JP2004045893A - 透明フィルム、偏光子保護フィルム、および偏光板 - Google Patents
透明フィルム、偏光子保護フィルム、および偏光板 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】フィルム面内位相差が10nm以下であり、かつ、厚み方向の位相差が50nm以下である熱可塑性樹脂からなる25℃、90%RHにおける透湿率が10g・mm/m2・24hr以下の透明フィルムであって、そのフィルムのヘーズが2%以下、全光線透過率が85%以上、420nmでの光線透過率T(420)が85%以上であり、かつ、380nmでの光線透過率T(380)の比T=T420/T380が5以上であることを特徴とする透明フィルム
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明フィルムに関する。詳しくは、特定の紫外線吸収性能を有しており、偏光子保護フィルムとして有用な透明フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
直線偏光板は、透過する光のうちで特定の振動方向をもつ直線偏光のみを透過させ、その他の直線偏光を遮蔽する機能を有する材料であり、例えば液晶表示装置を構成する部品の一つとして広く使用されている。このような直線偏光板としては、偏光子フィルムと偏光子保護フィルムとが積層された構成をもつものが一般的に使用されている。
【0003】
前記偏光子フィルムとは、特定の振動方向をもつ直線偏光のみを透過する機能を有するフィルムであり、例えばポリビニルアルコール(以下PVAという)フィルム等を延伸し、ヨウ素や二色性染料などで染色したフィルムが一般に使用されている。
【0004】
前記偏光子保護フィルムとは、偏光子フィルムを保持して偏光板全体に実用的な強度を付与するなどの機能を担うものであり、例えばトリアセチルセルロース(以下TACという)フィルムなどが一般に使用されている。これら偏光子保護フィルムには、ヨウ素や液晶材料を紫外線劣化から防ぐ目的で、紫外線吸収剤がフィルム中に添加されている。
【0005】
一方、偏光子フィルムは、吸湿によって偏光性能が低下する可能性があるため、従来のTACフィルムよりも水分透過率(透湿率=水蒸気透過係数)の小さいフィルム素材を偏光子保護フィルムとして用いることにより、貼合後の外部からの吸湿を抑制して偏光子フィルムの性能低下を少なくしようとする試みがなされている。また、偏光子フィルムの収縮などに起因する応力によりTACフィルムが変形し、好ましくない位相差を発現する場合があり、特に、大型の液晶表示装置において、周辺部のコントラストが低下するなどの問題を抱えている。
【0006】
そのために、TACと比較して透湿度が小さくまた、位相差発現を防止するためにTACよりも小さな光弾性係数を有する材料を新たな偏光子保護フィルムとして用いる試みがなされている。
【0007】
一例を挙げると、特開平7−77608号公報は、80℃・90%RHの透湿率が200g/(m2・24hr・100μm)以下で、かつ光弾性係数が1×10−11cm2/dyne以下である偏光子保護フィルムを用いて、偏光板の耐湿熱性を向上させる発明を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
光弾性係数が比較的小さく透湿率の小さい熱可塑性樹脂として、ポリカーボネートやシクロオレフィン系樹脂、オレフィン−マレイミド系樹脂が検討されている。TACは溶剤キャスト法により成膜されているが、これら樹脂はその良好な熱可塑性を有しているため、工業的に生産性の高い溶融押し出し法により成膜が試みられている。溶融押し出し法では、フィルム化加工の過程で樹脂を溶融して成形するため、一般には200℃以上の高温に晒される。そのため、加工時の樹脂や添加剤の熱劣化が大きな課題である。熱安定剤や滑剤により樹脂の劣化は防止できるものの、添加している紫外線吸収剤の分散性不良によるヘーズの増大や、フィルム成形時の揮発逸散による紫外線吸収特性の低下がおこり、使用できる紫外線吸収剤が制限されるという課題を有する。一方、必要とされる紫外線吸収特性は、一般の成形材料と比較して極めて臨界的な特性が要求され、可視光線に対しては高い透明性が要求される一方、紫外線に対しては高い吸収性能が要求され、偏光子保護フィルムとして必要な紫外線吸収特性が満足のいくものは得られていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意研究の結果、特定の紫外線吸収剤を用いることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明によれば、優れた低複屈折性と透明性を有し、かつ急峻な紫外線吸収性を有するフィルムを得ることができ、偏光子フィルムと貼合接着することにより湿熱環境下における耐久性が良好でかつ耐紫外線性に優れた偏光板を得ることができることを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、フィルム面内位相差が10nm以下であり、かつ、厚み方向の位相差が50nm以下である熱可塑性樹脂からなる25℃、90%RHにおける透湿率が10g・mm/m2・24hr以下の透明フィルムであって、そのフィルムのヘーズが1%以下、全光線透過率が85%以上、420nmでの光線透過率T(420)が85%以上であり、かつ、380nmでの光線透過率T(380)の比T=T(420)/T(380)が5以上であることを特徴とする透明フィルムに関する。
【0012】
本発明は、以下の構成からなる、新規な透明フィルムを提供するものであり、これにより、上記の目的が達成される。
1) フィルム面内位相差が10nm以下であり、かつ、厚み方向の位相差が50nm以下である熱可塑性樹脂からなる25℃、90%RHにおける透湿率が10g・mm/m2・24hr以下の透明フィルムであって、そのフィルムのヘーズが1%以下、全光線透過率が85%以上、420nmでの光線透過率T(420)が85%以上であり、かつ、380nmでの光線透過率T(380)の比T=T(420)/T(380)が5以上であることを特徴とする透明フィルム。
2) 光弾性係数の絶対値が5×10−12cm2/dyne以下であり、厚みバラツキがフィルム厚みの10%以下であることを特徴とする1)記載の透明フィルム。
3) 前記、熱可塑性樹脂が、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂A、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基とニトリル基を有する熱可塑性樹脂B、を含有する樹脂組成物であることを特徴とする1)ないし2)記載の透明フィルム。
4) 熱可塑性樹脂Aが、オレフィン成分と側鎖に置換または非置換マレイミド基を有する成分からなることを特徴とする3)記載の透明フィルム。
5) 前記、熱可塑性樹脂が、ポリカーボネートまたは飽和シクロオレフィン系樹脂であることを特徴とする1)ないし2)記載の透明フィルム
6) 1)ないし5)記載の透明フィルムを用いてなる偏光子保護フィルム。
7) 6)記載の偏光子保護フィルムを用いてなる偏光板。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂からなる透明フィルムは、25℃、90%RHにおける透湿率が、10g・mm/m2・24hr以下であることが好ましい。より好ましくは7g・mm/m2・24hrであり、さらに好ましくは5g・mm/m2・24hrである。偏光子フィルムとの接着の際、水系の接着剤を用いる場合、偏光子保護フィルムの透湿度があまりに小さいと接着剤の乾燥不良を引き起こすことがある。透湿量はフィルム厚みに逆比例するので、このような場合は比較的薄いフィルムとするか、0.5g・mm/m2・24hr以上、好ましくは1.0g・mm/m2・24hr以上、より好ましくは1.5g・mm/m2・24hr以上の透湿率を有する熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いることが好ましい。
【0014】
本発明の透明フィルムの位相差は、10nm以下であり、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下である。位相差が10nmより大きい場合は、液晶表示装置に用いた場合に、その位相差に応じて着色し、色ムラや画像ムラが生じる。
【0015】
フィルムの面内位相差のみならず、厚み方向の位相差を制御することも、特にフィルム位相差の視野角依存性を低減するためには重要である。フィルム厚み方向の位相差は、フィルム面内の最大屈折率をnxとし、nxと直交する方向の屈折率をnyとし、フィルム厚み方向の屈折率をnzとし、そしてフィルムの厚みをdとしたとき、
|(nx+ny)/2−nz)|×d
で表される。
【0016】
本発明のフィルムの好ましい厚み方向の位相差は、50nm以下であり、より好ましくは30nm以下、更に好ましくは10nm以下、特に好ましくは5nm以下である。
