JP2004027751A - 車両用自動開閉装置 - Google Patents

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古沢 透
Katsuhiko Kawabata
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Abstract

【課題】クラッチの接続状況を正確かつ迅速に判定することにより、車両用自動開閉装置の作動品質を向上させ、耐久性を向上させる。
【解決手段】車体12に開閉自在に設けられる開閉部材11と、開閉部材11に開閉駆動力を供給する駆動手段25との間に、開閉駆動力を開閉部材11に伝達および遮断するクラッチ23を設ける。駆動手段25からクラッチ23の間には駆動手段25の駆動量を検出する駆動量検出手段78を設ける一方、クラッチ23から開閉部材の間にはクラッチ23を介して駆動される開閉部材11の開閉量を検出する開閉量検出手段82,83を設ける。駆動量と開閉量とに基づきクラッチ23の接続状況を判定する判定手段91を有する。
【選択図】   図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用自動開閉装置に関し、特に、ヒンジを介して車体に取り付けられたバックドア、トランクリッド、エンジンフード、ドア等の開閉に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両に装着される開閉部材としては、ヒンジを支点に揺動させることにより開閉をおこなうバックドア、トランクリッド等や、レールに沿って移動させることにより開閉をおこなうスライドドアがある。
【0003】
たとえば、ワンボックス車には、バックドアを設け車両後方からの荷物の積み下ろし等を容易に行い得るようにしたものが多く見受けられる。通常、このようなバックドアは、車両ルーフの後端部に固定されたヒンジを介して車両に装着され、ヒンジを支点として上下方向に開閉するようになっている。この場合、バックドアは車両上方に大きく跳ね上げられることになるため、跳ね上げ式のバックドアとも呼ばれている。
【0004】
このようなバックドアは、開放時において上方に大きく跳ね上げられることが多く、バックドアの端部と地面との間には大きな間隔が生じていたため、その開閉は困難となっていた。特に、女性や子供にとっては、このようなバックドアを閉じることが大変困難となっていた。
【0005】
そこで、女性や子供でも容易に開閉でき、任意の開放位置で停止できるようにバックドアの開閉装置を搭載した車両も増加している。このような開閉装置としては、特開2001−253241号公報に開示されるように、バックドアを電動で開閉することのできる車両用リフトゲートパワー作動システムが開発されている。このシステムは、チャンネル内に設けられたラックバーを開閉モータによって前後進に駆動させ、ラックバーに設けられたリンクを介してリフトゲート、つまりバックドアを開閉するものである。
【0006】
このように自動的にバックドアを開閉することのできる開閉装置には、自動に代えて手動によるバックドアの開閉を可能とするため、開閉モータとバックドアとの間にクラッチを設けたものもある。クラッチにより開閉モータとバックドアとの間の動力伝達経路を切り離すことができ、手動で開閉する際にも小さな操作力でバックドアの開閉を行うことができる。このようなクラッチとしては摩擦力によって動力を伝達する摩擦クラッチや、歯車の噛み合わせ等によって動力を伝達する噛み合いクラッチなどがある。
【0007】
また、手動によるバックドアの開閉操作を検出すると、クラッチを接続するとともに開閉モータを駆動する開閉装置も開発されており、バックドアの開閉操作を手動操作から自動操作に移行させることで、さらなる利便性の向上が図られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようにクラッチを接続する開閉装置、特に歯車等を噛み合わせることによりクラッチが接続される開閉装置において、クラッチ接続後に開閉モータを駆動させるタイミングは重要な条件となる。つまり、クラッチの接続が完了される前に開閉モータを駆動すると、噛み合いが不十分なためクラッチが損傷したりバックドアの開閉作動が不自然なものとなる。また、クラッチの接続を保証するための遅れ時間を予め設定して開閉モータの駆動を遅らせると、バックドアの開閉作動が不自然なものとなる。
【0009】
