JP2004027229A - ポリエステルフィルム及びその製造方法ならびにポリエステル - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲル状粒子の発生を防止し、フィルム製造に於ける安定性が向上し、フィルム破断や欠陥発生が防止され、溶融ポリマーのろ過フィルターの寿命が向上し、製造時における端部の再利用が可能なポリエステルフィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種の第1の安定剤を含有するポリエステルフィルムであって、当該安定剤が酸価分解防止能を有し、且つポリエステルのポリマー鎖に化学的に結合した状態で存在することを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも1種の第1の安定剤を含有するポリエステルフィルムであって、当該安定剤が酸価分解防止能を有し、且つポリエステルのポリマー鎖に化学的に結合した状態で存在することを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステルフィルムに関し、詳しくは、本発明は、ゲル状粒子の発生を防止し、フィルム製造に於ける安定性が向上し、フィルム破断や欠陥発生が防止され、溶融ポリマーのろ過フィルターの寿命が向上し、製造時における端部の再利用が可能なポリエステルフィルム及びその製造方法ならびにその原料ポリエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートから成るフィルムは公知である。。工業的なポリエステルの重縮合触媒としては、アンチモン化合物、チタニウム化合物およびゲルマニウム化合物が使用されている。中でもゲルマニウム化合物は、非常に活性が高く、次いでチタニウム化合物の活性が高く、アンチモン化合物は活性が低い。しかしながら、市場に流通しているポリエステルの大部分がアンチモン化合物を触媒として製造されたものである。その理由としては、ゲルマニウム化合物は高価であり、チタニウム化合物はフィルムが黄変したり、耐熱性が低下するためである。特にチタニウム化合物を使用した場合、ゲル状粒子が発生し、フィルムの製造および加工に於ける安定性が低下する。
【0003】
アンチモン化合物については、欧州に於て、その含有量が規制されており、低結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)の製造が困難なため、アンチモン化合物の使用濃度は減少している。
【0004】
ポリエステルフィルムの製造方法は、通常ポリマーペレットを押出機内で溶融させ、スロットダイを介して押出し引取りロール及び冷却ロールを使用してアモルファスシートを得る。このアモルファスシートを長手方向および横方向に延伸し巻取られる。巻取られたフィルムは、ゲル状粒子や欠陥が少ないことが好ましい。ゲル状粒子の発生は、フィルム製造に於ける安定性に悪影響を及ぼし、例えば、フィルムの破断が生じたり、溶融ポリマーのろ過フィルターの寿命を短くして製造コストを上昇させる。
【0005】
酸化分解を防止する添加剤を含有するポリエステルフィルムも公知である。すなわち、ポリエステルフィルムの性質を改良するために、酸化防止剤を配合することが知られている。例えば、酸化防止剤としてIrganox 1010(登録商標、Ciba Specialties社製、スイス)等のヒンダードフェノールを50〜5000ppmの添加量で添加する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この方法により製造されたポリエステルの固有粘度(IV)は0.7〜1.1と極めて高く、表面欠陥の無いフィルムを製造するのが困難である。
【0006】
また、0.01〜5重量%のラジカルを除去する化合物および減少させる化合物と、0.1〜2重量%の0.1〜7μmの粒系を有する不活性粒子とを含有するポリエチレンテレフタレートから成る電気絶縁体用ポリエステルフィルムも知られている(例えば特許文献2参照)。ラジカルを除去する化合物としては、ヒンダードフェノール又は2級芳香族アミンが使用されており、具体的にはテトラキス−(メチレン−(3,4−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)−メタンが使用されている。また、ラジカルを減少させる化合物としては、トリアリールホスファイト又はスピロペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系化合物が使用されている。
【0007】
【特許文献1】
欧州特許第620245号明細書
【特許文献2】
韓国特許出願公開第2001−47779号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、公知のポリエステルフィルムに於て高濃度のアンチモン含有量に起因する問題点やゲル状粒子等の発生を解決し、フィルム製造に於ける安定性が向上し、フィルム破断や欠陥発生が防止され、溶融ポリマーのろ過フィルターの寿命が向上し、製造時における端部の再利用が可能なポリエステルフィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、酸価分解防止能を有する安定剤をポリエステルに化学的に結合した状態で存在させることにより上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明の第1の要旨は、少なくとも1種の第1の安定剤を含有するポリエステルフィルムであって、当該安定剤が酸価分解防止能を有し、且つポリエステルのポリマー鎖に化学的に結合した状態で存在することを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
【0011】
本発明の第2の要旨は、第1の要旨に記載のポリエステルフィルムの製造方法であって、(a)溶融ポリエステルを(共)押出して単層または多層溶融シートを得る工程と、(b)得られたシートを二軸延伸してフィルムを得る工程と、(c)得られたフィルムを熱固定する工程とから成るポリエステルフィルムの製造方法に存する。
【0012】
本発明の第3の要旨は、少なくとも1種の安定剤を含有するポリエステルであって、当該安定剤が酸価分解防止能を有し、且つポリエステルのポリマー鎖に化学的に結合した状態で存在することを特徴とするポリエステルに存する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポリエステルフィルムを構成する少なくとも1種の第1の安定剤が化学的に結合したポリエステルとしては、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、および、プロピレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の炭素数2〜8の脂肪族または脂環式ジオールから形成される。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレン−1,5−ナフタレート、ポリエチレンナフタレート/ビベンゾエートが例示される。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はそれらの混合物が好ましい。また、5重量%以下の割合でイソフタル酸単位を有するポリエステルも好ましく使用される。
