JP2004063927A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貫通孔の直径が75〜130μm程度と小さく、かつ貫通導体およびビルドアップ配線層に断線が発生することがない極めて高密度な配線が可能な配線基板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板1の上下両面に厚みが7〜12μmの銅箔から成る内層導体2A・2Bが被着された両面銅張板の上下両面に厚みが内層導体2A・2B上で25〜45μmの絶縁樹脂層3A・3Bが被着されているとともに、両面銅張板および絶縁樹脂層3A・3Bを上下に貫通し、かつ絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔4が形成され、この貫通孔4の内部に貫通導体5がめっき導体により充填されてなるとともに、絶縁樹脂層3A・3Bの表面に表層導体6A・6Bがめっきにより被着形成されている配線基板。
【選択図】 図1
【解決手段】厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板1の上下両面に厚みが7〜12μmの銅箔から成る内層導体2A・2Bが被着された両面銅張板の上下両面に厚みが内層導体2A・2B上で25〜45μmの絶縁樹脂層3A・3Bが被着されているとともに、両面銅張板および絶縁樹脂層3A・3Bを上下に貫通し、かつ絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔4が形成され、この貫通孔4の内部に貫通導体5がめっき導体により充填されてなるとともに、絶縁樹脂層3A・3Bの表面に表層導体6A・6Bがめっきにより被着形成されている配線基板。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機材料系の配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子を搭載するための有機材料系の配線基板として、例えば両面または片面に銅箔から成る配線導体を有するガラス−エポキシ板から成る複数の絶縁層を同じくガラス−エポキシ板から成る接着層を介して積層して成る多層配線基板が用いられている。この有機材料系の多層配線基板においては、その上面から下面にかけて複数の貫通孔が設けられており、貫通孔内壁には各絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体同士を電気的に接続するための銅めっき膜から成る貫通導体が被着形成されており、それにより立体的な高密度配線が可能となっている。
【0003】
なお、このような有機材料系の多層配線基板は、両面または片面に厚みが15〜50μm程度の銅箔から成る配線導体が被着形成された厚みが0.1〜0.5mm程度のガラス−エポキシ板から成る複数の絶縁板を厚みが0.1〜0.2mm程度のガラス−エポキシ板から成る接着層を介して積層した後、その上面から下面にかけて直径が200〜500μm程度の貫通孔をドリル加工により穿孔し、しかる後、貫通孔内壁に厚みが15〜50μm程度の銅めっき膜から成る貫通導体を無電解めっき法および電解めっき法により被着させ、その後に内壁に貫通導体を形成した貫通孔内に穴埋め樹脂をスクリーン印刷法により充填させるとともにその穴埋め樹脂を硬化させた後に穴埋め樹脂上を研磨し、しかる後、基板表面の導体をサブトラクト法等の手法により導体パターンを形成することにより製作されている。また、この多層配線基板の両面にビルドアップ樹脂層およびビルドアップ配線層を形成することによりビルドアップ配線基板が製作される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような有機材料系の多層配線基板においては、その配線密度をさらに高めるために貫通孔の直径を例えば75〜130μm程度の小さなものとする試みがなされている。このような直径が75〜130μm程度の小さな貫通孔を形成するためには例えばレーザによる穿孔方法が採用される。
【0005】
しかしながら、従来の有機材料系の多層配線基板においては、各絶縁板および接着層の厚みが0.1〜0.5mm程度と厚いことから、各絶縁板および接着層を貫通する貫通孔の直径を例えば75〜130μm程度の小さなものとすると、この貫通孔の内壁に銅めっき膜から成る貫通導体を被着させる際、貫通導体を被着させるためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込みにくくなり、そのため貫通導体が良好に被着されずに貫通導体に断線が発生してしまいやすいという問題点を有していた。
【0006】
また、貫通導体と穴埋め樹脂との間で剥離が生じ、この剥離により貫通導体が断線したり、あるいはこの多層配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合、この剥離が起点となりビルドアップ樹脂層にクラックが生じビルドアップ配線層が断線してしまうという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、貫通孔の直径を例えば75〜130μm程度の小さいものとしても貫通導体に断線が発生することがなく、また貫通導体と穴埋め樹脂間での剥離により生じるクラックでのビルドアップ配線層での断線を発生させない、極めて高密度な配線が可能な配線基板およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板の上下両面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体が被着された両面銅張板の上下両面に厚みが内層導体上で25〜45μmの絶縁樹脂層が被着されているとともに、両面銅張板および絶縁樹脂層を上下に貫通し、かつ絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっき導体により充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の配線基板の製造方法は、厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板の上下両面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体が被着された両面銅張板の上下両面に厚みが内層導体上で25〜45μmの絶縁樹脂層を被着させるとともに、両面銅張板および絶縁樹脂層を上下に貫通し、かつ絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔を形成し、次に貫通孔の内部に貫通導体をめっき導体により充填して形成するとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体をめっきにより被着させることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の配線基板によれば、配線基板が絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっき導体により充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることから、貫通孔の内部にめっき導体を充填して貫通導体を形成する際、貫通導体を形成するためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込み、その結果、貫通孔の内部に貫通導体が良好に充填・形成され貫通導体に断線が発生することはない。また、貫通導体を貫通孔にめっき導体を充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体との間で剥離して貫通導体が断線することもなく、さらに、この配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうこともない。
【0011】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、配線基板が絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっき導体により充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることから、貫通孔内に貫通導体を被着させる際、貫通導体を被着させるためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込み、その結果、貫通孔内に貫通導体が良好に充填・形成された配線基板を得ることができる。さらに、貫通導体を貫通孔にめっき導体を充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体との間で剥離して貫通導体が断線することもなく、さらに、この配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうことのない、接続信頼性に優れた配線基板を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板について添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の配線基板の実施形態の一例を示す部分断面図である。図1において、1は絶縁樹脂板、2A・2Bは内層導体、3A・3Bは絶縁樹脂層、4は貫通孔、5は貫通導体、6A・6Bは表層導体であり、主として絶縁樹脂板1の上下両面に内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bが被着されるとともに絶縁樹脂板1・内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bを貫通して複数の貫通孔4が設けられ、さらに貫通孔4の内部に貫通導体5がめっき導体により充填・形成されるとともに絶縁樹脂層3A・3Bの表面に表層導体6A・6Bがめっきにより被着形成されることにより本発明の配線基板7が構成されている。なお、本実施形態例においては、絶縁樹脂層3A・3Bおよび表層導体6A・6Bの上にソルダーレジスト8が設けられている。
【0013】
絶縁樹脂板1は、本発明の配線基板のコア部材として機能し、例えばガラスクロスやアラミドクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂を含浸させた有機系絶縁材料から成る厚みが0.35〜0.45mmの平板であり、その上下両面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体2A・2Bが被着された、いわゆる両面銅張り板を構成している。この絶縁樹脂板1は、その厚みが0.35mm未満ではその上下面に絶縁樹脂層3A・3Bを被着させたり、あるいは絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bを貫通して複数の貫通孔4を形成したり、あるいは表層導体6A・6Bを形成したり、さらにはソルダーレジスト8を形成する際等に熱や外力等の影響で配線基板に反りや変形が発生して配線基板に要求される平坦度を確保できなくなってしまう危険性が大きなものとなり、他方、0.45mmを超えると、後述するように貫通孔4の内部に貫通導体5を充填・形成するとき、貫通孔4内にめっき液が浸入しにくくなり、貫通導体5を良好に形成することが困難となる。したがって、絶縁樹脂板1の厚みは0.35〜0.45mmの範囲に特定される。
【0014】
