JP2004054199A - 分割露光装置 - Google Patents

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Seiichiro Toyoda
豊田 誠一郎
Masaki Shimazu
島津 雅樹
Ryoichi Umeda
梅田 良一
Norio Kobayashi
小林 憲雄
Michio Yamazaki
山崎 通郎
Shinzo Shibazaki
柴崎 新三
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Ono Sokki Co Ltd
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Abstract

【課題】精度が高い露光をすることができ、生産効率が高く、構造が簡単で、より小型な分割露光装置を提供する。
【解決手段】プリント配線板を製造するときに使用され、基板Kに対して原版Mを密着し、原版Mに付されているパターンを基板Kに露光する露光装置であって、特に、基板K上の任意の位置毎に露光を行うことができる分割露光装置である。具体的には、照射範囲変更部160により照射範囲の大きさを変更し、第2の平面鏡132により照射位置の変更を行う。また、照射領域と非照射領域との境界部分は、幅の狭い遮光帯211〜214により遮光を行う。
【選択図】        図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性のある基板を複数の領域に分割し、領域毎に原版に設けられたパターンを露光することができる分割露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の製造に使用される露光装置において、パターン精度向上、多品種少量生産への対応、製造工程の効率向上などのために、分割露光装置が使用されるようになってきている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−66418号公報
【特許文献2】
特開2000−250227号公報
【特許文献3】
特開2000−292942号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の分割露光装置では、基板を保持する露光テーブル又は光源を移動させることにより、露光位置を変更するため、これらの退避スペースが必要となり、装置が大型化するという問題があった。
また、露光する領域以外の領域は、他の露光領域を露光するときに基板が感光してしまわないように、露光したくない領域全体を完全に覆う遮光板等が必要であり、この遮光板の退避スペースも確保する必要があった。
また、上記特許文献1には、露光に使用する光の光路を変更することにより露光位置を変更する手法が開示されているが、この手法を用いた場合であっても、上述の遮光板が必要であり、装置を小型化することが困難であった。
【0005】
本発明の課題は、精度が高い露光をすることができ、生産効率が高く、構造が簡単で、より小型な分割露光装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、基板(K)上を複数の露光領域に分割して、前記基板に投影するパターンを備えた原版(M)を前記基板に近接又は密着して前記露光領域毎に露光を行う分割露光装置であって、前記基板を保持する露光テーブル(300)と、前記露光領域に略対応した範囲に光を照射する照射手段(100)と、を備え、前記照射手段は、照射する光の照射位置を前記露光領域に応じて変更する照射位置変更部(132)を備えること、を特徴とする分割露光装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光を反射する中間反射部(131,132)と、前記中間反射部により反射された光を反射して、前記基板に対して光を照射する凹面鏡又は平面鏡により形成された最終反射部(190)と、を備え、前記照射位置変更部は、前記中間反射部の角度を変更することにより、前記照射位置を変更すること、を特徴とする分割露光装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイ(151,152)を有するインテグレータ(150)をさらに備え、前記中間反射部(132)は、前記インテグレータを通過した後の光を反射する位置に設けられていること、を特徴とする分割露光装置である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の分割露光装置において、前記最終反射部(190)は、前記中間反射部(132)の角度変更に伴い前記光源からの光の光路が移動する範囲を鏡面領域に含むこと、を特徴とする分割露光装置である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、照射する光の照射範囲を前記露光領域に応じて拡大及び/又は縮小する照射範囲変更部(160)を備えること、を特徴とする分割露光装置である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイ(151,152)を有するインテグレータ(150)と、を備え、前記照射範囲変更部(160)は、前記複数のレンズアレイの間隔を変更することにより照射する光の照射範囲を変更すること、を特徴とする分割露光装置である。
【0012】
請求項7の発明は、請求項5に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイ(151,152)を有するインテグレータ(150)と、を備え、前記照射範囲変更部(160)は、前記インテグレータを通過した光を拡大及び/又は縮小する照射範囲変更光学系(161,163)により照射範囲を変更すること、を特徴とする分割露光装置である。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7に記載の分割露光装置において、前記照射範囲変更光学系(161,163)は、前記インテグレータ(150)を通過した光の光軸上に進退自在に設けられていること、を特徴とする分割露光装置である。
【0014】
請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載の分割露光装置において、前記照射範囲変更部(160)は、前記複数のレンズアレイ(151,152)及び/又は前記照射範囲変更光学系(161,163)の間隔を変更することにより照射する光の照射範囲を変更すること、を特徴とする分割露光装置である。
【0015】