【0017】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂からなる透明フィルムは、光弾性係数の絶対値が5×10−12cm2/dyne以下であり、好ましくは3×10−12cm2/dyne以下、より好ましくは1×10−12cm2/dyne以下である。光弾性係数の絶対値が5×10−12cm2/dyneより大きい場合は、光漏れが起きやすくなり、特に高温高湿度環境下において、その傾向が著しくなる。
【0018】
光弾性係数とは、等方性の固体に外力を加えて応力(ΔF)を起こさせると、一時的に光学異方性を呈し、複屈折(△n)を示すようになるが、その応力と複屈折の比を光弾性係数(c)と呼び、次式
c=△n/ΔF
で示される。
【0019】
本発明において、光弾性係数はセナルモン法により、波長515nmにて、23℃、50%RHにおいて測定した値である。
【0020】
本発明の透明フィルムの厚みは、好ましくは、20μmから300μmであり、より好ましくは30μmから200μmである。さらに好ましくは50μmから100μmである。また、フィルムの厚みムラは、好ましくは平均厚みの10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0021】
本発明の透明フィルムの光線透過率は、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。また、フィルムのへーズは、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下である。
【0022】
本発明の透明フィルムは非晶性の熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、マレイミド・オレフィン系樹脂、グルタルイミド系樹脂などの単独樹脂またはこれらを混合してなる樹脂組成物が挙げられる。また、光弾性係数が正の樹脂と負の樹脂のブレンド体からなる樹脂組成物も好適な例として挙げられる。また、光弾性係数が正の樹脂と負の樹脂となる、それぞれのモノマーを用いた共重合体も好適な例として挙げられる。
【0023】
好ましい熱可塑性樹脂は、少なくとも、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂A、および、(B)側鎖に少なくとも置換または非置換フェニル基およびニトリル基を有する熱可塑性樹脂B、を含有する樹脂組成物から作られる。
【0024】
上記の熱可塑性樹脂Aの主鎖は、任意の熱可塑性樹脂の主鎖であり得る。例えば、炭素のみからなる主鎖であってもよく、または炭素以外の原子が炭素間に挿入される主鎖であってもよい。あるいは炭素以外の原子からなる主鎖であってもよい。好ましくは、炭素のみからなる主鎖である。例えば、炭化水素またはその置換体であり得る。具体的には例えば、主鎖は、付加重合により得られる主鎖であり得る。具体的には例えば、ポリオレフィンまたはポリビニルである。
【0025】
また、主鎖は、縮合重合により得られる主鎖であってもよい。例えば、エステル結合、アミド結合などで得られる主鎖であり得る。
【0026】
好ましくは、主鎖は、置換ビニルモノマーを重合させて得られるポリビニル骨格である。
【0027】
熱可塑性樹脂Aに置換もしくは非置換のイミド基を導入する方法としては、従来公知の任意の方法が可能である。例えば、置換もしくは非置換のイミド基を有するモノマーを重合することにより、置換もしくは非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂を得てもよい。また例えば、各種モノマーを重合して主鎖を形成した後、側鎖に置換もしくは非置換のイミド基を導入してもよい。例えば、置換もしくは非置換のイミド基を有する化合物を側鎖にグラフトさせてもよい。
【0028】
イミド基が置換基で置換されている場合、当該置換基としては、イミド基の水素を置換し得る従来公知の置換基が使用可能である。具体的には例えば、アルキル基などである。
【0029】
好ましくは、熱可塑性樹脂Aは、少なくとも1種のオレフィン(アルケン)から誘導される繰り返し単位と少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド構造を有する繰り返し単位とを含有する共重合体(二元もしくはそれ以上の多元共重合体)である。
【0030】
上記オレフィン・マレイミド共重合体は、公知の方法で合成され得る。例えば、特開平5−59193号公報、特開平5−196801号公報、特開平6−136058号公報および特開平9−328523号公報に記載されているように、二種類の単量体を直接共重合する方法、一方の単量体を重合して得られた重合体に他方の単量体をグラフト共重合する方法、後述する前駆重合体に対して高分子反応によりイミド結合を導入する方法などの各種方法により得ることができる。
【0031】
特に好ましくは、熱可塑性樹脂Aは、下記一般式(化1)で表される少なくとも1種のオレフィン(アルケン)から誘導される繰り返し単位と下記一般式(化2)で表される少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド構造を有する繰り返し単位を含有する。
【0032】
【化1】
(式中において、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは、1〜2であり、特に好ましくは1である。)
【0033】
【化2】
(式中において、Rは、水素、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは、1〜2であり、特に好ましくは1である。シクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜9であり、より好ましくは、4〜7である。)
ここで、一般式(化1)の繰り返し単位の含有量は、好ましくは、該熱可塑性樹脂Aの総繰り返し単位を基準として、20〜70モル%である。より好ましくは、40〜60モル%であり、さらに好ましくは、45〜55モル%である。
【0034】
一般式(化2)の繰り返し単位の含有量は、該熱可塑性樹脂Aの総繰り返し単位を基準として、好ましくは30〜80モル%である。より好ましくは、40〜60モル%であり、さらに好ましくは、45〜55モル%である。一般式(化2)の繰り返し単位の含有率が少なすぎるか、または多すぎる場合、得られる透明フィルムの耐熱性および機械的強度が低下しやすい。
【0035】
熱可塑性樹脂Aは、一般式(化1)の繰り返し単位と一般式(化2)の繰り返し単位とを主成分として含むことが特に好ましい。1つの実施態様では、一般式(化1)の繰り返し単位と一般式(化2)の繰り返し単位との合計が、熱可塑性樹脂A中の50モル%以上であり、好ましくは、70モル%以上である。より好ましくは、80モル%以上であり、さらに好ましくは、90モル%以上である。好ましい実施態様では、一般式(化1)の繰り返し単位と一般式(化2)の繰り返し単位との和は100%である。しかし、必要に応じて、後述する第3の繰り返し単位を用いてもよい。
【0036】
第3の繰り返し単位を用いる場合、第3の繰り返し単位は、熱可塑性共重合体Aの総繰り返し単位を基準として、好ましくは30モル%以下であり、より好ましくは20モル%以下であり、さらに好ましくは15モル%以下であり、特に好ましくは10モル%以下である。第3の繰り返し単位が多すぎる場合には、上記一般式(化1)で表される繰り返し単位および一般式(化2)で表される繰り返し単位の性能が充分に得られにくい。
【0037】
また、第3の繰り返し単位を用いる場合、第3の繰り返し単位は、熱可塑性共重合体Aの総繰り返し単位を基準として、好ましくは1モル%以上であり、より好ましくは2モル%以上であり、さらに好ましくは3モル%以上であり、特に好ましくは5モル%以上である。第3の繰り返し単位が少なすぎる場合には、組成物全体として、第3の繰り返し単位による性能が充分に得られにくい。
【0038】
なお、第3の繰り返し単位を用いる場合においても、一般式(化1)の繰り返し単位と一般式(化2)の繰り返し単位との比率は、第3の繰り返し単位が存在しない場合と同様の比率とすることが好ましい。
【0039】
一般式(化1)の繰り返し単位(すなわち、オレフィン単位)を提供するオレフィンは、下記一般式(化3)で表される。
【0040】
【化3】
(式中において、R1、R2およびR3は、一般式(化1)と同じである。)
好ましいオレフィン系単量体の例は、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、および2−メチル−2−ヘキセン等である。イソブテンが最も好ましい。これらのオレフィンは、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組合せて用いてもよい。
【0041】
上記一般式(化2)の繰り返し単位(マレイミド単位)は、対応するマレイミド化合物から誘導することができる。そのようなマレイミド化合物は、下記一般式(化4)で表される。
【0042】
【化4】
(式中において、Rは、一般式(化2)と同様である。)
このようなマレイミド化合物の好ましい例を挙げると、マレイミド、並びに、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−ヘプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、およびN−シクロオクチルマレイミド等のN−置換マレイミドである。N−メチルマレイミドが最も好ましい。
