JP2004027401A - 紙用低密度化剤及び低密度紙の製造方法 - Google Patents

紙用低密度化剤及び低密度紙の製造方法 Download PDF

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本谷 弓子
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Abstract

【課題】低起泡性で使いやすく、サイズ度の低下が少なく、低密度性、不透明度、白色度に優れ、含水伸度の小さい低密度紙を製造することができる紙用低密度化剤及び低密度紙の製造方法を提供する。
【解決手段】一般式[1]で表される化合物を含有することを特徴とする紙用低密度化剤、及び、一般式[1]で表される化合物を製紙工程に添加することを特徴とする低密度紙の製造方法。ただし、式中、Rは、炭素数8〜36のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Rは、炭素数7〜35のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、1〜40である。
【化1】
Figure 2004027401

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙用低密度化剤及び低密度紙の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、低起泡性で使いやすく、サイズ度の低下が少なく、低密度性、不透明度、白色度に優れ、含水伸度の小さい低密度紙を製造することができる紙用低密度化剤及び低密度紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パルプ資源の不足、パルプ価格の高騰、地球環境保護の必要性などによって、パルプの使用量をできるだけ抑えるために、紙製品の坪量を下げる努力がなされている。新聞用紙、印刷用紙、記録用紙、包装用紙、壁紙、襖用原紙、裏打ち紙などの紙製品の坪量を低減することにより、コスト低減はもちろん、森林資源の確保など、地球環境問題の解決に大きな効果をもたらすと考えられる。
また、一方では、印刷適正やボリューム感のある高品質の紙が求められており、紙の嵩を高くした密度の低い紙が要望されている。従来より、紙の密度を低くする方法として、架橋パルプを用いる方法や、合成繊維との混抄による方法、パルプ繊維に無機物を充填する方法などが行われている。しかし、架橋パルプを用いる方法や、合成繊維との混抄による方法では、紙のリサイクルが難しくなり、コスト的にも高くなる。また、無機物の充填による方法では、紙の強度を著しく低下させるという欠点がある。
最近になって、抄紙時に有機化合物を添加することにより、密度を低くする薬品が開発されている。例えば、特開平11−200284号公報には、高級脂肪酸のアルキレンオキシド付加物を含有する紙用嵩高剤が提案され、特再WO98/03730号公報には、高級アルコールのアルキレンオキシド付加物を含有する紙用嵩高剤が提案されている。しかし、高級脂肪酸や高級アルコールのアルキレンオキシド付加物などの非イオン活性剤は、分子内に親水性の高いポリエーテル基が存在するために、紙のサイズ度を著しく低下させる。さらに、これらの化合物は起泡性が高いために、しばしば泡による浮き種や、紙のピンホールなどのトラブルを生ずる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低起泡性で使いやすく、サイズ度の低下が少なく、低密度性、不透明度、白色度に優れ、含水伸度の小さい低密度紙を製造することができる紙用低密度化剤及び低密度紙の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、両末端に長鎖のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルの脂肪酸エステルを製紙工程に添加することにより、工程での起泡性の問題を生ずることなく、サイズ度の低下が少なく、不透明度、白色度に優れ、含水伸度の低い低密度紙が得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)一般式[1]で表される化合物を含有することを特徴とする紙用低密度化剤、
【化3】
Figure 2004027401
(ただし、式中、Rは、炭素数8〜36のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Rは、炭素数7〜35のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、1〜40である。)、及び、
(2)一般式[1]で表される化合物を製紙工程に添加することを特徴とする低密度紙の製造方法、
【化4】
Figure 2004027401
(ただし、式中、Rは、炭素数8〜36のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Rは、炭素数7〜35のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、1〜40である。)、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の紙用低密度化剤は、一般式[1]で表される化合物を含有する。本発明の低密度紙の製造方法においては、一般式[1]で表される化合物を製紙工程に添加する。
【化5】
Figure 2004027401
ただし、一般式[1]において、Rは、炭素数8〜36のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Rは、炭素数7〜35のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、1〜40である。
