JP2004060473A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】体格を大きくすることなく、より効果的に脈動音を低減できる圧縮機を提供すること。
【解決手段】コンプレッサ1を構成するフロントハウジング2には、容量制御室3と、シリンダ室6とを内蔵し、リヤハウジング10には、低圧の冷媒ガスを吸入する吸入室11、高圧の冷媒ガスを受け入れる吐出室12、吐出室12に冷媒通路で接続する制御弁室15とを内蔵している。制御弁室15には通路開閉部を備えて、冷媒通路に接続する弁内通路から通路に連通可能に構成し、通路から容量制御室3に圧力伝達通路9で接続している。一方、吐出室12には出口部に絞り部12aを形成し、絞り部12aと隣接してマフラー室13を設けている。マフラー室13に冷媒通路の一端を接続することによって、制御弁室15の上流側で脈動を鎮圧する鎮圧機構を構成している。
【選択図】図1
【解決手段】コンプレッサ1を構成するフロントハウジング2には、容量制御室3と、シリンダ室6とを内蔵し、リヤハウジング10には、低圧の冷媒ガスを吸入する吸入室11、高圧の冷媒ガスを受け入れる吐出室12、吐出室12に冷媒通路で接続する制御弁室15とを内蔵している。制御弁室15には通路開閉部を備えて、冷媒通路に接続する弁内通路から通路に連通可能に構成し、通路から容量制御室3に圧力伝達通路9で接続している。一方、吐出室12には出口部に絞り部12aを形成し、絞り部12aと隣接してマフラー室13を設けている。マフラー室13に冷媒通路の一端を接続することによって、制御弁室15の上流側で脈動を鎮圧する鎮圧機構を構成している。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸の回転に伴って斜板が回転されると同時にシリンダ内でピストンが往復移動するタイプの圧縮機に関し、さらに詳しくは、制御弁室を有して容量制御室内が可変容量室として構成される圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、容量制御室が可変容量室として構成される圧縮機は、ケース体としてのフロントハウジングとリヤハウジングとを有し、フロントハウジング内には、回転軸とともに回転可能な斜板を配置する容量制御室とピストンが往復移動するシリンダ室とが内蔵され、リヤハウジング内には、外部から冷媒ガスを吸入する吸入室と圧縮された高圧の冷媒ガスを受け入れる吐出室及び容量制御室の圧力を可変にする制御弁室とが内蔵して構成されている。制御弁室と容量制御室との間には圧力伝達通路が配置されて、制御弁室から供給される吐出圧力が容量制御室内に導入される。
【0003】
容量制御室内に配置される斜板は、回転軸に対して直交する方向に対して角度を有して配置されるとともにピストンと連結されている。従って、斜板が回転すると斜板の両端間で形成される直線距離が、往復移動するピストンのストローク量となってシリンダ内を連続的に摺動する。
【0004】
一方、吸入室に吸入された冷媒は低圧状態にあり、吸入室はシリンダ室に連絡通路を介して連結されていることから、吸入室内の冷媒ガスはピストンの往復移動によりシリンダ室内に流入される。シリンダ室内に流入された冷媒ガスは、ピストンの往復移動により圧縮されて高圧となって吐出室に流入され、外部に高圧の冷媒ガスとして流出される。
【0005】
制御弁室は、吐出室と連絡通路で連結されていて、吐出室から流出された冷媒ガスが制御弁室・圧力伝達通路を通って容量制御室内に導入可能に構成されている。制御弁室では、弁の開閉によって容量制御室に高圧ガスを導入したり、導入を停止したりして容量制御室内の容量を制御する。例えば、外部信号により弁が「閉」状態となると、制御弁の通路開閉部が閉鎖して吐出室と容量制御室とが遮断され、容量制御室の圧力は昇圧せず圧縮機は冷媒ガスを最大容量で吐出ポートから外部に流出できるように運転される。
【0006】
又、弁が「開」状態になると、制御弁の通路開閉部が開放して吐出室と容量制御室とが繋がり、冷媒ガスが吐出室から制御弁室の通路開閉部を通って圧力伝達通路から容量制御室に導入される。これによって容量制御室が昇圧して斜板角度が変化し、圧縮機内のピストンのストロークが小さくなって、圧縮機は吐出ポートから流れる冷媒ガスを可変容量して流出するように運転されることとなる。
【0007】
この弁の切替えが行われる際、つまり、冷媒ガスが吐出室から容量制御室内に流れ込んで容量制御室の圧力が急激に上昇すると、吐出脈動が容量制御室内に伝播し、斜板は不規則な動きとなって振動を上昇させるとともに、吐出室・容量制御室・吸入室が繋がっていることから、吸入室に吐出脈動が伝播することとなっていた。
【0008】
