JP2004046953A - 光ディスク高速再生記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ディスク高速再生記録装置(HSC)において、最大再生速度検出部(300;S6〜S40)は第2のデジタルデータ(Sad、Ssb)のうちで、第2の光ディスク(CD)の記録領域(Ar)の所定部分(Are)から再生されるものに基づいて、第1の光ディスク(CD)の全記録領域(Ar)に共通して適用できる最大再生速度(Nmax)を検出し、光ディスク再生部(300,S42;130)は最大再生速度(Nmax)で、第1の光ディスク(CD)から第2のデジタルデータ(Sad、Ssb)を再生する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクをその標準再生速度より大きな複数の速度で再生して記録されているデータを読み出し、書込/書換可能な光ディスクに記録する光ディスク高速再生記録装置に関し、さらに詳述すれば、個々の光ディスクに適した再生速度で高速再生する高速再生記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CDやDVDに代表される複数種類の光ディスクに記録されたデータを本来の再生速度より大きな速度で再生すると同時に、別の書込/書換可能な光ディスクに記録する光ディスク高速再生記録装置が開発されている。
このような光ディスク高速再生記録装置の代表的なものとして、記録元の光ディスクとしてCDを用い、書込/書換可能光ディスクとしてMDを用いたものを例として、その動作について簡単に説明する。音楽用或いは非音楽用データが記録されているCDが標準再生速度より高速で回転され、トラックより小さな単位で記録データが読み出されて、所定の記録単位(例えば、読出単位/トラックより小さなデータブロック毎またはCD毎)に、MDに書き込まれる。
【0003】
なお、この書込データに関する管理情報がMDのUTOC(User Table of Content)領域に書き込まれて、CDから再生されたデータのMDへの記録が完了する。このUTOC領域に書き込まれる管理情報をUTOC情報と呼ぶ。なお、UTOC領域およびUTOC情報は、データの書込に応じて、ユーザによって書込/書換えることができる。一方、CDのような読み出し専用の光ディスクに設けられるTOC(Table of Content)領域およびTOC情報は、ユーザが任意に書込或いは書換えできないことはよく知られていることである。
【0004】
光ディスク高速再生記録装置においては、記録元の光ディスク(CD)をその正規の再生速度の数倍の高速で回転させてデータを読み出すので、通常再生時では問題にならない程度のCDの傷や変形、装着精度、回路のノイズ等のデータ再生阻害要因や、それらの要因の組み合わせによって、CDから記録データを正しく読み出せないことがあり、その結果、MDに正しく記録できないことがある。このような場合は、いくらユーザが高速再生記録を望んでも、書込/書換可能光ディスクに記録するためには、CDからデータを正しく読み出せるまで、再生速度を落としてやる必要がある。
【0005】
読出阻害要因の内で、CDの傷や変形という媒体の物理的欠陥自体は、再生速度そのものには影響を受けない。しかし、CDの回転速度、つまり再生速度が小さいほど、光ピックアップによる光読み出しに関する阻害度合いも小さくなることにより、データの読み出し状態が改善される。また、CDのCDドライブに対する装着精度という位置精度自体も、再生速度そのものは影響を受けない。しかし、CDの回転速度が小さくなれば、位置精度誤差を原因とする光ピックアップとピットとの位置関係の変化の度合いが小さくなり、光読み出し状態が改善される。さらに、回路のノイズ等の電気的阻害要因自体も、基本的には、CDの回転速度の影響を受けないが、電気処理としての再生速度の影響を受ける。つまり、再生速度が小さくなれば、ノイズの影響も小さくなり、データの再生が改善される。
【0006】
上述の異なるデータ生成阻害要因のそれぞれにおいても、高速再生時に記録データが正常に再生できないことが、MDに正常に記録できないことの直接の原因である。そのために、光ディスク高速再生記録装置においては、データ再生障害の真因の別に関わらず、CDの回転速度、つまり再生速度を落として、記録データの正常再生の回復をまって、MDに記録するように構じられている。
【0007】
上述の記録元の光ディスクの一例として説明されているCDは、CLV(Constant Linear Velocity)制御と言われる線速度が一定になるように回転制御される。つまり、読み出し位置が内周側ほど外周側に比べて高速で回転される。また、CD以外の光ディスクの種類によって、CAV(Constant Angular Velocity)、ZCAV(Zone Constant Angular Velocity)、やZCLV(Zone Constant Linear Velocity)の回転制御方法がある。よって、再生速度が光ディスクの回転速度と固定的な関係ではなく、光ディスクの読出/再生位置によっては、同一の再生速度であっても光ディスクは異なる速度で回転される。しかし、何れの制御方法においても、光ディスク高速再生記録装置において、読み出しができない場合には、再生速度(回転速度)を落として記録データの読み出しの改善をまつと言う点においては同じである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、光ディスク高速再生記録装置においては、同じ再生速度であっても、読出/再生位置によって、光ディスクの回転速度は異なるので、上記の3つの再生阻害要因の寄与率も読出/再生位置によって変化する。つまり、光ディスクの半径方向に、均一な大きさの再生阻害要因が存在する場合に、一定の再生速度で高速再生記録をしようとした場合に、外周側(内周側)では無事に再生できていたものが内周側(外周側)では再生できなくなったりする。さらに、実際には、再生阻害要因の大きさは一定でなく、また存在場所も様々であるので、高速再生記録時には、突然に再生できなくなったり、或いは、突然再生できるようになったりする。
【0009】