一般式[1]において、Rは炭素数8〜36、より好ましくは炭素数12〜24のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基である。Rの炭素数が7以下であると、得られる紙の密度が十分に低下せず、サイズ度の低下が極めて高くなるおそれがある。Rの炭素数が37以上であると、紙用低密度化剤の取り扱いが困難になるおそれがある。
一般式[1]において、Rで表される炭素数8〜36のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。このようなアルキル基としては、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、イコシル基、ドコシル基などを挙げることができる。ヒドロキシアルキル基としては、例えば、10−ヒドロキシオクタデシル基などを挙げることができる。アルケニル基としては、例えば、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基、ドコセニル基などを挙げることができる。ヒドロキシアルケニル基としては、例えば、12−ヒドロキシ−9−オクタデセニル基などを挙げることができる。
【0006】
一般式[1]において、Rは炭素数7〜35、より好ましくは炭素数11〜23のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基である。Rの炭素数が6以下であると、得られる紙の密度が十分に低下せず、起泡性が高くなり、サイズ度の低下が極めて高くなるおそれがある。Rの炭素数が36以上であると、紙用低密度化剤の取り扱いが困難になるおそれがある。
一般式[1]において、Rで表される炭素数7〜35のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。このようなアルキル基としては、例えば、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、ウンデシル基、トリデシル基、ヘプタデシル基、ノナデシル基、ヘンイコシル基などを挙げることができる。ヒドロキシアルキル基としては、例えば、9−ヒドロキシヘプタデシル基などを挙げることができる。アルケニル基としては、例えば、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、ウンデセニル基、トリデセニル基、ペンタデセニル基、ヘプタデセニル基、ノナデセニル基、ヘンイコセニル基などを挙げることができる。ヒドロキシアルケニル基としては、例えば、11−ヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基などを挙げることができる。
【0007】
一般式[1]において、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、エチルエチレン基、テトラメチレン基などを挙げることができる。一般式[1]において、nは、1〜40であり、より好ましくは2〜20である。nが40を超えると、サイズ度の低下が極めて高くなるおそれがある。nが20以下であると、サイズ度の低下が少なくなる。
構造(AO)nにおいて、アルキレンオキシ基は1種の単独重合体構造することができ、2種以上の共重合体構造とすることもできる。また、共重合体構造は、ランダム共重合体構造、ブロック共重合体構造、ランダム構造とブロック構造の入り混じった共重合体構造のいずれともすることができる。一般式[1]において、(AO)n構造のアルキレンオキシ基の種類、モル数、組み合わせを適宜選択することにより、低起泡性で水に容易に溶解又は分散し、取り扱いやすい低密度化剤を得ることができる。
従来の高級脂肪酸や高級アルコールのアルキレンオキシド付加物などの非イオン活性剤は、分子内に親水性の高いポリエーテル基が存在するために、紙用低密度化剤として使用すると、紙のサイズ度を著しく低下させる。本発明の紙用低密度化剤は、両末端に長鎖の疎水基が存在する一般式[1]で表される化合物を含有するので、紙のサイズ度の低下を抑えることができる。さらに、一般式[1]で表される化合物は、両末端に炭素数の多い疎水基が2つ存在することにより、界面活性剤としての配向性が悪くなり、起泡性が低くなる。
【0008】
本発明に用いる一般式[1]で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、例えば、高級アルコールなどを出発原料にして、アルカリや酸などの触媒を用いてアルキレンオキシドを付加することによって中間体を得る。この中間体に、酸やアルカリなどの触媒を用いて、脂肪酸との脱水反応、脂肪酸クロライドによる脱塩化水素反応、低級アルコール脂肪酸エステルとのエステル交換反応などによって製造することができる。
一般式[1]で表される化合物の出発物質である高級アルコールは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。一般式[1]で表される化合物の製造に使用するアルコールとしては、炭素数8〜36のアルコールを挙げることができる。このようなアルコールとしては、例えば、オクチルアルコール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、12−ヒドロキシステアリルアルコール、ダイマージオールその他の合成アルコールなどを挙げることができる。
