JP2004061506A - 空気管路内の空気流量を求める方法およびエアマスフローセンサユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】空気流量を求める方法とこの方法に相応するエアマスフローセンサとを改善し、脈動に起因して発生する排気ガスの逆流を確実に検出する。
【解決手段】先行して検出された複数の信号を含めて配列された信号の時間シーケンスを振動解析にかけ、基本振動とこの基本振動に対して設定される少なくとも1つの倍振動とを求め、基本振動のパラメータと設定される倍振動のパラメータとを相互に比較し、倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比が設定された閾値を上回る場合に、脈動のために平均空気流に逆らう逆流が生じているものと結論する。
【選択図】 図1
【解決手段】先行して検出された複数の信号を含めて配列された信号の時間シーケンスを振動解析にかけ、基本振動とこの基本振動に対して設定される少なくとも1つの倍振動とを求め、基本振動のパラメータと設定される倍振動のパラメータとを相互に比較し、倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比が設定された閾値を上回る場合に、脈動のために平均空気流に逆らう逆流が生じているものと結論する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアマスフローセンサを使用して空気流のその時点での大きさに相応する信号を検出し、そこから空気流量の特性曲線を用いて空気流量値を求める空気管路内の空気流量を求める方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、空気管路内の空気流のパラメータに相応する信号を形成するエアマスフローセンサを備えたエアマスフローセンサユニットに関する。
【0003】
【従来の技術】
こうした空気流量を求める方法およびエアマスフローセンサの現在の重要な適用分野は内燃機関の吸気管内での空気流量測定である。この種の内燃機関で燃焼を正確に制御するためには、吸気管を介して吸入される空気量を正確に測定し、燃焼時の燃料空気混合比を最適に保持しなくてはならない。
【0004】
この種の空気流量を測定するために、多様なホットワイヤ式エアマスフローセンサまたはホットフィルム式エアマスフローセンサが使用されている。このセンサの作動方式は、空気流が加熱されたボディを相応の大きさだけ冷却することに基づいている。したがって加熱抵抗はこれを通る空気流を制御することにより、空気流の温度を所定の値だけ上回る一定の温度で保持される。このために必要な熱流はきわめて正確ではあるが非線形の空気流量に対する尺度となる。
【0005】
吸気管内の空気がつねに一方向のみに流れる場合には、当該のセンサは充分に正確に動作する。ただし内燃機関では、吸気管内に空気の脈動が生じる駆動状態も存在する。こうした脈動は、通常の吸入方向に逆流する流れを発生させるほど強くなることもある。上述のホットワイヤ式エアマスフローセンサまたはホットフィルム式エアマスフローセンサを用いた測定方式からは、空気流量値の絶対値だけでなく、空気流の流れ方向も得られる。ただし脈動が生じると、逆流が吸入空気の通常流として測定されてしまい、そのために内燃機関の制御がきわめて困難になってしまうことがある。
【0006】
このような逆流を識別する手段として、流れ方向ごとに相互に距離を置いて配置された2つのセンサ、または流れ方向ごとに相互に距離を置いて配置された2つのセンサエレメントから成るセンサを使用し、2つの値を比較して逆流の有無を推論する手法が存在する。しかしこの種の装置は構造が複雑であり、吸気管内に組み込むにも手間がかかる。
【0007】
独国特許出願第4342481号明細書には、吸気管内に配置されたエアマスフローセンサの温度感応性の測定抵抗を用いて内燃機関の吸入空気量を測定する方法が記載されている。ここでは内燃機関の平均的な負荷状態により、吸気管内で吸入方向で測定抵抗の下流に配置された負荷加熱素子が加熱され、測定抵抗の誤差を補償する。この手法では負荷加熱素子を付加的に吸気管内へ組み込まなければならず、これにより製造コストが高くなってしまう。
【0008】
【特許文献1】
独国特許出願第4342481号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、空気流量を求める方法とこの方法に相応するエアマスフローセンサとを改善し、脈動に起因して発生する排気ガスの逆流を確実に検出することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題は、先行して検出された複数の信号を含めて配列された信号の時間シーケンスを振動解析にかけ、基本振動とこの基本振動に対して設定される少なくとも1つの倍振動とを求め、基本振動のパラメータと設定される倍振動のパラメータとを相互に比較し、倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比が設定された閾値を上回る場合に、脈動のために平均空気流に逆らう逆流が生じているものと結論することにより解決される。
【0011】
課題はまた、エアマスフローセンサに接続された評価装置によりエアマスフローセンサの信号が空気流量値へ変換され、その際に請求項1から13までのいずれか1項記載の空気流量を求める方法が行われる構成により解決される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は任意のエアマスフローセンサまたはガスセンサに使用することができる。センサの出力信号は、値の大きさ(本発明の範囲内では負の値でないものと理解されたい)だけでなく、検出すべき空気流の方向も反映している。特に本発明のセンサはホットワイヤ式エアマスフローセンサまたはホットフィルム式エアマスフローセンサである。
【0013】
本発明の方法は、逆流を識別する際に問題となるエアマスフローセンサの特性をまさに利用している。つまり、エアマスフローセンサの値のみならずその方向をも考慮することにより、逆流の有無を判別するのである。
【0014】
理解を簡単にするために、空気流量を、平均空気流量値と、所定の脈動周波数の振動と、平均空気流量値に対する振動の振幅を表す所定の変調度と、所定の期間にわたって平均化する際に失われる平均値との重畳とする。例えば空気流量Qの高調波振動に脈動があるとき、時間t、脈動周波数ω、変調度m、平均空気流量値Qavの関数として次のように表される。
【0015】
Q=Qav・(1+m・cos(ωt))
変調度が100%よりも小さければ、逆流は生じない。なぜなら振動の振幅が空気流量の平均値よりもつねに小さくなり、得られる瞬時の空気流量がつねに正となるからである。その場合センサ信号は一貫して実際の空気流量値、すなわち所定の定数と振動とを重畳した値に相応する。したがって振動解析から空気流量の平均値と脈動周波数での重畳成分とを識別することができる。
【0016】
変調度が100%よりも大きくなる場合、瞬時の空気流量値が負となる時間範囲中に逆流が生じる。これは振動の瞬時の偏向が負となり、その値が負の平均空気流量値よりも大きくなる場合である。この場合センサ信号はもはや定数とこれに重畳される振動とのかたちにはならない。なぜなら逆流の生じる時間中は、負の空気流量に代えて、逆流に相応する大きさの正の空気流量値が検出されるからである。したがってセンサ信号の信号解析では脈動周波数に相応する基本振動に加えて、脈動する空気流量の変調度に依存する倍振動も発生する。
【0017】
