JP2004033628A - 電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【課題】壁等の障害物が吸込口体の前進方向にあっても、吸込口体が駆動輪の前進移動力により障害物に衝突するのを回避できる電気掃除機を提供すること。
【解決手段】この電気掃除機は、下面に吸込開口16が開口する吸込口体8と、吸込口体8に取り付けられて吸込口体8の下面から下方に突出する駆動輪19と、駆動輪19を前進回転又は後退回転させる駆動モータ22を有する。また、この電気掃除機は、吸込口体8の前進・後退を検出する移動方向検出手段32と、前記吸込口体に設けられて前進方向にある障害物を非接触で検出する非接触検出手段(障害物センサ41〜43)と、前記吸込口体8の前進操作又は後退操作が前記移動方向検出手段32により検出されたとき、前記駆動輪19を前進回転又は後退回転させるように前記駆動モータ22を回転制御し、前記非接触検出手段(障害物センサ41〜43)が障害物を検出したとき前記駆動モータ22を停止させる制御手段(制御回路44)を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】この電気掃除機は、下面に吸込開口16が開口する吸込口体8と、吸込口体8に取り付けられて吸込口体8の下面から下方に突出する駆動輪19と、駆動輪19を前進回転又は後退回転させる駆動モータ22を有する。また、この電気掃除機は、吸込口体8の前進・後退を検出する移動方向検出手段32と、前記吸込口体に設けられて前進方向にある障害物を非接触で検出する非接触検出手段(障害物センサ41〜43)と、前記吸込口体8の前進操作又は後退操作が前記移動方向検出手段32により検出されたとき、前記駆動輪19を前進回転又は後退回転させるように前記駆動モータ22を回転制御し、前記非接触検出手段(障害物センサ41〜43)が障害物を検出したとき前記駆動モータ22を停止させる制御手段(制御回路44)を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸込口体の前進操作又は後退操作の補助を吸込口体に設けた駆動輪により行うようにした電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気掃除機には、集塵室及びこの集塵室に吸込負圧を作用させる電動送風機が設けられた掃除機本体と、この集塵室に接続された集塵ホースと、集塵ホースの自由端部に取り付けられた手元操作パイプと、手元操作パイプに接続された延長管と、延長管に接続された吸込口体を備えるものがある。
【0003】
また、この種の電気掃除機としては、絨毯等を掃除する際の吸込口体の移動を補助するために、駆動モータにより回転駆動される駆動輪を吸込口体の底壁に装着すると共に、この吸込口体の前進操作又は後退操作を検出する移動方向検出手段を設けて、前記移動方向検出手段からの検出信号により前記駆動モータの回転方向の制御を制御手段により行う様にしたものが知られている。
【0004】
しかも、この電気掃除機では、手元操作パイプを掴んで吸込口体を延長管を介して前側に押すと、この吸込口体が前進移動させられ、この前進移動が移動方向検出手段により検出される。そして、制御手段は、この前記吸込口体の前進操作が移動方向検出手段により検出されたときに、前記駆動モータを制御して前記駆動輪を前進回転させ、駆動輪により吸込口体に前進移動させることにより、前記手元操作パイプによる吸込口体の前進移動の補助を行う様になっている。
【0005】
一方、手元操作パイプを掴んで吸込口体を延長管を介して後側に引くと、この吸込口体が後退移動させられ、この後退移動が移動方向検出手段により検出される。そして、制御手段は、この前記吸込口体の後退操作が移動方向検出手段により検出されたときに、前記駆動モータを制御して前記駆動輪を後退回転させ、駆動輪により吸込口体に後退移動させることにより、前記手元操作パイプによる吸込口体の後退移動の補助を行うようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な電気掃除機においては、駆動輪による吸込口体の前進移動時に、吸込口体を例えば壁等の障害物の近くまで移動させて清掃しようとした場合、吸込口体が駆動輪の前進移動力により壁に衝突することがある。この場合には、この衝撃力が手元操作パイプから使用者の手に伝わり、使用者に不快感を与えたり、或いは壁等の障害物を損傷したり、吸込口体内に制御回路のPC基板等がある場合には、このPC基板等に取り付けられる抵抗器やコンデンサ等の電子部品の脚(端子)等に無理な力が衝撃的に作用したりする虞があった。
【0007】
そこで、この発明は、例えば壁等の障害物が吸込口体の前進方向にあっても、吸込口体が駆動輪の前進移動力により障害物に衝突するのを回避できる電気掃除機を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、この発明の電気掃除機は、下面に吸込開口が開口する吸込口体と、前記吸込口体に取り付けられて前記吸込口体の下面から下方に突出する駆動輪と、前記駆動輪を前進回転又は後退回転させる駆動モータと、前記吸込口体の前進・後退を検出する移動方向検出手段と、前記吸込口体に設けられて前進方向にある障害物を非接触で検出する非接触検出手段を備えている。また、この電気掃除機は、前記吸込口体の前進操作又は後退操作が前記移動方向検出手段により検出されたとき、前記駆動輪を前進回転又は後退回転させるように前記駆動モータを回転制御し、前記非接触検出手段が障害物を検出したとき前記駆動モータを停止させる制御手段を備えている。
【0009】
また、前記制御手段は、前記非接触検出手段が障害物を検出している状態において、前記移動方向検出手段が前記吸込口体の後退操作を所定時間以上検出したとき、前記駆動輪を後退回転させるように前記駆動モータを作動制御する様にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1において、1は掃除機本体である。この掃除機本体1内には、集塵室2が形成されていると共に、集塵室2内に吸込負圧を作用させる電動送風機3が内蔵されている。4は集塵室2内に配設された集塵袋(集塵フィルタ)としての紙パックフィルタ、5は集塵ホースである。