しかしながら、上例の光ディスク高速再生記録装置においては、CDから記録データを読み出して再生する毎に、順次MDに実際に記録し、トラック単位或いはCD単位でUTOC情報を書き込んで、MDへの記録を確定する。そのために、MDにデータを記録の途中に、再生不良が発生した場合は、UTOC情報の書込タイミングによっては、少なくともトラック単位或いはCD単位で不良データがMDに記録される。このようなMDでは、記録された不良データの種類或いはその場所によっては、CDから読み出されてMDに記録されたデータがトラック単位或いはCD単位でMDから読み出せないという不都合を生じる。
【0010】
このような事態を防止するには、再生異常が発生すれば、即刻再生速度を段階的に減じて、その読出位置で正常再生が可能な適正な再生速度を求めて、その減速された高速再生速度でデータ再生を再開する必要がある。この高速再生記録を再開する時の再生速度は、高速再生記録を開始した当初の再生速度に比べて、所定の速度だけ減速されており、この意味において減速再生速度と呼ぶ。
【0011】
但し、再生不良が発生して読出位置から、新たに求められた適正な減速再生速度で再生される読出データは、それまでに再生されてMDに記録されている読出データ単位とは再生および記録条件が異なるために、記録されるデータの連続性が失われてしまう。その結果、減速再生速度でのデータ再生再開する読出位置は、再生不良が生じた位置より所定数の読出データ単位分だけ遡る必要がある。
【0012】
つまり、読出データ単位はそれ単独でMDに記録して、それを再生しても実際的に意味をもたず、複数の読出データ単位が所定の規則に従ってMDに記録されることによって、1つの意味ある記録データ単位がMD上に構成されて、初めてユーザが利用できる。一例としては、CDに音楽が記録されている場合には、所定数の読出データ単位が所定の規則に従って連続的にMDに記録されて、MD場に1つの曲に対応するトラックデータが完成される。また、CDにコンピュータデータが記録されている場合は、所定数の読出データ単位が所定の規則に従って連続的にMDに記録されて、1つのセクタデータが完成され、そのセクタデータがまた所定数集まって、1つのファイルを完成する。
【0013】
しかしながら、再生不良が発生した読出位置から、新たに求められた適正な減速再生速度で再生される読出データは、それまでに再生されてMDに記録されている読出データ単位とは再生および記録条件が異なるために、記録されるデータの連続性が失われてしまう。結果、そのような連続性が失われたデータ単位を、既に記録されいる読出データ単位に引き続き記録して、1トラックデータとしてMDに記録しても、そのように内部に、不連続欠陥を有するトラックデータからは、正しい情報を再現できない。
【0014】
このような記録データ単位における不連続欠陥を防止するために、減速再生速度が求められれば、再生不良が生じた読出データ単位が属する記録データ単位(トラック、ファイル)の読出開始位置まで戻って、減速再生速度で再び再生を開始する。つまり、当初の高速再生速度で既に再生した読出データ単位を再度、但し、異なる条件で再生する必要がある。
【0015】
しかしながら、上述のように、再生阻害要因の大きさは一定でなく、また存在場所も様々であるので、高速再生記録時には、突然に再生できなくなったり、或いは、突然再生できるようになったりする。言い換えれば、新たに設定した減速再生速度で準高速再生を再開しても、前回再生不良が発生した読出位置からほんの数個の読出単位のデータを再生しただけで、属している記録単位全体の再生が完了する前に、再び再生不良が生じることが少なからずある。
【0016】
このような、減速再生速度を求めた後に、また読出不良発生頻度が高くまた読出不良発生間隔が小さいほど、既に再生したデータ単位を重複して再生する無駄な作業負荷が大きくなり、本来目的とされている高速再生記録機能が著しく損なわれる。最悪の場合には、CDの正規の再生速度での1倍速再生記録の場合よりも、時間を要する事態を招く。
【0017】
よって、本発明は、光ディスクをその標準再生速度より大きな速度で記録されているデータを読出・再生し、再生されたデータを再生不良に起因する不良データを除いて書込/書換可能な光ディスクに記録するべく、個々の光ディスクに適した再生速度で高速再生する高速再生記録装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、第1のデジタルデータが記録されている第1の光ディスクを標準再生速度である第1の再生速度より大きな第2の再生速度で読み出して、第2のデジタルデータとして再生し、再生された第2のデジタルデータを書込可能な第2の光ディスクに記録する光ディスク高速再生記録装置であって、
第2のデジタルデータのうちで、第2の光ディスクの記録領域の所定部分から再生されるものに基づいて、第1の光ディスクの全記録領域に共通して適用できる最大再生速度を検出する最大再生速度検出部と、
最大再生速度で、第1の光ディスクから第2のデジタルデータを再生する光ディスク再生部と、
第2のデジタルデータを第2の光ディスクに記録する光ディスク記録部とを備える光ディスク高速再生記録装置。
【0019】
上述のように、第1の発明においては、光ディスク全体を同一の再生速度で高速再生しても、再生不良を生じない。、
【0020】
第2の発明は、第1の発明において、所定部分は、第1の光ディスクの種類毎に代表的に定められる、第1の光ディスクを第2の再生速度で再生した際に最も再生不良を生じ易い部分であることを特徴とする。
【0021】
第3の発明は、第2の発明において、第1の光ディスクがCLV制御される場合には、所定部分は、第1の光ディスクの最内周側であることを特徴とする。
【0022】
第4の発明は、第3の発明において、所定部分は、所定部分を除く記録領域部分より小さいことを特徴とする。
【0023】
第5の発明は、第4の発明において、第1の光ディスクがCDである場合には、全記録領域の総録音可能時間が74分に対して所定部分は5分であることを特徴とする。
【0024】
第6の発明は、第2の発明において、第1の光ディスクがZCLV制御される場合には、所定部分は、第1の光ディスクの内周側であることを特徴とする。
【0025】
第7の発明は、第6の発明において、所定部分は、記録領域において所定部分より内周側の第1の部分および外周側の第2の部分より小さいことを特徴とする。
【0026】
第8の発明は、第7の発明において、所定部分は、第1の部分以下であり、第1の部分は第2の部分以下であることを特徴とする。
【0027】
第9の発明は、第2の発明において、第1の光ディスクがZCAV制御される場合には、所定部分は、第1の光ディスクの最外周側であることを特徴とする。
