JP2004063546A - 電子ビーム露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビームボケ量の余裕度を考慮した近接効果補正方法によって、CD制御性を確保できる高加速で電子線を照射する電子ビーム露光方法を提供する。
【解決手段】まず、S1で、レチクル上に形成するデバイスパターンの形状を決定する。そして、S2で、このデバイスパターン形状に基づいて近接効果によるバイアス量分布を設定する。次に、S3で、ビームブラー(ビームボケ)量が変化したときの線幅の変動を予測し、S4で、ビームブラーが変動したときのCD収束域が最も狭くなる(ピボタルポイント)露光ドーズ量を設定し、さらに、この露光ドーズ量においてリシェイプ量をゼロとする部分を決定し、この部分のバイアス量を基準バイアス量に設定する。そして、S5で、この基準バイアス量に対して、S2で求めたバイアス量分布に基づいてリシェイプ量を計算する。これにより、S6で、近接効果補正量(リシェイプ量)のデータを取得する。
【選択図】 図1
【解決手段】まず、S1で、レチクル上に形成するデバイスパターンの形状を決定する。そして、S2で、このデバイスパターン形状に基づいて近接効果によるバイアス量分布を設定する。次に、S3で、ビームブラー(ビームボケ)量が変化したときの線幅の変動を予測し、S4で、ビームブラーが変動したときのCD収束域が最も狭くなる(ピボタルポイント)露光ドーズ量を設定し、さらに、この露光ドーズ量においてリシェイプ量をゼロとする部分を決定し、この部分のバイアス量を基準バイアス量に設定する。そして、S5で、この基準バイアス量に対して、S2で求めたバイアス量分布に基づいてリシェイプ量を計算する。これにより、S6で、近接効果補正量(リシェイプ量)のデータを取得する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路等のリソグラフィーに用いられる電子ビーム露光方法に関する。特には、ビームブラーを考慮して近接効果補正を行う電子ビーム露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、0.1μmルール以降の微細パターン形成技術の開発が活発に行われている。その中で、メモリー量産対応も可能なほどにスループットの高めうるEB縮小投影露光方法が注目されている。これはPREVAILあるいはSCALPEL(登録商標)と呼ばれる技術で、0.1μmノード以下のデバイス作製に対応する量産対応機として、株式会社ニコンではEBステッパーとして製品化が発表されている。
【0003】
これらの技術の一つの特長は、100kV前後の非常に高加速の電子線を転写光源に用いることにある。高加速化するのは、0.1μm以下という非常に微細なレジストパターン形成に有利なためである。一般に、レジストに入射した電子線は、レジスト高分子中で散乱し、その軌道が少しずつ広がっていく、いわゆる前方散乱が起こる。しかし、電子線を高加速で照射するほどこの前方散乱径は小さくなり、パターン微細化に有利となるわけである。
【0004】
また、光学系内で最も電子が収束する部分であるクロスオーバー部やウェハ上の投影面では、電子線の電子が相互に反発するクーロン相互作用が非常に大きく働き、ビームボケ量を大きくしてしまい、解像性劣化の要因となることも問題となっている。しかし、この場合も、電子線を高加速化することによりクーロン相互作用が小さくなり、結果としてビームボケ量が小さくなって解像性を向上させる。
【0005】
ところで、レジスト中を散乱しながら基板(ウェハ)表面に到達した電子は、ほとんどがそのまま基板中に入り込み、そのエネルギーがほとんど0になるまで散乱を繰り返す。その散乱半径は電子線が高加速化するほど大きくなり、100kVの電圧では約50μmに達すると考えられる。基板に入り込んだ電子の内、ある程度の割合のものは散乱を繰り返しながら再び基板表面に戻ってきて、レジスト中に堆積して、レジスト像形成反応に寄与することになる。この基板表面に戻ってきた電子がいわゆる後方散乱電子であり、レジスト感光反応への寄与によるドーズ量変動を引き起こす。このドーズ量変動が、いわゆる近接効果とよばれる現象である。
【0006】
したがって、高加速電子線を用いたEB縮小投影露光法では、近接効果によるドーズ量変動に対する補正が非常に重要な課題となる。
近接効果補正方法として、リシェイプ補正法あるいはゴースト補正法が有力と考えられている。なお、可変成形ビーム露光法などではそのショットサイズが数μmとかなり小さいことから、ショット毎に露光ドーズ量を最適化するという方法が実用化されているが、露光面積が250μm角と大きいEBステッパなどではこの方法は使えない。
【0007】
リシェイプ補正法とは、ウェハ上への像形成が所望の線幅、形状となるように、レチクル上のパターン寸法、形状を補正する方法である。例えば、同一間隔のラインが100μm角以上にわたって並んでいる、いわゆるDRAMメモリゲートのようなパターンの場合、パターン密度が高い中央部ほど近接効果の影響が大きい。このため、周辺パターンが所定の線幅となる露光条件では、中央部にいくに従ってパターン線幅は太っていくことになる。この傾向を補正するには、中央部のパターンのレチクル上における線幅を、太る分に対応する分だけ細く(マイナス補正)しておけばよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
高性能先端デバイスを製作する際には、露光装置は、装置性能上可能な最も厳しい条件下で操作されるため、装置の様々な制御パラメータの制御性のバランスがとれていることが望ましい。そして、各制御パラメータの制御性は十分な余裕度を有していることが望ましい。これは近接効果の補正においても同様で、補正時にはこの制御性を考慮する必要がある。
【0009】
ところで、実際にリシェイプ補正を行う際、まず、レチクル上のパターンの配置からレチクル上の各部分での近接効果量を求める。具体的には、露光ドーズ量に近接効果分として上乗せされるエネルギーをバイアス量として算出する。バイアス量とは、後方散乱電子によるバックグラウンドドーズ(BGD、かぶり量)のことである。一般に、パターンの密度が高いほどバイアス量は多くなる。そして、算出されたバイアス量から線幅の補正量を計算する。この処理はデータ変換と呼ばれる処理の一部である。補正量を決める際には、何らかの基準バイアス量(基準BGD)を決め、この基準バイアス量に対して補正量を決めている。基準バイアス量は、通常は近接効果の影響がほとんどない部分のバイアス量とし、近接効果の影響を受ける部分については、近接効果によって線幅が太る分だけ、レチクル上のパターン要素にマイナス補正をかけている。
【0010】
しかし、この方法では、全ての制御パラメータの余裕度を考慮したわけではなく、CD(最小線幅、Critical Dimension)の制御性を保証したことにはならない。すなわち、データ変換処理で近接効果補正を計算する際には、制御パラメータとして、主に、近接効果によるバイアス量計算精度、露光ドーズ量及びその精度、ビームボケ量及びΔボケ量、レチクルパターン作製精度等を考慮していく必要がある。このうち、近接効果によるバイアス量計算精度は計算アルゴリズムに、露光ドーズ量精度は装置性能に、レチクルパターン作製精度はそのプロセス及び装置に依存してほぼ決定される。現在はバジェットで規定された値(例えば、対象線幅比の10%以下)を目標として開発が進められており、この条件下では上記のパラメータはほぼ決定されつつある。