【0043】
これらのマレイミド化合物は、単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。マレイミド化合物としては、N−置換マレイミドが好ましい。すなわち、一般式(化4)において、Rが水素以外の基である化合物が特に好ましい。例えば、N−メチルマレイミドなどである。N−置換マレイミドにおいて、好ましいN置換基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、ラウリル、ステアリル、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロヘキシル等である。
【0044】
本発明に用いる熱可塑性共重合体Aは、上記オレフィン単位およびマレイミド単位以外に、第3の繰り返し単位として、他の共重合性単量体を1種以上含有することができる。例えば、ビニル系単量体を含有することができる。そのような共重合性単量体には、アクリル酸メチルやアクリル酸ブチルのようなアクリル酸系単量体、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸シクロヘキシルのようなメタクリル酸系単量体、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体、メチルビニルエーテルのようなビニルエーテル単量体等のビニル単量体、並びに無水マレイン酸のような不飽和二重結合を有する酸無水物、スチレンやα−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等の置換または非置換スチレン系単量体等が含まれる。これらの第3の繰り返し単位は、1種類の単量体であってもよく、2種以上の単量体を組み合わせて第3の繰り返し単位としてもよい。透明フィルムの光学的特性を損なわない程度に第3の繰り返し単位を含有させることにより、熱可塑性共重合体Aの耐熱性を向上させたり、機械的強度を増大させたりすることができる。
【0045】
熱可塑性樹脂Aは、例えば、上記オレフィンとマレイミド化合物とを既知の重合方法で重合させることにより製造することができる。この重合には、グラフト重合も含まれる。あるいは、熱可塑性樹脂Aは、上記オレフィンとマレイン酸もしくは無水マレイン酸とを常法に従って重合させて前駆重合体を製造し、これにアミン化合物を反応させて前駆重合体の無水マレイン酸部位をイミド化させることによっても製造することができる。前駆重合体は、必要により上記第3の繰り返し単位を含んでもよい。あるいは前駆重合体は、非置換または置換マレイミドを含んでもよい。その場合に使用するアミン化合物としては、上記一般式(化2)のマレイミド単位におけるイミド部位に対応するアミンが含まれる。より具体的には、式R−NH2(ただし、Rは、一般式(化2)に同じ。)で表されるアミン化合物が用いられ得る。例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、およびシクロヘキシルアミン等のアルキルアミンやアンモニアの他、ジメチル尿素、ジエチル尿素等を好ましく用いることができる。この場合にも、上記一般式(化1)の繰り返し単位および一般式(化2)の繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂が得られる。
【0046】
本発明に用いる熱可塑性共重合体Aは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、または交互共重合体のいずれであってもよい。交互共重合体であることが好ましい。熱可塑性共重合体Aは、より好ましくは、マレイミド単位として、一般式(化2)におけるRがメチル基、エチル基、イソプロピル基およびシクロヘキシル基から選ばれたアルキル基である少なくとも1種のマレイミド単位を含有し、オレフィン単位として、一般式(化1)におけるR1が水素であり、R2およびR3がそれぞれメチル基である少なくとも1種のオレフィン単位を含有する熱可塑性共重合体である。これらの製造方法は、例えば、特開平5−59193号公報、特開平5−195801号公報、特開平6−136058号公報および特開平9−328523号公報にも記載されている。
【0047】
ここで、本明細書中でモノマーについて「単位」という場合には、当該モノマーが重合した後に残る残基のことをいう。具体的には、「マレイミド単位」とは、用いられた1つのマレイミド分子が重合した後に残る残基をいう。同様に「オレフィン単位」とは、用いられた1つのオレフィンモノマーが重合した後に残る残基をいう。
【0048】
さらに好ましくは、熱可塑性共重合体Aは、マレイミド単位としてN−メチルマレイミド単位を含有し、オレフィン単位としてイソブチレン単位を含有する。熱可塑性共重合体Aは、N−置換マレイミドとイソブテンとの交互共重合体であることが特に好ましい。
【0049】
また、別の好ましい、側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂Aとして、グルタルイミド系熱可塑性樹脂を用いることができる。グルタルイミド系樹脂は、特開平2−153904号公報等に記載されているように、グルタルイミド構造単位とアクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチル構造単位とを有する。
【0050】
下記一般式(化5)で表される繰り返し単位を有するグルタルイミド系樹脂が、好ましく使用され得る。
【0051】
【化5】
(式中において、R4は水素またはメチルであり、R5は水素または炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を示す。)
前記一般式(化5)の反復構造単位は、グルタルイミド系熱可塑性樹脂の分子鎖中でブロック状に配列していてもよく、また、ランダムや交互に配列されていてもよい。
【0052】
該グルタルイミド系樹脂中には必要に応じ第三成分が共重合されていてもかまわない。好ましい第三成分の例としては、ブチルアクリレートなどのアクリル系単量体、スチレンや置換スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系単量体を用いることができる。また、これらは該グルタルイミド系樹脂と直接共重合しても良く、また、グラフト共重合してもかまわない。
【0053】
グルタルイミド系熱可塑性樹脂中におけるグルタルイミド構造単位の含有量は5〜80%、好ましくは10〜75%であり、グルタルイミド構造単位の含有量が少ないと樹脂のTgが低下し、本発明の透明フィルムの耐熱性が劣る。含有量が多すぎると、透明フィルムが破断しやすくなり、また樹脂の製法上、アミド構造等がポリマー鎖中に残存するようになり、成形中に着色するなど好ましくない。
【0054】
熱可塑性樹脂Aは、1×103以上の重量平均分子量を有することが好ましい。より好ましくは、1×104以上である。重量平均分子量が1×103より小さい場合は、本発明の透明フィルムの機械強度が低下する。
【0055】
熱可塑性樹脂Aは、5×106以下の重量平均分子量を有することが好ましい。より好ましくは、5×105以下である。重量平均分子量が5×106より大きい場合は、本発明の透明フィルムの成形性が低下する。
【0056】
熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度は、80℃以上であることが耐熱性の点で好ましい。より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは130℃以上である。
【0057】
上述した熱可塑性樹脂Aを用いて得られる透明フィルムは、可撓性が比較的乏しく裂けやすいという性質を有する。中でも、イソブテン・置換マレイミド系共重合体からなる透明フィルムは、特に可撓性が乏しく裂けやすい。しかし、熱可塑性樹脂Aに熱可塑性樹脂B(例えば、アクリロニトリル・スチレン系共重合体)をブレンドすることにより、透明フィルムの機械的特性を向上させることができる。
【0058】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂Bは、置換または非置換フェニル基とニトリル基とを側鎖に有する熱可塑性樹脂である。ここで、熱可塑性樹脂Bの主鎖は、任意の熱可塑性樹脂の主鎖であり得る。例えば、炭素のみからなる主鎖であってもよく、または炭素以外の原子が炭素間に挿入される主鎖であってもよい。あるいは炭素以外の原子からなる主鎖であってもよい。好ましくは、炭素のみからなる主鎖である。例えば、炭化水素またはその置換体であり得る。具体的には例えば、主鎖は、付加重合により得られる主鎖であり得る。具体的には例えば、ポリオレフィンまたはポリビニルである。
【0059】
また、主鎖は、縮合重合により得られる主鎖であってもよい。例えば、エステル結合、アミド結合などで得られる主鎖であり得る。
【0060】
好ましくは、主鎖は、置換ビニルモノマーを重合させて得られるポリビニル骨格である。
【0061】
