JP2004030236A - Ic搭載積層構造体及びicカード - Google Patents

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染宮 敏夫
Yukihiko Aizawa
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Abstract

【課題】ICへの接着剤による力学的ストレスを大幅に低減でき、絶縁性、耐熱性、耐久性、耐候性、耐薬品性にすぐれた接着剤によって接着された、容易で安価なIC搭載積層構造体及びICカードを提供する。
【解決手段】2枚のシート材の間にICユニットを配設した状態で該2枚のシート材を接着剤によって接着するIC搭載積層構造体において、該接着剤が下記の成分(A)、(B)及び(C)を必須成分とした。
(A)分子中に1個以上のアルケニル基を有する分子量500〜300000の炭化水素重合体
(B)硬化剤
(C)硬化触媒
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚のシート材の間に集積回路(IC)チップ及びアンテナを有する集積回路(IC)ユニットを配設した状態で該2枚のシート材を接着剤によって接着する集積回路(IC)搭載積層構造体の改良及びそのIC搭載積層構造体を用いたICカードに関するものである。
【0002】
【関連技術】
ICカードは例えば社員証、会員証、回数券、定期券、入場券、プリペイドカード、クレジットカード等に用いられる。このようなカードとして熱硬化性樹脂を2枚のシート材の両面に塗布し、間にICユニットを挿入しシート材を合わせて加熱、加圧するものがある。従来から電気、電子分野にはエポキシ、ウレタン、フェノールの接着剤組成物が使用されているがこれらのエポキシ、アクリル、ウレタン等の接着剤組成物は接着性、耐久性、柔軟性が良好であるため、ICの保護や耐久性向上、更にはICを搭載した製品の形状保持や柔軟性付与等の目的のため使用されてきた。
【0003】
しかしこれらのエポキシ系、アクリル系、ウレタン系等の接着剤組成物は接着時に硬化反応による体積収縮が問題となりシート材とICユニットの間に歪み応力が発生しシートの反り、変形がおこりシート材表面に印刷ができなくなり、また力学的ストレスのためにICへの悪影響が発生している。更に、上記接着剤組成物を用いるとカードを打ち抜く際に切断面に平滑性が得られなかったり、切断刃のエッジ部に樹脂が粘り着いたりして、機械作業性に問題が生じていた。
【0004】
そこでこのような用途の接着剤では硬化収縮を緩和するため、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、フェノール系等の接着剤組成物にゴムや可とう性樹脂を添加し(特開昭58−4261号公報)柔軟性を与える例や、シリカや炭酸カルシウム等の無機物を添加して硬化収縮を緩和する例(特開平7−335731号公報)がある。またより具体的にはICの一面を基材シートと接着し他の一面は接着性組成物と非接着もしくは弱接着状態となるよう加工した例(特開2000−76403号公報)がある。
【0005】
さらに本ICカードに使用されるシート材としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PET−G(ポリエチレングリコール変性PET)やABS,ポリカーボネート等があるがそのいずれのシートも表面が接着しずらくそのままの状態で接着剤を用いて張り合わせてもまったく接着しないか接着しても接着力が弱いためコロナ放電処理、プラズマ放電処理等の物理的表面処理や表面層にプライマー(アンカーコート材)を塗布して化学的に接着性を改善している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述した技術はさらにつぎのような改善すべき課題もふくまれている。即ちこれらの方法は接着剤とIC及びシート基材の間の歪み応力を低減することを主目的にしているため接着性、耐久性、絶縁性、耐熱性、耐薬品性等の本来の性能が犠牲になる場合が多くIC用接着剤としては必ずしも万能であるとはいえなかった。
【0007】
また特開2000−76403号公報で開示された手法では非接着もしくは弱接着皮膜形成のための工程が余分に追加されるため製造工程が煩雑なものになり、必ずしも容易で安価なICカードや接着積層体を提供する方法とはいえなかった。
【0008】
また、ICカードのシート材用のプラスチックシートに対し接着性を改善するため物理的または化学的に表面処理をおこなうことはシートの処理のため特別の工程を必要とし煩わしいばかりでなくコストアップにつながっていた。さらにコロナ処理のような方法では表面処理状態が場合によっては数ヶ月間しか持続しないため保存がきかないとかプライマー(アンカーコート材)の塗布では材料費用がよけいかかってしまうため材料費用も余分にかかっていた。したがってこの面でも従来からの方法は必ずしも容易で安価なICカードや接着積層体を提供する方法とはいえなかった。
