JP2004051859A - 粘接着剤組成物と積層体およびその製造方法 - Google Patents

粘接着剤組成物と積層体およびその製造方法 Download PDF

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首藤 俊介
Seiji Kondo
近藤 誠司
Hisashi Yamaoka
山岡 尚志
Toru Tamura
田村 透
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Abstract

【課題】薄層化しても満足できる接着特性を発揮でき、かつ接着積層時に高温工程を必要としない、光学フィルム用に適した接着材料を提供する。
【解決手段】有機溶媒中に固形分として湿気硬化型イソシアネート化合物50〜99.99重量%と水酸基、カルボキシル基またはアミノ基のうちの少なくとも1種を持つアクリル系ポリマー50〜0.01重量%とを含み、上記溶媒を除去した乾燥初期には粘着性を示し、その後の室温放置、加熱処理または加湿処理により硬化することを特徴とする粘接着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿気硬化型イソシアネート化合物とアクリル系ポリマーとを用いた粘接着剤組成物に関し、光学フィルムをはじめとした二つの基板を接着積層するのに適した粘接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置では、性能の向上のため、光学補償板が用いられ、光学補償板を一体にした偏光板の需要が高まっており、様々な光学フィルムの積層体が開発されている。偏光板や位相差板などの光学フィルムは熱可塑性のフィルムであり、熱により変質したり、性能が低下しやすい。このため、これら光学フィルムの積層には、高温工程を必要としない接着材料が望まれる。
【0003】
液状タイプの接着剤として知られる1液型や2液型の硬化型接着剤は、ポットライフなどの問題に加えて、基板の積層時に高温乾燥や熱ロールの使用が必要となるため、光学フィルムの接着材料には適さない。アクリル系ポリマーを主成分としたアクリル系粘着剤は、耐光・候性、耐油性、耐老化性、耐熱性などにすぐれるとともに、その粘着性により、接着積層時に高温工程を必要としないため、光学フィルムの接着材料として適している。
【0004】
しかし、アクリル系粘着剤は、上記したような液状タイプの接着剤に比べて、接着力や凝集力、とくに高温での凝集力に乏しく、接着特性を十分に発揮させるためには、15μm程度かそれ以上の膜厚が必要となる。
これに対し、近年では、画像表示装置の薄型化が進んでおり、光学フィルムはもとより、接着剤層についても薄層化が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に照らし、薄層化しても満足できる接着特性を発揮できるとともに、接着積層時に高温工程を必要としない接着材料を提供する、とくに光学フィルム用に適した接着材料を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的に対して、鋭意検討した結果、湿気硬化型イソシアネート化合物にこれと反応する官能基を持つアクリル系ポリマーを特定量加え、これらを有機溶媒に溶解させた組成物によると、これを基板上に塗布し乾燥して有機溶媒を除去すると粘着性を示し、この粘着性を利用してこれにさらに他の基板を積層したのち、室温放置あるいは低温での加熱処理や加湿処理を施すと、硬化して凝集力が向上し、これにより薄層化しても十分に満足できる接着特性を発揮すること、また上記の有機溶媒として低沸点のものを選択使用すれば、乾燥時の有機溶媒の除去も低温で実施でき、高温工程を嫌う光学フィルムの接着積層にとくに適した粘接着剤組成物が得られることを見い出した。
【0007】
本発明は、上記の知見をもとにして、完成されたものである。
すなわち、本発明は、有機溶媒中に固形分として湿気硬化型イソシアネート化合物50〜99.99重量%と水酸基、カルボキシル基またはアミノ基のうちの少なくとも1種を持つアクリル系ポリマー50〜0.01重量%とを含み、上記溶媒を除去した乾燥初期には粘着性を示し、その後の室温放置、加熱処理または加湿処理により硬化することを特徴とする粘接着剤組成物に係るものである。
【0008】
また、本発明は、二つの基板が上記構成の粘接着剤組成物を用いて接着積層されてなることを特徴とする積層体、とくに二つの基板が光学フィルムである上記構成の積層体を提供できるものである。さらに、本発明は、上記構成の積層体を用いた画像表示装置を提供できるものである。