【0014】
上記ポリエステルは、ホモポリマー、ホモポリマーのブレンド物、共重合体、再生品および他の修飾品であってもよい。
【0015】
上記ポリエステルは、アジピン酸、グルタール酸、琥珀酸、セバシン酸5−スルホイソフタル酸ナトリウムなどのジカルボン酸、トリメリット酸などのポリカルボン酸、および、グリコールを通常50%以下、好ましくは30%以下の範囲で共重合してもよい。これらの共重合モノマーは複数個組合せて使用できる。
【0016】
上記のポリエステルは、エステル交換反応により製造される(例えばDMT法、ジメチルテレフタレートを使用)。エステル交換反応触媒としては、亜鉛塩、マグネシウム、カルシウム塩、マンガン塩、リチウム塩、ゲルマニウム塩などの公知のエステル交換反応用触媒が使用できる。また、直接エステル化法(PTA法)によっても製造できる。種々の重縮合触媒が使用でき、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物およびチタニウム化合物が例示される。リン化合物を安定剤として使用できる。
【0017】
中でも、本発明のポリエステルは、チタニウム触媒を使用して直接エステル化法で製造することが好ましい。ポリエステル中のチタニウム含有量は、好ましくは1〜300ppm、より好ましくは2〜100ppm、特に好ましくは5〜50ppmである。チタニウム以外にもゲルマニウムやアンチモン触媒を使用することができる。ポリエステル中のアンチモン含有量は、好ましくは0〜150ppm、より好ましくは0〜50ppm、特に好ましくは2ppm未満である。また、ポリエステル中のゲルマニウム含有量は、好ましくは0〜10ppm、特に好ましくは1ppm未満である。
【0018】
本発明のフィルムは、酸価分解防止能を有する少なくとも1種の第1の安定剤を含有する。第1の安定剤は、ポリエステルに化学的に結合した状態で存在することが必要である。第1の安定剤がポリエステルの主鎖に結合していることが好ましい。すなわち、第1の安定剤をポリエステル製造原料に予め添加し、重縮合反応によりポリエステル主鎖中に取込まれることが好ましい。第1の安定剤がポリエステルに化学的に結合するためには、通常ポリエステル製造中に重縮合反応を行なう能力を有する2つ以上の官能器を有する第1の安定剤を、ポリエステルの重縮合中に共存させ、共重合を行なうのが好ましい。2つ以上の官能器としては、カルボキシ基および/またはエステル基が好ましく、特にエステル基であることが好ましい。特に、カルボキシ基および/またはエステル基を有するヒンダードフェノールをポリエステルの重縮合反応に混合して使用することが好ましい。第1の安定剤として、具体的には、ヒンダードフェノール、チオビスフェノール、アルキリデンビスフェノール、アルキルフェノール、ヒドロキシベンジル化合物、アクリルアミノフェノール、ヒドロキシフェニルプロピオネート又は2つ以上の2級アミンを有する芳香族化合物が例示される。ヒンダードフェノールとしては、Irganox(登録商標、Ciba Specialty Chemicals社製)として入手可能である。上記化合物の具体的例示には、Gachter及びMuller著「Kunststoffadditive」(プラスチック添加剤)第2版(Carl Hanser Verlag)に開示されている。上記第1の安定剤は、2つ以上組合せて使用してもよい。
【0019】
第1の安定剤の濃度は、ポリエステルに対し、通常100〜10000ppm、好ましくは150〜3000ppm、より好ましくは200〜1000ppmである。
【0020】
第1の安定剤が結合しているポリエステルの標準粘度(SV)は、好ましくは450〜1100、特に好ましくは700〜900である。
【0021】
ポリエステルをDMT法で製造する場合には、エステル交換反応時の前後またはエステル交換反応時に、直接第1の安定剤をグリコール溶液または分散液として添加してもよい。第1の安定剤が結合しているポリエステルの溶融抵抗値は、好ましくは1×107〜1.2×109Ω・cmであり、第1の安定剤を有していないポリエステルの溶融抵抗値とほぼ同じである。必要であれば、イオン性添加剤を添加してポリエステルの溶融抵抗値を調製してもよい。
【0022】
ポリエステルに結合している第1の安定剤は重縮合中のポリマーの熱分解を防止することができる。これは、DMT法およびPTA法の両方に適用することができ、ポリエステル製造中にフィラーとして二酸化ケイ素等の粒子を添加することが重要である。上記粒子は重縮合反応に先立って添加する。
【0023】
第1の安定剤は、以下に示す第2の安定剤と組合せて使用することにより、第1の安定剤の効果を補助し、より高めることが出来る。第2の安定剤としては、チオエーテル及びジブチルジチオカルバミン酸亜鉛が例示される。なお、第2の安定剤は、通常添加剤であり、第1の安定剤のように結晶性ポリエステルと化学的に結合しない。第2の安定剤の含有量は二軸延伸フィルムを基準として、通常0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0024】
重縮合過程において安定剤を添加してない標準ポリエステルを使用したフィルムと比較して、本発明のフィルムはダイの汚染が少なく製造でき、フィルムの特性やロール特性が極めて良好である。2日間フィルムを連続して製造したが、装置の汚染は認められなかった。フィルムの性質は、長時間の製造に於ても正確に一定であり、ロール性状も良好である。公知のフィルム、特にチタニウム触媒を使用して製造されたフィルムと比較して、ゲル状体やしみの発生が激減し、表面特性が改良された。高速フィルム製造に於てもフィルムの破断は減少した。例えば、280m/分の製造速度で厚さ4.5μmの非常に薄いフィルムを2日間製造したが、フィルムの破断は生じなかった。
【0025】
さらに、本発明のフィルムの製造においては、ポリマーを精製するフィルターの寿命が増加した。フィルムの種類にもよるが、フィルター寿命は顕著に増加し、あるケースでは2倍にも増加した。その結果、フィルム製造コストが減少する。
【0026】
また、本発明のフィルムでは、フィルム製造工程中に発生するフィルム端部をフィルムの重量の60重量%以下の割合で、直接フィルム製造に再利用することができ、この再利用によって、フィルムの性質は大きく影響をい受けることは無い。チタニウム触媒を使用し、このように多量の再生品を添加しているにもかかわらず、フィルムの黄変指数に悪影響を及ぼさない。
