JP2004053759A - Tft液晶表示装置直下型バックライト用反射シート及びそれを用いた直下型バックライト方式tft液晶表示装置 - Google Patents

Tft液晶表示装置直下型バックライト用反射シート及びそれを用いた直下型バックライト方式tft液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】部分的に凹凸の斑が生じたり、ロールから巻き出すと巻き癖(カール)が容易には消えないという問題の無いTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シート及びそれを用いた直下型バックライト方式TFT液晶表示装置を提供する。
【解決手段】白色反射フィルムの裏面に粘着剤層及びプラスチックフィルムをこの順に積層して、TFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シートを製造するが、上記粘着剤層及び上記プラスチックフィルムの少なくとも一つが黒色のものを用いて遮光性を持たせる。上記プラスチックフィルム上の上記粘着剤層の耐熱保持力は、貼り付け面積25mm×25mmで荷重1kgを用いた試験で、80℃で3時間では0〜6.0mm、且つ、120℃で3時間では1.5mm以上であるのが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、TFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シート及びそれを用いた直下型バックライト方式TFT液晶表示装置に関し、特に、遮光性を持たせた白色反射面のTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シート及びそれを用いた直下型バックライト方式TFT液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直下型バックライトを用いる液晶表示装置において、例えば、発泡によって微細セルを形成した白色PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムや白色顔料をPP(ポリプロピレン)等のポリオレフィン樹脂に練り込んで延伸させて微細溝を形成した白色フィルム等の白色反射フィルムが反射シート(反射板)として用いられている。このような反射板、冷陰極管やLED等のランプ、導光板、拡散板、必要に応じて2枚のプリズムシート(輝度を高める)、TFT液晶セルの順の積層構造をアルミニウム製又は樹脂製の枠体(フレーム)中に構成して直下型バックライト方式TFT液晶表示装置を組み立てる。上記のような白色反射フィルムを反射板として用いると、バックライトの光が反射板を透過してその裏面から出て、反射板の下に在るアルミニウム製又は樹脂製のフレームで反射され、反射光が再度反射板、導光板、拡散板、プリズムシート、液晶セルを透過して来て、液晶ディスプレイの表面にアルミニウム製又は樹脂製のフレームの影が輝線として現れるため、液晶ディスプレイの輝度がその全表面に渡って均一とならないと言う問題があり、また、反射板を支えるアルミニウム板等の金属板の裏面にその下の(回路)基板を支持するための「爪」を付けるフック形状の穴を設ける場合にはその穴から光が漏れて不都合が生じると言う問題がある。
【0003】
この問題を解決するため、(1)反射シートの該アルミニウム又は樹脂フレームあるいはフック穴に対向する部分上に直接黒色印刷を施し、反射光が液晶ディスプレイの表面にアルミニウム又は樹脂フレームの影として現れるのを防いだり、フック穴から光が漏れるのを防ぐ方法、(2)厚み25μm程度の銀フォイルや銀蒸着フィルムを反射シートの裏面に重ねるか貼り合わせて、反射シートの該裏面から透過光が出て行くのを防ぐ方法、(3)発泡白色フィルムの反射シートの非反射面(裏面)上にアルミニウム又は銀の蒸着層を設け、蒸着層を保護層で保護する方法(実用新案登録第3055855号)があり、これらの方法の効果も認められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記方法(1)は、部分的な印刷であるために裁断までの工程が1種の液晶表示装置に対して特異的であり、汎用性に欠け、大量生産に馴染まず、コスト高となるという問題がある。また、上記方法(2)は、かなりコスト高となる問題や、接着剤で貼り合せた積層体の表面に部分的に凹凸の斑が生じたり、ロールから巻き出すと巻き癖(カール)が容易には消えないという問題を伴う。また、上記方法(3)は蒸着層にリーク電流が流れる傾向があるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題を解決することができる実用的なTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シート及びそれを用いた直下型バックライト方式TFT液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、白色反射フィルムの裏面に粘着剤層及びプラスチックフィルムをこの順に積層し、且つ、該粘着剤層及び該プラスチックフィルムの少なくとも一つが黒色であるものとして遮光性を持たせたことを特徴とするTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シート、並びに、上記のTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シートを用いたことを特徴とする直下型バックライト方式TFT液晶表示装置を提供するものである。
