JP2004038086A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロッドインテグレータを備えたプロジェクタにおいて、光の利用効率を容易に向上させる。
【解決手段】集光光を射出する光源装置と、光入射面が前記集光光の集束位置近傍に配置され、前記光源装置から射出された光の照度分布を均一化して光射出面から射出するためのロッドインテグレータと、前記ロッドインテグレータから射出される光が入射し、該光を、与えられた画像信号に応じて反射して画像を表す画像光として射出する反射型光変調装置と、前記ロッドインテグレータから射出される光を、前記反射型光変調装置に導くためのリレー光学系とを備える。前記ロッドインテグレータは、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の前記光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の前記光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくするための傾斜角変更部を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】集光光を射出する光源装置と、光入射面が前記集光光の集束位置近傍に配置され、前記光源装置から射出された光の照度分布を均一化して光射出面から射出するためのロッドインテグレータと、前記ロッドインテグレータから射出される光が入射し、該光を、与えられた画像信号に応じて反射して画像を表す画像光として射出する反射型光変調装置と、前記ロッドインテグレータから射出される光を、前記反射型光変調装置に導くためのリレー光学系とを備える。前記ロッドインテグレータは、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の前記光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の前記光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくするための傾斜角変更部を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像を投写表示するプロジェクタ(投写型表示装置)に関し、特に、光の照度分布を均一にすることが可能なロッドインテグレータを備えたプロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プロジェクタでは、光源装置(照明光学系)から射出された光(照明光)によって、光変調装置(電気光学装置とも呼ぶ。)の光入射面(光照射面とも呼ぶ。)が照明される。光変調装置の光入射面から入射した光は、画像信号(画像情報)に応じて変調され、光変調装置から画像を表す画像光として射出される。そして、光変調装置から射出された画像光を、投写光学系を介してスクリーン上に投写することにより画像が表示される。
【0003】
光変調装置としては、変調した画像光が反射光として光入射面から射出するタイプの反射型光変調装置と、変調した画像光が透過光として光入射面と反対側の光射出面から射出するタイプの透過型光変調装置とがある。反射型光変調装置の例としては、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD、TI社の商標)のようなマイクロミラー型光変調装置(反射方向制御型光変調装置)や、反射型液晶パネル等があげられる。透過型光変調装置の例としては、透過型液晶パネルがあげられる。なお、DMDは、液晶パネルに比べて光照射面に照射された光の利用効率が高い。
【0004】
1つの光変調装置を利用するプロジェクタ(「単板式プロジェクタ」とも呼ばれる。)では、例えば、次のようにしてカラー表示を実現することができる。すなわち、照明光を赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に対応する3つの色フィルタを有するカラーホイールに入射させて、照明光に含まれるRGB3原色の光を順に循環的に透過して射出させる。光変調装置の光入射面には、カラーホイールから射出された3原色の光が順に照射される。光変調装置では、光入射面から順に入射する光を、その光の色に対応する色信号に基づいて変調することにより、それぞれの色信号に対応する色成分の画像光を生成する。生成された各色の画像光の表す画像(以下、「色成分画像」とも呼ぶ。)を順に投写する。順に投写された3つの色成分画像は、人間の目の残像効果によって合成されて1つのカラー画像として見えることになる。
【0005】
なお、このように、RGB3原色の光に対応する色成分画像を順に表示させることによるカラー画像の表示を、「時分割表示」あるいは「フィールドシーケンシャル表示」とも呼ぶ。
【0006】
ここで、上記フィールドシーケンシャル表示の場合、カラーホイールを透過できない色の光が無駄となる。例えば、R光が透過されるときにはG光及びB光が、G光が透過されるときにはB光及びR光が、B光が透過されるときにはR光及びG光が無駄になる。このため、光源装置から射出された光が照明光として十分に利用されず利用効率の点で問題がある。
【0007】
このような問題を解決して光の利用効率を向上させる方法が、SOCIETY FOR INFORMATION DISPLAY 2001 INTERNATIONAL SYMPOSIUM DIGEST OF TECHNICAL PAPERS・Volume XXXII(page 1076 )に記載されたSequential Color Recaptureand Dynamic Filtering: A Method of Scrolling Color(D. Scott Dewald, Steven M. Penn, and Michael Davis)で提案されている。
【0008】
図6は、上記文献において説明されているSCR(Sequential Color Recapture)技術を用いたプロジェクタの要部を示す概略平面図である。このプロジェクタ1000(以下、「SCRプロジェクタ」と呼ぶ。)は、光源装置100と、SCR用のロッドインテグレータ200(以下、「SCRインテグレータ」と呼ぶ。)と、SCR用のカラーホイール300(以下、「SCRホイール」と呼ぶ。)と、リレー光学系400と、反射ミラー500と、フィールドレンズ600と、DMD700と、投写レンズ(投写光学系)800とを、システム光軸1000axに沿って順に配置して構成されている。
【0009】
光源装置100は、回転楕円面形状の反射面を有する楕円リフレクタ110と、メタルハライドランプや高圧水銀灯などの高圧放電灯が利用される光源ランプ120とで構成される。なお、光源装置100の中心軸100axおよびSCRインテグレータ200の中心軸200axは、システム光軸1000axに一致するように配置されている。光源ランプ120は、楕円リフレクタ110の第1焦点F1に配置され、光源装置100から射出される光は、楕円リフレクタ110の第2焦点F2で集束する集光光となる。SCRインテグレータ200は、その光入射面202の中心(中心軸200ax上の点)が楕円リフレクタ110の第2焦点F2となるように配置される。このような構成とすることにより、光源装置100から射出された集光光を、SCRインテグレータ200の光入射面202から内部に効率よく入射するようにすることができる。なお、光源装置としては、回転放物面形状の反射面を有するリフレクタを有するものを用いるようにしてもよい。ただし、この場合、射出される光が略平行な光となるため、光を集光するためにレンズを用いる必要がある。
【0010】
SCRインテグレータ200の光入射面202から内部に入射した光は、内部で反射しながら光射出面204から射出される。SCRインテグレータ200は、内部で反射を繰り返すことにより、光入射面202から入射した光の照度分布が一様でない場合においても、照度分布が一様な光に変換して光射出面から射出する機能を有している。
【0011】
図7は、SCRインテグレータ200を示す説明図である。図7(B)はSCRインテグレータ200の平面図を示し、図7(A)は光入射面202側の側面図を示し、図7(C)は光射出面204側の側面図を示している。SCRインテグレータ200は、光入射面202および光射出面204が略矩形状の輪郭を有する四角柱状の透光性ロッドである。
【0012】
このSCRインテグレータ200は、内部全体が透光性部材で形成されており、光入射面202から入射した光を、ロッド側面の境界における媒質の屈折率の差による内部全反射により光射出面204へ導き、光射出面204から射出される光の照度分布をほぼ均一化する機能を有している。
【0013】
光射出面204の輪郭形状は、通常、DMD700の光入射面を照明する光の照明効率を考慮して、この光入射面に相似な形状とされる。例えば、DMD700の光入射面のアスペクト比(縦横比)は、約4:3あるいは約16:9であるので、光射出面204の輪郭形状も同様に約4:3あるいは約16:9となるように構成されている。
【0014】
なお、SCRインテグレータとしては、ライトトンネルとも呼ばれる内側面が反射面で覆われた中空のロッドインテグレータを用いることも可能である。すなわち、このSCRインテグレータとしては、少なくとも、光入射面から入射した光の照度分布が一様でない場合においても、その光を反射させながら光射出面に導き、光の照度分布が一様な光に変換して光射出面から射出する機能を有しているロッドインテグレータであればよい。
【0015】
SCRインテグレータ200の光入射面202の外側には、光入射面202と接する側を反射面とする反射ミラー206が形成されている。この反射ミラー206には、光入射面202に垂直な中心軸200axを中心とする円系の開口部206aが形成されている。開口部206aを通過する光のみが光入射面202からSCRインテグレータ200の内部に入射可能である。
【0016】
開口部206aの大きさは、光源装置100からSCRインテグレータ200内に入射させる光の入射効率と、後述する反射ミラー206における光の反射効率とを考慮して適宜設定される。通常、開口部206aの開口径は、反射ミラー206の長手方向の大きさに対して1/3程度の大きさに設定される。
【0017】
反射ミラー206は、開口部206aに対応する部分を除く光入射面202上にアルミニウム膜、銀膜等を形成することにより形成される。また、誘電体多層膜(コールドミラー等)を蒸着することによっても形成可能である。また、ESRフィルム(3M社製)を貼り付けることによっても形成可能である。なお、平板状の透明体(例えばガラス板)にアルミニウム膜、銀膜、誘電体多層膜、ESRフィルム等を選択的に形成したものを、光入射面202に近接配置したり、貼り合わせたりすることも可能である。
