JP2004035497A - デカヒドロ−2H−ベンゾ[a]キサンテン−3,11−ジオール誘導体およびその製造中間体 - Google Patents

デカヒドロ−2H−ベンゾ[a]キサンテン−3,11−ジオール誘導体およびその製造中間体 Download PDF

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Tadashi Kato
加藤 正
Munenobu Inoue
井上 宗宣
Mari Nakatani
中谷 真理
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Abstract

【課題】優れた抗腫瘍剤としての用途が期待される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体およびその製造中間体を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)
【化1】
Figure 2004035497

(式中、RおよびRは同一または異なって水素原子、または水酸基の保護基を表す。)で示されるデカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン−3,11−ジオール誘導体およびその製造中間体。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な抗腫瘍剤としての用途が期待される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
癌は、癌細胞が無限に増殖し、全身に広がり、人間を死に至らしめる恐ろしい病気である。細胞の癌化は、その増殖や分化を調節する遺伝子の変異が大きな要因になっていることが明確になりつつあり、今日では、変異した遺伝子の実体が癌遺伝子あるいは癌抑制遺伝子であると考えられるようになってきた。中でも、ras遺伝子群は代表的な癌遺伝子の一つであり、点突然変異によって活性化されたras遺伝子はさまざまなヒト腫瘍組織から検出されている。ras遺伝子産物であるRasタンパク質は機能的には未成熟(不活性型)であり、いくつかの酵素的化学修飾を受けて初めて成熟型(活性型)になる。そして、化学修飾を受けた活性型Rasタンパク質は細胞膜の内側に結合し、そこで他のタンパク質と相互作用して、細胞増殖のシグナル伝達を開始する。プロテインファルネシルトランスフェラーゼ(PFTase)は、ras遺伝子産物であるRasタンパク質前駆体のC末端側から4番目のシステインのチオール基にファルネシル基を結合させる酵素であり、この化学修飾はRasタンパク質の成熟化にとって必須な条件である。したがって、PFTase阻害剤は、ras遺伝子の発現する機能タンパク質を制御するものであり、新しい作用機序を有する抗腫瘍剤としての可能性が強く示唆されている(日経サイエンス,1996年12月号, pp.152−159;実験医学,1996, 14, 269−271)。式(6)〜(8)で示されるカンパノールA〜Cは、1998年、子嚢菌(Stachybotrys kampalensis)から単離・構造決定された、優れたPFTase阻害活性を有する非ペプチド性低分子有機化合物群であり、世界的に注目されている(Bioorg. Med. Chem. Lett., 1998, 8, 2071−2076)。これらカンパノール類の化学構造上の大きな特徴として、デカリン環(AB環)にベンゾフラン環(CD環)が縮環したデカヒドロ−2H−ベンゾ[a]キサンテン骨格(ABCD環システム)を有する点があげられる。
【0003】
【化7】
Figure 2004035497
【0004】
【化8】
Figure 2004035497
【0005】
【化9】
Figure 2004035497
【0006】
一般に化合物の抗腫瘍活性と抗腫瘍スペクトルは、その化合物の化学構造に大きく依存することが知られている。したがって、上記カンパノール類すべてに共通する四環性構造(ABCD環システム)である一般式(1)
【0007】
【化10】
Figure 2004035497
【0008】
(式中、RおよびRは同一または異なって水素原子、または水酸基の保護基を表す。)で示される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体は、抗腫活性発現のための重要な基本構造であると考えられ、新規な抗腫瘍剤としての用途が大いに期待される。しかしながら、このような4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体は文献未記載の新規化合物であり、また、当然のことながら、その化学合成法も知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、抗腫瘍剤としての用途が期待される新規化合物である4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体、並びにその製造中間体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、新規な化学構造を有する下記発明化合物が、新しい作用機序を有する抗腫瘍剤としての用途が期待されることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は下記一般式(1)
【0011】
【化11】
Figure 2004035497
【0012】
(式中、RおよびRは同一または異なって水素原子、または水酸基の保護基を表す。)で示される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体、下記一般式(2)
【0013】
【化12】
Figure 2004035497
【0014】
(式中、R、R、Rは同一または異なって水素原子、または水酸基の保護基を表す。)で示される5−(2,6−ジオキシベンジル)−1,1,4a−トリメチル−6−メチレン−2−オキシ−デカヒドロナフタレン誘導体、下記一般式(3)
【0015】
【化13】
Figure 2004035497
【0016】
(式中、R、R、Rは同一または異なって水酸基の保護基を表す。)で示される1−(2,6−ジオキシベンジル)−5,5,8a−トリメチル−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体、下記一般式(4)
【0017】
【化14】
Figure 2004035497
【0018】
(式中、Rは水酸基の保護基を表す。)で示される5,5,8a−トリメチル−1−メチレン−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体と、下記一般式(5)
【0019】
【化15】
Figure 2004035497
