JP2004050108A - コーティング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォトクロミック化合物を含むコーティング剤をスピンコートで基材表面に膜厚が10μm以上となるように形成する場合に、基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを低減させ、膜厚の均一性に優れたコーティング層を有する基材を得る。
【解決手段】基材表面にフォトクロミック化合物を含むコーティング剤をスピンコートにより膜厚が10μm以上のコーティング層となるように被覆する際に、基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを、ヘラを基材周縁部に当接させるか、基材にリングを勘合させることによって除去する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトクロミック化合物を含むコーティング剤で基材表面を被覆するコーティング方法に関する。より詳しくは、フォトクロミック化合物を含むコーティング剤を基材表面に被覆する際に、基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを除去するコーティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォトクロミズムとは、ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に戻る可逆作用のことであり、様々な用途に応用されている。
【0003】
例えば、眼鏡レンズの分野においてもフォトクロミズムが応用されており、上記のような性質を有する各種フォトクロミック化合物を添加した重合性単量体を硬化させることによりフォトクロミック性を有するプラスチックレンズが得られている。フォトクロミック化合物としてもこのような用途に好適に使用できるフルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、クロメン化合物等が見出されている。
【0004】
フォトクロミック性を有するプラスチックレンズの製造方法としては、フォトクロミック性を有しないレンズの表面にフォトクロミック化合物を含浸させる方法(以下、含浸法という)、あるいはそのレンズ表面にフォトクロミック性を有するプライマー層あるいはハードコーティング層を設ける方法(以下、コーティング法という)、あるいはモノマーにフォトクロミック化合物を溶解させそれを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法(以下、練り混み法という)が提案されている。
【0005】
上記のコーティング法においては、フォトクロミック性を有しないレンズ表面にフォトクロミック化合物を溶解したコーティング剤を塗布した後、硬化させることにより、フォトクロミック性を含有するコーティング層が被覆されたプラスチックレンズを得ている。
【0006】
例えば、WO98/37115号には、ウレタンオリゴマー中にフォトクロミック化合物を溶解させたコーティング剤をレンズ上に塗布した後、赤外線を用いて40分間140℃で熱硬化する手法が提案されている。
【0007】
また、米国特許第5914174号には、単官能、2官能および多官能ラジカル重合性単量体を組み合わせた重合性単量体組成物に、フォトクロミック化合物を溶解したコーティング剤を調合し、それをガラスモールド内面にコーティングした後に光硬化し、そのモールド内部へモノマー組成物を注入し、熱硬化する手法が提案されている。
【0008】
さらに、WO00/36047号には、N―アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、触媒(好ましくは酸性触媒)およびフォトクロミック化合物を混合したコーティング剤をレンズ上に塗布した後、40分間140℃で熱硬化する手法が提案されている。
【0009】
さらに、WO01/02449号には、2種類以上の2官能(メタ)アクリルモノマーのみの組み合わせからなるモノマー組成物にフォトクロミック化合物を溶解させたコーティング剤をレンズ上に塗布した後、500ワットのランプを用いて光硬化する手法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらいずれの方法においても、基材表面に塗布したコーティング剤のコーティング層を、基材表面全体において均一の膜厚に制御することは難しい。
【0011】
特に、前記で説明したコーティング法を用いる場合、フォトクロミック化合物の実用的な発色濃度を得るためには、コーティング層の厚みをある程度以上、例えば、10μm以上とする必要がある。しかし、本発明者らが確認したところによると、スピンコーティングによって膜厚が10μm以上のコーティング層を形成しようとすると、余剰のコーティング剤が基材表面の周縁部に溜まり、コーティング層の膜厚が均一にならないという問題があることがわかった。
【0012】
基材周縁部への液の溜まりを抑制するために、スピンコーティングの回転数を高速化したり、さらに/または回転時間を長くしたりする場合には、目的とする膜厚のコーティング層を形成させることができないために、フォトクロミック特性等の物性を十分に発揮させることができないといった問題が生じる。
【0013】
また、米国特許第5914174号のような手法で、プラスチック表面にコーティング層を付与する方法では、比較的膜厚の制御はし易いものの、操作が煩雑であり、生産性および収率の低下が問題となる。
【0014】
また、WO98/37115号やWO00/36047号のように、コーティング層を熱硬化する場合には、光硬化する場合に比べて、スピンコーティング終了からコーティング剤がゲル化するまでの時間が長いために、時間の経過と共に基材中心部の膜厚が薄くなり、更に基材周縁部への液の溜まりが増大し、膜厚の均一性が低下してしまう。
【0015】
