JP2004057029A - 可溶性フィブリンの調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】課題は、可溶性フィブリンを高純度にそして高回収率で調製する方法を提供するものである。
【解決手段】グリシンによる分画操作を加えることで本発明の課題を解決出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。原料血漿から精製したフィブリノゲンにトロンビンを作用させてフィブリンを生成させ、分画操作で得た沈殿物を4〜10M尿素溶液で溶解させ、ついでこれを緩衝液(pH4〜6)で調整し、この溶液に25〜80mMの塩化ナトリウムを添加し、さらにグリシンを1〜3Mの濃度になるように添加して可溶性フィブリンを沈殿させ、その後回収する可溶性フィブリンの製造方法。
【解決手段】グリシンによる分画操作を加えることで本発明の課題を解決出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。原料血漿から精製したフィブリノゲンにトロンビンを作用させてフィブリンを生成させ、分画操作で得た沈殿物を4〜10M尿素溶液で溶解させ、ついでこれを緩衝液(pH4〜6)で調整し、この溶液に25〜80mMの塩化ナトリウムを添加し、さらにグリシンを1〜3Mの濃度になるように添加して可溶性フィブリンを沈殿させ、その後回収する可溶性フィブリンの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可溶性フィブリンの高度精製法、特に高回収率及び高純度で、可溶性フィブリンを調製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可溶性フィブリンの調製方法は、一般的に血漿からエタノール分画法(Blambeack B et al. Ark.Kemi,1956; 10: 415−43 )などによってフィブリノゲンを精製し、10mM EDTA存在下、トロンビンあるいはバトロキソビン蛇毒により凝固させ、遠心分離操作により沈殿物を3.3M尿素溶液に溶解させ、可溶化したフィブリン溶液を20mM酢酸緩衝液(pH4.6)で透析する方法が用いられる。(McCarron BI et al. Thromb Haemost 1999; 82: 145−8 または Soe G et al. Blood 1996; 88:2109−17) または、さらに3.3M尿素溶液に生理的濃度の塩化ナトリウムを加えて可溶性フィブリンを重合させ、再度、3.3M尿素溶液で溶解させたのち、20mM酢酸緩衝液(pH4.6)で透析する方法が用いられる。
【0003】
この方法では、トロンビンまたはバトロキソビンによるフィブリンクロット形成の際にフィブリノゲン以外の夾雑タンパク質を抱き込み、純度の悪い可溶性フィブリンを得ることが欠点である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、可溶性フィブリンを高純度にそして高回収率で調製する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、従来技術に対して、さらにグリシンによる分画操作を加えることで本発明の課題を解決出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、
1.フィブリンの調製工程において、可溶性フィブリンをグリシンと接触させ沈殿・回収することを特徴とする可溶性フィブリンの調製方法。
2.蛋白変性剤によって可溶化された可溶性フィブリンがグリシンで処理される前項1に記載の方法。
3.グリシン添加量が、2〜10℃の温度下で、1〜3Mの濃度に調整される前項1または2に記載の方法。
4.処理pHが4〜6に調整された前項3に記載の方法。
5.塩濃度を25〜80mMに調整され前項3又は4に記載の方法。
6.原料血漿から精製したフィブリノゲンに10mM EDTA存在下、トロンビンあるいはバトロキソビン蛇毒を作用させてフィブリンを生成させ、分画操作で得た沈殿物を4〜10M尿素溶液で溶解させ、ついでこれを緩衝液(pH4〜6)で調整し、この溶液に25〜80mMの塩化ナトリウムを添加し、さらにグリシンを1〜3Mの濃度になるように添加して可溶性フィブリンを沈殿させ、その後回収する可溶性フィブリンの製造方法。
7.前項6の方法で調製されたdesAABBフィブリン又はdesAAフィブリン。
8.前項7に記載の試料を構成試薬として含む検査用試薬。
からなる。
【0007】
【発明の実施の態様】
