JP2004059584A - 抗腫瘍活性を有する新規化合物、およびその製造方法 - Google Patents

抗腫瘍活性を有する新規化合物、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗腫瘍活性を有する新規化合物、その製造方法、それを有効成分とする抗腫瘍剤の提供を課題とする。
【解決手段】一般式(I):
【化1】
Figure 2004059584

(式中、Rは、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。)で表される化合物、その製造方法、それを有効成分とする抗腫瘍剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、坑腫瘍活性を有する新規化合物、その製造方法、それを有効成分とする坑腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
外科療法や放射線療法と並んで、癌化学療法が「癌の治療法」において果たす比重は高い。1940年代にナイトロジェンマスタード関連化合物が坑腫瘍剤として臨床使用されたのをはじめとして現在までの約60年の間にさまざまな種類の坑腫瘍剤が開発されている。しかしながら、臨床使用されている坑腫瘍剤には問題点が存在し、このような問題点としては、副作用、獲得耐性細胞の出現などが挙げられる(例えば、非特許文献1および2を参照)。化学物質の生物活性は、その化学構造に依存するところが大きく、坑腫瘍剤として適する、抗腫瘍活性を有する新規な化合物に対しては、不断の希求があるといえる。
【0003】
【非特許文献1】Goldstein, L.J. et al., J. Natl Cancer Inst. 81, 116−124 (1989)
【非特許文献2】Grant, C. E. et al., Cancer Res. 54, 357−361 (1994)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の希求に応えるものであり、抗腫瘍活性を有する新規化合物、その製造方法、それを有効成分とする抗腫瘍剤の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題の解決のために鋭意検討した結果、抗腫瘍活性を有する新規化合物を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の一般式(I):
【0006】
【化8】
Figure 2004059584
【0007】
(式中、Rは、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。)で表される新規化合物を提供するものである。本発明の好ましい一形態は、一般式(I)中、Rが直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基である化合物である。本発明の好ましい一形態は、一般式(I)中、Rが炭素数1から6個の直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基である化合物である。本発明の好ましい一形態は、一般式(I)中、Rがtert−ブチル基である化合物である。本発明の好ましい一形態は、以下の式(II):
【0008】
【化9】
Figure 2004059584
【0009】
で表される新規化合物である。
また、本発明は、
1) テトラヒドロピラン−2−オールを(エトキシカルボニルエチリデン)トリフェニルホスホランと反応させ、
2) 1)の反応産物の遊離の水酸基を保護し、
3) 2)の反応産物のヒドロキシメチル基をホルミル基に変換し、
4) 3)の反応産物を、以下の一般式(A):
【0010】
【化10】
Figure 2004059584
【0011】
(式中、RおよびXは、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。)
で表されるホスホノ酢酸エステルと反応させ、
5) 4)の反応産物を、塩基およびアセトアルデヒドと反応させ、
6) 5)の反応産物を、形式的に脱水し、
7) 6)の反応産物の保護基を脱保護し、
8) 7)の反応産物を酸化し、
9) 8)の反応産物を、以下の一般式(B):
【0012】
【化11】
Figure 2004059584
【0013】
(式中、Xは前記と同義である。)
で表されるホスホノプロピオン酸メチルエステルと反応させ、
10)9)の反応産物を、塩基存在下にアセトニトリルと反応させ、
11)10)の反応産物を、以下の一般式(C):
【0014】
【化12】
Figure 2004059584
【0015】
(式中、Yは、水酸基の保護基を表す。)
で表されるプロパナールと反応させ、
12)11)の反応産物をエポキシ化させ、
13)12)の反応産物の保護基を脱保護し、
14)13)の反応産物のシアノ基を加水分解し、
15)14)の反応産物をラクタム化する、
ことを特徴とする、一般式(I)で表される化合物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、以下の一般式(III):
【0016】
【化13】
Figure 2004059584
【0017】
(式中、RおよびYは前記と同義である。)で表される新規化合物を提供するものである。
また、本発明は、以下の一般式(IV):
【0018】
【化14】
Figure 2004059584
【0019】
(式中、RおよびYは前記と同義である。)で表される化合物に、同化合物を立体選択的にエポキシ化しうる過酸化物を反応させることを特徴とする、一般式(III)で表される化合物の製造方法を提供するものである。
本発明はさらに一般式(I)で表される新規化合物を有効成分とする医薬を提供するものであり、好ましい形態としては、該医薬は抗腫瘍剤である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は、以下の一般式(I):
【0021】
【化15】
Figure 2004059584
【0022】
(式中、Rは、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。)で表される化合物である。
式中、Rは、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表すが、好ましくは、炭素数1から6個の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基、又はフェニル基などのアリール基、より好ましくは直鎖状または分岐鎖状の炭素数が1から6個のアルキル基を用いることができる。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、又はフェニル基などを用いることができ、好ましくはtert−ブチル基を用いることができる。
【0023】
一般式(I)で表される本発明の化合物は複数の不斉炭素を有しており、また置換基の種類によりさらに1個以上の不斉炭素を有する場合がある。これらの不斉炭素に基づく光学異性体またはジアステレオマーなどの立体異性体が存在するが、本発明の範囲には純粋な形態の立体異性体のほか、任意の立体異性体の混合物またはラセミ体などが包含される。また、本発明の化合物はオレフィン性の二重結合を有し、二重結合に基づく幾何異性体が存在するが、純粋な形態の幾何異性体のほか、任意の幾何異性体の混合物も本発明の範囲に包含される。さらに、本発明の化合物は互変異性体として存在する可能性もあるが、任意の互変異性体またはそれらの混合物も本発明の範囲に包含される。本発明の化合物は、その一形態として任意の結晶形として存在することができ、水和物または溶媒和物として存在することもできる。また、本発明の化合物は別の形態として、薬学的に許容される塩として存在することもできる。各形態は使用目的に従って、常法により好ましい形態に変換することができる。これらの物質がいずれも本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。
【0024】
本発明の製造方法は一般式(I)で表される化合物の製造方法である。
本発明化合物の製造方法としては、例えば、以下に示す合成スキーム1で表される経路が好ましいが、この限りではない。合成スキーム1に示される反応経路において使用される酸、塩基、触媒、溶媒、反応温度、反応時間などは通常よく知られる有機合成手法に基づいて、適宜変更することができ、このような変更を含む方法も本発明の製造方法の範囲に属する。さらに、合成スキーム1における化合物6から7への変換過程のHorner−Emmons (ホルナー・エモンス)反応において使用するホスホノアセタートのt−ブチル基部分を目的とする一般式(I)で表される化合物に応じて適当な置換基に置き換えることにより対応する一般式(I)で表される化合物を製造できる。