なお、絶縁樹脂板1は、ガラスクロスやアラミドクロスに含浸させるエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂中にシリカやアルミナあるいはアラミド樹脂等から成るフィラーをガラスクロスやアラミドクロス等の繊維部分と樹脂部分とでレーザ光の透過度が略同等となる程度に含有させておけば、後述するように絶縁樹脂板1にレーザ光で貫通孔4を穿孔する際に、貫通孔4を絶縁樹脂板1に略均一な大きさで良好に形成することが可能となる。したがって、絶縁樹脂板1のガラスクロスやアラミドクロスに含浸させるエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂中にはシリカやアルミナあるいはアラミド樹脂等から成るフィラーをガラスクロスやアラミドクロス等の繊維部分と樹脂部分とでレーザ光の透過度が略同等となるように含有させておくことが好ましい。
【0015】
また、絶縁樹脂板1の上下面に被着された内層導体2A・2Bは、銅箔から成り、主として電源層やグランド層として機能する内層配線パターンWとこの内層配線パターンWから電気的に独立したダミーパターンDとを有し、その厚みが3〜12μm、その表面の算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度である。内層導体2A・2Bは、その厚みが3μm未満の場合、導通パターンを従来周知のサブトラクト法で形成する際、導体が薄すぎで本来パターンの部分までエッチングされてしまい絶縁不良が発生しやすくなる。他方、12μmを超える場合、後述するように絶縁樹脂板1・内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bとを貫通する貫通孔4をレーザ加工により穿孔する場合に、直径が75〜130μmの貫通孔4を安定して形成することが困難となる。したがって、内層導体2A・2Bの厚みは、3〜12μmの範囲に特定される。
【0016】
なお、内層導体2A・2Bは、貫通孔4により貫通されるとともに後述する貫通導体5に接続する内層配線パターンWまたはダミーパターンDを全ての貫通孔4に対応して有するように形成しておくと、貫通孔4をレーザ加工により穿孔する際に全ての貫通孔4においてレーザ光の吸収・反射を略同じとして全ての貫通孔4を略均一な大きさおよび形状に形成することができる。したがって、内層導体2A・2Bは、貫通孔4により貫通される内層配線パターンWまたはダミーパターンDを全ての貫通孔4に対応して有するように形成しておくことが好ましい。
【0017】
この場合、ダミーパターンDは、その直径が貫通孔4の直径よりも40〜100μm程度大きな略円形のパターンとすればよく、内層配線パターンWとの間に30〜60μm程度の幅の間隔を設ければよい。ダミーパターンDの直径が貫通孔4の直径よりも40μm未満大きな場合には、レーザ加工により貫通孔4を穿孔する際にダミーパターンDを正確に貫通することが困難となり、他方、100μmを超えて大きな場合には、内層配線パターンWの面積を広く採ることが困難となる。
【0018】
また、ダミーパターンDと内層配線パターンWとの間隔が30μm未満の場合には、ダミーパターンDと内層配線パターンWとの間の電気的絶縁が良好に保てなくなる傾向にあり、他方、60μmを超えると、内層配線パターンWの面積を広く採ることが困難となる。
【0019】
また、内層導体2A・2Bは、その表面の算術平均粗さRaが0.2μm未満の場合、内層導体2A・2Bと絶縁樹脂層3A・3Bとが強固に密着せずに内層導体2A・2Bと絶縁樹脂層3A・3Bとの間で剥離が発生しやすくなる傾向にあり、他方2μmを超えると、そのような粗い面を安定かつ効率良く形成することが困難となる傾向にある。したがって、内層導体2A・2B表面の算術平均粗さRaは0.2〜2μmの範囲が好ましい。
【0020】
また、絶縁樹脂板1の上下面に被着された絶縁樹脂層3A・3Bはエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂から成り、レーザ光に対する分解度合いが絶縁樹脂板1よりも大きく、その表面に表層導体6A・6Bが被着されている。絶縁樹脂層3A・3Bは、互いに絶縁すべき内層導体2A・2Bと表層導体6A・6Bを電気的に絶縁するための絶縁間隔を提供するためのものであり、その厚みが内層導体2A・2B上で25〜45μmである。この絶縁樹脂層3A・3Bは、その厚みが内層導体2A・2B上で25μm未満の場合、互いに絶縁すべき内層導体2A・2Bと表層導体6A・6Bを電気的に良好に絶縁することができなくなり、他方、45μmを超えると、絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bならびに絶縁樹脂層3A・3Bを貫通する貫通孔4をレーザ加工により穿孔する際に直径が75〜130μmの貫通孔4を良好に形成することが困難となる。したがって、絶縁樹脂層3A・3Bの厚みは内層導体2A・2B上で25〜45μmの範囲に特定される。
【0021】
表層導体6A・6Bは、厚みが8〜30μmの銅めっき膜から成り、電源配線およびグランド配線および信号配線を具備する表層配線パターンを形成している。そして、表層導体6Aの露出する一部に図示しない電子部品の電極が半田を介して接続されるとともに、下面側の表層導体6Bの露出する一部が図示しない他の配線基板等に半田を介して接続される。
【0022】
これらの表層導体6A・6Bは、その厚みが8μm未満であると、配線パターンの電気抵抗が高いものとなり、他方、30μmを超えると、配線パターンを高密度に形成することが困難となる。したがって、表層導体6A・6Bの厚みは、8〜30μmの範囲が好ましい。
【0023】
さらに、本発明の配線基板においては、絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bを貫通して直径が75〜130μmの貫通孔4が形成されており、この貫通孔4の内部にめっき導体を充填することにより貫通導体5が形成されている。貫通孔4は、貫通導体5を絶縁樹脂層3Aの上面から絶縁樹脂層3Bの下面にかけて導出させるための導出路を提供するためのものであり、例えばレーザ加工により穿孔されている。この貫通孔4は、その直径が絶縁樹脂板1においては75〜115μmで略同じ大きさであり、絶縁樹脂層3A・3Bにおいては開口部で90〜130μmとなるように外側に向かって拡径している。
【0024】
このように、本発明の配線基板によれば、貫通孔4の孔径が75〜130μmと小さいことから、貫通導体5および表層導体6A・6Bを高密度で配置することができ、それにより極めて高密度な配線を有する配線基板を得ることができる。
【0025】
また、貫通孔4は、その直径が絶縁樹脂層3A・3Bの部位で外側に向かって広がっていることから、後述するように貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込み、その結果、貫通孔4内に貫通導体5を良好に充填・形成することができる。さらに、貫通導体5を貫通孔4にめっき導体を充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体5との間で剥離して貫通導体5が断線することもなく、また、この配線基板7を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体5と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうこともない。
【0026】
なお、貫通孔4の直径が75μm未満の場合、貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込まずに貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を良好に形成することが困難となり、他方、130μmを超えると、貫通導体5および表層導体6A・6Bを高密度で配置することが困難となる。したがって、貫通孔4の直径は、75〜130μmの範囲に特定される。
【0027】
また、貫通孔4の開口部における直径が絶縁樹脂板1における直径よりも10μm未満大きい場合には、貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込まずに貫通孔4内に貫通導体5を良好に充填・形成することが困難となり、他方、50μmを超えて大きな場合には、そのような形状を有する貫通孔4を安定して形成することが困難となる。したがって、貫通孔4の開口部における直径は、絶縁樹脂板1における直径よりも10〜50μm大きいことが好ましい。
【0028】
貫通孔4内に充填・形成された貫通導体5は銅から成り、絶縁樹脂板1および絶縁樹脂層3A・3Bを挟んで上下に位置する内層導体2A・2Bおよび表層導体6A・6B同士を互いに電気的に接続する接続導体として機能する。
【0029】
さらに、絶縁樹脂層3A・3Bの表面には、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂から成るソルダーレジスト8が被着されている。ソルダーレジスト8は、貫通導体5および表層導体6A・6Bを保護するとともに表層導体6A・6Bにおける表層配線パターン同士を電気的に良好に絶縁するための保護層として機能し、表層導体6A・6Bの一部を露出させる所定のパターンに被着形成されている。
【0030】
なお、ソルダーレジスト8は、その表層導体6A・6B上における厚みが10μm未満であると、表層導体6A・6Bを良好に保護することができなくなるとともに表層導体6A・6Bにおける表層配線パターン同士を電気的に良好に絶縁することができなくなる傾向にあり、他方、40μmを超えると、ソルダーレジスト8を所定のパターンに形成することが困難となる傾向にある。したがって、ソルダーレジスト8の表層導体6A・6B上における厚みは、10〜40μmの範囲が好ましい。
【0031】
かくして、本発明の配線基板によれば、直径が75〜130μmの貫通孔4内に貫通導体5を良好に充填・形成することができ、それにより貫通導体5に断線が発生することのないとともに、貫通導体5を起点としたクラックの発生しない極めて高密度な配線の配線基板とすることができる。
【0032】
次に、図1に示した配線基板を本発明の製造方法により製造する方法について図2(a)〜(f)を参照して説明する。
まず、図2(a)に部分断面図で示すように、例えばガラスクロスやアラミドクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂の樹脂を含浸させた有機系絶縁材料から成る厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板1の上下面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体2A・2Bが被着形成された両面銅張板を準備する。なお、内層導体2A・2Bはその表面の算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度となるように、その表面を粗化しておく。
【0033】
絶縁樹脂板1は、その厚みが0.35mm未満ではその上下面に絶縁樹脂層3A・3Bを被着させたり、あるいは絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bを貫通して複数の貫通孔4を形成したり、表層導体6A・6Bやソルダーレジスト8を形成する際等に熱や外力等の影響で配線基板7に反りや変形が発生して配線基板7に要求される平坦度を確保できなくなってしまう危険性が大きなものとなり、他方、0.45mmを超えると、後述するように貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成するとき、貫通孔4内にめっき液が浸入しにくくなり、貫通導体5に断線が発生しやすくなる。したがって、絶縁樹脂板1の厚みは0.35〜0.45mmの範囲に特定される。