【0011】
一方、ビームボケ量も装置の性能でほぼ決まってしまうものであり、光学系が有する補正残となる幾何収差に加え、ビーム電流量に依存するクーロンボケ量が支配的である。さらに、ローカルなパターン密度が高い部分における空間電荷効果、又は、経時変化等の安定性も影響する。もしビームボケ量の変動があった場合はバイアス量が変わってしまい、このバイアス量に基づいて決定したリシェイプ量も変化する。そのため、いったん決定されたリシェイプ量に基づいて作製されたレチクルが使えなくなってしまうという事態も起こり得る。そこで、ビームボケ量がある程度変動した場合でも、同一のレチクルを使用してCD制御性を確保できる近接効果補正方法が求められている。
【0012】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ビームボケ量の余裕度を考慮した近接効果補正方法によって、CD制御性を確保できる高加速で電子線を照射する電子ビーム露光方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の電子ビーム露光方法は、 感応基板上に転写すべきデバイスパターンをレチクル上に形成し、 該レチクルを電子ビーム照明し、 該レチクルを通過した電子ビームを前記感応基板上に投影して前記パターンを転写する露光方法であって、 予め前記レチクルのパターンの各要素に寸法変化(リシェイプ)を与えておいて近接効果を補正し、 ここで、前記パターンの各要素毎のリシェイプ量を設定する際に、前記感応基板上に投影されるビームのボケ量(ブラー)が変動した場合における近接効果に起因する各パターン要素の線幅変動を予測し、 該線幅変動が好ましい形態となるように前記リシェイプ量を設定することを特徴とする。
ビームブラーは様々な要因により変動するので、その変動を前提として、ビームブラー変動時における近接効果に起因するパターン要素の線幅変動を予測しておく。そして、その線幅変動が好ましい形態となるようリシェイプ量を決定する。このため、ビームブラーがある程度変動しても線幅精度が許容範囲内に入る。
【0014】
本発明においては、 前記線幅変動量が各パターン要素について所定範囲内となるように前記リシェイプ量を決定することとできる。特には、 前記デバイスパターン上のパターン密度が高いところ、あるいは、ローカルクーロンデフォーカスの生じる部分において前記パターン要素の線幅変動が所定範囲内となるように前記リシェイプ量を決定することとできる。あるいは、 前記デバイスパターンの転写時に収差が大きい部分、あるいは、線幅制御を高精度で行うべき部分において、前記パターン要素の線幅変動が所定範囲内となるように前記リシェイプ量を決定することとできる。
パターン密度が高くビームブラーが大きくなりやすいところで、ビームブラー変動時における近接効果に起因するパターン要素の線幅変動が多くなる。逆にいうと、パターン密度が低いところは、あまりビームブラー変動はなく、ビームブラー変動時における近接効果に起因するパターン要素の線幅変動もあまり起こらない。そこで、問題となりやすい部分に着目してそこでの線幅変動を抑える。
【0015】
本発明においては、 前記デバイスパターンを前記感応基板上に露光したときの散乱電子ドーズ量(バック・グラウンド・ドーズ、BGD)の分布を求め、 リシェイプ量をゼロとする部分のBGD(基準BGD)を設定し、 他の部分のリシェイプ量を、該部分のBGDと前記基準BGDとの差に基づいて設定し、 ここで、前記デバイスパターン上のビームブラーが大きくなりやすい部分、又は、ビームブラー変動が予測される部分のBGDを基準BGDとすることが好ましい。
【0016】
本発明においては、 前記デバイスパターン上のビームブラーが大きくなりやすい部分、又は、ビームブラー変動が予測される部分における露光のしきい値を、ビームブラー変動によっても線幅変動が起きないようなレベルに設定することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
まず、分割転写方式の電子ビーム露光装置の概要を説明する。
図2は、分割転写方式の電子ビーム露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
光学系の最上流に配置されている電子銃1は、下方に向けて電子線を放射する。電子銃1の下方には2段のコンデンサレンズ2、3が備えられており、電子線は、これらのコンデンサレンズ2、3によって収束されブランキング開口7にクロスオーバーC.O.を結像する。
【0018】
二段目のコンデンサレンズ3の下には、矩形開口4が備えられている。この矩形開口(照明ビーム成形開口)4は、レチクル(マスク)10の一つのサブフィールド(露光の1単位となるパターン小領域)を照明する照明ビームのみを通過させる。この開口4の像は、レンズ9によってレチクル10に結像される。
【0019】
ビーム成形開口4の下方には、ブランキング偏向器5が配置されている。同偏向器5は、必要時に照明ビームを偏向させてブランキング開口7の非開口部に当て、ビームがレチクル10に当たらないようにする。
ブランキング開口7の下には、照明ビーム偏向器(照明光学系の主偏向器)8が配置されている。この偏向器8は、主に照明ビームを図2の横方向(X方向)に順次走査して、照明光学系の視野内にあるレチクル10の各サブフィールドの照明を行う。偏向器8の下方には、照明レンズ9が配置されている。照明レンズ9は、レチクル10上にビーム成形開口4を結像させる。
【0020】
レチクル10は、実際には光軸垂直面内(X−Y面)に広がっている。レチクル10上には、全体として一個の半導体デバイスチップをなすパターン(チップパターン)が形成されている。もちろん、複数のレチクルに1個の半導体デバイスチップをなすパターンを分割して配置しても良い。レチクル10上のパターンは、多数のサブフィールドに分割されている。
【0021】
レチクル10は、移動可能なレチクルステージ11上に載置されており、レチクル10を光軸垂直方向(XY方向)に動かすことにより、照明光学系の視野よりも広い範囲に広がるレチクル上の各サブフィールドを照明することができる。
レチクルステージ11には、レーザ干渉計を用いた位置検出器12が付設されており、レチクルステージ11の位置をリアルタイムで正確に把握することができる。
【0022】
レチクル10の下方には、投影レンズ15及び19並びに投影光学系の主偏向器(像位置調整偏向器)16が設けられている。レチクル10の1つのサブフィールドを通過した電子線は、投影レンズ15、19、主偏向器16によって感応基板(ウェハ)23上の所定の位置に結像される。ウェハ23上には、適当なレジストが塗布されており、レジストに電子線のドーズが与えられ、レチクル上のパターンが縮小されてウェハ23上に転写される。
【0023】
レチクル10とウェハ23の間を縮小率比で内分する点にクロスオーバーC.O.が形成され、同クロスオーバー位置にはコントラスト開口18が設けられている。コントラスト開口18は、レチクル10の非パターン部で散乱された電子線がウェハ23に到達しないよう遮断する。
【0024】