以上のように、基材表面にフォトクロミック化合物を含むコーティング剤をスピンコートで膜厚が10μm以上になるように被覆する場合において、基材表面全体のコーティング層の膜厚をできるだけ均一にコーティングする方法は、未だ見出されていない。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、基材表面にフォトクロミック化合物を含むコーティング剤をスピンコートで被覆する際に、基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりが膜厚の不均一化の原因であること、コーティング剤の液溜りは容易に除去可能であること、上記の液溜りを除去することにより基材表面全体のコーティング層の膜厚を可及的に均一にできることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、基材表面にフォトクロミック化合物を含むコーティング剤をスピンコートで膜厚が10μm以上のコーティング層となるように被覆する際に、基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを除去することを特徴とするコーティング方法である。
【0017】
【発明の実施形態】
本発明におけるコーティング剤を構成する成分としては、公知の化合物を何ら制限なく用いることができるが、コーティング剤をコーティング後に膜を硬化させて保持するため、さらには硬化後の耐溶剤性や硬度、耐熱性等の硬化体特性の点からも、ラジカル重合性単量体を用いることが好ましい。
【0018】
本発明において用いられるラジカル重合性単量体は特に限定されず、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、スチリル基等のラジカル重合性基を有する公知の化合物がなんら制限なく使用できる。これらのなかでも、入手のし易さ、硬化性の良さから(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基をラジカル重合性基として有する化合物が好ましい。
【0019】
このようなラジカル重合性単量体を具体的に例示すると、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ウレタンオリゴマーテトラ(メタ)アクリレート、ウレタンオリゴマーヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、分子量6000−8000の4官能ポリエステルオリゴマー(ダイセルユーシービー社、EB450等)、分子量45000〜55000の6官能ポリエステルオリゴマー(ダイセルユーシービー社、EB1830等)、分子量10000の4官能ポリエステルオリゴマー(第一工業製薬社、GX8488B等)、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、平均分子量776(分子量640〜910の範囲が主成分)の2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン、平均分子量526(分子量435〜615の範囲が主成分)のポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量360(分子量260〜440の範囲が主成分)のポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量475(分子量400〜585の範囲が主成分)のメチルエーテルポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量1000(分子量890〜1160の範囲が主成分)のメチルエーテルポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量375(分子量280〜470の範囲が主成分)のポリプロピレングリコールメタアクリレート、平均分子量430(分子量340〜525の範囲が主成分)のポリプロピレングリコールメタアクリレート、平均分子量622(分子量520〜600の範囲が主成分)のポリプロピレングリコールメタアクリレート、平均分子量620(分子量490〜760の範囲が主成分)のメチルエーテルポリプロピレングリコールメタアクリレート、平均分子量566(分子量500〜680の範囲が主成分)のポリテトラメチレングリコールメタアクリレートなどを挙げることができる。
【0020】
上記ラジカル重合性単量体は、コーティング剤の硬化後の耐溶剤性や硬度、耐熱性等の硬化体特性等を考慮して、2種類以上を適宜混合して用いることもできる。
また、本発明において使用されるコーティング剤には、上記ラジカル重合性単量体とは別に、分子中に少なくとも一つのエポキシ基と少なくとも一つのラジカル重合性基を有するラジカル重合性単量体(以下、単にエポキシ系モノマーと称す場合がある)が配合されていることが好ましい。
【0021】
上記のエポキシ系モノマーを本発明におけるラジカル重合性単量体の成分として使用することにより、コーティング層と基材との密着性が向上する。
【0022】
このようなエポキシ系モノマーは公知の化合物を何ら制限なく使用できるが、好ましくは、ラジカル重合性基として(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましい。
【0023】
上記のエポキシ系モノマーを具体的に例示すると、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、平均分子量540(分子量390〜660の範囲が主成分)のグリシジルオキシポリエチレングリコールメタアクリレート等が挙げられる。これらの中でもグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートおよび平均分子量540(分子量390〜660の範囲が主成分)のグリシジルオキシポリエチレングリコールメタアクリレートが特に好ましい。
【0024】
これらエポキシ系モノマーの配合割合は、全ラジカル重合性単量体中、0.01〜30重量%、特に0.1〜20重量%であるのが好適である。
【0025】