【0034】
また、内層導体2A・2Bは、その厚みが3μm未満の場合、内層導体2A・2Bのパターンを従来周知のサブトラクト法で形成する際、導体が薄すぎで本来パターンの部分までエッチングされてしまい絶縁不良が発生しやすくなる。、他方、12μmを超える場合、後述するように絶縁樹脂板1と内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bとを貫通する貫通孔4をレーザ加工により穿孔する場合に、直径が75〜130μmの貫通孔4を安定して形成することが困難となる。したがって、内層導体2A・2Bの厚みは、3〜12μmの範囲に特定される。
【0035】
また、内層導体2A・2Bは、その表面の算術平均粗さRaが0.2μm未満の場合、後述するように、絶縁樹脂板1の上下面に絶縁樹脂層3A・3Bを被着させる際に内層導体2A・2Bと絶縁樹脂層3A・3Bとが強固に密着せずに内層導体2A・2Bと絶縁樹脂層3A・3Bとの間で剥離が発生しやすくなる傾向にあり、他方2μmを超えると、そのような粗い面を安定かつ効率良く形成することが困難となる傾向にある。したがって、内層導体2A・2B表面の算術平均粗さRaは0.2〜2μmの範囲が好ましい。
【0036】
さらに、内層導体2A・2Bは貫通孔4が形成される位置に貫通孔4により貫通されるパターンを全ての貫通孔4に対応して設けておくと、レーザ加工により貫通孔4を形成する際に全ての貫通孔4においてレーザ光の吸収・反射が均一となり、全ての貫通孔4を略均一に形成することができる。したがって、内層導体2A・2Bは貫通孔4が形成される位置に貫通孔4により貫通されるパターンを全ての貫通孔4に対応して設けておくことが好ましい。
【0037】
このような内層導体2A・2Bは、絶縁樹脂板1の上下全面に厚みが8〜16μm程度の銅箔を貼着するとともに、この銅箔上に感光性のドライフィルムレジストを被着させ、次にこの感光性ドライフィルムレジストを従来周知のフォトリソグラフィー技術により露光・現像してパターン形成位置にドライフィルムレジストを有するエッチングマスクを形成し、次にエッチングマスクから露出した銅箔を塩化第2銅水溶液もしくは塩化第2鉄水溶液から成るエッチング液を用いてエッチング除去し、最後にエッチングマスクを剥離した後、塩化第2銅水溶液に蟻酸が含有された粗化液を用いてその表面をエッチングして粗化することによって形成される。
【0038】
次に、図2(b)に部分断面図で示すように、両面銅張板の上下面にその厚みが内層導体2A・2B上で25〜45μmの絶縁樹脂層3A・3Bを被着形成する。この絶縁樹脂層3A・3Bはエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化型の樹脂から成り、炭酸ガスレーザ等のレーザ光に対する分解度合いが絶縁樹脂板1よりも大きい。
【0039】
この絶縁樹脂層3A・3Bは、その厚みが内層導体2A・2B上で25μm未満の場合、互いに絶縁すべき内層導体2A・2Bと表層導体6A・6B、および表層導体6A・6Bとその上位の絶縁樹脂層3A・3Bの上に形成された表層導体6A・6Bとを電気的に良好に絶縁することができなくなり、他方、45μmを超えると、絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bならびに絶縁樹脂層3A・3Bを貫通する貫通孔4をレーザ加工により穿孔する際に直径が75〜130μmの貫通孔4を良好に形成することが困難となる。したがって、絶縁樹脂層3A・3Bの厚みは内層導体2A・2B上で25〜45μmの範囲に特定される。
【0040】
なお、絶縁樹脂板1の上下面に内層導体2A・2Bが被着されて成る両面銅張板の上下面に絶縁樹脂層3A・3Bを被着形成するには、半硬化状態の熱硬化性樹脂のフィルムを両面銅張板の上下両面に真空ラミネーターで仮圧着した後、これを熱処理して硬化させる方法が採用される。
【0041】
次に図2(c)に部分断面図で示すように、レーザ加工により絶縁樹脂層3A・3Bおよび内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂板1を貫通する直径が75〜130μmの複数の貫通孔4を穿孔する。このとき、絶縁樹脂層3A・3Bのレーザ光に対する分解度合いが絶縁樹脂板1よりも大きいことから、貫通孔4は、絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径する形状となる。
このように、貫通孔4の直径を75〜130μmと小さいものとすることから、後述するように貫通導体5および導体6A・6Bを形成する際に貫通導体5および表層導体6A・6Bを高密度で配置することができ、それにより高密度な配線基板を得ることができる。また、貫通孔4の孔径が絶縁樹脂層3A・3Bの部位で外側に向かって広がっていることから、後述するように貫通孔4の内部にめっきを充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込み、その結果、貫通孔4内に貫通導体5を良好に形成することができる。
【0042】
なお、貫通孔4の孔径が75μm未満の場合、貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込まず、貫通孔4の内部に貫通導体5を良好に形成することができなくなり、他方、130μmを超えると、貫通導体5および表層導体6A・6Bを高密度で配置することが困難となる。したがって、貫通孔4の直径は、75〜130μmの範囲に特定される。
【0043】
また、貫通孔4の開口部における直径が絶縁樹脂板1における直径よりも10μm未満大きい場合には、貫通孔4の内部にめっきを充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込まずに貫通孔4の内部に貫通導体5を良好に形成することが困難となり、他方、50μmを超えて大きな場合には、そのような形状を有する貫通孔4を安定して形成することが困難となる。したがって、貫通孔4の開口部における直径は、絶縁樹脂板1における直径よりも10〜50μm大きくしておくことが好ましい。
【0044】
なお、絶縁樹脂層3A・3Bおよび内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂板1に貫通孔4を形成するには、絶縁樹脂層3A・3B上に例えばレーザ光のエネルギーを良好に吸収する黒色もしくは黒色に近い色を有する樹脂から成るレーザ加工用シートを貼着し、このレーザ加工用シートの上から7〜12mJの出力の炭酸ガスレーザ光を50〜500μ秒のパルス幅で所定の位置に照射して貫通孔4を穿孔する方法が採用される。このとき、炭酸ガスレーザ光の出力が7mJ未満だと貫通孔4を十分な大きさに穿孔することが困難となる傾向にあり、他方、12mJを超えると絶縁樹脂層3A・3Bにおける貫通孔4の孔径が大きくなりすぎてしまう傾向にある。したがって、照射する炭酸ガスレーザ光は、その出力が7〜12mJでパルス幅が50〜500μ秒の範囲であることが好ましい。なお、レーザ加工用シートは、貫通孔4を穿孔した後に剥離する。このように貫通孔4をレーザ加工により形成することにより、直径が75〜130μmで、絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径する形状の貫通孔4を容易に形成することができる。
【0045】
次に、図2(d)に部分断面図で示すように、貫通孔4内壁および絶縁樹脂層3A・3Bの表面に厚みが1〜3μmの無電解銅めっき膜から成るめっき膜13Aを被着させる。なお、無電解めっき膜から成るめっき膜13Aを被着させるには、例えば塩化アンモニウム系酢酸パラジウムを含有するパラジウム活性液を使用して貫通孔4内壁および絶縁樹脂層3A・3Bの表面にパラジウム触媒を付着させるとともに、その上に硫酸銅系の無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき膜を被着させればよい。このとき、貫通孔4は、絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径していることから、貫通孔4内に無電解銅めっき液が良好に浸入し、その結果、貫通孔4内壁および絶縁樹脂層3A・3Bの表面に無電解銅めっき膜を略均一な厚みに良好に被着させることができる。なお、無電解銅めっき膜から成るめっき膜13Aを被着させる前に絶縁樹脂層3A・3B表面および貫通孔4内壁を例えば過マンガン酸カリウム溶液や過マンガン酸ナトリウム溶液から成る粗化液を用いてその算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるように粗化しておくと無電解銅めっき膜から成るめっき膜13Aを強固に被着させることができる。したがって、無電解銅めっき膜から成るめっき膜13Aを被着させる前に絶縁樹脂層3A・3B表面および貫通孔4内壁を例えば過マンガン酸カリウム溶液や過マンガン酸ナトリウム溶液から成る粗化液を用いてその算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるように粗化しておくことが好ましい。
【0046】
次に、図2(e)に部分断面図で示すように、絶縁樹脂層3A・3B上の無電解銅めっき膜上にめっき用マスク14を被着させ、しかる後、貫通孔4の内部に電解銅めっきを充填するとともにめっき用マスク14から露出した絶縁樹脂層3A・3B上の無電解銅めっき膜上に厚みが50〜60μm程度の電解銅めっき膜を被着させ、貫通孔4の内部に貫通導体5を、そして絶縁樹脂層3A・3B表面にそのパターン形成部位が選択的に厚く被着された無電解めっき膜と電解銅めっき膜とから成るめっき膜13Bを形成する。
【0047】
なお、めっき用マスク14は、例えば感光性ドライフィルムレジストを絶縁樹脂層3A・3B上の無電解銅めっき膜上に被着させるとともに、このドライフィルムレジストをフォトリソグラフィー技術により露光・現像して所定のパターンに加工することによって形成する
また、電解銅めっき膜を被着させるための電解銅めっき液としては、例えば、硫酸銅系から成る電解銅めっき液を用いればよい。このとき、貫通孔4は、絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径していることから、貫通孔4内に電解銅めっき液が良好に浸入し、その結果、貫通孔4の内部に電解銅めっきが良好に充填されるとともに、絶縁樹脂層3A・3Bの表面に電解銅めっき膜が略均一な厚みに良好に被着される。
【0048】
次に、図2(f)に部分断面図で示すように、めっきマスク14を剥離するとともにめっきマスク14の下にあった無電解銅めっき膜が消滅するまで無電解銅めっき膜および電解銅めっき膜をエッチングし、その後貫通導体5の上面および表層導体6A・6Bが平坦化されるまで表面研磨を行い、貫通導体5および絶縁樹脂層3A・3Bの表面に表層導体6A・6Bを形成する。
【0049】
なお、無電解銅めっき膜および電解銅めっき膜をエッチングするには、塩化第2銅水溶液または塩化第2鉄水溶液から成るエッチング液を用いればよい。
また、貫通導体5および表層導体6A・6Bの平坦化のための研磨にはバフロール研磨を用いればよい。表層導体6A・6Bの厚みは、表層導体6A・6Bの厚みが8μm未満であると、配線パターンの電気抵抗が高いものとなり、他方、30μmを超えると、配線パターンを高密度に形成することが困難となる。したがって、表層導体6A・6Bの厚みは、8〜30μmの範囲が好ましくバフロール後の厚みもこの厚みとすることが望ましい。