また、本発明は、上記構成の積層体の製造に際し、一方の基板に上記構成の粘接着剤組成物を塗布し、乾燥により有機溶媒を除去した粘着性を示す初期状態で他方の基板を積層し、その後、室温放置、加熱処理または加湿処理して硬化させることを特徴とする積層体の製造方法を提供できるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における湿気硬化型イソシアネート化合物としては、湿気硬化型である芳香族、脂肪族または脂環式のいずれも使用でき、モノマータイプでも、ポリマータイプでもよい。光学フィルムなどの光学用途としては、着色の少ない脂肪族系のものがとくに好ましく用いられる。これらの化合物は、その1種を使用しても、2種以上を混合使用してもよい。この湿気硬化型イソシアネート化合物は、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を有する光学フィルムなどには、これに化学結合することで強固な接着性を得ることができる。
【0010】
湿気硬化型イソシアネート化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタデシルジイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートカプロエート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアトト、パラフェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、これらの変性品、これらのイソシアネート化合物とジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類との反応生成物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物がイソシアヌレート環をつくることにより得られる1分子に3個以上のイソシアネート基を持つ化合物などが挙げられる。
【0011】
本発明におけるアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体の重合体であって、その分子中に水酸基、カルボキシル基またはアミノ基のうちの少なくとも1種を持つものである。このようなアクリル系ポリマーは、液晶フィルムのような光学フィルムに対する密着性にすぐれて、良好な初期接着性(粘着性)を示すとともに、上記の各官能基と湿気硬化型イソシアネート化合物のイソシアネート基との反応に寄与して、硬化後の接着剤層の接着特性に格段にすぐれた効果を発揮するものである。
【0012】
このようなアクリル系ポリマーの合成方法は、とくに限定されない。
たとえば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体またはアミノ基含有単量体のうちの少なくとも1種を加えた単量体混合物を、溶液重合法、電子線ないし紫外線などによる光重合法、それらの併用法などにより、付加重合(ラジカル重合)させることにより、容易に合成することができる。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とした単量体を上記同様に重合させたのち、その分子内に適宜の方法で水酸基、カルボキシル基またはアミノ基のうちの少なくとも1種の官能基を導入してもよい。
【0013】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デカニル、(メタ)アクリル酸イソデカニルなどが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの一部(通常は、50重量%まで)を、他の共重合可能な単量体、たとえば、酢酸ビニル、スチレンまたはその誘導体、(メタ)アクリロニトリルなどに置換してもよい。
【0014】
水酸基含有単量体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、カルボキシル基含有単量体として、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。さらに、アミノ基含有単量体としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの官能基含有単量体は、全単量体中、通常0.01〜10重量%の割合で用いられる。
【0015】
本発明において、湿気硬化型イソシアネート化合物とアクリル系ポリマーとの使用割合は、両者の合計量(合計固形分)中、湿気硬化型イソシアネート化合物が50〜99.99重量%、好ましくは60〜95重量%、アクリル系ポリマーが50〜0.01重量%、好ましくは40〜5重量%とするのがよい。湿気硬化型イソシアネート化合物が過多となると乾燥初期の粘着性が低下し、過少となると硬化性に問題を生じやすい。良好な粘接着剤性能を発現させるため、両成分の種類や組み合せに応じて、最適の配合比を選択するのが望ましい。