本発明の目的は、車両用自動開閉装置におけるクラッチの接続状況を正確かつ迅速に判定することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、車両用自動開閉装置の作動品質を向上させ、耐久性を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用自動開閉装置は、車体に開閉自在に設けられる開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、前記開閉部材に開閉駆動力を供給する駆動手段と、前記駆動手段と前記開閉部材との間に設けられ、前記開閉駆動力を前記開閉部材に伝達および遮断するクラッチと、前記駆動手段から前記クラッチの間に設けられ、前記駆動手段の駆動量を検出する駆動量検出手段と、前記クラッチから前記開閉部材の間に設けられ、前記クラッチを介して駆動される前記開閉部材の開閉量を検出する開閉量検出手段と、前記駆動量と前記開閉量とに基づき前記クラッチの接続状況を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記駆動量検出手段は前記駆動手段の前記駆動量に応じてパルスを発生し、前記開閉量検出手段は前記開閉部材の前記開閉量に応じてパルスを発生することを特徴とする。
【0013】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記クラッチの接続状況は前記駆動量に対して設定される判定量に基づいて判定し、前記開閉量が前記判定量を超えたときに前記クラッチの接続を判定することを特徴とする。
【0014】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記開閉量検出手段に前記開閉部材の開閉速度を増速させて伝達する増速手段を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記クラッチはつめを噛み合わせることにより前記開閉駆動力を伝達する噛み合いクラッチであることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、クラッチの接続状況を正確かつ迅速に判定することができるため、駆動手段を的確に駆動することができる。これにより、クラッチの損傷を回避することができ、車両用自動開閉装置の耐久性を向上させることができる。
【0017】
また、クラッチの接続状況の正確かつ迅速な判定により、開閉部材の開閉動作を滑らかに行うことができ、車両用自動開閉装置の商品性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置を取り付けた車両10の一部を示す側面図であり、図2は図1の車両10のバックドア11を開いた状態を示す側面図である。
【0020】
図1および図2に示すように、車両10を構成する車体12の後端部には、開閉部材つまりバックドア11が装着されている。車体12の上方に設けられる車体ルーフ13の後端部にはヒンジ14が装着されており、このヒンジ14を介してバックドア11は車体12に取り付けられている。バックドア11は、ヒンジ14を支点として、図1に示す全閉状態より、図4に示す全開状態まで開閉自在に装着されている。
【0021】
なお、図示するバックドア11は車体12に対して上下方向に開閉するように装着されているが、これに限らず、ヒンジ14を車体12の後端側部に取り付けて、バックドア11を車体12に対して水平方向に開閉するようにしても良く、ヒンジ14を車体12の後端両側部にそれぞれ取り付け、いわゆる観音開きのバックドア11としても良い。また、バックドア11の開閉範囲も約90度に限らず任意に設定しても良い。
【0022】
図1および図2に示すように、この車両10の車体12とバックドア11との間には、バックドア11を自動的に開閉するためのアクチュエータ15と、バックドア11の開閉動作を補助するガスステー16とが装着されている。アクチュエータ15は車体12の後方を構成するピラー17の内部に装着されており、このアクチュエータ15に設けられる連結ロッド18の一端は、ピラー17に形成されるスリット19より突き出され、バックドア11の内側に揺動自在に装着されている。このように、アクチュエータ15は連結ロッド18を介してバックドア11に連結されている。
【0023】
また、ガスステー16は、シリンダ部20と、シリンダ部20内に摺動自在に設けられるピストンと、ピストンに設けられるピストンロッド21とにより構成されており、シリンダ部20の一端はピラー17の外部に揺動自在に装着され、シリンダ部20の他端から突出するピストンロッド21の先端がバックドア11の内側に揺動自在に装着されている。シリンダ部20とピストンとにより形成されるガス室には高圧ガスが封入されており、バックドア11はピストンロッド21によって開方向に付勢される。なお、図1に示す全閉状態においては、後述するロック機構によってバックドア11が車体12に対して締結され、ガスステー16の付勢力に抗してバックドア11が全閉状態に保持される。
【0024】