本発明において”可溶性フィブリン”とは、フィブリン凝固が起こったフィブリン重合体を蛋白変性剤によって、架橋が切断され、さらに架橋形成による強固な凝固が制御された状態にあり、酸性pH(例えば3.5〜5.5)の条件下で水に実質的に可溶なフィブリンをいう。この可溶化状態のフィブリンに対して、さらに分画操作を本発明ではおこなう。分画は、グリシンと接触させ沈殿・回収する。この分画処理が施される可溶性フィブリンは、従前の技術によって調製されてもよい。その一般的な方法は、血漿からコーンのエタノール分画法(Cohn EJ et al. J.Am.Chem 1946: 68; 459)でフィブリノゲン画分を回収し、これにトロンビン、バトロキソビンのような水解酵素処理でフィブリン化する。フィブリンは、そのまま放置すると血液凝固第13因子、カルシウムイオンの作用で交差架橋反応を受け、重合化・凝固がおこりフィブリンクロットとなる。このクロット化したフィブリンを原料とする場合は、まず蛋白変性剤例えば尿素等で溶解、或はプラスミンのような酵素で溶解を行う。尿素処理の場合は、4〜10M,好ましくは5〜8、より好ましくは5.5〜6.5Mの濃度で使用される。フィブリノゲン画分を精製し、トロンビンの作用でフィブリンを生成させたのち、凝固の制御下(抑制条件)で、本発明の以下のグリシン処理分画を行うことも可能である。
【0008】
原料の可溶化された可溶性フィブリンは、グリシンで処理される。グリシンの添加に先立ち、溶液は塩濃度の調整をしておくことは好ましい。塩は特に限定されないが、一般的な無機塩が好適に利用され、例えば塩化ナトリウムが例示されるが、これに限定されない。塩濃度は、25〜80mM、好ましくは30〜70、より好ましくは40〜60mMの濃度で使用される。グリシン添加量は、2〜10℃の温度下で、1〜3M、好ましくは1.3〜2.5、より好ましくは1.5〜2Mの濃度で使用される。処理pHは、4〜6、好ましくは4.2〜5.5、より好ましくは4.3〜5.0の濃度で使用される。
【0009】
本発明では、原料血漿から精製したフィブリノゲンにトロンビンを作用させてフィブリンを生成させ、分画操作で得た沈殿物を4〜10M尿素溶液で溶解させ、ついでこれを緩衝液(pH4〜6)で調整し、この溶液に25〜80mMの塩化ナトリウムを添加し、さらにグリシンを1〜3Mの濃度になるように添加して可溶性フィブリンを沈殿させ、その後回収して可溶性フィブリンの製造方法を提供した。グリシンの添加は、低濃度から徐々に濃度を目的範囲まで上げていく方法が好ましく、例えば1.8Mまであげていく。この方法で調製されたフィブリンは、desAABBフィブリンであった。
【0010】
かくして提供される可溶性フィブリンの調製法は、高純度に高回収率で可溶性フィブリンを提供する手段であり、得られた可溶性フィブリンは医薬品としても検査用試薬としても極めて有用である。
【0011】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0012】
【実施例1】
ヒト血漿よりCohnの8%エタノール沈殿法に準じて粗フィブリノゲン画分を得る。これをBlambeack B et al(Arkiv Kemi 1956; 10: 415−43)らの方法に準じてフィブリノゲン分画を得る。精製したフィブリノゲンはさらにリシンセファロースアフィニティーカラムクロマトグラフィーで混在するプラスミノゲンを除去する。なお、別の実施例としてさらにゼラチンセファロースアフィニティークロマトグラフィーでフィブロネクチンを除去した画分を用いることもできる。
この精製した2g/lのフィブリノゲン溶液(10mL)に10mM EDTA存在下、100NIH単位/mlのヒトトロンビン500μl(別の実施例として50BU/mlのバトロキソビン溶液500μl処理でもよい)を作用させて遠心分離操作により凝固したフィブリン沈殿を得る。
これに3.3M尿素溶液10mlを混合させてフィブリンを溶解したのち、20mM酢酸緩衝液(pH4.6)200mlで透析する。4℃下、透析内液に50mM塩化ナトリウム添加し、さらにグリシンを2.0Mになるように徐々に添加し、沈査に可溶性フィブリンを得る。これを予め30℃に加温した20mM酢酸緩衝液(pH4.6)10mlに溶解させる。本発明方法によれば、出発物質であるフィブリノゲンから得た可溶性フィブリンの純度を表1に示す。尚、タンパク質含量は、Lowry法によって測定された値である。
【0013】
表1 可溶性フィブリン純度の比較
【0014】
【実施例2】
本発明方法により得た可溶性フィブリンのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)のパターンを図1に示す。対象のフィブリノゲン(lane1)との泳動度を比較すると、Aα鎖およびBβ鎖の分子量が少ないことと、desAABBフィブリン(lane2)を生成したことが示された。
SDS−PAGE 泳動条件;
ゲル:7.5% polyacrylamide gel バイオラッド社)
泳動:50Volt(3時間)
緩衝液:192mM Tris − 72mM Gly − 0.02 SDS
染色:クーマシーブリリアントブルー(CBB)
泳動装置:MINI−PROTEAN II (バイオラッド社)
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法により可溶性フィブリンを高純度に効率的に回収可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】還元処理されたフィブリノゲンと可溶性フィブリンを示す。還元下SDS−PAGE の図である。矢印は、上からα鎖、β鎖、γ鎖を意味する。
