JP2004054182A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】搬送される記録材13の後端を検出する手段48を有し、この記録材の後端を検出する手段48により、前記電圧印加手段52〜54の出力を切り替えるタイミングを決定することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は記録材(紙等の記録媒体)上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【0002】
より詳しくは、定着ニップ部を形成する第1と第2の定着部材を有し、未定着トナー像を静電的に担持している記録材を前記定着ニップ部で挟持搬送して未定着トナー像を記録材上に定着させる定着装置を備え、前記第1と第2の定着部材のいずれか一方、または、その定着ニップ近傍で、記録材の通過に合わせてバイアスを印加する電圧印加手段を有する画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、記録材上に画像を形成する画像形成方法として電子写真方式が広く用いられている。その一般的な方法は、光導電性物質を利用した感光体上に帯電、露光を行って電気的潜像を形成し、この潜像を着色されたトナーで現像し、紙などの記録材上に転写したあと記録材ごと加熱、加圧してトナーを記録材上に溶融固着させて定着画像を得るものである。そして、感光体上の残留トナーをクリーニングし、上述の工程を繰り返すものである。
【0004】
このような画像形成装置に使われる定着装置(定着器)として、内部に加熱源を有するローラやフィルム形状の熱定着手段と、この熱定着手段に加圧接触して定着ニップ部を形成し、記録材を搬送する弾性ローラの対が使用される。
【0005】
従来、定着装置におけるトナーオフセット問題を解決する手段として、熱定着手段の表面へシリコンオイルなどの離型剤をウエブ、パッド等により塗布したり、あるいは、オフセットしたトナーをクリーニング部材へ回収する手法がとられていた。
【0006】
しかし最近は、熱定着手段、弾性ローラのどちらか一方または双方に、バイアスを印加し、熱定着手段上へのトナーオフセットを防止する構成が普及している。すなわち、前記画像形成工程において、トナー像転写後の記録材はトナーと逆極性の電荷を帯びており、トナーは記録材上に静電的に保持されているが、この未定着トナー像の熱定着手段へのオフセットを防止するには、定着工程においてトナーを記録材に押しつける向きの電位差を発生させることが有効な手段となる。その結果、クリーニング部材が不要になり、定着装置の小型、低コスト化が図れる上、ユーザーがクリーニング部材を定期的に交換するといった手間も省けるようになる。
【0007】
定着装置にバイアスを印加する方法としては、主に次の二つの方式がある。
【0008】
A)一つは、熱定着手段側は表面にトナーと同極性の電位を誘起させ、一方、熱定着手段に圧接する弾性ローラ側は、導電性ゴムを用いたローラ芯金にダイオードを介して接地し、電極効果によりトナーと同極性の電荷を除去する方式である。
【0009】
B)もう一つは、熱定着手段側の導電性基体は接地、もしくはトナーと同極性の弱バイアスを印加し、熱定着手段に圧接する弾性ローラ側は、表面を低抵抗離型層としてトナーと逆極性のバイアスを印加する方式である。
【0010】
前者A)は、表面離型層として絶縁のフッ素樹脂を使用できるので離型性が高く汚れにくいというメリットがある反面、記録材の種類や印字率により記録材の保持する電荷が異なり、表面の電位が安定しにくいという欠点がある。また、熱定着手段表面にリークサイトがあると、吸湿した記録材の場合、記録材を伝わって転写−定着間で電流が流れるため記録材のトナー保持電荷が消失し、後方飛び散りが発生する場合がある。
【0011】
一方後者B)は、記録材の裏からトナーを保持する電荷を供給できるため、記録材および定着部材表面の電位が安定し、オフセットが発生しにくいというメリットがある。
【0012】
ところで、前記のように定着装置にバイアスを印加する場合、記録材と熱定着手段が静電吸着しやすく、記録材が保持する電荷により、熱定着手段からの分離時に剥離帯電を引き起しやすいという欠点があった。
【0013】
この記録材による剥離帯電を防止するために、表面離型層よりも芯金を接着するプライマーを導電化して熱定着手段の静電容量を大きくするといった対策が施されている。
【0014】
また、熱定着手段としてフィルムを用いた場合には、特許第3126552号の公報に記載されているように、トナー像と接する離型層および、その下のプライマ−層を低抵抗化することが提案されている。
【0015】
さらに、前記のような構成に加え、分離時に記録材の電荷を除電することが有効な手段であることが知られている。
【0016】
その方法として、記録材が定着ニップにある間はバイアスを印加して、記録材後端が定着ニップに到達するタイミングに合わせて印加バイアスをオフすることが提案されている。
【0017】
また、定着装置のニップ近傍に配置された帯電部材にバイアスを印加して、記録材がくるタイミングに合わせて、記録材の裏からトナー保持電荷を供給する方法もある。
【0018】
従来、定着装置またはそのニップ近傍に配置された電圧印加手段の出力を切り替えるタイミングは、画像書き出し信号(VSYNC信号)を基準にして決められていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、記録材には裁断バラツキがあり、特に長尺紙ほどその許容寸法は大きくなる。一例を挙げると、ISO216により定められた用紙寸法の許容差は、寸法が150mmを超え600mm以下である定型紙の場合には±2.0mmが許容されている。