ウェハ23は、静電チャック(図示されず)を介して、XY方向に移動可能なウェハステージ24上に載置されている。上記レチクルステージ11とウェハステージ24とを、互いに逆の方向に同期走査することにより、投影光学系の視野を越えて広がるチップパターン内の各部を順次露光することができる。なお、ウェハステージ24にも、上述のレチクルステージ11と同様の位置検出器25が装備されている。
【0025】
ウェハ23の直上には、反射電子検出器22が配置されている。この反射電子検出器22は、ウェハ23の被露光面やステージ上のマークで反射される電子の量を検出する。例えばレチクル10上のマークパターンを通過したビームでウェハ23上のマークを走査し、その際のマークからの反射電子を検出することにより、レチクル10とウェハ23の相対的位置関係や電子線(ビーム)の性状を知ることができる。
【0026】
上記各レンズ2、3、9、15、19及び各偏向器5、8、16は、各々のコイル電源制御部2a、3a、9a、15a、19a及び5a、8a、16aを介してコントローラ31によりコントロールされる。また、レチクルステージ11及びウェハステージ24も、ステージ制御部11a、24aを介して、コントローラ31により制御される。ステージ位置検出器12、25は、アンプやA/D変換器等を含むインターフェース12a、25aを介してコントローラ31に信号を送る。また、反射電子検出器22も同様のインターフェース22aを介してコントローラ31に信号を送る。
【0027】
コントローラ31は、ステージ位置の制御誤差を把握し、その誤差を主偏向器16で補正する。これにより、レチクル10上のサブフィールドの縮小像がウェハ23上の目標位置に合わせるよう制御できる。そして、ウェハ23上で各サブフィールド像が繋ぎ合わされて、レチクル10上のチップパターン全体がウェハ23上に転写される。
【0028】
次に、図3を参照して近接効果の挙動を説明する。
図3は、近接効果量と補正量との関係を模式的に示すグラフである。グラフの横軸は、巨大露光部からの距離(μm)、縦軸は、線幅が0.1μmのラインパターンの近接効果によるサイズ変化量(μm)を示す。ここで、露光部からの距離とは、一辺が50μmの大きさの巨大露光部の一辺からの距離を示す。巨大露光部に近いほど近接効果の影響が大きく(バイアス量が大きく)、遠いほど少ない。サイズ変化量とは、0の場合はパターンのサイズが変化しない場合を示し、値が大きいほどパターンが太り、小さいほど細る。
また、ビームボケ量(nm)を意図的に変化させたときの近接効果量と補正量との関係を求めた。ビームボケ量は電流密度を変えたり、フォーカスを変化させることによって変化させた。
【0029】
グラフからわかるように、ビームボケ量によらず、巨大露光部からの距離が近い場合はパターンが太り、同距離が遠くなるほど細くなっている。すなわち、巨大露光部に近いと同部での近接効果の影響が大きくなる(後方散乱電子によるBGDが大きくなる)ため、パターンサイズが太ることになる。
【0030】
さらに、ビームボケ量を変化させた場合は、距離が10μm程度までは、ビームボケ量がどの値でも、距離が遠くなるほどパターンが同じように細っている。つまり、線幅の変化にビームボケの影響が現れないためビームボケ量に対する余裕度が非常に大きい条件であるといえる。しかし、距離が10μm以上になると、ビームボケ量によってサイズの変化幅が極度に広くなり、ビームボケ量が多いほど細っていく傾向がある。つまり、近接効果の影響が比較的少ない部分においては、何らかの影響でビームボケが発生すると、このビームボケが線幅に大きく影響を与えることを示す。
【0031】
図4は、露光ドーズ量を変えた場合の、近接効果量とパターンサイズとの関係におけるビームブラーの影響を示すグラフであり、図4(A)は露光ドーズ量が32μC/cm2、図4(B)は露光ドーズ量が36μC/cm2の場合を示す。グラフの横軸は、巨大露光部からの距離、縦軸は、線幅が0.1μmのラインパターンが近接効果の影響を受けた場合に、実際に形成される露光パターンの線幅(CD)を示す。各露光ドーズ量において、ビームブラーを20nm、50nm、60nm、80nmと変化させた。
【0032】
図4(A)に示すように、露光ドーズ量が32μC/cm2の場合は、巨大露光部からの距離が近い場合は線幅(CD)は太っており、距離が遠くなるほど細くなっている。そして、ビームブラーの変動による線幅の変動幅は、いずれの距離においてもほぼ一定で、0.02μm以内である。
【0033】
図4(B)に示すように、露光ドーズ量が36μC/cm2の場合も、巨大露光部からの距離が近い場合は線幅(CD)は太っており、距離が遠くなるほど減少している。しかし、ビームブラーの変動による線幅の変動幅は、距離が10μm程度以上から広くなり、約50μm程度の時に最も広く、約0.03μm程度である。
【0034】
以上のように、ビームブラーを変化させたときの線幅の収束域(変動幅)は、露光ドーズ量に応じて変化する。そして、適切な露光ドーズ量においては、ビームブラーが発生しても(例えば、空間電荷効果で局所的にフォーカスが変化しても)、線幅の寸法変化が少ない条件となる。この現象は、ピボタルポイントを考えることで理解できる。ここでピボタルポイントとは、ビームブラーの変動による線幅の変動幅が極めて狭い条件である。
このように、近接効果補正時に制御パラメータの余裕度を確保する基準バイアス量は、露光ドーズ量に大きく依存している。すなわち、適切な基準バイアス量のレベルは、露光ドーズ量で制御される。
【0035】
ここで、ビームブラーの変動と線幅変動との関係を図5を参照しつつ簡単に説明しておく。
図5は、ピボタルポイントにおけるビームブラーの変動と線幅変動との関係を模式的に示す図である。図の横軸は位置、縦軸は強度を示す。図中の実線はビームブラー、破線はパターンの露光強度の分布を表す。
図に示すように、ビームブラーの異なる場合(図のB1、B2で示す)、あるしきい値のときのみ、パターン幅が同一となる条件がある。これがピボタルポイントである。すなわち、ピボタルポイントとは、ビームブラー(ビームボケ)とCDとに相関がない露光条件となる。
【0036】
ところで、ビームブラー変動の発生要因として、空間電荷効果と、サブフィールド内の収差分布やEBステッパーの長期使用等が考えられる。
空間電荷効果の影響が大きい部分は、図3においては、巨大露光部からの距離が数μm以下の部分で、ローカルなパターン密度が高い部分である。空間電荷効果が大きいと、その部分で基準となるフォーカスに対して局所的にデフォーカスしてしまうという現象が起こる。このときのデフォーカス量は、標準パターン部分のパターン密度と、パターン密度が高い部分のローカルなビーム電流密度に依存してほぼ決定される。例えば、標準パターン部分のパターン密度が5%であり、ローカルなパターン密度が高い(50%)部分のビーム電流密度が16mA/cm2である場合、ローカルなパターン密度が高い部分は数μmデフォーカスしてしまう。このデフォーカスした部分を補正しないとCD精度が確保できないため、デフォーカス量も考慮して近接効果補正を行う必要がある。このような補正を行うものとして、クーロンデフォーカス量を予め計算し、ブラーマップを作成し、各パターン要素の線幅補正量を決めるというアルゴリズムが開発されつつある。しかし、このアルゴリズムでは、全てのパターンに対して精度よく計算することは困難である。そこで、近接効果補正をより容易に高精度に行うため、ビームブラー変動による線幅の収束域(変動幅)が最小となる領域を、このローカルクーロンデフォーカスが生じる領域(すなわち、空間電荷効果の影響が大きい部分、パターン密度が高い部分)に合わせて補正するとよい。