【0009】
本発明の第1の目的は、ICへの接着剤による力学的ストレスを大幅に低減でき、絶縁性、耐熱性、耐久性、耐候性、耐薬品性にすぐれた接着剤によって接着された、容易で安価なIC搭載積層構造体及びICカードを提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系等の接着剤を用いてICカード等のIC搭載積層構造体を製造する際に従来避けることのできなかった切断面の平滑性悪化を解決し、機械作業性を改善することを可能にしたIC搭載積層構造体及びICカードを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のIC搭載積層構造体の第1の態様は、2枚のシート材の間にICユニットを配設した状態で該2枚のシート材を接着剤によって接着するIC搭載積層構造体において、該接着剤が下記の成分(A)、(B)及び(C)を必須成分とすることを特徴とする。
(A)分子中に1個以上のアルケニル基を有する分子量500〜300000の炭化水素重合体
(B)硬化剤
(C)硬化触媒
【0012】
本発明に用いる(A)成分としては、主鎖骨格がイソブチレン系重合体であるものを用いることが好ましい。
【0013】
本発明に用いる(B)成分としては、硬化剤であればよく特に限定はされないが、分子中に少なくとも1個以上のヒドロシリル基を有する炭化水素系化合物からなる硬化剤を用いることが好ましい。
【0014】
本発明に用いる(C)成分としては、特に制限はなく任意のものが用いられるが、白金金属系錯体を用いることが好適である。
【0015】
上記接着剤に、球状有機微粒子(D)をさらに配合することにより、貼り合わせ後、打ち抜き機にてカード型に形成する際の滑り性、固さを適度に調節し、機械的作業性が得られる。
【0016】
本発明のIC搭載積層構造体の第2の態様は、2枚のシート材の間にICユニットを配設した状態で該2枚のシート材をエポキシ系、アクリル系またはウレタン系接着剤によって接着するIC搭載積層構造体において、該接着剤に球状有機微粒子(D)を配合することを特徴とする。
【0017】
本発明のICカードは、上記IC搭載積層構造体からなることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、これらの実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0019】
図1は本発明のIC搭載積層構造体の一つの構造例を示す断面概略図である。同図に示したように、本発明のIC搭載積層構造体10は、2枚のシート材12,12の間にICユニット14を配設した状態で該2枚のシート材12,12を接着剤16によって接着したものである。本発明に用いられるシート材12,12としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、APET(アモルファスPET)、PET−G(ポリエチレングリコール変性PET)、ABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン)、PC(ポリカーボネート)、塩化ビニル樹脂及びポリマーアロイ系等の樹脂製のものを用いることができる。
【0020】
上記接着剤16としては、下記の成分(A)、(B)及び(C)を必須成分とする接着剤であれば用いることができ、特に限定されない。
(A)分子中に1個以上のアルケニル基を有する分子量500〜300000の炭化水素重合体
(B)硬化剤
(C)硬化触媒
【0021】
成分(A)としては、主成分としてラジカル重合性ビニル単量体のリビングラジカル重合体で架橋性官能基をすくなくとも1個以上有するポリマー成分を含む主剤が好ましく、具体的には、数平均分子量が500〜300,000であり、主鎖骨格がポリイソブチレンからなり、分子中に1個以上のアルケニル基を有する液状樹脂があげられる。より具体的には、例えば、エピオンEP600A、エピオンEP403AもしくはエピオンEP203A(鐘淵化学工業(株)製)等を用いることができる。
【0022】
成分(B)としては、具体的には、分子中に1個以上のヒドロシリル基を有する炭化水素系化合物が好ましく、1分子中にヒドロシリル基が2〜15個のものがより好ましい。より具体的には、CR−300(鐘淵化学工業(株)製)等を用いることができる。
【0023】
成分(C)としては、具体的には、ヒドロシリル化触媒等が用いられ、例えば、白金−ホスフィン錯体、例えば、Pt(PPh、Pt(PBu;白金−ビニルシロキサン錯体、例えば、Ptn(ViMeSiMeVi)n;Pt[(MeViSiO)]m;白金−ホスフィン錯体、例えばPt[P(OPh)3]4;Pt[P(OBu)3)]4;(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表す。n、mは整数を表す)等が挙げられる。より具体的には、HS−KA(デグサジャパン(株)製)等を用いることができる。