【0011】
この集塵ホース5は、一端部が掃除機本体1に接続されて紙パックフィルタ4に連通している。また、この集塵ホース5の他端部には手元操作パイプ6が取り付けられ、手元操作パイプ6には延長管7を介して吸込口体8が接続されている。6aは手元操作パイプ6の操作用の握り部である。
【0012】
9は手元操作パイプ6に設けられた操作パネル、10〜12は操作パネル9に設けられたスイッチで、スイッチ10は電源OFF用の「切り」スイッチである。また、スイッチ11は、電源をONさせると共に、押す毎に吸込風量を「中」と「弱」との間で切り換えるスイッチである。更に、スイッチ12は電源をオンさせると共に吸込風量を「強」とさせるスイッチである。
【0013】
また、吸込口体8は、左右に延びる吸込口本体13と、吸込口本体13の後縁部の左右方向中央部に前後方向軸線を中心に回転可能に取り付けられた回転管(回転リング即ち環状体)14と、この前後方向軸線と直交(交差)する軸線を中心に回転可能に回転管14に保持された接続パイプ15を有する。尚、吸込口体8の接続パイプ15は延長管7に接続されている。
【0014】
この吸込口本体13の底壁13aの下面には、図2に示したように、吸込口本体13内の吸込室(詳細図示せず)の吸込開口16が左右に向けて開口している。この吸込室には、吸込開口16に沿って左右に延びる回転清掃体17が配設されている。この回転清掃体17は、回転軸17aに可撓性のあるブレード17bを螺旋状に突設したものである。
【0015】
また、吸込口本体13内の前後方向中央には、左右に延び且つ底壁13aに回転自在に保持された回転軸18が配設さている。この回転軸18には、長手方向間隔をおいて配設した駆動輪19,19が取り付けられている。この駆動輪19,19は、吸込開口16に隣接して底壁13aの左右の部分に形成した駆動輪挿通孔20,20から下方に突出させられている。
【0016】
更に、吸込口本体13内には、回転清掃体駆動用の駆動モータ(駆動手段)21及び駆動輪駆動用の駆動モータ(駆動手段)22が取り付けられている。この駆動モータ21の回転は動力伝達手段23を介して回転清掃体17に伝達されるようになっていると共に、駆動モータ22の回転は動力伝達手段24を介して回転軸18に伝達されるようになっている。
【0017】
この動力伝達手段23は、駆動モータ21の出力軸21aに取り付けられたプーリ25と、回転清掃体17の回転軸17aに取り付けられたプーリ26と、プーリ25,26に掛け渡されたベルト27を有する。この駆動モータ21の回転は、プーリ25,ベルト27,プーリ26を介して回転清掃体17の回転軸17aに伝達されて、回転清掃体17が回転させられる。
【0018】
また、動力伝達手段24は、駆動モータ22の出力軸22aに取り付けられたプーリ28と、回転軸18の端部に取り付けられたプーリ29と、プーリ28,29に掛け渡されたベルト30を有する。この駆動モータ22の回転は、プーリ28,ベルト30,プーリ29を介して回転軸18に伝達されて、駆動輪19,19が回転させられる。
【0019】
更に、吸込口本体13の底壁13aには、凹部31が形成されていると共に、吸込口体8の前進・後退を検出する移動方向検出手段32が取り付けられている。この移動方向検出手段32は、凹部31内に左右に向けて配設され且つ底壁13aに回転自在保持された回転軸33と、回転軸33に一体に設けられ且つ凹部31に配設された検出ローラ34を有する。この回転軸33の一端部は吸込口本体13内に配設されている。また、検出ローラ34は、凹部31から下方に即ち底壁13aの下面から下方に突出している。この検出ローラ34の下方への突出量と駆動輪19の下方への突出量は略同じに設定されている。
【0020】
しかも、移動方向検出手段32は、吸込口本体13内に配設され且つ回転軸33の一端部に固定された回転円板35と、回転円板35を挟む位置に配設された発光素子36及び受光素子37を有する。そして、回転円板35には半径方向に延びる多数のスリット(図示せず)が形成されていて、発光素子36からの光をスリットを介して受光素子37で受光することにより、受光素子37からの光検出信号から回転円板35の回転方向が検出できるようになっている。この構成には周知の構成が採用できるので、その詳細な説明は省略する。
【0021】
38,38は吸込口本体13の前縁部の両側部に取り付けられた前輪、39,39は吸込口本体13の後縁部に取り付けられた後輪である。そして、前輪38,38及び後輪39,39を介して吸込口本体13を畳やフローリング等の清掃面に載置したときには、駆動輪19及び検出ローラ34が清掃面から上方に僅かに離れた状態となっている。また、吸込口本体13を絨毯等の清掃面に載置したときには、駆動輪19及び検出ローラ34が清掃面に接触する様になっている。
【0022】
更に、吸込口本体13の前面には、図1,図3に示したように、前進方向にある障害物を非接触で検出する非接触検出手段40が設けられている。この非接触検出手段40には、レーザー光を用いた多数(本実施例では3つ)の障害物検出センサ(非接触式センサ)41,42,43が用いられている。この障害物検出センサ41,43は吸込口本体13の前面の両側部に設けられ、障害物検出センサ42は吸込口本体13の前面の左右方向の中央部に設けられている。尚、障害物検出センサ41〜43には、超音波等を用いて障害物を検出するようにした非接触式センサを用いることもできる。
【0023】