本発明において使用されるコーティング剤には上記ラジカル重合性単量体に加えて、アミン化合物が配合されることが好ましい。アミン化合物を配合することにより、当該コーティング剤の硬化体よりなるコーティング層と基材との密着性をさらに大きく向上させることができる。
【0026】
このようなアミン化合物としてはアミノ基を有する化合物が何ら制限なく使用できる。好適に使用できるアミン化合物を具体的に例示すると、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4−ジメチルアミノベンゾフェノン、ジアザビシクロオクタン等の非重合性低分子系アミン化合物;N,N―ジメチルアミノエチルメタアクリレート、N,N―ジエチルアミノエチルメタアクリレート等の重合性基を有するアミン化合物;n−(ヒドロキシエチル)−N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシフェニル−2−ピペリジノエトキシシラン、N,N−ジエチルアミノメチルトリメチルシラン、(N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン等のシリル基を有するアミン化合物が挙げられる。
これらアミン化合物は単独もしくは数種混合して使用することができる。これらアミン化合物の配合量としては、コーティング剤に配合される全ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部、さらに1〜10重量部の範囲であることが好ましい。この範囲にすることにより高い密着性を得ることができる。
さらに、本発明において使用されるコーティング剤には、上記ラジカル重合性単量体とは別に、シラノール基(≡Si−OH)または加水分解によりシラノール基を生じる基を有するラジカル重合性単量体(以下、シリルモノマーと称す場合がある)、あるいはイソシアネート基を有するラジカル重合性単量体(以下、イソシアネートモノマーと称す場合がある)のいずれかが配合されていることが好ましく、これらの化合物は公知の化合物であれば何ら制限することなく使用することができる。
ここで、シリルモノマーを具体的に例示すると、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、4−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、3−(3−アミノプロポキシ)−3,3−ジメチル−1−プロペニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、2−(クロロメチル)アリルトリメトキシシラン、ジエトキシビニルシラン、1,3−ジビニルテトラエトキシジシロキサン、ドコセニルトリエトキシシラン、O−(メタクリロキシエチル)−N−(トリエトキシシリルプロピル)ウレタン、N−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシエトキシトリメチルシラン、(メタクリロキシメチル)ジメチルエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、1,3―ビス(メタクリロキシ)−2−トリメチルシロキシプロパン、テトラキス(2−メタクリロキシエトキシ)シラン、トリビニルエトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルジフェニルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、O−(ビニロキシエチル)−N−(トリエトキシシリルプロピル)ウレタン、ビニロキシトリメチルシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン、ビニルフェニルメチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシランビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等を挙げることができる。
これらの中でも、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)ジメチルエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシランが特に好適に使用できる。
【0027】
また上記のシリルモノマーに替えて、イソシアネートモノマーを配合しても、プラスチックレンズとの密着性をより高くすることが可能である。
【0028】
好適に使用できるイソシアネートモノマーを具体的に例示すると、2−イソシアナトエトキシメタアクリレート、4−(2−イソシアナトイソプロピル)スチレン等を挙げることができる。
【0029】
本発明におけるシリルモノマー又はイソシアネートモノマーの配合量は特に制限されるものではないが、基材やハードコート材料との密着性を良好なものとし、また、ハードコートした際の耐擦傷性を良好なものとするために、全ラジカル重合性単量体中に占める割合で0.5〜20重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。
【0030】
また、これらシリルモノマー又はイソシアネートモノマーは単独あるいは数種混合して使用することができ、シリルモノマーとイソシアネートモノマーとを混合して使用することも可能である。
本発明の製造方法にて使用されるコーティング剤には、コーティング剤を光で硬化させるために、光重合開始剤を配合することができる。