以下、バックドア11の開閉を自動的に行うアクチュエータ15について説明する。図3はアクチュエータ15を示す斜視図であり、図4はアクチュエータ15の一部を示す拡大斜視図である。このアクチュエータ15は、バックドア11に向けて開閉駆動力を供給するロッド駆動部22と、ロッド駆動部22内のクラッチ23を作動させるクラッチ駆動部24とにより構成されている。
【0025】
ロッド駆動部22は、駆動手段である開閉モータ25と、開閉モータ25による回転運動を直進運動に変換するスライド機構26とを有しており、開閉モータ25とスライド機構26との間には、複数の歯車によって構成されるクラッチ23が設けられている。なお、クラッチ23は図示しないギヤケースに収容される。
【0026】
開閉モータ25には減速機構27が設けられており、開閉モータ25の駆動力は所望の駆動力に変換されて減速機構27の出力軸28に設けられた入力ピニオンギヤ29からクラッチ23に入力される。クラッチ23は3つの歯車からなり、入力ピニオンギヤ29に噛み合う第1クラッチギヤ31、第1クラッチギヤ31に噛み合う第2クラッチギヤ32、および第2クラッチギヤ32と同軸上に設けられる小径の第3クラッチギヤ33によって構成されている。また、第3クラッチギヤ33にはスライド機構26を構成する出力ピニオンギヤ34が噛み合うように設けられており、開閉モータ25から出力される駆動力は、クラッチ23を介して出力ピニオンギヤ34に伝達されるようになっている。
【0027】
スライド機構26は、図3に示すように、チャンネル35と、このチャンネル35の内部に往復動自在に収容されるラックバー36とを有している。チャンネル35は略コ字状の断面を有するように形成されており、その開放側面には長手方向に延びるスリットが形成されたチャンネルカバー37が装着されている。また、チャンネルカバー37が装着された側面の逆側の側面には、窓部38が長手方向の略中間部に開口するように形成されている。そして、チャンネル35内に収容されるラックバー36はその長さ寸法がチャンネル35の半分程度に形成された四角柱状に形成されており、チャンネル35の窓部38に面するようにラックギヤ39が形成されている。このラックギヤ39と出力ピニオンギヤ34とは常時噛み合うように設定されており、出力ピニオンギヤ34の回転運動がラックバー36の前後進運動に変換されて伝達される。また、ラックバー36の先端部にはチャンネルカバー37のスリットから突き出すように図示しないボールスタッドが設けられており、このボールスタッドには連結ロッド18の一端に設けられる図示しないボールソケットが揺動自在に連結されている。つまり、開閉モータ25からクラッチ23を介して出力ピニオンギヤ34に伝達される駆動力は、ラックバー36において前後進駆動力に変換され、連結ロッド18を介してバックドア11に開閉駆動力として伝達されることになる。
【0028】
一方、クラッチ駆動部24は、クラッチ23を作動させるための作動力を発生するクラッチモータ40と、クラッチ23を揺動させる揺動レバー41とを有しており、クラッチモータ40の回転運動を揺動レバー41の揺動運動に変換する変換レバー42が、図示しないリンク機構とともにクラッチモータ40と揺動レバー41との間に設けられている。図5のクラッチ23作動説明図に示すように、揺動レバー41はクラッチギヤ31〜33の回転軸43,44を支持しており、出力ピニオンギヤ34の回転軸45を中心として図5(A)に示す接続位置と図5(B)とに示す切断位置との間を揺動するように構成されている。図5(A)に示すように揺動レバー41が接続位置に作動すると、入力ピニオンギヤ29と出力ピニオンギヤ34とがクラッチギヤ31〜33を介して連結され、開閉モータ25の駆動力はラックバー36に伝達されるクラッチ接続状態となる一方、図5(B)に示すように揺動レバー41が切断位置に作動すると、入力ピニオンギヤ29と第1クラッチギヤ31との噛み合いが解消され、開閉モータ25の駆動力はラックバー36に伝達されないクラッチ切断状態となる。このように、クラッチ23は入力ピニオンギヤ29と第1クラッチギヤ31とのつめである歯29a,31aが噛み合うことによって駆動力を伝達する噛み合いクラッチとなっている。
【0029】
なお、揺動レバー41は出力ピニオンギヤ34の回転軸45を中心として揺動し、クラッチギヤ31〜33も揺動レバー41と一体に揺動するため、第1クラッチギヤ31から出力ピニオンギヤ34にかけては常に噛み合うようになっている。また、噛み合い時に第1クラッチギヤ31は自転しながら入力ピニオンギヤ29に噛み合うため、入力ピニオンギヤ29と同期を図ることができ、噛み合い時の衝撃を軽減することができる。
【0030】
このようなクラッチ23の作動によって、開閉モータ25からの駆動力をバックドア11に選択的に伝達することができるため、自動的にバックドア11を開閉することができるとともに、手動でバックドア11を操作するときには、開閉モータ25とバックドア11とを切り離すことによって開閉時の操作力を軽減することができる。