このために、従来の圧縮機では、図5(実開平4−125680号参照)に示すように、制御弁室52と容量制御室53との間に設けられた圧力伝達通路54中、あるいは吸入室56と制御弁室52との間、に鎮圧機構(マフラー室)55を構成することによって、脈動音の低減化を図るような圧縮機51が提案されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の上記公報に示されている圧縮機51では、鎮圧機構55を設けることによって脈動を減衰することができるものの、鎮圧機構55を制御弁室52の下流側に配置していることから、脈動の発生する原因となる吐出室58に対して離れた位置となって脈動の減衰効果には限界があった。また、図5に示すように制御弁室52と容量制御室53とを結ぶ圧力伝達通路54でマフラー室55として構成することにおいては、シリンダ室57を構成する壁部のスペースを広くとることとなって、フロントハウジングの架体を大きくすることになってしまい、圧縮機の小型軽量化の傾向で進んでいる現在においては現実的な設計が困難となっていた。又、そのためにマフラー室55を小さくするとマフラー効果の多大な効果を期待できず、脈動音の低減に限界があった。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、冷媒ガスが吐出室から容量制御室に流れる際に発生する脈動音の多大な低減を効果的に達成することができる圧縮機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る圧縮機は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、圧縮機はフロントハウジングとリヤハウジングをケース体として構成し、フロントハウジング内ではシリンダ内を往復移動するピストンとピストンを往復移動する斜板とを備え、リヤハウジング内には、吸入室と吐出室及び制御弁室とを備えている。
【0012】
前記制御弁室は、吐出室から流出された冷媒ガスを制御弁室の弁の開閉によって容量制御室内に導入可能に配置されている。つまり制御弁室の弁を閉鎖することによって容量制御室には、高圧のガスを送ることがないことから、容量制御室の圧力は昇圧されずに吐出室の吐出ポートから流出される冷媒ガスは、ピストンのストローク量を大きくして最大容量で送るように圧縮機を運転することになる。
【0013】
一方、制御弁室の弁を開放することによって冷媒ガスが制御弁室から容量制御室内に導入されると、これによって、容量制御室内が昇圧されて斜板の回転軸に対する傾斜角度を鈍角状にしてピストンのストロークを小さくし、吐出ポートから外部に流出する冷媒ガスを最小容量で送るように圧縮機を運転することとなる。
【0014】
この際、容量制御室内への急激な冷媒ガスの導入により、吐出室・容量制御室・吸入室が繋がって吐出室内から発生する脈動が伝播することとなるが、制御弁室の上流側、つまり、吐出室と、制御弁室の間に脈動音を鎮圧する鎮圧機構を配設していることから、吐出室から流入される冷媒ガスは鎮圧機構を介して制御弁室に導入されることとなり、冷媒ガスが制御弁室から容量制御室内に導入される際、脈動エネルギーが小さくされていることから、冷媒ガスの容量制御室内への導入時には、脈動自体が低減していることとなる。従って、脈動音の防音効果をさらに向上することができる。
【0015】
しかも、鎮圧機構が、制御弁室の上流側、つまり脈動の原因となる吐出室付近に配置することにより脈動の大幅な低減を実現するとともに、鎮圧機構をリヤハウジング内に配設することにより、シリンダ室を構成するフロントハウジングを大きく構成することなく、つまり圧縮機の体格を大型化することなく鎮圧機構を設けることができることから、コンパクトな構成を維持して脈動音の低減化を図ることができる。
【0016】
また、請求項2記載の発明では、前記鎮圧機構が、前記吐出室の出口部において絞り部を介してマフラー室を配置していることから、吐出室から流出される冷媒ガスは、絞り部を通ることによって吐出脈動が減衰され、さらにマフラー室に至ることによってマフラー効果を達成することができて脈動エネルギーを小さくすることができる。従って、脈動発生の原因となる吐出室の近傍で鎮圧機構を設けることができることにより、脈動エネルギーを極めて小さくでき、高圧の冷媒ガスが制御弁室の弁の開放によって容量制御室に導入されても、脈動自体を小さくすることができて脈動音の低減化を図ることができる。
【0017】
さらに請求項3記載の発明では、前記鎮圧機構が、前記吐出室と制御弁室との間の冷媒通路中に配置されていることから、やはり、吐出室の近傍に鎮圧機構を配置することができ、請求項2の発明と同様に、制御弁室内においてマフラー効果を達成することができて、制御弁室の弁の開放によって、冷媒ガスが容量制御室に導入されても、脈動エネルギーを小さくすることができて脈動音の低減化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
実施形態の圧縮機(以下、コンプレッサという。)は、冷凍サイクルを構成するものであり、コンプレッサは冷凍サイクルの中でエバポレータで蒸発されて低圧となっている冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスとするものであり、吸入配管から吸入された低圧の冷媒ガスをシリンダ室に送り込むことによってシリンダ室内で圧縮される。
【0020】
実施形態のコンプレッサ1は、図1に示すように、ケース体としてのフロントハウジング2とリヤハウジング10と、を備えて構成されている。
【0021】
フロントハウジング2内には、フロントハウジングを横架する回転軸5とともに回転可能な斜板4を内蔵する容量制御室3と、斜板4に連結して往復移動するピストン7を内蔵する複数のシリンダ室6とが設けられている。斜板4は、回転軸5に対して角度を有して各ピストン7に連結され、斜板4を回転軸5とともに回転することによって、複数のピストン7は斜板4の先端部から後端部との間で形成されるストローク分を往復移動することになる。
【0022】
