JP2004037999A - 加熱転写方法、加熱転写装置、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

加熱転写方法、加熱転写装置、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Yasukuni Komata
小俣 安国
Hideaki Mochimaru
持丸 英明
Hiroharu Suzuki
鈴木 弘治
Tokumasa Somiya
宗宮 徳昌
Chiemi Kaneko
兼子 千恵美
Kunihiko Tomita
富田 邦彦
Naotaka Iwata
岩田 尚貴
Shigeru Watanabe
渡邊 滋
Hiroshi Yokoyama
横山 博司
Hisao Murayama
村山 久夫
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Abstract

【課題】カット紙等の記録体であっても、それに対して予備加熱を施してから両面加熱転写を施すことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写紙Pの両面にトナー像を加熱転写する加熱転写装置は、次のものを備えている。即ち、第1,2加熱ローラ(12,19)等から構成される両面加熱転写手段、転写紙Pを収容する紙収容カセットA,B(26a,b)、両面加熱転写に先立って転写紙Pを予備加熱する予備加熱手段、転写紙を少なくとも紙収容カセットA,Bから両面加熱転写手段まで搬送する搬送手段などである。この搬送手段として、加熱される表面を無端移動させるように回転駆動されるレジストローラ対28によって転写紙Pを加熱しながら搬送することで、上記予備加熱手段を兼ねるものを用いた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる加熱転写方法及び画像形成方法、並びにこれらを用いる加熱転写装置及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、可視像たるトナー像を感光体等の像担持体から転写紙等の記録体に転写して画像を形成する画像形成装置では、転写ニップにおける静電転写方式を採用するのが一般的であった。像担持体とこれに向けて押圧される転写バイアス部材とによって形成した転写ニップに、転写電界を形成しながら記録体を挟み込む方式である。そうすると、転写ニップにて、像担持体上のトナー像を転写電界の影響によって記録体上に静電的に転写することができる。しかしながら、この方式では、転写ニップの入口や出口にて放電が生じたり弱電界が形成されたりして、トナー像中のトナー粒子を飛散させることがある。そして、これによって、トナーチリや滲みを発生させて画像劣化を引き起こしてしまう。
【0003】
一方、従来、像担持体上のトナー像を記録体に密着させながら加熱転写する加熱転写方式を採用した画像形成装置も知られている。かかる加熱転写方式によれば、転写電界を形成せずにトナー像を転写するので、放電や弱電界によるトナー飛散を生ずることがない。よって、トナーチリや滲みのない高品質の画像を得ることができる。
【0004】
また一方、記録体をできるだけ有効利用するという観点から、その両面にトナー像を転写する両面転写方式を採用した画像形成装置も知られている。更には、この両面転写方式と、上述の加熱転写方式とを併用する画像形成装置も知られている。
【0005】
かかる併用を実現する画像形成装置としては、特開平9−179373号公報に開示されたものがある。この画像形成装置は、互いに当接しながら順方向に無端移動して転写ニップを形成する中間転写ベルト対や、転写ニップにて両ベルトを個々にその裏面から加熱するための2つの案内ローラを備えている。また、互いに対応配設された赤外軸射ヒータ対、記録体たるロール紙、これを搬送駆動するための駆動ローラ対なども備えている。両中間転写ベルト上には、それぞれに対応するトナー画像生成ステーションで生成されたトナー像が中間転写される。ロール紙の自由端側は、上記赤外軸射ヒータ対のヒータ間、上記転写ニップ、上記駆動ローラ対のローラ間という搬送路内を延在するように張架されている。ロール紙の自由端側を、上記転写ニップよりも下流側の駆動ローラ対によって引っ張って、転写ニップよりも上流側の上記赤外軸射ヒータ対や転写ニップに向けて引込搬送する仕組みである。転写ニップに引き込まれたロール紙の自由端側の両面には、それぞれに対応する中間転写ベルト上のトナー像が加熱転写される。但し、ロール紙の自由端側はこの加熱転写に先立ち、予備加熱手段たる上記赤外軸射ヒータ対によって予備加熱される。上記転写ニップに進入するのに先立ってこのような予備加熱が施されることで、転写ニップにおける急激な温度変化が抑えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、同公報では、上述のようにしてロール紙に予備加熱と加熱両面転写とを施す技術が開示されているものの、例えばA4サイズ紙などのカット紙を使用する技術の具体的な開示はない。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、カット紙等の記録体であっても、それに対して予備加熱を施してから両面加熱転写を施すことができる加熱転写方法、画像形成方法、加熱転写装置及び画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録体を収容手段内に収容する収容工程と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写工程と、該両面加熱転写工程に先立って記録体を予備加熱する予備加熱工程と、記録体を少なくとも該収容工程から該両面加熱転写工程まで搬送する搬送工程とを実施する加熱転写方法であって、加熱される表面を無端移動させるように駆動される加熱無端移動体によって記録体を加熱しながら搬送することで、上記搬送工程と上記予備加熱工程を実施することを特徴とするものである。また、請求項2の発明は、記録体を収容手段内に収容する収容工程と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写工程と、該両面加熱転写工程に先立って記録体を予備加熱する予備加熱工程と、記録体を少なくとも該収容工程から該両面加熱転写工程まで搬送する搬送工程とを実施する加熱転写方法であって、上記予備加熱工程が上記収容手段内の記録体を加熱する工程であり、且つ、上記搬送工程が、上記両面加熱転写工程に送られる前の記録体を駆動体によって該両面加熱転写工程に向けて搬送する工程であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、記録体を収容する収容手段と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写手段と、この両面加熱転写に先立って記録体を予備加熱する予備加熱手段と、記録体を少なくとも該収容手段から該両面加熱転写手段まで搬送する搬送手段とを備える加熱転写装置であって、上記搬送手段が、加熱される表面を無端移動させるように駆動される加熱無端移動体によって記録体を加熱しながら搬送することで、上記予備加熱手段を兼ねることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、記録体を収容する収容手段と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写手段と、この両面加熱転写に先立って記録体を予備加熱する予備加熱手段と、記録体を少なくとも該収容手段から該両面加熱転写手段まで搬送する搬送手段とを備える加熱転写装置であって、上記予備加熱手段が上記収容手段内の記録体を加熱し、且つ、上記搬送手段が、上記両面転写手段に送られる前の記録体を駆動体によって該両面転写手段に向けて搬送することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、記録体を収容手段内に収容する収容工程と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写工程と、該両面加熱転写工程に先立って記録体を予備加熱する予備加熱工程と、記録体を少なくとも該収容工程から該両面加熱転写工程まで搬送する搬送工程とを実施して記録体の両面に画像を転写する加熱転写方法と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成方法とを用いて記録体の両面に画像を形成する画像形成方法であって、上記加熱転写方法が、請求項1の加熱転写方法であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、記録体を収容手段内に収容する収容工程と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写工程と、該両面加熱転写工程に先立って記録体を予備加熱する予備加熱工程と、記録体を少なくとも該収容工程から該両面加熱転写工程まで搬送する搬送工程とを実施して記録体の両面に画像を転写する加熱転写方法と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成方法とを用いて記録体の両面に画像を形成する画像形成方法であって、上記加熱転写方法が、請求項2の加熱転写方法であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、該像担持体上の可視像を記録体に加熱転写する加熱転写装置とを備え、且つ、該加熱転写装置に、記録体を収容する収容手段と、該像担持体上の可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写手段と、この加熱転写に先立って記録体を予備加熱する予備加熱手段と、記録体を少なくとも該収容手段から該両面加熱転写手段まで搬送する搬送手段とを有する画像形成装置であって、上記加熱転写装置が、請求項3の加熱転写装置であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