したがって逆流を求める際には、その時点でのセンサ信号にそれ以前に検出された所定数の信号を含めて、時間シーケンスとして振動解析にかける。内燃機関に適用する場合、有利には、基本振動モードの既知となっているセグメントの整数倍が使用される。さらに有利には、振動解析は内燃機関の制御装置で行われ、回転数から基本周波数が既知となる。この場合には倍振動を求めるだけでよい。
【0018】
脈動による振動または相応のセンサ振動特性は必ずしも正弦形状または余弦形状とはならないので、変調度が100%より小さい場合であっても振動解析の際に倍振動が検出されることがある。ただしこの倍振動の強さは逆流に起因して生じる倍振動の強さよりも格段に小さい。したがって逆流の発生を識別するためには、倍振動と基本振動とを適切なパラメータに基づいて比較する。この比較において倍振動と基本振動との比が設定された閾値を上回る場合には、逆流が識別される。閾値は一般に振動解析の基礎となる時間依存性の信号の関数形状に依存して定められる。これは例えば試行によって、また脈動が充分な精度でシミュレートされる場合には相応のシミュレーション結果を用いることによって定められる。
【0019】
本発明の方法によれば、エアマスフローセンサを変更することなく簡単に、脈動に起因して生じる空気の逆流を識別することができる。特に流れ方向で相互に間隔を置いて配置された2つのエアマスフローセンサ、または2つのセンサエレメントから成るセンサユニット、または1つのセンサと付加的なヒータエレメントとから成るセンサユニットを設ける必要はない。
【0020】
エアマスフローセンサの信号を逆流が検出される際にも使用できるようにするために、有利には、逆流の発生が検出された場合に、その時点の信号に相応する空気流量値が空気管路内の逆流の発生に関連して補正される。このために例えばエアマスフローセンサの信号値または特性曲線に則して求められた空気流量値が脈動発生前の相応の値または設定された補正用特性マップの値によって置換される。後者の手法は、例えば独立変数として、平均流量値および倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比を含む。また空気流量として脈動も含めて平均された空気流量値のみを使用し、脈動の発生を示す別種の信号を表示させることもできる。
【0021】
本発明の方法の別の実施形態によれば、倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比から脈動の変調度の値が求められ、補正に使用される。特に空気流に対するモデルが使用され、平均空気流量値と変調度とから実際の空気流量が設定された時間インターバル全体にわたって近似に求められる。
【0022】
基本的に振動解析は、例えばフーリエ解析または高調波の解析のかたちで検出された信号ごとにこれをその時点の最新の信号として行われる。この場合時間順の1つ前の信号は当該の信号から、振動解析の情報が当該の信号の補正に適用可能となるように選定された時間間隔を有している。この時間間隔は特に、逆流を生じさせる脈動の発生または減衰の速度、振動解析を行える速度、および補正が行われる場合には補正のタイプに依存して選定される。ただし時間シーケンスとしては当該の信号前に検出された所定数の信号のほか、さらに最新の信号値をなす当該の信号まで含めてもよく、ここでは時間間隔はゼロとなる。
【0023】
ただし振動解析は、この手法に使用される平均化の作業の速度に応じて次の信号値を求めるよりも長い時間がかかることがある。また逆流を生じさせる脈動は空気の波の最終的な伝搬速度により、内燃機関の条件に依存して、最速であれば相応に設定される最大速度で発生し、同様に最大速度で減衰する。したがって有利には、振動解析はセンサ信号値の連続的な検出の時間間隔よりも大きく設定された時間間隔で行われる。逆流の有無は連続する振動解析のあいだの所定の時間範囲にわたって外挿される。振動解析を行う時間間隔は、特に、逆流を生じさせる脈動の発生または減衰の速度、および/または振動解析を行うことのできる速度に依存して選定される。有利にはこれらの信号は内燃機関ではセグメントごとに処理される。
【0024】
本発明の上述の実施形態では、さらに有利に、空気流量値の補正がそのつど最後の振動解析に基づいて行われる。このとき振動解析を行う間隔は、補正タイプ、例えば脈動モデルを使用する際の外挿の誤差に依存して定められる。
【0025】
本発明の方法は空気管路内の空気流量を求める際に広汎に使用できるが、特に内燃機関の吸気管の空気流量を求めるために用いると有利である。内燃機関での脈動は基本的には全ての回転数で発生しうるものの、排気ガスの逆流が生じるのは所定の駆動状態においてのみである。したがって有利には、空気管路として内燃機関の吸気管を使用する場合、内燃機関の少なくとも1つの駆動パラメータが検出され、検出された駆動パラメータが設定範囲内にあるときにのみ、つまり設定された最小強さの脈動が予測される範囲内にあるときにのみ振動解析が行われる。ここでの設定範囲は特に内燃機関および吸気管の構造または空気振動の共振周波数や負荷状態に依存している。駆動パラメータは例えば内燃機関の回転数や、負荷状態に関連するスロットルバルブ角度などである。これらのパラメータを用いることにより逆流検出にかかるコストが大幅に低減され、内燃機関の制御装置で振動解析が行われれば、そこに存在するプロセッサが大きな助けとなる。
【0026】
振動解析を行う際に、エアマスフローセンサの信号は(それまでにディジタル化されていなければ)例えばアナログディジタル変換器を用いて振動解析の目的に充分な高さのサンプリング周波数でディジタル化される。振動解析はこのディジタル化された信号値に基づいて行われ、その際に特性マップに相応して空気流量値へ変換される信号値を補正することにより、空気流量値の補正が行われることもある。エアマスフローセンサの特性マップはたいていが非線形であり、基本振動および倍振動に当たるピークが拡散しているため、振動解析が困難となるのもしばしばである。したがって有利には、複数の信号からエアマスフローセンサの特性曲線を用いて空気流量の変数値が求められ、信号の時間シーケンスに相応する空気流量の変数の時間シーケンスに基づいて振動解析が行われる。逆流が存在しなければ、空気流量の変数値は空気流量値に相応する。そうでない場合には空気流量の変数値は空気流量値に対して空気流量のレベルで補正される。これはエアマスフローセンサの特性マップの非線形性を考慮せずにすむのできわめて簡単である。
【0027】
基本振動および倍振動のパラメータは、例えばラプラス変換またはウェーブレット解析により求められる。処理を簡単化し、また実行速度を速めるために、有利には、振動解析はフーリエ解析により行われる。特に有利には高速フーリエ変換が使用される。
【0028】
基本振動および倍振動のパラメータは種々の形式で定義することができる。有利には、基本振動および倍振動の強さは、直接に振動解析で得られた当該の振動の振幅のかたちで使用される。
【0029】
振動解析の際に位相情報および/または振幅情報が使用される場合、特に正確な補正を行うことができる。1次高調波と2次高調波とのあいだの位相を評価することにより、特に計算が簡単化される。
【0030】
振動解析での基本振動および倍振動におけるピークが幅広の鍵盤状になっている場合、相応のピーク周波数およびその振幅はしばしば求めるのが困難となる。これは有利には、基本振動および設定される倍振動の強さを用いて、電力スペクトルに則して求められる。特に振動の下方に当たるピークレベルは強度の尺度として使用され、これによりきわめて正確に相応の振動の強度が得られる。この手法は特に非ハーモニックの振動が生じている場合に有利である。
【0031】
