、PGK(ホスホグリセレートキナーゼ)、ENO(エノラーゼ)などのプロモーター、ターミネーターが利用可能である。
【0047】
クライベロマイセス属、特にクライベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyceslactis)においては、サッカロマイセス・セレビジアエ由来2μm系プラスミド、pKD1系プラスミド(J. Bacteriol. 145, 382−390 (1981))、キラー活性に関与するpGKl1由来プラスミド、クライベロマイセス属における自律増殖遺伝子KARS系プラスミド、リボソームDNAなどとの相同組み換えにより染色体中にインテグレート可能なベクタープラスミド(EP 537456など)などが利用可能である。また、ADH、PGKなどに由来するプロモーター、ターミネーターが利用可能である。
【0048】
シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属においては、シゾサッカロマイセス・ポンベ由来のARS (自律複製に関与する遺伝子)及びサッカロマイセス・セレビジアエ由来の栄養要求性を相補する選択マーカーを含むプラスミドベクターが利用可能である(Mol. Cell. Biol. 6, 80 (1986))。また、シゾサッカロマイセス・ポンベ由来のADHプロモーターなどが利用できる(EMBO J. 6, 729 (1987))。特に、pAUR224は、宝酒造から市販されており容易に利用できる。
【0049】
チゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)においては、チゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii)由来の pSB3(Nucleic Acids Res.13, 4267 (1985))などに由来するプラスミドベクターが利用可能であり、サッカロマイセス・セレビジアエ由来 PHO5 プロモーターや、チゴサッカロマイセス・ロウキシ由来 GAP−Zr(グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素)のプロモーター(Agri. Biol. Chem. 54, 2521 (1990))などが利用可能である。
【0050】
ピキア(Pichia)属においては、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などにピキア由来自律複製に関与する遺伝子 (PARS1、 PARS2)などを利用した宿主ベクター系が開発されており(Mol. Cell. Biol. 5, 3376 (1985))、高濃度培養とメタノールで誘導可能な AOX など強いプロモーターが利用できる(Nucleic Acids Res. 15, 3859 (1987))。また、ピキア・アンガスタ(Pichia angusta、旧名ハンゼヌラ・ポリモルファ Hansenula polymorpha)において宿主ベクター系が開発されている。ベクターとしては、ピキア・アンガスタ由来自律複製に関与する遺伝子(HARS1、 HARS2)も利用可能であるが、比較的不安定であるため、染色体への多コピーインテグレーションが有効である(Yeast 7, 431−443 (1991))。また、メタノールなどで誘導される AOX(アルコールオキシダーゼ)、 FDH(ギ酸脱水素酵素)のプロモーターなどが利用可能である。
【0051】
キャンディダ(Candida)属においては、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンディダ・アルビカンス(Candida albicans)、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・ウチルス (Candida utilis) などにおいて宿主ベクター系が開発されている。キャンディダ・マルトーサにおいてはキャンディダ・マルトーサ由来ARSがクローニングされ(Agri. Biol. Chem. 51, 51, 1587 (1987))、これを利用したベクターが開発されている。また、キャンディダ・ウチルスにおいては、染色体インテグレートタイプのベクターは強力なプロモーターが開発されている(特開平 08−173170)。
【0052】
アスペルギルス(Aspergillus)属においては、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 、アスペルギルス・オリジー (Aspergillus oryzae) などがカビの中で最もよく研究されており、プラスミドや染色体へのインテグレーションが利用可能であり、菌体外プロテアーゼやアミラーゼ由来のプロモーターが利用可能である(Trends in Biotechnology 7, 283−287 (1989))。
【0053】
トリコデルマ(Trichoderma)属においては、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)を利用したホストベクター系が開発され、菌体外セルラーゼ遺伝子由来プロモーターなどが利用できる(Biotechnology 7, 596−603 (1989))。
【0054】
また、微生物以外でも、植物、動物において様々な宿主・ベクター系が開発されており、特に蚕を用いた昆虫(Nature 315, 592−594 (1985))や菜種、トウモロコシ、ジャガイモなどの植物中に大量に異種タンパク質を発現させる系が開発されており、好適に利用できる。