【0028】
第10の発明は、第9の発明において、所定部分は、記録領域において所定部分より外周側の第3の部分および内周側の第4の部分より小さいことを特徴とする。
【0029】
第11の発明は、第10の発明において、所定部分は、第3の部分以下であり、第3の部分は第4の部分以下であることを特徴とする。
【0030】
第12の発明は、第1の発明において、最大再生速度検出部は、
第2の再生速度で所定部分から第2のデジタルデータを再生して出力する高速再生部と、
高速再生部により再生された第2のデジタルデータの品質を判定する再生デジタルデータ品質判定部と、
再生された第2のデジタルデータの品質が不良と判定される場合には、品質が良と判定されるまで、第2の再生速度を所定速度だけ減じて第3の再生速度を決定し、第3の再生速度で高速再生部に所定部分から第2のデジタルデータを再生して再生デジタルデータ品質判定部に出力させる高速再生制御部とを備える。
【0031】
上述のように、第12の発明においては、高速再生記録装置で予め設定しておいた最大高速再生速度で再生できないような光ディスクにも適した最大高速再生速度を設定できる。
【0032】
第13の発明は、第12の発明において、所定速度は、第2の再生速度より第1の生成速度を減じた値より小さいことを特徴とする。
【0033】
第14の発明は、第13の発明において、最大再生速度検出部は、さらに、第2のデジタルデータの品質が良と判定された時の第3の速度を最大再生速度として決定する最大速度検定部を備える。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、図1、図2、図3、図4、図5、および図6を参照して、本発明の実施の形態にかかる光ディスク高速再生装置について説明する。図1に示すように、光ディスク高速再生記録装置HSCは、大別して、コンビネーションドライブ130、読出データ検出器200、MDドライブ230、オペレーションコントローラ300、表示部400を含む。なお、光ディスク高速再生記録装置HSCには、コンビネーションドライブ130およびMDドライブ200から読み出された信号に種々な処理を施して、音声信号、映像、或いはコンピュータデータを生成してスピーカやモニター或いは他の記録装置に出力する読出信号処理部も含まれるが、本発明の特徴ではないので、図示および説明を省く。
【0035】
表示部400は、好ましくは、蛍光表示管等などの発光手段で構成されて、光ディスク高速再生記録装置HSCの動作モードなどの情報を光学的にユーザに提示する。オペレーションコントローラ300は、コンビネーションドライブ130、MDドライブ200、上述の読出信号処理部(図示せず)、および表示部400に接続されて、光ディスク高速再生記録装置HSC全体の動作を制御する。
【0036】
コンビネーションドライブ130は、少なくとも1つの光ディスクドライブ132、ドライブシステムコントローラ134、再生速度切替器136、および光ディスク制御器(図1では、「ODC」と表示)138を含む。光ディスクドライブ132は、異なる光ディスクメディアを装着して、同光メディアから記録データを読み出して光ディスク制御器138に出力する。なお、光ディスクドライブ132は、装着する光ディスクの種類を検出する手段を備え、検出された光ディスクの種類毎に、異なる光ディスクドライブとして認識される。よって、本明細書においては、説明の便宜上、それぞれを異なるドライブとして説明する。つまり、光ディスクドライブ132は、CDドライブ132_1、DVDドライブ132_2、VCDドライブ132_3、およびMP3ドライブ132_4等に代表される光ディスクの再生装置を含む。
【0037】
CDドライブ132_1は、装着されるCDから音楽データ或いはコンピュータプログラム等のデジタルデータを読み出してCDデータScdとして出力する。DVDドライブ132_2は、DVDからMPEGデータSdvを再生して出力する。VCDドライブ132_3はビデオCDから音声信号を再生して、ビデオCD音声信号Svdとして出力する。MP3ドライブ132_4は、光ディスクに記録されたMP3ファイルから音声データを再生して、MP3音声信号Smpとして出力する。ドライブシステムコントローラ134は、光ディスクドライブ132に接続されて、コンビネーションドライブ制御信号SCcを相互に交換すると共に光ディスクドライブ132の動作を制御し、さらに光ディスクドライブ132に装着されている光ディスクの種類を検出する。
【0038】
MDドライブ230は、MDシステムコントローラ230_1と書込読出器230_3を含む。MDドライブ230には、さらに、MDを回転させる駆動手段およびその関連の部材も含まれるが、それらは本発明の特徴とするものではないので説明を省く。MDドライブ230は、読出データ検出器200を介してコンビネーションドライブ130から入力されるCDから読み出し再生されたCDデータScdをMDに書込或いはMDに書かれているデータを読み出す。MDシステムコントローラ230_1は、オペレーションコントローラ300から入力されるMDドライブ状態信号SMmおよびコンビネーションドライブ状態信号SMcに基づいて、書込読出器230_3の書込/書換可能光ディスク230_5(MD)に対する書込/読出を制御する。
【0039】
オペレーションコントローラ300は、好ましくは、受光器320、およびリモコン330を含む。ユーザは、リモコン330を操作して、光ディスク高速再生記録装置HSCに対する指示を与えることができる。つまり、ユーザの操作に応じて、リモコン330はリモコン信号SRを照射する。受光器320は、リモコン330から照射されたリモコン信号SRを受けて、ユーザの操作意志を反映したユーザ指示信号SUをオペレーションコントローラ300に出力する。
【0040】
オペレーションコントローラ300は、受光器320から入力されるユーザ指示信号SUに基づいて、コンビネーションドライブ130の動作を制御信号するためのコンビネーションドライブ制御信号SOcを生成して、ドライブシステムコントローラ134に出力する。ドライブシステムコントローラ134は、コンビネーションドライブ制御信号SOcに基づいて、コンビネーションドライブ制御信号SCcを生成して、光ディスクドライブ132を制御する。一方、ドライブシステムコントローラ134は、光ディスクドライブ132に装着されている光ディスクの種別を表すメディア識別情報やコンビネーションドライブ130の動作状態情報を含むコンビネーションドライブ状態信号SMcを生成してオペレーションコントローラ300に出力する。