【0020】
(式中、RおよびRは同一または異なって水酸基の保護基を表す。)で示される2−ブロモレゾルシノール誘導体を反応させることを特徴とする、一般式(3a)
【0021】
【化16】
Figure 2004035497
【0022】
(式中、R、R、Rは同一または異なって水酸基の保護基を表す。)で示される1−(2,6−ジオキシベンジル)−5,5,8a−トリメチル−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体の製造方法を提供するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明において、「水酸基の保護基」としては、ホルミル基;アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基等のアシル基;ベンジル基、p−メトキシベンジル基、トリフェニルメチル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル、テトラヒドロピラニル基、1−エトキシエチル基等の置換アルキル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等のシリル基があげられる。これらの水酸基の保護基の導入と脱保護は文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wieley Interscience Publication, John−Wiley & Sons, New York, 1999, pp 23−200)。
【0024】
前記一般式(1)で表される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体は、例えば下記の合成工程(第一工程〜第九工程)により製造することができる。なお、本発明の化合物は、複数の不斉炭素を有しており光学異性体が存在し得るが、これらの光学異性体およびこれらの混合物も本発明に包含されるものである。
【0025】
【化17】
Figure 2004035497
【0026】
【化18】
Figure 2004035497
【0027】
【化19】
Figure 2004035497
【0028】
(式中、R、R、Rは同一または異なって水酸基の保護基を表す。)
【0029】
(第一工程)
本工程は、前記式(9)で表される2−ブロモレゾルシノールの二つの水酸基のうち一つを保護し、前記一般式(10)で表される2−ブロモフェノール誘導体を製造するものである。
【0030】
本工程の原料である前記式(9)で表される2−ブロモレゾルシノールは、公知の方法(Can. J. Chem., 1989, 67, 335−344)により製造することができる  化合物である。また、本工程の水酸基の保護は、公知の方法に従い行うことがで  きる(Protective Groupsin Organic Synthesis, 3rd Ed., Wieley Interscience Publication, John−Wiley & Sons,New York, 1999, pp 23−200)。
【0031】
(第二工程)
本工程は、前記一般式(10)で表される2−ブロモフェノール誘導体の水酸基を保護し、前記一般式(5)で表される2−ブロモベンゼン誘導体を製造するものである。
【0032】
本工程の水酸基の保護は、公知の方法に従い行うことができる(Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wieley Interscience Publication, John−Wiley & Sons, New York, 1999, pp 23−200)。
【0033】
(第三工程)
本工程は、前記一般式(5)で表される2−ブロモベンゼン誘導体からグリニャール試薬を調製し、前記一般式(4)で表される5,5,8a−トリメチル−1−メチレン−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体とカップリング反応を行ない、前記一般式(3)で表される1−置換ベンジル−5,5,8a−トリメチル−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体を製造するものである。
【0034】
本工程の原料である前記一般式(4)で表される5,5,8a−トリメチル−1−メチレン−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体は、公知の方法(Tetrahedron Lett., 1997, 38, 2081−2084)により製造することができる化合物である。グリニャール試薬の調製は、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中、金属マグネシウムを作用させて行うことができる。また、カップリング反応は、溶媒中で行うことが望ましく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒が用いられ、また、上記の溶媒のうち2種類以上を混合しても差し支えない。反応は、−78℃から溶媒還流温度の間で行うことができる。
【0035】
(第四工程)
本工程は、前記一般式(3)で表される1−置換ベンジル−5,5,8a−トリメチル−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体の2位のカルボニル基に、メチルトリフェニルホスホニウム塩と塩基により調製したイリドを作用させることによりオレフィン化し、前記一般式(2)で表される5−置換ベンジル−1,1,4a−トリメチル−6−メチレン−2−オキシ−デカヒドロナフタレン誘導体を製造するものである。
【0036】
本工程で用いられるホスホニウム塩としては、例えば、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド、メチルトリフェニルホスホニウムクロリドがあげられ、用いる塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基をあげることができる。反応は、溶媒中で行うことが望ましく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が用いられ、また、上記の溶媒のうち2種類以上を混合しても差し支えない。反応は、−78℃から溶媒還流温度の間で行うことができる。
【0037】
(第五工程)
本工程は、前記一般式(2)で表される5−置換ベンジル−1,1,4a−トリメチル−6−メチレン−2−オキシ−デカヒドロナフタレン誘導体の5位の置換ベンジル基上の二つの水酸基の保護基のうち、一つだけを脱保護し、前記一般式(2a)で表される5−置換ベンジル−1,1,4a−トリメチル−6−メチレン−2−オキシ−デカヒドロナフタレン誘導体を製造するものである。
