JP2004063432A - 電池 - Google Patents

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JP2004063432A
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窪田 忠彦
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】充放電サイクル特性などの特性を向上させることができる電池を提供する。
【解決手段】正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を備える。負極22には充電の途中においてリチウム金属が析出するようになっており、負極22の容量はリチウムの吸蔵・離脱による容量成分とリチウムの析出・溶解による容量成分との和により表される。セパレータ23には溶媒にリチウム塩が溶解された電解液が含浸されている。溶媒には、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種が合計で60質量%以上含有されており、充放電サイクル特性などの電池特性が改善されるようになっている。電解液には、ベンゾフェノンなどの添加剤が加えられていることが好ましい。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極および負極と共に電解液を備えた電池に係り、特に、負極の容量が軽金属の吸蔵および離脱による容量成分を含む電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話,PDA(personal digital assistant;個人用携帯型情報端末機器)あるいはノート型コンピュータに代表される携帯型電子機器の小型化および軽量化が精力的に進められ、その一環として、それらの駆動電源である電池、特に二次電池のエネルギー密度の向上が強く望まれている。
【0003】
高エネルギー密度を得ることができる二次電池としては、例えば、負極に炭素材料などのリチウム(Li)を吸蔵および離脱することが可能な材料を用いたリチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池では、負極材料中に吸蔵されたリチウムが必ずイオン状態であるように設計されるため、エネルギー密度は負極材料中に吸蔵することが可能なリチウムイオン数に大きく依存する。よって、リチウムイオン二次電池では、リチウムイオンの吸蔵量を高めることによりエネルギー密度を更に向上させることができると考えられる。しかし、現在リチウムイオンを最も効率的に吸蔵および離脱することが可能な材料とされている黒鉛の吸蔵量は、1g当たりの電気量換算で372mAhと理論的に限界があり、最近では精力的な開発活動により、その限界値まで高められつつある。
【0004】
高エネルギー密度を得ることができる二次電池としては、また、負極にリチウム金属を用い、負極反応にリチウム金属の析出および溶解反応のみを利用したリチウム二次電池がある。リチウム二次電池は、リチウム金属の理論電気化学当量が2054mAh/cm3 と大きく、リチウムイオン二次電池で用いられる黒鉛の2.5倍にも相当するので、リチウムイオン二次電池を上回る高いエネルギー密度を得られるものと期待されている。これまでも、多くの研究者等によりリチウム二次電池の実用化に関する研究開発がなされてきた(例えば、Lithium Batteries,Jean−Paul Gabano編, Academic Press, 1983, London, New York) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リチウム二次電池は、充放電を繰り返した際の放電容量の劣化が大きく、特に大きな電流条件、いわゆる急速充電した場合にそれは顕著化し、実用化が難しいという問題があった。この容量劣化は、リチウム二次電池が負極においてリチウム金属の析出・溶解反応を利用していることに基づいており、充放電に伴い、正負極間で移動するリチウムイオンに対応して負極の体積が容量分だけ大きく増減するので、負極の体積が大きく変化し、リチウム金属結晶の溶解反応および再結晶化反応が可逆的に進みづらくなってしまうことによるものである。しかも、負極の体積変化は高エネルギー密度を実現しようとするほど大きくなり、容量劣化もいっそう著しくなる。
【0006】
なお、この問題は、従来のリチウム二次電池に限ったものではなく、より高いエネルギー密度の実現に向けて近年開発された二次電池、例えば負極の容量がリチウムの吸蔵および離脱による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表される二次電池(国際公開WO 01/22519 A1パンフレット参照)についても同様である。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、充放電サイクル特性などの特性を向上させることができる電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に、溶媒に電解質塩が溶解された電解液を備えたものであって、負極の容量は、軽金属の吸蔵および離脱による容量成分と、軽金属の析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表され、溶媒は、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種を合計で60質量%以上含有するものである。
【0009】
本発明による第2の電池は、正極と、負極と、溶媒に電解質塩が溶解された電解液とを備え、負極活物質として軽金属を用いたものであって、電解液は、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種と、化15,化16,化17,化18,化19,化20および化21に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種とを含有し、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種の溶媒における含有量が合計で60質量%以上のものである。
【0010】
【化15】
Figure 2004063432
式中、R1は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体を表し、R2は、芳香環を含む基またはその誘導体を表す。
【0011】
【化16】
Figure 2004063432
式中、R3およびR4は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体をそれぞれ表し、R3およびR4の少なくとも一方は、芳香環を含む基またはその誘導体である。
【0012】
【化17】
Figure 2004063432
式中、R5は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体を表し、R6は、芳香環を含む基またはその誘導体を表す。
【0013】
【化18】
Figure 2004063432
式中、R7,R8,R9およびR10は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。
【0014】
【化19】
Figure 2004063432
式中、R11,R12およびR13は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。
【0015】
【化20】
Figure 2004063432
式中、R14,R15,R16,R17,R18およびR19は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。
【0016】
【化21】
Figure 2004063432
式中、R20,R21,R22およびR23は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。
【0017】
本発明による第1の電池では、溶媒が、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種を合計で60質量%以上含有しているので、充放電サイクル特性などの電池特性が改善される。
【0018】
本発明による第2の電池では、電解液が、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種と、化15,化16,化17,化18,化19,化20および化21に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種とを含み、かつエチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種の溶媒における含有量が合計で60質量%以上であるので、優れた充放電サイクル特性が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
【0021】
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものであり、例えば、チタン酸バリウム系半導体セラミックスにより構成されている。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
【0022】
巻回電極体20は、例えば、センターピン24を中心に巻回されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
【0023】
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21aの両面に正極合剤層21bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21aの片面のみに正極合剤層21bを設けるようにしてもよい。正極集電体21aは、例えば、厚みが5μm〜50μm程度であり、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極合剤層21bは、例えば、厚みが80μm〜250μmであり、軽金属であるリチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料を含んで構成されている。なお、正極合剤層21bの厚みは、正極合剤層21bが正極集電体21aの両面に設けられている場合には、その合計の厚みである。