置であって、上記搬送手段が、回転駆動される加熱回転ローラを上記加熱無端移動体として複数用い、互いに当接しながら順方向に回転する加熱回転ローラ対に記録体を挟み込むことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置であって、上記加熱回転ローラ対が、記録体を挟み込んだ状態で回転停止した後、所定のタイミングで回転再開して記録体を上記両面加熱転写手段に向けて送り出すタイミングローラ対であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、該像担持体上の可視像を記録体に加熱転写する加熱転写装置とを備え、且つ、該加熱転写装置に、記録体を収容する収容手段と、該像担持体上の可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写手段と、この加熱転写に先立って記録体を予備加熱する予備加熱手段と、記録体を少なくとも該収容手段から該両面加熱転写手段まで搬送する搬送手段とを有する画像形成装置であって、上記加熱転写装置が、請求項4の加熱転写装置であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置であって、上記予備加熱手段が、上記収容部内の記録体を面状発熱体によって加熱することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項7、8、9、10又は11の画像形成装置であって、上記可視像形成手段が、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像して可視像を得る現像手段と、該潜像担持体上の可視像を中間転写体に中間転写せしめる中間転写手段とを有し、且つ、上記像担持体が該中間転写体であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置であって、上記中間転写体の素材がポリイミド樹脂又はポリアミド樹脂であることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項12又は13の画像形成装置であって、上記両面加熱転写手段による加熱転写位置を経由した後、上記可視像が中間転写される中間転写位置に進入する前の上記中間転写体を冷却する冷却手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置であって、上記冷却手段が、上記中間転写体に当接しながら回転するヒートパイプであることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項14又は15の画像形成装置であって、上記両面加熱転写手段が、可視像を記録体の両面に加熱定着せしめる加熱定着手段を兼ねることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項16の画像形成装置であって、上記両面加熱転写手段を経由した後の上記像担持体上に残留する画像形成物質を加熱クリーニングする加熱クリーニング手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項13、14又は15の画像形成装置であって、上記両面加熱転写手段を経由した後の記録体の両面に可視像を加熱定着せしめる加熱定着手段を、該両面加熱転写手段とは別に備えることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項7乃至18の何れかの画像形成装置であって、上記記録体の厚み情報を取得する厚み情報取得手段と、該厚み情報取得手段による取得結果に基づいて上記予備加熱手段の発熱量を調整する発熱量調整手段とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項7乃至19の何れかの画像形成装置であって、単位時間あたりにおける上記記録体と上記予備加熱手段との接触面積を取得する接触面積取得手段と、該接触面積取得手段による取得結果に基づいて上記予備加熱手段の発熱量を調整する発熱量調整手段とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
これらの発明において、請求項1又は3の構成を備えるものでは、両面加熱転写位置に送られる前の記録体を、駆動される加熱無端移動体によって予備加熱しながら該両面加熱転写位置に向けて搬送する。かかる構成では、両面加熱転写位置よりも下流に配設された下流駆動体(例えば特開平9−179373号公報に記載の駆動ローラ対)によらずに、記録体を収容手段から両面転写位置まで搬送することが可能である。よって、収容手段内から両面加熱転写位置よりも下流まで連続して延びるほど長くないカット紙等の記録体であっても、それに対して予備加熱を施してから両面加熱転写を施すことができる。
また、請求項2又は4の構成を備えるものでは、収容手段内で予備加熱を施した記録体に対して、両面加熱転写位置よりも上流で駆動体によって搬送力を付与する。かかる構成においても、収容手段内から両面加熱転写位置よりも下流まで連続して延びるほど長くないカット紙等の記録体に対して、予備加熱を施してから両面加熱転写を施すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置の第1実施形態として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの概略構成図である。図において、このプリンタ100Aは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ6Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスカートリッジ6Yを例にすると、図2に示すように、ドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置3Y、帯電装置4Y、現像装置5Y等を備えている。感光体1Yは、直径10〜100[mm]のアルミ製円筒に、光導電性物質である有機半導体の表面層が被覆されている。アモルファスシリコン性の表面層が被覆されたものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。そして、後述の中間転写ベルト8上に中間転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、除電装置3Yは、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスカートリッジ6M,C,Kにおいても、同様にして感光体1M,C,K上にM,C,Kトナー像が形成され、中間転写ベルト上に中間転写される。
【0011】
先に示した図1において、プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kの図中下方には、露光装置7が配設されている。潜像形成手段たる露光装置7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。かかる構成の露光装置7に代えて、LEDアレイからのLED光を照射する露光手段を採用しても良い。
【0012】
露光装置7の図中下側には、紙収容カセットA,B(26a,b)、これらに組み込まれた給紙ローラ27a,b、レジストローラ対28など有する給紙手段が配設されている。レジストローラ対28は、第1レジストローラ28aと第2レジストローラ28bとを有している。2つの紙収容カセットA,B(26a,b)は、記録体たる転写紙Pが複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の転写紙Pには給紙ローラA,B(27a,b)が当接している。給紙ローラA,B(27a,b)が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の転写紙Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給紙される。レジストローラ対28は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転駆動するが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。かかる構成の給紙手段においては、給紙ローラA,B(27a,b)と、タイミングローラ対たるレジストローラ対28との組合せによって搬送手段が構成されている。この搬送手段は、転写紙Pを収容手段たる紙収容カセットA,B(26a,b)から後述の2次転写ニップまで搬送するものである。
【0013】
プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kの図中上方には、中間転写体たる1次転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる1次転写ユニット15が配設されている。この1次転写ユニット15は、1次転写ベルト8の他、4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,K、第1クリーニング装置10、ヒートパイプ11などを備えている。また、第1加熱ローラ12、第1クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14なども備えている。1次転写ベルト8は、これら3つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる1次転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは1次転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものであるが、電極から放電するチャージャ方式のものであってもよい。1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。1次転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、1次転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。図示しないヒータ等の熱源を内包する第1加熱ローラ12は、後述の第2加熱ローラ19との間に1次転写ベルト8及び2次転写ベルト16を挟み込んで2次転写ニップを形成している。1次転写ベルト上に形成された4色トナー像は、この2次転写ニップで2次転写ベルト16あるいは転写紙Pに加熱転写される。2次転写ニップを通過した後の1次転写ベルト8には、2次転写ベルト16あるいは転写紙Pに加熱転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、第1クリーニング装置10によってクリーニングされる。具体的には、1次転写ベルト8は、そのループ外面(おもて面)側に配設された第1クリーニング装置10のクリーニングローラ10aと、そのループ内面側に配設された第1クリーニングバックアップローラ13との間に挟まれる。そして、おもて面上の転写残トナーが第1クリーニングバックアップローラ13上に転移することでクリーニングされる。第1クリーニングバックアップローラ13上に転移した転写残トナーは、第1クリーニング装置10内部の掻き取りブレード10bによって掻き取られた後、搬送スクリュウ10cによって図示しない回収部に搬送される。クリーニング後の1次転写ベルト8は、ヒートパイプ11によって冷却されて次の1次転写に備えられる。
【0014】
1次転写ユニット15の図中左側方には、中間転写体たる2次転写ベルト16を張架しながら無端移動せしめる2次転写ユニット23が配設されている。この2次転写ユニット23は、2次転写ベルト16の他、ニップ拡張ローラ17、第2クリーニング装置18などを備えている。また、図示しない熱源を内包する第2加熱ローラ19、ヒートパイプローラ20、テンションローラ21、第2クリーニングバックアップローラ22なども備えている。1次転写ベルト16は、これら4つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中時計回りに無端移動せしめられる。第2加熱ローラ19は、このように無端移動せしめられる2次転写ベルト16、及び1次転写ユニット15で無端移動せしめられる1次転写ベルト8を、上記第1加熱ローラ12との間に挟み込んで2次転写ニップを形成している。
【0015】
先に説明したレジストローラ対28は、転写紙Pを第1転写ベルト8上の4色トナー像に密着させ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り出す。但し、この4色トナー像が、転写紙Pの第2面(スタック部30上で上を向く面)に転写される第2面用トナー像である場合には、転写紙Pを送り出さない。よって、第2面用トナー像は2次転写ニップでまず2次転写ベルト16上に加熱転写される。これに対し、第1転写ベルト8上の4色トナー像が転写紙Pの第1面(スタック部30上で下を向く面)に転写される第1面用トナー像は、2次転写ニップに向けてタイミングを合わせて搬送されてくる転写紙Pの第1面に直接的に加熱転写される。この際、先に2次転写ベルト16上に2次転写された第2面用トナー像がベルトとともに一周して2次転写ニップに戻ってくる。そして、転写紙Pの第2面に加熱転写される。このことにより、転写紙Pの両面に画像が転写される。転写紙Pの第1面、第2面に転写された第1面用トナー像、第2面用トナー像は、それぞれ転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
【0016】
2次転写ニップを通過した後の2次転写ベルト16は、ヒートパイプローラ20によって冷却される。そして、第2クリーニングバックアップローラ22と第2クリーニング装置18の間に挟み込まれるクリーニング位置にて、第2クリーニング装置18のクリーニングローラ18aによって転写残トナーがクリーニングされる。クリーニングされた転写残トナーは、第2クリーニング装置18内部で、掻き取りブレード18bによって掻き取られた後、搬送スクリュウ10cによって図示しない回収部に搬送される。第2クリーニング装置18のクリーニングローラ18aが2次転写ベルト16に常に当接していると、2次転写ベルト16上に加熱転写された第2面用トナー像もクリーニングしてしまうことになる。そこで、第2クリーニング装置18は、図示しない揺動機構によって揺動軸18dを中心に図中矢印方向に揺動することで、そのクリーニングローラ18aを2次転写ベルト16に接離させるように構成されている。そして、少なくとも上記クリーニング位置を第2面用トナー像が通過する間は、クリーニングローラ18aを2次転写ベルト16から離間させることで、第2面用トナー像のクリーニングを回避する。
【0017】
図3は、上記2次転写ニップとその周囲構成を示す拡大構成図である。図において、1次転写ベルト8を張架する第1加熱ローラ12は、その周面の一部に1次転写ベルト8を巻き掛けている。また、2次転写ベルト16は、ニップ拡張ローラ17、第2加熱ローラ19、図示しない他のローラによって張架されている。第1加熱ローラ12は、1次転写ベルト8を巻き掛けている部分を、2次転写ベルト8におけるニップ拡張ローラ17から第2加熱ローラ19に至るまでの架橋部分に食い込ませるように配設されている。このような食い込み配設により、2次転写ベルト8は1次転写ベルト8を介して、上記架橋部分の一部を第1加熱ローラに巻き掛ける形状になっており、その長さ方向において1次転写ベルト8に広く接触している。このように2次転写ベルト16が1次転写ベルト8に対して接触している部分は、両面加熱転写が行われる両面加熱転写位置としての2次転写ニップである。
【0018】
2次転写ニップにおける2次転写ベルト16の第1加熱ローラ12に対する巻き付け曲率については、各種設計事項を考慮して適切に設定される。第1加熱ローラ12や第2加熱ローラ19により、トナーを加熱して転写紙Pや2次転写ベルト16にほぼ完全に転写する時間を十分にかせげる程度に2次転写ニップの長さを確保するように設計するのが望ましい。上記巻き付け曲率を大きくするほど2次転写ニップを長くして転写性を向上させることができる。しかし、この場合、厚紙や高剛性の紙を2次転写ニップで変形させて、後の搬送性を悪化させるおそれがでてくる。
【0019】
2次転写ニップにおいては、転写紙Pが互いに順方向に表面移動する1次転写ベルト8と2次転写ベルト16との間に挟まれて、上記レジストローラ対28側とは反対方向に搬送される。先に図1に示したように、この方向には排紙ローラ対29が配設されている。2次転写ニップから送り出された転写紙Pは、テンションローラ21によるベルト張架位置で2次転写ベルト16から分離された後、排紙ローラ対29のローラ間を経て機外へと排出される。プリンタ本体の上面には、スタック部30が形成されており、上記排紙ローラ対29によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部30に順次スタックされる。
【0020】
加熱転写方式におけるトナー像の転写方向は、転写ニップでトナー像を挟み込んでいる2つの部材間における表面性の差に依存する。具体的には、例えば転写ニップにおいて2つの部材A,Bが互いに接触しながら順方向に表面移動すると仮定する。これら部材A,B間に挟み込まれながら加熱によって軟化したトナー像は、部材A,Bが離間する転写ニップ出口で、表面粗さの大きい方の部材に転移する。表面粗さの大きい方の部材がその表面の凹凸によってトナー像との接触面積をより広くして、トナー離型性を発揮し難くなるからである。よって、表面粗さが「部材A>部材B」という関係であれば、トナー像は部材Aの方に転写される。なお、転写紙Pの表面粗さ(Rz)は30〜50[μm]程度である。
【0021】
このような加熱転写方式において、転写紙Pや2次転写ベルトへの4色トナー像の転写元となる1次転写ベルト8に求められる条件は、次に列記する通りである。
・熱による伸縮率が極めて低い
・感光体からのトナー像の静電的な1次転写を実現するのに適した抵抗値(表面抵抗値及び体積抵抗値)である
・1次転写された4色トナー像を表面に保持することができる
・トナーとの接触角が110[度]程度である
・表面粗さが転写紙Pや2次転写ベルトよりも小さい
本プリンタでは、これらの条件を具備させるべく、1次転写ベルト8として次に説明するものを用いた。即ち、厚み20〜50[μm]のシームレスポリイミドベルトのおもて面(ループ外側面)に、厚み20〜30[μm]のPFAチューブを張り合わせて表面層を形成したものである。なお、このPFAチューブの表面粗さ(RZ)は1〜4[μm]である。
【0022】
また、1次転写ベルト8上からの4色トナー像の転写先となる一方で、転写紙Pへの4色トナー像の転写元となる2次転写ベルト16に求められる条件は、次に列記する通りである。
・4色トナー像との接触角が90[度]程度である
・表面粗さが1次転写ベルト8よりも大きく、且つ転写紙Pよりも小さい
本プリンタでは、これらの条件を具備させるべく、2次転写ベルト16として次に説明するものを用いた。即ち、厚み20〜50[μm]のシームレスポリイミドベルトのおもて面に、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)を厚み20〜100[μm]の表面層をコーティングしたものである。なお、このETFEからなる表面層の表面粗さ(RZ)は5〜10[μm]である。
【0023】