【0055】
すなわち本発明は、前記D−マンデル酸脱水素酵素を発現する形質転換株を利用したケトカルボン酸の還元による光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造方法に関する。本発明のD−マンデル酸脱水素酵素は、NADPHに比べて安価で安定なNADHを補酵素として利用しうることから、工業的な利用において有利である。本発明のD−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドを含む形質転換株、形質転換株を含む培養物、その処理物を反応溶液と接触させることにより、目的とする酵素反応を行わせることができる。なお、酵素と反応溶液の接触形態はこれらの具体例に限定されるものではない。反応溶液は、基質や酵素反応に必要な補酵素であるNADHを酵素活性の発現に望ましい環境を与える適当な溶媒に溶解したものである。本発明におけるD−マンデル酸脱水素酵素を含む微生物の処理物には、具体的には界面活性剤やトルエンなどの有機溶媒処理によって細胞膜の透過性を変化させた微生物、あるいはガラスビーズや酵素処理によって菌体を破砕した無細胞抽出液やそれを部分精製したものなどが含まれる。
【0056】
本発明による光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造方法において原料となるケト酸としては、2−ケト酪酸、2−ケト吉草酸、2−ケトイソ吉草酸、2−ケトカプロン酸、2−ケトイソカプロン酸、ベンゾイルギ酸、2−クロロベンゾイルギ酸、3−クロロベンゾイルギ酸、フェニルピルビン酸、インドールピルビン酸などをあげることができる。
【0057】
また本発明は、前記D−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドを含む形質転換株を用いて、ラセミ体ヒドロキシカルボン酸の立体選択的酸化によるケト酸、並びに、光学活性L−2−ヒドロキシカルボン酸の製造方法に関する。本発明のD−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドを含む形質転換株、または、その処理物をラセミ体ヒドロキシカルボン酸に作用させ、反応産物であるケト酸、並びに、残存するL−2−ヒドロキシカルボン酸を製造することができる。本発明において基質とすることができるヒドロキシカルボン酸には、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシイソ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、マンデル酸、2−クロロマンデル酸、3−クロロマンデル酸、フェニル乳酸、インドール乳酸等が利用可能である。
【0058】
なお本発明における「光学活性ヒドロキシカルボン酸」とは、ある光学異性体が別の光学異性体より多く含まれるヒドロキシカルボン酸、もしくはある光学異性体のみからなるヒドロキシカルボン酸を意味する。さらに、本発明の「光学異性体」は、一般的に「光学活性体」および「鏡像異性体」と呼ばれる場合もある。
【0059】
前記本発明によるケト酸製造方法においては、NADHの再生系を組み合わせることができる。D−マンデル酸脱水素酵素による酸化反応に付随して、NAD+からNADHが生成する。NADHからNAD+への再生は、微生物の含有するNADHからNAD+を再生する酵素(系)によって行うことができる。また、NADHからNAD+を生成する能力を有する微生物もしくは酵素、例えば、グルタミン酸脱水素酵素、NADHオキシダーゼ、NADH脱水素酵素等を反応系に添加することにより行うことが可能である。
【0060】
同様にヒドロキシカルボン酸の製造方法においては、NADHの再生系を組み合わせることができる。還元反応に付随して、NADHからNAD+が生成する。NAD+からNADHへの再生は、微生物の持つNAD+還元能(解糖系など)を用いて行うことができる。これらNAD+還元能は、反応系にグルコースまたはエタノールを添加することにより、増強することが可能である。また、NAD+からNADHを生成する能力を有する微生物やその処理物、酵素を反応系に添加することによっても行うことができる。ギ酸脱水素酵素、グルコース脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、グリセロール脱水素酵素、アルコール脱水素酵素などを含む微生物、その処理物、ならびに精製酵素を用いてNADHの再生を行うことができる。例えば、上記グルコース脱水素酵素の場合には、グルコースからδ−グルコノラクトンへの変換を利用することにより、NADHの再生が行われる。
【0061】
これらのNADH再生に必要な反応を構成する成分は、本発明によるヒドロキシカルボン酸の製造のための反応系に添加、もしくは固定化したものを添加することができる。あるいはNADHの交換が可能な膜を介して接触させることができる。
【0062】
また、本発明のポリヌクレオチドを含む組換えベクターで形質転換した微生物を、菌体の状態で前記ヒドロキシカルボン酸の製造方法に利用する場合には、NADH再生のための付加的な反応系を不要とできる場合がある。すなわち、NADH再生活性の高い微生物を宿主として用いることにより、形質転換体を用いた還元反応において、NADH再生用の酵素を添加することなく効率的な反応が行える。
【0063】