基本振動の周波数は基本的に振動解析に基づいて求められるが、これには煩雑なサーチが必要となることがある。脈動に相応する基本振動後の内燃機関でのサーチを加速するために、有利には、空気管路として内燃機関の吸気管が使用され、内燃機関の回転数が検出され、基本振動を求めるためにこの内燃機関の回転数が評価される。内燃機関では脈動周波数は主として内燃機関の回転数とシリンダ数との積をクランクシャフトの1回転当たりの作業サイクル数によって除算した値によって近似される。近似に求められた脈動周波数を中心とする設定範囲内で実際の脈動周波数がサーチされ、これによりサーチの手間が大幅に低減される。
【0032】
できる限り正確に倍振動のデータを得るために、有利には、倍振動として1次高調波振動が使用される。この振動はより高次の高調波に比べて強く、倍振動の強さや倍振動と基本振動との比を求める際にも雑音から小さな相対誤差しか生じない。また、1次の高調波振動のみが使用される場合には、エアマスフローセンサの信号を検出するサンプリング周波数はより高次の高調波振動を使用する場合よりも小さく選定することができる。
【0033】
確実に逆流を検出し、また空気流量値を補正するために、有利には、少なくとも1つの別の倍振動のパラメータが求められ、付加的にこの第2の倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比および/または第1の倍振動のパラメータと第2の倍振動のパラメータとの比が求められ、逆流の検出および/または補正に使用される。第2の倍振動を使用すると、変調度ひいては逆流の大きさを特に良好に推定することができる。
【0034】
本発明の方法は、相応にプログラミングされたプロセッサを有する内燃機関制御用の制御装置で実行される。また相応のユニットを直接にエアマスフローセンサ内に集積し、ケーブルコストを節約することもできる。
【0035】
本発明の課題はさらに、空気管路内の空気流量のパラメータに相応する信号を形成するエアマスフローセンサを備えたエアマスフローセンサユニットにおいて、エアマスフローセンサに接続された評価装置によりエアマスフローセンサの信号が特性曲線に相応に出力変数の値へ変換され、その際に本発明の空気流量を求める方法が用いられることにより解決される。エアマスフローセンサの特性曲線はセンサ信号と相応の空気流量値との関係を定めるものである。
【0036】
特に評価装置はメモリとこのメモリに接続されたディジタル信号プロセッサとを有しており、このディジタル信号プロセッサには本発明の方法がプログラミングされている。
【0037】
本発明のエアマスフローセンサユニットはエアマスフローセンサ内または内燃機関の制御装置内に実現され、これにより本発明の方法が実現される。本発明のエアマスフローセンサユニットはモジュールとして製造され、種々の制御装置に適用することができる。
【0038】
【実施例】
本発明を以下に図示の実施例に則して詳細に説明する。
【0039】
図1では内燃機関1に吸気管2が接続されており、この吸気管2を介して内燃機関1に燃焼のための吸入空気が供給される。制御装置3も制御のために内燃機関1に接続されている。吸気管2内またはこれに接する個所にホットワイヤ式エアマスフローセンサ4が配置されており、このセンサは制御装置3に接続されている。
【0040】
内燃機関1は周知のように4サイクルエンジンとして構成されており、図1では詳細には示されていないが、空気供給装置、燃料圧送システム、および排気ガス処理装置を有している。また図1には特には示されていない燃料供給の時点および供給量などの駆動パラメータを調整するアクチュエータや、駆動パラメータの値を検出するセンサ、例えば回転数センサ5なども設けられている。
【0041】
回転数センサ5はディファレンシャルフィールドプレートセンサと内燃機関1のクランクシャフトに接続された歯車とを有しており、周知のように内燃機関1の回転数を検出する。これにより相応の回転数信号が制御装置3へ送出される。
【0042】
図1では概略的にしか示されていないが、周知のホットワイヤ式エアマスフローセンサ4は第1のブリッジ分岐、第2のブリッジ分岐を備えたブリッジ回路、および差動増幅器を備えた閉ループ制御回路6を有している。
【0043】
第1のブリッジ分岐は温度依存性の第1の抵抗RTと第2の抵抗R1とから成る直列回路を有している。第2のブリッジ分岐は温度依存性の第3の抵抗RHと第4の抵抗R2とから成る直列回路を有している。
【0044】
第1の抵抗RTと第3のセンサ加熱抵抗RHとは吸気管2内に配置されており、通常のように空気が流れている場合には、第1の抵抗RTのほうが第3のセンサ加熱抵抗RHよりも上流に配置されている。
【0045】
閉ループ制御回路6の入力側は第1の抵抗RTと第2の抵抗R1とのあいだのタップポイント、および第3のセンサ加熱抵抗RHと第4の抵抗R2とのあいだのタップポイントに接続されている。これによりブリッジ回路に電流が供給される。
【0046】
第1の抵抗RTは温度センサとして吸入空気の温度測定に用いられる。第3のセンサ加熱抵抗RHは空気流量の測定に用いられる。ここでは第3のセンサ加熱抵抗RHがこれよりも低い温度を有する空気流により流量の大きさに相応に冷却され、そのことによって抵抗値が変化する原理を利用している。
【0047】
閉ループ制御回路6は一方では第1の抵抗RTと第2の抵抗R1との差に依存して取り出される電圧を制御し、他方では第3の抵抗RHと第4の抵抗R2との差に依存してブリッジ分岐、特に第3のセンサ加熱抵抗RHを通って流れる電流を制御する。これにより第3のセンサ加熱抵抗RHは、第1の抵抗RTによって測定された吸入空気の温度に対して設定された固定の温度差が生じるように維持される。
【0048】
その際に電流は変更され、空気流に起因して第3のセンサ加熱抵抗RHがブリッジ、ひいては第3の抵抗を通る電流を相応に変化させることにより補償され、閉ループ制御回路6の入力側での電圧差が一定に保持されるようにする。
【0049】
第4の抵抗R2で取り出された電圧はブリッジ回路を通る電流に比例し、ひいては空気流量値に相応する電圧に比例しているが、これは制御装置3に供給されたエアマスフローセンサ4のセンサ出力信号から形成される。エアマスフローセンサユニット4のセンサ出力信号は、吸気管2の直径に依存して定められる図2の特性曲線のように空気流量値に相応する。第3のセンサ加熱抵抗RHは空気流量値の大きさのみに依存しているので、ホットワイヤ式エアマスフローセンサ3によっては空気流の方向は求められない。
【0050】
制御装置3は接続された種々のセンサの信号の検出装置を有しているが、このうち図1にはエアマスフローセンサユニットに接続されているアナログディジタル変換器7のみが示されている。さらにこの制御装置には、内燃機関1のアクチュエータを駆動する出力装置、検出装置および出力装置に接続されたプロセッサ8、およびこのプロセッサに接続されたメモリ装置9が存在する。メモリ9はプロセッサ8上で実行すべき少なくともプログラムを記憶しているほか、プログラム実行に関するデータや特性曲線データも永続的に記憶している。
【0051】
プロセッサ8はとりわけ相応の制御プログラムによりセンサで検出された値(特に検出された吸気管2内の空気流量値)に依存して内燃機関1のアクチュエータを制御する。さらにプロセッサ8は相応のプログラムを実行することにより空気流量値をエアマスフローセンサ4のセンサ出力信号から求める際にも用いられる。プロセッサ8のプログラムは制御プログラムの一部ともなっている。
【0052】
空気流量値を検出するために、エアマスフローセンサ4のアナログ信号はアナログディジタル変換器7において設定されたサンプリング周波数でサンプリングされ、相応のディジタル信号へ変換される。このディジタル信号はプロセッサ8またはメモリ装置9へ供給され、メモリ装置9内に記憶される。脈動振動のうち少なくとも第1の倍振動をエアマスフローセンサ4のセンサ出力信号として検出するために、ここでのサンプリング周波数は最も高く考えられる脈動周波数の低倍よりも大きく選定される。つまり、相応の機関回転数とシリンダ数との積をクランクシャフトの1回転当たりの作業サイクル数で除算して得られる値であって、逆流の発生しうる脈動周波数よりも格段に高く選定される。