先に示した図1において、1次転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部30との間には、ボトル収容器31が配設されている。このボトル収容器31は、Y,M,C,Kトナーを内包するトナーボトルBY,BM,BC,BKを収容している。ボトルBY,BM,BC,BK内のY,M,C,Kトナーは、それぞれ図示しない粉体ポンプ等の補給手段により、プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kの現像装置に適宜補給される。ボトル収容器31と1次転写ユニット15との間には、図示しない断熱手段が配設されている。この断熱手段により、1次転写ユニット15からの熱伝搬によって各トナーボトル内のトナーを溶融、固着させるといった事態が回避される。断熱手段としては、植毛された樹脂等で形成された断熱部材や、内部に空気層が設けられた断熱部材などが挙げられる。なお、ボトル収容器31の筺体を断熱部材で構成してもよい。また、ボトル収容器31と1次転写ユニットとの間に断熱手段を配設するのではなく、プリンタ本体からの排気ファンを配設してもよい。
【0024】
図4は、本プリンタの側方端部付近を示す拡大構成図である。図において、プリンタ本体の側方カバー32は、回動軸33を中心に回動自在に構成され、2次転写ユニット23を内包している。そして、回動軸33を中心に図中時計回りに回転せしめられることで、プリンタ本体から見開かれる状態になる。この状態では、側方カバー32とともに回転した2次転写ユニット23がプリンタ本体側に固定された1次転写ユニット15から大きく離間し、2次転写ニップを形成しなくなる。また、紙収容カセットA,B(26a,b)から排紙ローラ対32に至るまでの紙搬送路を露出させる。このことにより、紙搬送路内で発生したジャム紙の処理作業や、搬送路回りの各装置の保守点検作業を容易にする。見開かれた2次転写ユニット23からは、2次転写ユニット23を鉛直方向に着脱することが出来る。
【0025】
本プリンタ100Aは、図5に示すように、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)200などから送られてくる画像情報信号に基づいて画像を形成する。図5では、パソコン200とプリンタ100Aとを通信ケーブルによって接続した画像形成システムの例を示したが、無線方式による接続を採用してもよい。プリンタ本体の前面左隅には、タッチパネル等からなる操作表示器33が固定されている。ユーザーは、この操作表示器33のディスプレイに現れるガイド表示に従って、作像プロセス条件や用紙条件等の各種パラメータを入力することができる。また、プリンタ本体の前面には、前扉34が開閉自在に設けられている。前扉34が開かれると、図示しない上記1次転写ユニットを支持する支持体34が大きく露出する。この支持体35は、図示しないガイドレール上をスライド移動可能に構成され、プリンタ本体内から前面側に向けて引き出されることで、上記1次転写ユニットを露出させる。そして、この露出により、上記1次転写ユニットの保守点検作業を容易にしている。また、前扉34が開かれると、支持体35の上方に配設されたボトル収容器31内のトナーボトルBY、BM、BC、BKの端面が露出する。それぞれ端面を露出させたトナーボトルBY、BM、BC、BKは、ボトル収容器31に対してプリンタ前後方向に着脱可能される。前扉34を開けば、プリンタ本体に対するトナーボトルBY、BM、BC、BKの前後方向への着脱が可能になる構成である。スタック部30が形成されているプリンタ本体上面を開閉自在な上扉とし、これを開いてトナーボトルBY、BM、BC、BKを上下方向に着脱するといった構成ではない。このため、オプションの図示しないスキャナ装置をプリンタ100Aの上方に配設してコピー機を構成する場合でも、トナーボトルBY、BM、BC、BKを着脱することができる。紙収容カセットA,B(26a,b)は、前扉34の下方に配設され、前後方向のスライド移動によってプリンタ本体から着脱されるように構成されている。前扉34を開いても、紙収容カセットA,B(26a,b)の着脱や、操作表示器33への入力の操作性を損ねることはない。
【0026】
先に示した図1において、上記第2面用トナー像は、2次転写ニップで1次転写ベルト8から2次転写ベルト16に加熱転写された後、再び2次転写ニップに戻ってきて転写紙の第2面(スタック部30で上を向く面)加熱転写される。このように加熱転写が2度施される第2面用トナー像は、2次転写ニップにて加熱転写が1度だけ施されて転写紙Pの第1面(スタック部30で下を向く面)に転写される第1面用トナー像に先行して形成される。よって、スタック部30にスタックされた転写紙Pは、先行して形成された第1面用トナー像を下に向け、且つその後に形成された第2面用トナー像を上に向けた状態で順次スタックされていく。本プリンタは、このようにスタックされていく転写紙Pの頁番号を小さい方から順に揃えるべく、奇数、偶数と連続する2つの頁番号の画像について、頁番号の大きい方を先に上記第2面用トナー像として形成する。例えば1頁目の画像に先行して2頁目の画像を形成するのである。そうすると、数頁にわたる原稿を連続して出力しても、スタック部30において、頁番号を下から順に揃えることが可能になる。但し、転写紙Pの第1面だけに画像を形成する片面プリントモードを実行する際には、頁番号の小さい画像から順にそれぞれ第1面用トナー像として形成していく。このことにより、片面プリントモードにおいても、スタック部30で頁番号を下から順に揃えることができる。
【0027】
本プリンタ100AのY,M,C,K用の4つの感光体上において、第1面用トナー像は、非鏡像(以下、正像という)として形成される。これは、形成された第1面用トナー像が、1次転写、加熱転写という2回の転写工程を経て転写紙Pに至る過程で鏡像、正像と変化するからである。各感光体ドラム上で正像として形成されることで、転写紙P上においても正像になるのである。これに対し、第2面用トナー像は、加熱転写工程を2回経るため、第1面用トナー像よりも転写工程が1回多くなる。よって、各感光体ドラム上で鏡像として形成される。このことにより、第2面用トナー像も、転写紙P上において正像となることができる。
【0028】
以上の基本的な構成を備える本プリンタ100Aでは、1次転写ユニット15と2次転写ユニット23とにより、記録体たる転写紙Pの両面に可視像たる4色トナー像を加熱転写する両面加熱転写手段が構成されている。また、潜像担持体たる感光体(1)と現像手段たる現像装置(5)とを有する4つのプロセスカートリッジ6Y,M,C,K、潜像形成手段たる露光装置7、中間転写手段などによって可視像形成手段が構成されている。この中間転写手段は、少なくとも、4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kと、第1加熱ローラ12と、第2加熱ローラ19とによって構成される。
【0029】
次に、本プリンタ100Aの特徴的な構成について説明する。
先に示した図1において、レジストローラ対28における第1レジストローラ28a、第2レジストローラ28bは、それぞれ内部に図示しない加熱ヒータ等の熱源を有している。そして、転写紙Pを上記2次転写ニップに送り込むのに先立って加熱する。それぞれ記録体たる転写紙Pを両面加熱転写に先立って予備加熱する予備加熱手段として機能するのである。そして、2次転写ニップに送られて両面加熱転写される前の転写紙Pを、それぞれ予備加熱しながら自らの回転駆動に伴って2次転写ニップに向けて搬送する。かかる構成では、2次転写ニップよりも上流側に配設した回転駆動体且つ予備加熱手段たるレジストローラ対28によって、転写紙Pを予備加熱しながら2次転写ニップに向けて搬送することができる。よって、転写紙Pとして、紙収容カセットA,B(26a,b)内から2次転写ニップよりも下流まで連続して延びるほど長くないカット紙を使用しているにもかかわらず、それに予備加熱を施してから両面加熱転写を施すことができる。そして、転写紙Pを予備加熱してから2次転写ニップに送り込むことで、2次転写ニップにおける急激な温度変化を抑えることができる。
【0030】
また、このようにして温度変化を抑えることで、スタートアップ時間の短縮化を期待することができる。具体的には、電子写真方式の画像形成装置においては、トナー像を転写紙P等の記録体に定着させる方法として、一般に加熱定着を採用する。そして、加熱定着装置を十分に昇温させないままに画像形成を開始してしまうことによる定着不良を回避すべく、主電源をONしてから、加熱定着装置を十分に昇温させるまでの間、画像形成命令の受付を拒否させるようにしている。この時間がスタートアップ時間である。このスタートアップ時間は、加熱定着装置の加熱部材(例えば加熱定着ローラ)の蓄熱量が多くなるほど長くなる。よって、蓄熱量をできるだけ小さくすることが望ましいが、小さくし過ぎると、加熱定着装置に進入した際の転写紙等の熱吸収によって定着温度を不安定にして定着不良を引き起こす。このため、加熱部材をある程度の厚みにするなどして、所望の蓄熱量が発揮されるようにしている。しかし、本プリンタ100Aのように予備加熱を行うものでは、定着に先立って転写紙Pをある程度暖めておくため、加熱定着装置内での転写紙Pの熱吸収による温度低下を少なくすることができる。そして、このことにより、加熱部材の蓄熱量を減らしてスタートアップ時間を短くすることができるのである。
【0031】
上記第1レジストローラ28a、第2レジストローラ28bは、それぞれ表面移動に伴って転写紙Pを搬送する搬送手段としても機能している。このように搬送手段として機能する第1,第2レジストローラ(28a,b)を予備加熱手段としても機能させることで、予備加熱手段を付設するための材料を減らしてコストアップを抑えることができる。また、第1,第2レジストローラ(28a,b)は、それぞれ独立した搬送手段ではなく、互いに当接しながら順方向に回転する回転ローラ対である。このような回転ローラ対が熱源を有する加熱回転ローラ対として構成され、転写紙Pを両ローラ間に挟み込みながら搬送すると、図示のような上下方向の紙搬送路であっても、転写紙Pを重力によって落下させることがなくなる。よって、転写紙Pを確実に搬送しながら予備加熱することができる。
【0032】