【0024】
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物,リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。特に、エネルギー密度を高くするには、一般式Lix MO2 で表されるリチウム複合酸化物あるいはリチウムを含んだ層間化合物が好ましい。なお、Mは1種類以上の遷移金属が好ましく、具体的には、コバルト(Co),ニッケル,マンガン(Mn),鉄,アルミニウム,バナジウム(V)およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1種が好ましい。xは、電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。また、他にも、スピネル型結晶構造を有するLiMn2 4 、あるいはオリビン型結晶構造を有するLiFePO4 なども高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。
【0025】
なお、このような正極材料は、例えば、リチウムの炭酸塩,硝酸塩,酸化物あるいは水酸化物と、遷移金属の炭酸塩,硝酸塩,酸化物あるいは水酸化物とを所望の組成になるように混合し、粉砕した後、酸素雰囲気中において600℃〜1000℃の範囲内の温度で焼成することにより調製される。
【0026】
正極合剤層21bは、また、例えば導電剤を含んでおり、必要に応じて更に結着剤を含んでいてもよい。導電剤としては、例えば、黒鉛,カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。
【0027】
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22aの両面に負極合剤層22bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22aの片面のみに負極合剤層22bを設けるようにしてもよい。負極集電体22aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0028】
負極合剤層22bは、軽金属であるリチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて、例えば正極合剤層21bと同様の結着剤を含んでいてもよい。負極合剤層22bの厚みは、例えば、60μm〜250μmである。この厚みは、負極合剤層22bが負極集電体22aの両面に設けられている場合には、その合計の厚みである。
【0029】
なお、本明細書において軽金属の吸蔵・離脱というのは、軽金属イオンがそのイオン性を失うことなく電気化学的に吸蔵・離脱されることを言う。これは、吸蔵された軽金属が完全なイオン状態で存在する場合のみならず、完全なイオン状態とは言えない状態で存在する場合も含む。これらに該当する場合としては、例えば、黒鉛に対する軽金属イオンの電気化学的なインタカレーション反応による吸蔵が挙げられる。また、金属間化合物を含む合金への軽金属の吸蔵、あるいは合金の形成による軽金属の吸蔵も挙げることができる。
【0030】
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、例えば、黒鉛,難黒鉛化性炭素あるいは易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。
【0031】
黒鉛としては、例えば、真密度が2.10g/cm3 以上のものが好ましく、2.18g/cm3 以上のものであればより好ましい。なお、このような真密度を得るには、(002)面のC軸結晶子厚みが14.0nm以上であることが必要である。また、(002)面の面間隔は0.340nm未満であることが好ましく、0.335nm以上0.337nm以下の範囲内であればより好ましい。なお、黒鉛は、天然黒鉛でも人造黒鉛でもよい。
【0032】
難黒鉛化性炭素としては、(002)面の面間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm3 未満であると共に、空気中での示差熱分析(differentialthermal analysis ;DTA)において700℃以上に発熱ピークを示さないものが好ましい。
【0033】
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が挙げられる。これらは高いエネルギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れた充放電サイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
【0034】
このような金属元素あるいは半金属元素としては、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。これらの合金あるいは化合物としては、例えば、化学式Mas Mbt Liu 、あるいは化学式Map Mcq Mdr で表されるものが挙げられる。これら化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはリチウムおよびMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、Mcは非金属元素の少なくとも1種を表し、MdはMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表す。また、s、t、u、p、qおよびrの値はそれぞれs>0、t≧0、u≧0、p>0、q>0、r≧0である。
【0035】
中でも、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズ、またはこれらの合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
【0036】
このような合金あるいは化合物について具体的に例を挙げれば、LiAl,AlSb,CuMgSb,SiB4 ,SiB6 ,Mg2 Si,Mg2 Sn,Ni2 Si,TiSi2 ,MoSi2 ,CoSi2 ,NiSi2 ,CaSi2 ,CrSi2 ,Cu5 Si,FeSi2 ,MnSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 ,VSi2 ,WSi2 ,ZnSi2 ,SiC,Si3 4 ,Si2 2 O,SiOv (0<v≦2),SnOw (0<w≦2),SnSiO3 ,LiSiOあるいはLiSnOなどがある。
【0037】
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、更に、他の金属化合物あるいは高分子材料が挙げられる。他の金属化合物としては、酸化鉄,酸化ルテニウムあるいは酸化モリブデンなどの酸化物や、あるいはLiN3 などが挙げられ、高分子材料としてはポリアセチレン,ポリアニリンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
【0038】
また、この二次電池では、充電の過程において、開回路電圧(すなわち電池電圧)が過充電電圧よりも低い時点で負極22にリチウム金属が析出し始めるようになっている。つまり、開回路電圧が過充電電圧よりも低い状態において負極22にリチウム金属が析出しており、負極22の容量は、リチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウム金属の析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和で表される。従って、この二次電池では、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料とリチウム金属との両方が負極活物質として機能し、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料はリチウム金属が析出する際の基材となっている。
【0039】
なお、過充電電圧というのは、電池が過充電状態になった時の開回路電圧を指し、例えば、日本蓄電池工業会(電池工業会)の定めた指針の一つである「リチウム二次電池安全性評価基準ガイドライン」(SBA G1101)に記載され定義される「完全充電」された電池の開回路電圧よりも高い電圧を指す。また換言すれば、各電池の公称容量を求める際に用いた充電方法、標準充電方法、もしくは推奨充電方法を用いて充電した後の開回路電圧よりも高い電圧を指す。具体的には、この二次電池では、例えば開回路電圧が4.2Vの時に完全充電となり、開回路電圧が0V以上4.2V以下の範囲内の一部においてリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の表面にリチウム金属が析出している。
【0040】
これにより、この二次電池では、高いエネルギー密度を得ることができると共に、充放電サイクル特性および急速充電特性を向上させることができるようになっている。これは、負極22にリチウム金属を析出させるという点では負極にリチウム金属あるいはリチウム合金を用いた従来のリチウム二次電池と同様であるが、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料にリチウム金属を析出させるようにしたことにより、次のような利点が生じるためであると考えられる。
【0041】
