JP2004030829A - 半導体記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1テスト回路部TCi1は,アドレス信号a’’,スキャンイン信号SIN,スキャンセレクト信号SS,およびシフトクロック信号SCLKを受け,アドレス信号a’’’およびスキャンアウト信号SiOUT1を出力する。アドレス信号a’’’は,メモリセルアレイ部MCAおよびカラムセレクタCSに入力され,スキャンアウト信号SiOUT1は,第2テスト回路部TCi2に入力される。第2テスト回路部TCi2は,スキャンアウト信号SiOUT1,スキャンセレクト信号SS,ライトコントロール信号WCTRL,およびスキャンクロック信号SCLKが入力され,スキャンアウト信号SOUTを出力する。第1テスト回路部および第2テスト回路部は,パラレル/シリアル変換機能を有する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,テスト回路を備えた半導体記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LSIに内蔵されたテスト回路としては,特開昭62−31100号公報(文献1),特開平10−21109号公報(文献2),および特開平10−78475公報(文献3)に開示されたものがある。
【0003】
文献1に記載されているテスト回路は,「読み込みデータスルーモード」と「シフト機能付ラッチモード」のいずれかの選択が可能なように構成されている。LSIを通常動作させる場合,テスト回路は,読み込みデータスルーモードに設定される。このモードでは,テスト回路は,メモリ回路(半導体記憶装置)から読み出されたデータをスルーしてLSIの外部に出力する。一方,LSIをテストする場合,テスト回路は,シフト機能付ラッチモードに設定される。このときテスト回路は,メモリ回路から読み出されたデータをその内部に一旦格納し,格納したデータをシリアルに出力する。このシリアルデータを観測すれば,メモリ回路から読み出されたデータが期待値と一致するか否かを判断することができる。
【0004】
文献2に記載のテスト回路は,LSIが通常動作中には,入力されたアドレス信号をスルーしてメモリ回路に与える。これに対して,LSIがテスト動作中には,テスト回路は,入力されたシリアル信号をパラレル信号に変換し,このパラレル信号をアドレス信号としてメモリ回路に与える。かかる構成によれば,テスト回路は,任意のアドレス信号をメモリ回路に与えることが可能となる。
【0005】
文献3に記載のテスト回路によれば,メモリ回路に対して任意のアドレス信号,データを与えることが可能となる。また,メモリ回路から読み出されたデータをシリアル信号に変換して外部に出力することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
半導体記憶装置は概して,複数のメモリセルがアレイ状に並ぶメモリセルアレイ部と,メモリ回路内ロジック部に分けることができる。メモリ回路内ロジック部には,アドレスデコーダやカラムセレクタ等が含まれる。従来のテスト回路によれば,メモリ回路に任意のアドレス信号をセットすること,メモリ回路から出力されたデータを検証すること,あるいは任意のデータをメモリ回路に書き込むことは可能であった。しかしながら,従来のテスト回路は,メモリ回路全体をテストの対象としており,メモリ回路内のロジック部については,スキャンテストの対象となっていなかった。このため,半導体記憶装置のテストにおいて,正常な結果が得られなかった場合であっても,その原因となる箇所の特定が難しく,問題点の究明や設計レベルでの回路の見直しが困難であるといった課題が生じていた。
【0007】
本発明は,上記のような問題点に鑑みてなされたものであり,その目的は,メモリセルアレイ部とメモリ回路内ロジック部をそれぞれ独立してテストすることが可能な,新規かつ改良された半導体記憶装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,データを格納する複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部と,複数のメモリセルの中から1または2以上のメモリセルを特定するためのnビット幅のアドレス信号を生成するアドレス信号生成部と,アドレス信号生成部から出力されたnビット幅のアドレス信号をアドレス信号観測用シリアル信号に変換して出力するアドレス信号テスト回路部とを備えたことを特徴とする半導体記憶装置が提供される。アドレス信号観測用シリアル信号を観測することによって,アドレス信号生成部が出力したアドレス信号が正常か否かを判断することができる(請求項1,3,7)。
【0009】
また,アドレス信号テスト回路部が,外部から与えられるテスト用アドレスシリアル信号をnビット幅のテスト用アドレス信号に変換する機能,および,アドレス信号生成部からアドレス信号を取り込み,テスト用アドレス信号またはアドレス信号のいずれか一方をメモリセルアレイ部に与える機能を有することによって,メモリセルアレイ部に対して,アドレス信号生成部を介さずに任意のアドレス信号を与えることも可能となる(請求項2,3,7)。
【0010】
本発明の第2の観点によれば,データを格納する複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部と,メモリセルアレイ部に書き込むmビット幅のデータを出力する機能と,メモリセルアレイ部からmビット幅のデータを読み出す機能を有するデータ入出力部と,メモリセルアレイ部から読み出されたmビット幅のデータをデータ観測用シリアル信号に変換して出力するデータテスト回路部とを備えたことを特徴とする半導体記憶装置が提供される。データ観測用シリアル信号を観測することによって,メモリセルアレイ部から読み出されたデータが期待値通りか否かを判断することができる(請求項4,6,7)。
【0011】
また,データテスト回路部が,外部から与えられるテスト用データシリアル信号をmビット幅のテスト用データ信号に変換する機能,および,テスト用データ信号をメモリセルアレイ部またはデータ入出力部のいずれか一方に与える機能を有することによって,メモリセルアレイ部またはデータ入出力部それぞれに対して,任意のデータを与えることも可能となる(請求項5,6,7)。
【0012】
アドレス信号テスト回路部がテスト用アドレスシリアル信号をテスト用データシリアル信号としてデータテスト回路部に与えるように半導体記憶装置を構成すれば,テスト用データシリアル信号を外部から供給する必要がなくなる(請求項8)。同様に,データテスト回路部がテスト用データシリアル信号をテスト用アドレスシリアル信号としてアドレス信号テスト回路部に与えるように半導体記憶装置を構成すれば,テスト用アドレスシリアル信号を外部から供給する必要がなくなる(請求項9)。
【0013】
アドレス信号テスト回路部は,シフトレジスタによって構成することが可能である。この場合,シフトレジスタをテスト用アドレス信号およびアドレス信号の各ビットに対応するn個のフリップフロップによって構成することが好ましい(請求項10,11)。
【0014】