【0053】
メモリ装置9には、エアマスフローセンサ4からのディジタル化されたセンサ出力信号のうち、直接に連続する設定されたN個の値のみが検出された時間シーケンスに相応に記憶される。新たに検出されたセンサ出力信号値を記憶する際には古い値から順に消去されるか、上書きが行われる。
【0054】
記憶されたN個の値の時間シーケンスは、振動解析を実行するために、高速フーリエ変換FFTまたは他の解析プロセスにかけられ、その結果もメモリ装置9に記憶される。
【0055】
得られたスペクトルの点は見取りやすくするために滑らかな曲線で結ばれる。これは例えば図3のA〜Dとして、それぞれ同じ脈動周波数およびサンプリング周波数で20%(0.2)、100%(1.0)、150%(1.5)、300%(3.0)の変調度に対して示されている。座標はフーリエ変換の値を設定された正規化値に関連してdBで表している。これはフーリエ変換値の比またはこの比に相応する対数関数の差値のみに基づくので、正規化値の大きさは関係なく、任意に選定できる。
【0056】
スペクトルは脈動周波数での基本周波数に対するピーク10、10’、10’’、10’’’、また特に2倍の脈動周波数の1次高調波に対してピーク11、11’、11’’、11’’’、2次高調波に対して12、12’、12’’、12’’’が発生している。倍振動の振幅と基本振動の振幅との比はここから見て取れるように変調度に依存している。20%の変調度では基本振動の振幅と1次高調波とのあいだの差は約40dBであり(図3のAを参照)、変調度が逆流の発生する100%に達するまでこの差は大きい(図3のBを参照)。変調度が150%となると差は約20dBとなり(図3のCを参照)、300%となると約5dbになる(図3のDを参照)。
【0057】
1次高調波の振動と2次高調波の振動とのあいだには100%の変調度で約10dBの差があるが、150%の変調度ではこれらはほぼ等しくなる。
【0058】
得られるスペクトルにはピーク位置を求めるために、まず基本振動の後に予測される脈動周波数の領域で、すなわち回転数センサ5で検出された機関回転数とシリンダ数との積をクランクシャフトの1回転当たりの作業サイクル数で除算した値により与えられる領域で、スペクトル中の相応の最大値を求めるサーチが行われる。
【0059】
このような最大値が見出されると、フーリエ変換値が求められ、相応の脈動周波数とともに記憶される。
【0060】
その後2倍の脈動周波数および3倍の脈動周波数でのフーリエ変換の値も求められる。
【0061】
1次の高調波の振幅と基本振動の振幅との比が−20dB(つまり0.01)の閾値を超えると、逆流の発生が結論される。
【0062】
逆流が検出されると、エアマスフローセンサ4のサンプリングされた時間依存性のセンサ出力信号値は補正値を求めるために使用される。その際には、ディジタル化されたセンサ出力信号を空気流量値に相応するものとして利用されるが、これは脈動振動の所定期間中に部分的に正(つまり内燃機関1のほうへの流れ)となったり部分的に負となったり(つまり反対方向への流れ)となったりする。この場合、小さな値の最大値は実際の空気流の最小値に相応する。
【0063】
その後、変調度値に応じて補正されたセンサ出力信号または補正されていないセンサ出力信号から、制御装置3のメモリ装置9に記憶されているエアマスフローセンサ4の特性曲線に則して空気流量値が求められる。この値は場合により一時的に記憶され、内燃機関1の制御のために使用される。
【0064】
第2の実施例では、振動解析を実行する前にディジタル化されたセンサ出力信号を空気流量値へ変換し、これを振動解析の基礎とする。
【0065】
その際にディジタル化されたセンサ出力信号値は、記憶の前に、メモリ装置9に記憶されているエアマスフローセンサ4の特性曲線を用いて、まず補正なしで空気流量値に相応する空気流の変数値へ変換される。この値は第1の実施例におけるディジタル化されたセンサ出力信号値と同様に記憶される。
【0066】
これに応じて振動解析は、第1の実施例における時間シーケンスに相応に得られた空気量の変数値の時間シーケンスに基づいて行われる。
【0067】
得られたスペクトルは、前述の場合と同様に、各脈動振動に対して相応する基本振動および倍振動を示している。非線形の特性曲線を用いて非線形性を除去することから、相応のピークの振幅間にいっそう明瞭な差が生じている。1次高調波の振幅と基本振動の振幅との比に対する閾値は、ここでは相応の別の値に設定しなければならない。
【0068】
逆流が発生していない場合には、空気流量の変数値は空気流量の実際の大きさに相応するので、これを使用する。そうでない場合には空気流量の変数値に対して必要な補正を行い、第1の実施例に相応するかたちの空気流量値のレベルで実際の空気流量値を形成する。これは本発明によりきわめて簡単かつ正確に行うことができる。
【0069】
その場合、求められた空気流量値は、場合により一時的に記憶され、その後、機関制御のために転送される。
【0070】
第3の実施例では、アナログディジタル変換器7、プロセッサ8およびメモリ装置9に相応するコンポーネントが第1、第2の実施例のエアマスフローセンサ4に相応するセンサとともに1つのエアマスフローセンサユニットとしてまとめられている。このセンサユニットのプロセッサによって求められた空気流量値が制御装置へ出力される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホットワイヤ式エアマスフローセンサの設けられた吸気管と制御装置とを備えた内燃機関の概略図である。
【図2】図1のエアマスフローセンサの特性曲線である。
【図3】種々の変調度を表すパルスの周波数スペクトルのシミュレーションダイアグラムである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気管
3 制御装置
4 ホットワイヤ式エアマスフローセンサ
5 回転数センサ
6 閉ループ制御回路
7 アナログディジタル変換器
8 プロセッサ
9 メモリ装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアマスフローセンサを使用して空気流のその時点での大きさに相応する信号を検出し、そこから空気流量の特性曲線を用いて空気流量値を求める空気管路内の空気流量を求める方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、空気管路内の空気流のパラメータに相応する信号を形成するエアマスフローセンサを備えたエアマスフローセンサユニットに関する。
【0003】
【従来の技術】
こうした空気流量を求める方法およびエアマスフローセンサの現在の重要な適用分野は内燃機関の吸気管内での空気流量測定である。この種の内燃機関で燃焼を正確に制御するためには、吸気管を介して吸入される空気量を正確に測定し、燃焼時の燃料空気混合比を最適に保持しなくてはならない。
【0004】
この種の空気流量を測定するために、多様なホットワイヤ式エアマスフローセンサまたはホットフィルム式エアマスフローセンサが使用されている。このセンサの作動方式は、空気流が加熱されたボディを相応の大きさだけ冷却することに基づいている。したがって加熱抵抗はこれを通る空気流を制御することにより、空気流の温度を所定の値だけ上回る一定の温度で保持される。このために必要な熱流はきわめて正確ではあるが非線形の空気流量に対する尺度となる。