【0020】
このように記録材の称呼寸法に対しズレが生じると、次のような不具合が発生する。
【0021】
記録材後端が定着ニップに到達するタイミングに合わせて印加バイアスをオフする装置を例に説明する。
【0022】
記録材の長さ(搬送方向長さ)が称呼寸法よりも短くなった場合には、記録材後端を除電するタイミングが遅れるため、熱定着手段としての定着ローラの表面が剥離帯電してしまう。その結果、定着ローラ一周後の記録材上の画像を乱したり、画像を剥ぎ取ってさらに定着ローラ一周後にオフセットを引き起こす、いわゆる「剥離オフセット」が発生する。
【0023】
逆に、記録材の長さが称呼寸法よりも長い場合には、記録材上の未定着トナーが溶融固着する前に、記録材裏のトナー保持電荷が消失するため、記録材後端部で「後方飛び散り」が発生してしまうという問題がある。
【0024】
また、両面プリントをおこなう場合には、記録材が1度定着装置を通過すると長さが縮むため、さらに記録材の寸法は変化することになる。
【0025】
特に、近年のように、不定形サイズの記録材を扱うことを可能にした画像形成装置では、ユーザーが画像形成装置のオペレーションパネルやパソコンから記録材サイズを入力し、その入力サイズに基づいて定着装置のバイアスタイミングが決定されるため、入力サイズと記録材の実寸法のズレが生じやすく、前記不具合が発生する可能性が高かった。
【0026】
さらに、転写ローラにより感光ドラム上のトナー像を記録材上に転写する装置では、文字の中抜けを防止するために感光ドラムよりも転写ローラの周速を早くしているため、印字条件により定着装置に送られた記録材後端の位置にズレが生じる。
【0027】
図9は、周速V1で回転駆動される感光ドラム1に対し、転写ローラ4を当接させて転写ニップ部Tを形成させ、転写ローラ4を感光ドラム1に対して周速差を設けて回転駆動させ、転写ニップ部Tに記録材19を導入して感光ドラム1面側のトナー像tを記録材19の面に静電転写させる系の概略構成図である。
【0028】
この場合、記録材19の搬送スピードV3は、感光ドラム1の周速V1と転写ローラ4の周速V2の中間になるが、感光ドラム1と記録材19の間にトナーtがあると、その摩擦力が減少するため、記録材19の搬送スピードV3は転写ローラ4の周速V2に近づく。
【0029】
その結果、感光ドラム1上の印字率が高い場合には記録材19の搬送スピードが速くなり、記録材19の長さが長いほど定着装置におけるバイアスタイミングと記録材後端のズレ量が大きくなるのである。
【0030】
以上のように、従来の方式では最適なバイアスタイミングに対し、定着装置に送られた記録材後端の位置が変動する要因が複数あり、前記画像不良を完全に防止することができなかった。
【0031】
本発明は上記のような問題点を解消すること、すなわち、定着装置の定着部材に、または定着ニップ部近傍で記録材の通過に合わせてバイアスを印加する画像形成装置において、剥離オフセットの防止と尾引き防止の両立を図り、常に高品位な画像が得られるようにすることを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0033】
(1)ニップ部を形成する第1と第2の定着部材を有し、未定着トナー像を静電的に担持している記録材を前記ニップ部で挟持搬送して未定着トナー像を記録材上に定着させる定着装置を備え、前記第1と第2の定着部材のいずれか一方、または、そのニップ近傍で、記録材の通過に合わせてバイアスを印加する電圧印加手段を有する画像形成装置において、
搬送される記録材の後端を検出する手段を有し、この記録材の後端を検出する手段により、前記電圧印加手段の出力を切り替えるタイミングを決定することを特徴とする画像形成装置。
【0034】
(2)像担持体上のトナー像を静電的に記録材に転写する転写回転体と、記録材上の未定着トナー像を定着回転体と加圧回転体で形成されるニップ部で記録材上に溶融定着する定着装置とを備え、前記定着回転体と加圧回転体のいずれか一方、または、そのニップ近傍で、記録材の通過に合わせてバイアスを印加する電圧印加手段を有する画像形成装置において、
搬送される記録材の後端を検出する手段を有し、この記録材の後端を検出する手段により、前記電圧印加手段の出力を切り替えるタイミングを決定することを特徴とする画像形成装置。
【0035】
(3)前記記録材の後端を検出する手段とは、給紙部から定着装置までの記録材搬送部に配置されたセンサであることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成装置。
【0036】
(4)前記センサとはセンサフラグであることを特徴とする(3)に記載の画像形成装置。
【0037】
(5)前記センサとは光学式センサであることを特徴とする(3)に記載の画像形成装置。
【0038】
(6)前記記録材の後端を検出する手段とは、転写回転体に印加する転写バイアスを記録材の長さを超えて印加したときの電流変化を検出しておこなうことを特徴とする(2)から(5)の何れかに記載の画像形成装置。
【0039】
(7)前記記録材の後端を検出する手段とは、転写回転体に印加する転写バイアスを記録材の長さを超えて印加したときの電圧変化を検出しておこなうことを特徴とする(2)から(5)の何れかに記載の画像形成装置。
【0040】
(作 用)
記録材の後端を検出し、その検出タイミングを基準に印加バイアスの出力を切り替えるように制御したので、記録材による定着装置の剥離帯電や後方飛び散りがトレードオフすることを防止でき、常に高品位な画像が得られる。
【0041】