この斜板4の角度は、容量制御室3内の圧力変化によって可変可能に構成され、斜板4の角度変化によって、ピストン7のストロークを可変にしてシリンダ室6内に流入して圧縮する冷媒ガスの容量を可変にする。
【0023】
一方、リヤハウジング10には、外部から導入される低圧の冷媒を吸入する吸入室11と、シリンダ室6内で圧縮されて高圧となった冷媒ガスを受け入れる吐出室12と、吐出室12に冷媒通路14で接続された制御弁室15とを内蔵している。
【0024】
第1の形態のコンプレッサ1では、脈動を鎮圧する鎮圧機構を吐出室12の出口部付近に設けている。つまり吐出室12の出口部には絞り部12aを形成して絞り部12aの前後での圧力差を検出して流量制御を行うとともに、絞り部12aに隣接して絞り部12aより大径に形成するマフラー室13を配置し、マフラー室13から冷媒通路14を介して制御弁室15に接続するように構成している。
【0025】
制御弁室15は、フロントハウジング2の容量制御室3と圧力伝達通路9で接続され、高圧となった冷媒ガスを容量制御室3内に導入することによって、容量制御室3内の圧力を可変としている。
【0026】
リヤハウジング10に内蔵された制御弁室15は、図2に示すように、電磁コイル構造を構成し、外部信号により制御弁電流の制御を行ってコンプレッサ1の吐出容量をON、OFFもしくは連続的に可変容量制御を行うものである。
【0027】
制御弁室15内には、制御弁16が配置されている。制御弁16は、図2中、上下方向に移動可能に配置されたプランジャ17と、プランジャ17の上方でプランジャ17を支持するリテーナ18と、プランジャ17及びリテーナ18の周りを覆う電磁コイル19と、プランジャ17の下部に形成される段差面17aに当接可能な弁座20とを備えて構成されている。プランジャ17の下部は、小径部17bを有して段つき状に形成され、段差面17aが形成される。
【0028】
弁座20は制御弁室15の壁部に支持され、プランジャ17の段差面17aと弁座20の上面との間には通路開閉部21が形成され、小径部17bと弁座20との間の空間部が通路22として形成される。さらに、弁座20の上方でプランジャ17の周りには、弁内通路23が形成され、弁内通路23の一部には吐出室12から接続される冷媒通路14の一端が連接される。
【0029】
また、通路22の一部には、容量制御室3に連通する圧力伝達通路9が、フロントハウジング2のシリンダ室6を構成する壁部6a・リヤハウジング10の壁部10aを通って接続されている。
【0030】
従って、シリンダ室4で圧縮された冷媒ガスは、吐出室12に流入されると、吐出室12の絞り部12aを通ってマフラー室13に達し、さらにマフラー室13から冷媒通路14を通って制御弁室15の弁内通路23に送られる。そして、弁内通路23に送られた冷媒ガスは、図3に示すように、プランジャ17の上方への移動によりプランジャ17の段差面17aと弁座20とで形成される通路開閉部21を開放することによって、弁内通路23から通路開閉部21を通って、圧力伝達通路9から容量制御室3に導入されることとなる。
【0031】
次に、上記のように構成されたコンプレッサ1の作用について図1〜3に基づいて説明する。
【0032】
図示しないエバポレータで蒸発されて低圧となった冷媒は吸入配管を通ってコンプレッサ1の吸入室11に流入される。一方、コンプレッサ1内では、図示しない駆動装置によって回転軸5が回転駆動されると、回転軸5とともに回転可能な斜板4が回転しシリンダ室6内で各ピストン7の往復移動を開始する。各ピストン7が往復移動するに伴って、吸入室12に流入した冷媒ガスは、シリンダ室3内に吸収されるとシリンダ室3内で圧縮されて高圧となって、吐出室12に流出される。吐出室12では、制御弁室15で通路開閉弁21が開放されていない状態では、冷媒ガスは吐出室12内の図示しない吐出ポートから100%外部に送り出されて、冷凍サイクル内の凝縮機側に供給されることとなる。この作用は、図2及び図3(a)に示すように、外部信号により制御弁16の電磁コイル19に通電してコンプレッサ1を「ON」することによって、プランジャ17を吸引させてプランジャ17の段差面17aを弁座20に当接させる。これによって、吐出室12から弁内通路23に流れる冷媒ガスは弁内通路23で行き止まりとなり、吐出室12内の冷媒ガスが吐出ポートから外部に送り出される。
【0033】
一方、制御弁室15で通路開閉弁21が開放されると吐出室12内の冷媒ガスは、制御弁室15の弁内通路23から通路22に流れることとなる。この作用について詳細に説明すると、外部信号により制御弁16の電磁コイル19への通電を電流制御してコンプレッサ1をOFF又は可変容量にすることによって、プランジャ17はコイルばね24の付勢力によりリテーナ18とともに上方に移動して、プランジャ17の段差面17aを弁座20から離隔させる。これによって、通路開閉部21が開放されて弁内通路23と通路22とが連通することととなり、吐出室12内の冷媒ガスは、吐出室12の絞り部12aからマフラー室13を通り、冷媒通路14から弁内通路23を通って通路開閉部21から通路22側に流れることとなり、従って、斜板4の角度が変化し、ピストン7のストロークが小さくなって吐出ポート12から外部に排出される冷媒量が少なくなる。
【0034】