【0027】
さらに、製造したポリエステル又はそれと再生品との混合物の乾燥時間は、従来のポリエステルと比較して30%短縮することが出来、この点からも製造コストを削減することができる。
【0028】
本発明のフィルムは多層構造を有していてもよい。多層構造体としては、少なくとも1つのベース層Bと少なくとも1つの外層A及び/又はCから成る。好ましくは、A−B−AまたはA−B−C型の構成である。ベース層Bは、好ましくは第1の安定剤が結合している結晶性ポリエステル、特に好ましくは第1の安定剤が結合しているPET(以下、第1の安定剤が結合していることを「変性」と略す。変性PETホモポリマーはエチレングリコール単位、テレフタレート単位および第1の安定剤単位から成る)から成ることが好ましい。外層は、好ましくは変性または未変性PETホモポリマー、変性または未変性PENホモポリマー、変性または未変性ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンナフタレート)共重合体もしくは他のポリマーから成る。
【0029】
多層構造の場合、対称構造であっても非対称構造であってもよい。ベース層および/または外層が、他の添加剤を有していてもよく、また種類の異なるポリエステルから成っていてもよい(例えば、分子量や粘度が異なっていてもよい)。多層構造体は共押出法により製造できる。
【0030】
ベース層および/または外層には、第1及び第2の安定剤以外に、帯電防止剤、染料、白色顔料および/または着色剤などの公知の添加剤を含有させてもよい。これらの添加剤は、ポリマーまたはポリマー混合物を溶融させる前に添加することが好ましい。
【0031】
添加剤として、2種以上の異なる耐ブロッキング剤を添加してもよく、また、同じ種類で且つ粒径が異なる粒子の混合物を添加してもよい。重縮合中のグリコール分散系または押出し中マスターバッチを介して個々の層に添加する粒子を通常量添加する。粒子の含有量は、好ましくは0.0001〜20重量%である。
【0032】
本発明の二軸延伸フィルムの厚さは、広い範囲をとることができ、通常0.5〜500μm、好ましくは1〜250μm、より好ましくは2〜30μmである。
【0033】
本発明のフィルムは、添加剤を重縮合反応に先立ってすべての添加剤を加えて製造したポリマーを使用する。他の方法としては、第1の安定剤を除く添加剤の一部または全部をフィルム製造工程中に添加してもよく、好ましくはマスターバッチ法により添加し、種々の添加剤を押出工程前に添加・混合する。マスターバッチとしては、変性ポリエステルのみであっても、種々の添加剤を添加したものであってもよい。すなわち、変性ポリエステルを直接供給しても、マスターバッチで間接的に供給してもよい。
【0034】
原料成分またはマスターバッチに予備結晶化または予備乾燥化を施す。この予備乾燥は、原料成分またはマスターバッチを撹拌しながら減圧下で(通常20〜80mbar、好ましくは30〜60mbar、より好ましくは40〜50mbar)徐々に加熱する。必要であれば上昇して一定となった温度で後乾燥してもよい。計量容器からベース層用および/または外層用ポリマー及び必要であれば他の原料のブレンドを必要量だけ室温にてマスターバッチに供給することが好ましい。原料のブレンドの乾燥または滞留時間の間、原料成分またはマスターバッチ容器内の温度を通常10〜160℃、好ましくは20〜150℃、より好ましくは30〜130℃に、徐々に昇温させる。滞留時間は通常約6時間、好ましくは約5時間、より好ましくは約4時間であり、通常10〜70rpm、好ましくは15〜65rpm、より好ましくは20〜60rpmで撹拌することが好ましい。得られた予備結晶化または予備乾燥した原料混合物は、さらに、下向流にある容器内で温度が通常90〜180℃、好ましくは100〜170℃より好ましくは110〜160℃で、通常2〜8時間、好ましくは3〜7時間、より好ましくは4〜6時間減圧下で後乾燥する。
【0035】
本発明のフィルムの製造方法としては、溶融ポリエステル原料をスロットダイを介して押出し、冷却ロールで冷却し、アモルファスシートを得る。延伸は、長手方向および横方向、横方向および長手方向、長手方向および横方向の延伸後、再度長手方向および/または横方向に延伸する何れの方法であってもよい。一般的に、延伸温度はポリマーのガラス転移温度をTgとした場合、Tg+10〜Tg+60℃で行い、長手方向には通常2〜6倍、好ましくは3〜4.5倍に、横方向には通常2〜5倍、好ましくは3〜4.5倍に延伸する。必要であれば、再度1.1〜3倍に長手方向または横方向に延伸する。最初の長手方向の延伸において同時に横方向の延伸を行う2軸延伸法(同時二軸延伸)で延伸を行ってもよい。延伸後、通常150〜250℃、好ましくは170〜240℃で熱固定を行い、冷却後巻取る。
【0036】
本発明のフィルムは優れた性質を合わせ持つので、幅広い工業分野での応用が可能であり、例えば、電子部品、熱転写材、包装材、磁気テープフィルム、スタンピングホイル、離型フィルム、蓋用フィルム、コンデンサー用フィルム、絶縁材および積層部材としての応用が可能である。本発明のフィルムは、極めて均一で、優れた性能を有することが要求される分野で特に好適に使用できる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳述するが、以下の実施例は本発明の単なる例示であって、本発明は以下の実施例に限定されない。以下の実施例および比較例中、特に断らない限り、パーセンテージは重量基準である。なお、フィルムの物性値の測定方法は以下の通りである。
【0038】
(1)フィルムの平均厚み:
フィルムの長さ、幅、密度が知られている場合、フィルムの重量を測定することにより以下に示す式で平均厚み(df)を算出することができる。
【0039】
【数1】
df={m(g)/l(mm)×n(mm)×d(g/cm3)}×10−6
m:フィルム片の重量、l:フィルム長さ
b:フィルム幅、d:密度(ポリエステル:1.395g/cm3)
【0040】
フィルムロールの幅方向の中心部分をトリミング第に設置し、所定のサイズに切断し、フィルム片の重量を天秤(Mettler PM 200、最大測定値:200g)で測定する。この天秤は、コンピューター(Vectra ES/12)に接続されており、ロールNo.を入力すると、OPUSプログラムにより、平均厚みが計算される。
【0041】
(2)黄変指数:
黄変指数(YID)は黄色方向への色の偏差をDIN 6167(DIN:Geman Institute for Stangardization)に従って測定した。黄変指数が5未満の場合は目視により黄変が認められない。
【0042】
(3)標準粘度SV:
