JP2004034946A - 画像処理装置、駐車支援装置、及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】路面上に存在する目印の検出精度を向上することである。
【解決手段】本発明に係る駐車支援装置1は、路面種類判別部14と目標駐車区画設定部18とを具備する。路面種類判別部14は路面の種類を判別する。目標駐車区画設定部18は、路面種類判別部14により路面上に白線を有する路面であると判別された場合には、当該白線に基づいて車両の目標駐車区画を設定する。また、目標駐車区画設定部18は、路面上に白線を有する路面でないと判別された場合には、障害物に基づいて前記車両の目標駐車区画を設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る駐車支援装置1は、路面種類判別部14と目標駐車区画設定部18とを具備する。路面種類判別部14は路面の種類を判別する。目標駐車区画設定部18は、路面種類判別部14により路面上に白線を有する路面であると判別された場合には、当該白線に基づいて車両の目標駐車区画を設定する。また、目標駐車区画設定部18は、路面上に白線を有する路面でないと判別された場合には、障害物に基づいて前記車両の目標駐車区画を設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、駐車支援装置、及び画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像処理技術の発達に伴い、カメラによって撮像された画像を使用して、車両の状態を制御する駐車支援装置が提案されている。例えば、特開平10−244890号公報においては、以下に説明する自動駐車装置が開示されている。すなわち、上記自動駐車装置は、3台のカメラにより車両の後方、右側方、及び左側方を撮像し、撮像された画像の処理結果を参照して駐車経路を決定する。そして、決定された駐車経路に従って車両を移動させることにより、車両の自動駐車を実現するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では以下に示す様な問題点があった。すなわち、路面には、アスファルト路面に限らず土路面やコンクリート路面などの様々な種類が存在するが、通常アスファルト路面上には、目標駐車区画等の空間を識別するための目印(例えば白線)が存在することが多い。これに対して、土路面やコンクリート路面上には、かかる目印が存在しない場合が多い。
【0004】
ところが、従来技術では、路面の種類を問わず上記目印の検出を試行するので、アスファルト以外の路面に対して検出を試行した場合に目印を誤検出することが懸念される。かかる目印の誤検出は、目標駐車区画等の空間を設定する際の精度を低下させる一因となる。また、実際に目印が存在しない土やコンクリートの路面に対しても一律に、目印を探索することになり、目印探索に伴う演算処理の負荷や時間が増大する。
【0005】
そこで、本発明は、路面上に存在する目印の検出精度を向上した画像処理装置、駐車支援装置、及び画像処理方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決する為、以下の様な特徴を備えている。
本発明に係る画像処理装置は、取得された画像データ(撮像データ)を使用して路面の種類を判別する路面判別手段と、前記路面判別手段により前記路面上に目印を有する路面であると判別された場合には、前記目印に基づいて前記画像データに空間を設定し、前記路面上に目印を有する路面でないと判別された場合には、障害物に基づいて前記画像データに空間を設定する空間設定手段とを備える。
【0007】
本発明に係る画像処理方法は、画像処理装置が画像データを使用して路面の種類を判別する路面判別ステップと、前記路面判別ステップにて前記路面上に目印を有する路面であると判別された場合には、前記画像処理装置は前記目印に基づいて前記画像データに空間を設定し、前記路面上に目印を有する路面でないと判別された場合には、前記画像処理装置は障害物に基づいて前記画像データに空間を設定する空間設定ステップとを含む。
【0008】
これらの発明によれば、路面の種類に応じて空間の設定方法が適宜選択的に決定される。すなわち、目印に基づく空間設定は、路面上に目印が存在すると判別された場合に行われる。また、障害物に基づく空間設定は、路面上に目印が存在しないと判別された場合に行われる。これにより、目印が存在しない路面に対してまで目印検出を行うことがなくなる。したがって、全ての路面に対して目印検出を行う場合と比較して目印の誤検出が低減される。その結果、目印の検出精度が向上する。更に、高精度に検出された目印を使用することにより、空間設定の精度が向上する。
【0009】
また、路面上に目印が存在しないにも拘わらず、目印の検出が試行されることがない。したがって、目印探索に伴う処理負荷が軽減される。また、目印探索に伴う処理時間が短縮され、その結果、空間設定に掛かる処理時間が短縮される。
【0010】
なお、空間は、駐車場内の目標駐車区画などの二次元領域は勿論のこと、目標駐車スペース等の三次元領域をも含む。空間の設定とは、空間の中から特定の空間を選択及び決定することであり、例えば車両を駐車する為の所望の目標駐車区画を駐車場の中から選定することである。また、障害物には、他の駐車車両や輪留めなどの停止障害物の他に、走行中の車両や歩行者などの移動障害物をも含む。
【0011】
本発明に係る駐車支援装置は、画像データを処理して車両を駐車させる制御を行う。当該駐車支援装置は、前記画像データから路面の種類を判別する路面判別手段と、前記路面判別手段により、前記車両の目標駐車区画を識別するための線(例えば、駐車枠を表す白色や黄色の線)を有する路面であると判別された場合には、当該線に基づいて前記画像データに前記目標駐車区画を設定し、前記線を有する路面でないと判別された場合には、駐車車両に基づいて前記画像データに前記目標駐車区画を設定する空間設定手段とを備える。
【0012】