【0037】
また、サブフィールド内の収差分布やEBステッパーの長期使用に伴う変動も考慮して近接効果補正を行う必要がある。特に、電子軌道が最適値からずれると、サブフィールドの端部でブラーが増大するといったことも起こり得る。この部分にCD制御を高精度で行いたいパターンが存在する場合、ビームブラー変動による線幅の収束域(変動幅)が最小となる領域を、サブフィールドの端部に合わせて補正するとよい。これにより、近接効果補正をより高精度に行うことができる。なお、サブフィールド内のブラー分布やEBステッパーの長期使用によるビームブラーの変動がある場合、この近接効果補正方法で十分にCD精度を確保することができる。
【0038】
次に、本発明の実施の形態の近接効果補正方法について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子ビーム露光装置における近接効果補正方法を説明するフローチャートである。
まず、S1で、レチクル上に形成するデバイスパターンの形状を決定する。そして、S2で、このデバイスパターン形状に基づいて近接効果によるバイアス量分布を設定する。ここで、バイアス量分布は、前方散乱と後方散乱の強度分布関数(EID関数)を用い、通常二重又は三重ガウス分布で近似する。次に、S3で、ビームブラー(ビームボケ)量が変化したときの線幅の変動を予測し、S4で線幅変動を最も望ましい形態とする(すなわち、ビームブラーが変動したときのCD収束域が最も狭くなる(ピボタルポイント))露光ドーズ量を設定し、さらに、この露光ドーズ量においてリシェイプ量をゼロとする部分を決定し、この部分のバイアス量を基準バイアス量に設定する。リシェイプ量をゼロとする部分としては、近接効果の影響がほとんどない部分、ビームブラーが大きくなりやすい部分、又は、ビームブラーの変動が予測される部分などが好ましい。
そして、S5で、この基準バイアス量に対して、S2で求めたバイアス量分布に基づいてリシェイプ量を計算する。これにより、S6で、近接効果補正量(リシェイプ量)のデータを取得する。なお、リシェイプ量を計算する際に、近接効果によるバイアス量計算精度、及び/又は、露光ドーズ量精度等も合わせて考慮することが好ましい。
【0039】
次に、本発明の近接効果補正方法の実施例について説明する。
本実験は、100nmノードのメモリゲート近接効果補正を目的として行った。
レチクルパターンは、ゲート線幅が400nmで、L/S比を1/1とした(S1)。なお、簡略化のためこの汎用メモリ用ゲートパターンのみとし、周辺回路パターンは省略した。そして、このパターンをデータ変換ソフトに挿入してバイアス量分布を計算した(S2)。この際、EID関数は、二重ガウス関数で近似した。EID関数のパラメータは、βf=7nm、βb=30μm、η=0.4とした。ここで、βfは前方散乱電子の拡がり半径、βbは後方散乱電子の広がり半径、ηは後方散乱電子の拡がり半径/前方散乱電子の拡がり半径を示す。この結果、パターン密度が50%の部分で最も近接効果の影響が大きくなった。このときの近接効果の影響は、図3において距離が0.1μm前後の部分と同等の線幅変動を示すことがわかった。
【0040】
そこで、クーロンデフォーカスが生じる領域(すなわち、近接効果の影響が大きい部分、パターン密度が高い部分)であるパターンの中心部分でビームブラーを意図的に変動させ(S3)、CD収束域が最も狭くなる露光ドーズ量を計算又は実験により求めた。この実験においては、露光ドーズ量が38μC/cm2のときにCD収束域が最も狭くなった。そして、この露光ドーズ量において、リシェイプ量をゼロとする部分を求め、この部分のバイアス量を基準バイアス量に設定した(S4)。
【0041】
そして、この基準バイアス量に対して、S2で求めたバイアス量分布に応じて、各パターンのリシェイプ量を算出し、パターンの近接効果補正量データを得た(S6)。
【0042】
実験に用いるレチクルは、電子散乱体として厚さが2μmのSiメンブレンと、このメンブレンを保持するストラット構造体を基本構造とした。そして、Siメンブレン上に開口パターンを形成し、その開口を通過した電子がウェハ上に縮小投影されて露光される。レチクル基板には6インチのSOIウェハを用いてメンブレンを形成した。なお、メンブレンでは位置歪に対してメンブレン自体の応力を制御する必要があるため、SOIウェハ上にボロンを熱拡散させて応力を制御した。レチクルパターンは、上述のようにゲート線幅が400nmで、L/S=1/1とした。
【0043】
露光装置は、ニコンで開発されたEBステッパ実験機を用いた。同機の主要なスペックは、電子線加速電圧100kV、縮小倍率4倍、一括露光エリア0.25mm角とし、露光基板には8インチSiウェハを用いた。
【0044】
本実施例においては、まず、8インチウェハ上に0.3μm厚のレジストを塗布し、プリベークを行った後露光装置に搬送した。なお、EBレジストには住友化学株式会社製の化学増幅型ネガ型レジストNEBシリーズを用いた。
【0045】
一次露光用レチクルを露光装置内に搬送した後、露光実験を実施した。露光後、PEB及び現像を行い、CD−SEM機で線幅を評価した。その結果、露光領域全面でパターンは均一な線幅で形成されていた。さらに、再現性確認のため、一日後、同様の実験を行った。その際のビームボケ量と、前日のビームボケ量との差Δブラーは12nmであった。前日と同様のレチクルを使用し、露光後現像した結果、露光領域全面でパターンは均一な線幅で形成されており、再現性が確認された。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ビームボケ量の余裕度を考慮した近接効果補正方法によって、CD制御性を確保できる高加速で電子線を照射する電子ビーム露光方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子ビーム露光装置における近接効果補正方法を説明するフローチャートである。
【図2】分割転写方式の電子ビーム露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
【図3】近接効果量と補正量との関係を模式的に示すグラフである。
【図4】露光ドーズ量を変えた場合の、近接効果量とパターンサイズとの関係におけるビームブラーの影響を示すグラフであり、図4(A)は露光ドーズ量が32μC/cm2、図4(B)は露光ドーズ量が36μC/cm2の場合を示す。
【図5】ピボタルポイントにおけるビームブラーの変動と線幅変動との関係を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 電子銃 2、3 コンデンサレンズ
4 矩形開口 5 ブランキング偏向器
7 ブランキング開口 8 照明ビーム偏向器
9 照明レンズ 10 レチクル
11 レチクルステージ 12 ステージ位置検出器
15、19 投影レンズ 16 主偏向器
18 コントラスト開口 22 反射電子検出器
25 ステージ位置検出器 23 感応基板(ウェハ)