【0018】
図6のSCRインテグレータ200の光射出面204から射出された光は、SCRホイール300に入射する。
【0019】
図8は、SCRホイール300を示す説明図である。SCRホイール300は、回転軸320を中心に図示しないモータによって回転可能に構成された円板状のフィルタ面310を有している。フィルタ面310には、R(赤),G(緑),B(青)それぞれの色フィルタの境界線(図中実線で示す曲線)が、フィルタ面310上における回転軸320上の中心点を中心にアルキメデスのスパイラルを形成するように配列形成されている。R,G,Bそれぞれの色フィルタは、それぞれ対応する色光を透過し、他の色光を反射するフィルタである。これらの色フィルタは、それぞれ対応するダイクロイック膜をフィルタ面310上にコーティングすることにより形成される。
【0020】
SCRホイール300は、フィルタ面310がSCRインテグレータ200の光射出面204に平行に近接配置される。
【0021】
SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光は、図8に破線で示したように、ある時間タイミングにおいて複数の色フィルタに入射し、それぞれ対応する色光のみを透過し、他の色光を反射する。
【0022】
図9は、SCRホイール300で反射された光について示す説明図である。例えば、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出されてSCRホイール300のフィルタ面310上に形成されたR光透過フィルタ310Rに入射した光のうち、R光は透過され、G光およびB光は反射されて光射出面204からSCRインテグレータ200の内部に再び入射する。
【0023】
この反射されたG光およびB光(以下、「GB光」と呼ぶ。)は、SCRインテグレータ200の内部で反射を繰り返しながら光入射面202の方向へ戻る。光入射面202上には、反射ミラー206が形成されているので、光入射面202に到達したGB光は、反射ミラー206の開口部206aを通過する一部のGB光を除いて反射ミラー206で反射される。
【0024】
反射ミラー206で反射されたGB光はSCRインテグレータ200の内部を反射しながら光射出面204の方向へ進み、光射出面204から射出されて、再度SCRホイール300に入射する。再度SCRホイール300に入射したGB光が、透過可能な色フィルタ、例えば、G光ならばG光透過フィルタ310G、B光ならばB光透過フィルタ310Bに入射した場合には、SCRホイール300を通過して照明光として利用可能となる、一方、再度SCRホイール300に入射したGB光は、透過不可のフィルタ、すなわち、R光透過フィルタ310Rに入射した場合には、再び反射されて、透過可能なフィルタに入射して有効な光として利用されるまでSCRインテグレータ200内を繰り返し往復することになる。
【0025】
なお、上述の説明は最初にR光フィルタ310Rに入射する光の場合を例に説明しているが、他のG光透過フィルタ310GあるいはB光透過フィルタ310Bに最初に入射する光においても同様である。
【0026】
以上説明したように、SCRプロジェクタ1000では、SCRホイール300で反射されて有効に利用されなかった光を再利用することが可能となる。従って、フィールドシーケンシャル表示において発生していたカラーホイールによる光の無駄を抑制して、光源装置100から射出された光を効率良く利用することが可能である。なお、このように光を再利用する技術を、「SCR技術」と呼んでいる。
【0027】
図6のリレー光学系400は、SCRホイール300を通過したSCRインテグレータ200の光射出面204における光の像を、DMD700の光入射面702を少なくとも含む領域上で所定の結像倍率で結像する機能を有しており、少なくとも1以上のレンズにより構成することができる。
【0028】
ここで、SCRホイール300のフィルタ面310はSCRインテグレータ200の光射出面204に近接配置されているので、リレー光学系400は、SCRホイール300を通過した光の像を所定の結像倍率で結像すると考えてもよい。なお、照明領域として結像される像(以下、「照明領域の像」とも呼ぶ。)の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)DAは、SCRインテグレータ200の光射出面の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)をDIとし、結像倍率をksとすると、以下の式で表される。
【0029】
DA=DI・ks …(1)
【0030】
なお、所定の結像倍率ksは、DMD700の光照射面を効率よく照明するように、照明領域の像の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)DAが光入射面702の大きさにほぼ等しくなるように設定される。通常、結像倍率ksは、約1.5倍〜約2.5倍の範囲で設定される。
【0031】
反射ミラー500は、リレー光学系400から射出された光がフィールドレンズ600を介してDMD700に入射するように反射する。
【0032】
DMD700は、光入射面702から入射する光を、与えられた画像信号(画像情報)に応じて各画素に対応するマイクロミラーで反射することにより、画像を表す画像光を投写レンズ800の方向に射出する機能を有する反射方向制御型光変調装置(マイクロミラー型光変調装置)である。DMD700の光入射面702から射出される画像光は、フィールドレンズ600及び投写レンズ800を介して投写される。これにより、画像光の表す画像が投写表示される。
【0033】
なお、反射ミラー500からDMD700までのシステム光軸1000axは、DMD700の上述の反射方向を制御する機能上の制約のために、DMD700から投写レンズ800までのシステム光軸1000axに対して所定の傾きを有することが要求される。このため、反射ミラー500は、リレー光学系400から射出される光の中心軸を反射して、DMD700から投写レンズ800までのシステム光軸1000axに対して所定の傾きを有するように配置されている。ただし、反射ミラー500は、光源装置100からリレー光学系400までの光学系の配置によっては、省略することも可能である。また、反射ミラー500は、必ずしも1枚である必要はなく、複数枚の反射ミラーを組み合わせて構成することも可能である。
【0034】
ここで、「DMD700の光入射面702」は、照射された光を画像光として利用可能な領域、すなわち、上述の各画素に対応するマイクロミラーが形成されている領域を示す。
【0035】
また、「所定の傾き」は、利用するデバイスに応じて適宜決定されものであり、以下の説明では特に問題ではないため、説明を省略する。
【0036】
ところで、図10は、DMD700の光入射面702を少なくとも含む領域上で結像される光の像を模式的に示す説明図である。SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光は、図8に破線で示したように、あるタイミングにおいて複数の色フィルタに入射する。従って、SCRホイール300を通過して結像される光の像は、図10に示すように、R,G,Bの複数の色光の領域に区分される。また、SCRホイール300の回転に応じて、各色フィルタの境界は放射方向に移動するので、これに応じて、SCRホイール300を通過した結像される光の像において、R,G,Bの複数の色光に区分されている領域のパターンは、例えば、図10(A)および(B)に示すように、例えば、表示タイミングT=0における状態から、表示タイミングT=1における状態へと変化する。なお、表示タイミングとは、表示画像のデータを更新する単位時間を示している。
【0037】
従って、ある表示タイミングにおいて、DMD700の各画素には、その画素に照射されている光の色に応じた色成分画像に相当する画像信号を供給する必要がある。照明される光の色のパターンは、例えば、SCRホイールの回転に応じて変化するようにSCRホイール300上に設けられた図示しない基準点の位置に応じて一義的に決定することが可能である。図示しない画像処理回路では、この基準点の位置を観測することにより対応する光の色のパターン情報を求めて、このパターン情報に応じて各画素の画像信号を生成して、DMD700に供給する。
【0038】
以上のようにして、SCRプロジェクタ1000では、各画素に、照射される光の色に応じた色成分画像を表示する。そして、表示された各画素の色成分画像が人間の目の残像効果によって合成されて1つのカラー画像として見えることになる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、SCRインテグレータ200の光入射面202近傍で結像される光源ランプ120のアーク像(以下、「2次光源像」と呼ぶ)の大きさは、以下のように決定される。すなわち、光源ランプ120のアーク像の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)をDsとし、2次光源像の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)をDiとし、楕円リフレクタ110の第1および第2焦点距離をf1,f2とすると、2次光源像の大きさDiは、以下の式で表される。
【0040】
Di=Ds・f2/f1 …(2)
【0041】
このアーク像の大きさDsは、有限の大きさを有しているため、上記(2)式からわかるように、2次光源像の大きさも有限の大きさを有している。このため、反射ミラー206の開口部206aの大きさよりも2次光源像の大きさDiの方が大きくなる場合もある。
【0042】
光源装置100から射出された集光光を効率よく利用するためには、2次光源像の大きさDiが反射ミラー206の開口部206aの大きさよりも小さくなるようにすることが好ましい。上記(2)式からわかるように、2次光源像の大きさを小さくするのは、第1焦点距離f1を大きくする、または、第2焦点距離f2を小さくすることにより可能である。しかしながら、このように単純に2次光源像を小さくしただけでは、以下の問題点がある。
【0043】
図11は、2次光源像を小さくした場合の問題点について示す説明図である。図11(A)は、SCRプロジェクタ1000の照明光学系部分を拡大してい示している。図11(A)に示すように、光源装置100の楕円リフレクタ110の第1焦点距離をf1、第2焦点距離をf2とする。2次光源像の大きさDiは、上記(2)式で表される。また、光源装置100から射出された集光光の中心軸100ax(光源装置100の中心軸)に対する最大傾斜角(以下、単に「入射角」と呼ぶ。)をθiとし、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光の、中心軸100axに対する最大傾斜角(以下、単に「射出角」と呼ぶ。)をθoとする。射出角θoはほぼ入射角θiに等しくなる。なお、SCRインテグレータ200の中心軸200ax(光入射面202および光射出面204に垂直な中心軸)は、光源装置100の中心軸100axに一致している。