【0016】
本発明においては、上記の湿気硬化型イソシアネート化合物とアクリル系ポリマーとを固形分として、これらを有機溶媒中に均一に溶解混合することにより、粘接着剤組成物を調製する。ここで、有機溶媒は、組成物を低粘度化して基板に塗布しやすくする、液中での上記両成分の衝突確立を減少させて両成分の反応を抑え、保存中での液のゲル化を防いで安定性を確保する、使用時(接着積層時)接着剤層を薄層に制御するなどの役割を果たしている。
【0017】
有機溶媒としては、酢酸エチル、アセトン、tert−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルアセタート、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセタート、ブチルセルソルブ、ブチルセルソルブアセタートなどや、その他、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼンなどの芳香族炭化水素類などを挙げることができる。
【0018】
これらの有機溶媒の中から、固形分である湿気硬化型イソシアネート化合物とアクリル系ポリマーの種類に応じて、また接着積層する基板の種類などに応じて最適のものを選択使用するのがよい。基板塗布後の乾燥に際し、室温などの低温で乾燥処理できるものがとくに好ましく、この観点から、酢酸エチルなどを使用するのが最も望ましい。これらの有機溶媒は、上記した固形分の濃度が通常1〜20重量%、とくに3〜10重量%となる量とするのがよい。
【0019】
本発明の粘接着剤組成物には、上記した固形分および有機溶媒を必須として、さらに必要により、本発明の効果を損なわない範囲内で、また相分離などの支障をきたさない範囲内で、反応促進剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤などの各種の添加剤を、適宜、配合することができる。
【0020】
湿気硬化型イソシアネート化合物は、触媒なしで十分に硬化するが、硬化速度を上げるため、反応促進剤として、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートなどの錫系触媒、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシチタンなどのチタン系触媒、ビスマス系触媒などを配合できる。
【0021】
また、可塑剤として、ブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステルなどの中から、その1種または2種以上を配合できる。とくにブチルベンジルフタレートを配合するのが望ましい。
【0022】
さらに、酸化防止剤として、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、亜リン酸トリフェニルなどを配合できる。また、老化防止剤として、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系などの化合物を配合できる。
【0023】
このように構成される本発明の粘接着剤組成物は、低粘度の溶液で、有機溶媒を除去した乾燥初期には粘着性を示し、その後の室温放置、加熱処理または加湿処理により硬化する、いわゆる、粘着剤としての機能と接着剤としての機能とを合わせ持つものであり、この両機能を利用することにより、二つの基板を効果的に接着積層し、所望の積層体を製造できるものである。
【0024】
本発明においては、まず、二つの基板のうちの一方に本発明の粘接着剤組成物を塗布する。これは、ダイコーティング、グラビアコーティング、バーコーティングなどの公知のウェットコーティングを採用して行える。この塗布後、組成物中の有機溶媒を除去する。この除去は、有機溶媒として低沸点のものを選択使用することにより、たとえば酢酸エチルのような揮発性溶媒を用いることにより、基板搬送や乾燥オーブン内の風などにより、室温で除去することが可能である。しかし、溶媒が除去されるまでの低粘度の状態では外観に影響を及ぼしやすく、極力、風を当てないようにして乾燥処理するのが望ましい。乾燥条件としては、室温を含め、通常50℃以下の温度とするのがよい。
【0025】
このように有機溶媒を除去したのちは、その粘着性を利用して、この上に他方の基板を積層する。つまり、乾燥で有機溶媒を除去した粘着性を示す初期状態で他方の基板を搬送して適宜のラミネータによりドライラミネートする。その後、室温放置するか、または50℃以下の比較的低温で加熱処理または加湿処理して硬化させる。こうすることにより、接着剤層の凝集力が高まり、二つの基板が強固に接着積層された積層体を製造することができる。なお、このときの接着剤層の厚さは、通常1〜10μm程度で十分であり、このような薄層としても、十分に満足できる接着特性を発揮させることができる。