【0031】
図6は開閉モータ25と減速機構27とを示す断面図である。図6に示すように、開閉モータ25は底付き円筒状のモータハウジング51と、このモータハウジング51に連設されるギヤハウジング52とを有しており、減速機構27はギヤハウジング52内に配置されている。このモータハウジング51とギヤハウジング52とは図示しない締結部材によって連結される。
【0032】
モータハウジング51の内周面には、互いに異なる磁極を向かい合わせて配置された2つの磁石53,54が設けられており、モータハウジング51の内部に磁界を形成するようになっている。また、モータハウジング51の内部に、この磁界内に位置するようにアマチュア55が設けられており、アマチュア55の回転軸56は、モータハウジング51の底部とギヤハウジング52とにそれぞれ設けられた3つの軸受57,58a,58bによって回転自在に支持されている。
【0033】
アマチュア55は軸方向に向けて複数のスロット59が形成されたアマチュアコア60を有しており、スロット59にはそれぞれ絶縁された銅線が巻き付けられてアマチュアコイル61が形成される。また、アマチュアコイル61とアマチュアコア60の間は絶縁膜により絶縁が施される。
【0034】
アマチュア55の回転軸56には、アマチュアコア60に隣接してコミュテータ62が固定されている。コミュテータ62は回転軸56に固定される樹脂製の胴部63と、この胴部63の外周に互いに絶縁され配列される複数の整流子片64とにより構成されており、それぞれの整流子片64にはアマチュアコイル61が接続されている。整流子片64の一端にはフック状の接続部65が形成されており、この接続部65はアマチュアコイル61を絡めた状態で環状に固定される。
【0035】
ギヤハウジング52の内部には、樹脂製のホルダ支持部材66が図示しない締結部材によって装着されている。ホルダ支持部材66の内周面には箱型のブラシホルダ67が装着されており、このブラシホルダ67は径方向内方に向けて開口するようになっている。ブラシホルダ67には直方体のブラシ68が圧縮コイルばね69とともに収容されており、圧縮コイルばね69により付勢され開口部より突出するブラシ68は、回転軸56に設けられる整流子片64に垂直に接触する。ブラシ68には導電線70が設けられており、導電線70を介してブラシ68に電流が供給されるようになっている。また、ホルダ支持部材66にはコミュテータ62を介してブラシ68に対面するように、図示しないブラシが同様の構造によって設けられる。これらのブラシ68に対する電流の向きや電圧値を制御することにより、回転軸56の回転方向や回転速度を制御することができる。
【0036】
開閉モータ25から突出してギヤハウジング52に収容される回転軸56の一端にはウォーム71が形成されている。このウォーム71に噛み合うようにギヤハウジング52内にはウォームホイール72が回転自在に設けられており、開閉モータ25によるウォームホイール72の回転駆動は、ウォームホイール72を支持する出力軸28を介して入力ピニオンギヤ29から出力される。なお、ウォーム71とウォームホイール72との噛み合いによって、回転軸56には軸方向に推力が加えられるが、ギヤハウジング52にはスリーブ状のゴムクッション73と、ゴムクッション73に嵌合するスペーサ74とが設けられており、回転軸56が軸方向に移動されてもスペーサ74に接触することによって推力が吸収される。また、回転軸56の他端にはスチールボール75が回転自在に設けられ、これに接触するようにモータハウジング51にはスラストプレート76が設けられている。これにより、回転軸56がモータハウジング51側に付勢されても、回転軸56の回転抵抗を増加させることなく軸方向の移動は規制される。
【0037】
また、開閉モータ25の駆動量つまり回転軸56の回転位置や回転速度を検出するため、回転軸56には2極に着磁された環状の磁石77が取り付けられており、駆動量検出手段としてのホールIC78が、磁石77に近接するようにホルダ支持部材66に装着される基板79上に配置されている。このホールIC78は磁石77が回転して磁界が変化する度にパルス信号を出力する。従って、回転軸56が1回転するとホールIC78からは1周期分のパルス信号が出力される。なお、ホールICとは磁界の変化を電圧に変換するセンサである。
【0038】
