JP2004042144A - 加工装置及び加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加工手段88で加工したワークに向けて冷却用流体を供給し、当該発熱部の温度上昇を抑制する加工装置であって、冷却手段100は、冷却用流体の供給経路において、冷却用流体を吐出部材100aへ通じる経路のほぼ終端部に設けられており、冷却用流体を吐出部材100aから吐出する直前で冷却する。また、冷却手段100は、一つあるいは複数のペルチェ素子で構成されたペルチェモジュールを含む。更に、冷却手段100は、内部に冷却用流体の流路が形成された熱伝導部材で構成された流路ブロックと、一つあるいは複数のペルチェ素子で構成されたペルチェモジュールと、放熱フィンと、放熱ファンとで構成されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの加工時における発熱部やワークの温度上昇を抑制する加工装置及び加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワークの機械加工を行う加工装置として、例えば研削盤等の研削加工装置が知られている。研削加工装置は、ワークを主軸と芯押し軸の間に固定して回転運動させ、回転するワークに、回転する研削砥石を当接させてワークを研削して精密加工していく。
この種の研削方法では、切屑を排出する際に発生する熱によって研削部分の温度が非常に高くなり、研削焼け、硬度低下が発生し、ワークの加工精度が低下する可能性がある。そこで、従来の技術として、特許第3244072号では、適量の冷却用流体を発熱部に供給し、温度上昇を抑制することを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特許第3244072号では、発熱部への冷却用流体の供給量が過多の場合は冷却用流体の飛散、蒸発等による作業環境の悪化、廃液処理量の増加、加工個所における動圧の発生によるワークの加工精度の低下等が発生し、発熱部への冷却用流体の供給量が不足する場合は研削焼け、硬度低下等によるワークの加工精度の低下等が発生するため、適量の冷却用流体を供給することを提案している。発熱部へ供給される冷却用流体は、より少ない供給量で、発熱部の温度上昇を抑制できることが好ましい。しかし、冷却用流体の供給量を少なくして発熱部の温度上昇を適切に抑制できない場合は、研削熱を低下させるために単位時間当たりの研削量を低減させる必要があるため、研削能率が低下する。
【0004】
従来の加工装置では、冷却した冷却用流体を供給する場合、代替フロン等の冷媒を用いて冷却、あるいはボルテックスチューブにより冷却した空気で冷却しており、発熱部よりも比較的に離れた位置で冷却している。このため、冷却機から発熱部まで、冷却用流体を移動させる配管を断熱材で覆う等することで、冷却効率の低下を抑制しており、手間がかかる。
冷却効率を向上させるには、必要な量の冷却用流体を、必要な温度に冷却し、当該必要な量及び必要な温度を維持した状態で、発熱部に供給すればよい。そのためには、所定流量(必要な流量)の冷却用流体を、発熱部の直前で冷却して供給すれば、冷却用流体を最も効率良く冷却することができる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、発熱部やワークへ供給する冷却用流体を、発熱部やワークに供給する直前で冷却することで、冷却用流体の供給量を低減し、且つ冷却効率と研削能率を向上させることができる加工装置及び加工方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの加工装置である。
請求項1に記載の加工装置では、冷却手段は、冷却用流体の供給経路において、冷却用流体を吐出部材へ通じる経路のほぼ終端部に設けられており、発熱部及びワークの少なくとも一方に供給する冷却用流体を、吐出部材から吐出する直前で冷却する。
冷却用流体を吐出部材から吐出する直前で冷却することで、冷却効率を向上させることができる。また、冷却用流体を冷却することで供給量を低減することが可能であり、冷却した冷却用流体で発熱部あるいはワークの温度上昇を抑制できるので、研削能率を向上させることができる。