また、図4の演算制御回路44には、上述したスイッチ10〜12からのON・OFF信号、移動方向検出手段32の受光素子37からの移動方向検出信号(回転方向検出信号)、障害物検出センサ41〜43からの検出信号が入力されるようになっている。そして、この演算制御回路44は、電動送風機3および駆動モータ21,22を作動制御するようになっている。尚、吸込口本体13内には、駆動モータ21,22の電源回路を含む制御回路のPC基板(図示せず)が設けられるが、その図示は省略する。そして、演算制御回路44は、この吸込口本体13内の制御回路(図示せず)を介して駆動モータ21,22の駆動制御を行うようになっている。この構成には周知の構成が採用できるので、その説明は省略する。
[作用]
次に、この様な構成の電気掃除機の作用を図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1
この様な構成において、スイッチ11又はスイッチ12を押すと、ステップS1において電動送風機3が作動させられステップS2に移行する。この際、電動送風機3の吸込負圧が集塵室2,集塵ホース5,手元操作パイプ6及び延長管7を介して吸込口体8作用する。
【0024】
そして、この吸込負圧により塵埃がエアと共に吸込開口16から吸込口体8の吸込口本体13内に吸い込まれる。この吸い込まれた塵埃及びエアは、延長管7,手元操作パイプ6及び集塵ホース5を介して集塵室2内の紙パックフィルタ4内に流入する。この流入した塵埃は紙パックフィルタ4に補足される一方、流入したエアは、紙パックフィルタ4内を透過して電動送風機3内に吸い込まれ、電動送風機3内を冷却した後、図示しない排気出口から排気される。
【0025】
この様な状態において、手元操作パイプ6の握り部6aを掴んで吸込口体8を前後移動操作することにより、清掃面の清掃を行う。この清掃面が畳やフローリング等の清掃面の場合には、回転清掃体17及び検出ローラ34が清掃面に接することはない。
【0026】
また、清掃面が絨毯等の清掃面である場合、前輪38及び後輪39が絨毯内に沈んで回転清掃体17及び検出ローラ34が清掃面に接することになる。
ステップS2
このステップにおいて演算制御回路44は、吸込口体8が絨毯等の清掃面上に載置されて前進操作がされ、吸込口体8に設けた移動方向検出手段32の検出ローラ34が前進回転させられているか否かを受光素子37の検出信号から判断する。
【0027】
即ち、演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の前進時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を検出しているか否かを判断する。
【0028】
この判断において演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の前進時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を検出している場合に、吸込口体8が前進操作させられていると判断してステップS3に移行する。
【0029】
また、演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の前進時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を検出していない場合に、吸込口体8が前進操作させられていないと判断してステップS7に移行する。
ステップS3
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ21を作動制御して、回転清掃体17を検出ローラ34の回転方向と同じ方向となるように回転させて、清掃面の塵埃を後上方に向けて掻き上げさせ、ステップS4に移行する。
ステップS4
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ22を作動制御して、駆動輪19,19の回転が回転清掃体17及び検出ローラ34の回転方向と同じ方向となるように回転させて、ステップS5に移行する。この駆動輪19,19は、絨毯に接触して吸込口体8を前進する方向に駆動させる。従って、使用者が手元操作パイプ6の握り部6aを掴んで前進操作する際の、前進操作力が非常に軽くなり、掃除がし易くなる。
ステップS5
このステップにおいて演算制御回路44は、吸込口体8が壁等の障害物に対して所定距離(たとえば5〜10cm)に接近したか否かを、障害物センサ41〜43からの検出信号から判断する。この際、障害物センサ41〜43は、壁等の障害物に対して所定距離、たとえば5〜10cmに接近したときに障害物検出信号を出力するようすることもできる。また、障害物センサ41〜43は障害物までの距離を検出していて、演算制御回路44が障害物センサ41〜43からの検出信号に基づいて吸込口体8が障害物に対して所定距離、たとえば5〜10cmに接近したか否かを判断するようにすることもできる。
【0030】
そして、演算制御回路44は、障害物センサ41〜43からの検出信号に基づいて、吸込口体8が壁等の障害物に対して所定距離(たとえば5〜10cm)に接近した判断した場合にステップS6に移行し、吸込口体8が壁等の障害物に対して所定距離(たとえば5〜10cm)に接近していない場合にステップS1に戻ってループする。
【0031】
尚、3つの障害物センサ41,43を吸込口本体13の前縁の両側部に設けることで、吸込口本体13の前縁が壁等に対して傾斜した状態で壁等に接近しても、障害物センサ41,43のうち最も接近した側のものが壁等を検出することができる。
ステップS6
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ22の作動を停止させて、駆動輪19の回転を停止させ、ステップS7に移行する。この駆動輪19の停止により、吸込口体8の前進操作力が急に重くなり、吸込口体8を壁等の障害物に対して前進移動させる移動速度が遅くなる。この結果、吸込口体8が壁等の障害物に対して強い力で衝突するようなことを回避できる。
【0032】
この状態では、吸込口体8を前後に微小移動させることにより、壁際の絨毯の塵埃を吸い込むことができる。この際、回転清掃体17は駆動モータ21により回転駆動させられているので、絨毯等の清掃面の塵埃が掻き上げられて吸込口体8内に吸い込まれる。
