JP2004047261A - 光電極、光電極の製造方法および太陽電池 - Google Patents
光電極、光電極の製造方法および太陽電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】光電変換効率が高く、高い柔軟性を持つ光半導体層を有する光電極を提供すること。
【解決手段】多孔質の光半導体層46を有する光電極4であって、前記光半導体層46が、酸化物半導体粒子と、エラストマーを含有してなる結着剤とを、含む。エラストマーは平均粒径0.05〜1μmの架橋ゴム粒子であることが好ましく、半導体粒子100重量部に対する結着剤の量は10重量部以下であることが好ましい。本発明の光電極では光半導体層が多孔質化しているので光電変換率が高い。また、光半導体層がエラストマーを含むので、光半導体層に高い柔軟性が付与されている。
【選択図】 図2
【解決手段】多孔質の光半導体層46を有する光電極4であって、前記光半導体層46が、酸化物半導体粒子と、エラストマーを含有してなる結着剤とを、含む。エラストマーは平均粒径0.05〜1μmの架橋ゴム粒子であることが好ましく、半導体粒子100重量部に対する結着剤の量は10重量部以下であることが好ましい。本発明の光電極では光半導体層が多孔質化しているので光電変換率が高い。また、光半導体層がエラストマーを含むので、光半導体層に高い柔軟性が付与されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば色素増感型太陽電池の電極などに用いられる光電極およびその製造方法と、該光電極を用いた太陽電池とに関する。
【0002】
【従来の技術】
環境に優しく、クリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池が知られている。中でも、光電変換効率が高く、且つ、低コスト化の可能性のある色素増感型太陽電池が注目されている。特に近年、色素増感型太陽電池の軽量化を図り、かつ可撓性を付与することが望まれている。
【0003】
色素増感型太陽電池は、たとえば、光電極と、該光電極と対向する側に設けられた対極と、前記光電極及び対極間に挟持された電解液層とで構成されている。光電極は、たとえば、基板と、該基板に形成された導電層と、該導電層に形成された多孔質の光半導体層とで構成されている。光半導体層を多孔質化させているのは、光電変換効率を向上させるためである。
【0004】
光半導体層を多孔質化させる方法としては、酸化チタンなどの酸化物半導体粒子とポリエチレングリコール(PEG)などの親水性高分子結着剤と水などの分散媒とを含む光半導体層用スラリーを、基板に形成された導電層の上に塗布した後、たとえば400℃以上の高温で焼成することにより、光半導体層用スラリーに含まれる親水性高分子結着剤を焼き飛ばす(脱バインダ)方法が知られている(特開2002−50413号公報参照)。
【0005】
しかしながら、この方法では、高温での焼成によっても熱変形に耐えうる剛直で重量のあるガラス板を、基板として用いていたため、太陽電池全体としての軽量化および可撓性付与の要請に反するものであった。また、ガラス板を基板とし、その上に導電層や光半導体層といった電池の構成要素をバッチ式で逐次加工していく必要があるため、大量生産が困難であり、生産効率を悪化させる問題もあった。
【0006】
そこで、軽量で可撓性のある透明高分子フィルムを基板として用い、しかも光半導体層用スラリーを、基板に形成された導電層の上に連続的に塗布することが提案されている(特開2002−93475号公報参照)。
【0007】
しかしながら、透明高分子フィルムは、剛直で重量のあるガラス板と比較して、通常、熱変形温度が低い。このため、基板である透明高分子フィルムが熱変形しない温度で焼成を行うことを余儀なくされる。その結果、光半導体層を多孔質化させることができず、光電変換効率の向上が望めない。
【0008】
そこで、基板としての透明高分子フィルムを熱変形させることなしに、光半導体層を多孔質化させるために、透明高分子フィルム上に形成された導電層の上に、結着剤としてのエチルセルロースを添加した光半導体層用スラリーを塗布・乾燥した後、高温での焼成を行わず、プレス処理する方法が提案されている(文献「フィルム化・有機太陽電池の最新技術」・技術教育出版(有)・2002年6月10日発行)。この方法によると、高温焼成により光半導体層を多孔質化した場合に匹敵する光電変換効率が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この文献記載の技術では、プレス処理後の光半導体層は硬く、柔軟性が十分ではなかった。このため、セルの変形に対して、光半導体層にクラックが入ったり、あるいはセルの封止が破壊されるなど構造破壊が起こり易いという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、光電変換効率が高く、高い柔軟性を持つ光半導体層を有する光電極およびその製造方法と、該光電極を用いた軽量かつ可撓性が付与された太陽電池とを、提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、エラストマーを結着剤として用いると、柔軟性に優れた光半導体層を有する光電極が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明によれば、
多孔質の光半導体層を有する光電極であって、
前記光半導体層が、酸化物半導体粒子と、エラストマーを含有してなる結着剤とを、含む光電極が提供される。
【0013】
好ましくは、前記エラストマーは平均粒径0.05〜1μmの架橋ゴム粒子である。
【0014】
好ましくは、前記酸化物半導体粒子100重量部に対する前記結着剤の量は10重量部以下であり、前記結着剤中の架橋ゴム粒子の量は前記酸化物半導体粒子100重量部に対して0.2〜5重量部である。
【0015】
本発明の光電極では、光半導体層が多孔質化されているので、光電変換効率が高い。また、光半導体層がエラストマーを含むので、光半導体層に高い柔軟性が付与されている。すなわち、この発明によると、光電変換効率が高く、高い柔軟性を持つ光半導体層を有する光電極を提供することができる。
【0016】
本発明の光電極は、水の光分解、二酸化炭素の光分解や光化学反応、有機光化学反応などの種々の光化学反応用電極として用いることができる。特に、本発明では、光電極の光半導体層が多孔質化されているので、太陽光で励起するのに必要な量の光増感色素を、光半導体層に多量に付着させることができる。光増感色素を付着させた光電極は、色素増感型太陽電池の光電極として有用である。
【0017】
本発明の光電極は、たとえば次に示すようにして製造することができる。
本発明に係る光電極の製造方法は、
基板と、該基板上に形成された導電層と、該導電層上に形成された光半導体層とを、有する光電極を製造する方法であって、