【0044】
図11(B)は、図11(A)における光源装置100を、光源装置100の楕円リフレクタ110よりも短い第2焦点距離f2’(<f2)を有する楕円リフレクタ110’を有する光源装置100’に置き換えた場合を示している。
【0045】
図11(B)の場合における2次光源像の大きさDi’は以下の式で表される。
【0046】
Di’=Ds・f2’/f1 …(3)
【0047】
また、光源装置100’から射出された集光光の入射角をθi’とし、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光の射出角をθo’とする。射出角θo’はほぼ入射角θi’に等しくなる。
【0048】
図11(B)の場合、上記(2)式および(3)式を比較すればわかるように、f2’<f2によりDi’<Diとなって、2次光源像の大きさを小さくすることは可能である。
【0049】
しかしながら、図11(B)における楕円リフレクタ110’の開口面の大きさが図11(A)における楕円リフレクタ110の開口面の大きさに等しいとすると、θi’>θiとなり、これに応じてθo’>θoとなる。このため、SCRインテグレータ200から射出される光を効率よく利用するためには、図11(B)におけるリレー光学系400’の大きさLd’(レンズ口径)は、図11(A)におけるリレー光学系400のレンズ口径Ldに比べて大きくする必要がある。すなわち、単純に2次光源像の大きさを小さくする場合には、レンズ口径が大きなリレー光学系が必要となる。しかしながら、レンズ口径が大きなリレー光学系には、収差等の問題や製造コストの問題が発生する場合がある。
【0050】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、光の照度分布を均一にすることが可能なロッドインテグレータを備えたプロジェクタにおいて、光の利用効率を容易に向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【0051】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、画像を投写するプロジェクタであって、
集光光を射出する光源装置と、
光入射面が前記集光光の集束位置近傍に配置され、前記光源装置から射出された光の照度分布を均一化して光射出面から射出するためのロッドインテグレータと、
前記ロッドインテグレータから射出される光が入射し、該光を、与えられた画像信号に応じて反射して画像を表す画像光として射出する反射型光変調装置と、前記ロッドインテグレータから射出される光を、前記反射型光変調装置に導くためのリレー光学系と、を備え、
前記ロッドインテグレータは、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の前記光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の前記光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくするための傾斜角変更部を備えることを特徴とする。
【0052】
本発明のプロジェクタでは、ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、光源装置から射出される集光光の光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくすることができるので、従来例で説明したように、リレー光学系のレンズ口径を大きくすることなく、光源ランプのアークの像を小さくすることができる。これにより、光源装置から射出される光の利用効率を容易に向上させることが可能である。
【0053】
ここで、前記傾斜角変更部は凹レンズによって容易に構成することができる。
【0054】
なお、前記ロッドインテグレータは、内部が中空で、両端部に、それぞれ前記光入射面に相当する入射開口面と前記光射出面に相当する射出開口面を有し、前記内部の内側面に反射面を有している柱状の中空ロッドであって、入射開口面から入射した光を前記内側面で反射させながら前記射出開口面へ導き、該射出開口面から射出される光の照度分布をほぼ均一化する中空ロッドを含み、前記入射開口面を有する端部に前記凹レンズが設けられていることが好ましい。
【0055】
あるいは、前記ロッドインテグレータは、内部全体が透光性部材で形成された柱状のロッドであって、前記ロッドの光入射面から入射した光を、内部の媒質と外部の媒質との屈折率の差による内部全反射により光射出面へ導き、該光射出面から射出される光の照度分布をほぼ均一化するロッドを含み、前記ロッドの光入射面近傍に前記凹レンズが設けられているものも好ましい。
【0056】
上記どちらのロッドインテグレータであっても、ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の最大傾斜角よりも小さくすることが容易である。
【0057】
なお、上記プロジェクタにおいて、
さらに、前記ロッドインテグレータの光射出面に近接して配置され、所望の色光を透過し他の色光を反射する反射型色フィルタが、前記ロッドインテグレータから射出された光を複数の色光に区分して透過するようにスパイラル状に複数形成され、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の中心軸に略平行な回転軸を中心に回転することにより、透過する光に含まれる複数の色光の区分領域が循環的に変化するように構成されているカラーホイールを備えており、前記凹レンズの凹面は、前記光源装置から射出される集光光の中心軸を略中心とする部分に設けられており、
前記ロッドインテグレータは、さらに、前記凹レンズの近傍に設けられた反射ミラーであって、前記凹レンズの凹面に対応する部分に開口を有し、該開口の外周側に、前記カラーホイールで反射され、前記ロッドインテグレータ内を前記光射出面側から前記光入射面側に戻る光を反射する反射面を有する反射ミラーを備えることも可能である。
【0058】
上記構成にすれば、SCR技術を利用したプロジェクタにおいて本発明を適用することが可能となる。
【0059】
なお、前記反射ミラーは、前記凹レンズの前記射出開口面側を向く面上に形成されることが好ましい。
【0060】
こうすれば、反射ミラーが凹レンズの前記射出開口面側を向く面上に形成されない場合に比べて、ロッドインテグレータにおける光の損失を抑制することが可能である。
【0061】
また、本発明は、所定の領域を照明する照明光学系であって、
集光光を射出する光源装置と、
光入射面が前記集光光の集束位置近傍に配置され、前記光源装置から射出された光の照度分布を均一化して光射出面から射出するためのロッドインテグレータと、
前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光を前記所定の領域に導くためのリレー光学系と、を備え、
前記ロッドインテグレータは、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の前記光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の前記光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくするための傾斜角変更部を備えることを特徴とする。
【0062】
上記発明の照明光学系を、プロジェクタに適用すれば、上記発明のプロジェクタを構成することが可能である。
【0063】
【発明の実施の形態】
A.実施例:
図1は、本発明の実施例に係るSCRプロジェクタを示す概略平面図である。このSCRプロジェクタ1000Aは、従来例で説明したSCRプロジェクタ1000(図6)のSCRインテグレータ200をSCRインテグレータ200Aに置き換えた点、および、光源装置100を光源装置100’(図11)に相当する光源装置100Aに置き換えた点を除いて同じ構成を有している。なお、反射ミラー500を除く各構成要素100A,200A,300,400,600,700,800は、SCRプロジェクタに最低限必要な構成要素を示しており、各構成要素間に反射ミラーやレンズ等の種々の光学要素を適宜配置することが可能である。各構成要素の機能は従来例と全く同じであるので、以下では、SCRインテグレータ200Aについて特に説明を加える。
【0064】
図2は、SCRインテグレータ200Aを示す説明図である。図2(A)の斜視図に示すように、SCRインテグレータ200Aは、内部が中空で、両端部が開口されており、両端部の輪郭が略矩形状を有する柱状の中空ロッド210を有している。
【0065】
中空の内側面全体には反射ミラーが形成されている。この反射ミーは、アルミニウム膜、銀膜等により形成される。また、誘電体多層膜(コールドミラー等)を蒸着することによっても形成可能である。また、ESRフィルム(3M社製)を貼り付けることによっても形成可能である。
【0066】
この中空ロッド210は、一方の端部の開口面から入射した光を、内側面で反射させながら他方の端部の開口面に導き、他方の端部の開口面から射出される光の照度分布をほぼ均一化する機能を有している。この中空ロッド210は、従来例におけるSCRインテグレータ200(図6)に含まれている透光性ロッドと同様の機能を有している。
【0067】
中空ロッド210の開口された一方の端部が光入射面212に相当し、他方の端部が光射出面214に相当する。光入射面212に相当する一方の端部には、図2(B)に示すように、凹レンズ220がはめ込まれている。
【0068】
凹レンズ220において、中空ロッド210から外側を向く一方の面222には凹面222aが形成されており、内側を向く他方の面224には反射ミラー230が形成されている。この反射ミラー230は、従来例のSCRインテグレータ200(図7)における反射ミラー206に相当する。凹面222aは、凹レンズ220の一方の面222において、光入射面212および光射出面214に垂直なSCRインテグレータ200Aの中心軸200Aaxを中心とする一部分に形成されている。反射ミラー230において、凹レンズ220の凹面222aに対応する部分には、反射ミラー206の開口部206aと同様に、図示しない開口部が形成されている。なお、反射ミラー230が形成されている面において、反射ミラー230の開口部に対応する部分に凹面を形成するようにしてもよい。また、反射ミラー230を、凹面222aが形成されている側の面222に形成するようにしてもよい。
【0069】