【0050】
最後に絶縁樹脂層3A・3Bおよび表層導体6A・6Bの表面にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル等の熱硬化性樹脂から成るソルダーレジスト8を被着させることにより図1に示す本発明の配線基板が完成する。
【0051】
なお、ソルダーレジスト8は、ソルダーレジスト8用の感光性の樹脂ペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁樹脂層3A・3B側から印刷塗布し、これを従来周知のフォトリソグラフィー技術を採用して所定のパターンに露光・現像することによって形成される。
【0052】
かくして、本発明の配線基板の製造方法によれば、貫通導体5に断線が発生することがなく、極めて高密度な配線が可能な配線基板を得ることができる。
【0053】
なお、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、絶縁樹脂層3A・3B上に間に配線層を介して複数のビルドアップ樹脂層を積層し、ビルドアップ配線基板としてもよい。
【0054】
【実施例】
本発明の配線基板の特性を評価するために、サンプルを作製し次の評価を行った。
(実施例1)
まず、絶縁樹脂板の厚みを0.33〜0.47mmの範囲とし、その絶縁樹脂板の両面に厚み45μmの絶縁樹脂層を被着させ175℃1時間の加熱処理後、直径が75μmの貫通孔をレーザにより形成し、次に、過マンガン酸カリウム溶液からなる粗化液で貫通孔の内壁を算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるよるように粗化し、基板の表面および内壁に無電界めっきを被着させ無電界めっき上にめっきレジストを形成し、しかる後に電解めっきにて表層および貫通孔を充填させるめっき仕様でめっきを充填し、その後にめっきレジストを剥離し、硫酸−過酸化水素水でエッチングしてテストパターンを形成し、テスト基板を作成した。その後硬化後の厚みが25μmとなるようにソルダーレジストを塗布し80℃の温度で30分間の乾燥後、および150℃の温度で1時間の加熱処理後のそれぞれの厚みの基板の反りを測定した。反りの定義は1辺が40mmの正方形形状の基板の対角線上で50mm離れた2点間の反り値である。また、反り測定後に貫通導体の導通チェックを行なった。なお、各厚みの試験結果は、各厚みの絶縁樹脂板を20枚ずつ測定し、その平均値を示した。また、導通チェックは各厚みの絶縁樹脂板を200枚ずつチェックする。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
実験結果から、絶縁樹脂板の厚みが0.35mm未満では、反りが配線基板に要求される平坦度(反りの値で100μm/50mm以下)を満足せず、0.45mmを超えると、貫通導体ので導通不良(断線)が2/200基板発生し、実用に供することができないことがわかった。
【0057】
(実施例2)
厚みが0.4mmの絶縁樹脂板上の内層導体の厚みを2〜13μmの範囲とし、サブトラクト法で配線および配線幅がそれぞれ100μmおよび100μmのテストパターンを製作し実験を行なった。評価は、絶縁樹脂板上の内層導体上にテストパターンが形成されたエッチングレジストを被着させ、塩化第2銅からなるエッチング液でエッチングしエッチングレジストを剥離することによりテストパターンを形成し、導通チェックすることにより行なった。導通チェックは絶縁樹脂板を200枚ずつチェックした。また貫通孔の形成として内層導体のテストパターンを形成した絶縁樹脂板の両面に厚み45μmの絶縁樹脂層を被着させ、175℃1時間の加熱処理後、直径が100μmとなるように貫通孔をレーザにより形成した。
【0058】
このときのレーザ条件は、事前テストで貫通孔径が100μmに近づくように検討した各絶縁樹脂板の最適条件とした。貫通孔の直径を測定し75〜130μmの範囲に入っているか各絶縁基板より100穴の貫通孔を測定しその最大値で判定した。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
実験結果から、内層導体の厚みが3μm未満ではサブトラクト法で配線パターンを形成する際導通不良が発生し、また12μmを超えると、貫通孔の径が130μm以上(実施例4で示す実用に適しない範囲)となり実用に供することができないことがわかった。
【0061】
(実施例3)
厚みが0.4mmの絶縁樹脂板に内層導体を9μmとしてテストパターンを作製し、その絶縁樹脂板の両面に厚みを23、25、35、45、47μmとして条件を変えた絶縁樹脂を被着し、175℃1時間の加熱処理後、直径が100μmとなるように貫通孔をレーザにより形成した。その時点で貫通孔の直径を測定し75〜130μmの範囲に入っているか各絶縁基板より100穴の貫通孔を測定しその最大値で判定した。またその測定の後、過マンガン酸カリウム溶液からなる粗化液で貫通孔の内壁および絶縁樹脂表面を算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるように粗化し、基板の表面および内壁に無電界めっきを被着させ、めっきレジストを形成し、電解めっきを行い、めっきレジストを剥離して、硫酸−過酸化水素水を主成分とするエッチング液でエッチングしてテストパターンを形成しその後厚みが導体上で25μmとなるソルダーレジストを形成してテスト基板を作製した。
【0062】
このテスト基板をHASTとよばれる加速信頼性試験に投入し絶縁抵抗値を測定した。HASTの試験条件は温度130℃で湿度が85%の高温高湿度槽の中に印加電圧5Vを負荷し168時間後の絶縁抵抗値を測定する。テスト基板は10個測定した。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
実験結果より絶縁樹脂層の厚みが23μm未満の場合HASTとよばれる加速信頼性試験後の絶縁抵抗値の最低値が一般的に要求される1.0×106未満と満足せず、47μを超えると、貫通孔の径が130μm以上(実施例4で示す実用に適しない範囲)となり実用に供することができないことがわかった。
【0065】
(実施例4)
厚みが0.4mmの絶縁樹脂板の両面に厚み45μmの絶縁樹脂層を被着させ、175℃1時間の加熱処理後、直径が絶縁樹脂層で径が72〜135μmの貫通孔をあらかじめ事前テストにより検討した条件によりレーザで形成した。その後過マンガン酸カリウム溶液からなる粗化液で貫通孔の内壁を算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるよるように粗化し、基板の表面および内壁に無電界めっきを被着させ、その上にめっきレジストを形成した後、電解めっきにて表層および貫通孔を充填させるめっきを行なった。その後めっきレジストを剥離し、硫酸−過酸化水素水でエッチングしてテストパターンを形成し、テスト基板を作成した。そのテストパターンは次の2点が確認できるパターンとなっている。
【0066】
1つは貫通孔の導通を確認できるもの、もうひとつは貫通孔の大きさの変動が基板の収縮の影響を受ける位置合わせも含め、貫通孔を受けるランドと隣接する配線との間で発生する絶縁不良を確認するテストパターンである。受けるランドと隣接する配線との間隔は、現在のビルドアップ基板にもとめられる最小ギャップである30μmとした。評価は、貫通孔の導通チェックおよび貫通孔を受けるランドと配線間で発生する絶縁不良の確認を200枚ずつ行なった。結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
実験結果から絶縁樹脂層の貫通孔径が75μm未満では貫通導体で導通不良が発生し、130μmを超えると基板の収縮変動の影響も受け、貫通孔の受けランドと隣接配線との距離を30μmとしたときに貫通孔が受けランドよりずれて隣接配線間でショートして絶縁不良が発生し、実用に供することができないことがわかった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、配線基板が絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっきにより充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることから、貫通孔の内部にめっきを充填して貫通導体を形成する際、貫通導体を形成するためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込み、その結果、貫通孔の内部に貫通導体が良好に充填・形成され貫通導体に断線が発生することはない。また、貫通導体を貫通孔にめっきを充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体との間で剥離して貫通導体が断線することもなく、さらに、この配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうこともない。
【0070】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、配線基板が絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっきにより充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることから、貫通孔内に貫通導体を被着させる際、貫通導体を被着させるためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込み、その結果、貫通孔内に貫通導体が良好に充填・形成された配線基板を得ることができる。さらに、貫通導体を貫通孔にめっきを充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体との間で剥離して貫通導体が断線することもなく、さらに、この配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうことのない、接続信頼性に優れた配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施形態の一例を示す部分断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の部分断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・絶縁樹脂板
2A・2B・・・内層導体
3A・3B・・・絶縁樹脂層
4・・・・・・・貫通孔
5・・・・・・・貫通導体
6A・6B・・・表層導体
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機材料系の配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子を搭載するための有機材料系の配線基板として、例えば両面または片面に銅箔から成る配線導体を有するガラス−エポキシ板から成る複数の絶縁層を同じくガラス−エポキシ板から成る接着層を介して積層して成る多層配線基板が用いられている。この有機材料系の多層配線基板においては、その上面から下面にかけて複数の貫通孔が設けられており、貫通孔内壁には各絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体同士を電気的に接続するための銅めっき膜から成る貫通導体が被着形成されており、それにより立体的な高密度配線が可能となっている。