レジストローラ対28は、紙搬送路内において、タイミングを合わせて転写紙Pを2次転写ニップに送り込むという機能から2次転写ニップの直前に設けられる。このようなレジストローラ対28が予備加熱手段として機能すると、たとえ2次転写ニップよりも上流側で紙搬送経路が複数に分岐していても、1つの予備加熱手段で予備加熱を行うことができる。これに対し、例えばレジストローラ対28に代えて、搬送手段たる給紙ローラA(27a)を予備加熱手段として機能させたとする。すると、紙収容カセットA(26a)内の転写紙Pを予備加熱することはできるが、もう一方の紙収容カセットB(26b)内の転写紙Pを予備加熱することができなくなる。これは、2次転写ニップよりも上流側で紙搬送路が複数に分岐しており、分岐の一部だけに予備加熱手段を設けた結果、他の分岐における転写紙Pを予備加熱できなくなったためである。よって、レジストローラ対28とは異なる搬送手段を予備加熱手段として機能させる場合には、複数の分岐についてそれぞれ予備加熱手段を設ける必要がある。図示の例では、搬送手段たる給紙ローラA(27a)だけでなく、搬送手段たる給紙ローラB(27b)も予備加熱手段として機能させる必要が生ずる。レジストローラ対28という2本のローラを予備加熱手段として機能させる例と、2つの給紙ローラA,B(27a,b)という2本のローラを予備加熱手段として機能させる例であるので、図示の場合では両者は実質的に変わらない。ところが、紙収容カセットを3つ以上設けると、3つ以上の給紙ローラを予備加熱手段として機能させる必要が生じてくる。そして、このことにより、消費エネルギー量を増大させてしまうことになる。
【0033】
先に説明したように、本プリンタ100Aにおいては、4つのプロセスカートリッジ6Y,M,C,K、露光装置7、上記中間転写手段(4つの1次転写バイアスローラ等)などによって可視像形成手段が構成されている。かかる可視像形成手段では、潜像担持体たる感光体(1)に静電潜像を形成した後にそれを現像装置(5)によって現像して可視像を得るという電子写真プロセスによって画像を形成することができる。
【0034】
また、本プリンタ100Aにおいては、4つの1次転写バイアスローラなどによって中間転写手段を構成し、各感光体上のトナー像を中間転写体たる1次転写ベルト8に1次転写してから加熱転写する。かかる構成では、加熱転写によって発生する熱を、1次転写ベルト8を介して各感光体(1)に伝えるので、1次転写ニップで各感光体に直接伝えてしまう場合に比べて、各感光体を加熱することによる画質劣化を抑えることができる。また、1次転写ベルト8については、そのベルト素材(表面層の下側)として、上述のようにポリイミド樹脂又はポリアミド樹脂を用いている。これらは、非常に耐熱性に優れた樹脂として知られている。よって、これらを用いることで、加熱転写のための加熱によるベルト伸縮や変形を抑えることができる。なお、2次転写ベルト16についても同様である。
【0035】
1次転写ユニット15には、1次転写ベルト8を冷却するヒートパイプ11を設けている。これの配設位置については、図示のように、両面加熱転写手段による加熱転写位置である2次転写ニップを経由した後、中間転写位置たる各1次転写ニップに進入する前の1次転写ベルト8を冷却する位置である。このような位置にヒートパイプ11を配設することで、2次転写ニップで加熱された1次転写ベルト8を各1次転写ニップに進入させる前に冷却することができる。そして、このことにより、1次転写ベルト8からの熱によって各感光体(1)を加熱してしまうことによる画質劣化を更に抑えることができる。
【0036】
図6は、上記ヒートパイプ11を示す斜視図である。図において、ヒートパイプ11は、金属からなるパイプ部11a、これの一端側周面に立設せしめられた複数のフィン11bなどを有している。パイプ部11aは、1次転写ベルト8のおもて面に接触して連れ回るように配設されており、内部には所定量の冷却液(図示せず)を内包している。回転に伴って1次転写ベルト8のおもて面に接触したパイプ部11aは、その接触部で1次転写ベルト8の熱を吸収して内部の冷却液に伝える。熱を伝えられた冷却液はパイプ部11a内で気化する。一方、複数のフィン11bは、パイプ部11aの回転軸を中心にそれぞれ公転する際、周囲の空気に接触的に触れることでパイプ部11aの端部付近を冷却する。この冷却により、パイプ部11a内で気化していた冷却液が冷やされて液化する。かかる構成のヒートパイプ11では、特別な駆動源を用いることなく1次転写ベルト8を効率よく冷却することができる。また、冷却速度が極めて速く、パイプ軸線方向における冷却ムラがほとんどない。よって、何らかの原因によって1次転写ベルト8に幅方向の熱ムラが生じても、ベルトを幅方向に均一に冷却することができる。
【0037】
本プリンタ100Aにおいて、上記2次転写ニップにおける加熱温度(第1加熱ローラ12、第2加熱ローラ19による加熱温度)は、約140[°]に設定されている。本発明者らは鋭意研究により、加熱転写についてはもっと低い温度でも実現可能であることを確認しているが、約140[°]に設定することにより、加熱転写だけでなく、加熱定着をも実現させるようにしている。このことにより、加熱定着装置を別に設けることによるコストアップや装置大型化を回避することができる。
【0038】
先に示した図1において、第1クリーニング装置10のクリーニングローラ10a、第2クリーニング装置18のクリーニングローラ18aは、それぞれ内部に加熱ヒータ等の図示しない熱源を有している。そして、この熱源により、それぞれ1次転写ベルト8、2次転写ベルト16上の転写残トナーをそのガラス転移点よりも高い温度に加熱して溶融させる。かかる構成では、2次転写ニップにて加熱定着をも同時に実施させるようにしたことに起因して、転写残トナーをそれぞれ1次転写ベルト8、2次転写ベルト16に固着させたとしても、それを溶融させてクリーニングすることができる。また、これらクリーニングローラ(10a、18a)については、それぞれ表面粗さを1次転写ベルト8、2次転写ベルト16よりも粗くしている。このことにより、転写残トナーをより確実にクリーニングすることができる。なお、これらクリーニングローラ(10a、18a)の材料としては、熱伝導の比較的良い銅やアルミが望ましい。
【0039】
上記ヒートパイプ11の配設位置については、1次転写ベルト8の無端移動方向において2次転写ニップと各1次転写ニップとの間にしていることに加えて、クリーニング位置と各1次転写ニップとの間にしている。かかる構成では、第1クリーニング装置10で加熱した1次転写ベルト8を各1次転写ニップに進入させる前に、ヒートパイプ11によって冷却することができる。よって、第1クリーニング装置10で加熱した1次転写ベルト8で各感光体(1)を副次的に加熱してしまうことによる画質劣化を回避することができる。なお、2次転写ユニット23のヒートパイプローラ20も同様に、クリーニング位置と2次転写ニップとの間の2次転写ベルト部分を冷却する位置に配設されている。
【0040】
図7は、本プリンタ100Aの電気回路の一部を示すブロック図である。制御部50は、図示しないCPU(演算手段)やRAM(記憶手段)等から構成されている。これには、上述の操作表示器33や、第1ヒータスイッチA(51)、第1ヒータスイッチB(52)、第2ヒータスイッチA(53)、第2ヒータスイッチB(54)が接続されている。一方、図示の第1サーモスイッチA(28c)、第1ヒータA(28d)、第1サーモスイッチB(28e)、第2ヒータB(28f)は、図1に示した第1レジストローラ(28a)に内包されている。また、図示の第2サーモスイッチA(28g)、第2ヒータA(28h)、第2サーモスイッチB(28i)、第2ヒータB(28j)は、図1に示した第2レジストローラ(28b)に内包されている。第1,第2レジストローラ(28a,b)は、それぞれ2つのヒータ及びサーモスイッチを内包しているのである。
【0041】
第1サーモスイッチA(28c)、第1サーモスイッチB(28e)は、第1レジストローラ(28a)の温度が所定温度まで高まると接点をOFFする一方で、所定温度未満では接点をONする。また、第2サーモスイッチA(28g)、第2サーモスイッチB(28i)も同様に、第2レジストローラ(28b)の温度に基づいて接点をON/OFFする。このような接点のON/OFFにより、第1,第2レジストローラ(28a,b)の温度がおおむね所定温度に維持される。
【0042】
それぞれのヒータ(28d,f,h,j)には、ヒータ電源55からの電気が各々に対応するヒータスイッチとサーモスイッチとを介して供給される。第1ヒータA(28d)を例にすると、ヒータ電源55からの電気が、第1ヒータスイッチA(51)と第1サーモスイッチA(28c)とを介して供給されるのである。このため、たとえ第1サーモスイッチA(28c)がONされていても、第1ヒータスイッチAがONされていないと、ヒータ電源55からの電気が供給されない。この第1ヒータスイッチAのON/OFFは、制御部50によって制御される。
【0043】
本プリンタ100Aは、転写紙Pの厚みに応じてプリントアウトモードを厚紙モードと普通紙モードとで切り替えるように構成されている。転写紙Pの厚み情報は、ユーザーが操作表示器33を操作することによって入力される。制御部50は、それまでRAMに記憶していた厚み情報が、入力された厚み情報と異なる場合に、RAM内の厚み情報を入力されたものに更新するように構成されている。操作表示器33が厚み情報を取得する厚み情報取得手段として機能しているのである。
【0044】
上記第1,第2レジストローラ(28a,b)の温度調整については、それぞれ1つのヒータだけでも行うことができる。しかしながら、ローラの発熱量が小さいと、転写紙Pとして普通紙などの薄い紙が使用される場合に問題がなくても、厚紙が使用されると、その熱吸収量の多さによってローラの昇温が間に合わず、ローラ温度不足を生ずるおそれがある。ローラ温度不足が生ずれば、当然ながらその後の予備加熱が不十分になってしまう。そこで、制御部50は、後述の予備加熱温度調整制御において転写紙Pの厚みに応じて第1,第2レジストローラ(28a,b)の発熱量を調整するように構成されている。
【0045】