図3は、SCRインテグレータ200Aの機能を示す説明図である。光源装置100Aから射出される集光光は、上記課題で説明した光源装置100’を用いた場合(図11)と同様に、光源装置100を用いた場合の入射角θiよりも大きな入射角θi’で、凹レンズ220の凹面222aを介してSCRインテグレータ200Aの内部に入射する。
【0070】
凹レンズ220は、光を発散させる働き、すなわち、いわゆる負のレンズパワーを有しているので、凹レンズ220を介して内部に入射される光の最大傾斜角θp(以下、「内部入射角」と呼ぶ。)を入射角θi’よりも小さくすることができる。従って、凹レンズの特性を適切に選択することにより、内部入射角θpを、従来例のSCRプロジェクタ1000のように光源装置100を用いた場合における入射角θi(図11)にほぼ等しくすることが可能である。一般に、中空ロッド210への入射角と射出角は等しいので、本例における射出角θo’を、従来例のSCRプロジェクタ1000における入射角θiにほぼ等しくすることができ、また、射出角θo(図11)にほぼ等しくできる。従って、課題で説明したように、2次光源像の大きさを小さくするために、レンズ口径の大きなリレー光学系を用いる必要がない。さらに、内部入射角θpを入射角θiよりも小さくするようにすれば、より小さなレンズ口径のリレー光学系を利用することができ、装置の小型化を図ることも可能となる。なお、この凹レンズ220が本発明の傾斜角変更部に相当する。
【0071】
また、光源装置100Aは、従来例の光源装置100の楕円リフレクタ110の第2焦点距離f2よりも短い第2焦点距離f2’を有する楕円リフレクタ110’を用いて構成されているので、SCRインテグレータ200Aの光入射面近傍で結像される2次光源像の大きさDi’を、従来例の光源装置100における2次光源像の大きさDiよりも小さくすることができる。これにより、SCRインテグレータ200Aに入射する光の効率を向上させることが可能である。
【0072】
以上説明したように、本実施例のプロジェクタ1000Aでは、SCRインテグレータ200Aを用いることにより、従来例のプロジェクタ1000のリレー光学系400をそのまま利用することができるので、課題で説明したレンズ口径の大きなリレー光学系を用いる必要があるという問題を解決して、光の利用効率を容易に向上させることが可能となる。そして、均一でより明るい画像の投写表示を容易に実現することができる。
【0073】
B.変形例:
なお、本発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0074】
B1.変形例1:
図4は、変形例としてのSCRインテグレータ200Bを示す概略斜視図である。
【0075】
このSCRインテグレータ200Bは、実施例におけるSCRインテグレータ200A(図2)のような中空ロッド210ではなく、従来例におけるSCRインテグレータ200のような内部全体が透光性部材で形成されたロッド210B(透光性ロッド)の光入射面212B上に、傾斜角変更部としての凹レンズ220(図2)を反射ミラー230が形成されている面で貼り合わせた構成を有している。
【0076】
本変形例のSCRインテグレータ200Bを、実施例のSCRインテグレータ200Aと置き換えても、実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0077】
B2.変形例2:
図5は、他の変形例としてのSCRインテグレータ200Cを示す説明図である。
【0078】
このSCRインテグレータ200Cは、図5(A)の概略斜視図に示すように、透光性ロッド210Cの光入射面212C上に、反射ミラー206に相当する反射ミラー230Cが形成された構成を有している。このSCRインテグレータ200Cの構成は、従来例のSCRインテグレータ200(図2)と基本的に同様な構成を有しているが、以下に示す点を除いてでSCRインテグレータ200と異なっている。
【0079】
図5(B)は、図5(A)に一点鎖線で示すようにSCRインテグレータ200Cを切断し、矢印A方向に向いて見た概略切断面を示している。この概略切断面に示すように、透光性ロッド210Cは、屈折率n2の透光性部材で形成され、両面が凹面形状を有する部分210Ca(以下、「凹面形状部分」と呼ぶ。)と、凹面形状部分210Caを挟み、屈折率n1の透光性部材で形成された2つの部分210Cb,210Ccで、凹面に対応する面が凹面の曲率にほぼ等しい凸面を有している部分(以下、「凸面形状部分」と呼ぶ。)とが互いに貼り合わされた構成を有している。
【0080】
凹面形状部分210Caの屈折率n2は、2つの凸面形状部分210Cb,210Ccの屈折率n1よりも大きい。これにより、凹面形状部分210Caは凹レンズとして機能し、この凹面形状部分210Caに入射して射出される光の最大傾斜角θ2は、入射する光の最大傾斜角θ1よりも小さくすることができる。この凹面形状部分210Caが本発明の傾斜角変更部に相当する。
【0081】
従って、本変形例のSCRインテグレータ200Cも、実施例におけるSCRインテグレータ200Aや変形例のSCRインテグレータ200Bと同様であり、実施例のSCRインテグレータ200Aと置き換えても、同様の作用・効果を得ることができる。
【0082】
B3.変形例3:
上記実施例および変形例1では、光入射面側に凹レンズが形成されている構成を示しているが、光射出面側に凹レンズが形成されている構成とすることも可能である。なお、この場合には、凹レンズの面上に形成されている反射ミラーを光入射面上に形成する必要がある。
【0083】
B4.変形例4:
上記実施例では、反射型光変調装置としてDMDを備えているプロジェクタを例に説明しているが、例えば、1つの反射型液晶パネルを備えるプロジェクタにも本発明を適用することが可能であり、種々の反射型変調装置を利用したプロジェクタにも本発明を適用することが可能である。
【0084】
B5.変形例5:
上記実施例では、SCR技術を利用したプロジェクタを例に説明しているが、これを利用しないプロジェクタにも本発明を適用することが可能である。SCR技術を用いないプロジェクタの場合には、実施例や変形例におけるSCRインテグレータの光入射面側に形成されている反射ミラーを省略することができる。また、凹レンズとしては、凹面が形成されている面の一部分ではなく前面に凹面が形成されてものを用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るSCRプロジェクタを示す概略平面図である。
【図2】SCRインテグレータ200Aを示す説明図である。
【図3】SCRインテグレータ200Aの機能を示す説明図である。
【図4】変形例としてのSCRインテグレータ200Bを示す概略斜視図である。
【図5】他の変形例としてのSCRインテグレータ200Cを示す説明図である。
【図6】SCR技術を用いたプロジェクタの要部を示す概略平面図である。
【図7】SCRインテグレータ200を示す説明図である。
【図8】SCRホイール300を示す説明図である。
【図9】SCRホイール300で反射された光について示す説明図である。
【図10】DMD700の光入射面702を少なくとも含む領域上で結像される光の像を模式的に示す説明図である。
【図11】2次光源像を小さくした場合の問題点について示す説明図である。
【符号の説明】
1000…プロジェクタ(SCRプロジェクタ)
1000A…プロジェクタ(SCRプロジェクタ)
1000ax…システム光軸
100…光源装置
100’…光源装置
100A…光源装置
100ax…中心軸
110…楕円リフレクタ
120…光源ランプ
110’…楕円リフレクタ
200…ロッドインテグレータ(SCRインテグレータ)
200ax…中心軸
202…光入射面
204…光射出面
206…反射ミラー
200A…ロッドインテグレータ(SCRインテグレータ)
200Aax…中心軸
210…中空ロッド
212…光入射面
214…光射出面
220…凹レンズ
222,224…面
222a…凹面
230…反射ミラー
200B…ロッドインテグレ−タ(SCRインテグレータ)
210B…透光性ロッド
212B…光入射面
214B…光射出面
200C…ロッドインテグレ−タ(SCRインテグレータ)
200Cax…中心軸
210C…透光性ロッド
212C…光入射面
214C…光射出面
210Ca…凹面形状部
210Cb、210Cc…凸面形状部
230C…反射ミラー
300…SCRホイール(SCR用のカラーホイール)
310…フィルタ面
310R…R光透過フィルタ
310G…G光透過フィルタ
310B…B光透過フィルタ
320…回転軸
400…リレー光学系
400ax…中心軸
500…反射ミラー
600…フィールドレンズ
600ax…中心軸
700…DMD
700ax…中心軸
702…光入射面
800…投写レンズ(投写光学系)
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像を投写表示するプロジェクタ(投写型表示装置)に関し、特に、光の照度分布を均一にすることが可能なロッドインテグレータを備えたプロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プロジェクタでは、光源装置(照明光学系)から射出された光(照明光)によって、光変調装置(電気光学装置とも呼ぶ。)の光入射面(光照射面とも呼ぶ。)が照明される。光変調装置の光入射面から入射した光は、画像信号(画像情報)に応じて変調され、光変調装置から画像を表す画像光として射出される。そして、光変調装置から射出された画像光を、投写光学系を介してスクリーン上に投写することにより画像が表示される。
【0003】
光変調装置としては、変調した画像光が反射光として光入射面から射出するタイプの反射型光変調装置と、変調した画像光が透過光として光入射面と反対側の光射出面から射出するタイプの透過型光変調装置とがある。反射型光変調装置の例としては、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD、TI社の商標)のようなマイクロミラー型光変調装置(反射方向制御型光変調装置)や、反射型液晶パネル等があげられる。透過型光変調装置の例としては、透過型液晶パネルがあげられる。なお、DMDは、液晶パネルに比べて光照射面に照射された光の利用効率が高い。
【0004】
1つの光変調装置を利用するプロジェクタ(「単板式プロジェクタ」とも呼ばれる。)では、例えば、次のようにしてカラー表示を実現することができる。すなわち、照明光を赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に対応する3つの色フィルタを有するカラーホイールに入射させて、照明光に含まれるRGB3原色の光を順に循環的に透過して射出させる。光変調装置の光入射面には、カラーホイールから射出された3原色の光が順に照射される。光変調装置では、光入射面から順に入射する光を、その光の色に対応する色信号に基づいて変調することにより、それぞれの色信号に対応する色成分の画像光を生成する。生成された各色の画像光の表す画像(以下、「色成分画像」とも呼ぶ。)を順に投写する。順に投写された3つの色成分画像は、人間の目の残像効果によって合成されて1つのカラー画像として見えることになる。