記録材の後端を検出する手段は、給紙部から定着装置までの記録材搬送部に配置されたセンサを検出手段とすることで、記録材サイズのバラツキや、定着装置通過後の記録材の縮みによるタイミングのズレを補正することができる。
【0042】
前記センサは記録材搬送部に配置されたジャム検知用のセンサフラグでよい。あるいは、記録材搬送部に配置された紙とOHTを判別する光学式センサでもよい。
【0043】
また、記録材の後端を検出する手段とは、転写回転体に印加する転写バイアスを記録材の長さを超えて印加したときの電流変化を検出しておこなうことにより、転写手段として転写ローラを用いたときの記録材の搬送スピード変化によるタイミングのズレまで補正することができるので、ゼロエッジ(縁なし)プリントに対応できるようになる。さらに、記録材の後端を検出する手段として、転写回転体に印加する転写バイアスを記録材の長さを超えて印加したときの電圧変化を検出してもよい。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0045】
〈第1の実施例〉
図1は第1の実施例の画像形成装置の概略構成模式図である。本実施例の画像形成装置は、自動両面装置を備えた転写方式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンターである。なお、本レーザービームプリンターのプロセススピードVpは200mm/sである。
【0046】
(1)画像形成装置の全体的な概略構成
1は画像形成装置内に設置された、像担持体としての電子写真感光ドラムであり、その表面を一次帯電器29により均一に帯電し、露光装置28により像露光を行って、感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像器30によりトナー像として可視化される。一般に感光ドラム1の面を一次帯電器29により負極性の所定電位に一様に帯電処理し、イメージ露光と、ネガトナーを用いた反転現像とを組み合わせてトナー像を形成するものが多い。
【0047】
感光ドラム1での作像に同期して紙カセット36から記録材(紙、OHTなど)19が給紙ローラ25により取り出され、搬送ガイド34、搬送ローラ33、搬送ガイド32を経てレジストローラ対31a・13bに搬送される。
【0048】
レジストローラ対31a・13bは、記録材19が来るまで停止しており、このレジストローラ対31a・13bのニップ部Rに記録材19の先端が突き当たることにより、記録材19の斜行を補正する。
【0049】
レジストローラ対31a・13bの手前には、記録材19の搬送路内に配置されたセンサフラグ48があり、記録材19が到達したことを不図示のフォトカプラが遮光されることにより検出する。その後、レジストローラ対31a・13bは、感光ドラム1上へ画像を形成し始める書き出し信号(以下、VSYNC信号と呼ぶ)に合わせて回転を開始し、記録材19は転写ガイド14を経て感光ドラム1と転写回転体としての転写ローラ4で形成される転写ニップ部Tへと搬送される。転写ローラ4には不図示のバイアス電源からトナーの帯電極性とは逆極性の、本例ではプラスの転写バイアスが所定の制御タイミングにて印加され、これにより、感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写ニップ部Tで記録材19上に静電転写される。
【0050】
転写が終了した記録材19は、小径感光ドラムによる曲率分離と除電針8による静電分離の作用で、感光ドラム1の面から分離される。除電針8は、不図示のバイアス電源により転写バイアスの極性と逆の極性の電圧が印加されている。感光ドラム1から分離された記録材19は、搬送ガイド10を経て定着装置13へ搬送され、そこで未定着トナー像が定着されて固定画像となる。
【0051】
片面印字の場合には記録材19はフラッパ37により搬送ガイド38へ送られ排紙ローラ45により排紙トレイ46へ排出される。
【0052】
一方、両面印字のときは、定着を終了した記録材19は、フラッパ37により搬送ガイド39に搬送され、搬送ローラ40により一旦、搬送ガイド41方向に搬送された後、搬送ローラ40の逆回転により、記録材19が搬送ガイド42の方向へ搬送される。この工程で記録材19の表裏が反転される。
【0053】
表裏が反転した記録材19は、搬送ローラ43、搬送ガイド44を経て再び転写工程に付される。2回目の転写、定着工程が終了した記録材19は、フラッパ37により上方に搬送され、搬送ガイド38、排紙ローラ45を経て排紙トレイ46に排出される。47は機内を保護、防音する外装である。
【0054】
(2)レジストローラ対31a・13b
レジストローラ対31a・13bは、鉄、SUS等の金属上ローラ31a(φ14)と、芯金上にクロロプレンゴム、EPDM等のソリッドゴムを巻いた下ローラ31b(φ14)の対からなる。これらローラ対31a・13bで形成されるニップ部Rに記録材19を搬送して画像書き出し信号と同期をとる。レジストローラ対31a・13bの周速は、感光ドラム1の周速と同じに設定されている。
【0055】
(3)転写ローラ4
転写ローラ4は、芯金上にウレタン、EPDM、NBR等のゴムあるいはそれらを発砲させたスポンジ状の弾性層を被覆したローラφ17であり、感光ドラム1に対して所定の押圧力で当接させて所定幅の転写ニップ部Tを形成させてある。ローラ硬度40°以下(Asker−C硬度、500g荷重)のものが、転写時の文字中抜け、感光ドラム1の削れを防止する上で使用される。この弾性層にカーボンや金属微粉末を均一に分散し、体積抵抗率106〜109Ω・cmの中抵抗ローラとすることで、比較的高抵抗な記録材であっても良好な静電転写をおこなうことができる。体積抵抗率が106Ω・cmより小さくなると感光ドラム1へ過剰な電流が流れ感光ドラムへダメージを与えてしまい、逆に体積抵抗率が109Ω・cmより大きいと転写に必要な電流が不足して転写不良となる。
