JP2004032897A - 回転電機のセグメント順次接合ステータコイルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】端部先端部ペアと根元電極との良好な電気的、熱的接触が可能であり、特に径方向に多数の端部先端部ペアが配列される場合でも好適な溶接を実現する回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法およびこの製造方法により好適に製造される高電圧回転電機を提供すること。
【解決手段】セグメント順次接合ステータコイルの端部先端部ペア13のアーク溶接において、径方向に隣接する多数の端部先端部ペア13を根元電極ブロック1000、2000により挟圧する。この時、各端部先端部ペア13の間の径方向隙間に円弧状補助電極3000を介設する。これにより径方向中間部の端部先端部ペア13への給電が可能となり、かつ端部先端部ペア13の位置が安定化し、かつ、各端部先端部ペア13の根元部から端部斜行部14の絶縁皮膜への放熱を低減することができる。
【選択図】図11
【解決手段】セグメント順次接合ステータコイルの端部先端部ペア13のアーク溶接において、径方向に隣接する多数の端部先端部ペア13を根元電極ブロック1000、2000により挟圧する。この時、各端部先端部ペア13の間の径方向隙間に円弧状補助電極3000を介設する。これにより径方向中間部の端部先端部ペア13への給電が可能となり、かつ端部先端部ペア13の位置が安定化し、かつ、各端部先端部ペア13の根元部から端部斜行部14の絶縁皮膜への放熱を低減することができる。
【選択図】図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機のセグメント順次接合型ステータコイルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステータコアのスロットに挿通された多数のセグメント導体を順次接合して形成されたセグメント順次接合型ステータコイルが提案されている。たとえば、特許第3118837号は、略U字形状を有する導体片であるセグメントを順次接合して形成されたセグメント順次接合型コイルの製造について開示している。
【0003】
更に説明すると、このセグメント順次接合型ステータコイルは、セグメントの一対の脚部を回転子の略磁極ピッチだけ互いに離れた一対のスロットに個別に挿通して飛び出した両端部を周方向へ曲げ、各セグメントの両脚部の先端を順次接合して形成されている。
【0004】
つまり、このセグメントは、略U字状(より正確には略V字状)の頭部(曲がり部又はターン部とも呼ばれる)と、この頭部の両端からコアの互いに異なる二つのスロットにコアの軸方向一側から個別に挿入された一対のスロット導体部と、両スロット導体部の先端からコアの軸方向他側へ飛び出して周方向へ延在する一対の飛び出し端部とをそれぞれ有し、各飛び出し端部の先端部は、一対づつ接合されている。なお、この明細書では、スロット導体部と飛び出し端部とをまとめてセグメントの脚部と呼称する場合もあるものとする。したがって、各セグメントの頭部はステータコイルの頭部側コイルエンド)を構成し、各セグメントの飛び出し端部はステータコイルの端部側コイルエンドを構成する。
【0005】
また、特許第3118837号は、小回りセグメントと、この小回りセグメントを囲む大回りセグメントとにより構成されたセグメントセットの合計4本の脚部を互いに同軸配置された2つのリングに個別に保持し、これらリングを相対回動させて、各セグメントの一対の脚部を周方向へ展開して頭部斜行部を形成することを開示している。
【0006】
また、特開2000−139049は、ステータコアのスロットにそれぞれ収容された小回りセグメントと、この小回りセグメントを囲む大回りセグメントとにより構成されたセグメントセットの合計4本の脚部を互いに同軸配置された4つのリングに個別に保持し、これらリングを相対回動させて、各セグメントの一対の脚部を周方向へ展開して端部斜行部を形成することを開示している。
【0007】
更に、特許第310470号は、セグメントセットの径方向に隣接する4本のスロット導体部から延在して、互いに径方向に隣接する一対の端部先端部ペアのうち、径方向外側の端部先端部ペアの径方向外側面に径方向外側から根元電極ブロックを接面させてこのペアを径方向内側へ付勢し、径方向内側の端部先端部ペアの径方向内側面に径方向内側の根元電極ブロックを接面させてこのペアを径方向外側へ付勢し、更に、周方向に隣接する各端部先端部ペアの間の周方向隙間に径方向へ延在する角棒状の径方向根元電極を介設し、溶接すべき端部先端部ペアの軸方向先端面に近接して溶接用の先端電極を配置して端部先端部ペアの溶接を行うことを開示している。
【0008】
上記公報などに開示されているこのセグメント順次接合型ステータコイルの製造方法例について、以下に説明する。
【0009】
まず、必要本数の松葉状セグメントを準備する。次に、松葉状セグメントをU字状セグメントに加工してセグメントの一対のスロット導体部を周方向へ互いに略磁極ピッチ離れさせるともに必要数のセグメントをコアの各スロットに同時挿通できるようにそれらを空間配置(周方向へ整列)させる工程が行われる。この工程は、たとえば上記特許3118837号の第3図に示される同軸の複数の穴付きのリングを用い、これら穴付きのリングの周方向同位置の各穴に松葉状セグメントの両脚部を個別に挿入し、各リングを略磁極ピッチ相対回転して、この松葉状セグメントを頭部が周方向へU字状(V字状と考えても良い)に開いたU字状セグメントに加工することにより行われる。この工程は、通常、小回りセグメントと大回りセグメントとからなるセグメントセットに対して実施される。
【0010】
次に、U字状に形成され、周方向に整列された各セグメントをコアの各スロットに挿入される工程が行われる。この工程は、U字状に変形され、周方向に整列された各セグメントの頭部を保持しつつ脚部を上記一対の穴付きリングから抜き出し、コアの各スロットに挿入することにより行なわれる。
【0011】
次に、スロットから飛び出した各飛び出し端部を周方向へ屈曲する工程が行われる。好適には、各飛び出し端部は半磁極ピッチだけ周方向へ屈曲される。このような周方向屈曲は、たとえば上記特許3196738号の第4図、第5図に示される同軸の複数の穴付きリングを用い、各穴付きリングの各穴に各飛び出し端部の先端を挿入し、各穴付きリングをそれぞれ周方向へ半磁極ピッチ(電気角π/2)回動して、各飛び出し端部をそれぞれ周方向へ半磁極ピッチ屈曲させればよい。なお、各穴付きリングを回動させる際、各穴付きリングを飛び出し端部に向けて軸方向に付勢しながら行うと、屈曲点の曲率半径を大きくできるので好適である。次に、各飛び出し端部の先端部を所定の順序で溶接する工程が行われる。
【0012】
これにより各相のコイルを意味する相コイルがエンドレスに形成されるので、適切な部位でU字状セグメントのU字状の頭部を切断することにより、頭部側にて各相コイルの引き出し端子を形成することができる。これら引き出し端子をあらかじめ長く形成しておけば、この長く形成した部分を周方向へ屈曲することにより、中性点用の渡り線などとして用いることができる。なお、これらの引き出し端子を頭部側コイルエンドに設けるのは、端部側コイルエンドでは、溶接工程があるため、長い引き出し端子が邪魔になるからである。
【0013】
上記説明したセグメント順次接合ステータコイルは、従来、車両用交流発電機のステータコイルとして用いられていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報などにより開示されているセグメント順次接合型ステータコイルでは、次の問題があった。
【0015】
前述したように、特許第310470号は、図14に示すようにセグメントセットの径方向外側の端部先端部ペア13xに対しては径方向外側の根元電極ブロック11xにより接触給電し、セグメントセットの径方向内側の端部先端部ペア13xに対して径方向内側の根元電極ブロック10xにより接触給電し、更に、これら端部先端部ペア13xを一対の角棒状の径方向根元電極12xにより挟持して接触給電を行う溶接技術を提案している。
【0016】
しかしながら、この従来の端部先端部ペア溶接技術では、次に説明する解決すべき課題があることがわかった。
【0017】
まず、上記従来技術においては、径方向外側根元電極は径方向外側の端部先端部ペアに、径方向内側根元電極は径方向内側の端部先端部ペアに強く押しつける必要があるが、この強い付勢により、径方向外側の端部先端部ペアが径方向内側に変位したり、変形したりし、同じく径方向内側の端部先端部ペアが径方向外側に変位したり、変形したりし、これらの結果、位置がずれにより溶接が不良となったり、溶接後のこれら一対の端部先端部ペア間の径方向隙間が縮小して両者間の電気絶縁性が低下する可能性が生じた。なお、端部先端部ペアは長い端部斜行部を介してステータコアに一端支持されているわけであり、ステータコアのスロット端面を支点として端部斜行部の弾性変形、塑性変形により端部先端部ペアの変位、変形は容易に生じてしまう。
【0018】
そこで、上記付勢力を低減すると、根元電極や端部先端部ペアの根元部分の高温化により端部先端部ペア近傍の端部斜行部の絶縁皮膜の劣化を招いてしまう。また、根元電極と端部先端部ペアとの間の接触抵抗の電圧降下の変動により、流れる電流が変動しやすくなり、溶接仕上がりがばらつくという欠点もあった。
【0019】
更に、従来よりオルタネータとして知られている車両用交流発電機程度の小型回転電機では上記セグメントセットを径方向に1セット配置した(スロット導体部に径方向へ4本のスロット導体部を挿通した)程度のターン構成で十分なため、図13に示すように大型の径方向外側および径方向内側の根元電極ブロック10x、11xをフリースペースに配置でき、これにより根元電極内の抵抗発熱を良好に低減し、かつ、端部先端部ペア13xの熱が端部先端部ペア13xの根元部分から絶縁皮膜付きの端部斜行部14xに伝達されるのを根元電極ブロックによる熱吸収により低減して、上記絶縁皮膜の劣化を防止している。
【0020】
しかしながら、自動車用走行モータのような高電圧モータにおいては、上記セグメントセットを径方向へ多数配置してターン数を稼ぐことが期待され、この場合には、径方向中間位置の端部先端部ペアへの通電を低抵抗で行うことが容易ではないため、多ターンのセグメント順次接合ステータコイル型回転電機を実現するのが容易ではなく、自動車用走行モータのような高電圧モータを実現することが容易ではなかった。
【0021】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、端部先端部ペアと根元電極との良好な電気的、熱的接触が可能であり、特に径方向に多数の端部先端部ペアが配列される場合でも好適な溶接を実現する回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法およびこの製造方法により好適に製造される高電圧回転電機を提供することをその目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、略U字状又は略V字状の頭部と、この頭部の両端から延在してステータコアの一対のスロットに個別に収容されるスロット導体部と、前記両スロット導体部から延在して前記ステータコアの端面から飛び出す飛び出し端部とをそれぞれ有する多数のセグメントを準備し、
前記飛び出し端部の先端部からなり軸方向へ突出する端部先端部を一対づつ径方向に隣接させて端部先端部ペアとなし、径方向に隣接する複数の前記端部先端部ペアの間に円弧状の介設部材を介設した状態で前記複数の端部先端部ペアの根元部分を一対の根元電極により径方向に挟圧し、前記端部先端部ペアの先端面に面する先端電極と前記一対の根元電極又は前記介設部材との間に電圧を印加して前記端部先端部のペアを電気溶接することを特徴としている。
【0023】
すなわち、この発明のセグメント溶接方法は、径方向に隣接する端部先端部ペアの間に介設部材を接面した状態で溶接を行う。
【0024】
このようにすれば、これら複数の端部先端部ペアの間の径方向隙間にこの介設部材が存在しているために複数の端部先端部ペアを根元電極により径方向に挟圧する場合に、上記根元電極による端部先端部ペアの径方向への付勢にもかかわらず端部先端部ペアが径方向へ変位したり、変形したりすることがなく、溶接用の先端電極と溶接されるべき端部先端部ペアの先端面との対面状態を改善することができる。
【0025】
また、根元電極と端部先端部ペアとの接触圧を上記変位、変形を防止しつつ増大し、一定化することができるので、根元電極と端部先端部ペアとの接触抵抗を低減し、安定化することができるので、溶接電流のばらつきを低減し、端部先端部ペアの溶融している先端部から絶縁皮膜をもつ端部斜行部へながれようとする熱を根元電極に安定に吸収して絶縁皮膜の劣化を抑止することができる。
【0026】
請求項2記載の方法によれば請求項1記載の方法において更に、前記介設部材は、導電性を有して前記根元電極としても機能するとともに溶接終了後に除去される金属部材からなるので、根元電極と端部先端部ペアとの接触面積を増大することができ、上記効果を更に増大することができる。
【0027】
請求項3記載の方法は請求項2記載の方法において更に、前記介設部材は、径方向に隣接する多数の前記端部先端部ペアの間にそれぞれ介設されるので、径方向両側の根元電極ブロックに接することができない径方向中央部の端部先端部ペアにも上記角棒状の根元電極以外にも給電することができ、セグメントセットを高密度に径方向に多数配列することができ、多ターンを必要とする車両用走行モータなどの高電圧用のセグメント順次接合ステータコイルを実現することができる。