【0003】
なお、このような有機材料系の多層配線基板は、両面または片面に厚みが15〜50μm程度の銅箔から成る配線導体が被着形成された厚みが0.1〜0.5mm程度のガラス−エポキシ板から成る複数の絶縁板を厚みが0.1〜0.2mm程度のガラス−エポキシ板から成る接着層を介して積層した後、その上面から下面にかけて直径が200〜500μm程度の貫通孔をドリル加工により穿孔し、しかる後、貫通孔内壁に厚みが15〜50μm程度の銅めっき膜から成る貫通導体を無電解めっき法および電解めっき法により被着させ、その後に内壁に貫通導体を形成した貫通孔内に穴埋め樹脂をスクリーン印刷法により充填させるとともにその穴埋め樹脂を硬化させた後に穴埋め樹脂上を研磨し、しかる後、基板表面の導体をサブトラクト法等の手法により導体パターンを形成することにより製作されている。また、この多層配線基板の両面にビルドアップ樹脂層およびビルドアップ配線層を形成することによりビルドアップ配線基板が製作される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような有機材料系の多層配線基板においては、その配線密度をさらに高めるために貫通孔の直径を例えば75〜130μm程度の小さなものとする試みがなされている。このような直径が75〜130μm程度の小さな貫通孔を形成するためには例えばレーザによる穿孔方法が採用される。
【0005】
しかしながら、従来の有機材料系の多層配線基板においては、各絶縁板および接着層の厚みが0.1〜0.5mm程度と厚いことから、各絶縁板および接着層を貫通する貫通孔の直径を例えば75〜130μm程度の小さなものとすると、この貫通孔の内壁に銅めっき膜から成る貫通導体を被着させる際、貫通導体を被着させるためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込みにくくなり、そのため貫通導体が良好に被着されずに貫通導体に断線が発生してしまいやすいという問題点を有していた。
【0006】
また、貫通導体と穴埋め樹脂との間で剥離が生じ、この剥離により貫通導体が断線したり、あるいはこの多層配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合、この剥離が起点となりビルドアップ樹脂層にクラックが生じビルドアップ配線層が断線してしまうという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、貫通孔の直径を例えば75〜130μm程度の小さいものとしても貫通導体に断線が発生することがなく、また貫通導体と穴埋め樹脂間での剥離により生じるクラックでのビルドアップ配線層での断線を発生させない、極めて高密度な配線が可能な配線基板およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板の上下両面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体が被着された両面銅張板の上下両面に厚みが内層導体上で25〜45μmの絶縁樹脂層が被着されているとともに、両面銅張板および絶縁樹脂層を上下に貫通し、かつ絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっき導体により充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の配線基板の製造方法は、厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板の上下両面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体が被着された両面銅張板の上下両面に厚みが内層導体上で25〜45μmの絶縁樹脂層を被着させるとともに、両面銅張板および絶縁樹脂層を上下に貫通し、かつ絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔を形成し、次に貫通孔の内部に貫通導体をめっき導体により充填して形成するとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体をめっきにより被着させることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の配線基板によれば、配線基板が絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっき導体により充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることから、貫通孔の内部にめっき導体を充填して貫通導体を形成する際、貫通導体を形成するためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込み、その結果、貫通孔の内部に貫通導体が良好に充填・形成され貫通導体に断線が発生することはない。また、貫通導体を貫通孔にめっき導体を充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体との間で剥離して貫通導体が断線することもなく、さらに、この配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうこともない。
【0011】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、配線基板が絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっき導体により充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることから、貫通孔内に貫通導体を被着させる際、貫通導体を被着させるためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込み、その結果、貫通孔内に貫通導体が良好に充填・形成された配線基板を得ることができる。さらに、貫通導体を貫通孔にめっき導体を充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体との間で剥離して貫通導体が断線することもなく、さらに、この配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうことのない、接続信頼性に優れた配線基板を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板について添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の配線基板の実施形態の一例を示す部分断面図である。図1において、1は絶縁樹脂板、2A・2Bは内層導体、3A・3Bは絶縁樹脂層、4は貫通孔、5は貫通導体、6A・6Bは表層導体であり、主として絶縁樹脂板1の上下両面に内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bが被着されるとともに絶縁樹脂板1・内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bを貫通して複数の貫通孔4が設けられ、さらに貫通孔4の内部に貫通導体5がめっき導体により充填・形成されるとともに絶縁樹脂層3A・3Bの表面に表層導体6A・6Bがめっきにより被着形成されることにより本発明の配線基板7が構成されている。なお、本実施形態例においては、絶縁樹脂層3A・3Bおよび表層導体6A・6Bの上にソルダーレジスト8が設けられている。
【0013】
絶縁樹脂板1は、本発明の配線基板のコア部材として機能し、例えばガラスクロスやアラミドクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂を含浸させた有機系絶縁材料から成る厚みが0.35〜0.45mmの平板であり、その上下両面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体2A・2Bが被着された、いわゆる両面銅張り板を構成している。この絶縁樹脂板1は、その厚みが0.35mm未満ではその上下面に絶縁樹脂層3A・3Bを被着させたり、あるいは絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bを貫通して複数の貫通孔4を形成したり、あるいは表層導体6A・6Bを形成したり、さらにはソルダーレジスト8を形成する際等に熱や外力等の影響で配線基板に反りや変形が発生して配線基板に要求される平坦度を確保できなくなってしまう危険性が大きなものとなり、他方、0.45mmを超えると、後述するように貫通孔4の内部に貫通導体5を充填・形成するとき、貫通孔4内にめっき液が浸入しにくくなり、貫通導体5を良好に形成することが困難となる。したがって、絶縁樹脂板1の厚みは0.35〜0.45mmの範囲に特定される。
【0014】
なお、絶縁樹脂板1は、ガラスクロスやアラミドクロスに含浸させるエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂中にシリカやアルミナあるいはアラミド樹脂等から成るフィラーをガラスクロスやアラミドクロス等の繊維部分と樹脂部分とでレーザ光の透過度が略同等となる程度に含有させておけば、後述するように絶縁樹脂板1にレーザ光で貫通孔4を穿孔する際に、貫通孔4を絶縁樹脂板1に略均一な大きさで良好に形成することが可能となる。したがって、絶縁樹脂板1のガラスクロスやアラミドクロスに含浸させるエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂中にはシリカやアルミナあるいはアラミド樹脂等から成るフィラーをガラスクロスやアラミドクロス等の繊維部分と樹脂部分とでレーザ光の透過度が略同等となるように含有させておくことが好ましい。
【0015】
また、絶縁樹脂板1の上下面に被着された内層導体2A・2Bは、銅箔から成り、主として電源層やグランド層として機能する内層配線パターンWとこの内層配線パターンWから電気的に独立したダミーパターンDとを有し、その厚みが3〜12μm、その表面の算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度である。内層導体2A・2Bは、その厚みが3μm未満の場合、導通パターンを従来周知のサブトラクト法で形成する際、導体が薄すぎで本来パターンの部分までエッチングされてしまい絶縁不良が発生しやすくなる。他方、12μmを超える場合、後述するように絶縁樹脂板1・内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bとを貫通する貫通孔4をレーザ加工により穿孔する場合に、直径が75〜130μmの貫通孔4を安定して形成することが困難となる。したがって、内層導体2A・2Bの厚みは、3〜12μmの範囲に特定される。
【0016】
なお、内層導体2A・2Bは、貫通孔4により貫通されるとともに後述する貫通導体5に接続する内層配線パターンWまたはダミーパターンDを全ての貫通孔4に対応して有するように形成しておくと、貫通孔4をレーザ加工により穿孔する際に全ての貫通孔4においてレーザ光の吸収・反射を略同じとして全ての貫通孔4を略均一な大きさおよび形状に形成することができる。したがって、内層導体2A・2Bは、貫通孔4により貫通される内層配線パターンWまたはダミーパターンDを全ての貫通孔4に対応して有するように形成しておくことが好ましい。
【0017】