これらの発明によれば、路面の種類に応じて目標駐車区画の設定方法が適宜選択的に決定される。すなわち、線に基づく空間設定は、路面上に線が存在すると判別された場合に行われる。また、駐車車両に基づく空間設定は、路面上に線が存在しないと判別された場合に行われる。これにより、線が存在しない路面に対してまで線の探索を行うことがなくなる。したがって、路面の種類を問わず線の探索を行う場合と比較して線の誤検出が低減される。その結果、線の検出精度が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における駐車支援装置1の機能的構成を示すブロック図である。図1に示す様に、駐車支援装置1(画像処理装置に対応)は、複眼カメラ11と、画像格納部12と、平面領域抽出部13と、路面種類判別部14(路面判別手段に対応)と、白線検出部15と、白線位置姿勢推定部16と、障害物位置姿勢推定部17と、目標駐車区画設定部18(空間設定手段に対応)とを備える。これら各部は、各種信号の入出力が可能な様に電気的に接続されている。
【0014】
複眼カメラ11は、車両の周辺を撮像する周知のステレオカメラである。複眼カメラ11は、焦点距離が等しく光軸が互いに平行なレンズ11a,11bを有し、これらのレンズにより少なくとも2つの視点から障害物(他車両や歩行者)を観測する。本実施形態では、説明の便宜上、複眼カメラ11は、車両の右側方部に搭載されているものとするが、好適には、複眼カメラ11は、少なくとも車両の前後左右に搭載されており各カメラの画素数は等しい。また、複眼カメラ11は、三次元距離データを生成可能であれば単眼カメラであってもよい。
【0015】
画像格納部12は、複眼カメラ11により撮像された左右1対の画像データを格納する。左右1対の画像データは、レンズ11a,11bに対応する画像格納部12a,12bに撮像データとして格納される。
平面領域抽出部13は、後述の平面領域抽出処理を実行することにより、画像格納部12に格納されている撮像データから平面領域部分を抽出する。
【0016】
路面種類判別部14は教師画像格納部14aを有する。教師画像格納部14aには、撮像データとの比較対象となる多種の路面(例えば、アスファルト、土、砂利、コンクリート等)の画像データが教師画像データとして予め格納されている。
【0017】
路面種類判別部14は、後述の路面種類判別処理を実行することにより、撮像された路面の種類を判別する。具体的には、路面種類判別部14は、平面領域抽出部13から入力された撮像データと教師画像格納部14a内の画像データとからそれぞれ抽出された特徴量を基に、各データを比較する。路面種類判別部14は、当該比較結果に基づいて、撮像データと最も類似性の高い画像データの路面種類を判別する。
【0018】
白線検出部15は、路面種類判別部14によりアスファルトと判別された路面に対して後述の白線検出処理を実行することにより、撮像データから白線部分を検出する。なお、白線の検出には探索結果に基づく白線の有無の判別を含む。
白線位置姿勢推定部16は、白線検出部15により検出された白線の端点座標及び相対角度を算出することにより、白線の位置及び姿勢を推定する。
【0019】
障害物位置姿勢推定部17は、路面の撮像データを参照して、障害物の三次元距離データを生成する。更に、障害物位置姿勢推定部17は、生成された三次元距離データに基づいて、障害物の前端角部の座標及び相対角度を算出することにより、障害物の位置及び姿勢を推定する。
【0020】
目標駐車区画設定部18は、路面種類判別部14により路面がアスファルトと判別された場合には、白線位置姿勢推定部16及び障害物位置姿勢推定部17による推定結果に基づいて車両周辺の環境を認識し、駐車場P1(図2(a)参照)の中から所望の目標駐車区画を設定する。また、路面種類判別部14により路面がアスファルト以外と判別された場合には、障害物位置姿勢推定部17による推定結果に基づいて車両周辺の環境を認識し、駐車場P2(図2(b)参照)の中から所望の目標駐車区画を設定する。
【0021】
次に、本実施の形態における駐車支援装置1の動作を説明する。併せて、本発明に係る画像処理方法の各ステップについて説明する。動作説明の前提として、車両は、図2(a)に示す様に、手動の運転操作によって駐車場P1内を移動し、空いている駐車区画(白線Lに囲まれた領域)付近に一旦停車される。駐車区画の両側には他車両20,30が駐車されている。このとき、車両の位置及び姿勢は任意であるが、駐車支援装置1の処理負荷の低減、及び自動駐車処理の高速性などの観点から、運転者の負担が高くならない範囲内で駐車が容易な位置姿勢であることが望ましい。
【0022】
車両の停車後に、運転者により自動駐車処理の開始が指示されると、図3のフローチャートに示す処理が開始される。まず、複眼カメラ11は、目標駐車区画近傍を撮像し、撮像データを画像格納部12に格納する(S1)。
【0023】
次いで、平面領域抽出部13は、S1で取得された撮像データから、平面領域に該当するデータ部分を抽出する(S2)。平面領域の抽出処理に関しては周知慣用の画像解析技術であるので詳細な説明(数式を含む)は省略し、好適な手法を簡略に説明する。すなわち、平面領域抽出部13は、画像格納部12に格納された左右1対の撮像データから、平面ステレオ法の原理(例えば、“日本ロボット学会誌”Vol.18 No.8,pp1105〜1111,2000の文献に記載)により平面領域を路面領域として抽出する。
【0024】
続いて、路面種類判別部14は、S2で抽出された路面領域に関して、路面の種類がアスファルトであるか否かを判別する。路面種類の判別処理に関しては周知慣用の画像解析技術であるので詳説はしないが、以下図4を参照して、テクスチャを用いた好適な手法を簡略に説明する。なお、当該路面判別手法は、例えば“ガボールフィルタの振幅及び位相情報を用いたテクスチャ画像の領域分割”(電子情報通信学会論文誌D−II Vol.J84−D−II No.12)に開示されている。
【0025】
図4は、路面種類の判別処理を説明する為のフローチャートである。