【0028】
請求項4記載の方法によれば請求項1記載の方法において更に、前記介設部材は、電気絶縁性を有する絶縁部材からなるので、溶接完了後もこの介設部材を除去する必要がなく、作業が簡単となる。
【0029】
請求項5記載の構成は請求項1記載の回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法において更に、前記介設部材が、導電性を有して径方向両側の一対の前記端部先端部ペアに個別に接する一対の金属部材と、前記両金属部材の間に介設される絶縁部材とからなるので、溶接完了後、周方向に隣接する端部先端部ペアの間の隙間にてこの金属部材を分断することにより、各端部先端部ペア間の電気絶縁を確保することができる。これにより介設部材を溶接後に除去する必要が無い。
【0030】
請求項6記載のステータコイルは請求項1乃至5のいずれか記載の製造方法により製造されるとともに、径方向に隣接する一対の前記導体収容位置に個別に収容される一対の前記スロット導体部に連なる小回り頭部を有する前記セグメントである小回りセグメントと、前記小回り頭部を径方向へ囲む大回り頭部を有する前記セグメントである大回りセグメントとにより構成されるセグメントセットを、径方向へ多数セット有し、径方向方向等しい位置を有して周方向に配列される多数の前記セグメントセットは、所定の相電圧が印加される部分相コイルを形成し、前記相コイルは、径方向に異なる前記セグメントセットにより別々に形成された多数の前記部分相コイルを、径方向に隣接する前記部分相コイル同士の順次接続により直列接続して構成されることを特徴としている。
【0031】
従来、セグメント順次接合ステータコイルを用いる回転電機の用途としては車両用交流発電機が考えられていたが、更に大出力の車両の走行モータとして採用することが期待される。走行モータは配線、ステータコイルの抵抗損失低減のために従来より格段に高いバッテリ電圧(数百V)により給電される必要がある。しかし、両者の回転数にほとんど相違がないため、走行モータ用のセグメント順次接合ステータコイルは車両交流発電機用のセグメント順次接合ステータコイルに比較して格段の多ターン化が要求されることになる。
【0032】
ターン数の増大には、図15に示すようにセグメント33(a〜e)を多重相互囲み配置すること(図15では5重)によりスロットS内の径方向導体数を増加することが考えられるが、この多重相互囲みセグメント方式によれば、囲み数に等しい種類のセグメントが必要となること、外側のセグメント33eの頭部の配線距離が長くなるために配線抵抗が増大してしまうという問題があった。
【0033】
特に、このU字状のセグメントの頭部先端部Hの径方向幅は製造上の理由によりその脚部L対の径方向幅よりも大きくなるため、図15では省略したが、実際には図14によれば頭部側コイルエンド311の径方向幅Wが相当に大きくなり、頭部側コイルエンド311の軸方向長も増大して、モータ軸長が増大し、その体格重量も増大してしまうという問題もあった。
【0034】
更に、上記したようにセグメントの頭部の径方向幅がその脚部対の径方向幅よりも大きくなるために、展開時の擦れ合いを防止するために径方向に隣接する異なるセグメントの脚部H、H間に隙間dを確保しなければならず、その分だけスロット占積率が低下してしまうという問題があった。
【0035】
また更に、上記多重の囲みにより内部のセグメント33aは放熱が悪くなるという問題もあった。
【0036】
このような問題に対し、この構成では、図3に示すように、スロット内の径方向へ連続する4つの導体収容位置を占めるセグメントセットを径方向に積み重ね、周方向に配列される所定のセグメントセットを直列接続して部分相コイルを構成し、それぞれ異なる径方向位置のセグメントセットにより構成されて互いに径方向に隣接する各部分相コイルを径方向に順次接続して相コイルを形成する構成を採用した。
【0037】
この構成によれば、径方向に隣接する各部分相コイルの接続を異形のU字状のセグメントを用いることにより簡単に実施することができ、その上、径方向に異なるセグメントセット(部分相コイル)間の温度や配線長さのばらつきにより電流分布が局部的に集中して局部的に過熱が生じることもなく、容易に多ターン化を実現することができる。
【0038】
請求項7記載の構成は請求項6記載の構成において更に、同じ相電圧が印加されるスロット導体部をそれぞれ収容するとともに互いに周方向に連続して隣接する多数の前記スロットにより構成される同相スロット群を有し、共通の前記スロットに収容されてそれぞれ径方向に異なる位置をもつ多数の前記部分相コイルを径方向に隣接する前記部分相コイル同士の順次接続により直列接続してそれぞれ構成されて同相スロット群の互いに異なるスロットに収容される多数の前記直列相コイル回路を有し、前記相コイルは、前記多数の直列相コイル回路を並列接続して構成されることを特徴としている。
【0039】
従来、セグメント順次接合ステータコイルを用いる回転電機の用途としては車両用交流発電機が考えられていたが、更に大出力の車両の走行モータとして採用することが期待される。このような大出力化には、大電流が必要であり、大電流化のためのセグメント断面積の増大には限界があるため、部分相コイルを並列に接続して相コイルの合計断面積を増大する必要があるが、このような並列接続は渡り線の追加などを必要とするためセグメント順次接続により構成することが容易ではなかった。
【0040】
そこで、この構成では、請求項6記載の相コイルを直列相コイル回路とし、この直列相コイル回路を複数設け、各直列相コイル回路を同相スロット群の互いに異なるスロットに収容する構成を採用した。本構成によれば、各直列相コイル回路間の配線抵抗のばらつきをなくすことができ、また、各部分相コイル間の電流ばらつきを良好に低減することができる。特に、径方向異なる位置の部分相コイル間の抵抗ばらつきがあったとしても、上記各直列相コイル回路間の抵抗ばらつきが生じないという利点は重要な利点である。
【0041】
したがって、この構成よれば、多種類のセグメントを用いたり、コイルエンドにて複雑な特別の渡り線を追加したりすることなく、コイルの多ターン化を実現することができ、高電圧を必要とする自動車用走行モータのステータコイルを実現することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のセグメント順次接合型ステータコイルを有する高電圧車両用回転電機の例を図に示す各実施形態に基づいて説明する。図1は車両の走行動力発生用の走行モータとして使用されるこの回転電機の軸方向断面図である。ただし、ステータコイルのコイルエンド部分は模式図示されている。図2はステータコイルの一部をなすセグメントの斜視図、図3はスロット内におけるセグメントの収容状態を示す部分断面図である。
(全体構成の説明)
図1において、走行モータは、ステータコア1、ロータ2、ステータコイル3、ハウジング4、回転軸7を有している。ステータコア1は、ハウジング4の周壁内周面に固定され、ステータコイル3はステータコア1の各スロットに巻装されている。ロータ2は、ハウジング4に回転自在に支持された回転軸7に固定されたIPM型ロータであり、ステータコア1の径内側に配置されている。ステータコイル3は三相電機子巻線であって、外部の約300Vのバッテリから給電される三相インバータから給電されている。
【0043】
この走行モータは、二次電池車又は燃料電池車又はハイブリッド車の走行動力を発生する永久磁石型三相ブラシレスDCモータ(同期モータ)であるが、ロータ構造としては、公知の種々の形式に置換可能である。このような種々の形式の同期機自体は周知であるので説明を省略する。
(ステータコイル3の説明)
ステータコイル3は、図2に示す所定数のセグメント(本発明で言うセグメントセット)33をステータコア1の一側からステータコア1の各スロットに挿通し、スロットから各セグメント33の飛び出し端部をステータコア1の他側に必要長さだけ突出させ、各セグメント33の飛び出し端部を周方向に略電気角π/2だけそれぞれ捻り、各セグメント33の飛び出し端部の先端部(接合部)を所定の組み合わせで溶接して構成されている。セグメント33は、溶接部分すなわち上記飛び出し端部の先端部(端部先端部ともいう)を除いて樹脂皮膜で被覆された長板U字形状を有している。この種のセグメント順次接合型のステータコイル自体は、上述したようにもはや公知となっている。
【0044】
セグメント(セグメントセット)33の詳細を更に詳しく説明する。
【0045】
一つのセグメント(セグメントセット)33は、略V字状の頭部と、この頭部の両端から直線的に伸びてスロットに収容されている一対のスロット導体部と、両スロット導体部の先端からそれぞれ伸びる一対の飛び出し端部とをそれぞれ有する一つの大セグメント331と一つの小セグメント332とからなる。これにより、ステータコイル3は、ステータコア1の一側に全体としてリング状に存在する第一のコイルエンド部(頭部側コイルエンド)311と、ステータコア1の他側に全体としてリング状に存在する第二のコイルエンド(端部側コイルエンド)部312と、スロット内に存在するスロット導体部とに区分される。
【0046】
つまり、図1において、頭部側コイルエンド311は各セグメント33の上記頭部により構成され、端部側コイルエンド312は各セグメント33の上記飛び出し端部により構成されている。
【0047】
図1において、4セットのセグメントセット33が径方向へ順番に挿通されている。3301は最も径方向内側のセグメントセット群S1の一つのセグメントセット33の頭部、3302は径方向内側から数えて2番目のセグメントセット群S2の一つのセグメントセット33の頭部、3303は径方向内側から数えて3番目のセグメントセット群S3の一つのセグメントセット33の頭部、3302は最も径方向外側のセグメントセット群S3の一つのセグメントセット33の頭部であり、径方向へ順番に4個並んだ頭部は、前述した頭部側コイルエンド311を構成している。ただし、図1では、図示簡単化のために端部側コイルエンド312は2つのセグメントセット群の径方向へ並んだ合計8本(4対)の飛び出し端部しか図示していない。
(セグメント33の説明)
セグメント(セグメントセット)33を図2を参照して説明する。
【0048】
セグメント(セグメントセット)33は、大きい大セグメント(大回りセグメントともいう)331と、小さい小セグメント(小回りセグメントともいう)332とを有している。この大セグメント331とこの大セグメント331が囲む小セグメント332とをセグメントセットと称する。
【0049】
大セグメント331において、331a、331bはスロット導体部、331cは頭部、331f、331gは飛び出し端部である。飛び出し端部331f、331gの先端部331d、331eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部331aを最内層のスロット導体部と称し、スロット導体部331bを最外層のスロット導体部と称する。
【0050】
小セグメント332において、332a、332bはスロット導体部、332cは頭部、332f、332gは飛び出し端部である。飛び出し端部332f、332gの先端部332d、332eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部332aを中内層のスロット導体部と称し、スロット導体部332bを中外層のスロット導体部と称する。
【0051】
符号’は、図示しない大セグメント又は小セグメントの符号’がない部分と同じ部分を示す。したがって、図2では、互いに径方向に隣接する接合部331dと接合部332d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332dと接合部331d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332eと接合部331e’とが溶接されている。
【0052】
図2では、最内層のスロット導体部331aと中内層のスロット導体部332aが、ロータコア71の所定のスロットに収容される場合、同一のセグメント331、332の最外層のスロット導体部331bと中外層のスロット導体部332bはこの所定のスロットから略所定奇数磁極ピッチT(たとえば1磁極ピッチ(電気角度π))離れたスロットに収容される。小セグメント332の頭部332cは大セグメント331の頭部331cに囲まれるようにして配置されている。
(スロット内のセグメントセット配置)
スロットのセグメントセットの配置状態を図3に示す。
【0053】
35はスロットである。スロット35には径方向へ16個の導体収容位置P1〜P16が設定され、各導体収容位置P1〜P16にはそれぞれ1個のスロット導体部が収容されている。各スロット35は、4セットのセグメントセット群S1〜S4が径方向へ順番に収容し、導体収容位置P1〜P4はセグメントセット群S1を、導体収容位置P4〜P8はセグメントセット群S2を、導体収容位置P9〜P12はセグメントセット群S3を、導体収容位置P13〜P16はセグメントセット群S4を収容している。各セグメントセット群S1〜S4はそれぞれ周方向へ配列された多数のセグメント33からなる。
【0054】