この場合、ダミーパターンDは、その直径が貫通孔4の直径よりも40〜100μm程度大きな略円形のパターンとすればよく、内層配線パターンWとの間に30〜60μm程度の幅の間隔を設ければよい。ダミーパターンDの直径が貫通孔4の直径よりも40μm未満大きな場合には、レーザ加工により貫通孔4を穿孔する際にダミーパターンDを正確に貫通することが困難となり、他方、100μmを超えて大きな場合には、内層配線パターンWの面積を広く採ることが困難となる。
【0018】
また、ダミーパターンDと内層配線パターンWとの間隔が30μm未満の場合には、ダミーパターンDと内層配線パターンWとの間の電気的絶縁が良好に保てなくなる傾向にあり、他方、60μmを超えると、内層配線パターンWの面積を広く採ることが困難となる。
【0019】
また、内層導体2A・2Bは、その表面の算術平均粗さRaが0.2μm未満の場合、内層導体2A・2Bと絶縁樹脂層3A・3Bとが強固に密着せずに内層導体2A・2Bと絶縁樹脂層3A・3Bとの間で剥離が発生しやすくなる傾向にあり、他方2μmを超えると、そのような粗い面を安定かつ効率良く形成することが困難となる傾向にある。したがって、内層導体2A・2B表面の算術平均粗さRaは0.2〜2μmの範囲が好ましい。
【0020】
また、絶縁樹脂板1の上下面に被着された絶縁樹脂層3A・3Bはエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂から成り、レーザ光に対する分解度合いが絶縁樹脂板1よりも大きく、その表面に表層導体6A・6Bが被着されている。絶縁樹脂層3A・3Bは、互いに絶縁すべき内層導体2A・2Bと表層導体6A・6Bを電気的に絶縁するための絶縁間隔を提供するためのものであり、その厚みが内層導体2A・2B上で25〜45μmである。この絶縁樹脂層3A・3Bは、その厚みが内層導体2A・2B上で25μm未満の場合、互いに絶縁すべき内層導体2A・2Bと表層導体6A・6Bを電気的に良好に絶縁することができなくなり、他方、45μmを超えると、絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bならびに絶縁樹脂層3A・3Bを貫通する貫通孔4をレーザ加工により穿孔する際に直径が75〜130μmの貫通孔4を良好に形成することが困難となる。したがって、絶縁樹脂層3A・3Bの厚みは内層導体2A・2B上で25〜45μmの範囲に特定される。
【0021】
表層導体6A・6Bは、厚みが8〜30μmの銅めっき膜から成り、電源配線およびグランド配線および信号配線を具備する表層配線パターンを形成している。そして、表層導体6Aの露出する一部に図示しない電子部品の電極が半田を介して接続されるとともに、下面側の表層導体6Bの露出する一部が図示しない他の配線基板等に半田を介して接続される。
【0022】
これらの表層導体6A・6Bは、その厚みが8μm未満であると、配線パターンの電気抵抗が高いものとなり、他方、30μmを超えると、配線パターンを高密度に形成することが困難となる。したがって、表層導体6A・6Bの厚みは、8〜30μmの範囲が好ましい。
【0023】
さらに、本発明の配線基板においては、絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bを貫通して直径が75〜130μmの貫通孔4が形成されており、この貫通孔4の内部にめっき導体を充填することにより貫通導体5が形成されている。貫通孔4は、貫通導体5を絶縁樹脂層3Aの上面から絶縁樹脂層3Bの下面にかけて導出させるための導出路を提供するためのものであり、例えばレーザ加工により穿孔されている。この貫通孔4は、その直径が絶縁樹脂板1においては75〜115μmで略同じ大きさであり、絶縁樹脂層3A・3Bにおいては開口部で90〜130μmとなるように外側に向かって拡径している。
【0024】
このように、本発明の配線基板によれば、貫通孔4の孔径が75〜130μmと小さいことから、貫通導体5および表層導体6A・6Bを高密度で配置することができ、それにより極めて高密度な配線を有する配線基板を得ることができる。
【0025】
また、貫通孔4は、その直径が絶縁樹脂層3A・3Bの部位で外側に向かって広がっていることから、後述するように貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込み、その結果、貫通孔4内に貫通導体5を良好に充填・形成することができる。さらに、貫通導体5を貫通孔4にめっき導体を充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体5との間で剥離して貫通導体5が断線することもなく、また、この配線基板7を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体5と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうこともない。
【0026】
なお、貫通孔4の直径が75μm未満の場合、貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込まずに貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を良好に形成することが困難となり、他方、130μmを超えると、貫通導体5および表層導体6A・6Bを高密度で配置することが困難となる。したがって、貫通孔4の直径は、75〜130μmの範囲に特定される。
【0027】
また、貫通孔4の開口部における直径が絶縁樹脂板1における直径よりも10μm未満大きい場合には、貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込まずに貫通孔4内に貫通導体5を良好に充填・形成することが困難となり、他方、50μmを超えて大きな場合には、そのような形状を有する貫通孔4を安定して形成することが困難となる。したがって、貫通孔4の開口部における直径は、絶縁樹脂板1における直径よりも10〜50μm大きいことが好ましい。
【0028】
貫通孔4内に充填・形成された貫通導体5は銅から成り、絶縁樹脂板1および絶縁樹脂層3A・3Bを挟んで上下に位置する内層導体2A・2Bおよび表層導体6A・6B同士を互いに電気的に接続する接続導体として機能する。
【0029】
さらに、絶縁樹脂層3A・3Bの表面には、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂から成るソルダーレジスト8が被着されている。ソルダーレジスト8は、貫通導体5および表層導体6A・6Bを保護するとともに表層導体6A・6Bにおける表層配線パターン同士を電気的に良好に絶縁するための保護層として機能し、表層導体6A・6Bの一部を露出させる所定のパターンに被着形成されている。
【0030】
なお、ソルダーレジスト8は、その表層導体6A・6B上における厚みが10μm未満であると、表層導体6A・6Bを良好に保護することができなくなるとともに表層導体6A・6Bにおける表層配線パターン同士を電気的に良好に絶縁することができなくなる傾向にあり、他方、40μmを超えると、ソルダーレジスト8を所定のパターンに形成することが困難となる傾向にある。したがって、ソルダーレジスト8の表層導体6A・6B上における厚みは、10〜40μmの範囲が好ましい。
【0031】
かくして、本発明の配線基板によれば、直径が75〜130μmの貫通孔4内に貫通導体5を良好に充填・形成することができ、それにより貫通導体5に断線が発生することのないとともに、貫通導体5を起点としたクラックの発生しない極めて高密度な配線の配線基板とすることができる。
【0032】
次に、図1に示した配線基板を本発明の製造方法により製造する方法について図2(a)〜(f)を参照して説明する。
まず、図2(a)に部分断面図で示すように、例えばガラスクロスやアラミドクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂の樹脂を含浸させた有機系絶縁材料から成る厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板1の上下面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体2A・2Bが被着形成された両面銅張板を準備する。なお、内層導体2A・2Bはその表面の算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度となるように、その表面を粗化しておく。
【0033】
絶縁樹脂板1は、その厚みが0.35mm未満ではその上下面に絶縁樹脂層3A・3Bを被着させたり、あるいは絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bを貫通して複数の貫通孔4を形成したり、表層導体6A・6Bやソルダーレジスト8を形成する際等に熱や外力等の影響で配線基板7に反りや変形が発生して配線基板7に要求される平坦度を確保できなくなってしまう危険性が大きなものとなり、他方、0.45mmを超えると、後述するように貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成するとき、貫通孔4内にめっき液が浸入しにくくなり、貫通導体5に断線が発生しやすくなる。したがって、絶縁樹脂板1の厚みは0.35〜0.45mmの範囲に特定される。
【0034】
また、内層導体2A・2Bは、その厚みが3μm未満の場合、内層導体2A・2Bのパターンを従来周知のサブトラクト法で形成する際、導体が薄すぎで本来パターンの部分までエッチングされてしまい絶縁不良が発生しやすくなる。、他方、12μmを超える場合、後述するように絶縁樹脂板1と内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂層3A・3Bとを貫通する貫通孔4をレーザ加工により穿孔する場合に、直径が75〜130μmの貫通孔4を安定して形成することが困難となる。したがって、内層導体2A・2Bの厚みは、3〜12μmの範囲に特定される。
【0035】
また、内層導体2A・2Bは、その表面の算術平均粗さRaが0.2μm未満の場合、後述するように、絶縁樹脂板1の上下面に絶縁樹脂層3A・3Bを被着させる際に内層導体2A・2Bと絶縁樹脂層3A・3Bとが強固に密着せずに内層導体2A・2Bと絶縁樹脂層3A・3Bとの間で剥離が発生しやすくなる傾向にあり、他方2μmを超えると、そのような粗い面を安定かつ効率良く形成することが困難となる傾向にある。したがって、内層導体2A・2B表面の算術平均粗さRaは0.2〜2μmの範囲が好ましい。
【0036】
さらに、内層導体2A・2Bは貫通孔4が形成される位置に貫通孔4により貫通されるパターンを全ての貫通孔4に対応して設けておくと、レーザ加工により貫通孔4を形成する際に全ての貫通孔4においてレーザ光の吸収・反射が均一となり、全ての貫通孔4を略均一に形成することができる。したがって、内層導体2A・2Bは貫通孔4が形成される位置に貫通孔4により貫通されるパターンを全ての貫通孔4に対応して設けておくことが好ましい。
【0037】
このような内層導体2A・2Bは、絶縁樹脂板1の上下全面に厚みが8〜16μm程度の銅箔を貼着するとともに、この銅箔上に感光性のドライフィルムレジストを被着させ、次にこの感光性ドライフィルムレジストを従来周知のフォトリソグラフィー技術により露光・現像してパターン形成位置にドライフィルムレジストを有するエッチングマスクを形成し、次にエッチングマスクから露出した銅箔を塩化第2銅水溶液もしくは塩化第2鉄水溶液から成るエッチング液を用いてエッチング除去し、最後にエッチングマスクを剥離した後、塩化第2銅水溶液に蟻酸が含有された粗化液を用いてその表面をエッチングして粗化することによって形成される。