図8は、上記制御部50によって実施される予備加熱温度調整制御のフローを示すフローチャートである。この予備加熱温度調整制御では、まず、上記RAM内に記憶されている厚み情報について、普通紙であるか否かが判断される(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。そして、普通紙であると判断された場合には(S1でY)、普通紙モード用の温度調整制御がなされる。具体的には、第1,第2レジストローラ(28a,b)において、それぞれヒータスイッチA(51,53)だけがONされる(S2)。これにより、第1,第2レジストローラ(28a,b)はそれぞれ内部の一方のヒータだけがONされる。一方、厚紙であると判断された場合には(S1でN)、厚紙モード用の温度調整制御がなされる。具体的には、第1,第2レジストローラ(28a,b)において、それぞれヒータスイッチA(51,53)に加えて、ヒータスイッチBもONされる(S3)。これにより、第1,第2レジストローラ(28a,b)はそれぞれ内部の2つのヒータが同時にONされて、普通紙モードの場合に比べて発熱量が多くなる。
【0046】
かかる予備加熱温度調整制御を実施する本プリンタ100Aでは、予備加熱手段たるレジストローラ対(図1の28)の発熱量を調整する発熱量調整手段が次の各構成要素によって構成されている。即ち、図7に示した制御部50、操作表示器33、ヒータ電源55、各ヒータスイッチ、各ヒータ、各サーモスイッチである。そして、図8に示した予備加熱温度調整制御を実施することで、使用される転写紙Pが厚紙に比べて熱吸収用の小さい普通紙である場合には、レジストローラ対28の発熱量を小さくする。このことにより、厚紙が使用される場合と同じ発熱量にすることによる余計なエネルギー消費を回避することができる。また、使用される転写紙Pが普通紙に比べて熱吸収用の大きい厚紙である場合には、レジストローラ対28の発熱量を大きくする。このことにより、普通紙が使用される場合と同じ発熱量にすることによる予備加熱温度不足を回避することができる。
【0047】
次に、本発明を適用した第2実施形態のプリンタについて説明する。なお、このプリンタの基本的な構成は上記第1実施形態に係るプリンタ100Aと同様である。また、その特徴的な構成は、上記第1実施形態に係るプリンタ100Aものと少し異なる程度である。よって、以下、本プリンタの特徴的な構成で上記第1実施形態に係るプリンタ100Aと異なる点だけを説明する。
【0048】
本プリンタにおける外見上の構成については、図1に示した上記第1実施形態に係るプリンタ100Aと同様である。但し、レジストローラ対28の第1,第2レジストローラ28a,bには、それぞれ内部に熱源を設けておらず、予備加熱手段として機能させていない。但し、2次転写ニップに送られる前の転写紙Pを自らの回転駆動によって2次転写ニップに向けて搬送する駆動回転ローラ対であることに変わりはない。予備加熱手段としての機能は、紙収容カセットA,B(26a,b)にもたせてある。具体的には、収容部たる紙収容カセットA,B(26a,b)のそれぞれに、内部の転写紙Pを加熱する加熱手段を設けている。かかる構成では、紙収容カセットA,B(26a,b)で予備加熱を施した転写紙Pに対して、レジストローラ対28によって2次転写ニップよりも上流で搬送力を付与する。よって、紙収容カセットA,B(26a,b)内から2次転写ニップよりも下流まで連続して延びるほど長くないカット紙を転写紙Pとして使用しているにもかかわらず、それに予備加熱を施してから両面加熱転写を施すことができる。また、紙収容カセットA,B(26a,b)内に設けた加熱手段を予備加熱手段として機能させることで、転写紙Pを1枚ずつではなく、ある程度の枚数をまとめて予備加熱することができる。
【0049】
紙収容カセットA,B(26a,b)に配設する予備加熱手段としては、カセット内部の転写紙Pの全面に対して加熱処理を行い得る面状発熱体を用いている。かかる構成では、転写紙Pをムラ無く加熱して、その温度ムラによる転写ムラを抑えることができる。一方、上記第1実施形態に係るプリンタ100Aのように、レジストローラ対28を予備加熱手段とすると、どうしても転写紙Pに温度ムラを発生させてしまう。レジストローラ対28がローラ間に転写紙Pを挟み込みながらその送り出しのタイミングを見計らっているときには、挟み込み部分だけを加熱するため、先端付近を他の部分よりも高温にしてしまうからである。そして、このことにより、転写ムラを発生させるおそれがある。但し、全ての紙収容カセットに予備加熱手段を設ける必要がないので、そのことによるコストアップを回避することができる。
【0050】
次に、本発明を適用した第3実施形態のプリンタについて説明する。なお、このプリンタにおいても、上記第1実施形態に係るプリンタ100Aと特徴的な構成が少し異なる程度であるので、異なる点だけを説明する。
図9は、本第3実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図において、本プリンタ100Bは、ボトル収容器31と1次転写ユニット15との間において、断熱手段を備えない変わりに、排気ファンF1を備えている。かかる排気ファンF1では、1次転写ユニット15からの熱を排気ファンF1によって機外に逃がすことで、その熱伝搬によって各トナーボトル内のトナーを溶融、固着させるといった事態を抑えることができる。
【0051】
本発明者らは、転写紙Pに対する加熱転写温度と、転写率との関係について試験を行った。その結果を次の表1に示す。
【表1】
Figure 2004037999
【0052】
表1における転写前画像濃度は、1次転写ベルト8上における4色トナー像の画像濃度の測定結果である。また、表1における転写後画像濃度は、加熱転写後の転写紙P上における4色トナー像の画像濃度の測定結果であり、転写率[%]は、転写後画像濃度/転写前画像濃度の解である。なお、画像濃度については、全てMacbeth社製の濃度計RD914を用いて測定した(後述の表2の試験も同様)。また、転写紙Pについては、60Kの上質紙を用いた(後述の表2の試験も同様)。
【0053】
表1に示すように、加熱転写温度をある程度高く設定しないと、良好な転写率が得られない。転写率は85[%]以上であることが望ましい。表1より、85[%]以上の転写率は、70[℃]よりも高く、且つ95[℃]よりも低い加熱転写温度で得られることがわかる。そこで、70〜95[℃]について更に細かく試験したところ、約80[℃]で約85[%]の転写率が得られた。よって、転写可能な加熱転写温度領域は、80[℃]以上であると言える。
【0054】
次に、本発明者らは、転写紙Pに対する加熱転写温度と、定着率との関係について試験を行った。その結果を次の表2に示す。
【表2】
Figure 2004037999
【0055】
表2における転写後画像濃度は、表1におけるものと同じである。また、定着試験後画像濃度については、加熱転写後の転写紙P上の4色トナー画像に対し、自動消しゴム装置による消去処理を施した後、転写紙P上に残った4色トナー像の画像濃度を測定した。また、定着率は、定着試験後画像濃度/転写後画像濃度である。
【0056】
表2に示すように、加熱転写温度をある程度高く設定しないと、良好な定着率が得られない。定着率も85[%]以上であることが望ましい。表2から、85[%]以上の定着率は、120[℃]よりも高く、且つ145[℃]よりも低い加熱転写温度で得られることがわかる。そこで、120〜145[℃]について更に細かく試験したところ、約140[℃]で約85[%]の定着率が得られた。よって、定着可能な温度領域は、140[℃]以上であると言える。
【0057】
図10は、転写率と加熱定着温度との関係を示すグラフであり、表1及び表2に示した試験結果に基づいて作成したものである。図示のように、80[℃]以上、139[℃]未満の加熱転写温度領域では、2次転写ニップにおいてトナー像を転写紙Pに加熱転写することができるが、同時に定着せしめることは困難である。同時定着を実現するには、140[℃]以上の加熱転写温度が必要である。そこで、上記第1実施形態に係るプリンタ100Aでは、加熱転写温度を140[℃]に設定していたのである。一方、本第3実施形態に係るプリンタ100Bでは、2次転写ニップにおける加熱転写温度を100[℃]に設定し、同時定着を行わないようにしている。その代わりに、図9に示したように、紙搬送路における2次転写ニップと排紙ローラ29との間に定着ローラ対36を設けている。そして、転写紙Pに対して、この定着ローラ対36によって140[℃]の加熱定着処理を施してから、排紙ローラ対29による排紙処理を施すようにしている。加熱定着手段たる定着ローラ対36を第1,第2加熱ローラ(12,19)等からなる両面加熱転写手段とは別に設けているのである。
【0058】
かかる構成では、2次転写ニップにおいて、転写紙Pに対してトナー像を定着させるほど高くない温度で加熱転写処理を施すことが可能になる。そして、このことにより、1次転写ベルト12や2次転写ベルト16に対する加熱温度を低減して、熱による影響を抑えることができる。また、転写紙Pに対して定着ローラ対36による加熱定着処理を施す前に、予備加熱処理、両面加熱転写処理という2度の加熱処理を施すため、加熱定着処理に先立って転写紙Pを十分に昇温させることができる。そして、このことにより、より確実にスタートアップ時間の短縮化を期待することができる。
【0059】
本プリンタ100Bは、各プロセスユニット6Y,M,C,Kにおける感光体(1)の長さや、1次転写ベルト8、2次転写ベルト16の幅が、A4サイズの縦寸法よりも若干長めに設定されている。そして、最大でA3サイズ縦の画像を形成することができる。この他、2つの紙収容カセット26a,b内に収容される転写紙Pのサイズや、その収容方向に応じて、B4サイズ縦、A4サイズ横、A4サイズ縦、B5サイズ横、B5サイズ縦の画像も形成することができる。
【0060】
図11は、本プリンタ100Bにおける電気回路の一部を示すブロック図である。図において、操作表示器33、各ヒータスイッチ(51,52,53,54)、各サーモスイッチ(28c,e,g,i)、各ヒート(28d,f,h,j)、ヒータ電源55は、図7に示したものと同様である。制御部50には、各ヒータスイッチ(51,52,53,54)や操作表示器33の他、紙サイズ検知センサA,B(26c,d)や、受信部56が接続されている。紙サイズ検知センサA,B(26c,d)は、図9に示した紙収容カセットA,B(26a,b)内に収容されている転写紙Pのサイズを検知する。かかる紙サイズ検知センサA,B(26c,d)としては、カセット内に収容されている転写紙Pを押さえるための押さえ用仕切り板の位置を検知することで紙サイズを検知するものなど、公知のものを採用することができる。受信部56は、外部のパソコン200から送られてくる画像データを受信して制御部50に出力する。制御部50は、この画像データに基づいて、各画像の画素データ、出力紙サイズ、連続プリント枚数などを把握することができる。