【0033】
しかも、吸込口体8と壁等の障害物との距離が所定距離の範囲内(5cmの範囲内又は10cmの範囲内)において、吸込口体8を1秒程度の間隔(駆動輪19を作動させるに必要な時間よりも短い時間間隔)で前後に微動させたとき、検出ローラ34が前後に回転させられて受光素子37からの検出信号にが変化しても、この受光素子37からの検出信号を受ける演算制御回路44は駆動モータ22を停止させた状態を維持して、駆動輪19の回転を停止させた状態とする
。
ステップS7
このステップにおいて演算制御回路44は、吸込口体8が所定時間(例えば2秒以上)だけ(又は所定距離だけ=例えば10cm以上)後退操作され、吸込口体8に設けた移動方向検出手段32の検出ローラ34が後退回転させられているか否かを受光素子37の検出信号から判断する。
【0034】
即ち、演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の後退時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を所定時間(例えば2秒以上)だけ(或いは所定回転数だけ)検出しているか否かを判断する。
【0035】
この判断において演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の後退時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を所定時間(又は所定回転数=所定距離に対応)だけ検出している場合に、吸込口体8が手元操作パイプ6の握り部6aを握っている作業者により後退操作させられていると判断してステップS8に移行する。
【0036】
また、演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の後退時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を所定時間(又は所定回転数)だけ検出していない場合に、吸込口体8が後退操作させられていないと判断してステップS1に移行し、ループする。
ステップS8
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ21を逆転させて回転清掃体17を逆転させ、ステップS9に移行する。
ステップS9
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ22を逆転させて駆動輪19を逆転させ、ステップS10に移行する。これにより、駆動輪19,19が吸込口体8を後退する側に駆動するので、作業者は握り部6aを掴んで吸込口体8を軽い力で後方に引くことができる。
ステップS10
このステップにおいて演算制御回路44は、スイッチ10が押されて電源OFF操作がされた否かを判断し、押されていなければステップS1に戻ってループし、押されていれば電源をOFFして電動送風機3を停止させ終了する。
【0037】
以上説明したように、この発明の実施の形態の電気掃除機は、下面に吸込開口16が開口する吸込口体8と、吸込口体8に取り付けられて吸込口体8の下面から下方に突出する駆動輪19と、駆動輪19を前進回転又は後退回転させる駆動モータ22を有する。また、この電気掃除機は、吸込口体8の前進・後退を検出する移動方向検出手段32と、前記吸込口体に設けられて前進方向にある障害物を非接触で検出する非接触検出手段(障害物センサ41〜43)と、前記吸込口体8の前進操作又は後退操作が前記移動方向検出手段32により検出されたとき、前記駆動輪19を前進回転又は後退回転させるように前記駆動モータ22を回転制御し、前記非接触検出手段(障害物センサ41〜43)が障害物を検出したとき前記駆動モータ22を停止させる制御手段(制御回路44)を備える。
【0038】
この発明の実施の形態によれば、駆動輪19による吸込口体8の前進動時に、吸込口体8を例えば壁等の障害物の近くまで移動させて清掃しようとした場合でも、吸込口体8が壁に対して所定距離になると、例えば吸込口体8が壁に対して5〜10cmの範囲に近づくと、駆動輪19の前進駆動が停止させられるので、吸込口体8が駆動輪19の前進移動力により壁に衝突することを回避できる。
【0039】
この結果、壁等の障害物が吸込口体8の前進方向にあっても、吸込口体8が駆動輪19の前進移動力により障害物に衝突するのを回避できる。この場合、障害物が壁である場合、壁を損傷したりするのが回避できる。
【0040】
また、本実施例の場合、吸込口体8内に駆動モータ21,22の電源回路を有する制御回路のPC基板(図示せず)が設けられるが、このPC基板等に取り付けられる抵抗器やコンデンサ等の電子部品の脚(端子)等に無理な力が衝撃的に作用するのを未然に回避できる。
【0041】
また、この発明の実施の形態の電気掃除機の制御手段(演算制御回路44)は、前記非接触検出手段(障害物センサ41〜43)が障害物を検出している状態において、前記移動方向検出手段32が前記吸込口体8の後退操作を所定時間以上(例えば2秒以上)検出したとき、前記駆動輪19を後退回転させるように前記駆動モータ22を作動制御する様になっている。
【0042】
従って、吸込口体8を所定時間よりも短い時間で前後操作することにより、駆動輪19が停止している状態で、障害物の付近の清掃を行うことができる。そして、吸込口体8を所定時間以上、例えば2秒以上後方に引っ張って後退移動させることにより、制御手段(演算制御回路44)は移動方向検出手段32からの検出信号に基づいて駆動モータ22を作動制御して、駆動輪19を後退回転させる。
【0043】
【発明の効果】
この発明は、以上説明した様に構成したので、壁等の障害物が吸込口体の前進方向にあっても、吸込口体が駆動輪の前進移動力により障害物に衝突するのを回避できる。この結果、壁等の障害物を損傷したり、或いは吸込口体を損傷したり、吸込口体内の制御回路にダメージを与えたりするのを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電気掃除機の概略斜視図である。