酸化物半導体粒子とエラストマーを含有してなる結着剤と分散媒とを含むスラリーを、導電層の上に塗布し、乾燥した後、プレス処理することにより光半導体層を形成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明によれば、上記の光電極を有する太陽電池が提供される。
【0019】
前記光半導体層には、光増感色素が付着してあることが好ましい。
【0020】
本発明の太陽電池は、光電変換効率が高く、高い柔軟性を持つ光半導体層を有する光電極を有するので、該光電極の基板に透明高分子フィルムを用いた場合には、軽量かつ可撓性が付与された太陽電池を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明を説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す色素増感型太陽電池モジュールを示す断面図、図2は図1のモジュールを構成する色素増感型太陽電池セルを示す断面図、図3は本発明の実施例および比較例で得られた光電極サンプルの柔軟性を評価する装置を示す概要図である。
【0022】
図1に示すように、本発明に係る太陽電池の一例としての色素増感型太陽電池モジュール1は、色素増感型太陽電池セル2が、所定の間隔を空けて3個並べて配列されている。それぞれのセル2は、導電性の電極接続部3で直列に接続されると共に、各セルの間には非導電性の隔壁5が設けられて仕切られている。また、両側のセルの端部、即ち、色素増感型太陽電池モジュール1の周囲の端部は、非導電性の封止材7で封止されている。両側のセル2からは、正極または負極の電極リード9が引き出されている。
【0023】
以下に示す説明では、本発明に係る光電極を、色素増感型太陽電池セル2に用いた場合を例示する。
【0024】
図2に示すように、本実施形態に係る色素増感型太陽電池セル2は、光電極4と対極6とが、間に電解液層8を挟んで配置されている。
【0025】
光電極
光電極4は、第1基板42と、該第1基板42に積層された第1導電層44と、該第1導電層44に積層された光半導体層46とで構成されている。
【0026】
第1基板42は、セル全体に可撓性を付与する観点から、透明高分子フィルムで構成してあることが好ましい。ここでの透明高分子フィルムとしては、透明であれば特に限定せず、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどが挙げられる。これらのうち、耐候性を特に必要とする場合には透明フッ素樹脂フィルムが特に好ましい。本発明にいう透明とは、550nmで透光度50%以上の場合をいう。この程度であれば、透過光量は十分だからである。一方、50%未満では、光の透過が少なすぎて、光電極用としては不十分である。このような透明高分子フィルムを、第1基板42として使用した場合、その厚みは、特に限定されないが、50〜300μm程度が適当である。
【0027】
第1導電層44は、導電性と共に光の透過性(紫外光〜可視光域の波長の光の透過性)に優れることが好ましく、例えば、SnO2 、ITO、ZnOなどの薄膜層を用いることができるが、中でもフッ素ドープしたSnO2 、ITOの薄膜層が、導電性と光の透過性の両方に優れている点で特に好ましい。
【0028】
SnO2 またはITOの薄膜層を形成する方法としては、各種の蒸着法を用いることができるが、特にスパッタリング法により形成することが、生産性がよく、前記性能にも優れている点で好ましい。SnO2 またはITOの薄膜層の厚さは30〜150nm程度が適当である。
【0029】
光半導体層
光半導体層46は、酸化物半導体粒子と結着剤とを含有する。
【0030】
酸化物半導体粒子
酸化物半導体粒子としては、TiO2 、ZnO、SnO2 、ITO、ZrO2 、SiOX 、MgO、Al2 O3 、CeO2 、Bi2 O3 、Mn3 O4 、Y2 O3 、WO3 、Ta2 O5 、Nb2 O5 、La2 O3 の微粒子のうちのいずれか一種、または二種以上の混合系の微粒子を使用することができる。なかでも、TiO2 微粒子を用いることが好ましい。
【0031】
酸化物半導体粒子の平均粒径は、0.1nm〜10μmの範囲が好ましい。平均粒径が0.1nm未満の微粒子は、製造自体が難しい上、粒子同士が凝集して二次粒子を作りやすくなるおそれがある。平均粒径が10μmを超える微粒子は、光半導体層46の厚さを必要以上に厚くしてしまうと共に、光の透過性も低下させるおそれがある。
【0032】
また、酸化物微粒子の少なくとも30重量%を、平均粒径0.1〜10nmのTiO2 微粒子とすることが好ましい。これにより、高多孔質の半導体層の形成、高光電変換効率、低コスト化などの効果を充分に得ることができる。
【0033】
結着剤
結着剤は、エラストマーを含む。ここでのエラストマーは、本実施形態では第1導電体44に酸化物半導体粒子を結着させるとともに、光半導体層46に十分な柔軟性を付与する物質として作用する。エラストマーとしては、使用温度領域で顕著な弾性を有する合成ゴムが用いられる。合成ゴムとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレン/ブタジエン/スチレンゴム(SBS)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)などのジエン系ゴム; アクリルゴム(ACM、ANM)、ウレタンゴム(U)、フッ素ゴム(FFKM、FKM)、シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)、ブチルゴム(IIR)、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、エチレン−エチルアクリレートコポリマーまたはターポリマーなどの非ジエン系ゴム;が挙げられる。これらは、単独で用いることもできるし、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0034】
これらの合成ゴムの中でも、酸化物半導体粒子をスラリー化するために用いられる分散媒に不溶なものを用いることが好ましい。スラリー化分散媒に不溶な合成ゴムとしては、たとえば多官能エチレン性不飽和モノマーを共重合させた架橋ゴム粒子が挙げられる。
【0035】
多官能エチレン性不飽和モノマーとしては、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;ジエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレートなどのジアクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリル酸エステル類などが挙げられる。また、モノマーとして1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンを用いる場合は、重合温度、重合転化率および分子量調整剤の量などの重合反応条件を適宜調整して用いることにより架橋ゴム粒子とすることができる。