【0007】
このような構成とすることにより、本発明のTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シートは、大量生産性を確保できるし、素材的にもコストが低く、接着剤で貼り合せた場合に部分的に凹凸の斑が生じたり、ロールから巻き出すと巻き癖(カール)が容易には消えないという問題を粘性を調整した粘着剤の使用により解消できるし、また、リーク電流の問題も実質的に無い。
【0008】
粘着剤層の粘性としては、プラスチックフィルム上の粘着剤層の耐熱保持力が、貼り付け面積25mm×25mmで荷重1kgを用いた80℃で3時間の試験で0〜6.0mm、より好ましくは0mmを越え5.5mm以下、且つ、貼り付け面積25mm×25mmで荷重1kgを用いた120℃で3時間の試験で1.5mm以上、より好ましくは2.0〜5.0mmであることが望ましい。ここで、「保持力」とは、プラスチックフィルム上に粘着剤層を設け、得られた粘着フィルムを25mm巾に裁断して粘着テープとし、適当な長さにカットして、貼り付け面積25mm×25mmになるように垂直なステンレス鋼パネルの表面に貼り付け、荷重1kgの重りを粘着テープに掛けて、粘着剤層のずれた距離を測定して求める値である。上記の耐熱保持力が強すぎて上記値(120℃で)が小さすぎると、例えば、直径3インチの紙管に得られる反射シートを巻き付けて1週間後に同じ紙管に該反射シートを裏返しにして巻いても、該反射シートのカール状態が直らない傾向が強くなって、望ましくない。上記の耐熱保持力が弱すぎて上記値が高すぎると、得られる反射シートを抜き加工して所定の反射板のサイズに裁断する際に粘着剤のはみ出しが生じて、望ましくない。
【0009】
上記白色反射フィルムとしては、例えば、液晶表示装置バックライト用白色反射シート(反射板)として常用されている発泡によって微細セルを形成させた白色PETフィルムやPP等のポリオレフィン樹脂に白色顔料を練り込んで延伸させて微細溝を形成したポリオレフィン系白色フィルム等を好ましく用いることができるが、これらに限定されるものではない。例えば、白色顔料含有コーティング層を設けたPETフィルム等や、PET以外のポリエステル系樹脂などを用い発泡によって微細セルを形成させた白色フィルムや、上記のポリオレフィン樹脂の代りにPETやポリブチレンテレフタレート(PBT)の如き樹脂などを用い上記と同様に微細溝を形成した白色フィルムなども用いることができる。白色反射フィルムの厚みは、その種類などによって異なってくるが、好ましくは10〜400μm、より好ましくは20〜250μmである。
【0010】
プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルムやPPフィルムを好ましく用いることができるが、本発明の目的を達成することができる限り、これらに限定されるものではない。プラスチックフィルムの厚みは、好ましくは5〜300mμ、より好ましくは8〜200mμ、更に好ましくは10〜100mμである。
【0011】
粘着剤層の粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の種々の粘着剤を使用することができるが、コストと物性の観点からアクリル系粘着剤が特に好ましい。粘着剤層は、無架橋でも僅かに架橋していてもよいが、粘着剤の粘度の一指標としての耐熱保持力が全体製品のカールに影響してくるため、これを考慮したものとする。粘着剤層の厚みは、好ましくは3〜100mμ、より好ましくは5〜70mμ、更に好ましくは8〜40mμである。
【0012】
粘着剤層及び/又はプラスチックフィルムを黒色に着色する黒色顔料又は黒色染料としては、例えば、カーボンブラックや鉄黒等の顔料類、ニグロシン等の染料類を挙げることができる。黒色顔料又は黒色染料の粘着剤層及び/又はプラスチックフィルム中の濃度は、これらの厚みや顔料又は染料の種類によっても異なってくるが、粘着剤層又はプラスチックフィルムに対して0.1〜30重量%であるのが好ましく、0.5〜10重量%であるのがより好ましい。粘着剤を黒色に着色するのが、簡易で好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明するが、本発明がこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0014】
白色反射フィルムの材料にはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの低分子量紫外線吸収剤を含ませて、黄変やひび割れ等の劣化を防止するようにしてもよい。代りに、白色反射フィルムの片面(反射面)に、紫外線吸収剤含有透明樹脂層を、好ましくは紫外線吸収剤が樹脂と化学反応した形で樹脂に含まれている樹脂材料を紫外線吸収剤含有透明樹脂層形成用の樹脂の少なくとも一部として用いた紫外線吸収剤含有透明樹脂層を直接印刷やコーティングにより形成してもよい。上記紫外線吸収剤含有透明樹脂層の厚みは、例えば、0.3〜20μmであるのが好ましく、0.4〜10μmであるのがより好ましく、0.5〜5μmであるのが特に好ましい。
【0015】