【0005】
吸気管内の空気がつねに一方向のみに流れる場合には、当該のセンサは充分に正確に動作する。ただし内燃機関では、吸気管内に空気の脈動が生じる駆動状態も存在する。こうした脈動は、通常の吸入方向に逆流する流れを発生させるほど強くなることもある。上述のホットワイヤ式エアマスフローセンサまたはホットフィルム式エアマスフローセンサを用いた測定方式からは、空気流量値の絶対値だけでなく、空気流の流れ方向も得られる。ただし脈動が生じると、逆流が吸入空気の通常流として測定されてしまい、そのために内燃機関の制御がきわめて困難になってしまうことがある。
【0006】
このような逆流を識別する手段として、流れ方向ごとに相互に距離を置いて配置された2つのセンサ、または流れ方向ごとに相互に距離を置いて配置された2つのセンサエレメントから成るセンサを使用し、2つの値を比較して逆流の有無を推論する手法が存在する。しかしこの種の装置は構造が複雑であり、吸気管内に組み込むにも手間がかかる。
【0007】
独国特許出願第4342481号明細書には、吸気管内に配置されたエアマスフローセンサの温度感応性の測定抵抗を用いて内燃機関の吸入空気量を測定する方法が記載されている。ここでは内燃機関の平均的な負荷状態により、吸気管内で吸入方向で測定抵抗の下流に配置された負荷加熱素子が加熱され、測定抵抗の誤差を補償する。この手法では負荷加熱素子を付加的に吸気管内へ組み込まなければならず、これにより製造コストが高くなってしまう。
【0008】
【特許文献1】
独国特許出願第4342481号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、空気流量を求める方法とこの方法に相応するエアマスフローセンサとを改善し、脈動に起因して発生する排気ガスの逆流を確実に検出することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題は、先行して検出された複数の信号を含めて配列された信号の時間シーケンスを振動解析にかけ、基本振動とこの基本振動に対して設定される少なくとも1つの倍振動とを求め、基本振動のパラメータと設定される倍振動のパラメータとを相互に比較し、倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比が設定された閾値を上回る場合に、脈動のために平均空気流に逆らう逆流が生じているものと結論することにより解決される。
【0011】
課題はまた、エアマスフローセンサに接続された評価装置によりエアマスフローセンサの信号が空気流量値へ変換され、その際に請求項1から13までのいずれか1項記載の空気流量を求める方法が行われる構成により解決される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は任意のエアマスフローセンサまたはガスセンサに使用することができる。センサの出力信号は、値の大きさ(本発明の範囲内では負の値でないものと理解されたい)だけでなく、検出すべき空気流の方向も反映している。特に本発明のセンサはホットワイヤ式エアマスフローセンサまたはホットフィルム式エアマスフローセンサである。
【0013】
本発明の方法は、逆流を識別する際に問題となるエアマスフローセンサの特性をまさに利用している。つまり、エアマスフローセンサの値のみならずその方向をも考慮することにより、逆流の有無を判別するのである。
【0014】
理解を簡単にするために、空気流量を、平均空気流量値と、所定の脈動周波数の振動と、平均空気流量値に対する振動の振幅を表す所定の変調度と、所定の期間にわたって平均化する際に失われる平均値との重畳とする。例えば空気流量Qの高調波振動に脈動があるとき、時間t、脈動周波数ω、変調度m、平均空気流量値Qavの関数として次のように表される。
【0015】
Q=Qav・(1+m・cos(ωt))
変調度が100%よりも小さければ、逆流は生じない。なぜなら振動の振幅が空気流量の平均値よりもつねに小さくなり、得られる瞬時の空気流量がつねに正となるからである。その場合センサ信号は一貫して実際の空気流量値、すなわち所定の定数と振動とを重畳した値に相応する。したがって振動解析から空気流量の平均値と脈動周波数での重畳成分とを識別することができる。
【0016】
変調度が100%よりも大きくなる場合、瞬時の空気流量値が負となる時間範囲中に逆流が生じる。これは振動の瞬時の偏向が負となり、その値が負の平均空気流量値よりも大きくなる場合である。この場合センサ信号はもはや定数とこれに重畳される振動とのかたちにはならない。なぜなら逆流の生じる時間中は、負の空気流量に代えて、逆流に相応する大きさの正の空気流量値が検出されるからである。したがってセンサ信号の信号解析では脈動周波数に相応する基本振動に加えて、脈動する空気流量の変調度に依存する倍振動も発生する。
【0017】
したがって逆流を求める際には、その時点でのセンサ信号にそれ以前に検出された所定数の信号を含めて、時間シーケンスとして振動解析にかける。内燃機関に適用する場合、有利には、基本振動モードの既知となっているセグメントの整数倍が使用される。さらに有利には、振動解析は内燃機関の制御装置で行われ、回転数から基本周波数が既知となる。この場合には倍振動を求めるだけでよい。
【0018】
脈動による振動または相応のセンサ振動特性は必ずしも正弦形状または余弦形状とはならないので、変調度が100%より小さい場合であっても振動解析の際に倍振動が検出されることがある。ただしこの倍振動の強さは逆流に起因して生じる倍振動の強さよりも格段に小さい。したがって逆流の発生を識別するためには、倍振動と基本振動とを適切なパラメータに基づいて比較する。この比較において倍振動と基本振動との比が設定された閾値を上回る場合には、逆流が識別される。閾値は一般に振動解析の基礎となる時間依存性の信号の関数形状に依存して定められる。これは例えば試行によって、また脈動が充分な精度でシミュレートされる場合には相応のシミュレーション結果を用いることによって定められる。
【0019】
本発明の方法によれば、エアマスフローセンサを変更することなく簡単に、脈動に起因して生じる空気の逆流を識別することができる。特に流れ方向で相互に間隔を置いて配置された2つのエアマスフローセンサ、または2つのセンサエレメントから成るセンサユニット、または1つのセンサと付加的なヒータエレメントとから成るセンサユニットを設ける必要はない。
【0020】
エアマスフローセンサの信号を逆流が検出される際にも使用できるようにするために、有利には、逆流の発生が検出された場合に、その時点の信号に相応する空気流量値が空気管路内の逆流の発生に関連して補正される。このために例えばエアマスフローセンサの信号値または特性曲線に則して求められた空気流量値が脈動発生前の相応の値または設定された補正用特性マップの値によって置換される。後者の手法は、例えば独立変数として、平均流量値および倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比を含む。また空気流量として脈動も含めて平均された空気流量値のみを使用し、脈動の発生を示す別種の信号を表示させることもできる。
【0021】
本発明の方法の別の実施形態によれば、倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比から脈動の変調度の値が求められ、補正に使用される。特に空気流に対するモデルが使用され、平均空気流量値と変調度とから実際の空気流量が設定された時間インターバル全体にわたって近似に求められる。
【0022】