第1に、従来のリチウム二次電池ではリチウム金属を均一に析出させることが難しく、それが充放電サイクル特性を劣化させる原因となっていたが、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料は一般的に表面積が大きいので、この二次電池ではリチウム金属を均一に析出させることができることである。第2に、従来のリチウム二次電池ではリチウム金属の析出・溶解に伴う体積変化が大きく、それも充放電サイクル特性を劣化させる原因となっていたが、この二次電池ではリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の粒子間の隙間にもリチウム金属が析出するので体積変化が少ないことである。第3に、従来のリチウム二次電池ではリチウム金属の析出・溶解量が多ければ多いほど上記の問題も大きくなるが、この二次電池ではリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料によるリチウムの吸蔵・離脱も充放電容量に寄与するので、電池容量が大きいわりにはリチウム金属の析出・溶解量が小さいことである。第4に、従来のリチウム二次電池では急速充電を行うとリチウム金属がより不均一に析出してしまうので充放電サイクル特性が更に劣化してしまうが、この二次電池では充電初期においてはリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料にリチウムが吸蔵されるので急速充電が可能となることである。
【0042】
これらの利点をより効果的に得るためには、例えば、開回路電圧が過充電電圧になる前の最大電圧時において負極22に析出するリチウム金属の最大析出容量は、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の充電容量能力の0.05倍以上3.0倍以下であることが好ましい。リチウム金属の析出量が多過ぎると従来のリチウム二次電池と同様の問題が生じてしまい、少な過ぎると充放電容量を十分に大きくすることができないからである。また、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の放電容量能力は、150mAh/g以上であることが好ましい。リチウムの吸蔵・離脱能力が大きいほどリチウム金属の析出量は相対的に少なくなるからである。なお、負極材料の充電容量能力は、例えば、リチウム金属を対極として、この負極材料を負極活物質とした負極について0Vまで定電流・定電圧法で充電した時の電気量から求められる。負極材料の放電容量能力は、例えば、これに引き続き、定電流法で10時間以上かけて2.5Vまで放電した時の電気量から求められる。
【0043】
セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも化学的安定性を備えた樹脂であればポリエチレンあるいはポリプロピレンと共重合させたり、またはブレンド化することで用いることができる。
【0044】
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、液状の溶媒、例えば有機溶剤などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解された電解質塩であるリチウム塩とを含んでいる。なお、電解液としては、25℃における固有粘度が10.0mPa・s以下のものが好ましい。高い導電率を得ることができるからである。
【0045】
非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネート、エチレンサルファイト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、モノクロロエチレンカーボネート、化22に示した化合物、エチレンサルファイトの誘導体などの環状カーボネート類、またはジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状エステル、またはプロピオン酸メチルあるいは酪酸メチルなどのカルボン酸エステル、またはγ−ブチロラクトン、スルホラン、2−メチルテトラヒドロフランあるいはテトラヒドロピランなどのエーテル類が挙げられる。
【0046】
【化22】
Figure 2004063432
式中、nは3以上の整数を表す。
【0047】
特に、本実施の形態では、溶媒として、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくも1種を含んでおり、溶媒におけるそれらの含有量が合計で60質量%以上100質量%以下となっている。負極22の表面に安定な被膜を必要十分に生成することができると考えられ、放電容量を高く保持しつつ、充放電サイクル特性を向上させることができるからである。なお、溶媒における上記溶媒群の含有量は、合計で70質量%以上であればより好ましく、80質量%以上であれば更に好ましい。より高い効果を得ることができるからである。
【0048】
上記溶媒群のうちの少なくとも1種と混合する溶媒としては、プロピレンカーボネート、化22においてn=3の化合物、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロピランあるいは2−メチルテトラヒドロフランが好ましい。電解液を低粘度化し、高負荷時の容量低下を防止することができるからである。
【0049】
リチウム塩としては、例えば、LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiClO4 ,LiB(C6 5 4 ,LiCH3 SO3 ,LiCF3 SO3 ,LiN(CF3 SO2 2 ,LiN(C2 5 SO2 2 ,LiN(C4 9 SO2 )(CF3 SO2 ),LiC(CF3 SO2 3 ,LiAlCl4 ,LiSiF6 ,LiClあるいはLiBrが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0050】
中でも、LiPF6 は、高い導電率を得ることができ、酸化安定性にも優れているので好ましく、LiBF4 は、熱的安定性および酸化安定性に優れているので好ましい。また、LiCF3 SO3 は熱的安定性が高いので好ましく、LiClO4 は高い導電率が得られるので好ましい。更に、LiN(CF3 SO2 2 ,LiN(C2 5 SO2 2 ,LiC(CF3 SO2 3 およびLiN(C4 9 SO2 )(CF3 SO2 )は、比較的高い導電率を得ることができ、熱的安定性も高いので好ましい。更に、これらのうちの少なくとも2種を混合して用いれば、それらの効果を合わせて得ることができるのでより好ましい。
【0051】
これらリチウム塩の含有量(濃度)は溶媒に対して0.5mol/kg以上3.0mol/kg以下の範囲内であることが好ましい。この範囲外ではイオン伝導度の極端な低下により十分な電池特性が得られなくなる虞があるからである。
【0052】
この電解液は、更に、添加剤として化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。負極22の表面を被覆することができると考えられ、充放電サイクル特性を更に向上させることができるからである。なお、化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29に示した化合物は溶媒として機能することもあるが、本明細書では上述した機能に注目し、添加剤として説明している。もちろん、添加されたものの少なくとも一部が上述したような反応に寄与すればよく、反応に寄与しないものは溶媒として機能してもよい。
【0053】
【化23】
Figure 2004063432
式中、R1は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体を表し、R2は、芳香環を含む基またはその誘導体を表す。なお、芳香環とは、ベンゼン環あるいはその縮合環だけでなく、ピリジル基などの芳香族性を有する複素環基も指す。
【0054】
【化24】
Figure 2004063432
式中、R3およびR4は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体をそれぞれ表し、R3およびR4の少なくとも一方は、芳香環を含む基またはその誘導体である。
【0055】
【化25】
Figure 2004063432
式中、R5は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体を表し、R6は、芳香環を含む基またはその誘導体を表す。
【0056】
【化26】
Figure 2004063432
式中、R7,R8,R9およびR10は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。
【0057】
【化27】
Figure 2004063432
式中、R11,R12およびR13は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。
【0058】
【化28】
Figure 2004063432
式中、R14,R15,R16,R17,R18およびR19は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。
【0059】
【化29】
Figure 2004063432
式中、R20,R21,R22およびR23は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。
【0060】
なお、上記化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29において、アルキル基としては炭素数が1以上10以下のものが好ましい。炭素数が多いと電解液に溶解しにくいからである。
【0061】
化23に示した化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、2,5−ジメチルベンゾフェノンあるいは3,4−ジメチルベンゾフェノンが挙げられる。化24に示した化合物としては、例えば、酢酸フェニルエステル、安息香酸メチルエステル、安息香酸エチルエステルあるいは安息香酸フェニルエステルが挙げられる。化25に示した化合物としては、例えば、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネートあるいはn−プロピルフェニルカーボネートが挙げられる。
【0062】
化26に示した化合物としては、例えば、化30,化31,化32,化33あるいは化34に示した化合物が挙げられる。