データテスト回路部も,シフトレジスタから構成することが可能である。この場合,このシフトレジスタをメモリセルアレイ部から読み出されたデータおよびテスト用データ信号の各ビットに対応するm個のフリップフロップによって構成することが好ましい(請求項12,13)。また,このシフトレジスタをm組のラッチ群から構成することも可能である。各ラッチ群は,論理的高レベル信号によって入力データをラッチする第1ラッチと,論理的低レベル信号によって入力データをラッチする第2ラッチから構成される。第1ラッチまたは第2ラッチを半導体記憶装置の通常動作における出力データのラッチ機能部として利用することも可能である(請求項14)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる半導体記憶装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,以下の説明および添付された図面において,略同一の機能および構成を有する要素については,同一符号を付することによって重複説明を省略する。
【0016】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態にかかるメモリ回路部MC1に備えられた第1テスト回路部TCi1(アドレス信号テスト回路部)および第2テスト回路部TCi2(データテスト回路部)の構成およびこれらの動作について図1〜図8を用いて説明する。
【0017】
図1に示すメモリ混載型システムLSI101は,メモリ回路部MC1および周辺ロジック回路部LCを備えている。メモリ回路部MC1は,テスト回路としての第1テスト回路部TCi1および第2テスト回路部TCi2,メモリ回路部内ロジック回路としてのアドレスデコーダ(アドレス信号生成部)ADおよびカラムセレクタ(データ入出力部)CS,ならびに複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部MCAを備えている。周辺ロジック回路LCは,外部第1テスト回路部TCo1および外部第2テスト回路部TCo2を備えている。
【0018】
LSI101の外部から与えられるスキャンイン信号SINは,外部第1テスト回路部TCo1に入力される。外部第1テスト回路部TCo1が出力するスキャンアウト信号SoOUT1は,第1テスト回路部TCi1に入力される。第1テスト回路部TCi1が出力するスキャンアウト信号SiOUT1は,第2テスト回路部TCi2に入力される。第2テスト回路部TCi2が出力するスキャンアウト信号SiOUT2は,外部第2テスト回路部TCo2に入力される。そして,外部第2テスト回路部TCo2は,スキャンアウト信号SOUTをLSI101の外部に出力する。このように外部第1テスト回路部TCo1,外部第2テスト回路部TCo2,第1テスト回路部TCi1,および第2テスト回路部TCi2によって,いわゆるスキャンパスが形成されている。
【0019】
周辺ロジック回路部LCに外部第1テスト回路部TCo1および外部第2テスト回路部TCo2が備えられているため,LSI101において,周辺ロジック回路部LCの動作テストが可能となる。これに加えて,メモリ回路部MC1の内部にも第1テスト回路部TCi1および第2テスト回路部TCi2が備えられているため,LSI101において,メモリセルアレイ部MCA,アドレスデコーダAD,およびカラムセレクタCSそれぞれの動作テストが可能となる。
【0020】
非同期型のメモリ回路部MC1は,図2に示すように,第1テスト回路部TCi1,第2テスト回路部TCi2,メモリセルアレイ部MCA,アドレスデコーダAD,およびカラムセレクタCSを備えている。
【0021】
メモリ回路部MC1には,チップセレクト信号CS,出力イネーブル信号OE,ライトイネーブル信号WE,スキャンイン信号SIN,スキャンセレクト信号SS,ライトコントロール信号WCTRL,およびスキャンクロック信号SCLKが入力される。また,メモリ回路部MC1は,スキャンアウト信号SOUTを出力する。
【0022】
アドレスデコーダADは,アドレス信号a’をデコードしてnビット幅のアドレス信号a’’を出力する。このアドレス信号a’’は,第1テスト回路部TCi1に入力される。
【0023】
第1テスト回路部TCi1は,アドレス信号a’’の他,スキャンイン信号SIN,スキャンセレクト信号SS,およびシフトクロック信号SCLKを受け,アドレス信号a’’’およびスキャンアウト信号SiOUT1を出力する。アドレス信号a’’’は,メモリセルアレイ部MCAおよびカラムセレクタCSに入力され,スキャンアウト信号SiOUT1は,第2テスト回路部TCi2に入力される。スキャンイン信号SINは,LSI101の外部から与えられる信号であるが,図1に示したように周辺ロジック回路部LCに外部第1テスト回路部TCo1を備える場合,スキャンイン信号SINに代えて,外部第1テスト回路部TCo1が出力するスキャンアウト信号SoOUT1を第1テスト回路部TCi1に入力するように回路構成してもよい。
【0024】
第2テスト回路部TCi2は,スキャンアウト信号SiOUT1の他,スキャンセレクト信号SS,ライトコントロール信号WCTRL,およびスキャンクロック信号SCLKが入力され,スキャンアウト信号SOUTを出力する。スキャンアウト信号SOUTは,LSI101の外部へ出力される信号であるが,図1に示したように,周辺ロジック回路部LCに外部第2テスト回路部TCo2を備える場合,スキャンアウト信号SOUTを直接外部に出力させずに,これをスキャンアウト信号SiOUT2として外部第2テスト回路部TCo2に与えるように回路構成してもよい。
【0025】
カラムセレクタCSと第2テスト回路部TCi2は,mビット幅の入出力データd’’,/d’’の伝送ラインで接続されている。また,第2テスト回路部TCi2とメモリセルアレイ部MCAは,mビット幅の入出データd’’’,/d’’’の伝送ラインで接続されている。
【0026】
第1テスト回路部TCi1は,図3に示すように,nビット幅のアドレス信号a’’が入力され,nビット幅のアドレス信号a’’’を出力する。以下,n=4の場合に即して説明する。第1テスト回路部TCi1は,アドレス信号a’’のビット幅に対応する数(4個)のフリップフロップFF10〜FF13と,これと同数のセレクタSEL10〜SEL13を備えている。
【0027】
アドレス信号a’’0〜a’’3は,各フロップフロップFF10〜FF13のデータ入力端Dおよび各セレクタSEL10〜SEL13の第1信号入力端S0に入力される。スキャンセレクト信号SSは,各フロップフロップFF10〜FF13のスキャンセレクト信号入力端ssおよび各セレクタSEL10〜SEL13の制御信号入力端に共通入力される。スキャンクロック信号SCLKは,各フロップフロップFF10〜FF13のクロック信号入力端clkに共通入力される。
【0028】
各フロップフロップFF10〜FF13のデータ出力端Qは,各セレクタSEL10〜SEL13の第2信号入力端S1に接続されている。さらに,各フロップフロップFF10〜FF12のデータ出力端Qは,次段のフロップフロップFF11〜FF13のスキャンデータ入力端SDに接続されている。そして,初段に位置するフリップフロップFF13のスキャンデータ入力端SDは,スキャンイン信号SINが入力されるスキャンイン信号入力端sin1に接続されており,最終段に位置するフリップフロップFF10のデータ出力端Qは,スキャンアウト信号SiOUT1を出力するスキャンアウト信号出力端sout1に接続されている。