熱可塑性樹脂Bに置換または非置換フェニル基を導入する方法としては、従来公知の任意の方法が可能である。例えば、置換または非置換フェニル基を有するモノマーを重合することにより、置換または非置換フェニル基を有する熱可塑性樹脂を得てもよい。また例えば、各種モノマーを重合して主鎖を形成した後、側鎖に置換または非置換フェニル基を導入してもよい。例えば、置換もしくは非置換のフェニル基を有する化合物を側鎖にグラフトさせてもよい。
【0062】
フェニル基が置換基で置換されている場合、当該置換基としては、フェニル基の水素を置換し得る従来公知の置換基および置換位置が使用可能である。具体的には置換基は、例えば、アルキル基などである。
【0063】
熱可塑性樹脂Bにニトリル基を導入する方法としては、従来公知の任意の方法が可能である。例えば、ニトリル基を有するモノマーを重合することにより、ニトリル基を有する熱可塑性樹脂を得てもよい。また例えば、各種モノマーを重合して主鎖を形成した後、側鎖にニトリル基を導入してもよい。例えば、ニトリル基を有する化合物を側鎖にグラフトさせてもよい。
【0064】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂Bは、好ましくは、不飽和ニトリル化合物から誘導される繰り返し単位(ニトリル単位)とスチレン系化合物から誘導される繰り返し単位(スチレン系単位)とを含む共重合体(二元もしくは三元以上の多元共重合体)である。従って、アクリロニトリル・スチレン系の共重合体を好ましく用いることができる。
【0065】
不飽和ニトリル化合物としては、シアノ基および反応性二重結合を有する任意の化合物が使用可能である。好ましい例は用いる熱可塑性樹脂AおよびBにより異なる。
【0066】
上記の好ましい熱可塑性共重合体Bを構成する不飽和ニトリル化合物の好ましい例を挙げると、例えば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルのようなα−置換不飽和ニトリル、ならびにフマロニトリルのようなα、β−二置換オレフィン性不飽和結合を有するニトリル化合物である。
【0067】
スチレン系化合物としては、フェニル基および反応性二重結合を有する任意の化合物が使用可能である。好ましい例は、用いる熱可塑性樹脂AおよびBにより異なる。
【0068】
上記の好ましい熱可塑性共重合体Bを構成するスチレン系化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレンまたはクロロスチレン等の非置換または置換スチレン系化合物、および、α−メチルスチレン等のα−置換スチレン系化合物を用いることができる。
【0069】
特に好ましい実施態様では、熱可塑性樹脂Bは、下記一般式(化6)で示される不飽和ニトリル単位と下記一般式(化7)で示されるスチレン系単位を含む。
【0070】
【化6】
(式中において、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは、1〜2である。)
【0071】
【化7】
(式中において、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R10は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基またはニトロ基を示す。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは、1〜3である。さらに好ましくは、1〜2である。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは、1〜20であり、より好ましくは、1〜8であり、さらに好ましくは、1〜4である。)。
【0072】
上記の好ましい熱可塑性共重合体Bを構成する不飽和ニトリル化合物の好ましい例は、α−置換不飽和ニトリル、およびα、β−二置換オレフィン性不飽和結合を有するニトリル化合物である。α−置換不飽和ニトリルの例としては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどが挙げられる。α、β−二置換オレフィン性不飽和結合を有するニトリル化合物の例としては、フマロニトリルが挙げられる。より好ましくは、不飽和ニトリル化合物は、アクリロニトリルである。
【0073】
上記の熱可塑性共重合体Bを構成するスチレン系化合物の好ましい例としては、非置換または置換スチレン系化合物、およびα−置換スチレン系化合物が挙げられる。非置換または置換スチレン系化合物の例としては、スチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレンおよびクロロスチレンなどが挙げられる。α−置換スチレン系化合物の例としては、α−メチルスチレン等が挙げられる。より好ましい実施態様では、スチレン系化合物は、スチレンである。
【0074】
熱可塑性樹脂B中の総繰り返し単位を基準として、一般式(化6)の繰り返し単位は、好ましくは、10〜70重量%であり、より好ましくは20〜60重量%であり、さらに好ましくは20〜50重量%である。特に好ましくは20〜40重量%である。最も好ましくは、20〜30重量%である。
【0075】
熱可塑性樹脂B中の総繰り返し単位を基準として、一般式(化7)の繰り返し単位は、好ましくは、30〜70重量%であり、より好ましくは40〜80重量%であり、さらに好ましくは50〜80重量%である。特に好ましくは60〜80重量%である。最も好ましくは、70〜80重量%である。
【0076】
一般式(化6)の繰り返し単位が20〜30重量%であり、かつ一般式(化7)の繰り返し単位が70〜80重量%である場合は非常に好ましい結果を与える。
【0077】
スチレン系繰り返し単位またはニトリル系繰り返し単位が多すぎる場合には、熱可塑性樹脂Aとの相溶性が乏しくなり、得られる透明フィルムの透明性が低下しやすく、かつヘーズが大きくなりやすい。
【0078】
熱可塑性共重合体Bは、不飽和ニトリル単位とスチレン系単位とを主成分として含むことが特に好ましい。不飽和ニトリル単位とスチレン系単位との合計が、熱可塑性共重合体Bの70重量%以上であることが好ましい。より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%であり、特に好ましくは95重量%以上である。勿論、100重量%としてもよい。
【0079】
熱可塑性共重合体Bは、不飽和ニトリル単位とスチレン系単位とを主成分として含むことが特に好ましい。1つの好ましい実施態様では、一般式(化6)の繰り返し単位と一般式(化7)の繰り返し単位との和は100%である。不飽和ニトリル単位とスチレン系単位との合計が、熱可塑性共重合体Bの70重量%以上であることが好ましい。より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%であり、特に好ましくは95重量%以上である。しかし、必要に応じて、後述する第3の繰り返し単位を用いてもよい。
【0080】
熱可塑性共重合体Bは、上記ニトリル単位とスチレン系単位以外に、第3の繰り返し単位として、必要に応じて、他の共重合性単量体を含有していてもかまわない。そのような第3の繰り返し単位には、好ましくは、ブチルアクリレート等のアクリル系単量体、エチレンおよびプロピレン等のオレフィン系単量体が挙げられる。これらの単量体を1種または2種以上を共重合させることにより、得られた透明フィルムの可撓性を向上させることができる。また、第3の繰り返し単位としては、N−置換マレイミドを用いることもできる。N−置換マレイミド、特にN−フェニルマレイミドを共重合成分として用いることにより、樹脂の耐熱性を向上させることができる。
【0081】
第3の繰り返し単位を用いる場合、第3の繰り返し単位は、熱可塑性共重合体Bの重量を基準として、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは20重量%以下であり、さらに好ましくは15重量%以下であり、特に好ましくは10重量%以下である。第3の繰り返し単位が多すぎる場合には、上記一般式(化6)で表される繰り返し単位と一般式(化7)で表される繰り返し単位との性能が充分に得られにくい。
【0082】
また、第3の繰り返し単位を用いる場合、第3の繰り返し単位は、熱可塑性共重合体Bの重量を基準として、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは2重量%以上であり、さらに好ましくは3重量%以上であり、特に好ましくは5重量%以上である。第3の繰り返し単位が少なすぎる場合には、組成物全体として、第3の繰り返し単位による性能が充分に得られにくい。
【0083】
なお、第3の繰り返し単位を用いる場合においても、一般式(化6)の繰り返し単位と一般式(化7)の繰り返し単位との比率は、第3の繰り返し単位が存在しない場合と同様の比率とすることが好ましい。
【0084】
熱可塑性樹脂Bは、上述した単量体を直接共重合させることにより得られ得る。スチレン系化合物の重合体および不飽和ニトリル化合物の重合体の一方に、他方をグラフト共重合させてもよい。また、ゴム弾性を有するアクリル系重合体にスチレン系化合物および不飽和ニトリル系化合物をグラフト重合させることにより好ましい樹脂を得ることができる。
【0085】