【0036】
架橋ゴム粒子の好ましい例としては、アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸/アクリロニトリル/ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル/アクリル酸/トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体などのアクリルゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンゴムなどが挙げられる。
【0037】
本発明では、特に、平均粒径0.05〜1μmの架橋ゴム粒子を用いることが好ましい。
【0038】
結着剤中のスラリー化分散媒に「不溶」な合成ゴムの含有量は、酸化物半導体粒子100重量部に対して、0.2〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3重量部である。結着剤中のスラリー化分散媒に不溶な合成ゴムの含有量が多すぎると、光半導体層46の導通が不十分になる傾向があり、少なすぎると、光半導体層46にクラックが入りやすくなる傾向がある。
【0039】
結着剤には、エラストマーとともに、酸化物半導体粒子をスラリー化するために用いられる分散媒に「可溶」なポリマーを併用することもできる。スラリー化分散媒に可溶なポリマーとしては、たとえば、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース類、デキストリン、デンプン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はこれらの誘導体、スラリー化分散媒に可溶な合成ゴムなどが挙げられる。スラリー化分散媒に「可溶」な合成ゴムとしては、上記例示の中から、多官能エチレン性不飽和モノマーを共重合させた架橋ゴム粒子を除いたものが使用できる。なお、同じ材質であっても、スラリー化分散媒に可溶なものと、不溶なものとが存在する。このため、ここで用いるスラリー化分散媒に可溶な合成ゴムと、上述したスラリー化分散媒に不溶な合成ゴムとが、同じ材質(たとえば、両者ともにアクリロニトリル/ブタジエンゴム)で構成されることもある。
【0040】
結着剤中のスラリー化分散媒に可溶なポリマーの含有量は、酸化物半導体粒子100重量部に対して、該粒子の粒子径にもよるが、0.5〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜2重量部である。結着剤中のスラリー化分散媒に可溶なポリマーの含有量が多すぎると、スラリー化した際に酸化物半導体粒子が沈降しやすくなる傾向があり、少なすぎると、形成した光電極表面の平滑性が低下する傾向がある。
【0041】
結着剤中のスラリー化分散媒に不溶な合成ゴムと、スラリー化分散媒に可溶なポリマーとの比率は、重量基準で、5:1〜1:5であることが好ましい。
【0042】
本発明では、光電変換効率を上げるために、光半導体層46中での結着剤含有量は少ない方が好ましい。具体的には、酸化物半導体粒子100重量部に対する結着剤の比率が10重量部以下であることが好ましく、その下限は好ましくは0.5重量部である。
【0043】
光半導体層46は、厚み3〜20μm程度である。3μm未満では含まれる光半導体の量が少なすぎて、実用化に必要な十分な電気エネルギーを得ることはできず、20μm超では、光電極4と対極6との間の距離が大きくなりすぎ、エネルギー損失が大きくなる。また20μm超では、光半導体層46を光が透過しにくくなり、さらに、電子が移動する光半導体層46の距離が長くなり、結果として光電変換効率が低下することになる。
【0044】
形成方法
光半導体層46は、酸化物半導体粒子とエラストマーを含有してなる結着剤と水またはアルコールなどの分散媒とを含む光半導体層用スラリーを、第1導電層44の上に塗布し、乾燥した後、プレス処理することにより形成される。スラリーを塗布・乾燥後にプレス処理することにより、光半導体層46が多孔質化されるとともに、透明性向上にも寄与しうる。
【0045】
光半導体層用スラリーは、まず、スラリー化分散媒に可溶なポリマーをスラリー化分散媒に溶解させるとともに、スラリー化分散媒に不溶な合成ゴムをスラリー化分散媒中に分散させ、その後、このポリマーと合成ゴムとを含んだスラリー化溶媒に、酸化物半導体粒子を添加して混合してもよい。あるいは、まず、スラリー化分散媒に可溶なポリマーをスラリー化分散媒に溶解させ、その後、このポリマーを含むスラリー化分散媒に、酸化物半導体粒子を添加した後、スラリー化分散媒に不溶な合成ゴムを後添加してもよい。
【0046】
光半導体層用スラリーの塗布方法は、本発明では特に限定されないが、巻き取り供給巻き上げ方式のパターンコーター、例えばグラビアダイレクトコーター、ロータリースクリーン印刷機、或いは浸漬装置などを用いて、ロール・ツー・ロール方式で行うことができる。
【0047】
スラリーの乾燥温度および時間は、基板の耐熱性を考慮して適宜決定される。たとえば、乾燥温度は、好ましくは70〜130℃である。乾燥時間は、好ましくは5〜30分程度である。
【0048】
プレス処理は、たとえば3〜15MPaの圧力で行うことが好ましい。
【0049】
光増感色素
本実施形態では、光半導体層46に光増感色素を付着させている。光増感色素としては、太陽光を効率良く吸収できるものであれば特に限定されないが、酸化物半導体粒子への電子伝導を容易に行うためにカルボキシル基を有する化合物があるものが好ましく用いられる。そのなかでも、広い可視光波長領域に吸収のあるルテニウム金属錯体が特に好ましく用いられる。例えば、シス−ビス(イソチアシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)、トリス(イソチアシアナト)(2,2’:6’,2”−ターピリジン−4,4’,4”−トリカルボキシレート)ルテニウム(II)、シス−ビス(イソチアシアナト)ビス(1,10−フェナントロリル−4,7−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)などが挙げられる。この他、クマリン誘導体、ローズベンガル、エオシン、フタロシアニン類などの安価な有機色素を用いることもできる。
【0050】
光増感色素の付着方法としては、上記光増感色素を溶媒に溶解させた溶液に、光半導体層46を浸漬し、光半導体層46に形成された空孔に光増感色素を侵入させる方法が挙げられる。
【0051】
対極6は、第2基板62と、該第2基板62に積層された第2導電層64とで構成されている。
【0052】