請求項10の発明は、請求項5に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイ(151,152)を有するインテグレータ(150)と、を備え、前記照射範囲変更部は、前記インテグレータを交換することにより、照射する光の照射範囲を変更すること、を特徴とする分割露光装置である。
【0016】
請求項11の発明は、請求項1に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイ(151,152)を有するインテグレータ(150)と、を備え、前記光源と前記インテグレータとの間に、前記光源から照射される光の一部を遮光し、前記光の投影形状を前記レンズアレイが有する単位レンズの光軸方向における投影形状に略相似な形状とする光源絞り(120)を有すること、を特徴とする分割露光装置である。
【0017】
請求項12の発明は、請求項1に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイ(151,152)を有するインテグレータ(150)と、を備え、前記光源と前記インテグレータとの間に、凹レンズ(140)を設けること、を特徴とする分割露光装置である。
【0018】
請求項13の発明は、請求項1に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイ(151,152)を有するインテグレータ(150)と、を備え、前記複数のレンズアレイは、単位レンズの光軸方向における投影形状が互いに略等しい形状であって、前記複数のレンズアレイの間に、前記単位レンズ毎に前記投影形状に略等しい形状の光路を仕切る遮光壁(153)を設けること、を特徴とする分割露光装置である。
【0019】
請求項14の発明は、請求項1に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光の光路中に設けられた複数のレンズアレイ(151,152,161,163)と、を備え、前記レンズアレイは、隣り合う単位レンズが略黒色の遮光性を有する素材により接合されていること、を特徴とする分割露光装置である。
【0020】
請求項15の発明は、請求項1に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイ(151,152)を有するインテグレータ(150)と、を備え、前記インテグレータから射出された光の一部を遮光し、前記光の投影形状を前記露光領域の形状に略相似な形状とする照射絞り(170)を有すること、を特徴とする分割露光装置である。
【0021】
請求項16の発明は、請求項1に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、その光学的構成要素の少なくとも一部(150,160,170)を照射光路の光軸を略中心として回転させ、照射する光束の形状を補正する光束形状補正部(200)を有すること、を特徴とする分割露光装置である。
【0022】
請求項17の発明は、請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載の分割露光装置において、前記基板(K)と前記照射手段(100)との間にあって、前記照射位置及び/又は前記照射範囲の変更に応じて、前記基板に沿って移動可能に設けられ、前記露光領域の境界付近のみを遮光する遮光帯(211〜214)を少なくとも1つ備えること、を特徴とする分割露光装置である。
【0023】
請求項18の発明は、請求項2に記載の分割露光装置において、前記最終反射部(192)は、前記照射位置変更部の動作に応じて角度を変更することができること、を特徴とする分割露光装置である。
【0024】
請求項19の発明は、請求項1に記載の分割露光装置において、前記照射手段(100)は、光源(110)と、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイ(151,152)を有するインテグレータ(150)と、前記複数のレンズアレイから出射される単位照射光の前記基板(K)上での照射領域が略同一位置で重なるように集光する集光光学系(400)と、を備えること、を特徴とする分割露光装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による分割露光装置の第1実施形態の全体を示す図である。
本実施形態における分割露光装置は、プリント配線板を製造するときに使用され、基板Kに対して原版Mを密着し、原版Mに付されているパターンを基板Kに露光する露光装置であって、特に、基板K上の任意の位置毎に露光を行うことができる分割露光装置である。本実施形態における分割露光装置は、照射手段100,遮光帯211〜214,露光テーブル300を備えている。
なお、以下の説明中において、光源110から射出されて露光テーブル300まで達する光の光路上における位置関係を表すために、ある位置を基準として、その位置に光が入光する側、すなわち、光路として光源に近い側を、光路光源側と呼び、その反対側を、光路露光テーブル側と呼ぶこととする。
【0026】
照射手段100は、光源110、光源絞り120、中間反射部(第1の平面鏡131,第2の平面鏡132)、凹レンズ140、インテグレータ150、照射範囲変更部160、照射絞り170、シャッタ180、最終反射部190等を備えている。
【0027】
光源110は、基板Kを感光させる光の照射源であり、本実施形態では、5kWショートアークランプを使用し、楕円鏡により光を反射して射出される。
【0028】
光源絞り120は、光源110と後述のインテグレータ150との間に設けられた遮光性を有する板状の部材であり、形状が略正方形の開口部を有しており、光源110から照射される光(以下、照射光と呼ぶ)の一部を遮光し、光の投影形状をインテグレータ150のレンズアレイ151,152(図2等参照)が有する単位レンズの光軸方向における投影形状(本実施形態では、正方形)に略相似な形状(正方形)とする絞りである。
【0029】
中間反射部は、第1の平面鏡131と第2の平面鏡132とが設けられており、照射光を反射して、光路を曲げる役割を果たしている。
第1の平面鏡131は、不図示の固定部材に固定され、照射光を凹レンズ140,インテグレータ150等の方向に向ける役割を果たしている。この第1の平面鏡131は、光源110の配置の自由度を高くし、露光装置全体を小型にすることを主な目的として設けられている。
【0030】
第2の平面鏡132は、直交する2つの回転軸まわりに回転可能に設けられている。従って、第2の平面鏡132は、照射光の反射角度を自由に変更することができ、第2の平面鏡132により反射した後に後述の最終反射部190に入射する位置を自由に変更することができる。従って、第2の平面鏡132により、基板K上の照射位置を自由に変更することができる。