【0006】
また、本発明の第2〜第3発明は、請求項2〜3に記載されたとおりの加工装置である。
請求項2〜3に記載の加工装置では、冷却手段には、熱交換器としてペルチェモジュールを含む。あるいは冷却手段は、冷却用流体の流路を形成した流路ブロック、ペルチェモジュール、放熱フィン、放熱ファンと組み合わされて構成される。冷却手段にペルチェモジュールを使用することで、必要な冷却能力を確保しながら、冷却手段を格段に小型化することが可能である。
これにより、冷却手段の配置場所の制約をほとんど受けることなく、発熱部の直前の位置に、適切に冷却手段を配置することが可能となる。
【0007】
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの加工装置である。
請求項4に記載の加工装置では、更に、温度検出手段と制御手段とを備える。そして、制御手段は、温度検出手段で検出した冷却用流体の温度に基づいて、ペルチェモジュールへの供給電圧を制御することで、冷却用流体の温度を設定した温度に適切に維持することが可能である。
これにより、冷却効率を更に向上させることができる。また、冷却用流体の温度を設定温度に維持することで、供給量を最適にすることができ、冷却用流体の供給量を低減することができる。また、設定温度に維持された最適供給量の冷却用流体によって、発熱部の温度上昇を適切に抑制できるので、研削能率を更に向上させることができる。
【0008】
また、本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの加工方法である。
請求項6に記載の加工方法では、例えば、研削加工において、加工手段でワークを加工した際に発生する熱により発熱した発熱部あるいはワークを、適切に冷却することが可能である。
冷却用流体を吐出部材から吐出する直前で冷却することで、冷却効率を向上させることができる。また、冷却用流体を冷却することで供給量を低減することが可能であり、冷却した冷却用流体で発熱部あるいはワークの温度上昇を抑制できるので、研削能率を向上させることができる。
【0009】
また、本発明の第5及び第7発明は、請求項5及び7に記載されたとおりの加工装置及び加工方法である。
請求項5及び7に記載の加工装置及び加工方法では、研削点における潤滑作用とワークの冷却作用とを分離する研削方式とし、ワークへ供給する冷却用流体の供給量を減少したので、冷却手段は吐出部材(ノズル部材等)からワークに向けて吐出される直前の少量の冷却用流体の温度制御を小形のもので高い応答性でもって行うことができ、よって、1本のワークの加工において、例えば粗研削工程、精研削工程、微研削工程へと変遷する研削過程での負荷変動に即座に応じた微細な温度制御を高精度に実現でき、研削加工精度の一層の向上に寄与する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の加工装置及び加工方法を研削加工装置に適用した場合の、一実施の形態の概略構成図を示している。
●[加工装置の全体構成(図1)]
図1は、シングルヘッドの研削加工装置10の概略構成図における平面図の例を示している。
ベッド20には、主軸台40と芯押台50が設けられており、主軸にはワークWの一方の端部を保持するチャック46が設けられており、芯押台50にはワークWの他方の端部のセンターを支持する芯押軸52が設けられている。ワークWは、チャック46と芯押軸52との間で挟持されている。また、主軸台40にはサーボモータ42が設けられており、図1中のX軸方向を回転軸として、ワークWを回転させる。このとき、回転数、回転角度等は、サーボモータ42に設けられたエンコーダ44から検出することが可能である。
各種のサーボモータの駆動及びエンコーダからの回転数、回転角度等の検出は、制御手段30により行われる。
【0011】
また、ベッド20には、X軸方向を回転軸とする研削砥石88(加工手段等)を載置したスライド76を、X軸方向に移動させる送りねじ60が設けられている。送りねじ60にはサーボモータ62が設けられており、サーボモータ62にはエンコーダ64が設けられている。制御手段30は、エンコーダ64からの検出信号に基づいてサーボモータ62を制御することで、ワークWのX軸方向における所定の位置に、研削砥石88を移動させる。