【0041】
オペレーションコントローラ300は、ユーザ指示信号SU、コンビネーションドライブ状態信号SMc、読出/再生状態信号Sjr、およびMDドライブ状態信号SMmに基づいて、MDドライブ230の動作を制御するMD制御信号SCmを生成して、MDドライブ230に出力する。
【0042】
本実施の形態においても、光ディスク高速再生記録装置HSCは好ましくは、記録元の光ディスクとしてCDを用い、書込/書換可能光ディスクとしてMD(書込/書換可能光ディスク230_5)を用いる。よって、ドライブシステムコントローラ134は、オペレーションコントローラ300から入力されるコンビネーションドライブ制御信号SCcに指示される再生速度に対応する回転速度を表す回転速度指示信号Srnを生成して、再生速度切替器136に出力する。なお、ドライブシステムコントローラ134は、対象とする光ディスクの回転制御方法の種類(ZCAV、ZCLV、やCAV)に応じて、ユーザが指定する再生速度で回転させるように回転速度指示信号Srnを生成する。
【0043】
再生速度切替器136は、回転速度指示信号Srnに基づいて、CDドライブ132_1を、ユーザが指定する再生速度に対応した速度で回転させる。つまり、CDの場合はCLV制御のために、データの読出速度である読出位置における線速度がユーザの指定再生速度になるように、半径方向上の位置に関して回転速度は変化させられる。再生速度切替器136は、CDからデータを読み出している速度を表す読出速度信号Srsを生成して、光ディスク制御器138に出力する。
【0044】
光ディスク制御器138は、読出速度信号Srsに基づいて、CDドライブ132_1から入力されるCDデータScdから、オーディオデータ(或いはコンピュータコンテンツデータ)SadとサブコードSsbを取り出して読出データ検出器200に出力する。なお、光ディスク制御器138から出力されるデータは、それぞれ記録元の光ディスクの種類によって異なるが、基本的にはCDの場合のオーディオデータSadに相当するコンテンツデータと、サブコードSsbに相当する管理データが出力される。この意味において、CDデータScdから取り出されるオーディオデータSadおよびサブコードSsbを、必要に応じてそれぞれ、コンテンツデータSadおよびコンテンツ管理データSsbと呼称する。
【0045】
読出データ検出器200は、コンテンツ管理データSsbとコンテンツ管理データSsbに基づいて、CDからのデータの読出/再生が正常であるか否かを表す、再生状態信号Sjrを生成して、オペレーションコントローラ300に出力する。
【0046】
オペレーションコントローラ300は、さらに、ユーザ指示信号SUに基づいて、CDドライブ132_1に装着されたCDを正規の再生速度のN倍(Nは任意の正の整数)で高速再生して、再生されたデータをMD(書込/書換可能光ディスク230_5)に記録させる。また、オペレーションコントローラ300は、上述のユーザ指示信号SU、コンビネーションドライブ状態信号SMc、およびMDドライブ状態信号SMmに基づいて、光ディスク高速再生記録装置HSCの運転状態を表す運転状態表示信号SOdを生成して表示部400に出力する。表示部400は、運転状態表示信号SOdに基づいて、光ディスク高速再生記録装置HSCの運転状態を光学表示を用いてユーザに提示する。
【0047】
上述の如く構成された光ディスク高速再生記録装置HSCの具体的な動作を説明する前に、図3〜6を参照して、本発明において、個々の光ディスクに適した高速再生速度の決定方法について説明する。通常の1倍速再生時の時には問題とならない程度の記録元の光ディスクの傷や変形、装着精度、回路のノイズ等のデータ再生阻害要因や、それらの要因の組み合わせによる再生阻害度は、記録元の光ディスクを通常の数倍という高速で回転させることによって、増大されることが主な原因であることは明らかである。さらに、光ディスクの種類によって、回転制御方法が異なるために、同一の再生速度であっても、光ディスクの読出位置によっては、回転速度が異なる。それ故に、仮に同一の再生阻害要因を有する複数種類の光ディスクを同一の速度で高速再生しても、再生不良が発生する読みとり位置は、光ディスクの種類(回転制御方法)によって異なる。
【0048】
なお、再生阻害要因の内で、光ディスクの傷や変形という媒体の物理的欠陥や、光ディスクの装着不良という位置精度誤差が大きければ、その再生不良に対する影響は回転速度の影響力より十分に大きくなる。しかしながら、実際の光ディスクおよびそのドライブ装置の製造品質からみて、媒体の物理的欠陥や取り付け位置精度の影響より、光ディスクの回転数(rpm)の影響の方が遙かに大きいと判断される。
【0049】
よって、本発明においては、この判断に基づいて、高速記録再生動作を開始する前に、記録元の光ディスクの記録領域の内で、回転速度(rpm)が最も高い領域およびその周辺で安定して再生できる最も高い再生速度を、その光ディスクを光ディスク高速再生記録装置HSCで許容できる最高再生速度として決定する。そして、決定された許容最高再生速度でその光ディスクの高速再生記録を開始するものである。いわば、光ディスクの記録領域の中で高速再生の悪影響を最も被りやすい部分での高速再生性能を評価し、その結果をもってその光ディスクの許容最高再生速度を決定するものである。この意味において、光ディスクの高速再生の悪影響を受けやすい記録領域を再生評価領域と定義する。
【0050】
次に、図3〜図6を参照して、回転制御方式の異なる光ディスクにおける評価領域について、簡単に説明する。
図3に、CLV制御される光ディスクの記録領域を模式的に示す。同図において、半径方向の2本の両矢印の内で、内周側の矢印は、再生時に他の記録領域に比べて高速(角速度)で回転されて再生不良を生じやすい不安定高速再生位置範囲Leを示している。そして、外周側の矢印は、不安定読出位置範囲Leに比べて再生不良を生じ難い外周側安定高速再生位置範囲Lnoを示している。そして、不安定高速再生位置範囲Leと外周側安定高速再生位置範囲Lnoとを併せたものが、この光ディスクの全再生範囲Lrである。
【0051】
全再生範囲Lrに対応するのがこの光ディスクの記録領域Arであり、不安定高速再生位置範囲Leに対応するのが不安定高速再生領域Areであり、そして、外周側安定高速再生位置範囲Lnoに対応するのが外周側安定高速再生領域Arnoである。なお、不安定高速再生領域Areが本光ディスクにおける再生評価領域である。