本発明の形質転換株並びにその処理物を用いた酸化反応もしくは還元反応は、水中もしくは水に溶解しにくい有機溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、クロロホルム、n−ヘキサン、メチルイソブチルケトン、メチルt−ブチルエーテルなどの有機溶媒中、もしくは、エタノールやアセトン、ジメチルスルホキシド等の水性媒体との2相混合系により行うことができる。
【0064】
本発明の反応は、固定化酵素、膜リアクター等を利用して行うことも可能である。
【0065】
本発明のD−マンデル酸脱水素酵素による酵素反応は、例えば、以下の条件で行うことができる。
・反応温度:4−60℃、好ましくは10−37℃
・pH:3−10、好ましくは4−9、さらに好ましくはpH5−8
・基質濃度:0.01−50%、好ましくは0.1−30%
【0066】
反応系には必要に応じて補酵素NAD+またはNADHを0.001mM−100mM、好ましくは、0.01−10mM添加することができる。また、基質は反応開始時に一括して添加することも可能であるが、反応液中の基質濃度が高くなりすぎないように連続的、もしくは非連続的に添加することが望ましい。
【0067】
NADH再生のために反応系に添加される化合物、例えばグルコース脱水素酵素を利用する場合のグルコース、ギ酸脱水素酵素を利用する場合のギ酸、アルコール脱水素酵素を利用する場合のエタノールもしくは2−プロパノール等は、基質ケトカルボン酸に対してモル比で0.1−20、好ましくは0.5−5倍過剰に添加することができる。NADH再生用の酵素、例えばグルコース脱水素酵素、ギ酸脱水素酵素、アルコール脱水素酵素等は、本発明のNAD+依存性D−マンデル酸脱水素酵素に比較して酵素活性で0.1−100倍、好ましくは0.5−20倍程度添加することができる。
【0068】
本発明のケト酸の還元により生成する光学活性ヒドロキシカルボン酸、立体選択的酸化反応により生成する光学活性ヒドロキシカルボン酸やケト酸の精製は、菌体、タンパク質の遠心分離、膜処理等による分離、溶媒抽出、蒸留、イオン交換クロマトグラフィー、晶析等を適当に組み合わせることにより行うことができる。
【0069】
例えば2−クロロマンデル酸では、微生物菌体を含む反応液を遠心分離し、微生物菌体をのぞいた後、その上清に酸を添加することによりpHを2以下にし、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ヘキサン、メチルイソブチルケトン、メチルt−ブチルエーテルなどの溶媒を添加して、2−クロロマンデル酸を溶媒層に抽出する。これを相分離後、エバポレーターにより濃縮し、結晶化することにより、純度の高い2−クロロマンデル酸を精製することができる。
【0070】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0071】
[実施例1]エンテロコッカス・フェーカリスのゲノムライブラリーの調製
エンテロコッカス・フェーカリス IAM 10071株をMRS培地 (Difco製) 30℃で1昼夜培養し、菌体を調製した。菌体より斉藤・三浦の方法により染色体DNAを調製した。
【0072】
得られた染色体DNAを制限酵素Sau3AIにより部分消化し、3000−4000bpのDNA断片を回収し、pBK−CMVファージミドベクター (Strategene製) のBamHI部位に挿入し、ZAP EXPRESS Predigested Vector Kitを用いて大腸菌XLOLR株へ導入し、ゲノムライブラリーを構築した。
【0073】
[実施例2] D−マンデル酸脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドを含む形質転換株のスクリーニング
ファージミドを含む大腸菌を50μg/ml カナマイシンを含むLB培地 (1%バクト−トリプトン、0.5%バクト−酵母エキス、1%塩化ナトリウム、pH 7.2。以下、LB培地と略す)を含むプレートに植菌し、一昼夜培養した。培養後、NYLON TRANSFER MEMBRANE(Amersham Pharmacia Biotech製)により、コロニーをフィルター上に移し取り、このフィルターを再び50μg/ml カナマイシンを含むLB培地のプレートに移して培養し、これをコピープレートとした。
【0074】
50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、1.7% 寒天を含むプレートにフィルターを移し、4℃で2時間放置した。その後、リゾチーム溶液 (20mg/mlリゾチーム、1mMエチレンジアミン4酢酸 (以下、EDTAと略す) 、50mMリン酸緩衝液) を加えて、37℃に2時間放置し、溶菌を行った。溶菌の完了したフィルターを活性染色プレート(20mM D−マンデル酸、5mM NAD+、0.3mg/ml ニトロブルーテトラゾリウム、0.05mg/ml フェナジンメトサルフェート、1.7% 寒天)に移し、NADHの生成に由来するホルマザンの発色を検出することにより、ポジティブクローンのスクリーニングを行った。
【0075】
約3000株のクローンより、1株のポジティブクローンが見いだされた。
【0076】
[実施例3]ポジティブクローンのD−マンデル酸脱水素酵素活性の確認
得られたポジティブクローンを50μg/ml カナマイシンを含むLB培地に一白金耳植菌し、一昼夜前培養した。これを再び50μg/ml カナマイシンを含むLB培地に1%量植菌し、OD660が1.0を超えるまで本培養した。得られた菌体に、湿菌体量の等倍量のTris−HCl緩衝液(50mM、pH7.5)を加え、懸濁した。これを、15分間超音波破砕した後、4℃で遠心分離(15000rpm、10min)し、上清を回収して粗酵素抽出液を得た。粗酵素抽出液のD−マンデル酸脱水素酵素活性の測定と、タンパク量の定量を行い、比活性を求めた。