特に好ましい熱可塑性樹脂は、不飽和ニトリル化合物としてアクリロニトリルを含有し、スチレン系化合物としてスチレンを含有する共重合体である。これらの共重合体はAS樹脂またはAAS樹脂などとして知られている。
【0086】
熱可塑性樹脂Bは、1×103以上の重量平均分子量を有することが好ましい。より好ましくは、1×104以上である。重量平均分子量が1×103より小さい場合は、本発明の透明フィルムの機械強度が低下する。
【0087】
熱可塑性樹脂Bは、5×106以下の重量平均分子量を有することが好ましい。より好ましくは、5×105以下である。重量平均分子量が5×106より大きい場合は、本発明の透明フィルムの成形性が低下する。
【0088】
熱可塑性樹脂中の不飽和ニトリル系繰り返し単位の含有量としては20〜60重量%が好ましく、より好ましくは20〜50重量%である。また、スチレン系繰り返し単位の含有量は、40〜80重量%が好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。特に、不飽和ニトリル系繰り返し単位が20〜30重量%であり、かつスチレン系繰り返し単位が70〜80重量%である場合には更に好ましい結果を与える。スチレン系繰り返し単位またはニトリル系繰り返し単位が多すぎる場合には、透明フィルム中の分子の配向による位相差が大きくなりやすい。また、波長依存性が高くなってしまいやすい。さらに、上記熱可塑性樹脂Aとの相溶性が低下しやすく、得られたフィルムのヘーズが大きくなりやすい。このため、スチレン系繰り返し単位またはニトリル系繰り返し単位が多すぎる場合には、実用的な透明フィルムを得ることが難しくなる。
【0089】
本発明に用いる樹脂組成物を得る方法としては、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを混合してフィルム成形機に投入し得る状態とすることができる限り、公知の任意の方法が採用され得る。
【0090】
本発明に用いることの出来る紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤を用いることができる。好ましい、紫外線吸収剤としては、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤より選択される1種類以上の紫外線吸収剤である。
【0091】
本発明で使用するトリアジン系紫外線吸収剤の好ましい化合物として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(へキシル)オキシ]−フェノールである。このものは25℃の蒸気圧が9×10−10Paと低いため溶融押出しにおいてベントおよびダイからのガス揮発が少なく好ましい。また、紫外線吸収剤のガス揮発性は10%重量減少する温度でも表すことができ、本発明には好ましくは300℃以上、さらに好ましくは350℃以上、より好ましくは380℃以上の紫外線吸収剤を用いる。
【0092】
本発明で使用する好ましいベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖および側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール等が挙げられる。特に好ましいベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールである。該紫外線吸収剤は、25℃の蒸気圧が10−5Pa以下と低く、また10%重量減少温度が304℃と高温であるためガス揮発が少なく、特に好ましい。その他の特に好ましいベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]であり、その10%重量減少温度は389℃とさらに高温であるためガス揮発が少なく、特に好ましい。
【0093】
本発明で使用するベンゾフェノン系紫外線吸収剤の好ましい化合物として、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン等であり、25℃の蒸気圧が10−5Pa以下と低いため好ましい。
【0094】
本発明における紫外線吸収剤の添加量は、熱可塑性樹脂の合計100重量%に対して、0.1〜5重量%であることが好ましい。より好ましくは、0.2〜2重量%である。さらに好ましくは、0.5〜1重量%である。紫外線吸収剤の添加量が0.1重量%より少ない場合は、380nmにおける光線透過率が高くなり、紫外線の遮断効果が不十分となる場合があり、5重量%より多い場合は着色が激しくなるおそれがある。また、紫外線吸収剤の添加量が5重量%より多い場合は、フィルム成形体のヘーズが高くなり、透明性が悪化するおそれがある。これら紫外線吸収剤は単一でも良くまた複数を混合して用いてもかまわない。
【0095】
上記紫外線吸収剤と熱可塑性樹脂の組み合わせを好適に選択することにより、そのフィルムのヘーズが1%以下、全光線透過率が85%以上、420nmでの光線透過率T(420)が85%以上であり、かつ、380nmでの光線透過率T(380)の比T=T(420)/T(380)が5以上である、急峻な紫外線吸収能を有する本発明フィルムを得ることができる。好ましい、比T=T(420)/T(380)は5以上であり、より好ましくは10以上であり、更に好ましくは20以上である。好ましい実施態様においては、T(380)が実質的に0%となる場合があり、このときは、前記比T=T(420)/T(380)の分母がゼロとなり無限大の値をとることとなる。
【0096】
また、本発明フィルムを得るために用いる樹脂組成物は、必要に応じて、熱安定剤、加工性改良剤、またはフィラー等の公知の添加剤、あるいは上記熱可塑性樹脂を含有してもよい。また、フィルムの機械的特性を向上させるために可塑剤や可撓性を有する高分子等を樹脂組成物に添加しても良い。しかし、これらの材料を用いると、ガラス転移温度が低下して耐熱性が損なわれる恐れがあり、あるいは透明性が損なわれる等の恐れがある。このため、これらの可塑剤または可撓性高分子を用いる場合、その添加量は、フィルムの性能を妨げない量とするべきである。好ましくは、樹脂組成物中の20重量%以下である。より好ましくは、10重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下である。熱可塑性樹脂Aを用いた場合、特に、熱可塑性樹脂Aのイミド含有率が高い場合、具体的には、例えば、熱可塑性樹脂Aのイミド含有率が40モル%以上であるような場合には、得られるフィルムは硬く脆くなる傾向にあるため、少量の可塑剤を加えれば、フィルムの応力白化や裂けを防止することができるので有効である。このような可塑剤としては、従来公知の可塑剤が使用可能である。例えば、アジピン酸ジ−n−デシル等の脂肪族二塩基酸系可塑剤やリン酸トリブチル等のリン酸エステル系可塑剤等が例示され得る。
【0097】
例えば、本発明フィルムを構成する樹脂として、前記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを選択した場合、熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂B、および紫外線吸収剤、更に、必要に応じてその他の添加剤を、単に混合することにより、あるいは、熱溶融混練して樹脂組成物を得る方法を挙げられる。また、紫外線吸収剤および、必要に応じてその他の添加剤を、予め熱可塑性樹脂Aおよび/または熱可塑性樹脂Bとの組成物とし、その後、単に混合あるいは熱溶融混練することによっても本発明組成物を得ることができる。
【0098】
上記樹脂組成物を本発明の透明フィルムの形態に成形する方法としては、従来公知の任意の方法が可能である。例えば、溶液流延法および溶融押出法等などが挙げられる。そのいずれをも採用することができる。特に、溶融成形法は生産性良くフィルムを得ることができ、好適な成形方法である。溶融成形法の例としては、溶融押出し法、インフレーション法などが挙げられる。
【0099】
本明細書においては、上記溶融押出法で成形されたフィルムを、溶液流延法等の他の方法で成形されたフィルムと区別するために、溶融押出フィルムと表現する。
【0100】