【0038】
本工程の水酸基の脱保護は、公知の方法に従い行うことができる(Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wieley Interscience Publication,
John−Wiley & Sons, New York, 1999, pp 23−200)。
【0039】
(第六工程)
本工程は、前記一般式(2a)で表される5−置換ベンジル−1,1,4a−トリメチル−6−メチレン−2−オキシ−デカヒドロナフタレン誘導体を分子内エーテル環化し、前記一般式(1)で表される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体を製造するものである。
【0040】
反応は、例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、硫酸、過塩素酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のプロトン酸存在下、あるいは、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、塩化ロジウム、塩化アルミニウム、アルミニウムメチルジクロリド、アルミニウムメチルジクロリド、アルミニウムエチルジクロリド、アルミニウムジエチルクロリド等のルイス酸存在下で行うことができる。また、本反応は、臭素あるいはヨウ素等のハロゲン化試薬を用いるハロエーテル環化反応とそれに続く脱ハロゲン化反応、あるいは、N−(フェニルセレノ)フタルイミドを用いるセレノエーテル環化反応とそれに続く脱セレノ化反応等を用いても行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が用いられ、また、上記の溶媒のうち2種類以上を混合しても差し支えない。反応は、−78℃から溶媒還流温度の間で行うことができる。
【0041】
(第七工程)
本工程は、前記一般式(1)で表される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体の二つの水酸基の保護基を同時に脱保護し、前記式(1a)で表される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−2H−ベンゾ[a]キサンテン−3,11−ジオ−ルを製造するものである。
【0042】
本工程の水酸基の脱保護は、公知の方法に従い行うことができる(T. W. Greene,P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wieley Interscience Publication, John−Wiley & Sons,New York, 1999, pp 23−200)。
【0043】
(第八工程)
本工程は、前記式(1a)で表される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−2H−ベンゾ[a]キサンテン−3,11−ジオ−ルの二つの水酸基を同時に保護し、前記一般式(1b)で表される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体を製造するものである。
【0044】
本工程の水酸基の保護は、公知の方法に従い行うことができる(Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wieley Interscience Publication, John−Wiley & Sons,New York, 1999, pp 23−200)。
【0045】
(第九工程)
本工程は、前記一般式(1b)で表される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン誘導体のフェノール性水酸基の保護基を選択的に脱保護し、前記一般式(1c)で表される4,4,6a,12b−テトラメチル−1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b−デカヒドロ−3−オキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン−11−オール誘導体を製造するものである。
【0046】
本工程の水酸基の保護基の脱保護は、公知の方法に従い行うことができる(Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wieley Interscience Publication, John−Wiley & Sons,New York, 1999, pp 23−245)。
【0047】
以下、実施例、参考例で本発明を詳細に説明が、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0048】
【実施例】
【0049】
実施例1
【0050】
【化20】
Figure 2004035497
【0051】
アルゴン雰囲気下にて、マグネシウム(粉末状)(132mg, 5.43mmol)の脱水ジエチルエーテル懸濁液(1.00ml)にエチレンジブロミド(79.0μl, 0.91mmol)を加え発泡させた後、2−ベンジルオキシメトキシ−6−メトキシメトキシブロモベンゼン(1.28g, 3.62mmol)の脱水ジエチルエーテル溶液(5.00ml)を加えて穏やかに加熱し、反応が開始したら室温で1時間攪拌した。その後、0℃まで冷却し、(4a,6,8a)−6β−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5,5,8aβ−トリメチル−1−メチレン−3,4,4aα−5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−オン(203mg, 0.60mmol)の脱水ジエチルエーテル溶液(4.00ml)を加え、同温度にて5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(4.00ml)を加え、有機物を酢酸エチル(20.0ml)で2回抽出し、有機層を2%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過し溶媒を減圧下留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により分離精製し、(4a,6,8,8a)−1β−(2−ベンジルオキシメトキシ−6−メトキシメトキシメチル−ベンジル)−6β−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5,5,8aβ−トリメチル−3,4,4aα,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−オン(349mg, 95%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(250MHz, CDCl): δ 0.02(6H, s), 0.79(3H, s), 0.87−0.90 (1H, m), 0.88 (12H, s), 0.96(3H, s), 1.18−1.30(2H, m), 1.40−1.53(2H, m), 1.60−1.87(2H, m), 1.88−1.98(1H, m), 2.15−2.32(1H, m), 2.32−2.45(1H, m), 2.58−2.73(2H, m), 3.13−3.28(2H, m), 3.49(3H, s), 4.70(2H, s), 5.17(2H, s), 5.28(2H, s), 6.75(1H, d), 6.82(1H, d), 7.05(1H, dd), 7.26−7.36(5H, m).