【0077】
活性染色において発色しなかったコロニー、すなわちネガティブクローンに対しても同様の実験を行い、これを比較した。ネガティブクローンにはD−マンデル酸脱水素酵素活性がまったく見られなかった。また、ポジティブクローンでは、ベンゾイル蟻酸を基質として加えた場合と加えなかった場合で、NADHの減少速度が大きく異なっていることから、ポジティブクローン中には確かに、MDHが存在していることが明らかとなった。
【0078】
一方、マンデル酸の酸化反応を検討したところ、ポジティブクローンの菌体抽出液はD型のマンデル酸のみと特異的に反応し、L型のマンデル酸を基質としたときは全く活性を示さなかった。
【0079】
【表1】
【0080】
[実施例4]D−マンデル酸脱水素酵素をコードする遺伝子の塩基配列の解析
実施例3で得られたポジティブクローンより、ファージミドを調製し、挿入DNA断片の塩基配列を決定した。得られた塩基配列は、配列番号:1に示した。また、配列番号:1に記載のDNA配列より予想されるアミノ酸配列を配列番号:2に示した。
【0081】
[実施例5]大腸菌からのD−マンデル酸脱水素酵素の精製
実施例3により得られたD−マンデル酸脱水素酵素をコードする遺伝子を有する組換え大腸菌を培養し、その菌体よりD−マンデル酸脱水素酵素を文献 (Appl. Environ. Microbiol. 68, 947−951 (2002))記載の方法により精製した。SDS−PAGEにより得られた分子量、基質ベンゾイルギ酸に対するKm値より、クローニングした遺伝子は、エンテロコッカス・フェーカリスが生産する2種類の酵素のうち、D−マンデル酸脱水素酵素IIであることが確認できた。
【0082】
[実施例6]D−マンデル酸脱水素酵素のα−ケトパント酸に対する活性
実施例4により得られた予想アミノ酸配列を用いてBLAST検索を行った結果、種々のゲノム由来のα−ケトパント酸還元酵素と予想されるORFに対してホモロジーが見られたため、実施例5により得られたD−マンデル酸脱水素酵素を用いてα−ケトパント酸に対する還元活性を測定した。ベンゾイルギ酸に対する活性測定条件 (基質濃度10mM) で、基質をα−ケトパント酸に変え、活性を測定した結果、ベンゾイルギ酸に対する活性の約1%しか活性を有しなかった。
【0083】
【発明の効果】
本発明により、D−マンデル酸脱水素酵素をコードする新規な遺伝子が提供された。該遺伝子を利用することにより、光学活性ヒドロキシカルボン酸を効率的に製造することが可能となった。さらに、本発明の酵素を利用して、収率よくアルコールを生産することも可能である。
【0084】
【配列表】
Claims (8)
- 下記(a)から(e)のいずれかに記載のD−マンデル酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(a)配列番号:1に記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(b)配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(c)配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(d)配列番号:1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
(e)配列番号:2に記載のアミノ酸配列と50%以上の相同性を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、 - 請求項1に記載のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質。
- 請求項1に記載のポリヌクレオチドが挿入された組換えベクター。
- 請求項1に記載のポリヌクレオチド、または請求項3に記載のベクターを発現可能に保持した形質転換体。
- 請求項4に記載の形質転換体を培養する工程を含む、請求項2に記載のタンパク質の製造方法。
- 請求項2に記載のタンパク質、請求項4に記載の形質転換体、もしくはその処理物をケトカルボン酸に作用させ、該ケトカルボン酸を還元し光学活性ヒドロキシカルボン酸を製造することを特徴とする、光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- ケトカルボン酸がベンゾイルギ酸誘導体であり、光学活性ヒドロキシカルボン酸が(R)−マンデル酸誘導体である請求項6に記載の光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- 請求項2に記載のタンパク質、請求項4に記載の形質転換体、もしくはその処理物をラセミ体ヒドロキシカルボン酸に作用させ、光学異性体の一方を優先的に酸化し、残存する光学活性ヒドロキシカルボン酸を取得することを特徴とする、光学活性ヒドロキシカルボン酸の製造方法。
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2002
- 2002-08-02 JP JP2002226280A patent/JP2004065049A/ja active Pending
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