【0026】
接着積層する二つの基板には、とくに限定はなく、種々のものを使用できる。上記方法では、高温の加熱工程を必要としないため、偏光板、位相差板、液晶位相差板〔液晶ポリマー膜(ネガC、ポジC、WV)〕などの光学フィルムの接着積層に有利に適用することができる。これらの光学フィルムに適用することで、たとえば、積層体として、偏光板/接着剤層/位相差板よりなる楕円偏光板や、その他、同様構成の光学補償板付偏光板などを得ることができる。これらの楕円偏光板などの積層体は、これを常法により液晶セルなどと組み合わせることで、液晶表示装置をはじめとした画像表示装置を得ることができる。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を記載してより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。また、粘接着剤組成物の溶液粘度、接着剤層の膜厚および接着力は、下記の方法で測定したものである。
【0028】
<溶液粘度>
粘接着剤組成物(溶液)について、Haake社製のレオメーター「Rheowin Pro 291」により、溶液粘度の測定を行った。
【0029】
<接着剤層の膜厚>
粘接着剤組成物を用いて作製した積層体について、積層体の断面をSEM(走査型電子顕微鏡により)観察し、接着剤層の膜厚を測定した。
【0030】
<接着力>
粘接着剤組成物を用いて作製した積層体について、碁盤目剥離試験により、接着力の評価を行った。すなわち、積層体の一方の基板(フィルム)に碁盤目状に100マスの切り込みを入れ、これに粘着テープを貼り付け、1時間放置後、テープを勢いよく剥離し、上記基板(フィルム)の残膜数を測定した。
【0031】
実施例1
湿気硬化型イソシアネート化合物〔メチレンジイソシアネートポリマー、日本ポリウレタン社製の「コロネート2014」、50重量%キシレン溶液〕13.7部、アクリル系ポリマー〔アクリル酸ブチル/アクリル酸=100/5(重量比)の共重合体、重量平均分子量160×106 、30重量%酢酸エチル溶液〕5.5部、希釈溶媒として酢酸エチル80.8部を、均一に混合して、粘接着剤組成物を調製した。固形分濃度は8.5重量%、溶液の粘度(25℃、せん断速度Gp=1,500s−1)は8mPa・sであった。
【0032】
この粘接着剤組成物を用いて、光学フィルムのドライラミネーティングを行った。光学フィルムとしては、偏光板(日東電工社製の「HEG5425DU」)とコレステリック配向液晶層を用いた。ダイコーターによりコレステリック配向液晶層の上に粘接着剤組成物を塗布し、室温で2分間乾燥した。その上に偏光板を繰り出して常温でロールラミネートした。その後、50℃のオーブン中に3時間投入して加熱処理することにより、接着剤層を硬化した。
【0033】
このようにして得られた積層体について、断面観察により、接着剤層の膜厚を測定したところ、約3.0μmであった。また、コレステリツク配向液晶層に切り込みを入れて、碁盤目剥離試験を行ったところ、残膜100/100であり、十分な接着力を有していることがわかった。
【0034】
実施例2
湿気硬化型イソシアネート化合物〔H6キシレンジイソシアネート、三井武田ケミカル社製の「タケネートM−605N」、40重量%酢酸エチル/キシレン溶液〕16.7部、アクリル系ポリマー〔アクリル酸ブチル/アクリル酸=100/5(重量比)の共重合体、重量平均分子量160×106 、30重量%酢酸エチル溶液〕2.2部、希釈溶媒として酢酸エチル81.1部を、均一に混合して、粘接着剤組成物を調製した。固形分濃度は7.3重量%、溶液の粘度(25℃、せん断速度Gp=600s−1)は2mPa・sであった。
【0035】
この粘接着剤組成物を用いて、実施例1と同様に光学フィルムをドライラミネーティングして、積層体を作製した。この積層体について、断面観察により、接着剤層の膜厚を測定したところ、約2.5μmであった。また、コレステリツク配向液晶層に切り込みを入れて、碁盤目剥離試験を行ったところ、残膜100/100であり、十分な接着力を有していることがわかった。
【0036】
実施例3
湿気硬化型イソシアネート化合物〔メチレンジイソシアネートポリマー、日本ポリウレタン社製の「コロネート2014」、50重量%キシレン溶液〕8.8部、アクリル系ポリマー〔アクリル酸ブチル/2−ヒドロキシエチルアクリレート=100/0.1(重量比)の共重合体、重量平均分子量180×106 、30重量%酢酸エチル溶液〕6部、希釈溶媒として酢酸エチル85.3部を、均一に混合して、粘接着剤組成物を調製した。固形分濃度は6.2重量%、溶液の粘度(25℃、せん断速度Gp=1,500s−1)は5mPa・sであった。