まず、路面種類判別部14は、教師画像格納部14aから教師画像データを取得する(S31)。次に、路面種類判別部14は、取得された教師画像データ上の画素毎に特徴量を表すベクトル(特徴量ベクトル)を生成し、これらの集合体を1つのクラスとする。これを以って、各路面種類の教師画像からの特徴量抽出処理が完了する(S32)。更に、路面種類判別部14は、各路面種類に対応するクラスの平均値を表すベクトル(平均値ベクトル)とその共分散行列とを算出する(S33)。
【0026】
なお、上述したS31〜S33の一連の処理は、S34以降の処理の前提を為すものである。したがって、平均値ベクトル及び共分散行列が路面種類と対応付けられて、教師画像格納部14aに予め(自動駐車処理の開始前に)格納されているものとしても勿論よい。
【0027】
S34では、路面種類判別部14は、平面領域抽出部13から路面領域の撮像データを取得する。次に、路面種類判別部14は、取得された撮像データ上の画素毎に特徴量ベクトルを生成し、これらを纏めて1つのクラスとすることにより、撮像画像から特徴量を抽出する(S35)。
【0028】
S36では、路面種類判別部14は、S35で生成された特徴量ベクトルのクラスと、S33で算出された平均値ベクトルとに関して、最尤推定により、撮像データの画素毎の類似度を算出する。更に、路面種類判別部14は、当該算出結果に基づいて、撮像データと最も類似度の高い画像データの路面種類を判別する。
【0029】
ここで、最尤推定においては、撮像データ上の隣接画素のクラス状態が上記類似度の算出と無関係であるので、路面種類を判別する際に、各画素のクラス間における類似性が考慮されない。このため、路面種類の判別結果が斑状になることが懸念される。
【0030】
そこで、路面種類判別部14は、最尤推定による路面種類判別処理の実行後に更に、MAP(事後確率最大)推定による路面種類の判別を行う(S37)。MAP推定には各クラスの生起確率が必要であるが、生起確率は、撮像データ上の隣接画素のクラス状態に依存する。したがって、路面種類の判別に際して、各画素のクラス間における類似性が考慮されることになり、斑状の判別結果が纏まった領域に統合される。その結果、最尤推定による路種判別と比較して判別精度が高い。
【0031】
図3に戻り、S3の判別処理の結果、路面種類がアスファルトであると判別されると、白線検出部15は、平面領域抽出部13から入力された撮像データから白線を検出する。白線検出処理に関しては周知慣用の画像解析技術であるので、図5を参照して好適な手法を簡略に説明する。まず、白線検出部15は、ソーベルフィルタにより撮像データにエッジ強調処理を施す(S41)。次いで、適切な画素値(例えば輝度、彩度など)を閾値として二値化を行う(S42)。そして、ハフ変換(hough transformation)などの数学的手法を用いて直線を白線として検出する(S43)。
【0032】
ここで、ハフ変換とは、二次元座標データをXY平面座標系からρθ平面座標系に変換した結果、投票点が相対的に最も多い座標を特定し、当該座標に対応するXY平面座標系上の直線を検出する手法である。ハフ変換には以下に示す長所がある。例えば、線が実線でも点線でもよく、かすれていてもよい。線の太さにばらつきがあってもよい。つまり、ノイズに強いので白線の誤検出が少ない。また、画素毎に独立した変換(写像)であるので、並列処理による高速化が可能である。
【0033】
図3に戻り、S4において白線が検出されると、S5に示す処理が実行される。S5では、白線位置姿勢推定部16は、検出された白線の端点座標及び相対角度を算出することにより、白線の位置及び姿勢を推定する。具体的には、図6に示す様に、白線位置姿勢推定部16は、端点座標PW1(xW1,yW1)、PW2(xW2,yW2)を、S4で検出された白線L1,L2の位置として認識する。また、白線位置姿勢推定部16は、白線L1とY軸との為す鋭角θ1を、白線L1の姿勢として認識する。
【0034】
再び図3に戻りS6では、障害物位置姿勢推定部17は、自車両周辺に位置する駐車車両20,30の位置及び姿勢を推定する。以下、障害物の位置姿勢推定処理について、図7のフローチャートを参照して詳述する。
【0035】
まずS61では、障害物位置姿勢推定部17は、平面領域抽出部13から取得された撮像データに基づいて、駐車車両20,30の三次元距離データを算出する。三次元距離データの算出処理に関しては周知慣用の位置計測技術であるので詳細な説明(数式を含む)は省略し、以下図8を参照して、好適な手法を簡略に説明する。
【0036】
障害物位置姿勢推定部17は、三次元空間に存在する障害物の境界点座標を三次元距離データとして平行ステレオ法により算出する。すなわち、駐車支援装置1は、複眼カメラ11の有するレンズ11a,11bにより2つの視点q1,q2から上記障害物を観測する。そして、障害物位置姿勢推定部17は、各視点q1,q2に投影された左右の画像G1,G2における対応点p1(x1,y1)とp2(x2,y2)とを照合し、その相関関係に基づいて、三角測量法により障害物の三次元距離データP(X,Y,Z)を生成する。なお、必要に応じて、対応点の照合処理に先立ち、画像G1,G2の歪み補正処理や平行化処理を施すものとしてもよい。
【0037】
S62では、障害物位置姿勢推定部17は、S61において生成された三次元距離データの内、所定の高さ、長さ、及び幅の範囲内にあるデータを障害物の領域候補として抽出する。S63では、障害物位置姿勢推定部17は、図9に示す様に、領域候補として抽出されたn個の三次元距離データ、例えばP1(x1,y1,z1),P2(x2,y2,z2),…,Pn(xn,yn,zn)をXY座標平面(自車両が移動する平面)に投影する。投影される点の間隔は、複眼カメラ11の分解能に依存するが、一定以上の直線検出精度を維持すべく、実寸で2〜3cm程度であることが望ましい。
【0038】