【0029】
各セレクタSEL10〜SEL13は,スキャンセレクト信号SSの論理レベルに応じて,第1信号入力端S0に入力されるアドレス信号a’’0〜a’’3,または,各フリップフロップFF10〜FF13のデータ出力端Qから出力され第2信号入力端S1に入力される信号のいずれか一方を選択し,アドレス信号a’’’0〜a’’’3として出力する。具体的には,スキャンセレクト信号SSが論理的低レベル(以下,「Lレベル」という)のときは,第1信号入力端S0側が選択され,スキャンセレクト信号SSが論理的高レベル(以下「Hレベル」という)のときは,第2信号入力端S1側が選択される。
【0030】
第2テスト回路部TCi2の回路構成を図4を用いて説明する。上述のように,第2テスト回路部TCi2は,mビット幅の入出力データd’’,/d’’の伝送ラインによってカラムセレクタCSと接続されており,mビット幅の入出データd’’’,/d’’’の伝送ラインによってメモリセルアレイ部MCAと接続されている。以下,m=4の場合に即して説明する。
【0031】
第2テスト回路部TCi2とカラムセレクタCSとの間の入出力データd’’0の伝送ラインと,第2テスト回路部TCi2とメモリセルアレイ部MCAとの間の入出力データd’’’0の伝送ラインは,第2テスト回路部TCi2の内部で共通化されている。同様に,入出力データd’’0と相補の関係にある入出力データ/d’’0の伝送ラインと,入出力データd’’’0と相補の関係にある入出力データ/d’’’0の伝送ラインも,第2テスト回路部TCi2の内部で共通化されている。以下の説明では,これらの共通化された2本のデータ伝送ラインを1組のデータ伝送ラインDL0と称する。
【0032】
その他,第2テスト回路部TCi2とカラムセレクタCSとの間の入出力データd’’1,/d’’1,d’’2,/d’’2,d’’3,/d’’3の伝送ラインも,第2テスト回路部TCi2とメモリセルアレイ部MCAとの間の入出力データd’’’1,/d’’’1,d’’’2,/d’’’2,d’’’3,/d’’’3の伝送ラインと第2テスト回路部TCi2の内部で共通化されている。以下の説明では,これらの共通化された各2本のデータ伝送ラインをそれぞれ1組のデータ伝送ラインDL1,DL2,DL3と称する。
【0033】
第2テスト回路部TCi2は,4個のセンスアンプCM20〜CM23,4個のフリップフロップFF20〜FF23,および8個のスイッチSW200,SW201,SW210,SW211,SW220,SW221,SW230,SW231を備えており,それぞれは,データ伝送ラインDL0〜DL3毎に配置されている。例えば,データ伝送ラインDL0には,センスアンプCM20,フリップフロップFF20,およびスイッチSW200,SW201が配置されている。データ伝送ラインDL0〜DL3毎の回路構成は相互に略同一である。
【0034】
センスアンプCM20〜CM23はそれぞれ,データ伝送ラインDL0〜DL3を構成する2本のデータ伝送ラインの電位差を検出し増幅してフリップフロップFF20〜FF23のデータ入力端Dに与える。
【0035】
フリップフロップFF20〜FF23は,各クロック信号入力端clkにスキャンクロック信号SCLKが共通入力され,各スキャンセレクト信号入力端ssにスキャンセレクト信号SSが共通入力される。
【0036】
フリップフロップFF20のデータ出力端Qは,スイッチSW200の信号入力端に接続されており,フリップフロップFF20のデータ出力端/Qは,スイッチSW201の信号入力端に接続されている。スイッチSW200の信号出力端は,データ伝送ラインDL0を構成する2本のデータ伝送ラインの一方に接続されており,スイッチSW201の信号出力端は,データ伝送ラインDL0を構成する2本のデータ伝送ラインの他方に接続されている。なお,フリップフロップFF21〜FF23,スイッチSW210,SW211,SW220,SW221,SW230,SW231,および各データ伝送ラインDL1〜DL3の接続関係はそれぞれ,フリップフロップFF20,スイッチSW200,SW201,およびデータ伝送ラインDL0の接続関係と同様である。
【0037】
各フロップフロップFF20〜FF22のデータ出力端Qは,スイッチSW200,SW210,SW220の信号入力端とともに,それぞれ次段のフロップフロップFF21〜FF23のスキャンデータ入力端SDに接続されている。初段に位置するフリップフロップFF20のスキャンデータ入力端SDは,第1テスト回路部TCi1が出力するスキャンアウト信号SiOUT1が入力されるスキャンイン信号入力端sin2に接続されている。最終段に位置するフリップフロップFF23のデータ出力端Qは,スイッチSW230の信号入力端とともに,スキャンアウト信号SiOUT2(SOUT)を出力するスキャンアウト信号出力端sout2に接続されている。
【0038】
以上のように構成された第1テスト回路部TCi1および第2テスト回路部TCi2はともに,通常モードとテストモードの2つのモードに設定することが可能である。通常モードに設定する場合,スキャンセレクト信号SSをLレベルとし,ライトコントロール信号WCTRLをLレベルとする。
【0039】
スキャンセレクト信号SSがLレベルに設定されると,第1テスト回路部TCi1に属する各セレクタSEL10〜SEL13は,第1信号入力端S0と第2信号入力端S1のうち第1信号入力端S0を選択し,ここに入力されるアドレス信号a’’0〜a’’3をアドレス信号a’’’0〜a’’’3として外部に出力する。つまり,通常モードの第1テスト回路部TCi1は,アドレスデコーダADから受けたnビット幅のアドレス信号a’’をそのままnビット幅のアドレス信号a’’’としてメモリセルアレイ部MCAおよびカラムセレクタCSに与える。
【0040】
また,ライトコントロール信号WCTRLがLレベルに設定されると,第2テスト回路部TCi2に属する各スイッチSW200,SW201,SW210,SW211,SW220,SW221,SW230,SW231は全てオフ状態となり,各フリップフロップFF20〜FF23のデータ出力端Q,/Qはデータ伝送ラインDL0〜DL3から電気的に切り離される。つまり,通常モードの第2テスト回路部TCi2は,各データ伝送ラインDL0〜DL3の電位レベルを制御することはなく,カラムセレクタCSとメモリセルアレイ部MCAはデータ伝送ラインDL0〜DL3によってダイレクトに接続される。このため,カラムセレクタCSのmビット幅の入出力データd’’,/d’’とメモリセルアレイ部MCAのmビット幅の入出力データd’’’,/d’’’は,一致することになる。
【0041】
次にテストモードに設定された第1テスト回路部TCi1と第2テスト回路部TCi2の動作を,図5〜図8のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0042】
第1テスト回路部TCi1のテストモードは,さらに,1.アドレスデコーダADが出力するアドレス信号a’’の観測モード(以下,「アドレス信号観測モード」という)と,2.メモリセルアレイ部MCAとカラムセレクタCSに与えるアドレス信号a’’’の制御モード(以下,「アドレス信号制御モード」に分けられる。
【0043】
1.アドレス信号観測モード(図5参照)