31 コントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路等のリソグラフィーに用いられる電子ビーム露光方法に関する。特には、ビームブラーを考慮して近接効果補正を行う電子ビーム露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、0.1μmルール以降の微細パターン形成技術の開発が活発に行われている。その中で、メモリー量産対応も可能なほどにスループットの高めうるEB縮小投影露光方法が注目されている。これはPREVAILあるいはSCALPEL(登録商標)と呼ばれる技術で、0.1μmノード以下のデバイス作製に対応する量産対応機として、株式会社ニコンではEBステッパーとして製品化が発表されている。
【0003】
これらの技術の一つの特長は、100kV前後の非常に高加速の電子線を転写光源に用いることにある。高加速化するのは、0.1μm以下という非常に微細なレジストパターン形成に有利なためである。一般に、レジストに入射した電子線は、レジスト高分子中で散乱し、その軌道が少しずつ広がっていく、いわゆる前方散乱が起こる。しかし、電子線を高加速で照射するほどこの前方散乱径は小さくなり、パターン微細化に有利となるわけである。
【0004】
また、光学系内で最も電子が収束する部分であるクロスオーバー部やウェハ上の投影面では、電子線の電子が相互に反発するクーロン相互作用が非常に大きく働き、ビームボケ量を大きくしてしまい、解像性劣化の要因となることも問題となっている。しかし、この場合も、電子線を高加速化することによりクーロン相互作用が小さくなり、結果としてビームボケ量が小さくなって解像性を向上させる。
【0005】
ところで、レジスト中を散乱しながら基板(ウェハ)表面に到達した電子は、ほとんどがそのまま基板中に入り込み、そのエネルギーがほとんど0になるまで散乱を繰り返す。その散乱半径は電子線が高加速化するほど大きくなり、100kVの電圧では約50μmに達すると考えられる。基板に入り込んだ電子の内、ある程度の割合のものは散乱を繰り返しながら再び基板表面に戻ってきて、レジスト中に堆積して、レジスト像形成反応に寄与することになる。この基板表面に戻ってきた電子がいわゆる後方散乱電子であり、レジスト感光反応への寄与によるドーズ量変動を引き起こす。このドーズ量変動が、いわゆる近接効果とよばれる現象である。
【0006】
したがって、高加速電子線を用いたEB縮小投影露光法では、近接効果によるドーズ量変動に対する補正が非常に重要な課題となる。
近接効果補正方法として、リシェイプ補正法あるいはゴースト補正法が有力と考えられている。なお、可変成形ビーム露光法などではそのショットサイズが数μmとかなり小さいことから、ショット毎に露光ドーズ量を最適化するという方法が実用化されているが、露光面積が250μm角と大きいEBステッパなどではこの方法は使えない。
【0007】
リシェイプ補正法とは、ウェハ上への像形成が所望の線幅、形状となるように、レチクル上のパターン寸法、形状を補正する方法である。例えば、同一間隔のラインが100μm角以上にわたって並んでいる、いわゆるDRAMメモリゲートのようなパターンの場合、パターン密度が高い中央部ほど近接効果の影響が大きい。このため、周辺パターンが所定の線幅となる露光条件では、中央部にいくに従ってパターン線幅は太っていくことになる。この傾向を補正するには、中央部のパターンのレチクル上における線幅を、太る分に対応する分だけ細く(マイナス補正)しておけばよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
高性能先端デバイスを製作する際には、露光装置は、装置性能上可能な最も厳しい条件下で操作されるため、装置の様々な制御パラメータの制御性のバランスがとれていることが望ましい。そして、各制御パラメータの制御性は十分な余裕度を有していることが望ましい。これは近接効果の補正においても同様で、補正時にはこの制御性を考慮する必要がある。
【0009】
ところで、実際にリシェイプ補正を行う際、まず、レチクル上のパターンの配置からレチクル上の各部分での近接効果量を求める。具体的には、露光ドーズ量に近接効果分として上乗せされるエネルギーをバイアス量として算出する。バイアス量とは、後方散乱電子によるバックグラウンドドーズ(BGD、かぶり量)のことである。一般に、パターンの密度が高いほどバイアス量は多くなる。そして、算出されたバイアス量から線幅の補正量を計算する。この処理はデータ変換と呼ばれる処理の一部である。補正量を決める際には、何らかの基準バイアス量(基準BGD)を決め、この基準バイアス量に対して補正量を決めている。基準バイアス量は、通常は近接効果の影響がほとんどない部分のバイアス量とし、近接効果の影響を受ける部分については、近接効果によって線幅が太る分だけ、レチクル上のパターン要素にマイナス補正をかけている。
【0010】
しかし、この方法では、全ての制御パラメータの余裕度を考慮したわけではなく、CD(最小線幅、Critical Dimension)の制御性を保証したことにはならない。すなわち、データ変換処理で近接効果補正を計算する際には、制御パラメータとして、主に、近接効果によるバイアス量計算精度、露光ドーズ量及びその精度、ビームボケ量及びΔボケ量、レチクルパターン作製精度等を考慮していく必要がある。このうち、近接効果によるバイアス量計算精度は計算アルゴリズムに、露光ドーズ量精度は装置性能に、レチクルパターン作製精度はそのプロセス及び装置に依存してほぼ決定される。現在はバジェットで規定された値(例えば、対象線幅比の10%以下)を目標として開発が進められており、この条件下では上記のパラメータはほぼ決定されつつある。
【0011】
一方、ビームボケ量も装置の性能でほぼ決まってしまうものであり、光学系が有する補正残となる幾何収差に加え、ビーム電流量に依存するクーロンボケ量が支配的である。さらに、ローカルなパターン密度が高い部分における空間電荷効果、又は、経時変化等の安定性も影響する。もしビームボケ量の変動があった場合はバイアス量が変わってしまい、このバイアス量に基づいて決定したリシェイプ量も変化する。そのため、いったん決定されたリシェイプ量に基づいて作製されたレチクルが使えなくなってしまうという事態も起こり得る。そこで、ビームボケ量がある程度変動した場合でも、同一のレチクルを使用してCD制御性を確保できる近接効果補正方法が求められている。
【0012】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ビームボケ量の余裕度を考慮した近接効果補正方法によって、CD制御性を確保できる高加速で電子線を照射する電子ビーム露光方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の電子ビーム露光方法は、 感応基板上に転写すべきデバイスパターンをレチクル上に形成し、 該レチクルを電子ビーム照明し、 該レチクルを通過した電子ビームを前記感応基板上に投影して前記パターンを転写する露光方法であって、 予め前記レチクルのパターンの各要素に寸法変化(リシェイプ)を与えておいて近接効果を補正し、 ここで、前記パターンの各要素毎のリシェイプ量を設定する際に、前記感応基板上に投影されるビームのボケ量(ブラー)が変動した場合における近接効果に起因する各パターン要素の線幅変動を予測し、 該線幅変動が好ましい形態となるように前記リシェイプ量を設定することを特徴とする。
ビームブラーは様々な要因により変動するので、その変動を前提として、ビームブラー変動時における近接効果に起因するパターン要素の線幅変動を予測しておく。そして、その線幅変動が好ましい形態となるようリシェイプ量を決定する。このため、ビームブラーがある程度変動しても線幅精度が許容範囲内に入る。