通路22に流入された冷媒ガスは、通路22から圧力伝達通路9を通って容量制御室3内に導入される。高圧の冷媒ガスが容量制御室3内に導入することによって、容量制御室3は圧力が上昇して斜板4の角度を回転軸5に対して直交する方向に傾ける。つまり、斜板4の先端部と後端部との直線距離を小さくする方向に傾けることによって、ピストン7のストローク量を小さくする。ピストン7のストローク量が小さくなることによって、吐出室12から外部に流出される冷媒ガスの容量を少なくし、これによって冷し過ぎの防止や、車室内の温度を設定温度に保持する。
【0035】
弁内通路23から通路22を通って容量制御室3内に冷媒ガスが導入すると、容量制御室3の圧力が上昇し、昇圧した制御圧力が図示しない通路を経由して低圧の吸入室11に流入される。これによって吐出室12と容量制御室3及び吸入室11が繋がり、吐出室12から発生した吐出脈動が吸入室12及び容量制御室3に伝播される。しかし、この脈動は、吐出室12から絞り部12aを通ることによって脈動が低減され、さらに、マフラー室13に伝播する間にマフラー効果を得て低減されることとなる。
【0036】
上述のように、実施形態のコンプレッサ1は、制御弁室15の上流側、つまり、吐出室12の出口における絞り部12aと絞り部12aに隣接するマフラー室13とを配置することによって、吐出室12から発生する脈動を鎮圧する鎮圧機構を構成することになり、吐出室12から流出する冷媒ガスは鎮圧機構(絞り部12a及びマフラー室13)を介して制御弁室15に導入されることとなり、吐出室12から発生する脈動エネルギーを小さくすることができる。この際、制御弁16の電磁コイル19を通電制御することによって通路開閉部21から容量制御室3内に冷媒ガスを急激に導入する際に脈動エネルギー自体を低減できるとともに、鎮圧機構が、リヤハウジング10内、特に吐出室12の出口部に配設されることにより、シリンダ室6を構成するフロントハウジング2を大きく構成することなく、つまりコンプレッサ1自体の体格を大きくすることなく鎮圧機構を設けることができることから、コンパクトな構成を維持して脈動音の低減化を図ることができる。
【0037】
第2の形態によるコンプレッサ1Aは、鎮圧機構を第1の形態における冷媒通路14の途中に配置している。つまり、図4に示すように、吸入室31、吐出室32を備えるリヤハウジング30において、吐出室32と制御弁室35の弁内通路43とを接続するように冷媒通路33が形成されている。冷媒通路33の途中には、冷媒通路33より大径のマフラー室34が鎮圧機構として形成されている。
【0038】
制御弁室35及び制御弁36の構成は第1の形態と同様であることから、簡単に説明する。
【0039】
制御弁36は、制御弁室35内に配置され、プランジャ37と、リテーナ38と電磁コイル39と、弁座40とを備えて構成されている。プランジャ37の下部に段差面37a、小径部37bを有して段つき状に形成されている。
【0040】
弁座40の上面とプランジャ37の段差面37aとの間には通路開閉部41が形成され、小径部37bと弁座40との間の空間部が通路42として形成される。さらに、弁座40の上方でプランジャ37の周りには、弁内通路43が形成され、弁内通路43の一部には吐出室32から接続される冷媒通路34の一端が連接される。
【0041】
また、通路42の一部には、容量制御室に連通する圧力伝達通路9が、リヤハウジング30の壁部30aを通って接続されている。
【0042】
従って、圧縮された冷媒ガスが、吐出室32に流入されると、冷媒通路33を通り、マフラー室34で吐出室32から発生する脈動を減衰させた状態で制御弁室35の弁内通路43に送られる。そして、弁内通路43に送られた冷媒ガスは、プランジャ37の上方への移動により通路開閉部41を開放することによって、弁内通路43から通路42を通って、容量制御室に導入されることとなる。
【0043】
従って、制御弁室35から冷媒ガスが容量制御室内に急激に流入されても、吐出室32付近のマフラー室34で冷媒ガスが通過する際に、脈動エネルギーが小さくなっていることから、容量制御室あるいは吸入室に伝播する脈動は小さく、脈動音を低減することができる。
【0044】
なお、第2の形態のコンプレッサにおいて、マフラー室34を制御弁室35にさらに近づけて配置してもよく、又、制御弁室35内において、弁内通路42を図4よりもさらに大径にして、マフラー室として形成してもよい。
【0045】
いずれにおいても制御弁室35の上流側に、脈動を鎮圧する鎮圧機構を設けることによって、脈動の発生の原因となる吐出室付近に配置できることとなって、元からの原因を断つことから、より効果的に脈動エネルギーを小さくできる。
【0046】
しかも、複数配置されたシリンダ室の壁部に鎮圧機構を設けることがないことから、コンプレッサの体格を大きくすることなく脈動音の低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態によるコンプレッサの全体を示す正面断面図である。
【図2】図1のコンプレッサにおける第1の形態によるリヤハウジング内を示す断面図である。
【図3】図2における要部簡略説明図である。
【図4】第1のコンプレッサにおける第2の形態によるリヤハウジング内を示す断面図である。
【図5】従来のコンプレッサを示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサ(圧縮機)
2 フロントハウジング
3 容量制御室
4 斜板
6 シリンダ室
7 ピストン
9 圧力伝達通路
10 リヤハウジング
11 吸入室
12 吐出室
12a 絞り部
13マフラー室