【図2】図1に示した吸込口体の面図である。
【図3】図1の吸込口体の正面図である。
【図4】図1〜図3の電気掃除機の制御回路図である。
【図5】図2の駆動輪の駆動制御のためのフローチャートである。
【符号の説明】
8・・・吸込口体
9・・・駆動輪
16・・・吸込開口
22・・・駆動モータ
32・・・移動方向検出手段
41〜43・・・障害物センサ(非接触検出手段)
44・・・演算制御回路(制御手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸込口体の前進操作又は後退操作の補助を吸込口体に設けた駆動輪により行うようにした電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気掃除機には、集塵室及びこの集塵室に吸込負圧を作用させる電動送風機が設けられた掃除機本体と、この集塵室に接続された集塵ホースと、集塵ホースの自由端部に取り付けられた手元操作パイプと、手元操作パイプに接続された延長管と、延長管に接続された吸込口体を備えるものがある。
【0003】
また、この種の電気掃除機としては、絨毯等を掃除する際の吸込口体の移動を補助するために、駆動モータにより回転駆動される駆動輪を吸込口体の底壁に装着すると共に、この吸込口体の前進操作又は後退操作を検出する移動方向検出手段を設けて、前記移動方向検出手段からの検出信号により前記駆動モータの回転方向の制御を制御手段により行う様にしたものが知られている。
【0004】
しかも、この電気掃除機では、手元操作パイプを掴んで吸込口体を延長管を介して前側に押すと、この吸込口体が前進移動させられ、この前進移動が移動方向検出手段により検出される。そして、制御手段は、この前記吸込口体の前進操作が移動方向検出手段により検出されたときに、前記駆動モータを制御して前記駆動輪を前進回転させ、駆動輪により吸込口体に前進移動させることにより、前記手元操作パイプによる吸込口体の前進移動の補助を行う様になっている。
【0005】
一方、手元操作パイプを掴んで吸込口体を延長管を介して後側に引くと、この吸込口体が後退移動させられ、この後退移動が移動方向検出手段により検出される。そして、制御手段は、この前記吸込口体の後退操作が移動方向検出手段により検出されたときに、前記駆動モータを制御して前記駆動輪を後退回転させ、駆動輪により吸込口体に後退移動させることにより、前記手元操作パイプによる吸込口体の後退移動の補助を行うようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な電気掃除機においては、駆動輪による吸込口体の前進移動時に、吸込口体を例えば壁等の障害物の近くまで移動させて清掃しようとした場合、吸込口体が駆動輪の前進移動力により壁に衝突することがある。この場合には、この衝撃力が手元操作パイプから使用者の手に伝わり、使用者に不快感を与えたり、或いは壁等の障害物を損傷したり、吸込口体内に制御回路のPC基板等がある場合には、このPC基板等に取り付けられる抵抗器やコンデンサ等の電子部品の脚(端子)等に無理な力が衝撃的に作用したりする虞があった。
【0007】
そこで、この発明は、例えば壁等の障害物が吸込口体の前進方向にあっても、吸込口体が駆動輪の前進移動力により障害物に衝突するのを回避できる電気掃除機を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、この発明の電気掃除機は、下面に吸込開口が開口する吸込口体と、前記吸込口体に取り付けられて前記吸込口体の下面から下方に突出する駆動輪と、前記駆動輪を前進回転又は後退回転させる駆動モータと、前記吸込口体の前進・後退を検出する移動方向検出手段と、前記吸込口体に設けられて前進方向にある障害物を非接触で検出する非接触検出手段を備えている。また、この電気掃除機は、前記吸込口体の前進操作又は後退操作が前記移動方向検出手段により検出されたとき、前記駆動輪を前進回転又は後退回転させるように前記駆動モータを回転制御し、前記非接触検出手段が障害物を検出したとき前記駆動モータを停止させる制御手段を備えている。
【0009】
また、前記制御手段は、前記非接触検出手段が障害物を検出している状態において、前記移動方向検出手段が前記吸込口体の後退操作を所定時間以上検出したとき、前記駆動輪を後退回転させるように前記駆動モータを作動制御する様にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1において、1は掃除機本体である。この掃除機本体1内には、集塵室2が形成されていると共に、集塵室2内に吸込負圧を作用させる電動送風機3が内蔵されている。4は集塵室2内に配設された集塵袋(集塵フィルタ)としての紙パックフィルタ、5は集塵ホースである。
【0011】
この集塵ホース5は、一端部が掃除機本体1に接続されて紙パックフィルタ4に連通している。また、この集塵ホース5の他端部には手元操作パイプ6が取り付けられ、手元操作パイプ6には延長管7を介して吸込口体8が接続されている。6aは手元操作パイプ6の操作用の握り部である。
【0012】
9は手元操作パイプ6に設けられた操作パネル、10〜12は操作パネル9に設けられたスイッチで、スイッチ10は電源OFF用の「切り」スイッチである。また、スイッチ11は、電源をONさせると共に、押す毎に吸込風量を「中」と「弱」との間で切り換えるスイッチである。更に、スイッチ12は電源をオンさせると共に吸込風量を「強」とさせるスイッチである。
【0013】
また、吸込口体8は、左右に延びる吸込口本体13と、吸込口本体13の後縁部の左右方向中央部に前後方向軸線を中心に回転可能に取り付けられた回転管(回転リング即ち環状体)14と、この前後方向軸線と直交(交差)する軸線を中心に回転可能に回転管14に保持された接続パイプ15を有する。尚、吸込口体8の接続パイプ15は延長管7に接続されている。
【0014】