【0031】
凹レンズ140は、第1の平面鏡131とインテグレータ150との間の光路上に設けられているレンズである。
インテグレータ150は、照射光の強度分布を均一にするための光学部材である。
照射範囲変更部160は、照射光の照射範囲を露光領域に応じて変更する部分である。
凹レンズ140、インテグレータ150、照射範囲変更部160についての詳細な説明は、後述する。
【0032】
照射絞り170は、照射範囲変更部160を通過した照射光の一部、具体的には、照射光の外周部分の不要な部分を遮光し、照射光の投影形状を露光領域の形状に略相似な形状とする役割を果たす。この照射絞り170は、照射範囲変更部160による照射範囲の変更に応じて、開口サイズを変更するようになっている。
【0033】
シャッタ180は、照射絞り170よりも光路露光テーブル側に設けられているシャッタであり、露光を行うときに開口し、露光を行わない間は、光源110からの光を完全に遮光するようになっている。
最終反射部190は、照射光を露光テーブル300上の基板Kに向けて反射する凹面鏡であり、本実施形態では、球面鏡を使用している。
【0034】
遮光帯211〜214は、最終反射部190と原版Mとの間にあって、原版Mに近接した位置に設けられ、露光領域の境界付近のみを遮光する幅の狭い遮光性を有した部材である。遮光帯211〜214は、第2の平面鏡132の回転(傾き)による照射位置の変更と、照射範囲変更部160による照射範囲の変更に応じて、原版Mに沿って移動可能であり、不図示の制御部により駆動制御されている。
【0035】
露光テーブル300は、基板Kを吸着保持し、原版Mと基板Kとの位置整合(アライメント)動作を行う部分である。不図示のカメラなどを用いた位置検出手段により、原版Mと基板Kとの位置ずれを検出し、この位置ずれがなくなる位置に露光テーブル300が移動するようになっている。本実施形態における露光テーブル300は、面内方向の直交する2軸方向に移動可能であるとともに、面内の回転も行うことができる。また、露光テーブル300による位置整合は、露光領域毎に、露光を行う前に行われる。
【0036】
次に、凹レンズ140、インテグレータ150及び照射範囲変更部160まわりについて、さらに詳しく説明する。
図2は、インテグレータ150の分解斜視図である。
インテグレータ150は、第1レンズアレイ151,第2レンズアレイ152,遮光壁153を有している。
本実施形態では、第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152は、いずれも14×14mmの正方形単位凸レンズを5×5個並べたフライアイレンズで構成されているが、この個数及び寸法については特に、これにこだわるものではない。これらのレンズは、互いに単位レンズが1対1で対応し、各単位レンズの光軸が一致するように配置されている。
遮光壁153は、第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152の間に設けられており、第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152の各単位レンズ同士の境界部分にあって、単位レンズの光軸方向における投影形状に略等しい形状の光路を仕切る部材である。具体的には、図2に示すように、14×14mmの正方形の光路を格子状(5×5個)に形成するようになっている。
【0037】
図3は、インテグレータ150の作用を説明する概念図である。
インテグレータ150に入射した照射光は、インテグレータ150から射出される時に単位レンズ毎に射出されることになり、露光面を25個の光源により重畳照射することから、露光面での光強度分布(照度分布)が均一になる。
【0038】
図4は、インテグレータ150から射出された照射光の露光面における光強度分布を模式的に示した図である。図4(a)は、露光面を正面から見たと仮定した図であり、図4(b)は、照射光が重畳される方向をz軸方向として示した図である。
インテグレータ150から射出された照射光は、略正方形の範囲を照射する光束が5×5個整然と並んで露光面を照射するので、図4に示したような光強度分布を示し、図4中に斜線により示した領域Aにおいて光強度がほぼ均一になっている。本実施形態における露光装置では、この領域Aに相当する部分を露光に使用し、そのまわりに生じる光強度が不均一な領域については、遮光帯211〜214により遮光するようになっている。
【0039】
図5は、第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152のみからなるインテグレータを想定し、このインテグレータが光源110からの照射光を受けたときに、インテグレータの光路露光テーブル側から観察した状態を示す模式図であって、ひとつの単位レンズに入射する光についてのみ着目して示した図である。図5(a)は、照射光の光路を側面から観察した図であり、図5(b)は、第2レンズアレイ152の、ある単位レンズに入射した照射光を光路露光テーブル側から見た図である。なお、図5及び後述の図6〜9及び図17は、説明のために誇張し、かつ、簡略化して示した図であり、寸法、光路などは、実施形態とは異なっている。
【0040】
上述したように、理想的には、インテグレータ150を用いる事により均一な照射光により露光を行うことができる。しかし、光源110から射出される照射光は、全ての光が整合されて理想的に射出されるわけではなく、狙いとする方向とは異なる方向に射出される光も含んでいる。従って、図5(b)に示すように、第1レンズアレイ151のある単位レンズを通過した照射光は、第2レンズアレイ152の中の対応する単位レンズのまわりの単位レンズにも入射してしまう。この場合、対応する単位レンズ以外の単位レンズに入射した光は、本来の狙い通りには制御することができず、いわゆる迷光となってしまい、露光領域外に広がってしまうこととなる。
【0041】
本実施形態における露光装置は、遮光帯211〜214の幅を狭くすることにより、遮光帯211〜214の退避スペースを少なくし、装置の小型化を達成している。従って、遮光帯211〜214に遮光される部分以外に照射光が到達すると、基板Kが感光してしまい、不良となってしまうおそれがある。そこで、本実施形態における露光装置では、これら迷光を排除するために、以下に示す対策を講じている。
【0042】
(対策1:光源絞り120)
図6は、図5に示した光学系に光源絞り120を追加した場合を示す図である。