【0056】
したがって、転写ローラ4の抵抗値には前記最適値が存在する。このとき、転写ローラ4には芯金からその抵抗値に応じて、1kV〜6kVの適性な電圧が印加される。
【0057】
また、転写ローラ4は記録材19がOHTや厚紙等である場合に発生しやすい「中抜け」を防止するために、不図示のギヤを用いて周速(転写ローラ4の外径から計算される値)を感光ドラム1に対して105%〜120%と速く回転させている。これにより、実際の記録材搬送スピードは感光ドラム1に対して1%ほど速くなる。この記録材搬送スピードは、長尺記録材を通紙した場合でもレジストローラ対31a・13bとの間でブレなどの搬送不良が発生しない速さである。
【0058】
(4)定着装置13
本実施例における定着装置13はヒートローラタイプの装置である。すなわち、鉄、アルミ等のパイプ芯金の上に離型性のよいフッ素樹脂10〜50μmを被覆した、第1の定着部材(熱定着手段、定着回転体)としての定着ローラ50と、鉄、アルミ等の芯金上に弾性層としてシリコンゴム、あるいはスポンジゴムを、さらにその上に導電性フッ素樹脂10〜50μmを被覆した、第2の定着部材(加圧回転体)としての加圧ローラ51を有する。加圧ローラ51は所定の圧力で定着ローラ50に当接して幅8mmの定着ニップ部Nを形成する。また、定着ローラ50は、内部に加熱源であるハロゲンヒーターHを備え、不図示の温度検出手段によりローラ表面温度が略一定になるように温調されながら回転駆動する。なお、加圧ローラ51は従動回転である。
【0059】
駆動を受ける定着ローラ50の周速は、加熱時にほぼプロセススピードVpとなるようにローラの外径、ギヤが選択される。従って、定着ニップ部Nと転写ニップ部Tとの間で記録材19が過度に引っ張られることによるブレや、逆に、記録材が撓んで印字面が他の構成部品に強く接触することはない。
【0060】
(5)定着装置13に対する電圧オン−オフ制御
定着装置13に対する電圧オン−オフ制御について図2の模式図を用いて説明する。ここで、レジストローラ対31a・31bのニップ部Rから定着装置13の定着ニップ部Nまでの記録材搬送距離をL1、センサフラグ48の位置Sから定着装置13の定着ニップ部Nまでの記録材搬送距離をL1’とした。
【0061】
定着装置13の定着ニップ部Nに未定着トナー画像を担持した記録材19が搬送され、定着画像を形成し、定着ローラ50に当接した分離爪(不図示)によりローラ50から分離される。
【0062】
本実施例では、定着ローラ芯金を接地させ、加圧ローラ51の表面に表面抵抗が1×106Ω/□である低抵抗のPFAチューブを巻き、その非通紙部表面に給電部材を当接している。加圧ローラ51の表面には、高圧電源53から給電部材を介してトナーと逆極性のバイアス+600Vを印加している。52はバイアスのオン−オフ切り替えスイッチであり、記録材19が定着装置13に搬送されてくるタイミングに合わせて制御回路54でオン−オフ切り替え制御される。制御回路54は画像形成装置の動作を制御するCPUであり、バスライン54‘を介して信号が伝達される。
【0063】
バイアスをオンするタイミングは、VSYNC信号からレジストローラ対31a・31bが動き出すまでの時間分と記録材19がレジストローラ対31a・31bのニップ部Rから定着装置13の定着ニップ部Nまでに要する時間L1/Vp[秒]により決定される。
【0064】
次に、印加バイアスをオフするタイミングについて説明する。図3は、記録材19が定着ニップ部Nに侵入する様子を示したものである。
【0065】
(a)は時刻T=Taにおける状態を示したもので、図からわかるように、この状態では記録材後端の印字画像tは未だ定着ニップ部Nに達していない。しかし、T=Ta以後では、バイアスをオフしても「後方飛び散り」は発生しない。その理由は、図中Aで示した領域では記録材19は定着ローラ50のニップ接線に沿って搬送されるため、定着ローラ50から輻射熱を強く受け溶融するので、もはや記録材19のトナー保持電荷は必要ないのである。本実施例の場合、前記Aの長さは8mmである。
【0066】
(b)は、T=Taから時間が進んだ時刻T=Tbにおける記録材後端位置B(定着ニップ部Nの中心から4mm排紙側)を示したものであり、記録材後端が不図示の分離爪により定着ローラ50から離れる瞬間を表している。この時刻には、記録材19の電位は十分低下し定着ローラ50上が剥離帯電しないようにしておく必要がある。
【0067】
本発明者の検討では、記録材19の電位が+200V以下であれば剥離帯電しないことがわかった。
【0068】
また、印加バイアスをオフするときには定着装置と高圧回路のインピーダンスで決る立ち下げ時定数τの分だけ電圧降下時間は遅れる。本実施例の定着装置の時定数τは30msであった。
【0069】
従って、印加バイアスをオフする適正なタイミングは次のようになる。図4は、記録材19の電位とバイアスオフタイミングの関係を図示したものである。前述のように、T=Taより前にオフすると「後方飛び散り」が発生し、T=Tb−τ=Tb’より後にオフすると記録材19の電位が+200V以上となるため「剥離オフセット」が発生してしまう。つまり、印加バイアスをオフするタイミングは、T=TaからT=Tb’の間(図中、斜線部)という適正なタイミングが存在するのである。
【0070】
本実施例では、図3の(a)、(b)においてAからBまでの距離が12mmあり、バイアスの立ち下げ時定数分の長さ6mm(=200mm/s×0.03s)を差し引いた6mm内でバイアスをオフすればよい。