ポリエステルの標準粘度SV(DCA)はジクロロ酢酸1%溶液中でDIN 53726に従って測定した。標準粘度SV値はSV=(ηrel−1)×1000より求めた。ポリエステルの固有粘度IVは、標準粘度SV値を使用して以下の式より算出した。
【0043】
【数2】
IV (DCA)= 6.097×10−4SV(DCA) + 0.063096
【0044】
(4)表面欠陥:
フィルムの表面欠陥(ゲル状体やしみの有無)は目視により判断した。
【0045】
(5)ロール性状:
フィルムロールの性状については、長手方向のクラック、しわ、振れの有無を目しによって判断した。
【0046】
(6)フィルム破断:
フィルム破断割合は、市販のポリマーを使用してフィルムを作成した場合に生じる破断回数を測定し、本発明のフィルムの破断回数と比較して求めた。
【0047】
(7)ダイ汚染:
ダイ汚染は目視により判断した。
【0048】
(8)フィルムの性質:
アルミローラーに巻取られたフィルムの全幅に対し、横方向に幅70mmに切断されたフィルムについて、Eichhorn−Hausmann社製ML 210−12−1電子厚み測定器を使用して厚みを測定した。巻取られたフィルムを巻戻す装置によってフィルムを取出し、2つのコンデンサープレート間を通過させる。誘電率は3.30にセットする。帯電率はフィルムの厚さによって異なるため、適当なコンピューターソフトを使用し、厚さによるプロフィールを作成する。得られたフィルンの幅全体を横切る方向の厚さの最大と最小の差をΔEとして求めた。
【0049】
(9)フィルター寿命:
圧力が所定値に達した場合およびしみやゲル状体が形成された場合をフィルターを交換する指標とした。市販のポリマーを使用した場合の所定日数運転後のフィルター交換度合いと本発明の場合とを比較した。
【0050】
実施例1:
1000ppmのIrganox 1010(登録商標、テトラキス−(メチレン−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニルプロピオネート)−メタン)、Ciba Specialties社製、スイス)をポリマー主鎖中に含有するPET(SV=810、KoSa社製、ドイツ)を、残存水分が50ppm以下になるように160℃で乾燥させ、押出機に供給した。なお、1000ppmのIrganox 1010をポリマー主鎖中への導入は、Irganox 1010のエチレングリコール懸濁液をエステル交換反応後で重縮合反応前に添加することにより達成した。また、ヘキサフルオロイソプロパノール/塩化メチレン溶媒で得られたポリマーを抽出し、1H−NMR(測定限界:10ppm)及びHPLC(測定限界:3ppm)により、Irganox1010がポリマーの鎖中に結合していることを確認した。Irganox 1010は4つのエステル基を有し、そのうち2つのエステル基がポリエステルの主鎖に導入する際に使用される。残りの2つ(ヒンダードフェノール基)の基が酸化防止作用を担う。フィルムは、フィルム製造工程において生じる再生品を30重量%含有していた。長手方向および横方向に二軸延伸した後、厚さ50μmの透明単層フィルムを製造した。このフィルムを、製造速度110m/分で、7日間連続製造した。フィルムの製造条件を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
実施例2:
以下に示す組成のフィルムを製造した。なお、フィルムの厚さは4.5μm、製造速度は280m/分で、14日間連続的に製造した。
【0053】
【表2】
・実施例1で使用したポリマー 60%
・1200ppmのIrganox 1010 10%
を重縮合により主鎖に含有するPET及び添加剤として
20000ppmのSylobloc 44H(登録商標、
Grace社製、ドイツ)を含有するマスターバッチ
・フィルム製造工程において生じる再生品 30%
【0054】
実施例3:
500ppmのIrganox 1010を重縮合により主鎖に含有するPET及び添加剤として1500ppmのSylobloc 44Hを含有し、フィルム製造工程において生じる再生品を40%含有する厚さ12μmのフィルムを製造した。なお、フィルムの製造速度は340m/分で、12日間連続的に製造した。
【0055】
比較例1:
Irganox 1010を主鎖に含有しないPETを使用した以外は実施例2と同様の操作によりフィルムを製造した。
【0056】
比較例2:
Irganox 1010を主鎖に含有しないPETを使用した以外は実施例3と同様の操作によりフィルムを製造した。
【0057】
実施例および比較例における各フィルムの性質について、表3にまとめて示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】
本発明のポリエステルフィルムは、公知のポリエステルフィルムに於て高濃度のアンチモン含有量に起因する問題点やゲル状粒子等の発生を解決し、フィルム製造に於ける安定性が向上し、フィルム破断や欠陥発生が防止され、溶融ポリマーのろ過フィルターの寿命が向上し、製造時における端部の再利用が可能である。
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステルフィルムに関し、詳しくは、本発明は、ゲル状粒子の発生を防止し、フィルム製造に於ける安定性が向上し、フィルム破断や欠陥発生が防止され、溶融ポリマーのろ過フィルターの寿命が向上し、製造時における端部の再利用が可能なポリエステルフィルム及びその製造方法ならびにその原料ポリエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートから成るフィルムは公知である。。工業的なポリエステルの重縮合触媒としては、アンチモン化合物、チタニウム化合物およびゲルマニウム化合物が使用されている。中でもゲルマニウム化合物は、非常に活性が高く、次いでチタニウム化合物の活性が高く、アンチモン化合物は活性が低い。しかしながら、市場に流通しているポリエステルの大部分がアンチモン化合物を触媒として製造されたものである。その理由としては、ゲルマニウム化合物は高価であり、チタニウム化合物はフィルムが黄変したり、耐熱性が低下するためである。特にチタニウム化合物を使用した場合、ゲル状粒子が発生し、フィルムの製造および加工に於ける安定性が低下する。
【0003】
アンチモン化合物については、欧州に於て、その含有量が規制されており、低結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)の製造が困難なため、アンチモン化合物の使用濃度は減少している。
【0004】