好ましい溶融押し出しフィルムの実施形態においては、フィルム化の前に、用いる熱可塑性樹脂を予備乾燥しておく。予備乾燥は、例えば、原料をペレット等の形態にして、熱風乾燥機等で行われる。予備乾燥は、押し出される樹脂の発泡を防ぐことができるので非常に有用である。次に、上記熱可塑性樹脂は押出機に供給される。押出機内で加熱溶融された熱可塑性樹脂は、ギヤポンプやフィルターを通して、Tダイに供給される。ギヤポンプの使用は、樹脂の押出量の均一性を向上させ、厚みむらを低減させる効果が高く、非常に有用である。また、フィルターの使用は、樹脂中の異物を除去し、欠陥の無い外観に優れたフィルムを得るのに有用である。さらに好ましい実施態様においては、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を2つの冷却ドラムで挟み込んで冷却し、透明フィルムが成膜される。2つの冷却ドラムのうち、一方が、表面が平滑な剛体性の金属ドラムであり、もう一方が、表面が平滑な弾性変形可能な金属製弾性外筒を備えたフレキシブルドラムであるのが特に好ましい。剛体性のドラムとフレキシブルなドラムとで、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を挟み込んで冷却して成膜することにより、表面の微小な凹凸やダイライン等が矯正されて、表面の平滑な、厚みむらが5μm以下であるフィルムを得ることができるので特に有用である。なお、冷却ドラムは、「タッチロール」あるいは「冷却ロール」と呼ばれることがあるが、本明細書中における用語「冷却ドラム」とは、これらのロールを包含する。Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を剛体性のドラムとフレキシブルなドラムとで挟み込みながら冷却し、フィルムを成形する場合、一方のドラムが弾性変形可能であったとしても、いずれのドラム表面も金属であるために、薄いフィルムを成形する場合、ドラムの面同士が接触してドラム外面に傷がつきやすい、あるいは、ドラムそのものが破損しやすい。したがって、成形するフィルムの厚みは10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、さらに好ましくは80μm以上、特に好ましくは100μm以上である。また、Tダイから押し出されるシート状の溶融樹脂を剛体性のドラムとフレキシブルなドラムとで挟み込みながら冷却し、フィルムを成形する場合、フィルムが厚いと、フィルムの冷却が不均一になりやすく、光学的特性が不均一になりやすい。したがって、フィルムの厚みは200μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、170μm以下である。なお、これより薄いフィルムを製造する場合の実施態様としては、このような挟み込み成形で比較的厚みの厚い原料フィルムを得た後、一軸延伸あるいは二軸延伸して所定の厚みのフィルムを製造することが好ましい。実施態様の1例を挙げれば、このような挟み込み成形で厚み150μmの原料フィルムを製造した後、縦横二軸延伸により、厚み40μmの透明フィルムを製造することができる。
【0101】
本発明に係る延伸フィルムは、非晶性の熱可塑性樹脂を未延伸状態の原料フィルムに成形し、さらに一軸延伸あるいは二軸延伸を行うことにより得られる。
【0102】
本明細書中では、説明の便宜上、上記樹脂組成物をフィルム状に成形した後、延伸を施す前のフィルムを「原料フィルム」と呼ぶが、原料フィルムは、延伸を施さずにそのままで本発明の透明フィルムとなり得る。
【0103】
延伸を行うことにより、機械的特性が向上する。従来のフィルムでは、延伸処理を行った場合に位相差の発生を避けることが困難であった。しかし、本発明の特に好ましい樹脂組成物を用いて成形されたフィルムは、延伸処理を施しても位相差が実質的に発生しないという利点を有する。フィルムの延伸は、原料フィルムを成形した後、すぐに連続的に行っても良い。ここで、上記「原料フィルム」の状態が瞬間的にしか存在しない場合があり得る。瞬間的にしか存在しない場合には、その瞬間的な、フィルムが形成された後延伸されるまでの状態を原料フィルムという。また、原料フィルムとは、その後延伸されるのに十分な程度にフィルム状になっていれば良く、完全なフィルムの状態である必要はなく、もちろん、完成したフィルムとしての性能を有さなくても良い。また、必要に応じて、原料フィルムを成形した後、一旦フィルムを保管もしくは移動し,その後フィルムの延伸を行っても良い。原料フィルムを延伸する方法としては、従来公知の任意の延伸方法が採用され得る。具体的には、例えば、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延伸、およびこれらを逐次組み合わせた逐次二軸延伸等がある。また、縦と横を同時に延伸する同時二軸延伸方法も採用可能である。ロール縦延伸を行った後、テンターによる横延伸を行う方法を採用しても良い。本発明においては、フィルムを延伸するにあたって、フィルムを一旦、延伸温度より0.5〜5℃高い温度まで予熱し、しかる後、延伸温度まで冷却して延伸することが好ましい。さらに好ましくは、延伸温度より1〜3℃高い温度まで一旦予熱した後、延伸温度まで冷却して延伸することが好ましい。予熱温度が高すぎるとフィルムがロールに貼り付く、あるいは自重で弛む等の弊害が発生するので好ましくない。また、予熱温度が延伸温度とあまり変わらないと延伸前のフィルムの厚み精度を維持しない、あるいは厚みむらが大きくなり、厚み精度が低下するので好ましくない。結晶性の熱可塑性樹脂の場合には、延伸に際してネッキング現象を利用することができるので、その場合には、延伸によって厚み精度が改善される。一方、本発明の非晶性熱可塑性樹脂の場合には、延伸に際してネッキング現象の利用が困難であるので、厚み精度を維持あるいは改善するためにはこのような温度管理が特に重要である。
【0104】
本発明のフィルムは、原料フィルムの状態で、すなわち、未延伸フィルムの状態で最終製品とすることができる。また、一軸延伸フィルムの状態で最終製品とすることができる。さらに、延伸工程を組み合わせて行って二軸延伸フィルムとしても良い。二軸延伸を行う場合、必要に応じ、縦延伸と横延伸の温度や倍率などの延伸条件が同等であってもかまわなく、また、意図的に変えることにより、フィルムに機械的あるいは光学的な異方性を付与してもかまわない。
【0105】
フィルムの延伸温度および延伸倍率は、得られたフィルムの機械的強度および表面性、厚み精度を指標として適宜調整することができる。延伸温度の範囲は、DSC法によって求めたフィルムのガラス転移温度をTgとしたときに、好ましくは、Tg−30℃〜Tg+30℃の範囲である。より好ましくは、Tg−20℃〜Tg+20℃の範囲である。さらに好ましくは、Tg以上Tg+20℃以下の範囲である。延伸温度が高すぎる場合、得られたフィルムの厚みむらが大きくなりやすい上に、伸び率や引裂伝播強度、耐揉疲労等の力学的性質の改善も不十分になりやすい。また、フィルムがロールに粘着するトラブルが起こりやすい。逆に、延伸温度が低すぎる場合、延伸フィルムのヘーズが高くなりやすく、また、極端な場合には、フィルムが裂ける、割れる等の工程上の問題を引き起こしやすい。好ましい延伸倍率は、延伸温度にも依存するが、1.1倍から3倍の範囲で選択される。より好ましくは、1.3倍〜2.5倍である。さらに好ましくは、1.5倍〜2.3倍である。
【0106】
本発明は、上記した樹脂組成物において、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの配合比を適切に選択することにより、溶剤キャスト法、さらに溶融押出法等のいずれの製造方法であっても、また未延伸フィルム、さらには延伸フィルムであっても、光弾性係数の絶対値が5×10−12cm2/dyne以下であることを特徴とするフィルムを得ることができる。
【0107】
熱可塑性樹脂A:熱可塑性樹脂Bの重量比は40:60〜80:20が好ましい。50:50〜80:20がより好ましく、60:40〜75:25がさらに好ましい。熱可塑性樹脂AまたはBがこれらの範囲を外れる場合には、光弾性係数の絶対値が5×10−12cm2/dyneを越える場合がある。
【0108】
本発明の透明フィルムには必要に応じて表面処理を施し、他の材料との接着性を改善することも可能である。表面処理の方法としては、従来公知の任意の方法が可能である。例えば、コロナ放電処理もしくは火花処理などの電気的処理、低圧または常圧下でのプラズマ処理、オゾンの存在下または非存在下での紫外線照射処理、クロム酸等による酸処理、火焔処理、およびシラン系プライマー処理もしくはチタン系プライマー処理などのプライマー処理などが挙げられる。これらの方法によりフィルム表面の表面張力を50dyne/cm以上にすることが可能である。
【0109】
また、接着剤や粘着剤との親和性を改善するために、フィルムの片面、あるいは両面に、易接着層を設けることができる。好ましい易接着層としては、共重合ポリエステルや、それらのウレタン変性したもの、更には、カルボキシル基やスルフォン酸基を有する共重合ポリエステルなどの他、ポリビニルアルコールなどの溶液または水分散液を塗設乾燥した層を用いることができる。また、特開平06−118232号公報や特開2000−356714号公報に見られるような親水性高分子化合物を設けることも可能である。更には、ジアセチルセルロースや、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロースなどのセルロース系の層を設けた後、塗膜表面を加水分解等により水酸基を生成させることにより接着剤との接着性を付与することも可能である。これらの層を設けることにより、前記表面処理をした場合と同等の表面エネルギーを有する表面を得ることが出来る。
【0110】
本発明の透明フィルムには必要に応じてハードコート、アンチグレアコート、無反射コート、あるいは、その他の機能性コートなどのコーティング処理を施すことも可能である。
【0111】
本発明の透明フィルムは、そのまま各種用途の最終製品としてもよい。あるいは各種加工をさらに行って、各種用途に用いてもよい。具体的には例えば、光学的等方フィルム、位相差フィルム、または偏光子保護フィルム用として、液晶表示装置周辺等の光学的用途に好適に用いることができる。偏光子保護フィルムとして用いる場合はポリビニルアルコールやウレタン系、エポキシ系などの接着剤を用いて偏光子と貼り合わせて、好適な紫外線吸収能を有し、かつ、湿熱耐久性に優れる偏光板とすることができる。