14 冷媒通路
15 制御弁室
16 制御弁
17 プランジャ
17a 段差面
20 弁座
21 通路開閉部
22 通路
23 弁内通路
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸の回転に伴って斜板が回転されると同時にシリンダ内でピストンが往復移動するタイプの圧縮機に関し、さらに詳しくは、制御弁室を有して容量制御室内が可変容量室として構成される圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、容量制御室が可変容量室として構成される圧縮機は、ケース体としてのフロントハウジングとリヤハウジングとを有し、フロントハウジング内には、回転軸とともに回転可能な斜板を配置する容量制御室とピストンが往復移動するシリンダ室とが内蔵され、リヤハウジング内には、外部から冷媒ガスを吸入する吸入室と圧縮された高圧の冷媒ガスを受け入れる吐出室及び容量制御室の圧力を可変にする制御弁室とが内蔵して構成されている。制御弁室と容量制御室との間には圧力伝達通路が配置されて、制御弁室から供給される吐出圧力が容量制御室内に導入される。
【0003】
容量制御室内に配置される斜板は、回転軸に対して直交する方向に対して角度を有して配置されるとともにピストンと連結されている。従って、斜板が回転すると斜板の両端間で形成される直線距離が、往復移動するピストンのストローク量となってシリンダ内を連続的に摺動する。
【0004】
一方、吸入室に吸入された冷媒は低圧状態にあり、吸入室はシリンダ室に連絡通路を介して連結されていることから、吸入室内の冷媒ガスはピストンの往復移動によりシリンダ室内に流入される。シリンダ室内に流入された冷媒ガスは、ピストンの往復移動により圧縮されて高圧となって吐出室に流入され、外部に高圧の冷媒ガスとして流出される。
【0005】
制御弁室は、吐出室と連絡通路で連結されていて、吐出室から流出された冷媒ガスが制御弁室・圧力伝達通路を通って容量制御室内に導入可能に構成されている。制御弁室では、弁の開閉によって容量制御室に高圧ガスを導入したり、導入を停止したりして容量制御室内の容量を制御する。例えば、外部信号により弁が「閉」状態となると、制御弁の通路開閉部が閉鎖して吐出室と容量制御室とが遮断され、容量制御室の圧力は昇圧せず圧縮機は冷媒ガスを最大容量で吐出ポートから外部に流出できるように運転される。
【0006】
又、弁が「開」状態になると、制御弁の通路開閉部が開放して吐出室と容量制御室とが繋がり、冷媒ガスが吐出室から制御弁室の通路開閉部を通って圧力伝達通路から容量制御室に導入される。これによって容量制御室が昇圧して斜板角度が変化し、圧縮機内のピストンのストロークが小さくなって、圧縮機は吐出ポートから流れる冷媒ガスを可変容量して流出するように運転されることとなる。
【0007】
この弁の切替えが行われる際、つまり、冷媒ガスが吐出室から容量制御室内に流れ込んで容量制御室の圧力が急激に上昇すると、吐出脈動が容量制御室内に伝播し、斜板は不規則な動きとなって振動を上昇させるとともに、吐出室・容量制御室・吸入室が繋がっていることから、吸入室に吐出脈動が伝播することとなっていた。
【0008】
このために、従来の圧縮機では、図5(実開平4−125680号参照)に示すように、制御弁室52と容量制御室53との間に設けられた圧力伝達通路54中、あるいは吸入室56と制御弁室52との間、に鎮圧機構(マフラー室)55を構成することによって、脈動音の低減化を図るような圧縮機51が提案されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の上記公報に示されている圧縮機51では、鎮圧機構55を設けることによって脈動を減衰することができるものの、鎮圧機構55を制御弁室52の下流側に配置していることから、脈動の発生する原因となる吐出室58に対して離れた位置となって脈動の減衰効果には限界があった。また、図5に示すように制御弁室52と容量制御室53とを結ぶ圧力伝達通路54でマフラー室55として構成することにおいては、シリンダ室57を構成する壁部のスペースを広くとることとなって、フロントハウジングの架体を大きくすることになってしまい、圧縮機の小型軽量化の傾向で進んでいる現在においては現実的な設計が困難となっていた。又、そのためにマフラー室55を小さくするとマフラー効果の多大な効果を期待できず、脈動音の低減に限界があった。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、冷媒ガスが吐出室から容量制御室に流れる際に発生する脈動音の多大な低減を効果的に達成することができる圧縮機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る圧縮機は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、圧縮機はフロントハウジングとリヤハウジングをケース体として構成し、フロントハウジング内ではシリンダ内を往復移動するピストンとピストンを往復移動する斜板とを備え、リヤハウジング内には、吸入室と吐出室及び制御弁室とを備えている。
【0012】
前記制御弁室は、吐出室から流出された冷媒ガスを制御弁室の弁の開閉によって容量制御室内に導入可能に配置されている。つまり制御弁室の弁を閉鎖することによって容量制御室には、高圧のガスを送ることがないことから、容量制御室の圧力は昇圧されずに吐出室の吐出ポートから流出される冷媒ガスは、ピストンのストローク量を大きくして最大容量で送るように圧縮機を運転することになる。