この最も内側のセグメントセット群S1を一例として詳しく説明すると、最内層のスロット導体部331aはステータコア32のスロット35の径方向最内側に配置され、以下、径方向外側へ順に、中内層のスロット導体部332a、中外層のスロット導体部332b’、最外層のスロット導体部331b’の順に配置され、結局、各スロット35は4本のスロット導体部を4層1列に収容する。図3において、スロット導体部332b’、332b’は、スロット導体部332a、331aをもつ大セグメント331、小セグメント332とは異なる大セグメント331、小セグメント332に属している。他のセグメントセットS2〜S4も上記と同様の配置、構成を持つことは言うまでもない。大セグメント331と小セグメント332とからなるセグメント(セグメントセット)33をスロット35に挿通する状態を図4に示す。
(三相ステータコイルの構成の説明)
径方向に4セット配列されたセグメントセット群S1〜S4による三相ステータコイルの接続を図9を参照して以下に説明する。図9はU相の相コイルを示す。
【0055】
1磁極ピッチ当たり9スロット(同相3スロット、3相)、極数12、スロット数108とされる。隣接3スロットは、同相の相電圧が印加される同相スロット群を構成している。1スロットには上記したように16個の導体収容位置P1〜P16が径方向に形成され、各導体収容位置には1つのスロット導体部が収容される。
【0056】
各スロットの径方向最内側から数えて1〜4番目の4つの導体収容位置P1〜P4に収容されるセグメントセット群S1は、波巻きなどにより接続されて第1の部分相コイルを各相当たり3個形成する。図9に示すU11、U21、U31はこの第1の部分相コイルである。部分相コイルU11、U12、U13は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0057】
各スロットの径方向最内側から数えて5〜8番目の4つの導体収容位置P5〜P8に収容されるセグメントセット群S2は、波巻きなどにより接続されて第2の部分相コイルを各相当たり3個形成する。図9に示すU12、U22、U32はこの第2の部分相コイルである。部分相コイルU12、U22、U32は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0058】
各スロットの径方向最内側から数えて9〜12番目の4つの導体収容位置P9〜P12に収容されるセグメントセット群S3は、波巻きなどにより接続されて第3の部分相コイルを各相当たり3個形成する。図9に示すU13、U23、U33はこの第3の部分相コイルである。部分相コイルU13、U23、U33は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0059】
各スロットの径方向最内側から数えて13〜16番目の4つの導体収容位置P13〜P16に収容されるセグメントセット群S4は、波巻きなどにより接続されて第4部分相コイルを各相当たり3個形成する。図9に示すU14、U24、U34はこの第3の部分相コイルである。部分相コイルU14、U24、U34は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0060】
また、部分相コイルU11、U12、U13、U14は、同相スロット群をなす隣接3スロットのうちの周方向一方側から数えて最初のスロットに収容され、部分相コイルU21、U22、U23、U24は、同相スロット群をなす隣接3スロットのうちの周方向一方側から数えて中央のスロットに収容され、部分相コイルU31、U32、U33、U34は、同相スロット群をなす隣接3スロットのうちの周方向一方側から数えて最後のスロットに収容される。
【0061】
部分相コイルU11、U12、U13、U14は、隣接する部分相コイル同士が順番に接続されて直列相コイル回路U1を形成し、部分相コイルU21、U22、U23、U24は、隣接する部分相コイル同士が順番に接続されて直列相コイル回路U2を形成し、部分相コイルU31、U32、U33、U34は、隣接する部分相コイル同士が順番に接続されて直列相コイル回路U3を形成する。これらの径方向に隣接する部分相コイル同士の接続は、従来より公知であるように径方向に隣接する2つの部分相コイルの空きの導体収容位置の一つ同士に異形のU字状セグメントを挿入して接続される。
【0062】
たとえば、部分相コイルU12は、通常のセグメント(好ましくは大回りセグメント)を一つ抜くことによりできた一対の空きの導体収容位置の一つと、同様に部分相コイルU13に形成された空きの導体収容位置の一つとにこの異形のU字状のセグメントを挿入して、部分相コイルU12、U13を接続することができる。
【0063】
また、部分相コイルU12の残りの一つの空きの導体収容位置と、同様に部分相コイルU11に形成された空きの導体収容位置の一つとにこの異形のU字状のセグメントを挿入して、部分相コイルU12、U13を接続することができる。
【0064】
部分相コイルU11の残る一つの空きの導体収容位置には中性点用(引き出し端子用でも良い)の異形セグメントが挿入され、同様に、部分相コイルU14の残る一つの空きの導体収容位置には引き出し端子用(中性点用でも良い)の異形セグメントが挿入される。
【0065】
直列相コイル回路U1、U2、U3は、両端同士が接続されて並列接続され、U相の相コイルを形成する。
【0066】
以下、通常のセグメント順次接合ステータコイルの標準製造プロセスをまず最初に説明し、その後、この実施例特有の製造工程を説明する。
(標準の頭部捻り工程)
まず、必要本数の小セグメント332と大セグメント331との展開前の形状をもつ2種類の松葉状セグメントを準備する。これらの松葉状セグメントの両脚部は、互いに略隣接して直線状に延在しており、その頭部は鋭く屈曲している。次に、松葉状セグメントをU字状セグメントに加工してセグメントの一対のスロット導体部を周方向へ互いに略磁極ピッチ離れさせるともに必要数のセグメントをステータコアの各スロットに同時挿通できるようにそれらを空間配置(周方向へ整列)させる工程が次のように行われる。
【0067】
この頭部捻り工程を図5、図6を参照して以下に説明する。
【0068】
この頭部捻り工程におけるセグメント挿入前の状態を図5に示す。図5において、10は頭部捻り装置、11は小リング、12は大リングであり、両者は相対回転可能に同軸配置されている。大リング11にはそれぞれ径方向へ並んだ一対の孔121、122が周方向所定ピッチで設けられ、小リング12には孔121、122と周方向等ピッチで径方向へ並んだ一対の孔111、112が設けられている。孔111〜114は径方向へ一列に並んでいる。大回りセグメント(大セグメント)331の両スロット導体部を、最も内側の孔111と最も外側の孔122に挿入し、小回りセグメント(小セグメント)332の両スロット導体部は、最も内側の孔111の外側の孔112と、最も外側の孔122の内側の孔121とに挿入する。
【0069】
図6は、すべての大セグメント331とすべての小セグメント332とを小リング11と大リング12との孔111、112、121、122に嵌挿した状態を示す。図6において、16は小リング11と大リング12の軸方向上方に配置された頭部押さえプレートである。頭部押さえプレート16の下端面には、同一周方向位置の大セグメント331の頭部の頂部と小セグメント332の頭部の頂部とのペアを、周方向両側から挟む一対の爪部(一つのみ図示)160を有している。すなわち、各セグメント33を孔111、112、121、122に挿入した後、押さえプレート16が降下して、各対の爪部160が、周方向同位置の大セグメント331の頭部の頂部と小セグメント332の頭部の頂部とを周方向両側から挟む。
【0070】
その後、大リング12及び小リング11とを、静止するこの頭部押さえプレート16に対して半磁極ピッチだけ互いに逆方向に回動される。これにより、すべてのセグメント33の日本の脚部は周方向1磁極ピッチだけ周方向に展開される。
【0071】
リング11、12の回動時に、セグメント33の頭部の頂部はリング11、12の回動とともにリング11、12にむけて軸方向に変位するので、頭部押さえプレート16はそれに合わせて軸方向に変位させる。17は、大セグメント331、小セグメント332が深く落下しないように規制する規制プレートである。規制プレート17を、径方向外側の2つの脚部が載置される外側規制プレートと、径方向内側の2つの脚部が載置される内側規制プレートとに分割し、この内側規制プレートをリング11に固定してリング11と一体に回動させ、この外側規制プレートをリング12に固定してリング12と一体に回動させてもよい。
【0072】
次に、頭部押さえプレート16により各セグメント33を保持したまま、小リング11と大リング12とを各セグメント33から離脱させる。
(標準の端部挿入工程)
次に、小回り状のU字状セグメント332を上記両穴付きリングから抜き出して、図4に一部示すようにステータコア1のスロット35の中内層位置及び中外層位置に挿通し、大回り状のU字状セグメント331を上記両穴付きリングから抜き出して、ステータコア1のスロット35の最内層位置及び最外層位置に挿通する。この時、上記頭部押さえプレート16で各セグメントがばらけないように保持することにより、各セグメントを一挙に各スロット35に挿通することができる。その後、この頭部押さえプレート16は取り外される。
【0073】
なお、上記した小回り状のU字状セグメント332、大回り状のU字状セグメント331のステータコアのスロット35へ挿通するまでの工程は上記に限られるものではなく、上記した他に種々採用することができる。
(標準の端部捻り工程)
上記のようにスロットに挿通されたセグメント33の端部の捻り成形工程を以下に説明する。
【0074】
この実施例では、大セグメント331の最外層スロット導体部331bに連なる端部331g(外層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、大セグメント331の最内層スロット導体部331aに連なる端部331f(内層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られている。小セグメント332の中内層のスロット導体部332aに連なる端部332f(内層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、小セグメント332の中外層のスロット導体部332bに連なる端部332g(外層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られている。導体部331fと332fとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされ、導体部331gと332gとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされている。
【0075】
上記した大セグメント331および小セグメント332からなるセグメントセットの捻り加工を図7、図8を参照して更に詳しく説明する。図7はステータコイル捻り装置500の模式縦断面図、図8は図7におけるAーA断面矢視図である。
【0076】
まず、ステータコイル捻り装置500の構成を説明する。
【0077】
ステータコイル捻り装置500は、ステータコア1の外周部を受けるワーク受け51、ステータコア32の径方向の動きを規制して保持するクランパ52、ステータコア32の浮き上がりを防止するワーク押さえ53、ステータコア32の一端から出たセグメント33の飛び出し脚部を捻るための捻り整形部54、捻り整形部54を軸方向に駆動するための昇降用シャフト54a、捻り整形部54を周方向に回転駆動する回転駆動機構541a〜544a、昇降用シャフト54aを軸方向に移動するための昇降駆動機構54b、及び、回転駆動機構541a〜544aと昇降駆動機構54bとを制御するコントローラ55を備えている。
【0078】
捻り整形部54は、同心状に配置された4つの円筒状の捻り治具541〜544がそれらの先端面を揃えて配置されている。各捻り治具541〜544は回転駆動機構541a〜544aにより独立に回転可能とされ、かつ、昇降駆動機構54bにより昇降用シャフト54aを昇降することにより同時に昇降可能となっている。
【0079】
図8に示されているように、捻り治具541〜544の先端面には、挿入されたセグメント33の端部331f、331g、332f、332gの各先端(接合部)を保持するセグメント挿入部541b〜544bが穿設されている。このセグメント挿入部541b〜544bは、ステータコア1のスロット35の総数に等しい数だけ各捻り治具541〜544の周方向に並べて形成されている。
【0080】
セグメント挿入部541b〜544bは、図8に示すように、互いに径方向に隣接するセグメント挿入部541b〜544b同士の連通を防止するための隔壁541c〜544c、542d、543dが設けられている。隔壁541c〜544c、542d、543dの厚みは、径方向外側から数えて1層目と2層目との間の隔壁541c、542cで形成される間隔d1及び3層目と4層目の間の隔壁543c、544cで形成される間隔d3よりも、2層目と3層目との間の隔壁542d、543dで形成される間隔d2の方が大きくなるように設定されている。
【0081】
次に、ステータコイル捻り装置500の作動を説明する。
【0082】
スロット35内にセグメント33が配置されたステータコア32をワーク受け51にセットする。次に、ステータコア32の外周部をクランパ52に固定する。その後、ワーク押さえ53でステータコア32の上部及び大セグメント331の頭部331cを押さえることにより、ステータコア32及びセグメント33の上下方向の動きを規制する。
【0083】
セグメント33が配置されたステータコア32をクランパ52及びワーク受け53により固定した後、昇降用シャフト54aによって捻り整形部54を上昇させ、各捻り治具541〜544に形成されたセグメント挿入部541b〜544bにセグメント33の端部331f、331g、332f、332gを挿入する。