ポリエステルフィルムの製造方法は、通常ポリマーペレットを押出機内で溶融させ、スロットダイを介して押出し引取りロール及び冷却ロールを使用してアモルファスシートを得る。このアモルファスシートを長手方向および横方向に延伸し巻取られる。巻取られたフィルムは、ゲル状粒子や欠陥が少ないことが好ましい。ゲル状粒子の発生は、フィルム製造に於ける安定性に悪影響を及ぼし、例えば、フィルムの破断が生じたり、溶融ポリマーのろ過フィルターの寿命を短くして製造コストを上昇させる。
【0005】
酸化分解を防止する添加剤を含有するポリエステルフィルムも公知である。すなわち、ポリエステルフィルムの性質を改良するために、酸化防止剤を配合することが知られている。例えば、酸化防止剤としてIrganox 1010(登録商標、Ciba Specialties社製、スイス)等のヒンダードフェノールを50〜5000ppmの添加量で添加する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この方法により製造されたポリエステルの固有粘度(IV)は0.7〜1.1と極めて高く、表面欠陥の無いフィルムを製造するのが困難である。
【0006】
また、0.01〜5重量%のラジカルを除去する化合物および減少させる化合物と、0.1〜2重量%の0.1〜7μmの粒系を有する不活性粒子とを含有するポリエチレンテレフタレートから成る電気絶縁体用ポリエステルフィルムも知られている(例えば特許文献2参照)。ラジカルを除去する化合物としては、ヒンダードフェノール又は2級芳香族アミンが使用されており、具体的にはテトラキス−(メチレン−(3,4−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)−メタンが使用されている。また、ラジカルを減少させる化合物としては、トリアリールホスファイト又はスピロペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系化合物が使用されている。
【0007】
【特許文献1】
欧州特許第620245号明細書
【特許文献2】
韓国特許出願公開第2001−47779号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、公知のポリエステルフィルムに於て高濃度のアンチモン含有量に起因する問題点やゲル状粒子等の発生を解決し、フィルム製造に於ける安定性が向上し、フィルム破断や欠陥発生が防止され、溶融ポリマーのろ過フィルターの寿命が向上し、製造時における端部の再利用が可能なポリエステルフィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、酸価分解防止能を有する安定剤をポリエステルに化学的に結合した状態で存在させることにより上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明の第1の要旨は、少なくとも1種の第1の安定剤を含有するポリエステルフィルムであって、当該安定剤が酸価分解防止能を有し、且つポリエステルのポリマー鎖に化学的に結合した状態で存在することを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
【0011】
本発明の第2の要旨は、第1の要旨に記載のポリエステルフィルムの製造方法であって、(a)溶融ポリエステルを(共)押出して単層または多層溶融シートを得る工程と、(b)得られたシートを二軸延伸してフィルムを得る工程と、(c)得られたフィルムを熱固定する工程とから成るポリエステルフィルムの製造方法に存する。
【0012】
本発明の第3の要旨は、少なくとも1種の安定剤を含有するポリエステルであって、当該安定剤が酸価分解防止能を有し、且つポリエステルのポリマー鎖に化学的に結合した状態で存在することを特徴とするポリエステルに存する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポリエステルフィルムを構成する少なくとも1種の第1の安定剤が化学的に結合したポリエステルとしては、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、および、プロピレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の炭素数2〜8の脂肪族または脂環式ジオールから形成される。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレン−1,5−ナフタレート、ポリエチレンナフタレート/ビベンゾエートが例示される。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はそれらの混合物が好ましい。また、5重量%以下の割合でイソフタル酸単位を有するポリエステルも好ましく使用される。
【0014】
上記ポリエステルは、ホモポリマー、ホモポリマーのブレンド物、共重合体、再生品および他の修飾品であってもよい。
【0015】
上記ポリエステルは、アジピン酸、グルタール酸、琥珀酸、セバシン酸5−スルホイソフタル酸ナトリウムなどのジカルボン酸、トリメリット酸などのポリカルボン酸、および、グリコールを通常50%以下、好ましくは30%以下の範囲で共重合してもよい。これらの共重合モノマーは複数個組合せて使用できる。
【0016】
上記のポリエステルは、エステル交換反応により製造される(例えばDMT法、ジメチルテレフタレートを使用)。エステル交換反応触媒としては、亜鉛塩、マグネシウム、カルシウム塩、マンガン塩、リチウム塩、ゲルマニウム塩などの公知のエステル交換反応用触媒が使用できる。また、直接エステル化法(PTA法)によっても製造できる。種々の重縮合触媒が使用でき、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物およびチタニウム化合物が例示される。リン化合物を安定剤として使用できる。
【0017】
中でも、本発明のポリエステルは、チタニウム触媒を使用して直接エステル化法で製造することが好ましい。ポリエステル中のチタニウム含有量は、好ましくは1〜300ppm、より好ましくは2〜100ppm、特に好ましくは5〜50ppmである。チタニウム以外にもゲルマニウムやアンチモン触媒を使用することができる。ポリエステル中のアンチモン含有量は、好ましくは0〜150ppm、より好ましくは0〜50ppm、特に好ましくは2ppm未満である。また、ポリエステル中のゲルマニウム含有量は、好ましくは0〜10ppm、特に好ましくは1ppm未満である。
【0018】