【0052】
実施例2
【0053】
【化21】
Figure 2004035497
【0054】
アルゴン雰囲気下にて、tert−ブトキシカリウム(330mg, 2.86mmol)の脱水ベンゼン溶液(5.00ml)にメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.04g, 2.86mmol)を加え、3時間加熱還流した。その後、(4a,6,8,8a)−1β−(2−ベンジルオキシメトキシ−6−メトキシメトキシメチル−ベンジル)−6β−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5,5,8aβ−トリメチル−3,4,4aα,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−オン(349mg, 0.571mmol)の脱水ベンゼン溶液(5.00ml)を加え、さらに13時間加熱還流した。その後、室温まで冷却して反応混合物に水(5.00ml)を加えた。反応混合物をジエチルエーテル(20.0ml)で4回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過し溶媒を減圧下留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により分離精製し、(4a,6,8,8a)−1β−(2−ベンジルオキシメトキシ−6−メトキシメトキシメチル−ベンジル)−6β−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5,5,8aβ−トリメチル−2−メチレン−3,4,4aα,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン(338mg, 97%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(250MHz, CDCl): δ 0.04(6H, s), 0.76(3H, s), 0.85(3H, s), 0.89(9H, s), 0.90(3H, s), 0.80−0.90(1H, m), 1.09(1H, dd), 1.30−1.40(1H, m), 1.40−1.48(1H, m), 1.57−1.77(2H, m), 1.80−1.98(2H, m), 2.24−2.38(1H, m), 2.50−2.59(1H, m), 2.78(1H, dd), 2.92(1H, dd), 3.20(1H, dd), 3.50(3H, s), 4.70(1H, s), 4.73(2H, s), 4.99(1H, s), 5.18(2H, s), 5.30(2H, s), 6.75(1H, d), 6.82(1H, d), 7.05(1H, dd), 7.26−7.38(5H, m).
【0055】
実施例3
【0056】
【化22】
Figure 2004035497
【0057】
アルゴン雰囲気下にて、金属リチウム(116mg, 16.7mmol)の液体アンモニア溶液(20.0ml)を室温にて還流し、(4a,6,8,8a)−1β−(2−ベンジルオキシメトキシ−6−メトキシメトキシメチル−ベンジル)−6β−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5,5,8aβ−トリメチル−2−メチレン−3,4,4aα,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン(338mg, 0.56mmol)の脱水テトラヒドロフラン(THF)溶液(7.00ml)を加え、1時間還流した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(5.00ml)をゆっくり加え、室温にして液体アンモニアを気化させた。反応混合物を酢酸エチル(20.0ml)で3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過し溶媒を減圧下留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により分離精製し、(1,4a,6,8a)−2−[6β−tert−ブチルジメチルシロキシ−5,5,8aβ−トリメチル−2−メチレン−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロナフタレン−1β−イルメチル]−3−メトキシメトキシフェノール(258mg, 95%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(250MHz, CDCl): δ 0.03(3H, s), 0.04(3H, s), 0.76(3H, s), 0.82(3H, s), 0.88(9H, s), 0.89(3H, s), 1.11(1H, dd, J=2.7, 12.5Hz), 1.22−1.33(1H, m), 1.35−1.46(1H, m), 1.50−1.56(1H, m), 1.58−1.68(1H, m),  1.70−1.79(1H, m), 1.88−2.01(2H, m), 2.30−2.41(2H, m), 2.76(1H, dd, J=8.1, 14.6Hz),2.86(1H, dd, J=3.7, 14.6Hz), 3.20(1H, dd, J=4.5, 11.4Hz), 3.50(3H, s), 4.82(1H, d, J=1.1Hz), 4.89(1H, s), 5.04(1H, d, J=1.1Hz), 5.17(1H, d, J=6.6Hz), 5.20(1H, d, J=6.6Hz), 6.43(1H, dd, J=0.8,8.2Hz), 6.66(1H, dd, J=0.8, 8.2Hz), 6.98(1H, dd, J=8.2, 8.2Hz).