第2基板62には、生産性を向上させ、またコストの低減化を図る目的で、ロール状に巻き上げ可能な耐熱性フレキシブルフィルムを使用することが好ましい。耐熱性フレキシブルフィルムとしては、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのほか、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルムなどが挙げられる。これらは単独のフィルムを使用してもよく、他の耐熱性材料を積層した複合フィルムとして使用することもできる。このような耐熱性フレキシブルフィルムの厚さは、特に限定はされないが、10〜300μm程度が適当である。
【0053】
第2導電層64は、第2基板62の上に、例えば白金ペーストまたはカーボンペーストをパターン状に塗布、乾燥して形成することができる。白金ペーストを使用する場合、例えばH2 PtCl6 ペーストを使用することができ、これをイソプロピルアルコール、酢酸エチル、トルエンなどの有機溶剤で適する粘度に調整して塗布することができる。
【0054】
本実施形態では、上述した光電極4の光半導体層46と、対極6の第2導電層64とが対向するように配置されている。
【0055】
電解質層8としては、たとえば、ヨウ素とヨウ化物からなるヨウ素溶液のような酸化還元反応により電子伝達を行なう媒介物質(電解質)を、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、あるいは水のような溶媒に溶解した電解液が使用可能である。
【0056】
本実施形態に係る色素増感型太陽電池セル2では、太陽光を吸収して色素が励起し、励起により発生した電子は、光半導体層46の酸化物半導体粒子に取り込まれ、隣接する他の酸化物半導体粒子を移動して、第1導電層44に運ばれる。第1導電層44に運ばれてきた電子は、外部回路を通って、対極6に送られる。対極6では、白金などの導電物質の触媒作用により、電解質層8の電解質が電子を受け取って、イオンとなり、このイオンは光電極4側に移動し、酸化された色素を還元型に戻す。このような動作が繰り返されて電気エネルギーが取り出されるものである。
【0057】
本実施形態に係る色素増感型太陽電池セル2は、ガラス基材を用いた従来の色素増感型太陽電池セルと比べて、大変軽く、柔軟性があり、加工しやすい。また、光半導体層46に十分な柔軟性があるので、セルの変形に対しても、光半導体層46の構造破壊や、セルの封止の破壊が起こりにくい。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0059】
たとえば、上述した実施形態では、図1に示す色素増感型太陽電池モジュール1として、図2に示す色素増感型太陽電池セル2を3個並べて配列し、直列に接続された形態で示したが、配列するセルの数は任意であり、所望の電圧が得られるように自由に設計することができる。
【0060】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の部および%は特記しない限り重量基準である。
【0061】
実施例1
光電極
厚さ25μmのPETフィルム(第1基板)上に、厚さ100μmのSnO2薄膜層(第1導電層)をパターン状に形成した。
【0062】
次に、平均粒径1〜10nmのTiO2 微粒子(酸化物半導体粒子)100部と、2%エチルセルロース(スラリー化分散媒に可溶なポリマー)の水溶液100部を混合し、分散した分散液に、更に40%アクリルゴム(アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸/アクリロニトリル/ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体。スラリー化分散媒に不溶な合成ゴム)の分散体5部を添加、分散したTiO2 スラリー(光半導体層用スラリー)を、前記SnO2 薄膜層上にパターン状に塗布し、120℃で30分間、乾燥して、厚さ15μmの酸化物半導体膜(TiO2 の多孔質膜)を形成した後、プレス機を用いて10MPaの圧力でプレス処理を行い、厚さ12μmの光半導体層を形成し、光電極を得た。
【0063】
得られた光電極の一部を測定用サンプルとし、このサンプルの柔軟性を、次に示すスティフネステストにより評価した。図3に示すように、まず、得られた測定用サンプル100を25mmφのループ状にし、金属板200上に両面テープ300で固定する。次に、ループスティフネステスター400を用い、0.35mm/秒の速度で、ループ状の測定用サンプル100を圧縮し、サンプル100の光半導体層が割れた時点でのサンプル100の厚さtを、クラックポイントと判断する。このクラックポイントの値が小さいほど、柔軟性に優れる。その結果、クラックポイントは5mmであった。
【0064】
色素増感型太陽電池セル
得られた光電極の積層体(第1基板+第1導電層+光半導体層)を、光増感色素であるルテニウム錯体(シス−ビス(イソチアシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II))のエタノール溶液に浸漬して含浸させた後、乾燥して、光半導体層にルテニウム錯体を付着させた。
【0065】
次に、この積層体の光半導体層面と、別に用意した厚さ25μmのPETフィルム(第2基板)上に、厚さ3μmの白金触媒層(第2導電層)がパターン状に形成された積層体の前記白金触媒層面とが対向するように重ね合わせ、電極リードを引き出すと共に、周囲の端部をエポキシ系接着剤で電解液の注入口のみを残して封止し、接着剤の硬化後、その注入口からヨウ素電解液を注入し、注入後、その注入口をシール材で封止して、色素増感型太陽電池セルを作製した。
【0066】
得られた色素増感型太陽電池セルの光電変換効率〔η%〕を測定したところ、9%であり、高い光電変換効率が得られた。
【0067】
比較例1
光電極
TiO2 スラリー(光半導体層用スラリー)に、40%アクリルゴム(スラリー化分散媒に不溶な合成ゴム)の分散体を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして光電極を得た。実施例1と同様に、得られた光電極の一部を測定用サンプルとし、このサンプルの柔軟性を、実施例1と同様のスティフネステストにより評価したところ、クラックポイントは12mmであった。これにより、比較例1のサンプルと比較して、実施例1のサンプルの方が、より柔軟性に富むことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態を示す色素増感型太陽電池モジュールを示す断面図である。
【図2】図2は図1のモジュールを構成する色素増感型太陽電池セルを示す断面図である。
【図3】図3は本発明の実施例および比較例で得られた光電極サンプルの柔軟性を評価する装置を示す概要図である。
【符号の説明】
1… 色素増感型太陽電池モジュール(太陽電池)
3… 電極接続部
5… 隔壁
7… 封止材
9… 電極リード
2… 色素増感型太陽電池セル(太陽電池)
4… 光電極
42… 第1基板
44… 第1導電層
46… 光半導体層