さらに、図4に示すように、クラッチ23を介して入力ピニオンギヤ29と噛み合う出力ピニオンギヤ34には、バックドア11の開閉量つまりバックドア11の開閉位置、開閉方向および開閉速度を検出するため、増速手段である増速機構80を介して6極に着磁された環状の多極着磁磁石81が取り付けられており、開閉量検出手段として2つのホールIC82,83が、多極着磁磁石81に近接するように図示しないクラッチ23を収容するギヤケース内の基板84に設けられている。このホールIC82,83は多極着磁磁石81が回転して磁界が変化する度にパルス信号を出力する。従って、回転軸85が1回転するとそれぞれのホールIC82,83からは3周期分のパルス信号が出力される。また、2つのホールIC82,83を用いることによって回転位置や回転速度だけでなく位相のずれから回転方向も検出することができる。
【0039】
また、増速機構80は出力ピニオンギヤ34の同軸上に設けられる駆動ギヤ86と、これに噛み合う歯数の少ない従動ギヤ87とからなり、従動ギヤ87には多極着磁磁石81を保持する回転板88が設けられている。これにより開閉モータ25の回転軸56から各種ギヤを介して減速されて出力ピニオンギヤ34に伝達される回転つまりバックドア11の開閉速度は、再び増速されて回転板88に伝達されるため、バックドア11の開閉量の検出精度を向上させることができる。
【0040】
図7は車両用自動開閉装置の制御システムを示す概略図である。運転者は、図7に示す開閉スイッチ90を操作することにより開閉方向を選択してバックドア11を開閉作動させる。制御ユニットであるECU91は、開閉スイッチ90の操作信号に基づき、開閉モータ25やクラッチモータ40に向けて駆動信号を出力する。
【0041】
判定手段として機能するECU91にはCPUが設けられ、CPUはバスラインを介してI/Oポート、ROMおよびRAMに接続され、CPUはI/Oポートを介してECU91内の回路に接続されている。なお、ROMには制御プログラムおよび各種制御用データが記憶されており、RAMにはCPUで演算処理したデータや、開閉モータ25、クラッチモータ40、後述するロックモータ92およびリリースモータ93への出力信号が格納されている。ECU91はROMに記憶される制御プログラムに従い、CPUを用いて開閉モータ25、クラッチモータ40、ロックモータ92およびリリースモータ93の制御を実行する。
【0042】
以下、図7に示す概略図に基づいてバックドア11の開閉動作について説明する。バックドア11の全閉状態において開閉スイッチ90が開方向に操作されると、この操作信号に基づいてECU91からリリースモータ93に駆動信号が出力され、ロック機構94が解除作動を行い車体12とバックドア11の締結は解除される。次いで、クラッチモータ40に駆動信号が出力されるとともに、開閉モータ25にも駆動信号が出力される。クラッチモータ40はクラッチ23を接続位置に向けて作動させ、開閉モータ25は所定の回転数で駆動される。このとき、アマチュア55の回転軸56の回転数を検出するホールIC78から所定のパルス信号がECU91に入力される一方、出力ピニオンギヤ34に増速機構80を介して設けられるホールIC82,83からはクラッチ23の係合状況に応じたパルス信号がECU91に入力される。つまり、クラッチ23の切断状態においてホールIC82,83からパルス信号は出力されず、クラッチ23の半接続状態つまり半クラッチ状態を経て接続状態までパルス信号は増加されながらECU91に出力される。
【0043】
ここで、ECU91内では開閉モータ25の駆動量に対する判定量が設定されており、この判定量とバックドア11の開閉量とを比較することによってクラッチ23の接続状況が判定される。まず、開閉モータ25の駆動量、つまり所定時間の間にホールIC78から入力され積算されるパルス信号に基づいて、開閉モータ25の駆動状況に応じた判定量が設定される。そして、バックドア11の開閉量、つまり所定時間の間にホールIC82,83から入力され積算されるパルス信号が判定量を超えるときには、クラッチ23が接続され開閉モータ25によってバックドア11が駆動されていると判定される。なお、このときの開閉モータ25の駆動力は、半クラッチ状態であっても第1クラッチギヤ31と入力ピニオンギヤ29とを損傷することのない駆動力に設定されている。
【0044】
このようにクラッチ23の接続が判定されると、開閉モータ25の駆動力は上げられ所定の開閉速度でバックドア11は開かれる。このため、クラッチ23の噛み合いが不十分な状態で開閉モータ25が出力を上げて駆動されることはなく、クラッチ23の損傷を回避することができ、アクチュエータ15の耐久性を向上させることができる。また、クラッチ23が接続状態になると直ちに開閉モータ25の出力を上げることができるため、アクチュエータ15の初動時にも滑らかな開閉動作を行うことができ、車両10の商品性を向上させることができる。
【0045】
そして、開閉モータ25によって全開状態までバックドア11が開かれたことが、ホールIC82,83からの開閉量によって判定されると、ECU91から開閉モータ25への駆動信号が停止され、バックドア11は全開位置で停止する。
【0046】