一般式[1]で表される化合物の製造において、脂肪酸又はその誘導体は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。一般式[1]で表される化合物の製造に用いる炭素数8〜36の脂肪酸の構造に特に制限はなく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖状脂肪酸、分岐を有する脂肪酸、ヒドロキシル基を有する脂肪酸など、いずれの脂肪酸も用いることができる。このような脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、脂肪酸を複量化したダイマー酸、トール油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ヤシ脂肪酸、ひま脂肪酸やそれらの硬化脂肪酸などを挙げることができる。
【0009】
本発明方法において、一般式[1]で表される化合物を添加する製紙工程に特に制限はなく、例えば、離解工程、叩解工程、薬品などを配合する調成工程、抄紙前などを挙げることができる。また、古紙などの場合は、再生処理工程などを挙げることができる。一般式[1]で表される化合物の添加方法に特に制限はなく、例えば、そのまま添加することができ、あるいは、微量の界面活性剤、水、溶剤などを配合して水又は熱水に自己乳化するように製剤化したのち添加することもでき、さらに、水、溶剤などに溶解、分散又は乳化して添加することもできる。
本発明方法においては、紙料に他の薬品を添加することができる。他の薬品としては、例えば、湿潤紙力剤、乾燥紙力剤、澱粉、ポリビニルアルコールなどの紙力剤、ドライヤー剥離剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤、脱墨剤、サイズ剤、紙質改良剤、填料、顔料、染料、消泡剤などを挙げることができる。
本発明方法により低密度化させる紙は、植物繊維及び/又はその他の繊維をからみ合わせ膠着することによって得られる薄層物である。使用するパルプなどの原料に特に制限はなく、例えば、広葉樹、針葉樹などから得られる木材パルプ、バガス、ケナフ、竹パルプなどの植物繊維、レーヨン、ポリエステルなどの合成高分子繊維、繊維状無機材料などを挙げることができる。本発明方法は、また、パルプモールドなどの繊維材料にも適用することができる。
本発明方法により製造する低密度紙に特に制限はなく、例えば、新聞用紙、印刷用紙、記録用紙、包装用紙、板紙、ライナー、中芯などのダンボール用紙、壁紙、襖紙原紙やその裏打ち紙などを挙げることができる。紙を低密度化することにより、めくりやすさ、印刷適性、ボリューム感、風合い、手触りなどの柔軟性、紙の割れ防止性、層間剥離のしやすさ、吸水性、吸油性、吸樹脂性、不透明性などを改良し、コストを低減することができる。
本発明の紙用低密度化剤及び低密度紙の製造方法によれば、起泡による問題がなく、サイズ度の低下が少なく、紙を低密度化し得るのみならず、紙の不透明性と白色度を向上させ、紙の含水伸度を低下させることができる。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、試験紙は下記の方法により評価した。
(1)密度
JIS P 8118にしたがって測定する。
(2)不透明度
JIS P 8138にしたがい、Colorimeter[(株)村上色彩技術研究所、CM−53D]を用いて測定する。
(3)白色度
JIS P 8123にしたたがって測定する。
(4)サイズ度
JIS P 8122にしたがって測定する。
(5)含水伸度
JIS P 8111にしたがって前処理した試験紙に、鉛筆で長さ150mmの実線を5ヶ所に画き、20℃の水に15分浸漬した後の実線の長さを測定し、含水伸度の平均値を算出する。
(6)起泡性
実施例又は比較例で用いる化合物の0.01重量%分散液又は溶液を、1Lのメスシリンダーに200mL入れ、温度を40℃に調節し、エアポンプによりガラスボールフィルターを通して空気を1L/分で吹き込み、吹き込みを始めてから1分後、2分後、3分後における泡の高さを測定する。また、空気を3分吹き込んだのち停止し、その1分後の泡の高さを測定する。
【0011】
実施例1
耐圧反応容器に、オレイルアルコール268g(1モル)及び触媒として水酸化ナトリウム1.0gを仕込み、内部を窒素ガスで置換し、130℃に昇温し、プロピレンオキシド232g(4モル)を反応温度140〜150℃、圧力392kPa以下を保ちながら、約2時間で耐圧反応容器に吹き込み、次いでエチレンオキシド176g(4モル)を反応温度140〜150℃、圧力392kPa以下を保ちながら、約3時間で耐圧反応容器に吹き込んだ。リン酸で触媒を中和し、真空脱水を行い、析出した結晶をろ別して、オレイルアルコールのプロピレンオキシド4モル・エチレンオキシド4モルブロック付加物676gを得た。
オレイルアルコールのプロピレンオキシド4モル・エチレンオキシド4モルブロック付加物338g(0.5モル)、ステアリン酸142g(0.5モル)及び触媒としてパラトルエンスルホン酸0.5gを4つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、温度180〜240℃にて約5時間脱水エステル化反応を行い、オレイルアルコールのプロピレンオキシド4モル・エチレンオキシド4モルブロック付加物のステアリン酸エステル化物を得た。
広葉樹晒しクラフトパルプと針葉樹晒しクラフトパルプを重量比70/30に配合し、カナダ標準型ろ水度420mLに叩解してパルプスラリーを調製した。このパルプスラリーをケミスターラーを用いて攪拌しながら、上記のオレイルアルコールのプロピレンオキシド4モル・エチレンオキシド4モルブロック付加物のステアリン酸エステル化物を水に乳化分散した分散液を、該ステアリン酸エステル化物がパルプに対して0.2重量%になるように添加し、5分後に乾燥紙力剤[ハリマ化成(株)、ハーマイドC−10、アニオン性]をパルプに対して0.4重量%添加し、その5分後に硫酸バンドを用いてpHを4.5に調整し、さらにその5分後にエマルジョンサイズ剤[日本PMC(株)、AL−120F]をパルプに対して1重量%添加した。その後10分間攪拌を継続して、紙料の調成を終了した。