【0013】
一方、制御弁室の弁を開放することによって冷媒ガスが制御弁室から容量制御室内に導入されると、これによって、容量制御室内が昇圧されて斜板の回転軸に対する傾斜角度を鈍角状にしてピストンのストロークを小さくし、吐出ポートから外部に流出する冷媒ガスを最小容量で送るように圧縮機を運転することとなる。
【0014】
この際、容量制御室内への急激な冷媒ガスの導入により、吐出室・容量制御室・吸入室が繋がって吐出室内から発生する脈動が伝播することとなるが、制御弁室の上流側、つまり、吐出室と、制御弁室の間に脈動音を鎮圧する鎮圧機構を配設していることから、吐出室から流入される冷媒ガスは鎮圧機構を介して制御弁室に導入されることとなり、冷媒ガスが制御弁室から容量制御室内に導入される際、脈動エネルギーが小さくされていることから、冷媒ガスの容量制御室内への導入時には、脈動自体が低減していることとなる。従って、脈動音の防音効果をさらに向上することができる。
【0015】
しかも、鎮圧機構が、制御弁室の上流側、つまり脈動の原因となる吐出室付近に配置することにより脈動の大幅な低減を実現するとともに、鎮圧機構をリヤハウジング内に配設することにより、シリンダ室を構成するフロントハウジングを大きく構成することなく、つまり圧縮機の体格を大型化することなく鎮圧機構を設けることができることから、コンパクトな構成を維持して脈動音の低減化を図ることができる。
【0016】
また、請求項2記載の発明では、前記鎮圧機構が、前記吐出室の出口部において絞り部を介してマフラー室を配置していることから、吐出室から流出される冷媒ガスは、絞り部を通ることによって吐出脈動が減衰され、さらにマフラー室に至ることによってマフラー効果を達成することができて脈動エネルギーを小さくすることができる。従って、脈動発生の原因となる吐出室の近傍で鎮圧機構を設けることができることにより、脈動エネルギーを極めて小さくでき、高圧の冷媒ガスが制御弁室の弁の開放によって容量制御室に導入されても、脈動自体を小さくすることができて脈動音の低減化を図ることができる。
【0017】
さらに請求項3記載の発明では、前記鎮圧機構が、前記吐出室と制御弁室との間の冷媒通路中に配置されていることから、やはり、吐出室の近傍に鎮圧機構を配置することができ、請求項2の発明と同様に、制御弁室内においてマフラー効果を達成することができて、制御弁室の弁の開放によって、冷媒ガスが容量制御室に導入されても、脈動エネルギーを小さくすることができて脈動音の低減化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
実施形態の圧縮機(以下、コンプレッサという。)は、冷凍サイクルを構成するものであり、コンプレッサは冷凍サイクルの中でエバポレータで蒸発されて低圧となっている冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスとするものであり、吸入配管から吸入された低圧の冷媒ガスをシリンダ室に送り込むことによってシリンダ室内で圧縮される。
【0020】
実施形態のコンプレッサ1は、図1に示すように、ケース体としてのフロントハウジング2とリヤハウジング10と、を備えて構成されている。
【0021】
フロントハウジング2内には、フロントハウジングを横架する回転軸5とともに回転可能な斜板4を内蔵する容量制御室3と、斜板4に連結して往復移動するピストン7を内蔵する複数のシリンダ室6とが設けられている。斜板4は、回転軸5に対して角度を有して各ピストン7に連結され、斜板4を回転軸5とともに回転することによって、複数のピストン7は斜板4の先端部から後端部との間で形成されるストローク分を往復移動することになる。
【0022】
この斜板4の角度は、容量制御室3内の圧力変化によって可変可能に構成され、斜板4の角度変化によって、ピストン7のストロークを可変にしてシリンダ室6内に流入して圧縮する冷媒ガスの容量を可変にする。
【0023】
一方、リヤハウジング10には、外部から導入される低圧の冷媒を吸入する吸入室11と、シリンダ室6内で圧縮されて高圧となった冷媒ガスを受け入れる吐出室12と、吐出室12に冷媒通路14で接続された制御弁室15とを内蔵している。
【0024】
第1の形態のコンプレッサ1では、脈動を鎮圧する鎮圧機構を吐出室12の出口部付近に設けている。つまり吐出室12の出口部には絞り部12aを形成して絞り部12aの前後での圧力差を検出して流量制御を行うとともに、絞り部12aに隣接して絞り部12aより大径に形成するマフラー室13を配置し、マフラー室13から冷媒通路14を介して制御弁室15に接続するように構成している。
【0025】
制御弁室15は、フロントハウジング2の容量制御室3と圧力伝達通路9で接続され、高圧となった冷媒ガスを容量制御室3内に導入することによって、容量制御室3内の圧力を可変としている。
【0026】
リヤハウジング10に内蔵された制御弁室15は、図2に示すように、電磁コイル構造を構成し、外部信号により制御弁電流の制御を行ってコンプレッサ1の吐出容量をON、OFFもしくは連続的に可変容量制御を行うものである。
【0027】