この吸込口本体13の底壁13aの下面には、図2に示したように、吸込口本体13内の吸込室(詳細図示せず)の吸込開口16が左右に向けて開口している。この吸込室には、吸込開口16に沿って左右に延びる回転清掃体17が配設されている。この回転清掃体17は、回転軸17aに可撓性のあるブレード17bを螺旋状に突設したものである。
【0015】
また、吸込口本体13内の前後方向中央には、左右に延び且つ底壁13aに回転自在に保持された回転軸18が配設さている。この回転軸18には、長手方向間隔をおいて配設した駆動輪19,19が取り付けられている。この駆動輪19,19は、吸込開口16に隣接して底壁13aの左右の部分に形成した駆動輪挿通孔20,20から下方に突出させられている。
【0016】
更に、吸込口本体13内には、回転清掃体駆動用の駆動モータ(駆動手段)21及び駆動輪駆動用の駆動モータ(駆動手段)22が取り付けられている。この駆動モータ21の回転は動力伝達手段23を介して回転清掃体17に伝達されるようになっていると共に、駆動モータ22の回転は動力伝達手段24を介して回転軸18に伝達されるようになっている。
【0017】
この動力伝達手段23は、駆動モータ21の出力軸21aに取り付けられたプーリ25と、回転清掃体17の回転軸17aに取り付けられたプーリ26と、プーリ25,26に掛け渡されたベルト27を有する。この駆動モータ21の回転は、プーリ25,ベルト27,プーリ26を介して回転清掃体17の回転軸17aに伝達されて、回転清掃体17が回転させられる。
【0018】
また、動力伝達手段24は、駆動モータ22の出力軸22aに取り付けられたプーリ28と、回転軸18の端部に取り付けられたプーリ29と、プーリ28,29に掛け渡されたベルト30を有する。この駆動モータ22の回転は、プーリ28,ベルト30,プーリ29を介して回転軸18に伝達されて、駆動輪19,19が回転させられる。
【0019】
更に、吸込口本体13の底壁13aには、凹部31が形成されていると共に、吸込口体8の前進・後退を検出する移動方向検出手段32が取り付けられている。この移動方向検出手段32は、凹部31内に左右に向けて配設され且つ底壁13aに回転自在保持された回転軸33と、回転軸33に一体に設けられ且つ凹部31に配設された検出ローラ34を有する。この回転軸33の一端部は吸込口本体13内に配設されている。また、検出ローラ34は、凹部31から下方に即ち底壁13aの下面から下方に突出している。この検出ローラ34の下方への突出量と駆動輪19の下方への突出量は略同じに設定されている。
【0020】
しかも、移動方向検出手段32は、吸込口本体13内に配設され且つ回転軸33の一端部に固定された回転円板35と、回転円板35を挟む位置に配設された発光素子36及び受光素子37を有する。そして、回転円板35には半径方向に延びる多数のスリット(図示せず)が形成されていて、発光素子36からの光をスリットを介して受光素子37で受光することにより、受光素子37からの光検出信号から回転円板35の回転方向が検出できるようになっている。この構成には周知の構成が採用できるので、その詳細な説明は省略する。
【0021】
38,38は吸込口本体13の前縁部の両側部に取り付けられた前輪、39,39は吸込口本体13の後縁部に取り付けられた後輪である。そして、前輪38,38及び後輪39,39を介して吸込口本体13を畳やフローリング等の清掃面に載置したときには、駆動輪19及び検出ローラ34が清掃面から上方に僅かに離れた状態となっている。また、吸込口本体13を絨毯等の清掃面に載置したときには、駆動輪19及び検出ローラ34が清掃面に接触する様になっている。
【0022】
更に、吸込口本体13の前面には、図1,図3に示したように、前進方向にある障害物を非接触で検出する非接触検出手段40が設けられている。この非接触検出手段40には、レーザー光を用いた多数(本実施例では3つ)の障害物検出センサ(非接触式センサ)41,42,43が用いられている。この障害物検出センサ41,43は吸込口本体13の前面の両側部に設けられ、障害物検出センサ42は吸込口本体13の前面の左右方向の中央部に設けられている。尚、障害物検出センサ41〜43には、超音波等を用いて障害物を検出するようにした非接触式センサを用いることもできる。
【0023】
また、図4の演算制御回路44には、上述したスイッチ10〜12からのON・OFF信号、移動方向検出手段32の受光素子37からの移動方向検出信号(回転方向検出信号)、障害物検出センサ41〜43からの検出信号が入力されるようになっている。そして、この演算制御回路44は、電動送風機3および駆動モータ21,22を作動制御するようになっている。尚、吸込口本体13内には、駆動モータ21,22の電源回路を含む制御回路のPC基板(図示せず)が設けられるが、その図示は省略する。そして、演算制御回路44は、この吸込口本体13内の制御回路(図示せず)を介して駆動モータ21,22の駆動制御を行うようになっている。この構成には周知の構成が採用できるので、その説明は省略する。
[作用]
次に、この様な構成の電気掃除機の作用を図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1
この様な構成において、スイッチ11又はスイッチ12を押すと、ステップS1において電動送風機3が作動させられステップS2に移行する。この際、電動送風機3の吸込負圧が集塵室2,集塵ホース5,手元操作パイプ6及び延長管7を介して吸込口体8作用する。
【0024】
そして、この吸込負圧により塵埃がエアと共に吸込開口16から吸込口体8の吸込口本体13内に吸い込まれる。この吸い込まれた塵埃及びエアは、延長管7,手元操作パイプ6及び集塵ホース5を介して集塵室2内の紙パックフィルタ4内に流入する。この流入した塵埃は紙パックフィルタ4に補足される一方、流入したエアは、紙パックフィルタ4内を透過して電動送風機3内に吸い込まれ、電動送風機3内を冷却した後、図示しない排気出口から排気される。
【0025】