【0005】
なお、このように、RGB3原色の光に対応する色成分画像を順に表示させることによるカラー画像の表示を、「時分割表示」あるいは「フィールドシーケンシャル表示」とも呼ぶ。
【0006】
ここで、上記フィールドシーケンシャル表示の場合、カラーホイールを透過できない色の光が無駄となる。例えば、R光が透過されるときにはG光及びB光が、G光が透過されるときにはB光及びR光が、B光が透過されるときにはR光及びG光が無駄になる。このため、光源装置から射出された光が照明光として十分に利用されず利用効率の点で問題がある。
【0007】
このような問題を解決して光の利用効率を向上させる方法が、SOCIETY FOR INFORMATION DISPLAY 2001 INTERNATIONAL SYMPOSIUM DIGEST OF TECHNICAL PAPERS・Volume XXXII(page 1076 )に記載されたSequential Color Recaptureand Dynamic Filtering: A Method of Scrolling Color(D. Scott Dewald, Steven M. Penn, and Michael Davis)で提案されている。
【0008】
図6は、上記文献において説明されているSCR(Sequential Color Recapture)技術を用いたプロジェクタの要部を示す概略平面図である。このプロジェクタ1000(以下、「SCRプロジェクタ」と呼ぶ。)は、光源装置100と、SCR用のロッドインテグレータ200(以下、「SCRインテグレータ」と呼ぶ。)と、SCR用のカラーホイール300(以下、「SCRホイール」と呼ぶ。)と、リレー光学系400と、反射ミラー500と、フィールドレンズ600と、DMD700と、投写レンズ(投写光学系)800とを、システム光軸1000axに沿って順に配置して構成されている。
【0009】
光源装置100は、回転楕円面形状の反射面を有する楕円リフレクタ110と、メタルハライドランプや高圧水銀灯などの高圧放電灯が利用される光源ランプ120とで構成される。なお、光源装置100の中心軸100axおよびSCRインテグレータ200の中心軸200axは、システム光軸1000axに一致するように配置されている。光源ランプ120は、楕円リフレクタ110の第1焦点F1に配置され、光源装置100から射出される光は、楕円リフレクタ110の第2焦点F2で集束する集光光となる。SCRインテグレータ200は、その光入射面202の中心(中心軸200ax上の点)が楕円リフレクタ110の第2焦点F2となるように配置される。このような構成とすることにより、光源装置100から射出された集光光を、SCRインテグレータ200の光入射面202から内部に効率よく入射するようにすることができる。なお、光源装置としては、回転放物面形状の反射面を有するリフレクタを有するものを用いるようにしてもよい。ただし、この場合、射出される光が略平行な光となるため、光を集光するためにレンズを用いる必要がある。
【0010】
SCRインテグレータ200の光入射面202から内部に入射した光は、内部で反射しながら光射出面204から射出される。SCRインテグレータ200は、内部で反射を繰り返すことにより、光入射面202から入射した光の照度分布が一様でない場合においても、照度分布が一様な光に変換して光射出面から射出する機能を有している。
【0011】
図7は、SCRインテグレータ200を示す説明図である。図7(B)はSCRインテグレータ200の平面図を示し、図7(A)は光入射面202側の側面図を示し、図7(C)は光射出面204側の側面図を示している。SCRインテグレータ200は、光入射面202および光射出面204が略矩形状の輪郭を有する四角柱状の透光性ロッドである。
【0012】
このSCRインテグレータ200は、内部全体が透光性部材で形成されており、光入射面202から入射した光を、ロッド側面の境界における媒質の屈折率の差による内部全反射により光射出面204へ導き、光射出面204から射出される光の照度分布をほぼ均一化する機能を有している。
【0013】
光射出面204の輪郭形状は、通常、DMD700の光入射面を照明する光の照明効率を考慮して、この光入射面に相似な形状とされる。例えば、DMD700の光入射面のアスペクト比(縦横比)は、約4:3あるいは約16:9であるので、光射出面204の輪郭形状も同様に約4:3あるいは約16:9となるように構成されている。
【0014】
なお、SCRインテグレータとしては、ライトトンネルとも呼ばれる内側面が反射面で覆われた中空のロッドインテグレータを用いることも可能である。すなわち、このSCRインテグレータとしては、少なくとも、光入射面から入射した光の照度分布が一様でない場合においても、その光を反射させながら光射出面に導き、光の照度分布が一様な光に変換して光射出面から射出する機能を有しているロッドインテグレータであればよい。
【0015】
SCRインテグレータ200の光入射面202の外側には、光入射面202と接する側を反射面とする反射ミラー206が形成されている。この反射ミラー206には、光入射面202に垂直な中心軸200axを中心とする円系の開口部206aが形成されている。開口部206aを通過する光のみが光入射面202からSCRインテグレータ200の内部に入射可能である。
【0016】
開口部206aの大きさは、光源装置100からSCRインテグレータ200内に入射させる光の入射効率と、後述する反射ミラー206における光の反射効率とを考慮して適宜設定される。通常、開口部206aの開口径は、反射ミラー206の長手方向の大きさに対して1/3程度の大きさに設定される。
【0017】
反射ミラー206は、開口部206aに対応する部分を除く光入射面202上にアルミニウム膜、銀膜等を形成することにより形成される。また、誘電体多層膜(コールドミラー等)を蒸着することによっても形成可能である。また、ESRフィルム(3M社製)を貼り付けることによっても形成可能である。なお、平板状の透明体(例えばガラス板)にアルミニウム膜、銀膜、誘電体多層膜、ESRフィルム等を選択的に形成したものを、光入射面202に近接配置したり、貼り合わせたりすることも可能である。
【0018】
図6のSCRインテグレータ200の光射出面204から射出された光は、SCRホイール300に入射する。
【0019】
図8は、SCRホイール300を示す説明図である。SCRホイール300は、回転軸320を中心に図示しないモータによって回転可能に構成された円板状のフィルタ面310を有している。フィルタ面310には、R(赤),G(緑),B(青)それぞれの色フィルタの境界線(図中実線で示す曲線)が、フィルタ面310上における回転軸320上の中心点を中心にアルキメデスのスパイラルを形成するように配列形成されている。R,G,Bそれぞれの色フィルタは、それぞれ対応する色光を透過し、他の色光を反射するフィルタである。これらの色フィルタは、それぞれ対応するダイクロイック膜をフィルタ面310上にコーティングすることにより形成される。
【0020】
SCRホイール300は、フィルタ面310がSCRインテグレータ200の光射出面204に平行に近接配置される。
【0021】
SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光は、図8に破線で示したように、ある時間タイミングにおいて複数の色フィルタに入射し、それぞれ対応する色光のみを透過し、他の色光を反射する。
【0022】
図9は、SCRホイール300で反射された光について示す説明図である。例えば、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出されてSCRホイール300のフィルタ面310上に形成されたR光透過フィルタ310Rに入射した光のうち、R光は透過され、G光およびB光は反射されて光射出面204からSCRインテグレータ200の内部に再び入射する。
【0023】
この反射されたG光およびB光(以下、「GB光」と呼ぶ。)は、SCRインテグレータ200の内部で反射を繰り返しながら光入射面202の方向へ戻る。光入射面202上には、反射ミラー206が形成されているので、光入射面202に到達したGB光は、反射ミラー206の開口部206aを通過する一部のGB光を除いて反射ミラー206で反射される。
【0024】
反射ミラー206で反射されたGB光はSCRインテグレータ200の内部を反射しながら光射出面204の方向へ進み、光射出面204から射出されて、再度SCRホイール300に入射する。再度SCRホイール300に入射したGB光が、透過可能な色フィルタ、例えば、G光ならばG光透過フィルタ310G、B光ならばB光透過フィルタ310Bに入射した場合には、SCRホイール300を通過して照明光として利用可能となる、一方、再度SCRホイール300に入射したGB光は、透過不可のフィルタ、すなわち、R光透過フィルタ310Rに入射した場合には、再び反射されて、透過可能なフィルタに入射して有効な光として利用されるまでSCRインテグレータ200内を繰り返し往復することになる。
【0025】
なお、上述の説明は最初にR光フィルタ310Rに入射する光の場合を例に説明しているが、他のG光透過フィルタ310GあるいはB光透過フィルタ310Bに最初に入射する光においても同様である。
【0026】
以上説明したように、SCRプロジェクタ1000では、SCRホイール300で反射されて有効に利用されなかった光を再利用することが可能となる。従って、フィールドシーケンシャル表示において発生していたカラーホイールによる光の無駄を抑制して、光源装置100から射出された光を効率良く利用することが可能である。なお、このように光を再利用する技術を、「SCR技術」と呼んでいる。
【0027】
図6のリレー光学系400は、SCRホイール300を通過したSCRインテグレータ200の光射出面204における光の像を、DMD700の光入射面702を少なくとも含む領域上で所定の結像倍率で結像する機能を有しており、少なくとも1以上のレンズにより構成することができる。
【0028】