FT−IR(neat, cm−1): 3420, 2936, 2855, 1719, 1647, 1595, 1466, 1385, 1254,1194, 1154, 1094, 1044,941, 887, 835, 774, 731, 664.EI−MS(m/z): 488(57, M), 431(18), 45(100).
【0058】
実施例4
【0059】
【化23】
Figure 2004035497
【0060】
アルゴン雰囲気下にて、(1,4a,6,8a)−2−[6β−tert−ブチルジメチルシロキシ−5,5,8aβ−トリメチル−2−メチレン−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロナフタレン−1β−イルメチル]−3−メトキシメトキシフェノール(11.4mg, 23μmol)の脱水塩化メチレン溶液(0.80ml)を‐78℃に冷却し、−(フェニルセレノ)フタルイミド(8.60mg, 28μmol)の脱水塩化メチレン溶液(1.0ml)および四塩化スズ(1.0Min CHCl, 25μl, 25μmol)を加え同温度にて1時間反応させた。その後、溶媒を減圧下留去し、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により分離精製し、(3,4a,6a,12a,12b)−3β−tert−ブチルジメチルシロキシ−11−メトキシメトキシ−4,4,12bβ−トリメチル−6aα−フェニルセレニルメチル−1,3,4,4aα,5,6,6a,12,12aα,12b−デカヒドロ−2−ベンゾ[]キサンテン(11.9mg, 79%)を黄色油状物質として得た。
H−NMR(500MHz, CDCl): δ 0.04(3H, s), 0.05(3H, s), 0.69(3H, s), 0.74(3H, s), 0.88(9H, s), 0.89−0.92(1H, m), 0.94(3H, s), 1.01−1.12(1H, m), 1.45−1.53(1H, m), 1.55−1.61(2H, m), 1.61−1.75(2H, m), 1.75−1.88
(2H, m), 2.15−2.24(1H, m), 2.44(1H, dd, J=8.4, 18.7Hz), 2.73(1H, d, J=18.7Hz), 3.09(2H, m), 3.23(1H, dd, J=4.7, 11.3Hz), 3.45(3H, s), 5.17 (2H, d, J=1.6Hz), 6.43(1H, dd, J=0.8, 8.2Hz), 6.56(1H, dd, J=0.8,
8.2Hz), 6.98(1H, dd, J=8.2, 8.2Hz), 7.14−7.23(3H, m), 7.40−7.47(2H, m).EI−MS(m/z): 643(5, M), 488(2), 473(100), 45(42).