S64では、障害物位置姿勢推定部17は、図10に示す様に、XY平面に投影された二次元座標データから直線を検出する。直線検出処理に関しては周知慣用の画像解析技術であるので、詳細な説明(数式を含む)は省略し、好適な手法を簡略に説明する。すなわち、上記二次元座標データをXY平面座標系からρθ平面座標系に変換(上述のHough変換)した際に、投票点が集中する座標に対応する直線が、障害物の境界線として検出される。その結果、障害物である駐車車両20,30に対応して直交する2直線L11,L12、及びL21,L22が検出される。
【0039】
S65では、障害物位置姿勢推定部17は、S64で検出された2組の2直線の交点、及び参照点を算出する。参照点とは、検出された直線の長さが所定値以下であることに起因する障害物の境界誤検出を防ぐ為に、直線検出に使用される限界として定められた点である。図10に示す様に、駐車車両20,30の側壁部分に対応する参照点A2,B2は交点A1,B1からLの距離にそれぞれ位置し、駐車車両20,30の側壁部分に対応する参照点A3,B3は、交点A1,B1からWの距離にそれぞれ位置する。
【0040】
S66では、障害物位置姿勢推定部17は、S65で算出された交点及び角度に基づいて、障害物の位置及び姿勢を推定する。具体的には、障害物位置姿勢推定部17は、図11に示す様に、S64で検出された2組の直交する2直線(計4直線)であるL11,L12,L21,L22を参照して、各直線組の交点PC1(xC1,yC1)、PC2(xC2,yC2)を、駐車車両20,30の前端角部(相対位置に相当)として認識する。また、L11,L21とY軸との為す鋭角θ11,θ12を駐車車両20,30の姿勢(相対角度に相当)として認識する。
【0041】
図3に戻りS7では、目標駐車区画設定部18は、S5における白線位置姿勢の推定結果と、S6における障害物位置姿勢の推定結果とに従って、駐車場P1内の目標駐車区画を設定する。S6で推定された障害物の位置は、車両を駐車車両20,30と一定距離離間する為のデータとして使用され、同角度は、車両を駐車車両20,30と平行に駐車する為のデータとして使用される。
なお、目標駐車区画設定部18は、目標駐車区画に車両を駐車するための好適な経路を計画するものとしてもよい。これを以って、一連の自動駐車処理を完了する。
【0042】
S3における路面種類判別処理の結果、路面の種類がアスファルトでない(例えば、土、砂利、コンクリート等)と判別されると、白線の誤検出、並びに処理負荷及び処理時間の増大を回避すべく、S4〜S5の各処理が省略され、S6以降の処理に移行する。
また、S4における白線検出処理の結果、白線が検出されなかった場合には、S5の白線位置姿勢推定処理を省略してS6以降の処理に移行する。
【0043】
以下、本実施形態において駐車支援装置1により実行される自動駐車処理の効果について説明する。白線は、位置及び姿勢が固定的でありかつ直線性が高い。これに対して、駐車車両などの障害物は位置及び姿勢が流動的である。このため、目標駐車区画を高精度に設定し、より精確な位置に車両を駐車するには、白線と障害物との双方の位置姿勢を反映するのが好ましい。しかし、アスファルト以外の路面を含む全ての種類の路面に対して白線検出を行うと、白線の誤検出が懸念される。
【0044】
そこで、本発明に係る駐車支援装置1は、駐車路面の種類に応じて、目標駐車区画の設定方法を適宜選択するものである。すなわち、駐車路面の種類がアスファルトと判別された場合には、図2(a)の駐車場P1に示す様に、白線Lが引かれている可能性が高い。したがって、駐車支援装置1は、白線検出処理及び障害物検出処理の双方を実行する。一方、駐車路面の種類がアスファルト以外と判別された場合には、図2(b)の駐車場P2に示す様に、白線が引かれている可能性は低いので、目標駐車区画の設定に際して白線検出処理を行わず障害物検出処理のみ実行する。
【0045】
白線検出処理は、アスファルトと判別された路面に対してのみ実行されるので、全ての路面に対して実行される場合に比べて白線の誤検出は低減される。これにより、目標駐車区画の設定精度が向上する。また、白線の存在しない路面に対して白線検出処理を実行した際に懸念される処理負荷が軽減されると共に、自動駐車処理時間も短縮される。
【0046】
なお、本実施形態では、目標駐車区画の設定精度を高める観点から、路面の種類がアスファルトの場合には白線と障害物との双方を検出するものとしたが、白線検出処理のみ実行する態様を採ることも可能である。この場合には、障害物検出処理に伴う負荷及び時間が節減される。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、路面上に存在する目印の検出精度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駐車支援装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、白線を有するアスファルト路面上の目標駐車区画を示す模式図である。図2(b)は、白線を有さない土路面上の目標駐車区画を示す模式図である。
【図3】自動駐車処理を説明する為のフローチャートである。
【図4】路面種類判別処理を説明する為のフローチャートである。
【図5】白線検出処理を説明する為のフローチャートである。
【図6】白線検出処理により検出された白線の位置姿勢の一例を示す図である。
【図7】障害物位置姿勢推定処理を説明する為のフローチャートである。
【図8】障害物の三次元距離データの算出処理を説明するための概念図である。
【図9】障害物の三次元距離データの二次元投影処理を説明するための概念図である。
【図10】投影された二次元座標データから直線を検出する処理を説明するための概念図である。