【0084】
セグメント挿入部541b〜544bにはセグメント33の端部331f、331g、332f、332gの先端すなわち後に接合部となる部分だけが挿入可能となっている。セグメント33の端部331f、331g、332f、332gはテーパ状に形成されているため、セグメント挿入部541b〜544bにスムーズに挿入されることができる。
【0085】
セグメント33の端部331f、331g、332f、332gを捻り整形部54のセグメント挿入部541b〜544bに挿入した後、捻り整形部54は、回転駆動機構541a〜544aおよび昇降駆動機構54bにより回動され、昇降される。
【0086】
次に、捻り整形部54の回転について説明する。
【0087】
捻り治具541および治具543を時計回り方向に第一の角度だけ回転させ、捻り治具542および捻り治具544を反時計回り方向に第二の角度だけ回転させる。この時、第一の角度と第二の角度の大きさは等しくなくてもよく、両者の合計が必要なスロットピッチとなればよい。
【0088】
その後、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうちスロット35の出口からセグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分の長さを一定に保つように、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを制御しながら捻り整形部54を回転しながら上昇させる。この時、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gは円弧状の軌跡を描くように回転しながら上昇することが好ましい。この円弧状の軌跡を描く捻りは、スプリングバックによるセグメント33の変形を防止するため、半磁極ピッチ(T/2)に相当する角度を所定量超えた角度まで行われることが好ましい。
【0089】
その後、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを上記前工程と逆向きの回転させ、下降させる。このようにして、セグメント33の捻り行程を終了し、捻り整形部54を下降させて捻り治具541〜544のセグメント挿入部541b〜544bからセグメント33の端部331f、331g、332f、332gを取り外す。セグメント33が外された捻り整形部54は回転駆動機構541a〜544aによって回転され、原位置に戻される。最後に、クランパ52及びワーク押さえ53が外され、セグメント33に捻りが加えられたステータが取り出される。
【0090】
結局、この捻り工程は、まずセグメント33の端部を周方向にのみ回転変位させてセグメント33を周方向に倒し、続いてセグメント33の端部を周方向並びに軸方向に変位させてセグメント33を深く傾け、その後、所定の加工量を超えてセグメント33の端部を周方向ならびに軸方向に変位させてセグメント33を過剰に深く傾け、その後でセグメント33の端部を所定の加工量まで戻すことにより行われる。
【0091】
捻り整形部54はステータコア32に対して周方向だけでなく軸方向にも相対移動する。そのため、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうち、スロット35の出口からセグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分、すなわち、端部331f、331g、332f、332gからその端部先端(接合部)331d、331e、332d、332eの長さを差し引いた長さを一定に保つように、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gが円弧状の軌跡を描くように捻じることができ、これにより、セグメント33がセグメント挿入部541b〜544bから抜け出るのを防止することができる。
【0092】
また、セグメント33の端部先端(接合部)331d、331e、332d、332eのみが、セグメント挿入部541b〜544bに挿入されており、また、前述と同様にセグメント33がセグメント挿入部541b〜544bから抜け出ることはない。
(標準の溶接工程)
次に行う標準の溶接工程を以下に説明する。この工程は本質的に従来と同じである。
【0093】
上記セグメントの端部の捻りの後、図1、図2に示すように、径方向内側から1層目と2層目の端部先端部(接合部)が溶接され、径方向内側から3層目と4層目の端部先端部(接合部)が溶接されて、ステータコイル31が完成される。溶接には、アーク溶接が用いられる。
(この実施例の特徴をなす溶接工程の説明)
次に、この実施例の特徴をなす端部先端部ペアの溶接工程を図10を参照して説明する。
【0094】
2は図示しない駆動装置により径方向、周方向へ移動可能な溶接電極としてのトーチ、13は径方向、周方向に所定ピッチで配列された溶接されるべき端部先端部ペア、14は端部斜行部ペアであり、cは端部先端部ペア13と端部斜行部ペア14との境界部である。端部先端部ペア13の表面の絶縁皮膜は剥離されており、端部斜行部ペア14は絶縁皮膜により被覆されている。
【0095】
1000は外径側根元電極ブロック、2000は内径側根元電極ブロック、3000は円弧状補助電極(本発明で言う介設部材)である。円弧状補助電極3000は径方向に隣接する一対の端部先端部ペア13、13の間に介設されており、両根元電極ブロック1000、2000は一対の端部先端部ペアの根元部と円弧状補助電極3000とを径方向に挟圧している。両根元電極ブロック1000、2000、円弧状補助電極3000は、銅製であり、円弧状補助電極3000は周方向すなわち紙面垂直方向において所定長さをもつ円弧形状を有しており、その軸方向断面は略角棒状となっている。図14に示す棒状電極12xを設けることも可能である。
【0096】
溶接動作は以下のように実施される。
【0097】
両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000は、端部先端部ペア13の1周方向ピッチづつ移動され、溶接すべき端部先端部ペア13の側面に当接される。なお、両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000が、周方向に十分に長い場合には、これら両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000を固定した状態でトーチ2だけを周方向に移動して周方向に隣接する複数の端部先端部ペア13を溶接し、その後、この両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000を必要な端部先端部ペアピッチだけ周方向へ移動させてもよい。この移動は周方向へ行ってもよく、又は、それらを一度、軸方向外側へ外した後、周方向必要なシフトを行って再度はめ込んでもよい。円弧状補助電極3000がリング形状である場合には、溶接終了までこのような周方向変位は不要である。
【0098】
溶接直前に両根元電極ブロック1000、2000は一対の端部先端部ペア13と円弧状補助電極3000とを径方向へ所定圧力で挟圧する。
【0099】
なお、図13に示す棒状電極12xを設ける場合、端部先端部ペア13の間のすべての周方向間隙にこの棒状電極が径方向外側からはめ込まれる。この場合、円弧状補助電極3000は、周方向に隣接する複数の端部先端部ペア13に隣接するため、周方向に延在する円弧状補助電極3000と径方向に延在する棒状電極とは軸方向に重なるように配置される。
【0100】
次に、トーチ電極2を溶接すべき端部先端部ペア13の先端面に所定距離隔てて対面される。このトーチ電極2は、図示しない3次元駆動装置(通常は溶接ロボット)により径方向又は周方向へ移動可能となっている。
【0101】
溶接に際して、所定の電圧をトーチ電極2と両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000との間に印加し、トーチ電極2と端部先端部ペア13の先端面との間にアークを発生させ、端部先端部ペア13の先端部を溶融させる。なお、円弧状補助電極3000への給電は、円弧状補助電極3000の周方向に延在する端部を軸方向外側へ屈曲させ、この部分にケーブルを接続すればよい。
【0102】
溶融が終了したら、トーチ電極2を径方向あるいは周方向へ移動して両根元電極ブロック1000、2000に挟圧されるすべての端部先端部ペア13を溶接する。
【0103】
その後、再び、両根元電極ブロック1000、2000と円弧状補助電極3000とを周方向へ1端部先端部ペアピッチだけ移動させて、再度上記作業を繰り返す。
【0104】
上記説明した溶接方法によれば、端部先端部ペア13の位置を一定化することができる。
【0105】
(変形態様)
上記実施態様では、介設部材としての円弧状補助電極3000を銅製としたが、たとえば耐熱性の樹脂により製造しても良い。この場合には位置決め効果を確保できるとともに、この円弧状介設部材を除去する必要がない。多数の端部先端部ペア13が径方向に配列されている場合の溶接状態を図11に示す。
【0106】
(変形態様)
上記実施態様では、介設部材としての円弧状補助電極3000を銅製としたが、たとえば表面に絶縁セラミックス膜が被着された円弧状金属部材を採用することができる。これにより、この介設部材により端部先端部ペア13の熱を吸収することができる。
【0107】
(変形態様)
変形態様を図12に示す。
【0108】
この変形態様では、介設部材3000は、径方向外側の端部先端部ペア13の側面に接する円弧状金属部材3001と、径方向内側の端部先端部ペア13の側面に接する円弧状金属部材3002と、両円弧状金属部材3001、3002の間に介設される絶縁樹脂製の円弧状介設部材3003とにより構成したものである。
【0109】
両円弧状金属部材3001、3002は、端部先端部ペア13への給電又は端部先端部ペア13からの吸熱を行う。溶接完了後、薄肉円板状の回転カッターにより円弧状金属部材3001、3002を周方向に隣接する端部先端部ペアの間の隙間で分断することにより、介設部材3000の除去が不要となる。
【0110】
好適には、溶接はTIG溶接によりなされ、この場合にはトーチ電極2はタングステンとされ、負電極とされる。
【0111】
(変形態様)
変形態様を図13に示す。
【0112】
この変形態様は、図10に示す溶接工程において、棒状電極4000の上に円弧状補助電極3000を略直角に配置してものである。このようにすれば、端部先端部ペア13の根元部の4周は、根元電極ブロック1000、2000、円弧状補助電極3000及び棒状電極4000により接するため、端部先端部ペア13の根元部の対電極接触抵抗を更に低減でき、かつ、絶縁皮膜への伝熱も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の車両用走行モータの縦断面図である。
【図2】図1のセグメントの模式斜視図である。
【図3】図1のステータコアの径方向部分断面図である。
【図4】セグメントセットをスロットに挿通する直前の状態を示す模式斜視図である。
【図5】セグメントの頭部捻り装置のリングに挿通する状態を示す模式断面図である。
【図6】頭部捻り装置の模式縦断面図である。
【図7】端部捻り装置の模式縦断面図である。
【図8】端部捻り装置のリングの平面図である。
【図9】ステータコイルのU相結線図である。
【図10】好適な実施態様における溶接工程を示す図である。
【図11】好適な実施態様における溶接工程を示す図である。
【図12】好適な実施態様における溶接工程を示す図である。
【図13】好適な実施態様における溶接工程を示す図である。
【図14】従来の溶接工程を示す図である。
【図15】従来のセグメントセットの頭部側コイルエンドを示す径方向模式断面図である。
【符号の説明】
1 ステータコア
3 ステータコイル
33 セグメント(セグメントセット)
331 大セグメント(大回りセグメント)
331a、331b 大セグメント331のスロット導体部
331c 大セグメント331の頭部
331f、331g 大セグメント331の飛び出し端部(端部斜行部)
331d、331e 大セグメント331の端部先端部
332 小セグメント(小回りセグメント)
332a、332b 小回りセグメント332のスロット導体部
332c 小回りセグメント332の頭部
332f、332g 小回りセグメント332の飛び出し端部
332d、332e 小回りセグメント332の端部先端部
35 スロット
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機のセグメント順次接合型ステータコイルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステータコアのスロットに挿通された多数のセグメント導体を順次接合して形成されたセグメント順次接合型ステータコイルが提案されている。たとえば、特許第3118837号は、略U字形状を有する導体片であるセグメントを順次接合して形成されたセグメント順次接合型コイルの製造について開示している。
【0003】
更に説明すると、このセグメント順次接合型ステータコイルは、セグメントの一対の脚部を回転子の略磁極ピッチだけ互いに離れた一対のスロットに個別に挿通して飛び出した両端部を周方向へ曲げ、各セグメントの両脚部の先端を順次接合して形成されている。
【0004】