【0063】
【化30】
Figure 2004063432
【0064】
【化31】
Figure 2004063432
【0065】
【化32】
Figure 2004063432
【0066】
【化33】
Figure 2004063432
【0067】
【化34】
Figure 2004063432
【0068】
化27に示した化合物としては、例えば、化35に示した化合物が挙げられる。
【0069】
【化35】
Figure 2004063432
【0070】
化28に示した化合物としては、例えば、化36,化37あるいは化38に示した化合物が挙げられる。
【0071】
【化36】
Figure 2004063432
【0072】
【化37】
Figure 2004063432
【0073】
【化38】
Figure 2004063432
【0074】
化29に示した化合物としては、例えば、化39に示した化合物が挙げられる。
【0075】
【化39】
Figure 2004063432
【0076】
なお、溶媒と電解質塩との合計における化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29に示した化合物の含有量は、合計で、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。更に好ましくは0.1質量%以上5質量%以下であり、特に好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。含有量が少なすぎると負極22の表面を被覆することが不十分となり、多すぎると電解液の伝導度が低下してしまうからである。
【0077】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0078】
まず、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可能な正極材料と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体21aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極合剤層21bを形成し、正極21を作製する。
【0079】
次いで、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体22aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極合剤層22bを形成し、負極22を作製する。
【0080】
次いで、正極集電体21aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
【0081】
この二次電池は次のように作用する。
【0082】
この二次電池では、充電を行うと、正極合剤層21bからリチウムイオンが離脱し、セパレータ23に含浸された電解液を介して、まず、負極合剤層22bに含まれるリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料に吸蔵される。更に充電を続けると、開回路電圧が過充電電圧よりも低い状態において、充電容量がリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の充電容量能力を超え、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の表面にリチウム金属が析出し始める。そののち、充電を終了するまで負極22にはリチウム金属が析出し続ける。これにより、負極合剤層22bの外観は、例えばリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料として黒鉛を用いる場合、黒色から黄金色、更には白銀色へと変化する。
【0083】
次いで、放電を行うと、まず、負極22に析出したリチウム金属がイオンとなって溶出し、セパレータ23に含浸された電解液を介して、正極合剤層21bに吸蔵される。更に放電を続けると、負極合剤層22b中のリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料に吸蔵されたリチウムイオンが離脱し、電解液を介して正極合剤層21bに吸蔵される。よって、この二次電池では、従来のいわゆるリチウム二次電池およびリチウムイオン二次電池の両方の特性、すなわち高いエネルギー密度および良好な充放電サイクル特性が得られる。
【0084】
ここでは、溶媒が、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種を合計で60質量%以上含有しているので、充放電サイクル特性などの電池特性が改善される。
【0085】
特に、電解液に、上記溶媒に加えて、化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有していれば、充放電サイクル特性が更に改善される。
【0086】
このように本実施の形態によれば、溶媒が、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種を合計で60質量%以上含有するようにしたので、充放電サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
【0087】
特に、電解液に、上記溶媒に加えて、化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有するようにすれば、充放電サイクル特性を更に向上させることができる。
【0088】
[第2の実施の形態]
図3は本発明の第2の実施の形態に係る二次電池を分解して表すものである。この二次電池は、詳細は後述するが、電解液を保持体に保持させたゲル状の電解質を用いたものであり、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40a,40bの内部に封入した構成を有している。正極リード31および負極リード32は、電気化学的にも化学的にも安定でかつ導通がとれる材料、例えばアルミニウム、銅あるいはニッケルなどの金属材料により構成されている。
【0089】
外装部材40a,40bは、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40a,40bは、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40a,40bと正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料により構成され、例えば、正極リード31および負極リード32が上述した金属材料により構成される場合には、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
【0090】
なお、外装部材40a,40bは、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
【0091】
図4は図3に示した巻回電極体30の断面構造の一部を拡大して表すものである。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものである。正極33(正極集電体33aおよび正極合剤33b),負極34(負極集電体34aおよび負極合剤34b)およびセパレータ35の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0092】
電解質層36は、保持体に電解液を保持させたいわゆるゲル状の電解質により構成されている。ゲル状の電解質のイオン伝導度は、室温で1mS/cm以上であることが好ましい。電解液の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0093】
保持体は、例えば高分子材料により構成されている。この高分子材料としては、例えばポリフッ化ビニリデンおよびポリフッ化ビニリデンの共重合体が挙げられ、その共重合体モノマーとしてはヘキサフルオロプロピレンあるいはテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。これらポリフッ化ビニリデンおよびその共重合体は優れた電池特性を得ることができるので好ましく、中でも、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体は特に好ましい。
【0094】
高分子材料としては、他にも、例えばポリアクリロニトリルおよびポリアクリロニトリルの共重合体を用いることができ、その共重合体モノマー、例えばビニル系モノマーとしては酢酸ビニル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸ブチル,アクリル酸メチル,アクリル酸ブチル,イタコン酸,水素化メチルアクリレート,水素化エチルアクリレート,アクリルアミド,塩化ビニル,フッ化ビニリデンあるいは塩化ビニリデンなどが挙げられる。また他にも、アクリロニトリルブタジエンゴム,アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂,アクリロニトリル塩化ポリエチレンプロピレンジエンスチレン樹脂,アクリロニトリル塩化ポリエチレンプロピレンジエンスチレン樹脂,アクリロニトリル塩化ビニル樹脂,アクリロニトリルメタアクリレート樹脂あるいはアクリロニトリルアクリレート樹脂などを用いてもよい。
【0095】
高分子材料としては、更に、例えばポリエチレンオキサイドおよびポリエチレンオキサイドの共重合体を用いてもよく、その共重合モノマーとしては、ポリプロピレンオキサイド,メタクリル酸メチル,メタクリル酸ブチル,アクリル酸メチルあるいはアクリル酸ブチルなどが挙げられる。また他にも、ポリエーテル変性シロキサンおよびその共重合体を用いてもよい。
【0096】
保持体の含有量は、良好なゲル状とするには、電解液に対して5質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
【0097】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0098】