光重合性開始剤を具体的に例示すれば、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,6−ジクロルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等のモノアシルフォスフィンオキシド系化合物;ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6―トリメトキシベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノール、アセトフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、4’,4”−ジエチルイソフタロフェノン、9,10−フェナンスレンキノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2(O−エトキシカルボニル)オキシム、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、オルソベンゾイル安息香酸、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等を挙げることができる。
【0031】
これら光重合開始剤は、全ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.001〜5重量部の範囲で用いるのが一般的である。上記光重合開始剤は単独で用いても良いし、2種類以上を組合せて用いても構わない。
【0032】
また、本発明における製造方法において、光重合後に熱重合を併用する場合には、光重合開始剤の他に熱重合開始剤を添加することも可能である。
熱重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものが使用できるが、代表的なものを例示すると、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルオキシカーボネート等のパーカーボネート類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾ化合物等を挙げることができる。
【0033】
これら熱重合開始剤の使用量は、重合条件や開始剤の種類、ラジカル重合性単量体の種類や組成によって異なり、一概に限定できないが、一般には、全ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で用いるのが好適である。上記の熱重合開始剤は単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
【0034】
本発明の製造方法において使用されるコーティング剤には、コーティング剤を塗布した基材にフォトクロミック性を付与するために、フォトクロミック化合物を配合する必要がある。
【0035】
フォトクロミック化合物は、公知のフォトクロミック化合物を何ら制限なく使用することができる。例えば、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、クロメン化合物等のフォトクロミック化合物がよく知られており、本発明においてはこれらのフォトクロミック化合物を特に制限なく使用することができる。
【0036】
上記のフルギミド化合物、スピロオキサジン化合物およびクロメン化合物としては、例えば特開平2−28154号公報、特開昭62−288830公報、WO94/22850号明細書、WO96/14596号明細書など記載されている化合物が好適に使用できる。
【0037】
また、優れたフォトクロミック性を有する化合物として本発明者等が新たに見出し、特許出願中の化合物(特開2001−114775号、特開2001−031670号、特開2001−011067号、特開2001−011066号、特開2000−347346号、特開2000−344762号、特開2000−344761号、特開2000−327676号、特開2000−327675号、特開2000−256347号、特開2000−229976号、特開2000−229975号、特開2000−229974号、特開2000−229973号、特開2000−229972号、特開2000−219687号、特開2000−219686号、特開2000−219685号、特開平11−322739号、特開平11−286484号、特開平11−279171号、特開平10−298176号、特開平09−218301号、特開平09−124645号、特開平08−295690号、特開平08−176139号、特開平08−157467号等)も好適に使用することができる。
【0038】
これらフォトクロミック化合物の中でも、クロメン系フォトクロミック化合物は、フォトクロミック特性の耐久性が他のフォトクロミック化合物に比べ高く、さらに本発明によるフォトクロミック特性の発色濃度および退色速度の向上が他のフォトクロミック化合物に比べて特に大きいため特に好適に使用することができる。さらにこれらクロメン系フォトクロミック化合物の中でもその分子量が540以上の化合物は、本発明によるフォトクロミック特性の発色濃度および退色速度の向上が他のクロメン系フォトクロミック化合物に比べて特に大きいため好適に使用することができる。
【0039】
フォトクロミック化合物は目的とする発色色調を得るために、複数の種類のものを適宜混合して使用しても構わない。
【0040】
本発明において使用されるコーティング剤にフォトクロミック化合物を配合する際のその配合量は、コーティング剤に配合される全ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.01〜20重量部であるのが好ましく、0.05〜15重量部であるのがより好ましく、0.1〜10重量部の範囲であるのが最も好ましい。この範囲とすることにより十分な発色濃度を得つつ、かつフォトクロミック化合物をラジカル重合性単量体に均一に溶解させることが容易となり、よって発色濃度も十分かつ均一なものとすることが容易となる。
【0041】
本発明において使用されるコーティング剤には、コーティング層の黄変防止や成形性の向上、さらにはフォトクロミック化合物を添加時のフォトクロミック化合物の耐久性の向上、発色速度の向上、退色速度の向上等のために、界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、可塑剤等の添加剤を添加しても良い。