つまり、このセグメントは、略U字状(より正確には略V字状)の頭部(曲がり部又はターン部とも呼ばれる)と、この頭部の両端からコアの互いに異なる二つのスロットにコアの軸方向一側から個別に挿入された一対のスロット導体部と、両スロット導体部の先端からコアの軸方向他側へ飛び出して周方向へ延在する一対の飛び出し端部とをそれぞれ有し、各飛び出し端部の先端部は、一対づつ接合されている。なお、この明細書では、スロット導体部と飛び出し端部とをまとめてセグメントの脚部と呼称する場合もあるものとする。したがって、各セグメントの頭部はステータコイルの頭部側コイルエンド)を構成し、各セグメントの飛び出し端部はステータコイルの端部側コイルエンドを構成する。
【0005】
また、特許第3118837号は、小回りセグメントと、この小回りセグメントを囲む大回りセグメントとにより構成されたセグメントセットの合計4本の脚部を互いに同軸配置された2つのリングに個別に保持し、これらリングを相対回動させて、各セグメントの一対の脚部を周方向へ展開して頭部斜行部を形成することを開示している。
【0006】
また、特開2000−139049は、ステータコアのスロットにそれぞれ収容された小回りセグメントと、この小回りセグメントを囲む大回りセグメントとにより構成されたセグメントセットの合計4本の脚部を互いに同軸配置された4つのリングに個別に保持し、これらリングを相対回動させて、各セグメントの一対の脚部を周方向へ展開して端部斜行部を形成することを開示している。
【0007】
更に、特許第310470号は、セグメントセットの径方向に隣接する4本のスロット導体部から延在して、互いに径方向に隣接する一対の端部先端部ペアのうち、径方向外側の端部先端部ペアの径方向外側面に径方向外側から根元電極ブロックを接面させてこのペアを径方向内側へ付勢し、径方向内側の端部先端部ペアの径方向内側面に径方向内側の根元電極ブロックを接面させてこのペアを径方向外側へ付勢し、更に、周方向に隣接する各端部先端部ペアの間の周方向隙間に径方向へ延在する角棒状の径方向根元電極を介設し、溶接すべき端部先端部ペアの軸方向先端面に近接して溶接用の先端電極を配置して端部先端部ペアの溶接を行うことを開示している。
【0008】
上記公報などに開示されているこのセグメント順次接合型ステータコイルの製造方法例について、以下に説明する。
【0009】
まず、必要本数の松葉状セグメントを準備する。次に、松葉状セグメントをU字状セグメントに加工してセグメントの一対のスロット導体部を周方向へ互いに略磁極ピッチ離れさせるともに必要数のセグメントをコアの各スロットに同時挿通できるようにそれらを空間配置(周方向へ整列)させる工程が行われる。この工程は、たとえば上記特許3118837号の第3図に示される同軸の複数の穴付きのリングを用い、これら穴付きのリングの周方向同位置の各穴に松葉状セグメントの両脚部を個別に挿入し、各リングを略磁極ピッチ相対回転して、この松葉状セグメントを頭部が周方向へU字状(V字状と考えても良い)に開いたU字状セグメントに加工することにより行われる。この工程は、通常、小回りセグメントと大回りセグメントとからなるセグメントセットに対して実施される。
【0010】
次に、U字状に形成され、周方向に整列された各セグメントをコアの各スロットに挿入される工程が行われる。この工程は、U字状に変形され、周方向に整列された各セグメントの頭部を保持しつつ脚部を上記一対の穴付きリングから抜き出し、コアの各スロットに挿入することにより行なわれる。
【0011】
次に、スロットから飛び出した各飛び出し端部を周方向へ屈曲する工程が行われる。好適には、各飛び出し端部は半磁極ピッチだけ周方向へ屈曲される。このような周方向屈曲は、たとえば上記特許3196738号の第4図、第5図に示される同軸の複数の穴付きリングを用い、各穴付きリングの各穴に各飛び出し端部の先端を挿入し、各穴付きリングをそれぞれ周方向へ半磁極ピッチ(電気角π/2)回動して、各飛び出し端部をそれぞれ周方向へ半磁極ピッチ屈曲させればよい。なお、各穴付きリングを回動させる際、各穴付きリングを飛び出し端部に向けて軸方向に付勢しながら行うと、屈曲点の曲率半径を大きくできるので好適である。次に、各飛び出し端部の先端部を所定の順序で溶接する工程が行われる。
【0012】
これにより各相のコイルを意味する相コイルがエンドレスに形成されるので、適切な部位でU字状セグメントのU字状の頭部を切断することにより、頭部側にて各相コイルの引き出し端子を形成することができる。これら引き出し端子をあらかじめ長く形成しておけば、この長く形成した部分を周方向へ屈曲することにより、中性点用の渡り線などとして用いることができる。なお、これらの引き出し端子を頭部側コイルエンドに設けるのは、端部側コイルエンドでは、溶接工程があるため、長い引き出し端子が邪魔になるからである。
【0013】
上記説明したセグメント順次接合ステータコイルは、従来、車両用交流発電機のステータコイルとして用いられていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報などにより開示されているセグメント順次接合型ステータコイルでは、次の問題があった。
【0015】
前述したように、特許第310470号は、図14に示すようにセグメントセットの径方向外側の端部先端部ペア13xに対しては径方向外側の根元電極ブロック11xにより接触給電し、セグメントセットの径方向内側の端部先端部ペア13xに対して径方向内側の根元電極ブロック10xにより接触給電し、更に、これら端部先端部ペア13xを一対の角棒状の径方向根元電極12xにより挟持して接触給電を行う溶接技術を提案している。
【0016】
しかしながら、この従来の端部先端部ペア溶接技術では、次に説明する解決すべき課題があることがわかった。
【0017】
まず、上記従来技術においては、径方向外側根元電極は径方向外側の端部先端部ペアに、径方向内側根元電極は径方向内側の端部先端部ペアに強く押しつける必要があるが、この強い付勢により、径方向外側の端部先端部ペアが径方向内側に変位したり、変形したりし、同じく径方向内側の端部先端部ペアが径方向外側に変位したり、変形したりし、これらの結果、位置がずれにより溶接が不良となったり、溶接後のこれら一対の端部先端部ペア間の径方向隙間が縮小して両者間の電気絶縁性が低下する可能性が生じた。なお、端部先端部ペアは長い端部斜行部を介してステータコアに一端支持されているわけであり、ステータコアのスロット端面を支点として端部斜行部の弾性変形、塑性変形により端部先端部ペアの変位、変形は容易に生じてしまう。
【0018】
そこで、上記付勢力を低減すると、根元電極や端部先端部ペアの根元部分の高温化により端部先端部ペア近傍の端部斜行部の絶縁皮膜の劣化を招いてしまう。また、根元電極と端部先端部ペアとの間の接触抵抗の電圧降下の変動により、流れる電流が変動しやすくなり、溶接仕上がりがばらつくという欠点もあった。
【0019】
更に、従来よりオルタネータとして知られている車両用交流発電機程度の小型回転電機では上記セグメントセットを径方向に1セット配置した(スロット導体部に径方向へ4本のスロット導体部を挿通した)程度のターン構成で十分なため、図13に示すように大型の径方向外側および径方向内側の根元電極ブロック10x、11xをフリースペースに配置でき、これにより根元電極内の抵抗発熱を良好に低減し、かつ、端部先端部ペア13xの熱が端部先端部ペア13xの根元部分から絶縁皮膜付きの端部斜行部14xに伝達されるのを根元電極ブロックによる熱吸収により低減して、上記絶縁皮膜の劣化を防止している。
【0020】
しかしながら、自動車用走行モータのような高電圧モータにおいては、上記セグメントセットを径方向へ多数配置してターン数を稼ぐことが期待され、この場合には、径方向中間位置の端部先端部ペアへの通電を低抵抗で行うことが容易ではないため、多ターンのセグメント順次接合ステータコイル型回転電機を実現するのが容易ではなく、自動車用走行モータのような高電圧モータを実現することが容易ではなかった。
【0021】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、端部先端部ペアと根元電極との良好な電気的、熱的接触が可能であり、特に径方向に多数の端部先端部ペアが配列される場合でも好適な溶接を実現する回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法およびこの製造方法により好適に製造される高電圧回転電機を提供することをその目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、略U字状又は略V字状の頭部と、この頭部の両端から延在してステータコアの一対のスロットに個別に収容されるスロット導体部と、前記両スロット導体部から延在して前記ステータコアの端面から飛び出す飛び出し端部とをそれぞれ有する多数のセグメントを準備し、
前記飛び出し端部の先端部からなり軸方向へ突出する端部先端部を一対づつ径方向に隣接させて端部先端部ペアとなし、径方向に隣接する複数の前記端部先端部ペアの間に円弧状の介設部材を介設した状態で前記複数の端部先端部ペアの根元部分を一対の根元電極により径方向に挟圧し、前記端部先端部ペアの先端面に面する先端電極と前記一対の根元電極又は前記介設部材との間に電圧を印加して前記端部先端部のペアを電気溶接することを特徴としている。
【0023】
すなわち、この発明のセグメント溶接方法は、径方向に隣接する端部先端部ペアの間に介設部材を接面した状態で溶接を行う。
【0024】
このようにすれば、これら複数の端部先端部ペアの間の径方向隙間にこの介設部材が存在しているために複数の端部先端部ペアを根元電極により径方向に挟圧する場合に、上記根元電極による端部先端部ペアの径方向への付勢にもかかわらず端部先端部ペアが径方向へ変位したり、変形したりすることがなく、溶接用の先端電極と溶接されるべき端部先端部ペアの先端面との対面状態を改善することができる。
【0025】
また、根元電極と端部先端部ペアとの接触圧を上記変位、変形を防止しつつ増大し、一定化することができるので、根元電極と端部先端部ペアとの接触抵抗を低減し、安定化することができるので、溶接電流のばらつきを低減し、端部先端部ペアの溶融している先端部から絶縁皮膜をもつ端部斜行部へながれようとする熱を根元電極に安定に吸収して絶縁皮膜の劣化を抑止することができる。
【0026】
請求項2記載の方法によれば請求項1記載の方法において更に、前記介設部材は、導電性を有して前記根元電極としても機能するとともに溶接終了後に除去される金属部材からなるので、根元電極と端部先端部ペアとの接触面積を増大することができ、上記効果を更に増大することができる。
【0027】
請求項3記載の方法は請求項2記載の方法において更に、前記介設部材は、径方向に隣接する多数の前記端部先端部ペアの間にそれぞれ介設されるので、径方向両側の根元電極ブロックに接することができない径方向中央部の端部先端部ペアにも上記角棒状の根元電極以外にも給電することができ、セグメントセットを高密度に径方向に多数配列することができ、多ターンを必要とする車両用走行モータなどの高電圧用のセグメント順次接合ステータコイルを実現することができる。
【0028】
請求項4記載の方法によれば請求項1記載の方法において更に、前記介設部材は、電気絶縁性を有する絶縁部材からなるので、溶接完了後もこの介設部材を除去する必要がなく、作業が簡単となる。
【0029】
請求項5記載の構成は請求項1記載の回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法において更に、前記介設部材が、導電性を有して径方向両側の一対の前記端部先端部ペアに個別に接する一対の金属部材と、前記両金属部材の間に介設される絶縁部材とからなるので、溶接完了後、周方向に隣接する端部先端部ペアの間の隙間にてこの金属部材を分断することにより、各端部先端部ペア間の電気絶縁を確保することができる。これにより介設部材を溶接後に除去する必要が無い。
【0030】
請求項6記載のステータコイルは請求項1乃至5のいずれか記載の製造方法により製造されるとともに、径方向に隣接する一対の前記導体収容位置に個別に収容される一対の前記スロット導体部に連なる小回り頭部を有する前記セグメントである小回りセグメントと、前記小回り頭部を径方向へ囲む大回り頭部を有する前記セグメントである大回りセグメントとにより構成されるセグメントセットを、径方向へ多数セット有し、径方向方向等しい位置を有して周方向に配列される多数の前記セグメントセットは、所定の相電圧が印加される部分相コイルを形成し、前記相コイルは、径方向に異なる前記セグメントセットにより別々に形成された多数の前記部分相コイルを、径方向に隣接する前記部分相コイル同士の順次接続により直列接続して構成されることを特徴としている。
【0031】
従来、セグメント順次接合ステータコイルを用いる回転電機の用途としては車両用交流発電機が考えられていたが、更に大出力の車両の走行モータとして採用することが期待される。走行モータは配線、ステータコイルの抵抗損失低減のために従来より格段に高いバッテリ電圧(数百V)により給電される必要がある。しかし、両者の回転数にほとんど相違がないため、走行モータ用のセグメント順次接合ステータコイルは車両交流発電機用のセグメント順次接合ステータコイルに比較して格段の多ターン化が要求されることになる。
【0032】
ターン数の増大には、図15に示すようにセグメント33(a〜e)を多重相互囲み配置すること(図15では5重)によりスロットS内の径方向導体数を増加することが考えられるが、この多重相互囲みセグメント方式によれば、囲み数に等しい種類のセグメントが必要となること、外側のセグメント33eの頭部の配線距離が長くなるために配線抵抗が増大してしまうという問題があった。
【0033】