【0024】
上記の各成分は(A)(B)(C)それぞれを別々に3液型に配合してもよいが2液型にする場合は(B)を第1液に配合し、(C)を第2液に配合し(A)を第1液及び第2液の一方または双方に配合することができる。
【0025】
シート材12との張り合わせ後の積層構造体10の剛性を適切なものとし、かつ積層構造体10からカード型に打ち抜き、成形する際の機械適性を良くするため、上記接着剤16に無機充填材をさらに配合することが好ましい。無機充填材としては炭酸カルシウム、クレイ、水酸化アルミニウム、タルク、ガラス粉末、硫酸バリウム等を任意に使用できる。無機充填材の粒子径は0.1〜5μmが好ましく、接着剤組成物100重量部に対して10〜200重量部配合することが好適である。無機充填材を添加しないと積層構造体をカードとして使用する際十分な剛性が得られにくいし、カード型に打ち抜き、成形する際、硬化樹脂皮膜が打ち抜き機のエッジに粘り付きやすくなりエッジの汚れを起こしやすい。無機充填材の粒子径が0.1μmより小さいと配合組成物の粘度が上昇し塗布がしずらくなるし粒子径が5μmより大きくなるとカードの表面の平滑性に問題が発生するおそれがある。
【0026】
上記接着剤16に対し、成分(D)として、ポリエステル、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の球状有機微粒子を適宜配合して打ち抜きの際の滑り性や固さを調整し、作業性、機械適性を改善することができる。この球状有機微粒子はカッティングの際、物理的に切断面を滑りやすくする効果があるため、形状としては真球状が好ましい。また特に表面エネルギーが高いシリコーン樹脂のような材質が好ましい。球状有機微粒子の配合部数としては接着剤組成物100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、5〜30重量部が特に好ましい。
【0027】
さらに、本発明に用いられる接着剤16には塗布、張り合わせ工程の効率化をはかる上で上記(A)(B)(C)成分の他、可塑剤、接着性付与剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、発泡防止剤、粘性調整剤、充填剤、顔料等の各種添加剤を適宜加えてもよい。
【0028】
上記発泡防止剤としては、発泡防止作用のある物質であれば使用可能であり、特に制限はないが、無機系材料としてはゼオライト(商品名、モレキュラーシーブ3A、4A,5A、ユニオン昭和kk製)、酸化カルシウム、シリカゲル、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは使用前にあらかじめ乾燥処理を行うことが望ましい。また、有機材料としてはシラン系化合物等が挙げられる。使用量は、接着剤組成物100重量部に対して、0.05〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部が更に好ましい。これらの発泡防止剤は2種以上を併用しても良い。
【0029】
上記接着性付与剤としては、シランカップリング剤等が好ましく用いられる。その具体例としては、例えば、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等がヒドロシリル化付加硬化の硬化阻害に影響なく使用できるが、これらに限られるわけではない。
【0030】
上記充填剤としては、特に限定されないが、熱伝導性充填材を用いることができる。熱伝導性充填材は、熱伝導性を付与する必要性のある時に配合されるもので、熱伝導性を付与する物質であればよく、特に制限はないが、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化硼素、水酸化アルミニウム等が使用される。その中でも水酸化アルミニウムは安価であるとともに、低硬度で、摩耗性が低いことから、吐出機による使用にも適している。使用量は、接着剤組成物100重量部に対して、20〜90重量部が好ましく、50〜80重量部が更に好ましい。
【0031】
本発明では2枚のシート材12,12を接着するのに接着剤16の主成分がそれ自身、可とう性を有するラジカル重合体であるためICへの接着剤による力学的ストレスを大幅に低減できる。また硬化剤成分と反応し架橋構造体となるので絶縁性、耐熱性、耐久性、耐候性、耐薬品性にすぐれ、なおかつ硬化後も可とう性を有するためICへの接着剤による力学的ストレスは問題とならない。
【0032】