この紙料を、試験用角型シートマシンを用いて坪量80g/mに抄紙し、プレス機を用いて700kPaで5分プレス処理を行い、さらに試験用のヤンキードライヤーを用いて105℃で3分乾燥し、試験紙を得た。
得られた試験紙は、密度0.583g/cm、不透明度85.6%、白色度78.6、サイズ度28秒、含水伸度1.07%であった。
また、上記のオレイルアルコールのプロピレンオキシド4モル・エチレンオキシド4モルブロック付加物のステアリン酸エステル化物の0.01重量%水分散液について、エア瀑気法により起泡性試験を行った結果、泡の高さはエア吹き込み開始1分後30mm、2分後30mm、3分後40mmであり、停止1分後0mmであった。
実施例2〜10
第1表に示す高級アルコール、アルキレンオキシド及び脂肪酸を用い、実施例1と同様にして一般式[1]で表される化合物を合成し、実施例1と同様にして試験紙を作製して評価するとともに、該化合物について起泡性試験を行った。
ただし、実施例10で得られた化合物は、単独では水に分散しないので、実施例2で得られた化合物10重量部と実施例10で得られた化合物100重量部を混合して予備乳化し、さらにホモジナイザーを用いて圧力300kPaで1パスして分散液とし、試験紙の作製と起泡性試験を行った。
【0012】
比較例1
低密度化剤を添加することなく、実施例1と同様にして試験紙を作製し、評価を行った。また、低密度化剤を添加しない水について、起泡性試験を行った。
比較例2
ステアリン酸ナトリウムを水に乳化分散した分散液を低密度化剤として用い、添加量がパルプに対して0.2重量%になるように添加し、実施例1と同様にして試験紙を作製して評価を行うとともに、ステアリン酸ナトリウムについて起泡性試験を行った。
比較例3〜8
第2表に示す低密度化剤を用い、実施例1と同様にして試験紙を作製して評価を行うとともに、該低密度化剤について起泡性試験を行った。
ただし、比較例6で用いた低密度化剤ラウリン酸メチルは、単独では水に分散しないので、ラウリルアルコールのエチレンオキシド10モル・プロピレンオキシド7モルランダム付加物10重量部とラウリン酸メチル100重量部を混合して予備乳化し、さらにホモジナイザーを用いて圧力300kPaで1パスして分散液とし、試験紙の作製と起泡性試験を行った。
実施例1〜10で合成し、試験した低密度化剤の原料組成を第1表に、比較例1〜8で用いた低密度化剤を第2表に、実施例1〜10及び比較例1〜8の結果を第3表に示す。
【0013】
【表1】
Figure 2004027401
【0014】
【表2】
Figure 2004027401
【0015】
【表3】
Figure 2004027401
【0016】
第3表に見られるように、本発明の紙用低密度化剤を用いて本発明方法により作製した実施例1〜10の試験紙は、密度0.581〜0.589g/cm、不透明度85.4〜85.9%、白色度78.3〜78.8、サイズ度21〜35秒、含水伸度1.07〜1.09%であり、低密度紙として優れた性能を有している。また、起泡性試験における泡の高さは、低密度化剤を添加しない水について測定した比較例1と同じか、あるいは、わずかに高いだけであり、優れた低起泡性を有している。
これに対して、従来の低密度化剤を用いて作製した比較例2〜8の試験紙は、密度0.591〜0.612g/cm、不透明度84.4〜85.1%、白色度77.7〜78.2、サイズ度0〜46秒、含水伸度1.11〜1.19%であり、実施例において得られた低密度紙より全般に性能が劣り、特にサイズ度の低下が著しい。また、起泡性試験における泡も高く、低起泡性を有していない。
【0017】
【発明の効果】
本発明の紙用低密度化剤及び低密度紙の製造方法によれば、紙製品のパルプ原料の使用量を低減し、製品の生産性を向上し、原料コストを節減することができる。また、印刷適性に優れ、ボリューム感のある高品質の紙を製造することができる。さらに、不透明度の向上によって、紙製品のパルプ原料及び無機填料の使用量を低減することができ、白色度の向上によって、良品質の紙の製造が可能となる。

Claims (2)

  1. 一般式[1]で表される化合物を含有することを特徴とする紙用低密度化剤。
    Figure 2004027401
    (ただし、式中、Rは、炭素数8〜36のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Rは、炭素数7〜35のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、1〜40である。)
  2. 一般式[1]で表される化合物を製紙工程に添加することを特徴とする低密度紙の製造方法。
    Figure 2004027401
    (ただし、式中、Rは、炭素数8〜36のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Rは、炭素数7〜35のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルケニル基であり、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、1〜40である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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