特に、このU字状のセグメントの頭部先端部Hの径方向幅は製造上の理由によりその脚部L対の径方向幅よりも大きくなるため、図15では省略したが、実際には図14によれば頭部側コイルエンド311の径方向幅Wが相当に大きくなり、頭部側コイルエンド311の軸方向長も増大して、モータ軸長が増大し、その体格重量も増大してしまうという問題もあった。
【0034】
更に、上記したようにセグメントの頭部の径方向幅がその脚部対の径方向幅よりも大きくなるために、展開時の擦れ合いを防止するために径方向に隣接する異なるセグメントの脚部H、H間に隙間dを確保しなければならず、その分だけスロット占積率が低下してしまうという問題があった。
【0035】
また更に、上記多重の囲みにより内部のセグメント33aは放熱が悪くなるという問題もあった。
【0036】
このような問題に対し、この構成では、図3に示すように、スロット内の径方向へ連続する4つの導体収容位置を占めるセグメントセットを径方向に積み重ね、周方向に配列される所定のセグメントセットを直列接続して部分相コイルを構成し、それぞれ異なる径方向位置のセグメントセットにより構成されて互いに径方向に隣接する各部分相コイルを径方向に順次接続して相コイルを形成する構成を採用した。
【0037】
この構成によれば、径方向に隣接する各部分相コイルの接続を異形のU字状のセグメントを用いることにより簡単に実施することができ、その上、径方向に異なるセグメントセット(部分相コイル)間の温度や配線長さのばらつきにより電流分布が局部的に集中して局部的に過熱が生じることもなく、容易に多ターン化を実現することができる。
【0038】
請求項7記載の構成は請求項6記載の構成において更に、同じ相電圧が印加されるスロット導体部をそれぞれ収容するとともに互いに周方向に連続して隣接する多数の前記スロットにより構成される同相スロット群を有し、共通の前記スロットに収容されてそれぞれ径方向に異なる位置をもつ多数の前記部分相コイルを径方向に隣接する前記部分相コイル同士の順次接続により直列接続してそれぞれ構成されて同相スロット群の互いに異なるスロットに収容される多数の前記直列相コイル回路を有し、前記相コイルは、前記多数の直列相コイル回路を並列接続して構成されることを特徴としている。
【0039】
従来、セグメント順次接合ステータコイルを用いる回転電機の用途としては車両用交流発電機が考えられていたが、更に大出力の車両の走行モータとして採用することが期待される。このような大出力化には、大電流が必要であり、大電流化のためのセグメント断面積の増大には限界があるため、部分相コイルを並列に接続して相コイルの合計断面積を増大する必要があるが、このような並列接続は渡り線の追加などを必要とするためセグメント順次接続により構成することが容易ではなかった。
【0040】
そこで、この構成では、請求項6記載の相コイルを直列相コイル回路とし、この直列相コイル回路を複数設け、各直列相コイル回路を同相スロット群の互いに異なるスロットに収容する構成を採用した。本構成によれば、各直列相コイル回路間の配線抵抗のばらつきをなくすことができ、また、各部分相コイル間の電流ばらつきを良好に低減することができる。特に、径方向異なる位置の部分相コイル間の抵抗ばらつきがあったとしても、上記各直列相コイル回路間の抵抗ばらつきが生じないという利点は重要な利点である。
【0041】
したがって、この構成よれば、多種類のセグメントを用いたり、コイルエンドにて複雑な特別の渡り線を追加したりすることなく、コイルの多ターン化を実現することができ、高電圧を必要とする自動車用走行モータのステータコイルを実現することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のセグメント順次接合型ステータコイルを有する高電圧車両用回転電機の例を図に示す各実施形態に基づいて説明する。図1は車両の走行動力発生用の走行モータとして使用されるこの回転電機の軸方向断面図である。ただし、ステータコイルのコイルエンド部分は模式図示されている。図2はステータコイルの一部をなすセグメントの斜視図、図3はスロット内におけるセグメントの収容状態を示す部分断面図である。
(全体構成の説明)
図1において、走行モータは、ステータコア1、ロータ2、ステータコイル3、ハウジング4、回転軸7を有している。ステータコア1は、ハウジング4の周壁内周面に固定され、ステータコイル3はステータコア1の各スロットに巻装されている。ロータ2は、ハウジング4に回転自在に支持された回転軸7に固定されたIPM型ロータであり、ステータコア1の径内側に配置されている。ステータコイル3は三相電機子巻線であって、外部の約300Vのバッテリから給電される三相インバータから給電されている。
【0043】
この走行モータは、二次電池車又は燃料電池車又はハイブリッド車の走行動力を発生する永久磁石型三相ブラシレスDCモータ(同期モータ)であるが、ロータ構造としては、公知の種々の形式に置換可能である。このような種々の形式の同期機自体は周知であるので説明を省略する。
(ステータコイル3の説明)
ステータコイル3は、図2に示す所定数のセグメント(本発明で言うセグメントセット)33をステータコア1の一側からステータコア1の各スロットに挿通し、スロットから各セグメント33の飛び出し端部をステータコア1の他側に必要長さだけ突出させ、各セグメント33の飛び出し端部を周方向に略電気角π/2だけそれぞれ捻り、各セグメント33の飛び出し端部の先端部(接合部)を所定の組み合わせで溶接して構成されている。セグメント33は、溶接部分すなわち上記飛び出し端部の先端部(端部先端部ともいう)を除いて樹脂皮膜で被覆された長板U字形状を有している。この種のセグメント順次接合型のステータコイル自体は、上述したようにもはや公知となっている。
【0044】
セグメント(セグメントセット)33の詳細を更に詳しく説明する。
【0045】
一つのセグメント(セグメントセット)33は、略V字状の頭部と、この頭部の両端から直線的に伸びてスロットに収容されている一対のスロット導体部と、両スロット導体部の先端からそれぞれ伸びる一対の飛び出し端部とをそれぞれ有する一つの大セグメント331と一つの小セグメント332とからなる。これにより、ステータコイル3は、ステータコア1の一側に全体としてリング状に存在する第一のコイルエンド部(頭部側コイルエンド)311と、ステータコア1の他側に全体としてリング状に存在する第二のコイルエンド(端部側コイルエンド)部312と、スロット内に存在するスロット導体部とに区分される。
【0046】
つまり、図1において、頭部側コイルエンド311は各セグメント33の上記頭部により構成され、端部側コイルエンド312は各セグメント33の上記飛び出し端部により構成されている。
【0047】
図1において、4セットのセグメントセット33が径方向へ順番に挿通されている。3301は最も径方向内側のセグメントセット群S1の一つのセグメントセット33の頭部、3302は径方向内側から数えて2番目のセグメントセット群S2の一つのセグメントセット33の頭部、3303は径方向内側から数えて3番目のセグメントセット群S3の一つのセグメントセット33の頭部、3302は最も径方向外側のセグメントセット群S3の一つのセグメントセット33の頭部であり、径方向へ順番に4個並んだ頭部は、前述した頭部側コイルエンド311を構成している。ただし、図1では、図示簡単化のために端部側コイルエンド312は2つのセグメントセット群の径方向へ並んだ合計8本(4対)の飛び出し端部しか図示していない。
(セグメント33の説明)
セグメント(セグメントセット)33を図2を参照して説明する。
【0048】
セグメント(セグメントセット)33は、大きい大セグメント(大回りセグメントともいう)331と、小さい小セグメント(小回りセグメントともいう)332とを有している。この大セグメント331とこの大セグメント331が囲む小セグメント332とをセグメントセットと称する。
【0049】
大セグメント331において、331a、331bはスロット導体部、331cは頭部、331f、331gは飛び出し端部である。飛び出し端部331f、331gの先端部331d、331eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部331aを最内層のスロット導体部と称し、スロット導体部331bを最外層のスロット導体部と称する。
【0050】
小セグメント332において、332a、332bはスロット導体部、332cは頭部、332f、332gは飛び出し端部である。飛び出し端部332f、332gの先端部332d、332eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部332aを中内層のスロット導体部と称し、スロット導体部332bを中外層のスロット導体部と称する。
【0051】
符号’は、図示しない大セグメント又は小セグメントの符号’がない部分と同じ部分を示す。したがって、図2では、互いに径方向に隣接する接合部331dと接合部332d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332dと接合部331d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332eと接合部331e’とが溶接されている。
【0052】
図2では、最内層のスロット導体部331aと中内層のスロット導体部332aが、ロータコア71の所定のスロットに収容される場合、同一のセグメント331、332の最外層のスロット導体部331bと中外層のスロット導体部332bはこの所定のスロットから略所定奇数磁極ピッチT(たとえば1磁極ピッチ(電気角度π))離れたスロットに収容される。小セグメント332の頭部332cは大セグメント331の頭部331cに囲まれるようにして配置されている。
(スロット内のセグメントセット配置)
スロットのセグメントセットの配置状態を図3に示す。
【0053】
35はスロットである。スロット35には径方向へ16個の導体収容位置P1〜P16が設定され、各導体収容位置P1〜P16にはそれぞれ1個のスロット導体部が収容されている。各スロット35は、4セットのセグメントセット群S1〜S4が径方向へ順番に収容し、導体収容位置P1〜P4はセグメントセット群S1を、導体収容位置P4〜P8はセグメントセット群S2を、導体収容位置P9〜P12はセグメントセット群S3を、導体収容位置P13〜P16はセグメントセット群S4を収容している。各セグメントセット群S1〜S4はそれぞれ周方向へ配列された多数のセグメント33からなる。
【0054】
この最も内側のセグメントセット群S1を一例として詳しく説明すると、最内層のスロット導体部331aはステータコア32のスロット35の径方向最内側に配置され、以下、径方向外側へ順に、中内層のスロット導体部332a、中外層のスロット導体部332b’、最外層のスロット導体部331b’の順に配置され、結局、各スロット35は4本のスロット導体部を4層1列に収容する。図3において、スロット導体部332b’、332b’は、スロット導体部332a、331aをもつ大セグメント331、小セグメント332とは異なる大セグメント331、小セグメント332に属している。他のセグメントセットS2〜S4も上記と同様の配置、構成を持つことは言うまでもない。大セグメント331と小セグメント332とからなるセグメント(セグメントセット)33をスロット35に挿通する状態を図4に示す。
(三相ステータコイルの構成の説明)
径方向に4セット配列されたセグメントセット群S1〜S4による三相ステータコイルの接続を図9を参照して以下に説明する。図9はU相の相コイルを示す。
【0055】
1磁極ピッチ当たり9スロット(同相3スロット、3相)、極数12、スロット数108とされる。隣接3スロットは、同相の相電圧が印加される同相スロット群を構成している。1スロットには上記したように16個の導体収容位置P1〜P16が径方向に形成され、各導体収容位置には1つのスロット導体部が収容される。
【0056】
各スロットの径方向最内側から数えて1〜4番目の4つの導体収容位置P1〜P4に収容されるセグメントセット群S1は、波巻きなどにより接続されて第1の部分相コイルを各相当たり3個形成する。図9に示すU11、U21、U31はこの第1の部分相コイルである。部分相コイルU11、U12、U13は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0057】
各スロットの径方向最内側から数えて5〜8番目の4つの導体収容位置P5〜P8に収容されるセグメントセット群S2は、波巻きなどにより接続されて第2の部分相コイルを各相当たり3個形成する。図9に示すU12、U22、U32はこの第2の部分相コイルである。部分相コイルU12、U22、U32は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0058】
各スロットの径方向最内側から数えて9〜12番目の4つの導体収容位置P9〜P12に収容されるセグメントセット群S3は、波巻きなどにより接続されて第3の部分相コイルを各相当たり3個形成する。図9に示すU13、U23、U33はこの第3の部分相コイルである。部分相コイルU13、U23、U33は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0059】
各スロットの径方向最内側から数えて13〜16番目の4つの導体収容位置P13〜P16に収容されるセグメントセット群S4は、波巻きなどにより接続されて第4部分相コイルを各相当たり3個形成する。図9に示すU14、U24、U34はこの第3の部分相コイルである。部分相コイルU14、U24、U34は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0060】