また、全開状態から全閉状態まで開閉モータ25によってバックドア11が閉じられるときには、前述と同様の手順でクラッチ23の接続が判定され、バックドア11が自動的に閉じられるとともに、全閉位置ではドア締結モータに駆動信号が出力され、バックドア11は全閉位置に保持される。
【0047】
次いで、手動による開閉操作から自動的な開閉操作に移行する手順について説明する。たとえば、運転者が車外に出ており開閉スイッチ90を操作できないときなどには次のようにアクチュエータ15は駆動される。全閉状態からバックドア11を開く際には、まず、バックドア11に設けられた図示しないスイッチが操作されロック機構94が解除される。手動によってバックドア11を開き始めると、ラックバー36を介して出力ピニオンギヤ34は回転されるため、ホールIC82,83よりパルス信号がECU91に出力される。このパルス信号に基づいてECU91は手動による開閉操作が開始されたと判定し、ECU91からクラッチモータ40および開閉モータ25に駆動信号が出力される。開閉モータ25が所定の出力で駆動され、駆動量つまりホールIC78からのパルス信号がECU91に入力されると、ECU91内では駆動量に対する判定量が設定される。そして、クラッチ23の接続が進み、開閉量つまりホールIC82,83からのパルス信号が判定量を超えると、クラッチ23が接続されたと判定され、開閉モータ25の駆動力が上げられる。そして、バックドア11が全閉状態まで閉じられると、開閉モータ25への駆動信号は停止され、ロックモータ92の作動によりロック機構94が車体12とバックドア11の締結作動を行う。
【0048】
このように、バックドア11の開閉操作を手動から自動に移行させる際にも、正確かつ迅速にクラッチ23の接続を判定することによって、クラッチ23の損傷を回避することができ、手動から自動に移行させる際にも滑らかにバックドア11を作動させることができる。
【0049】
また、全開状態から全閉状態まで開閉モータ25によってバックドア11を閉じる際にも、前述の手順でクラッチ23の係合状態が判定され、バックドア11の開閉操作が手動から自動に移行するとともに、全閉位置ではドア締結モータに駆動信号が出力され、バックドア11は全閉位置に保持される。
【0050】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、開閉部材は車体12の後端部に装着されたバックドア11としているが、これに限らず、ドア、トランクリッド、エンジンフード、サンルーフ等、車体12に開閉自在に装着されているものであれば他の開閉部材であっても良い。
【0051】
また、開閉モータ25の回転運動を出力ピニオンギヤ34とラックバー36とによって前後進運動に変換しているが、これに限らず、ねじ軸とボールナットを用いて前後進運動に変換するようにしても良い。
【0052】
また、クラッチ23は歯車の噛み合いによって駆動力を伝達する噛み合いクラッチに限られず、摩擦力によって動力を伝達する摩擦クラッチを用いるようにしても良い。
【0053】
また、駆動量、開閉量および判定量を用いてクラッチ23の接続を判定するだけでなく、クラッチ23の切断を判定するようにしても良い。また、判定量は駆動量に応じて演算によって設定しても良く、複数の判定量を予め設定してROMに記憶させることで適宜用いるようにしても良い。
【0054】
さらに、駆動量検出手段としてのホールIC78によってアマチュア55の回転軸56の回転を検出するだけでなく、出力軸28や入力ピニオンギヤ29の回転を検出するようにしても良い。また、開閉量検出手段としてのホールIC82,83によって出力ピニオンギヤ34からの回転を検出するだけでなく、各クラッチギヤ31〜33の回転や、ラックバー36、連結ロッド18、バックドア11の移動量を検出するようにしても良い。また、開閉量検出手段として1つのホールICを用いても本発明を実施することができる。さらに、駆動量検出手段および開閉量検出手段としては、ホールIC78,82,83に限られず、ロータリーエンコーダやレゾルバを用いても良い。
【0055】
なお、本実施の形態において、アクチュエータ15とガスステー16を用いてバックドア11の開閉を行っているが、アクチュエータ15のみを用いてバックドア11の開閉を行うようにしても良い。また、アクチュエータ15を車体12の左右に配置し、2つのアクチュエータ15を用いてバックドア11を開閉しても良い。さらに、バックドア11を開く際にはガスステー16のみの付勢力を用いて開いても良く、この際にはクラッチ23を切断することで可能となる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、クラッチの接続状況を正確かつ迅速に判定することができるため、駆動手段を的確に駆動することができる。これにより、クラッチの損傷を回避することができ、車両用自動開閉装置の耐久性を向上させることができる。