【0071】
具体的には、記録材後端がセンサフラグ48を通過しフォトカプラの遮光が解除されるとCPU54に信号が送られ、所定のタイミング(L1’/Vp)[秒]でスイッチ52がオフ(図3の(b))される。
【0072】
従来、画像書き出し信号を基にバイアスをオフする装置では、以上の理由から印加バイアスをオフするタイミングをT=TaからT=Tb’の間となるように選択されていた。
【0073】
実際、A4横サイズの記録材に文字画像を印字して片面プリントした場合には、何ら問題なく印字できた。
【0074】
ところが、A3サイズにグラフィック画像を印字し、連続して両面プリントしたところプリント1面目のグラフィック画像に定着ローラ周期の画像飛び散りが発生した。
【0075】
これは、従来の方式では、記録材の長さが変動する次に示す要因が考慮されていなかったことが原因である。
【0076】
▲1▼.記録材の裁断バラツキ;
本実施例の場合、用紙寸法の許容差は、±2.0mmである。
【0077】
▲2▼.定着装置を1回通過することによる記録材の縮み;
高温高湿環境に十分放置した記録材を通紙した後が最も縮む。
【0078】
▲3▼.転写ローラ早回しによる紙搬送スピードの変化;
転写ローラ4は外径の製造バラツキがある。
【0079】
本実施例では、記録材搬送スピードは転写ローラ4の外径が上限であり、かつ使用が進んだローラほど大きくなる。また、印字率が高い場合ほど記録材19と感光ドラム1の摩擦力が低下し搬送スピードが大きくなる。
【0080】
表1は、前記記録材の長さが変動する要因を、本実施例の装置を用いて測定したものである。表1中、記録材(紙)後端が転写側にズレる場合を「遅れる」、逆に排紙側にズレる場合を「進む」と表記した。
【0081】
【表1】
【0082】
なお、前記▲2▼の変動量は、記録材として本レーザービームプリンターで使われる最大長420mmの紙(坪量64g/m2)を用いた。
【0083】
また、前記▲3▼の変動量は、外径中心の転写ローラ(新品)と外径上限の転写ローラ(使用品)でグラフィック画像を印字し、印字精度を比較しておこなった。
【0084】
表1に示すように、従来の画像書き出し信号を基にバイアスをオフする方式では、両面プリントをおこなうと定着装置における記録材後端位置の変動幅Δ(進む側+遅れる側)が7.5mmあり、前述のオフタイミングの適正な範囲6mm内に収まらない。
【0085】
すなわち、「後方飛び散り」と「剥離オフセット」がトレードオフの関係となり、両者を満足する解が存在しなかった。
【0086】
本実施例では、記録材後端がレジストローラ対31a・31bの手前に設けられたセンサフラグ48を通過した際のオンオフ信号を検出して、定着装置の印加バイアスタイミングを決定するように制御した。
【0087】
その結果、表1に示す如く、前記変動要因▲1▼の記録材の裁断バラツキや、変動要因▲2▼の定着装置を1回通過することによる記録材の縮みが発生しても、センサフラグ48により記録材後端が検出され、そのタイミングを基準に定着装置のバイアスをオフするようにしたので、定着装置位置における紙長さの変動要因は表1に示すように1.5mmとなり「後方飛び散り」と「剥離オフセット」の両者を防止することが可能になった。
【0088】
上の例では、定型サイズを用いた場合を説明してきたが、ユーザーが不定型サイズの記録材を用い、画像形成装置へのサイズ入力を間違えた場合でも自動的に印加バイアスタイミングが補正されるので、ユーザーの手を煩わせることなく高品位な画像を提供できる。
【0089】
また、自動両面装置を備えず、手差し両面をおこなう画像形成装置でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0090】
さらに、記録材の後端を検出する手段は、前記センサフラグ48に限定されるものではなく、給紙口から定着装置までの間に配置されたその他のセンサを用いることができる。たとえば、OHTと紙とを判別する光学式センサであっても良い。
【0091】
〈第2の実施例〉
本実施例を図5・図6に基づいて説明する。なお、前記第1の実施例と同様な作用をする部品には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0092】
本実施例では、通紙中に転写ローラ4に印加される転写バイアスを利用して記録材後端を検出し、定着装置における印加バイアスのオフタイミングを決定するようにしたことを特徴とする。
【0093】
まず、転写ローラ4にバイアスを印加する電源系とその制御系について説明する。図5に示すように、電源系は、定電流電源59と、出力値を変更可能な定電圧電源58と電流計57を有し、これらは、切り替えスイッチ56を介して転写ローラ4の芯金に接続されている。定電流電源59には、定電流バイアスを印加しているときに電圧をモニターする電圧計60が接続されている。
【0094】
制御系は、画像形成装置の動作を制御するCPU54、およびメモリー55がバスライン54‘で接続されており、前記定電流電源59、電圧計60、定電圧電源58、および切り替えスイッチ56を制御する。
【0095】
次に、転写ローラ4に印加するバイアスのシーケンスを説明する。図6は、本実施形における転写バイアス制御のシーケンスを示すタイミングチャートである。
【0096】
転写バイアスは、まず、通紙前の前回転で転写ローラ4に定電流電源により、10μAの定電流バイアスを印加し、そのときの電圧Vtoを電圧計でモニターする(区間A)。画像形成装置の作像準備が整うまでは、転写ローラ4にモニターした電圧Vtoを印加して回転待機する(区間B)。作像準備が終了したら、感光ドラム1上の画像に合わせてレジストローラ対31a・31bを駆動し、転写ニップ部Tに記録材19を搬送する。