まず、第1の実施の形態と同様にして、正極33および負極34を作製し、正極集電体33aに正極リード31を取り付け、負極集電体34aに負極リード32を取り付ける。次いで、正極合剤層33bおよび負極合剤層34bの上に電解質層36を塗布し形成したのち、例えば、セパレータ35、正極33、セパレータ35、負極34の順に積層して巻回し、巻回電極体30を形成する。
【0099】
続いて、巻回電極体30を外装部材40a,40bの間に挟み込み、減圧雰囲気中において外装部材40a,40bを巻回電極体30に圧着させると共に、外装部材40a,40bの外縁部同士を熱融着などにより密着させる。なお、正極リード31および負極リード32と外装部材40a,40bとの間には、密着フィルム41を挟み込んで密着させる。これにより図3に示した二次電池が完成する。
【0100】
この二次電池は、第1の実施の形態と同様に作用し、同様の効果を得ることができる。
【0101】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態に係る二次電池は、負極活物質としてリチウム金属を用い、負極の容量がリチウムの析出および溶解による容量成分により表されるものである。図5はその二次電池の一構成例を表すものである。この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものであり、外装缶51内に収容された円板状の正極52と外装カップ53内に収容された円板状の負極54とが、電解液が含浸されたセパレータ55を介して積層されたものである。外装缶51および外装カップ53の周縁部は絶縁性のガスケット56を介してかしめることにより密閉されている。
【0102】
外装缶51は、例えば、ステンレスを母材とし内側をアルミニウムでコーティングしたものにより構成されている。外装カップ53は、例えば、ステンレスにより構成されている。
【0103】
正極52は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体52aの片面に正極集合剤層52bが設けられた構成を有している。正極集電体52aおよび正極合剤層52bの構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0104】
負極54は、例えば、リチウム金属により構成されている。また、基板と、この基板上に充電時に析出させたリチウム金属層とにより構成されていてもよい。このリチウム金属層は、二次電池の組み立て時から設けられている必要はなく、組み立て後に充電により形成されてもよい。
【0105】
セパレータ55に含浸された電解液は、液状の溶媒、例えば有機溶剤などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解された電解質塩であるリチウム塩とを含んでいる。溶媒の組成は第1の実施の形態と同様である。すなわち、溶媒は、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくも1種を合計で60質量%以上含有している。リチウム塩の種類および含有量は、第1の実施の形態と同様である。
【0106】
この電解液は、また、第1の実施の形態と同様の添加剤を含有している。すわなち、化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有している。このように、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくも1種を合計で溶媒において60質量%以上含有すると共に、化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有しているので、この二次電池では、優れた充放電サイクル特性を得ることができるようになっている。
【0107】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0108】
まず、例えば、第1の実施の形態と同様にして正極を作製したのち、正極集合剤層52bが形成された正極集電体52aを所定の形状に打ち抜くことにより正極52を作製する。その際、正極合剤層52bは正極集電体52aの片面に形成する。次いで、例えば、リチウム金属箔を所定の形状に打ち抜くことにより負極54を作製する。
【0109】
正極52および負極54を作製したのち、例えば、負極54、電解液が含浸されたセパレータ55および正極52を積層して、外装カップ53と外装缶51との中に入れ、それらをかしめる。これにより、図5に示した二次電池が完成する。
【0110】
この二次電池は次のように作用する。
【0111】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極合剤層52bからリチウムイオンが離脱し、電解液を介して、負極54にリチウム金属となって析出する。放電を行うと、例えば、負極54からリチウム金属がリチウムイオンとなって溶出し、電解液を介して正極合剤層52bに吸蔵される。ここでは、電解液が、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくも1種を合計で溶媒において60質量%以上含有すると共に、化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有しているので、優れた充放電サイクル特性が得られる。
【0112】
このように本実施の形態によれば、電解液が、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくも1種を合計で溶媒において60質量%以上含有すると共に、化23,化24,化25,化26,化27,化28および化29に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有するようにしたので、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
【0113】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0114】
(実施例1−1〜1−5)
負極の容量が、リチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和により表され、図1および図2に示した構造を有する二次電池を作製した。ここでは、図1および図2を参照し、図1および図2に示した符号を用いて説明する。
【0115】
まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを、Li2 CO3 :CoCO3 =0.5:1(モル比)の割合で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して、正極材料であるリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。次いで、このリチウム・コバルト複合酸化物91質量部と、導電剤であるグラファイト6質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調製した。続いて、この正極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとしたのち、厚み20μmの帯状アルミニウム箔よりなる正極集電体21aの両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極合剤層21bを形成し、正極21を作製した。そののち、正極集電体21aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
【0116】
また、出発原料に石油ピッチを用い、これに酸素を含む官能基を10%〜20%導入して酸素架橋を行い、不活性ガス気流中において1000℃で焼成してガラス状炭素に近い性質の難黒鉛化性炭素を得た。得られた難黒鉛化性炭素についてX線回折測定を行ったところ、(002)面の面間隔は0.376nmであり、真密度は1.58g/cm3 であった。次いで、この難黒鉛化性炭素を粉砕し、平均粒径10μmの粉末状とし、この難黒鉛化性炭素90質量部と結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調整した。続いて、この負極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとしたのち、厚み10μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22aの両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して負極合剤層22bを形成し、負極22を作製した。そののち、負極集電体22aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。なお、正極21および負極22を作製する際には、負極22の容量がリチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和で表されるように、正極21および負極22の面積密度比を調整した。
【0117】
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、厚み25μmの微孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ23を用意し、負極22,セパレータ23,正極21,セパレータ23の順に積層してこの積層体を渦巻状に多数回巻回し、巻回電極体20を作製した。
【0118】
巻回電極体20を作製したのち、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケルめっきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。そののち、電池缶11の内部に電解液を注入した。電解液には、溶媒にLiPF6 を1mol/kgの含有量で溶解させたものを用いた。その際、溶媒の組成を、実施例1−1〜1−5で表1に示したように変化させた。