【0025】
【化16】
Figure 2004059584
【0026】
以下、合成スキーム1における略号の説明をする。
TBSCl: tert−ブチルジメチルシリルクロリド(tert−butyldimethylsilyl chloride)
DIBAL−H: 水素化ジイソブチルアルミニウム(diisobutylaluminium hydride)
DMSO: ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide)
NET: トリエチルアミン(triethylamine)
HMPA: ヘキサメチルホスホラミド(hexamethylphosphoramide)
MsCl: メシルクロリド(mesylchloride)
DABCO: 1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(1,4−diazabicyclo[2.2.2]octane)
n−BuLi: n−ブチルリチウム(n−butyllithium)
TES: トリエチルシリル(triethylsilyl)
TrOOH: トリチルペルオキシド(tritylperoxide)
AcOH: 酢酸
TLC: 薄層クロマトグラフィー(thin−layer chromatography)
【0027】
なお、合成スキーム1における化合物7の製造に用いられるホスホノ酢酸の種々のエステル(化合物(A))は、以下の一般式(A)に表される。
【0028】
【化17】
Figure 2004059584
【0029】
(式中、RおよびXは、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。)
好ましいRは前記のとおりである。また、Xは各々独立に直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基又はアリール基を表し、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、又はフェニル基などであり、このうち、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
【0030】
化合物(A)は、例えば、以下のようにして合成することができる。
2−ブロモプロパン酸の種々のエステル(エステルとしては直鎖状のエステル、分岐状のエステル、又は環状のエステルなど、より具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、又はフェニルエステルなど)に等モル量のトリアルキルホスファイトあるいはトリアリールホスファイト(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はイソブチル基など、また、アリール基としてはフェニル基が挙げられるが、メチル基又はエチル基が望ましい)を加える。さらに場合により溶媒を加え、加熱・撹拌する。溶媒は用いなくてもよいが、用いる場合はクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、THF(テトラヒドロフラン)などのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族性溶媒などが望ましい。加熱温度は50℃から250℃の範囲が望ましく、撹拌時間は10分から10時間が望ましい。精製はそのまま減圧蒸留を行うか、あるいはシリカゲルクロマトグラフィーなどにより精製する。
なお、例えば、2−ブロモプロパン酸の種々のエステルは2−ブロモプロパノイルクロリドあるいは2−ブロモプロパノイルブロミドと対応するアルコールを三級アミン存在下撹拌することにより、得られる。
【0031】
ホスホノ酢酸の種々のエステルのうち、tert−ブチルジエチルホスホノアセタートを、例えば、以下のようにして得ることができる。
t−ブチル−2−ブロモプロパナート(27.3g)にトリエチルホスファイト(24cc)を加え、160℃で20分撹拌する。減圧蒸留を行い、tert−ブチルジエチルホスホノアセタート(32g)(91%)を得る。
なお、合成スキーム1における化合物12の製造に用いられるホスホノプロピオン酸メチルエステル(化合物(B))は、以下の一般式(B)に表される。
【0032】
【化18】
Figure 2004059584
【0033】
(式中、Xは前記と同義である。)
好ましいXは前記のとおりである。
化合物(B)のうち、ジエチルホスホノプロピオン酸メチルエステルは、例えば、以下のようにして合成することができる。
トリエチルホスファイト24.88gとメチル2−ブロモプロピオン酸25.0gを混合し、160℃で12時間加熱還流する。減圧下蒸留(5mmHg, 120℃)することにより、目的物を26.2g(収率:78%)で得る。
なお、合成スキーム1における化合物14の製造に用いられるプロパナール(化合物(C))は、以下の一般式(C)に表される。
【0034】
【化19】
Figure 2004059584
【0035】
(式中、Yは、水酸基の保護基を表す。)
Yは水酸基の保護基を表し、好ましくはTBDPS (tert−ブチルジフェニルシリル)基 、TBDMS(TBSと記載することもある) (tert−ブチルジメチルシリル)基、TES(トリエチルシリル)基 、TIPS(トリイソプルピルシリル)基、DMES (ジメチルエチルシリル)基 、THP(テトラヒドロピラニル)基、EE(エトキシエチル)基 、MOM(メトキシメチル)基、Bn(ベンジル)基などであり、このうち、より好ましくはトリエチルシリル基である。
【0036】
化合物(C)のうち、2−(トリエチルシロキシ)プロパナールは、例えば、以下のようにして合成することができる。
メチル ラクタートとイミダゾールのDMF溶液にトリエチルシリルクロリドを加え、室温で撹拌する。有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することにより、メチル 2−トリエチルシロキシプロパノナートを得る。メチル 2−トリエチルシロキシプロパノナートを水素化イソブチルアルミニウムにより還元し、有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することにより2−トリエチルシロキシ−1−プロパノールを得る。2−トリエチルシロキシ−1−プロパノールを塩基存在下、SO・ピリジンなどの酸化剤で酸化し化合物(C)を得る。
【0037】
以下、合成スキーム1における各工程について説明する。
合成スキーム1における化合物3は、テトラヒドロピラン−2−オールと(エトキシカルボニルエチリデン)トリフェニルホスホランを、例えば0.1から10時間還流して反応させることにより得ることができる。テトラヒドロピラン−2−オールと(エトキシカルボニルエチリデン)トリフェニルホスホランは市販の物(例えば、アルドリッチ社製など)を用いることができる。このようにして得られた化合物3は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0038】
化合物4は、化合物3の遊離の水酸基をTBDPS基、TBDMS(TBS)基、TES基、TIPS基、DMES基、THP基、EE基、MOM基、Bn基などの適当な保護基で保護することにより得ることができる。このようにして得られた化合物4は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0039】
化合物6は、化合物4のヒドロキシメチル基をホルミル基に変換することにより得ることができる。化合物6は、例えば以下のようにして得ることができる。化合物4を水素化イソブチルアルミニウム、水素化リチウムアルミニウム、リチウムボロヒドリドなどの還元剤により還元し、化合物5を得る。化合物5は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。次いで、化合物5を、好ましくはトリエチルアミンなどの塩基存在下に、SO・ピリジンなどの酸化剤あるいはオキザリルクロリドなどを用いたスワン酸化で酸化し、化合物6を得ることができる。このようにして得られた化合物6は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0040】