不安定高速再生位置範囲Leは外周側安定高速再生位置範囲Lnoより小さく、さらに全再生範囲Lrに占める不安定高速再生位置範囲Leの割合が小さいほど、光ディスクの許容最高再生速度を効率良く決定できる。しかしながら、上述の回転速度(rpm)以外の再生阻害要因の影響も考慮して決定される。なお、CLV制御される光ディスクの代表的例である音楽用CDの場合には、総録音時間(Lr、Ar)が74分の場合、5分程度の記録領域(Le、Are)が再生評価領域として設定されるのが好ましい。
【0052】
図4に、CAV制御される光ディスクの記録領域を模式的に示す。同図において、半径方向の2本の両矢印の内で、外周側の矢印は、再生時に他の記録領域に比べて高速(線速度)で回転されるので、再生不良を生じやすい不安定高速再生位置範囲Leを示している。そして、内周側の矢印は、不安定読出位置範囲Leに比べて再生不良を生じ難い内周側安定高速再生位置範囲Lniを示している。この光ディスクにおいても、不安定高速再生位置範囲Leは内周側安定高速再生位置範囲Lniより小さく、さらに全再生範囲Lrに占める不安定高速再生位置範囲Leの割合が小さいほど、光ディスクの許容最高再生速度を効率良く決定できる。なお、内周側安定高速再生位置範囲Lniには、内周側安定高速再生領域Arniが対応する。
【0053】
図5に、ZCLV制御される光ディスクの記録領域を模式的に示す。ZCLV制御においては、半径方向に設けられた複数のゾーン内部ではCLV制御される。つまり、内周部の一部で回転速度(rpm)を落とし、残りの部分を最高速度で読み出すために、内周側から少し離れた位置が不安定高速再生位置範囲Leとなり、その両側が内周側安定高速再生位置範囲Lniと外周側安定高速再生位置範囲Lnoとなる。なお、不安定高速再生位置範囲Leには記録領域が不安定高速再生領域Areが対応し、内周側安定高速再生位置範囲Lniに内周側安定高速再生領域Arniが対応し、外周側安定高速再生位置範囲Lnoに外周側安定高速再生領域Arnoが対応する。好ましくは、不安定高速再生位置範囲Le≦内周側安定高速再生位置範囲Lni≦外周側安定高速再生位置範囲Lnoの関係がある。ZCLV制御される光ディスクとしては、DVD−RAMがある。
【0054】
図5に、ZCAV制御される光ディスクの記録領域を模式的に示す。ZCLV制御においては、半径方向に設けられた複数のゾーン内部ではCAV制御される。そして、各ゾーン間で各速度の差ができるだけ小さくなるように回転制御される。結果、外周側のゾーンにおける方が内周側のゾーンにおけるより高速(線速度)で回転される。好ましくは、不安定高速再生位置範囲Le≦外周側安定高速再生位置範囲Lno≦内周側安定高速再生位置範囲Lniの関係がある。ZCAV制御される光ディスクとしては、MOがある。
【0055】
なお、図3〜図6を参照して、説明した光ディスクの種別、制御方式、および不安定高速再生位置範囲Le(不安定高速再生領域Are)、外周側安定高速再生位置範囲Lno(外周側安定高速再生領域Arno)、内周側安定高速再生位置範囲Lni(内周側安定高速再生領域Arni)の関係を規定するデータが、予めオペレーションコントローラ300に格納されている。
【0056】
次に、図2に示すフローチャートを参照して、光ディスク高速再生記録装置HSCによる光ディスク高速再生記録動作についてのみ説明する。光ディスク高速再生記録装置HSCに電源が投入されてその動作が開始されると、先ず、
ステップS2において、ユーザ指示信号SUに基づいて、オペレーションコントローラ300において光ディスクの高速再生記録(N倍速再生記録)の指示がされているか否かが判断される。Noの場合は、本ステップの処理を繰り返して、Yesと判断された時点で、制御は次のステップS4に進む。
【0057】
ステップS4において、ユーザ指示信号SUに基づいて、オペレーションコントローラ300は、記録元の光ディスクおよび記録先光ディスクを決定する。さらに、決定された記録元の光ディスクに応じて不安定高速再生領域Areが決定される。上述のように、コンビネーションドライブ130およびMDドライブ230には、それぞれ、記録元光ディスク(CD)およびMD(記録先光ディスク)の装着の有無が自動的に検出される。よって、記録元光ディスク(CD)或いは記録先光ディスク(MD)が装着されていない場合には、ユーザは高速再生記録を選択できないので、本ステップにおいては、必ず記録元光ディスクおよび記録先光ディスクが決定される。なお、本例においては、CDおよびMDがそれぞれ、記録元光ディスクおよび記録先光ディスクとして決定されると共に認識される。そして、制御は次のステップS6に進む。
【0058】
ステップS6において、オペレーションコントローラ300は、ユーザ指示信号SUに基づいて、記録元光ディスクの正規の再生速度の何倍の速度で再生するかを規定する高速再生倍数Nを検出する。つまり、本例においては、CDを正規再生速度の何倍で再生して、MDに記録するかが決定される。本ステップで決定された高速再生倍数Nは、コンビネーションドライブ制御信号SOcとしてドライブシステムコントローラ134に出力される。なお、高速再生倍数Nとしては、ユーザが指定する代わりに、光ディスク高速再生記録装置HSCで可能な最高再生速度に対応する値を設定するようにしてもよい。そして、制御は次のステップS8に進む。
【0059】
ステップS8において、ドライブシステムコントローラ134は、高速再生倍数Nに基づいて、記録元光ディスクの回転数を決定して回転速度指示信号Srnを生成して、速度切替器136に出力する。なお、回転速度指示信号Srnが規定する回転数(角速度)は、光ディスクの種類およびその回転制御方法によっては、同一の再生速度であっても回転数は一定とは限らないことは上述の通りである。つまり、N倍の再生速度とはN倍の角速度の場合もあれば、そうでない場合もあることは言うまでもない。そして、制御は次のステップS10に進む。
【0060】
ステップS10において、再生速度切替器136は、回転速度指示信号Srnに基づいて、光ディスクドライブ132(CDドライブ132_1)に装着されている記録元の光ディスク(CD)を正規再生時のN倍の速さで回転させる。そして、制御は次のステップS12に進む。
【0061】