【0061】
図12は、制御部50によって実施される予備加熱温度調整制御のフローを示すフローチャートである。この予備加熱温度調整制御では、まず、上記パソコン(200)から送られてくる画像データに基づいて、出力紙サイズ、出力方向(縦、横)及び連続プリント枚数が演算される(S1〜S3)。次に、演算結果とプロセス線速(感光体や各ベルトの周速)とに基づいて、予備加熱手段たるレジストローラ対(28)と転写紙Pとの単位時間あたりにおける接触面積を算出する(S4)。具体的には、例えばこの接触面積を1分あたりについて算出する。このとき、転写紙2、3枚の出力であれば数十秒で出力が完了してしまうが、出力後の接触面積をゼロとして、出力前+出力後の接触面積を1分あたりの接触面積とする。また、接触面積がゼロである紙間についても算入する。画像形成プロセスにおいては、ベルト幅方向(感光体長さ方向)に占める転写紙Pのサイズが大きくなったり、連続出力枚数が多くなったりするほど、単位時間あたりにおける上記接触面積が大きくなる。そして、接触面積が大きくなるほど、レジストローラ対28内における転写紙の熱吸収量が多くなる。
【0062】
そこで、制御部50は、接触面積の算出結果について、所定の閾値を下回っているか否かについて判断する(S5)。そして、下回っていると判断した場合には(S5でY)、省エネモード用の温度調整制御を実施する。具体的には、第1,第2レジストローラ(28a,b)において、それぞれヒータスイッチA(51,53)だけをONする(S2)。これにより、第1,第2レジストローラ(28a,b)はそれぞれ内部の一方のヒータだけがONされる。一方、制御部50は上記算出結果について閾値を下回っていないと判断すると(S5でN)、高発熱量モード用の温度調整制御を実施する。具体的には、第1,第2レジストローラ(28a,b)において、それぞれヒータスイッチA(51,53)に加えて、ヒータスイッチBもONする(S3)。これにより、第1,第2レジストローラ(28a,b)はそれぞれ内部の2つのヒータが同時にONされて、省エネモードの場合に比べて発熱量が多くなる。
【0063】
かかる予備加熱温度調整制御を実施する本プリンタ100Bでは、図11に示した制御部50、受信部56、紙サイズ検知センサA,B(26c,d)などによって接触面積取得手段が構成されている。また、レジストローラ対(28)の発熱量を調整する発熱量調整手段が、制御部50、ヒータ電源55、各ヒータスイッチ、各ヒータ、各サーモスイッチなどによって構成されている。そして、制御部50が図11に示した予備加熱温度調整制御を実施することで、単位時間あたりにおける上記接触面積が閾値を下回った場合には、レジストローラ対(28)の発熱量が小さくなる。このことにより、閾値以上の上記接触面積になる場合と同じ発熱量になることによる余計なエネルギー消費が回避される。また、上記接触面積が閾値以上になる場合には、レジストローラ対(28)の発熱量がより大きくなる。このことにより、閾値を下回る上記接触面積になる場合と同じ発熱量になることによる予備加熱温度不足が回避される。なお、出力紙サイズ、出力方向(縦、横)、連続プリント枚数は、何れもそれ単独で上記接触面積を表し得る。よって、これらの何れか1つだけに基づいてモードを決定させるようにしてもよい。
【0064】
これまで、潜像担持体としてドラム状の感光体を用いた例について説明したが、ベルト上の感光体など、他の方式のものを用いてもよい。また、中間転写体については、ベルト方式のものに限られず、ローラ方式などもものでも良い。また、粉体トナーではなく、トナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤を用いる画像形成装置にも本発明の適用が可能である。また、電子写真方式のプリンタについて説明したが、直接記録方式の画像形成装置にも本発明の適用が可能である。この直接記録方式とは、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を中間転写体や記録体に直接付着させて画素像を形成することで、画像を直接形成する方式である。
【0065】
以上、第1実施形態又は第3実施形態のプリンタにおいては、搬送手段として機能するレジストローラ対28に熱源を設けてそれを予備加熱手段としても機能させている。かかる構成では、予備加熱手段を付設するための材料を減らしてコストアップを抑えることができる。
また、これらのプリンタにおいては、搬送手段の一部として加熱回転ローラ対たるレジストローラ対28を用いている。かかる構成では、転写紙Pをローラ間に挟み込みながら搬送することで、重力落下させることなく確実に搬送しながら予備加熱することができる。
また、これらのプリンタにおいては、予備加熱手段と搬送手段とを兼ねる加熱回転ローラ対として、単なる搬送用ローラ対ではなく、タイミングローラ対であるレジストローラ対28を用いている。かかる構成では、紙搬送路における2次転写ニップよりも上流側の分岐について、それぞれ予備加熱手段を設ける必要がなくなるので、予備加熱手段を過剰に設けることによる余計なエネルギー消費を回避することができる。
【0066】
また、第2実施形態のプリンタにおいては、紙収容カセットA,B(26a,b)内の転写紙を加熱する予備加熱手段として、面状発熱体を用いている。かかる構成では、転写紙Pをムラ無く加熱して、その温度ムラによる転写ムラを抑えることができる。
【0067】
また、各実施形態のプリンタにおいては、4つのプロセスカートリッジ6Y,M,C,K、露光装置7、上記中間転写手段などから構成される可視像形成手段を備えることにより、電子写真プロセスによって画像を形成することができる。更に、像担持体として中間転写体たる1次転写ベルト8や2次転写ベルト16を用いることで、1次転写ニップで転写紙Pにトナー像を加熱転写する場合に比べ、各感光体を加熱することによる画質劣化を抑えることができる。
また、これらのプリンタにおいては、1次転写ベルト8や2次転写ベルト16のベルト素材として、ポリイミド樹脂又はポリアミド樹脂を用いている。かかる構成では、これらベルトについて両面加熱転写によるベルト伸縮や変形を抑えることができる。
また、これらのプリンタにおいては、加熱転写位置である2次転写ニップを経由した後、中間転写位置たる各1次転写ニップに進入する前の1次転写ベルト8を冷却する冷却手段(ヒートパイプ11)を備えている。かかる構成では、1次転写ベルト8からの熱によって各感光体を加熱してしまうことによる画質劣化を更に抑えることができる。
また、これらのプリンタにおいては、この冷却手段として、ヒートパイプ11を用いることで、特別な駆動源を用いることなく1次転写ベルト8を効率よく冷却することができる。更に、何らかの原因によって1次転写ベルト8に幅方向の熱ムラが生じても、ベルトを幅方向に均一に冷却することができる。
【0068】
また、第2実施形態又は第3実施形態のプリンタにおいては、第1,2加熱ローラ(12,19)等から構成される両面加熱転写手段を、加熱定着手段としても機能させ、転写同時定着処理を実現している。かかる構成では、加熱定着手段を両面加熱転写手段とは別に設けることによるコストアップや装置大型化を回避することができる。
また、これらのプリンタにおいては、2次転写ニップを経由した後の1次転写ベルト8や2次転写ベルト16に残留する転写残トナーを加熱クリーニングする第1,2クリーニング装置10を備えている。かかる構成では、2次転写ニップにて加熱定着をも同時に実施させるようにしたことに起因して、転写残トナーをそれぞれ1次転写ベルト8、2次転写ベルト16に固着させたとしても、それを溶融させてクリーニングすることができる。
【0069】
また、第3実施形態のプリンタにおいては、転写紙Pに対してトナー像の加熱定着処理を施す加熱定着手段たる定着ローラ対36を、第1,2加熱ローラ(12,19)等から構成される両面加熱転写手段とは別に備えている。かかる構成では、両面加熱転写手段を加熱定着手段として機能させるよりも、1次転写ベルト12や2次転写ベルト16に対する加熱温度を低減して、熱による影響を抑えることができる。
【0070】
また、第1実施形態のプリンタにおいては、厚み情報取得手段たる操作表示器33による取得結果に基づいてレジストローラ対28の発熱量を調整する発熱量調整手段を備えている。かかる構成では、普通紙が使用される場合と、厚紙が使用される場合とでレジストローラ対28の発熱量を同じにすることによる余計なエネルギー消費や、予備加熱温度不足を回避することができる。
【0071】
また、第3実施形態のプリンタにおいては、接触面積取得手段と、これによる取得結果に基づいてレジストローラ対28の発熱量を調整する発熱量調整手段とを備えている。かかる構成では、レジストローラ対28と転写紙Pとの単位面積あたりの接触面積が閾値を下回る場合と、閾値以上である場合とでレジストローラ対28の発熱量を同じにすることを避ける。そして、このことにより、余計なエネルギー消費や、予備加熱温度不足を回避することができる。
【0072】
【発明の効果】
請求項1乃至20の何れかの発明によれば、カット紙等の記録体であっても、それに対して予備加熱を施してから両面加熱転写を施すことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】同プリンタにおける2次転写ニップとその周囲構成を示す拡大構成図。
【図4】同プリンタの側方端部付近を示す拡大構成図転写ユニットの紙搬送ベルトの一部を示す断面図。
【図5】同プリンタと、これに接続されるパソコンとを示す斜視図。
【図6】同プリンタのヒートパイプを示す斜視図。
【図7】同プリンタの電気回路の一部を示すブロック図。
【図8】同プリンタの制御部によって実施される予備加熱温度調整制御のフローを示すフローチャート。