化合物6に化合物(A)のホスホノ酢酸の種々のエステルを反応させて化合物7を得る。化合物7は例えば次のようにして合成することができる。好ましくは塩基を反応に用いることができ、水素化ナトリウム(水素化ナトリウムに限定されるものではなく、例えば、ブチルリチウム、水素化カリウムなども用いることができる)などの塩基に有機溶媒(望ましくはTHF、ジエチルエーテル、DME(エチレングリコールジメチルエーテル)などであるがこれらに限定されるものではない)を加え、この溶液にホスホノ酢酸の種々のエステル(エステルとしては直鎖状のエステル、分岐状のエステル、又は環状のエステルなど、より具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、又はフェニルエステルなど)を加え、撹拌する。加える温度は−20℃から60℃の範囲が望ましく、反応時間は塩基、溶媒の種類によって変わるが、10分から3時間が望ましい。この溶液に化合物6を有機溶媒に溶かしたものを加え、撹拌する。化合物6を溶かす有機溶媒は、望ましくはTHF、ジエチルエーテル、DMEなどであるがこれらに限定されるものではない。加える温度および撹拌する温度は−20℃から60℃の範囲が望ましい。撹拌時間は用いるホスホノ酢酸により異なるが、通常10分から12時間の範囲である。このようにして得られたエステルは有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応溶液を緩衝液、塩化アンモニウム水溶液などにあけ、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテルなどのエーテル、酢酸エチルなどのエステルなどで抽出し、抽出液を濃縮して得られる濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製する。
【0041】
化合物8は、化合物7をリチウムジイソプロピルアミン、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの塩基存在下にアセトアルデヒドと反応させて得ることができる。このようにして得られた化合物8は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0042】
化合物9は、化合物8を形式的に脱水して得ることができる。なお、本発明において「形式的な脱水」とは、水酸基と水素原子との脱離反応により二重結合を形成させることを意味し、本発明において「形式的な脱水」とは、修飾(例えばエステル化など)された水酸基と水素原子との脱離反応により二重結合を形成させることも含む。化合物9は例えば次のようにして合成することができる。好ましくはトリエチルアミンなどの塩基およびDMAPなどの触媒存在下に、塩化スルホニル、スルホン酸無水物などのスルホニル化剤などを反応させることにより遊離の水酸基をエステル化すると同時に脱離反応が進行しE−, Z−体のオレフィン誘導体が得られる。次いで、DABCO、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)などの塩基を作用させることによりオレフィンの異性化反応が進行し、望みの立体を有する化合物9を得ることができる。このようにして得られた化合物9は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0043】
化合物10は、化合物9のtert−ブチルジメチルシリル基などの水酸基の保護基を脱保護して得ることができる。このようにして得られた化合物10は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0044】
化合物11は、化合物10を、好ましくはトリエチルアミンなどの塩基存在下に、SO・ピリジンなどの酸化剤あるいはオキザリルクロリドなどを用いたスワン酸化で酸化して得ることができる。
【0045】
化合物12は、化合物11に、好ましくはブチルリチウムなどの塩基存在下に、化合物(B)のホスホノプロピオン酸メチルエステルを反応させて得ることができる。このようにして得られた化合物12は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0046】
化合物13は、化合物12をブチルリチウム、メチルリチウムなどの塩基存在下にアセトニトリルと反応させて得ることができる。このようにして得られた化合物13は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0047】
化合物14は、化合物13を、好ましくはエチレンジアンモニウムジアセテート、ピリジニウム−p−トルエンスルホナートなどのアンモニウム塩触媒存在下に、化合物(C)のプロパナールと反応させて得ることができる。このようにして得られた化合物14は酸性条件下不安定であり、フロリジルを用いたカラムクロマトグラムなどにより速やかに精製することができる。
【0048】
化合物15は、化合物14をエポキシ化して得ることができる。化合物15は例えば次のようにして合成することができる。好ましくはブチルリチウムなどの塩基存在下に、トリチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシドなどの過酸化物と反応させて得ることができる。このようにして得られた化合物15は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。なお、本工程において、化合物14を立体選択的にエポキシ化させうる過酸化物を用いることにより、一般式(I)で表される化合物を立体選択的に合成することができる。化合物14を「立体選択的にエポキシ化させうる過酸化物」とは、立体的にかさ高い過酸化物であり、具体的にはトリチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。また、本工程の前工程において化合物(C)の光学活性体を用いることにより一般式(I)で表される化合物の光学活性体を選択的に合成することが可能である。
【0049】
化合物16は、化合物15のトリエチルシリル基など水酸基の保護基を脱保護して得ることができる。このようにして得られた化合物16は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0050】
化合物18は、化合物16のシアノ基を加水分解して得ることができる。化合物18は例えば次のようにして合成することができる。酢酸エチル、ヘキサンなどの有機溶媒を展開液とする薄層クロマトグラフィーにより展開し精製することにより化合物17および18を得ることができる。あるいは、化合物16に酢酸、トシル酸、塩酸などの酸を作用させることによっても化合物17および化合物18を得ることができる。化合物17はアンモニア水などと反応させることにより化合物18へと変換される。このようにして得られた化合物18は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0051】
化合物1は、化合物18をラクタム化して得ることができる。化合物1は例えば次のようにして合成することができる。好ましくはトリエチルアミンなどの塩基存在下に、SO・ピリジン、あるいは、デス−マーチン試薬(Dess−Martin periodinane)、ピリジニウムクロロクロマートなどの酸化剤と反応させて得ることができる。このようにして得られた化合物1は有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離・精製することができる。
【0052】
本発明化合物は、後述する試験例の記載の通り、優れた抗腫瘍活性を示す。本発明の医薬は、該化合物を有効成分とする医薬、好ましくは坑腫瘍剤である。なお、本発明の医薬は、本発明の化合物を有効成分とすること以外は、通常よく知られた薬学的手法に基づいて、製剤化することができ、さらに投与方法および量を決定し、投与することができる。
【0053】
本発明化合物を有効成分とする医薬を、治療あるいは予防を目的としてヒトに投与する場合は、経口投与、または非経口投与することができる。剤型としては、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、溶剤等の経口投与剤、または注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等の非経口剤が挙げられる。また、本化合物はその有効量を、その剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬用添加剤を必要に応じて混合し、任意の処理を行い、医薬製剤とすることができる。例えば、注射剤の場合には、適当な担体とともに滅菌処理を行って製剤とする。本発明の医薬の投与量は疾患の状態、投与ルート、患者の年齢、または体重によっても異なり、最終的には医師の判断に委ねられるが、例えば、成人に経口で投与する場合、通常、0.1−100mg/kg/日、好ましくは、1−20mg/kg/日、非経口で投与する場合、通常、0.01−10mg/kg/日、好ましくは、0.1−2mg/kg/日を投与するのが好ましい。これを1日1回あるいは数回に分割して投与することができる。
【0054】