【0038】
次に、図2(b)に部分断面図で示すように、両面銅張板の上下面にその厚みが内層導体2A・2B上で25〜45μmの絶縁樹脂層3A・3Bを被着形成する。この絶縁樹脂層3A・3Bはエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化型の樹脂から成り、炭酸ガスレーザ等のレーザ光に対する分解度合いが絶縁樹脂板1よりも大きい。
【0039】
この絶縁樹脂層3A・3Bは、その厚みが内層導体2A・2B上で25μm未満の場合、互いに絶縁すべき内層導体2A・2Bと表層導体6A・6B、および表層導体6A・6Bとその上位の絶縁樹脂層3A・3Bの上に形成された表層導体6A・6Bとを電気的に良好に絶縁することができなくなり、他方、45μmを超えると、絶縁樹脂板1および内層導体2A・2Bならびに絶縁樹脂層3A・3Bを貫通する貫通孔4をレーザ加工により穿孔する際に直径が75〜130μmの貫通孔4を良好に形成することが困難となる。したがって、絶縁樹脂層3A・3Bの厚みは内層導体2A・2B上で25〜45μmの範囲に特定される。
【0040】
なお、絶縁樹脂板1の上下面に内層導体2A・2Bが被着されて成る両面銅張板の上下面に絶縁樹脂層3A・3Bを被着形成するには、半硬化状態の熱硬化性樹脂のフィルムを両面銅張板の上下両面に真空ラミネーターで仮圧着した後、これを熱処理して硬化させる方法が採用される。
【0041】
次に図2(c)に部分断面図で示すように、レーザ加工により絶縁樹脂層3A・3Bおよび内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂板1を貫通する直径が75〜130μmの複数の貫通孔4を穿孔する。このとき、絶縁樹脂層3A・3Bのレーザ光に対する分解度合いが絶縁樹脂板1よりも大きいことから、貫通孔4は、絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径する形状となる。
このように、貫通孔4の直径を75〜130μmと小さいものとすることから、後述するように貫通導体5および導体6A・6Bを形成する際に貫通導体5および表層導体6A・6Bを高密度で配置することができ、それにより高密度な配線基板を得ることができる。また、貫通孔4の孔径が絶縁樹脂層3A・3Bの部位で外側に向かって広がっていることから、後述するように貫通孔4の内部にめっきを充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込み、その結果、貫通孔4内に貫通導体5を良好に形成することができる。
【0042】
なお、貫通孔4の孔径が75μm未満の場合、貫通孔4の内部にめっき導体を充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込まず、貫通孔4の内部に貫通導体5を良好に形成することができなくなり、他方、130μmを超えると、貫通導体5および表層導体6A・6Bを高密度で配置することが困難となる。したがって、貫通孔4の直径は、75〜130μmの範囲に特定される。
【0043】
また、貫通孔4の開口部における直径が絶縁樹脂板1における直径よりも10μm未満大きい場合には、貫通孔4の内部にめっきを充填して貫通導体5を形成する際に、貫通導体5を形成するためのめっき液が貫通孔4の内部に良好に入り込まずに貫通孔4の内部に貫通導体5を良好に形成することが困難となり、他方、50μmを超えて大きな場合には、そのような形状を有する貫通孔4を安定して形成することが困難となる。したがって、貫通孔4の開口部における直径は、絶縁樹脂板1における直径よりも10〜50μm大きくしておくことが好ましい。
【0044】
なお、絶縁樹脂層3A・3Bおよび内層導体2A・2Bおよび絶縁樹脂板1に貫通孔4を形成するには、絶縁樹脂層3A・3B上に例えばレーザ光のエネルギーを良好に吸収する黒色もしくは黒色に近い色を有する樹脂から成るレーザ加工用シートを貼着し、このレーザ加工用シートの上から7〜12mJの出力の炭酸ガスレーザ光を50〜500μ秒のパルス幅で所定の位置に照射して貫通孔4を穿孔する方法が採用される。このとき、炭酸ガスレーザ光の出力が7mJ未満だと貫通孔4を十分な大きさに穿孔することが困難となる傾向にあり、他方、12mJを超えると絶縁樹脂層3A・3Bにおける貫通孔4の孔径が大きくなりすぎてしまう傾向にある。したがって、照射する炭酸ガスレーザ光は、その出力が7〜12mJでパルス幅が50〜500μ秒の範囲であることが好ましい。なお、レーザ加工用シートは、貫通孔4を穿孔した後に剥離する。このように貫通孔4をレーザ加工により形成することにより、直径が75〜130μmで、絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径する形状の貫通孔4を容易に形成することができる。
【0045】
次に、図2(d)に部分断面図で示すように、貫通孔4内壁および絶縁樹脂層3A・3Bの表面に厚みが1〜3μmの無電解銅めっき膜から成るめっき膜13Aを被着させる。なお、無電解めっき膜から成るめっき膜13Aを被着させるには、例えば塩化アンモニウム系酢酸パラジウムを含有するパラジウム活性液を使用して貫通孔4内壁および絶縁樹脂層3A・3Bの表面にパラジウム触媒を付着させるとともに、その上に硫酸銅系の無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき膜を被着させればよい。このとき、貫通孔4は、絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径していることから、貫通孔4内に無電解銅めっき液が良好に浸入し、その結果、貫通孔4内壁および絶縁樹脂層3A・3Bの表面に無電解銅めっき膜を略均一な厚みに良好に被着させることができる。なお、無電解銅めっき膜から成るめっき膜13Aを被着させる前に絶縁樹脂層3A・3B表面および貫通孔4内壁を例えば過マンガン酸カリウム溶液や過マンガン酸ナトリウム溶液から成る粗化液を用いてその算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるように粗化しておくと無電解銅めっき膜から成るめっき膜13Aを強固に被着させることができる。したがって、無電解銅めっき膜から成るめっき膜13Aを被着させる前に絶縁樹脂層3A・3B表面および貫通孔4内壁を例えば過マンガン酸カリウム溶液や過マンガン酸ナトリウム溶液から成る粗化液を用いてその算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるように粗化しておくことが好ましい。
【0046】
次に、図2(e)に部分断面図で示すように、絶縁樹脂層3A・3B上の無電解銅めっき膜上にめっき用マスク14を被着させ、しかる後、貫通孔4の内部に電解銅めっきを充填するとともにめっき用マスク14から露出した絶縁樹脂層3A・3B上の無電解銅めっき膜上に厚みが50〜60μm程度の電解銅めっき膜を被着させ、貫通孔4の内部に貫通導体5を、そして絶縁樹脂層3A・3B表面にそのパターン形成部位が選択的に厚く被着された無電解めっき膜と電解銅めっき膜とから成るめっき膜13Bを形成する。
【0047】
なお、めっき用マスク14は、例えば感光性ドライフィルムレジストを絶縁樹脂層3A・3B上の無電解銅めっき膜上に被着させるとともに、このドライフィルムレジストをフォトリソグラフィー技術により露光・現像して所定のパターンに加工することによって形成する
また、電解銅めっき膜を被着させるための電解銅めっき液としては、例えば、硫酸銅系から成る電解銅めっき液を用いればよい。このとき、貫通孔4は、絶縁樹脂層3A・3Bにおいて外側に向けて拡径していることから、貫通孔4内に電解銅めっき液が良好に浸入し、その結果、貫通孔4の内部に電解銅めっきが良好に充填されるとともに、絶縁樹脂層3A・3Bの表面に電解銅めっき膜が略均一な厚みに良好に被着される。
【0048】
次に、図2(f)に部分断面図で示すように、めっきマスク14を剥離するとともにめっきマスク14の下にあった無電解銅めっき膜が消滅するまで無電解銅めっき膜および電解銅めっき膜をエッチングし、その後貫通導体5の上面および表層導体6A・6Bが平坦化されるまで表面研磨を行い、貫通導体5および絶縁樹脂層3A・3Bの表面に表層導体6A・6Bを形成する。
【0049】
なお、無電解銅めっき膜および電解銅めっき膜をエッチングするには、塩化第2銅水溶液または塩化第2鉄水溶液から成るエッチング液を用いればよい。
また、貫通導体5および表層導体6A・6Bの平坦化のための研磨にはバフロール研磨を用いればよい。表層導体6A・6Bの厚みは、表層導体6A・6Bの厚みが8μm未満であると、配線パターンの電気抵抗が高いものとなり、他方、30μmを超えると、配線パターンを高密度に形成することが困難となる。したがって、表層導体6A・6Bの厚みは、8〜30μmの範囲が好ましくバフロール後の厚みもこの厚みとすることが望ましい。
【0050】
最後に絶縁樹脂層3A・3Bおよび表層導体6A・6Bの表面にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル等の熱硬化性樹脂から成るソルダーレジスト8を被着させることにより図1に示す本発明の配線基板が完成する。
【0051】
なお、ソルダーレジスト8は、ソルダーレジスト8用の感光性の樹脂ペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁樹脂層3A・3B側から印刷塗布し、これを従来周知のフォトリソグラフィー技術を採用して所定のパターンに露光・現像することによって形成される。
【0052】
かくして、本発明の配線基板の製造方法によれば、貫通導体5に断線が発生することがなく、極めて高密度な配線が可能な配線基板を得ることができる。
【0053】
なお、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、絶縁樹脂層3A・3B上に間に配線層を介して複数のビルドアップ樹脂層を積層し、ビルドアップ配線基板としてもよい。
【0054】
【実施例】
本発明の配線基板の特性を評価するために、サンプルを作製し次の評価を行った。
(実施例1)
まず、絶縁樹脂板の厚みを0.33〜0.47mmの範囲とし、その絶縁樹脂板の両面に厚み45μmの絶縁樹脂層を被着させ175℃1時間の加熱処理後、直径が75μmの貫通孔をレーザにより形成し、次に、過マンガン酸カリウム溶液からなる粗化液で貫通孔の内壁を算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるよるように粗化し、基板の表面および内壁に無電界めっきを被着させ無電界めっき上にめっきレジストを形成し、しかる後に電解めっきにて表層および貫通孔を充填させるめっき仕様でめっきを充填し、その後にめっきレジストを剥離し、硫酸−過酸化水素水でエッチングしてテストパターンを形成し、テスト基板を作成した。その後硬化後の厚みが25μmとなるようにソルダーレジストを塗布し80℃の温度で30分間の乾燥後、および150℃の温度で1時間の加熱処理後のそれぞれの厚みの基板の反りを測定した。反りの定義は1辺が40mmの正方形形状の基板の対角線上で50mm離れた2点間の反り値である。また、反り測定後に貫通導体の導通チェックを行なった。なお、各厚みの試験結果は、各厚みの絶縁樹脂板を20枚ずつ測定し、その平均値を示した。また、導通チェックは各厚みの絶縁樹脂板を200枚ずつチェックする。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