スキャンセレクト信号SSがLレベルのとき,第1テスト回路部TCi1に属するフリップフロップFF10〜FF13のデータ入力端Dはイネーブル状態であり,スキャンデータ入力端SDはディスエーブル状態である。したがって,各フリップフロップFF10〜FF13は,スキャンクロック信号SCLKの立ち上がりエッジに同期して,アドレス信号a’’0〜a’’3を記憶する。そして,最終段に位置するフリップフロップFF10に格納されてたデータ(アドレス信号a’’0)は,スキャンアウト信号出力端sout1からスキャンアウト信号SiOUT1として出力される。
【0044】
次に,スキャンセレクト信号SSをHレベルに遷移させると,フリップフロップFF10〜FF13のデータ入力端Dはディスエーブル状態となり,スキャンデータ入力端SDはイネーブル状態となる。ここで,第1テスト回路部TCi1にスキャンクロック信号SCLKが入力されると,各フリップフロップFF13〜FF11に格納されているデータ(アドレス信号a’’3〜a’’1)はそれぞれ,次段のフリップフロップFF12〜FF10に転送され格納される。以後,第1テスト回路部TCi1にスキャンクロック信号SCLKが入力される毎に,フリップフロップFF10〜FF13はシフト動作を繰り返し,この結果として,アドレス信号a’’0〜a’’3は,スキャンアウト信号SiOUT1としてシリアルに出力される。
【0045】
アドレスデコーダADが正しいアドレス信号a’’0〜a’’3を出力しているか否かを確認するには,第1テスト回路部TCi1をアドレス信号観測モードに設定し,シリアル信号であるスキャンアウト信号SiOUT1を観測すればよい。なお,このモードでは,第1テスト回路部TCi1に属するフリップフロップFF10〜FF13は,パラレル−シリアル変換を行うシフトレジスタとして機能する。
【0046】
2.アドレス信号制御モード(図6参照)
スキャンセレクト信号SSをHレベルとする。フリップフロップFF10〜FF13のデータ入力端Dはディスエーブル状態となり,スキャンデータ入力端SDはイネーブル状態となる。ここで,テスト用アドレス信号をスキャンイン信号SINとして第1テスト回路部TCi1に入力すると,スキャンクロック信号SCLKが入力される毎にテスト用アドレス信号は,先頭ビットから順番にフリップフロップFF13からフリップフロップFF10まで転送される。第1テスト回路部TCi1に対してスキャンクロック信号SCLKが4パルス入力された時点で,テスト用アドレス信号は,フリップフロップFF13〜FF10にセットされる。
【0047】
このとき,スキャンセレクト信号SSがHレベルであるため,第1テスト回路部TCi1に属するセレクタSEL10〜SEL13は,各フリップフロップFF10〜FF13に格納されているデータ(テスト用アドレス信号)を選択して,これらをアドレス信号a’’’0〜a’’’3として外部に出力する。
【0048】
メモリセルアレイ部MCAやカラムセレクタCSに対して任意のテスト用アドレス信号を与えてこれらの動作・機能を確認したい場合は,第1テスト回路部TCi1をアドレス信号制御モードに設定し,テスト用アドレス信号をスキャンイン信号SINとして第1テスト回路部TCi1に入力するればよい。なお,このモードでは,第1テスト回路部TCi1に属するフリップフロップFF10〜FF13は,シリアル−パラレル変換を行うシフトレジスタとして機能する。
【0049】
第2テスト回路部TCi2のテストモードは,さらに,3.カラムセレクタCSの入出力データd’’,/d’’およびメモリセルアレイ部MCAの入出力データd’’’,/d’’’の観測モード(以下,「データ観測モード」という)と,2.カラムセレクタCSの入出力データd’’,/d’’およびメモリセルアレイ部MCAの入出力データd’’’,/d’’’の制御モード(以下,「データ制御モード」に分けられる。
【0050】
3.データ観測モード(図7参照)
まず,メモリ回路部MC1に入力されているライトイネーブル信号WEをLレベルとしてメモリ回路部MC1をデータリード動作モードに設定する。
【0051】
スキャンセレクト信号SSがLレベルのとき,第2テスト回路部TCi2に属するフリップフロップFF20〜FF23のデータ入力端Dはイネーブル状態であり,スキャンデータ入力端SDはディスエーブル状態である。したがって,各フリップフロップFF20〜FF23は,スキャンクロック信号SCLKの立ち上がりエッジに同期して,メモリセルアレイ部MCAから読み出されたデータd’’’0,/d’’’0〜d’’’3,/d’’’3を記憶する。最終段に位置するフリップフロップFF23に格納されたデータd’’’3(/d’’’3)は,スキャンアウト信号SiOUT2(SOUT)として出力される。
【0052】
次に,スキャンセレクト信号SSをHレベルに遷移させると,フリップフロップFF30〜FF33のデータ入力端Dはディスエーブル状態となり,スキャンデータ入力端SDはイネーブル状態となる。ここで,第2テスト回路部TCi2にスキャンクロック信号SCLKが入力されると,各フリップフロップFF20〜FF22に格納されているデータd’’’0(/d’’’0)〜d’’’2(/d’’’2)はそれぞれ,次段のフリップフロップFF21〜FF23に転送され格納される。以後,第2テスト回路部TCi2にスキャンクロック信号SCLKが入力される毎に,フリップフロップFF20〜FF23はシフト動作を繰り返し,この結果として,データd’’’0(/d’’’0)〜d’’’3(/d’’’3)は,スキャンアウト信号SiOUT2(SOUT)としてシリアルに出力される。
【0053】
メモリセルアレイ部MCAから期待通りのデータd’’’0(/d’’’0)〜d’’’3(/d’’’3)が読み出されているか否かを確認するには,第2テスト回路部TCi2をデータ観測モードに設定し,シリアル信号であるスキャンアウト信号SiOUT2(SOUT)を観測すればよい。なお,このモードでは,第2テスト回路部TCi2に属するフリップフロップFF20〜FF23は,パラレル−シリアル変換を行うシフトレジスタとして機能する。
【0054】
4.データ制御モード(図8参照)
まず,メモリ回路部MC1に入力されているライトイネーブル信号WEをLレベルまたはHレベルのいずれかに調整する。第2テスト回路部TCi2からカラムセレクタCSへテスト用データを与えるテストを実施するときには,ライトイネーブル信号WEをLレベルとしてメモリ回路部MC1をデータリード動作モードに設定する。これに対して,第2テスト回路部TCi2からメモリセルアレイ部MCAへテスト用データを書き込むテストを実施するときには,ライトイネーブル信号WEをHレベルとしてメモリ回路部MC1をデータライト動作モードに設定する。
【0055】
次に,スキャンセレクト信号SSをHレベルとする。フリップフロップFF20〜FF23のデータ入力端Dはディスエーブル状態となり,スキャンデータ入力端SDはイネーブル状態となる。ここで,テスト用データをスキャンイン信号SINとして第2テスト回路部TCi2に入力すると,スキャンクロック信号SCLKが入力される毎にテスト用データは,先頭ビットから順番にフリップフロップFF20からフリップフロップFF23まで転送される。第2テスト回路部TCi2に対してスキャンクロック信号SCLKが4パルス入力された時点で,テスト用データは,フリップフロップFF20〜FF23にセットされる。なお,図2に示すように,第2テスト回路部TCi2が第1テスト回路部TCi1とスキャンパスを形成している場合,テスト用データは,第1テスト回路部TCi1を経由してスキャンアウト信号SiOUT1として第2テスト回路部TCi2に入力される。