【0012】
スライド76には、研削砥石88を回転させるサーボモータ82及びサーボモータ82を載置する砥石台86を、Z軸方向に移動させる送りねじ70が設けられている。送りねじ70にはサーボモータ72が設けられており、サーボモータ72にはエンコーダ74が設けられている。制御手段30は、エンコーダ74からの検出信号に基づいてサーボモータ72を制御することで、ワークWのZ軸方向における所定の位置に、研削砥石88を移動させる。
研削砥石88は、サーボモータ82にて、X軸方向を回転軸として回転し、同じくX軸方向を回転軸として回転するワークWと当接した場合、研削点としての当接位置(図1中の「位置S」)において、ワークWを研削加工する。
【0013】
研削砥石88がワークWを研削加工した際、研削砥石88及びワークWの当接面は、研削加工の際に発熱して温度が上昇する。そして、この発熱部の温度が許容温度以上に上昇すると、研削焼けが発生し、ワークWの加工品質が低下する可能性がある。また、許容温度以上に上昇すると、焼鈍効果により加工面の硬度が低下し、ワークWの特性を低下させる可能性がある。
そこで、従来から、発熱部に冷却用流体(以下、「冷却用流体」を「クーラント」と記載する)を供給して当該発熱部の温度上昇を抑制する、種々の加工装置が提案されている。しかし、クーラントの供給量が多い場合、飛散、蒸発等で作業環境を悪化させ、廃液量も増加する。更に、研削砥石88に連れ回りされるクーラント量が増加し、加工個所において動圧が発生し、加工精度が低下する可能性がある。そこで、クーラントを予め冷却しておき、より少量のクーラントで発熱部の温度上昇を抑制する方法も提案されている。
【0014】
しかし、従来では、クーラントを冷却するための冷却手段には、代替フロン等の冷媒を用いてクーラントを冷却する冷却手段、ボルテックスチューブにより冷却した空気でクーラントを冷却する冷却手段等を用いていたため、冷却手段のサイズが非常に大きい(図1中の90)。サイズが非常に大きい冷却手段は、発熱部(図1中の「位置S」近傍)の近くに配置することは非常に困難である。
【0015】
このため、従来では、冷却手段をクーラントのタンク部に設置してクーラントのタンク全体を冷却し、長い供給経路を介して発熱部に供給したり、あるいはクーラントのタンクから発熱部までの供給経路の途中に冷却手段を設置して必要量を冷却し、クーラントのタンクからの供給経路よりは短いが、比較的長い供給経路を介して発熱部に供給している。
しかし、クーラントのタンクを冷却する方法は、実際の冷却に使用しないクーラントも冷却するので、冷却効率が非常に悪い。また供給経路の途中で冷却する方法は、実際の発熱部に供給されるまでの経路でクーラントの温度が上昇する場合もあり、冷却効率がやや低い。
以下の本実施の形態の説明では、格段に小型化した冷却手段を実現することで、発熱部の近傍に冷却手段を配置することが可能となり、冷却効率と加工能率をより向上させることができる加工装置の例について説明する。
【0016】
本実施の形態では、冷却手段100は、例えば、一辺が約10[cm]の立方体程度のサイズであり、図1に示すように、発熱部(図1中の「位置S」近傍)に配置することができる。この例では、研削砥石88との干渉、ワークWの着脱時の干渉等を回避するために、ワークWのやや上方(ワークWからY軸方向に所定の距離だけ移動した位置)に冷却手段100を配置している。これにより、発熱部にクーラントを供給する直前で、クーラントを冷却することができる。このため、必要量のみを冷却できるとともに、冷却してから供給するまでの経路で温度が上昇することもなく(冷却してから供給するまでの経路がほとんどないため)、冷却効率が非常に高い。
【0017】
また、冷却手段100は従来の冷却機と比して、格段に小型化されており、簡易的なアーム100z等にて所定の位置(例えば砥石台86)に配置することが可能であり、安全性及び経済性の両面において優れている。
なお、本発明において、より少ないクーラントの供給量で発熱部を冷却する冷却効率を向上させるために、比熱が比較的高い水系のクーラント、例えば水に防錆材を含んだソリューション形クーラントを用いることが好ましいが、種々のクーラントを用いることが可能である。