また、部分相コイルU11、U12、U13、U14は、同相スロット群をなす隣接3スロットのうちの周方向一方側から数えて最初のスロットに収容され、部分相コイルU21、U22、U23、U24は、同相スロット群をなす隣接3スロットのうちの周方向一方側から数えて中央のスロットに収容され、部分相コイルU31、U32、U33、U34は、同相スロット群をなす隣接3スロットのうちの周方向一方側から数えて最後のスロットに収容される。
【0061】
部分相コイルU11、U12、U13、U14は、隣接する部分相コイル同士が順番に接続されて直列相コイル回路U1を形成し、部分相コイルU21、U22、U23、U24は、隣接する部分相コイル同士が順番に接続されて直列相コイル回路U2を形成し、部分相コイルU31、U32、U33、U34は、隣接する部分相コイル同士が順番に接続されて直列相コイル回路U3を形成する。これらの径方向に隣接する部分相コイル同士の接続は、従来より公知であるように径方向に隣接する2つの部分相コイルの空きの導体収容位置の一つ同士に異形のU字状セグメントを挿入して接続される。
【0062】
たとえば、部分相コイルU12は、通常のセグメント(好ましくは大回りセグメント)を一つ抜くことによりできた一対の空きの導体収容位置の一つと、同様に部分相コイルU13に形成された空きの導体収容位置の一つとにこの異形のU字状のセグメントを挿入して、部分相コイルU12、U13を接続することができる。
【0063】
また、部分相コイルU12の残りの一つの空きの導体収容位置と、同様に部分相コイルU11に形成された空きの導体収容位置の一つとにこの異形のU字状のセグメントを挿入して、部分相コイルU12、U13を接続することができる。
【0064】
部分相コイルU11の残る一つの空きの導体収容位置には中性点用(引き出し端子用でも良い)の異形セグメントが挿入され、同様に、部分相コイルU14の残る一つの空きの導体収容位置には引き出し端子用(中性点用でも良い)の異形セグメントが挿入される。
【0065】
直列相コイル回路U1、U2、U3は、両端同士が接続されて並列接続され、U相の相コイルを形成する。
【0066】
以下、通常のセグメント順次接合ステータコイルの標準製造プロセスをまず最初に説明し、その後、この実施例特有の製造工程を説明する。
(標準の頭部捻り工程)
まず、必要本数の小セグメント332と大セグメント331との展開前の形状をもつ2種類の松葉状セグメントを準備する。これらの松葉状セグメントの両脚部は、互いに略隣接して直線状に延在しており、その頭部は鋭く屈曲している。次に、松葉状セグメントをU字状セグメントに加工してセグメントの一対のスロット導体部を周方向へ互いに略磁極ピッチ離れさせるともに必要数のセグメントをステータコアの各スロットに同時挿通できるようにそれらを空間配置(周方向へ整列)させる工程が次のように行われる。
【0067】
この頭部捻り工程を図5、図6を参照して以下に説明する。
【0068】
この頭部捻り工程におけるセグメント挿入前の状態を図5に示す。図5において、10は頭部捻り装置、11は小リング、12は大リングであり、両者は相対回転可能に同軸配置されている。大リング11にはそれぞれ径方向へ並んだ一対の孔121、122が周方向所定ピッチで設けられ、小リング12には孔121、122と周方向等ピッチで径方向へ並んだ一対の孔111、112が設けられている。孔111〜114は径方向へ一列に並んでいる。大回りセグメント(大セグメント)331の両スロット導体部を、最も内側の孔111と最も外側の孔122に挿入し、小回りセグメント(小セグメント)332の両スロット導体部は、最も内側の孔111の外側の孔112と、最も外側の孔122の内側の孔121とに挿入する。
【0069】
図6は、すべての大セグメント331とすべての小セグメント332とを小リング11と大リング12との孔111、112、121、122に嵌挿した状態を示す。図6において、16は小リング11と大リング12の軸方向上方に配置された頭部押さえプレートである。頭部押さえプレート16の下端面には、同一周方向位置の大セグメント331の頭部の頂部と小セグメント332の頭部の頂部とのペアを、周方向両側から挟む一対の爪部(一つのみ図示)160を有している。すなわち、各セグメント33を孔111、112、121、122に挿入した後、押さえプレート16が降下して、各対の爪部160が、周方向同位置の大セグメント331の頭部の頂部と小セグメント332の頭部の頂部とを周方向両側から挟む。
【0070】
その後、大リング12及び小リング11とを、静止するこの頭部押さえプレート16に対して半磁極ピッチだけ互いに逆方向に回動される。これにより、すべてのセグメント33の日本の脚部は周方向1磁極ピッチだけ周方向に展開される。
【0071】
リング11、12の回動時に、セグメント33の頭部の頂部はリング11、12の回動とともにリング11、12にむけて軸方向に変位するので、頭部押さえプレート16はそれに合わせて軸方向に変位させる。17は、大セグメント331、小セグメント332が深く落下しないように規制する規制プレートである。規制プレート17を、径方向外側の2つの脚部が載置される外側規制プレートと、径方向内側の2つの脚部が載置される内側規制プレートとに分割し、この内側規制プレートをリング11に固定してリング11と一体に回動させ、この外側規制プレートをリング12に固定してリング12と一体に回動させてもよい。
【0072】
次に、頭部押さえプレート16により各セグメント33を保持したまま、小リング11と大リング12とを各セグメント33から離脱させる。
(標準の端部挿入工程)
次に、小回り状のU字状セグメント332を上記両穴付きリングから抜き出して、図4に一部示すようにステータコア1のスロット35の中内層位置及び中外層位置に挿通し、大回り状のU字状セグメント331を上記両穴付きリングから抜き出して、ステータコア1のスロット35の最内層位置及び最外層位置に挿通する。この時、上記頭部押さえプレート16で各セグメントがばらけないように保持することにより、各セグメントを一挙に各スロット35に挿通することができる。その後、この頭部押さえプレート16は取り外される。
【0073】
なお、上記した小回り状のU字状セグメント332、大回り状のU字状セグメント331のステータコアのスロット35へ挿通するまでの工程は上記に限られるものではなく、上記した他に種々採用することができる。
(標準の端部捻り工程)
上記のようにスロットに挿通されたセグメント33の端部の捻り成形工程を以下に説明する。
【0074】
この実施例では、大セグメント331の最外層スロット導体部331bに連なる端部331g(外層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、大セグメント331の最内層スロット導体部331aに連なる端部331f(内層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られている。小セグメント332の中内層のスロット導体部332aに連なる端部332f(内層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、小セグメント332の中外層のスロット導体部332bに連なる端部332g(外層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られている。導体部331fと332fとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされ、導体部331gと332gとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされている。
【0075】
上記した大セグメント331および小セグメント332からなるセグメントセットの捻り加工を図7、図8を参照して更に詳しく説明する。図7はステータコイル捻り装置500の模式縦断面図、図8は図7におけるAーA断面矢視図である。
【0076】
まず、ステータコイル捻り装置500の構成を説明する。
【0077】
ステータコイル捻り装置500は、ステータコア1の外周部を受けるワーク受け51、ステータコア32の径方向の動きを規制して保持するクランパ52、ステータコア32の浮き上がりを防止するワーク押さえ53、ステータコア32の一端から出たセグメント33の飛び出し脚部を捻るための捻り整形部54、捻り整形部54を軸方向に駆動するための昇降用シャフト54a、捻り整形部54を周方向に回転駆動する回転駆動機構541a〜544a、昇降用シャフト54aを軸方向に移動するための昇降駆動機構54b、及び、回転駆動機構541a〜544aと昇降駆動機構54bとを制御するコントローラ55を備えている。
【0078】
捻り整形部54は、同心状に配置された4つの円筒状の捻り治具541〜544がそれらの先端面を揃えて配置されている。各捻り治具541〜544は回転駆動機構541a〜544aにより独立に回転可能とされ、かつ、昇降駆動機構54bにより昇降用シャフト54aを昇降することにより同時に昇降可能となっている。
【0079】
図8に示されているように、捻り治具541〜544の先端面には、挿入されたセグメント33の端部331f、331g、332f、332gの各先端(接合部)を保持するセグメント挿入部541b〜544bが穿設されている。このセグメント挿入部541b〜544bは、ステータコア1のスロット35の総数に等しい数だけ各捻り治具541〜544の周方向に並べて形成されている。
【0080】
セグメント挿入部541b〜544bは、図8に示すように、互いに径方向に隣接するセグメント挿入部541b〜544b同士の連通を防止するための隔壁541c〜544c、542d、543dが設けられている。隔壁541c〜544c、542d、543dの厚みは、径方向外側から数えて1層目と2層目との間の隔壁541c、542cで形成される間隔d1及び3層目と4層目の間の隔壁543c、544cで形成される間隔d3よりも、2層目と3層目との間の隔壁542d、543dで形成される間隔d2の方が大きくなるように設定されている。
【0081】
次に、ステータコイル捻り装置500の作動を説明する。
【0082】
スロット35内にセグメント33が配置されたステータコア32をワーク受け51にセットする。次に、ステータコア32の外周部をクランパ52に固定する。その後、ワーク押さえ53でステータコア32の上部及び大セグメント331の頭部331cを押さえることにより、ステータコア32及びセグメント33の上下方向の動きを規制する。
【0083】
セグメント33が配置されたステータコア32をクランパ52及びワーク受け53により固定した後、昇降用シャフト54aによって捻り整形部54を上昇させ、各捻り治具541〜544に形成されたセグメント挿入部541b〜544bにセグメント33の端部331f、331g、332f、332gを挿入する。
【0084】
セグメント挿入部541b〜544bにはセグメント33の端部331f、331g、332f、332gの先端すなわち後に接合部となる部分だけが挿入可能となっている。セグメント33の端部331f、331g、332f、332gはテーパ状に形成されているため、セグメント挿入部541b〜544bにスムーズに挿入されることができる。
【0085】
セグメント33の端部331f、331g、332f、332gを捻り整形部54のセグメント挿入部541b〜544bに挿入した後、捻り整形部54は、回転駆動機構541a〜544aおよび昇降駆動機構54bにより回動され、昇降される。
【0086】
次に、捻り整形部54の回転について説明する。
【0087】
捻り治具541および治具543を時計回り方向に第一の角度だけ回転させ、捻り治具542および捻り治具544を反時計回り方向に第二の角度だけ回転させる。この時、第一の角度と第二の角度の大きさは等しくなくてもよく、両者の合計が必要なスロットピッチとなればよい。
【0088】
その後、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうちスロット35の出口からセグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分の長さを一定に保つように、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを制御しながら捻り整形部54を回転しながら上昇させる。この時、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gは円弧状の軌跡を描くように回転しながら上昇することが好ましい。この円弧状の軌跡を描く捻りは、スプリングバックによるセグメント33の変形を防止するため、半磁極ピッチ(T/2)に相当する角度を所定量超えた角度まで行われることが好ましい。
【0089】
その後、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを上記前工程と逆向きの回転させ、下降させる。このようにして、セグメント33の捻り行程を終了し、捻り整形部54を下降させて捻り治具541〜544のセグメント挿入部541b〜544bからセグメント33の端部331f、331g、332f、332gを取り外す。セグメント33が外された捻り整形部54は回転駆動機構541a〜544aによって回転され、原位置に戻される。最後に、クランパ52及びワーク押さえ53が外され、セグメント33に捻りが加えられたステータが取り出される。
【0090】