上記したコーティング剤を基材表面にスピンコートにより膜厚が10μm以上のコーティング層となるように被覆すると、基材の周縁部にコーティング剤の液溜りが生じることを本発明者が初めて確認した。なお、ここで、膜厚はレンズの最中心の膜厚と比較して110%以上の膜厚を有する部分、実質的にはレンズ周縁から10mm以内の部分を除いたレンズ中心部分の膜厚である。本発明においては、このような液溜りをスピンコート中に除去することが特徴である。
【0042】
本発明における液溜りを除去する方法としては特に制限されないが、例えば次に示す方法を好適に採用することができる。基材周縁部にヘラを当接させて基材周縁部の液溜りを除去する方法、または、基材の外周に勘合し、且つ基材表面と連続する平面を基材外周に形成しうるリングを基材周縁部に取り付ける方法を挙げることができる。
本発明に用いられるヘラまたはリングの形状は、それぞれスピンコーティング後に基材周縁部におけるコーティング剤の液溜まりを除去、もしくは減少するような構造であれば特に制限はないが、具体的にその形状を例示すれば、図1または図2に示すようなヘラ、または図4に示すようなリングなどを挙げることができる。
【0043】
本発明に用いられるヘラを図1および図2に基づいて説明すると、ヘラ本体1は扁平状であって、下端部2でコーティング剤の液溜りを掻き取る構造である。下端部2の形状は、図1に示すように、ヘラ本体1の長手方向に対して適当な角度で直線的に切断された形状であってよい。この場合、下端部2を基材3の周縁に当接させることにより、基材周縁部の液溜りを掻き取ることができる。
また、ヘラは基材周縁部のコーティング剤の液溜りを効果的に掻き取るために、基材周縁だけではなく、基材周縁部近傍に当接させる構造であってもよい。この場合のヘラの下端部の形状は、図2に示すように、基材の回転中心を含む平面で切断した基材周縁部の断面形状に相似する形状であることが好ましい。つまり、ヘラ4において、水平方向に伸びた水平片5と垂直方向に伸びた垂直片6とを有し、水平片5は基材上面に接し、垂直片6は基材側面に接するようにした形状であるものが好ましい。
なお、図2は基材8およびヘラ4が当接する部分を拡大表示したものであり、基材8とヘラ4の間隔を実際の使用態様よりも離して記載している。
ヘラ4の形状を、図2に記載するような形状とすることよって、ヘラ4における水平片5および垂直片6を基材周縁部の上面と側面にそれぞれ接触させ、基材周縁から一定の幅で基材表面の液溜りを除去することが可能となり、さらには、基材側面に付着するコーティング剤をも掻き取ることが可能なため、基材の仕上がり外観をより向上させることができる。また、ヘラ4における下端部7は、直接基材に接触することはないが、基材回転時におけるヘラ4の強度維持などを考慮して適宜採用すればよい。
【0044】
本発明に用いるヘラ1および4の大きさは特に制限されず、装置の構造上もしくは操作や運転上、問題にならない大きさであれば構わない。好適な大きさを示せば、ヘラ本体1および4の長さが1〜30cm、より好適には3〜20cmである。下端部2の長さも特に制限されないが、装置の構造上もしくは操作や運転上、問題にならない大きさであれば構わず、1〜50mmであることが好ましく、1〜30mmであることがより好ましい。また、ヘラ4における水平片5および垂直片6の長さも特に制限されないが、水平片5の長さ(l)は液溜まりを除去する範囲を決定することになるため、一般には0.5〜5mmであることが好ましく、0.8〜3mmであることがより好ましい。ヘラの垂直片6の長さ(m)についても特に制限されないが、基材の側面の高さ(厚さ)と同程度以下の長さであれば構わない。具体的には、1〜15mmが好ましく、より好ましくは1〜10mmの範囲である。さらに、ヘラ4における下端部7の長さ(n)に関しても特に制限されないが、過剰コーティング液除去時のヘラ4の機械的強度及びに操作性等の観点から0〜50mmであることが好ましく、0〜30mmであることがより好ましい。
【0045】
本発明に用いられるリングの形状は、図4に示したように、基材の外周に勘合させたときに基材表面と段差ができないように連続する平面を基材外周に形成しうるものであることが好ましい。基材表面とリングとの間に段差が生じた場合は、基材周縁部の液溜りが基材周縁部に留まり、リング上に流れないために液溜りの除去が困難になる場合がある。
【0046】
本発明に用いるリングと基材を勘合させた際の段差は、コーティング剤を効率よく除去するという観点から、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。
【0047】
図4におけるリング9の形状は円形となっているが、基材の外周に勘合可能な形状であれば特に制限はない。例えば、図4のように基材が円形の場合には、リングの内径部分が円形で良く、リングの外径部分は円形、四角形またはその他の形状であっても良い。また、基材形状が四角形や三角形などの場合には、リングの内径部分がそれぞれ四角形や三角形であれば良く、外径部分はどのような形状であっても良い。また、リング9の内径部分から外形部分までの長さ(リングの幅)は特に制限されないが、余剰の液を基材上からリング上へ移行させて除去することが必要であるため、その幅は1〜50mmの範囲であることが好ましく、2〜30mmであることがより好ましく、さらには3〜15mmであることが最も好ましい。
【0048】
本発明におけるヘラの使用方法としては、コーティング剤を基材表面上に塗布した後、基材を回転させてスピンコートしている際に、コーティング剤を塗布した基材表面の周縁部にヘラの一部を接触させるか、または、コーティング剤を塗布した基材表面の周縁から適当な距離、例えば5mm以内までの基材表面全体にヘラを接触させる方法を挙げることができる。
【0049】
この場合において、基材とヘラとがなす角度は特に制限されないが、基材表面に対してヘラを含む平面が、基材の回転方向または逆方向に傾斜していてもよい。具体的には、図3に示すように、基材表面とヘラを含む平面とのなす角度(θ)は、5〜175度の範囲であることが好ましく、20〜160度の範囲であることがより好ましく、さらには30〜150度であることが最も好ましい。
【0050】
ヘラを基材から離すタイミングに関しては、基材周縁部へのコーティング剤の液溜まりをより低減させるために、できるだけ基材の回転が終了する直前まで基材とヘラを当接させていることが好ましい。