本発明のフィルムは、酸価分解防止能を有する少なくとも1種の第1の安定剤を含有する。第1の安定剤は、ポリエステルに化学的に結合した状態で存在することが必要である。第1の安定剤がポリエステルの主鎖に結合していることが好ましい。すなわち、第1の安定剤をポリエステル製造原料に予め添加し、重縮合反応によりポリエステル主鎖中に取込まれることが好ましい。第1の安定剤がポリエステルに化学的に結合するためには、通常ポリエステル製造中に重縮合反応を行なう能力を有する2つ以上の官能器を有する第1の安定剤を、ポリエステルの重縮合中に共存させ、共重合を行なうのが好ましい。2つ以上の官能器としては、カルボキシ基および/またはエステル基が好ましく、特にエステル基であることが好ましい。特に、カルボキシ基および/またはエステル基を有するヒンダードフェノールをポリエステルの重縮合反応に混合して使用することが好ましい。第1の安定剤として、具体的には、ヒンダードフェノール、チオビスフェノール、アルキリデンビスフェノール、アルキルフェノール、ヒドロキシベンジル化合物、アクリルアミノフェノール、ヒドロキシフェニルプロピオネート又は2つ以上の2級アミンを有する芳香族化合物が例示される。ヒンダードフェノールとしては、Irganox(登録商標、Ciba Specialty Chemicals社製)として入手可能である。上記化合物の具体的例示には、Gachter及びMuller著「Kunststoffadditive」(プラスチック添加剤)第2版(Carl Hanser Verlag)に開示されている。上記第1の安定剤は、2つ以上組合せて使用してもよい。
【0019】
第1の安定剤の濃度は、ポリエステルに対し、通常100〜10000ppm、好ましくは150〜3000ppm、より好ましくは200〜1000ppmである。
【0020】
第1の安定剤が結合しているポリエステルの標準粘度(SV)は、好ましくは450〜1100、特に好ましくは700〜900である。
【0021】
ポリエステルをDMT法で製造する場合には、エステル交換反応時の前後またはエステル交換反応時に、直接第1の安定剤をグリコール溶液または分散液として添加してもよい。第1の安定剤が結合しているポリエステルの溶融抵抗値は、好ましくは1×107〜1.2×109Ω・cmであり、第1の安定剤を有していないポリエステルの溶融抵抗値とほぼ同じである。必要であれば、イオン性添加剤を添加してポリエステルの溶融抵抗値を調製してもよい。
【0022】
ポリエステルに結合している第1の安定剤は重縮合中のポリマーの熱分解を防止することができる。これは、DMT法およびPTA法の両方に適用することができ、ポリエステル製造中にフィラーとして二酸化ケイ素等の粒子を添加することが重要である。上記粒子は重縮合反応に先立って添加する。
【0023】
第1の安定剤は、以下に示す第2の安定剤と組合せて使用することにより、第1の安定剤の効果を補助し、より高めることが出来る。第2の安定剤としては、チオエーテル及びジブチルジチオカルバミン酸亜鉛が例示される。なお、第2の安定剤は、通常添加剤であり、第1の安定剤のように結晶性ポリエステルと化学的に結合しない。第2の安定剤の含有量は二軸延伸フィルムを基準として、通常0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0024】
重縮合過程において安定剤を添加してない標準ポリエステルを使用したフィルムと比較して、本発明のフィルムはダイの汚染が少なく製造でき、フィルムの特性やロール特性が極めて良好である。2日間フィルムを連続して製造したが、装置の汚染は認められなかった。フィルムの性質は、長時間の製造に於ても正確に一定であり、ロール性状も良好である。公知のフィルム、特にチタニウム触媒を使用して製造されたフィルムと比較して、ゲル状体やしみの発生が激減し、表面特性が改良された。高速フィルム製造に於てもフィルムの破断は減少した。例えば、280m/分の製造速度で厚さ4.5μmの非常に薄いフィルムを2日間製造したが、フィルムの破断は生じなかった。
【0025】
さらに、本発明のフィルムの製造においては、ポリマーを精製するフィルターの寿命が増加した。フィルムの種類にもよるが、フィルター寿命は顕著に増加し、あるケースでは2倍にも増加した。その結果、フィルム製造コストが減少する。
【0026】
また、本発明のフィルムでは、フィルム製造工程中に発生するフィルム端部をフィルムの重量の60重量%以下の割合で、直接フィルム製造に再利用することができ、この再利用によって、フィルムの性質は大きく影響をい受けることは無い。チタニウム触媒を使用し、このように多量の再生品を添加しているにもかかわらず、フィルムの黄変指数に悪影響を及ぼさない。
【0027】
さらに、製造したポリエステル又はそれと再生品との混合物の乾燥時間は、従来のポリエステルと比較して30%短縮することが出来、この点からも製造コストを削減することができる。
【0028】
本発明のフィルムは多層構造を有していてもよい。多層構造体としては、少なくとも1つのベース層Bと少なくとも1つの外層A及び/又はCから成る。好ましくは、A−B−AまたはA−B−C型の構成である。ベース層Bは、好ましくは第1の安定剤が結合している結晶性ポリエステル、特に好ましくは第1の安定剤が結合しているPET(以下、第1の安定剤が結合していることを「変性」と略す。変性PETホモポリマーはエチレングリコール単位、テレフタレート単位および第1の安定剤単位から成る)から成ることが好ましい。外層は、好ましくは変性または未変性PETホモポリマー、変性または未変性PENホモポリマー、変性または未変性ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンナフタレート)共重合体もしくは他のポリマーから成る。
【0029】
多層構造の場合、対称構造であっても非対称構造であってもよい。ベース層および/または外層が、他の添加剤を有していてもよく、また種類の異なるポリエステルから成っていてもよい(例えば、分子量や粘度が異なっていてもよい)。多層構造体は共押出法により製造できる。
【0030】
ベース層および/または外層には、第1及び第2の安定剤以外に、帯電防止剤、染料、白色顔料および/または着色剤などの公知の添加剤を含有させてもよい。これらの添加剤は、ポリマーまたはポリマー混合物を溶融させる前に添加することが好ましい。
【0031】
添加剤として、2種以上の異なる耐ブロッキング剤を添加してもよく、また、同じ種類で且つ粒径が異なる粒子の混合物を添加してもよい。重縮合中のグリコール分散系または押出し中マスターバッチを介して個々の層に添加する粒子を通常量添加する。粒子の含有量は、好ましくは0.0001〜20重量%である。
【0032】
本発明の二軸延伸フィルムの厚さは、広い範囲をとることができ、通常0.5〜500μm、好ましくは1〜250μm、より好ましくは2〜30μmである。
【0033】
本発明のフィルムは、添加剤を重縮合反応に先立ってすべての添加剤を加えて製造したポリマーを使用する。他の方法としては、第1の安定剤を除く添加剤の一部または全部をフィルム製造工程中に添加してもよく、好ましくはマスターバッチ法により添加し、種々の添加剤を押出工程前に添加・混合する。マスターバッチとしては、変性ポリエステルのみであっても、種々の添加剤を添加したものであってもよい。すなわち、変性ポリエステルを直接供給しても、マスターバッチで間接的に供給してもよい。