結局、この捻り工程は、まずセグメント33の端部を周方向にのみ回転変位させてセグメント33を周方向に倒し、続いてセグメント33の端部を周方向並びに軸方向に変位させてセグメント33を深く傾け、その後、所定の加工量を超えてセグメント33の端部を周方向ならびに軸方向に変位させてセグメント33を過剰に深く傾け、その後でセグメント33の端部を所定の加工量まで戻すことにより行われる。
【0091】
捻り整形部54はステータコア32に対して周方向だけでなく軸方向にも相対移動する。そのため、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうち、スロット35の出口からセグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分、すなわち、端部331f、331g、332f、332gからその端部先端(接合部)331d、331e、332d、332eの長さを差し引いた長さを一定に保つように、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gが円弧状の軌跡を描くように捻じることができ、これにより、セグメント33がセグメント挿入部541b〜544bから抜け出るのを防止することができる。
【0092】
また、セグメント33の端部先端(接合部)331d、331e、332d、332eのみが、セグメント挿入部541b〜544bに挿入されており、また、前述と同様にセグメント33がセグメント挿入部541b〜544bから抜け出ることはない。
(標準の溶接工程)
次に行う標準の溶接工程を以下に説明する。この工程は本質的に従来と同じである。
【0093】
上記セグメントの端部の捻りの後、図1、図2に示すように、径方向内側から1層目と2層目の端部先端部(接合部)が溶接され、径方向内側から3層目と4層目の端部先端部(接合部)が溶接されて、ステータコイル31が完成される。溶接には、アーク溶接が用いられる。
(この実施例の特徴をなす溶接工程の説明)
次に、この実施例の特徴をなす端部先端部ペアの溶接工程を図10を参照して説明する。
【0094】
2は図示しない駆動装置により径方向、周方向へ移動可能な溶接電極としてのトーチ、13は径方向、周方向に所定ピッチで配列された溶接されるべき端部先端部ペア、14は端部斜行部ペアであり、cは端部先端部ペア13と端部斜行部ペア14との境界部である。端部先端部ペア13の表面の絶縁皮膜は剥離されており、端部斜行部ペア14は絶縁皮膜により被覆されている。
【0095】
1000は外径側根元電極ブロック、2000は内径側根元電極ブロック、3000は円弧状補助電極(本発明で言う介設部材)である。円弧状補助電極3000は径方向に隣接する一対の端部先端部ペア13、13の間に介設されており、両根元電極ブロック1000、2000は一対の端部先端部ペアの根元部と円弧状補助電極3000とを径方向に挟圧している。両根元電極ブロック1000、2000、円弧状補助電極3000は、銅製であり、円弧状補助電極3000は周方向すなわち紙面垂直方向において所定長さをもつ円弧形状を有しており、その軸方向断面は略角棒状となっている。図14に示す棒状電極12xを設けることも可能である。
【0096】
溶接動作は以下のように実施される。
【0097】
両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000は、端部先端部ペア13の1周方向ピッチづつ移動され、溶接すべき端部先端部ペア13の側面に当接される。なお、両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000が、周方向に十分に長い場合には、これら両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000を固定した状態でトーチ2だけを周方向に移動して周方向に隣接する複数の端部先端部ペア13を溶接し、その後、この両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000を必要な端部先端部ペアピッチだけ周方向へ移動させてもよい。この移動は周方向へ行ってもよく、又は、それらを一度、軸方向外側へ外した後、周方向必要なシフトを行って再度はめ込んでもよい。円弧状補助電極3000がリング形状である場合には、溶接終了までこのような周方向変位は不要である。
【0098】
溶接直前に両根元電極ブロック1000、2000は一対の端部先端部ペア13と円弧状補助電極3000とを径方向へ所定圧力で挟圧する。
【0099】
なお、図13に示す棒状電極12xを設ける場合、端部先端部ペア13の間のすべての周方向間隙にこの棒状電極が径方向外側からはめ込まれる。この場合、円弧状補助電極3000は、周方向に隣接する複数の端部先端部ペア13に隣接するため、周方向に延在する円弧状補助電極3000と径方向に延在する棒状電極とは軸方向に重なるように配置される。
【0100】
次に、トーチ電極2を溶接すべき端部先端部ペア13の先端面に所定距離隔てて対面される。このトーチ電極2は、図示しない3次元駆動装置(通常は溶接ロボット)により径方向又は周方向へ移動可能となっている。
【0101】
溶接に際して、所定の電圧をトーチ電極2と両根元電極ブロック1000、2000及び円弧状補助電極3000との間に印加し、トーチ電極2と端部先端部ペア13の先端面との間にアークを発生させ、端部先端部ペア13の先端部を溶融させる。なお、円弧状補助電極3000への給電は、円弧状補助電極3000の周方向に延在する端部を軸方向外側へ屈曲させ、この部分にケーブルを接続すればよい。
【0102】
溶融が終了したら、トーチ電極2を径方向あるいは周方向へ移動して両根元電極ブロック1000、2000に挟圧されるすべての端部先端部ペア13を溶接する。
【0103】
その後、再び、両根元電極ブロック1000、2000と円弧状補助電極3000とを周方向へ1端部先端部ペアピッチだけ移動させて、再度上記作業を繰り返す。
【0104】
上記説明した溶接方法によれば、端部先端部ペア13の位置を一定化することができる。
【0105】
(変形態様)
上記実施態様では、介設部材としての円弧状補助電極3000を銅製としたが、たとえば耐熱性の樹脂により製造しても良い。この場合には位置決め効果を確保できるとともに、この円弧状介設部材を除去する必要がない。多数の端部先端部ペア13が径方向に配列されている場合の溶接状態を図11に示す。
【0106】
(変形態様)
上記実施態様では、介設部材としての円弧状補助電極3000を銅製としたが、たとえば表面に絶縁セラミックス膜が被着された円弧状金属部材を採用することができる。これにより、この介設部材により端部先端部ペア13の熱を吸収することができる。
【0107】
(変形態様)
変形態様を図12に示す。
【0108】
この変形態様では、介設部材3000は、径方向外側の端部先端部ペア13の側面に接する円弧状金属部材3001と、径方向内側の端部先端部ペア13の側面に接する円弧状金属部材3002と、両円弧状金属部材3001、3002の間に介設される絶縁樹脂製の円弧状介設部材3003とにより構成したものである。
【0109】
両円弧状金属部材3001、3002は、端部先端部ペア13への給電又は端部先端部ペア13からの吸熱を行う。溶接完了後、薄肉円板状の回転カッターにより円弧状金属部材3001、3002を周方向に隣接する端部先端部ペアの間の隙間で分断することにより、介設部材3000の除去が不要となる。
【0110】
好適には、溶接はTIG溶接によりなされ、この場合にはトーチ電極2はタングステンとされ、負電極とされる。
【0111】
(変形態様)
変形態様を図13に示す。
【0112】
この変形態様は、図10に示す溶接工程において、棒状電極4000の上に円弧状補助電極3000を略直角に配置してものである。このようにすれば、端部先端部ペア13の根元部の4周は、根元電極ブロック1000、2000、円弧状補助電極3000及び棒状電極4000により接するため、端部先端部ペア13の根元部の対電極接触抵抗を更に低減でき、かつ、絶縁皮膜への伝熱も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の車両用走行モータの縦断面図である。
【図2】図1のセグメントの模式斜視図である。
【図3】図1のステータコアの径方向部分断面図である。
【図4】セグメントセットをスロットに挿通する直前の状態を示す模式斜視図である。
【図5】セグメントの頭部捻り装置のリングに挿通する状態を示す模式断面図である。
【図6】頭部捻り装置の模式縦断面図である。
【図7】端部捻り装置の模式縦断面図である。
【図8】端部捻り装置のリングの平面図である。
【図9】ステータコイルのU相結線図である。
【図10】好適な実施態様における溶接工程を示す図である。
【図11】好適な実施態様における溶接工程を示す図である。
【図12】好適な実施態様における溶接工程を示す図である。
【図13】好適な実施態様における溶接工程を示す図である。
【図14】従来の溶接工程を示す図である。
【図15】従来のセグメントセットの頭部側コイルエンドを示す径方向模式断面図である。
【符号の説明】
1 ステータコア
3 ステータコイル
33 セグメント(セグメントセット)
331 大セグメント(大回りセグメント)
331a、331b 大セグメント331のスロット導体部
331c 大セグメント331の頭部
331f、331g 大セグメント331の飛び出し端部(端部斜行部)
331d、331e 大セグメント331の端部先端部
332 小セグメント(小回りセグメント)
332a、332b 小回りセグメント332のスロット導体部
332c 小回りセグメント332の頭部
332f、332g 小回りセグメント332の飛び出し端部
332d、332e 小回りセグメント332の端部先端部
35 スロット
Claims (7)
- 略U字状又は略V字状の頭部と、この頭部の両端から延在してステータコアの一対のスロットに個別に収容されるスロット導体部と、前記両スロット導体部から延在して前記ステータコアの端面から飛び出す飛び出し端部とをそれぞれ有する多数のセグメントを準備し、
前記飛び出し端部の先端部からなり軸方向へ突出する端部先端部を一対づつ径方向に隣接させて端部先端部ペアとなし、
径方向に隣接する複数の前記端部先端部ペアの間に円弧状の介設部材を介設した状態で前記複数の端部先端部ペアの根元部分を一対の根元電極により径方向に挟圧し、
前記端部先端部ペアの先端面に面する先端電極と前記一対の根元電極又は前記介設部材との間に電圧を印加して前記端部先端部のペアを電気溶接することを特徴とする回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法。 - 請求項1記載の回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法において、
前記介設部材は、導電性を有して前記根元電極としても機能するとともに溶接終了後に除去される金属部材からなることを特徴とするセグメント順次接合ステータコイル型回転電機の製造方法。 - 請求項2記載の回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法において、
前記介設部材は、径方向に隣接する多数の前記端部先端部ペアの間にそれぞれ介設されることを特徴とするセグメント順次接合ステータコイル型回転電機の製造方法。 - 請求項1記載の回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法において、
前記介設部材は、電気絶縁性を有する絶縁部材からなることを特徴とするセグメント順次接合ステータコイル型回転電機の製造方法。 - 請求項1記載の回転電機のセグメント順次接合ステータコイルの製造方法において、
前記介設部材は、導電性を有して径方向両側の一対の前記端部先端部ペアに個別に接する一対の金属部材と、前記両金属部材の間に介設される絶縁部材とからなることを特徴とするセグメント順次接合ステータコイル型回転電機の製造方法。 - 請求項1乃至5のいずれか記載の製造方法により製造される回転電機のセグメント順次接合ステータコイルにおいて、
径方向に隣接する一対の前記導体収容位置に個別に収容される一対の前記スロット導体部に連なる小回り頭部を有する前記セグメントである小回りセグメントと、前記小回り頭部を径方向へ囲む大回り頭部を有する前記セグメントである大回りセグメントとにより構成されるセグメントセットを、径方向へ多数セット有し、
径方向方向等しい位置を有して周方向に配列される多数の前記セグメントセットは、所定の相電圧が印加される部分相コイルを形成し、
前記相コイルは、それぞれ径方向に異なる位置をもつ多数の前記部分相コイルを、径方向に隣接する前記部分相コイル同士の順次接続により直列接続して構成されることを特徴とする回転電機のセグメント順次接合ステータコイル。 - 請求項6記載の回転電機のセグメント順次接合ステータコイルにおいて、
同じ相電圧が印加されるスロット導体部をそれぞれ収容するとともに互いに周方向に連続して隣接する多数の前記スロットにより構成される同相スロット群を有し、
共通の前記スロットに収容されてそれぞれ径方向に異なる位置をもつ多数の前記部分相コイルを径方向に隣接する前記部分相コイル同士の順次接続により直列接続してそれぞれ構成されて同相スロット群の互いに異なるスロットに収容される多数の前記直列相コイル回路を有し、
前記相コイルは、前記多数の直列相コイル回路を並列接続して構成されることを特徴とする回転電機のセグメント順次接合ステータコイル。
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