【0112】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0113】
フィルムの各物性値は以下のようにして測定した。
【0114】
▲1▼フィルム厚み:アンリツ株式会社製の触針式連続フィルム厚み計(フィルムシックネステスタKG601Bおよび電子マイクロメータK3001A)を使用して測定した。フィルムの幅方向の両端部からそれぞれ50mmを除き、フィルムの幅方向および長さ方向に、幅30mm、長さ200mm以上に切り出したフィルムの厚みを連続的に測定した。厚みむらは、厚みの最大値と最小値の差を平均厚みに対する割合として算出した。
【0115】
▲2▼ヘーズ:フィルムから50mm×50mmのサイズで試験片を切り出し、日本電色工業製濁度計NDH−300Aを用いて、温度23±2℃、湿度50±5%において測定した。
【0116】
▲3▼光弾性係数:フィルムからMD方向20cm×TD方向1cmの短冊状に試験片を切断した。顕微偏光分光光度計(オーク製作所製TFM−120AFT−PC)を用いて、温度23±2℃湿度50±5%において、波長515nmにて測定した。測定は、フィルムの一方を固定し、他方は無荷重及び500gの荷重をかけた状態で複屈折率を測定し、得られた結果から、単位応力による複屈折率の変化量を算出した。
【0117】
▲4▼透湿率:フィルムから60mm×60mmのサイズで試験片を切り出した。ネジ締め式の直径40mmの透湿カップを用い、25℃、90%RHに調整した恒温恒湿機にて評価した。これら以外の条件および操作は、JIS Z 0208と同様に行った。
【0118】
▲5▼平面方向の位相差:フィルムの幅方向の中央部から、3.5cm×3.5cmの試験片を切り出した。測定は、王子計測機器製KOBRA−21ADHを用いて、温度23±2℃、湿度50±5%において、波長589nm、入射角0゜で測定した。
【0119】
▲6▼厚み方向の位相差:オーク製作所(株)製 顕微偏光分光光度計TFM−120AFTを用いて514.5nmの測定波長で位相差の角度依存性を測定し、nx、ny、nzを求め、別途フィルム厚みを測定し、下記式
[厚み方向の位相差]=|(nx+ny)/2−nz|×d
を用いて厚み方向の位相差を計算した。
【0120】
▲7▼紫外線吸収剤の10%重量減少温度:島津製作所製 熱減量測定装置TGA−50にて、空気中、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
【0121】
▲8▼全光線透過率:JIS K7105−1981の5.5記載の方法により、日本電色工業(株)製 濁度計NDH−300Aを用いて測定した。
【0122】
▲9▼380nmおよび420nmにおける光線透過率:日立製作所製 ダブルモノクロ分光光度計U−3300にて測定した。
【0123】
(実施例1)
イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体(N−メチルマレイミド含量50モル%、ガラス転移温度157℃)65重量部と、アクリルニトリルの含量が27重量%であるアクリルニトリル・スチレン共重合体35重量部と、紫外線吸収剤として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール1.0重量%を押出機にてペレットにしたものを、100℃で5時間乾燥後、40mmφ単軸押出機と400mm幅のTダイを用いて270℃で押出し、シート状の溶融樹脂を冷却ドラムで冷却して幅約600mm、厚み150μmのフィルムを得た。用いた紫外線吸収剤の10%重量減少温度は350℃であり、フィルムの厚みばらつきは3%であった。このフィルムのヘーズは0.3%、全光線透過率は92.0%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ0.1%、88%であり、その比T(420)/T(380)は884であった。また、平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmであった。また、フィルムの光弾性係数は、3×10−13cm2/dyneであり、25℃、90%RHにおける透湿率は3.4g・mm/m2・24hrであった。
【0124】
(比較例1)
紫外線吸収剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に実施した。得られたフィルムのヘーズは0.25%、全光透過率は92.2%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ88%および90%であり、その比T(420)/T(380)は1.0であった。平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は2nmであった。
【0125】
(比較例2)
実施例1で作成したロール状フィルムを、縦延伸機の予熱ロールで145℃に予熱した後一旦143℃に冷却し、延伸ロールで1.8倍に延伸した。次いで、横延伸機の予熱ゾーンで147℃に予熱した後、145℃の延伸ゾーンで1.8倍に延伸した後、フィルム両端をスリットし、幅800mmの逐次二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの厚みは45μmであり、厚みばらつきは8.9%、ヘーズは0.15%、全光線透過率は92.0%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ50%および90%であり、その比T(420)/T(380)は1.8であった。平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmであった。
【0126】
(比較例3)
紫外線吸収剤を2重量%使用した以外は比較例2と同様にして逐次二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの厚みは45μmであり、厚みばらつきは8.9%、ヘーズは0.15%、全光線透過率は92.0%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ36.9%および89.6%であり、その比T(420)/T(380)は2.4であった。平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmであった。
【0127】
(実施例2)
紫外線吸収剤として、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]2.0重量%を使用した以外は実施例1と同様に実施した。用いた紫外線吸収剤の10%重量減少温度は389℃であり、フィルムの平均厚みは150μm、厚みばらつきは3%であった。このフィルムのヘーズは0.3%、全光線透過率は92.0%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ0.0%および87%であり、その比T(420)/T(380)は100以上であった。フィルムの平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nm、フィルムの光弾性係数は、3×10−13cm2/dyneであった。また、25℃、90%RHにおける透湿率は3.3g・mm/m2・24hrであった。
【0128】
(実施例3)
実施例2で作成したロール状フィルムを、縦延伸機の予熱ロールで145℃に予熱した後一旦143℃に冷却し、延伸ロールで1.8倍に延伸した。次いで、横延伸機の予熱ゾーンで147℃に予熱した後、145℃の延伸ゾーンで1.8倍に延伸して、逐次二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの厚みは40μm、厚みばらつきは5%であり、ヘーズは0.15%、全光線透過率は92.0%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ6.4%および90.4%であり、その比T(420)/T(380)は14.1であった。また、平面方向の位相差は1nm、厚み方向の位相差は3nmであった。フィルムの光弾性係数は、3×10−13cm2/dyneであり、25℃、90%RHにおける透湿率は3.3g・mm/m2・24hrであった。
【0129】
(実施例4)
紫外線吸収剤として2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール6.0重量%を使用した以外は実施例3と同様に実施した。このフィルムの厚みは40μm、厚みばらつきは5%であり、得られたフィルムのヘーズは1.6%、全光線透過率は91.3%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ6%および87%であり、その比T(420)/T(380)は14.1であった。平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmであった。フィルムの光弾性係数は、3×10−13cm2/dyneであり、25℃、90%RHにおける透湿率は3.0g・mm/m2・24hrであった。
【0130】
(実施例5)