この炭化水素重合体を主成分とする接着剤はシート材に使用されるPETやABS、ポリカーボネート、塩化ビニル等に接着性が優れているため、それらの基材に従来行われていたコロナ処理のような表面処理やプライマー(AC剤)のコーティングが不要となるため工程が大幅に削減され、製造コストも下げることができる。これらの炭化水素重合体を主成分とする主剤に対し硬化剤及び硬化触媒を混合、反応、硬化させることにより容易で安価なIC搭載積層構造体の製造が可能である。
【0033】
これらのICを搭載した積層構造体製品としては携帯用パーソナルコンピューター、ハードディスクドライブ、電子手帳、携帯電話機、ICカード等への応用が有用である。
【0034】
すなわち本発明のIC搭載積層構造体は、ICユニットを2枚のシートにはさみ封止接着するいわゆるICカードの製造において、シートの反りや歪みが少なく、しかも従来から使用されていたシート材の表面処理やプライマーをまったく必要とせず、カードに打ち抜く際の切断面が平滑でバリの発生が少ないので生産効率向上、コスト削減に大幅に貢献できる。
【0035】
上記した実施の態様においては、上記接着剤16として、上記炭化水素重合体を主成分とする接着剤を用いた場合を説明したが、上記接着剤の代わりにこの種の構造積層体に従来から用いられているエポキシ系、アクリル系またはウレタン系接着剤に上記球状有機微粒子(D)を配合して用いることも可能である。
【0036】
上記した従来から用いられる接着剤組成物に上記球状有機微粒子(D)を配合して用いることにより、カードに打ち抜く際の切断面が平滑でバリの発生が少ないIC搭載積層接着体の製造が可能となり、製品歩留りの向上を図ることができ、また、球状有機微粒子の性状及び添加量を適宜変更することによって、打ち抜き機にてカード型に形成する際の滑り性や固さを調整することができ、作業性、機械適性を改善することができるという利点がある。
【0037】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0038】
(実施例1)
1.第一液、第二液の共通ベース液の調製
表1に示すように、エピオンEP600A(分子中に少なくとも1個以上のアルケニル基を有する液状樹脂の商品名、鐘淵化学工業(株)製)100重量部、ダイアナプロセス油PW380(パラフィン系プロセス油、出光興産(株)製)を100重量部、シーレッツ300(表面処理炭酸カルシウム、丸尾カルシウム(株)製)を100重量部、タルクLMR(日本タルク工業(株)製)を50重量部、ホワイトンSB(重質炭酸カルシウム、白石カルシウム(株)製)を100重量部加え、ダルトン型万能ミキサーで10分間混合攪拌した後、さらにエチルシリケート#28(コルコート(株)製)を1.5重量部加え、同様に10分間混合攪拌した。その後常温で減圧攪拌(真空度10mmHg)しながら2時間混合し、第1液と第2液の共通のベース液を調製した(以下特にことわらない限り部数は重量部とする)。
【0039】
2.第一液の調製
ダイアナプロセス油100部、アルミニウムアセチルアセトネートの50%メタノール溶液を2部と白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液0.3部を加えて混合し白金触媒溶液を作製した。この白金触媒溶液15部を上記共通ベース液300部に加え、窒素気流下にてよく混合した。
【0040】
3.第二液の調製
CR−300(分子中に少なくとも1個以上のヒドロシリル基を有する炭化水素化合物、鐘淵化学工業(株)製)100部にKBM403(シラン化合物、信越化学工業(株)製)10部とKBM503(シラン化合物、信越化学工業(株)製)10部とアリルトリメトキシシランを5部加えて硬化剤溶液を作製した。この硬化剤溶液20部を上記共通ベース液300部に加え、窒素気流下にてよく混合した。
【0041】
(実施例2〜6)
表1に示す化合物による配合割合にした以外は、実施例1と同様の方法で実施例2から実施例6までの第一液、第二液共通のベース液を調製した。各第一液及び第二液は実施例1と同様の手順にて、各ベース液に実施例1と同様の白金触媒及び硬化剤液を加えて調製した。
【0042】
【表1】
Figure 2004030236
注)エピオンEP400A(鐘淵化学工業(株)製)、PAO5010(出光興産(株)製)、スノーライトSS(丸尾カルシウム(株)製)、NN500(日東粉化工業(株)製)、タルクミクロエースL1(日本タルク工業(株)製)、トスパール120(東芝シリコーン(株)製)、マツモトマイクロスフェアーM610(松本油脂製薬(株)製)。
【0043】
(実施例7)
上記実施例1の第一液及び第二液の代わりに、従来のエポキシ系接着剤であるセメダイン#1500(セメダイン(株)製)を用いその主剤及び硬化剤のそれぞれ各100部に対し50部の上記ホワイトンSBと20部のトスパール120を加え上記と同様に攪拌、調製した。
【0044】
(比較例1)
上記実施例に対し比較例として、接着剤として既存の二液型アクリル系接着剤であるセメダインY−600(セメダイン(株)製)を用いた以外は実施例1と同様の条件にて試験した。
【0045】
4.試験方法