【0119】
【表1】
Figure 2004063432
【0120】
電池缶11の内部に電解液を注入したのち、表面にアスファルトを塗布したガスケット17を介して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより、実施例1−1〜1−5について直径14mm、高さ65mmの円筒型二次電池を得た。
【0121】
また、実施例1−1〜1−5に対する比較例1−1として、溶媒の組成を表1に示したように変えたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。
【0122】
得られた実施例1−1〜1−5および比較例1−1の二次電池について、充放電試験を行い、1サイクル目の放電容量、すなわち初回放電容量と、50サイクル目の放電容量とを求めた。その際、充電は、600mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で電流が30mAに達するまで行い、放電は、400mAの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。ちなみに、ここに示した条件で充放電を行えば、完全充電状態および完全放電状態となる。得られた結果を表1に示す。表1において、実施例1−1〜1−5の値は比較例1−1の初回放電容量と50サイクル目の放電容量とを100とした時の相対値である。
【0123】
また、実施例1−1〜1−5および比較例1−1の二次電池について、上述した条件で1サイクル充放電を行ったのち再度完全充電させたものを解体し、目視および 7Li核磁気共鳴分光法により、負極合剤層22bにリチウム金属が析出しているか否かを調べた。更に、上述した条件で2サイクル充放電を行い、完全放電させたものを解体し、同様にして、負極合剤層22bにリチウム金属が析出しているか否かを調べた。
【0124】
その結果、実施例1−1〜1−5および比較例1−1の二次電池では、完全充電状態においては負極合剤層22bにリチウム金属の存在が認められ、完全放電状態においてはリチウム金属の存在が認められなかった。すなわち、負極22の容量は、リチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウム金属の析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和により表されることが確認された。表1にはその結果としてリチウム金属の析出有りとして記載した。
【0125】
表1から分かるように、実施例1−1〜1−5によれば、初回放電容量および50サイクル目の放電容量の両方について、比較例1−1よりも高い値を得ることができ、特に50サイクル目の放電容量について格段に優れた値を得ることができた。すなわち、負極22の容量が軽金属の吸蔵・離脱による容量成分と、軽金属の析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和により表される二次電池において、溶媒に、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種を含み、かつ溶媒におけるそれらの含有量を合計で60質量%以上とすれば、放電容量および充放電サイクル特性を向上でき、特に充放電サイクル特性を向上できることが分かった。
【0126】
(実施例1−6〜1−8)
電解液として、溶媒にLiPF6 を1mol/kgの含有量で溶解させたものに、更に添加剤として化33に示した化合物を加えたものを用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−5と同様にして二次電池を作製した。その際、溶媒の組成、および溶媒と電解質塩との合計に対する添加剤の含有量は、実施例1−6〜1−8で表2に示したように変化させた。
【0127】
【表2】
Figure 2004063432
【0128】
また、実施例1−6〜1−8に対する比較例1−2として、溶媒の組成を表2に示したように変えことを除き、他は実施例1−6と同様にして二次電池を作製した。
【0129】
これら実施例1−6〜1−8および比較例1−2について、充放電試験を行い、50サイクル目の放電容量維持率を求めた。充放電試験は、実施例1−1〜1−5と同様に行い、50サイクル目の放電容量維持率は、1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の比率(%)として算出した。得られた結果を表2に示す。なお、表2には、実施例1−1および比較例1−1の二次電池の50サイクル目の放電容量維持率も合わせて示す。
【0130】
表2から分かるように、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種の含有量が合計で60質量%以上の実施例1−1,1−6〜1−8では、化33に示した化合物を含む実施例1−6〜1−8の方が、それらを含まない実施例1−1よりも50サイクル目の放電容量維持率が非常に高かった。これに対して、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種の含有量が合計で60質量%未満の比較例1−1,1−2では、化33に示した化合物を含む比較例1−2の方が、それを含まない比較例1−1よりも、50サイクル目の放電容量維持率は高かったものの、その効果は小さかった。
【0131】
すなわち、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種を合計で溶媒において60質量%以上含有する電解液に、化33に示した化合物を含むようにすれば大幅に充放電サイクル特性を向上できることが分かった。
【0132】
(実施例2−1〜2−8)
実施例1−1〜1−8と同様に、負極の容量がリチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和により表される二次電池を作製した。ここでは、図3および図4に示した構造を有する二次電池を作製した。図3および図4を参照し、図3および図4に示した符号を用いて説明する。
【0133】
まず、正極33および負極34を、実施例1−1と同様にして作製した。その際、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料には難黒鉛化性炭素に代えて粉末状の人造黒鉛を用い、負極集電体34aとしては厚み15μmの帯状銅箔を用いた。次いで、正極集電体33aの一端にアルミニウム製の正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34aの一端にニッケル製の負極リード32を取り付けた。
【0134】
続いて、正極合剤層33bおよび負極合剤層34bのそれぞれの両面に、ゲル状の電解質層36を形成した。電解質層36には、高分子材料としてポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとをポリフッ化ビニリデン:ヘキサフルオロプロピレン=93:7の質量比でブロック共重合させた共重合体に、電解液を保持させたものを用いた。電解液には溶媒に電解質塩としてLiPF6 またはLiN(C2 5 SO2 2 を0.6mol/lの含有量で溶解させたものを用いた。その際、溶媒の組成は、実施例2−1〜2−8で表3に示したように変化させた。
【0135】
【表3】
Figure 2004063432
【0136】
電解質層36を形成したのち、微孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータ35を用意し、正極33、セパレータ35、負極34、セパレータ35の順に積層して渦巻状に多数巻回し、巻回電極体30を作製した。そののち、正極リード31および負極リード32を外部へ導出しつつ、巻回電極体30をラミネートフィルムよりなる外装部材40a,40bに減圧封入し、実施例2−1について図3および図4に示した二次電池を得た。
【0137】
実施例2−1〜2−8に対する比較例2−1,2−2として、溶媒の組成を表3に示したように変えたことを除き、他は実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。また、実施例2−1〜2−8に対する比較例2−3〜2−6として、負極の容量がリチウムの吸蔵・離脱による容量成分で表されるように、正極と負極との面積密度比を調整したことを除き、他は実施例2−1と同様にしていわゆるリチウムイオン二次電池を作製した。その際、溶媒の組成を比較例2−3〜2−6で表3に示したように変化させた。
【0138】
得られた実施例2−1〜2−8および比較例2−1〜2−6の二次電池について、充放電試験を行い、初回放電容量および50サイクル目の放電容量を調べた。初回放電容量は、1サイクル目の充放電において得られた放電容量であり、充電は、1Aの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で電流が50mAに達するまで行い、放電は、200mAの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。また、50サイクル目の放電容量は、初回放電容量を求めたのち、更に充放電を49サイクル繰り返し、その49サイクル目(すなわち全体では50サイクル目)において得られた放電容量である。その際の充電は、1Aの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で電流が50mAに達するまで行い、放電は、500mAの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。得られた結果を表3に示す。
【0139】
表3において、実施例2−1〜2−8および比較例2−2の値は比較例2−1の初回放電容量と50サイクル目の放電容量とを100とした時の相対値であり、比較例2−3〜2−5の値は比較例2−6の初回放電容量と50サイクル目の放電容量とを100とした時の相対値である。
【0140】