【0051】
また、基材の側面にもヘラを接触させる場合には、スピンコートにより基材側面に付着する余剰のコーティング剤も除去することが可能なため、コーティング層を光重合等により硬化させた後の外観がより向上する。
【0052】
一方、本発明で用いられるリングは、コーティング剤を塗布する前に基材に装着してから用いられる。リングは、コーティング剤を塗布する基材表面とリングの平面とが隙間なくまた段差が小さく滑らかな面をなすように基材に装着することが重要である。次いで、コーティング剤を基材表面上に塗布し、スピンコートすることにより、基材表面上に必要量のコーティング層を形成させる。余剰のコーティング剤は基材周縁部に液溜りを形成することなく、リング平面上に流れ広がる。このようにして、比較的均一な厚みを有するコーティング層を基材表面に形成することができる。
【0053】
リングを基材から離脱させるタイミングに関しては、スピンコーティング後のコーティング層の形状を保持する観点から、リングを装着したままの状態でコーティング層を硬化させた後に、リングを離脱させる方法を採用することが好ましい。
【0054】
本発明において、コーティング剤のスピンコートの際に用いられるヘラまたはリングの材質に関しては、公知のものであれば何ら制限なく使用することができる。例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、(発泡)ポリスチレン、(発泡)ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリ四フッ化エチレン、シリコーン樹脂などのプラスチック樹脂類;ステンレススチール、アルミニウム、銅、鉄などの金属類;スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴムまたはアクリルゴムなどのゴム類などを挙げることができる。
【0055】
特に、ヘラに関しては、基材とヘラとの接触部の密着しやすさ、基材表面に傷をつけないという観点から、柔軟性を有するプラスチック樹脂類およびゴム類が好ましい。また、リングに関しては、基材とリングとの密着しやすさ、リングの使い捨てを考慮したときの安価な原料費などの観点から、プラスチック樹脂類およびゴム類が好ましい。
【0056】
本発明に用いる基材の形状は、特に制限されることなく用いることができるが、基材の形状が円形の場合には、基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを除去する道具としてヘラまたはリングを用いることが好ましく、また基材の形状が円形以外の場合には、基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを除去する道具としてリングを用いることが好ましい。円形以外の形状としては、例えば四角形、三角形、ひし形、星形および楕円形等を挙げることができる。
【0057】
また、本発明においては、コーティング剤を基材上にコーティングした後にコーティング層を硬化させる。硬化方法としては、公知の技術を何ら制限なく用いることができるが、基材周縁部へのコーティング液の流動を極力抑制するために、コーティング終了時からできるだけ短時間で重合を開始することが好ましく、そのためには比較的簡易である紫外線または/および可視光線などを用いた光重合を用いることが好ましい。この場合、コーティング終了時から重合開始までの時間としては、0〜90秒が好ましく、より好ましくは0〜30秒である。
【0058】
光重合に使用される光源は、公知のものを何ら制限なく用いることができるが、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、殺菌ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、タングステンランプ等の有電極ランプ、または無電極ランプ等を用いることができる。また、光源として電子線を用いてもよく、この場合には光重合開始剤を添加せずにコーティング層を硬化させることもできる。
【0059】
本発明においては、光重合単独でコーティング層の硬化を完結させても良いが、光重合後に熱重合を併用することによって、コーティング層の硬化を完結させる方法を採用しても構わない。熱重合としては、重合炉中で熱を施して熱重合させる方法、または重合炉中で赤外線を照射して重合硬化させる方法等を挙げることができる。
【0060】
上記方法によって硬化させて得られるコーティング層の厚さは、フォトクロミック化合物の濃度が比較的低くても充分な発色濃度を得るため、及びフォトクロミック特性の耐久性を良好にするために10μm以上であることが必要である。しかしながら、一方でコーティング層の厚さが厚くなり過ぎると初期着色が増加するため、コーティング層の厚さは10〜100μmであるのが好ましく、20〜50μmであるのがより好ましい。このような厚めのコーティング厚さとするには、配合されるラジカル重合性単量体等の重合成分の配合比率を適宜選択し、コーティング剤の25℃における粘度を20〜500cp、好適には50〜300cp、より好適には60〜200cpとすることが好ましい。
【0061】
本発明においては、コーティング剤は基材表面の少なくとも一面にコーティングされるが、該被覆方法は特に限定されず、最終的にスピンコーティングを実施する方法であれば、公知の被覆(コーティング)方法がなんら制限なく適用できる。具体的には、コーティング剤をスピンコーティング、ディップ−スピンコーティング等の方法で塗布する方法が挙げられる。
【0062】