上記第一液と第二液からなる二液型硬化性組成物をその混合率を1:1(重量比)として混合しPETフィルムの片面に300ミクロンになるように塗布したのち、もう一方のPETフィルムを重ね合わせてICユニットを封入していないこと以外は図1の構成を有する接着積層構造体を得た。使用したPETフィルムとしてはダイアフォイルW401J(三菱化学ポリエステルフィルム)厚み188ミクロンで表面無処理のものを用いた。但し、実施例7の接着剤組成物に対してはPETフィルムにコロナ放電処理をした市販の上記と同様の厚みのフィルムを使用した。
【0046】
それらの接着積層構造体を常温で1週間放置後JISK6854(接着剤のはくり試験法)に基づいて剥離試験を行った。また上記の条件にて、ICユニットを封入していないこと以外は図1の構成を有する55mm×95mmのカード型試験体を作製し、試験体を90℃の恒温槽に1日放置した後、取り出して試験体の反り、歪み等外観変化を観察した。次に反り等の試験体と同様な試験体を紙用裁断機にて切断し、破断面の平滑さをルーペで観察した。破断面の平滑性の評価は目視で行った。
【0047】
5.結果
結果を表2に示す。表2に示した如く、実施例1〜7の試験体はICカード用に適度な剛性とたわみ性を持ち、良好な破壊状態を示し剥離強度も良好であった。また、実施例1〜6において、接着積層構造体のカードは試験片のそり、歪みなく良好な結果を得た。実施例7では試験片の反りが若干みられた。また、ICカードの構造体として製造作業性に欠かせない試験片の切断適性は球状有機微粒子を添加した実施例4、6及び7では、添加していない実施例1〜3、5及び比較例1に比べ、特に著しく優れた結果を示した。比較例1は、剥離強度が低く、試験片の反りがみられた。
【0048】
【表2】
Figure 2004030236
【0049】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、炭化水素重合体を主成分とする接着剤を用いることにより、2枚のシートの間に接着剤を塗布接着する際に、接着剤が架橋構造体でありながらそれ自身可とう性を有するためシートの間にIC等をはさみこみ、封止接着する場合硬化後もICへの力学的ストレスが少ない。またシートの表面処理をしなくとも良好な接着性を有するためコロナ放電処理、プラズマ処理やアンカーコーティング材等オレフィンシートやPETシートに特有の工程が不要になるため工程改善やコスト低減につなげられる。さらに積層構造体からカード型に打ち抜く際に球状有機微粒子を添加混合することにより滑り性、固さを調節し機械作業性を改善することができる。
【0050】
また、エポキシ系、アクリル系またはウレタン系接着剤に球状有機微粒子を添加混合した接着剤を用いることにより、カードに打ち抜く際の切断面を平滑でバリの発生を少なくし、滑り性、固さを調節し機械作業性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のIC搭載積層構造体の一例を示す断面概略図である。
【符号の説明】
10:IC搭載積層構造体、12:シート材、14:ICユニット、16:接着剤。

Claims (7)

  1. 2枚のシート材の間にICユニットを配設した状態で該2枚のシート材を接着剤によって接着するIC搭載積層構造体において、該接着剤が下記の成分(A)、(B)及び(C)を必須成分とすることを特徴とするIC搭載積層構造体。
    (A)分子中に1個以上のアルケニル基を有する分子量500〜300000の炭化水素重合体
    (B)硬化剤
    (C)硬化触媒
  2. 前記炭化水素重合体(A)がイソブチレン系重合体であることを特徴とする請求項1記載のIC搭載積層構造体。
  3. 前記硬化剤(B)が分子中に少なくとも1個以上のヒドロシリル基を有する炭化水素系化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のIC搭載積層構造体。
  4. 前記硬化触媒(C)が白金金属系錯体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のIC搭載積層構造体。
  5. 前記接着剤に球状有機微粒子(D)をさらに配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のIC搭載積層構造体。
  6. 2枚のシート材の間にICユニットを配設した状態で該2枚のシート材をエポキシ系、アクリル系またはウレタン系接着剤によって接着するIC搭載積層構造体において、該接着剤に球状有機微粒子(D)を配合することを特徴とするIC搭載積層構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のIC搭載積層構造体からなることを特徴とするICカード。
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