上記で得られた(3,4a,6a,12a,12b)−3β−tert−ブチルジメチルシロキシ−11−メトキシメトキシ−4,4,12bβ−トリメチル−6aα−フェニルセレニルメチル−1,3,4,4aα,5,6,6a,12,12aα,12b−デカヒドロ−2−ベンゾ[]キサンテン(79.1mg, 0.12mmol)の脱水トルエン溶液(3.00ml)に、アルゴン雰囲気下にて、水素化‐トリブチルスズ(68.0μl, 0.25mmol)および2,2’‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(1.00mg, 6.0μmol)を加えた。反応混合物を液体窒素で凍結し、減圧することにより脱気した。その後、室温に上昇し溶媒を解凍した後、6時間加熱還流した。反応容器を室温に戻し、再度、水素化‐トリブチルスズ(34.0μl, 23μmol)および2,2’‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(1.00mg, 6.0μmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却した後、溶媒を減圧下留去し、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1→20:1)により分離精製し、(3,4a,6a,12a,12b)−3β−tert−ブチルジメチルシロキシ−11−メトキシメトキシ−4,4,6aα,12bβ−テトラメチル−1,3,4,4aα,5,6,6a,12,12aα,12b−デカヒドロ−2−ベンゾ[]キサンテン(47.0mg, 78%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(500MHz, CDCl): δ 0.04(6H, s), 0.69(3H, s), 0.74(3H, s), 0.84−0.91(1H, m), 0.88(9H, s), 0.93(3H, s), 0.97−1.10(1H, m), 1.16(3H, s), 1.32(1H, d, J=8.2Hz), 1.45−1.63(4H, m), 1.64−1.74(1H, m), 1.80−1.89(1H, m), 2.11−2.21(1H, m), 2.63(1H, dd, J=8.2, 18.5Hz), 2.80(1H, d, J=18.5Hz), 3.20(1H, dd, J=4.6, 11.4Hz), 3.49(3H, s), 5.20(2H, s), 6.44(1H, d, J=8.2Hz), 6.56(1H, d, J=8.2Hz),6.99(1H, dd, J=8.2, 8.2Hz).EI−MS(m/z): 488(100,M), 473(5), 431(35), 45(67).
【0061】
実施例5
【0062】
【化24】
Figure 2004035497
【0063】
(3,4a,6a,12a,12b)−3β−tert−ブチルジメチルシロキシ−11−メトキシメトキシ−4,4,6aα,12bβ−テトラメチル−1,3,4,4aα,5,6,6a,12,12aα,12b−デカヒドロ−2−ベンゾ[]キサンテン(106mg, 0.22mmol)のメタノール(4.00ml)に6M塩酸水溶液(0.36ml)を加え、50℃にて3時間反応させた。反応混合物に飽和食塩水(3.00ml)を加え、酢酸エチル(10.0ml)で3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過し溶媒を減圧下留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により分離精製し、(3,4a,6a,12a,12b)−4,4,6aα,12bβ−テトラメチル−1,3,4,4aα,5,6,6a,12,12aα,12b−デカヒドロ−2−ベンゾ[]キサンテン−3β,11−ジオール(60.6mg, 85%)を白色固体として得た。
H−NMR(500MHz, CDCl): δ 0.71(3H, s), 0.79(3H, s), 0.89−0.95(1H, m), 1.03(3H, s), 1.04−1.12(1H,m), 1.17(3H, s), 1.37(1H, d, J=7.8Hz), 1.55−1.62(3H, m), 1.62−1.75(2H, m), 1.92(1H, ddd, J=3.6,3.6, 13.0Hz), 2.14−2.21(1H, m), 2.17(1H, s), 2.65(1H, dd, J=7.7, 17.8Hz), 2.73(1H, d, J=17.8Hz), 3.21−3.27(1H, m), 4.63(1H, s), 6.30(1H, dd, J=1.0, 8.1Hz), 6.37(1H, dd, J=1.0, 8.1Hz), 6.92(1H, dd, J=8.1, 8.1Hz).
13C−NMR(125MHz, CDCl): δ 14.0, 14.1, 15.6, 17.4, 17.9, 26.9, 27.0, 28.5, 38.1, 38.2, 38.8, 40.6, 48.8, 54.3, 75.0, 79.1, 106.2, 109.5, 126.5, 153.5, 155.8.
FT−IR(KBr, cm−1): 3439, 2928, 1616, 1593, 1466, 1370, 1273, 1169, 1134, 1026, 903, 775.