基本的に振動解析は、例えばフーリエ解析または高調波の解析のかたちで検出された信号ごとにこれをその時点の最新の信号として行われる。この場合時間順の1つ前の信号は当該の信号から、振動解析の情報が当該の信号の補正に適用可能となるように選定された時間間隔を有している。この時間間隔は特に、逆流を生じさせる脈動の発生または減衰の速度、振動解析を行える速度、および補正が行われる場合には補正のタイプに依存して選定される。ただし時間シーケンスとしては当該の信号前に検出された所定数の信号のほか、さらに最新の信号値をなす当該の信号まで含めてもよく、ここでは時間間隔はゼロとなる。
【0023】
ただし振動解析は、この手法に使用される平均化の作業の速度に応じて次の信号値を求めるよりも長い時間がかかることがある。また逆流を生じさせる脈動は空気の波の最終的な伝搬速度により、内燃機関の条件に依存して、最速であれば相応に設定される最大速度で発生し、同様に最大速度で減衰する。したがって有利には、振動解析はセンサ信号値の連続的な検出の時間間隔よりも大きく設定された時間間隔で行われる。逆流の有無は連続する振動解析のあいだの所定の時間範囲にわたって外挿される。振動解析を行う時間間隔は、特に、逆流を生じさせる脈動の発生または減衰の速度、および/または振動解析を行うことのできる速度に依存して選定される。有利にはこれらの信号は内燃機関ではセグメントごとに処理される。
【0024】
本発明の上述の実施形態では、さらに有利に、空気流量値の補正がそのつど最後の振動解析に基づいて行われる。このとき振動解析を行う間隔は、補正タイプ、例えば脈動モデルを使用する際の外挿の誤差に依存して定められる。
【0025】
本発明の方法は空気管路内の空気流量を求める際に広汎に使用できるが、特に内燃機関の吸気管の空気流量を求めるために用いると有利である。内燃機関での脈動は基本的には全ての回転数で発生しうるものの、排気ガスの逆流が生じるのは所定の駆動状態においてのみである。したがって有利には、空気管路として内燃機関の吸気管を使用する場合、内燃機関の少なくとも1つの駆動パラメータが検出され、検出された駆動パラメータが設定範囲内にあるときにのみ、つまり設定された最小強さの脈動が予測される範囲内にあるときにのみ振動解析が行われる。ここでの設定範囲は特に内燃機関および吸気管の構造または空気振動の共振周波数や負荷状態に依存している。駆動パラメータは例えば内燃機関の回転数や、負荷状態に関連するスロットルバルブ角度などである。これらのパラメータを用いることにより逆流検出にかかるコストが大幅に低減され、内燃機関の制御装置で振動解析が行われれば、そこに存在するプロセッサが大きな助けとなる。
【0026】
振動解析を行う際に、エアマスフローセンサの信号は(それまでにディジタル化されていなければ)例えばアナログディジタル変換器を用いて振動解析の目的に充分な高さのサンプリング周波数でディジタル化される。振動解析はこのディジタル化された信号値に基づいて行われ、その際に特性マップに相応して空気流量値へ変換される信号値を補正することにより、空気流量値の補正が行われることもある。エアマスフローセンサの特性マップはたいていが非線形であり、基本振動および倍振動に当たるピークが拡散しているため、振動解析が困難となるのもしばしばである。したがって有利には、複数の信号からエアマスフローセンサの特性曲線を用いて空気流量の変数値が求められ、信号の時間シーケンスに相応する空気流量の変数の時間シーケンスに基づいて振動解析が行われる。逆流が存在しなければ、空気流量の変数値は空気流量値に相応する。そうでない場合には空気流量の変数値は空気流量値に対して空気流量のレベルで補正される。これはエアマスフローセンサの特性マップの非線形性を考慮せずにすむのできわめて簡単である。
【0027】
基本振動および倍振動のパラメータは、例えばラプラス変換またはウェーブレット解析により求められる。処理を簡単化し、また実行速度を速めるために、有利には、振動解析はフーリエ解析により行われる。特に有利には高速フーリエ変換が使用される。
【0028】
基本振動および倍振動のパラメータは種々の形式で定義することができる。有利には、基本振動および倍振動の強さは、直接に振動解析で得られた当該の振動の振幅のかたちで使用される。
【0029】
振動解析の際に位相情報および/または振幅情報が使用される場合、特に正確な補正を行うことができる。1次高調波と2次高調波とのあいだの位相を評価することにより、特に計算が簡単化される。
【0030】
振動解析での基本振動および倍振動におけるピークが幅広の鍵盤状になっている場合、相応のピーク周波数およびその振幅はしばしば求めるのが困難となる。これは有利には、基本振動および設定される倍振動の強さを用いて、電力スペクトルに則して求められる。特に振動の下方に当たるピークレベルは強度の尺度として使用され、これによりきわめて正確に相応の振動の強度が得られる。この手法は特に非ハーモニックの振動が生じている場合に有利である。
【0031】
基本振動の周波数は基本的に振動解析に基づいて求められるが、これには煩雑なサーチが必要となることがある。脈動に相応する基本振動後の内燃機関でのサーチを加速するために、有利には、空気管路として内燃機関の吸気管が使用され、内燃機関の回転数が検出され、基本振動を求めるためにこの内燃機関の回転数が評価される。内燃機関では脈動周波数は主として内燃機関の回転数とシリンダ数との積をクランクシャフトの1回転当たりの作業サイクル数によって除算した値によって近似される。近似に求められた脈動周波数を中心とする設定範囲内で実際の脈動周波数がサーチされ、これによりサーチの手間が大幅に低減される。
【0032】
できる限り正確に倍振動のデータを得るために、有利には、倍振動として1次高調波振動が使用される。この振動はより高次の高調波に比べて強く、倍振動の強さや倍振動と基本振動との比を求める際にも雑音から小さな相対誤差しか生じない。また、1次の高調波振動のみが使用される場合には、エアマスフローセンサの信号を検出するサンプリング周波数はより高次の高調波振動を使用する場合よりも小さく選定することができる。
【0033】
確実に逆流を検出し、また空気流量値を補正するために、有利には、少なくとも1つの別の倍振動のパラメータが求められ、付加的にこの第2の倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比および/または第1の倍振動のパラメータと第2の倍振動のパラメータとの比が求められ、逆流の検出および/または補正に使用される。第2の倍振動を使用すると、変調度ひいては逆流の大きさを特に良好に推定することができる。
【0034】
本発明の方法は、相応にプログラミングされたプロセッサを有する内燃機関制御用の制御装置で実行される。また相応のユニットを直接にエアマスフローセンサ内に集積し、ケーブルコストを節約することもできる。
【0035】
本発明の課題はさらに、空気管路内の空気流量のパラメータに相応する信号を形成するエアマスフローセンサを備えたエアマスフローセンサユニットにおいて、エアマスフローセンサに接続された評価装置によりエアマスフローセンサの信号が特性曲線に相応に出力変数の値へ変換され、その際に本発明の空気流量を求める方法が用いられることにより解決される。エアマスフローセンサの特性曲線はセンサ信号と相応の空気流量値との関係を定めるものである。
【0036】
特に評価装置はメモリとこのメモリに接続されたディジタル信号プロセッサとを有しており、このディジタル信号プロセッサには本発明の方法がプログラミングされている。
【0037】
本発明のエアマスフローセンサユニットはエアマスフローセンサ内または内燃機関の制御装置内に実現され、これにより本発明の方法が実現される。本発明のエアマスフローセンサユニットはモジュールとして製造され、種々の制御装置に適用することができる。
【0038】
【実施例】