6… 対極
62… 第2基板
64… 第2導電層
8… 電解質層
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば色素増感型太陽電池の電極などに用いられる光電極およびその製造方法と、該光電極を用いた太陽電池とに関する。
【0002】
【従来の技術】
環境に優しく、クリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池が知られている。中でも、光電変換効率が高く、且つ、低コスト化の可能性のある色素増感型太陽電池が注目されている。特に近年、色素増感型太陽電池の軽量化を図り、かつ可撓性を付与することが望まれている。
【0003】
色素増感型太陽電池は、たとえば、光電極と、該光電極と対向する側に設けられた対極と、前記光電極及び対極間に挟持された電解液層とで構成されている。光電極は、たとえば、基板と、該基板に形成された導電層と、該導電層に形成された多孔質の光半導体層とで構成されている。光半導体層を多孔質化させているのは、光電変換効率を向上させるためである。
【0004】
光半導体層を多孔質化させる方法としては、酸化チタンなどの酸化物半導体粒子とポリエチレングリコール(PEG)などの親水性高分子結着剤と水などの分散媒とを含む光半導体層用スラリーを、基板に形成された導電層の上に塗布した後、たとえば400℃以上の高温で焼成することにより、光半導体層用スラリーに含まれる親水性高分子結着剤を焼き飛ばす(脱バインダ)方法が知られている(特開2002−50413号公報参照)。
【0005】
しかしながら、この方法では、高温での焼成によっても熱変形に耐えうる剛直で重量のあるガラス板を、基板として用いていたため、太陽電池全体としての軽量化および可撓性付与の要請に反するものであった。また、ガラス板を基板とし、その上に導電層や光半導体層といった電池の構成要素をバッチ式で逐次加工していく必要があるため、大量生産が困難であり、生産効率を悪化させる問題もあった。
【0006】
そこで、軽量で可撓性のある透明高分子フィルムを基板として用い、しかも光半導体層用スラリーを、基板に形成された導電層の上に連続的に塗布することが提案されている(特開2002−93475号公報参照)。
【0007】
しかしながら、透明高分子フィルムは、剛直で重量のあるガラス板と比較して、通常、熱変形温度が低い。このため、基板である透明高分子フィルムが熱変形しない温度で焼成を行うことを余儀なくされる。その結果、光半導体層を多孔質化させることができず、光電変換効率の向上が望めない。
【0008】
そこで、基板としての透明高分子フィルムを熱変形させることなしに、光半導体層を多孔質化させるために、透明高分子フィルム上に形成された導電層の上に、結着剤としてのエチルセルロースを添加した光半導体層用スラリーを塗布・乾燥した後、高温での焼成を行わず、プレス処理する方法が提案されている(文献「フィルム化・有機太陽電池の最新技術」・技術教育出版(有)・2002年6月10日発行)。この方法によると、高温焼成により光半導体層を多孔質化した場合に匹敵する光電変換効率が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この文献記載の技術では、プレス処理後の光半導体層は硬く、柔軟性が十分ではなかった。このため、セルの変形に対して、光半導体層にクラックが入ったり、あるいはセルの封止が破壊されるなど構造破壊が起こり易いという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、光電変換効率が高く、高い柔軟性を持つ光半導体層を有する光電極およびその製造方法と、該光電極を用いた軽量かつ可撓性が付与された太陽電池とを、提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、エラストマーを結着剤として用いると、柔軟性に優れた光半導体層を有する光電極が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明によれば、
多孔質の光半導体層を有する光電極であって、
前記光半導体層が、酸化物半導体粒子と、エラストマーを含有してなる結着剤とを、含む光電極が提供される。
【0013】
好ましくは、前記エラストマーは平均粒径0.05〜1μmの架橋ゴム粒子である。
【0014】
好ましくは、前記酸化物半導体粒子100重量部に対する前記結着剤の量は10重量部以下であり、前記結着剤中の架橋ゴム粒子の量は前記酸化物半導体粒子100重量部に対して0.2〜5重量部である。
【0015】
本発明の光電極では、光半導体層が多孔質化されているので、光電変換効率が高い。また、光半導体層がエラストマーを含むので、光半導体層に高い柔軟性が付与されている。すなわち、この発明によると、光電変換効率が高く、高い柔軟性を持つ光半導体層を有する光電極を提供することができる。
【0016】
本発明の光電極は、水の光分解、二酸化炭素の光分解や光化学反応、有機光化学反応などの種々の光化学反応用電極として用いることができる。特に、本発明では、光電極の光半導体層が多孔質化されているので、太陽光で励起するのに必要な量の光増感色素を、光半導体層に多量に付着させることができる。光増感色素を付着させた光電極は、色素増感型太陽電池の光電極として有用である。
【0017】
本発明の光電極は、たとえば次に示すようにして製造することができる。
本発明に係る光電極の製造方法は、
基板と、該基板上に形成された導電層と、該導電層上に形成された光半導体層とを、有する光電極を製造する方法であって、
酸化物半導体粒子とエラストマーを含有してなる結着剤と分散媒とを含むスラリーを、導電層の上に塗布し、乾燥した後、プレス処理することにより光半導体層を形成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明によれば、上記の光電極を有する太陽電池が提供される。
【0019】
前記光半導体層には、光増感色素が付着してあることが好ましい。
【0020】
本発明の太陽電池は、光電変換効率が高く、高い柔軟性を持つ光半導体層を有する光電極を有するので、該光電極の基板に透明高分子フィルムを用いた場合には、軽量かつ可撓性が付与された太陽電池を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明を説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す色素増感型太陽電池モジュールを示す断面図、図2は図1のモジュールを構成する色素増感型太陽電池セルを示す断面図、図3は本発明の実施例および比較例で得られた光電極サンプルの柔軟性を評価する装置を示す概要図である。
【0022】