【0014】
本発明においては、 前記線幅変動量が各パターン要素について所定範囲内となるように前記リシェイプ量を決定することとできる。特には、 前記デバイスパターン上のパターン密度が高いところ、あるいは、ローカルクーロンデフォーカスの生じる部分において前記パターン要素の線幅変動が所定範囲内となるように前記リシェイプ量を決定することとできる。あるいは、 前記デバイスパターンの転写時に収差が大きい部分、あるいは、線幅制御を高精度で行うべき部分において、前記パターン要素の線幅変動が所定範囲内となるように前記リシェイプ量を決定することとできる。
パターン密度が高くビームブラーが大きくなりやすいところで、ビームブラー変動時における近接効果に起因するパターン要素の線幅変動が多くなる。逆にいうと、パターン密度が低いところは、あまりビームブラー変動はなく、ビームブラー変動時における近接効果に起因するパターン要素の線幅変動もあまり起こらない。そこで、問題となりやすい部分に着目してそこでの線幅変動を抑える。
【0015】
本発明においては、 前記デバイスパターンを前記感応基板上に露光したときの散乱電子ドーズ量(バック・グラウンド・ドーズ、BGD)の分布を求め、 リシェイプ量をゼロとする部分のBGD(基準BGD)を設定し、 他の部分のリシェイプ量を、該部分のBGDと前記基準BGDとの差に基づいて設定し、 ここで、前記デバイスパターン上のビームブラーが大きくなりやすい部分、又は、ビームブラー変動が予測される部分のBGDを基準BGDとすることが好ましい。
【0016】
本発明においては、 前記デバイスパターン上のビームブラーが大きくなりやすい部分、又は、ビームブラー変動が予測される部分における露光のしきい値を、ビームブラー変動によっても線幅変動が起きないようなレベルに設定することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
まず、分割転写方式の電子ビーム露光装置の概要を説明する。
図2は、分割転写方式の電子ビーム露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
光学系の最上流に配置されている電子銃1は、下方に向けて電子線を放射する。電子銃1の下方には2段のコンデンサレンズ2、3が備えられており、電子線は、これらのコンデンサレンズ2、3によって収束されブランキング開口7にクロスオーバーC.O.を結像する。
【0018】
二段目のコンデンサレンズ3の下には、矩形開口4が備えられている。この矩形開口(照明ビーム成形開口)4は、レチクル(マスク)10の一つのサブフィールド(露光の1単位となるパターン小領域)を照明する照明ビームのみを通過させる。この開口4の像は、レンズ9によってレチクル10に結像される。
【0019】
ビーム成形開口4の下方には、ブランキング偏向器5が配置されている。同偏向器5は、必要時に照明ビームを偏向させてブランキング開口7の非開口部に当て、ビームがレチクル10に当たらないようにする。
ブランキング開口7の下には、照明ビーム偏向器(照明光学系の主偏向器)8が配置されている。この偏向器8は、主に照明ビームを図2の横方向(X方向)に順次走査して、照明光学系の視野内にあるレチクル10の各サブフィールドの照明を行う。偏向器8の下方には、照明レンズ9が配置されている。照明レンズ9は、レチクル10上にビーム成形開口4を結像させる。
【0020】
レチクル10は、実際には光軸垂直面内(X−Y面)に広がっている。レチクル10上には、全体として一個の半導体デバイスチップをなすパターン(チップパターン)が形成されている。もちろん、複数のレチクルに1個の半導体デバイスチップをなすパターンを分割して配置しても良い。レチクル10上のパターンは、多数のサブフィールドに分割されている。
【0021】
レチクル10は、移動可能なレチクルステージ11上に載置されており、レチクル10を光軸垂直方向(XY方向)に動かすことにより、照明光学系の視野よりも広い範囲に広がるレチクル上の各サブフィールドを照明することができる。
レチクルステージ11には、レーザ干渉計を用いた位置検出器12が付設されており、レチクルステージ11の位置をリアルタイムで正確に把握することができる。
【0022】
レチクル10の下方には、投影レンズ15及び19並びに投影光学系の主偏向器(像位置調整偏向器)16が設けられている。レチクル10の1つのサブフィールドを通過した電子線は、投影レンズ15、19、主偏向器16によって感応基板(ウェハ)23上の所定の位置に結像される。ウェハ23上には、適当なレジストが塗布されており、レジストに電子線のドーズが与えられ、レチクル上のパターンが縮小されてウェハ23上に転写される。
【0023】
レチクル10とウェハ23の間を縮小率比で内分する点にクロスオーバーC.O.が形成され、同クロスオーバー位置にはコントラスト開口18が設けられている。コントラスト開口18は、レチクル10の非パターン部で散乱された電子線がウェハ23に到達しないよう遮断する。
【0024】
ウェハ23は、静電チャック(図示されず)を介して、XY方向に移動可能なウェハステージ24上に載置されている。上記レチクルステージ11とウェハステージ24とを、互いに逆の方向に同期走査することにより、投影光学系の視野を越えて広がるチップパターン内の各部を順次露光することができる。なお、ウェハステージ24にも、上述のレチクルステージ11と同様の位置検出器25が装備されている。
【0025】
ウェハ23の直上には、反射電子検出器22が配置されている。この反射電子検出器22は、ウェハ23の被露光面やステージ上のマークで反射される電子の量を検出する。例えばレチクル10上のマークパターンを通過したビームでウェハ23上のマークを走査し、その際のマークからの反射電子を検出することにより、レチクル10とウェハ23の相対的位置関係や電子線(ビーム)の性状を知ることができる。
【0026】
上記各レンズ2、3、9、15、19及び各偏向器5、8、16は、各々のコイル電源制御部2a、3a、9a、15a、19a及び5a、8a、16aを介してコントローラ31によりコントロールされる。また、レチクルステージ11及びウェハステージ24も、ステージ制御部11a、24aを介して、コントローラ31により制御される。ステージ位置検出器12、25は、アンプやA/D変換器等を含むインターフェース12a、25aを介してコントローラ31に信号を送る。また、反射電子検出器22も同様のインターフェース22aを介してコントローラ31に信号を送る。
【0027】
コントローラ31は、ステージ位置の制御誤差を把握し、その誤差を主偏向器16で補正する。これにより、レチクル10上のサブフィールドの縮小像がウェハ23上の目標位置に合わせるよう制御できる。そして、ウェハ23上で各サブフィールド像が繋ぎ合わされて、レチクル10上のチップパターン全体がウェハ23上に転写される。
【0028】
次に、図3を参照して近接効果の挙動を説明する。
図3は、近接効果量と補正量との関係を模式的に示すグラフである。グラフの横軸は、巨大露光部からの距離(μm)、縦軸は、線幅が0.1μmのラインパターンの近接効果によるサイズ変化量(μm)を示す。ここで、露光部からの距離とは、一辺が50μmの大きさの巨大露光部の一辺からの距離を示す。巨大露光部に近いほど近接効果の影響が大きく(バイアス量が大きく)、遠いほど少ない。サイズ変化量とは、0の場合はパターンのサイズが変化しない場合を示し、値が大きいほどパターンが太り、小さいほど細る。