【0064】
実施例6
【0065】
【化25】
Figure 2004035497
【0066】
アルゴン雰囲気下にて、(3,4a,6a,12a,12b)−4,4,6aα,12bβ−テトラメチル−1,3,4,4aα,5,6,6a,12,12aα,12b−デカヒドロ−2−ベンゾ[]キサンテン−3β,11−ジオール(60.4mg, 0.18mmol)に無水酢酸(0.17ml, 1.83mmol)、ピリジン(1.00ml)及び4‐ジメチルアミノピリジン(11.0mg, 0.092mmol)を加え、室温で18時間反応させた。反応混合物を酢酸エチル(15.0ml)で希釈し、有機層を2%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過し溶媒を減圧下留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により分離精製し、(3,4a,6a,12a,12b)−3β,11−ビスアセトキシ−4,4,6aα,12bβ−テトラメチル−1,3,4,4aα,5,6,6a,12,12aα,12b−デカヒドロ−2−ベンゾ[]キサンテン(61.9mg, 81%)を白色固体として得た。
H−NMR(500MHz, CDCl):δ 0.72(3H, s), 0.85(3H, s), 0.90(3H, s), 0.96−1.01(1H, m), 1.07−1.15(1H, m), 1.17(3H, s), 1.33(1H, d, J=7.8Hz), 1.54−1.63(2H, m), 1.63−1.77(3H, m), 1.83(1H, ddd, J=3.6,3.6, 13.1Hz), 2.05(3H, s), 2.14−2.21(1H, m), 2.32(3H, s), 2.56(1H, d, J=18.1Hz), 2.63(1H, dd, J=7.8, 18.1Hz), 4.49(1H, dd, J=4.8, 11.6Hz), 6.56(1H, dd, J=1.0, 8.1Hz), 6.65(1H, dd, J=1.0, 8.1Hz), 7.07(1H, dd, J=8.1, 8.1Hz).
13C−NMR(125MHz, CDCl): δ 14.1, 16.8, 17.7, 17.8, 20.8, 21.3, 23.4, 26.8, 28.4, 37.7, 37.8, 37.9, 40.4, 48.6, 54.4, 75.3, 80.7, 113.1, 114.8,115.7, 126.7, 148.9, 155.7, 169.1, 171.0.
FT−IR(KBr, cm−1): 2971, 2932, 2886, 1753, 1723, 1615, 1584, 1466, 1372, 1318, 1252, 1209, 1165, 1136, 1086, 1030, 1009, 974, 916, 893, 876, 849 , 804, 785, 725, 706, 658, 598, 557, 527.
【0067】
実施例7
【0068】
【化26】
Figure 2004035497
【0069】
アルゴン雰囲気下にて、(3,4a,6a,12a,12b)−3β,11−ビスアセトキシ−4,4,6aα,12bβ−テトラメチル−1,3,4,4aα,5,6,6a,12,12aα,12b−デカヒドロ−2−ベンゾ[]キサンテン(61.9mg, 0.149mol)のテトラヒドロフラン:tert−ブチルアルコール(5:1)の混合溶液(3.00ml)にtert−ブトキシカリウム(51.7mg, 0.48mmol)を加え、室温にて20分間反応させた。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(4.00ml)を加え、次いで酢酸エチル(15.0ml)で2回抽出した。有機層を2%塩酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過し溶媒を減圧下留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1→2:1)により分離精製し、(3S,4aR,6aS,12aR,12bS)−3β−アセトキシ−11−ヒドロキシ−4,4,6aα,12bβ−テトラメチル−1,3,4,4aα,5,6,6a,12,12aα,12b−デカヒドロ−2−ベンゾ[]キサンテン(34.5mg, 62%)を白色固体として得た。
H−NMR(500MHz, CDCl):δ 0.74(3H, s), 0.86(3H, s), 0.90(3H, s), 0.97−1.03(1H, m), 1.09−1.21(1H, m), 1.18(3H, s), 1.38(1H, d, J=7.5Hz), 1.49−1.77(5H, m), 1.91(1H, ddd, J=3.5, 3.5, 13.2Hz), 2.05(3H, s), 2.12−2.21(1H, m), 2.66(1H, dd, J=7.5, 17.9Hz), 2.72(1H, d, J=17.9Hz), 4.50(1H, dd, J=4.7, 11.7Hz), 4.77(1H, s), 6.30(1H, dd, J=0.8, 8.0Hz), 6.37(1H, d, J=8.0Hz), 6.92(1H, dd, J=8.0, 8.0Hz).
13C−NMR(125MHz, CDCl): δ 14.2, 16.8, 17.4, 17.8, 21.3, 23.4, 26.8, 28.4, 37.7, 37.8, 38.0, 40.5, 48.7, 54.4, 75.0, 81.1, 106.2, 109.5, 109.8, 126.6, 153.5, 155.8, 171.4.