実験結果から、絶縁樹脂板の厚みが0.35mm未満では、反りが配線基板に要求される平坦度(反りの値で100μm/50mm以下)を満足せず、0.45mmを超えると、貫通導体ので導通不良(断線)が2/200基板発生し、実用に供することができないことがわかった。
【0057】
(実施例2)
厚みが0.4mmの絶縁樹脂板上の内層導体の厚みを2〜13μmの範囲とし、サブトラクト法で配線および配線幅がそれぞれ100μmおよび100μmのテストパターンを製作し実験を行なった。評価は、絶縁樹脂板上の内層導体上にテストパターンが形成されたエッチングレジストを被着させ、塩化第2銅からなるエッチング液でエッチングしエッチングレジストを剥離することによりテストパターンを形成し、導通チェックすることにより行なった。導通チェックは絶縁樹脂板を200枚ずつチェックした。また貫通孔の形成として内層導体のテストパターンを形成した絶縁樹脂板の両面に厚み45μmの絶縁樹脂層を被着させ、175℃1時間の加熱処理後、直径が100μmとなるように貫通孔をレーザにより形成した。
【0058】
このときのレーザ条件は、事前テストで貫通孔径が100μmに近づくように検討した各絶縁樹脂板の最適条件とした。貫通孔の直径を測定し75〜130μmの範囲に入っているか各絶縁基板より100穴の貫通孔を測定しその最大値で判定した。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
実験結果から、内層導体の厚みが3μm未満ではサブトラクト法で配線パターンを形成する際導通不良が発生し、また12μmを超えると、貫通孔の径が130μm以上(実施例4で示す実用に適しない範囲)となり実用に供することができないことがわかった。
【0061】
(実施例3)
厚みが0.4mmの絶縁樹脂板に内層導体を9μmとしてテストパターンを作製し、その絶縁樹脂板の両面に厚みを23、25、35、45、47μmとして条件を変えた絶縁樹脂を被着し、175℃1時間の加熱処理後、直径が100μmとなるように貫通孔をレーザにより形成した。その時点で貫通孔の直径を測定し75〜130μmの範囲に入っているか各絶縁基板より100穴の貫通孔を測定しその最大値で判定した。またその測定の後、過マンガン酸カリウム溶液からなる粗化液で貫通孔の内壁および絶縁樹脂表面を算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるように粗化し、基板の表面および内壁に無電界めっきを被着させ、めっきレジストを形成し、電解めっきを行い、めっきレジストを剥離して、硫酸−過酸化水素水を主成分とするエッチング液でエッチングしてテストパターンを形成しその後厚みが導体上で25μmとなるソルダーレジストを形成してテスト基板を作製した。
【0062】
このテスト基板をHASTとよばれる加速信頼性試験に投入し絶縁抵抗値を測定した。HASTの試験条件は温度130℃で湿度が85%の高温高湿度槽の中に印加電圧5Vを負荷し168時間後の絶縁抵抗値を測定する。テスト基板は10個測定した。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
実験結果より絶縁樹脂層の厚みが23μm未満の場合HASTとよばれる加速信頼性試験後の絶縁抵抗値の最低値が一般的に要求される1.0×106未満と満足せず、47μを超えると、貫通孔の径が130μm以上(実施例4で示す実用に適しない範囲)となり実用に供することができないことがわかった。
【0065】
(実施例4)
厚みが0.4mmの絶縁樹脂板の両面に厚み45μmの絶縁樹脂層を被着させ、175℃1時間の加熱処理後、直径が絶縁樹脂層で径が72〜135μmの貫通孔をあらかじめ事前テストにより検討した条件によりレーザで形成した。その後過マンガン酸カリウム溶液からなる粗化液で貫通孔の内壁を算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるよるように粗化し、基板の表面および内壁に無電界めっきを被着させ、その上にめっきレジストを形成した後、電解めっきにて表層および貫通孔を充填させるめっきを行なった。その後めっきレジストを剥離し、硫酸−過酸化水素水でエッチングしてテストパターンを形成し、テスト基板を作成した。そのテストパターンは次の2点が確認できるパターンとなっている。
【0066】
1つは貫通孔の導通を確認できるもの、もうひとつは貫通孔の大きさの変動が基板の収縮の影響を受ける位置合わせも含め、貫通孔を受けるランドと隣接する配線との間で発生する絶縁不良を確認するテストパターンである。受けるランドと隣接する配線との間隔は、現在のビルドアップ基板にもとめられる最小ギャップである30μmとした。評価は、貫通孔の導通チェックおよび貫通孔を受けるランドと配線間で発生する絶縁不良の確認を200枚ずつ行なった。結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
実験結果から絶縁樹脂層の貫通孔径が75μm未満では貫通導体で導通不良が発生し、130μmを超えると基板の収縮変動の影響も受け、貫通孔の受けランドと隣接配線との距離を30μmとしたときに貫通孔が受けランドよりずれて隣接配線間でショートして絶縁不良が発生し、実用に供することができないことがわかった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、配線基板が絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっきにより充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることから、貫通孔の内部にめっきを充填して貫通導体を形成する際、貫通導体を形成するためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込み、その結果、貫通孔の内部に貫通導体が良好に充填・形成され貫通導体に断線が発生することはない。また、貫通導体を貫通孔にめっきを充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体との間で剥離して貫通導体が断線することもなく、さらに、この配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうこともない。
【0070】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、配線基板が絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部に貫通導体がめっきにより充填されて成るとともに、絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることから、貫通孔内に貫通導体を被着させる際、貫通導体を被着させるためのめっき液が貫通孔内に良好に入り込み、その結果、貫通孔内に貫通導体が良好に充填・形成された配線基板を得ることができる。さらに、貫通導体を貫通孔にめっきを充填して形成することから、従来の配線基板のように穴埋め樹脂と貫通導体との間で剥離して貫通導体が断線することもなく、さらに、この配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合においても、貫通導体と穴埋め樹脂との剥離によって生じるクラックによってビルドアップ樹脂層にクラックが生じたりビルドアップ配線層が断線してしまうことのない、接続信頼性に優れた配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施形態の一例を示す部分断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の部分断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・絶縁樹脂板
2A・2B・・・内層導体
3A・3B・・・絶縁樹脂層
4・・・・・・・貫通孔
5・・・・・・・貫通導体
6A・6B・・・表層導体
Claims (2)
- 厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板の上下両面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体が被着された両面銅張板の前記上下両面に厚みが前記内層導体上で25〜45μmの絶縁樹脂層が被着されているとともに、前記両面銅張板および前記絶縁樹脂層を上下に貫通し、かつ前記絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔が形成され、該貫通孔の内部に貫通導体がめっき導体により充填されて成るとともに、前記絶縁樹脂層の表面に表層導体がめっきにより被着形成されて成ることを特徴とする配線基板。
- 厚みが0.35〜0.45mmの絶縁樹脂板の上下両面に厚みが3〜12μmの銅箔から成る内層導体が被着された両面銅張板の前記上下両面に厚みが前記内層導体上で25〜45μmの絶縁樹脂層を被着させるとともに、前記両面銅張板および前記絶縁樹脂層を上下に貫通し、かつ前記絶縁樹脂層において外側に向けて拡径する直径が75〜130μmの複数の貫通孔を形成し、次に前記貫通孔の内部に貫通導体をめっき導体により充填して形成するとともに、前記絶縁樹脂層の表面に表層導体をめっきにより被着させることを特徴とする配線基板の製造方法。
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JP2002222425A JP2004063927A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 配線基板およびその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012144493A1 (ja) * | 2011-04-18 | 2012-10-26 | イビデン株式会社 | ソルダーレジスト、ソルダーレジスト原料、led基板、発光モジュール、発光モジュールを有する機器、led基板の製造方法、発光モジュールの製造方法、及び発光モジュールを有する機器の製造方法 |
JP2013157628A (ja) * | 2010-07-14 | 2013-08-15 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | プリント基板の製造方法 |
-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002222425A patent/JP2004063927A/ja not_active Withdrawn
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WO2012144493A1 (ja) * | 2011-04-18 | 2012-10-26 | イビデン株式会社 | ソルダーレジスト、ソルダーレジスト原料、led基板、発光モジュール、発光モジュールを有する機器、led基板の製造方法、発光モジュールの製造方法、及び発光モジュールを有する機器の製造方法 |
JP2012227293A (ja) * | 2011-04-18 | 2012-11-15 | Ibiden Co Ltd | ソルダーレジスト、ソルダーレジスト原料、led基板、発光モジュール、発光モジュールを有する機器、led基板の製造方法、発光モジュールの製造方法、及び発光モジュールを有する機器の製造方法 |
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