また、ビームボケ量(nm)を意図的に変化させたときの近接効果量と補正量との関係を求めた。ビームボケ量は電流密度を変えたり、フォーカスを変化させることによって変化させた。
【0029】
グラフからわかるように、ビームボケ量によらず、巨大露光部からの距離が近い場合はパターンが太り、同距離が遠くなるほど細くなっている。すなわち、巨大露光部に近いと同部での近接効果の影響が大きくなる(後方散乱電子によるBGDが大きくなる)ため、パターンサイズが太ることになる。
【0030】
さらに、ビームボケ量を変化させた場合は、距離が10μm程度までは、ビームボケ量がどの値でも、距離が遠くなるほどパターンが同じように細っている。つまり、線幅の変化にビームボケの影響が現れないためビームボケ量に対する余裕度が非常に大きい条件であるといえる。しかし、距離が10μm以上になると、ビームボケ量によってサイズの変化幅が極度に広くなり、ビームボケ量が多いほど細っていく傾向がある。つまり、近接効果の影響が比較的少ない部分においては、何らかの影響でビームボケが発生すると、このビームボケが線幅に大きく影響を与えることを示す。
【0031】
図4は、露光ドーズ量を変えた場合の、近接効果量とパターンサイズとの関係におけるビームブラーの影響を示すグラフであり、図4(A)は露光ドーズ量が32μC/cm2、図4(B)は露光ドーズ量が36μC/cm2の場合を示す。グラフの横軸は、巨大露光部からの距離、縦軸は、線幅が0.1μmのラインパターンが近接効果の影響を受けた場合に、実際に形成される露光パターンの線幅(CD)を示す。各露光ドーズ量において、ビームブラーを20nm、50nm、60nm、80nmと変化させた。
【0032】
図4(A)に示すように、露光ドーズ量が32μC/cm2の場合は、巨大露光部からの距離が近い場合は線幅(CD)は太っており、距離が遠くなるほど細くなっている。そして、ビームブラーの変動による線幅の変動幅は、いずれの距離においてもほぼ一定で、0.02μm以内である。
【0033】
図4(B)に示すように、露光ドーズ量が36μC/cm2の場合も、巨大露光部からの距離が近い場合は線幅(CD)は太っており、距離が遠くなるほど減少している。しかし、ビームブラーの変動による線幅の変動幅は、距離が10μm程度以上から広くなり、約50μm程度の時に最も広く、約0.03μm程度である。
【0034】
以上のように、ビームブラーを変化させたときの線幅の収束域(変動幅)は、露光ドーズ量に応じて変化する。そして、適切な露光ドーズ量においては、ビームブラーが発生しても(例えば、空間電荷効果で局所的にフォーカスが変化しても)、線幅の寸法変化が少ない条件となる。この現象は、ピボタルポイントを考えることで理解できる。ここでピボタルポイントとは、ビームブラーの変動による線幅の変動幅が極めて狭い条件である。
このように、近接効果補正時に制御パラメータの余裕度を確保する基準バイアス量は、露光ドーズ量に大きく依存している。すなわち、適切な基準バイアス量のレベルは、露光ドーズ量で制御される。
【0035】
ここで、ビームブラーの変動と線幅変動との関係を図5を参照しつつ簡単に説明しておく。
図5は、ピボタルポイントにおけるビームブラーの変動と線幅変動との関係を模式的に示す図である。図の横軸は位置、縦軸は強度を示す。図中の実線はビームブラー、破線はパターンの露光強度の分布を表す。
図に示すように、ビームブラーの異なる場合(図のB1、B2で示す)、あるしきい値のときのみ、パターン幅が同一となる条件がある。これがピボタルポイントである。すなわち、ピボタルポイントとは、ビームブラー(ビームボケ)とCDとに相関がない露光条件となる。
【0036】
ところで、ビームブラー変動の発生要因として、空間電荷効果と、サブフィールド内の収差分布やEBステッパーの長期使用等が考えられる。
空間電荷効果の影響が大きい部分は、図3においては、巨大露光部からの距離が数μm以下の部分で、ローカルなパターン密度が高い部分である。空間電荷効果が大きいと、その部分で基準となるフォーカスに対して局所的にデフォーカスしてしまうという現象が起こる。このときのデフォーカス量は、標準パターン部分のパターン密度と、パターン密度が高い部分のローカルなビーム電流密度に依存してほぼ決定される。例えば、標準パターン部分のパターン密度が5%であり、ローカルなパターン密度が高い(50%)部分のビーム電流密度が16mA/cm2である場合、ローカルなパターン密度が高い部分は数μmデフォーカスしてしまう。このデフォーカスした部分を補正しないとCD精度が確保できないため、デフォーカス量も考慮して近接効果補正を行う必要がある。このような補正を行うものとして、クーロンデフォーカス量を予め計算し、ブラーマップを作成し、各パターン要素の線幅補正量を決めるというアルゴリズムが開発されつつある。しかし、このアルゴリズムでは、全てのパターンに対して精度よく計算することは困難である。そこで、近接効果補正をより容易に高精度に行うため、ビームブラー変動による線幅の収束域(変動幅)が最小となる領域を、このローカルクーロンデフォーカスが生じる領域(すなわち、空間電荷効果の影響が大きい部分、パターン密度が高い部分)に合わせて補正するとよい。
【0037】
また、サブフィールド内の収差分布やEBステッパーの長期使用に伴う変動も考慮して近接効果補正を行う必要がある。特に、電子軌道が最適値からずれると、サブフィールドの端部でブラーが増大するといったことも起こり得る。この部分にCD制御を高精度で行いたいパターンが存在する場合、ビームブラー変動による線幅の収束域(変動幅)が最小となる領域を、サブフィールドの端部に合わせて補正するとよい。これにより、近接効果補正をより高精度に行うことができる。なお、サブフィールド内のブラー分布やEBステッパーの長期使用によるビームブラーの変動がある場合、この近接効果補正方法で十分にCD精度を確保することができる。
【0038】
次に、本発明の実施の形態の近接効果補正方法について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子ビーム露光装置における近接効果補正方法を説明するフローチャートである。
まず、S1で、レチクル上に形成するデバイスパターンの形状を決定する。そして、S2で、このデバイスパターン形状に基づいて近接効果によるバイアス量分布を設定する。ここで、バイアス量分布は、前方散乱と後方散乱の強度分布関数(EID関数)を用い、通常二重又は三重ガウス分布で近似する。次に、S3で、ビームブラー(ビームボケ)量が変化したときの線幅の変動を予測し、S4で線幅変動を最も望ましい形態とする(すなわち、ビームブラーが変動したときのCD収束域が最も狭くなる(ピボタルポイント))露光ドーズ量を設定し、さらに、この露光ドーズ量においてリシェイプ量をゼロとする部分を決定し、この部分のバイアス量を基準バイアス量に設定する。リシェイプ量をゼロとする部分としては、近接効果の影響がほとんどない部分、ビームブラーが大きくなりやすい部分、又は、ビームブラーの変動が予測される部分などが好ましい。