ここで、SCRホイール300のフィルタ面310はSCRインテグレータ200の光射出面204に近接配置されているので、リレー光学系400は、SCRホイール300を通過した光の像を所定の結像倍率で結像すると考えてもよい。なお、照明領域として結像される像(以下、「照明領域の像」とも呼ぶ。)の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)DAは、SCRインテグレータ200の光射出面の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)をDIとし、結像倍率をksとすると、以下の式で表される。
【0029】
DA=DI・ks …(1)
【0030】
なお、所定の結像倍率ksは、DMD700の光照射面を効率よく照明するように、照明領域の像の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)DAが光入射面702の大きさにほぼ等しくなるように設定される。通常、結像倍率ksは、約1.5倍〜約2.5倍の範囲で設定される。
【0031】
反射ミラー500は、リレー光学系400から射出された光がフィールドレンズ600を介してDMD700に入射するように反射する。
【0032】
DMD700は、光入射面702から入射する光を、与えられた画像信号(画像情報)に応じて各画素に対応するマイクロミラーで反射することにより、画像を表す画像光を投写レンズ800の方向に射出する機能を有する反射方向制御型光変調装置(マイクロミラー型光変調装置)である。DMD700の光入射面702から射出される画像光は、フィールドレンズ600及び投写レンズ800を介して投写される。これにより、画像光の表す画像が投写表示される。
【0033】
なお、反射ミラー500からDMD700までのシステム光軸1000axは、DMD700の上述の反射方向を制御する機能上の制約のために、DMD700から投写レンズ800までのシステム光軸1000axに対して所定の傾きを有することが要求される。このため、反射ミラー500は、リレー光学系400から射出される光の中心軸を反射して、DMD700から投写レンズ800までのシステム光軸1000axに対して所定の傾きを有するように配置されている。ただし、反射ミラー500は、光源装置100からリレー光学系400までの光学系の配置によっては、省略することも可能である。また、反射ミラー500は、必ずしも1枚である必要はなく、複数枚の反射ミラーを組み合わせて構成することも可能である。
【0034】
ここで、「DMD700の光入射面702」は、照射された光を画像光として利用可能な領域、すなわち、上述の各画素に対応するマイクロミラーが形成されている領域を示す。
【0035】
また、「所定の傾き」は、利用するデバイスに応じて適宜決定されものであり、以下の説明では特に問題ではないため、説明を省略する。
【0036】
ところで、図10は、DMD700の光入射面702を少なくとも含む領域上で結像される光の像を模式的に示す説明図である。SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光は、図8に破線で示したように、あるタイミングにおいて複数の色フィルタに入射する。従って、SCRホイール300を通過して結像される光の像は、図10に示すように、R,G,Bの複数の色光の領域に区分される。また、SCRホイール300の回転に応じて、各色フィルタの境界は放射方向に移動するので、これに応じて、SCRホイール300を通過した結像される光の像において、R,G,Bの複数の色光に区分されている領域のパターンは、例えば、図10(A)および(B)に示すように、例えば、表示タイミングT=0における状態から、表示タイミングT=1における状態へと変化する。なお、表示タイミングとは、表示画像のデータを更新する単位時間を示している。
【0037】
従って、ある表示タイミングにおいて、DMD700の各画素には、その画素に照射されている光の色に応じた色成分画像に相当する画像信号を供給する必要がある。照明される光の色のパターンは、例えば、SCRホイールの回転に応じて変化するようにSCRホイール300上に設けられた図示しない基準点の位置に応じて一義的に決定することが可能である。図示しない画像処理回路では、この基準点の位置を観測することにより対応する光の色のパターン情報を求めて、このパターン情報に応じて各画素の画像信号を生成して、DMD700に供給する。
【0038】
以上のようにして、SCRプロジェクタ1000では、各画素に、照射される光の色に応じた色成分画像を表示する。そして、表示された各画素の色成分画像が人間の目の残像効果によって合成されて1つのカラー画像として見えることになる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、SCRインテグレータ200の光入射面202近傍で結像される光源ランプ120のアーク像(以下、「2次光源像」と呼ぶ)の大きさは、以下のように決定される。すなわち、光源ランプ120のアーク像の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)をDsとし、2次光源像の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)をDiとし、楕円リフレクタ110の第1および第2焦点距離をf1,f2とすると、2次光源像の大きさDiは、以下の式で表される。
【0040】
Di=Ds・f2/f1 …(2)
【0041】
このアーク像の大きさDsは、有限の大きさを有しているため、上記(2)式からわかるように、2次光源像の大きさも有限の大きさを有している。このため、反射ミラー206の開口部206aの大きさよりも2次光源像の大きさDiの方が大きくなる場合もある。
【0042】
光源装置100から射出された集光光を効率よく利用するためには、2次光源像の大きさDiが反射ミラー206の開口部206aの大きさよりも小さくなるようにすることが好ましい。上記(2)式からわかるように、2次光源像の大きさを小さくするのは、第1焦点距離f1を大きくする、または、第2焦点距離f2を小さくすることにより可能である。しかしながら、このように単純に2次光源像を小さくしただけでは、以下の問題点がある。
【0043】
図11は、2次光源像を小さくした場合の問題点について示す説明図である。図11(A)は、SCRプロジェクタ1000の照明光学系部分を拡大してい示している。図11(A)に示すように、光源装置100の楕円リフレクタ110の第1焦点距離をf1、第2焦点距離をf2とする。2次光源像の大きさDiは、上記(2)式で表される。また、光源装置100から射出された集光光の中心軸100ax(光源装置100の中心軸)に対する最大傾斜角(以下、単に「入射角」と呼ぶ。)をθiとし、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光の、中心軸100axに対する最大傾斜角(以下、単に「射出角」と呼ぶ。)をθoとする。射出角θoはほぼ入射角θiに等しくなる。なお、SCRインテグレータ200の中心軸200ax(光入射面202および光射出面204に垂直な中心軸)は、光源装置100の中心軸100axに一致している。
【0044】
図11(B)は、図11(A)における光源装置100を、光源装置100の楕円リフレクタ110よりも短い第2焦点距離f2’(<f2)を有する楕円リフレクタ110’を有する光源装置100’に置き換えた場合を示している。
【0045】
図11(B)の場合における2次光源像の大きさDi’は以下の式で表される。
【0046】
Di’=Ds・f2’/f1 …(3)
【0047】
また、光源装置100’から射出された集光光の入射角をθi’とし、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光の射出角をθo’とする。射出角θo’はほぼ入射角θi’に等しくなる。
【0048】
図11(B)の場合、上記(2)式および(3)式を比較すればわかるように、f2’<f2によりDi’<Diとなって、2次光源像の大きさを小さくすることは可能である。
【0049】
しかしながら、図11(B)における楕円リフレクタ110’の開口面の大きさが図11(A)における楕円リフレクタ110の開口面の大きさに等しいとすると、θi’>θiとなり、これに応じてθo’>θoとなる。このため、SCRインテグレータ200から射出される光を効率よく利用するためには、図11(B)におけるリレー光学系400’の大きさLd’(レンズ口径)は、図11(A)におけるリレー光学系400のレンズ口径Ldに比べて大きくする必要がある。すなわち、単純に2次光源像の大きさを小さくする場合には、レンズ口径が大きなリレー光学系が必要となる。しかしながら、レンズ口径が大きなリレー光学系には、収差等の問題や製造コストの問題が発生する場合がある。
【0050】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、光の照度分布を均一にすることが可能なロッドインテグレータを備えたプロジェクタにおいて、光の利用効率を容易に向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【0051】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、画像を投写するプロジェクタであって、
集光光を射出する光源装置と、
光入射面が前記集光光の集束位置近傍に配置され、前記光源装置から射出された光の照度分布を均一化して光射出面から射出するためのロッドインテグレータと、
前記ロッドインテグレータから射出される光が入射し、該光を、与えられた画像信号に応じて反射して画像を表す画像光として射出する反射型光変調装置と、前記ロッドインテグレータから射出される光を、前記反射型光変調装置に導くためのリレー光学系と、を備え、
前記ロッドインテグレータは、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の前記光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の前記光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくするための傾斜角変更部を備えることを特徴とする。
【0052】
本発明のプロジェクタでは、ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、光源装置から射出される集光光の光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくすることができるので、従来例で説明したように、リレー光学系のレンズ口径を大きくすることなく、光源ランプのアークの像を小さくすることができる。これにより、光源装置から射出される光の利用効率を容易に向上させることが可能である。
【0053】
ここで、前記傾斜角変更部は凹レンズによって容易に構成することができる。
【0054】