FT−IR(KBr, cm−1): 3447, 2946, 2361, 1699, 1616, 1595, 1468, 1377, 1277, 1169, 1136, 1084, 1030, 972, 905, 777, 561.
EI−MS(m/z): 372(100, M), 312(6), 297(13), 43(58).
【0070】
【参考例】
【0071】
参考例1
【0072】
【化27】
Figure 2004035497
【0073】
アルゴン雰囲気下にて、2−ブロモレソルシノール(400mg, 2.12mmol)の脱水塩化メチレン溶液(7.00ml)にジイソプロピルエチルアミン(0.37ml, 2.12mmol)及びクロロメチルメチルエーテル(0.16ml, 2.12mmol)を加え、室温で1時間反応させた。その後、反応混合物に2%塩酸水溶液を加え弱酸性にした後、反応混合物を酢酸エチル(30.0ml)で2回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過し溶媒を減圧下留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により分離精製し、2−ブロモ−3−メトキシメトキシフェノール(215mg, 44%)を白色固体として得た。
H−NMR(500MHz, CDCl): δ 3.52(3H, s), 5.25(2H, s), 5.62(1H, s), 6.69−6.74(2H, m), 7.15(1H, dd, J=8.3, 8.3Hz).
FT−IR(KBr, cm−1): 3426, 2932, 1593, 1466, 1385, 1321, 1260, 1190, 1154, 1088, 1034, 926, 772,  581.
EI−MS(m/z): 234 (57, M+1), 233(5, M+), 232(57), 45(100).
【0074】
参考例2
【0075】
【化28】
Figure 2004035497
【0076】
アルゴン雰囲気下にて、2−ブロモ−3−メトキシメトキシフェノール(215mg, 0.92mmol)の脱水塩化メチレン溶液(4.0ml)にジイソプロピルエチルアミン(0.27ml, 1.57mmol)及びベンジルクロロメチルエーテル(0.21ml, 1.38mmol)を加え、室温で1時間反応させた。その後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(4.0ml)を加え、有機物を酢酸エチル(30.0ml)で2回抽出し、有機層を2%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過し溶媒を減圧下留去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により分離精製し、2−ベンジルオキシメトキシ−6−メトキシメトキシブロモベンゼン(283mg, 87%)を白色固体として得た。
H−NMR(500MHz, CDCl): δ 3.53(3H, s), 4.77(2H, s), 5.26(2H, s), 5.37(2H, s), 6.85(1H, dd, J=1.2, 8.3Hz), 6.91(1H, dd, J=1.2, 8.3Hz), 7.19(1H, dd, J=8.3, 8.3Hz), 7.33−7.40(5H, m).
FT−IR(KBr, cm−1): 2905, 1721, 1593, 1466, 1385, 1246, 1206, 1155, 1086, 1042, 891, 772, 739, 698, 606.
EI−MS(m/z): 354 (1, M+1), 352(1), 322(10), 91(100), 45(23).

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 2004035497
    (式中、RおよびRは同一または異なって水素原子、または水酸基の保護基を表す。)で示されるデカヒドロ−3,11−ジオキシ−2H−ベンゾ[a]キサンテン−3,11−ジオール誘導体。
  2. 一般式(2)
    Figure 2004035497
    (式中、R、R、Rは同一または異なって水素原子、または水酸基の保護基を表す。)で示される5−(2,6−ジオキシベンジル)−1,1,4a−トリメチル−6−メチレン−2−オキシ−デカヒドロナフタレン誘導体。
  3. 一般式(3)
    Figure 2004035497
    (式中、R、R、Rは同一または異なって水酸基の保護基を表す。)で示される1−(2,6−ジオキシベンジル)−5,5,8a−トリメチル−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体。
  4. 一般式(4)
    Figure 2004035497
    (式中、Rは水酸基の保護基を表す。)で示される5,5,8a−トリメチル−1−メチレン−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体と、一般式(5)
    Figure 2004035497
    (式中、RおよびRは同一または異なって水酸基の保護基を表す。)で示される2−ブロモレゾルシノール誘導体を反応させることを特徴とする、一般式(3a)
    Figure 2004035497
    (式中、R、R、Rは同一または異なって水酸基の保護基を表す。)で示される1−(2,6−ジオキシベンジル)−5,5,8a−トリメチル−6−オキシ−オクタヒドロナフタレン−2−オン誘導体の製造方法。
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