制御弁室15内には、制御弁16が配置されている。制御弁16は、図2中、上下方向に移動可能に配置されたプランジャ17と、プランジャ17の上方でプランジャ17を支持するリテーナ18と、プランジャ17及びリテーナ18の周りを覆う電磁コイル19と、プランジャ17の下部に形成される段差面17aに当接可能な弁座20とを備えて構成されている。プランジャ17の下部は、小径部17bを有して段つき状に形成され、段差面17aが形成される。
【0028】
弁座20は制御弁室15の壁部に支持され、プランジャ17の段差面17aと弁座20の上面との間には通路開閉部21が形成され、小径部17bと弁座20との間の空間部が通路22として形成される。さらに、弁座20の上方でプランジャ17の周りには、弁内通路23が形成され、弁内通路23の一部には吐出室12から接続される冷媒通路14の一端が連接される。
【0029】
また、通路22の一部には、容量制御室3に連通する圧力伝達通路9が、フロントハウジング2のシリンダ室6を構成する壁部6a・リヤハウジング10の壁部10aを通って接続されている。
【0030】
従って、シリンダ室4で圧縮された冷媒ガスは、吐出室12に流入されると、吐出室12の絞り部12aを通ってマフラー室13に達し、さらにマフラー室13から冷媒通路14を通って制御弁室15の弁内通路23に送られる。そして、弁内通路23に送られた冷媒ガスは、図3に示すように、プランジャ17の上方への移動によりプランジャ17の段差面17aと弁座20とで形成される通路開閉部21を開放することによって、弁内通路23から通路開閉部21を通って、圧力伝達通路9から容量制御室3に導入されることとなる。
【0031】
次に、上記のように構成されたコンプレッサ1の作用について図1〜3に基づいて説明する。
【0032】
図示しないエバポレータで蒸発されて低圧となった冷媒は吸入配管を通ってコンプレッサ1の吸入室11に流入される。一方、コンプレッサ1内では、図示しない駆動装置によって回転軸5が回転駆動されると、回転軸5とともに回転可能な斜板4が回転しシリンダ室6内で各ピストン7の往復移動を開始する。各ピストン7が往復移動するに伴って、吸入室12に流入した冷媒ガスは、シリンダ室3内に吸収されるとシリンダ室3内で圧縮されて高圧となって、吐出室12に流出される。吐出室12では、制御弁室15で通路開閉弁21が開放されていない状態では、冷媒ガスは吐出室12内の図示しない吐出ポートから100%外部に送り出されて、冷凍サイクル内の凝縮機側に供給されることとなる。この作用は、図2及び図3(a)に示すように、外部信号により制御弁16の電磁コイル19に通電してコンプレッサ1を「ON」することによって、プランジャ17を吸引させてプランジャ17の段差面17aを弁座20に当接させる。これによって、吐出室12から弁内通路23に流れる冷媒ガスは弁内通路23で行き止まりとなり、吐出室12内の冷媒ガスが吐出ポートから外部に送り出される。
【0033】
一方、制御弁室15で通路開閉弁21が開放されると吐出室12内の冷媒ガスは、制御弁室15の弁内通路23から通路22に流れることとなる。この作用について詳細に説明すると、外部信号により制御弁16の電磁コイル19への通電を電流制御してコンプレッサ1をOFF又は可変容量にすることによって、プランジャ17はコイルばね24の付勢力によりリテーナ18とともに上方に移動して、プランジャ17の段差面17aを弁座20から離隔させる。これによって、通路開閉部21が開放されて弁内通路23と通路22とが連通することととなり、吐出室12内の冷媒ガスは、吐出室12の絞り部12aからマフラー室13を通り、冷媒通路14から弁内通路23を通って通路開閉部21から通路22側に流れることとなり、従って、斜板4の角度が変化し、ピストン7のストロークが小さくなって吐出ポート12から外部に排出される冷媒量が少なくなる。
【0034】
通路22に流入された冷媒ガスは、通路22から圧力伝達通路9を通って容量制御室3内に導入される。高圧の冷媒ガスが容量制御室3内に導入することによって、容量制御室3は圧力が上昇して斜板4の角度を回転軸5に対して直交する方向に傾ける。つまり、斜板4の先端部と後端部との直線距離を小さくする方向に傾けることによって、ピストン7のストローク量を小さくする。ピストン7のストローク量が小さくなることによって、吐出室12から外部に流出される冷媒ガスの容量を少なくし、これによって冷し過ぎの防止や、車室内の温度を設定温度に保持する。
【0035】
弁内通路23から通路22を通って容量制御室3内に冷媒ガスが導入すると、容量制御室3の圧力が上昇し、昇圧した制御圧力が図示しない通路を経由して低圧の吸入室11に流入される。これによって吐出室12と容量制御室3及び吸入室11が繋がり、吐出室12から発生した吐出脈動が吸入室12及び容量制御室3に伝播される。しかし、この脈動は、吐出室12から絞り部12aを通ることによって脈動が低減され、さらに、マフラー室13に伝播する間にマフラー効果を得て低減されることとなる。
【0036】
上述のように、実施形態のコンプレッサ1は、制御弁室15の上流側、つまり、吐出室12の出口における絞り部12aと絞り部12aに隣接するマフラー室13とを配置することによって、吐出室12から発生する脈動を鎮圧する鎮圧機構を構成することになり、吐出室12から流出する冷媒ガスは鎮圧機構(絞り部12a及びマフラー室13)を介して制御弁室15に導入されることとなり、吐出室12から発生する脈動エネルギーを小さくすることができる。この際、制御弁16の電磁コイル19を通電制御することによって通路開閉部21から容量制御室3内に冷媒ガスを急激に導入する際に脈動エネルギー自体を低減できるとともに、鎮圧機構が、リヤハウジング10内、特に吐出室12の出口部に配設されることにより、シリンダ室6を構成するフロントハウジング2を大きく構成することなく、つまりコンプレッサ1自体の体格を大きくすることなく鎮圧機構を設けることができることから、コンパクトな構成を維持して脈動音の低減化を図ることができる。