また、本発明化合物を試薬として使用する場合には、有機溶剤又は含水有機溶剤に溶解して用いることができる。例えば、本発明化合物を含有する本発明の試薬を各種培養細胞系へ直接投与すると癌細胞の成長を抑制することができる。なお、本発明の試薬は、本発明の化合物を含有すること以外は、通常よく知られた生化学的手法に基づいて、調製、使用することができる。使用可能な有機溶剤としては、例えばメタノールやジメチルスルホキシド等を挙げることができる。剤型としては、例えば、粉末などの固形剤、又は有機溶剤若しくは含水有機溶剤に溶解した液体剤などを挙げることができる。通常、上記の化合物を試薬として用いて癌細胞成長抑制作用を発揮させるための効果的な使用量は、培養液中の濃度として、0.1〜100 μg/mlであるが、適切な使用量は培養細胞系の種類や使用目的により異なり、適宜選択可能である。また、必要により上記範囲外の量を用いることができる。
【0055】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
【実施例1】
以下、テトラヒドロピラン−2−オール(化合物2)を出発原料とする本発明の化合物1の合成法を説明する。合成経路は前記合成スキーム1に示したとおりである。
【0057】
以下、合成スキーム1の各工程についてさらに詳細に記載する。
(E)−エチル7−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘプテナート(3) ((E)−Ethyl 7−hydroxy−2−methyl−2−heptenate(3))の合成
(エトキシカルボニルエチリデン)トリフェニルホスホラン(64.40g, 0.178mol)のベンゼン溶液(300ml)に、テトラヒドロピラン−2−オール(2)(14.03g, 0.138mol)を加えて、90℃で1.5時間還流する。その後、室温に戻し、溶媒を減圧留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:5)により分離精製し、エステル3(25.15g, 0.135mol)を収率98%で得る。
【0058】
H NMR(CDCl)δ=1.27 (3H, t, J=7.2 Hz), 1.48−1.61 (4H, m), 1.82 (3H, s),1.99 (1H, bs), 2.20 (2H, q, J=7.3 Hz), 3.64 (2H, t, J=6.3 Hz), 4.17 (2H, q, J=7.2 Hz), 6.74 (1H, dt, J=1.3, 7.3Hz); 13C NMR(CDCl) δ=12.3, 14.2, 24.7, 28.3, 32.2, 60.4, 62.4, 127.9, 141.9, 168.3; IR (neat) 3421, 2935, 1712, 1649, 1271, 1095 cm−1, Anal. Calcd for C10183 : C, 64.49; H,9.74%. found C,64.39 ;H,9.75%.
【0059】
(E)−エチル7−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−2−メチル−2−ヘプテナート(4) ((E)−Ethyl 7−(tert−butyldimethylsiloxy)−2−methyl−2−heptenate(4))の合成エステル3(13.91g, 0.0748mol)の塩化メチレン溶液(300ml)に、DMF(ジメチルホルムアミド)を43ml、イミダゾール(7.6g,0.112mol)を加えて、イミダゾールが完全に溶解するまで撹拌する。その後、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(13.5g, 0.0897mol)を加えて、20分撹拌する。撹拌後、緩衝溶液(100ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で有機層を洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。無水硫酸マグネシウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(展開液酢酸エチル:ヘキサン=1:1)により分離精製し、エステル4(22.16g, 0.0739mol)を収率99%で得る。
【0060】
H NMR(CDCl)δ=0.01 (6H, s), 0.86 (9H, s), 1.26 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.40−1.56 (4H, m), 1.79 (3H, s), 2.15 (2H, q, J=7.1 Hz), 3.58 (2H, t, J=6.0 Hz), 4.15 (2H, q, J=7.1 Hz), 6.72 (1H, dt, J=1.3, 7.5 Hz); 13C NMR(CDCl)δ= −5.3, 12.3, 14.3, 18.3, 24.9, 25.7, 28.4, 32.4, 60.4, 62.8, 127.8,142.1, 168.3; IR (neat) 2952, 2931, 1712, 1651, 1255, 1101, 837, 775 cm−1; Anal. Calcd for C1632Si: C, 63.95; H, 10.73%. found C, 63.72; H,10.48%.
【0061】
(E)−7−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−2−メチルヘプト−2−エン−1−オール(5) ((E)−7−(tert−Butyldimethylsiloxy)−2−methylhept−2−en−1−ol(5))の合成
エステル4(15.84g, 0.0528mol)の塩化メチレン溶液(200ml)に、0.95M水素化ジイソブチルアルミニウム−ヘキサン溶液(139ml, 0.132mol)を0℃で加えて、1時間撹拌する。撹拌後、メタノール(7ml, 0.160mol)、硫酸ナトリウム10水和物(68.0g,0.211mol)を加えて、30分室温で撹拌する。硫酸ナトリウム10水和物をクロロホルム(2l)を用いてろ過し、溶媒を減圧留去することにより、アルコール5(13.60g, 0.0528mol)を収率100%で得る。
【0062】
H NMR(CDCl)δ= 0.02 (6H, s), 0.86 (9H, s), 1.32−1.43 (2H, m), 1.43−1.60 (2H, m), 1.63 (3H, s), 1.76 (1H, d, J=0.8 Hz), 2.01 (2H, q, J=7.3 Hz),3.58 (2H, t, J=6.5 Hz), 3.97 (2H, s), 5.38 (1H, dt J=0.8, 7.0 Hz); 13C NMR(CDCl)δ= −5.3, 13.7, 18.4, 25.7, 26.0, 27.2, 32.3, 63.1, 68.9, 126.3, 134.8; IR (neat) 3307, 2929, 2858, 1649, 1101, 837, 775 cm−1; HRMS(FAB) Calcd for C1431Si:(M+H), 259.2093. Found:m/z 259.2101.
【0063】
(E)−7−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−2−メチルヘプト−2−エナール(6) ((E)−7−(tert−Butyldimethylsiloxy)−2−methylhept−2−enal(6))の合成
アルコール5(13.6g)の塩化メチレン溶液(53ml)に、トリエチルアミン(36.5ml)を加え、0℃に冷却した後、SO・ピリジン(25 g)のジメチルスルホキシド溶液(53ml)を0℃で加えて、1.5時間撹拌する。撹拌後、緩衝溶液(5ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で有機層を洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査をカラムクロマトグラフィーにより分離精製し、アルデヒド6(12.8g)を収率94%で得る。
【0064】
H NMR(CDCl)δ= 0.02 (6H, s), 0.86 (9H, s), 1.51−1.55 (4H, m), 1.70 (3H, s), 2.35 (2H, q, J=6.6 Hz), 3.54−3.65 (2H, m), 6.46 (1H, dt, J=1.3, 7.4 Hz) , 9.36 (1H, s); 13C NMR (CDCl)δ= 5.3, 9.2, 18.3, 24.8, 25.9, 28.7, 32.4, 62.7, 139.5, 154.6, 195.2; IR (neat) 2952, 2929, 1691, 1644, 1255, 1101, 837, 775 cm−1; HRMS(FAB) Calcd for C1429Si : (M+H), 257.1937. Found: m/z 257.1932.