【図9】第3実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図10】転写率と加熱定着温度との関係を示すグラフ。
【図11】同プリンタの電気回路の一部を示すブロック図。
【図12】同プリンタの制御部によって実施される予備加熱温度調整制御のフローを示すフローチャート。
【符号の説明】
1Y       感光体(潜像担持体)
5Y       現像装置(現像手段)
7        露光装置(潜像形成手段)
8        1次転写ベルト(像担持体、中間転写体)
10       第1クリーニング装置(加熱クリーニング手段)
11       ヒートパイプ(冷却手段)
16       2次転写ベルト(像担持体、中間転写体)
18       第2クリーニング装置(加熱クリーニング手段)
26a,b    紙収容カセットA,B(収容手段)
28       レジストローラ対(搬送手段、予備加熱手段、加熱回転ローラ対、タイミングローラ対)
33       操作表示器(厚み情報取得手段)
36       定着ローラ対(加熱定着手段)
P        転写紙(記録体)

Claims (20)

  1. 記録体を収容手段内に収容する収容工程と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写工程と、該両面加熱転写工程に先立って記録体を予備加熱する予備加熱工程と、記録体を少なくとも該収容工程から該両面加熱転写工程まで搬送する搬送工程とを実施する加熱転写方法であって、加熱される表面を無端移動させるように駆動される加熱無端移動体によって記録体を加熱しながら搬送することで、上記搬送工程と上記予備加熱工程を実施することを特徴とする加熱転写方法。
  2. 記録体を収容手段内に収容する収容工程と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写工程と、該両面加熱転写工程に先立って記録体を予備加熱する予備加熱工程と、記録体を少なくとも該収容工程から該両面加熱転写工程まで搬送する搬送工程とを実施する加熱転写方法であって、上記予備加熱工程が上記収容手段内の記録体を加熱する工程であり、且つ、上記搬送工程が、上記両面加熱転写工程に送られる前の記録体を駆動体によって該両面加熱転写工程に向けて搬送する工程であることを特徴とする加熱転写方法。
  3. 記録体を収容する収容手段と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写手段と、この両面加熱転写に先立って記録体を予備加熱する予備加熱手段と、記録体を少なくとも該収容手段から該両面加熱転写手段まで搬送する搬送手段とを備える加熱転写装置であって、
    上記搬送手段が、加熱される表面を無端移動させるように駆動される加熱無端移動体によって記録体を加熱しながら搬送することで、上記予備加熱手段を兼ねることを特徴とする加熱転写装置。
  4. 記録体を収容する収容手段と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写手段と、この両面加熱転写に先立って記録体を予備加熱する予備加熱手段と、記録体を少なくとも該収容手段から該両面加熱転写手段まで搬送する搬送手段とを備える加熱転写装置であって、
    上記予備加熱手段が上記収容手段内の記録体を加熱し、且つ、上記搬送手段が、上記両面転写手段に送られる前の記録体を駆動体によって該両面転写手段に向けて搬送することを特徴とする加熱転写装置。
  5. 記録体を収容手段内に収容する収容工程と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写工程と、該両面加熱転写工程に先立って記録体を予備加熱する予備加熱工程と、記録体を少なくとも該収容工程から該両面加熱転写工程まで搬送する搬送工程とを実施して記録体の両面に画像を転写する加熱転写方法と、
    該像担持体に可視像を形成する可視像形成方法とを用いて記録体の両面に画像を形成する画像形成方法であって、
    上記加熱転写方法が、請求項1の加熱転写方法であることを特徴とする画像形成方法。
  6. 記録体を収容手段内に収容する収容工程と、像担持体に担持される可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写工程と、該両面加熱転写工程に先立って記録体を予備加熱する予備加熱工程と、記録体を少なくとも該収容工程から該両面加熱転写工程まで搬送する搬送工程とを実施して記録体の両面に画像を転写する加熱転写方法と、
    該像担持体に可視像を形成する可視像形成方法とを用いて記録体の両面に画像を形成する画像形成方法であって、
    上記加熱転写方法が、請求項2の加熱転写方法であることを特徴とする画像形成方法。
  7. 可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、該像担持体上の可視像を記録体に加熱転写する加熱転写装置とを備え、
    且つ、該加熱転写装置に、記録体を収容する収容手段と、該像担持体上の可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写手段と、この加熱転写に先立って記録体を予備加熱する予備加熱手段と、記録体を少なくとも該収容手段から該両面加熱転写手段まで搬送する搬送手段とを有する画像形成装置であって、
    上記加熱転写装置が、請求項3の加熱転写装置であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置であって、
    上記搬送手段が、回転駆動される加熱回転ローラを上記加熱無端移動体として複数用い、互いに当接しながら順方向に回転する加熱回転ローラ対に記録体を挟み込むことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8の画像形成装置であって、
    上記加熱回転ローラ対が、記録体を挟み込んだ状態で回転停止した後、所定のタイミングで回転再開して記録体を上記両面加熱転写手段に向けて送り出すタイミングローラ対であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、該像担持体上の可視像を記録体に加熱転写する加熱転写装置とを備え、
    且つ、該加熱転写装置に、記録体を収容する収容手段と、該像担持体上の可視像を記録体の両面に加熱転写せしめる両面加熱転写手段と、この加熱転写に先立って記録体を予備加熱する予備加熱手段と、記録体を少なくとも該収容手段から該両面加熱転写手段まで搬送する搬送手段とを有する画像形成装置であって、
    上記加熱転写装置が、請求項4の加熱転写装置であることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置であって、
    上記予備加熱手段が、上記収容部内の記録体を面状発熱体によって加熱することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項7、8、9、10又は11の画像形成装置であって、
    上記可視像形成手段が、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像して可視像を得る現像手段と、該潜像担持体上の可視像を中間転写体に中間転写せしめる中間転写手段とを有し、
    且つ、上記像担持体が該中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12の画像形成装置であって、
    上記中間転写体の素材がポリイミド樹脂又はポリアミド樹脂であることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項12又は13の画像形成装置であって、
    上記両面加熱転写手段による加熱転写を経由した後、上記可視像が中間転写される中間転写位置に進入する前の上記中間転写体を冷却する冷却手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項14の画像形成装置であって、
    上記冷却手段が、上記中間転写体に当接しながら回転するヒートパイプであることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項14又は15の画像形成装置であって、
    上記両面加熱転写手段が、可視像を記録体の両面に加熱定着せしめる加熱定着手段を兼ねることを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項16の画像形成装置であって、
    上記両面加熱転写手段を経由した後の上記像担持体上に残留する画像形成物質を加熱クリーニングする加熱クリーニング手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項13、14又は15の画像形成装置であって、
    上記両面加熱転写手段を経由した後の記録体の両面に可視像を加熱定着せしめる加熱定着手段を、該両面加熱転写手段とは別に備えることを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項7乃至18の何れかの画像形成装置であって、
    上記記録体の厚み情報を取得する厚み情報取得手段と、該厚み情報取得手段による取得結果に基づいて上記予備加熱手段の発熱量を調整する発熱量調整手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項7乃至19の何れかの画像形成装置であって、
    単位時間あたりにおける上記記録体と上記予備加熱手段との接触面積を取得する接触面積取得手段と、該接触面積取得手段による取得結果に基づいて上記予備加熱手段の発熱量を調整する発熱量調整手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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