光源110は、光路露光テーブル側から見ると円形であることから、照射光の投影形状も円形となる。一方、基板Kは、四角形であり、これに合わせてインテグレータ150の第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152の各単位レンズは、光軸方向から見ると正方形をしている。このため、光源110に光源絞り120を取り付けない場合には、インテグレータ150との位置関係や、第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152の単位レンズの焦点距離等を最適な値にしても、単位レンズ毎に着目すると、第2レンズアレイに入射する光束は円錐状となり、上述の迷光が非常に多くなってしまう。光源絞り120はこれをできるだけ少なくする目的から使用されるものであり、光源110から射出される照射光の外周部分を、単位レンズに合わせて正方形に遮光することにより、前記の迷光を減少させる役割を果たしている。
ただし、光源絞り120が遮光する部分をあまり多くすると、照射光の光量が減少しすぎるので、光源絞り120の開口面積は、できる限り大きくすることが望ましい。図6に示した形態では、第2レンズアレイ152に入射した照射光は、単位レンズ形状と略相似形状となっているが、光源絞り120の開口面積を大きくした結果、まだ不必要に広がっている部分が残っている。
【0043】
(対策2:凹レンズ140)
図7は、図6に示した光学系に凹レンズ140を追加した場合を示す図である。
凹レンズ140は、図6において、光源絞り120の開口面積を大きくした結果、まだ不必要に広がっていた照射光を集光して、単位レンズ毎に、第2レンズアレイ152に入射する照射光を単位レンズのサイズにほぼ等しくする役割を果たしている。なお、この凹レンズ140を設けることなく、インテグレータ150の第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152の各単位レンズの焦点距離、レンズ間隔等を適宜調整することにより、同様の作用を得ることもできる。しかし、インテグレータ150を新たに作製すると、他製品との部品共通化、製造コスト等の点において、不利となる場合もあり、本実施形態では、凹レンズ140を追加する構成を選択している。
【0044】
(対策3:遮光壁153)
図8は、インテグレータ150が有する遮光壁153と、第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152の単位レンズ同士の接合部分について説明する図である。
遮光壁153は、第1レンズアレイ151のある単位レンズを通過した照射光の中で、第2レンズアレイ152の対応する単位レンズ以外の領域に入って来る光を遮る役割を果たしている〔図8(a)〕。
【0045】
(対策4:黒色ガラスによる単位レンズ同士の接合)
インテグレータ150の第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152は、単位レンズ同士を5×5個ずつ並べて接合して形成している。この接合は、ガラスを融着することにより行われるが、接合部分に透明なガラスを使用した通常のレンズアレイでは、単位レンズ同士の接合面における反射、隣の単位レンズへの再入射等が生じ、迷光として射出されるおそれがある。本実施形態では、単位レンズ同士の接合に、遮光性を有する黒色ガラスを使用することにより、上述の迷光を防止している〔図8(b)〕。
なお、後述のシリンドリカル凹レンズ161,凹レンズアレイ163についても、同様の対策を施すことにより、迷光をより減衰させることが可能になる。
【0046】
図9は、上記対策1〜4を全て実施した場合の本実施形態の光源110〜インテグレータ150について示した図である。なお、図9では、第1の平面鏡131を省略している。
本実施形態では、上述の対策により、単位レンズ毎に、ほぼ理想的に照射光を射出することから、インテグレータ150を通過した照射光は、迷光も極めて少なく、かつ、光強度も強い、図4に示されるような、理想的な光強度分布になっている。
【0047】
図10は、照射範囲変更部160の斜視図である。
図11は、照射範囲変更部160とインテグレータ150との位置関係を示す図である。
照射範囲変更部160は、シリンドリカル凹レンズ161,通過孔162,凹レンズアレイ163を並べて有しており、これらの並べられている方向(矢印E方向)に移動可能に設けられている。
【0048】
シリンドリカル凹レンズ161は、両側凹形状のシリンドリカルレンズを5つ並べた光学素子(レンチキュラーレンズ)であり、照射光の照射範囲を一辺方向に拡大する第1の照射範囲変更光学系である。
通過孔162は、単なる貫通孔であり、インテグレータ150を通過した光に、なんら影響を与えない。
凹レンズアレイ163は、両側凹レンズの単位レンズを5×5個並べたレンズアレイであり、照射光の照射範囲を両辺方向に拡大する第2の照射範囲変更光学系である。
照射範囲変更部160を矢印E方向に移動することにより、インテグレータ150を通過した照射光の照射範囲を変更するか否か、及び、変更の形態を選択することができ、露光テーブル300上の基板Kに対する照射面積を必要に応じて変更することができる。
【0049】
図12は、インテグレータ150と照射範囲変更部160との組み合わせにより照射範囲を変更した場合についてを、列挙した概念図である。
図13は、基板K上における照射範囲の変更形態を示した図である。
図14は、第2の平面鏡132の角度を変更して照射領域を移動した状態を示す概念図である。
本実施形態では、照射範囲変更部160により照射範囲を、小範囲、中範囲、全範囲の3種類から選択することができ、小範囲及び中範囲を選択した場合には、さらに照射位置を選択することができる。
【0050】
(1)小範囲の照射範囲
本実施形態における小範囲とは、基板の略1/4の面積の露光範囲を照射する場合であり、図12(a),図13(a)〜(d)に示した場合の露光範囲である。この場合、照射範囲変更部160は、通過孔162を照射光が通過する位置になるように設定され、インテグレータ150から射出された光は、照射範囲変更部160により拡大縮小されることなく、基板Kに到達する。
【0051】
(2)中範囲の照射範囲
本実施形態における中範囲とは、基板の略1/2の面積の露光範囲を照射する場合であり、図12(b),(c),図13(e)〜(g)に示した場合の露光範囲である。この場合、照射範囲変更部160は、シリンドリカル凹レンズ161を照射光が通過する位置になるように設定され、インテグレータ150から射出された光は、シリンドリカル凹レンズ161により一辺方向についてのみ拡大されて、照射範囲を長方形とする。なお、シリンドリカル凹レンズ161の取り付け方向を基本の位置〔図12(b)〕に対し、90度回転した位置〔図12(c)〕とすることで、照射範囲を図13(g)のように90度回転することができる。