なお、前記ロッドインテグレータは、内部が中空で、両端部に、それぞれ前記光入射面に相当する入射開口面と前記光射出面に相当する射出開口面を有し、前記内部の内側面に反射面を有している柱状の中空ロッドであって、入射開口面から入射した光を前記内側面で反射させながら前記射出開口面へ導き、該射出開口面から射出される光の照度分布をほぼ均一化する中空ロッドを含み、前記入射開口面を有する端部に前記凹レンズが設けられていることが好ましい。
【0055】
あるいは、前記ロッドインテグレータは、内部全体が透光性部材で形成された柱状のロッドであって、前記ロッドの光入射面から入射した光を、内部の媒質と外部の媒質との屈折率の差による内部全反射により光射出面へ導き、該光射出面から射出される光の照度分布をほぼ均一化するロッドを含み、前記ロッドの光入射面近傍に前記凹レンズが設けられているものも好ましい。
【0056】
上記どちらのロッドインテグレータであっても、ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の最大傾斜角よりも小さくすることが容易である。
【0057】
なお、上記プロジェクタにおいて、
さらに、前記ロッドインテグレータの光射出面に近接して配置され、所望の色光を透過し他の色光を反射する反射型色フィルタが、前記ロッドインテグレータから射出された光を複数の色光に区分して透過するようにスパイラル状に複数形成され、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の中心軸に略平行な回転軸を中心に回転することにより、透過する光に含まれる複数の色光の区分領域が循環的に変化するように構成されているカラーホイールを備えており、前記凹レンズの凹面は、前記光源装置から射出される集光光の中心軸を略中心とする部分に設けられており、
前記ロッドインテグレータは、さらに、前記凹レンズの近傍に設けられた反射ミラーであって、前記凹レンズの凹面に対応する部分に開口を有し、該開口の外周側に、前記カラーホイールで反射され、前記ロッドインテグレータ内を前記光射出面側から前記光入射面側に戻る光を反射する反射面を有する反射ミラーを備えることも可能である。
【0058】
上記構成にすれば、SCR技術を利用したプロジェクタにおいて本発明を適用することが可能となる。
【0059】
なお、前記反射ミラーは、前記凹レンズの前記射出開口面側を向く面上に形成されることが好ましい。
【0060】
こうすれば、反射ミラーが凹レンズの前記射出開口面側を向く面上に形成されない場合に比べて、ロッドインテグレータにおける光の損失を抑制することが可能である。
【0061】
また、本発明は、所定の領域を照明する照明光学系であって、
集光光を射出する光源装置と、
光入射面が前記集光光の集束位置近傍に配置され、前記光源装置から射出された光の照度分布を均一化して光射出面から射出するためのロッドインテグレータと、
前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光を前記所定の領域に導くためのリレー光学系と、を備え、
前記ロッドインテグレータは、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の前記光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の前記光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくするための傾斜角変更部を備えることを特徴とする。
【0062】
上記発明の照明光学系を、プロジェクタに適用すれば、上記発明のプロジェクタを構成することが可能である。
【0063】
【発明の実施の形態】
A.実施例:
図1は、本発明の実施例に係るSCRプロジェクタを示す概略平面図である。このSCRプロジェクタ1000Aは、従来例で説明したSCRプロジェクタ1000(図6)のSCRインテグレータ200をSCRインテグレータ200Aに置き換えた点、および、光源装置100を光源装置100’(図11)に相当する光源装置100Aに置き換えた点を除いて同じ構成を有している。なお、反射ミラー500を除く各構成要素100A,200A,300,400,600,700,800は、SCRプロジェクタに最低限必要な構成要素を示しており、各構成要素間に反射ミラーやレンズ等の種々の光学要素を適宜配置することが可能である。各構成要素の機能は従来例と全く同じであるので、以下では、SCRインテグレータ200Aについて特に説明を加える。
【0064】
図2は、SCRインテグレータ200Aを示す説明図である。図2(A)の斜視図に示すように、SCRインテグレータ200Aは、内部が中空で、両端部が開口されており、両端部の輪郭が略矩形状を有する柱状の中空ロッド210を有している。
【0065】
中空の内側面全体には反射ミラーが形成されている。この反射ミーは、アルミニウム膜、銀膜等により形成される。また、誘電体多層膜(コールドミラー等)を蒸着することによっても形成可能である。また、ESRフィルム(3M社製)を貼り付けることによっても形成可能である。
【0066】
この中空ロッド210は、一方の端部の開口面から入射した光を、内側面で反射させながら他方の端部の開口面に導き、他方の端部の開口面から射出される光の照度分布をほぼ均一化する機能を有している。この中空ロッド210は、従来例におけるSCRインテグレータ200(図6)に含まれている透光性ロッドと同様の機能を有している。
【0067】
中空ロッド210の開口された一方の端部が光入射面212に相当し、他方の端部が光射出面214に相当する。光入射面212に相当する一方の端部には、図2(B)に示すように、凹レンズ220がはめ込まれている。
【0068】
凹レンズ220において、中空ロッド210から外側を向く一方の面222には凹面222aが形成されており、内側を向く他方の面224には反射ミラー230が形成されている。この反射ミラー230は、従来例のSCRインテグレータ200(図7)における反射ミラー206に相当する。凹面222aは、凹レンズ220の一方の面222において、光入射面212および光射出面214に垂直なSCRインテグレータ200Aの中心軸200Aaxを中心とする一部分に形成されている。反射ミラー230において、凹レンズ220の凹面222aに対応する部分には、反射ミラー206の開口部206aと同様に、図示しない開口部が形成されている。なお、反射ミラー230が形成されている面において、反射ミラー230の開口部に対応する部分に凹面を形成するようにしてもよい。また、反射ミラー230を、凹面222aが形成されている側の面222に形成するようにしてもよい。
【0069】
図3は、SCRインテグレータ200Aの機能を示す説明図である。光源装置100Aから射出される集光光は、上記課題で説明した光源装置100’を用いた場合(図11)と同様に、光源装置100を用いた場合の入射角θiよりも大きな入射角θi’で、凹レンズ220の凹面222aを介してSCRインテグレータ200Aの内部に入射する。
【0070】
凹レンズ220は、光を発散させる働き、すなわち、いわゆる負のレンズパワーを有しているので、凹レンズ220を介して内部に入射される光の最大傾斜角θp(以下、「内部入射角」と呼ぶ。)を入射角θi’よりも小さくすることができる。従って、凹レンズの特性を適切に選択することにより、内部入射角θpを、従来例のSCRプロジェクタ1000のように光源装置100を用いた場合における入射角θi(図11)にほぼ等しくすることが可能である。一般に、中空ロッド210への入射角と射出角は等しいので、本例における射出角θo’を、従来例のSCRプロジェクタ1000における入射角θiにほぼ等しくすることができ、また、射出角θo(図11)にほぼ等しくできる。従って、課題で説明したように、2次光源像の大きさを小さくするために、レンズ口径の大きなリレー光学系を用いる必要がない。さらに、内部入射角θpを入射角θiよりも小さくするようにすれば、より小さなレンズ口径のリレー光学系を利用することができ、装置の小型化を図ることも可能となる。なお、この凹レンズ220が本発明の傾斜角変更部に相当する。
【0071】
また、光源装置100Aは、従来例の光源装置100の楕円リフレクタ110の第2焦点距離f2よりも短い第2焦点距離f2’を有する楕円リフレクタ110’を用いて構成されているので、SCRインテグレータ200Aの光入射面近傍で結像される2次光源像の大きさDi’を、従来例の光源装置100における2次光源像の大きさDiよりも小さくすることができる。これにより、SCRインテグレータ200Aに入射する光の効率を向上させることが可能である。
【0072】
以上説明したように、本実施例のプロジェクタ1000Aでは、SCRインテグレータ200Aを用いることにより、従来例のプロジェクタ1000のリレー光学系400をそのまま利用することができるので、課題で説明したレンズ口径の大きなリレー光学系を用いる必要があるという問題を解決して、光の利用効率を容易に向上させることが可能となる。そして、均一でより明るい画像の投写表示を容易に実現することができる。
【0073】
B.変形例:
なお、本発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0074】
B1.変形例1:
図4は、変形例としてのSCRインテグレータ200Bを示す概略斜視図である。
【0075】
このSCRインテグレータ200Bは、実施例におけるSCRインテグレータ200A(図2)のような中空ロッド210ではなく、従来例におけるSCRインテグレータ200のような内部全体が透光性部材で形成されたロッド210B(透光性ロッド)の光入射面212B上に、傾斜角変更部としての凹レンズ220(図2)を反射ミラー230が形成されている面で貼り合わせた構成を有している。
【0076】
本変形例のSCRインテグレータ200Bを、実施例のSCRインテグレータ200Aと置き換えても、実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0077】
B2.変形例2:
図5は、他の変形例としてのSCRインテグレータ200Cを示す説明図である。
【0078】
このSCRインテグレータ200Cは、図5(A)の概略斜視図に示すように、透光性ロッド210Cの光入射面212C上に、反射ミラー206に相当する反射ミラー230Cが形成された構成を有している。このSCRインテグレータ200Cの構成は、従来例のSCRインテグレータ200(図2)と基本的に同様な構成を有しているが、以下に示す点を除いてでSCRインテグレータ200と異なっている。
【0079】