N−メチルグルタルイミドとメチルメタクリレートからなるグルタルイミド共重合体(N−メチルグルタルイミド含量75重量%、酸含量0.01ミリ当量/g以下、ガラス転移温度147℃)65重量%と、アクリロニトリル及びスチレンの含量がそれぞれ28重量%、72重量%であるスチレンとアクリロニトリルからなる共重合体35重量%と、紫外線吸収剤として2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]2.0重量%を溶融混練し、ペレットとした。用いた紫外線吸収剤の10%重量減少温度は389℃であった。このペレットを用い、実施例1と同様にしてTダイ溶融押出機に供給して、厚さ135μmのフィルムを得た。このフィルムのガラス転移温度は137℃であった。このフィルムを、MD方向に160℃で1.7倍延伸した後に、TD方向に160℃で1.8倍延伸した。得られたフィルムの平均厚みは55μm、厚みばらつきは5%であった。このフィルムのヘーズは0.4%、全光線透過率は92.0%であった。また、380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ6.0%および91.0%であり、その比T(420)/T(380)は15.2であった。フィルムの平面方向の位相差は1nm、厚み方向の位相差は3nmであり、光弾性係数は6×10−13 cm2 /dyneであった。また、得られたフィルムの25℃、90%RHにおける透湿率は1.7g・mm/m2・24hrであった。
(実施例6)
紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール2.0重量%を使用した以外は実施例5と同様にして逐次二軸延伸フィルムを得た。用いた紫外線吸収剤の10%重量減少温度は310℃であった。得られたフィルムの平均厚みは55μm、厚みばらつきは5%であった。このフィルムのヘーズは0.4%、全光線透過率は92.0%であった。また、380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ5.6%および89.0%であり、その比T(420)/T(380)は16.0であった。フィルムの平面方向の位相差は1nm、厚み方向の位相差は3nmであり、光弾性係数は6×10−13 cm2 /dyneであった。また、得られたフィルムの25℃、90%RHにおける透湿率は1.7g・mm/m2・24hrであった。
(実施例7)
紫外線吸収剤として2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール6.0重量%を使用した以外は実施例3と同様に実施した。このフィルムの厚みは55μm、厚みばらつきは5%であり、得られたフィルムのヘーズは1.6%、全光線透過率は91.3%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ6%および87%であり、その比T(420)/T(380)は14.1であった。平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmであった。フィルムの光弾性係数は、3×10−13cm2/dyneであり、25℃、90%RHにおける透湿率は3.3g・mm/m2・24hrであった。
【0131】
(実施例8)
紫外線吸収剤として2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール1.0重量%を使用した以外は実施例3と同様に実施した。用いた紫外線吸収剤の10%重量減少温度は310℃であった。このフィルムの厚みは40μm、厚みばらつきは5%であり、得られたフィルムのヘーズは0.2%、全光線透過率は91.5%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ2.8%および88.0%であり、その比T(420)/T(380)は31.8であった。平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmであった。フィルムの光弾性係数は、3×10−13cm2/dyneであり、25℃、90%RHにおける透湿率は3.3g・mm/m2・24hrであった。
【0132】
(実施例9)
紫外線吸収剤として2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール0.2重量%と2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール1.6重量%の二種類の紫外線吸収剤を用いた以外は実施例3と同様に実施した。用いた紫外線吸収剤の10%重量減少温度はいずれも310℃であった。このフィルムの厚みは40μm、厚みばらつきは5%であり、得られたフィルムのヘーズは0.4%、全光線透過率は91.0%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ6.4%および90.4%であり、その比T(420)/T(380)は14.1であった。平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmであった。フィルムの光弾性係数は、3×10−13cm2/dyneであり、25℃、90%RHにおける透湿率は3.3g・mm/m2・24hrであった。
【0133】
(実施例10)
紫外線吸収剤として2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール0.2重量%と2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール1.6重量%の二種類の紫外線吸収剤を用いた以外は実施例5と同様に実施した。用いた紫外線吸収剤の10%重量減少温度はいずれも310℃であった。このフィルムの厚みは50μm、厚みばらつきは5%であり、得られたフィルムのヘーズは0.4%、全光線透過率は91.0%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ6.0%および91.0%であり、その比T(420)/T(380)は15.1であった。フィルムの平面方向の位相差は1nm、厚み方向の位相差は3nmであり、光弾性係数は6×10−13 cm2 /dyneであった。また、得られたフィルムの透湿率は、25℃、90%RHにおける透湿率は1.7g・mm/m2・24hrであった。
【0134】
(比較例4)
紫外線吸収剤としてビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン2.0重量%を使用した以外は実施例3と同様に実施した。用いた紫外線吸収剤の10%重量減少温度は367℃であった。このフィルムの厚みは40μm、厚みばらつきは5%であり、得られたフィルムのヘーズは0.2%、全光線透過率は91.5%であった。380nmおよび420nmにおける光線透過率はそれぞれ28.7%および89.3%であり、その比T(420)/T(380)は3.1であった。平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmであった。
【0135】
【発明の効果】
本発明により、優れた低複屈折性、透明性と低透湿率を示し、かつ急峻な紫外線吸収性を有するフィルムを得ることが可能であり、偏光子フィルムと貼合接着することにより湿熱環境下における耐久性が良好でかつ耐紫外線性に優れた偏光板を得ることが可能である
Claims (7)
- フィルム面内位相差が10nm以下であり、かつ、厚み方向の位相差が50nm以下である熱可塑性樹脂からなる25℃、90%RHにおける透湿率が10g・mm/m2・24hr以下の透明フィルムであって、そのフィルムのヘーズが2%以下、全光線透過率が85%以上、420nmでの光線透過率T(420)が85%以上であり、かつ、380nmでの光線透過率T(380)の比T=T(420)/T(380)が5以上であることを特徴とする透明フィルム。
- 光弾性係数の絶対値が5×10−12cm2/dyne以下であり、厚みバラツキがフィルム厚みの10%以下であることを特徴とする請求項1記載の透明フィルム
- 前記、熱可塑性樹脂が、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂A、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基とニトリル基を有する熱可塑性樹脂B、を含有する樹脂組成物であることを特徴とする請求項1ないし請求項2記載の透明フィルム。
- 熱可塑性樹脂Aが、オレフィン成分と側鎖に置換または非置換マレイミド基を有する成分からなることを特徴とする請求項3記載の透明フィルム。
- 前記、熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート系または飽和シクロオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1ないし請求項2記載の透明フィルム
- 請求項1ないし請求項5記載の透明フィルムからなる偏光子保護フィルム。
- 請求項6記載の偏光子保護フィルムを用いてなる偏光板。
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