図1に示すように、本発明に係る太陽電池の一例としての色素増感型太陽電池モジュール1は、色素増感型太陽電池セル2が、所定の間隔を空けて3個並べて配列されている。それぞれのセル2は、導電性の電極接続部3で直列に接続されると共に、各セルの間には非導電性の隔壁5が設けられて仕切られている。また、両側のセルの端部、即ち、色素増感型太陽電池モジュール1の周囲の端部は、非導電性の封止材7で封止されている。両側のセル2からは、正極または負極の電極リード9が引き出されている。
【0023】
以下に示す説明では、本発明に係る光電極を、色素増感型太陽電池セル2に用いた場合を例示する。
【0024】
図2に示すように、本実施形態に係る色素増感型太陽電池セル2は、光電極4と対極6とが、間に電解液層8を挟んで配置されている。
【0025】
光電極
光電極4は、第1基板42と、該第1基板42に積層された第1導電層44と、該第1導電層44に積層された光半導体層46とで構成されている。
【0026】
第1基板42は、セル全体に可撓性を付与する観点から、透明高分子フィルムで構成してあることが好ましい。ここでの透明高分子フィルムとしては、透明であれば特に限定せず、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどが挙げられる。これらのうち、耐候性を特に必要とする場合には透明フッ素樹脂フィルムが特に好ましい。本発明にいう透明とは、550nmで透光度50%以上の場合をいう。この程度であれば、透過光量は十分だからである。一方、50%未満では、光の透過が少なすぎて、光電極用としては不十分である。このような透明高分子フィルムを、第1基板42として使用した場合、その厚みは、特に限定されないが、50〜300μm程度が適当である。
【0027】
第1導電層44は、導電性と共に光の透過性(紫外光〜可視光域の波長の光の透過性)に優れることが好ましく、例えば、SnO2 、ITO、ZnOなどの薄膜層を用いることができるが、中でもフッ素ドープしたSnO2 、ITOの薄膜層が、導電性と光の透過性の両方に優れている点で特に好ましい。
【0028】
SnO2 またはITOの薄膜層を形成する方法としては、各種の蒸着法を用いることができるが、特にスパッタリング法により形成することが、生産性がよく、前記性能にも優れている点で好ましい。SnO2 またはITOの薄膜層の厚さは30〜150nm程度が適当である。
【0029】
光半導体層
光半導体層46は、酸化物半導体粒子と結着剤とを含有する。
【0030】
酸化物半導体粒子
酸化物半導体粒子としては、TiO2 、ZnO、SnO2 、ITO、ZrO2 、SiOX 、MgO、Al2 O3 、CeO2 、Bi2 O3 、Mn3 O4 、Y2 O3 、WO3 、Ta2 O5 、Nb2 O5 、La2 O3 の微粒子のうちのいずれか一種、または二種以上の混合系の微粒子を使用することができる。なかでも、TiO2 微粒子を用いることが好ましい。
【0031】
酸化物半導体粒子の平均粒径は、0.1nm〜10μmの範囲が好ましい。平均粒径が0.1nm未満の微粒子は、製造自体が難しい上、粒子同士が凝集して二次粒子を作りやすくなるおそれがある。平均粒径が10μmを超える微粒子は、光半導体層46の厚さを必要以上に厚くしてしまうと共に、光の透過性も低下させるおそれがある。
【0032】
また、酸化物微粒子の少なくとも30重量%を、平均粒径0.1〜10nmのTiO2 微粒子とすることが好ましい。これにより、高多孔質の半導体層の形成、高光電変換効率、低コスト化などの効果を充分に得ることができる。
【0033】
結着剤
結着剤は、エラストマーを含む。ここでのエラストマーは、本実施形態では第1導電体44に酸化物半導体粒子を結着させるとともに、光半導体層46に十分な柔軟性を付与する物質として作用する。エラストマーとしては、使用温度領域で顕著な弾性を有する合成ゴムが用いられる。合成ゴムとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレン/ブタジエン/スチレンゴム(SBS)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)などのジエン系ゴム; アクリルゴム(ACM、ANM)、ウレタンゴム(U)、フッ素ゴム(FFKM、FKM)、シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)、ブチルゴム(IIR)、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、エチレン−エチルアクリレートコポリマーまたはターポリマーなどの非ジエン系ゴム;が挙げられる。これらは、単独で用いることもできるし、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0034】
これらの合成ゴムの中でも、酸化物半導体粒子をスラリー化するために用いられる分散媒に不溶なものを用いることが好ましい。スラリー化分散媒に不溶な合成ゴムとしては、たとえば多官能エチレン性不飽和モノマーを共重合させた架橋ゴム粒子が挙げられる。
【0035】
多官能エチレン性不飽和モノマーとしては、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;ジエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレートなどのジアクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリル酸エステル類などが挙げられる。また、モノマーとして1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンを用いる場合は、重合温度、重合転化率および分子量調整剤の量などの重合反応条件を適宜調整して用いることにより架橋ゴム粒子とすることができる。
【0036】
架橋ゴム粒子の好ましい例としては、アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸/アクリロニトリル/ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル/アクリル酸/トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体などのアクリルゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンゴムなどが挙げられる。
【0037】
本発明では、特に、平均粒径0.05〜1μmの架橋ゴム粒子を用いることが好ましい。
【0038】
結着剤中のスラリー化分散媒に「不溶」な合成ゴムの含有量は、酸化物半導体粒子100重量部に対して、0.2〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3重量部である。結着剤中のスラリー化分散媒に不溶な合成ゴムの含有量が多すぎると、光半導体層46の導通が不十分になる傾向があり、少なすぎると、光半導体層46にクラックが入りやすくなる傾向がある。