【図11】検出された直線から交点、及びY軸との角度を算出する処理を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1…駐車支援装置、14…路面種類判別部、18…目標駐車区画設定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、駐車支援装置、及び画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像処理技術の発達に伴い、カメラによって撮像された画像を使用して、車両の状態を制御する駐車支援装置が提案されている。例えば、特開平10−244890号公報においては、以下に説明する自動駐車装置が開示されている。すなわち、上記自動駐車装置は、3台のカメラにより車両の後方、右側方、及び左側方を撮像し、撮像された画像の処理結果を参照して駐車経路を決定する。そして、決定された駐車経路に従って車両を移動させることにより、車両の自動駐車を実現するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では以下に示す様な問題点があった。すなわち、路面には、アスファルト路面に限らず土路面やコンクリート路面などの様々な種類が存在するが、通常アスファルト路面上には、目標駐車区画等の空間を識別するための目印(例えば白線)が存在することが多い。これに対して、土路面やコンクリート路面上には、かかる目印が存在しない場合が多い。
【0004】
ところが、従来技術では、路面の種類を問わず上記目印の検出を試行するので、アスファルト以外の路面に対して検出を試行した場合に目印を誤検出することが懸念される。かかる目印の誤検出は、目標駐車区画等の空間を設定する際の精度を低下させる一因となる。また、実際に目印が存在しない土やコンクリートの路面に対しても一律に、目印を探索することになり、目印探索に伴う演算処理の負荷や時間が増大する。
【0005】
そこで、本発明は、路面上に存在する目印の検出精度を向上した画像処理装置、駐車支援装置、及び画像処理方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決する為、以下の様な特徴を備えている。
本発明に係る画像処理装置は、取得された画像データ(撮像データ)を使用して路面の種類を判別する路面判別手段と、前記路面判別手段により前記路面上に目印を有する路面であると判別された場合には、前記目印に基づいて前記画像データに空間を設定し、前記路面上に目印を有する路面でないと判別された場合には、障害物に基づいて前記画像データに空間を設定する空間設定手段とを備える。
【0007】
本発明に係る画像処理方法は、画像処理装置が画像データを使用して路面の種類を判別する路面判別ステップと、前記路面判別ステップにて前記路面上に目印を有する路面であると判別された場合には、前記画像処理装置は前記目印に基づいて前記画像データに空間を設定し、前記路面上に目印を有する路面でないと判別された場合には、前記画像処理装置は障害物に基づいて前記画像データに空間を設定する空間設定ステップとを含む。
【0008】
これらの発明によれば、路面の種類に応じて空間の設定方法が適宜選択的に決定される。すなわち、目印に基づく空間設定は、路面上に目印が存在すると判別された場合に行われる。また、障害物に基づく空間設定は、路面上に目印が存在しないと判別された場合に行われる。これにより、目印が存在しない路面に対してまで目印検出を行うことがなくなる。したがって、全ての路面に対して目印検出を行う場合と比較して目印の誤検出が低減される。その結果、目印の検出精度が向上する。更に、高精度に検出された目印を使用することにより、空間設定の精度が向上する。
【0009】
また、路面上に目印が存在しないにも拘わらず、目印の検出が試行されることがない。したがって、目印探索に伴う処理負荷が軽減される。また、目印探索に伴う処理時間が短縮され、その結果、空間設定に掛かる処理時間が短縮される。
【0010】
なお、空間は、駐車場内の目標駐車区画などの二次元領域は勿論のこと、目標駐車スペース等の三次元領域をも含む。空間の設定とは、空間の中から特定の空間を選択及び決定することであり、例えば車両を駐車する為の所望の目標駐車区画を駐車場の中から選定することである。また、障害物には、他の駐車車両や輪留めなどの停止障害物の他に、走行中の車両や歩行者などの移動障害物をも含む。
【0011】
本発明に係る駐車支援装置は、画像データを処理して車両を駐車させる制御を行う。当該駐車支援装置は、前記画像データから路面の種類を判別する路面判別手段と、前記路面判別手段により、前記車両の目標駐車区画を識別するための線(例えば、駐車枠を表す白色や黄色の線)を有する路面であると判別された場合には、当該線に基づいて前記画像データに前記目標駐車区画を設定し、前記線を有する路面でないと判別された場合には、駐車車両に基づいて前記画像データに前記目標駐車区画を設定する空間設定手段とを備える。
【0012】
これらの発明によれば、路面の種類に応じて目標駐車区画の設定方法が適宜選択的に決定される。すなわち、線に基づく空間設定は、路面上に線が存在すると判別された場合に行われる。また、駐車車両に基づく空間設定は、路面上に線が存在しないと判別された場合に行われる。これにより、線が存在しない路面に対してまで線の探索を行うことがなくなる。したがって、路面の種類を問わず線の探索を行う場合と比較して線の誤検出が低減される。その結果、線の検出精度が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における駐車支援装置1の機能的構成を示すブロック図である。図1に示す様に、駐車支援装置1(画像処理装置に対応)は、複眼カメラ11と、画像格納部12と、平面領域抽出部13と、路面種類判別部14(路面判別手段に対応)と、白線検出部15と、白線位置姿勢推定部16と、障害物位置姿勢推定部17と、目標駐車区画設定部18(空間設定手段に対応)とを備える。これら各部は、各種信号の入出力が可能な様に電気的に接続されている。
【0014】
複眼カメラ11は、車両の周辺を撮像する周知のステレオカメラである。複眼カメラ11は、焦点距離が等しく光軸が互いに平行なレンズ11a,11bを有し、これらのレンズにより少なくとも2つの視点から障害物(他車両や歩行者)を観測する。本実施形態では、説明の便宜上、複眼カメラ11は、車両の右側方部に搭載されているものとするが、好適には、複眼カメラ11は、少なくとも車両の前後左右に搭載されており各カメラの画素数は等しい。また、複眼カメラ11は、三次元距離データを生成可能であれば単眼カメラであってもよい。