【符号の説明】
1: MW(分子量マーカー)
2: フィブリノゲン
3:本発明法
4:既存法
【発明の属する技術分野】
本発明は可溶性フィブリンの高度精製法、特に高回収率及び高純度で、可溶性フィブリンを調製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可溶性フィブリンの調製方法は、一般的に血漿からエタノール分画法(Blambeack B et al. Ark.Kemi,1956; 10: 415−43 )などによってフィブリノゲンを精製し、10mM EDTA存在下、トロンビンあるいはバトロキソビン蛇毒により凝固させ、遠心分離操作により沈殿物を3.3M尿素溶液に溶解させ、可溶化したフィブリン溶液を20mM酢酸緩衝液(pH4.6)で透析する方法が用いられる。(McCarron BI et al. Thromb Haemost 1999; 82: 145−8 または Soe G et al. Blood 1996; 88:2109−17) または、さらに3.3M尿素溶液に生理的濃度の塩化ナトリウムを加えて可溶性フィブリンを重合させ、再度、3.3M尿素溶液で溶解させたのち、20mM酢酸緩衝液(pH4.6)で透析する方法が用いられる。
【0003】
この方法では、トロンビンまたはバトロキソビンによるフィブリンクロット形成の際にフィブリノゲン以外の夾雑タンパク質を抱き込み、純度の悪い可溶性フィブリンを得ることが欠点である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、可溶性フィブリンを高純度にそして高回収率で調製する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、従来技術に対して、さらにグリシンによる分画操作を加えることで本発明の課題を解決出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、
1.フィブリンの調製工程において、可溶性フィブリンをグリシンと接触させ沈殿・回収することを特徴とする可溶性フィブリンの調製方法。
2.蛋白変性剤によって可溶化された可溶性フィブリンがグリシンで処理される前項1に記載の方法。
3.グリシン添加量が、2〜10℃の温度下で、1〜3Mの濃度に調整される前項1または2に記載の方法。
4.処理pHが4〜6に調整された前項3に記載の方法。
5.塩濃度を25〜80mMに調整され前項3又は4に記載の方法。
6.原料血漿から精製したフィブリノゲンに10mM EDTA存在下、トロンビンあるいはバトロキソビン蛇毒を作用させてフィブリンを生成させ、分画操作で得た沈殿物を4〜10M尿素溶液で溶解させ、ついでこれを緩衝液(pH4〜6)で調整し、この溶液に25〜80mMの塩化ナトリウムを添加し、さらにグリシンを1〜3Mの濃度になるように添加して可溶性フィブリンを沈殿させ、その後回収する可溶性フィブリンの製造方法。
7.前項6の方法で調製されたdesAABBフィブリン又はdesAAフィブリン。
8.前項7に記載の試料を構成試薬として含む検査用試薬。
からなる。
【0007】
【発明の実施の態様】
本発明において”可溶性フィブリン”とは、フィブリン凝固が起こったフィブリン重合体を蛋白変性剤によって、架橋が切断され、さらに架橋形成による強固な凝固が制御された状態にあり、酸性pH(例えば3.5〜5.5)の条件下で水に実質的に可溶なフィブリンをいう。この可溶化状態のフィブリンに対して、さらに分画操作を本発明ではおこなう。分画は、グリシンと接触させ沈殿・回収する。この分画処理が施される可溶性フィブリンは、従前の技術によって調製されてもよい。その一般的な方法は、血漿からコーンのエタノール分画法(Cohn EJ et al. J.Am.Chem 1946: 68; 459)でフィブリノゲン画分を回収し、これにトロンビン、バトロキソビンのような水解酵素処理でフィブリン化する。フィブリンは、そのまま放置すると血液凝固第13因子、カルシウムイオンの作用で交差架橋反応を受け、重合化・凝固がおこりフィブリンクロットとなる。このクロット化したフィブリンを原料とする場合は、まず蛋白変性剤例えば尿素等で溶解、或はプラスミンのような酵素で溶解を行う。尿素処理の場合は、4〜10M,好ましくは5〜8、より好ましくは5.5〜6.5Mの濃度で使用される。フィブリノゲン画分を精製し、トロンビンの作用でフィブリンを生成させたのち、凝固の制御下(抑制条件)で、本発明の以下のグリシン処理分画を行うことも可能である。
【0008】
原料の可溶化された可溶性フィブリンは、グリシンで処理される。グリシンの添加に先立ち、溶液は塩濃度の調整をしておくことは好ましい。塩は特に限定されないが、一般的な無機塩が好適に利用され、例えば塩化ナトリウムが例示されるが、これに限定されない。塩濃度は、25〜80mM、好ましくは30〜70、より好ましくは40〜60mMの濃度で使用される。グリシン添加量は、2〜10℃の温度下で、1〜3M、好ましくは1.3〜2.5、より好ましくは1.5〜2Mの濃度で使用される。処理pHは、4〜6、好ましくは4.2〜5.5、より好ましくは4.3〜5.0の濃度で使用される。