小範囲及び中範囲を照射する場合には、図14(b),(c)に示すように、第2の平面鏡132の角度を変更することにより、照射位置を移動することができる。
【0052】
(3)全範囲の照射範囲
本実施形態における全範囲とは、基板の全ての面積の露光範囲を照射する場合であり、図12(d),図13(h)に示した場合の露光範囲である。この場合、照射範囲変更部160は、凹レンズアレイ163を照射光が通過する位置になるように設定され、インテグレータ150から射出された光は、凹レンズアレイ163により両辺方向に拡大されて、照射範囲を全範囲とする。
【0053】
図15は、照射位置の移動に応じた遮光帯211〜214の遮光位置を示す図である。
上述の光源110〜インテグレータ150まわりの各種対策により、照射光は、照射領域以外に殆ど広がらないので、露光を行わない領域全面を遮光する必要がなくなり、幅の狭い遮光帯とすることができ、遮光帯が退避するスペースも少なくなり、装置全体を小型にすることができる。
なお、図15では、遮光帯の幅を広めに示しているが、この図よりも幅を狭くすることができる。
【0054】
本実施形態によれば、基板の領域を必要に応じて簡単に分割して露光することができるので、生産効率を落とすことなく精度が高い露光をすることができる。
また、露光領域の移動は、第2の平面鏡132の角度を変更することにより行うので、構造が簡単で、小型な分割露光装置とすることができる。
さらに、光源絞り120,凹レンズ140,遮光壁153,黒色ガラスによる単位レンズ同士の接合などを行うことにより、照射光が照射領域以外を照射しないようにしたので、遮光帯211〜214の幅を狭くすることができ、装置をさらに小型にすることができる。
【0055】
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態における分割露光装置に、光束形状補正部200を追加した形態であるので、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図16は、本発明による分割露光装置の第2実施形態の全体を示す図である。
光束形状補正部200は、インテグレータ150,照射範囲変更部160及び照射絞り170をまとめて照射光束の光軸を略中心として回転させる部分である。
【0056】
照射手段100は、基盤K上に照射される形状が狙いの形状となるように、光学的に最適な配置とすることが望ましいが、装置全体を小型化したい場合などには、光学的観点からすると必ずしも最適と言えないが、小型化に適した配置とする場合がある。このような場合、第2の平面鏡132を回転させることによって基板K上の照射位置を変更させたときに、照射光の形状に若干の歪みが発生する場合がある。光束形状補正部200は、このような場合に設けられるものであり、照射光の歪みを補正し、この形状を、必要とする露光領域の形状に略相似な形状とするための機構である。
【0057】
本実施形態では、照射位置の移動は第1実施形態と同様に、第2の平面鏡132の角度を変更することにより実現されるが、図12(a),(c)及び図13(a),(d),(g)で示されるような、小範囲又は中範囲を照射する場合で、第2の平面鏡132の角度変更方向を照射光の入射方向と異なる方向に傾斜させる必要が有る場合には、第1,第2の平面鏡131,132及び最終反射部190の配置関係の影響から、結果として、照射光束にも若干の回転が発生するため、照射光の断面形状も若干歪んでしまう。このため、このままでは、露光領域も図13とは若干異なった歪みの有る形状となってしまう。
光束形状補正部200は、この形状歪みを減少させる目的で設けられている機能であり、インテグレータ150,照射範囲変更部160及び照射絞り170を、一括して回転させることができる。
【0058】
図17は、照射位置を移動したときに、露光面に照射される光束の形状と、光束形状補正部200の効果を示す図である。
図17(a)は、基板面センタを中心とする小さな露光範囲を選択した場合であり、このような場合は、照射光束も図13(b)の露光領域に略相似な形状となり、特に補正の必要性は発生しない。
【0059】
これに対し、図17(b)は、第2の平面鏡132を図17(a)の基準位置から図の手前側及び右側に同時に傾斜させた場合の例であり、図13(a)における露光領域Dを選択した場合に対応しているが、このような場合の照射光束の形状は、図13(a)に対し若干歪みを持ったものとなってしまう。
【0060】
図17(c)は上記(b)に対し光束形状補正部200を機能させた場合の例であり、第2の平面鏡132の傾斜角度に略比例した角度だけインテグレータ150を回転させることによって、第2の平面鏡からの反射光束形状も図17(a)の場合とほぼ同様の形状に補正されるため、必要とする露光領域の形状に略相似な形状による露光が可能となる。
基板Kの中範囲を照射する場合についても全く同様の形状歪みが発生するため、照射範囲変更部160及び照射絞り170についても、インテグレータ150と一緒に、一括して回転させる事が可能な構成を採用している。
【0061】
本実施形態によれば、光束形状補正部200を備えたので、第1,第2の平面鏡131,132及び最終反射部190の配置関係によらず、照射形状を狙い通りの形状とすることができる。したがって、レイアウトの自由度が増し、装置全体の小型化を図ることが可能となる。
【0062】
(第3実施形態)
図18は、本発明による分割露光装置の第3実施形態の全体を示す図である。
第3実施形態は、第1実施形態における最終反射部190を、角度変更(回転)可能な最終反射部192とした形態であるので、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
最終反射部192は、図18に示すX軸周り、及び、Y軸周りそれぞれに独立して回転可能に設けられている。
【0063】
最終反射部192から基板Kへ反射する光は、全領域において、基板Kに対して垂直に投光されるのが望ましい。しかし、光源110から出射する方向がそろっておらず、また、光を斜めに複数回反射させることなどから、全ての領域において理想的に投光することは、困難である。したがって、例えば、全面露光する場合〔図15(h)〕に、露光領域の中央付近を最適化して投光光学系を設定すると、露光領域の端部付近では、基板Kの垂線に対して若干の角度を有して投光される(以下、角度エラーと呼ぶ)ようになる。一方、同じ投光光学系の設定であっても、露光領域を例えば1/4の領域とした場合〔図15(a)〕には、最終反射部192の中央部に対応する角付近では、ほぼ理想的に投光され、その対角付近において、角度エラーが最も大きくなる。この場合、この1/4の領域に最適な投光光学系を設定することにより、角度エラーをより少なくすることができる。