【0015】
画像格納部12は、複眼カメラ11により撮像された左右1対の画像データを格納する。左右1対の画像データは、レンズ11a,11bに対応する画像格納部12a,12bに撮像データとして格納される。
平面領域抽出部13は、後述の平面領域抽出処理を実行することにより、画像格納部12に格納されている撮像データから平面領域部分を抽出する。
【0016】
路面種類判別部14は教師画像格納部14aを有する。教師画像格納部14aには、撮像データとの比較対象となる多種の路面(例えば、アスファルト、土、砂利、コンクリート等)の画像データが教師画像データとして予め格納されている。
【0017】
路面種類判別部14は、後述の路面種類判別処理を実行することにより、撮像された路面の種類を判別する。具体的には、路面種類判別部14は、平面領域抽出部13から入力された撮像データと教師画像格納部14a内の画像データとからそれぞれ抽出された特徴量を基に、各データを比較する。路面種類判別部14は、当該比較結果に基づいて、撮像データと最も類似性の高い画像データの路面種類を判別する。
【0018】
白線検出部15は、路面種類判別部14によりアスファルトと判別された路面に対して後述の白線検出処理を実行することにより、撮像データから白線部分を検出する。なお、白線の検出には探索結果に基づく白線の有無の判別を含む。
白線位置姿勢推定部16は、白線検出部15により検出された白線の端点座標及び相対角度を算出することにより、白線の位置及び姿勢を推定する。
【0019】
障害物位置姿勢推定部17は、路面の撮像データを参照して、障害物の三次元距離データを生成する。更に、障害物位置姿勢推定部17は、生成された三次元距離データに基づいて、障害物の前端角部の座標及び相対角度を算出することにより、障害物の位置及び姿勢を推定する。
【0020】
目標駐車区画設定部18は、路面種類判別部14により路面がアスファルトと判別された場合には、白線位置姿勢推定部16及び障害物位置姿勢推定部17による推定結果に基づいて車両周辺の環境を認識し、駐車場P1(図2(a)参照)の中から所望の目標駐車区画を設定する。また、路面種類判別部14により路面がアスファルト以外と判別された場合には、障害物位置姿勢推定部17による推定結果に基づいて車両周辺の環境を認識し、駐車場P2(図2(b)参照)の中から所望の目標駐車区画を設定する。
【0021】
次に、本実施の形態における駐車支援装置1の動作を説明する。併せて、本発明に係る画像処理方法の各ステップについて説明する。動作説明の前提として、車両は、図2(a)に示す様に、手動の運転操作によって駐車場P1内を移動し、空いている駐車区画(白線Lに囲まれた領域)付近に一旦停車される。駐車区画の両側には他車両20,30が駐車されている。このとき、車両の位置及び姿勢は任意であるが、駐車支援装置1の処理負荷の低減、及び自動駐車処理の高速性などの観点から、運転者の負担が高くならない範囲内で駐車が容易な位置姿勢であることが望ましい。
【0022】
車両の停車後に、運転者により自動駐車処理の開始が指示されると、図3のフローチャートに示す処理が開始される。まず、複眼カメラ11は、目標駐車区画近傍を撮像し、撮像データを画像格納部12に格納する(S1)。
【0023】
次いで、平面領域抽出部13は、S1で取得された撮像データから、平面領域に該当するデータ部分を抽出する(S2)。平面領域の抽出処理に関しては周知慣用の画像解析技術であるので詳細な説明(数式を含む)は省略し、好適な手法を簡略に説明する。すなわち、平面領域抽出部13は、画像格納部12に格納された左右1対の撮像データから、平面ステレオ法の原理(例えば、“日本ロボット学会誌”Vol.18 No.8,pp1105〜1111,2000の文献に記載)により平面領域を路面領域として抽出する。
【0024】
続いて、路面種類判別部14は、S2で抽出された路面領域に関して、路面の種類がアスファルトであるか否かを判別する。路面種類の判別処理に関しては周知慣用の画像解析技術であるので詳説はしないが、以下図4を参照して、テクスチャを用いた好適な手法を簡略に説明する。なお、当該路面判別手法は、例えば“ガボールフィルタの振幅及び位相情報を用いたテクスチャ画像の領域分割”(電子情報通信学会論文誌D−II Vol.J84−D−II No.12)に開示されている。
【0025】
図4は、路面種類の判別処理を説明する為のフローチャートである。
まず、路面種類判別部14は、教師画像格納部14aから教師画像データを取得する(S31)。次に、路面種類判別部14は、取得された教師画像データ上の画素毎に特徴量を表すベクトル(特徴量ベクトル)を生成し、これらの集合体を1つのクラスとする。これを以って、各路面種類の教師画像からの特徴量抽出処理が完了する(S32)。更に、路面種類判別部14は、各路面種類に対応するクラスの平均値を表すベクトル(平均値ベクトル)とその共分散行列とを算出する(S33)。
【0026】
なお、上述したS31〜S33の一連の処理は、S34以降の処理の前提を為すものである。したがって、平均値ベクトル及び共分散行列が路面種類と対応付けられて、教師画像格納部14aに予め(自動駐車処理の開始前に)格納されているものとしても勿論よい。
【0027】
S34では、路面種類判別部14は、平面領域抽出部13から路面領域の撮像データを取得する。次に、路面種類判別部14は、取得された撮像データ上の画素毎に特徴量ベクトルを生成し、これらを纏めて1つのクラスとすることにより、撮像画像から特徴量を抽出する(S35)。
【0028】
S36では、路面種類判別部14は、S35で生成された特徴量ベクトルのクラスと、S33で算出された平均値ベクトルとに関して、最尤推定により、撮像データの画素毎の類似度を算出する。更に、路面種類判別部14は、当該算出結果に基づいて、撮像データと最も類似度の高い画像データの路面種類を判別する。