【0056】
次に,ライトコントロール信号WCTRLをLレベルからHレベルに遷移させる。これによって,第2テスト回路部TCi2に属するSW200,SW201,SW210,SW211,SW220,SW221,SW230,SW231は全てオン状態となり,各フリップフロップFF20〜FF23に格納されているテスト用データは,データ伝送ラインDL0〜DL3に出力される。このとき,ライトイネーブル信号WEがLレベルならば,データ伝送ラインDL0〜DL3に出力されたテスト用データは,カラムセレクタCSへ入力される。また,ライトイネーブル信号WEがHレベルならば,データ伝送ラインDL0〜DL3に出力されたテスト用データは,メモリセルアレイ部MCAへ入力される。
【0057】
メモリセルアレイ部MCAやカラムセレクタCSに対して任意のテスト用データを与えてこれらの動作・機能を確認したい場合は,第2テスト回路部TCi2をデータ制御モードに設定し,テスト用データをスキャンイン信号SINとして第2テスト回路部TCi2に入力するればよい。なお,このモードでは,第2テスト回路部TCi2に属するフリップフロップFF20〜FF23は,シリアル−パラレル変換を行うシフトレジスタとして機能する。
【0058】
ここまでの説明から明らかなように,本実施の形態にかかるメモリ回路部MC1に属する第1テスト回路部TCi1によれば,メモリ回路部MC1内に備えられたデコーダロジック部の機能テストが可能となる。また,本実施の形態にかかるメモリ回路部MC1に属する第2テスト回路部TCi2によれば,メモリ回路部MC1内に備えられたセレクタロジック部の機能テストが可能となる。さらに,第1テスト回路部TCi1と第2テスト回路部TCi2の両方をメモリ回路部MC1内に備えることによって,メモリセルアレイ部に対して,ロジック回路を介さずにデータ書き込み/読み出しを行うこと(ダイレクトアクセス)が可能となる。
【0059】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態にかかるメモリ回路部MC1に備えられた第1テスト回路部TCi1および第2テスト回路部TCi2は,非同期型のメモリ回路部MC1(図2)のみならず同期型のメモリ回路MC2(図9)にも適用可能である。第1テスト回路部TCi1および第2テスト回路部TCi2を非同期型メモリ回路部MC1の内部に備える場合には,メモリ回路部MC1にスキャンクロック信号SCLKを入力する必要がある。これに対して,各テスト回路部を同期型メモリ回路部MC2の内部に備える場合には,メモリ回路部MC2の動作基準用のクロック信号CLKを各テスト回路部の動作基準としても利用できる。したがって,スキャンクロック信号SCLKをメモリ回路部MC2へ入力する必要がなくなる。
【0060】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態にかかるメモリ回路部MC3に備えられた第3テスト回路部TCi3の構成および動作について図10〜図14を用いて説明する。
【0061】
図10に示す第3テスト回路部TCi3は,図2および図9に示した第1,2の実施の形態にかかるメモリ回路部MC1,MC2に属する第2テスト回路部TCi2と略同一の機能を有するものである。第3テスト回路部TCi3は,第1テスト回路部TCi1が出力するスキャンアウト信号SiOUT1,スキャンセレクト信号SS,ライトコントロール信号WCTRL,およびクロック信号CLKが入力され,スキャンアウト信号SOUTを出力する。スキャンアウト信号SOUTは,LSI101の外部へ出力される信号であるが,図1に示したように周辺ロジック回路部LCに外部第2テスト回路部TCo2を備える場合,スキャンアウト信号SOUTを直接外部に出力させずに,これをスキャンアウト信号SiOUT3として外部第2テスト回路部TCo2に与えるように回路構成してもよい。
【0062】
第3テスト回路部TCi3の回路構成を図11に示す。この第3テスト回路部TCi3は,図4に示した第2テスト回路部TCi2に対して,フリップフロップFF20〜FF23をそれぞれ,HスルーラッチLATH30〜LATH33およびLスルーラッチLATL30〜LATL33に置き換えた回路構成を有する。第3テスト回路部TCi3のその他の構成要素は,第2テスト回路部TCi2と略同一である。
【0063】
HスルーラッチLATH30〜LATH33は,制御信号入力端HにHレベルの信号が入力されている間は,データ入力端Dに入力される信号と同じ論理レベルの信号をデータ出力端Qに出力し(データ・スルー),制御信号入力端HにLレベルの信号が入力されている間にデータ入力端Dに入力された信号をラッチする(データ・ラッチ)。
【0064】
一方,LスルーラッチLATL30〜LATL33は,制御信号入力端LにLレベルの信号が入力されている間は,データ入力端Dまたはスキャンデータ入力端SDに入力された信号と同じ論理レベルの信号をデータ出力端Qに出力し,相補の信号をデータ出力端/Qに出力し(データ・スルー),制御信号入力端LにHレベルの信号が入力されている間にデータ入力端Dに入力された信号またはスキャンデータ入力端SDに入力された信号をラッチする(データ・ラッチ)。
【0065】
第3テスト回路部TCi3において,4個のセンスアンプCM20〜CM23,4個のHスルーラッチLATH30〜LATH33,4個のLスルーラッチLATL30〜LATL33,および8個のスイッチSW200,SW201,SW210,SW211,SW220,SW221,SW230,SW231はそれぞれ,データ伝送ラインDL0〜DL3毎に配置されている。例えば,データ伝送ラインDL0には,センスアンプCM20,HスルーラッチLATH30,LスルーラッチLATL30,およびスイッチSW200,SW201が配置されている。データ伝送ラインDL0〜DL3毎の回路構成は相互に略同一である。
【0066】
センスアンプCM20〜CM23はそれぞれ,データ伝送ラインDL0〜DL3を構成する2本のデータ伝送ラインの電位差を検出し増幅してLスルーラッチLATL30〜LATL33のデータ入力端Dに与える。
【0067】
HスルーラッチLATH30〜LATH33は,各制御信号入力端Hにクロック信号CLKが共通入力される。HスルーラッチLATH30〜LATH33のデータ出力端Qはそれぞれ,LスルーラッチLATL30〜LATL33のスキャンデータ入力端SDに接続されている。LスルーラッチLATL30〜LATL33は,各制御信号入力端Lにクロック信号CLKが共通入力され,各スキャンセレクト信号入力端ssにスキャンセレクト信号SSが共通入力される。
【0068】
LスルーラッチLATL30のデータ出力端Qは,スイッチSW200の信号入力端に接続されており,LスルーラッチLATL30のデータ出力端/Qは,スイッチSW201の信号入力端に接続されている。スイッチSW200の信号出力端は,データ伝送ラインDL0を構成する2本のデータ伝送ラインの一方に接続されており,スイッチSW201の信号出力端は,データ伝送ラインDL0を構成する2本のデータ伝送ラインの他方に接続されている。なお,LスルーラッチLATL30〜LATL33,スイッチSW210,SW211,SW220,SW221,SW230,SW231,および各データ伝送ラインDL0〜DL3の接続関係はそれぞれ,LスルーラッチLATL30,スイッチSW200,SW201,およびデータ伝送ラインDL0の接続関係と同様である。