【0018】
●[クーラント冷却システムの全体構成(図2)]
次に、図2を用いて、クーラント冷却システム(冷却手段100を含む)の全体構成について説明する。図2は、ワークW及び研削砥石88をX軸方向から見た図に、ワークW、研削砥石88、クーラント冷却システムを模式的に記載した図である。なお、図2はクーラント冷却システムの他にも、クーラントを用いた洗浄システム、及び潤滑油を用いた潤滑システムの一部も含んでいる。図2に示す例では、ワークW及び研削砥石88は、どちらも右回りに回転している。
【0019】
(1)クーラント冷却システム
冷却手段100は、配管110を介して供給されるクーラントを冷却し、研削砥石88(加工手段等)で加工したワークWに向けて、冷却したクーラントを吐出部材としてのノズル部材100aから供給する。供給方法は供給量等に応じて、連続流、ミスト等、様々な方法で供給することが可能である。本実施の形態は、連続流で供給する例を示す。
また、制御手段30は、冷却手段100を制御してワークWに向けて供給するクーラントの温度を調節し、ポンプ120を制御してクーラントタンク160から冷却手段100に供給するクーラントの量を調節する。
【0020】
(2)洗浄システム
洗浄ノズル130は、制御手段30によって制御されるポンプ150から配管140を介して供給されるクーラントを噴射し、ベッド20のクーラント受部170に滞留している研削屑及び使用済みクーラント等を、孔170aの方向に押し流す。押し流されたクーラント等は、孔170aから配管190を介してクーラントタンク160に戻る経路中で、図示を省略した粉塵フィルタ、マグネットフィルタ等により、研削屑等を取り除かれてクーラントタンク160に戻る。
クーラントタンク160にはクーラントが貯蔵されており、ポンプ120及びポンプ150からクーラントが吸い出され、配管190からクーラントが戻り、クーラントは循環している。
【0021】
(3)潤滑システム
潤滑油供給手段200は、研削砥石88の研削面にミスト状の潤滑油を供給するノズルを備えている。例えば、潤滑油は液体状態で配管220を介してオイルミスト装置210に供給され、オイルミスト装置210にてミスト状の潤滑油に変換される。また、制御手段30は、オイルミスト装置210を制御して、オイルミスト量を調節する。
そして、ミスト状に変換された潤滑油は、配管221を介して潤滑油吐出部材としてのノズル部材200aから研削砥石88の外周面に向けて吐出される(この場合、噴霧される)。
【0022】
●[冷却手段の構造(図3)]
次に、図3を用いて冷却手段100の構造について説明する。冷却手段100は、必要な冷却能力を確保していることと、他の部品等に干渉することなく発熱部の近傍に配置可能なサイズであることが要求される。
冷却手段100は、内部にクーラントの流路が形成された熱伝導部材で構成された流路ブロック100cと、流路ブロック100cの端面に当接して流路ブロック100cから熱を吸収する一つあるいは複数のペルチェ素子で構成された略平板状のペルチェモジュール100dと、ペルチェモジュール100dの端面に当接してペルチェモジュール100dが吸収した熱を放熱する放熱フィン100eと、放熱フィン100eに強制的に気流を当てる放熱ファン100fとで構成されている。
この冷却手段100を用いて、例えば、流量を0.200[L/min]で供給するクーラントの温度を室温から約10[℃]冷却することが可能な能力を確保した場合のサイズ(図3中の縦(D)、幅(E)、高さ(H))は、共に10[cm]程度で充分可能であり、従来と比較して格段に小型化することが可能である。
【0023】
従来の、室温(約20[℃])のクーラントを用いた一般的な研削方式では、冷却用クーラントを30[L/min]〜100[L/min]も必要としていたが、研削点での潤滑とワークの冷却を分離した本実施の形態に示す省エネあるいはエコロジー研削方式では、冷却手段100にて冷却用クーラントを冷却することで、冷却用クーラントの使用量を0.100[L/min]程度にまで低減することができる。