【0064】
そこで、本実施形態では、最終反射部192をX軸周り、及び、Y軸周りそれぞれに独立して回転可能に設け、露光領域の変更に応じて、最適な投光角度で投光されるようにしている。このようにすることにより、狭い露光領域を露光する場合には、角度エラーをより少なくすることができる。
【0065】
(第4実施形態)
第4実施形態は、第1実施形態におけるインテグレータ150と露光テーブル300との間に、集光レンズ400を追加した形態であるので、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0066】
図19は、第4実施形態における集光レンズ400の作用を説明する概念図である。
集光レンズ400は、単位レンズから出射される単位照射光の基板K上での照射領域が略同一位置で重なるように集光する集光光学系である。集光レンズ400の焦点距離は、集光レンズ400を設けた位置から露光面までの距離と略等しくなっている。従って、インテグレータ150の各単位レンズから射出した光は、露光面上のほぼ同じ位置に投光される。
なお、集光レンズ400の位置は、インテグレータ150と最終反射部(190,192)との間であればよいが、あまり最終反射部に近くなると、巨大な集光レンズが必要となるので、本実施形態では、インテグレータ150の直後に設けている。ただし、図19は、説明のため誇張しているので、位置関係は不正確である。
【0067】
図20は、インテグレータ150及び集光レンズ400を通過した照射光の露光面における光強度分布を、集光レンズ400を設けない場合と比較して、模式的に示した図である。
【0068】
図20(a),(b)は、第1実施形態の図4に示したものと同じ図であり、集光レンズ400を設けていないので、領域Aにおいては、光強度がほぼ均一となるが、その周囲の照射領域は、段階的に照度が低下していることから、露光に使用することができず、無駄が多い。
【0069】
図20(c),(d)は、図20(a),(b)と同じ光学系に、集光レンズ400を追加した場合を示す図である。この場合、図20(b),(d)のZ軸方向に示す照度L1は変わらないが、光強度がほぼ均一となる領域Bの面積が、領域Aよりも広がっている。このように、集光レンズ400を追加することにより、単位レンズの場合とほぼ同じ面積の照射領域が全て均一な照度となり、露光に使用することができる領域の面積が相対的に増加する。
【0070】
また、図20(e),(f)に示すように、集光レンズ400を追加した場合には、照射面積が領域Aと同一となるように光学系を設定することにより、光強度がほぼ均一となる領域Cの照度をさらに高く(L1+L2)することができる。
【0071】
ここで、一例として、400×400mmの領域を露光に使用したい場合を考える。
第1実施形態に示した方式では、第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152は、いずれも14×14mmの正方形単位凸レンズを5×5個並べたフライアイレンズであるから、単位レンズが照射する領域を考えると、456×456mm(=207936mm )の照射領域を照射するようにして、単位レンズの照射領域の内の全てが重なった部分で、光強度がほぼ均一となった400×400mmの領域だけを露光に使用することとなる。
【0072】
一方、本実施形態のように、集光レンズ400を追加した場合には、各単位レンズ毎で考えると、400×400mm(=160000mm )の必要な照射領域だけを照射すればよい。従って、各単位レンズが照射している領域は、(207936−160000)/207936×100%=23%減少することとなる。このため、捨てていた光を有効に利用することになり、照度を、(207936−160000)/160000×100%=30%増加させることができる。
【0073】
本実施形態によれば、集光レンズ400を追加したので、無駄になる光を有効に集めることができ、同一面積を露光する場合には、照度を増加することができる。
【0074】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)各実施形態において、最終反射部190は、球面鏡である例を示したが、これに限らず、例えば、放物面鏡であってもよいし、平面鏡であってもよい。
【0075】
(2)各実施形態において、光源絞り120,凹レンズ140,遮光壁153,黒色ガラスによる単位レンズ同士の接合,照射絞り170及び光束形状補正部200を設けた例を示したが、これに限らず、例えば、これらの一部のみを設けるようにしてもよい。
【0076】
(3)各実施形態において、第2の平面鏡132は、直交する2つの回転軸のまわりに回転可能に設けられている例を示したが、これに限らず、例えば、上記回転に加えて照射光の光路に沿って移動可能にし、反射方向のズレは第2の平面鏡132の角度を再設定することとしてもよい。このようにすることにより、小範囲及び中範囲を選択した場合の、照射位置の変更による光路長の違いを補正することができ、最終反射部190から反射される照射光の平行度を高めることが可能となる。
【0077】
(4)各実施形態において、照射範囲変更部160は、シリンドリカル凹レンズ161,通過孔162,凹レンズアレイ163を適宜選択することにより、照射光の照射範囲を変更する例を示したが、これに限らず、例えば、第1レンズアレイ151,第2レンズアレイ152,シリンドリカル凹レンズ161,凹レンズアレイ163等の各レンズ間隔を変更することにより照射する光の照射範囲を変更するようにしてもよい。
【0078】
(5)各実施形態において、照射範囲変更部160は、シリンドリカル凹レンズ161,通過孔162,凹レンズアレイ163を適宜選択することにより、照射光の照射範囲を変更する例を示したが、これに限らず、例えば、必要とする3種類の露光領域の形状のそれぞれに略相似な形状を持った、焦点距離の異なる3種類の単位レンズを複数枚使って作られているレンズアレイをそれぞれ2枚ずつ用意し、これら2枚1組のレンズアレイをそれぞれの焦点距離に略近似した間隔で照射範囲変更部160に内蔵させるとともに、前記実施例で示した第1レンズアレイ151,第2レンズアレイ152は取り外し、これらの代わりに、上記の照射範囲変更部160に内蔵させた3組のレンズアレイを、3種類の異なる露光領域に対応した、第1レンズアレイ,第2レンズアレイとして置き換えても良い。このように構成された照射範囲変更部160を適宜選択することにより、照射する光の照射範囲を変更するようにしてもよい。
【0079】