そして、S5で、この基準バイアス量に対して、S2で求めたバイアス量分布に基づいてリシェイプ量を計算する。これにより、S6で、近接効果補正量(リシェイプ量)のデータを取得する。なお、リシェイプ量を計算する際に、近接効果によるバイアス量計算精度、及び/又は、露光ドーズ量精度等も合わせて考慮することが好ましい。
【0039】
次に、本発明の近接効果補正方法の実施例について説明する。
本実験は、100nmノードのメモリゲート近接効果補正を目的として行った。
レチクルパターンは、ゲート線幅が400nmで、L/S比を1/1とした(S1)。なお、簡略化のためこの汎用メモリ用ゲートパターンのみとし、周辺回路パターンは省略した。そして、このパターンをデータ変換ソフトに挿入してバイアス量分布を計算した(S2)。この際、EID関数は、二重ガウス関数で近似した。EID関数のパラメータは、βf=7nm、βb=30μm、η=0.4とした。ここで、βfは前方散乱電子の拡がり半径、βbは後方散乱電子の広がり半径、ηは後方散乱電子の拡がり半径/前方散乱電子の拡がり半径を示す。この結果、パターン密度が50%の部分で最も近接効果の影響が大きくなった。このときの近接効果の影響は、図3において距離が0.1μm前後の部分と同等の線幅変動を示すことがわかった。
【0040】
そこで、クーロンデフォーカスが生じる領域(すなわち、近接効果の影響が大きい部分、パターン密度が高い部分)であるパターンの中心部分でビームブラーを意図的に変動させ(S3)、CD収束域が最も狭くなる露光ドーズ量を計算又は実験により求めた。この実験においては、露光ドーズ量が38μC/cm2のときにCD収束域が最も狭くなった。そして、この露光ドーズ量において、リシェイプ量をゼロとする部分を求め、この部分のバイアス量を基準バイアス量に設定した(S4)。
【0041】
そして、この基準バイアス量に対して、S2で求めたバイアス量分布に応じて、各パターンのリシェイプ量を算出し、パターンの近接効果補正量データを得た(S6)。
【0042】
実験に用いるレチクルは、電子散乱体として厚さが2μmのSiメンブレンと、このメンブレンを保持するストラット構造体を基本構造とした。そして、Siメンブレン上に開口パターンを形成し、その開口を通過した電子がウェハ上に縮小投影されて露光される。レチクル基板には6インチのSOIウェハを用いてメンブレンを形成した。なお、メンブレンでは位置歪に対してメンブレン自体の応力を制御する必要があるため、SOIウェハ上にボロンを熱拡散させて応力を制御した。レチクルパターンは、上述のようにゲート線幅が400nmで、L/S=1/1とした。
【0043】
露光装置は、ニコンで開発されたEBステッパ実験機を用いた。同機の主要なスペックは、電子線加速電圧100kV、縮小倍率4倍、一括露光エリア0.25mm角とし、露光基板には8インチSiウェハを用いた。
【0044】
本実施例においては、まず、8インチウェハ上に0.3μm厚のレジストを塗布し、プリベークを行った後露光装置に搬送した。なお、EBレジストには住友化学株式会社製の化学増幅型ネガ型レジストNEBシリーズを用いた。
【0045】
一次露光用レチクルを露光装置内に搬送した後、露光実験を実施した。露光後、PEB及び現像を行い、CD−SEM機で線幅を評価した。その結果、露光領域全面でパターンは均一な線幅で形成されていた。さらに、再現性確認のため、一日後、同様の実験を行った。その際のビームボケ量と、前日のビームボケ量との差Δブラーは12nmであった。前日と同様のレチクルを使用し、露光後現像した結果、露光領域全面でパターンは均一な線幅で形成されており、再現性が確認された。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ビームボケ量の余裕度を考慮した近接効果補正方法によって、CD制御性を確保できる高加速で電子線を照射する電子ビーム露光方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子ビーム露光装置における近接効果補正方法を説明するフローチャートである。
【図2】分割転写方式の電子ビーム露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
【図3】近接効果量と補正量との関係を模式的に示すグラフである。
【図4】露光ドーズ量を変えた場合の、近接効果量とパターンサイズとの関係におけるビームブラーの影響を示すグラフであり、図4(A)は露光ドーズ量が32μC/cm2、図4(B)は露光ドーズ量が36μC/cm2の場合を示す。
【図5】ピボタルポイントにおけるビームブラーの変動と線幅変動との関係を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 電子銃 2、3 コンデンサレンズ
4 矩形開口 5 ブランキング偏向器
7 ブランキング開口 8 照明ビーム偏向器
9 照明レンズ 10 レチクル
11 レチクルステージ 12 ステージ位置検出器
15、19 投影レンズ 16 主偏向器
18 コントラスト開口 22 反射電子検出器
25 ステージ位置検出器 23 感応基板(ウェハ)
31 コントローラ
Claims (6)
- 感応基板上に転写すべきデバイスパターンをレチクル上に形成し、
該レチクルを電子ビーム照明し、
該レチクルを通過した電子ビームを前記感応基板上に投影して前記パターンを転写する露光方法であって、
予め前記レチクルのパターンの各要素に寸法変化(リシェイプ)を与えておいて近接効果を補正し、
ここで、前記パターンの各要素毎のリシェイプ量を設定する際に、前記感応基板上に投影されるビームのボケ量(ブラー)が変動した場合における近接効果に起因する各パターン要素の線幅変動を予測し、
該線幅変動が好ましい形態となるように前記リシェイプ量を設定することを特徴とする電子ビーム露光方法。 - 前記線幅変動量が各パターン要素について所定範囲内となるように前記リシェイプ量を決定することを特徴とする請求項1記載の電子ビーム露光方法。
- 前記デバイスパターン上のパターン密度が高いところ、あるいは、ローカルクーロンデフォーカスの生じる部分において前記パターン要素の線幅変動が所定範囲内となるように前記リシェイプ量を決定することを特徴とする請求項1記載の電子ビーム露光方法。
- 前記デバイスパターンの転写時に収差が大きい部分、あるいは、線幅制御を高精度で行うべき部分において、前記パターン要素の線幅変動が所定範囲内となるように前記リシェイプ量を決定することを特徴とする請求項1記載の電子ビーム露光方法。
- 前記デバイスパターンを前記感応基板上に露光したときの散乱電子ドーズ量(バック・グラウンド・ドーズ、BGD)の分布を求め、
リシェイプ量をゼロとする部分のBGD(基準BGD)を設定し、
他の部分のリシェイプ量を、該部分のBGDと前記基準BGDとの差に基づいて設定し、
ここで、前記デバイスパターン上のビームブラーが大きくなりやすい部分、又は、ビームブラー変動が予測される部分のBGDを基準BGDとすることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の電子ビーム露光方法。 - 前記デバイスパターン上のビームブラーが大きくなりやすい部分、又は、ビームブラー変動が予測される部分における露光のしきい値を、ビームブラー変動によっても線幅変動が起きないようなレベルに設定することを特徴とする請求項3、4又は5記載の電子ビーム露光方法。
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