この構成により、必要な冷却能力を確保するとともに、他の部品等に干渉することなく発熱部の近傍に配置可能なサイズとすることができ、冷却効率をより向上させることができる。また、高い冷却効率により、発熱部を充分に冷却することが可能となるため、研削効率をより向上させることができる。
なお、放熱フィン100e及び放熱ファン100fは所望する冷却能力等が確保できれば省略してもよい。
【0024】
流路ブロック100cには、冷却前のクーラントが流入される流入口部材100bと、冷却されたクーラントを流出するノズル部材100aとが流路ブロック100cとは別部材として設けられている。また、吐出部材としてのノズル部材100aには、冷却されたクーラントの温度を検出するための温度検出手段100g(温度センサ等)が設けられている。
なお、ペルチェモジュール100dにて流路ブロック100cの全体を冷却するために、流路ブロック100cは、熱伝導性の高い材質である銅、アルミ、銀あるいはこれらを含む合金等で形成されている。なお、流路ブロック100cは、熱伝導性が高い材質であれば、金属に限定されず、樹脂、セラミックス等を用いて構成してもよい。
また、流入されたクーラントの滞留時間を長くするためと、クーラントと流路ブロック100cとの接触面積を大きくするために、流路ブロック100c内に設けた流路は、例えば図4(B)に示すような流路に形成されている。なお、流路の形状等は、図4(B)に限定されるものではない。
また、流路ブロック100cと外気が接触する部分を断熱材等で覆うと、冷却効率をより向上させることができる。
【0025】
ペルチェモジュール100dは、一つあるいは複数のペルチェ素子で構成された板状のモジュールであり、所定の方向に直流電流を流すと、一方の面から熱を吸収し(冷却し)、他方の面から熱を放出する(加熱する)。例えば、図3の構成において、ペルチェモジュール100dに所定の方向の直流電流を供給すると、ペルチェモジュール100dは、流路ブロック100c側から熱を吸収し、放熱フィン100e側から熱を放出する。また、吸収する熱量は電流に応じて変化する。これにより、研削加工時等において、供給するクーラントを適切に冷却することができる。
また、直流電流の方向を逆にすると、放熱フィン100e側から熱を吸収し、流路ブロック100c側から熱を放出する。クーラントが流路ブロック100c内で凝固した場合等において、クーラントを適切に加熱することもできる。
【0026】
放熱フィン100eは、ペルチェモジュール100dによる熱の放出を助長する。放熱フィン100eは、熱伝導性の高い銅、アルミ、銀あるいはこれらを含む合金等で形成されており、外気との接触面積が大きくなるように複数枚の板状等に形成されている。なお、放熱フィン100eは、流路ブロック100cと同様に、金属に限定されず、樹脂、セラミックス等を用いて構成してもよい。これにより、ペルチェモジュール100dは、熱を放出する際、放熱フィン100eを介して効率よく熱を外気中に放出することができる。
放熱ファン100fは、放熱フィン100eに強制的に気流を当てて、放熱フィン100eからの熱の放出を助長する。なお、放熱ファン100fに供給する電流は、ファンモータに応じて直流あるいは交流の電流を供給する。
【0027】
●[冷却手段の制御方法(図4、図5、図6)]
図4(A)に、制御手段30と、冷却手段100に設けられた温度検出手段100g、ペルチェモジュール100d、放熱ファン100f、ポンプ120との接続を示す。
制御手段30は、ポンプ120を制御することで、所定量のクーラント(例えば、0.200[L/min])を、クーラントタンク160から冷却手段100に供給する。また、制御手段30は、温度検出手段100gにより検出した温度(ノズル部材100aから発熱部に供給されるクーラントの温度)に基づいて、ペルチェモジュール100dへの供給電圧(または供給電流)、あるいは放熱ファン100fへの供給電流の少なくとも一方を制御する。
なお、放熱ファン100fの回転方向は、気流を放熱ファン100fから放熱フィン100eの方向に発生させる方向であっても、逆の方向であってもよい。放熱ファン100fをどちらの方向に回転させても、気流を放熱フィン100eに強制的に当てることができる。