【0034】
原料成分またはマスターバッチに予備結晶化または予備乾燥化を施す。この予備乾燥は、原料成分またはマスターバッチを撹拌しながら減圧下で(通常20〜80mbar、好ましくは30〜60mbar、より好ましくは40〜50mbar)徐々に加熱する。必要であれば上昇して一定となった温度で後乾燥してもよい。計量容器からベース層用および/または外層用ポリマー及び必要であれば他の原料のブレンドを必要量だけ室温にてマスターバッチに供給することが好ましい。原料のブレンドの乾燥または滞留時間の間、原料成分またはマスターバッチ容器内の温度を通常10〜160℃、好ましくは20〜150℃、より好ましくは30〜130℃に、徐々に昇温させる。滞留時間は通常約6時間、好ましくは約5時間、より好ましくは約4時間であり、通常10〜70rpm、好ましくは15〜65rpm、より好ましくは20〜60rpmで撹拌することが好ましい。得られた予備結晶化または予備乾燥した原料混合物は、さらに、下向流にある容器内で温度が通常90〜180℃、好ましくは100〜170℃より好ましくは110〜160℃で、通常2〜8時間、好ましくは3〜7時間、より好ましくは4〜6時間減圧下で後乾燥する。
【0035】
本発明のフィルムの製造方法としては、溶融ポリエステル原料をスロットダイを介して押出し、冷却ロールで冷却し、アモルファスシートを得る。延伸は、長手方向および横方向、横方向および長手方向、長手方向および横方向の延伸後、再度長手方向および/または横方向に延伸する何れの方法であってもよい。一般的に、延伸温度はポリマーのガラス転移温度をTgとした場合、Tg+10〜Tg+60℃で行い、長手方向には通常2〜6倍、好ましくは3〜4.5倍に、横方向には通常2〜5倍、好ましくは3〜4.5倍に延伸する。必要であれば、再度1.1〜3倍に長手方向または横方向に延伸する。最初の長手方向の延伸において同時に横方向の延伸を行う2軸延伸法(同時二軸延伸)で延伸を行ってもよい。延伸後、通常150〜250℃、好ましくは170〜240℃で熱固定を行い、冷却後巻取る。
【0036】
本発明のフィルムは優れた性質を合わせ持つので、幅広い工業分野での応用が可能であり、例えば、電子部品、熱転写材、包装材、磁気テープフィルム、スタンピングホイル、離型フィルム、蓋用フィルム、コンデンサー用フィルム、絶縁材および積層部材としての応用が可能である。本発明のフィルムは、極めて均一で、優れた性能を有することが要求される分野で特に好適に使用できる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳述するが、以下の実施例は本発明の単なる例示であって、本発明は以下の実施例に限定されない。以下の実施例および比較例中、特に断らない限り、パーセンテージは重量基準である。なお、フィルムの物性値の測定方法は以下の通りである。
【0038】
(1)フィルムの平均厚み:
フィルムの長さ、幅、密度が知られている場合、フィルムの重量を測定することにより以下に示す式で平均厚み(df)を算出することができる。
【0039】
【数1】
df={m(g)/l(mm)×n(mm)×d(g/cm3)}×10−6
m:フィルム片の重量、l:フィルム長さ
b:フィルム幅、d:密度(ポリエステル:1.395g/cm3)
【0040】
フィルムロールの幅方向の中心部分をトリミング第に設置し、所定のサイズに切断し、フィルム片の重量を天秤(Mettler PM 200、最大測定値:200g)で測定する。この天秤は、コンピューター(Vectra ES/12)に接続されており、ロールNo.を入力すると、OPUSプログラムにより、平均厚みが計算される。
【0041】
(2)黄変指数:
黄変指数(YID)は黄色方向への色の偏差をDIN 6167(DIN:Geman Institute for Stangardization)に従って測定した。黄変指数が5未満の場合は目視により黄変が認められない。
【0042】
(3)標準粘度SV:
ポリエステルの標準粘度SV(DCA)はジクロロ酢酸1%溶液中でDIN 53726に従って測定した。標準粘度SV値はSV=(ηrel−1)×1000より求めた。ポリエステルの固有粘度IVは、標準粘度SV値を使用して以下の式より算出した。
【0043】
【数2】
IV (DCA)= 6.097×10−4SV(DCA) + 0.063096
【0044】
(4)表面欠陥:
フィルムの表面欠陥(ゲル状体やしみの有無)は目視により判断した。
【0045】
(5)ロール性状:
フィルムロールの性状については、長手方向のクラック、しわ、振れの有無を目しによって判断した。
【0046】
(6)フィルム破断:
フィルム破断割合は、市販のポリマーを使用してフィルムを作成した場合に生じる破断回数を測定し、本発明のフィルムの破断回数と比較して求めた。
【0047】
(7)ダイ汚染:
ダイ汚染は目視により判断した。
【0048】
(8)フィルムの性質:
アルミローラーに巻取られたフィルムの全幅に対し、横方向に幅70mmに切断されたフィルムについて、Eichhorn−Hausmann社製ML 210−12−1電子厚み測定器を使用して厚みを測定した。巻取られたフィルムを巻戻す装置によってフィルムを取出し、2つのコンデンサープレート間を通過させる。誘電率は3.30にセットする。帯電率はフィルムの厚さによって異なるため、適当なコンピューターソフトを使用し、厚さによるプロフィールを作成する。得られたフィルンの幅全体を横切る方向の厚さの最大と最小の差をΔEとして求めた。
【0049】
(9)フィルター寿命:
圧力が所定値に達した場合およびしみやゲル状体が形成された場合をフィルターを交換する指標とした。市販のポリマーを使用した場合の所定日数運転後のフィルター交換度合いと本発明の場合とを比較した。
【0050】
実施例1:
1000ppmのIrganox 1010(登録商標、テトラキス−(メチレン−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニルプロピオネート)−メタン)、Ciba Specialties社製、スイス)をポリマー主鎖中に含有するPET(SV=810、KoSa社製、ドイツ)を、残存水分が50ppm以下になるように160℃で乾燥させ、押出機に供給した。なお、1000ppmのIrganox 1010をポリマー主鎖中への導入は、Irganox 1010のエチレングリコール懸濁液をエステル交換反応後で重縮合反応前に添加することにより達成した。また、ヘキサフルオロイソプロパノール/塩化メチレン溶媒で得られたポリマーを抽出し、1H−NMR(測定限界:10ppm)及びHPLC(測定限界:3ppm)により、Irganox1010がポリマーの鎖中に結合していることを確認した。Irganox 1010は4つのエステル基を有し、そのうち2つのエステル基がポリエステルの主鎖に導入する際に使用される。残りの2つ(ヒンダードフェノール基)の基が酸化防止作用を担う。フィルムは、フィルム製造工程において生じる再生品を30重量%含有していた。長手方向および横方向に二軸延伸した後、厚さ50μmの透明単層フィルムを製造した。このフィルムを、製造速度110m/分で、7日間連続製造した。フィルムの製造条件を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