【0065】
(2E,4E)−tert−ブチル9−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−4−メチルノナ−2,4−ジエナート (7) ((2E,4E )−tert−Butyl 9−(tert−butyldimethylsiloxy)−4−methylnona−2,4−dienate (7))の合成
水素化ナトリウム(155.2mg, 3.88mmol)のTHF溶液(5ml)に、tert−ブチルジメチルホスホノアセタート(1.257g, 4.94mmol)のTHF溶液(15ml)を0℃で加え、室温で0.5時間撹拌する。その後、アルデヒド6(503.9mg, 1.97mmol)のTHF溶液(5ml)を0℃で加え、室温で0.5時間撹拌する。撹拌後、緩衝溶液(15ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。無水硫酸マグネシウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査を薄層クロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:10)により分離精製し、エステル7(665.7mg, 1.88mol)を収率96%で得る。
【0066】
H NMR(CDCl)δ= 0.02 (6H, s), 0.86 (9H, s), 1.35−1.58 (4H ,m), 1.47 (9H, s), 1.72 (3H, s), 2.18 (2H, q, J=7.2 Hz), 3.58 (2H, t, J=6.0 Hz), 5.68(1H, d, J=15.6 Hz), 5.85 (1H, t, J=7.2 Hz), 7.19 (1H, d, J=15.6 Hz); 13C NMR(CDCl)δ= 5.3, 12.2, 18.3, 25.4, 25.9, 28.0, 28.2, 32.4, 62.9, 79.9, 117.4, 132.8, 141.4, 148.6, 167.0; IR (neat) 2929, 2858, 1709, 1622, 1255, 1151, 1101, 835, 775 cm−1; HRMS Calcd for C2038Si: M, 354.2590.
Found: m/z 354.2488.
【0067】
(3E,5E)−tert−ブチル−(2R)−9−(tert−ブチルジメチルシロキシ) −2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチルノナ−3,5−ジエナート (8) ((3E,5E)−tert−Butyl−(2R)−9−(tert−butyldimethylsiloxy) −2−[(1S)−1−hydroxyethyl]−4−methylnona−3,5−dienate (8) )の合成
ジイソプロピルアミン(401.4mg, 3.96mmol)のTHF溶液(6.5ml)に、HMPA(1.6ml)を加え、その後1.53Mブチルリチウム−ヘキサン溶液(2.2ml, 3.37mmol)を0℃で加え、10分撹拌する。その後、エステル7(665.7mg, 1.88mmol)のTHF溶液(6ml)を−78℃で加え、1.5時間撹拌する。撹拌後、アセトアルデヒド(2ml, 35.8mmol)を加えて−78℃で加え、3時間撹拌する。撹拌後、緩衝溶液(30ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で有機層を洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査を薄層クロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:30)により分離精製し、アルドールsyn体8a(269.4mg, 0.677mol)、アルドールanti体8b(449.1mg, 1.13mmol)を収率96%で得る。
【0068】
Syn−aldol 8a: 1H NMR(CDCl)δ= 0.02 (6H, s), 0.87 (9H, s), 1.12 (3H, d, J=6.3 Hz), 1.42 (9H, s), 1.55−1.61 (2H, m), 1.77 (3H, s), 2.14 (2H, q, J=7.0 Hz), 2.80 (1H, d, J=3.0 Hz), 3.2 3(1H, dd, J=4.8, 10.0 Hz), 3.59 (2H, t, J=6.3 Hz), 4.02−4.05 (1H, m), 5.47 (1H, d, J=10.0 Hz), 5.65 (1H, dt, J=15.6, 7.0 Hz), 6.1(1H, d, J=15.6 Hz); 13C NMR(CDCl)δ= 5.3, 13.2, 18.3, 19.9, 25.9, 28.0, 29.1, 32.5, 52.5, 62.5, 68.3, 81.4, 122.8, 129.3, 134.4, 138.5, 172.9; IR (neat) 3456, 2954, 2929, 1725, 1706, 1255, 1153, 1103, 835, 775 cm−1; HRMS Calcd for C2242Si: M, 398.2852. Found: m/z 398.2840.