【0028】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、制御手段30の処理手順の例を説明する。制御手段30は、例えば、1[sec]毎に、当該フローチャートに示す処理を実行する。
ステップS10にて、制御手段30は、温度検出手段100g(温度センサ等)からの入力信号に基づいて、ノズル部材100a近傍のクーラントの温度を検出する。ここで、検出した温度をTr[℃]とする。
【0029】
そして、ステップS20にて、制御手段30は、ペルチェモジュール100dへの供給電流を計算する。ここで、クーラントの設定温度(目標温度)をTtgt[℃]とすると、計算される供給電流は、例えば、図6(A)に示すグラフから求められる。図6(A)の例では、温度差(Tr[℃]−Ttgt[℃])がT1[℃]であった場合、ペルチェモジュール100dへの供給電流は「A1」であることを示している。
そして、ステップS30にて、制御手段30は、求めた供給電流をペルチェモジュール100dに供給する。
なお、この例では供給電流を求めたが、供給電圧を求めるようにしてもよい。
【0030】
続いて、ステップS40にて、制御手段30は、放熱ファン100fへの供給電流を計算する。ここで、クーラントの設定温度(目標温度)をTtgt[℃]とすると、計算される供給電流は、例えば、図6(B)に示すグラフから求められる。図6(B)の例では、温度差(Tr[℃]−Ttgt[℃])がT1[℃]であった場合、放熱ファン100fへの供給電流は「B1」であることを示している。
そして、ステップS50にて、制御手段30は、求めた供給電流を放熱ファン100fに供給する。
なお、この例では供給電流を求めたが、供給電圧を求めるようにしてもよい。
【0031】
そして、ステップS60にて、制御手段30は、設定された流量(例えば、0.200[L/min])に基づいて、ポンプ120への供給電流を計算する。ここで、クーラントの設定流量(目標供給量)をRtgt[L/min]とすると、計算される供給電流は、例えば、図6(C)に示すグラフから求められる。図6(C)の例では、設定流量がRtgt[L/min]であった場合、ポンプ120への供給電流は「C1」であることを示している。
そして、ステップS70にて、制御手段30は、求めた供給電流をポンプ120に供給する。
なお、この例では供給電流を求めたが、供給電圧を求めるようにしてもよい。
【0032】
また、冷却手段100は、図3及び図4に示す構成の他にも、図3から放熱ファン100fを省略した構成(図7(A))や、ペルチェモジュール100dと放熱フィン100eを2個にした構成(図7(B))等、種々の構成とすることが可能である。
【0033】
本発明の加工装置及び加工方法は、本実施の形態で説明した構成、形状、サイズ、材質、動作等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
上述の実施の形態は、砥石外周面にオイルミストを供給し、ワークに冷却用流体を供給して、研削点の潤滑とワークの冷却とを分離した省エネ研削方式あるいはエコロジー研削方式について説明したが、研削点へ冷却用流体を供給する研削方式に本発明を適用してもよい。
本発明の加工装置は、本実施の形態で説明したシングルヘッドの研削加工装置に限定されず、ツインヘッドの研削加工装置、スピニング加工装置等、加工の際にワーク等が発熱する、種々の加工装置に適用することが可能である。
本実施の形態の説明に用いた処理手順は、図5に示したフローチャートに限定されるものではない。
本実施の形態の説明に用いた特性グラフは、図6に示した特性グラフに限定されるものではない。また、各供給電流等は、当該特性グラフから求めることに限定されず、様々な方法で求めることが可能である。
本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5のいずれかに記載の加工装置、あるいは請求項6または7に記載の加工方法を用いれば、発熱部及びワークの少なくとも一方へ吐出部材から供給する冷却用流体を、吐出部材から吐出する直前で冷却することで、冷却用流体の供給量を低減し、且つ冷却効率と研削能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工装置及び加工方法を研削加工装置に適用した場合の、一実施の形態の概略構成図である。