図5(B)は、図5(A)に一点鎖線で示すようにSCRインテグレータ200Cを切断し、矢印A方向に向いて見た概略切断面を示している。この概略切断面に示すように、透光性ロッド210Cは、屈折率n2の透光性部材で形成され、両面が凹面形状を有する部分210Ca(以下、「凹面形状部分」と呼ぶ。)と、凹面形状部分210Caを挟み、屈折率n1の透光性部材で形成された2つの部分210Cb,210Ccで、凹面に対応する面が凹面の曲率にほぼ等しい凸面を有している部分(以下、「凸面形状部分」と呼ぶ。)とが互いに貼り合わされた構成を有している。
【0080】
凹面形状部分210Caの屈折率n2は、2つの凸面形状部分210Cb,210Ccの屈折率n1よりも大きい。これにより、凹面形状部分210Caは凹レンズとして機能し、この凹面形状部分210Caに入射して射出される光の最大傾斜角θ2は、入射する光の最大傾斜角θ1よりも小さくすることができる。この凹面形状部分210Caが本発明の傾斜角変更部に相当する。
【0081】
従って、本変形例のSCRインテグレータ200Cも、実施例におけるSCRインテグレータ200Aや変形例のSCRインテグレータ200Bと同様であり、実施例のSCRインテグレータ200Aと置き換えても、同様の作用・効果を得ることができる。
【0082】
B3.変形例3:
上記実施例および変形例1では、光入射面側に凹レンズが形成されている構成を示しているが、光射出面側に凹レンズが形成されている構成とすることも可能である。なお、この場合には、凹レンズの面上に形成されている反射ミラーを光入射面上に形成する必要がある。
【0083】
B4.変形例4:
上記実施例では、反射型光変調装置としてDMDを備えているプロジェクタを例に説明しているが、例えば、1つの反射型液晶パネルを備えるプロジェクタにも本発明を適用することが可能であり、種々の反射型変調装置を利用したプロジェクタにも本発明を適用することが可能である。
【0084】
B5.変形例5:
上記実施例では、SCR技術を利用したプロジェクタを例に説明しているが、これを利用しないプロジェクタにも本発明を適用することが可能である。SCR技術を用いないプロジェクタの場合には、実施例や変形例におけるSCRインテグレータの光入射面側に形成されている反射ミラーを省略することができる。また、凹レンズとしては、凹面が形成されている面の一部分ではなく前面に凹面が形成されてものを用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るSCRプロジェクタを示す概略平面図である。
【図2】SCRインテグレータ200Aを示す説明図である。
【図3】SCRインテグレータ200Aの機能を示す説明図である。
【図4】変形例としてのSCRインテグレータ200Bを示す概略斜視図である。
【図5】他の変形例としてのSCRインテグレータ200Cを示す説明図である。
【図6】SCR技術を用いたプロジェクタの要部を示す概略平面図である。
【図7】SCRインテグレータ200を示す説明図である。
【図8】SCRホイール300を示す説明図である。
【図9】SCRホイール300で反射された光について示す説明図である。
【図10】DMD700の光入射面702を少なくとも含む領域上で結像される光の像を模式的に示す説明図である。
【図11】2次光源像を小さくした場合の問題点について示す説明図である。
【符号の説明】
1000…プロジェクタ(SCRプロジェクタ)
1000A…プロジェクタ(SCRプロジェクタ)
1000ax…システム光軸
100…光源装置
100’…光源装置
100A…光源装置
100ax…中心軸
110…楕円リフレクタ
120…光源ランプ
110’…楕円リフレクタ
200…ロッドインテグレータ(SCRインテグレータ)
200ax…中心軸
202…光入射面
204…光射出面
206…反射ミラー
200A…ロッドインテグレータ(SCRインテグレータ)
200Aax…中心軸
210…中空ロッド
212…光入射面
214…光射出面
220…凹レンズ
222,224…面
222a…凹面
230…反射ミラー
200B…ロッドインテグレ−タ(SCRインテグレータ)
210B…透光性ロッド
212B…光入射面
214B…光射出面
200C…ロッドインテグレ−タ(SCRインテグレータ)
200Cax…中心軸
210C…透光性ロッド
212C…光入射面
214C…光射出面
210Ca…凹面形状部
210Cb、210Cc…凸面形状部
230C…反射ミラー
300…SCRホイール(SCR用のカラーホイール)
310…フィルタ面
310R…R光透過フィルタ
310G…G光透過フィルタ
310B…B光透過フィルタ
320…回転軸
400…リレー光学系
400ax…中心軸
500…反射ミラー
600…フィールドレンズ
600ax…中心軸
700…DMD
700ax…中心軸
702…光入射面
800…投写レンズ(投写光学系)
Claims (7)
- 画像を投写するプロジェクタであって、
集光光を射出する光源装置と、
光入射面が前記集光光の集束位置近傍に配置され、前記光源装置から射出された光の照度分布を均一化して光射出面から射出するためのロッドインテグレータと、
前記ロッドインテグレータから射出される光が入射し、該光を、与えられた画像信号に応じて反射して画像を表す画像光として射出する反射型光変調装置と、前記ロッドインテグレータから射出される光を、前記反射型光変調装置に導くためのリレー光学系と、を備え、
前記ロッドインテグレータは、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の前記光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の前記光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくするための傾斜角変更部を備えることを特徴とする、
プロジェクタ。 - 前記傾斜角変更部は凹レンズによって構成される請求項1記載のプロジェクタ。
- 請求項2記載のプロジェクタであって、
前記ロッドインテグレータは、内部が中空で、両端部に、それぞれ前記光入射面に相当する入射開口面と前記光射出面に相当する射出開口面を有し、前記内部の内側面に反射面を有している柱状の中空ロッドであって、入射開口面から入射した光を前記内側面で反射させながら前記射出開口面へ導き、該射出開口面から射出される光の照度分布をほぼ均一化する中空ロッドを含み、前記入射開口面を有する端部に前記凹レンズが設けられている、プロジェクタ。 - 請求項2記載のプロジェクタであって、
前記ロッドインテグレータは、内部全体が透光性部材で形成された柱状のロッドであって、前記ロッドの光入射面から入射した光を、内部の媒質と外部の媒質との屈折率の差による内部全反射により光射出面へ導き、該光射出面から射出される光の照度分布をほぼ均一化するロッドを含み、前記ロッドの光入射面近傍に前記凹レンズが設けられている、プロジェクタ。 - 請求項3または請求項4に記載のプロジェクタであって、
さらに、前記ロッドインテグレータの光射出面に近接して配置され、所望の色光を透過し他の色光を反射する反射型色フィルタが、前記ロッドインテグレータから射出された光を複数の色光に区分して透過するようにスパイラル状に複数形成され、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の中心軸に略平行な回転軸を中心に回転することにより、透過する光に含まれる複数の色光の区分領域が循環的に変化するように構成されているカラーホイールを備えており、前記凹レンズの凹面は、前記光源装置から射出される集光光の中心軸を略中心とする部分に設けられており、
前記ロッドインテグレータは、さらに、前記凹レンズの近傍に設けられた反射ミラーであって、前記凹レンズの凹面に対応する部分に開口を有し、該開口の外周側に、前記カラーホイールで反射され、前記ロッドインテグレータ内を前記光射出面側から前記光入射面側に戻る光を反射する反射面を有する反射ミラーを備える、プロジェクタ。 - 前記反射ミラーは、前記凹レンズの前記射出開口面側を向く面上に形成される請求項5記載のプロジェクタ。
- 所定の領域を照明する照明光学系であって、
集光光を射出する光源装置と、
光入射面が前記集光光の集束位置近傍に配置され、前記光源装置から射出された光の照度分布を均一化して光射出面から射出するためのロッドインテグレータと、
前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光を前記所定の領域に導くためのリレー光学系と、を備え、
前記ロッドインテグレータは、前記ロッドインテグレータの光射出面から射出される光の前記光射出面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角を、前記光源装置から射出される集光光の前記光入射面に垂直な中心軸に対する最大傾斜角よりも小さくするための傾斜角変更部を備えることを特徴とする、
照明光学系。
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JP2002198623A JP2004038086A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | プロジェクタ |
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2004038086A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006058859A (ja) * | 2004-07-23 | 2006-03-02 | Kazuji Yoshida | 画像表示装置 |
JP2006317818A (ja) * | 2005-05-16 | 2006-11-24 | Hitachi Ltd | 投射型映像表示装置 |
CN100367077C (zh) * | 2004-12-30 | 2008-02-06 | 中强光电股份有限公司 | 光学投影装置及其调整方法 |
JP2010256572A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Olympus Corp | 投射型表示装置 |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002198623A patent/JP2004038086A/ja active Pending
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JP2006058859A (ja) * | 2004-07-23 | 2006-03-02 | Kazuji Yoshida | 画像表示装置 |
CN100367077C (zh) * | 2004-12-30 | 2008-02-06 | 中强光电股份有限公司 | 光学投影装置及其调整方法 |
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