【0009】
本発明では、原料血漿から精製したフィブリノゲンにトロンビンを作用させてフィブリンを生成させ、分画操作で得た沈殿物を4〜10M尿素溶液で溶解させ、ついでこれを緩衝液(pH4〜6)で調整し、この溶液に25〜80mMの塩化ナトリウムを添加し、さらにグリシンを1〜3Mの濃度になるように添加して可溶性フィブリンを沈殿させ、その後回収して可溶性フィブリンの製造方法を提供した。グリシンの添加は、低濃度から徐々に濃度を目的範囲まで上げていく方法が好ましく、例えば1.8Mまであげていく。この方法で調製されたフィブリンは、desAABBフィブリンであった。
【0010】
かくして提供される可溶性フィブリンの調製法は、高純度に高回収率で可溶性フィブリンを提供する手段であり、得られた可溶性フィブリンは医薬品としても検査用試薬としても極めて有用である。
【0011】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0012】
【実施例1】
ヒト血漿よりCohnの8%エタノール沈殿法に準じて粗フィブリノゲン画分を得る。これをBlambeack B et al(Arkiv Kemi 1956; 10: 415−43)らの方法に準じてフィブリノゲン分画を得る。精製したフィブリノゲンはさらにリシンセファロースアフィニティーカラムクロマトグラフィーで混在するプラスミノゲンを除去する。なお、別の実施例としてさらにゼラチンセファロースアフィニティークロマトグラフィーでフィブロネクチンを除去した画分を用いることもできる。
この精製した2g/lのフィブリノゲン溶液(10mL)に10mM EDTA存在下、100NIH単位/mlのヒトトロンビン500μl(別の実施例として50BU/mlのバトロキソビン溶液500μl処理でもよい)を作用させて遠心分離操作により凝固したフィブリン沈殿を得る。
これに3.3M尿素溶液10mlを混合させてフィブリンを溶解したのち、20mM酢酸緩衝液(pH4.6)200mlで透析する。4℃下、透析内液に50mM塩化ナトリウム添加し、さらにグリシンを2.0Mになるように徐々に添加し、沈査に可溶性フィブリンを得る。これを予め30℃に加温した20mM酢酸緩衝液(pH4.6)10mlに溶解させる。本発明方法によれば、出発物質であるフィブリノゲンから得た可溶性フィブリンの純度を表1に示す。尚、タンパク質含量は、Lowry法によって測定された値である。
【0013】
表1 可溶性フィブリン純度の比較
【0014】
【実施例2】
本発明方法により得た可溶性フィブリンのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)のパターンを図1に示す。対象のフィブリノゲン(lane1)との泳動度を比較すると、Aα鎖およびBβ鎖の分子量が少ないことと、desAABBフィブリン(lane2)を生成したことが示された。
SDS−PAGE 泳動条件;
ゲル:7.5% polyacrylamide gel バイオラッド社)
泳動:50Volt(3時間)
緩衝液:192mM Tris − 72mM Gly − 0.02 SDS
染色:クーマシーブリリアントブルー(CBB)
泳動装置:MINI−PROTEAN II (バイオラッド社)
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法により可溶性フィブリンを高純度に効率的に回収可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】還元処理されたフィブリノゲンと可溶性フィブリンを示す。還元下SDS−PAGE の図である。矢印は、上からα鎖、β鎖、γ鎖を意味する。
【符号の説明】
1: MW(分子量マーカー)
2: フィブリノゲン
3:本発明法
4:既存法
Claims (8)
- フィブリンの調製工程において、可溶性フィブリンをグリシンと接触させ沈殿・回収することを特徴とする可溶性フィブリンの調製方法。
- 蛋白変性剤によって可溶化された可溶性フィブリンがグリシンで処理される請求項1に記載の方法。
- グリシン添加量が、2〜10℃の温度下で、1〜3Mの濃度に調整される請求項1または2に記載の方法。
- 処理pHが4〜6に調整された請求項3に記載の方法。
- 塩濃度を25〜80mMに調整され請求項3又は4に記載の方法。
- 原料血漿から精製したフィブリノゲンに10mM EDTA存在下、トロンビンあるいはバトロキソビン蛇毒を作用させてフィブリンを生成させ、分画操作で得た沈殿物を4〜10M尿素溶液で溶解させ、ついでこれを緩衝液(pH4〜6)で調整し、この溶液に25〜80mMの塩化ナトリウムを添加し、さらにグリシンを1〜3Mの濃度になるように添加して可溶性フィブリンを沈殿させ、その後回収する可溶性フィブリンの製造方法。
- 請求項6の方法で調製されたdesAABBフィブリン又はdesAAフィブリン。