【0069】
各LスルーラッチLATL30〜LATL32のデータ出力端Qは,スイッチSW200,SW210,SW220の信号入力端とともに,それぞれ次段のHスルーラッチLATH31〜LATH33のデータ入力端Dに接続されている。初段に位置するHスルーラッチLATH30のデータ入力端Dは,第1テスト回路部TCi1が出力するスキャンアウト信号SiOUT1が入力されるスキャンイン信号入力端sin3に接続されている。最終段に位置するLスルーラッチLATL33のデータ出力端Qは,スイッチSW230の信号入力端とともに,スキャンアウト信号SiOUT3(SOUT)を出力するスキャンアウト信号出力端sout3に接続されている。
【0070】
以上のように構成された第3テスト回路部TCi2は,通常モードとテストモードの2つのモードに設定することが可能である。通常モードに設定する場合,ライトコントロール信号WCTRLをLレベルとする。
【0071】
ライトコントロール信号WCTRLがLレベルに設定されると,第3テスト回路部TCi3に属する各スイッチSW200,SW201,SW210,SW211,SW220,SW221,SW230,SW231は全てオフ状態となり,各LスルーラッチLATL30〜LATL33のデータ出力端Q,/Qはデータ伝送ラインDL0〜DL3から電気的に切り離される。つまり,通常モードの第3テスト回路部TCi3は,各データ伝送ラインDL0〜DL3の電位レベルを制御することはなく,カラムセレクタCSとメモリセルアレイ部MCAはデータ伝送ラインDL0〜DL3によってダイレクトに接続される。このため,カラムセレクタCSのmビット幅の入出力データd’’,/d’’とメモリセルアレイ部MCAのmビット幅の入出力データd’’’,/d’’’は,一致することになる。
【0072】
次にテストモードに設定された第3テスト回路部TCi3の動作を,図12,図13のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0073】
第3テスト回路部TCi3のテストモードは,さらに,5.カラムセレクタCSの入出力データd’’,/d’’およびメモリセルアレイ部MCAの入出力データd’’’,/d’’’の観測モード(以下,「データ観測モード」という)と,6.カラムセレクタCSの入出力データd’’,/d’’およびメモリセルアレイ部MCAの入出力データd’’’,/d’’’の制御モード(以下,「データ制御モード」に分けられる。
【0074】
5.データ観測モード(図12参照)
まず,メモリ回路部MC3に入力されているライトイネーブル信号WEをLレベルとしてメモリ回路部MC3をデータリード動作モードに設定する。
【0075】
スキャンセレクト信号SSがLレベルのとき,第3テスト回路部TCi3に属するLスルーラッチLATL30〜LATL33のデータ入力端Dはイネーブル状態であり,スキャンデータ入力端SDはディスエーブル状態である。したがって,各LスルーラッチLATL30〜LATL33は,メモリセルアレイ部MCAから読み出されたデータd’’’0,/d’’’0〜d’’’3,/d’’’3をクロック信号CLK=Hのときにラッチする。最終段に位置するLスルーラッチLATL33に格納されたデータd’’’3(/d’’’3)は,スキャンアウト信号SiOUT3(SOUT)として出力される。
【0076】
次に,スキャンセレクト信号SSをHレベルに遷移させると,LスルーラッチLATL30〜LATL33のデータ入力端Dはディスエーブル状態となり,スキャンデータ入力端SDはイネーブル状態となる。
【0077】
各LスルーラッチLATL30〜LATL32のデータ出力端Qは,次段のHスルーラッチLATH31〜LATH33のデータ入力端Dに接続されているため,LスルーラッチLATL30〜LATL32にラッチされているデータd’’’0,/d’’’0〜d’’’2,/d’’’2はそれぞれ,続くクロック信号CLK=LのときにHスルーラッチLATH31〜LATH33にラッチされる。
【0078】
次に,クロック信号CLKがHレベルに遷移すると,HスルーラッチLATH31〜LATH33にラッチされているデータd’’’0,/d’’’0〜d’’’2,/d’’’2は,同段のLスルーラッチLATL31〜LATL33にラッチされる。そして,最終段に位置するLスルーラッチLATL33に格納されたデータd’’’2(/d’’’2)は,スキャンアウト信号SiOUT3(SOUT)として出力される。以後,第3テスト回路部TCi3にクロック信号CLKが入力される毎に,HスルーラッチLATH30〜LATH33およびLスルーラッチLATL30〜LATL33はシフト動作を繰り返し,この結果として,データd’’’0(/d’’’0)〜d’’’3(/d’’’3)は,スキャンアウト信号SiOUT3(SOUT)としてシリアルに出力される。
【0079】
メモリセルアレイ部MCAから期待通りのデータd’’’0(/d’’’0)〜d’’’3(/d’’’3)が読み出されているか否かを確認するには,第3テスト回路部TCi3をデータ観測モードに設定し,シリアル信号であるスキャンアウト信号SiOUT3(SOUT)を観測すればよい。なお,このモードでは,第3テスト回路部TCi3に属するHスルーラッチLATH30〜LATH33およびLスルーラッチLATL30〜LATL33は,パラレル−シリアル変換を行うシフトレジスタとして機能する。
【0080】
6.データ制御モード(図13参照)
まず,メモリ回路部MC3に入力されているライトイネーブル信号WEをLレベルまたはHレベルのいずれかに調整する。第3テスト回路部TCi3からカラムセレクタCSへテスト用データを与えるテストを実施するときには,ライトイネーブル信号WEをLレベルとしてメモリ回路部MC3をデータリード動作モードに設定する。これに対して,第3テスト回路部TCi3からメモリセルアレイ部MCAへテスト用データを書き込むテストを実施するときには,ライトイネーブル信号WEをHレベルとしてメモリ回路部MC3をデータライト動作モードに設定する。
【0081】
次に,スキャンセレクト信号SSをHレベルとする。LスルーラッチLATL30〜LATL33のデータ入力端Dはディスエーブル状態となり,スキャンデータ入力端SDはイネーブル状態となる。ここで,テスト用データをスキャンイン信号SINとして第3テスト回路部TCi3に入力すると,クロック信号CLKがLレベルのときに,スキャンイン信号SINの第1ビットデータが,初段に位置するHスルーラッチLATH30にラッチされる。次に,クロック信号CLKがHレベルに遷移するとHスルーラッチLATH30にラッチされているスキャンイン信号SINの第1ビットデータが同段のLスルーラッチLATL30にラッチされる。その後クロック信号CLKが入力される毎にテスト用データは,HスルーラッチLATH31,LスルーラッチLATL31,HスルーラッチLATH32,LスルーラッチLATL32,HスルーラッチLATH33,LスルーラッチLATL33の順に転送される。第3テスト回路部TCi3に対してクロック信号CLKが4パルス入力された時点で,テスト用データは,LスルーラッチLATL30〜LATL33にセットされる。なお,図10に示すように,第3テスト回路部TCi3が第1テスト回路部TCi1とスキャンパスを形成している場合,テスト用データは,第1テスト回路部TCi1を経由してスキャンアウト信号SiOUT1として第3テスト回路部TCi3に入力される。