【0039】
結着剤には、エラストマーとともに、酸化物半導体粒子をスラリー化するために用いられる分散媒に「可溶」なポリマーを併用することもできる。スラリー化分散媒に可溶なポリマーとしては、たとえば、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース類、デキストリン、デンプン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はこれらの誘導体、スラリー化分散媒に可溶な合成ゴムなどが挙げられる。スラリー化分散媒に「可溶」な合成ゴムとしては、上記例示の中から、多官能エチレン性不飽和モノマーを共重合させた架橋ゴム粒子を除いたものが使用できる。なお、同じ材質であっても、スラリー化分散媒に可溶なものと、不溶なものとが存在する。このため、ここで用いるスラリー化分散媒に可溶な合成ゴムと、上述したスラリー化分散媒に不溶な合成ゴムとが、同じ材質(たとえば、両者ともにアクリロニトリル/ブタジエンゴム)で構成されることもある。
【0040】
結着剤中のスラリー化分散媒に可溶なポリマーの含有量は、酸化物半導体粒子100重量部に対して、該粒子の粒子径にもよるが、0.5〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜2重量部である。結着剤中のスラリー化分散媒に可溶なポリマーの含有量が多すぎると、スラリー化した際に酸化物半導体粒子が沈降しやすくなる傾向があり、少なすぎると、形成した光電極表面の平滑性が低下する傾向がある。
【0041】
結着剤中のスラリー化分散媒に不溶な合成ゴムと、スラリー化分散媒に可溶なポリマーとの比率は、重量基準で、5:1〜1:5であることが好ましい。
【0042】
本発明では、光電変換効率を上げるために、光半導体層46中での結着剤含有量は少ない方が好ましい。具体的には、酸化物半導体粒子100重量部に対する結着剤の比率が10重量部以下であることが好ましく、その下限は好ましくは0.5重量部である。
【0043】
光半導体層46は、厚み3〜20μm程度である。3μm未満では含まれる光半導体の量が少なすぎて、実用化に必要な十分な電気エネルギーを得ることはできず、20μm超では、光電極4と対極6との間の距離が大きくなりすぎ、エネルギー損失が大きくなる。また20μm超では、光半導体層46を光が透過しにくくなり、さらに、電子が移動する光半導体層46の距離が長くなり、結果として光電変換効率が低下することになる。
【0044】
形成方法
光半導体層46は、酸化物半導体粒子とエラストマーを含有してなる結着剤と水またはアルコールなどの分散媒とを含む光半導体層用スラリーを、第1導電層44の上に塗布し、乾燥した後、プレス処理することにより形成される。スラリーを塗布・乾燥後にプレス処理することにより、光半導体層46が多孔質化されるとともに、透明性向上にも寄与しうる。
【0045】
光半導体層用スラリーは、まず、スラリー化分散媒に可溶なポリマーをスラリー化分散媒に溶解させるとともに、スラリー化分散媒に不溶な合成ゴムをスラリー化分散媒中に分散させ、その後、このポリマーと合成ゴムとを含んだスラリー化溶媒に、酸化物半導体粒子を添加して混合してもよい。あるいは、まず、スラリー化分散媒に可溶なポリマーをスラリー化分散媒に溶解させ、その後、このポリマーを含むスラリー化分散媒に、酸化物半導体粒子を添加した後、スラリー化分散媒に不溶な合成ゴムを後添加してもよい。
【0046】
光半導体層用スラリーの塗布方法は、本発明では特に限定されないが、巻き取り供給巻き上げ方式のパターンコーター、例えばグラビアダイレクトコーター、ロータリースクリーン印刷機、或いは浸漬装置などを用いて、ロール・ツー・ロール方式で行うことができる。
【0047】
スラリーの乾燥温度および時間は、基板の耐熱性を考慮して適宜決定される。たとえば、乾燥温度は、好ましくは70〜130℃である。乾燥時間は、好ましくは5〜30分程度である。
【0048】
プレス処理は、たとえば3〜15MPaの圧力で行うことが好ましい。
【0049】
光増感色素
本実施形態では、光半導体層46に光増感色素を付着させている。光増感色素としては、太陽光を効率良く吸収できるものであれば特に限定されないが、酸化物半導体粒子への電子伝導を容易に行うためにカルボキシル基を有する化合物があるものが好ましく用いられる。そのなかでも、広い可視光波長領域に吸収のあるルテニウム金属錯体が特に好ましく用いられる。例えば、シス−ビス(イソチアシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)、トリス(イソチアシアナト)(2,2’:6’,2”−ターピリジン−4,4’,4”−トリカルボキシレート)ルテニウム(II)、シス−ビス(イソチアシアナト)ビス(1,10−フェナントロリル−4,7−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)などが挙げられる。この他、クマリン誘導体、ローズベンガル、エオシン、フタロシアニン類などの安価な有機色素を用いることもできる。
【0050】
光増感色素の付着方法としては、上記光増感色素を溶媒に溶解させた溶液に、光半導体層46を浸漬し、光半導体層46に形成された空孔に光増感色素を侵入させる方法が挙げられる。
【0051】
対極6は、第2基板62と、該第2基板62に積層された第2導電層64とで構成されている。
【0052】
第2基板62には、生産性を向上させ、またコストの低減化を図る目的で、ロール状に巻き上げ可能な耐熱性フレキシブルフィルムを使用することが好ましい。耐熱性フレキシブルフィルムとしては、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのほか、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルムなどが挙げられる。これらは単独のフィルムを使用してもよく、他の耐熱性材料を積層した複合フィルムとして使用することもできる。このような耐熱性フレキシブルフィルムの厚さは、特に限定はされないが、10〜300μm程度が適当である。
【0053】
第2導電層64は、第2基板62の上に、例えば白金ペーストまたはカーボンペーストをパターン状に塗布、乾燥して形成することができる。白金ペーストを使用する場合、例えばH2 PtCl6 ペーストを使用することができ、これをイソプロピルアルコール、酢酸エチル、トルエンなどの有機溶剤で適する粘度に調整して塗布することができる。
【0054】
本実施形態では、上述した光電極4の光半導体層46と、対極6の第2導電層64とが対向するように配置されている。
【0055】
電解質層8としては、たとえば、ヨウ素とヨウ化物からなるヨウ素溶液のような酸化還元反応により電子伝達を行なう媒介物質(電解質)を、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、あるいは水のような溶媒に溶解した電解液が使用可能である。