【0097】
記録材19の搬送タイミングに合わせて、スイッチ56により定電圧電源58を選択し、プリント用の定電圧バイアスに切り替える(区間C)。区間Cでの転写電圧をVtとすると、Vtは、
Vt=Vt0×a+b[kV]
の式に従って決定される。ここで、a=1.0、b=1.1である。
【0098】
このとき、定電圧電源58に接続された電流計57により通紙中の電流をモニターし、バスラインを介してメモリー55に電流値が格納される。これをI1とする。
【0099】
転写電圧Vtは、記録材サイズよりも長く転写ローラ4に印加し、転写ローラ4に瞬時流れる電流I2をメモリー55に格納されたI1と比較して大きく上回った時点を記録材後端として検出する。本実施例では、I2がI1に対し150%を上回ったら記録材後端であると判断するように設定した。
【0100】
検出閾値を150%とした理由は、転写ローラ4の周方向の抵抗ムラが十分小さく、通紙中の電流変動に対し十分マージンがあり、かつ、最も抵抗の低い記録材を通紙した際の通紙中、記録材通過後の電流変化が170%であったためである。実際に、坪量64g/m2の紙を通紙したときは、I1=10μA、I2=20μAであった。
【0101】
転写電圧Vtを印加する時間は、記録材サイズよりも10mmだけ長く印加すれば記録材サイズが変動しても確実に記録材19の後端を検出できた。
【0102】
定着装置に印加したバイアスをオフするタイミングは、転写ニップ部Tの中心から定着ニップ部Nの中心の距離をL2とすると、転写ローラ4で記録材後端であると判断した時間からL2/Vp秒後にオフするように設定した。
【0103】
本実施例は、転写ニップ部Tで記録材後端を検出しているため、前記第1の実施例で説明した転写ローラ早回しによる記録材後端位置のズレが発生しない。したがって前記第1の実施例よりさらに正確に定着装置においてバイアスをオフすることができる。
【0104】
その結果、従来困難であった記録材後端部ゼロエッジ(縁なし)プリントをおこなった場合も後方飛び散りのない高品位な画像をユーザーに提供できる。
【0105】
以上は、プリント中の転写バイアスとして定電圧電源を用いて記録材への転写をおこなう場合を説明したが、転写バイアスとして定電流制御をおこない、記録材後端における電圧変化を検知するようにしても良い。
【0106】
〈第3の実施例〉
次に、本発明の第3の実施例について図7・図8に基づいて説明する。なお、前記第1と第2の実施例と同様の構成に関しては、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0107】
本実施例では、オンデマンド定着を可能にしたプロセススピード100mm/sのレーザービームプリンターに適用した場合について説明する。
【0108】
図7は本実施例で用いた定着装置13の概略構成模型図である。本実施例で用いた定着装置13は、特開平4−44075〜44083、4−204980〜204984号公報等に開示の、円筒状フィルムを用いた、フィルム加熱方式、加圧用回転体駆動方式(テンションレスタイプ)のオンデマンド定着装置である。
【0109】
80は第1の定着部材(熱定着手段)としてのフィルムアセンブリ、81は第2の定着部材(加圧回転体)としての弾性加圧ローラであり、両者80・81の圧接により定着ニップ部Nを形成させている。
【0110】
フィルムアセンブリ80は、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するフィルムガイド部材(ステイ)83と、このフィルムガイド部材83の下面に、該部材83の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設した、加熱体としてのセラミックヒータ84と、該ヒータ84を取り付けたフィルムガイド部材83にルーズに外嵌した、定着回転体としてのエンドレスベルト状(円筒状)の耐熱性の定着フィルム82と、フィルムガイド部材83内に挿入した補強ステイ86等からなる。
【0111】
定着フィルム82は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、膜厚を100μm以下、好ましくは20〜60μmであり、耐熱・強度・耐久性に優れたポリイミド・ポリアミド・PEEK・PES等の単層フィルム、あるいは前述の単層フィルムにPTFE・PFA・FEP等の離型層をコーティングした複合層フィルムである。定着フィルムの表面は、剥離オフセットを軽減するため、低抵抗化されている。
【0112】
加熱体としてのセラミックヒータ84は電力供給により発熱する加熱源としての通電発熱体84aを含み、全体に低熱容量で、電力供給により迅速に昇温する。
【0113】
加圧ローラ81は、φ25であり、鉄・アルミ等の芯金パイプ81a上に、シリコーンゴム(厚さ3mm)からなるゴム弾性層81b、更に表層に絶縁PFAチューブによる離型層81cを形成してある。
【0114】
加圧ローラ81は芯金パイプ81aの両端部を装置シャーシー(不図示)の手前側と奥側の側板間に軸受部材を介して回転自由に軸受保持させて配設してある。
【0115】
フィルムアセンブリ80は、加圧ローラ81の上側に、セラミックヒータ84側を下向きにして加圧ローラ81に並行に配置し、不図示の付勢バネにて加圧ローラ81の軸線方向に押圧附勢することで、セラミックヒータ84の下向き面を定着フィルム82を介して加圧ローラ81の弾性層に該弾性層の弾性に抗して圧接させ、加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。