Anti−aldol 8b: 1H NMR(CDCl)δ= 0.02 (6H, s), 0.8 (9H, s), 1.13 (3H, d, J=6.3 Hz), 1.41 (9H, s), 1.53−1.60 (2H, m), 1.78 (3H ,s), 2.13(2H, q, J=7.0 Hz), 2.69 (1H, d, J=5.2 Hz), 3.24 (1H, dd, J=7.8, 10.0 Hz), 3.59 (2H, t, J=6.3 Hz), 3.93−3.98 (1H, m), 5.26 (1H, d, J=10.0 Hz), 5.64 (1H, dt, J=15.6, 7.0 Hz), 6.05 (1H, d, 15.6Hz); 13C NMR(CDCl)δ= 5.3, 13.2, 18.3, 20.7, 25.9, 28.0, 29.1, 32.4, 53.9, 62.5, 69.2, 81.3, 123.9, 129.3, 134.4, 137.4, 172.9; IR (neat) 3446, 2954, 2931, 1730, 1709, 1255, 1155,1101, 835, 775 cm−1; HRMS Calcd for C2242Si: M, 398.2852. Found: m/z398.286062.5, 69.2, 81.3, 123.9, 129.3, 134.4, 137.4, 172.9
IR(neat)3446, 2954, 2931, 1730, 1709, 1255, 1155, 1101, 835, 775 cm−1HRMS Calcd for C2242Si:M,398.2852.Found:m/z398.2860
【0069】
(3E,5E)−tert−ブチル−9−(tert−ブチルジメチルシロキシ) −2−[(E)−エチリデン]−4−メチルノナ−3,5−ジエナート(9) ((3E,5E)−tert−Butyl−9−(tert−butyldimethylsiloxy) −2−[(E )−ethylidene]−4−methylnona−3,5−dienate(9))の合成
アルドール8(4.03g, 10.13mmol)の塩化メチレン溶液(15ml)に、触媒量のDMAP(4−(ジメチルアミノ)ピリジン)、トリエチルアミン(4.6ml, 33.00mmol)を加えて、その後塩化スルホニル(2.30g, 20.20mmol)の塩化メチレン溶液(20ml)を0℃で加えて、室温で1時間撹拌する。撹拌後、緩衝溶液(50ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で有機層を洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。無水硫酸マグネシウムをろ過し、溶媒を減圧留去する。
得られたメシラートのメタノール溶液(50ml)に、DABCO(5.67g, 50.65mmol)を加えて、100℃で120時間還流する。撹拌後、緩衝溶液(50ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で有機層を洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。無水硫酸マグネシウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査を薄層クロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:3)により分離精製し、トリエン9(3.31g, 8.71mol)を収率86%、(E:Z=15:1)で得る。
【0070】
H NMR(CDCl)δ= 0.03 (6H ,s), 0.88 (9H, s), 1.45 (9H, s), 1.56−1.64 (2H, m), 1.60 (3H, d, J=0.7 Hz), 1.67 (3H, dd, J=1.0, 7.0 Hz), 2.16 (2H, q,J=7.0 Hz), 3.61 (2H, t, J=6.4 Hz), 5.68 (1H, dt, J=15.6, 7.0 Hz), 5.89 (1H, s), 6.18 (1H, d, J=15.6Hz), 6.78 (1H, q, J=7.0 Hz); 13C NMR(CDCl
δ= −5.3, 14.6, 15.7, 18.3, 26.0, 28.1, 29.1, 32.5, 62.6, 80.3, 122.7 129.6, 132.4, 134.5, 137.5, 137.9, 166.8; IR (neat) 2929, 2858, 1712, 1635, 1254, 1173, 1101, 837, 775 cm−1; HRMS Calcd for C2240Si :M, 380.2747. Found: m/z 380.2727.
【0071】
(3E,5E)−tert−ブチル [(2E)−エチリデン]−9−ヒドロキシ−4−メチルノナ−3,5−ジエナート(10) ((3E,5E)−tert−Butyl [(2E)−ethylidene]−9−hydroxy−4−methylnona−3,5−dienate(10))の合成
トリエン9(1.30g, 3.41mol)に、1Mテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド−THF溶液(10.0ml, 10.0mmol)を0℃で加えて、室温で3時間撹拌する。撹拌後、飽和塩化アンモニウム溶液(30ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:5)により分離精製し、アルコール10(893.6mg, 3.36mol)を収率99%で得る。
【0072】
H NMR(CDCl)δ= 1.45 (9H, s), 1.60 (3H, s), 1.65−1.71 (6H, m), 2.20 (2H, q, J=7.2 Hz), 3.64 (2H, t, J=6.5 Hz), 5.68 (1H, dt, J=15.5, 7.2Hz), 5.90 (1H, s), 6.20 (1H, d, J=15.6 Hz), 6.77 (1H ,q, J=7.2 Hz); 13C NMR(CDCl)δ= 14.5, 15.7, 28.1, 29.1, 32.3, 62.4, 80.3, 122.9, 129.1, 132.3, 134.7, 137.4, 138.0, 166.7; IR (neat) 3440, 2978, 2933, 1709, 1633, 1367, 1254, 1171, 1134 cm−1; HRMS Calcd for C1626: M,266.1882. Found: m/z 266.1880.
【0073】
(3E,5E)−tert−ブチル [(2E)−エチリデン]−4−メチル−9−ホルミルオクタ−3,5−ジエネート (11) ((3E,5E)−tert−Butyl [(2E)−ethylidene]−4−methyl−9−formylocta−3,5−dienate (11))の合成
アルコール10(379.0mg, 1.42mmol)の塩化メチレン溶液(10ml)に、トリエチルアミン(0.60ml,4.30mmol)を加え、0℃に冷却した後、SO・ピリジン(452.1mg, 2.84mmol)のジメチルスルホキシド溶液(6ml)を0℃で加えて、1.5時間撹拌する。撹拌後、緩衝溶液(20ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で有機層を洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:10)により分離精製し、アルデヒド11(376.5mg, 1.42mol)を収率100%で得る。
【0074】
H NMR(CDCl)δ= 1.45 (9H, s), 1.59 (3H, d, J=1.0 Hz), 1.66 (3H, dd, J=1.2, 7.4 Hz), 2.45 (2H, q, J=7.4 Hz), 2.55 (2H, t, J=7.4 Hz), 5.65 (1H, dt, J=15.5, 6.5Hz), 5.92 (1H, s), 6.21 (1H, d,J=15.5Hz), 6.78 (1H, q, J=7.4 Hz), 9.77( 1H, t, J=1.4 Hz); 13C NMR(CDCl)δ= 14.5, 15.6, 28.1, 29.2, 31.4, 80.4, 123.8, 127.4, 132.2, 135.6, 137.0, 138.0, 166.7, 188.24; IR (neat) 2979, 1724, 1699, 1633, 1279, 1255, 1173, 1134 cm−1; HRMS Calcdfor C1624: M, 264.1725. Found: m/z 264.1734.
【0075】
(3E,5E,9E)−tert−ブチル−[(2E)−エチリデン]−4,10−ジメチル−11−オキソメトキシ−1−ウンデカ−3,5,9−トリエネジオエート (12) ((3E,5E,9E)−tert−Butyl−[(2E)−ethylidene]−4,10−dimethyl−11−oxomethoxy−1−undeca−3,5,9−trienedioate(12))の合成
Horner−Emmons試薬(化合物19:2‐(ジエトキシ−ホスホリル)−プロピオン酸メチルエステル(2−(diethoxy−phosphoryl)−propionic acid methyl ester))(3.37g, 15.05mmol)のDME溶液(30ml)に、1.50Mブチルリチウム−ヘキサン溶液(8.0ml, 12.0mmol)を0℃で加え、10分撹拌する。その後、アルデヒド11(1.59g, 6.02mmol)のDME溶液(15ml)を室温で加え、0.5時間撹拌する。撹拌後、緩衝溶液(30ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。無水硫酸マグネシウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査を薄層クロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:10)により分離精製し、エステル12(2.01g, 6.02mol)を収率100%で得る。
【0076】
H NMR(CDCl)δ=1.45 (9H, s), 1.60 (3H, d, J=0.8 Hz), 1.67 (3H, dd, J=1.1, 7.2 Hz), 1.82 (3H, s), 2.23−2.31 (4H, m), 3.71 (3H, s), 5.66 (1H, dt,J=15.5 6.5 Hz), 5.92 (1H, s), 6.21 (1H, d, J=15.5 Hz), 6.73−6.81 (2H ,m); 13C NMR(CDCl)δ=12.5, 14.5, 15.7, 28.1, 28.7, 31.7, 51.7, 80.3, 123.3, 127.9, 128.4, 132.3, 135.0, 137.3, 138.0, 141.6, 166.6, 168.6; IR (neat) 2979, 2852, 1714, 1704, 1650, 1633, 1173, 1133 cm−1; HRMS Calcd for C2030: M, 334.2144. Found: m/z 334.2139; Anal. Calcd for C2030O: C, 71.82; H, 9.04%. found C, 72.00; H, 8.64%.