【0082】
次に,ライトコントロール信号WCTRLをLレベルからHレベルに遷移させる。これによって,第3テスト回路部TCi3に属するSW200,SW201,SW210,SW211,SW220,SW221,SW230,SW231は全てオン状態となり,各LスルーラッチLATL30〜LATL33に格納されているテスト用データは,データ伝送ラインDL0〜DL3に出力される。このとき,ライトイネーブル信号WEがLレベルならば,データ伝送ラインDL0〜DL3に出力されたテスト用データは,カラムセレクタCSへ入力される。また,ライトイネーブル信号WEがHレベルならば,データ伝送ラインDL0〜DL3に出力されたテスト用データは,メモリセルアレイ部MCAへ入力される。
【0083】
メモリセルアレイ部MCAやカラムセレクタCSに対して任意のテスト用データを与えてこれらの動作・機能を確認したい場合は,第3テスト回路部TCi3をデータ制御モードに設定し,テスト用データをスキャンイン信号SINとして第3テスト回路部TCi3に入力すればよい。なお,このモードでは,第3テスト回路部TCi3に属するHスルーラッチLATH30〜LATH33およびLスルーラッチLATL30〜LATL33は,シリアル−パラレル変換を行うシフトレジスタとして機能する。
【0084】
ここまでの説明から明らかなように,本実施の形態にかかるメモリ回路部MC3に属する第3テスト回路部TCi3によれば,メモリ回路部MC3内に備えられたセレクタロジック部の機能テストが可能となる。さらに,第1,2の実施の形態にかかるメモリ回路部MC1,MC2に属する第1テスト回路部TCi1と,第3テスト回路部TCi3の両方をメモリ回路部MC3内に備えることによって,メモリセルアレイ部に対して,ロジック回路を介さずにデータ書き込み/読み出しを行うこと(ダイレクトアクセス)が可能となる。
【0085】
ところで,メモリ回路を出力ラッチ型として構成する場合,メモリセルアレイ部MCAから読み出されるデータの伝送ラインには,図14に示すようなセンスアンプ(コンパレータ)CM0〜CM3およびLスルーラッチLATL0〜LATL3が備えられる。この出力ラッチ型メモリ回路に第3テスト回路TCi3を付加するならば,第3テスト回路TCi3を構成するセンスアンプCM20〜CM23をセンスアンプCM0〜CM3と共通化し,LスルーラッチLATL30〜LATL33を,LスルーラッチLATL0〜LATL3と共通化することが好ましい。このようにメモリ回路を構成することによって,テスト回路を付加することによる回路レイアウト面積の増加が最小限に抑えられる。
【0086】
添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる実施の形態に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0087】
図1には,外部第1テスト回路部TCo1,外部第2テスト回路部TCo2,第1テスト回路部TCi1,および第2テスト回路部TCi2がスキャンパスを形成しているLIS101を示したが,各テスト回路を独立させることも可能である。この場合,各テスト回路に対してスキャンイン信号SINを与え,それぞれからスキャンアウト信号SOUTを得るように回路を構成する。例えば,LSIに,各テスト回路毎のスキャンイン信号の入力端およびスキャンアウト信号の出力端を設けてもよい。この他,図1に示したように,スキャン信号の入力端およびスキャンアウト信号の出力端はそれぞれ一として,スキャンイン信号およびスキャンアウト信号に各テスト回路および各テスト回路の動作モード(観測モードまたは制御モード)を識別するフラグビットを加えるようにしてもよい。メモリ回路内に,スキャンイン信号に含まれるフラグビットを解析し,スキャンアウト信号にフラグビットを加えるロジック回路を構成してもよい。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,メモリセルアレイ部,アドレス信号生成部,およびデータ入出力部のそれぞれを独立して動作・機能テストをすることが可能となる。したがって,半導体記憶装置のテストにおいて,正常な結果が得られなかった場合であっても,高い精度でその原因となる箇所が特定される。半導体記憶装置の製造プロセスに潜む問題点の究明や設計レベルでの回路見直しも容易化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるメモリ回路部を含むLSIの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかるメモリ回路部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかるメモリ回路部に備えられた第1テスト回路部の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態にかかるメモリ回路部に備えられた第2テスト回路部の構成を示す回路図である。
【図5】第1テスト回路部のアドレス信号観測モードにおける動作を示すタイミングチャートである。
【図6】第1テスト回路部のアドレス信号制御モードにおける動作を示すタイミングチャートである。
【図7】第2テスト回路部のデータ観測モードにおける動作を示すタイミングチャートである。
【図8】第2テスト回路部のデータ制御モードにおける動作を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかるメモリ回路部の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかるメモリ回路部の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態にかかるメモリ回路部に備えられた第3テスト回路部の構成を示す回路図である。
【図12】第3テスト回路部のデータ観測モードにおける動作を示すタイミングチャートである。
【図13】第3テスト回路部のデータ制御モードにおける動作を示すタイミングチャートである。
【図14】一般的な出力ラッチ型メモリ回路のデータ出力部を示す回路図である。
【符号の説明】
101:LSI
AD:アドレスデコーダ
a’’:アドレス信号
CLK:クロック信号
CS:カラムセレクタ
DL0:データ伝送ライン
FF10:フリップフロップ
FF20:フリップフロップ
LATH30:Hスルーラッチ
LATL30:Lスルーラッチ
LC:周辺ロジック回路部
MC1:メモリ回路部
MCA:メモリセルアレイ部
SCLK:スキャンクロック信号
SEL10:セレクタ
SIN:スキャンイン信号
SOUT:スキャンアウト信号
SS:スキャンセレクト信号
SW200:スイッチ
TCi1:第1テスト回路部
TCi2:第2テスト回路部
TCi3:第3テスト回路部