【0116】
加圧ローラ80は駆動系90から回転力が伝達されることにより矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。加圧ローラ81の回転駆動による該加圧ローラ81の外面と定着フィルム82との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状の定着フィルム82に回転力が作用して該定着フィルム82がその内面側がセラミックヒータ84の下向き面に密着して摺動しながらフィルムガイド部材83の外回りを矢印の時計方向に従動回転状態になる。セラミックヒータ84の表面、フィルムガイド部材83にはシリコングリースが塗布され、定着フィルム82の内面との摺動性を良くしている。
【0117】
そして、不図示のヒータ駆動回路からセラミックヒータ84の通電発熱体84aに給電されることで通電発熱体84aが発熱してセラミックヒータ84が迅速に昇温する。ヒータ駆動回路はヒータ裏面側に接触させて設けたサーミスタ等の温度検知手段85で検知されるヒータ温度が所定のほぼ一定温度(定着温度)に維持されるように通電発熱体84aに対する通電を制御する。すなわちセラミックヒータ84は所定の定着温度に加熱・温調される。
【0118】
加圧ローラ81が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム82が従動回転状態になり、またセラミックヒータ84に通電がなされ、該ヒータ84が昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム82と加圧ローラ81との間に未定着トナー画像tを担持した記録材19が導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材19のトナー画像担持面側が定着フィルム82の外面に密着して該フィルム82と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。87は定着ニップ部Nに記録材19をスムーズに導くためのガイド部材である。この挟持搬送過程において、セラミックヒータ84の熱が定着フィルム82を介して記録材19に付与され、記録材19上の未定着トナー画像tが記録材19上に加熱・加圧されて溶融定着される。
【0119】
定着ニップ部Nを通過した記録材19は定着フィルム82から曲率分離されて排出搬送される。
【0120】
次に、上記の定着装置13を含むレーザービームプリンターについて本発明の特徴となる部分についてその概要を説明する。図8は、本実施例の主要構成をなす転写工程、定着工程間を示したプリンター本体の模式図である。
【0121】
90は定着装置13の加圧ローラ81の回転速度を制御するモーターであり、転写ニップ部Tと定着ニップ部N間の記録材搬送路内に配置されたセンサフラグ49により転写ニップ部T―定着ニップ部N間の記録材搬送途中でできるループ量を検知し、モーター90をフィードバック制御する。
【0122】
P1はループができた状態であり、P2は記録材19のスピードが速くなりループが消えた状態を示す。
【0123】
これは、加圧ローラ81で記録材19を搬送し、オンデマンド定着をおこなう系では、通紙中に加圧ローラ81が温まり膨張するため、記録材後端ほど記録材のスピードが速くなるからであり、ループが消えると記録材19が突っ張り記録材上の未定着トナー像にブレが生じる。このため、ループを制御する手段が有効となる。
【0124】
77は定着ニップ部Nの入口側で定着ニップ部Nの近傍に配置された電圧印加手段としての帯電針であり、3μAの定電流を印加する定電流電源78とオン−オフを切り替えるスイッチ79とが接続されており、記録材19が帯電針77上を通過している間だけトナーと逆極性のバイアスを印加するように制御される。
【0125】
このように、定着ニップ部Nの近傍に帯電針77を設ける理由は、定着フィルム82を使用しているため、構造上定着装置にバイアスを印加するのが困難であり、記録材裏からトナー保持電荷を供給する低コストの部材が別途必要となるためである。
【0126】
また、記録材19が帯電針77上を通過している間だけバイアスを印加するのは、次の理由による。
【0127】
帯電針77の設置場所は、できるだけ記録材19に近接した場所であり、かつ記録材19が定着ニップ部Nに保持されている間、記録材19の先端から後端まで一様に電荷を供給できる場所であることから、定着ニップ部Nに近い場所が好ましい。ところが、帯電針77を定着ニップ部Nに近づけ、記録材19が存在しないときにバイアスを印加すると、帯電針77の近くにある定着フィルム82の表面がプラスに帯電し、オフセットが発生してしまう。したがって、紙間ではバイアスを印加しないように、記録材後端でオフする必要があった。
【0128】
本実施例では、ループ制御に用いるセンサフラグ49で記録材後端を検出し、帯電針77の記録材後端におけるバイアスを切り替えるようにした。
【0129】
記録材の後端を検出する方法と制御は前記の第1の実施例と同じであり、その説明は省略する。
【0130】
前記のように、転写ニップ部Tから後の記録材スピードが変化する本実施例のような場合でも、センサフラグ49から定着ニップ部Nまでの距離が短いので記録材後端でバイアスを正確に切り替えることができ、記録材後端に合わせて記録材19に電荷を供給できるようになる。
【0131】
尚、本発明は、上述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術思想内であらゆる変形が可能である。