本発明のコーティング方法に使用されるコーティング剤によって被覆される基材は、公知のものをなんら制限なく用いることができるが、(メタ)アクリル樹脂、アリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン樹脂、チオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、チオエポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート系樹脂、ポリ四フッ化エチレン、シリコーン樹脂などのプラスチック樹脂;ステンレススチール、アルミニウム、銅、鉄などの金属;スチレン―ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、またはアクリルゴムなどのゴム類;半導体、木材、無機ガラス、石英ガラス、紙類、セラミックスなどを挙げることができる。
【0063】
本発明におけるコーティング剤を被覆する際の基材の前処理方法は、必要に応じて実施することができる。例えば、塩基性水溶液又は酸性水溶液による化学的処理、研磨剤を用いた研磨処理、大気圧プラズマおよび低圧プラズマ等を用いたプラズマ処理等を挙げることができる。
【0064】
本発明の製造方法により得られるフォトクロミックコーティング層を有する基材は、そのまま使用することが可能であるが、より好ましくは更にフォトクロミックコーティング層をハードコート剤で被覆することが好ましい。ハードコート剤で被覆することにより、基材の耐擦傷性を向上させることができる。
【0065】
本発明によって製造されるフォトクロミック化合物を含むコーティング層を有する物品の用途は、特に限定されることはないが、好適には眼鏡レンズ、家屋や自動車の窓等、公知の光学材料等の用途を挙げることができる。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を説明するために、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0067】
以下に使用した化合物の略号と名称を示す。
(1)ラジカル重合性単量体
・シリルモノマー
TMSiMA:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
・その他のラジカル重合性単量体
TMPT:トリメチロールプロパントリメタクリレート
EB6A:ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート(ダイセル・ユーシービー社:EB1830)
GMA:グリシジルメタアクリレート
BPE:2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン
9GA:平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート
U6A:ウレタンオリゴマーヘキサアクリレート(新中村化学社:U−6HA)
MePEGMA:平均分子量1000のメチルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート
BPEオリゴ:平均分子量776の2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン
(2)アミン化合物
NMDEA:N−メチルジエタノールアミン
(3)フォトクロミック化合物
クロメン1
【0068】
【化1】
Figure 2004050108
【0069】
クロメン2
【0070】
【化2】
Figure 2004050108
【0071】
クロメン3
【0072】
【化3】
Figure 2004050108
【0073】
クロメン4
【0074】
【化4】
Figure 2004050108
【0075】
クロメン5
【0076】
【化5】
Figure 2004050108
【0077】
クロメン6
【0078】
【化6】
Figure 2004050108
【0079】
(4)重合開始剤
CGI1800:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドの3対1の比の混合物
CGI819:ビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
(5)安定剤
LS765:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート
(6)コーティング剤
コーティング剤A
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン10重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート30重量部、ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート30重量部、平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート20重量部、グリシジルメタクリレート10重量部からなる重合性単量体100重量部に、クロメン1を3重量部、N−メチルジエタノールアミンを5重量部、LS765を5重量部、重合開始剤としてCGI1800を0.5重量部添加して十分に混合し、コーティング剤Aを得た。この混合液の動粘度を、キャノン−フェンスケ粘度計を用いて測定した。測定はJISK2283に準拠し、25℃で行った。得られた動粘度とあらかじめ測定した試料の比重より、式〔粘度(cP)=動粘度(cSt)×比重(g/cm)〕を用いて試料の粘度を算出したところ153cPであった。
【0080】
コーティング剤B〜H
コーティング剤Aと同様の方法で、表1に示す成分を混合して得た。
【0081】
【表1】
Figure 2004050108
【0082】
(7)基材
CR39(アリル樹脂プラスチックレンズ;屈折率=1.50)
MR(チオウレタン系樹脂プラスチックレンズ;屈折率=1.60)
TE(チオエポキシ系樹脂プラスチックレンズ;屈折率=1.71)
PC(ポリカーボネート樹脂プラスチックレンズ;屈折率=1.59)
SPL(メタクリル系樹脂プラスチックレンズ;屈折率=1.54)
実施例1