【0057】
また、クラッチの接続状況の正確かつ迅速な判定により、開閉部材の開閉動作を滑らかに行うことができ、車両用自動開閉装置の商品性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置を取り付けた車両の一部を示
す側面図である。
【図2】
図1の車両のバックドアを開いた状態を示す側面図である。
【図3】
アクチュエータを示す斜視図である。
【図4】
図3のアクチュエータの一部を示す拡大斜視図である。
【図5】
クラッチの作動状態を示す説明図であり、(A)はクラッチが接続される状態
を示し、(B)はクラッチが切断される状態を示す。
【図6】
開閉モータと減速機構とを示す断面図である。
【図7】
本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置の制御システムを示す概略図である。
【符号の説明】
10  車両
11  バックドア(開閉部材)
12  車体
13  車体ルーフ
14  ヒンジ
15  アクチュエータ
16  ガスステー
17  ピラー
18  連結ロッド
19  スリット
20  シリンダ部
21  ピストンロッド
22  ロッド駆動部
23  クラッチ(噛み合いクラッチ)
24  クラッチ駆動部
25  開閉モータ(駆動手段)
26  スライド機構
27  減速機構
28  出力軸
29  入力ピニオンギヤ
29a 歯(つめ)
31  第1クラッチギヤ
31a 歯(つめ)
32  第2クラッチギヤ
33  第3クラッチギヤ
34  出力ピニオンギヤ
35  チャンネル
36  ラックバー
37  チャンネルカバー
38  窓部
39  ラックギヤ
40  クラッチモータ
41  揺動レバー
42  変換レバー
43,44,45  回転軸
51  モータハウジング
52  ギヤハウジング
53,54  磁石
55  アマチュア
56  回転軸
57,58a,58b  軸受
59  スロット
60  アマチュアコア
61  アマチュアコイル
62  コミュテータ
63  胴部
64  整流子片
65  接続部
66  ホルダ支持部材
67  ブラシホルダ
68  ブラシ
69  圧縮コイルばね
70  導電線
71  ウォーム
72  ウォームホイール
73  ゴムクッション
74  スペーサ
75  スチールボール
76  スラストプレート
77  磁石
78  ホールIC(駆動量検出手段)
79  基板
80  増速機構(増速手段)
81  多極着磁磁石
82,83  ホールIC(開閉量検出手段)
84  基板
85  回転軸
86  駆動ギヤ
87  従動ギヤ
88  回転板
90  開閉スイッチ
91  ECU(判定手段)
92  ロックモータ
93  リリースモータ
94  ロック機構

Claims (5)

  1. 車体に開閉自在に設けられる開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
    前記開閉部材に開閉駆動力を供給する駆動手段と、
    前記駆動手段と前記開閉部材との間に設けられ、前記開閉駆動力を前記開閉部材に伝達および遮断するクラッチと、
    前記駆動手段から前記クラッチの間に設けられ、前記駆動手段の駆動量を検出する駆動量検出手段と、
    前記クラッチから前記開閉部材の間に設けられ、前記クラッチを介して駆動される前記開閉部材の開閉量を検出する開閉量検出手段と、
    前記駆動量と前記開閉量とに基づき前記クラッチの接続状況を判定する判定手段とを有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  2. 請求項1記載の車両用自動開閉装置において、前記駆動量検出手段は前記駆動手段の前記駆動量に応じてパルスを発生し、前記開閉量検出手段は前記開閉部材の前記開閉量に応じてパルスを発生することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  3. 請求項1または2記載の車両用自動開閉装置において、前記クラッチの接続状況は前記駆動量に対して設定される判定量に基づいて判定し、前記開閉量が前記判定量を超えたときに前記クラッチの接続を判定することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、前記開閉量検出手段に前記開閉部材の開閉速度を増速させて伝達する増速手段を有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、前記クラッチはつめを噛み合わせることにより前記開閉駆動力を伝達する噛み合いクラッチであることを特徴とする車両用自動開閉装置。
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