この様な状態において、手元操作パイプ6の握り部6aを掴んで吸込口体8を前後移動操作することにより、清掃面の清掃を行う。この清掃面が畳やフローリング等の清掃面の場合には、回転清掃体17及び検出ローラ34が清掃面に接することはない。
【0026】
また、清掃面が絨毯等の清掃面である場合、前輪38及び後輪39が絨毯内に沈んで回転清掃体17及び検出ローラ34が清掃面に接することになる。
ステップS2
このステップにおいて演算制御回路44は、吸込口体8が絨毯等の清掃面上に載置されて前進操作がされ、吸込口体8に設けた移動方向検出手段32の検出ローラ34が前進回転させられているか否かを受光素子37の検出信号から判断する。
【0027】
即ち、演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の前進時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を検出しているか否かを判断する。
【0028】
この判断において演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の前進時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を検出している場合に、吸込口体8が前進操作させられていると判断してステップS3に移行する。
【0029】
また、演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の前進時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を検出していない場合に、吸込口体8が前進操作させられていないと判断してステップS7に移行する。
ステップS3
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ21を作動制御して、回転清掃体17を検出ローラ34の回転方向と同じ方向となるように回転させて、清掃面の塵埃を後上方に向けて掻き上げさせ、ステップS4に移行する。
ステップS4
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ22を作動制御して、駆動輪19,19の回転が回転清掃体17及び検出ローラ34の回転方向と同じ方向となるように回転させて、ステップS5に移行する。この駆動輪19,19は、絨毯に接触して吸込口体8を前進する方向に駆動させる。従って、使用者が手元操作パイプ6の握り部6aを掴んで前進操作する際の、前進操作力が非常に軽くなり、掃除がし易くなる。
ステップS5
このステップにおいて演算制御回路44は、吸込口体8が壁等の障害物に対して所定距離(たとえば5〜10cm)に接近したか否かを、障害物センサ41〜43からの検出信号から判断する。この際、障害物センサ41〜43は、壁等の障害物に対して所定距離、たとえば5〜10cmに接近したときに障害物検出信号を出力するようすることもできる。また、障害物センサ41〜43は障害物までの距離を検出していて、演算制御回路44が障害物センサ41〜43からの検出信号に基づいて吸込口体8が障害物に対して所定距離、たとえば5〜10cmに接近したか否かを判断するようにすることもできる。
【0030】
そして、演算制御回路44は、障害物センサ41〜43からの検出信号に基づいて、吸込口体8が壁等の障害物に対して所定距離(たとえば5〜10cm)に接近した判断した場合にステップS6に移行し、吸込口体8が壁等の障害物に対して所定距離(たとえば5〜10cm)に接近していない場合にステップS1に戻ってループする。
【0031】
尚、3つの障害物センサ41,43を吸込口本体13の前縁の両側部に設けることで、吸込口本体13の前縁が壁等に対して傾斜した状態で壁等に接近しても、障害物センサ41,43のうち最も接近した側のものが壁等を検出することができる。
ステップS6
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ22の作動を停止させて、駆動輪19の回転を停止させ、ステップS7に移行する。この駆動輪19の停止により、吸込口体8の前進操作力が急に重くなり、吸込口体8を壁等の障害物に対して前進移動させる移動速度が遅くなる。この結果、吸込口体8が壁等の障害物に対して強い力で衝突するようなことを回避できる。
【0032】
この状態では、吸込口体8を前後に微小移動させることにより、壁際の絨毯の塵埃を吸い込むことができる。この際、回転清掃体17は駆動モータ21により回転駆動させられているので、絨毯等の清掃面の塵埃が掻き上げられて吸込口体8内に吸い込まれる。
【0033】
しかも、吸込口体8と壁等の障害物との距離が所定距離の範囲内(5cmの範囲内又は10cmの範囲内)において、吸込口体8を1秒程度の間隔(駆動輪19を作動させるに必要な時間よりも短い時間間隔)で前後に微動させたとき、検出ローラ34が前後に回転させられて受光素子37からの検出信号にが変化しても、この受光素子37からの検出信号を受ける演算制御回路44は駆動モータ22を停止させた状態を維持して、駆動輪19の回転を停止させた状態とする
。
ステップS7
このステップにおいて演算制御回路44は、吸込口体8が所定時間(例えば2秒以上)だけ(又は所定距離だけ=例えば10cm以上)後退操作され、吸込口体8に設けた移動方向検出手段32の検出ローラ34が後退回転させられているか否かを受光素子37の検出信号から判断する。
【0034】
即ち、演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の後退時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を所定時間(例えば2秒以上)だけ(或いは所定回転数だけ)検出しているか否かを判断する。
【0035】
この判断において演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の後退時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を所定時間(又は所定回転数=所定距離に対応)だけ検出している場合に、吸込口体8が手元操作パイプ6の握り部6aを握っている作業者により後退操作させられていると判断してステップS8に移行する。