ステップS12において、再生速度切替器136は、正規再生時のN倍の再生速度で回転されている光ディスク(CD)の読出位置における読出速度を検出して読出速度信号Srsを生成して、光ディスク制御器138に出力する。つまり、読出速度信号Srsは、光ディスクからデータが読み出されて、光ディスク制御器138に入力される速さに対応している。そして、制御は次のステップS14に進む。
【0062】
ステップS14において、光ディスク制御器138は、読出速度信号Srsに基づいて、光ディスクドライブ132(CDドライブ132_1)で、光ディスク(CD)の不安定高速再生領域Areから正規再生時のN倍の再生速度で読み出されてくるデータ(CDデータScdを正常再生時のN倍の速さで再生して、コンテンツデータ(オーディオデータ)Sadと管理データ(サブコード)Ssbを取り出して、読出データ検出器200に出力する。そして、制御は次のステップS16に進む。
【0063】
ステップS16において、読出データ検出器200は、コンテンツデータ(オーディオデータ)Sadと管理データ(サブコード)Ssbに基づいて、再生状態を示す再生状態信号Sjrを生成して、オペレーションコントローラ300に出力する。そして、制御は次のステップS18に進む。
【0064】
ステップS18において、オペレーションコントローラ300は、再生状態信号Sjrに基づいて、ユーザから指定されたN倍速で記録元の光ディスク(CD)の不安定高速再生領域Areから記録データが正常に再生されているか否かが判断される。なお、本例においては、この判断は所定時間内に所定量の再生データが入力されることをもって正常再生と判断し、そうでないアンダーラン状態をもって再生不良と判断する。正常再生の場合は、Yesと判断されるが、これは言い換えれば、この光ディスクは全体的にN倍速で高速再生できると認定することを意味する。この意味において、上述のステップS6〜ステップS18における再生処理は、記録元光ディスクの記録領域の中で高速再生の悪影響を最も被りやすい部分での高速再生性能を評価し、その結果をもってその光ディスクの許容最高再生速度を決定する、光ディスクの許容最高再生速度評価ルーティンを構成している。そして、制御はステップS20に進む。
【0065】
ステップS20において、許容最高再生速度倍数Nmaxとして高速再生速度倍数Nが設定される。そして、制御は次のステップS42に進む。
【0066】
上述のステップS18においてNo、つまり不安定高速再生領域AreからのN倍高速再生が不良である場合は、この記録元光ディスクの許容最高再生速度倍数Nmaxは高速再生倍数Nより小さいと判断されて、制御はステップS22に進む。
【0067】
ステップS22において、オペレーションコントローラ300は高速再生倍数Nから減速値Vpを減じて、準高速再生倍数Kを求める。減速値Vpは、再生速度(回転速度)を少し減じてみて、光ディスク高速再生記録装置HSCにおける再生状態の回復をまつという観点から適宜決められる所定値である。但し減速値Vpは高速再生倍数N−1以下であることが好ましい。つまり、減速値VpがN−1の場合、準高速再生倍数Kは1となり、記録元光ディスク(CD)を正規再生速度で再生して再生状態の回復を狙うものである。そして、制御は次のステップS24に進む。
【0068】
ステップS24において、オペレーションコントローラ300は、さらに、準高速再生倍数Kが1より大きいか否かを判断する。Yes、つまり準高速再生倍数Kが1倍速より大きい場合には、高速再生倍数Nの代わりに準高速再生倍数Kをコンビネーションドライブ制御信号SOcとしてドライブシステムコントローラ134に出力する。ステップS22およびS24による処理は、上述のステップS6における処理と類似している。但し、ステップS6においてはユーザの指示(ユーザ指示信号SU)通りに高速再生倍数Nが決定されるが、本ステップにおいて再生不良状態を改善するために、高速再生倍数Nを予め定めておいた減速値Vpだけ減速して準高速再生倍数Kが求められる点が異なる。そして、制御は次のステップS28に進む。
【0069】
なお、ステップS24でNo、つまり準高速再生倍数Kが1倍速以下の場合、制御は、ステップS26をスキップしてステップS28に進む。
【0070】
ステップS26において、準高速再生倍数Kが1に設定される。これは、1倍速以下にまで減速することを防止するものである。しかし、1倍速以下で再生することが望ましければ、ステップS24でK>0を判断し、本ステップS26でK=正の値と設定してもよい。そして制御は、ステップS28に進む。
【0071】
ステップS28において、上述のステップS8におけるのと同様に、ドライブシステムコントローラ134は、準高速再生倍数Kに基づいて、記録元光ディスクの回転数(rpm)を決定して回転速度指示信号Srnを生成して、速度切替器136に出力する。なお、説明の便宜上、本ステップで生成される回転速度指示信号Srnを減速回転速度指示信号Srkと呼んで識別する。そして、制御は次のステップS30に進む。
【0072】
ステップS30において、上述のステップS10におけるのと同様に、再生速度切替器136は、減速回転速度指示信号Srkに基づいて、光ディスクドライブ132(CDドライブ132_1)に装着されている記録元の光ディスク(CD)を正規再生時のK倍の速さで回転させる。そして、制御は次のステップS32に進む。
【0073】
ステップS32において、上述のステップS12におけるのと同様に、再生速度切替器136は、正規再生時のK倍の速さで回転されている光ディスク(CD)の不安定高速再生領域Areにおける読出速度を検出して減速読出速度信号Sksを生成して、光ディスク制御器138に出力する。なお、減速読出速度信号Sksは、基本的に読出速度信号Srsと同じであるが、その値が読出速度信号Srsより小さい。そして、制御は次のステップS34に進む。
【0074】
ステップS34において、上述のステップS14におけるのと同様に、光ディスク制御器138は、減速読出速度信号Sksに基づいて、光ディスクドライブ132(CDドライブ132_1)で、光ディスク(CD)の不安定高速再生領域Areから正規再生時のK倍の速さで読み出されてくるデータ(CDデータScdを正常再生時のN倍の速さで再生して、コンテンツデータ(オーディオデータ)Sadと管理データ(サブコード)Ssb取り出して、読出データ検出器200に出力する。そして、制御は次のステップS36に進む。
【0075】