プラスチックレンズ(樹脂製基材:CR39)の凸面全体に、大気圧プラズマ照射器(株式会社キーエンス製ST−7000)を用いて、計60秒の大気圧プラズマ処理を行い、40℃の温水約2mlで凸面を洗浄した後、コーティング剤Aを、MIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて、回転数60rpmで40秒→500rpmで2秒→1000rpmで5秒の条件でスピンコートした。この際に、図2に示した形状のポリウレタン樹脂製のヘラをスピンコートの最中は終始レンズに接触させることにより、プラスチックレンズ周縁部に溜まる過剰のコーティング液の除去を行った。この時のヘラの形状は、図2における水平片5(l)が3mm、垂直片6(m)が5mm、下端部7(n)が10mmであり、図3におけるレンズ表面とヘラを含む平面とのなす角度(θ)は90度であった。この表面がコーティング剤で被覆されたレンズを窒素ガス雰囲気中で照射強度が100mW/cm程度のメタルハライドランプを用いて150秒間照射し、コーティング剤を硬化させた。その後さらに120℃で2時間加熱した。得られたコーティング層を有するプラスチックレンズを試料とし、基材の中心部および周縁部のコーティング層の膜厚、最大吸収波長、発色濃度、退色速度および耐久性を以下の方法で測定した。その結果を表2に示した。
(1)フォトクロミック層の膜厚:レンズ中心部分の膜厚は、レンズの最中心の膜厚と比較して、110%以上の膜厚を有する部分(レンズ周縁から10mm以内の部分)を除いた部分のコーティング層についてフィルメトリクス社製薄膜測定装置を用いて測定を行った。レンズ周縁部分の膜厚は、(株)ハイロックス製パワースコープKH−2700を用いて直接観察することにより膜厚測定を行った。
(2)最大吸収波長(λmax):得られたフォトクロミック層を有するレンズに、浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm,245nm=24μW/cmで120秒間照射して発色させ、このときの最大吸収波長を(株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000)により求めた。なお、最大吸収波長は、発色時の色調に関係する。
(3)発色濃度:120秒間光照射した後の、最大吸収波長における吸光度{ε(120)}と、光照射していない状態の硬化体の該波長における吸光度{ε(0)}との差{ε(120)−ε(0)}を求めこれを発色濃度とした。この値が高いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
(4)退色速度:120秒間光照射した後、光の照射を止め、該硬化体の最大吸収波長における吸光度が前記{ε(120)−ε(0)}の1/2まで低下するのに要する時間{t1/2(min)}を測定した。この時間が短いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
【0083】
(5)耐久性:光照射による発色の耐久性を評価するために次の劣化促進試験を行った。すなわち、得られたフォトクロミック層を有するレンズをスガ試験器(株)製キセノンウェザーメーターX25により200時間促進劣化させた。その後、前記発色濃度の評価を試験の前後で行い、試験前の発色濃度(A)および試験後の発色濃度(A200)を測定し、{(A200/A)×100}の値を残存率(%)とし、発色の耐久性の指標とした。残存率が高いほど発色の耐久性が高い。
【0084】
【表2】
Figure 2004050108
【0085】
実施例2〜9
表2に示されるコーティング剤および基材を用い、また、過剰コーティング液の除去方法として、表3に示される方法を採用したこと以外は、実施例1と同様にして試料を作成し、その評価を行った。過剰液の除去方法として、リングを用いた場合には、スピンコートする以前に基材にリングを装着し、光重合後に基材からリングを離脱させた。それ以外の条件は、表3に記載した通りである。評価結果を表2に示した。
【0086】
【表3】
Figure 2004050108
【0087】
比較例1〜3
表4に示されるコーティング剤および基材を用い、実施例1に記載された過剰コーティング液の除去は実施しないこと以外は、実施例1と同様にして試料を作成し、その評価を行った。その結果を表4に示した。
【0088】
【表4】
Figure 2004050108
【0089】
上記表2の結果から明らかなように、基材表面にスピンコートによってコーティング剤を塗布する際に、ヘラもしくはリングを使用することにより、基材周縁部の液溜まりが減少することが分かる。ここでいう減少とは、周縁部の膜厚と中心部の膜厚との差が小さいということ、および周縁部の液溜まりの範囲が狭いということである。
【0090】
それに対し、表4の比較例1〜3の結果から分かるように、ヘラもしくはリングを使用しない場合には、実施例1〜9と比べて、周縁部の膜厚と中心部の膜厚との差が大きくなり、さらに周縁部の液溜まりが広範囲になり、基材周縁部の液溜まりが大きいことが理解できる。
【0091】
【発明の効果】
基材表面にフォトクロミック化合物を含むコーティング剤をスピンコートにより膜厚が10μm以上のコーティング層となるように被覆する際に、本発明の方法によって基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを除去することにより、膜厚の均一性に優れたコーティング層を有する基材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるヘラの使用方法の代表的な態様を示す斜視図。
【図2】本発明で用いるヘラの使用方法の他の態様を示す断面図。
【図3】本発明で用いるヘラと基材のなす角度を示す図。
【図4】本発明で用いるリングの使用方法を示す斜視図。
【符号の説明】
1,4  ヘラ
2、7  ヘラ下端部
3,8,10  基材
5  水平片
6  垂直片
9  リング

Claims (1)

  1. 基材表面にフォトクロミック化合物を含むコーティング剤をスピンコートにより膜厚が10μm以上のコーティング層となるように被覆する際に、基材周縁部に生じるコーティング剤の液溜まりを除去することを特徴とするコーティング方法。
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