【0056】
本実施形態に係る色素増感型太陽電池セル2では、太陽光を吸収して色素が励起し、励起により発生した電子は、光半導体層46の酸化物半導体粒子に取り込まれ、隣接する他の酸化物半導体粒子を移動して、第1導電層44に運ばれる。第1導電層44に運ばれてきた電子は、外部回路を通って、対極6に送られる。対極6では、白金などの導電物質の触媒作用により、電解質層8の電解質が電子を受け取って、イオンとなり、このイオンは光電極4側に移動し、酸化された色素を還元型に戻す。このような動作が繰り返されて電気エネルギーが取り出されるものである。
【0057】
本実施形態に係る色素増感型太陽電池セル2は、ガラス基材を用いた従来の色素増感型太陽電池セルと比べて、大変軽く、柔軟性があり、加工しやすい。また、光半導体層46に十分な柔軟性があるので、セルの変形に対しても、光半導体層46の構造破壊や、セルの封止の破壊が起こりにくい。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0059】
たとえば、上述した実施形態では、図1に示す色素増感型太陽電池モジュール1として、図2に示す色素増感型太陽電池セル2を3個並べて配列し、直列に接続された形態で示したが、配列するセルの数は任意であり、所望の電圧が得られるように自由に設計することができる。
【0060】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の部および%は特記しない限り重量基準である。
【0061】
実施例1
光電極
厚さ25μmのPETフィルム(第1基板)上に、厚さ100μmのSnO2薄膜層(第1導電層)をパターン状に形成した。
【0062】
次に、平均粒径1〜10nmのTiO2 微粒子(酸化物半導体粒子)100部と、2%エチルセルロース(スラリー化分散媒に可溶なポリマー)の水溶液100部を混合し、分散した分散液に、更に40%アクリルゴム(アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸/アクリロニトリル/ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体。スラリー化分散媒に不溶な合成ゴム)の分散体5部を添加、分散したTiO2 スラリー(光半導体層用スラリー)を、前記SnO2 薄膜層上にパターン状に塗布し、120℃で30分間、乾燥して、厚さ15μmの酸化物半導体膜(TiO2 の多孔質膜)を形成した後、プレス機を用いて10MPaの圧力でプレス処理を行い、厚さ12μmの光半導体層を形成し、光電極を得た。
【0063】
得られた光電極の一部を測定用サンプルとし、このサンプルの柔軟性を、次に示すスティフネステストにより評価した。図3に示すように、まず、得られた測定用サンプル100を25mmφのループ状にし、金属板200上に両面テープ300で固定する。次に、ループスティフネステスター400を用い、0.35mm/秒の速度で、ループ状の測定用サンプル100を圧縮し、サンプル100の光半導体層が割れた時点でのサンプル100の厚さtを、クラックポイントと判断する。このクラックポイントの値が小さいほど、柔軟性に優れる。その結果、クラックポイントは5mmであった。
【0064】
色素増感型太陽電池セル
得られた光電極の積層体(第1基板+第1導電層+光半導体層)を、光増感色素であるルテニウム錯体(シス−ビス(イソチアシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II))のエタノール溶液に浸漬して含浸させた後、乾燥して、光半導体層にルテニウム錯体を付着させた。
【0065】
次に、この積層体の光半導体層面と、別に用意した厚さ25μmのPETフィルム(第2基板)上に、厚さ3μmの白金触媒層(第2導電層)がパターン状に形成された積層体の前記白金触媒層面とが対向するように重ね合わせ、電極リードを引き出すと共に、周囲の端部をエポキシ系接着剤で電解液の注入口のみを残して封止し、接着剤の硬化後、その注入口からヨウ素電解液を注入し、注入後、その注入口をシール材で封止して、色素増感型太陽電池セルを作製した。
【0066】
得られた色素増感型太陽電池セルの光電変換効率〔η%〕を測定したところ、9%であり、高い光電変換効率が得られた。
【0067】
比較例1
光電極
TiO2 スラリー(光半導体層用スラリー)に、40%アクリルゴム(スラリー化分散媒に不溶な合成ゴム)の分散体を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして光電極を得た。実施例1と同様に、得られた光電極の一部を測定用サンプルとし、このサンプルの柔軟性を、実施例1と同様のスティフネステストにより評価したところ、クラックポイントは12mmであった。これにより、比較例1のサンプルと比較して、実施例1のサンプルの方が、より柔軟性に富むことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態を示す色素増感型太陽電池モジュールを示す断面図である。
【図2】図2は図1のモジュールを構成する色素増感型太陽電池セルを示す断面図である。
【図3】図3は本発明の実施例および比較例で得られた光電極サンプルの柔軟性を評価する装置を示す概要図である。
【符号の説明】
1… 色素増感型太陽電池モジュール(太陽電池)
3… 電極接続部
5… 隔壁
7… 封止材
9… 電極リード
2… 色素増感型太陽電池セル(太陽電池)
4… 光電極
42… 第1基板
44… 第1導電層
46… 光半導体層
6… 対極
62… 第2基板
64… 第2導電層
8… 電解質層
Claims (6)
- 多孔質の光半導体層を有する光電極であって、
前記光半導体層が、酸化物半導体粒子と、エラストマーを含有してなる結着剤とを、含む光電極。 - 前記エラストマーが平均粒径0.05〜1μmの架橋ゴム粒子である請求項1に記載の光電極。
- 前記酸化物半導体粒子100重量部に対する前記結着剤の量が10重量部以下であり、前記結着剤中の架橋ゴム粒子の量が前記酸化物半導体粒子100重量部に対して0.2〜5重量部である請求項2に記載の光電極。
- 基板と、該基板上に形成された導電層と、該導電層上に形成された光半導体層とを、有する光電極を製造する方法であって、
酸化物半導体粒子とエラストマーを含有してなる結着剤と分散媒とを含むスラリーを、導電層の上に塗布し、乾燥した後、プレス処理することにより光半導体層を形成することを特徴とする光電極の製造方法。 - 光電極を有する太陽電池であって、
前記光電極が、多孔質の光半導体層を有し、
該光半導体層が、酸化物半導体粒子と、エラストマーを含有してなる結着剤とを、含む太陽電池。 - 前記光半導体層に光増感色素が付着してある請求項5に記載の太陽電池。
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