(6)第2実施形態において、光束形状補正部200は、インテグレータ150,照射範囲変更部160,照射絞り170を一括して回転させる機能を持ち、これにより照射位置変更部132の角度変更によって発生してしまう照射光の形状歪みを補正する例を示したが、これに限らず、例えば、これらの一部のみを回転させる機構にしてもよい。また、光源絞り120についても、光束形状補正部200の回転角に同期させて動かすようにしてもよい。
【0080】
(7)各実施形態において、インテグレータ150の第1レンズアレイ151、第2レンズアレイ152、シリンドリカル凹レンズ161及び凹レンズアレイ163は、単位レンズ同士の接合に、黒色ガラスを使用することにより迷光を防止している例を示したが、これに限らず、例えば、遮光性を有する黒色の接着剤により接合してもよい。
【0081】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)照射手段は、照射する光の照射位置を露光領域に応じて変更する照射位置変更部を備えるので、必要な位置のみを露光することができる。
【0082】
(2)照射位置変更部は、中間反射部の角度を変更することにより、照射位置を変更するので、照射位置変更部を簡単な構造とすることができる。
【0083】
(3)中間反射部は、インテグレータを通過した後の光を反射する位置に設けられているので、照射位置の変更に応じてインテグレータを移動する必要がなく、装置を簡単にすることができる。
【0084】
(4)最終反射部は、中間反射部の角度変更に伴い光源からの光の光路が移動する範囲を鏡面領域に含むので、照射位置の変更に応じて最終反射部を移動する必要がなく、装置を簡単にすることができる。
【0085】
(5)照射手段は、照射する光の照射範囲を露光領域に応じて拡大及び/又は縮小する照射範囲変更部を備えるので、様々な大きさの露光領域に対応した分割露光を行うことができる。
【0086】
(6)照射範囲変更部は、複数のレンズアレイの間隔の変更,照射範囲変更光学系の使用,インテグレータの交換のいずれかの手法により、照射する光の照射範囲を変更するので、簡単かつ確実に照射範囲の変更を行うことができる。
【0087】
(7)照射範囲変更光学系は、インテグレータを通過した光の光軸上に進退自在に設けられているので、照射範囲変更光学系を容易に交換することができる。
【0088】
(8)光源絞り,凹レンズ,遮光壁,隣り合う単位レンズが略黒色の素材により接合されたレンズアレイ,照射絞り,光束形状補正部の中のいずれかを有するので、必要な照射領域以外に照射される光を少なくすることができ、幅の狭い遮光帯を使用することができる。
【0089】
(9)光束形状補正部を有するので、各種光学素子の配置を変更しても、照射光束の形状を狙い通りにすることができる。したがって、設計の自由度が増し、装置全体を小型化することができる。
【0090】
(10)露光領域の境界付近のみを遮光する遮光帯を備えるので、装置を小型にすることができる。
【0091】
(11)最終反射部は、照射位置変更部の動作に応じて角度を変更することができるので、露光領域毎に最適な投光光路を形成することができ、角度エラーを最小限にすることができる。
【0092】
(12)複数のレンズアレイから出射される単位照射光の基板上での照射領域が略同一位置で重なるように集光する集光光学系を備えるので、無駄にする光を無くし、効率よく露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による分割露光装置の第1実施形態の全体を示す図である。
【図2】インテグレータ150の分解斜視図である。
【図3】インテグレータ150の作用を説明する概念図である。
【図4】インテグレータ150から射出された照射光の露光面における光強度分布を模式的に示した図である。
【図5】第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152のみからなるインテグレータのひとつの単位レンズに入射する光についてのみ着目して示した図である。
【図6】図5に示した光学系に光源絞り120を追加した場合を示す図である。
【図7】図6に示した光学系に凹レンズ140を追加した場合を示す図である。
【図8】インテグレータ150が有する遮光壁153と、第1レンズアレイ151及び第2レンズアレイ152の単位レンズ同士の接合部分について説明する図である。
【図9】本実施形態の光源110〜インテグレータ150について示した図である。
【図10】照射範囲変更部160の斜視図である。
【図11】照射範囲変更部160とインテグレータ150との位置関係を示す図である。
【図12】インテグレータ150と照射範囲変更部160との組み合わせにより照射範囲を変更した場合についてを、列挙した概念図である。
【図13】基板K上における照射範囲の変更形態を示した図である。
【図14】第2の平面鏡132の角度を変更して照射領域を移動した状態を示す概念図である。
【図15】照射位置の移動に応じた遮光帯211〜214の遮光位置を示す図である。
【図16】本発明による分割露光装置の第2実施形態の全体を示す図である。
【図17】照射位置を移動したときに、露光面に照射される光束の形状と、光束形状補正部200の効果を示す図である。
【図18】本発明による分割露光装置の第3実施形態の全体を示す図である。
【図19】第4実施形態における集光レンズ400の作用を説明する概念図である。
【図20】インテグレータ150及び集光レンズ400を通過した照射光の露光面における光強度分布を、集光レンズ400を設けない場合と比較して、模式的に示した図である。
【符号の説明】
100 照射手段
110 光源
120 光源絞り
131,132 中間反射部(第1の平面鏡,第2の平面鏡)
140 凹レンズ
150 インテグレータ
160 照射範囲変更部
170 照射絞り
180 シャッタ
190,192 最終反射部
200 光束形状補正部
211〜214 遮光帯
300 露光テーブル
400 集光レンズ

Claims (19)

  1. 基板上を複数の露光領域に分割して、前記基板に投影するパターンを備えた原版を前記基板に近接又は密着して前記露光領域毎に露光を行う分割露光装置であって、
    前記基板を保持する露光テーブルと、
    前記露光領域に略対応した範囲に光を照射する照射手段と、
    を備え、
    前記照射手段は、照射する光の照射位置を前記露光領域に応じて変更する照射位置変更部を備えること、
    を特徴とする分割露光装置。
  2. 請求項1に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光を反射する中間反射部と、
    前記中間反射部により反射された光を反射して、前記基板に対して光を照射する凹面鏡又は平面鏡により形成された最終反射部と、
    を備え、
    前記照射位置変更部は、前記中間反射部の角度を変更することにより、前記照射位置を変更すること、