更に、実施例2−1〜2−8および比較例2−1〜2−6の二次電池についても、実施例1−1と同様にして完全充電状態と完全放電状態とにおけるリチウム金属の析出の有無を調べた。その結果、実施例2−1〜2−8および比較例2−1,2−2では、実施例1−1と同様の結果が得られた。一方、比較例2−3〜2−6の二次電池では、完全充電状態においても完全放電状態においてもリチウム金属の存在は認められず、リチウムイオンの存在が認められたのみであった。また、完全放電状態において認められたリチウムイオンに帰属するピークはごく小さいものであった。すなわち、負極の容量は、リチウムの吸蔵・離脱による容量成分により表されることが確認された。表3にはその結果としてリチウム金属の析出無しと記載した。
【0141】
表3から分かるように、実施例2−1〜2−8によれば、初回放電容量について、比較例2−1,2−2と同等かそれ以上の値を得ることができ、50サイクル目の放電容量については、比較例2−1,2−2よりも高い値を得ることができた。
【0142】
これに対して、リチウムイオン二次電池である比較例2−3〜2−6では、比較例2−3〜2−5は、初回放電容量について、比較例2−6と同等かそれ以下の値であり、50サイクル目の放電容量については、比較例2−6よりも低い値であった。
【0143】
すなわち、負極34の容量がリチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和により表される二次電池において、溶媒に、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種を合計で60質量%以上含むようにすれば、リチウム二次電池とは異なり、放電容量を保持しつつ充放電サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0144】
また、実施例1−1〜1−5および実施例2−1〜2−8の結果から、電解質に、電解液およびゲル状の電解質のどちらを用いても、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種を溶媒において60質量%以上含むようにすれば充放電サイクル特性を向上できることが分かった。
【0145】
(実施例2−9〜2−14)
電解液として、溶媒にLiPF6 またはLiN(C2 5 SO2 2 を0.6mol/lの含有量で溶解させたものに、更に添加剤として化30あるいは化31に示した化合物またはベンゾフェノンを、溶媒と電解質塩との合計に対して0.9質量%の含有量で加えたものを用いたことを除き、他は実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。その際、溶媒の組成および添加剤の種類は、実施例2−9〜2−14で表4に示したように変化させた。
【0146】
【表4】
Figure 2004063432
【0147】
また、実施例2−9〜2−14に対する比較例2−7として、溶媒の組成、添加剤の種類、および溶媒と電解質塩との合計に対する添加剤の含有量を表4に示したように変えたことを除き、他は実施例2−9と同様にして二次電池を作製した。これら実施例2−9〜2−14および比較例2−7の二次電池について、充放電試験を行い、50サイクル目の放電容量維持率を求めた。充放電試験は、実施例2−1〜2−8と同様に行い、50サイクル目の放電容量維持率は、1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の比率(%)として算出した。得られた結果を表4に示す。なお、表4には、実施例2−1および比較例2−1の二次電池の50サイクル目の放電容量維持率も合わせて示す。
【0148】
表4から分かるように、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種の含有量が合計で60質量%以上の実施例2−1,2−9〜2−14では、化30あるいは化31に示した化合物、またはベンゾフェノンを含む実施例2−9〜2−14の方が、それらを含まない実施例2−1よりも50サイクル目の放電容量維持率が非常に高かった。これに対して、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種の含有量が合計で60質量%未満の比較例2−1,2−7では、化30に示した化合物を含む比較例2−7の方が、それを含まない比較例2−1よりも、50サイクル目の放電容量維持率は高かったものの、その効果は小さかった。
【0149】
すなわち、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種を合計で溶媒において60質量%以上含有する電解液に、化30に示した化合物、化31に示した化合物、またはベンゾフェノンを含むようにすれば大幅に充放電サイクル特性を向上できることが分かった。
【0150】
(実施例3−1〜3−4)
負極の容量がリチウムの析出・溶解による容量成分により表され、図5に示した構造を有する二次電池を作製した。ここでは、図5を参照し、図5に示した符号を用いて説明する。
【0151】
まず、正極集電体52aの片面に正極合剤層52bを形成する以外は、実施例1−1と同様にして帯状の正極を作製した。そののち、帯状の正極を直径15mmの円形に打ち抜くことにより正極52を作製した。また、厚み1mmのリチウム金属を直径16mmの円形に打ち抜くことにより負極54を作製した。
【0152】
正極52および負極54を作製したのち、外装カップ53に負極54およびセパレータ55をこの順で置き、この上から電解液を注入し、正極52を入れた外装缶51を被せたのち、外装カップ53および外装缶51の周縁部をガスケット56を介してかしめることにより、コイン型の二次電池を作製した。電解液には、溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1.0mol/kgの含有量で溶解させたものに、添加剤として化30または化31に示した化合物を、溶媒と電解質塩との合計に対して1質量%の含有量で加えたものを用いた。その際、溶媒の組成および添加剤の種類を、実施例3−1〜3−4で表5に示したように変化させた。
【0153】
【表5】
Figure 2004063432
【0154】
実施例3−1〜3−4に対する比較例3−1〜3−3として、溶媒の組成、添加剤の種類、および溶媒と電解質塩との合計に対する添加剤の含有量を表5に示したように変えたことを除き、他は実施例3−1と同様にして二次電池を作製した。得られた実施例3−1〜3−4および比較例3−1〜3−3の二次電池について、充放電試験を行い、50サイクル目の放電容量維持率を求めた。その際、充電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で電流密度が0.01mA/cm2 に達するまで行い、放電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が3.5Vに達するまで行った。得られた結果を表5に示す。
【0155】
表5から分かるように、実施例3−1〜3−4では、50サイクル目の放電容量維持率について92%以上と高い値が得られた。これに対して、比較例3−1〜3−3では、50サイクル目の放電容量維持率は87%以下であった。なお、比較例3−1は、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種の含有量が合計で60質量%未満で、かつ添加剤を含まないものであり、比較例3−2は、添加剤を含むものの、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種の含有量が合計で60質量%未満のものであり、比較例3−3は、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種の含有量が合計で60質量%以上であるものの、添加剤を含まないものである。
【0156】
すなわち、リチウム二次電池において、電解液に、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる溶媒群のうちの少なくとも1種を合計で溶媒において60質量%以上を含有すると共に、化30または化31に示した化合物を含有するようにすれば、優れた充放電サイクル特性を得られることが分かった。
【0157】
なお、上記実施例では、化23または化26に示した化合物について具体的に例を挙げて説明したが、上述した結果は、その分子構造に起因するものと考えられる。よって、他の化23または化26に示した化合物を用いても同様の結果を得ることができる。また、化24,化25,化27,化28または化29に示した化合物を用いても同様の結果を得ることができる。
【0158】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例においては、軽金属としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その際、軽金属を吸蔵および離脱することが可能な負極材料、正極材料、非水溶媒、あるいは電解質塩などは、その軽金属に応じて選択される。但し、軽金属としてリチウムまたはリチウムを含む合金を用いるようにすれば、現在実用化されているリチウムイオン二次電池との電圧互換性が高いので好ましい。なお、軽金属としてリチウムを含む合金を用いる場合には、電解質中にリチウムと合金を形成可能な物質が存在し、析出の際に合金を形成してもよく、また、負極にリチウムと合金を形成可能な物質が存在し、析出の際に合金を形成してもよい。
【0159】
また、上記第2の実施の形態および実施例2−1〜2−14においては、いわゆるゲル状の電解質を用いる場合について説明したが、本発明は、保持体と電解液とを含む他の電解質を用いる場合についても適用することができる。他の電解質としては、例えば電解液を保持体である高分子材料に膨潤させた高分子固体電解質が挙げられる。その際、高分子材料には、例えば、ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド,ポリフォスファゼンあるいはポリシロキサンなどが用いられる。更に、上記第2の実施の形態および実施例2−1〜2−14においては、保持体として高分子材料を挙げて説明したが、窒化リチウム,ヨウ化リチウムあるいは水酸化リチウムの多結晶,ヨウ化リチウムと三酸化二クロムとの混合物,またはヨウ化リチウムと硫化チリウムと亜硫化二リンとの混合物などの無機伝導体を保持体として用いてもよく、高分子材料と無機伝導体とを混合して用いてもよい。