ステップS36において、上述のステップS16におけるのと同様に、読出データ検出器200は、コンテンツデータ(オーディオデータ)Sadと管理データ(サブコード)Ssbに基づいて、減速時の再生状態を示す減速再生状態信号Sjkを生成して、オペレーションコントローラ300に出力する。そして、制御は次のステップS38に進む。
【0076】
ステップS38において、上述のステップS18におけるのと同様に、オペレーションコントローラ300は、減速再生状態信号Sjkに基づいて、K倍速で記録元の光ディスク(CD)の不安定高速再生領域Areから記録データが正常に再生されているか否かが判断される。そして、Yesと判断される場合は、この光ディスクは全体的にK倍速で高速再生できると認定することを意味する。そして、制御は上述のステップS40に進む。
【0077】
一方、Noの場合は、現在の準高速再生倍数Kに相当するK倍速で、この記録元光ディスクを全体的に高速再生出来ないと認定することを意味する。そして、制御は上述のステップS22に戻り、ステップS24〜S36の処理を経て、本ステップS38で、再度、この記録元光ディスクを現在の準高速再生倍数Kで再生できるか否かが判断される。
【0078】
このように、ステップS22〜S38に、上述のステップS6〜S18における処理と同様に、光ディスクの許容最高再生速度を決定する、光ディスクの許容最高再生速度評価ルーティンを構成している。しかしながら、ステップS6〜S18が光ディスク高速再生記録装置HSC或いはユーザの指定する倍速値がそのまま許容最高再生速度倍数Nmaxとして設定される。それ故に、記録元光ディスクの本来の許容最高再生速度を検出していない可能性がある。これに対しては、高速再生倍数Nの光ディスクの製造品質に基づいて適正に設定することによって有効に対策可能である。
【0079】
一方、ステップS6〜S18においては、記録元光ディスクの本来の許容最高許容速度がN倍速以下である場合に、光ディスク高速再生記録装置HSCで使用される場合の許容最高再生速度を実際的に求めることができる。なお、減速値Vpの値を小さくすれば、許容最高再生速度をより正確に求めることができるが、あまり小さくすると、許容最高再生速度を求めるに時間を要して実際的ではなくなる。
【0080】
ステップS40において、許容最高再生速度倍数Nmaxとして準高速再生倍数Kが設定される。そして、制御は次のステップS42に進む。
【0081】
ステップS42において、許容最高再生速度倍数Nmaxで記録元光ディスクの最初の読出位置から高速再生を開始する。そして、制御は次のステップS44に進む。
【0082】
ステップS44において、MDドライブ230_1が、書込/書換可能光ディスク230_5に入力されてきたコンテンツデータSadを書き込めるだけの容量があるか否かを判断する。容量が十分にある場合は、Yesと判断されて、制御はステップS46に進む。
【0083】
ステップS46において、読出データ検出器200を介して、MDドライブ230に入力されたコンテンツデータSadは、書込読出器230_3によって、書込/書換可能光ディスク(MD)230_5に、所定の記録単位で書き込む。なお、記録単位は、本発明においては、セクタ単位、トラック単位、記録元或いは記録先の光ディスク単位であってもよいが、本実施の形態においてはセクタよりも小さな単位が好ましい。よって、記録元の光ディスク(CD)から逐次読み出されたコンテンツデータSadは、セクタより小さな記録単位で、書込/書換可能光ディスク230_5に書き込まれる。
【0084】
このように、本実施の形態においては、上述の許容最高再生速度評価ルーティン(ステップS6〜S18/ステップS22〜S38)で、記録元光ディスクから読み出し再生されたデータは、許容最高再生速度評価に使用されるだけで、記録先光ディスクに記録されることはない。しかしながら、許容最高再生速度評価に使用されると同時に記録先光ディスクの所定の場所に書き込んでおいて、本ステップにおける再生時には不安定高速再生領域Areの再生をスキップすることで重複再生記録を避けて総所要時間の短縮を図ることも有効である。特に、CDのようなCLV制御される光ディスクにおいては、不安定高速再生領域Areが記録領域Arの再内周側に位置する場合には好都合である。そして、制御は次のステップS48に進む。
【0085】
ステップS48において、ステップS20における、コンテンツデータSadの書込/書換可能光ディスク230_5(MD)への書込に関するUTOC情報がMDシステムコントローラ230_1によって生成されて、書込/書換可能光ディスク230_5(MD)のUTOC領域に書き込まれる。そして、制御は、次のステップS50に進む。
【0086】
ステップS50において、オペレーションコントローラ300によって、記録元光ディスクの再生が完了しているか否かが判断される。Yesと判断される場合、光ディスク高速再生記録装置HSCの高速再生記録動作を終了する。一方、Noと判断される場合は、制御は上述のステップS44に戻り、引き続き許容最高再生速度(N)で記録領域Arの未記録部分を再生する。
【0087】
なお、上述のステップS44においてNo、つまり記録元光ディスク(CD)の再生記録データ量に対して、記録先光ディスク(MD)の記録容量が不足している場合には、制御はステップS52に進む。
【0088】
ステップS52において、例えば、記録先光ディスク(MD)の記録容量不足等を表示部400に表示するなどの所定のエラー処理が行われて、制御は終了する。
【0089】
上述のように構成することによって、本発明にかかる高速再生記録装置HSCにおいては、個々の光ディスクに適した再生速度でデータ不良を引き起こすことなく高速再生して書込可能光ディスクに記録できる。
【0090】
また、光ディスク高速再生記録装置HSCは、好ましくは、記録元の光ディスクとしてCDを用い、書込/書換可能光ディスクとしてMD用いる。但し、記録元の光ディスクとしては、コンビネーションドライブ130に装着できるCD、DVD、およびVCDを代表とする光ディスクを用いることができる。さらに、書込/書換可能光ディスクとしては、UTOC情報のように、記録するデータの管理情報をユーザ側で記録できる、CD−RWやDVD−RWに代表される光ディスクを用いることができる。
【0091】