【0132】
〈その他〉
1)第3の実施例におけるフィルム加熱方式の加熱装置は、例示のような加圧ローラ駆動方式、テンションフリータイプのフィルム加熱方式の装置に限られるものではなく、エンドレスフィルムの内周面に駆動ローラを設け、フィルムにテンションを加えながら駆動する装置構成のものにすることもできるし、フィルムを有端のウエブ状にして、これを走行移動させる装置構成のものにすることもできる。
【0133】
2)加熱体84は、SUS材や金属材をヒータ基板とした平板型ヒータや異型湾曲ヒータとすることもできる。加熱体84はセラミックヒータに限られない。例えば、電磁誘導発熱部材にすることも出来る。
【0134】
3)加圧回転体としての加圧ローラは回動ベルト形態のものにすることもできる。
【0135】
4)定着装置13は圧力定着タイプであってもよい。
【0136】
5)転写方式の画像形成装置において転写手段は転写回転体に限られず、コロナ帯電器であってもよい。
【0137】
6)画像形成装置の作像原理・プロセスは実施例の電子写真方式に限れるものではないことは勿論であり、静電記録方式、磁気記録方式、中間転写方式等の装置であってもよい。
【0138】
また、画像形成装置は転写方式に限られず、記録材として感光紙(エレクトロファックス紙)や静電記録紙等を用いた直接方式の画像形成装置であってもよい。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、定着装置または、そのニップ近傍で、記録材の通過に合わせて印加バイアスを切り替える装置において、記録材の後端を検出し、その検出タイミングを基準に印加バイアスを切り替えるように制御したので、記録材による定着装置の剥離帯電や後方飛び散りがトレードオフすることを防止でき、常に高品位な画像が得られる。
【0140】
また、ユーザーが不定型サイズの記録材を用い、画像形成装置へのサイズ入力を間違えた場合でも自動的に記録材後端の印加バイアスタイミングが補正されるので、ユーザーの手を煩わせることなく高品位な画像を提供できる。
【0141】
さらに、従来困難であったゼロエッジ(縁なし)プリントをおこなった場合も記録材の全域に亘って高品位な画像が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における画像形成装置の概略構成模型図
【図2】第1の実施例における制御系の模式図
【図3】第1の実施例における定着装置内の記録材の位置関係を示した図
【図4】第1の実施例における加圧バイアスのタイミングチャート
【図5】第2の実施例における制御系の模式図
【図6】第2の実施例における転写バイアスのタイミングチャート
【図7】第3の実施例におけるフィルム加熱定着装置の概略構成模型図
【図8】第3の実施例における制御系の模式図
【図9】従来の転写ローラ早回しを行う画像形成装置の説明図
【符号の説明】
1‥‥感光ドラム、4‥‥転写ローラ、19‥‥記録材(紙)、t‥‥トナー、48・49‥‥センサフラグ、50‥‥定着ローラ、51‥‥加圧ローラ、52‥‥切り替えスイッチ、53‥‥高圧電源、54‥‥CPU
Claims (7)
- ニップ部を形成する第1と第2の定着部材を有し、未定着トナー像を静電的に担持している記録材を前記ニップ部で挟持搬送して未定着トナー像を記録材上に定着させる定着装置を備え、前記第1と第2の定着部材のいずれか一方、または、そのニップ近傍で、記録材の通過に合わせてバイアスを印加する電圧印加手段を有する画像形成装置において、
搬送される記録材の後端を検出する手段を有し、この記録材の後端を検出する手段により、前記電圧印加手段の出力を切り替えるタイミングを決定することを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体上のトナー像を静電的に記録材に転写する転写回転体と、記録材上の未定着トナー像を定着回転体と加圧回転体で形成されるニップ部で記録材上に溶融定着する定着装置とを備え、前記定着回転体と加圧回転体のいずれか一方、または、そのニップ近傍で、記録材の通過に合わせてバイアスを印加する電圧印加手段を有する画像形成装置において、
搬送される記録材の後端を検出する手段を有し、この記録材の後端を検出する手段により、前記電圧印加手段の出力を切り替えるタイミングを決定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記記録材の後端を検出する手段とは、給紙部から定着装置までの記録材搬送部に配置されたセンサであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記センサとはセンサフラグであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記センサとは光学式センサであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記記録材の後端を検出する手段とは、転写回転体に印加する転写バイアスを記録材の長さを超えて印加したときの電流変化を検出しておこなうことを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記記録材の後端を検出する手段とは、転写回転体に印加する転写バイアスを記録材の長さを超えて印加したときの電圧変化を検出しておこなうことを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の画像形成装置。
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