【図2】クーラント冷却システム(冷却手段100を含む)の全体構成について説明する図である。
【図3】冷却手段100の構造について説明する図である。
【図4】制御手段30と、冷却手段100に設けられた温度検出手段100g、ペルチェモジュール100d、放熱ファン100fと、ポンプ120との接続を示す図である。
【図5】制御手段30の処理手順の例を説明するフローチャートである。
【図6】ペルチェモジュール100dへの供給電流、放熱ファン100fへの供給電流、ポンプ120への供給電流の求め方の例を示す特性グラフである。
【図7】冷却手段100の他の構成の例を示す図である。
【符号の説明】
30 制御手段
88 研削砥石(加工手段)
100 冷却手段
100a ノズル部材(吐出部材)
110、140、190 配管
120、150 ポンプ
130 洗浄ノズル
160 クーラントタンク
W ワーク
Claims (7)
- ワークを加工する加工手段と、冷却用流体を冷却する冷却手段とを備え、
加工手段でワークを加工した際の発熱部及びワークの少なくとも一方に向けて吐出部材から冷却用流体を供給する加工装置であって、
冷却手段は、冷却用流体の供給経路において、冷却用流体を前記吐出部材へ通じる経路のほぼ終端部に設けられており、冷却用流体を前記吐出部材から吐出する直前で冷却する、
ことを特徴とする加工装置。 - 請求項1に記載の加工装置であって、
冷却手段は、一つあるいは複数のペルチェ素子で構成されたペルチェモジュールを含む、
ことを特徴とする加工装置。 - 請求項1または2に記載の加工装置であって、
冷却手段は、内部に冷却用流体の流路が形成された熱伝導部材で構成された流路ブロックと、当該流路ブロックに当接して当該流路ブロックから熱を吸収する一つあるいは複数のペルチェ素子で構成されたペルチェモジュールと、当該ペルチェモジュールに当接して当該ペルチェモジュールが吸収した熱を放熱する放熱フィンと、当該放熱フィンに強制的に気流を当てる放熱ファンとで構成されている、
ことを特徴とする加工装置。 - 請求項2または3に記載の加工装置であって、更に、温度検出手段と制御手段とを備え、
温度検出手段は、冷却手段で冷却された冷却用流体の温度を検出し、
制御手段は、温度検出手段で検出した冷却用流体の温度に基づいて、ペルチェモジュールへの供給電圧を制御する、
ことを特徴とする加工装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の加工装置において、
前記加工手段は、回転支持された研削砥石及びこの研削砥石を回転中の前記ワークに向けて進退する手段を含み、また潤滑油をミスト状態あるいは滴下して研削砥石の外周面に供給する潤滑油供給手段を備え、
前記吐出部材は、冷却用流体をワークに向けて吐出するように配置され、
研削点における潤滑作用とワークの冷却作用とを分離するようにしたことを特徴とする加工装置。 - ワークを加工する加工手段と、冷却用流体を冷却する冷却手段とを備え、加工手段でワークを加工した際の発熱部及びワークの少なくとも一方に向けて吐出部材から冷却用流体を供給する加工方法であって、
冷却手段は、冷却用流体の供給経路において、冷却用流体を前記吐出部材へ通じる経路のほぼ終端部に設けられており、
加工手段にて、ワークを加工するステップと、
冷却手段にて、冷却用流体を冷却するステップと、
吐出部材から、加工手段でワークを加工した際の発熱部及びワークの少なくとも一方に向けて冷却用流体を吐出するステップとを有し、
冷却用流体を吐出部材から吐出する直前で冷却する、
ことを特徴とする加工方法。 - 請求項6に記載の加工方法において、
前記加工手段は回転支持された研削砥石を回転中の前記ワークに向けて進退するように動作され、また潤滑油をミスト状態あるいは滴下して研削砥石の外周面に供給するとともに前記吐出部材から冷却用流体をワークに向けて吐出し、研削点における潤滑作用とワークの冷却作用とを分離するようにしたことを特徴とする加工方法。
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