【0029】
ここで、最尤推定においては、撮像データ上の隣接画素のクラス状態が上記類似度の算出と無関係であるので、路面種類を判別する際に、各画素のクラス間における類似性が考慮されない。このため、路面種類の判別結果が斑状になることが懸念される。
【0030】
そこで、路面種類判別部14は、最尤推定による路面種類判別処理の実行後に更に、MAP(事後確率最大)推定による路面種類の判別を行う(S37)。MAP推定には各クラスの生起確率が必要であるが、生起確率は、撮像データ上の隣接画素のクラス状態に依存する。したがって、路面種類の判別に際して、各画素のクラス間における類似性が考慮されることになり、斑状の判別結果が纏まった領域に統合される。その結果、最尤推定による路種判別と比較して判別精度が高い。
【0031】
図3に戻り、S3の判別処理の結果、路面種類がアスファルトであると判別されると、白線検出部15は、平面領域抽出部13から入力された撮像データから白線を検出する。白線検出処理に関しては周知慣用の画像解析技術であるので、図5を参照して好適な手法を簡略に説明する。まず、白線検出部15は、ソーベルフィルタにより撮像データにエッジ強調処理を施す(S41)。次いで、適切な画素値(例えば輝度、彩度など)を閾値として二値化を行う(S42)。そして、ハフ変換(hough transformation)などの数学的手法を用いて直線を白線として検出する(S43)。
【0032】
ここで、ハフ変換とは、二次元座標データをXY平面座標系からρθ平面座標系に変換した結果、投票点が相対的に最も多い座標を特定し、当該座標に対応するXY平面座標系上の直線を検出する手法である。ハフ変換には以下に示す長所がある。例えば、線が実線でも点線でもよく、かすれていてもよい。線の太さにばらつきがあってもよい。つまり、ノイズに強いので白線の誤検出が少ない。また、画素毎に独立した変換(写像)であるので、並列処理による高速化が可能である。
【0033】
図3に戻り、S4において白線が検出されると、S5に示す処理が実行される。S5では、白線位置姿勢推定部16は、検出された白線の端点座標及び相対角度を算出することにより、白線の位置及び姿勢を推定する。具体的には、図6に示す様に、白線位置姿勢推定部16は、端点座標PW1(xW1,yW1)、PW2(xW2,yW2)を、S4で検出された白線L1,L2の位置として認識する。また、白線位置姿勢推定部16は、白線L1とY軸との為す鋭角θ1を、白線L1の姿勢として認識する。
【0034】
再び図3に戻りS6では、障害物位置姿勢推定部17は、自車両周辺に位置する駐車車両20,30の位置及び姿勢を推定する。以下、障害物の位置姿勢推定処理について、図7のフローチャートを参照して詳述する。
【0035】
まずS61では、障害物位置姿勢推定部17は、平面領域抽出部13から取得された撮像データに基づいて、駐車車両20,30の三次元距離データを算出する。三次元距離データの算出処理に関しては周知慣用の位置計測技術であるので詳細な説明(数式を含む)は省略し、以下図8を参照して、好適な手法を簡略に説明する。
【0036】
障害物位置姿勢推定部17は、三次元空間に存在する障害物の境界点座標を三次元距離データとして平行ステレオ法により算出する。すなわち、駐車支援装置1は、複眼カメラ11の有するレンズ11a,11bにより2つの視点q1,q2から上記障害物を観測する。そして、障害物位置姿勢推定部17は、各視点q1,q2に投影された左右の画像G1,G2における対応点p1(x1,y1)とp2(x2,y2)とを照合し、その相関関係に基づいて、三角測量法により障害物の三次元距離データP(X,Y,Z)を生成する。なお、必要に応じて、対応点の照合処理に先立ち、画像G1,G2の歪み補正処理や平行化処理を施すものとしてもよい。
【0037】
S62では、障害物位置姿勢推定部17は、S61において生成された三次元距離データの内、所定の高さ、長さ、及び幅の範囲内にあるデータを障害物の領域候補として抽出する。S63では、障害物位置姿勢推定部17は、図9に示す様に、領域候補として抽出されたn個の三次元距離データ、例えばP1(x1,y1,z1),P2(x2,y2,z2),…,Pn(xn,yn,zn)をXY座標平面(自車両が移動する平面)に投影する。投影される点の間隔は、複眼カメラ11の分解能に依存するが、一定以上の直線検出精度を維持すべく、実寸で2〜3cm程度であることが望ましい。
【0038】
S64では、障害物位置姿勢推定部17は、図10に示す様に、XY平面に投影された二次元座標データから直線を検出する。直線検出処理に関しては周知慣用の画像解析技術であるので、詳細な説明(数式を含む)は省略し、好適な手法を簡略に説明する。すなわち、上記二次元座標データをXY平面座標系からρθ平面座標系に変換(上述のHough変換)した際に、投票点が集中する座標に対応する直線が、障害物の境界線として検出される。その結果、障害物である駐車車両20,30に対応して直交する2直線L11,L12、及びL21,L22が検出される。
【0039】
S65では、障害物位置姿勢推定部17は、S64で検出された2組の2直線の交点、及び参照点を算出する。参照点とは、検出された直線の長さが所定値以下であることに起因する障害物の境界誤検出を防ぐ為に、直線検出に使用される限界として定められた点である。図10に示す様に、駐車車両20,30の側壁部分に対応する参照点A2,B2は交点A1,B1からLの距離にそれぞれ位置し、駐車車両20,30の側壁部分に対応する参照点A3,B3は、交点A1,B1からWの距離にそれぞれ位置する。
【0040】
S66では、障害物位置姿勢推定部17は、S65で算出された交点及び角度に基づいて、障害物の位置及び姿勢を推定する。具体的には、障害物位置姿勢推定部17は、図11に示す様に、S64で検出された2組の直交する2直線(計4直線)であるL11,L12,L21,L22を参照して、各直線組の交点PC1(xC1,yC1)、PC2(xC2,yC2)を、駐車車両20,30の前端角部(相対位置に相当)として認識する。また、L11,L21とY軸との為す鋭角θ11,θ12を駐車車両20,30の姿勢(相対角度に相当)として認識する。