本発明を以下に図示の実施例に則して詳細に説明する。
【0039】
図1では内燃機関1に吸気管2が接続されており、この吸気管2を介して内燃機関1に燃焼のための吸入空気が供給される。制御装置3も制御のために内燃機関1に接続されている。吸気管2内またはこれに接する個所にホットワイヤ式エアマスフローセンサ4が配置されており、このセンサは制御装置3に接続されている。
【0040】
内燃機関1は周知のように4サイクルエンジンとして構成されており、図1では詳細には示されていないが、空気供給装置、燃料圧送システム、および排気ガス処理装置を有している。また図1には特には示されていない燃料供給の時点および供給量などの駆動パラメータを調整するアクチュエータや、駆動パラメータの値を検出するセンサ、例えば回転数センサ5なども設けられている。
【0041】
回転数センサ5はディファレンシャルフィールドプレートセンサと内燃機関1のクランクシャフトに接続された歯車とを有しており、周知のように内燃機関1の回転数を検出する。これにより相応の回転数信号が制御装置3へ送出される。
【0042】
図1では概略的にしか示されていないが、周知のホットワイヤ式エアマスフローセンサ4は第1のブリッジ分岐、第2のブリッジ分岐を備えたブリッジ回路、および差動増幅器を備えた閉ループ制御回路6を有している。
【0043】
第1のブリッジ分岐は温度依存性の第1の抵抗RTと第2の抵抗R1とから成る直列回路を有している。第2のブリッジ分岐は温度依存性の第3の抵抗RHと第4の抵抗R2とから成る直列回路を有している。
【0044】
第1の抵抗RTと第3のセンサ加熱抵抗RHとは吸気管2内に配置されており、通常のように空気が流れている場合には、第1の抵抗RTのほうが第3のセンサ加熱抵抗RHよりも上流に配置されている。
【0045】
閉ループ制御回路6の入力側は第1の抵抗RTと第2の抵抗R1とのあいだのタップポイント、および第3のセンサ加熱抵抗RHと第4の抵抗R2とのあいだのタップポイントに接続されている。これによりブリッジ回路に電流が供給される。
【0046】
第1の抵抗RTは温度センサとして吸入空気の温度測定に用いられる。第3のセンサ加熱抵抗RHは空気流量の測定に用いられる。ここでは第3のセンサ加熱抵抗RHがこれよりも低い温度を有する空気流により流量の大きさに相応に冷却され、そのことによって抵抗値が変化する原理を利用している。
【0047】
閉ループ制御回路6は一方では第1の抵抗RTと第2の抵抗R1との差に依存して取り出される電圧を制御し、他方では第3の抵抗RHと第4の抵抗R2との差に依存してブリッジ分岐、特に第3のセンサ加熱抵抗RHを通って流れる電流を制御する。これにより第3のセンサ加熱抵抗RHは、第1の抵抗RTによって測定された吸入空気の温度に対して設定された固定の温度差が生じるように維持される。
【0048】
その際に電流は変更され、空気流に起因して第3のセンサ加熱抵抗RHがブリッジ、ひいては第3の抵抗を通る電流を相応に変化させることにより補償され、閉ループ制御回路6の入力側での電圧差が一定に保持されるようにする。
【0049】
第4の抵抗R2で取り出された電圧はブリッジ回路を通る電流に比例し、ひいては空気流量値に相応する電圧に比例しているが、これは制御装置3に供給されたエアマスフローセンサ4のセンサ出力信号から形成される。エアマスフローセンサユニット4のセンサ出力信号は、吸気管2の直径に依存して定められる図2の特性曲線のように空気流量値に相応する。第3のセンサ加熱抵抗RHは空気流量値の大きさのみに依存しているので、ホットワイヤ式エアマスフローセンサ3によっては空気流の方向は求められない。
【0050】
制御装置3は接続された種々のセンサの信号の検出装置を有しているが、このうち図1にはエアマスフローセンサユニットに接続されているアナログディジタル変換器7のみが示されている。さらにこの制御装置には、内燃機関1のアクチュエータを駆動する出力装置、検出装置および出力装置に接続されたプロセッサ8、およびこのプロセッサに接続されたメモリ装置9が存在する。メモリ9はプロセッサ8上で実行すべき少なくともプログラムを記憶しているほか、プログラム実行に関するデータや特性曲線データも永続的に記憶している。
【0051】
プロセッサ8はとりわけ相応の制御プログラムによりセンサで検出された値(特に検出された吸気管2内の空気流量値)に依存して内燃機関1のアクチュエータを制御する。さらにプロセッサ8は相応のプログラムを実行することにより空気流量値をエアマスフローセンサ4のセンサ出力信号から求める際にも用いられる。プロセッサ8のプログラムは制御プログラムの一部ともなっている。
【0052】
空気流量値を検出するために、エアマスフローセンサ4のアナログ信号はアナログディジタル変換器7において設定されたサンプリング周波数でサンプリングされ、相応のディジタル信号へ変換される。このディジタル信号はプロセッサ8またはメモリ装置9へ供給され、メモリ装置9内に記憶される。脈動振動のうち少なくとも第1の倍振動をエアマスフローセンサ4のセンサ出力信号として検出するために、ここでのサンプリング周波数は最も高く考えられる脈動周波数の低倍よりも大きく選定される。つまり、相応の機関回転数とシリンダ数との積をクランクシャフトの1回転当たりの作業サイクル数で除算して得られる値であって、逆流の発生しうる脈動周波数よりも格段に高く選定される。
【0053】
メモリ装置9には、エアマスフローセンサ4からのディジタル化されたセンサ出力信号のうち、直接に連続する設定されたN個の値のみが検出された時間シーケンスに相応に記憶される。新たに検出されたセンサ出力信号値を記憶する際には古い値から順に消去されるか、上書きが行われる。
【0054】
記憶されたN個の値の時間シーケンスは、振動解析を実行するために、高速フーリエ変換FFTまたは他の解析プロセスにかけられ、その結果もメモリ装置9に記憶される。
【0055】
得られたスペクトルの点は見取りやすくするために滑らかな曲線で結ばれる。これは例えば図3のA〜Dとして、それぞれ同じ脈動周波数およびサンプリング周波数で20%(0.2)、100%(1.0)、150%(1.5)、300%(3.0)の変調度に対して示されている。座標はフーリエ変換の値を設定された正規化値に関連してdBで表している。これはフーリエ変換値の比またはこの比に相応する対数関数の差値のみに基づくので、正規化値の大きさは関係なく、任意に選定できる。
【0056】
スペクトルは脈動周波数での基本周波数に対するピーク10、10’、10’’、10’’’、また特に2倍の脈動周波数の1次高調波に対してピーク11、11’、11’’、11’’’、2次高調波に対して12、12’、12’’、12’’’が発生している。倍振動の振幅と基本振動の振幅との比はここから見て取れるように変調度に依存している。20%の変調度では基本振動の振幅と1次高調波とのあいだの差は約40dBであり(図3のAを参照)、変調度が逆流の発生する100%に達するまでこの差は大きい(図3のBを参照)。変調度が150%となると差は約20dBとなり(図3のCを参照)、300%となると約5dbになる(図3のDを参照)。
【0057】
1次高調波の振動と2次高調波の振動とのあいだには100%の変調度で約10dBの差があるが、150%の変調度ではこれらはほぼ等しくなる。
【0058】
得られるスペクトルにはピーク位置を求めるために、まず基本振動の後に予測される脈動周波数の領域で、すなわち回転数センサ5で検出された機関回転数とシリンダ数との積をクランクシャフトの1回転当たりの作業サイクル数で除算した値により与えられる領域で、スペクトル中の相応の最大値を求めるサーチが行われる。
【0059】
このような最大値が見出されると、フーリエ変換値が求められ、相応の脈動周波数とともに記憶される。