本発明のTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シートの製造方法を説明する。適当な溶剤に適当な濃度に粘着剤を溶解して調製した粘着剤溶液、または、場合によっては更に適量の黒色顔料を分散するか適量の黒色染料を溶解して調製した粘着剤溶液を、スクリーン印刷やグラビアコーティング等の各種コーティング法で(場合によっては黒色に着色された)プラスチックフィルム上に塗工し、加熱乾燥させて粘着剤層を形成し、該粘着剤層を介して白色反射フィルムを貼り合せる。白色反射フィルムに粘着剤溶液を塗工してプラスチックフィルムを貼り合せる方法もあるが、発泡白色PETフィルムやPPに白色顔料を練り込んで延伸させて微細溝を形成したPP系白色フィルム等の多孔層を有する白色反射フィルムを用いる場合には粘着剤溶液をプラスチックフィルムに塗工し、白色反射フィルムと貼り合せる方法の方が好ましい。
【0016】
この様にして得られた反射シートを適当な寸法に裁断して、反射板として用いる。アルミニウム製又は樹脂製の枠体(フレーム)中において、このようにして得られた反射板、冷陰極管やLED等のランプ、導光板、拡散板、必要に応じて2枚のプリズムシート、TFT液晶セルの順に積層して、直下型バックライト方式TFT液晶表示装置を組み立てる。
【0017】
【実施例】
以下、23℃で指触タックの無い接着剤を用いた比較例と比較しつつ本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0018】
比較例及び実施例
プラスチックフィルムとして厚み50μmのPETフィルムを用いた。各種のアクリル系接着剤又は粘着剤にその固形分に対して5重量%のカーボンブラックを練り込み、トルエンで固形分濃度約40重量%に調整した接着剤又は粘着剤溶液をそれぞれ上記プラスチックフィルムに塗工して、加熱乾燥し、約25μmの厚みの接着剤又は粘着剤層を形成した。
【0019】
白色反射フィルムとして厚み180μmの白色顔料混練り・延伸微細溝形成白色PPフィルムWS−180(三井化学株式会社製)を用い、その非反射面(裏面)に上記の各種の接着剤又は粘着剤層を形成したプラスチックフィルムをそれぞれ貼り合せた。なお、接着剤の場合には120℃に加熱して貼り合わせた。
【0020】
この様にして得られた各反射シートを直径3インチの紙管に巻き付けて1週間放置した。その後に同じ紙管に該反射シートを裏返しにして巻いて、該反射シートのカール状態を直すように試みた。また、抜き加工試験を行い、接着剤又は粘着剤のはみ出し状態を調べた。
【0021】
さらに、各反射シートを巾25mm、長さ100mmのサイズに裁断してテープとし、垂直のステンレス鋼パネルの下部の表面に貼り付け面積25mm×25mmになるように貼り付け、荷重1kgの重りをテープに掛けて、80℃と120℃の二種の温度でそれぞれ3時間の耐熱保持力の試験を行った。以上の結果を表1に示す。なお、接着剤の場合には120℃に加熱して貼り付けた。
【0022】
【表1】
Figure 2004053759
【0023】
23℃で指触タックの無い接着剤を用いた場合は、カール状態が直らないという欠点がある。また、耐熱保持力が弱く、80℃でも120℃でも重りが落下した最下段の場合は、抜き加工時の粘着剤のはみ出しがあり、望ましくなかった。この様に、粘着剤の粘度の一指標としての耐熱保持力がある範囲に在る時に好適なTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シートを得ることができることが分かる。
【0024】
【発明の効果】
本発明のTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シートは、大量生産性を確保したもので、素材的にもコストが低く、接着剤で貼り合せた場合に部分的に凹凸の斑が生じたり、ロールから巻き出すと巻き癖(カール)が容易には消えないという問題を粘性を調整した粘着剤の使用により解消し、また、リーク電流の問題も実質的に無い。

Claims (4)

  1. 白色反射フィルムの裏面に粘着剤層及びプラスチックフィルムをこの順に積層し、且つ、該粘着剤層及び該プラスチックフィルムの少なくとも一つが黒色であるものとして遮光性を持たせたことを特徴とするTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シート。
  2. 前記プラスチックフィルム上の前記粘着剤層の耐熱保持力が、貼り付け面積25mm×25mmで荷重1kgを用いた80℃で3時間の試験で0〜6.0mm、且つ、貼り付け面積25mm×25mmで荷重1kgを用いた120℃で3時間の試験で1.5mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シート。
  3. 前記白色反射フィルムが、発泡によって微細セルを形成した白色反射フィルム又は白色顔料を練り込んで延伸させて微細溝を形成した白色反射フィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シート。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のTFT液晶表示装置直下型バックライト用反射シートを用いたことを特徴とする直下型バックライト方式TFT液晶表示装置。
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