【0077】
(3E,5E,9E)−tert−ブチル−12−シアノ−[(2E)−エチリデン]−4,10−ジメチル−11−オキソドデカ−3,5,9−トリエノエート(13) ((3E ,5E,9E)−tert−Butyl−12−cyano−[(2E)−ethylidene]−4,10−dimethyl−11−oxododeca−3,5,9−trienoate(13))の合成
アセトニトリル(0.040ml,0.767mmol)のTHF溶液(2ml)に、1.52Mブチルリチウム−ヘキサン溶液(0.30ml,0.456mmol)を−78℃で加えて、1時間撹拌する。撹拌後、エステル12(84.5mg,0.253mmol)を−88℃で加える。加えた直後、緩衝溶液(15ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査を薄層クロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:10)により分離精製し、β−ケトニトリル13(72.5mg, 0.211mol)を収率84%で得る。
【0078】
H NMR(CDCl)δ=1.45 (9H, s), 1.60 (3H, d, J=0.6 Hz), 1.67 (3H, dd, J=1.0, 7.1 Hz), 1.82 (3H, d, J=0.6 Hz), 2.31 (2H, q, J=7.2 Hz), 2.41 (2H, q,J=7.2 Hz), 3.75 (2H, s), 5.64 (1H, dt, J=15.6, 6.8 Hz), 5.92 (1H, s), 6.21 (1H, d, J=15.6 Hz), 6.74 (1H, dt, J=1.0, 7.2 Hz), 6.77 (1H, q, J=7.2Hz); 13C NMR(CDCl)δ= 11.5, 14.5, 15.8, 28.1, 28.3, 29.2, 31.4, 80.43,114.2, 123.9, 127.4, 132.1, 135.7, 136.3, 137.0, 138.2, 145.5, 166.5, 188.2; IR (neat) 2979, 2929, 2256, 1705, 1681, 1639, 1281, 1254, 1169, 1134 cm−1; HRMS Calcd for C2129NO: M, 343.2147. Found: m/z 343.2153; Anal. Calcd for C2129NO: C, 73.44; H, 8.51; N, 4.08%. found C, 73.53; H, 8.79; N, 4.08%.
【0079】
(3E,5E,9E,12E)−tert−ブチル−12−シアノ−[(2E)−エチリデン]−4,10−ジメチル−11−オキソ−14−トリエチルシロキシペンタデカ−3,5,9,12−テトラエノエート(14) ((3E,5E,9E,12E)−tert−Butyl−12−cyano−[(2E)−ethylidene]−4,10−dimethyl−11−oxo−14−triethylsiloxypentadeca−3,5,9,12−tetraenoate(14))の合成
β−ケトニトリル13(73.4mg, 0.214mmol)のベンゼン溶液(1ml)に(S)−2−(トリエチルシロキシ)プロパナール、アンモニウム塩(1.7mg, 0.0094mmol)を加えて、室温で2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去する。その後、フロリジルを用いたカラムクロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:3)により、アンモニウム塩を除去後、粗生成物を次の反応に用いる。
【0080】
(3E,5E,9E)−tert−ブチル−11−[2−シアノ−3−(1−トリエチルシロキシエチル)オキシラニル] −[(2E)−エチリデン]−4,10−ジメチル−11−オキソウンデカ−3,5,9−トリエナート(15)((3E,5E,9E)−tert−Butyl−11−[2−cyano−3−(1−triethylsiloxyethyl)oxiranyl] −[(2E)−ethylidene]−4,10−dimethyl−11−oxoundeca−3,5,9−trienate(15))の合成
トリチルペルオキシド(0.591g, 2.14mmol)のTHF溶液(5ml)に、1.49Mブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.15ml, 1.71mmol)を−78℃で加えて、1時間撹拌する。撹拌後、オレフィン14のTHF溶液(5ml)を−78℃で加え、1時間撹拌する。緩衝溶液(10ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去する。粗生成物を次の反応に用いる。
【0081】
(3E,5E,9E)−tert−ブチル−11−[2−シアノ−3−(1−ヒドロキシエチル)オキシラニル] −[(2E)−エチリデン]−4,10−ジメチル−11−オキソウンデカ−3,5,9−トリエネート(16)( (3E,5E,9E)−tert−Butyl−11−[2−cyano−3−(1−hydroxyethyl)oxiranyl] −[(2E)−ethylidene]−4,10−dimethyl−11−oxoundeca−3,5,9−trienate(16))の合成
エポキシド15のアセトニトリル溶液(8ml)、イオン交換水(1ml)、ホウフッ化リチウム(0.400g, 4.27mmol)を加えて、4時間撹拌する。撹拌後、緩衝溶液(20ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査を素早く、荒いカラムクロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:5)により過剰のトリチルペルオキシドを除去し、すぐ次の反応に用いる。
【0082】
(3E,5E,9E)−tert−ブチル−11−[2−カルバモイル−3−(1−ヒドロキシエチル)オキシラニル] −[(2E)−エチリデン]−4,10−ジメチル−11−オキソペンタデカ−3,5,9−トリエノエート (18) ((3E,5E,9E)−tert−Butyl−11−[2−carbamoyl−3−(1−hydroxyethyl)oxiranyl] −[(2E)−ethylidene]−4,10−dimethyl−11−oxopentadeca −3,5,9−trienoate (18))の合成
ヒドロキシニトリル16を薄層クロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で展開する。得られたラクトン17、およびヒドロキシアミド18の混合物のメタノール溶液(1ml)に、アンモニア水(0.25ml)を0℃で加え、20分撹拌する。緩衝溶液(10ml)を用いてクエンチし、有機物をクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、薄層クロマトグラフィー(展開液酢酸エチル:ヘキサン=3:1)で分離精製し、ヒドロキシアミド18(12.7mg, 0.0290mmol)を5段階で収率14%で得る。
【0083】