実施例2:
以下に示す組成のフィルムを製造した。なお、フィルムの厚さは4.5μm、製造速度は280m/分で、14日間連続的に製造した。
【0053】
【表2】
・実施例1で使用したポリマー 60%
・1200ppmのIrganox 1010 10%
を重縮合により主鎖に含有するPET及び添加剤として
20000ppmのSylobloc 44H(登録商標、
Grace社製、ドイツ)を含有するマスターバッチ
・フィルム製造工程において生じる再生品 30%
【0054】
実施例3:
500ppmのIrganox 1010を重縮合により主鎖に含有するPET及び添加剤として1500ppmのSylobloc 44Hを含有し、フィルム製造工程において生じる再生品を40%含有する厚さ12μmのフィルムを製造した。なお、フィルムの製造速度は340m/分で、12日間連続的に製造した。
【0055】
比較例1:
Irganox 1010を主鎖に含有しないPETを使用した以外は実施例2と同様の操作によりフィルムを製造した。
【0056】
比較例2:
Irganox 1010を主鎖に含有しないPETを使用した以外は実施例3と同様の操作によりフィルムを製造した。
【0057】
実施例および比較例における各フィルムの性質について、表3にまとめて示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】
本発明のポリエステルフィルムは、公知のポリエステルフィルムに於て高濃度のアンチモン含有量に起因する問題点やゲル状粒子等の発生を解決し、フィルム製造に於ける安定性が向上し、フィルム破断や欠陥発生が防止され、溶融ポリマーのろ過フィルターの寿命が向上し、製造時における端部の再利用が可能である。
Claims (21)
- 少なくとも1種の第1の安定剤を含有するポリエステルフィルムであって、当該安定剤が酸価分解防止能を有し、且つポリエステルのポリマー鎖に化学的に結合した状態で存在することを特徴とするポリエステルフィルム。
- 第1の安定剤が、ポリエステル合成の際に共重縮合してポリエステル中に化学的に結合し得るための2つ以上の官能基を有する請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 官能基がカルボキシル基および/またはエステル基である請求項2に記載のポリエステルフィルム。
- 第1の安定剤がポリエステル製造中に重縮合反応を行なう能力を有する2つ以上の官能器を有する請求項3に記載の二軸延伸フィルム。
- 第1の安定剤の含有量が、ポリエステルの重量を基準として100〜10000ppmである請求項1〜4の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- 第1の安定剤の含有量が、ポリエステルの重量を基準として150〜3000ppmである請求項1〜4の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- 第1の安定剤の含有量が、ポリエステルの重量を基準として200〜1000ppmである請求項1〜4の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- さらに、ポリエステルのポリマー鎖に結合していない第2の安定剤を含有する請求項1〜7の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- 第2の安定剤がチオエーテル又はジブチルジチオカルバミン酸亜鉛である請求項8に記載のポリエステルフィルム。
- 第1の安定剤が結合しているポリエステルの構成単位が、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、炭素数2〜8の脂肪族または脂環式ジオールから形成される請求項1〜9の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- 第1の安定剤が結合しているポリエステルの標準粘度(SV)が450〜1100である請求項1〜10の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- 第1の安定剤が結合しているポリエステルの標準粘度(SV)が700〜900である請求項1〜10の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はそれらの混合物である請求項1〜12の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルのアンチモン含有量が150ppm未満である請求項1〜13の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルのアンチモン含有量が50ppm未満である請求項1〜13の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルのアンチモン含有量が2ppm未満である請求項1〜13の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムが多層構造を有する請求項1〜16の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムが、ベース層B及び外層A成る3層ABА構造、またはベース層B、外層A及び外層Cから成る3層ABC構造を有する請求項17に記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムが、さらに耐ブロッキング剤、染料、白色顔料、着色顔料から選択される1つ以上の添加剤を有する請求項1〜18の何れかに記載のポリエステルフィルム。
- 請求項1〜19の何れかに記載のポリエステルフィルムの製造方法であって、(a)溶融ポリエステルを(共)押出して単層または多層溶融シートを得る工程と、(b)得られたシートを二軸延伸してフィルムを得る工程と、(c)得られたフィルムを熱固定する工程とから成るポリエステルフィルムの製造方法。
- 少なくとも1種の安定剤を含有するポリエステルであって、当該安定剤が酸価分解防止能を有し、且つポリエステルのポリマー鎖に化学的に結合した状態で存在することを特徴とするポリエステル。
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