- 請求項7に記載の試料を構成試薬として含む検査用試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002216883A JP2004057029A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 可溶性フィブリンの調製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002216883A JP2004057029A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 可溶性フィブリンの調製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004057029A true JP2004057029A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31938513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002216883A Withdrawn JP2004057029A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 可溶性フィブリンの調製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004057029A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007008934A (ja) * | 2005-06-29 | 2007-01-18 | Lab Francais Du Fractionnement & Des Biotechnologies | 可溶化血漿フラクションから蛋白質フィブリノーゲン、第xiii因子および生物学的グルーを分離し、そして該蛋白質の凍結乾燥濃縮物を調製するための方法 |
-
2002
- 2002-07-25 JP JP2002216883A patent/JP2004057029A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007008934A (ja) * | 2005-06-29 | 2007-01-18 | Lab Francais Du Fractionnement & Des Biotechnologies | 可溶化血漿フラクションから蛋白質フィブリノーゲン、第xiii因子および生物学的グルーを分離し、そして該蛋白質の凍結乾燥濃縮物を調製するための方法 |
JP2013047273A (ja) * | 2005-06-29 | 2013-03-07 | Lab Francais Du Fractionnement & Des Biotechnologies | 可溶化血漿フラクションから蛋白質フィブリノーゲン、第xiii因子および生物学的グルーを分離し、そして該蛋白質の凍結乾燥濃縮物を調製するための方法 |
US8598319B2 (en) | 2005-06-29 | 2013-12-03 | Laboratoire Francais Du Fractionnement Et Des Biotechnologies | Process for separating proteins fibrinogen, factor XIII and biological glue from a solubilized plasma fraction and for preparing lyophilised concentrates of said proteins |
US9320779B2 (en) | 2005-06-29 | 2016-04-26 | Laboratoire Francais Du Fractionnement Et Des Biotechnologies | Process for separating proteins fibrinogen, factor XIII and biological glue from a solubilized plasma fraction and for preparing lyophilised concentrates of said proteins |
US9339530B2 (en) | 2005-06-29 | 2016-05-17 | Laboratoire Francais Du Fractionnement Et Des Biotechnologies | Process for separating proteins fibrinogen, factor XIII and biological glue from a solubilized plasma fraction and for preparing lyophilised concentrates of said proteins |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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