H NMR(CDCl)δ=1.35 (3H, d, J=3.2Hz), 1.45 (3H, s), 1.59 (3H, s), 1.67 (3H d, J=7.0Hz), 1.78 (3H, s), 2.31−2.37 (2H, m), 2.37−2.48 (2H, m), 3.14 (1H, d, J=7.9Hz), 3.68−3.75 (1H, m), 5.67 (1H, dt, J=15.5, 7.3Hz), 5.91 (1H, s), 6.22 (1H, d, J=15.5Hz), 6.41 (1H, s), 6.77 (1H, q, J=7.0Hz), 7.08 (1H, t, J=6.7Hz): 13C NMR (CDCl)δ=11.3, 14.4, 15.6, 20.3, 28.1, 28.9, 31.3, 65.5, 65.5, 66.1, 80.6, 123.4, 127.8, 132.2, 135.0, 135.8, 137.8, 138.2, 149.7,166.8, 167.3, 192.9: IR (neat) 3419, 3323, 2979, 2931,1709, 1668, 1633, 1597, 1435, 1254, 1169 cm−1
【0084】
(3E,5E,9E)−tert−ブチル−2−エチリデン−11−(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘクス−1−イル)−4,10−ジメチル−11−オキソウンデカ−3,5,9−トリエノエート(1)((3E,5E,9E)−tert−Butyl−2−ethylidene−11−(4−hydroxy−4−methyl−2−oxo−6−oxa−3−aza−bicyclo[3.1.0]hex−1−yl)−4,10−dimethyl−11−oxoundeca−3,5,9−trienoate(1))の合成
ヒドロキシアミド18 (11.7mg, 0.0256mmol)の塩化メチレン溶液(0.5ml)に、トリエチルアミン(72μl,0.517mmol)を加え、0℃に冷却した後、SO・ピリジン(56.2mg, 0.353mmol)のジメチルスルホキシド溶液(0.3ml)を0℃で加えて、2時間撹拌する。撹拌後、緩衝溶液(10ml)を用いてクエンチし、有機物を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で有機層を洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、残査を薄層クロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=3:1)により分離精製し、本発明化合物1(5.2mg, 0.0121mol)を収率48%で得る。
【0085】
H NMR (CDCl)δ=1.48 (9H, s), 1.58 (3H, s), 1.61 (6H, s), 1.72 (3H, d, J =7.3Hz), 1.86 (3H, s), 2.28−2.39 (3H, m), 2.25−2.58 (1H, m), 3.87 (1H,d, J=2.4Hz), 4.25 (1H, brs), 5.66 (1H, dt, J=7.3, 15.6Hz), 5.87 (1H, s), 6.23 (1H, d, J=15.7Hz), 6.38 (1H, s), 6.78−6.85 (2H ,m): 13C NMR(CDCl) δ=11.3, 14.3, 15.6, 22.4, 27.9, 28.1, 31.2, 62.2, 64.7, 81.5, 83.7, 122.8, 128.0, 131.8, 136.0, 136.4, 139.1, 139.4, 146.8, 167.8, 169.5, 189.7: IR(neat)3417, 2979, 2929, 1709, 1682, 1635, 1367, 1284, 1257, 1167, 1136 cm−1: [α] 26 +23 (C=0.09, MeOH): HRMS Calcd for C2433NO: M,431.2308. Found: m/z 431.2297.
【0086】
本発明の化合物の活性を以下の方法に従って測定した。
【試験例】本発明の化合物1の抗腫瘍活性
ヒト神経芽腫細胞SH−SY5Y細胞をDMEM培地(ダルベッコ改変イーグル培地)(5%牛胎仔血清を含む)で培養した。これに一連の希釈系列の本発明化合物1を添加し48時間、5% 二酸化炭素雰囲気下、37℃で培養した後、MTT(3−(4,5−ジメチル−チアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)試薬を加えさらに2〜4時間培養後、570nmの吸光度を測定し生存率を算出した。その結果、本発明の化合物1の50%増殖阻害濃度は0.4 μg/mlの濃度であった。
この結果は、本発明の化合物1が抗腫瘍剤として有効であることを示している。
【0087】
【発明の効果】
本発明の新規化合物は、坑腫瘍活性を有し、坑腫瘍剤として優れている。

Claims (9)

  1. 以下の一般式(I):
    Figure 2004059584
    (式中、Rは、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。)で表される化合物。
  2. 一般式(I)中、Rが直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基である請求項1に記載の化合物。
  3. 一般式(I)中、Rが炭素数1から6個の直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基である請求項1に記載の化合物。
  4. 一般式(I)中、Rがtert−ブチル基である請求項1に記載の化合物。
  5. 1) テトラヒドロピラン−2−オールを(エトキシカルボニルエチリデン)トリフェニルホスホランと反応させ、
    2) 1)の反応産物の遊離の水酸基を保護し、
    3) 2)の反応産物のヒドロキシメチル基をホルミル基に変換し、
    4) 3)の反応産物を、以下の一般式(A):
    Figure 2004059584
    (式中、RおよびXは、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。)
    で表されるホスホノ酢酸エステルと反応させ、
    5) 4)の反応産物を、塩基およびアセトアルデヒドと反応させ、
    6) 5)の反応産物を、形式的に脱水し、
    7) 6)の反応産物の保護基を脱保護し、
    8) 7)の反応産物を酸化し、
    9) 8)の反応産物を、以下の一般式(B):
    Figure 2004059584
    (式中、Xは前記と同義である。)
    で表されるホスホノプロピオン酸メチルエステルと反応させ、
    10)9)の反応産物を、塩基存在下にアセトニトリルと反応させ、
    11)10)の反応産物を、以下の一般式(C):
    Figure 2004059584
    (式中、Yは、水酸基の保護基を表す。)
    で表されるプロパナールと反応させ、
    12)11)の反応産物をエポキシ化させ、
    13)12)の反応産物の保護基を脱保護し、
    14)13)のシアノ基を加水分解し、
    15)14)の反応産物をラクタム化する、
    ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
  6. 以下の一般式(III):
    Figure 2004059584
    (式中、RおよびYは前記と同義である。)で表される化合物。
  7. 以下の一般式(IV):
    Figure 2004059584
    (式中、RおよびYは前記と同義である。)で表される化合物に、同化合物を立体選択的にエポキシ化しうる過酸化物を反応させることを特徴とする、以下の一般式(III):
    Figure 2004059584
    (式中、RおよびYは前記と同義である。)で表される化合物の製造方法。
  8. 請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物を有効成分として含む医薬。
  9. 抗腫瘍剤である請求項8に記載の医薬。
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