    を特徴とする分割露光装置。
  3. 請求項2に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイを有するインテグレータをさらに備え、
    前記中間反射部は、前記インテグレータを通過した後の光を反射する位置に設けられていること、
    を特徴とする分割露光装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の分割露光装置において、
    前記最終反射部は、前記中間反射部の角度変更に伴い前記光源からの光の光路が移動する範囲を鏡面領域に含むこと、
    を特徴とする分割露光装置。
  5. 請求項1に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、照射する光の照射範囲を前記露光領域に応じて拡大及び/又は縮小する照射範囲変更部を備えること、
    を特徴とする分割露光装置。
  6. 請求項5に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイを有するインテグレータと、
    を備え、
    前記照射範囲変更部は、前記複数のレンズアレイの間隔を変更することにより照射する光の照射範囲を変更すること、
    を特徴とする分割露光装置。
  7. 請求項5に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイを有するインテグレータと、
    を備え、
    前記照射範囲変更部は、前記インテグレータを通過した光を拡大及び/又は縮小する照射範囲変更光学系により照射範囲を変更すること、
    を特徴とする分割露光装置。
  8. 請求項7に記載の分割露光装置において、
    前記照射範囲変更光学系は、前記インテグレータを通過した光の光軸上に進退自在に設けられていること、
    を特徴とする分割露光装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の分割露光装置において、
    前記照射範囲変更部は、前記複数のレンズアレイ及び/又は前記照射範囲変更光学系の間隔を変更することにより照射する光の照射範囲を変更すること、
    を特徴とする分割露光装置。
  10. 請求項5に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイを有するインテグレータと、
    を備え、
    前記照射範囲変更部は、前記インテグレータを交換することにより、照射する光の照射範囲を変更すること、
    を特徴とする分割露光装置。
  11. 請求項1に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイを有するインテグレータと、
    を備え、
    前記光源と前記インテグレータとの間に、前記光源から照射される光の一部を遮光し、前記光の投影形状を前記レンズアレイが有する単位レンズの光軸方向における投影形状に略相似な形状とする光源絞りを有すること、
    を特徴とする分割露光装置。
  12. 請求項1に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイを有するインテグレータと、
    を備え、
    前記光源と前記インテグレータとの間に、凹レンズを設けること、
    を特徴とする分割露光装置。
  13. 請求項1に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイを有するインテグレータと、
    を備え、
    前記複数のレンズアレイは、単位レンズの光軸方向における投影形状が互いに略等しい形状であって、
    前記複数のレンズアレイの間に、前記単位レンズ毎に前記投影形状に略等しい形状の光路を仕切る遮光壁を設けること、
    を特徴とする分割露光装置。
  14. 請求項1に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光の光路中に設けられた複数のレンズアレイと、
    を備え、
    前記レンズアレイは、隣り合う単位レンズが略黒色の遮光性を有する素材により接合されていること、
    を特徴とする分割露光装置。
  15. 請求項1に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイを有するインテグレータと、
    を備え、
    前記インテグレータから射出された光の一部を遮光し、前記光の投影形状を前記露光領域の形状に略相似な形状とする照射絞りを有すること、
    を特徴とする分割露光装置。
  16. 請求項1に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、その光学的構成要素の少なくとも一部を照射光路の光軸を略中心として回転させ、照射する光束の形状を補正する光束形状補正部を有すること、
    を特徴とする分割露光装置。
  17. 請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載の分割露光装置において、
    前記基板と前記照射手段との間にあって、前記照射位置及び/又は前記照射範囲の変更に応じて、前記基板に沿って移動可能に設けられ、前記露光領域の境界付近のみを遮光する遮光帯を少なくとも1つ備えること、
    を特徴とする分割露光装置。
  18. 請求項2に記載の分割露光装置において、
    前記最終反射部は、前記照射位置変更部の動作に応じて角度を変更することができること、
    を特徴とする分割露光装置。
  19. 請求項1に記載の分割露光装置において、
    前記照射手段は、光源と、
    前記光源からの光の光強度を均一化する複数のレンズアレイを有するインテグレータと、
    前記複数のレンズアレイから出射される単位照射光の前記基板上での照射領域が略同一位置で重なるように集光する集光光学系と、
    を備えること、
    を特徴とする分割露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010287806A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Nikon Corp オプティカルインテグレータ、照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法

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