【0041】
図3に戻りS7では、目標駐車区画設定部18は、S5における白線位置姿勢の推定結果と、S6における障害物位置姿勢の推定結果とに従って、駐車場P1内の目標駐車区画を設定する。S6で推定された障害物の位置は、車両を駐車車両20,30と一定距離離間する為のデータとして使用され、同角度は、車両を駐車車両20,30と平行に駐車する為のデータとして使用される。
なお、目標駐車区画設定部18は、目標駐車区画に車両を駐車するための好適な経路を計画するものとしてもよい。これを以って、一連の自動駐車処理を完了する。
【0042】
S3における路面種類判別処理の結果、路面の種類がアスファルトでない(例えば、土、砂利、コンクリート等)と判別されると、白線の誤検出、並びに処理負荷及び処理時間の増大を回避すべく、S4〜S5の各処理が省略され、S6以降の処理に移行する。
また、S4における白線検出処理の結果、白線が検出されなかった場合には、S5の白線位置姿勢推定処理を省略してS6以降の処理に移行する。
【0043】
以下、本実施形態において駐車支援装置1により実行される自動駐車処理の効果について説明する。白線は、位置及び姿勢が固定的でありかつ直線性が高い。これに対して、駐車車両などの障害物は位置及び姿勢が流動的である。このため、目標駐車区画を高精度に設定し、より精確な位置に車両を駐車するには、白線と障害物との双方の位置姿勢を反映するのが好ましい。しかし、アスファルト以外の路面を含む全ての種類の路面に対して白線検出を行うと、白線の誤検出が懸念される。
【0044】
そこで、本発明に係る駐車支援装置1は、駐車路面の種類に応じて、目標駐車区画の設定方法を適宜選択するものである。すなわち、駐車路面の種類がアスファルトと判別された場合には、図2(a)の駐車場P1に示す様に、白線Lが引かれている可能性が高い。したがって、駐車支援装置1は、白線検出処理及び障害物検出処理の双方を実行する。一方、駐車路面の種類がアスファルト以外と判別された場合には、図2(b)の駐車場P2に示す様に、白線が引かれている可能性は低いので、目標駐車区画の設定に際して白線検出処理を行わず障害物検出処理のみ実行する。
【0045】
白線検出処理は、アスファルトと判別された路面に対してのみ実行されるので、全ての路面に対して実行される場合に比べて白線の誤検出は低減される。これにより、目標駐車区画の設定精度が向上する。また、白線の存在しない路面に対して白線検出処理を実行した際に懸念される処理負荷が軽減されると共に、自動駐車処理時間も短縮される。
【0046】
なお、本実施形態では、目標駐車区画の設定精度を高める観点から、路面の種類がアスファルトの場合には白線と障害物との双方を検出するものとしたが、白線検出処理のみ実行する態様を採ることも可能である。この場合には、障害物検出処理に伴う負荷及び時間が節減される。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、路面上に存在する目印の検出精度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駐車支援装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、白線を有するアスファルト路面上の目標駐車区画を示す模式図である。図2(b)は、白線を有さない土路面上の目標駐車区画を示す模式図である。
【図3】自動駐車処理を説明する為のフローチャートである。
【図4】路面種類判別処理を説明する為のフローチャートである。
【図5】白線検出処理を説明する為のフローチャートである。
【図6】白線検出処理により検出された白線の位置姿勢の一例を示す図である。
【図7】障害物位置姿勢推定処理を説明する為のフローチャートである。
【図8】障害物の三次元距離データの算出処理を説明するための概念図である。
【図9】障害物の三次元距離データの二次元投影処理を説明するための概念図である。
【図10】投影された二次元座標データから直線を検出する処理を説明するための概念図である。
【図11】検出された直線から交点、及びY軸との角度を算出する処理を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1…駐車支援装置、14…路面種類判別部、18…目標駐車区画設定部
Claims (3)
- 取得された画像データを用いて路面の種類を判別する路面判別手段と、
前記路面判別手段により前記路面が目印を有すると判別された場合には、前記目印に基づいて前記画像データに空間を設定し、前記路面が目印を有さないと判別された場合には、障害物に基づいて前記画像データに空間を設定する空間設定手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 画像データを用いて車両を目標駐車区画に駐車させる制御を行う駐車支援装置において、
前記画像データから路面の種類を判別する路面判別手段と、
前記路面判別手段により、前記目標駐車区画を識別するための線を前記路面が有すると判別された場合には、当該線に基づいて前記画像データに前記目標駐車区画を設定し、前記路面が前記線を有さないと判別された場合には、駐車車両に基づいて前記画像データに前記目標駐車区画を設定する空間設定手段と
を備えることを特徴とする駐車支援装置。 - 画像処理装置が画像データを用いて路面の種類を判別する路面判別ステップと、
前記路面判別ステップにて前記路面が目印を有すると判別された場合には、前記画像処理装置は前記目印に基づいて前記画像データに空間を設定し、前記路面が目印を有さないと判別された場合には、前記画像処理装置は障害物に基づいて前記画像データに空間を設定する空間設定ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
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