【0160】
更に、上記実施の形態および実施例においては、巻回構造を有する円筒型の二次電池、ラミネート型の二次電池、あるいはコイン型の二次電池について説明したが、本発明は、巻回構造を有する楕円型あるいは多角形型の二次電池、または正極および負極を折り畳んだりあるいは積み重ねた構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、いわゆるボタン型,角型あるいは大型などの二次電池についても適用することができる。また、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
【0161】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の電池によれば、負極の容量が、軽金属の吸蔵および離脱による容量成分と、軽金属の析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表され、溶媒が、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種を合計で60質量%以上含有するようにしたので、充放電サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
【0162】
特に、請求項2記載の電池によれば、電解液が、化1,化2,化3,化4,化5,化6および化7に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有するようにしたので、更に充放電サイクル特性を向上させることができる。
【0163】
また、請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の電池によれば、電解液が、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種と、化8,化9,化10,化11,化12,化13および化14に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種とを含有し、かつエチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種の溶媒における含有量を合計で60質量%以上とするようにしたので、負極活物質として軽金属を用いても、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の分解斜視図である。
【図4】図3に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。
【符号の説明】
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15a…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17,56…ガスケット、20,30…巻回電極体、21,33,52…正極、21a,33a,52a…正極集電体、21b,33b,52b…正極合剤層、22,34,54…負極、22a,34a…負極集電体、22b,34b…負極合剤層、23,35,55…セパレータ、24…センターピン、25,31…正極リード、26,32…負極リード、36…電解質層、40a,40b…外装部材、41…密着フィルム、51…外装缶、53…外装カップ

Claims (13)

  1. 正極および負極と共に、溶媒に電解質塩が溶解された電解液を備えた電池であって、
    前記負極の容量は、軽金属の吸蔵および離脱による容量成分と、軽金属の析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表され、
    前記溶媒は、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種を合計で60質量%以上含有する
    ことを特徴とする電池。
  2. 前記電解液は、化1,化2,化3,化4,化5,化6および化7に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の電池。
    Figure 2004063432
    (式中、R1は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体を表し、R2は、芳香環を含む基またはその誘導体を表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R3およびR4は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体をそれぞれ表し、R3およびR4の少なくとも一方は、芳香環を含む基またはその誘導体である。)
    Figure 2004063432
    (式中、R5は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体を表し、R6は、芳香環を含む基またはその誘導体を表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R7,R8,R9およびR10は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R11,R12およびR13は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R14,R15,R16,R17,R18およびR19は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R20,R21,R22およびR23は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。)
  3. 前記負極は、軽金属を吸蔵および離脱することが可能な負極材料を含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
  4. 前記負極は炭素材料を含むことを特徴とする請求項3記載の電池。
  5. 前記負極は、黒鉛,易黒鉛化性炭素および難黒鉛化性炭素からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項4記載の電池。
  6. 前記負極は黒鉛を含むことを特徴とする請求項5記載の電池。
  7. 前記負極は、前記軽金属と合金を形成可能な金属元素または半金属元素の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3記載の電池。
  8. 前記負極は、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム(Al),インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)の単体、合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項7記載の電池。
  9. 更に保持体を備え、前記電解液は前記保持体に保持されていることを特徴とする請求項1記載の電池。
  10. 前記軽金属はリチウム(Li)を含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
  11. 正極と、負極と、溶媒に電解質塩が溶解された電解液とを備え、負極活物質として軽金属を用いた電池であって、
    前記電解液は、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種と、化8,化9,化10,化11,化12,化13および化14に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種とを含有し、
    前記エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,モノフルオロエチレンカーボネートおよびエチレンサルファイトからなる群のうちの少なくとも1種の前記溶媒における含有量は合計で60質量%以上である
    ことを特徴とする電池。
    Figure 2004063432
    (式中、R1は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体を表し、R2は、芳香環を含む基またはその誘導体を表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R3およびR4は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体をそれぞれ表し、R3およびR4の少なくとも一方は、芳香環を含む基またはその誘導体である。)
    Figure 2004063432
    (式中、R5は、芳香環を含む基あるいはアルキル基、またはそれらの誘導体を表し、R6は、芳香環を含む基またはその誘導体を表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R7,R8,R9およびR10は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R11,R12およびR13は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R14,R15,R16,R17,R18およびR19は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。)
    Figure 2004063432
    (式中、R20,R21,R22およびR23は、水素原子またはアルキル基をそれぞれ表す。)
  12. 更に保持体を備え、前記電解液は前記保持体に保持されていることを特徴とする請求項11記載の電池。
  13. 前記負極活物質としてリチウム(Li)金属を用いたことを特徴とする請求項11記載の電池。
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