【0037】
第2の形態によるコンプレッサ1Aは、鎮圧機構を第1の形態における冷媒通路14の途中に配置している。つまり、図4に示すように、吸入室31、吐出室32を備えるリヤハウジング30において、吐出室32と制御弁室35の弁内通路43とを接続するように冷媒通路33が形成されている。冷媒通路33の途中には、冷媒通路33より大径のマフラー室34が鎮圧機構として形成されている。
【0038】
制御弁室35及び制御弁36の構成は第1の形態と同様であることから、簡単に説明する。
【0039】
制御弁36は、制御弁室35内に配置され、プランジャ37と、リテーナ38と電磁コイル39と、弁座40とを備えて構成されている。プランジャ37の下部に段差面37a、小径部37bを有して段つき状に形成されている。
【0040】
弁座40の上面とプランジャ37の段差面37aとの間には通路開閉部41が形成され、小径部37bと弁座40との間の空間部が通路42として形成される。さらに、弁座40の上方でプランジャ37の周りには、弁内通路43が形成され、弁内通路43の一部には吐出室32から接続される冷媒通路34の一端が連接される。
【0041】
また、通路42の一部には、容量制御室に連通する圧力伝達通路9が、リヤハウジング30の壁部30aを通って接続されている。
【0042】
従って、圧縮された冷媒ガスが、吐出室32に流入されると、冷媒通路33を通り、マフラー室34で吐出室32から発生する脈動を減衰させた状態で制御弁室35の弁内通路43に送られる。そして、弁内通路43に送られた冷媒ガスは、プランジャ37の上方への移動により通路開閉部41を開放することによって、弁内通路43から通路42を通って、容量制御室に導入されることとなる。
【0043】
従って、制御弁室35から冷媒ガスが容量制御室内に急激に流入されても、吐出室32付近のマフラー室34で冷媒ガスが通過する際に、脈動エネルギーが小さくなっていることから、容量制御室あるいは吸入室に伝播する脈動は小さく、脈動音を低減することができる。
【0044】
なお、第2の形態のコンプレッサにおいて、マフラー室34を制御弁室35にさらに近づけて配置してもよく、又、制御弁室35内において、弁内通路42を図4よりもさらに大径にして、マフラー室として形成してもよい。
【0045】
いずれにおいても制御弁室35の上流側に、脈動を鎮圧する鎮圧機構を設けることによって、脈動の発生の原因となる吐出室付近に配置できることとなって、元からの原因を断つことから、より効果的に脈動エネルギーを小さくできる。
【0046】
しかも、複数配置されたシリンダ室の壁部に鎮圧機構を設けることがないことから、コンプレッサの体格を大きくすることなく脈動音の低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態によるコンプレッサの全体を示す正面断面図である。
【図2】図1のコンプレッサにおける第1の形態によるリヤハウジング内を示す断面図である。
【図3】図2における要部簡略説明図である。
【図4】第1のコンプレッサにおける第2の形態によるリヤハウジング内を示す断面図である。
【図5】従来のコンプレッサを示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサ(圧縮機)
2 フロントハウジング
3 容量制御室
4 斜板
6 シリンダ室
7 ピストン
9 圧力伝達通路
10 リヤハウジング
11 吸入室
12 吐出室
12a 絞り部
13マフラー室
14 冷媒通路
15 制御弁室
16 制御弁
17 プランジャ
17a 段差面
20 弁座
21 通路開閉部
22 通路
23 弁内通路
Claims (3)
- 回転軸とともに回転可能な斜板を配置する容量制御室とピストンが往復移動するシリンダ室とを内蔵するフロントハウジングと、外部から冷媒ガスを吸入する吸入室と圧縮された冷媒ガスを受け入れる吐出室及び容量制御室の容量を可変にする制御弁室とを内蔵するリヤハウジングとを備え、前記制御弁室と前記容量制御室とを連絡する圧力伝達通路が配置された圧縮機であって、前記制御弁室は、一方で前記吐出室に冷媒通路で接続されて吐出室から流入された冷媒ガスを前記容量制御室に導入可能に開閉するとともに、前記制御弁室の上流側には脈動音の鎮圧機構が配設されていることを特徴とする圧縮機。
- 前記鎮圧機構が、前記吐出室の出口部に配置される絞り部と、前記絞り部に隣接するマフラー室とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
- 前記鎮圧機構が、前記吐出室と前記制御弁室との間の冷媒通路中に配置されていることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
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2002
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