【0037】
この粘接着剤組成物を用いて、実施例1と同様に光学フィルムをドライラミネーティングして、積層体を作製した。この積層体について、断面観察により、接着剤層の膜厚を測定したところ、約2.0μmであった。また、コレステリツク配向液晶層に切り込みを入れて、碁盤目剥離試験を行ったところ、残膜100/100であり、十分な接着力を有していることがわかった。
【0038】
実施例4
湿気硬化型イソシアネート化合物〔H6キシレンジイソシアネート、三井武田ケミカル社製の「タケネートM−605N」、40重量%酢酸エチル/キシレン溶液〕14.3部、アクリル系ポリマー〔アクリル酸ブチル/2−アミノエチルアクリレート=100/0.03(重量比)の共重合体、重量平均分子量200×106 、30重量%酢酸エチル溶液〕2.8部、希釈溶媒として酢酸エチル82.9部を、均一に混合して、粘接着剤組成物を調製した。固形分濃度は6.5重量%、溶液の粘度(25℃、せん断速度Gp=600s−1)は3mPa・sであった。
【0039】
この粘接着剤組成物を用いて、実施例1と同様に光学フィルムをドライラミネーティングして、積層体を作製した。この積層体について、断面観察により、接着剤層の膜厚を測定したところ、約3.0μmであった。また、コレステリツク配向液晶層に切り込みを入れて、碁盤目剥離試験を行ったところ、残膜100/100であり、十分な接着力を有していることがわかった。
【0040】
比較例1
アクリル系ポリマー〔アクリル酸ブチル/アクリル酸=100/5(重量比)の共重合体、重量平均分子量160×106 〕100部(固形分)に、架橋剤として多官能イソシアネート化合物(日本ポりウレタン社製)0.8部を加えて、トルエンにより希釈することにより、固形分の濃度が15重量%であるアクリル系粘着剤を調製した。
【0041】
このアクリル系粘着剤をダイコーターにより離型フィルムに塗布し、この上に同様の離型フィルムをラミネートしたのち、50℃の加温ボックスでエージングした。一方の離型フィルムを剥離して、偏光板に貼り合わせて巻き取り、ついで他方の離型フィルムを剥離しながら、コレステリック配向液晶層と貼り合わせることにより、積層体を作製した。
【0042】
この積層体は、接着剤層(粘着剤層)の膜厚が約15μmであった。加圧処理を行って接着力を向上させたのち、碁盤目剥離試験を行ったところ、残膜100/100であり、十分な接着力を有していることがわかった。
【0043】
以上の結果から明らかなように、偏光板とコレステリック配向液晶層とからなる光学フィルムの積層にあたり、接着材料として、実施例1〜4の粘接着剤組成物を使用することにより、比較例1の通常のアクリル系粘着剤を使用したものに比べて、接着剤層の厚さをかなり薄くしても、十分に満足できる接着力を有する積層体が得られるものであることがわかる。
【0044】
【発明の効果】
以上により、本発明の粘接着剤組成物は、有機溶媒中に固形分として湿気硬化型イソシアネート化合物と水酸基、カルボキシル基またはアミノ基のうちの少なくとも1種を持つアクリル系ポリマーとを特定割合で含み、上記溶媒を除去した乾燥初期には粘着性を示し、その後の室温放置、加熱処理または加湿処理により硬化することを特徴としたものであり、これによれば、薄層化しても満足できる接着特性を発揮できるうえに、透明で、接着積層時に高温工程を必要としない、光学フィルム用にとくに適した接着材料を提供できる。また、従来のアクリル系粘着剤に比べて、貼り合わせが容易で、工程数やエージング時間を減少でき、コスト的にも有利である上記接着材料を提供することができる。

Claims (5)

  1. 有機溶媒中に固形分として湿気硬化型イソシアネート化合物50〜99.99重量%と水酸基、カルボキシル基またはアミノ基のうちの少なくとも1種を持つアクリル系ポリマー50〜0.01重量%とを含み、上記溶媒を除去した乾燥初期には粘着性を示し、その後の室温放置、加熱処理または加湿処理により硬化することを特徴とする粘接着剤組成物。
  2. 二つの基板が請求項1に記載の粘接着剤組成物を用いて接着積層されてなることを特徴とする積層体。
  3. 二つの基板が光学フィルムである請求項2に記載の積層体。
  4. 二つの基板を接着積層した積層体の製造に際し、一方の基板に請求項1に記載の粘接着剤組成物を塗布し、乾燥により有機溶媒を除去した粘着性を示す初期状態で他方の基板を積層し、その後、室温放置、加熱処理または加湿処理して硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。
  5. 請求項3に記載の積層体を用いた画像表示装置。
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