【0036】
また、演算制御回路44は、受光素子37が吸込口体8の後退時の検出ローラ34の回転方向と一致する回転方向の信号を所定時間(又は所定回転数)だけ検出していない場合に、吸込口体8が後退操作させられていないと判断してステップS1に移行し、ループする。
ステップS8
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ21を逆転させて回転清掃体17を逆転させ、ステップS9に移行する。
ステップS9
このステップにおいて演算制御回路44は、駆動モータ22を逆転させて駆動輪19を逆転させ、ステップS10に移行する。これにより、駆動輪19,19が吸込口体8を後退する側に駆動するので、作業者は握り部6aを掴んで吸込口体8を軽い力で後方に引くことができる。
ステップS10
このステップにおいて演算制御回路44は、スイッチ10が押されて電源OFF操作がされた否かを判断し、押されていなければステップS1に戻ってループし、押されていれば電源をOFFして電動送風機3を停止させ終了する。
【0037】
以上説明したように、この発明の実施の形態の電気掃除機は、下面に吸込開口16が開口する吸込口体8と、吸込口体8に取り付けられて吸込口体8の下面から下方に突出する駆動輪19と、駆動輪19を前進回転又は後退回転させる駆動モータ22を有する。また、この電気掃除機は、吸込口体8の前進・後退を検出する移動方向検出手段32と、前記吸込口体に設けられて前進方向にある障害物を非接触で検出する非接触検出手段(障害物センサ41〜43)と、前記吸込口体8の前進操作又は後退操作が前記移動方向検出手段32により検出されたとき、前記駆動輪19を前進回転又は後退回転させるように前記駆動モータ22を回転制御し、前記非接触検出手段(障害物センサ41〜43)が障害物を検出したとき前記駆動モータ22を停止させる制御手段(制御回路44)を備える。
【0038】
この発明の実施の形態によれば、駆動輪19による吸込口体8の前進動時に、吸込口体8を例えば壁等の障害物の近くまで移動させて清掃しようとした場合でも、吸込口体8が壁に対して所定距離になると、例えば吸込口体8が壁に対して5〜10cmの範囲に近づくと、駆動輪19の前進駆動が停止させられるので、吸込口体8が駆動輪19の前進移動力により壁に衝突することを回避できる。
【0039】
この結果、壁等の障害物が吸込口体8の前進方向にあっても、吸込口体8が駆動輪19の前進移動力により障害物に衝突するのを回避できる。この場合、障害物が壁である場合、壁を損傷したりするのが回避できる。
【0040】
また、本実施例の場合、吸込口体8内に駆動モータ21,22の電源回路を有する制御回路のPC基板(図示せず)が設けられるが、このPC基板等に取り付けられる抵抗器やコンデンサ等の電子部品の脚(端子)等に無理な力が衝撃的に作用するのを未然に回避できる。
【0041】
また、この発明の実施の形態の電気掃除機の制御手段(演算制御回路44)は、前記非接触検出手段(障害物センサ41〜43)が障害物を検出している状態において、前記移動方向検出手段32が前記吸込口体8の後退操作を所定時間以上(例えば2秒以上)検出したとき、前記駆動輪19を後退回転させるように前記駆動モータ22を作動制御する様になっている。
【0042】
従って、吸込口体8を所定時間よりも短い時間で前後操作することにより、駆動輪19が停止している状態で、障害物の付近の清掃を行うことができる。そして、吸込口体8を所定時間以上、例えば2秒以上後方に引っ張って後退移動させることにより、制御手段(演算制御回路44)は移動方向検出手段32からの検出信号に基づいて駆動モータ22を作動制御して、駆動輪19を後退回転させる。
【0043】
【発明の効果】
この発明は、以上説明した様に構成したので、壁等の障害物が吸込口体の前進方向にあっても、吸込口体が駆動輪の前進移動力により障害物に衝突するのを回避できる。この結果、壁等の障害物を損傷したり、或いは吸込口体を損傷したり、吸込口体内の制御回路にダメージを与えたりするのを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電気掃除機の概略斜視図である。
【図2】図1に示した吸込口体の面図である。
【図3】図1の吸込口体の正面図である。
【図4】図1〜図3の電気掃除機の制御回路図である。
【図5】図2の駆動輪の駆動制御のためのフローチャートである。
【符号の説明】
8・・・吸込口体
9・・・駆動輪
16・・・吸込開口
22・・・駆動モータ
32・・・移動方向検出手段
41〜43・・・障害物センサ(非接触検出手段)
44・・・演算制御回路(制御手段)
Claims (2)
- 下面に吸込開口が開口する吸込口体と、
前記吸込口体に取り付けられて前記吸込口体の下面から下方に突出する駆動輪と、
前記駆動輪を前進回転又は後退回転させる駆動モータと、
前記吸込口体の前進・後退を検出する移動方向検出手段と、
前記吸込口体に設けられて前進方向にある障害物を非接触で検出する非接触検出手段と、
前記吸込口体の前進操作又は後退操作が前記移動方向検出手段により検出されたとき、前記駆動輪を前進回転又は後退回転させるように前記駆動モータを回転制御し、前記非接触検出手段が障害物を検出したとき前記駆動モータを停止させる制御手段を備えることを特徴とする電気掃除機。 - 前記制御手段は、前記非接触検出手段が障害物を検出している状態において、前記移動方向検出手段が前記吸込口体の後退操作を所定時間以上検出したとき、前記駆動輪を後退回転させるように前記駆動モータを作動制御することを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
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