【0060】
その後2倍の脈動周波数および3倍の脈動周波数でのフーリエ変換の値も求められる。
【0061】
1次の高調波の振幅と基本振動の振幅との比が−20dB(つまり0.01)の閾値を超えると、逆流の発生が結論される。
【0062】
逆流が検出されると、エアマスフローセンサ4のサンプリングされた時間依存性のセンサ出力信号値は補正値を求めるために使用される。その際には、ディジタル化されたセンサ出力信号を空気流量値に相応するものとして利用されるが、これは脈動振動の所定期間中に部分的に正(つまり内燃機関1のほうへの流れ)となったり部分的に負となったり(つまり反対方向への流れ)となったりする。この場合、小さな値の最大値は実際の空気流の最小値に相応する。
【0063】
その後、変調度値に応じて補正されたセンサ出力信号または補正されていないセンサ出力信号から、制御装置3のメモリ装置9に記憶されているエアマスフローセンサ4の特性曲線に則して空気流量値が求められる。この値は場合により一時的に記憶され、内燃機関1の制御のために使用される。
【0064】
第2の実施例では、振動解析を実行する前にディジタル化されたセンサ出力信号を空気流量値へ変換し、これを振動解析の基礎とする。
【0065】
その際にディジタル化されたセンサ出力信号値は、記憶の前に、メモリ装置9に記憶されているエアマスフローセンサ4の特性曲線を用いて、まず補正なしで空気流量値に相応する空気流の変数値へ変換される。この値は第1の実施例におけるディジタル化されたセンサ出力信号値と同様に記憶される。
【0066】
これに応じて振動解析は、第1の実施例における時間シーケンスに相応に得られた空気量の変数値の時間シーケンスに基づいて行われる。
【0067】
得られたスペクトルは、前述の場合と同様に、各脈動振動に対して相応する基本振動および倍振動を示している。非線形の特性曲線を用いて非線形性を除去することから、相応のピークの振幅間にいっそう明瞭な差が生じている。1次高調波の振幅と基本振動の振幅との比に対する閾値は、ここでは相応の別の値に設定しなければならない。
【0068】
逆流が発生していない場合には、空気流量の変数値は空気流量の実際の大きさに相応するので、これを使用する。そうでない場合には空気流量の変数値に対して必要な補正を行い、第1の実施例に相応するかたちの空気流量値のレベルで実際の空気流量値を形成する。これは本発明によりきわめて簡単かつ正確に行うことができる。
【0069】
その場合、求められた空気流量値は、場合により一時的に記憶され、その後、機関制御のために転送される。
【0070】
第3の実施例では、アナログディジタル変換器7、プロセッサ8およびメモリ装置9に相応するコンポーネントが第1、第2の実施例のエアマスフローセンサ4に相応するセンサとともに1つのエアマスフローセンサユニットとしてまとめられている。このセンサユニットのプロセッサによって求められた空気流量値が制御装置へ出力される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホットワイヤ式エアマスフローセンサの設けられた吸気管と制御装置とを備えた内燃機関の概略図である。
【図2】図1のエアマスフローセンサの特性曲線である。
【図3】種々の変調度を表すパルスの周波数スペクトルのシミュレーションダイアグラムである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気管
3 制御装置
4 ホットワイヤ式エアマスフローセンサ
5 回転数センサ
6 閉ループ制御回路
7 アナログディジタル変換器
8 プロセッサ
9 メモリ装置
Claims (14)
- エアマスフローセンサを使用して空気流のその時点での大きさに相応する信号を検出し、そこから空気流量の特性曲線を用いて空気流量値を求める
空気管路(2)内の空気流量を求める方法において、
先行して検出された複数の信号を含めて配列された信号の時間シーケンスを振動解析にかけ、
基本振動と該基本振動に対して設定される少なくとも1つの倍振動とを求め、
基本振動のパラメータと設定される倍振動のパラメータとを相互に比較し、
倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比が設定された閾値を上回る場合に、脈動のために平均空気流に逆らう逆流が生じているものと結論する
ことを特徴とする空気管路内の空気流量を求める方法。 - パラメータとして振幅および/または位相を用いる、請求項1記載の方法。
- 逆流の発生が検出された場合に、その時点の信号に相応する空気流量値を空気管路(2)内の逆流の発生に関連して補正する、請求項1または2記載の方法。
- 倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比から脈動の変調度の値を求めて補正に使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 振動解析をセンサ信号値の連続的な検出の時間間隔よりも大きく設定された時間間隔で行う、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 空気流量値の補正を最後の振動解析に基づいて行う、請求項5記載の方法。
- 空気管路として内燃機関(1)の吸気管(2)を使用し、内燃機関(1)の少なくとも1つの駆動パラメータを検出し、検出された駆動パラメータが設定範囲内にあるときにのみ、つまり設定された最小強さの脈動が予測される範囲内にあるときにのみ振動解析を行う、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- 複数の信号からエアマスフローセンサ(4)の特性曲線を用いて空気流量の変数の値を求め、信号の時間シーケンスに相応する空気流量の変数の時間シーケンスに基づいて振動解析を行う、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- 振動解析をフーリエ解析を用いて行う、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 基本振動のパラメータと設定される倍振動のパラメータとを電力スペクトルに則して求める、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
- 空気管路として内燃機関(1)の吸気管(2)を使用し、内燃機関(1)の回転数を求め、基本振動を求めるために該内燃機関(1)の回転数を使用する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
- 倍振動として第1の高調波振動を使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 少なくとも1つの第2の倍振動のパラメータを求め、付加的に該第2の倍振動のパラメータと基本振動のパラメータとの比および/または第1の倍振動のパラメータと第2の倍振動のパラメータとの比を求め、逆流の検出および/または補正に使用する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
- 空気管路(2)内の空気流のパラメータに相応する信号を形成するエアマスフローセンサ(4)を備えたエアマスフローセンサユニットにおいて、
エアマスフローセンサ(4)に接続された評価装置(6、7、8)によりエアマスフローセンサ(4)の信号が空気流量値へ変換され、その際に請求項1から13までのいずれか1項記載の空気流量を求める方法が行われる
ことを特徴とするエアマスフローセンサユニット。
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