また、不安定高速再生領域Areと記録領域Arとは、基本的に、図3、図4、図5、および図6を参照して説明した関係である。しかしながら、光ディスク高速再生記録装置HSCの特性あるいは、記録元光ディスクの製造品質などの単独或いは組み合わせによって、不安定高速再生領域Areは適切に定めることが出来る。つまり、不安定高速再生領域Areは使用される光ディスク高速再生記録装置HSCにおいて、記録元光ディスクを高速再生した時に他の記録領域と比べて再生不良が発生し易い部分を適宜選択される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる光ディスク高速再生記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した光ディスク高速再生記録装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】CLV方式の光ディスクにおける不安定高速再生領域と外周側安定高速再生領域との関係の一例の説明図である。
【図4】CAV方式の光ディスクにおける不安定高速再生領域と内周側安定高速再生領域との関係の一例の説明図である。
【図5】ZCLV方式の光ディスクにおける内周側安定高速再生領域と、不安定高速再生領域と、外周側安定高速再生領域との関係の一例の説明図である。
【図6】ZCAV方式の光ディスクにおける内周側安定高速再生領域と、不安定高速再生領域と、外周側安定高速再生領域との関係の一例の説明図である。
【符号の説明】
HSC 光ディスク高速再生記録装置
130 コンビネーションドライブ
132_1 CDドライブ
132_2 DVDドライブ
132_3 VCDドライブ
132_4 MP3ドライブ
134 ドライブシステムコントローラ
136 再生速度切替器
138 光ディスク制御器
200 読出データ検出器
230 MDドライブ
230_1 MDシステムコントローラ
230_3 書込読出器
230_5 書込/書換可能光ディスク
300 オペレーションコントローラ
320 受光器
330 リモコン
400 表示部
Claims (14)
- 第1のデジタルデータが記録されている第1の光ディスクを標準再生速度である第1の再生速度より大きな第2の再生速度で読み出して、第2のデジタルデータとして再生し、再生された第2のデジタルデータを書込可能な第2の光ディスクに記録する光ディスク高速再生記録装置であって、
前記第2のデジタルデータのうちで、前記第2の光ディスクの記録領域の所定部分から再生されるものに基づいて、前記第1の光ディスクの全記録領域に共通して適用できる最大再生速度を検出する最大再生速度検出手段と、
前記最大再生速度で、前記第1の光ディスクから前記第2のデジタルデータを再生する光ディスク再生手段と、
前記第2のデジタルデータを前記第2の光ディスクに記録する光ディスク記録手段とを備える光ディスク高速再生記録装置。 - 前記所定部分は、前記第1の光ディスクの種類毎に代表的に定められる、当該第1の光ディスクを前記第2の再生速度で再生した際に最も再生不良を生じ易い部分であることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 前記第1の光ディスクがCLV制御される場合には、前記所定部分は、当該第1の光ディスクの最内周側であることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 前記所定部分は、当該所定部分を除く記録領域部分より小さいことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 前記第1の光ディスクがCDである場合には、前記全記録領域の総録音可能時間が74分に対して前記所定部分は5分であることを特徴とする請求項4に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 前記第1の光ディスクがZCLV制御される場合には、前記所定部分は、当該第1の光ディスクの内周側であることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 前記所定部分は、前記記録領域において当該所定部分より内周側の第1の部分および外周側の第2の部分より小さいことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 前記所定部分は、前記第1の部分以下であり、当該第1の部分は前記第2の部分以下であることを特徴とする請求項7に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 前記第1の光ディスクがZCAV制御される場合には、前記所定部分は、当該第1の光ディスクの最外周側であることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 前記所定部分は、前記記録領域において当該所定部分より外周側の第3の部分および内周側の第4の部分より小さいことを特徴とする請求項9に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 前記所定部分は、前記第3の部分以下であり、当該第3の部分は前記第4の部分以下であることを特徴とする請求項10に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 最大再生速度検出手段は、
前記第2の再生速度で前記所定部分から前記第2のデジタルデータを再生して出力する高速再生手段と、
前記高速再生手段により再生された前記第2のデジタルデータの品質を判定する再生デジタルデータ品質判定手段と、
前記再生された第2のデジタルデータの品質が不良と判定される場合には、品質が良と判定されるまで、前記第2の再生速度を所定速度だけ減じて第3の再生速度を決定し、当該第3の再生速度で前記高速再生手段に前記所定部分から前記第2のデジタルデータを再生して前記再生デジタルデータ品質判定手段に出力させる高速再生制御手段とを備える請求項1に記載の光ディスク高速再生記録装置。 - 前記所定速度は、前記第2の再生速度より前記第1の生成速度を減じた値より小さいことを特徴とする請求項12に記載の光ディスク高速再生記録装置。
- 最大再生速度検出手段は、さらに、前記第2のデジタルデータの品質が良と判定された時の第3の速度を前記最大再生速度として決定する最大速度検定手段を備える請求項13に記載のの光ディスク高速再生記録装置。
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