TCo1:外部第1テスト回路
TCo1:外部第2テスト回路
WCTRL:ライトコントロール信号
WE:ライトイネーブル信号
Claims (14)
- データを格納する複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部と,
前記複数のメモリセルの中から1または2以上のメモリセルを特定するためのnビット幅のアドレス信号を生成するアドレス信号生成部と,
前記アドレス信号生成部から出力されたnビット幅のアドレス信号をアドレス信号観測用シリアル信号に変換して出力するアドレス信号テスト回路部と,
を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。 - データを格納する複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部と,
前記複数のメモリセルの中から1または2以上のメモリセルを特定するためのnビット幅のアドレス信号を生成するアドレス信号生成部と,
外部から与えられるテスト用アドレスシリアル信号をnビット幅のテスト用アドレス信号に変換する機能,および,前記アドレス信号生成部から前記アドレス信号を取り込み,前記テスト用アドレス信号または前記アドレス信号のいずれか一方を前記メモリセルアレイ部に与える機能を有するアドレス信号テスト回路部と,
を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。 - データを格納する複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部と,
前記複数のメモリセルの中から1または2以上のメモリセルを特定するためのnビット幅のアドレス信号を生成するアドレス信号生成部と,
前記アドレス信号生成部から出力されたnビット幅のアドレス信号をアドレス信号観測用シリアル信号に変換して出力する機能,外部から与えられるテスト用アドレスシリアル信号をnビット幅のテスト用アドレス信号に変換する機能,および,前記アドレス信号生成部から前記アドレス信号を取り込み,前記テスト用アドレス信号または前記アドレス信号のいずれか一方を前記メモリセルアレイ部に与える機能を有するアドレス信号テスト回路部と,
を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。 - データを格納する複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部と,
前記メモリセルアレイ部に書き込むmビット幅のデータを出力する機能と,前記メモリセルアレイ部からmビット幅のデータを読み出す機能を有するデータ入出力部と,
前記メモリセルアレイ部から読み出されたmビット幅のデータをデータ観測用シリアル信号に変換して出力するデータテスト回路部と,
を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。 - データを格納する複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部と,
前記メモリセルアレイ部に書き込むmビット幅のデータを出力する機能と,前記メモリセルアレイ部からmビット幅のデータを読み出す機能を有するデータ入出力部と,
外部から与えられるテスト用データシリアル信号をmビット幅のテスト用データ信号に変換する機能,および,前記テスト用データ信号を前記メモリセルアレイ部または前記データ入出力部のいずれか一方に与える機能を有するデータテスト回路部と,
を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。 - データを格納する複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部と,
前記メモリセルアレイ部に書き込むmビット幅のデータを出力する機能と,前記メモリセルアレイ部からmビット幅のデータを読み出す機能を有するデータ入出力部と,
前記メモリセルアレイ部から読み出されたmビット幅のデータをデータ観測用シリアル信号に変換して出力する機能,外部から与えられるテスト用データシリアル信号をmビット幅のテスト用データ信号に変換する機能,および,前記テスト用データ信号を前記メモリセルアレイ部または前記データ入出力部のいずれか一方に与える機能を有するデータテスト回路部と,
を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。 - データを格納する複数のメモリセルから成るメモリセルアレイ部と,
前記複数のメモリセルの中から1または2以上のメモリセルを特定するためのnビット幅のアドレス信号を生成するアドレス信号生成部と,
前記メモリセルアレイ部に書き込むmビット幅のデータを出力する機能と,前記メモリセルアレイ部からmビット幅のデータを読み出す機能を有するデータ入出力部と,
前記アドレス信号生成部から出力されたnビット幅のアドレス信号をアドレス信号観測用シリアル信号に変換して出力する機能,外部から与えられるテスト用アドレスシリアル信号をnビット幅のテスト用アドレス信号に変換する機能,および,前記アドレス信号生成部から前記アドレス信号を取り込み,前記テスト用アドレス信号または前記アドレス信号のいずれか一方を前記メモリセルアレイ部に与える機能を有するアドレス信号テスト回路部と,
前記メモリセルアレイ部から読み出されたmビット幅のデータをデータ観測用シリアル信号に変換して出力する機能,外部から与えられるテスト用データシリアル信号をmビット幅のテスト用データ信号に変換する機能,および,前記テスト用データ信号を前記メモリセルアレイ部または前記データ入出力部のいずれか一方に与える機能を有するデータテスト回路部と,
を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。 - 前記アドレス信号テスト回路部は,前記テスト用アドレスシリアル信号を前記テスト用データシリアル信号として,前記データテスト回路部に与えることを特徴とする,請求項7に記載の半導体記憶装置。
- 前記データテスト回路部は,前記テスト用データシリアル信号を前記テスト用アドレスシリアル信号として,前記アドレス信号テスト回路部に与えることを特徴とする,請求項7に記載の半導体記憶装置。
- 前記アドレス信号テスト回路部は,シフトレジスタを含むことを特徴とする,請求項1,2,3,7,8,または9に記載の半導体記憶装置。
- 前記シフトレジスタは,n個のフリップフロップから構成されることを特徴とする,請求項10に記載の半導体記憶装置。
- 前記データテスト回路部は,シフトレジスタを含むことを特徴とする,請求項4,5,6,7,8,または9に記載の半導体記憶装置。
- 前記シフトレジスタは,m個のフリップフロップから構成されることを特徴とする,請求項12に記載の半導体記憶装置。
- 前記シフトレジスタは,m組のラッチ群から構成され,前記各ラッチ群は,論理的高レベル信号によって入力データをラッチする第1ラッチと,論理的低レベル信号によって入力データをラッチする第2ラッチから構成されることを特徴とする,請求項13に記載の半導体記憶装置。
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